大蔵委員会 第7号
- 発言数
- 83 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/01/24
会議録
○委員長(平沼彌太郎君) それでは第七回の大蔵委員会を開会いたします。 財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正する等の法律案について政府より説明を聴取いたします。
○説明員(武藤謙二郎君) 二十七年度予算一般会計の歳出予算では、歳出科目につきまして只今御説明いたしております法案の通り部款を廃止いたしましたので、それに伴つて項目に今までのものと比べて変更を生じております。 お話の順序といたしまして、先ず項の従来の歳出科目がどういう欠点があつたかということをお話し申上げたいと思います。従来は御承知のように、歳出科目は議決科目としては部款項と三段に分れております。更に別な角度から部局というものがございます。それで部局の中に更に部款項が置かれておる。そういう形になつてつおります。二十六年度の一般会計歳出予算、只今お配りしましたものを御覧になつて頂きますと、農林省のほうが説明が便宜かと存じますので、一番終りの十四枚目に農林省所管というところがございますが、農林省所管の次に部局といたしまして農林大臣官房というのがございまして、この表で御覧になりますとちよつとどれが大きな区分で、どれが小さな区分かわかりにくくなつておりますが大臣官房という部局の中に部の行政部費と、部の産業経済費がある、それでその行政部費という部は款で農林省であり、項では農林本省である、そういう形になつております。で、これを御覧になつて直ちにおわかりになりますように、従来の予算書では、一体この中で議決科目は何であるか、何が議決科目であるかということをはつきりするというのが予算書の非常に重要な使命だと思いますけれども、その点が非常にはつきりいたしておりません。更に非常にまずいことには、二十四年度予算で予備費が減らされて以来移用という制度を設けまして同じ款の中で、同一の所管の中で款が同じであれば、部局が異なつても項が異なつても移用ができるということになつておりますので、結局予算書がこういうふうに非常に複雑に分れております上に、更に同じ款、これはこの例で申しますと、産業経済費がいい例だと思いますが、農林業費というのがこれが款でございます、従いまして、複雑に分れておりますが、同じ農林業費という款でございますと、例えば部局の農林省大臣官房のいろいろなここで申しますと、農林漁業金融費という項の金額を、極端な例を申しますと例えば一枚めくりまして林野庁に款農林業費というのがございまして、そこに項で林野庁、林業振興費、森林害虫駆除費そういう項がございますが、ここへも持つて行くことができる。勿論移用については大蔵大臣の承認を必要といたしますので実際にそういうことは殆んどございませんが、少くとも財政法、会計法、それから二十六年度の予算総則に関する限りはそういうことが可能なんであります。そういたしますと、これをざつと御覧になりますと、直ちにおわかりになりますように、農林業費というのは、農林省所管の予算の大部分を占めております。その中では部局が異なつても金額を彼此動かすことができるということでございますから、国会の従来の議決というものは非常に広汎な権限を行政庁へ結果においては與えた、そういうことになつております。こういう点で一つは部款に関連いたしますと部款項、こう並んでおりますために、却つて何が議決單位であるかということを不明瞭にしている。もう一つはそのことに関して比較的関心が薄くなりがちなこととも関連いたしまして、只今申上げたような広汎な移用が許されているというはつきりした認識を與えずに予算総則で認めてしまうということになりがちである。従いましてそういつう観点からついたしましても、部款というものは廃止いたしまして、項を一本にいたしまして、議決單位はこれであるということをはつきりさせたい。それからもう一つ部款を廃止したほうが適当であろうと考えました理由は、部款はこれを集計いたしまして、行政部費の金額は総額で幾らであるか、産業経済費の金額は全体として幾らになつておるか、そういうことを明らかにするそういう分類表的な使命を持つておると思うのでありますが、ところが現在の部款の組方で申しますと、出資、投資というような部がございます。二十四年度予算以来御承知の通り出資、投資が非常に殖えれおります。そういたしますと、出資、投資いうものの総額の持つ意味というものは、非常に関心の的となるのでありますが、併し出資、投資、それから産業経済費と申しましたような分類は、角度の違つた分類でございますので、或る例えば外国為替に対するいわゆるインベントリー・ファイナンスの金を出資、投資の金に入れるべきか、産業経済費に入れるべきかという点については非常に主観的になります。こういう主観的な分類をそのままに残して置きますと、何か或る政策を弁護しようというときには、それに都合のいいほうの分類に入れ、又都合が悪くなると、それをほかの分類に入れる、そういうことになります。そういう危険がございますので、むしろこういう分類表としては、こういう予算の議決科目を借用するということではなくて別途行政の目的が産業経済であるか或いは保健衛生であるかというような角度と、或いはもつと別な角度からいわゆる資本的な支出であるか、或いは経常的なものであるか、そういう角度の分類と別途異なつた角度からの分類表を作成いたしまして、そうして御参考に国会に提出する、そういうことにいたしますれば、只今申上げたような欠点も除かれる、そういうことを考えまして部款を廃止いたしたいと考えて提案したわけであります。それで部款がなくなりまして、項が従来の款のような大きなものになつたのでは、只今申上げたような欠点は大部分残つてしまいますので、今度二十七年度一般会計歳出予算を御覧になりますとわかりますように、項をどういうふうに立てるかということについては、大体こういう点を考慮いたしております。一つはその経費がいわゆる資本的な経費であるかどうか。それで資本的な経費というものの定義につきましてはいろいろあると思いますが、一応出資、投資のような、或いは貸付のようなもの、そういつたグループ、それから第二のグループとして建設的な経費、不動産を作る、そういう経費、これを一応資本的なものと仮に名付けますと、そういう経費と経営的な経費とははつきり項で区別する。それで同じ項の中に資本的な支出と経営的な支出が混入しないようにする、こういうことにいたしております。これは單に経済的な分析のためという目的ではござませんで、議決科目というものは本来分析のためのものではございませんが、そういう目的よりも、むしろ考えて見ますとこれはその利益が長年に亘つて政府に帰属する、或いは国民に帰属する、そういう経費であると申上げて国会の御承認を願つた経費が実際においては経営的な用途に充てられてしまう、そういうことは非常に好ましくないことと考えますので、そういう経費は議決科目としても分けるのが適当である。そういう観点から、そういうものは従来同じ項にありましてもこれは分けるということにいたしております。ただ従来、そういう関係の経費は実際問題としては余り同一項の中に入つておつたことはございませんので、この関係はさして二十六年度と二十七年度の項の変化には影響を及ぼしておりません。 それからもう一つの点は、行政官庁の、或いは政府機関の経営的な運営の経費と、それから国民に対していろいろな形で利益を面接的に與えるそういう性質の強い経費、これは項ではつきり区別する、それで国民に対して利益を直接的に與えるという経費、これは性質から申しますと、考えようによつては政府のすべての機関が国民に対して利益を與えるためにあるのでございましようが、併しその中にもおのずから色彩の程度の差がある、例えば補助金というようなもの、これは後者に属するものであります。それから何か政府で、これは農林省の例などにあるのでございますが、動力噴霧器というようなものを買つて農民に無償で貸してやる、こういう経費と、官庁の建物を作るとかいうような経費、或いは官庁で本を買うとか、そういつたものはおのずから性質が違うのではないだろうか、それでこういう経費は項で区別いたしまして、国民に対していろいろと直接的な利益を與えるというような形を以て国会に御説明した経費が、実行においてほかの経費に使われてしまう、官庁の行政的な経費に使われてしまう、そういうことができないように分けました。それから第三の点は、そういうプリンシプルの問題ではないのでございますが、従来農林省の例で申しますと、農林省の部局の農林大臣官房の次に部局の農林省農政局というのがございまして、そこに産業経済費、そのところに項の一番初めに農村振興費というものがございますが、これが非常に例えば一例を挙げますと、これは非常優然としていろいろな経費がこの中に混入いたしておりましたので……。
○説明員(佐藤一郎君) 予算書の三十二頁とそれからこのお配りしました資料と比べて頂いて……。
○説明員(武藤謙二郎君) 三十二頁で申しますと農業委員会費補助、それから農産物増産助成費、それからその他のものが農村振興費として若干載つておりますが、そういうふうに一つの項を幾つかに細分して、より具体的に経費の使途をはつきりさせる、そういうことをいたしております。で、こういうことをいたしましたので、項の数としては従来に比べて大体三割くらい増加いたしております。更に従来は項が違つても、同じようにあの項にもこの項にも人件費や事務費や旅費が入つておるというようなことで、実際は項を区別した実績が余りないというような項が、ございましたが、今度はそういう項はなくなりましたので、その項の数が三割殖えたということ以上に実際においては予算の執行に当つては国会で議決された通りに執行されるという効果を持つことになると思います。 それからもう一つ、今度科目の改正に関連して御説明したいのは、従来公共事業費というものが安本に一本になつておりましたが、部がなくなりまして、公共事業費というような部がなくなりましたことの副産物といたしまして、公共事業費は北海道開発庁のほうはまだ残つておりますが、安本の分はそれを使用する各省に分けておのおの項としてどういう経費に使うかということをはつきり示すということにいたしております。更に移用につきましても、従来のように漠然と同一科内であればいいというようなことはいたしませんで、二十七年度予算の予算総則二頁を御覧になりますとおわかりになりますように、第十四條の一のところで具体的に項の名前を挙げてこれだけは移用できるというような形にいたしております。それからちよつとその関係で三審が引続き従来通り漠然としたものではないかという感じを持たれるかたがあると存じますが、これは只今職員給與の計算がそれほど精密に行われておりませんので、過渡的に例えば大蔵本省において職員給與が余つた、ところが高給者が財務局へ行つた、それで財務局のほうで足りなくなつた、そういう場合に一方において余りが出て一方おいて足りない、そういう場合に限つて移用が認められるという形になるのでございまして、従来に比べて非常にこれも制限された形になつておるのでございます。 それからもう一つ、非常に長くなつて恐縮でございますが、従来は部局と申しますものが予算書に出ておりまして、この農林省の例で申上げますと、農林大臣官房とか、局ごとに別になつておつたのであります。今度は部局に変りまして組織農林本省というものができて、その点では今までよりも大きな作り方になつたのではないかという問題でございますが、只今申上げましたように、従来の部局というものは常態的にはこれは議決科目でございまして、農林大臣官房の経費は農林省農政局には移せないということになつておりながら、実際は二十四年度以来毎年毎年移用の規定を設けまして、款が同じであれば移せるということにいたしておりましたので、議決科目としての効果は殆んどないにひとしいということになつたと思います。更にこういうふうに役所の経費を細分いたしまして、まあ項が異なりますと移用は原則としてできませんから問題はないのでございますが、従来は人件費というようなものが、主計局の月給はこれだけ、主計局の旅費はこれだけ、そういうことを一々議決科目として表面上は国会に提出しておつたのでございますが、これは現在の日本の予算の執行状況を見ておりますと非常に無理で、ございまして、それほど精密に実行はできない、そのためにいろいろとそれを回避するような手段をとらなければならない、これは考えて見ますと、むしろごのように議決科目として細かく区分するということ自身が無理があるのであつて、こういう不必要な無理はなしにしたほうがいいだろう、こういう考え方で今度は本省の内局というようなものは一本にいたします。併し経費をどういうふうに使うかという予定は明らかにする必要があると考えましたので、参照書のほうでは従来通りの部局で経費が現われております。以上を以て簡単でございますが説明を終ります。
○説明員(佐藤一郎君) 補足を申上げますと、今の農林省の例で申しますと、私今数えて見ましたら前年度の項は十七ございます。それで三十三頁を御覧願いますとわかりますが、二十四ございます。それだけ項を組分してあるわけでございます。その代りに、今武藤君の話がありましたように、外局例えば食糧庁とか、林野庁は別でございますが、農政局とか、農地局のような内部部局のほうは参照書を御覧願うとちやんと書いてございますが、それを除いてございます。
○委員長(平沼彌太郎君) 質問を一つ。
○波多野鼎君 公共事業費の安本に集めないで各省に分けたというのは、今度予算書ではどこに出ておるかちよつと……どういうふうに出ておるか。
○説明員(武藤謙二郎君) 御説明申上げます。例えば只今の農林省の例で申しますと、林野庁に、三十三頁の、林野庁に山林事業費というのがございます。更にその次に山林施設災害復旧事業費というのがございます。これは従来の公共事業費の系統のものでございます。それからその上のほうの農林本省の、三十三頁の上のほうを申上げますと、土地改良事業費、開拓事業費、農業施設災害復旧事業費、これは従来公共事業としておつた系統のものでございます。
○波多野鼎君 安本のほうに公共事業費を一括して計上するような方式をとつて来たのは、例えば資材などについての統制をやつたという見地からあれはとつて来たと思うのだが、安本のほうではどうなんですか、今のそういう点については。
○説明員(武藤謙二郎君) 本年度の予算の編成について申しますと、従来と変りませず、安本が中心となつて予算を作りまして、それを大蔵省と相談するという形で一応できました。それできまつたものをこういうふうに分けたわけでございます。それで従来は一応予算がきまりましたときに内訳がきまつておりますが、その後更にいろいろと検討を加えておりますために、しばしば公共事業費については予算の配付が遅れるというような弊害がございましたが、今度は国会できまつた通りに執行されるということになりますので、そういう欠点も除かれると思います。それから只今波多野委員のおつしやいました点は、確かにこういうふうに分けることの弊害なんでございますが、併し国会の議決を尊重するという点と併せ考えまして、非常に終戦直後のような、情勢が急変をしておるという時代を除きますれば、こういうふうに成るべく国会の議決を細かくして頂くということが正しいのではないかと考えまして、こういうふうにいたしたのであります。
○波多野鼎君 そうしますと、公共事業費については、議決があればそれに従つて、各省所管の事業を各省はお互いに相談し合うとか、或いは安本が中に入つて事業を調整するというようなことがなくて、各省が独自の立場でぐんぐんやつて行くということになるわけですね。
○説明員(武藤謙二郎君) 大体そういうことになりますわけでございますが、本年度は過渡的でございますので、一応安本できめたものを、或いはその議決された中で多少変更するということについて、安本と各省との間に、各省で安本に一応説明するというようなことがあるようになるかも存じません。
○波多野鼎君 これはちよつと問題だと思うので、よく聞いておきたいのですが、従来、今言われたように公共事業費の各省への配分について非常に手遅れがあつて、事業が進捗しないという弊害が勿論あつたことは認めますが、今度それをすつかり外してしまつて、各省に全部分属さしてしまう、そうすると各省が競争的に、或いは又全体の資材の需給関係など、或いは又労働力の問題など考えないで、各省がやつて行つてしまえるようなふうの筋道に持つて行こうという考え方なんですか。今年は過渡的に安本が中べ入つて調整すると言われるのだが、考え方としてはそういう安本が中へ入つて調整するというようなことは過渡的な措置に過ぎないのだという考え方で、これを編成するのですか。
○説明員(武藤謙二郎君) 将来予算の編成について、安本が従来の公共事業系統のものについてどういうふうに關與するかということはまだはつきりいたしておりませんが、ただ一つ只今の点で私御説明を補足したほうがよいと思いますのは、災害復旧費関係につきましては予算書の四十四頁を見て頂きますとおわかりのように、二十七年度発生災害復旧事業費として安本に一括計上してありまして、この関係については引続き従来のように安本がいろいろな情勢を考えて配分するということになると思います。その他の経費についてはこれから安本の統合調整がなくなるかどうかという問題につきましては、私まだ今後どうするかということをはつきり存じておりませんが、私どもがこれを分けるときに考えておりましたのは、そういう欠点は、只今波多野委員のおつしやられましたような欠点は起きやすいから成るべくその点を配慮して配らなければならないけれども、一応各省に配られた経費については特段の措置がない限り各省で最も適当であると思うように使うことにするのがいいだろうという考えでございます。
○波多野鼎君 この問題は公共事業費のみに関しての問題ではありませんが、今度の改正法律案の第何條にあるのですか。会計法の改正に当りまして今提案されておる法律の第何條ですか。
○説明員(武藤謙二郎君) これは單に部款がなくなるということに関連して起つただけでございまして、安本から分けるということはそれから必然的にせねばならんという措置ではございません。
○黒田英雄君 ちよつとお尋ねしますが、今の款項を整理した理由はいろいろ御説明を承わりましたが、この款項を整理する場合に、今まで流用がきかないために徒らに経費が膨脹するというようなものを款項を整理して、それを減らして、つまり予算総額を幾分たりともそれによつて減ずるというようなお考えはなかつたのですか。曾つては予算の総額を減ずるために款項の整理を行なつたことも、その目的のために行なつたこともあつたと記憶するのですが、今度はそれは少しもお考えのうちにはないのですか。
○説明員(武藤謙二郎君) 只今の点は、今度の項は前に比べまして細かくなつておりますので、予算としては総額が大きくなりがちだという欠点を持つていると思います。併し執行の問題といたしましては、従来のように移用ができますと、余つた金がほかに使われてしまうというようなことがございますが、今度は余つた金は不用に立てるということになりますので、決算面においては却つて小さくなるというような効果を持つのではないかと思います。ただ項を分けますときに、予算総額を小さくするということを特に力を入れては考えませんでした。
○木村禧八郎君 今日新聞を見ますと、大橋さんが安全保障費を警察予備隊のほうで使うこともできるのだということを言つておりますが、これはできますか。
○説明員(武藤謙二郎君) 安全保障費につきましては、いずれ責任のあるかたから答弁することにいたしたいと思いますが、私の聞いている限りではできる……。
○木村禧八郎君 このあれによつてですね。
○説明員(武藤謙二郎君) 従いましてこの点につきましては今度の予算はこういうことを意図したにかかわらず、そういうところで尻抜きになつたということはございます。……失礼いたしました。国警に使うことは考えておりません。
○木村禧八郎君 考えるとか、考えないとかということじやなく、これによつてはできないのじやないですか。
○説明員(佐藤一郎君) 私から申上げますが、私大橋さんのあれを見ておりませんから何とも申上げられませんが、只今の財政法と予算総則の下においては、安全保障費は大蔵省の主計局にたしか組んでおりますから……。
○波多野鼎君 予算書何頁かちよつと知らせて下さい。
○説明員(佐藤一郎君) 二十五頁に大蔵本省とございまして、その中に、六、七番目のところに安全保障諸費というのがございます。それでこれは只今木村さんがおつしやいますのは前のほうの、警察予備隊は十九頁にございますが、警察予備隊に使うことはできないと考えております。どういうお考えでおつしやつたかちよつと具体的なことは今わかりませんが、警察予備隊にはできない……。
○波多野鼎君 今の安全保障費ですね。大蔵省に組んでいるのはどういう意味で組んでいるのですか。今度の改正と関係があるのですか。
○説明員(武藤謙二郎君) これは別に関連ございません。私どもはこの案を考えましたのは、昨年の春の頃でございまして、それから方針は変つておりませんで、安全保障諸費の問題は極く最近の問題でございます。
○波多野鼎君 それから大蔵本省のほうの予算に組んだのはどういう意味ですか。
○説明員(武藤謙二郎君) それはほかに適当な組むところがないので……。
○木村禧八郎君 それは繰越明許との関連があるのじやないのですか。
○説明員(佐藤一郎君) ちよつと失礼いたしました。私不注意な点がありましたので直しますが、二頁の予算総則の十三條をちよつと御覧願います。今波多野先生のおつしやいました点と関係するのですが、安全保障諸費は今後行政協定その他でどういうふうになるかわからないので、政府としても実際組むのに困難を感じたのでありますが、一応大蔵本省で組みました。今後どういうことになるかわかりませんので、ここにございますように、第十三條、大蔵省所管大蔵本省に計上した防衛支出金、平和回復善後処理費及び安全保障諸費を使用する場合においては、それを必要とする各省各庁所管の当該組織に予算を移し替えることができる。」となつております。それでこれは方法としては移し替え以外にないのでありますが、これは従来公共事業費について行なつていた制度です。で、移し替えは財政法に規定がありません、国会の議決だけで以てこの移し替えということを従来公共事業費についてやつておつた。で、安定本部に組みました公共事業費を実際に執行いたします場合に、予算総則の規定に根拠を置きまして従来農林省なり、建設省に移し替えをしたのでありますが、それとあたかも同じような方法でこの予算総則で以て、特別の経費でありますので、特に承諾を求めておる、これがあればできるわけであります。この予算総則によつて議決を経た場合にはできる、こういうことになります。
○木村禧八郎君 そうすると、何のためにこういう組織を作つてここに区分を明らかにしたか、意味が明らかでないのですが……。
○説明員(佐藤一郎君) この安全保障諸費の内容もこれからだんだんわかつて来る点もありますが、これは或る程度止むを得ないと思いますが、全体の私たちの考え方はできるだけ経費の使用については厳重にやつて行きたいという意味で項を中心にする、こういう建方をしたのであります。
○木村禧八郎君 これはあとで主計局その他から聞かなければなりませんが、安全保障費と、それから警察予備隊の費用との性質の違いがどうも明らかでないが、本当ならば警察予備隊のほうに計上すべきものが安全保障費のほうに廻つて……。余りどかんと警察予備隊に大きく出ると、又再軍備がうんと始まるという心理的な影響が悪いので、こういうふうなものは、本当ならば不安全保障費場なのに、安全保障費と言つているように我々は解釈できるのですが……。
○説明員(佐藤一郎君) 一つ予算審議の際によろしくお願いいたします。
○波多野鼎君 先ほど説明が、この改正法律案についての説明のところに、例えば従来出資、投資というようなものを入れた説明書と、産業経済費というものを中心としたような説明書とあつて、実際僕らは予算を見るのに困つたことが大分あつたのだが、今度は何かそういう資本的な経費と、経営的な経費との分類とかいうようなものをはつきり出すということをさつき言つておられたが、そういうものを出す意味において、そういう基礎になるものが、こういう項を殖やして来たということが基礎になると思うが、そういう狙いがあつて項を殖やしたのですか。分析と議決とは違うということはさつき言つておられたが、それは成るほど違うに違いないのですけれども、議決する場合に、予算の分析ということが基礎にならなければ、議決もできないのですから、我々から言うと、分析に役立つようなそういう参考書、資料というものを作るその基礎に、項をこのように殖やして行くというように理解していいですか。
○説明員(武藤謙二郎君) 只今の点は議決科目という性質から考えても、更に分析の点から考えてもそういうふうに分けることが両方のために便利であるということでいたしました。それから二十八條の参考書として近く資本支出であるかどうかの分類、或いは産業経済か、或いは治安行政かというような角度の分類を、縦横にした表を提出することにしていますが、目下おおむねでき上つております。
○木村禧八郎君 先刻の安全保障費の問題は別として、一応財政法に規定がないのを予算総則で、こういう十三條によつてこういうことができるようにする、慣例を作つて行くということはどうなんですか。
○説明員(佐藤一郎君) これにつきましては予算総則の第九條を御覧願うとわかるのでありますが、例の国家行政組織法ですね、例の省の廃合でございますとか、いわゆる行政機構が改正されました際に権限が移動する場合がございますですね、農林省にあつた仕事が通産省に移るというような例がございます。そういう場合にはこれはいわば所管の関係から見て当然これは特に本来はお断りしなくても行政組織法で認められた限りにおいては移つてもいいという考え方が当然起きるわけであります。それを従来、こういうふうに今回の九條になつておりますが、毎年予算総則で御承認願つておるんです。従来公共事業費なんかにつきましては、やはり執行するところは農林省であり、建設省であるというので、特にそれは財政法で以て規定するというような点、ただ財政法だけの見地、狭い見地でないならば当然いわゆる事柄の性質上認められるということでまあ移し替えの制度だけは財政法にも書いてございませんので、それで従来からやつておるわけであります。それで今回この安全保障費の内容もこれからの問題でありますので、移し替えの制度を予算総則で以てまあ御審議願う、 こういうことになつております。移し替えの制度につきましてはこれは財政法に規定したほうがいいかどうか、これは前から多少議論が、ございました。それは、これにつきましても財政法を作りますときには予想しませんで、その後いろいろ必要が起つて公共事業費の問題から最初使うようになりまして、いわば慣例的にこの移し替えの制度が予算的に現在まで行われて来ておるわけであります。
○木村禧八郎君 只今の御説明、九俸のことはよくわかりました。九條を十三條と違うわけですがね。
○説明員(佐藤一郎君) そこのところは考え方になるんですが、こういうやはり或る程度予算を当初作りますときに、その後に他の事情でその執行責任者が変るというような場合も考えられるわけであります。そういうときに移し替えの制度をとつて行きたい、こういうようにまあ考えておるわけです。
○木村禧八郎君 その根本の問題になるのですが、そういうことが簡単にできないように、それは事情によりますけれども、濫用されたら意味がないんですからね、区分することが。ですからその濫用に陷らないようにすればいいわけですね。
○説明員(佐藤一郎君) できるだけそういうことは特別の移し替え以外は私どもも考えておりません。それで結局予算の審議の際にどうせ予算総則の問題もお取上げになると思うのでありますが、できるだけ私どものほうとしても例外的なものとして一般には考えておりません。
○委員長(平沼彌太郎君) それでは継続費のほうの御説明を願うことにしてよろしうございますか。
○説明員(佐藤一郎君) 継続費について申上げますが、四十六頁を御覧願いますとおわかりになりますが、そこに予算の乙号というのがございます。それで先般来御説明申上げておりますように、総理府所管の北海道開発庁におきまして、幾春別川総合開発事業費、これの継続費とそれから建設省所管におきまして、鬼怒川外二河川総合開発事業費というのがございます。それからなおこの薄いほうの特別会計予算というものを、予算書と別冊になつておりますが、特別会計予算の三十四頁を御覧願いますと、ここに継続費としまして特定道路整備事業費として項に関門国道整備事業費というのがございます。従来関門国道は一般会計公共事業費の中で出ておつたわけでありますが、今岡特別に道路に関しまして、特別会計が設定されました。特定道路整備特別会計ができましたので、その中に入れることになりまして、特別会計のほうに移つたわけであります。それから念のために申上げますと、一般会計の予算書に戻りまして、千三十四頁を御覧願います。御承知のように前の四十六頁にございました建設省の、これはいわゆる形式の予算でございます、あとのほうがいわゆる予算参照書と申しておりますが、その中で建設省の鬼怒川外二河川総合開発事業費の内訳が明示してございます。これは猿ヶ石川総合開発と物部川総合開発となつております。それから附帶事務費とこういうふうになつております。この前に小林委員から御心配のありました点で、私どもではこれについては流用は全然認めないという方針にいたしております。大体予算に載つております継続費は以上であります。
○木村禧八郎君 継続費はそれでわかりましたが、あとで御説明あるかも知れませんが、継続費と繰越明許費との区別ですね、どういうところなんですか。
○説明員(佐藤一郎君) 繰越明許費は御承知のように本来はやはり当初のその一カ年だけでやる予定である、本来の趣旨は。併し事業の趣旨は、繰越の可能性が相当ある、こう思われるものにつきましては、事業の途中で年度が終つてしまいましては本来の予算を貫くことができませんからして、そのためにあらかじめ明許をとつておく、こういうものでございます。それでいわば本来一年間の経費であるけれども、その例外としてやつておる。継続事業費につきましては最初からいわば計画的に四カ年間、五カ年間かかつて事業を遂行する必要が認められておる、こういうものであります。
○木村禧八郎君 そうしますと繰越明許の場合は、いわば例外的に使い、それから継続の期間も継続費みたいに長くない、こう解釈していいのですね。
○説明員(佐藤一郎君) 次の年度に入るわけであります。
○木村禧八郎君 そうすると例外が非常に大きいのですね、今度の予算では。
○説明員(佐藤一郎君) 繰越明許費ですか。
○木村禧八郎君 ええ、繰越です。ですからさつきの安全保障費などは繰越明許になるのですね。これでしよう、丙号のこの四十七頁ですね、これが例外と言えるかどうか。
○説明員(佐藤一郎君) これは考え方ですが、予算全体から見ましてどの程度になるか、今申上げられませんが、繰越明許は従来からずつと件数は相当ございますが、特にいわゆる戦争前に随分繰越明許が多かつたのです。これも例外という考え方ですが、併し年度は来てしまいまして、そのまま不用に立てるということは予算の目的を達成いたしませんからして、念のためにこういう措置をいたしておきまして、まあいざという場合の用意をしておくということも、予算を趣旨通りに執行したいという行政の立場からすると止むを得ないと考えます。
○木村禧八郎君 僕は前の戦争中のいわゆる臨軍費ですね、ああいうものは、継続費というものを許す、そういう場合の臨軍費的な弊害が出て来るというような議論があつたのですが、今度のあれを見ると、継続費という形では出て来ないで、繰越明許という形でどうも臨軍費的な性格のものが相当出て来て、これが非常に重要じやないかと思うのですがね。今度の改正で、前は明許繰越で、今度は繰越明許というものを加えると、この予算書を見てわかつたのですが、その繰越明許の費用が非常にたくさんあると、その必要上今度の財政法にそういう一項を加えるということが出て来たと思うのですね、そうじやないのですか。
○説明員(佐藤一郎君) 明許繰越と繰越明許は同じです。ただこの繰越明許費という一つの言葉を作りまして、表現を逆にいたしましたけれども、同じものでございます。ただ今度財政法で改正いたしましたのは、従来繰越明許はこういうふうに当初予算のときに最初から繰越す虞れがあるというものの明許を得ておつたのであります。ところが年度を経過いたしまして、例えば本年度の予算について申上げますと、前年の当初予算としては明許を得ていなかつた、併しこの一月までの事業の執行状況を見てはとても三月までにはやることができまいというような虞れのある場合には、従来は事故繰越の規定だけで賄つておつたのでありますが、それでは不十分なので、勿論あらかじめ国会の議決を経まして、そうして追加して繰越明許をすることができる、本来の予算の額は変らないのですが、繰越明許だけを追加することができる措置をとりたいというので財政法で繰越明許が出たわけでありまして、繰越明許の性質そのものについては変つておりません。
○木村禧八郎君 この繰越明許費は全部でどのくらいでありますか。
○説明員(佐藤一郎君) これはちよつとここに挙げました予算の総額を総計しても意味がないので、ちよつと予定がつかんわけであります。これは万一三月までにできない場合には繰越明許ができるという意味でありまして、公共事業費等につきましては、例えばここにございます四十七頁の北海道開発庁の予算等についてやつてありますのは、御承知のように北海道は寒い期間が多くて事業の執行期間が非常に短い、それでちよつとした故障がありますともうその年度内に完成することが非常に困難であるというような、それぞれに必要がありまして、必ずしも繰越すことが確実であるというわけではありませんけれども、あらかじめ明許をとつておく、こういう気持でとつてございますので、どのくらいかといとことはちよつとはつきりは申上げられないのです。
○木村禧八郎君 その明許を要する糊目についての合計額はわかりませんか。
○説明員(佐藤一郎君) 予算ので十か……それは今私の手許に数字がございません。ここにある数字を合計したければなりませんので、今ちよつと手許にございません。
○木村禧八郎君 例えば安全保障費というものが対象になつて来ているのでしよう。
○説明員(佐藤一郎君) 安全保障費は四十八頁に出てございますね。
○木村禧八郎君 そうすると、それは非常に大きな金額が対象になるわけ下すね。それが全部というわけではないのですけれどもね。
○説明員(佐藤一郎君) ただこれは私も安全保障費の内容を御説明する資格はないのでありますが、いわゆる対外協定等にもかかわつておるわけでございますが、それの実行の如何とか、それらによつてスケジュールが狂つて参りますので、どうしても延びる可能枠もあると、年度内に使い切らんという場合には、何かそういういわば万一遅れた場合には三月までには無理ではないかという虞れのあるものを載せておるわけです。
○木村禧八郎君 ところが、警察予備隊がそうなつているでしよう。それから大蔵省で平和回復善後処理費、防衛支出金、安全保障諸費、こういう今度の予算で非常に重要なものが皆そういう対象になるということは、どうも継続費と期間も違うし、まあ例外的に扱うのだから……、これも違うというものの、実質においてはどうも継続費の変形、どうも変態的継続費みたいに……、今後どんどん防衛費が殖えて来るような場合、こういう形でやられたのでは前の臨軍費と余り違わなくなつて来るのじやないかと思うのですよ。
○説明員(佐藤一郎君) まあこれが予算の問題でして、私もちよつとここで御満足の行く答弁ができるかどうかわかりませんが、まあこれは考え方で、アメリカのように、もう最初からどんな予算でも或る年に組めば次の二年間は默つて使える、いわば当然二年間は繰越して使えるという野放しの制度もあるわけです。ですから、この繰越については日本の制度はむしろ窮屈であるという議論のほうが一般の理論家の間では多いくらいです。まあ少くとも国会が事業処理に対してこれだけの予算を認めて、これを使え、使つてもよろしいと言つておるわけでありますから、一面において濫用を防がなければなりませんが、他面において政府が承認を得た目的に従つて効率的に金を使わなければならん。たまたま一年の会計年度というものは三月なら三月に来ておるというだけであつて、この予算の執行全体が十分目的を達しないということでは困る場合があるのじやないかと思うのです。でありますからして、これが継続費と同一視されると非常に困ると思うのでありますが、そういう点も一つ御了解願いたいと思います。
○木村禧八郎君 大体大ざつぱにどのくらいになるかわかりませんかね。
○説明員(佐藤一郎君) これには今御指摘になつたような新らしい経費ですね、ここにある大蔵省の関係等の新らしい経費はちよつと私も申上げかねますが、従来の例えば公共事業費でございますとか、こういうものにつきましては、繰越というものが毎年決算で明らかになつておりますから、それほど大したものではありません。
○木村禧八郎君 まあそういうものは、今度やはりいわゆる再軍備的な財政予算にしたのでこういう無理が出て来るのだろうと思うのですが、その中で二十七年度に使えないということは明らかだけれども予算を取つておくということになるわけで、最初から繰越が予想されていながらも予算を計上されると、こういうことになると思うのですから、それが本年度でどのくらい明許繰越の対象になるのか、大ざつぱでよいのです。
○説明員(佐藤一郎君) ちよつと見込が立たんと思いますが……。
○田村文吉君 ちよつと関連して……、明許繰越は翌年度以上に延びることは絶対にないのですか。
○説明員(佐藤一郎君) ございません。翌年度以上と申しますのは、明許繰越としては次の一年間しか認められないわけでございます。
○木村禧八郎君 詰らんことなんですが、どうして繰越明許というものを明許繰越と……。
○説明員(佐藤一郎君) これは予算に繰越明許費というのを入れたものですから、繰越明許費という一つの言葉を作つたものですから、逆さまに繰越明許費としたわけです。
○木村禧八郎君 僕は性質が違うのかと思いましたが……。
○説明員(佐藤一郎君) いえ、全然従来と同じでございます。
○田村文吉君 あとでさつき木村委員のお話のあつた数字を……大体どのくらいの数字になるか。
○説明員(佐藤一郎君) 明許繰越関係の予想はつきませんから、過去の繰越明許の実績でも、繰越額をお知らせすることはできますが……。
○田村文吉君 いや、その問題だけでなく、実際の明許繰越をした費用でなくて、全体の明許繰越関係の総額は幾らになるか。
○説明員(佐藤一郎君) これは合計さして……。
○田村文吉君 はあ。
○委員長(平沼彌太郎君) 速記をとめて下さい。 午後零時一分速記中止 —————・————— 午後零時二十一分速記開始
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。それでは明日の午後委員会を開きまして、そしていずれ大臣に来て頂く場合のこちらの質問事項について打合せるということにお願いいたします。 それでは本日はこれで散会いたします。 午後零時二十二分散会