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13回国会参議院1952/04/11

大蔵委員会 第38号

発言数
246
登壇者
18
会派数
5
開催日
1952/04/11

会議録

平沼彌太郎自由党

○委員長(平沼彌太郎君) 第三十七回の大蔵委員会を開催いたします。日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律案、予備審査について提案理由の説明を聽取いたします。

西村直己自由党大蔵政務次官

○政府委員(西村直己君) 只今議題となりました「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律案」につきまして、提案の理由を説明いたします。  日米行政協定の締結に伴い、国税犯則取締法又は関税法等による臨検、捜索又は差押について特例を設ける必要がありますので、ここにこの法律案を提出いたした次第であります。  即ち、国税に関する犯則事件を調査するために、合衆国軍隊の使用する施設及び区域内において国税犯則取締法又は関税法の規定によつて臨検、捜索又は差押を行う場合におきましては、合衆国軍隊の権限ある者の承認を受け、又はこれに嘱託して行うことといたしました。併しながら、その施設及び区域外におきましては、合衆国軍人、軍属及び家族の身体、財産又は合衆国軍隊の財産についても、このような制限を受けることなくして、これらの処分をすることができるごととしているのであります。  而して、たばこ專売法、アルコール專売法、噸税法、保税倉庫法、地方税法等により国税犯則取締法又は関税法の規定を準用して犯則事件の調査に関し臨検、捜索又は差押えを行う場合につきましても、右の措置に準ずることといたしたのであります。  以上簡單でありますが、この法律案の提案の理由と内容の大要を申し上げました。何とぞ御審議の上速かに御賛成下さるようお願いいたします。

平沼彌太郎自由党

○委員長(平沼彌太郎君) では次に日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律案、同関税法等の臨時特例に関する法律案、同国有の財産の管理に関する法律案、同国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律案、特別調達資金設置令の一部を改正する法律案、五案とも予備審査でございます。右五案について大蔵大臣に対する質疑を行います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 ちよつとその前に資料の要求ですが、この三案、安全保障條約に基くこの法律案を見れば見るほど重要でありますのでこの審議を十分にするために資料を実は要求したいのですが、その第一は英米の行政協定があるわけです。英米行政協定におけるこれと同様な規定がありましたら、北大西洋條約における規定はここに参考資料として出ておりますが、英米協定と、それから米比協定、米比協定の中にこれと同様な規定があつたらそれを参考資料としてお願いしたいのです。それから第二の資料はこの安全保障條約、行政協定ですか、十二條に関連する問題ですが、アメリカの軍需調達規則、こういうものがわかりましたら……。この公契約法による軍需調達規則、それから再協議法というものですか、リネゴシエーシヨン・アクト、これに関する資料がございましたら出して頂きたいのです。それから主税局関係じやないと思うのですけれども、連絡とつてできましたらお出し願いたいと思いますのは、十二條関係ですね。米軍の調達によつてどの程度の物資が調達されるか。それが、主なる産業でいいのですが、石炭、鉄鋼とか、電力、そういうものにどの程度の影響があるのか。例えば石炭の何%、鉄鋼の何%、そういう資料を、二十七年度においてどのくらいの影響があるものか。それに関連してこれまで終戰処理費によつてどの程度の物資の調達が行われて、それが日本の産業にどの程度の影響を與えたか。それと、それを基礎にして今度の免税措置に変つて若し税金を取るとしたらどの程度取れるのか。これは十二條関係について免税しないとしたらどのくらい物品税、通行税、揮発油税、電気ガス税等が取れるのか、そういう資料を成るべく早く御提出願いたいのです。

平沼彌太郎自由党

○委員長(平沼彌太郎君) 質疑を願います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 ちよつと大蔵大臣にお伺いしたいのですが、先ずこの法案、前後するかも知れませんが、国有財産の無償ですね。無償提供の問題です。これはどうして無償にしたのか。これは防衛分担金の中に含めないのは私はおかしいと思うのですが、よその国の例はどうなんでしようか。無償で国有財産を使用させるということはどうも私は納得が行かないのですが、どういうわけでこういうふうになつたのですか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) 御承知の通りに国有財産を連合軍が使用する場合にはこの使用料を計算に入れておりません。終戰処理費におきましてもあの経費の枠外に相成つております。国有財産を見積つて出すか出さんかというお尋ねでございますけれども、終戰処理費自体にもそうでございましたし、又今回におきましてもそれを今まで通りというのでやつておるのであります。従つてお話のようにこの国有財産の使用料を取るとするならば、民間財産の不動産使用料は全部こちらが出さなければならないことになりますから、それが多くなる。こういう予算上多く歳入に上げ、又歳出に上げる、こういうことになるのでありますが、今まで通りに出すのが適当であると考えまして、国有財産の使用料は特に予算の歳入歳出に見込まなかつたのであります。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 この占領下における終戰処理費については、まあそうだつたかも知れませんが、大蔵大臣がしばしば言われるように今度独立する場合、私は英米の行政協定も見ましたし、米比協定も見たのでけれども、よその国でこういう例があるでありましようか。この行政協定において国有財産を無償に使用させると、こういう規定がよその行政協定にありますか。ありましたら実例をお話伺いたいのですが……。

石原周夫大蔵省主計局次長

○政府委員(石原周夫君) 今発表せられておりまする協定といたしましては米比、アメリカとフイリピンとの間におきまする協定、それからこれは一九四〇年でありますか、アメリカとイギリスとの間の島嶼の供用関係の協定であります。この両者におきまして、こういうものはいずれも無償で提供いたすことになつておるわけであります。條文は米比協定の場合には二十二條と前文とございます。なお北大西洋條約の関係におきましては、御承知の通りに経費関係につきましての規定がございませんので、現在関係国の間でいろいろ相談をいたしておるかのように発表せられました。明文といたしましてはこういうようなことになりまする規定がないように記憶しております。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 その今のは、米比協定の前文ですか、あの大蔵省で出されておる……。

石原周夫大蔵省主計局次長

○政府委員(石原周夫君) 今見ましてお答えいたします。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 そうですか。それではあとでわかりましてから教えて頂きたいのですが、この国有財産の範囲ですね、これはどういうものが対象になるのですか。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) このここでございますように、国有財産ということを言つておるのでありまして、この国有財産の中には国有財産法で言いまする土地、建物、それから機械、又その附属のいろいろな器具類も一応国有財産の範囲に入つております。で現在におきましてまあやつておるのは主に土地建物が多いのでございまして、中にはそこにありまするこの行政協定にございまするように、現存する設備、備品及ひ定着物を含むというような考え方をしております。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 そうしますと、旧兵器廠みたいにですね、そういうものの賠償指定になつたものや何かもあると思うのです。そういうものの機械とか設備、こういうものも含まれるのですか。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) このまだ具体的にどれをこの法律によつて使用を許すかということについては全部きまつておりませんが、その場合におきまして若し賠償指定になつておる土地とか建物、或いは又機械も現存する、そこに行政協定の第二條にありますような当該施設及び区域の運営に必要な現存の設備及び備品、それから定着物に含まれる範囲においては、賠償施設のものも含まれるのじやないか、こういうように考えております。

平沼彌太郎自由党

○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと申上げますが、大蔵大臣は午後御用がおありになるそうで、十二時までに大臣に対する質問を打切つて頂きたいのですが……。そのほかに泉税制課長さん、それから北島税関部長さん、小林管財局の総務課長さん、石原主計局次長さんというようなふうな政府委員又説明員がお見えになつておりますから、午後それらのかたがたに質問をして頂きまして、午前は成べく大蔵大臣に対する質問を重点としてお願いしたいと思います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 それではですね、大蔵大臣は時間が余りないようでありますから、只今の国有財産を無償で使用に供する場合の範囲とか対象、そういうものはやはり資料を出されましたら、出して頂きたいと思うのであります。その範囲がわからなくては、どのくらいの影響があるのかわからないものですから、差支えない範囲で結構そすから、その大体大きさがわかるように資料を頂きたいと思うのです。  それから大蔵大臣にお伺いしたいのですが、関税の問題ですが、これは御承知のように、英米においても、その行政協定においてそういうまあ関税の特別な取扱いをしましたが、それの非常に弊害があつたと思うのです。そこでこれは御承知のように、特に又特別の協定が関税について行われたと思うのですよ。即ち、アメリカ合衆国に租貸せられた基地に関する英国政府アメリカ合衆国政府間の協定及び交換公文ですか、この行政協定によつて関税の特別な取扱いをしましたけれども、弊害があるので、特に又別に関税については、「租貸海軍及び空軍基地における関税特典の濫用防止に関する協定」というのが一九四六年一月十八日及び二月十一日交換覚書として結ばれておるのです。そこでこういう関税の特別措置を講じた場合のこれが濫用されないという防止措置ですね、これをどういうふうにお考えになつておるか。これが若しか濫用されたら非常に重大な問題になると思うのですが、その点についてお伺いしたいのです。

池田勇人自由党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) お話のような点が外国においてありましたので、行政協定におきましても、特にそういう濫用を防止する措置をお互いにとろうとこういう條文を入れたわけでございます。今後どういうような措置をするかということにつきましては、事務当局よりお答えいたします。

北島武雄大蔵省主税局税関部長

○政府委員(北島武雄君) 只今御指摘のございましたように、アメリカ合衆国と英国との協定、当初の協定は非常に簡單でございまして、実行上相当の濫用の弊があつたようであります。従いまして当初一九四一年にできました協定の実施の経過に鑑みまして、その後一九四六年に「租貸海軍及び空軍基地における関税特典の濫用防止に関する協定」というのができまして、お互いに濫用を防止しようじやないかという約束をいたしたのであります。私ども今回行政協定の締結に当りましては、過去のこういうような英国における実例等にも鑑みまして、関税の面におきましては具体的に、相当厳格に規定しようじやないかということで初めから主張いたしました。その結果行政協定の第十一條におきましても先ず第一項におきまして、「この協定中に規定がある場合を除く外、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族は、日本国の税関当局によつて執行される法令に服するものとする。」こういうものを先ず当初に一本釘をさしまして、それから更に第八項におきましては、「合衆国軍隊は、日本国の当局と協力して、本條に従つて合衆国軍隊、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族に與えられる特権の濫用を防止するため必要な措置を執らなければならない。」こういうふうに更に一本釘をさし、又九項におきましては、犯則がありました場合の措置につきまして各種の規定をいたしておるのであります。行政協定の全文を御覽下さいますと、大体におきまして北大西洋條約に類似しておるのでありますが、特に十一條の関税の方面におきましては、最も北大西洋條約に類似しておる点が多かろうと存ずるのであります。具体的の今後の実施に当りましては、更に当局と折衝をいたしまして、十一條の一項、八項、九項を活用いたしまして、それぞれ具体的の適宜な措置を講じたいと思つております。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 まだ関税についていろいろ質問があるのですが、これはあとで、午後お伺いしたいと思います。主として大蔵大臣にお伺いしたいのですが、この行政協定の十二條によつて、アメリカ合衆国軍隊又はアメリカ合衆国軍隊の公認調達機関が適当な証明書によつて日本国で公用のため調達する資材、需品、備品及び役務は、物品税、通行税、揮発油税、電気ガス税等を免除されるとありますが、これはよその国にこういう規定があるのですか。それが一つと、それから若しこういうことを許した場合特需との関係はどうなんですか。アメリカの、今度は軍需品を作る場合、原材料を向うで調達する場合、無税で、日本の国内の物資を無税で向うに調達されて、そうしてそれが軍需品製造とか何とかそういうふうになるというと、これは非常な弊害を生じますし、私はよその国ではこういうことはないと思う。先ほど配付されました北大西洋條約当事国間の協定の九條の八項に「軍隊、軍属、その構成員、又は被扶養者のいずれを問わず、受入国の会計規則によつて課せられる。購入及び役務に関する租税又は関税のいかなる免税をも本條を理由として受けるものではない。」本條というのは、この日本の行政協定の十二條と同様に、「受入国の国民と同一の條件で必要な物品をその土地で購入することができる。」というのが九條でありますが、この場合に北大西洋條約当事国間の協定ではこういう免税規定がないのです。非常にこれは不利な、国際的に見て非常に不利な、独立国としてこういう協定を結ぶなら、私はこういう協定を結ぶのがおかしいと思う。公認調達機関が、若しかこの場合外国の商社が介入してそうして日本の物資を非常にたくさん無税で買われる、若しこの場合、日本の国民が使う場合に税金が入つて、政府に税收入というものが入つて来るのですけれども、日本の物資を非常に安く調達されるということは非常に日本の国民経済或いは財政機構にとつて不利じやないかと思うのです。そこで先ほどこれによつてどの程度の物資が調達される見込みで、どの程度の税が若し取れるとした場合に、比べて見てそれだけ減收になるかを私お尋ねしたわけですが、この問題は大蔵大臣随分重要だと思うのですが、どうしてこういうふうによその国にないような形で結ばれたか、その点をお伺いしたい。

泉美之松大蔵省主税局税制課長

○政府委員(泉美之松君) 只今お尋ねの点でございますが、この軍に仕向けられた物品につきまして関係国内の間接税を免除するという規定は、米比協定にも米英協定にもございます。米比協定でございますと第五條でございますし、それから米英協定でございますと十九條でございます。それから北大西洋條約につきましては木村委員のお話の通り、駐留軍を受入れる受入国の軍隊が免税で購入する場合の條件と同一の條件で駐留軍が購入することができるということになつておるのでございますが、日本におきましては、御承知のように軍隊がございませんので、それと同様の規定でなしに、今回設けましたように、米英協定及び米比協定におきましては税目を特掲しておらないのでございますが、日本の場合におきましては税目を四税目特掲いたしまして免税措置を講ずることにしたのでございます。なお先ほど軍の公認調達機関という点につきまして、米国商社がそれに入るような意味の御発言がございましたが、この公認調達機関と申しますのは、軍の機構の一部でございまして、商社は全然入りません。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 只今泉税制課長は米比協定のことを引かれましたが、米比協定の第五條はこの日本の十二條三項の場合と違うのじやないのですか。五條ではアメリカから物資をフイリピンに輸出して来る場合ですから「合衆国官憲にあてて積み出され又は仕向けられ且つこの官憲が右の目的に供することを証明したものに対しては、いかなる輸入税、国産税、消費税又は他の租税を課さない。」というのであつて、日本の国内で物資を調達する場合は違うのじやないですか、私はそう解釈しなければ、この北大西洋條約のあれとは違つて来る、こういう形の免税措置なら北大西洋條約にあります。ですからこの日本の十二條三項みたいなのはないのです。探してみたのですけれども、その点どうですか。

泉美之松大蔵省主税局税制課長

○政府委員(泉美之松君) 米比協定の第五條には、アメリカから輸入する物品のほかに、フイリピン国産品も含んでおるのでございます。規定は全部まとめて規定してございますが、物資は両方入つております。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 それはどういう……この文章からはそう解釈できないのです。何か根拠があつたらお示しを願いたいのです。

北島武雄大蔵省主税局税関部長

○政府委員(北島武雄君) この條文を御覽下さいますと、「合衆国官憲にあてて積み出され又は仕向けられ」と書いてあります。必ずしも輸入品には限定されないように見えますことと、それから「証明したものに対しては、いかなる輸入税、国産税、消費税又はその他の租税、税金若しくは課金も課さない。」こう書いてありますので、これは單に輸入物資だけに関する規定ではないように私どもは了解しております。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 私はそれは相当議論があると思う。それは今度の法律案ですよ、関税に関する措置、免税措置の規定を見ましても、外国から輸入、物を持つて来る場合関税を免除する、その物品に対しては国内の消費税、物品税その他も免税する規定になつておるのです。これを見ると、関税及び他の税も免除する、こういうふうになつておるのですね、五條は……。ですから輸入物品に対する関税その他の税の免税措置と解釈するのが、これがすなおな解釈ではないですか。私は今のお話で、事実そうならば、私は何も固執するのではないのです。まあそれは、一応もう少しはつきりしたことをお伺いしたいのです。何か根拠がありましたら、或いは外務省あたりにお確かめになつて、はつきり私はどうしてもお伺いしたいのです。そうでないと、非常に極めて不利なことになる。まあそれは一応別としましてこういう協定をすることによつて、相当何といいますか、国内の物資が、若しこれがそういうふうな形で免税されなければ、日本において相当税收が見込まれるわけなんですね。ですから、そういうものは相当の損失になるので、そういうものは実際に言えば間接には防衛分担金なんかに私は含めてもいいと思うのです。ですからこういう防衛分担金という負担は一応五百六十億となつておりますけれども、間接のそういう負担分というものは随分大きいのじやないかと思うのです。これに対して大蔵大臣はどういうふうにお考えになつておるか。いわゆる防衛費支出負担と言つていますけれども、あれはまあ表面に現われただけであつて、間接的なものを考えたら随分大きいのじやないかと思うのですが、どういうふうにお考えになつておりますか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私は、安全保障條約によつて合衆国軍隊が日本に駐留し、日本の防衛に当つてくれることを考えますると、合衆国軍隊の公認調達機関、即ち合衆国軍隊と違わないものが国内で調達いたしまするこの消費税は一応免除するのが常識的であり、適当だと考えるのであります。各国の例もそういうふうであるということを聞いておりますので、これを認めておるのであります。これはもう物品税を皆課税するという議論もありましようが、アメリカが相当の費用を出して日本に駐留しておることを考えますれば、こういうものは免税したほうがいいという考えでございます。そうすると、どのくらいの税が減るか、税收が少くなるかという問題につきましては、こういう見当をいたしております。御承知の通り六百五十億円の防衛支出金のうちには、レントに相当するものが九十二億円とか百億円とかあるのでございますが、これも大体従来の終戰処理費の使い方等を見まして算出したのであります。戰終処理費で使います費用の中で、例えば物品税のかかります椅子とか、カーテンとか、照明器具というものは、今までは税金を納めておつたのであります。内国税を納めておりました。そうしてその費用は国が負担しておつた。そうして見ますと、今度の防衛支出金の計算には或る程度物品税とか、電気ガス税というものを含んでおります。そこで防衛支出金の交渉に当りましては、一応レントを引いた五百何十億円の中には、物品税、電気ガス税を含んだところの計算だから、その分は元へ戻してもらわなければならない。即ちそれだけは不用額に立ててもらわなければならない。こういう我々は主張をいたしまして、これは向うでも話が合致しておるのであります。で、その分は、大体今までのあれから申しますると、物品税、電気ガス税で九億円程度かと思つております。で、これは不用額に立てるという約束済でございます。今後メイントナンスその他でどれだけの物品税課税されるものか調達されるか、或いは電気ガスをどれだけ使用するかという問題もありますが、大体今まで通りとすれば、八、九億円のものだと思います。通行税は、これは極く少額でございます。揮発油税は、実は今まで向うが全部自分で持つて来たので国内調達はいたしておりませんから、その関係は今まではございません。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 大蔵大臣は、只今の御説明だと各国がこういう例になつておるからと言われますけれども、さつき私はわざわざこの北大西洋條約当事国間の協定はそうなつていない。国際的にそうなつていないのですよ。ですから泉税制課長も成るほど北大西洋條約についてはそうなつていない、こういう御説明だつた。ですから各国の例じやないと思うのですが、そこに私は不利なこういう措置になつておると思うのです。各国の例に徴すればですね。

池田勇人自由党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) これは北大西洋條約の場合と日本の場合は、これは相当違つておることを御了解願わなければならん。向うは防衛支出金というものは規定はないのであります。この点は北大西洋條約と違つておると思います。米比協定は、私はこれは再度の御質問でありますから外務省で調べさせまするが、あの文章から申しましても国内の消費税は免除されておると私は信じております。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 さつきの政府委員の御説明では、大体北大西洋條約に似ておるというのですね、この規定は……。ところが大蔵大臣は北大西洋條約と違う。そこのところは何かよくわからないのですが、大体各国の例といえば北大西洋條約のこの例も入ると思う。私はそれはお調べになつて頂きたいのですが、米比協定も日本のこの十二條三項みたいになつておると言うが、私はそうじやないと思うのです。そうなつたらこれは非常に不利ですよ。  それからそれともう一つ特需との場合ですけれども、特需の場合のこの物資調達について弊害が起らないかどうか。横流れの問題になつて来ると思うのです。これはそういう形で調達資材がそれが日本人に流れるというときには、これは又つかまえて、捕捉して税をかけることになつておりますけれども、これも濫用になつたら私は重大な問題だと思うのですが、どうですか。それが一つと、それから時間がありませんから、もう一つお伺いしたいのですが、大蔵大臣も御承知のように今度調達形式がいわゆる直接調達になつたと思うのです。この影響を考えてみますと重大だと思うのです。財界あたりでも相当これは重大観しておると思うのです。これに対して直接調達になる場合いろいろの弊害が予想されるのですが、これに対してどういう方針でやつて行かれるか、この弊害がないように……。特にこれは日本の自立計画、下手やると自立計画に非常に支障があるのじやないか。民需物資と、或いは輸出物資、日本の再建資材の確保、こういうものと競合したら非常にこれは重大な問題になると思うのですが、この点について政府では随分今までのいわゆる特別調達庁を通ずる調達方式に今後統一されるように要望されたようですけれども、結果としてはそれが容れられないで直接調達になつた。これに対する対策、方針というものはどういうふうにお考えですか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) 特需との関係はこれはないと思います。特需というものをどういうふうに解釈せられますか……。これは米軍が国内で供給するものであるのであります。我々の考えております特需というのは、朝鮮或いはその他の国に持つて行かれるものでございまして、これは物品税なんかでも免税にして行くことは当然でございます。特需との関係はないと思います。それから直接調達ということが日本の経済に非常な影響を及ぼすということは、これはお話の通りでございますので、十二條の二項で「現地で供給される合衆国軍隊の維持のため必要な資材、需品、備品及び役務でその調達が日本国の経済に不利な影響を及ぼす虞があるものは、日本国の権限のある当局との調整の下に、また、望ましいときは、日本国の権限のある当局を通じて又はその援助を得て調達しなければならない。」、密接な連絡をとつてやることになつております。十二條の二項でございます。こういうこともありますし、又予算の使い方につきましても、時々報告を求めるとか、或いは両方協議の上でやることになつておりますので、この駐留軍の経費の使用その他につきましては、十分連絡をとることにして、著しい害を及ぼさないように努力して行きたいと思います。こういうことはそのときどきによつて手を打たなきやならんと思つております。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 只今大蔵大臣の答弁のうち、駐留軍は朝鮮のほうに持つて行く物資についても無税になる、こういうことを言われました。それもやはり免税の対象になるのですか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) 特需のものは外国向けのものでございまするから、税込になつてこつちで製造されて行きます。併し物品税のかかるものを、それ自体を出します場合には、これは免税手続はあるのでありますから、この規定は特需には直接関係はないと思います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 只今大蔵大臣は、この十二條の二項によつてその弊害がないようにあらかじめ配慮してあるのだと言われましたが、それに基いて政府は日本国の権限がある当局を通じて調達されるように努力したのだと思うのです。ところがその結果においてそうでなくなつておるので、これはもう財界ばかりでないと思うのです、各方面に非常に大きなシヨツクを、衝撃を與えておるようです。で、しばしば引用しますが、大体北大西洋條約に則つてやつたというお話ですから、北大西洋條約当事国間の協定の九條を見ますと、ここでは非常にはつきり規定してあると思うのです。今頃になつて政府が騒いでおるけれども、行政協定を結ぶときに、どうしてもつとはつきりこの点をしなかつたか、私は重大な失態だと思うのです。これはもう当然わかつていたと思うのです。それで大蔵大臣はしばしば終戰処理費と今度の防衛分担金支出とは違うのだとしばしば言つておるわけです。終戰処理費については日本の自主性がなくて、これまでの弊害は枚挙にいとまがないのです。たくさんほうぼうに調べたのがあります。或いは特別調達庁の調査にも細かく出ております。これはまあ詳しく述べたら際限がないのですけれども、今度は終戰処理費の使い方と違うのだから、日本経済に重大な影響を及ぼすのですから、なぜこれを一元的に日本の政府でこれを調整するようにもつと規定できなかつたかどうか。これは重大な失態だと思う。一応ここでは日本国の権限のある当局を通じてやるということになつておりますが、それができないことになつています。これをどういうふうに処理されますか。北大西洋條約の当事国間の協定九條を御覽になれば非常に極めてはつきりと規定してあるのです。ですからただ大蔵大臣は弊害がないようにするすると言うだけでは、これはそれだけでは私は御答弁にならない。どういう対策を講ぜられるか、これはもうすぐに、もう非常に遠い将来の問題じやないのですから、すぐに起る問題なのですから、これに対して政府がどういう対策を講じようとしておるか。これをお伺いしたいのです。ただ十二條の二項にこう書いてあるから、それでいいのだというわけに私は行かないと思うのです。もう少し具体的な対策について御答弁願いたい。

石原周夫大蔵省主計局次長

○政府委員(石原周夫君) 私からお答え申上げることが適当かどうか或いは通産省、特別調達庁のほうからお答え願うほうが本当かと思いますが、お尋ねの点に関連しまして問題が二つほどに分れると思います。一つは十二條の第二項も当然その意味であるわけでありまするが、一つは駐留軍の調達の計画、数量、そういうようなものにつきまして、例えば地域的にも或いは石炭のような場合にはカロリー、時期であるとか、数量も検討の基礎になる。そういうような意味におきましてこの十二條第二項にありますように、日本経済に惡影響を與えないような調整が必要である。この意味におきましては駐留軍の調達をいたしまする物資につきまして、なかんずく日本経済に重大な影響を與えまするもの、石炭でありまするとか或いは鋼材でありまするとか、その他の稀少物資は当然入ると思いますが、そういうものにつきまして、向う側の或る期間、まあ例えば四半期でありますとか、或いは物によりましては月でございまするとか、そういうような或る期間に亘りまする調達の計画を打合せをいたしまして、この数量、地域、場所或いは品質というようなことにつきましての十分なる打合せをいたしまして、非常に無理な窮屈なところから多く取るというようなことをしない。又そういうような惡い時期に殺到しないようにするというような問題があるわけでございます。こういう点につきましては、現在予備作業班というものが御承知のようにできておりまして、そこでいろいろ具体的なことにつきましての相談を始めておるように承知をいたしております。  第二の点は契約の内容におきまするいろいろな條項の問題かと思います。この問題は相当技術的な問題でありますので、私どものお答えのできます範囲を超える問題が多いのでありますが、大ざつぱなことを申上げますと、その契約の條項の中で著しく日本側に不利であると認められるものにつきましての修正を求める、この点につきましても同じように予備作業班におきまして話合いをいたしておるのでありまして、これも早い時期に解決をするように当局として努力されるように承知をいたしております。それらの場合を通じまして一切を間接調達にするということも一つの一方でございまするが、今考えておりまするやり方は、今のような調達の時期だとか方法だとか数量だとか、そういうような先ず調達の対象になりまするもの、第二にはその具体的な引渡しその他の條件を律しまする契約條件、その両者につきまして必要な調整をいたす。その場合に物によりましては木村委員御指摘のように政府の当局を通じてやることになつておりますので、日本側が物によりましては間接の調達をいたして向う側に引渡すということがそういう事態に適当であるかということもあり得るわけであります。それらのどういうようなものがどういうような場合にそれに該当いたすかということにつきましては、なお今後の折衝に残されておる、具体的な場合に問題になるかと思います。  北大西洋條約の点の御指摘がありましたが、これは両方の当事国とも軍を持つておりますることを前提といたしまして、受入れ国、レシービング・ステート、即ち駐留せられておりまするほうの国の軍関係の調達の機関が同じような軍需の関係でありますので、併せて調達をいたすというふうに読まるべきものと承知をいたしております。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 ちよつと今のと関連して……。行政協定は余り聞く機会がなかつたのですが、丁度今関連しておりますので、行政協定の第十二條の第二項ですが、ここにある「権限のある当局」というのはどういうもので、何が「権限ある当局」になつていますか。物資調達で調整をやるというその権限のある当局……。

石原周夫大蔵省主計局次長

○政府委員(石原周夫君) 私がお答えするよりも或いは外務省あたりからお答えするほうが権威あるお答えができると思いますが、若し間違つておつたら訂正をいたしまするが、ここに読みますところにおきましては、日本の国内の設置法と申しますか、こういうような仕事をやりまする役所をどこにいたすかということの日本の国内の設置法などによつて決定せられる問題かと思うのであります。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 そういうことを言つているんじやない。設置法を見てくれというようなわけじやなくて、今現に調達が始まるでしよう。その場合に、アメリカ軍事当局が調達する場合に、日本の権限ある当局と相談する場合が相当多いと僕は思うんだが、そういう「権限ある当局」としては何ができているかというのです。

石原周夫大蔵省主計局次長

○政府委員(石原周夫君) 現在のところ、差当り申すまでもなく占領軍の時代におきまする調達の機構としましては特別調達庁があるわけであります。ここには「当局を通じ」という言葉、或いは「援助」という言葉もございますので、その間接調達の場合と、それから援助をとります場合と両方ございますので、必ずしもこれは單数に読むべきかどうかは疑問だと思うのでありまするが、現在のところにおきましては占領軍の時代におきますところの特別調達庁、今後におきまする問題は行政機構の今いろいろな案が審議中であるかのようにも伺つておりまするので、それによつてきまることじやないかと思つております。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 大蔵大臣どうですか、これは特別調達庁が残りますか、それともアメリカあたりでは今の国防生産当局でやつておりますから、これはもう一元的にやつて物資の渦不足を防ぐというようなことがちやんと調節がとれておると思うのだが、日本政府では安本もだんだん縮小して行くというような話なんだが、どういうふうに向うの組織とこちらの組織とは対応するようなものができて行きますか、これを聞かないとなかなか木村君が折角先ほどから問題にしておられる点が解決できないのじやないかと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) この特別調達庁をどうしようかという問題は前から研究いたしておるのであります。占領当時とは建つて参りますので、間接調達をする場合もあるし、直接調達をする場合もある、そうして又物資別に考えなければならない場合もある。それからアメリカのほうでも又こういう点を研究していると思います。従いまして日本は特別調達庁をどういうような恰好で持つて行くかということは、アメリカのほうの機構のこともありますので、只今検討を加えておる次第であります。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 この外国為替、外国貿易の問題が大分これは問題になると思うのだが、それはそれとして、特需と申しますか、アメリカ駐留軍の必要とする物資の供給というものが日本の経済にとつては非常に大きな意義を持つて来ることはもう明白なことなんです。従つて駐留軍にどういう品物をどの程度、いつの時期に供給するかというような点については、政府の側で一つの統一的な機関があつて向う側と折衝するということにしないと、国内経済に相当大きな混乱が出て来る虞れがあると思います。現に今日までだつていろいろありましたですよ。特別調達庁があつてさえいろいろな問題が起きておる。相当地方でも困つておる問題がたくさんある。いわんや今後相当大量の物がこういうふうに需要されるということになつて来ると、やはりこれに応ずる行政機構というものが確立されなければ駄目じやないかという気がするのです。アメリカ側がどういうことを考えておるかそれは知りませんが、併し日本側としてはどういうふうに考えておるか、その点を一つお聞きしたい。

池田勇人自由党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) 只今申上げたように検討いたしておる次第であります。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 この調達と関係しまして防衛分担金の使い方について、いわゆるどんぶり勘定と言われておりますそのアメリカ側の会計のほうに入つて、その使い方について、その使い方に日本側が何か計画を立てたような場合、参画することができるのかどうか。例えば国内のマーケツト価格等によつてその使い方の時期や何かを誤まると、日本の経済にいろいろな障害が生ずると思います。従つてあらかじめこの使い方について日本経済に影響を及ぼさないように参画し得る何かの措置が講ぜられておるのかどうか、その点を大蔵大臣に伺いたい。

石原周夫大蔵省主計局次長

○政府委員(石原周夫君) 便宜私からお答え申上げます。木村委員のお尋ねの点は二つの面があると思われまするが、一つの面は先ほど私もお答えをいたしました調達計画と申しますか、物のほうの面、即ち石炭をこの第一四半期に何トン欲しい、それは北海道で何トン、九州で何トン、その問題につきましては先ほど申上げましたようにまだきまつておりませんが、どういうような形で相談を受け、どういう形で連絡をするかという確定案は申上げかねると思いますが、先ほど申上げたような趣旨におきまして、日本の供給需要の関係が非常に逼迫しております重要なものにつきましては、これは調達計画は相談してきめて行こうじやないかという大体の趣旨につきましては双方異論がないかと思いますが、どの程度の物資をどの程度まで分けるかということについては、いろいろ技術的な問題があると思います。その点は今申上げたような調達計画の問題としては相談をいたします問題であります。  第二の点がお尋ねの主点かと思うのでありますが、それは金のほうからどういたすかということでありますが、この点につきましては年間を通じまして五百五十八億でありまするか、一億五千五百万ドルに該当いたしまするものでありますが、先ほど大臣がお答えになりましたように、従来終戰処理費の系統で含まれておりました税金が控除されますので、それを引いた金額になるのでありますが、その金額をどういうものに使うかということについて相談を受け、その具体的な四半期ごとの計画につきましても相談を受ける、それから事後にどういうように支出をいたしたかということにつきましての報告を受けるわけであります。今申しましたような調達の物資の具体面におきましての計画の相談、それから使いまする金額につきましての相談、両方受けるわけでありますので、今お尋ねの点につきましては、こちら側に非常に不利な調達に陷るというようなことにつきましては、そういうことがないようにできるようになるんじやないかと思います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 これまでの終戰処理費の経験から見まして、それが不利になる公算が大きいと思います。不利にならなければ幸いです。この点についてはそういうことははつきりしないでこういう協定を結ぶということ自体が問題であつて、そういうことはこれからきめるのであると言うが、今までの終戰処理費の使い方、それを通じてどんな不利があつたかということはもう十分御承知だと思います。そういうことになつておるんだ、話合いになつておるんだけれども、一方的に向うに押し付けられたこういう弊害があつたはずなんです。これからも気を付けると言つておりますけれども、これはそういうふうになる公算が大きいから、よほどはつきりさして行かなければならないと思います。その点については通産省、或いは特別調達庁等にお尋ねしたいと思います。  そこで大蔵大臣にまだいろいろあるんですけれども、時間がありませんから最後に一つだけ伺いたいのは、最近自由党の政調会あたりで、今後の講和後における経済自立計画、いわゆるドツジ・ラインを外し、シヤプ・ラインを外して行く、いわゆるインフレ的制度に転換する政策を発表した。大蔵大臣の今までの考え方ですね、これは反対だと思う。この点について一点伺つて置きたいのと、もう一つは補正予算の問題です。約一千億以上に上る補正予算が近く出されるんじやないか。こういう報道が伝わつて、これは又自由党の選挙村対策か何か知りませんが、選挙目当ての、例えば公共事業費とか、或いは社会保障費ひつくるめて一千億以上も補正を出すというようなことが伝えられておる。それで今度の国会が終つて次の国会が開かれるとき、大蔵大臣は一千億以上に上る補正予算が出るということになると、これまで大蔵大臣の言われたことと非常に違うのですが、そういう可能性があるのですか、二つの点についてこの際伺つて置きたいのです。

池田勇人自由党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) 自由党の政調会で講和成立後の新財政経済政策を発表したことは聞いておりません。何か考えておるようなことは聞いておりますが、政調会長とこの問題について一度も話したことはございません。又施策も聞いてもおりません。これは皆講和後日本の経済はどうあるべきか、どう持つて行くべきかということは、これは政党の政調会としては考えております。又私も党員であると同時に大蔵大臣としては日夜検討はいたしております。併しまだ発表の段階に至つておりません。この経済関係というのが講和が成立したからすぐ手のひらを返すように変るべきものじやない、経済の実態というものはそう急激に変つて来るものではないのでありまして、私の今までとつておりまする財政経済金融政策はやはり今まで通りの方針でやつて参りたいと考えております。ただ生き物でございまするからそのときどきにいろんな手は打たなければなりません。  第二の補正予算で千億円を組むというようなことは、これは補正予算組むか組まんかまだわかりませんが、それで組むとした場合に幾ら歳入歳出を計上するかというようなことは、これはもう今までの私の答弁でもおわかりの通りに千億円の歳出を組んで歳入をどうするか、赤字でやるということは私はいやなんです。おのずから私はわかることだと思います。私は只今のところ国会の予算成立までに述べましたことと何ら変つておりません。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 私大蔵大臣に今二つの問題を御質問したのは、大蔵大臣も自由党のかたです、自由党の政調会におきまして案として新聞にも大きく発表されたのです。ですからこれはやはり世間においても問題にするのが当り前だと思うのです。今大蔵大臣の御答弁で、ああいう決定ですね、補正予算についても出ておつたのです。これはまあ補正予算の分は観測かも知れませんが全然大蔵大臣がそういうもの関知しないこういう御答弁と承わつていいわけですね、関係ないと……。

池田勇人自由党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) 相談にも乘りませんし、見てもおりません、まだ……。

平沼彌太郎自由党

○委員長(平沼彌太郎君) じや大臣に対する質問は本日はこの程度で……。  それでは午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩    —————・—————    午後一時四十二分開会

平沼彌太郎自由党

○委員長(平沼彌太郎君) それでは午前に引続き大蔵委員会を再開いたします。  日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律案について、逐條説明を政府委員より伺いたいと思います。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) 本法律案につきましては、午前中提案の趣旨の御説明があつたかと思いまするが、内容は比較的簡單でございますので、大体同じことに相成るかと思いますが、重ねて私から御説明申上げたいと思います。  この第一條及び第二條、これはほかの法律案の場合と内容は大体同じでございます。ただ関係のないような事項につきまして定義を掲げていないものもあるという程度でございまして、特に申上げることはございません。全く同様でございます。  それで問題は第三條でございますが、第三條は実はこの国税犯則取締法又は関税法につきまして、御承知の通り犯罪の嫌疑がある場合におきましては、裁判官の許可を得まして強制的な調査ができる、臨検、捜索、差押え等の処分を行うことが收税官吏に対しまして認められておるのでございまするが、これは一種のやはり何と申しますか、行政官吏が行うのでございまするが、事柄の性質は犯罪の捜査という非常に刑事事件に関連いたしまして行う一種の行政処分でございますので、このほうはやはり普通の刑事事件の場合に準じた扱いをしたほうが妥当であろうという考え方でございます。ただ併し建前といたしましては、飽くまでも純刑事事件とは事情が異つておりますので、若干差を設けております。即ち第一項におきましては「合衆国軍隊の使用する施設及び区域内」、まあこういう所におきましてこういう強制的な権限を行使する場合におきましては、これはやはりそれぞれ向うの軍隊の権限がある者の承認を経るか、或いは直接行うことがいろいろな関係上都合が惡い場合におきましては、そういう人々に嘱託いたしまして目的を達しようという趣旨でございます。ただその他の場合、つまり合衆国軍隊の所有する施設及び区域外の場合におきましては、これはやはり一般の国税犯則取締法又は関税法等の規定をそのまま適用することにいたしまして、別段軍隊等の承認を経ないでも必要に応じてやれるということにいたしておるだけであります。この第二項の点は、普通の刑事事件とやや事情を異にしております点でございまして、この辺は租税関係の法令違反の事件といたしましてやはりこういうふうにすることが必要であり、且つ妥当であると認めましてかようにいたした次第であります。それから第三項の規定は、国税犯則取締法又は関税法の規定をほかの法律も大分準用しておる場合がございます。即ちここに列挙してありますように、たばこ專売法、アルコール專売法、噸税法、保税倉庫法、地方税法、こういう諸法律におきまして国税犯則取締法又は関税法の規定を準用しておる次第でありますが、そういう際におきましても、やはり三條一項、二項と同様な法律関係に置くというのが第三項の規定でございます。それだけでございまして、特に更に申上げる必要はないと思います。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 ちよつと伺うのですが、第三條「合衆国軍隊の使用する施設及び区域」というのは、行政協定ではつきりしておるのですか。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) 行政協定にもはつきりしておる次第であります。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 一つも疑義がありませんね、問題点は……。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) はあ。

平沼彌太郎自由党

○委員長(平沼彌太郎君) 他に質疑はありませんか。

大野幸一日本社会党(第二控室・右)

○大野幸一君 この二條の5の「二十一歳以上の子でその生計費の十分の五以上を合衆国軍隊の構成員又は軍属が負担するもの」、どうしてこれを、折半の割合においてアメリカの軍隊の構成員が負担する場合は、家族の中へ入れたのであるか。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) これは結局まあ自分で独立の生計を営んでおる場合におきましては、これはもう家族と見る必要はないかと感ずるのでありますが、やはり半額以上を他の世帶員に依存しております場合におきましては、やはり子供と同じように従属したと見まして、家族に加えたほうがいいだろう、こういう趣旨でございます。これはこの法律だけでございません。全部の法律につきまして同様なことになつておる次第でございます。

大野幸一日本社会党(第二控室・右)

○大野幸一君 その判定を誰がするのですか。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) これは勿論行政的には日本側の行政官庁がいたします。争いが起りました場合にはそれぞれ所定の手続を経まして裁判所できめるということになるかと思います。

大野幸一日本社会党(第二控室・右)

○大野幸一君 そうすると日本の税務官吏が認定するわけですか。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) 第一次的にはさようでございます。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 参考のためにお伺いしたいのですが、米比協定なんかではどうなんですか。ほかの或いは米英協定でもいいのですが。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) ちよつと調べまして……。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 それから別の問題でちよつとお伺いしたいのですが、さつき伺つた問題ですが、米比協定で、無償で国有財産を貸與する、提供するという問題ですが、米比協定はどうなつておるかお尋ねしたところが、その米比協定の前文にあるという……。

平沼彌太郎自由党

○委員長(平沼彌太郎君) 木村委員に申上げますが、今、国税犯則取締法だけの内容説明を聞き、質疑を行なつておるのですが。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 ああそうですか。それじやあとでいたしますから……。委員長どうですか、今調べておる間に時間が空いていたので質問したのですが、どうですか。

平沼彌太郎自由党

○委員長(平沼彌太郎君) 一つずつやりましよう。すぐその次に内容の説明を伺つて、それから又……。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 議事進行上どうですか、今の質問をあとでして頂きましては。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) 今正確なところを調べましてあとでお答えいたします。余り詳しい定義はないようでございますから、内容をもつと調べまして。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 ついでに若しかわかりましたらこつちのほうと違う点ですね、相違点があつたら一つそれも念のために調べて来てもらいたいのです。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) 大体この種の協定といたしましては、御承知の通り北大西洋條約、それから米英基地協定、それから米比基地協定、この三つの種類のものがございますが、アメリカとフイリピンの間で結んだもの、アメリカとイギリスとの間に結んだもの、それから北大西洋條約とございますが、その間若干差があるようでございます。  先ずこの米比協定との比較でございますが、米比協定はどちらかと申しますと恐らく歴史的事情に基く関係でございましよう。免税等も比較的広汎に免税、包括的に免税をしておるようでございます。極く協定といたしましても包括的に、アメリカの軍隊や軍人の用に使用します物資等は一切の関税、消費税、内国税を免除するといつたような協定になつておりまして、今回の我が国できまりましたような相当具体的な協定はないわけでございます。今回の我が国の場合におきましては、相当それぞれ必要性を考えまして、事柄の対象を明らかにいたしまして、免税する場合と課税する場合とをはつきりいたしておりまするが、そういう点が米比協定によりますると相当包括的な免税規定が設けられておるようでございます。それから……。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 ちよつと、それは第五條……。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) 主として所得税の特例なり、それから関税、輸入品に対する課税ですね、そういうものにつきましても……。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 そうすると米比協定の五條ですね、主として。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) 多分そうかと思います。それから米英協定にも実は大分包括的な免税や包括的な課税をしない、手続を要しないというふうに規定されておる事項が、どちらかと言いますと多いようでございます。これはイギリス本国全部に及ばないで、やはり特定の地域に限られておる関係かと思いますが、相当包括的にやはり免税の措置を講じたり、或いは手続等を不用にするような規定が米英協定にも設けられておるようでございます。それから北大西洋條約には或る程度基本的なことは載つておりまするが、まだ細目の点につきましては余り規定されておりません。日本の今回きまりました協定の中には、北大西洋條約等に載つていない事項につきまして相当規定しておる例も多いかと存じます。具体的な一々の内容は必要がございますれば項目別に調べまして申上げてもいいと思いますが、大体の基本的な差異は私が今申上げましたようなところにあるわけでございます。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 北大西洋條約においてはその何條々々かを調べて頂きたいのです。これは資料を頂いておりますが、むしろ北大西洋條約においては余り免税しないというような規定のようですから……。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) 北大西洋條約については課税に関する規定は比較的少いようでございますが、そういう点につきましては又今後追加して、そういうことにしまして措置されることが相当多いだろう、或いは国内的なそれ外れの国におきまして適当にやつておる事項もあるように聞いております。包括的に條約といたしまして、はつきり規定をした事項がどちらかと申しますと少いように見受けております。

北島武雄大蔵省主税局税関部長

○政府委員(北島武雄君) 只今の主税局長の説明に補足いたします。北大西洋條約におきまする関税関係の規定は第十一條、第十二條、第十三條でございます。それから米比協定におきましては第五條が、これが基地の建設、維持、運営、防衛のために、合衆国官憲に宛てて積み出され又は仕向けられたものに対する一切の税金を免除される。第十二條に相当広汎な免税規定がございます。例えば本條の第一項及び第二項に掲げたものといいますと、これは軍人、軍属扶養家族など一切入るわけであります。これらの者は人頭税若しくは居住税又は輸入税若しくは輸出税、又は私用のために輸入する私財に関するものの税金は、フイリピン国の政府又は地方官憲に支払う義務を有しないと書いてあります。それから又十八條は基地における販売及び役務に関する規定であります。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 どうなんですか。たばこでありますか、そういつたものは今まで流れているような工合に、今後はもつと大規模に流れて出るというような虞れはこの法律で十分取締りできますか。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) 法制的には今回のこの法律によりまして、輸入  した物品につきましてはそれをその本来の用途に供しないで他に讓渡する場合、この場合は税関長の許可を、承認を得せしめることにいたしておりまして、その承認を得ないでやつた場合におきましては讓渡人も一定の制裁を加える、向うに対しても……。今まではそういうことは、向うの軍内部の規律になつておつたかと思うのでありますが、日本の国内法といたしましては讓渡人も処罰する、責任を問うということは実はできなかつたわけでございますが、今回はそれができることに相成つたのでございます。法制的にはそういう点が今までと相違のある点でございますが、それと同時に実際問題といたしましても、今後はよほど運用に対しまして互いに合同委員会或いは連絡調整によりまして、違反事実があつたような場合におきましては、遠慮なく向うに提議いたしまして、必要な制裁、必要な措置をとると同時に、予防措置等につきましてもできるだけ緊密に協力してやりたい。そういうふうに行きますれば私ども相当に……、これは希望かも知れませんが、今までよりもよほどその点は改善される方向に行けるのではないか。これは勿論日本側といたしましても、当局並びに国民のかたがたの考え方と、それから方針次第でございますので、できる限りそういう方向に行けるように努力いたしたいと考えている次第でございます。

平沼彌太郎自由党

○委員長(平沼彌太郎君) それでは次に特別調達資金設置令の一部を改正する法律案(予備審査)、について内容の説明を求めます。

辻村義知特別調達庁長官官房長

○政府委員(辻村義知君) 特別調達資金は、連合国軍の需要に応ずる物及び役務の調達と円満に処理するため設置されたのでありますが、今回日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約の締結に伴いまして、一応この資金を同條約に基いて駐留するアメリカ合衆国軍隊の需要に応ずるための物及び役務の調達に要する支払資金としても使用することができるようにする必要がありますので、特別調達資金設置令に所要の字句的な改正を加えるためこの法律案を提出した次第であります。どうか御審議の上速かに御賛成あらんことをお願いいたします。

平沼彌太郎自由党

○委員長(平沼彌太郎君) もう少し詳しく逐條説明をして下さい。

辻村義知特別調達庁長官官房長

○政府委員(辻村義知君) これは只今申上げましたように、具体的に申上げますと、特別調達資金設置令中、「連合国軍」とございますのを「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基き駐留するアメリカ合衆国軍隊」というふうに字句の改正をいたしたいと思うのであります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 これは前に小委員会でこの特別調達資金設置令を存置するという際に多少審議したのでありますが、午前中の木村委員の大臣に対する質疑応答のときにおいて多少私も問題に思つたのでありますが、行政協定第十二條の四項ですね、これと大体役務関係のことに今まではこの資金は使われておつた。併し調達令自体を見ると、物資等についても、物の調達の場合にもこの資金は利用し得るというふうになつているわけですが、今までの運用は大体において進駐軍、従つて今後は駐留軍の役務に使われるということに今まで通りこの資金は使われるということになるわけですか。

辻村義知特別調達庁長官官房長

○政府委員(辻村義知君) 只今お尋ねのようにこの調達資金は、従来は役務と申しますか、役務の中でも労務関係、労務の調達の関係だけに利用されておつたのでございます。設置令においては只今お話のように物資の調達にも使えるようになつておりますが、従来はそういうことはございませんのであります。平和條約、安全保障條約発効後のことにつきまして、なお最終的にはきまつておりませんが、大体従来通りなことに落着くだろうという只今考えでおります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 これは午前中波多野さんからも大臣に対する質問があり、大臣が目下考慮中だという、この特別調達庁関係の機構の再編成の問題とも関係するわけでありますが、取りあえずこの設置令を新事態、即ち駐留軍に適用するようにまあやつておこうというのであつて、この令自体の内容から言うならば、十二條関係を全部一括して受け得るような資金となり得るわけなんですが、そういつた将来の日本側の物資調達に対する何というか、権限ある当局との関係においてはこれをどういうふうにやろうとするのか、又今まではドル払いのものに対するいわば運転資金を提供するという程度のものでおつたが、今度は円払いのものも起り得るのではないか、全部ドルで払われるのか……。今まで通り労務に限りましても、この資金を労務調達の給與払い、賃金払いだけに使うと限つても、必ずしもドル払いのみでないのではないが、そういうような点はどうなるのですか。

辻村義知特別調達庁長官官房長

○政府委員(辻村義知君) お話のごとくこの特別調達資金設置令の邦文の関係から申しますと、必ずしもドルの負担による労務の調達のみには限らないと考えます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 ドルの調達には限らないということであると、この設置令を設けられたときはドル払いで支払が遅延、二カ月ぐらい先……そこでその繋ぎ資金として要るんですかということになるんですが、七十五億という予算は大体そういう関係の予算……今度これは小委員会で審議したときにも、七十五億ということは将来検討を要する問題だということは協議したのですが、円払いがあり得るならばこういう会計が要るとも思えない、全部円で払われるのだから……。

辻村義知特別調達庁長官官房長

○政府委員(辻村義知君) 只今円払いとおつしやつたのは、日本政府の負担する防衛支出金のうちアメリカに提供する一億五千五百万ドルについてのお話かと存じますが、この支出金はアメリカ政府の会計に入れまして、アメリカ政府が円で支払いをせられる性質のものでございますので、日本政府がこの調達資金を使つて操作するものとは一応全然関係のないものであると考えております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 そうするとこの特別調達資金は、向うのやはり円とドルと半半あるわけだから、ドル払いのものに使つて行こうということなんですね。

辻村義知特別調達庁長官官房長

○政府委員(辻村義知君) 従来は申上げましたように、労務の提供以外の方面にこの調達資金は使つておりません。又将来もこの事情が変るような具体的な只今見込もございませんので、差当りのところこの七十五億円の調達資金は労務の提供に必要な額であるというふうに考えます。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 これはあれですか、ジヨイント・アカウントが発効する前までの暫定的な措置なんですか、それともそのジヨイント・アカウントになつても、労務関係についてだけはこの勘定で処理して行く、こういう意味の法律案ですか。

辻村義知特別調達庁長官官房長

○政府委員(辻村義知君) これはジヨイント・アカウントと申しますか、今度の防衛支出金とは全然別のものでございまして、これは沿革的に申上げますと、従来終戰処理費は全額日本政府の負担でありましたのが、昨年七月一日以降約半額をアメリカ政府が分担することになりました際に、そのアメリカの負担分中、労務費につきましては負担はアメリカ政府がいたしますが、実際の労務の提供は日本政府の機関が実施するということになりまして、両国政府の間にこの点に関する契約が締結されまして、それに基いて日本政府がドルを受入れて労務の提供をするために設置した資金でございまして、防衛分担金とは全然沿革的にも又性質上も関係のない資金でございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 沿革は我々はよく承知しておるのであつて、そこにこの法律の訂正によつて、全然今までとは観念的というか、性質が変つて来ると思います。そこで私が質問をしておるわけで、今までの進駐軍時代にはあなたのおつしやる通りで始まり、又現在占領軍である問においてはそういうことなのでしようが、今度新らしく駐留軍との関係においてこの資金を運用して行こうということになれば、労務は従来通り、占領軍であつた当時と同じように、アメリカ合衆国は直接ドル払いをするのかどうか、又その場合にこれを使つて行こう、併し今までの占領軍当時に直接雇用しておつた労務量と駐留軍となつてからの労務量がひとしいとも言えない、同じだとも言えない。そうすると七十五億という金についても検討を要する。これが取りあえず暫定的措置であつて、いつ占領が終結するかも知れない。そのときに或る程度この資金は回転しておりますから、この回転を合法化するためには、取りあえず占領軍が駐留軍になつてもこの資金が動くようにする意味において、当分の間一応これでやつて行こう。併し今の防衛分担金等の使用方法等がもつと明らかになり、今朝の大蔵大臣の考慮中だと言つた行政協定十二條関係の日本側の機関、機構が整備すれば、この法案についても再検討せざるを得ないのではないか、それがどうかと言うのです。

辻村義知特別調達庁長官官房長

○政府委員(辻村義知君) お話の通りと考えます。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 どうもはつきりしないのですがね。この法律の附則に特別調達庁設置法を改正するわけですね。十三で「アメリカ合衆国政府との間に物及び役務の提供に関する契約を締結すること。」となつておるのですが、特別調達庁が物の提供に関する契約をアメリカ政府との間に締結すると、今度いわゆる直接調達ということになる場合は、特調と政府との契約ではないのですね。アメリカ政府との契約ではないのですね。そういう場合はどうなるのですか。

辻村義知特別調達庁長官官房長

○政府委員(辻村義知君) 全部いわゆる直接調達ということに確定いたしますれば、特別調達庁の只今お読上げになりました條項は不用になると考えます。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 その点はそうすると非常に重要な問題になるのですが、今どうなんですか、速記をとめてもいいのですが、見通しですね。新聞には一応出ておりますが、大体直接調達ということになつておるようですが、そうするとこの法律案そのものは不用にならないのですか。若しか直接調達になつたら特別調達庁というのが要らなくなるのじやありませんか。

辻村義知特別調達庁長官官房長

○政府委員(辻村義知君) 最近国会で御審議を願いました特別調達庁の設置法が改正いたされました曉におきましては、駐留軍に対するこの調達庁の任務といたしましては、駐留軍の需要する役務、物資等の調達をいたすことが一番大きな職責でございますが、この職責のうち不動産の提供につきましては、これは先ほど申上げました防衛支出金のうち日本政府が直接経理をいたし、又現実の調達提供もいたすということになつておりますので、この不動産の関係におきましてはいわゆる直接調達になることはないと考えておりますので、少くともその不動産関係の業務は将来とも調達庁の業務として残るわけでございます。物、工事、つまり不動産の提供、労務の提供以外のものにつきましては若しそれらが直接調達ということにきまりますれば、これは特別調達庁の権限の外になると考えます。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 そういたしますと率直に伺いますが、この法律は、今まで間接調達になるであろうという建前で作られたのではないですか、その後直接調達というふうなことになれば必要はないわけじやないですか。それでも必要があればどういう意味で必要なのか。それからもう一つ、不動産だけを取扱うということになる場合は、それは今のこの法律の第一條に、「物及び役務」とはつきり書いてありますから、「物」の中に不動産を仮に含めるとしても非常におかしな條文で、はつきり不動産なら不動産とすべきで……それだけならですね。ですから最初は間接調達を前提として作られたけれども、その後事情が変つて来たと、こういう関係になつているのではないでしようか。

辻村義知特別調達庁長官官房長

○政府委員(辻村義知君) 先般の特別調達庁の設置法の改正は、平和條約の効力発生以前に御審議をお願いする必要がございまして、御審議を煩わした次第でございますが、提案いたすまでに、いわゆる直接調達になるか、間接調達になるかということがまだきまつていなかつた次第でございます。行政協定の文面では少くとも一部分は間接調達になることがあり得るような規定にもなつておりますが、全体として確定的なことがなおわかりませんでしたので、特別調達庁の設置法の改正は最小限度の改正で取りあえず出発をいたしたいという趣旨から、ああした改正の御審議をお願いいたしました次第でございます。従いまして間接調達になることを前提として改正を提案したとか、或いは逆の場合を予想して提案したというようなことではございませんで、その辺はまだはつきりしませんでしたので、取りあえず最小限度の改正をお願いしたという次第でございます。若し只今お話のように不動産は間接調達、労務は契約に基いて特別調達資金の運転によつて、日本側が提供する、その他のものは全部アメリカが直接調達するということに確定いたしますと、或いはお話のように設置令の條文等も改正しなければならん事態に相成るのではないかというふうに考えます。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 そういうふうに改正いたしますと、この法律案自体も又変つて来なければならないですね。第一條でははつきり「物及び役務の調達」となつておりますから、その必要上この七十五億の金が要ることになつて来る。ですからその事態がはつきりしないのにこの法律を出されるのですが、変つて来れば又これも変らなければならない。こういうことにしなくてもいいのか、それともこれはどういう事態が今後変化があろうとも、この法律はこれとして実際的に必要なんである。こういうふうに了解してよろしうございますか。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 これは特別調達庁のかたと一つ主計局のかたに来てもらつて一緒に聞いたほうがいいのではないですか。この前小委員会でこれを存置するという審議をしたときに、大体そのときに一緒に本当はこれを改正すべきものなんです。今日のこの改正案を出すのが漏れて、今出しておる。

平沼彌太郎自由党

○委員長(平沼彌太郎君) 小林委員に申上げますが、これを主管しております石原主計局次長が今来られるそうであります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 ああそうですか。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 調達庁関係についてはこの法律案はかりでなく、ほかに関連がたくさんありますから、調達庁のかたとそれから通産省のかたに来てもらつて、一遍聞く機会を作つて頂きたいと思います。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) 先ほどの問題でありますが、家族の定義でございますが、米比協定でも米英協定も別段規定がないようでございまして、恐らく運用等によりまして然るべくやつておるのではないかと思います。北大西洋條約にはその定義がございまして、それによりますと、「軍人又は軍属の配偶者又は軍人若しくは軍属に扶養されるそれらの者の子をいう」、従いまして子供と配偶者に関しましては大体これと同じだと思いますが、我が国の場合には、父母でありまして生計費の半分を依存しておるもの、つまり父母でも扶養されているものが入つているのが北大西洋條約より幾分広くなつておるということに相成ると思います。

平沼彌太郎自由党

○委員長(平沼彌太郎君) 特別調達庁の堀井次長が来られましたからどうぞ。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 今朝も特別調達庁の問題で大蔵大臣に聞いたのでけれども、まだ政府のほうで方針がはつきりしていないというような答弁で、今のところ調達庁としては駐留軍になつた場合どういう態勢で行くかということについて何かお考えがあるのですか、どうですか、一つ聞いておきたい。

堀井啓治特別調達庁次長

○政府委員(堀井啓治君) 総括的に申上げますと、まだ政府としての結論に達しておらないと思いますが、只今予備作業班におきまして進行しておりまする概要といたしまして、第一に物の調達の面におきましてはサブコミツテイーでの大体の米側の強い意見といたしましては、予算が米国に渡されている以上、米国のプロセデユアによつて直接調達が行われるのであるということが強く主張せられております。これに対しましては日本の産業経済等の面から、特調の意見として、これは間接調達であることが最も望ましいという意見は出しておりますが、政府全体の意見としてのまとまりが、    〔委員長退席、理事大矢半次郎君委員長席に著く〕 十分にできておらんように思います。労務関係につきましては、大体におきまして間接調達を米側も希望し、我がほうにおきましても間接調達によつて提供するということが適当ではないかというような話が進行いたしております。まだ決定的ではございませんが、極く概括的に申上げましてそういうような進行状況であります。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 間接調達を伺うが好まなくて直接調達を主張しておる。その理由は、予算が向うの手に渡つても……、この点はあとで聞きますけれども、直接調達になつた場合、今でも相当やつておりますね、現地軍が直接調達を、これはいろいろな業者側にとつても不便なことが随分あるようです。併し今は占領下であるからと言つて泣き寝入りになつている問題も大分あるようです。一番問題になつているのは、直接調達をやられると妙なブローカーがたくさん入り込む、それでブローカーにだまされたりいろいろなことがあるらしい。ああいう点を直接調達になつた場合にどうして除去するかといつたようなことが、日本政府側としては考えなければならない問題じやないかと思うのですが、そういう点はどうなんですか。

堀井啓治特別調達庁次長

○政府委員(堀井啓治君) 若し仮に直接調達というようなことになりました場合に、只今御指摘のありましたような、特にそのプロセデユアや或いは契約の諸種のフオーム等が米国式が採用されるということになりますれば、一層そういうトラブルを増大せしめるという危險があると考えます。これに対しましてはできるだけ日本の商習慣等を取入れまして、日本の国情に合うようなプロセデユア或いはフオーム等を採用せられることを、予備作業班を通じましてそういう意見を開陳いたしております。但しこれにはなお相当の不均衡があるように聞いております。、

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 只今直接調達になると、アメリカの、これは契約法というのですか、あの調達規則、それによつて調達されるということになるのでございますか。そうなりますとどういうことになるのですか、今までやはりそれでやつておるわけですか、調達規則によつてあの特需なんかはそれでやつておるわけですか。

堀井啓治特別調達庁次長

○政府委員(堀井啓治君) 特需につきましては只今御指摘の通りでございます、在来の特需につきましては。将来のそういうフオーム等については、日米合同委員会によりまして行政協定の精神に基きまして、十分日本側の商習慣を取入れたフオーム、プロセデユアでやつたほうが……、とらるべき趣旨は行政協定によつても認められておると考えます。その点において予備作業班を通じてそういう実情を、我がほうとしての意見を開陳しておる次第であります。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 それに関連して一つ具体的な例をお伺いしたいのです。これは御承知と思うのですが、東京螺子ですか、東亜紡織、ここで納入したものについてアメリカの再協議局ですか、リネゴシエーシヨン・ボードで原価計算をやつてみたら、それが不当に高いというのでこちらに又その再調査をして、今問題になつておると聞いておるのですが、これは結局どういう問題になつたのですか。東京螺子の問題だとか、東亜紡績とか、聞くところによるとあとで受取つた金を返さなければならない。こういうようなことになると、取引が非常に不安定だと思うのですが、この二つのケースは具体的に今どういうふうになつているか、お尋ねいたしたいと思います。

堀井啓治特別調達庁次長

○政府委員(堀井啓治君) 只今御指摘の実例につきましては、これは特需の問題でございまして、私どもも詳しいことは只今存じておりません。只今更に会計検査によつて嚴しい検査を受けて、更に戻入れをしなければならないというようなことがあるかというような御指摘もございましたが、そういう実例は、只今の御指摘の二例については私もよく存じませんが、他にもそういう例がございまして、戻入れしなければならん。これはアメリカの会計法規にそういうような規定があることを聞いておりますが、そういう実例は他にもあることを聞いております。御指摘の今の二例につきましてはよく存じておりません。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 それを何か資料みたいにしてそういう例を出して頂くわけに行きませんですか、よろしうございますか。

堀井啓治特別調達庁次長

○政府委員(堀井啓治君) できるだけ調べてみます。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 今の二例でなくても、他にもこういう実例があると、そういう例がございましたら資料として一つ……。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 先ほど辻村さんに私、ちよつとはつきりしなかつたのですが、この特別調達資金に関係して、今後労務の関係は直接雇用か間接雇用か、成るべく間接雇用にしてもらう話を進めているというのですが、従つて従来通りドル払いであるか、或いは今度はジヨイント・アカウントで円も五百五十八億繰入れますから、円で払う場合もあるのかどうかという点はまだはつきりしていないのですか。

堀井啓治特別調達庁次長

○政府委員(堀井啓治君) 只今までのところは労務はアメリカのドル負担であつて、実際の労務の提供は両国間の契約に基いて日本政府が実施するということになつておりますので、負担としてはドル負担であるわけです。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 今まではドル負担であることは間違いない。この占領軍が駐留軍に変つてから、いわゆる独立してから後はどうなるのですか。

堀井啓治特別調達庁次長

○政府委員(堀井啓治君) その問題は只今の見通しでは変りがないと思います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 そうするとその問題で主計局長にお尋ねしますが、ジヨイント・アカウントを作つて、その中には円資金もあるしドル資金もあるわけですね。その使い方、どういうものは円で払い、どういうものはドルで払うというような区別があるのですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 一億五千五百万ドルに相当する、これは円でありますが、円は毎四半期に大体二五%ずり向うのバンキング・オフイサーの勘定に払込むわけです。そうしましてその中で結局一億五千五百万ドルというものがミニマムであり且つマキシマムでありますので、大体二分の一ということになりますが、それ以上のものは向うの負担になるわけであります。従つて或るものが調達された場合に、これはジヨイント・アカウントでありますので、その割合というふうな意味合いのことになりますが、我々としましてはあの中の議事録にもありまする通り、日本の標準的な慣行とかいつたようなものに従つてやつて行きたいということを言つている建前上、向うの何と申しますか、個人的な消費でありまするとか、或いは我々日本人の生活以上に出るような経費に相当するもの、例えばいろいろな住宅の経費、或いは個人的ないろいろなプライベイトの経費というようなものは負担さしてもらいたくない。先ず電気、ガス、水道というもの、それから需品といつたようなものをやつて、その場合に労務がどういうことになるかという御尤もなお尋ねでありますが、現在一応ドル建で契約いたしまして、それを外為で円に換えて払つておるわけでありますが、今後の調達方式につきましていろいろ議論があるわけでありますが、大体ドルの支払はない見込であります。全部円契約になるだろうと思つておりますし、労務につきましても円であらかじめ契約して一人当りのものをやつて、そうしてフアンドに、それ相当の分を調達資金のほうに払い込む、こういう恰好になるだろうというふうに考えております。目下そのやり方につきまして予備作業班などで協議している段階なのであります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 そうするとこの調達資金を設けたのは、ドル払いを前提として、それが円に換えて支払うという間に二カ月くらいかかるだろうというようなことから七十五億という基準を作つたということになると、円で払われるということ、それがスムースに行けばこういう資金を設ける必要はないということになるわけですね。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 若しこれが直接調達ということを労務についておやりになるということになりますと、これは要らないということになります。併し一応清算をしましてやつて行く、そうして日本政府の一応の雇用となる恰好になりまするならば、何と申しますか、アメリカ政府のジヨイント・アカウントで、向うから円資金をもらつて、調達庁なら調達庁が向うの会計職員としてやるという建前ができれば、こんな調達資金は要らないと思います。併しそれはアメリカの会計法制度の問題でもありますし、それから日本の調達庁がアメリカの会計職員になられるかというようないろいろな問題もありまして、そういつた技術的な点でもいろいろ困難があるのであります。従つて間接調達という方式を続けて行く限り、仮に円で調達するということにつきましてもこういうような方式によるほかはないのではなかろうかと私は考えます。併し今後いろいろやり方について、非常に調達の方式について目下相談いたしておりますので、その進展如何によりまするが、まあ当分のところこういう方法で行くのじやないかというふうに考えております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 従つて、従つてと言うか、あなたのお話でも当分という言葉がありましたが、まあ結局これは現在の資金を回転して行く、併しどういうふうに機構が変るといたしましても、一片付きする間でも一応二カ月で変つているわけだから、途中で独立をしたという場合に、占領軍から駐留軍になつても適用ができるという意味におけるこれは改正であつて、一応全体の十二條関係に対する日本側の機関の決定を待つてこういう関係もはつきりして来る。従つてそのときには例えば七十五億というような問題についても検討を要するけれども、この法案の例についても再検討を要する。その間の取りあえず駐留軍となつても適用し得るための改正だというふうに了解していいわけですね。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) さようでございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 それとも関連するのですが、向うで、アメリカで今のジヨイント・アカウント関係の運用をやるためにアメリカの財政法或いは会計法の改正を要するということで、何か向うの議会で提案されるように新聞報道で伝えておりますので、そういうことについてあなたのほうは勿論わかつておると思うのでありますが、苦し法案等があればお示し願えれば結構です。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) ジヨイント・アカウントの問題でありますが、そういうフアンドを作ります上において法制的な措置がアメリカでできるわけでありますが、これは御承知のようにアメリカの予算は日本のような計数みたような表でありませんで、法律でできております。アクトで作つております。従つて安全保障関係の経費についてのアクトを国会が出しまして、これを国会が提出するわけでありますが、それの中にそういつたアカウントを作るというように書かれるということを承知いたしております。今年の七月から新らしい年度が始まるのでありますが、恐らく平和発効の期日に遡つてこのジヨイント・アカウントが作られるというふうなことで目下進行しておるわけであります。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 今のジヨイント・アカウントですね今向うが一億五千万ドルか二億ドルとか言つておるが、それを持つて来た場合、全部円に換えてしまつて、こちらは円で出す、かように合同でやつて行く、そういう形ですか、それで注文は円で注文をする、契約本円で契約をする、こういうことですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) そうでございまして、これは、委員長速記をとめて下さい。

大矢半次郎自由党

○理事(大矢半次郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

大矢半次郎自由党

○理事(大矢半次郎君) 速記を始めて下さい。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 そうするとどうなるのかね。日銀総裁の言うことだけれども、今の合同資金運用委員会ですか、合同資金をアメリカ側が操作していますね。合せて一千二、三百億になりましようか、これがアメリカ側が日本の金融政策と歩調を合わせないで勝手に操作した場合に、金融界に相当な影響が及ぶんだということを心配しておつたようですが、こういうところはどうなんですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) これは毎四半期の始まる十日前でしたか、十日前までに次の四半期の分を、アメリカ側の支出負担行為の総額と、それからアメリカ全体として……、そのうちにおける日本の支出負担行為の総額はドルとして出ると思いますが、そのほかに日本の一億五千五百万ドルの決定の分が幾らというのを十日前までに双方で協議してきめてそうしてやつて行く、そうして毎月翌月の二十五日までに前月分の支出の実績、内訳、証憑書類といつたようなものを日本政府のほうによこす、そうして調達の状況等を常時審査して一般の契約と同じようにやつて行こう、こういうような話合いが現在進んでおります。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 このジヨイント・アカウント資金を使つたときのその後の検査ですか、そういうものはもう全然こつちにはそういうあれはないのですか、日本側は、それをどういうふうに使われたか、適正に使われたか、適正でなく使われたか、そういうようなことは検査する権能はあるのですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) これは木村さんのおつしやること御尤もだと思う点もあるのでございますが、こういう点も一つお考えを願いたいと思うのです。勿論そういう検査も必要だし、監査も必要だと思うのですが、如何なる意味でやるか、つまり経費が成る経費について半分ずつ負担するのだ、例えば石炭とか電気ガスも半分ずつだ、こういうふうなことでありますと、その経費がどういうふうに……、できるだけ少いほうが日本にとつていいという恰好になるわけでありますが、現在特調において終戰処理費を使つておられ、向うからPDが出て来ますけれども、いろいろなことを言つて、できるだけ適正なものにして頂いておるわけであります。併し今後の新しいジヨイント・アカウントになれば一億五千万ドルというものはこれはパー並みなんでありますから、若し平和発効の日が遅れますとその分だけ減ります。それから九億円ばかり税金があるからそれだけ引けますが、そういつた技術的なことは別といたしまして、その金がミニマムでありマキシマムということなんでありまして、それ以上のものは無効だということになりますと、勿論それが日本経済に惡影響を與えるというような調達、つまり一日に石炭を何百トンも買うということになりますと、これはいろいろ考慮しなければならんと思いますけれども、個々の契約について会計……。つまり政府の立場からの問題というものは割合に前とは考え方が少し変つて来るのじやないかというふうに思つております。勿論業者に非常に單価を叩いたりしちやいかんとは思いますけれども、特調の立場は従来とは少し変つて来るというふうに思うのであります。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 併し日本側で相当分担する、その金について全然これを会計検査みたいなことができないというのでは、今の日本の会計法との関係はどういうふうになるのですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) これはジヨイント・アカウントに六百五十億、そのうち九十二億は別でありますが、これを払込む、つまりアメリカのウイリヤム少将ですか、何かそういう人のアカウントに小切手を払込むというときに支出面に出すわけであります。従つてこれですべては支出としては終りでありまして、会計検査院としてはそこまでの段階であろうと思います。ただ併しそれから先のアカウント、これは行政協定にもありますように、両方の相談でやつて行こうということで、そこには日本の財政法、会計法という問題でなしに、事実上の予算執行の監査と申しますか、そういつた審査の問題として行われるというふうに考えております。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 それはそういう建前になつておることはわかつておるのですけれども、併しそれはもう建前はそうでも、使い方如何によつてはこつちが全然それを監査的のことができないということになると、特に直接調達の場合に非常にいろいろな問題が起ると思うのです。それからもう一つお伺いしたいのですけれども、あちらでは何ですか、フイスカル・リミテーシヨンというようなものがあつて、契約するときに或る一定の経理上の制限があつて、それ以上出せないとなると、今河野さんの言われたように叩くという問題が起きて来ると思うのですが、こういうようなことは全然こちら側ではタツチできないのですか、どうですか。それからもう金を渡したらそれだけであちらさんが言う通りにするよりしようがない。その使い方、或いは検査その他については実質的に全然こつちはタツチできないということになつておるわけなんですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 進駐軍の直接調達の問題もいろいろ出されたのでありますが、私は六百五十億の防衛支出金の系統の直接調達というものは大したことはないと思います。と申しますのは内容は御承知の通りに大分、そのうち百億は鉄道、五十億は電通、その他電気、ガス、水道といつたようなものが大部分であります。一番問題になるのは石炭が約二百万トンで、これが約百二十億くらいになりますが、これが一番問題になるくらいでありまして、いわゆるメインテナンス、ローカル・エクスペンスという維持の系統のものはこれは問題ないと思うのでありますが、日本のほうは一億五千五百万ドル、向うが一億八千万ドルになりますが、むしろ問題は、三億ドル以上に上る特需といつたようなもののほうが、いわゆる生産資材その他御心配の向きのところに問題があるのであつて、防衛支出金、つまり一部日本の負担するものについては、これはそういつた会計面においてそう心配しなければならないということでなしに、一般の経済に対する問題として考えていいのではないか、こういうように考えます。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 もう一つお伺いしますが、六百五十億円という支出金ですね。あれは共同管理ができれば一度に全部払込んでしまうわけですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 大体これはいろいろ議論があるのでありますが、現在のところは毎四半期二五%、差当り第一四半期に二五%を入れようということにいたしております。その後は二五%を中心にするわけでありますが、支出の状況によつては変ることもあろうと存じますが、四分の一ずつということになつております。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 そうするとこれは余ることもありますね。全部払込まなくてもいい場合もありますね。どうなんですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) これは先ほども申しましたように今年度に関する限り一億五千五百……、九十二億円のうち九億一千七百万円という税金を引きまして、それから平和がいつから発効いたしますか、十二分の幾らになりますが、そういつた金を引いたものを今年度に関する限り少くして、その額を結局において一年分として入れるのでありまして、その入れ方は二五%、或いは第二四半期は余計に行くということはありましようけれども、結局において総額はすべて入る、今言つた平和発効の関係の月割の分を除いて全部入る、こういうように考えております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 先ほどやはり調達資金の問題ですが、間接調達になつた場合に円払いであつてもやはりこういうものが要るのじやないかという、こういう主計局長の意見でしたが、それがなくて済ますようにやれるのじやないですか。向うの支払さえ迅速にやつてくれさえすれば、こういう七十五億円も、五百五十八億負担をして、更に七十五億というものを、これは運転資金、回転資金ではあるけれども、余分の財政資金として使つておる。これは節約できれば、使わずに済めばこれに越したことはないのですが、ジヨイント・アカウントの運用方法によつては間接調達の場合についてもこういう資金を使わずにやつて行ける方法が考えられると思うのですが、その点はどうですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 間接調達で日本側が労務を請負つてやる限りにおいてはなかなかむずかしいのじやないかと思います。先ほども申上げましたようにジヨイント・アカウントの支出官と申しますか、経理官、会計出納官と申しますか、そういうものに特調がなりますればこれはできる、できないとは申せないのであり虫ずが、ただこれもいろいろアメリカの会計法の問題もありまして、例えばそういつたものには保証金を積ませるとかいうようなことがアメリカの会計制度にはあるらしいのであります。アメリカの国庫の金を扱うのでありますから、そういつたことが日本は日本の慣例に従わなければならないというようなことも如何かというような気もいたすのであります。そういうようなことで絶対にできないとは私は申上げかねるのでありますが、こういつたものがあつたほうが、その辺がスムースに、ベターなんじやないかと思うのです。勿論今後におきましてその点を十分検討して見たいと思います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 防衛分担金のほうですね、六百五十億の九十何億ですか、あれは賃貸料ですか。あの中には賃貸だけで、土地なんかの收買の費用というものは入つていないのですか。そういうあれが起つて来ないのですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) まああの九十二億という金は、実は一応積算いたしました当時は、現在進駐軍が接收しております土地、建物等の借料で計算いたしたのであります。併しまあ今後において接收と申しますと語弊がありますが、まあ新らしく收用せられるといつた場合に、不動産関係のものであればあそこから出すということになろうと思います。或いは土地、或いは漁業権の收用というような問題が起ればそういつた問題もあるかと思います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 そういたしますとそれだけ殖えて来るわけですな、計算が……。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) これは殖えないであろうと思います。と申しますのは、今後も大分住宅その他もだんだん解除されて来ます。それから進駐軍の兵営施設、殊に軍政系統は一応全部解除されます。それで実はあの金は従来の家賃その他で行きますというと五十数億円ぐらいなのでありますが、ただその御承知のように去年の八月でありましたか、従来の三倍になりました。で、今後まあ継続する場合においては相当賃貸料というものを相当上げてやらなければならんじやないかというようなことで、これを余裕を見てやるというような点もありますので、又そういうことがありましても、足りなくなるというようなことは恐らくないと思います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 その足りなくなつたような場合には安全保障諸費を使うことはできるのですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) これは法律上の問題として、予算上の問題として私ども使う気はございません。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 使えるのですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) そうでございますね。どうも使えるのですかと言われても、法律上から言えば安全保障にそれが必要であるということについてお考えになるかも知れませんが、我我としては使う気はございません。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 使うとか使わんとかいう問題ではなくて、安全保障諸費それに流用できるかと……。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) これは安全保障費を実質上の防衛支出金に使えるかという問題でありますが、私はこれは使えないというのが予算の御審議を願つた、又我々が予算を編成した建前から行つてそう申すべきものじやないかと私は思います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 そうしますと、実はこの予算の審議のときに時間がなかつたので十分審議ができなかつたのですが、大蔵大臣は、実は私は今の九十何億については、この中に收買費は入つていない、賃貸する場合でも接收という問題で收質、土地、建物の收買が必要になつて来る、そのとき予算が足りなくなつたらどうすると言つたら、大蔵大臣は、防衛分担金を廻す、それを使うと、こういうふうに答弁されたのです。そこで私は疑問に思つたおつたのです。ですから今主計局長が言われて、その点は私は使う使わないはとにかく、建前としては私は使えない、こういうことがはつきりしたのですが、それでいいわけですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 少し誤解がありましたので御訂正申上げておきますけれども、この今の占領軍がまあ駐留軍になりまして新らしいところに移ります兵舎を作ります。その兵舎を作る金は安全保障費のほうにあるのでありますから、その限度においては新らしい收用が起つても、これは安全保障費のほうからこれは出せると思うのですが、又出すべき筋合いのものと考えておるのでありますが、私のちよつとできないと申しましたのは、現在の土地借料というようなものが足りなくなつたという場合に、安全保障費からこつちへ持つて行く、これはやるべきではないし、やることは考えていない。こういうふうに申上げたのであります。惡しからず……。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 さつきのジヨイント・アカウントの問題ですが、アメリカで立法措置を講ずるというのは、一々アメリカのほうでは予算措置があつておりましようから、一億五千五百万からそういつた防衛のために出す、安全保障費から出すということだけではないのでありまして、ジヨイント・アカウントはどういうふうにやつて運営するのだというアメリカの財政法、或いは会計法の特例というか、そういうようなものまで立法されるのじやないのですか。その会計のジヨイント・アカウントの運営方法というか、運営規則というか、どういうふうに……今、先ほどのお話の支出方法とか、一般のアメリカの財政資金を使う場合と同じ建前でアメリカは使つて行くのかということは、そういう日本の五百五十八億は完全にアメリカにやつてしまつたものとして、アメリカの金として使うのですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) これは勿論建前はアメリカの金になるわけであります。つまりアメリカとしてはそういう勘定、日本から入る五百五十八億、これは歳入ということに相成るのでありますので、そこで一つのフアンドを作り、そこでそのフアンドから維持費を出して行く。これは完全にアメリカの勘定であります。ジヨイント・アカウントの法理的形式はアメリカの資金になると思います。アメリカのフアンデイング・オフイサーが小切手を切つて出す。ただその中には日本の予算から出したものが入つておるから十分計画し、支出するについての相談をしてやつて行く、こういう建前になると思います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 ちよつと失礼ですけれども、特別なフアンドの運営規則というようなものは日本から金が入るということによつてアメリカの一般的なそういつたフアンドの運営方法とは違う建前はとらないということですね。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) アメリカの会計法は存じないのでありますけれども、特別にあれはいけないというふうに私は了承いたしております。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 日本の財政法とか会計法で何かあれはいけないのですかね。防衛分担金を一括して、向うに払つてしまう、払つちやつて会計検査もできない。そういうような形になるのですけれども、それでいいのですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 非常に、これはなかなか実際問題として使うのは向うなんでありまして、会計検査院は国の予算を出した補助金の支出先、つまり被補助団体をも調べることができるようになつておりますので、そこまで行けるかどうかという御議論もあろうかと思いますが、実限問題としてこれはこの点については、別の協定が要ることであろうと思います。若しそういうことをするといたしますれば、もう一つの例を申上げては非常に恐縮なのでありますが、曾つて皇室費というものがございまして、宮内省で別途皇室会計をやつておられたのでありますが、そのときに皇室費の一般会計からの支出のやり方は大蔵大臣が宮内省の内蔵頭に小切手を渡したのです、毎四半期……。そこでまあ支出は国の金が支出されまして、会計検査院はその段階まで会計検査をする。それから先は宮内省自体がやる、こういうことになると思います。これは具体的に今度の場合に当つてはめますと、フアンデイング・オフイサーに金を渡したときに、会計支出監査の責任は果される。それから先はアメリカの会計問題でありますから、事態の性質に鑑みまして、相当両方で相談をしてこれを更に会計検査院が中にまでタツチして行けるという仕組になりますと、これは法制上或いは嚴格には條約上の問題になりますので、そこまでのことは少し行過ぎじやないかというふうに思つております。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 それはまあ皇室費については前のことですね。それで終戰処理費については今御説明のことは納得行くのですよ。ところがこの独立後においてそういう実際まあ適当かどうか、我々納得行かない、これは議論になりますからあれですけれども、何か併しこういう例はないでしようから、これまで初めてのことになるのじやないのですか。ですから何かそこに措置が必要なように思うのですけれども、賠償みたいなものを払うような形に、そういう場合にはやはり払つて、全然こつちがまあタツチできないでしようけれども、何かそういうような感じもするのですがね。何かそういう例はないのですかね、国際的なあれとして。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 これは放つて置けば私はアメリカは特別な立法をしない限り、アメリカの金として完全に使うということになると思うのですが、こつちから、我々のほうから向うへ、例えば今のこういつた調達資金なんか要らんような、先ほどあなたの言われたような今のジヨイント・アカウントが運用できるふうに向うのやり方を讓歩させるというか、そういう話合いを積極的にこちらから持つて行つて特例を開かせるということが望ましいのですけれどもね。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) まあ例をおつしやるのでありますが、これはまあ初めての例を申上げたほうがいいでありましよう。例えば郵便條約とかいろいろな国際会議の分担金というようなものはいろいろたくさんございますが、日本政府が幾らの金を払込んであとは向うの……、昔では国際連盟なんかそうでありますが、事務局なんかそういつた例もありますが、こういつた性質のものとしては今度が初めてだろうと思います。それで非常にアメリカの共同アカウントと言つてもアメリカの資金であることについて非常に御疑問なりいろいろな御心配の向きも私も御尤もだと思いますが、我々もまあその点はあれして行きますというと、徹底して参りますと、直接調達に持つて行かんようなことに実はなるわけでありますが、これも従来終戰処理費のようなときにPDを出してもらつたというふうな行き方も独立国との間に非常にむずかしい問題だと私は思うのであります。従つてこういう変態的な措置がとられたことも止むを得ないのでありますが、我々といたしましては目下いろいろ予備作業班においてやつておりますが、個々の契約については全部契約書を頂くことにしております。勿論支出の計画もそうでありますが、少くとも円払いに関するものについては全部証明書を頂く、そうしてその内容を検討いたしまして、まあ注意して頂きたいものは相談して見る、こういう考え方を持つておるわけです。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 もう一つちよつと伺いたいのですが、予備作業の段階において、アメリカのほうで直接調達を主張する一つの根拠として、勘定がアメリカ側に移るのだから直接調達にするのが至当である。こういうことが一つの論拠になつておるようにさつき説明を聞いたのですが、そればかりじやないでしようが、それが一つの有力な論拠になつておる。こういう話ですが、それはアメリカの勘定になつたから直接調達でなければいけないということになるのかどうか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) これは私申上げたのが少し徹底しなかつたかと思うのでありますが、向うが要る金でありますので、向うがその軍隊の維持に必要な金でありますので、向うがその支出の内容をどういうものを出さねばならんか一番よく知つておるのであります。且つ自分の責任においてやるのがこれは私は会計の本筋だろうと思う。よその要るものはよその人が払つてやるというのはこれは違うのだと思います。これが若し土地、建物といつたはつきりした対象であるものについてはもう支払うが、仮に向うが必要なものであつてもやつてもいいと思うのでありますが、その他のものになりますと、こちらはどんなものが要るかということは実はわからないわけであります。まあ現在はPDが出ておるのでありますが、そういうようなものだけを払えといつたようなものが出ない限りにおいては非常にむずかしい。それから又そういうことで一応向うの勘定で向うの責任で出してもらつたほうがいいんじやないかという考え方を持つておつたのが一点であります。それからもう一つは、これは間接調達でこちらが調達いたします場合におきましていろいろな、例えて申しますれば電気の使いようが多いとか、或いはそういつた個人的な消費等につきまして、いろいろ言いますることはそこに摩擦の多い、殊に過渡的な現在の段階においては非常に摩擦が多いのではないか、又それによつての効果がどれだけあり得るかという点も又翻つて考えて見なければならんことなんでありまして、まあそういつた意味で我々はそういつたものはジヨイント・アカウントで金は出すけれども、そういつたものについてはあなたのほうの資金でうまくジヨイント・アカウントでありますが、そういつたことが言える意味においてもこういつた式がいいのではないかと思うのであります。これはまあいろいろ意見の相違があろうと思いますけれども、我々はそう考えておるわけであります。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 主計局長の御説明はよくわかつたのです。意のあるところもわかるのです。併し特別調達庁のほうではやはり間接調達のほうが望ましいということを言われているのです。ですからこれは非常に問題があるところで、政府でも意見が一致していないと言われておつたのですが、そこで先ほど特別調達庁のほうから御意見を伺つたのですが、今主計局長は今伺つたような御意見なんで、これに対して政府のほうでやつぱり統一される必要があると思いますので、もう一度調達庁のほうから御意見を伺いたいと思います。大体大蔵省側としては直接調達のほうが大局から見ていいんじやないか、もつとまあ具体的に説明することはいろいろな問題があると思いますけれども、とにかくまああちらさんに一応金を與えてあちらさんに使わすということもこれは一つの私見方だと思うのですよ、それがいいというわけじやない。ですけれども特別調達庁のほうとしてはどういう御意見ですか、ちよつと伺いたい。

堀井啓治特別調達庁次長

○政府委員(堀井啓治君) 直接か間接かという議論の段階におきましては、特調として只今お話のような意見を申述べましたが、漸次結論に只今達しようとしておる段階だと思います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 それでは非常に心細いのでして、先ほど望ましいと言われたのですが、実際大局から考えてこれはまあ特需も含めて考えてやつぱり間接調達がいいというならこれは飽くまでも方針としてきめるべきで、今そういう結論が近付きつつあるから止むを得ない、止むを得ないとはおつしやいませんでしたが、非常に消極的な御答弁でして、特需を含めて考えればやつぱり問題があると思うのですよ。今河野主計局長のお話では防衛分担金についてのお話だつたと思うのですよ。これはやはり特需を引つくるめてもう一つ考える必要があると思うのです。そういうとき直接調達、間接調達、どつちにしたらいいか問題があると思うのですよ。私はやはり間接調達が全体の日本の資金とか、或いは物資の調整その他をする上にいいと思うのです。先ほど非常に望ましいというお話だつたのが馬鹿に消極的になつたので、もう一度伺いたいのです。

堀井啓治特別調達庁次長

○政府委員(堀井啓治君) 勿論私どもは日本の国内事情等を十分に承知されない駐留軍によつて調達されますことに本来の問題があるのでございまして、従つて特需も含めて間接調達であることが望ましいというふうにお答えしたのでございます。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 今の特需の問題ですがね。先ほどから話が出て、大体三億ドルくらい見込んでいるという話だつたのだが、マーカツト局長が言つておつた一億五千万ドルというのは、三億ドルの中に入つてのあれですか。マーカツト局長が言つている一億五千万ドルというのは三億ドルの外のものなんですか。今どんなふうに特認のほうでは考えていますか。

堀井啓治特別調達庁次長

○政府委員(堀井啓治君) その点私どもよく承知しておりません。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 河野君どうですか。含めて三億ドル、含めないで三億ドル……。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) ちよつと御質問を受けましてもあれでありますが、たしか二十六年度の特需は、まあ特需というと、そこにどういう区別をつけておられますか、何でありますが、実績は三億三千万ドル、来年度も予算を組みましたときには三億ドルでありましたが、恐らく四億ドルくらいになるのではないかと我々は考えております。そのほかにと申しますか、アメリカからドルをもらう系統は全部それであるというふうに考えております。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 そうすると一億五千万ドルという新特需というものは別なんですね。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) どうもそういう点は私は事務局でよく存じませんのですが……。

波多野鼎日本社会党(第二控室・右)

○波多野鼎君 今ここで今の問題がいろいろ問題になつているのは、向うのアメリカ駐留軍なり、或いはアメリカ政府が日本からどれだけの物を買上げて行くか、相当大量の物を買上げて行く、而も勝手に買上げて行くということになると、日本の経済界に及ぼす影響が甚大だ。そのことだけでもすでに甚大だということを皆心配してこの法律案についていろいろさつきから質疑をしてやつているわけなんですからね、その点どうですかね。もう少しはつきりしたのをこの次でもいいから一遍教えてもらつて、若し大量のものが来るというならば、やはり特需、新特需、すべて防衛分担金に含めて何とか日本政府側で注文を調節する機関がなければいけないというのがまあ私の確信なんですがね。余り大したものじやなければそんなことは言わんのですけれども、量の問題だと思うのです。その点よく一つ調査して、この次答弁して下さい。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 先ほど駐留軍に対する国有財産ですね、無償提供の問題について、米比協定にそういう例があるか、こういう質問をしたのです。で、石原次長がそれは米比協定の前文に書いてあると示してくれたんです。ところが前文を見ますと、それは特定の公有地だけに限つているのです。公有地だけは、公有地については無償で使用することができるとなつているのです。ところが今ここに出されている法律案によりますと、国有財産の範囲は土地ばかりでなく、賠償指定になつた施設、機械なんかも含まれている。そういうことになると、非常に範囲が広いのであつて、米比協定にはそういう今問題になつているような、この法律案で問題になつているような規定はないわけです。その点主計局長はどういうふうにお考えですか。米比協定にはないのです。ただ土地だけになつているのです。先ほど石原次長の御説明は、私はさつきの質問に対する正しい回答じやないと思うのですが……。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 石原次長はどういうことを申しましたか私はおりませんので知りませんですが、フイリピンの場合と日本の場合とは大分事態が違うだろうと思います。と申しますことは、フイリピンは御承知のように大きな基地を持つておりまして、そこですべてをやつているといつたような関係であり、日本はそういつた基地を持つておらない点が違います。それから土地以外に今おつしやいました賠償の施設とか何とかいうことをおつしやいましたが、これは国有財産ではございますが、そういつたものはいわゆる軍の駐留に伴うあれでありまして、軍の活動と申しますか、そういつたいろいろな、そこで兵器、資材を造るといつたような施設、そういつたものは直接に我々として無償で提供するというふうな考え方にはなつておりません。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 それでは、その無償で提供する対象ですね。これははつきり聞かなければわからないのですが、それを資料として早く出して頂きたいのです。そうしますとはつきりして来ると思うのです。米比協定と違うと言いますけれども、それより非常にこちらのほうが無償で提供する範囲が大きいような気がしますので、どうしてそういうものの使用料を取らないか疑問が出て来る。その点資料を出して頂けませんか。  もう一つ免税の問題ですが、行政協定十二條で合衆国軍隊又は合衆国軍隊の公認調達機関が適当な証明書によつて日本国で公用のため調達する資材等については免税するとなつていますが、公認調達機関というのは例えばJ・L・Cというようなものかどうか。そこが承認を與えた場合には、例えばアメリカの業者が工事を請負つたような場合、その証明書を持つていればその業者が調達する物資について税が免税されるのか。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) ここに公認調達機関と書いておりますのは、たしか現在では日本需品本部ですか、J・L・Cという名前で呼ばれている機関に相当するものでございまして、これは将来名前が変更になるかどうかわかりませんが、大体これを予想して考えております。そういたしましてここで調達する物資につきましては、そのものをこういう機関が調達いたしまして請負業者をして仕事をさせる、こういう場合は請負業者がアメリカの請負業者たると日本の請負業者たるとを問わないで免税しますという考え方でございます。結局これは一定の施設又は向うに納める物品自体に関するものでございますので、差支えないと考えておる次第でございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 このいずれも関係した法律は條約の効力発生の日から施行するということになつておりますが、これは勿論お尋ねするまでもなく平和條約の第六條の九十日以内はまあとにかく連合軍としては占領国としておる権利があるわけですな。従つてアメリカ軍だけはこの平和條約発効と同時に、まあ一応形式的には撤退したことになつて、新たに駐留軍ということになつて駐留する。それからよその英連邦だとか、ソ連とかフランス、こういつた連中は成るべく早い機会に撤退するのであつて、それまでは旧態依然たる占領国という恰好でおる、こういうことになるのですか。そして法律はそのままアメリカだけはこの法律を適用する、こういうふうに解釈してよろしうございますか。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) 大体建前はお話の通りだと思います。残留期間中はやはり占領軍としましての或る程度の従来からの特典をそのまま引続いて享有いたしまして残存する。その細目につきましては、できる限り新らしくできました各種の協定に準じました扱いに今後やつて行くということで、目下外務省と関係方面との間に話合中でございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 それに関連しまして、ちよつと新聞の情報に載つたのですが、英連邦はアメリカと同じようなことを言つて大分要求して来ておるというが、税金も国連軍として朝鮮作戦をやる間だけこつちに持たして、而も駐留費も持てというようなことを言つて来て、又税金も減らせというようなことも言つて来ておるということも聞いておる。そのほかに国連軍として朝鮮の作戰に日本が国連軍の基地に使わしておるようですが、これのほうとの折衝はまだ始まつておらんのですか、どうですか。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) お話の通り三カ月の期間を過ぎまして、なお日本に駐留する、或いは日本に何か足がかりを設けるというような場合があるとすれば、これは私はやはり相当、改めて新らしい国際協定が必要になるのではないかと思いますわけでございます。まあその辺のところにつきましては、どういうふうになつておりますか、まだ私詳しく存じておりません。今お話の三月の間の過渡的な問題につきましては、できる限り従来のことと、それから今度新らしくきまりましたアメリカ軍との関係、両者を考えまして、一定の特別措置を講じて行くようにいたしたいということで話を進めておる次第でございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 この国有財産の管理に関する法律案の第三條ですけれども、「原状回復又はこれに代る補償の請求を行わない」これはまあ行政協定の四條と十八條によつたものだと思うのでありますが、この場合、これは広く解釈いたしますると、例えば戰鬪行為なんかが起きた場合には、当然、今の軍隊におきましては敵に利用されないために戰略的な撤退等をやる場合には、必ず爆破して行くわけなのですがね。そういつた爆破したようなことも、これは自由にさせるという意味は含んでおるのですか。又相手国から爆撃をされる、基地に対して爆撃を受ける、ソヴイエトあたりから爆撃を受ける、そういつたものも一切これは日本が責任を全部負うのだ、こういう意味でございますか。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) その点につきましては、行政協定の内容によりまして、私どもとしては要するに返還のときの現在の状態で見ると、そのときにおいてこわれておるか、或いはなくなつてしまつておるか、こういうことを考えておるわけであります。その戰鬪或いは爆破のようなことについてどういう事態が予想されるかはつきりわかりませんので、その点は申上げかねます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 だからしてこれはアメリカ軍が国連軍として朝鮮に作戰しておるような際に当然起ることは想像しなくちやならんし、又あり得ることだと思うのですが、従つてこれはどういう状態にされてもこれに対しては補償の請求を行わないという意味でございますね。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) この協定期間の満了の際又はその前にということで、要するに駐留軍の使用の目的がやんで返還されたときの状態、こういうことでございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 次に返還された際に当然アメリカのほうからは、アメリカはここの基地の中には建物その他の施設をアメリカ軍としてやるだろうと思うのです。これは折半ということになつて……、防衛分担金の半分々々ということになるかも知れませんが、とにかく建物等も相当建つだろうと思いますが、それらの所属ということについては、この返還後の処置について、第四條で「当該財産を返還した時において消滅する。」というふうに、ここには返還後の処置は少しありますが、その他は返還後の処置はちつともないわけです。アメリカ軍がこしらえて行つた施設はすべて国有財産として国の所有になる、こういう意味ですか。これはちつとも謳つてないのですが……。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) 行政協定の第四條の二項におきまして、そうした改良又はそこに残された建物というようなものについては、(菊川孝夫君「こつちから請求しない、アメリカも請求しない」と述ぶ)その駐留軍が使つておると言いますか、その限りにおいては国有財産として処理するのではなくて、これは日本側に、その駐留の目的がやんでその土地なりその施設なりというものが返されたときに初めて国有財産として処理するということになるようにしております。この法律に規定はございませんが、これは当然に我々のほうとしては寄附なり或いは又有益費を相手方が放棄したという場合におきまして、国有財産として返された分につきましては、価値増ということで整理する考えでございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 これはアメリカとしても施設を施したのを返してくれということは言えないようになつておりますが、従いましてこれはすべてそういうものを残して行つた場合には如何なる状態で残して行つてもこれは国有財産として処理する、こういう方針ですか。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) その施設が返還されたとき以後においては、そのときにおいてそういう処理をする考えでございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 次に第四條につきまして、この「他の者にその使用又は收益を許すことができる。」、これは演習場、射撃場等の場合を行政協定でも言つておるわけですが、そこで今後演習場、射撃場に接收という問題がほうぼうに起る、これは警察予備隊も含むのですが、それ以外にアメリカの駐留軍のための土地の接收という問題が起りまして、ほうぼうで引揚者等が帰農いたして農地になつておるのを、これを接收という問題が起つておるそうでありますが、そこでこれによりますると、その演習場、射撃場に接收した場合には、当然これは国有財産として買收という恰好をとるのだろうと思いますが、それでよろしうございますか。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) 只今の御質問につきましては、その演習地のようなところを駐留軍の使用に許すということは問題になりますが、この場合に民有地の問題についてどうするかということについては、特別調達庁が御説明になるかと思いますが、そうした場合において或いは借上げるなり、或いは又場合によつては使用権を收用するなり或いはその所有権を收用するといつた形が考えられると思います。勿論今この使用権を收用じやなくて、所有権を收用するということになつた曉におきましては、その土地は国有になる、こういうことでございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そのようにして国有になつたものでなければ民有地ではこれは当然射撃場や演習場に使わせるわけには行かんと思います。国有の財産に買收して、そうしてこれを使わしておいたのを今度返還するときにこれは当然「他の者にその使用又は收益を許すことができる。」ということになりますと、大抵接收されたり買收された人に対して、これは農民等の土地を接收したような場合には、当然借上げている場合にも当該利害関係者に対してこれは使用を許すことになるだろう。ところが今度返還するときにおいてこれを一切権利は消滅してしまうということになりますると、これは一体向うに使われておるうちだけはアメリカ軍の邪魔にならん程度に使用を許さしてやると言つておきながら、これを返還するときには一切これを白紙に返す、こういうような法律の條文になつておるけれども、実はこれは常識的に考えましてもその人たちに又返還をするというようなこととか、或いは引続いてこの権限を認めるというふうにするのは当然だと思うのでありますが、なぜこういう「消滅する。」というふうにしたのでしようか。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) この第四條で考えておりまする国有財産については、これは駐留軍の使用に供するという目的のためにこれはやつたものでございまして、そういう目的を妨げないという限度において使用收益させる、こういうことになるわけであります。第二項といたしましてはそうした駐留軍が使用するというそういう状態がなくなつたんだ、新たな見地において考える必要があるんじやないか、こういうことでございまして、ただ今御指摘のような事例の農民、ずつと前から耕作しておつたかたが、この演習地のために一時的に使わない関係でこれを使える、これが又駐留軍の用に供するような必要がなくなつたというような場合におきましては、我々のほうとしては又新たなことでその使用を認めるということになりますが、こうした場合におきましては国有財産法の規定に従いまして使用收益、或いは又これを売払処分して行く、こういうふうに考えて行きたいと思つております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 四條の「他の者にその使用又は收益を許すことができる。」という條項は、これは行政協定の中には演習場だとか射撃場のことを謳つております、従つてこれは農地の接收なんかを行なつて射撃や演習を行わない、又は空間地等において今までの耕作者に対して邪魔にならん程度において使用を認める、こういうふうなことは行政協定の趣旨のように思うんですが、この点はあなたのほうで立案に当りましてそのことを考慮されてこれは立案された條文でございますか。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) この四條の規定といたしましては、大体第二條の御指摘のありましたような四項関係のことを念頭に置きましてこれをやつた次第でございまして、ここに演習場とか或いはそういうような目的を限定しまして、そうして一時の使用を認めるということは余りにも狹いような感じがいたしまして、できる限り駐留軍のほうで使わない、それでこの明文の内容……演習場だとか或いは射撃場その他においても、若しこれを使わないようなものがあればできる限り活用して行きたい、こういう考え方でございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 それは第二條の第四項の(A)「合衆国の軍隊が射撃場及び演習場のような施設及び区域を一時的に使用していないときは、」これを受けてこの法案の第四條は立案されておるんじやないのですか。行政協定の第二條の第四項です。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) その通りでございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そうしますと、その演者場や射撃場に今当てる場合には民有地等を国有財産に一時買收をするか、さもなければ借上げると今おつしやつたんですが、その借上げた場合にはこれもやはり国有財産と言うんですか。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) これは国有財産ではございません。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そうすると借上げて使用をさせるということはできないのですな。国有財産は無償で使用させることはできるというけれども、借上げて使用させるということはできないわけでございますな。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) 国が借上げておるような場合におきまして、これは国有財産法の規定ではないのでございまして、恐らくそうした場合におきましてもこれは借りたほうにおいてそうした目的を妨げない限りにおいては使用さしても差支えない、こういうふうに考えております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 ところがこの第一條の目的には国有の財産について「その管理及び処分の特例を設けることを目的とする。」ということになつておつて、これは借上げのものは国有財産ということでないというなら、それを借上げて使用させるということはできんはずですがな。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) 私の申上げた点が或いは誤解を招いたかと思いますが、国有財産というのは国有財産法に言う国有財産を申上げたつもりでございますが、この法律にございますように、「国有の財産」ということでございまして、私が説明が不十分で、国有の財産の中には権利と言いますか、賃借権も含んでおりますので、いわゆる国有財産でございませんが、国有の財産ということで、やはりこの條文の第四條で一時の使用收益を許すことができるということになるのでございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 次に第六條の「特別会計に属する国有の財産につき第二條の規定により合衆国に使用を許す場合においては、当該財産は、一般会計に所属替」、こう言つておりますが、特別会計に属する財産のうちには、例えば專売公社だとか国有鉄道等の資産も含めてのお話でございますか。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) 專売公社と日本国有鉄道はこれは特別会計でございませんので、これは普通のこの建前といたしましては民有の財産というように考えております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そういたしますとこの「特別会計に属する国有の財産」というのは、具体的に「第二條の規定により合衆国に使用を許す場合」というのは今お考えになつておるのはどういうのをお考えになつておるのでございましようか。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) 具体的事例として私も余りはつきりはしておりませんが、私の知つておる範囲では、例えば電気通信省関係の電気事業特別会計のほうで何か施設を貸すとか、或いはそういう施設を提供しておる、こういうような場合もあるんじやないかと、こういうように考えます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 次に日本の領海の点についてでありますが、領海はやはりこれはあなたの今言つた広い意味の国有の財産ということになるのですか。領海使用の問題は、これは国有財産とはならんのですか。領海だとか領海に接したところの小さい島嶼、そうしてこれは国有の島嶼になつておるというようなものも、これも含めて、漁区も今国有みたいな恰好になつておる、貸與しておるというような恰好になつておりますが、こういうものも含めて国有の財産ということを言われるんですか、その点について。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) なかなか国有財産の範囲について言うのもむずかしいのでありますが、今御指摘のありましたような領海というようなものについては、これは国有財産法上の国有財産という扱いでありまして、非常にむずかしい扱いでございますが、一応これを国有財産の中におきましても公共物、こういうような観念をいたしまして、国有財産の中の現在普通財産という形にしておりますが、やはり国有財産の扱いにしております。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 埋蔵物ですね、石炭とか石油とかそういうことが具体的に出ておるかどうかわかりませんが、或いは鉱物資源こういうようなもの、例えば基地内にあるもの、こういうものの処分とか、そういうものはあちら側になるのですか、こちら側でそういう権利を保留できるのですか。或いは又その埋蔵物ばかりでなく、史蹟或いは又国宝みたいなものがありますね、史蹟だとか国宝物とかそういう文化財、そういうような該当する場合があるかどうかわかりませんが、基地内にそういうものがあつた場合、その権利はどうなるのですか。権利はこちらで留保できるのですが。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) そういう事案について余り私もよくわかりませんが、まあこの行政協定にございまする基地という観念ではなくて、地域と申しますか、そういうふうなことに対してその所に若し文化財があるならばこれはまあ文化財保護法の規定によりまして文部省でいろいろ管理しております。若しこの文化財として保護するような、いろんな特別の措置を講じなければならんような場合におきましては、合同委員会なり或いは又現在やつております予備作業班でいろいろ話をすることによりまして解決されるものじやないかと、こういうふうに考えております。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 そんなあいまいじやいけないのじやないのですか。埋蔵物なんかについてどうなんですか、地下資源について。仮にそこから石油が出たり石炭が出たり、そうした場合の権利はどうなんです。処分まで伴うのですから、管理処分まで。原状回復の責任はないのですか、補償はないのですから。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) 木村さんのお尋ねの趣旨が非常に一般的でございますので、まあ一般的の原則論になるかと思いますが、結局一定の施設とか基地というものを特別に認めまして、その施設とか基地に対しまして法律等によりまして日本の法律或いは日本のいろいろな行為の及ぶ範囲を制限いたしておるわけであります。それはそういう法律や條約によりまして制限された範囲内におきまして特別の意義を有する、それ以外の点におきましては一般のそれぞれの法律なり、それぞれの事実関係がそのまま適用して行くわけでありまして、法制的に申しますと、やはり基地とか区域とか称しておりますが、それは全面的な日本の法律の及ばない地域を設定したものではなくて、やはりそれぞれ各法律によりまして、その区域内はこういうことはできない、ああいうことはできないと、法律によりまして法制的に制限されております。それがこの行政協定と及びそれに基く各法律でございますので、その法律に書いていない以外のことにつきましては、これは一般の法律がそれぞれ適用されて行くものではないかと考えるものであります。それはただ実際問題としましていろいろ事実行為の上におきまして或る程度の制限が事実上加わつて行くというような場合が出て来ますと思いますが、そういう問題につきましては、例えば先ほど小林説明員から文化財の保護について一つ話されましたが、まあそういう事実問題としまして、それぞれ話合いをつけまして、それぞれこういうような措置が講ぜられて行く、まあこういうふうに考えます。埋蔵物につきましてどうなりますか、鉱業権のあるような場合どういうふうな制約を受けるかいろいろ問題があろうかと思います。やや專門的に亘りますので、若しも非常に具体的な問題でありましたらそれによつてお答えしたほうがいいのじやないかと思いますが、一般的には私はそのように理解してよいように考えておる次第でございます。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 国際的通念としては、私はどうも今平田さんが御答弁になつたのと逆だと思うのです。それでまあ伺つたのですが、例えば米比協定なんかには、ちやんと規定があるのです。例えば墓地及び史蹟、それから鉱物資源、それから古い遺物並びにそれらと発掘物等に関するすべての権利はフイリピン国政府及び住民に保留されるとはつきりこういう規定があるのです。ところが日本の行政協定にはそういう規定がないのですから、若し向うで例えば発掘して非常な、まあ史蹟上立派なものが出て来た場合これを処分されてしまつたようなときに、これをこつちに権利を保留するということがないので、非常にあいまいになつて来ると思うのです。こういう規定が米比協定なんかにはあるし、それからほかの協定にもあると思うのですが、こういう場合は非常に重要だから、特に国際的な協定においては、こういうものをはつきり出しておると思うのですがね。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) まあ私直接そういう問題についてタツチしておりませんので、或いはあとで調べた上で修正を要するかも知れませんが、この行政協定の第二條の第一項を御覽願いますと、その中には「安全保障條約第一條に掲げる目的の遂行に必要な施設及び区域の使用を許すことに同意する。」それから「個々の施設及び区域に関する協定は、この協定の効力発生の日までになお両国政府が合意に達していないときは、この協定の第二十六條に定める合同委員会を通じて両国政府が締結しなければならない。」更にその下に「『施設及び区域』には、当該施設及び区域の運営に必要な現存の設備、備品及び定着物を含む。」という範囲内におきまして、この範囲を行政協定の中にも一応規定いたしております。従いましてこれに該当する以外のものにつきましては、別段私ども條約或いはこれから法律等によりまして特別な、今申上げましたような制限等を設けない限りにおきましては、日本の一般の法令もそれぞれ適用になるというように理解すべきじやないかというふうに考えておる次第でございます。

大野幸一日本社会党(第二控室・右)

○大野幸一君 その言葉のうち、行政協定及び法律に、という言葉が出たのですが、行政協定によつては国民は拘束されないので、この法律のみによつて拘束される、この法律に規定のないものは国民は拘束されないと、こう言えるはずなんです。その通り解釈していいですか。

平田敬一郎大蔵省主税局長

○政府委員(平田敬一郎君) その点はいろいろ国会でも議論のあつたところかと思いますが、協定によつて政府が縛られる、直接国民に対しましてはそれぞれ必要な法令によつて初めて効力を発生する、こういう見解でございます。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) 先ほどの御質問の点についての例えば鉱業権のようなものでありますけれども、これはまあ駐留軍の用に供する目的でこれをしなければならんというような場合になれば、まあ鉱業権というものも制約されるかも知れませんけれども、恐らくはそういうことはないだろうと、こういうふうに見ておるので、只今、主税局長が御説明したような範囲の補足的な御説明を申上げます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 最後の小林さんの御説明、どうも最後はつきりしなかつたのだが、例えば今予備作業班或いは合同委員会等におきまして今後折衝をしてどうしてもこの辺を欲しい、貸せというような場合に、それがたまたま国有財産であつたような場合にはいいけれども、民有地であつたり民有財産であるようなもので或いは社寺仏閣等の所有地というようなものがかかつたというようなときには、すべてこれは国有財産に買收をするのですかどうするのですか。これはどうするのですか、買收するのですか。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) これはまあ別に特別調達庁で目下研究しておりまする法律案によりまして、その場合々々によりまして或いは借りるなり、或いは又買收するなり、或いは又土地收用法で收用するなりというような方法によつてやるんじやないか、一律に買收するということは申上げるべきことではないかと思つております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そうすると、借入れられたものもこれは国有財産、ここにいう国有財産として無償で使用に供する、こういうわけですか。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) その国有財産で、賃借権が国有財産というような形になるわけでございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そういう場合に一番問題になるのは、先ほどからの私らも思うのですが、天然記念物、或いは史蹟、例えば御陵というようなものがあると思うのですが、或いは皇大神宮のような神社仏閣というようなものも、やはりここは戰略上必要だ、向うの人から見ると日本の歴史なんというものはどうでもいい、戰略上どうしても必要だということになる、我々から見ると歴史的な価値がある、向うの人から見れば歴史的な価値なんかないので、やはり戰略上の価値から判断するだろうと思うのですが、そういう場合に所有者がこれを拒否する場合には、あなたが言われましたいわゆる強制收用というやつを土地收用法に準ずるようなものでやつて行く、こういう予定ですか。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) 今の御質問の前段でございますが、要するに予備作業班或いは合同委員会において、それを提供するかしないかということを先ずきめる問題だろうと思いますが、どうしても日本側としてもこれを提供することは止むを得ないというようにきめられた場合におきましては、只今御指摘になつたようなことの方法も一つの方法として処理せざるを得ないのじやないか、こう考えております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 今のような場合、大抵これは日本の軍隊でもそうでありましたように、軍隊の使用目的ということは、いずれの場合にも強権を以て、且つあらゆるものに優先して徴発なり收用なり行われるのはこれはどこにも、世界の歴史的事実だと思うのです。どこでも軍隊は歴史を無視してでも戰略上優先第一だと思うのです。従つて合同委員会でと言つておりますけれども、戰略上要求された場合にはなかなか拒否できるものではないのでありまして、例えば御陵とか神社仏閣等においては非常にむずかしい問題が起きて来ると思のうですが、そういうものは最後はやはりあなたのおつしやつたように土地收用法その他で以て收用してでも提供しなければならん、こういうふうに解してよろしうございますか。この法律が通るに当りまして重要な問題だと思うのですが……。

小林英三自由党

○説明員(小林英三君) これは大蔵省のほうで答弁するより、ここに特別調達庁の先ほど申されました掘井次長がおられますから、堀井さんからお答え願いたいと思います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 ちよつと併せて。この行政協定を結ぶときにそういう事柄は問題にならなかつたのですか。さつき私が御質問したときに、米比協定においてはそういう墓地とか史蹟、それからそういう埋蔵資源等々については、その国の権利を保有してあるのですよ。今のお話では、これは話合いによつて何かこれを演習地に必要ならこれを取壞して使う、それから文化財については何かこれは文部省の何とかによつてやるという非常にあいまいなんですけれども、何か非常に私は抜けているのじやないかと思うのですが、そういうことが一応問題になつたのかどうかですね。

大野幸一日本社会党(第二控室・右)

○大野幸一君 それに関連して……。それは木村委員、事務当局に聞かれても無理です。これは行政協定に参画された岡崎国務相に伺つて一つ聞き直そうじやないですか。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 一応まあ聞いておいて事務的にわからないということであれば……、こういう問題は大きな問題であろうと思うから……。

堀井啓治特別調達庁次長

○政府委員(堀井啓治君) 民有地につきまして先ほどやはり御意見、御質問、又大蔵省からお答えがございましたが、民有地が駐留軍の例えば演習地等に必要であると、駐留に必要であるというような場合におきまして、これは勿論第一には自由契約によりましてその土地を、或いは不動産を提供するということが第一の原則でございますが、どうしても或る区域について契約が成立しないという場合には、行政協定の国の義務を果すために使用、或いは收用しなければならないという措置が必要になると存じます。これにつきましては只今大体成案を得まして今国会に提出の準備をいたしております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 それに関連して……、その場合は勿論民有地はかりではなくして、公有地、或いは地方自治体というか、そういうものが所有している土地、これなどもすべて土地、建物と思つていいか、例えば具体的に言うと今、名古屋市の鶴舞公園がこの前まで接收されておつたが、この鶴舞公園は今解除してあるが、未だに公会堂は解除されていないために非常にどうも演説会などをやるのに不便だし、名古屋市民がいろいろ利用するのに非常に不便ですが、ああいうふうな公会堂だけは是非提供せよというようなことになりますると、名古屋市の公会堂も国有財産に借上げるなり、或いは最後は名古屋市が承知しない、審議会が承知しない場合には收用等もあり得ると、こういうふうに解釈してよろしうございますか。

堀井啓治特別調達庁次長

○政府委員(堀井啓治君) 若しそれが駐留のために絶対に必要であるという場合にはそういう場合もあり得ると思います。

大矢半次郎自由党

○理事(大矢半次郎君) 本日はこれを以て散会いたします。    午後四時八分散会

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