大蔵委員会 第61号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1952/06/03
会議録
○委員長(平沼彌太郎君) それでは第六十回の大蔵委員会を開会いたします。 日本開発銀行法の一部を改正する法律案、右について質疑を行います。
○木村禧八郎君 今度この改正案によつてですね、政府からの何ですが、これが見返資金からの借入が規定してあるのですが、これはそのほかにはどういうところから……資金運用部なんか将来借入れ得る予定になつているんですか。この借入の問題について少し詳しく説明してもらいたいと思うのです。
○政府委員(河野通一君) 差当り今考えておりまするのは、今お示しのありましたように、見返資金からの借入ということを予定いたしております。そのほか資金運用部資金のほうからも開発銀行自体の金繰り、及び資金運用部資金自体の資金繰りの点から考えまして、可能であります限りにおいてはこれも予定いたして参りたい。今のところでは具体的に何億資金運用部資金から出すということを予定いたしておりません。今後の資金繰りの状況を見た上で、必要があれば出す、こういうつもりでございます。大体予想されます借入先は見返資金と資金運用部資金を予定いたしております。
○木村禧八郎君 それから、この開発銀行の二十七年度の資金運用計画の中で肩替り分はどのくらいあるか、新規貸付分はどのくらいという資料はございませんか。
○政府委員(福田久男君) お答えいたします。政府出資その他回牧金等で大体三百五十億程度の受入資金がございまして、二十七年度におきましてそのうち先般来お話の出ました電源開発株式会社への出資五十億円、それから肩替りとして一応只今のところ予定いたしておりますものは五十億、その両方で百億円になるわけであります。それで三百五十億円から百億円引きました二百億円のうち、二十億程度の繰越を予定いたしまして、残余が一般の産業に対する貸付金として予定されております。
○木村禧八郎君 そうすると二百五十億になるでしよう、二百億と言われましたが、百億を引きますと……。
○政府委員(福田久男君) 二百五十億円です。二十億円程度の繰越を予定いたしまして残りが貸付金というふうに予定されておるわけです。
○木村禧八郎君 そこに私、その開発銀行の運営方針として新規貸付よりもむしろ肩替りのほうに重点を置いて行くということを、目下この運用方針もそうなつているようですが、そうしますと肩替り五十億なんですね、二十七年度。とにかく開発銀行の一つの大きな狙いはその肩替りということにあるんでしよう。ウエイトが非常に小さいんですね、肩替りのウエイトが。これは前にも問題になつたと思うのですが、その今後の運営の方針としてはどういうふうな考えなんですか。
○政府委員(河野通一君) お示しのように開発銀行の使命は新規の開発資金の貸付と既存の開発資金の肩替りと、二つあるわけでございます。どちらにウエイトを置くかという点につきましては、資金量が十分でありますれば両方並行してやつて行くということが適当であろうと思うのでありますが、何分にも非常に大きな需要が一方に控えております。資金量に財政その他の関係からおのずから制限がある、そういつた場合におきましては先ず何よりも新規の開発資金の需要に対してできるだけ応じて行くというのがどうしても先になる。それで先ずそれに対して融資をやつて、なお且つ資金繰上余裕があればできるだけ肩替りのほうへ廻して行くということが少くとも目下における開発銀行の融資方針としてとらるべき基本的な考え方ではないかというふうに思うのであります。従いまして現在のように新規の開発資金に対する需要が非常に多く、且つ開発銀行自体の資金量が、必ずしも一〇〇%十分でないという場合におきましては、今申上げましたようなことで新規の貸出をやつて、なお且つ余裕がありました限りにおいて肩替りをやる、こういうふうな運用方針であつたと思うのであります。
○木村禧八郎君 それはおかしいですね。政府のこの金融政策というものはちつとも一貫していないのですね。実は開発銀行は今銀行局長の御説明と反対なんですね。この最初の使命は大体において肩替りということが主であつたと思うんです。余裕があつたら長期金融をする。私はそうじやないかと思うのです、それは両方ありますけれども、ウエイトはそうであるように前聞いたんです。そう説明されておりました。ですからこの長期金融政策に対する政府の一貫した構想がまだできていないと思うのですね。長期信用銀行というものも出て来るのですけれども、これから一体どういう方針で行くのか、そこのところがさつぱりわからないのです。今後はやはりこの開発銀行を中心にして長期金融というものをやつて行くのか、或いは又今度は長期信用銀行、そういうものを先ず中心にしてやつて行くのか、どうもそこのところがはつきりしないのです。これは長期信用銀行のときにも私は聞きたいと思つたのですが、この際一体政府は、その銀行法を出すということを、改正案を出すということをこれまで何回も言われたのですが、銀行法がまだ出て来ていないんです。まだね。この銀行によつて貸出制限のこういう問題で何回もぶつかつておるようでありますけれども、一体この銀行がまだ出て来ないうちに、こういう長期信用銀行というものが出て来る。又開発銀行においても今ウエイトの中心を開発に非常に置いておる。一体この銀行法の今度の改正法との関連において今後のその長期金融政策というものをどういう体系においてやつて行くか、その点どうも我々わからないのです。何だかそれがその場でその場で、或るときは肩替りに重点を置き、或るときは新規開発に重点を置く、その体系的な一つの構想がさつぱりわからないのですが、その点一つ説明して頂きたいのです。
○政府委員(河野通一君) 御見解の点はいろいろ私どもの考えと違う点があるかと思いますが、私は開発銀行法を改正し、或いは長期信用銀行制度を新らしく作つて頂きたいとお願い申上げております点は、少くとも一つの長期金融について一つの体系的な考え方を持つて進んでおるつもりであります。お話のように開発銀行は肩替りを、先ず既存の開発資金に対する肩替りを主としてやるのだということは、少くとも私の承知しております限りにおいては、そういうふうに説明をして新規の開発資金は従的にやるのだ、従属的な機能のものであるというふうな説明はいたしておらんと私は思うのであります。この点はたびたび少くとも私は一貫して先ほど申上げましたように、御説明を申上げて参つております。これは衆議院でも同じことを申上げて参つておるのでありますが、その点は何か誤解がおありになるのではないかと思います。その点は、私の承知しております限りにおきましては、先ほど私が申上げました通りに、一貫して答弁申上げております。 それから長期金融に対する一つの体系的な考え方、これは私どもといたしましては、開発銀行の受持つべき長期金融の分野と、長期信用銀行なりその他の長期金融機関の受持つべき分野とはおのずからそこに限界がはつきりしておるわけでありまして、長期金融銀行の受持つことは、民間の金融機関としてこれが長期金融に対する一つの大きな本筋になるもと考えております。而も資本が足りない、資本の蓄積が十分でない日本の現在の金融状態から見まして、政府機関たる開発銀行が民間の金融機関における長期金融を補完して行くということが当面どうしても必要である、そういう考え方から開発銀行の長期金融の部面というものは受持たれて参ると思うのであります。而も新規の長規金融に封ずる需要が御承知のように非常に大きい。電源開発にいたしましても或いは船にいたしましても、その他非常にこういつた方百面に重要な長期資金の需要が起つて参つております。これらに対しまして新規のものとして開発銀行は相当大きな寄與をいたして参らなければならん。而も先ほど申上げましたように、財政資金としては必ずしも無制限にこれをつけて参るということはできないのでありますから、そのいわば限られた資金量の中で先ず新らしい資金による需要を満たして、然る後に、おいて肩替りをやつて行くということがどうしても必要になつて来ると思います。これにつきましてはかねがね私からはたびたび申上げておるのでありますが、なお開発銀行から中山理事も来ておりますから、必要がございましたら補足的に説明を聞いて頂いて結構かと思います。
○参考人(中山素平君) 只今木村さんから開発銀行の運営方針に関連した御質問がございましたので、私からお答えいたします。この問題につきましては前々回の国会でございましたか、たしか木村さんから、御質問頂きまして、私お答えしたことがあるのでございますけれども、開発銀行といたしましては、今銀行局長がお話になりましたように、業務といたしまして新規の開発資金の貸付と返済資金の貸付、つまり肩替り、それからもう一つ私どもとしては非常に大きな仕事として考えておりますのは復興金融金庫の回収事務でございます。この三つにつきまして我々はどこにどつちが重点があるかというふうに分けておりません。いずれも同じような重点度で考えております。ただそこに資金量として多い少いが出て参りますのは、開発銀行が持つております資金量の問題と、それからもう一つは資金の需要の緊要度と申しますか、そういつたものから開きが出て来るのだと思うのであります。御承知のように、昨年五月に開発銀行が開業いたしましてから、たびたび御説明があつたと思いますが、自家発電とか、鉄鋼とか、石炭とか、いわゆる基礎産業の設備資金というものに相当の資金をつけて参りまして、本年度におきましてもその継続事業はかなりございます。額といたしまして大体百億近くのものが継続資金として出て来ることになります。その上に本年度政府金融機関としての開発銀行が資金をつけなければならない新らしい設備資金もかなりございます。従つて本年度我々が現在予想されております先ほどの三百五十億といつたような資金量を配分いたします場合に、どうしても継続事業その他新規の開発資金に相当部分が割かれます。従つてその残余のもので肩替りと申しますか、返済貸付をすることになるわけでございまして、その結果今御質問のような開発銀行が肩替りを軽視しておるのじやないかというような数字的な御質問が出るのでございます。もう一つ遡りまして、開発銀行設立のときに司令部のほうに一部開発銀行としては肩替り一本で行くべきじやないかという意見のあつたことは事実でございますが、日本政府としてはその考え方にむしろ反対でございまして、その結果開発資金という新規の貸付が入つて来たことは御承知の通りでございまして、そういつた経緯から見ましても、開発銀行の運営方針というものがいずれにも片寄つておるものでないということはおわかりだと思います。
○木村禧八郎君 それでわかつたのですが、前には占領下であつたために、我々の質問に対して司令部のそういう意向が反映されたかも知れないので、説明の仕方としては何だか肩替りに重点を置くというように我々聞いたのです、前に。それで肩替りに重点を置くというよりむしろ肩替りのほうにウエイトが少い、こういうような説明があつた。私は肩替りについていい悪いは別問題だ。肩替りが少いから大いにやれと、こういう意味で質問しておるのじやない。従来そういう説明があつたのにかかわらず、大いに肩替りに力を入れて行くというのに五十億程度、そこで今後或いは見返資金の回牧の借入金、或いは資金運用部資金の借入れ、こういうものによつて肩替りに大いに力を入れて行くのかどうか、こういうふうに思つたものですから、聞いたのです。今後の融資分というものは肩替りのほうに向けて行く方針なんですか、政府借入金は。
○参考人(中山素平君) 或いはこの前私のお答えが木村さんに誤解をお與えしたかも知れませんが、我々とすれば、先ほど申上げましたように、どちらに重点を置くという考え方ではございません。従つて肩替りが従来の成績から見ますと非常に額として小さいものでありますから、私どもは資金が殖えればもう少し肩替りをしたいというようなことは申上げたと思います。今後の政府借入金でございますが、これもまだ資金量その他がはつきりしておりません。私どももこれを全部肩替りに向けるとか、或いは全部開発資金に向けるとか、そういうことはちよつと今の場合お答えできませんのでございますが、やはり先ほど申上げましたように、資金のそのときどきのやはり需要と申しますか、そういつたものと睨み合せましてきめて行きたいと思つておりまして実は本年度もすでに肩替りを二十六億いたしました。これはどういう事情でいたしたかと申しますと、電力関係の設備資金の肩替りをいたしたのでございますが、御承知のように電力関係の民間金融機関からの資金の借入というものがかなり殖えて参りまして、従来は社債の前貸しと申しますか、将来発行いたします社債を引当にして市中銀行からかなり出ておりましたのですが、この限度が相当高く来ておりまして、従つてここで多少市中銀行の電力関係の融資を肩替りするということが今後の電力融資を民間において円滑にして行く上に必要と考えられましたので、この五十億と予想されております肩替りのうち本年度早々に二十六億肩替りしたわけでございまして、さような趣旨で今後も或いは政府かち借入金ができました場合にも適宜考えて行きたいと思つております。
○木村禧八郎君 今度の改正案によると債務保証業務も行えることになつて、従来の融資肩替りに加えてそういう何というのですか、若しそれが不良貸になつたような場合、悪い債権になつたような場合、その損失を政府が背負わなければならない、そういう範囲が拡大されて来ると思うのです。そこでこれまでの従来の復金の貸出の仕方について我々は質問し、資料を要求しておつたのですが、一応我々資料は提出して頂きましたが、これだけでは我々よくわかりません。特に第一次償却、第二次償却について資料を頂きましたが、この資料について一つ説明をして頂きたいのです。それで復金においては従来とかく噂があつたことは御承知の通りで、二回も、昭和二十三年と二十六年、二回に亘つて償却を行なつておる。而も開発銀行になつてから又償却を行なつておるのですが、大体金額が合計で九億になつておる。そこで我々としては個々別にどういう会社に対して償却を行なつたかを詳細に我々は検討する義務があると思うのですけれども、いろいろ事情を考慮すると、個々の会社については発表できないので、私もその間の事情も必ずしも無視できないと思いますので、一応個々の会社についての資料の提出は強く要求はいたしませんですが、一応業種別について大体資料を提出して頂く。併し昭和二十三年度の分については、これはもう随分前の償却でありますから、これはどうですか、個々の会社について発表しても差支えないのじやないですか。弊害はないのじやないですか、二十三年度について……。その点伺つておきたいのです。
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつとお諮りしますが、今債権内容の個々というお話がありまして、銀行の経営に、運営に影響があるような面があるかも知れません。無論これは政府当局の説明如何ですが、そういう場合に又お諮りしますが、秘密会にする必要があるかどうかということについてあとでお諮りしますが、大臣が見えましたからそれはあと廻しにして、大臣に対する質問に移つてよろしいですか。
○木村禧八郎君 それはいいですけれども、結末をつけて下さい、今質問をしているのですから……。この前の申合せではいろいろ事情があるからというので、個々については一応我々遠慮したんですが、併し二十三年度についてはもう非常に古いことです。二十六年についてはこれからまだ回收できるのに、そういうものを発表して回收困難になるということはよくないと思いますから、我々も一応それは遠慮します。併し弊害がないということがわかつた分については一応必要があるんじやないか。二十三年はもう相当古いのですから、殊に今後債務保証の範囲が拡大されたりなんかして、又開発銀行になると監査する機能は国会よりほかなくなつて来るのです、復金の場合と違つて。従つてどうしても我々はそういう責務があるわけでして、その実害があり、或いは相当弊害があるのを無理にここで何でも発表するのはこれはむちやなことです。そういうことを言つているのじやないのです。その点ちよつと若しか差支えなかつたならば二十三年度について、個々の分ですね、十四件ありますから、二十三年、これ発表して頂けないかと思います。
○政府委員(河野通一君) この点につきましてはこの前木村さんにもお答え申上げましたようなことで、回収上の問題もございますので、二十三年当時に償却をいたしたものにつきましても個々の会社につきましてはまだ結末がついていないものも相当あるのです。中には或いはすでに解散も、破産もしてしまつたというようなもので、申上げても差支えないものもあるかも知れません。併し相手に対する信用の問題もありましようし、いろいろ非常に例外的なはつきりしたものにつきましては或いは申上げてもいいかと思いますが、十四件につきましてすべてそのけりがついているとは申上げかねるわけです。或いは若しお許しを頂けますならば開発銀行の当事者がおりますから、そのほうから、どの程度のことを申上げて差支えないかということをここに一つ開発銀行のほうからお聞取りを願いたいと思います。
○木村禧八郎君 併しこれは実害があつてはいけないのであつて、その影響というものを考えながら行かなければならないわけですが、できるなら私は秘密会でもいいと思うのです。とにかく具体的に実際のことを聞きませんと、これまで或いは開発銀行が第二の復金になるのではないかとか、いろいろなことが言われますけれども、こういう点について我々がこれを検討しなければ意味ないと思う。この償却は結局国家の損失になるのですから、落した分は。併しまだ回收されるものもあるでしよう。併し最後にこれは回收されなければ、国民の税金によつて納めたこういうものは、支出したものが損失になるのであつて、それをどうしても我々いつもこれを検討できないということになると、これは非常に問題だと思う。これがしよつちゆうこういうところがはつきりしないからいけないのであつて、やはり差支えない範囲で、もうさつき言われた破産や何かしたというケースがあつたら、やはりはつきりした分については明らかにする義務があると思うのですが、どうでしようか。
○国務大臣(池田勇人君) お話の点はわかります。従いましてここで申上げてもいいような事例のものにつきましては申上げることにいたします。ただ十四件と申しましても一応銀行の帳簿では回收困難とか不能としておりましてもこれは大事なお金でございますから会社が不如意であつても今後取れないと限つたものではございません。従いましてもう発表しても差支えないという程度のものにつきましては、開発銀行に相談の上発表することにいたします。
○田村文吉君 今の問題は秘密会でもいいから御発表願うことにあとで……。
○木村禧八郎君 大臣が見えましたから大臣に対する質問をほかのかたにして頂くとして年度別、業種別の貸付金償却一覧表、これはあとで説明してもらいたいと思います。
○委員長(平沼彌太郎君) それではあとでお願いします。 それでは只今日本開発銀行法の一倍を改正する法律案を提案されていますが、長期信用銀行法案を一括して大古に対する質問をお願いします。
○田村文吉君 今の木村委員からお尋ねがありました問題に非常に関係しているのですが、将来のいわゆる重要産業の長期金融、而も巨額のものに対しては大蔵大臣としては開発銀行を利用してやらせるおつもりでいらつしやいますのか、それとも長期信用銀行を主としてやつて行くということですか。先ほど銀行局長の御説明ですとおのずからその間に区別ができるだろうというお話でございましたが、どういう大体見当で、御方針でいらつしやるのですか。
○国務大臣(池田勇人君) 両方を使つて行こうと思つています。従いまして只今でも我々の予想しております興業銀行と開発銀行と両建になつておるのですからああいうふうな恰好で行きたいと思つております。
○田村文吉君 この法案の中に民間の銀行では貸すことができない、民間の銀行では融資のできないもの、困難なものに対してやるということがこの法律に大体ある。そうすると、つまり金額が大き過ぎて民間ではできないという意味にとるか、或いは危険率が多いからととるのか、その辺おのずから区別があるという解釈はどういう点に、解釈をお持ちであるか。
○国務大臣(池田勇人君) その法案にありますのは開発銀行と思いますが、開発銀行のほうは資金量の問題もさることながらやはり危険率或いは特殊目的というような点もあるのであります。長期信用銀行につきましてはそういうことは余りなくて、主としてコンマーシヤル・ベースによつて長期金融をやつて行く、こういう考え方でございます。
○田村文吉君 そうすると、主とした区別は企業にかなりの危險率を持つておるが、国家としては開発する必要がある、こういう見地から開発銀行を利用する、こういうふうに解釈してよろしいですか。
○国務大臣(池田勇人君) その通りでございます。
○田村文吉君 次に現在でも見返資金から今年度は五百億でございますか、私企業に対する貸付金が出るわけであります。それと開発銀行の貸付とはその間にどういう区別をお持ちになつて行く方針でありますか。
○国務大臣(池田勇人君) 見返資金から出ます部分が、先般予算委員会等で御説明申上げましたように三百億の発電、百四十億の造船その他、中小企業並びにその他として四十億ばかりあつたと思います。こういうふうな状況でございます。開発銀行のほうは一応政府のほうでこういう方面が重要産業と思われるというので業種別に相当のものを挙げておるのであります。例えば重点産業的なもの、又日本の資材……何と申しますか生産拡充の原動力になるもの、こういうふうに大きく分けて個々の業態はきめておりません。即ち造船とか発電とかいうことでなしに業種別に相当挙げておるのであります。おのずからそこに今までと違いがあつたのでありまするが、見返資金のほうを開発銀行のほうへ廻しますというと、復金の回收金その他で又開発銀行で全産業につきまして重点的に運用して行く、こういうことに相成ると思います。
○田村文吉君 そうすると、おつしやる意味は将来は見返資金のものも全部開発銀行に成るべく振替えて行く、又振替えないでも今後資金の続く限りにおいては成るべくそういう開発銀行の手を通じて貸して行く、こういう御趣旨と解釈してよろしうございますか。
○国務大臣(池田勇人君) その通りでございます。復金の分も引継ぎますし、見返資金のほうも開発銀行のほうへ大体持つて行く考えでございます。
○田村文吉君 ついでに伺いますが、現在では見返資金からお貸付になる金利その他の貸付條件と、今の開発銀行の條件とでは大分違うのですか。
○国務大臣(池田勇人君) 見返資金のほうが七分五厘でございます。開発銀行は一割ちよつと超えておつたと思います。
○田村文吉君 電源の開発とか、或いは石炭とか、鉄鋼とかいう重要産業でありまする限りできるだけ金利の安いものがいいのでございますが、そこでわざわざ開発銀行を通さなくても見返資金で政府がそのまま貸して行くという方針がどういう点でいけないのでありますか、ちよつとお伺いいたします。
○国務大臣(池田勇人君) 私は開発銀行で総合的にお考え願つてやつたほうがいいのではないか。見返資金の制度というものは終戦後の特殊の状態でございますので、政府資金ということに変りはございません。私は一体として運用して行くのが適当であると考えております。
○田村文吉君 それから今の開発銀行の引継ぎました復金の七百八十七億でありますか、これに対して只今木村委員から御質問もございまして、若干の償却を毎年おやりになつておる。二十六年度においては五億二千万円の償却をおやりになつておる。私ども仄かに聞くところによりますと、相当にすでに全く回收不能に陷つているようなものが相当多額にあるように聞いておるのでありますが、この点につきまして、これは開発銀行の御当局でもよろしいのでございますが、そういう点についてはどういうお考えでありますか。
○参考人(中山素平君) いずれ後ほど木村さんの御質問に対してもお答えいたしますけれども、私どものほうで見ております回收不能というような額につきましては、実は前々その機会にお話申上げておると思うのでありますが、御承知のように長期の金融でございますと回收不能という判定を下しますのはなかなかむずかしい問題でございまして、特に終戦後のいろいろな経済状況の変化から見ますと中には怪我人もございますし、病人もございます。併しながら全部、殆んど全部のものが担保を取つて貸しておりますので、その後の価格の変動その他から見ますと担保を処分いたしますれば十分回收がつくというようなものもかなり多いのでございます。これは長期金融の場合には当然くつついて来る問題でございまして現在多少模様が悪いというものにつきましても私どもこれからせいぜい努力をいたしましてそういつた担保物件の処分その他につきましてそう大きな不良貸というものは出て来ないのじやないか。それから後ほど申上げますけれども、私ども償却をいたしましてもこれをそのまま捨ててはおりません。会計的に見ましても全部評価外会計というものに償却済債権を入れまして、償却後もなお回收を続けておりますので、償却いたしますれば全部回収不能だというふうにもお考え願わないほうがいいのじやないかと思うのでございます。
○田村文吉君 次に今度開発銀行の資本金を三百億円に増加されまして、それになお復金の回収金が、復金の債権が殆んど全部資本金に振替わるようなことに相成りますのですが、この開発銀行というものの資本金がちよつとなかなかわからない。幾らが一体資本金なのかというようなことがちよつとわからなく相成るのでございますが、これは復金の債権をそのまま資本金に送り込んでも一向差支えないのでありますが、もつとこれをはつきり資本金を幾らということにして、而もそれを法律できめるということが必要のように考えるのでありまするが、現在の、今度の法案及び昔の法律から見ますというと、そのまま予算が許す限りにおいて大蔵大臣の許可を得れば資本金が幾ちでも増加できる、そういうことになりますので、金額が非常に多額にもなる虞れもありますし、又これの貸倒れとか、その資金の用途を誤まるというようなことが起りますと、国民に非常な迷惑がかかるのでありまして、資本金をもつと明確にはつきりと表示する方法をとることはできなかつたのでありましようか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(河野通一君) 代つてお答え申上げます。この資本金の点は先ほどお話のように一般会計その他から入れますもの約三百億を加えて、復金に対する政府の出資を引継ぎましたものを資本金に振替えましたもの、合せまして千百五十二億ということが現在の法律で資本金になるわけでございます。これを千百五十二億と書けば実はいいわけなんでありますが、丁度切替りのときでありましたので一応その金額の明示をいたしませんで、こういう形で入つて来たものを資本金に振替える、こういう形ですべてのものを資本金にするということの合計が数字として出て参る、いずれ近いうちにこれらの條文は十分整理をいたさなければならんのでありますが、経過的に、今申しましたいろいろなルートから入つて参りました資金を合計いたしまして出資金がこうなるという規定をいたした次第であります。いずれはそうなると思います。
○田村文吉君 今の問題は丁度この前の輸出入銀行のときに同様な御意見があつたのでありますが、千百五十二億なら千百五十二億ということに、法律によつて資本金をきめるということにすることが政府として非常に御都合の悪い点があるのでありますか。
○政府委員(河野通一君) この点は実は銀出入銀行についての資本金の規定を当委員会で御修正になりましたので、それに合せる意味で日本開発銀行法の資本金の規定もああいうふうに直したのであります。実は当初輸出入銀行法と同じように簡単な規定になつておつたのでありますが、これをその輸出入銀行の規定に合せる意味でこういうふうに直したものであります。
○田村文吉君 それからこれは開発銀行の御当局に伺つて結構なんでありまするが、新らしく開店早々の貸出金に対する償却累計が四十七件で三億七千万円というものを計上されているようでありまするが、これは復金のほうのものと関係はないのでありますか。まだ店を開けたばかりで四十七件三億七千万円の償却ということは余りにこう常識的にちよつとおかしく感ずるのでありまするが、間違いありませんですか。
○参考人(中山素平君) 本年度二十六年度で償却いたしましたのは、開発銀行が開業いたしましてから融資いたしました開発資金の償却ではなくて、旧復金の承継債権の分でございます。 それからなぜ私どもが二十六年度にこうした償却をいたしましたかということを申上げます。
○田村文吉君 いや、そのほうがいいのですよ。ちよつと伺いますが、復金のほうが五億二千万円で、それから一般のものが四十七件三億七千万円と、こういう数字が出ているようですが、それは何か私のほうの見間違いでしようか。
○参考人(中山素平君) この開銀における償却という欄に入つておりますのは、つまり二十六年の三月末は開発銀行になつておりますものですから償却した債権の内容は復金の債権でございますけれども、開発銀行になつてからした償却分というふうに御解釈願えはいいのであります。前の分は復金時代の償却、それからあとの二十六年度の後半の分は開発銀行になつてからの償却分と、内容は先ほど申した通りであります。
○田村文吉君 大体わかりましたが、ただ御説明にはいずれも二十六年度分と書いてある。そうするとちよつとこれは新規の分だし、前の五億のほうが古い分だと、こう私ども呑込むのですが……。
○参考人(中山素平君) これは私どもが調整いたしました表が多少おわかりにくかつたと存じますが、二十六年度、つまり本年の一月十六日に私ども復興金融金庫を承継いたしたのでありますが、その承継前二十六年度中に復金で償却した分なんでございます。それからあとのほうは開発銀行になりましてから二十六年度の決算で開発銀行が償却した分、そういうふうに御解釈願いたいと思います。
○田村文吉君 御承知の通りいずれにいたしましても国民の血税から出ておりまする金でございまするのでこういうものの……、私の銀行でございますると、在来は貸倒れ等が出まして大きな欠損を銀行に與えれば頭取以下取締役が連帶して責任をとるというふうに、過去においては非常に銀行業者というものは非常に責任感の強いものであつた。そこでこういうような貸倒れ等が過去の復金におきましても非常に大きなまあ問題が出たのでありまするが、今後の開発銀行の監督行政上の上から言つてこういう間違いを起した場合はどういうようなふうに責任をおとらせになるような仕組ができておりますか、その点について銀行局長から一つ御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(河野通一君) 御質問の点は国民の租税から集まつて参りました資金をもとにして運用される大事な資金を運用いたしておりまする開発銀行の使命に鑑みましてそれが非常に国民の負担に、結局それを加重するような結果になつた場合に責任をどうするかということであると思いますが、開発銀行といたしましては十分銀行業務としての立場から終局において国民にできるだけ負担をかけないような方法で運用されることが望ましいと思うのであります。そういつた場合に、将来非常に大きな欠損を生じたという場合に一体どういう責任をとらせる仕組になつているかということにつきましては、これは大蔵省としても大蔵大臣の監督の下にある政府機関でありますので常時この点は普通の金融機関以上に密接な監督点検の立場にありますので、そういうことが万ないように十分注意して参りたいと思いますので、そういうことが起つた場合は一体どうするかという点につきましては今現在のところ私どもまだ考えておりませんが、その事態の進行に応じまして必要なる責任は勿論政府も開発銀行もとらなきやならん。具体的にそれじや総裁をやめさせるかどうかということにつきましては、そのときの事態に応じて考えて参らなければならんと思います。
○田村文吉君 最後に開発銀行の御当局に伺いますが、今の三億七千万円は過去における復金の分を二十六年度の開発銀行開業後に継承したものであるという御説明でございましたが、すでに開発銀行を御開業になつてから以後において不良の貸付等は私ないと申上げたいと存ずるのでありまするが、なお念のためにそういう点について実際どういうふうにやつておられましようか、御失態と言つちや悪いが、そういう点はありませんか。
○参考人(中山素平君) 昨年の五月に開業いたしましてからまだ日もないのでございますが、私どもといたしましても旧復金時代の政府金融のいろんな経験というようなものも十分参考にいたしまして愼重な貸付をいたしておりますので勿論只今までのところ御質問のような融資は出ておりません。
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつとお諮りしますが、委員外議員中川君から発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平沼彌太郎君) それでは中川君。
○委員外議員(中川以良君) 私は先般通商産業委員会と本委員会との連合委員会におきまして只今上程されておりまする日本開発銀行法の一部改正に関しまして大蔵大臣に御質問申上げたいと存じておつたのでありまするが、遺憾ながら当日は大蔵大臣も銀行局長も御出席なく誠に失望を感じたのであります。その際御質問を申上げましたけれども一切要領を得ておりませんので本日特に委員長のお許しを得まして委員外発言を求めた次第でございます。 ここで大蔵大臣にお伺いをいたしたいのでございまするが、今回のこの改正によつて米国対日援助見返資金特別会計からの私企業に対する貸付の債権を日本開発銀行に継承をされることに相成つておるのでございまするが、これが約総額で一千億のように承わつておるのでありまするが、このうち中小企業に従来出しておりましたものが約三十二億と承わつたのでありまするが、一応この数字は確認をされてよろしいのでございましようか、承わりたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 大体三月末で三十億程度ではなかつたかと思います。先ほど申上げましたように見返りのほうから中小企業の枠としてとつておるのでありまするが、最近は余りはかばかしく出ていないような状況でございます。三十億程度と記憶いたします。
○委員外議員(中川以良君) 三十億とお答えございましたが、見返資金の中小企業に出しておりまする従来の未貸付金というものは私は相当の額に上つておると思います。これも恐らく三十億円ぐらいあるのではないかと存じまするが、その点はどうで、ございましようか。
○国務大臣(池田勇人君) 御承知の通り一昨年から始めまして当座は月一億、三カ月三億という、それをその後殖やしましたが初めのほうは申出が多かつたのですが、併しこの頃になつて少しく余りはかはがしくないので予定ほどは出ていない。従いまして今幾ら残つておりますか……二十五年度におきましても、二十六年度におきましても、私の予定したほどは出ておりません。やはり二、三十億残つておるのではないかと思います。併しこれは情勢によりまして或る程度殖やし得る金がないから貸せなかつたという理由はないのであります。
○委員外議員(中川以良君) 更に二十七年度に見返資金から中小企業に出される予定の額はどのくらいでございましようか。
○国務大臣(池田勇人君) 大体二十億くらいではなかろうかと思います。
○委員外議員(中川以良君) そういたしますると、開発銀行に引継がれましたところの三十億余の貸付金に対しましては、毎年これのいわゆる回收があると思うのでありますが、大体どのくらいの額を一カ年に見込んでおられまするか。
○国務大臣(池田勇人君) 四、五億乃至五、六億じやないかと思います。
○委員外議員(中川以良君) そういたしますると、開発銀行が、要するに中小企業分といたしまして見返資金勘定から受継いでおりまする、いわゆる今後の使い得る金というものを概算をして見ますると、只今の一カ年に約四億回収されまする分と、それから従来の未貸付の分が約三十億、更に本年度、二十七年度に予定されますものが二十億円、合計五十四億円くらいが一応充当される、かようにみなして差支えございませんでしようか。
○政府委員(河野通一君) 代つてお答え申上げます。 先ほど大蔵大臣から未貸付分三十億と申上げたのは、今年度の運用計画としての二十億が含まれております。それと大体合せて三十億程度と申上げたのであります。と申しますのは、年度二十億入れておりますのは、去年から組んでおりました予算の額に達しなかつたものを今年度に繰越しまして、新たに二十億計上したわけであります。それと合せて三十億、従いまして未貸付が三十億で、その上に二十億加えてあるというわけではございません。そういうふうに御了解願いたいと思います。
○委員外議員(中川以良君) そうすると、三十億と、一応回收したものを中小企業に充当をされると仮定いたしまするなら三十四億、かようにみなしてよろしうございすか。そこでなお承わりたいのは、先年復金もやはり同様の中小企業に貸付けておりまする金も引継がれたのでありますが、これが先般伺つたところでは九十億円というふうに承わつておるのでありまするが、それで差支えございませんでしようか。
○政府委員(河野通一君) さようでございます。
○委員外議員(中川以良君) そういたしますると、一応開発銀行といたしましては、今の九十六億円に三十四億円を加えました百三十億というものは、大体中小企業に充当されるものと、かように解釈をされると思うのであります。そこで私が特に承わりたいのは、これらの中小企業に出しておりました金の回収をされましたもの、例えば復金の、これは九十六億円の中にはこれから回收されるのを見なくちやいけませんが、それはどのくらいでございましようか。
○政府委員(河野通一君) 大体十億程度と考えております、これは二十七年度においてですが……。
○委員外議員(中川以良君) そうすると、今の私の計算は間違つたのでありますが、十億といたしますると、合計四十四億というものが一応見込まれると思います。そういたしますると、開、発銀行といたしまして中小企業に貸付けておつたものは、一応これが回收をされた暁には再び中小企業に還元をされるというような一応原則を持つておられるかどうか。或いはこれらのものが開発銀行の本来の使命の下に、大企業にのみこれらのものが今度は流れて行くかという点が私ども非常に疑問になつてならないのでございまするが、その点御方針を大蔵大臣として御言明を頂きたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) これは厄介な問題でございます。(笑声)私は開発銀行の使命からと申しますか、得てして大企業のほうに行きたがるのではないかという気持を持つておるのであります。従いまして今ここでの答弁といたしましては、これだけの中小企業にすでに貸付けたもの、又貸付を予定しているものにつきましては、当座は開発銀行でやつて行つてもらうようにいたしたいと思いまするが、今後の問題としては、商工中金なり或いは農林中金なり、或いはその他の適当な金融機関でやつてもらうほうが適当ではないか、こういう気持を持つているわけであります。御承知の通り、この見返資金においてやりました復金自体は別でございますが、見返資金で金を積んでお呈してもなかなか出にくい、それならば出やすいほうに持つて行つたほうがいいじやないか、こういう気がいたしておりますの外れ当座は開発銀行に引継いで、中小企業との関係がございますから、これは続けて参りまするが、新規の貸付については、私は商工中金等でやつて行くのが適当じやないか、こういうふうな考えを持つているのであります。
○委員外議員(中川以良君) なお念のためにお伺いをいたしたいのでありまするが、そうすると中小企業に出しておつた見返資金並びに復金の融資というものが回收をされた曉には、一応原則として再びこれを中小企業に還元をする、かようなお考えの下に今後この資金運用をされる、かような大蔵大臣のお考えに間違いございませんでしようか。
○国務大臣(池田勇人君) 回收されたお金を再び貸付けるのみならず、それよりもうんと大きい金を貸したいというふうに考えております。(笑声)
○委員外議員(中川以良君) 非常にはつきりした御答弁を頂きまして私は、通産委員会でこの点を皆が心配しておりました点が非常に晴々しくなつたように思うので、殊に中小企業が今日の日本の産業の大きな部門を占めております際に、今の大蔵大臣の御発言は極めて適切なる御発言と(笑声)私は感謝をいたしております。そこで開発銀行の中に当座といたしまして何かやはり中小企業に対する部門をお設けにならなければ、私はむずかしいのじやないかと思うのでありまするが、この点は大蔵省としても何かお考えが……中山理事とされましてどういうふうにそこらの点を御処理になるか、そういうような機関は開発銀行の中に設ける必要はないとお考えか、或いはそういう機関を設けて中小企業を大いに重要視されるというお考えでありましようか、どうでしようか。
○政府委員(河野通一君) 開発銀行は、御承知の通り復金を引継ぎましてから中小企業専門の専門家をたくさん持つております。従いまして中小企業の金融を今後やつて参りますにつきましても、そう能力上支障はないと思います。ただその場合に、特別の部を設けるか設けないかということは、むしろこれは末の問題になると思いますので、開発銀行自体でやるのが一番その目的に適合するような機構を考えればいい、或いは特別の部を設けろということを指示する必要はないかと思いますので、なお開発銀行の中山理事もおりますので、お聞き願いたいと思います。
○参考人(中山素平君) 開発銀行のほうといたしましては、先般総裁がここで銀行の考え方というものを申上げましたので、私からもう重ねて申上げませんが、今御質問の点でございますが、銀行局長は、開発銀行は中小企業の専門家が雲のようにおるから支障ないという、非常にお褒めの言葉を頂いておりますのですが、若し私どもが中小金融を今後やつて行くという上には、業務の体制といたしましてはかなり考えなければならんものが多いと思うのでございます。或いはこれは私の個人の意見でございますが、御質問のような専門の部が必要になつて来るかも知れませんし、或いは地方の機構等につきましても私どものほうは只今大阪と、それからこの六月の二日から名古屋と、福岡と、この三支店しか持つておりませんので、地方機構等の若し中小金融を担当する場合には、かなり拡充しなければならないいろいろな機構上の問題があると思いますが、ここではつきりどうこうするということは申上げかねると思います。
○野溝勝君 中山さんの御答弁が私は開発銀行の今までの性格ではなかつたかと思うのです。私もそういうふうに拝聴しております。今池田大蔵大臣の答弁によりまするというと、これは誠に私どもの要求と言いますか、期待したような御答弁で、私どもは非常に喜んでいるのですが、最初開発銀行の法案が出た当時における私の質問に対しては、大体重要産業を対象にしているという御答弁でありました。今中山理事の運営の構想におきましても、私はその方針が一貫されていると思うのです。そこで、たまたま河野銀行局長は、中小企業に対する専門家がうようよしているというようなお話でありますが、かような一貫しない御答弁だというと、私どもは非常な不安を感ずる。で、いま一応大蔵大臣からこの点に関する前の方針と、構想の変ろうとする違いをこの際お聞きしておきたいと、こう思つております。
○国務大臣(池田勇人君) 御承知の通りに、復金時代の債権を引継ぎまして、復金時代には大産業のみならず中小企業までも握つておつたのであります。そこへもつていつて、お話のような日本の開発を目的とする、主として大産業を相手にしやすいような銀行ができたのでありまするから、そこにちぐはぐが起つて来ているのであります。で、私が先ほど申上げましたように、このちぐはぐをどうするか、開発銀行にも中小企業のことをやらすか、やらさんか、こういう問題もあるわけなんです。そこで、私は当座の間は復金時代の経験者もおられることでございまするから、これを続けて行こう。併し今後開発銀行が、大産業のみならず中小企業に対しましても、日本経済開発の役目を持つて行くかどうかという問題については、先ほどお答えした通りに、他の国民金融公庫或いは商工中金、農林中金がございまするが、こういう方面にもつて行つてやらしたほうがいいのではないか、こういう考えを持つているのであります。従いまして開発銀行の将来のあり方につきましては、中小企業部門についてはもつと研究をしたい、当座は続けて行かなければならん、こう考えているのであります。人の有能なかたが多い少いというのは程度問題でありまして、(笑声)今までのコネクシヨンをこのまま続けて行つて差支えない、こういう気持と御了承願いたいと思います。
○小林政夫君 その点については私も前回総裁等にも質問したのですが、どうしても開発銀行でやることになれば、本来の開発銀行の融資、その点から言つても今大蔵大臣の言われたことと同じような意味において、どうしても中川議員は念を押されたけれども、中小企業の融資の枠というものは減らさざるを得ないのじやないか。どうしても確保できないと私は考える。それから中小企業の融資の問題では、開発銀行の目的に掲げてあるように、一般の金融機関ではやりにくいという点については同じではありますが、併し設備資金に限定をされることは困るので、やはり遺伝資金についても相当長期の運転資金を要するわけで、こういう点についても併せて日本の中小企業融資の場合には考えなければ現在の中小企業の金詰りという問題が解決できないし、先般私は銀行局長にも、この開発銀行で中小企業融資を扱うならば、中小企業についてはこの限りではないというふうに、設備融資に限らないという修正を考えるべきじやないかという意見も言つたのでありまして、大蔵大臣の、当分は日本開発銀行で一応やるけれども、後、別の方法を考えるという御意見については、非常に賛成なのであります。賛成でありますが、その際には是非今の運転資金も、同時に一般の金融機関に乗らない、金融ベースに乗らない運転資金についても、併せて設備資金と同時に考えられる方法を御考究願いたいのであります。 それからこの中小企業、これは言わんでも十分御了承のことと思いますが、中小企業金融を開発銀行で扱うことになれば、先般中山理事の言われたように、やはりほうぼうへ支店等を開設しなければならないし、開発銀行の資金コストを高めることにもなりますので、どうしてもこれは切離してお考えになつたほうが、本来の開発銀行、融資の対象となるべき産業の資金コストを高めないというような意味においてもいいのじやないか。全然分離した、別土台で考えるべきだというふうに考えるのですが、重ねて……。
○国務大臣(池田勇人君) 大体同感でございますが、今見返資金でやつておりますのも実は大事だし、各地方銀行を通じての申込み、経費の節約はそうやつてできますが、やはり本来の考え方から言いますと、小林君の言うような私は意見が有力じやないかと思つております。中小企業の問題について附加えますが、私といたしましてはできるだけ中小企業のほうに政府資金を廻すように……。先般の百五十億のうちで、銀行に廻しました九十億というのは、これは六カ月拂いの納税資金の肩替り、こういうのでやつておりまするが、相互銀行、或いは信用金庫、或いは商工中金では、今回は六十億も出しまして相当長い眼でやつて行こう、いろいろな方法で中小企業のほうは考えておるのでございます。今後におきましても、商工中金の債券の引受け、又国民金融公庫への一般財源からの出資、資金運用部からの借入等につきましては、十分考慮して行きたいというふうに考えております。
○委員外議員(中川以良君) 私も今小林君のおつしやつた通りに、見返資金の中小企業に対する融資が十分に消化されてないと、こういうところはつきり長期のいわゆる設備資金に消化してでも、長期の運転資金にはこれが許されないというところに、私は非常に今日までネックがあつたように思うのであります。これは従来は司令部がございまして、司令部のこれに対する認識が十分でなかつたように思うのでありまするが、今日は日本が真に自立を取戻したのでありまするから、大蔵大臣の御権限によつて、是非この中小企業の長期の運転資金をこの見返資金からお出しを頂くようにお取計らいを願いたいということを特に私は要望をいたします次第でございます。 それから今お話のございました中小企業関係に、先般来政府資金が各金融機関に預託、預金して、預入れをされて、大変従来より活発に中小企業の金融に対して御配慮を頂いている点は、誠に私どもも敬意を表しておるところでございまするが、併し何と申しましても長期のやはり資金がなければ、中小企業も十分なる今日の合理化その他中小企業の振興は図ることができないのでございますので、資金運用部資金の中から直接貸出ができるという方途をやはりこの際に講ずべきであると私は思うのであります。この問題は、今日の資金運用部資金法によりますると、貸付は開発銀行、国民金融公庫、或いは輸出入銀行等に限られておりまするが、これへ更に農林中金、商工中金を当然加えられるべきであろうと思うのでありまするが、この点どういうふうに大蔵大臣はお考えか。これに対しましては、商工中金には、それは商工債券を引受けておるからいいというような御答弁があろうかと思うのでありまするが、商工債券の引受けにいたしましても、割引債券は引受けをするとおつしやりながら、今日なお引受けが実際においては行われておらないような実情であります。この点是非一つ認識を新たにされまして、この資金運用部資金法の一部を改正しても、直接農林中金、或いは商工中金に貸付ができるようにお取計らいを願いたいと思うのであります。特にこの際私は伺いらいのは、仄聞をいたしまするに、先般の閣議の席上において廣川農林大臣よりこの問題が取上げられまして、農林中金に是非直接貸出をすべきである、殊に麦の統制撤廃のこの機会にこれを断行すべしという強い御主張があつて閣議においてこれが了承されたように伺つているのでありますが、若しも農林中金にこれが許されるならば、私は当然商工中金にも同様なことが配慮さるべきだろうと思うのであります。何となれば、農林関係の、或いは農産物の加工その他等はことごとく商工中金の傘下にある者がやつているのでありまして、さような片手落の御処置がとられないように私は願うのでありまするが、この間の事情等も併せて大臣の御説明を伺いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 国庫金と資金運用部の金とは性質が違いまするので、資金運用部の運用につきましては農林中金の債券、或いは商工中金の債券を引受けております。幸いに今商工中金の債劵は相当売れております。強いて割引債券を引受けなくても支障はございません。それから国庫金の運用でございまするが、これは商工中金にも農林中金にも預け得るのであります。従いまして商工中金には、先般の十日ほど前の預金につきましても、一週間くらい前の預金につきましても、十億円商工中金に預金をしております。農林中金はまだいたしておりません。これは百五十億の政府の指定預金以外に別にとりまして、麦の買入とか、或いは肥料の問題が片付きまして金額が確定して農林中金に預けることにいたしているわけでございます。従いまして別に商工中金と農林中金を継子扱いにするという考えは毛頭ないので、両方とも適当に行くようにやつているのであります。資金運用部の引受は両方債券をやる。それから政府資金の預託も事情によりまして商工中金に十億円を先ず出す。今商工中金のほうには相当出ていると思います。三十八億だそうであります。それほど出ております。農林中金は今出ておりませんが、今度麦とか肥料の問題が片付きましたら百五十億の別枠に出すつもりでおります。
○委員外議員(中川以良君) 資金運用部資金からの直接の貸付という問題については、今御答弁になつておりませんが、その点を……。
○国務大臣(池田勇人君) これは債券の引受で貸付と同じ効果を現わすようにいたしております。
○委員外議員(中川以良君) 農林中金のほうには資金運用部資金から直接貸付をするというような議が諮られたようでございまするが、この点はどうでございましようか。
○国務大臣(池田勇人君) 資金運用部から直接にということは私は聞いておりませんが、それは今の政府資金を貸してくれ、預けてくれ、こういう意味と心得ております。
○委員外議員(中川以良君) そうすると、廣川農林大臣の主張せられたというのは、その点が誤り伝えられたのでございましようか。
○国務大臣(池田勇人君) 私ははつきりした記憶はございませんが、得てして資金運用部資金も、それから政府の預託金も同じように政府資金とお考えになるのでそういう誤解があつたのじやないかと思いまするが、廣川君がそういうことを主張いたしましたどうかか、記憶はございませんが、とにかく麦とか肥料については或る程度政府資金を出してくれ、それはよかろう、こういうことは言つております。
○委員外議員(中川以良君) 私は今の債券の引受でなくて、やはり開発銀行に出されているように、資金運用部資金法を一部改正してでも、一つ農林中金なり商工中金に直接長期に安心した資金が貸付ができるように将来是非御配慮頂きたいことを一応要望いたしておきます。 それからなおこの機会にもう一点承わりたいことは、閉鎖機関の余裕金でございまするが、これが相当額日本銀行に眠つているように承わつておりまするが、これはいずれも産業資金があそこに死蔵をされているというようなことでございますので、これを再びやはり閉鎖機関の整理のつくまではその期間だけでも産業資金に融資をすべきではないかと思いまするが、最近幾らか行われておりまするようでございまするが、この辺の事情はどういうふうになつておりまするか。将来大蔵大臣はこれの活用について十分なお考えを頂けるのでありましようか、どうでしようか。
○国務大臣(池田勇人君) 閉鎖機関の金が百億ほどございます。食糧証券を抱いておつたと聞いておりまするが、最近これを一部の銀行に預けているやに承知しているのであります。御承知の通り閉鎖機関の金は清算人がその責任においてやるのでございまして、大蔵大臣がとやこう清算人に命令するということは如何かと思います。又資金の性質上、これを一般の政府資金のように全国の銀行とか、或いは二百の信用金庫とか或いは七十の相互銀行に預ける、こう全部の金融機関に分けて預けるというわけにも行きません。私はこの閉鎖機関の百億の金が食糧証券なり、或いは一部の銀行に預けられることは適当だと思いまするが、政府資金を一般の金融機関に預託するように、何百の口数に分けるというようなことを清算人に命令するわけには行かんと思います。これは考えようでございまして、閉鎖機関の清算人が食糧証劵を持つておろうが、或いは銀行預金をしようが、やはり同じことなんで、日銀が持つ食糧証劵の問題、預金部の持つ食糧証券の額の問題、こういうものとの兼ね合いでございまして、私は強いてこれをどうせいこうせいという問題ではないと考えております。
○委員長(平沼彌太郎君) 長期信用銀行法案についての御質疑がございましたら……。
○小林政夫君 銀行局長にお伺いしますが、この開発銀行法の第三十九條で、会計検査院の検査は一応「開発銀行からその業務の委託を受けた銀行」を、今度の改正で「その他の金融機関」というふうに、範囲を「その他の金融機関」まで拡げるということでありますが、開発銀行の融資を受けた融資先については会計検査院は検査できないということですか、反面解釈は。
○政府委員(福田久男君) 会計検査院の検査の規定でありますが、「銀行その他の金融機関」と拡げましたのは、委託を受ける委託先の金融機関の範囲を他の條文において拡げたためであります。それから会計検査院の検査をいたします相手方は、委託を受けた金融機関におきましては開発銀行の一種の手足として動いているという意味合いにおきまして、開発銀行に対する会計検査院の検査がそこまで及ぶという趣旨で設けられたわけでございます。他方融資先では金を貸したという関係だけで、政府機関そのものに対する検査権をそこまで及ぼすことは少し行過ぎではないかというふうに考えられますので、規定上も勿論会計検査院は融資先の検査ということはできないということになつております。
○委員長(平沼彌太郎君) この両案に対する大蔵大臣に対する質疑は大体終了したものとして差支えございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平沼彌太郎君) それでは午前の委員会はこれを以て休憩いたします。 午後零時十九分休憩 —————・————— 午後二時三十一分開会
○委員長(平沼彌太郎君) 大蔵委員会を再開いたします。長期信用銀行法案について衆議院で修正された案が回付されておりますので、この法案の政府当局の説明を聞くことにいたします。
○政府委員(大月高君) この修正案は衆議院におきまして、共産党及び社会党第二十三控室を除く各派共同修正案といたしまして、小山委員から御説明があつたところでございますが、便宜私から代つて御説明申上げます。 修正の要点は二つございまして第一点は農林中央金庫が所属団体のために債務保証をすることができるという点であります。御承知のように農林金融の季節性という点から申しまして資金が枯渇いたします時期におきましては、例えば肥料を購入するとか、或いは水産資材を購入するとか、そういう場合におきましてこの農林中央金庫が系統団体の資金需要を充足し得ない場合がございますので、この金庫の保証によつて系統団体が他の金融機関から融資を受ける道を開いておく必要があるわけであります。又債務保証が認められるということになりますと、業者である系統団体が食糧庁から拂下げを受けます配給米等につきまして、その拂下貸金を延納いたしますような場合に、農林中央金庫がこの延納について保証するというようなこともできるわけであります。で、資金の枯渇期における資金量の不足を補う上に極めて重要な機能を営むということがこの保証を求めようという趣旨でございます。 次に修正の第二点は、農林中央金庫が主務大臣の認可を受けまして、国、公共団体、又は銀行その他の金融機関の業務の一部を代理することができるといたした点であります。この規定に基きまして、この中央金庫が日本銀行の代理店となつて国庫金の出納、それから国債に関する事務を取扱つたり、或いは地方公共団体の金庫事務を取扱う、こういうことによりまして農漁村を対象とする所属団体に対しまして納税、それから国債事務の取扱い、地方公共団体の公金の出納、そういう方面におきまして大きな利便を與えることとなるわけであります。それから先般農地証券の買上償還、或いは漁業権証券の資金化等に際しまして痛感せられました不合理も解消することとなるわけでありまして、或いは又半面系統団体の信用の向上、或いは貯蓄増強にも資することができる、こういう趣旨でございます。この類似の規定は現に商工組合中央金庫にもございまして、それと歩調を合わす意味もあるわけでございます。これが今般の衆議院における修正の二つの重要な点でございます。
○田村文吉君 別に政府で修正されたわけではないので、衆議院で修正されたのですから、とやかく政府に伺うのもおかしいのですが、何だか法律の体裁形式の上から言つてこんなところでそういう問題をきめることが一体適当なんですかね。
○政府委員(河野通一君) 政府として実はそれは提案申上げておらないので答弁もむずかしいのでありますが、衆議院で今お話申上げましたように共産党及び一部会派を除く全会派で修正ということになつておりますので、私どもはここで意見を申上げることは差控えさせて頂きたいと思います。
○田村文吉君 大蔵関係で大分こういうような前例はたくさんありますか。
○政府委員(河野通一君) これに類するような前例は余り実はないかと存じますが、ただこの場合にはこの法律の附則で直しましても直つた以上はもう農林中央金庫法自体の中に入るわけでありますから、條文をいろいろ御覧願うについては別に支障はない。ただ直し方が、手続が適当であるかどうかということについては私から御意見を申上げることは控えたいと思います。
○田村文吉君 わかりました。
○小林政夫君 その農林中金法の第十三條の第九号ですか、「主務大臣ノ認可ヲ受ケ国、公共団体又ハ銀行基ノ他ノ金融機関ノ業務ノ一部ヲ代理スルコト」とありますが、農林中央金庫所属の農協等が公共団体預金の受入等について大分摩擦を起しているので、そういうことはさつきの大月君の説明の中にもありましたが、県等、地方公共団体の指定金庫にしようということが改正者の意図に含まれておるかどうか。
○政府委員(大月高君) この條文から申しますとやはり得ることになると思います。
○大矢半次郎君 長期信用銀行法が成立いたしますというと、先ず第一に考えられるのは現在の興業銀行なんですが、これに変つて行くのではなかろうかと思いますが、この長期信用銀行法案の第六條に規定しておる業務の範囲と、現に興業銀行が営んでおる業務の範囲とがどういう点において異同が生じて来るか、御説明願いたい。
○政府委員(大月高君) この第六條によります長期信用銀行の業務と現在日本興業銀行が営んでおります業務との主要な差異は、この第一号と第三号にあると存じます。第一号におきましては、「設備資金又は長期運転資金に関する貸付、」云々ということでございまして、長期資金に限つておるわけであります。そうして短期資金に関しましてはこの第二百項によりまして「受け入れた預金及びこれに準ずるものの合計金額」というように限定がございます。興業銀行の現在の営業方針といたしましては精神的にはこれと同じことでございますが、併し短期金融の面におきましては必ずしも預金及びこれに準ずるものの合計額ということを目安としてやつておるわけではございません。従つて現在のところ若干整理を要する預金があるかと存じます。この処置につきましては長期信用銀行法の施行までにまだ若干の時間もございますし、施行になりましても一年以内に整理を要するということであります。それから金額も殆んど問題にならないわけでございますので、さして支障はないかと存じております。それから預金の受入面におきましても、現在におきましては店舗も少うございますし、営業方針として積極的な預金吸收をやつておりません。併しこの規定から申しまして、若干外れておる預金も現実にはございます。金額は多くございません。従いましてその面の預金の受入を若干制約する必要も起きるかと存じますが、これも経過規定がございますので、実際の移り変りには差支えがないものと存じております。
○大矢半次郎君 そういたしまするというと、結局資金の運用面においても設備資金又は長期運転資金を主とすることになるからして、短期の運転資金の貸付のようなものは相当制約を受ける、それから預金の受入についても制約を受けるといたしまするというと、この法律制定によつて何が特に興業銀行が仕事をやりよくなる、或いは何かの方法で資金を獲得しやすくなるという面はあるのでございますか。
○政府委員(大月高君) 興業銀行自体といたしましては、必ずしも具体的にどうという問題はないと思いますが、ただ制度自体といたしまして、こういう制度がはつきりいたしますれば、預金部資金による金融債の引受けという点につきましても、新らしい長期信用銀行として特別に積極的な引受ということもできる。それからこういうように銀行の性格といたしまして一般の商業銀行と競争しないのであるということが法的に確立いたしますれば、一般の普通銀行との間もますます円滑になるというようなことが期待されるわけでございまして、制度を確立することによつて、現在興業銀行としてもそういう精神ではやつておるわけでありますが、法律的に制限があるわけではございません。性格としてはいつでも変り得るわけでございます。それをはつきりいたしました性格を以て長期の融資というものに専念し得る態勢をとる、そういう意味において全体としての制度といたしまして長期資金の確保に奇與する、こういうことだと思います。
○大矢半次郎君 資金運用部資金の金融債の引受けについては一定の枠がはめ込まれておつて、現在でもその枠の範囲内においては十分それを利用しておると思うのでありますが、将来長期信用銀行を育成をして行く上において、あの資金運用部の資金の金融債引受の枠を緩和するというようなお考えでもあるのですか。
○政府委員(河野通一君) この問題は先般大矢さんの御質問にお答え申上げたいと思うのですが、資金運用部の資金による金融債の引受につきましては、現在お話のように非常に厳重な制限がございますが、これを全部一挙に取拂つてしまつて無制限にするのがいいか悪いか、この点については十分考えなければならんと思いますが、いずれにいたしましても現在の非常にリジツトな制限方式は何らかの意味において緩和いたして参りたい、かように考えておる次第であります。これは御承知の通り法律で実ははつきり書いてございますので、適当な時期に国会のほうに御審議をお願いしたいというふうに考えておる次第であります。まだ具体的にどこをどうしようということまできまつておりませんが、今の非常に厳重な制限は或る程度緩和したい、かように考えております。
○大矢半次郎君 貸付のほうで短期資金の貸付は相当制限しておりますが、私は実際長期信用銀行の将来の運営上果してこういうふうに厳重な制限をすることがいいかどうかということは一つの問題だろうと思う。それは経済界が比較的平穏のときならよろしいのでございますが、一旦経済界が悪化したような場合に、即ち長期信用銀行が相当その貸付先の面倒を見なければ普涌銀行がこういう場合に果して短期金融をうまくやつて行けるかどうか非常に懸念される点があると思うのでありますが、それらの点についてはどういうふうにお考えになつておりましようか。
○政府委員(大月高君) この銀行が長期の金融を支柱にいたしまして、大きく企業金融をやる、その企業の運転資金は一般商業銀行がやる、こういうことにいたしますと、仮に不況になるという場合に果してそれでは商業銀行が面倒を見るかどうか、こういうことであると思うのであります。併し現実にこの銀行から大きく金が仮に出ておる会社がございますとすれば、最終的な責任はやはり長期信用銀行が全部金融の面で負うわけでございまして、一般の商業金融といたしましては確実なる商業手形その他安全な手段を講じまして融資をするということになると思うのであります。従いまして企業の先行が不安であるから、必ずしもほかの銀行から短期の金融を受けられない、こういうことはないだろうと考えております。
○委員長(平沼彌太郎君) 他に御発言もないようですから質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に移ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
○小林政夫君 私は本案に賛成をいたします。ただ金融制度懇談会の委員として列席をしておつたので、いろいろ意見を申上げることは審議の際に差控えておりましたが、その委員会の結論を政府においては十分体して運用されることを特に要望をいたします。 それから農林中金の、特に先ほど質疑をした第九号の改正については、既存の金融機関との摩擦については十分運用の面において留意されんことを要望いたしておきます。
○委員長(平沼彌太郎君) 他に御発言もないようですから討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。 長期信用銀行法案を衆議院送付案通り可決すべきことに賛成のかたの御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(平沼彌太郎君) 全会一致であります。よつて本案は衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお諸般の手続は先例により委員長に御一任願います。 それから多数意見者の御署名をお願いいたします。 多数意見者署名 下條 恭兵 黒田 英雄 菊田 七平 岡崎 真一 森 八三一 大矢半次郎 小林 政夫 西川甚五郎 田村 文吉 —————————————
○委員長(平沼彌太郎君) 次に国際通貨基金協定及び国際復興開発銀行協定への加盟に伴う措置に関する法律案、右について内容説明を聽取いたします。
○政府委員(石田正君) 本法案につきましては提案理由といたしましてすでに御説明してありまする次第でございますが、なおこの機会におきまして若干これを補足させて頂きたいと存じます。国際通貨基金協定及び国際復興開発銀行協定への加盟の経緯について先ず申上げます。 昨年八月九日、日本政府はこの両者に対しまして加盟の申請をいたしたのであります。その後本年の一月二十三日になりまして、基金の当局から日本の割当額を二億五千万ドル、金の拂込額を六千二百五十万ドルにする旨の内示がございました。このことは国際復興開発銀行について見まするならば、割当額はやはり二億五千万ドルであり、ドルの押込額は五百万ドルということに相成る次第でございます。政府といたしましては国際通貨基金に対しましてこの條件を検討いたしました結果、四月の十八日に加盟することを閣議決定いたしたのでございます。そうしてその旨四月の二十三日にワシントンの在外事務所を通じまして、基金当局に伝達いたした次第でございます。この五月の二十九日になりまして、基金及び銀行総務会におきまして正式に右の條件による日本の加盟の承認をすることに相成つた次第でございます。つきましては本法案の條文につきまして御説明を申上げたいと存じます。第一條でございますが、これは法律制定の目的を規定いたしておるのであります。我が国が基金協定及び銀行協定へ加盟するに伴いまして出資の拂込その他各種の事務を履行することとなるのでございますが、そのうち国内的に、法的措置を講ずるところの必要があるものにつきまして所要の規定を設け、協定の円滑な履行を確保するということがこの法律制定の目的でございます。 次に第二條でございますが、出資額につきましては我が国は基金に総額二億五千万ドル、邦貨に換算いたしまして九百億円、銀行にも同じく二億五千万ドルをそれぞれ出資する旨を規定いたしておるのでございます。この出資をいたしまする場合の二億五千万ドルと申しまするのは、現在国際通貨基金に加盟いたしておるところの国におきましてこれより多い割当額を有するものは七カ国でございます。 それから次に第三條でございますが、これは出資の方法を規定いたしておるのでございます。第一に国際通貨基金に対しましての支柳方法というものは次の二つの部分に分れるのであります。割当額二億五千万ドルの二五%に当りまする六千二百五十万ドルに相当する分、これは邦貨にいたしますると二百二十五億円に相成るのでございますが、これは金で加入前に支拂うということに相成ります。残りの七五%に当る一億八千七百五十万ドル、邦貨にいたしまして六百七十五億円相当額というものは、円で加入後に支拂うということに相成ります。そこでこの円で支拂います部分のうちで、円貨で支拂を要しまするところのものは割当額二億五千万ドルのほぼ一%に当るところの十億八千万円でございまして、残りは政府の発行する無利子且つ譲渡禁止の一覧拂の証券で出資するということに相成るわけでございます。第二に国際復興開発銀行に対しましては、その拂込方法は基金の場合と違いまして三つの部分に分れます。第一は総額二億五千万ドルの二%に当る五百万ドル、これは邦貨に換算いたしまして十八億円、これは金又は米ドルで加入前に支拂うことに相成ります。次に総額の一八%に当りまするところの四千五百万ドル、即ち邦貨に換算いたしまして六十二億円に相当するものは円で同じく加入前に支拂います。この場合円で拂込を要しまするのは、この四千五百万ドルの一%に当ります一億六千二百万円でありまして、残額は基金の場合と同様に一覧拂の証券で出資することができるわけでございます。それから最後に総額の八〇%に当りまするところの額は、加入後銀行から催告のあつたときに金又は米ドルその他の通貨で支拂うということに相成つておるのでございます。 そこで第三條及び第四條につきしまして予算措置との関係が起つて来るわけでございます。本加入に伴うところの予算措置につきましては、昭和二十六年度の補正予算におきまして二百億円を計上済でございます。そこでこの二百億円を今申しましたような加入のための出資に割当てるための使用区分といたしまして次のように考えておる次第でございます。第一に百八十億円で外国為替特別会計の保有いたしておりますところのドルの五千万ドルを買いまして、次に五百万ドルはドルのままで以て国際復興開発銀行のほうの出資に充てます。残りの四千五百万ドルで金地金をアメリカで買いまして基金の出資に充てようと思うのであります。金又は米ドルで出資を要するところの先ほど出資を要するところの、先ほど申上げました六千七百五十万ドルのうちから、右の五千万ドルを差引きました一千七百五十万ドルに相当する金につきましては、これは量で申しますとほぼ十五トン六百キログラムに相成りますが、これは日本銀行の保有金から買入れたいと思つておるのであります。この額は円にいたしまして、帳簿価格で約五千四百万円と相成ります。基金に対しまして十億八千万円、それから銀行に対して一億六千二百万円を円貨で支拂うことにいたします。最後に残額の約七億四百万円につきましては、金地金を輸送いたしましたり或いは改鋳いたしましたりするような経費に充当しよう、こういうように考えておるわけでございます。そこで今申しましたうちで以て、日本銀行の所有金地金を同行の帳簿価格でありますところの二百九十ミリグラムにつきまして一円、即ち一グラム三円四十五銭で買入れまして、これを基金に対する金による出資の一部に充てることができることにいたしましたのは、これは二百億円の予算の簿囲内で出資を完了するということの上におきまして、こういう方法が適当であろうかと考えたからでございます。なおこの買入価格と現在政府が貴金属特別会計で金地金を買入れておりますところの価格、即ち1グラムにつきまして四百一円との間には相当大きな差があるわけでございますが、この差額につきましては別に法律によりましてその処理を定めるということをここに規定してあるわけでございます。 第五條は国債の発行の規定でございます。基金及び銀行に対しまして本邦通貨で出資を要するところの金額のうちで直ちに現金を以て拂込をする必要があるところの金額、即ち基金に対しましては六百六十四億二千万円、銀行に対しましては百六十億三千八百円、合計八百二十四億五千八百万円というものは基金協定の第三條五項、それから銀行協定第五條第十二項によりまして国債を交付して出資に代えることといたしました。これに必要な国債を発行することができるというふうに規しておるのでございます。この国債は無利子でございまして、後に述べまする通りに、日本銀行が政府の命令によりまして買取る場合以外は譲渡を禁止されているものでございます。 それから第六條乃至第十條は国債の償還等につきまして規定いたしておるのでございます。基金及び銀行に出資に代えまして交付いたしました国債は、これは協定書から申しましても要求拂であることが必要なのでありまして、基金又は銀行からこれを現金にしてもらいたいという請求を受けました場合には、二十四時間以内に本邦通貨で支拂わなければならないものでございます。従いまして、仮に償還財源が不足いたしまする場合も考慮いたされまするので、そういう場合には銀行にこの国債を買取らせまして、そうして基金又は銀行の要請に応ずることといたします。そうしてこの日本銀行が買取つた国債につきましては、これは利子その他償還期限等を一般の国債の発行條件に準じまして定めることといたした次第であります。この国債の償還及び利子の支拂につきましては、一般の国債と同様に国債整理基金特別会計を通じて行うという原則はとつておるのでございまするが、併しながらその償還財源をどれだけ入れるか、こういうような問題につきましては、国債整理基金特別会計法の第二條の規定によりまして万分の十六以上を年々繰入れるというようなことをしないで、別途予算の定むるところによりまして一般会計から国債整理基金特別会計へ繰入れることにいたした次第でございます。その理由は、先ほど来申上げましたような工合に、要求がありません場合におきましては、償還という問題は起らないのでありまして、どういう金額が要求されるかは不測でありまするので、こういうような工合にいたした次第でございます。 それから十一條と十二條におきましては基金との取引関係及び寄託所について規定いたしております。基金と我が国との間におきましては、必要な他の基金加盟国通貨の本邦通貨又は金による買入れであるとか、或いは基金の保有いたしておりまするところの本邦通貨の買戻しであるとかいうような工合に、いろいろと通貨の売買取引が行われることと将来予想せられるのでございますが、それらのことが現実に起りました場合に、これらは外国為替資金特別会計を通じて行うということにいたしましたのが第十一條でございます。それから基金協定の十三條の二項とか、或いは銀行協定の第五條十一項とかという規定がございます。これによりますると、加盟国は自国通貨をどこへ寄託しておくかというその寄託所を指定しておかなければならないということに相成つておるのでございまして、その関係におきまして、我が国につきましてはその寄託所は日本銀行であるということを指定できまするようにいたしたのが第十二條でございます。 大体法案の内容の主なる点につきまして一応御説明いたしました次第でございます。
○小林政夫君 この法案の内容の説明は今伺つたんですが、大体この協定そのものについて一応説明を聴取したらと思います。
○政府委員(石田正君) 協定そのものは非常に厖大でございまして、これを一々逐條説明するというのはなかなか大変なんでございまして、御質疑でもありますればそれに対してお答えをするというふうにお取計らい願えませんものでございましようか。
○小林政夫君 勿論都合はいたしますが、あなたのほうで説明しておかなければならんと思われる点だけ説明して下さい。
○政府委員(石田正君) 国際復興開発銀行のほうがむしろ簡単でございまするのでこちらから申上げますると、加盟に伴いまするところの主な点につきましては、大体先ほど申上げましたような点が主でございまして、それに従いましてこの法律案というものができておるわけでございます。それからそういうこの国際復興開発銀行から借入を行なうと申しますか、そういう場合におきますところの問題は、これは現実にその問題が起つて参りましたときに銀行といろいろと話をいたしましてきめて参るというようなことに相成るわけでございます。まあこの銀行といいますものは直接貸付けるということを一番初めから目的とするのではなくして、ほかのチャンネルによりまして協定ができないものについてこれを供給いたして行ごうというような考えで大体成つておるのでございます。それから又できれば民間の資金供給と合せて共同融資と申しますか、そういう形が望ましいというふうな精神でできておるのでございますが、実際問題といたしましては直接単独で貸すという場合のほうが今までの例から申しますと大多数であろうと思います。 それから国際通貨基金協定のほうにつきましては、これもやはり出資関係につきましては大体申上げておるのでございますが、然らばこの通貨基金に入つた結果どういうふうな、何と申しますか、利用ができるのかという点でありまするが、この点につきましては割当額の二五%を金又はドルによつて出資するということを先ほど申上げたのでありますが、この国際通貨基金の資力の使用方法につきましては、毎年二五%ずつ五年間まあ買入ができると申しますか、と大体御観念願つたらどうかと思うのであります。即ち、二五%金で拂込みましたものを、これを初めの第一年間におきましてその部分だけの買戻しができる、翌年に又二五%ができる、そういうことが四年間続きますと、結局割当額だけの、拂込額を除きまして、割当額に相当するものだけ他国通貨の買入ができる、こういうふうな規定に相成つておる次第でございます。それからこの基金に加盟いたしました結果、どういう一体義務が生ずるか、利用の面はかりでなしに、制約される面ではどういうものがあるということにつきましては、一番大きな問題といたしましては、この協定の趣旨から申しまして、国際経済に対しまして、自分の国の利益だけから非常た害を及ぼすような行為をしてはいけないということが根本に流れておると思うのでございます。その関係から申しまして、自国の平価と言いますか、これを勝手に変えてはいけないということが一つ出て来ると思うのであります。併し、この平価の変更につきましても、これを絶対にいけないというふうな工合にいたしますることは、これは実情に適しないのでありまして、国際通貨基金のとつておりますところの考え方は、平価の変更につきましては事前に基金に協議をしてもらいたいということが第一点でございます。その基金に対するところの協議がございました場合に、当初定めました平価の一%を超えないときには基金は異議を唱えないということに相成つております。それから先の問題につきましては、基金は場合によりましては異議を唱えることができるのでございますが、そのイエスかノーかにつきまする回答を長く延ばされては困るという点を配慮いたしまして、それにつきましては、一〇%を超えるが二〇%を超えない場合におきましては七十二時間以内にその態度を明らかにしなければならない、それからしてそれよりも更に大きな幅の平価の変更がありまする場合には七十二時間を超えることができるのだということで、何と申しますか、理想と現実の調和をいたしておるというように考えられるのではないかと思います。それから我が国の関係から申しましてもう一つ重要な点は、要するにこの基金協定の目的といたしておりまするところは、多角的決済ということと、それからして為替の何と申しますか、管理というものを漸減して行きたいというところに大きな問題があるわけでございます。この基金協定自体を申しますると、大体この協定が戦後の五カ年間というものを目標といたしまして、その間に為替管理というものをやめようというのが初めの趣旨であつたわけでございます。併しながら、国際間の経済実情というものは御承知の通りでありまして、為替管理を撤廃し得た国或いは為替管理を初めからしない国というのはアメリカその他極く少数しかないわけでございまして、各国とも為替管理を継続せざるを得ないというような実情に相成つておるのでございます。日本の場合に、為替管理を加入と同時にやめなければならないかというような問題につきましては、我々は実情といたしまして、そういう懸念はないものと考えておるわけであります。勿論さればと言いまして、日本といたしましては、為替管理を強化する一方であるというような態度は、これは日本みずからといたしましてもとるべきではないのでありまして情勢の許すに従いまして為替の制限というものは漸次撤廃して行くというような工合に持つて行くことが望ましいというように考えておる次第であります。 それから基金との取引につきましては、これは勝手な民間の機関とやるというようなものではないのでありまして、国の国庫自身、或いは中央銀行、或いは為替安定基金と申しますか、その他これに類するところの財務機関だけを通じて取引ができるということに相成つております。この取引ができまするような場合につきましては、先ほど申上げたのでありまするが、その大体のところは申上げましたが、それに関連いたしましていろいろと細かい問題が起つて参るわけでございまするし、又規定の上から言いましても非常に複雑な問題が起つて参るのでございますが、それらの点につきましては、又御質問がありましたならばお答えするというような工合に取計らいたいと思います。 なお、為替管理の点につきましてもこの基金協定というものが一つの特色をなしておりまするのは、為替取引を資本取引と経営取引とに分けまして、そうして先ほど申しましたような工合に、為替制限というものは成るたけ撤廃したいというような考えを持つておりますが、資本取引については別だというような考えを持つております。これは一九三〇年代におきましても、短期の資本が国際間を移動いたしましたために非常に混乱を生じた。投機が盛んになり、或いは各国の通貨制度の根本を揺がすというようなこともございましたので、この資本の移動の点につきましては、為替の制限と申しますか、或いは統制と申しますか、そういうことはやつたほうがむしろよいのではないかというような気持を持つております。 なお、資本の問題に関係いたしましては、国際通貨基金というのは、こういう資本取引というものによつて起りまするところの外貨の不足を加盟国に対して補填してやろうというような機構にはなつていないのでございまして、経営取引から起つて来るところの資金の足りない部面、これを補おうというのが本旨でありまして、資本取引に関するような分につきましては、むしろこれを国際復興開発銀行のほうに委ねると、こういうふうな思想が流れておる次第でございます。 甚だ簡單でございまして、御理解が得られなかつた憾みがあろうかと思うのでございますが、一応この程度にさして頂きたいと存じます。
○小林政夫君 いずれ逐條的にあとから御質問いたしたいと思いますが、先ずその前に資料をお願いしたいのは、この国際通貨基金の今までのやつたことですね。今の通貨基金のほうは、短期の対象、それの実績、それから世界銀行のほうの融資の状態ですね。私も一通り資料は持つておりますが、成るべく新らしい資料をお願いしたい。貸付金の性質及び世界銀行の出した相手方のいわゆる私企業であるか、政府機関であるか、政府機関であれば單一の目的の、例えば電源開発なら電源開発を目的とした単一のものであるか、或いは一般的な日本で言えば日本開発銀行のようなものであるのか、或いは直接政府かというような、世界銀行の資金を受入れた相手機関の性質がよくわかるように、成るべく具体的に仕訳をしてもらつて、それと金額、期間というふうな点を成るべく最新の資料をお願いしたい。
○政府委員(石田正君) 大体御趣旨わかりましたのですが、組合せがなかなか複雑になりますると却つてわかりにくくなるかと思いまするので、いろいろな表を差上げまして御判断願いたい、かように考えております。
○小林政夫君 それからもう一つ拂込について非常に例外があるのですね。例えば通貨基金のほうは二五%の金出資、或いは世界銀行のほうは二%でしたか、こういうふうなことも各国一律には行つていないので、全然金出資をしていないところもあるというふうな、出資の内容について、今まで加明しておる各国の出資の金ドルの内訳というようなことの資料も出して頂きたい。
○政府委員(石田正君) 提出するようにいたします。
○委員長(平沼彌太郎君) いつ頃までに提出して頂けますか。
○政府委員(石田正君) 明日中に成るたけ出したいと思つております。或いは一部明後日に廻るものもあるかもわかりませんが、できるだけ早く出したいと思います。
○下條恭兵君 議事進行について……。今あつちの電源開発の連合委員会に私は委員外発言で発言をやつておつたんです。ところが今日通産委員会のほうから、あともう一遍だけ連合委員会を開くということを前提にして今日は散会してもらいたいという要請があつたんです。で、私はたまたま連合委員会から大蔵委員会が脱退します際に欠席しておりましたので、何ら発言権はないのでありますけれども、聞くところによれば、必要に応じて更に連合委員会を申入れるかも知れんということで取極めになつておつたと聞いておりましたので、私はその旨意見を開陳しまして、大蔵委員会のほうとしては、一応大蔵委員会で協議しないうちはもう一回だけで連合委員会を打切るということに対してどういう議論が出るかもわからんから、そういう固い取極はしてもらいたくないということを発言しまして、それて、まあ委員長が従来の慣例によつて善処するということで散会になつております。私がお願い申上げたいのは、私は今日まだ公益委員会その他へ対して資料の要求をして参つたところでございまして、願わくは、ほかに委員外発言か何かの手があるかも知れませんが、できれば連合委員会のうちにそういう資料も出て来て、それでやつてしまえるほうが非常に好都合と思いますので、委員長のほうにおきましてそのようなお取計らいを一つお願いいたしたいと思います。
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。 只今下條委員から電源開発促進法案について経済安定との連合委員会をすることの申出がございましたが、その通り取計らつてよろしうございますでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めてそういうふうに委員長において取計らいます。 本日の委員会はこれを以て散会いたします。 午後三時三十一分散会