大蔵・通商産業連合委員会 第1号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/04/23
会議録
○委員長代理(大矢半次郎君) これより第一回の大蔵、通産連合委員会を開会いたします。先例によりまして私が委員長の職を勤めさせて頂きます。 貴金属管理法の一部を改正する法律案につきましては、先に大蔵委員会において提案理由の説明を聴取いたしておりまするので、本日は先ず内容の説明を聴取し、ついで質疑に入るという順序で議事を進めたいと思いますが、御異議ございませんですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長代理(大矢半次郎君) 御異議ないようでありますので、そのように議事を進めることにいたします。それでは先ず政府より内容の説明をお願いいたします。
○政府委員(石田正君) 只今議題と相成つておりまする貴金属管理法の一部を改正する法律案の内容説明でございますが、この法律案の改正の要点は大体三点でございます。 第一点は、現在の法律におきましては貴金属といたしまして、金のほか銀及び白金属の統制もいたしておるのでありますが、金だけにとどめまして、銀及び白金属を統制から除こうというのが第一点でございます。 第二点は、この金の価格に関する問題でございまして、現在におきましては、政府が産金業者から金を買上げまする価格、それからして又それを需要者に売りまするところの価格は、いずれもアメリカにおきまするところの一オンス三十五ドルという値段を、一ドル三百六十円という価格によりまして換算いたしましたところを基準といたしておるわけでございます。即ち大体四百円ちよつとのところで買上及び売却をいたしておるわけであります。 〔委員長代理大矢半次郎君退席、委員長着席〕 ところでこの政府が産金業者から金を買います。そうして更に需要者に売りまするところの量と申しまするものは、昨年の実績から申しますると、大体五トン九百キロ程度でありまするが、これをこの中からして実需の方面に払い下げておりますところの量はニトン二百キロということに相成つておるのでございます。今回の改正におきましては、政府が買上げまするところの価格及びその実需方面に対しまして払下げまする価格というものとの間に差を付けまして、そうして政府が買上げまする場合は先ほど申しました価格で参りまするが、実需者の手に入りますところの価格というものはそれと違つた価格にいたそうというのが第二点の改正でございます。 それから第三点といたしまして、今日の日本の産金量及び実需というものを考えますると、現在と同じように消費の方面に対しまするところの割当を規制いたして行かなければならないという実情は依然存続するわけでありますが、その場合におきまして、実需者が買いまする価格と、それから先ほど申しました四百円見当の価格の差額というものは、これを産金業者の手に収めるようにいたさなければならんわけであります。従いまして、政府か買いましてそれを直ちに実儒者に売るということでありまするならば、その差額を産金業者に還元いたします上におきましていろいろ困難がございますので、この実需に向いまする分につきましては、政府が産金業者に売戻しをいたしまして、産金業者の手を通して実需の方面に売り捌くその価格というものが四百円とは違つた価格で売る……。
○波多野鼎君 ちよつとそれは幾らになるか……。
○政府委員(石田正君) それはあとで申上げます。違つた価格にする、こういうことで制度的な改正をしなければならない。これが第三点でございます。 そこでこの法律案の条文について申上げますると、第八条までの改正は今申しました三つの点に関連いたしまするところの条文整理でございます。 それから九条から九条の四までの改正は、これは今申しました第三点の中の一番最後の点、即も政府が買上げてから実需者に行きまするところの間の関係の仕組を規定いたしておるものでございます。第十条が売却に関連いたしまする価格の点、即ち先ほど第二点として申上げました点を規定いたしておるのでございます。でこの十条におきましては、価格の点を三つに分けてございます。政府が産金業者に対しまして、ここでは金組入者という言葉を使つてございますが、それに払下げますところの場合の価格、これが一つでございます。それからその次に金納入者が直接実需者に売りまする場合、或いは加工用金売さばき業者というものを通じまして売りまするところの場合の価格、これが第二の価格でございます。この更に加工用の金売さばき業者が実需者に売りまするところの場合、これが第三でございます。この三つのものがそれぞれ違うということが十条において規定せられておるわけであります。で現在、先ほど申しましたように、四百円見当一本のものをまあ三つに分けるのでありますが、この十条にありまするところの一番最後の第三の価格というものは要するに加工用金売さばき業者というところの一つの取扱業者に扱わせます場合におけるところのものでありまして、ただ手数料が課せられるのみでありまして、第一の価格とそれから第二の価格というものが重要になるわけでございます。そこでこの問題になりまするのが、今波多野委員からお尋ねがありましたところの価格に当るわけでありまして、これがどういう価格にきめるかということでありますが、一番最後のところにございますが、「主務大臣が、金地金の国際市場価格並びに国内における生産及び消費事情を参しやくして定める。」ということになつておるのでございます。今、現在四百一円で買上げておりますが、これに対しまして、御承知の通りに国際通貨基金におきましては、政府の貨幣用の金、或いは中央銀行の貨幣用の金というものにつきましては、三十五ドルベースにおけるところの取引をしなければならないけれども、産業用の価格につきましては必ずしもそれを守らなくてもよろしいということに相成つております。そこで、それが各国において大体どの程度の価格に相成つておるかということにつきましては、先般資料を差上げておきましたが、大体一番高いところで三十五ドルベースに対しまして二割五分までだというふうに見えるわけでございます。そこで仮に、二割五分といたしまして、四百円をアツプいたして参りますれば、五百円という価格が出て来るわけであります。これは現状を申上げておるわけでありまして、将来どう変りますかは今決定的に申上げることはできませんが、大体過去の数字をとつて見ますると、そういうふうな状況に相成つておるのであります。 それから最後に国内における生産及び消費事情を参酌してきめると、ありますところの国内の生産価格でございまするが、これは実は大蔵省はどちらかと申しますると、この点について資料が素人でございまして的確に申上げることができないのでありまするが、産金業者の実情を通産省におきましていろいろと調べまして、これはまあ産金業者は金だけをやつておるのでなく、ほかの鉱物の採掘もいたしておるのでありまするが、金に対するところの何と言いますか、採算がとれまするところの点といたしましては六百七、八十円ということを申されております。それから消費のほうの事情を参酌してきめるという、まあ消費のほうでございまするが、これは先ほど申しましたような工合に、政府は四百一円で買上げまするが、いろいろの手数料から考えまして、大体四百九円で売払つておるわけでございます。で、現在消費のほうで一番大口でありますところのものは歯科医療用でございます。歯科医療用の金というものは、政府のこういう払下価格を基準といたしまして現に消費せられておる、こういう実情でございます。大体去年の実績で申しますると、先ほど政府が払下げましたのは二トン二百キロであるということを申したのでございますが、このうち九百キロ、これが公衆衛生用に相成つております。それからその次に大きなものといたしましては、輸出用の八百三十キロというのがございます。まあこれを払下げる比率から申しますると、公衆衛生用の、要するに歯科用のものが四〇%をちよつと超えております。それから輸出用が三七%を超えておる、こういうふうな状況でありまして、この二つが大宗を成しておるわけであります。この輸出と申しますれば、例えば陶磁器なんかが使つておりまするところのものがこれに入るわけでありまするが、これも先ほど申しましたような工合に、四百九円というようなものを基準にいたしましてきまつておるというのが実情であります。非常にそういう意味におきまして、第二の価格の基準をどの辺に求めるかというのがなかなかむずかしい問題でございますが、法案といたしましては、今のようないろいろな事情を参酌してきめるということにいたしておるわけであります。 それから第十二条は、非常に長く書いてございまするが、要するに貴金属管理法におきまして貴金属に関するところの取引をいろいろと制限禁止いたしておるわけであります。併し政府が認めた場合におきましては、これを自由にするといいまするか、許可不要にするといいまするか、そういうようなことが必要なのでございまして、そのために先ほど申しましたところの第三点、即ち新らしいところの金の売却及び配給につきまするところの制度を変えましたに伴いまして、その制度のルートに乗つたものは許可が要らない、自由であるというふうなことを規定するためにこの十二条の改正があるわけでございます。 それから第十七条でございまするが、これは先ほどちよつと加工用金売さばき人ということを申上げたのであります。これは政府が買上げました金を金納入者に売りましました場合にをの金納入者が実需者に対して支障なく何といいますか、売却ができれば問題ないのでございますが、要するに産金業者の所在地というものが片寄つてりおりまして、需要者と全国的にマツチしない、そういうために、この産金業者から更に買つて配給をするというところの特別な業態を認めたほうが便利であろうというので、加工用金売さばき人というのを今度定めることにいたしたわけでございますが、その加工用金の売さばき人につきましては、これは主務大臣の認可を受けなければ営むことができないということにいたしますると同時に、現在この歯科用の金につきましては、歯医者さんや何かがたくさんございますので、この歯科用の金の配給関につきましては、いろいろと規定をすでに設けておるのでありまして、そのための何といいまするか、配給に関するところの規定がございます。そこでその規定をこの加工用金売さばき業者にも準用しようというのが第十七条の二の規定でございます。 第十八条以下二十八条までたくさん条文がございまするが、これも冐頭のところにありましたと同じような工合に、改正の主要点でございます三点を中心といたしましたところの条文整理の規定でございます。 それから附則につきましては、施行の期日を定めますると同時に、現在すでに、貴金属管理法の下におきまして、割当をやつておるのでありまして、それと、この新らしい制度との間の移り変りにつきまして経過的な規定を設けた次第でございます。内容説明といたしましては、一応この程度にとどめさして頂きまして、なお御質問によりましてお答えするということにいたしたいと存じます。
○委員長(平沼彌太郎君) 質疑は成るべく通産委員のほうから優先的にお願いをいたします。
○竹中七郎君 先ほど根本的な第一、第二、第三とやられましたが、第三のほうをもう一度御説明願いたいと思います。
○政府委員(石田正君) これは第二点の価格の点で多少申上げたいと思いまするが、産金業者のコストと、それからして政府の買上価格というものが違つておるわけでございます。併し、他方におきまして日本で金が生産されまする量及び消費の量というものを比べてみますると、やはり統制をして行かなければならないということがございます。そこでまあ、その制度をやつて行きまする場合に、今まで通り政府が金を買上げまする場合にはこれはどうしても先ほど申しましたような工合に、四百円見当で買わなければならない。それを今度は政府が産業用、或いは医療用に売りまする場合に、これは国際通貨基金等の関係から言いましても、違つた価格でよろしいということで、仮に五百円というような価格で売るというようなことになりますると、政府がその間において百円儲けるということになるわけであります。これは併し政府が儲けるべき筋合のものではないわけでありまして、これは当然産金業者にその利益が行くようにしなければならない。そういうことごありまするならば、政府は一遍全部買いまするけれども、産業用及び医療用に参りまするところのものは金納入者を通じて売戻す、大体同じ価格で金納入者へ売戻す、その売戻したものは今度は産金業者が実需者に売りまする場合に違つた価格で行くということにいたさなければならない。そういう意味で制度の改正をいたした、こう申上げたわけでございます。
○竹中七郎君 そういたしますというと、まだ五百円になるか、或いは四百五十になるか、或いは五百五十円になるかということは大蔵省では御決定にならない。いわゆる生産者の立場と、それから加工する、或いは輸出する業者の立場とを勘案して御決定になる、こういうことでございますか。
○政府委員(石田正君) この価格の決定権は大蔵省にあるわけでございまするが、併し生産者の立場、それからして消費者の立場につきましては、それぞれ通商産業省、厚生省、これらの所管でございまするので、そこらとよく話合いをいたしまして、決定をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○竹中七郎君 実はこの輸出関係のものに対する点につきまして、大蔵省と通産省といろいろとお話合いになりまして、これに対する特別価格というものをお考えになる御意思があるかどうか、その点。
○政府委員(石田正君) 何と申しますか、金の価格をきめるように相成れば一本でなければならないと考えております。その価格を決定するのにいろいろな価格を需要者ごとに考えて、いろいろな価格を設定するということは本旨でないと思います。そこできめるのでありまするならば、皆一本にきめるのが至当であろうかと、かように考えておる次第でございます。
○境野清雄君 大体今御説明を承わつたんですが、通産委員会としてはこの日本の産金対策というものについては非常な関心を持つているのでありまして、最近の金山に対する政府の産金政策というものについては大きな問題があるだろうと思うのでありますけれど、そういう問題は又通産委員会でやるとしましても、この法案に盛られております中で私どもが関心を持たなくちやならんと思うのは九条と十条の問題、即ち九条の点におきまして、金配分計画で定めた数量の範囲内で割当てる金地金の数量を決定するというような点がありますが、これについては大体どの程度の割当を算定するのか、そういう点についてわかりましたらお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(石田正君) なかなか金の問題はむずかしい問題でございまするが、従来のやり方というふうなものはこれはやはり一挙にそれを根本的に変えるということもむずかしいと考えておる次第でございます。従いまして、この割当ての方法につきましては、大蔵省といたしましては、産業用なり或いは医療用に割当てる金の量というものをだんだん殖やして参りたいと、かようには考えておりますけれども、一挙にこれを非常に殖やすというふうなことはできがたいのではないか、かように考えておる次第でございます。
○境野清雄君 大体二十六年度の産金高が五・七トンくらい、そのときに大体ニトンくらいのものを加工用に割当てる。私どもとしてはこの金の価格の引上げというものはこの法案で大きなウエイトを持つのでありまして、そういう点から行きまするなら、大体加工用の自由処分が認められれば平均価格はこれで引上げられるだろうということを期待しているのでありまして、依然として従来のような三分の一程度のものを自由販売にするというような程度では、私どもは産金政策というものに対する影響は極く少いんじやないか、殆んどないんじやないか。まあ今のお話の五百円にしても六百円にしても大した問題はないのでありまして、そういうような点からして、少くもこの問題だけは日本の総生産量の半分くらい、二分の一くらいはこの自由処分が認められるということに大きな期待を持つているのでありますけれども、その点は大蔵省としてはどんなお考えですか。
○政府委員(石田正君) 大蔵省が主として考えておりますることは、金というものが貨幣用のストツクというふうな特殊な意味を持つておるということに重点が置かれておるわけであります。そうして同時に金というものは国際的な決済手段といたしまして、どこにおきましても受入れられるものである、こういうことの特殊性を考えまして金というものを眺めておるわけでございます。そこで現在の状況から申しまして、日本政府といたしまして、対外決済用の手段、これは金のみではございません。外貨がそれでございますが、米ドルとかポンドとかそういうふうなものが一体十分であるのか十分でないのかという問題とも関連するのでありまして、今国内におきまして、金ができました場合に、これは貨幣用の金としてまるきり要らないんだというふうなことは勿論言えないと同時に、大蔵省といたしましてはできるだけ金というものを政府の手に集中すると申しますか、買入れると申しますか、やはりそういうふうなことを続けて行かなければならない。そういうふうな意味から申しまして、現在よりも非常に多くの量を或いはパーセンテジーをいきなり何と申しますか、割当てを殖やすと申しますか、或いは自由販売を認めるというふうなわけには参らんのではないかと考えておる次第でございます。
○境野清雄君 大体大蔵省の考えはその辺だろうと思つておつたんですが、大体加工用品の需要というものは今まで相当抑制しておつたんですから、現在これのその需要というものは相当大きなものがあるんじやないか、又工芸用の先ほどお話のあつた陶器や何かの輸出というものも外貨の獲得に相当貢献しておるというような点から見ましても、金山の採算がなかなか合わないということを中心にすれば、私はこの問題を急激に上げるということは大きな問題になるというようなことですが、三分の一という従来やつておつたのと同じような形態ではなかなか困難じやないか、そういうことなら従来産金業者から大蔵省に要求しておりました探鉱奨励金の増額だとか、或いは金山設備費の補助というようなものが、大体金山側から要求しておつたものが一億五千万円の二億円、三億五千万円くらいのものが僅かに八千万円というもので本年度の予算が通過しておるというような関連から行きまするなら、そのもの自体でも探鉱の奨励というものはなかなか困難になつておるので、その面を少くも今度の法案によつて私は補足してくれるんじやないかという大きな期待を持つておつたんですけれど、今のようなお話で従来と同じような二トン前後だというようなことでは、これはもうさつぱり産金業者に対しては有難い法案じやなくなつてしまうので、今のように飽くまで三分の一で行かなければ大きな需要供給のバランスがとれないだろうというような御説はどうも我々は納得できないので、通産委員会というほうの見方からしますなら、輸出にも貢献して外貨の獲得が相当できるのですし、そういうような面から行き、又その加工というもの自体が相当価格なんか割高でも、完成品中に占める比重というものは非常に少いのですから、そういうところはもう少し私は勘案してもらいまして、そうして産金政策というものに対しての熱意をもう少し大蔵省が示してもらいたいと思うのでありますけれども、依然としてやはり今のお話の二トン前後というものは急激に上げるというお考えはない、急激に上げるお考えがないなら、目先は順次それを増大して行くんだ、二分の一の線ぐらいまでは増大して行くことが妥当だと思われるのかどうか、その辺を承わりたいと思います。
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと質疑中に恐縮ですが、お諮りしますが、間もなく海上保安庁の法案について採決が本会議であるというのですが、何か数が足らないようでありますが、一度休憩いたして入つて頂きますか。又質疑をなさるかただけお残り頂き、あとは行つて頂きますか。休憩して済みましたらば又再開して頂くか、どういうふうにしたらよろしうございますか。
○松本昇君 一旦休憩をお願いします。
○委員長(平沼彌太郎君) 休憩してよろしうございますか……それでは済みましたらば又すぐ再開ということにお願いいたしまして、暫時休憩いたします。 午後十一時四十一分休憩 —————・————— 午後零時二分開会
○委員長代理(大矢半次郎君) 休憩前に引続きまして質疑をいたします。
○政府委員(石田正君) 先ほど御質問がありまして、休憩になりましたので、引続きまして御答弁を申上げたいと思います。大蔵省といたしましても、いつまでも二トン二百とか或いは三分の一とかいう数量に固定しようという気持は持つておりません。ただ一挙に変えるというような行き方はどうであろうかということを申上げたわけであります。なお需要の点につきまして、大きなものは医療用とそれから輸出用であるということを申上げたのでありますが、輸出用につきましては、大体要求があればそのまま認めるというような方針で進んでおります。医療用につきましては、これは歯科用の需要が非常に多いものでございますから、これを無制限に認めるということに相成れば、全部それを使つてしまうということも考えられますので、これは一挙には参りませんけれども、併しだんだんと殖やして行くという方向には向いたいと思つております。それから例えば美術工芸というような関係で絵画であるとか、或いは国内で消費いたしますところの調度品、そういうふうなものに使う、或いは金側時計を作るために使うとかいうようなものは、これは生産の量その他を考えまして殖やすということは如何かと、かように考えておる次第でございます。これは現在の心組みを申上げたのでございまするが、従来におきましても、いわゆる割当数量を決定いたします場合に、関係方面の許可を必要といたしました時代におきまして、大蔵省といたしましては、できるだけ何と申しまするか、妥当な方面に対するところの消費というものをめちやに制限することがないように努力いたして参つたのでございまして、同じような考え方で今後も続けたいと思つておる次第でございます。
○境野清雄君 そうしますと、あれですか、先ほどお話になつた自由処分の認められる公衆衛生用とか或いは輸出用とかいうものは、その需要が増大されれば、政府としては今の二トンというものの数を固執しないで、或る程度はそれによつて許可もできる、こういうふうに解釈してよろしいのでございますか。
○政府委員(石田正君) 生産量と睨み合せまして、できるだけそういう考え方でやつて行きたい。かように考えておる次第でございます。
○境野清雄君 そうすると、そのものは三分の一とかいうような一つの枠をはつきり持つておるというのじやないと、こういうふうに解釈してよろしいのでございますね。
○政府委員(石田正君) 二トンにいたそうとか或いは三分の一にしなければならんとか、そういう考え方は毛頭ございません。需要の方面と睨み合せ、その生産の状況を考えまして処置いたしたい、かように思つておる次第でございます。
○境野清雄君 それから次は第十条の問題ですが、第十条による売却価格というようなものに関しまして、一応「金地金の国際市場価格並びに国内における生産及び消費の事情を参しやくして定める。」こういうふうになつております。が、この最高価格というようなものに対して一応どのくらいの額ということは大蔵省で考えておられるのですか、おられないのでしようか。
○政府委員(石田正君) これは先ほど申しましたような工合に、大蔵省だけ関与するものではございません。ほかの通産省、厚生省等の御意見もございまするので、それらとよく相談をいたしましてきめたい。現在のところでは幾らにするという決定をまだいたしておりません。
○境野清雄君 それに関してまだ決定しておらないのなら幸いでありますので、先ほどのお話では何かここに資料を頂いて、加工用金の海外自由市場価格調というのがありまして、今政府委員からのお話でも、最高が大体二五%だろうというような話でありまして、二五%と言いますけれども、自由市場の各国の価格調というものは、これはよく詳細には私知りませんが、日本の産金のように極度にこれは痛められておる土地じやない、こういうふうに思いますので、私どもとしては海外における価格というものを一つ参考とせられるくらいは結構だと思いますが、そのものが世界で一番高いのは二五%、いわゆるオンス三十五ドルというものに対して二五%きり上つていないのだ、だからそれが一つのスタンダード・ぺースになつて、日本自体も二五%が妥当じやないかというような考え方をされることは甚だ迷惑じやないか。言い換えれば、先ほど大蔵省自体でも産金業者の希望値は六百七十円から六百八十円だ、こういうようなお話であつたのでございます。我々は産金業者自体から聞いておるのでも最低六百円にしてもらい、そしてそのもの自体が先ほど私が申上げたような割当も二分の一ということになれば、従来の四百一円というものが平均しても五百円というような価格になるので、それによつて一応最低線は産金対策というものに立てられるのじやないかというように産金業者自体も希望を持つておると思うのでありまして、そういうような点から行きましても世界価格というものに比較するときにも十二分にこれは私は検討してもらいたい、こう思うのでありますことと、それから先ほど私の申上げましたいわゆる探鉱奨励金とそれから金山の設備費の補助というものは、予定より非常に少いために、これも或る程度大蔵省自体として最高価格をきめられるときに勘案して頂きたい。こういうようなふうに強く私は要望するのでありましてなおこういうような問題から行きましても、一体私の考えとしては、この法案に盛られておるところ、或いは従来設備費や何かを削減しているというような問題から言つて、大蔵省自体として金が要るのか要らないのかということに一番疑問を持つておるのですけれども、大体今大蔵省自体として、金は相当大切だというふうに私どもは考えておりますが大蔵省自体はどんなふうに考えておられるかその点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(石田正君) 金が国際的な決済手段でありまするし、又そういうふうな準備といたしまして必要である、非常に公的なものであるという意味合におきまして、大蔵省は金を重視いたしております。併しながら他面におきまして、金の値段というものと通貨の価値というものとは、これは国際的に見ましても相当重要な関係を持つておるのでございまして、金が大切であると同時に、又その価格というものも重要なのでありまして、その両者を睨み合せて判断をせざるを得ない、かように考えているのであります。金が大切であるから値段は何ぼ高くても国内的にはいいはずであるという工合には大蔵省としては見るわけには行かないという事情にあります。
○境野清雄君 私の質問としては今申上げました九条と十条の問題、言い換えればその割当量というものを拡大してもらいたいということと、金の価格の最高価格を決定するときに当りましては、従来の産金政策というものによつて金山自体が相当経営難に喘いでいるという実情を見ましても、これは十二分にその点をお考え願いたい。今お話にありましたような金は大切だとか、価格という面との睨み合せが必要だ、これは御尤もでありまして、御尤もではありますが、そのこと自体が価格との睨み合せと言いながらも、金山がどんどん廃鉱になつてしまうような今日のやり方ではこれは納得できないのじやないか。金が必要であるということに対しては、併せて一つ金山の設備費なり、或いは奨励金というもの、或いは最高価格の決定というようなことに当りまして、もう少し一つ大蔵省としても力を入れて頂きたい。あとの問題に関しましては、加工用金の需要その他の問題に関しては、どうしてもこれは通産省側と折衝しなければならない問題がたくさんあると思いますので、これは今日何か通産省側からも出て来てくれるという話でありましたが、そのほうも出ておらんようでありますから、いずれ通産委員会でこれは取り上げるとしまして、今の九条と十条の問題に対しては十二分に御勘案を願いたい。ここに強く要望いたしまして、私の質問を終ります。
○西田隆男君 二、三点お尋ねしますが、提案理由の説明を読んで見ますと、金の生産を確保し、増産を図るというのが大体提案理由の主な骨子になつているようですが、今度この法案を出されることによつて日本の金の生産を幾ら確保し、どこまで増産をするという構想に基いてこの法案が作られたのか、それを一つお尋ねしたいと思います。
○政府委員(石田正君) 金の生産量と申しまするものは、先ほども申しましたが、二十六年度中は五トン九百ばかりでございます。これがどのくらいまで伸びることを目途としなければならんかという点でございますが、私どもといたしましては金の量をどれだけ確保しなければならないということはなかなかむずかしいのでありまして、大蔵省の立場といたしましては成るたけ多ければ多いに越したことはないというふうに考えてはおりますけれども、どうしても何トン確保しなければならないのだということは、金山におきまするところの資源の状況、それからして又採算関係等から申しまして、そう多くを期待することはなかなか困難ではないだろうかという感じを持つているわけでございます。大体こういう措置を講じました結果、どのくらいの産金量に相成りますか、確定的な数字を大蔵省として申上げることは困難ではないかというふうな工合に考えている次第でございます。
○西田隆男君 大蔵省としては、大蔵省がすべてをやるのでないから確定的なことは言えないという御意見も一応成立つかも知れませんがね、日本政府として日本の産金をどうするか、日本の金の確保をどういうことでやるか、あながち金の販売価格を上げるということだけが金の生産を増すわけではない。金の国内価格を上げなくても、政府自体が金山が活発に活動のできるような補助助成の方法を他にとれば、従つてこの提案理由の説明にあるように金の生産を確保し、増産が図れるのではないか。然るに先ほど境野君もおつしやつたように予算を見ると、通産省の出した産金の奨励金みたいなもの、或いは設備の補助金みたいなものというのが三億五千万円か要求されたものが僅か八千万円に削られた。その予算の面で削つて、金の生産に対する熱意を示していないという……、而もこの査定は大蔵省がやつたわけです。さつきもあなたが御説明になつたように、金の生産費は非常に、鉱山業者に聞けば六百五十円から六百八十円の間を前後している。そしてあなたの説明の内容を聞いていると、せいぜい上げても百円しか上げない。而も自由販売にするからは、二トン二百か三トンぐらいにしかならないという程度の対策で日本の国の生産が確保され、増産がされるということを大蔵省がお考えになつているとすれば、これはまさにナンセンスだと思う。従つて我々は金の国内の販売価格、自由販売の価格をあながち幾らに上げなさい、上げなければならんというふうには言わないが、上げられない事情があれば、そのあることに政府としては対策がなければならないと思う。従つて私があなたに言いたいことは、二十七年の予算はきまつたのだから、補正予算でもいいから産金業者に対する何らかの措置をいたすお考えがあろかないか、それを一つ承わりたい。
○政府委員(石田正君) 私といたしましては主計局関係を主管しているわけでございませんので、考えがあるかないかということを補正予算の問題につきまして伺われましても、ちよつとお答えしにくいわけであります。ただ先ほど申上げましたような、金が国際的な決済手段として非常に大切なものであると同時に、それでは何でも金を増産するための手段を講ずるということが国際的にも許されることであろうかという点におきましてむずかしい点があるのであります。先ほど価格の点につきまして一応御説明申上げたのでございますが、今探鉱奨励費その他の予算的措置の点でございますが、これも何と申しますか、一種の補助金であるから、そういうものをこれについて認めることはいけないではないかというような議論もあるわけであります。予算の編成その他におきましても、関係方面におきまして、そういう意味で出してはいかんのだというような意味の発言もあつたわけでありますが、我我といたしましては、いろいろ金山の事情等も話しまして、とにかくそういうものを続けて行くということで参つたのでありますが、これをどんどん予算的な面におきまして殖やして行くということをこの際コミットするというようなことはなかなか困難な事情にあるということを御了承願いたいと思います。
○西田隆男君 あなたから的確にお答えできなければ主計局でも何でもいいが……。それではもう一つ聞きますが、仮にこの法案に盛られている目的を達成するために、金地金の国内販売価格を二割五分上げたと仮定します。あなたのさつきの御説明を聞いていると、輸出陶器業者あたりがもつと金が要るのだと言つたら、必ずしも今まで使つた八百五十キロだけには限定しないのだ、余計に出してもよろしいというような御意見があつたようですが、現在の日本の輸出陶器業者というのは、今の金価格を標準にしてやつているのですが、一〇%以上上つたときには輸出陶器が成立たない。通産委員会等には切実な陳情がある。従つて二割五分上げるということは、輸出陶器業者としては、日本の金を使つたら輸出できないという逆説的にはそういう結論が出る。而も日本の輸出陶器業者は年間百数十億円の外貨を獲得している。而も従業員は二十万人もいて、中小……小の家庭工業、これは日本の輸出陶器の特質だと思うが、そういうものが二十万人の労働者を抱えている。併し一方考えてみれば産金業者には値を上げてあげなければバランスがとれない。この二つのものを併せて考えた場合に、今あなたがおつしやつたように補助的なものだからやつてはいけないというような議論を若し正当と考えるならば、日本の産業経済はめちやくちやになつてしまう。だから、従つてそういう実態になれば、大蔵省としても政府としても勿論他にそういう累を及ぼさないような補助助成の方法をとつてもらわない限りこれはよくないと思う。そういう観点から大蔵省としては一つ考え直してもらわなければならない。金を使うものの歯科医なんかはこれは別ですよ、国内ですからね。輸出業者なんかは輸出価格で抑えられてしまう輸出が伸びない。従つて陶器の生産ができないということになる。日本の陶器業者にとつては大変な問題になつて来る。そういう国内問題を解題を解決するだけでも何らか政府としては特別な補助助成の措置をとらなくてはならん。従つて予算なんかも三億五千万円要求があつたら、もう少し通産省の意見をよく聞かれて、そういうことが起らないような結果を招来するために多少の、八千万円以上の金を見積つて予算措置をしてやるということは、これは当然私はしなければならんことだと考えるのですが、まああなたは主計局ではないから御答弁できいなということだが、主計局とよくお話合になつてやられないと、ただ法律を作ることが目的ではなのいで、而もその法律を通すためにあらゆる弁護をするということがあなたがの仕事でもないわけです。やはり総合的にお考えになつて、妥当な結論を生むような結果にならないと、私は法律を作つても意味をなさんと思う。従つてこの法律を通すか通さんかという問題は、結局は日本の金の生産を確保して輸出増産を図れるようにして、国際的に金の価格というものが弊害を起さないような価格が維持できるような方法を政府がとるという意思があるかないかということにかかつてあると思うのです。もう一遍あなたのお考えを伺いたい。
○政府委員(石田正君) 私たちは、この金の問題に関連をするところのことをいたしておるのでございまして、先ほど申しましたような国際的な点がございまするが、でき得る限りにおいて、国内的の予算の認められますようにというような意味におきまして、主計局等に対しましては、私として直接の要求事項ではございませんけれども、鉱山局等々と一緒になりまして、できるだけの努力は私たちいたしておるつもりでございます。 なおこれは私が考え違いかも知れませんが、繊維のほうの陶器の企業のほうの関係の輸出につきまして、先ほど別に安い価格という問題もございましたが、このほうの点はそういうことをいたしますと、却つて陶磁器の輸出のダンピングと申しますか、そういうふうな問題も或いは起り得るのじやないかという点を心配いたしておるのであります。その点からいたしましても適当ではないのではないかと、かように考えておる次第であります。
○西田隆男君 私の申上げたのは、陶器の輸出業者に特別な補助助成をせよということではない。産金業者に補助助成をすることによつて、国内の金の販売価格というものを値上げしないで行かれるようにしたらどうか、こういう私のは意味なんです。その点は誤解のないように……。
○政府委員(石田正君) お話のありましたように、価格の面におきましては四百一円という価格でなければ輸出が落ちてしまう。こういう実需界の御要求もあります。他面におきましては、先ほど鉱山局の数字で申上げましたように、産金のほうにおきましては、六百七、八十円の値段でなければ採算がとれない、こういう問題がありまして、この金の問題はそのこと自体におきまして非常に困難な問題であろうかと思います。それを全部国の予算においてこの償いを付けるということをしたらいいじやないかというお話でございますが、この点につきましては、やはり私、国の全体の予算の関係から主計方面の意見もあることでありますので、その点について私からどのくらいの金額をどうするということをこの際説明することは困難であります。
○西田隆男君 これ以上今の問題について聞いても無駄だと思うので聞きませんが、もう一つ聞きたいのは金売捌業者ですか、いわゆる仲介業者、これは手数はどれくらい……。
○政府委員(石田正君) これはまだ金売さばき業者がどのくらいの数を申請して参りまするか、その数につきましては取扱の数量によりまして、おのずから手数料というものが違つて来ると思いますが、我々といたしましては、この法案の趣旨というものが産金業者に利益を、差額を帰属せしめるということに重点がございますので、加工用の売さばき業者に対するところの問題につきましては、必要最小限度にとどめるようにいたしたい。なお具体的な数字といたしましては、目下検討中でございまして、結論が出ておりません。
○西田隆男君 検討中がよくはやるのですが、(笑声)これは金売さばき業者というものの数をどれくらい指定するかということとが手数料とは密接不可分の関係にある。これを多くすれば量が減る、少くすれば量が殖えるから手数料が少くとも利益が成立つということになると思います。そういう点は検討中でなくきつていなければ条文として困るが、大体わかつておるのじやないのですか。大体どの地方にどれくらい、どの地方にどれくらいと手数料が大体取扱の金額の何%なのか、わかつておるはずだと思うのですがね。
○政府委員(石田正君) まだわからないというのは誠に困る次第ではないかと、誠に御尤もでありますが、私たちといたしましては、金納入者が直接入れるという部面を成るたけ多くしたいと考えておりまして、金売さばき業者は必要止むを得ない限度にとどめるということでございまして、金売さばき業者の数というものはできるだけ減らして参りたい、これが第一点でございます。それから又これは熟練した者でなければならないので、その点から言いまして、むやみに認めるわけには行かない、かように考えておりますが、まだ手数料を幾らにするか、人数を幾らにするかということにつきましては、できるだけ少数にいたしたいということ以外には具体的に何人というふうに申上げかねる段階であります。
○竹中七郎君 今の西田委員のに関連しておりますが、通産省関係でですね、今の陶器業者というものと産金業者、つまり輸出業者と産金業者の間は逆になるわけで非常に調整に苦慮されておるということはまあ大蔵省の今の御説明で大体わかつたのでありますが、先ほど西田さんが言われた通り輸出陶器業者は一〇%ぐらいならば大体いいが、それ以上上つては輸出ができない。輸出できなくて、我々の生活権を脅かされるというような問題がございます。併し、今大蔵省では特別な価格をやるとというと、ダンピングをやられていかんじやないかというようなお話もありますが、雑貨局といたしましては、若し二〇%或いは二五%上げられたときに輸出陶器というものが出て行く可能性があるかどうか、その点お調べになつたかどうかを先ず質問したい。
○説明員(瀬谷徹君) この金の価格の値上りによりまして、輸出がどういう影響をするかという問題は非常にまあむずかしい問題でありますが、大体国際価格と比べて見ますと、大体現在値上りを予想されております。二〇%虚いは二五%という程度のものは国際価格の高いものといたしましても大体そういう程度であるということでありまして、非常に安い価格でありますと、大体四百円近くのものを競争国であろドイツ或いはイギリスあたりで入手しておるということを考えますと、これがまあ値上りになりますと、当然その点で価格において不利を招くということになります。実際にそれが何%程度で、どの程度の影響があるかということは非常にむずかしい問題で確答できませんが、影響があるということは事実です。それから果して私どもといたしましても、鉱山業者の立場もございますので、現状の価格だけで維持してくれということも無理かと思いますので、鉱山局と協議いたしている最中でございまして、まだどの点が妥当であるかということはまだはつきりきめておりません。
○竹中七郎君 そうしますというと、これができない。先ず二〇%、或いは二五%になつてできないというときには、雑貨局ではほかの面においてこれをやりますというと、やはり関税その他に関係しまして問題がある。大蔵省或いはほかのほうといろいろ御相談になりまして、価格を決定されるそのときにおいて、どうもやれないというときにおいて、業者の救済方法というようなものはお考えになつておりますか、或いはなつておりませんか。それは仕方がないと、五百円になつても、五百五十円になつても放つておく、こういうふうにお考えになつておりますか。
○説明員(瀬谷徹君) 金の価格がそのまま陶磁器に直接、例えばテンパーセント上つてテンパーセント影響するということでなく、その場合に多少ほかの画で合理化を促進させるということを、或いは例えば関税の問題にいたしましても、向うの値上り、関税の値上げについてはこれは成るべく阻止するというような、側面的な努力をいたしまして、成るべくまあ輸出を妨げないようにして行きたいというふうに考えております。
○竹中七郎君 実際我々は実に不可解に考えるのは、こういう法案を政府がお出しになりましたときに、一番肝腎のところだけは考慮或いは何と申しますかね、研究せられて、我々国会議員が質問するポイントを外れちやつて、あとでやる、それは大蔵省のほうでは議員諸君と申しますか、そういうのが質問せられる、その見当を以て価格をきめられるというようなお考えでこういうことをおやりになりますか。その点大蔵省のほうからお答え願いたい。
○政府委員(石田正君) 先ほども申しましたような工合に、生産者側の立場と消費者側の立場というものは違つておるのでありまして、而もその差違が甚だしいというのがこの問題でございます。そうかといいまして、そのギヤツプを全部国の助成措置によつて解決するというわけにもなかなか参らないというのが実情であろうかと思います。その間におきまして、この法案を出しましたのは、やはりアメリカの一オンス三十五ドルというものだけが、これが最も合理的なものであるということを言うのも多少無理ではないであろうか。それから去年の国際通貨基金の決議以来、ほかの国におきましては、産業方面におけるところのものについては、一オンス三十五ドル基準でなくてもよろしいというふうなことがきまりまして、それによつてそれを守つていない、相変らず一オンス三十五ドルを頑張つておる国もございますが、多くの国におきまして三十五ドルをはずれた別な価格によつてやるという国も出て来ておる現状からいたしますれば、やはり陶磁器或いは歯科用の金の消費というふうな面におきましても、或る程度そういう国際的なことも考慮いたしまして、そうして多少の値上りというものは忍んで行かざるを得ないのではないか。生産者の側から申しまするならばこれは上り方が少いから不十分であるという点はございまするけれども、現状からいたしまするならば改善ということが言えるのではないか。要するに三十五ドルベースでやつて行くというやり方というものは完全に生産、消費の関係から申しまするならば、消費者基準でやつておるということが言えるかと思うのでありまして、そのことは消費者のほうにおきまして各国の情勢を見て多少御助力を願うということによりまして、消費一本のあれから生産者の立場も現在に比べますれば考慮が働いて来るという意味において、一つの進歩ではないか、かように考えまして、提案いたしたわけでございます。
○竹中七郎君 私は産金業者の実態はこの頃調査に参りまして実際御同情する。何と申しますか、含有量の少い鉱山はだんだんとつぶれて行く。銀或いはその他のものが入つておりまする金山、或いは非常に含有量の多い鉱石を持つておる金山だけがやつて行かれるというところから見まして、この法案に対しては反対はしないけれども、それに対しまして、あなたがたの定説を、はつきりこの法案にどれだけ上げる、どれだけやるということを本当に明記せられましてやられることは実際いいですが、政府はいつでも法案を作られるときにはそれだけ御研究になつてやつておられるのだが、あとで今あつちも折衝しておる、こつちも折衝しておる、こういうことは何と申しますか、ずるいと申しますか、なかなか巧妙であると我々考える。それで今の輸出業者の問題も、私は今ジレンマと申しましたけれども、ジレンマになつておる。一〇%やつたときに、先ほど西田委員から申された通り、もう少しまあGHQがどうだとかこうだとか言われますが、やはり日本自体の産金を、或る程度業者の産金助長と申しますか、助成ということもお考えになつて、二本建でやらなければ、実際両方が参つてしまう、こういうような関係でございますので、特に大蔵省、通産省両方に特に強く要請するのは、やはり一〇%ぐらいにせられまして、あとは助成の方法をお考えになつてやつて頂きたいということを私は申しまして、このくらいでとどめておきたいと思います。
○古池信三君 時間もありませんから簡単に一つお尋ねしたいのですが、この第十条の条文の価格をきめる場合に、「主務大臣が、金地金の国際市場価格並びに国内における生産及び消費の事情を参しやくして定める。」こうあります。そこで生産及び消費事情ということは、具体的に言いますとどういうことを意味しておるのですか。
○政府委員(石田正君) これはたびたび御質問がございましたように生産の事情と申しまするのは、主として価格関係から考えまして、生産したが採算割れである、それから困難な事情を考慮しなければならん、他面におきましては、今御質問がございましたように、輸出なり陶磁器の使用の方面、或いは歯科用の方面におきましては、これはそれだけ一般大衆の負担が殖えるという面もございます。両面ございまするので、それらの両方を勘案して考えなければならない、こういう意味で書いたものでございます。
○古池信三君 そこでこの参酌という問題ですが、参酌ということは非常にごの法文としてはあいまいな字句じやないかと思うのです。そこで例えば今お配りになりました海外の金の自由市場の相場を見ましても、大体標準価格の一割乃至二割高というところになつておるように見えるのです。又生産者のほうの事情からいうと、先ほどお話があつたように、六百数十円でないと引合わない、こういうことになりますと、すでに標準価格の六割以上高いことになるわけですが、一方において国際価格が二割程度、生産者の事情が六割程度、こういう大きな開きがあるものを、単なる参酌してきめるというようなことで一体どの辺にきめるのか、非常に不分明だと思うのですが、この点はどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(石田正君) こういう価格はただ単に主務大臣が定めるという一つの書き方もあろうかと思います。それから又一キロ当り何円とする、こういう書き方もあろうかと思うのであります。前の方法はただ主務大臣が勝手にきめるということでありまして、どういうものが一体考慮の基準になるのかということが明らかになりません。結局勝手にきめるというようなことに相成つてもいかんのではないか、大体どういうことを頭に入れてきめるのだということをはつきり書いたほうがよろしいのではないかという意味で書いたわけでございます。なお後者のほうの考え方につきまして何円がよろしいかということを、これを例えば国会にお諮りいたしまして一遍きめました場合に、それをいつまでも改正しない間は変えない。こういうのは生産、消費の事情も時によつて変るでありましようし、それから又特に国際市場価格の各国に亘る問題もありましようし、動きがあろうと思いますが、そういうことではつきりした数字を出さずにきめた、かような次第であります。
○古池信三君 勝手にやらないで一応参酌するということを条文に書いたというその御趣旨は結構かも知れませんけれども、併し実際問題といたしまして、今のように大きな開きのあるものを参酌するということになると、一体どちらに重点を置いて考えられるのですか、国際市場価格に重点を置いて一方生産事情を参酌してきめるのか、或いは生産のコストのほうに基準を置いて国際市場価格を参酌してきめるというのか、その辺のところをもう一度お尋ねいたします。
○政府委員(石田正君) 大蔵省の立場から申しますると、先ほどから縷々申しましたような工合に、金というものは大切なものであるというふうに考えております。併しながら現実の問題と相成りますると、これは先ほどもお話がありましたような工合に、遺憾ながら生産は六トン或いは七トンというようなところにあるという現状でございます。金の値段というものはこれをどうきめるかということは通貨の基本にも関係する問題でありますので、これは非常に重要な問題であると大蔵省としては考えておるわけでございます。そういう場合に非常に大蔵省の通貨上の観点から申しまするならば、これは一オンス三十五ドルを基準とした四百一円、四百九円という値段を変えないという立場が強く出て参るわけでございまするが、先ほど申しました工合に、産業用のものにつきましては、ほかの国におきましても別の価格を作る、それが国際通貨基金というような国際的な機関においても認められてやるというような状況になりましたので、そこのところを強く考えておるわけでございます。併し又生産方面から申しますならば、これは金鉱業というものの立場を考えなければなりません。同時に生産されましたものを消費するところの面の事情も考えなければならない、かように考えるわけでありまして、私たち大蔵省としましては、やはり通貨に関するところの関係というものは相当重要である。併し又それに関連して別の価格を定めます場合に、国際市場価格がどうなつているか、例えばほかの国におきましても、仮に円に換算いたしました場合に五百円程度であるのに対して日本の中におきましては千円であるとか、八百円とかいうようなことにおきましては、これは通貨政策として由々しい事態であろう、かように考えているわけでございます。なかなかむずかしい問題でありますので、一概にどのくらいのパーセンテージを占めるか、どちらに重点を置いて考えるかというようなことは実際問題といたしまして書き現わすことが困難でありますので、甚だあいまいな字句になつている次第でございます。
○古池信三君 いろいろな面をよくお考えになつておられることはこれは結構だと思うのでありますが、併し実際問題としては今申しましたように、消費事情と生産事情との間に大きな幅の開きのあるような際に、結局どちらの事情も勘案してきめるということになると、その中間的なものにならざるを得ないということは、いずれの面にとつても不満足な結果になる。そのために生産業者の増産意欲を刺戟するという点においては余り役に立たない。又消費の面から言うと、いろいろお話が出たように、輸出の却つて抑制のような結果になつて、輸出業者に対しては悪影響を及ぼす。そうなるとこの措置をされることによつて生産面にも大してプラスにはならず、又輸出の面にはむしろこれを悪い方面の影響を与えるというようなことでは、これはもう二兎を追つて一兎も得ないというような結果になることを私は心配する。でありますから、お話の事情はよくわかりますが、もつと日本の産金を発展させて行こうというならば、かような姑息な手段でなく、もつと徹底した政策をおとりにならなくちやいかん、かように考えてお尋ねしたわけであります。時間がありませんからこの程度で……。
○委員長代理(大矢半次郎君) ちよつとお諮りいたします。通商産業委員会のかたにはなお御質疑があろうかと思いますが、時間の都合上連合審査はこれで打切ることといたしまして、必要な場合には委員外の質問として質問して頂きたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長代理(大矢半次郎君) 御異議ないと認めまして、さよう取計います。本日はこれを以て散会いたします。 午後零時四十六分散会