水産委員会 第45号
- 発言数
- 68 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/06/20
会議録
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。 先ず農林漁業組合再建整備法の一部を改正する法律案を議題に供します。提案者から提案の理由を御説明願います。
○衆議院議員(鈴木善幸君) 農林漁業組合再建整備法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申上げます。 御承知のように前国会におきまして農林漁業組合の再建を図りますために農林漁業組合再建整備法を制定をいたしたのでございますが、爾来漁業協同組合及び水産業協同組合におきまして、この法律の指定を受けて整備を着々進めて参つております。ところがこの法律の内容におきまして若干これを改正をする必要のある箇所が出て参つたのであります。それはこの法律におきましては固定資産に見合うところの増資を五カ年間にやることになつておりますが、農林漁業資金融通特別会計より長期資金を借りまして製氷、冷凍施設等を設立いたしておる組合で、この再建整備法によつて組合の建直しをやる組合がございます際に、農林特融のほうでは一カ年据置の十五カ年償還の長期資金でございますが、この法律をそのまま適用して参ります場合には、五年間に新たに農林特融によつて取得した製氷、冷凍施設の固定資産に見合つた増資をやらなければならないということに相成るわけであります。言葉を換えますと、再建整備をしなければならないような組合が五カ年間に増資をしまして、数千万円に及ぶような製氷、冷凍施設をみずからの増資によつて取得しなければならない。こういうような結果に相成るのでありまして、そうしますとこの再建整備法の趣旨が非常に組合には重圧になる。こういう結果に相成ると思うのであります。そこで只今提案いたしましたように改正を加えまして、返済期間の到来していないものに相当する金額を計算においてこれを差引くことができると、こういう工合に改めようとするのが改正の趣旨でございます。 何とぞ愼重御審議の上速かに御決議あらんことをお願いする次第でございます。
○委員長(木下辰雄君) 只今提案理由の御説明がありましたが、法案の内容について水産庁から一応御説明を願います。
○説明員(浜田正君) 先ず再建整備につきまして現在その整備の対象になつておる漁連なり単位組合の資産内容といいますか、そういうものがどういうふうになつておるかということを先ず御説明申上げます。 再建整備の対象になつておる組合は単協、漁連合せまして五百五十四組合がありまして、その組合を総計しますと、欠損金がラウンド・ナンバーで申上げますと、約七億五千万円になつております。そうして固定資産が約十五億であります。それに対しまして自己資本というものは四億五千万円しかないと、こういう状況であります。そこで再建整備の建前の第一点は、その固定資産プラス欠損金、それから現在の小さい自己資本を引いたその残りというものを増資をするという建前になつております。その要増資額というのが全体で見ますと約十八億、この十八億を五年間で増資をすることによつて漁連なり単位組合の内容を固めて行こうと、こういう考え方であります。そこでこの自己資本の増資額十八億というものに対しましては、只今鈴木議員から御説明になりましたように、このときは製氷、冷凍というものを、その法律のできるときは考慮の中に入つていなかつた。そこでその法律をそのまま考えた場合は、この製氷、冷凍は借入金でやつておりますからして、五年間でその借入金に見合うものまで増資をしなければならない。言い換えればこの十八億に対して約二十億というものが追加された増資をしなければならない。こういうことに法律をそのまま解釈すればなるわけであります。そうなると一体どういうことになるか。つまり単位組合なり漁連なりは五年間に対して全体の計画より何倍増資を強めなければならないかということになりますと、今製氷、冷凍の決定しました組合だけについて考えますと、連合会におきましては平均二千三百万円の増資でいいのであるが、この製氷、冷凍の分も五年間でやつてしまうということになれば更に三千二百万円というものをプラスして行く、つまり五千五百万円まで増資しなければならない。約一倍半増資を強化しなければならないということになる。単位組合で言いますと、大体総平均二百七十万円の五年間の要増資額がそれにプラス一千四百万円増資しなければならないことになる。約五倍の増資をやらなければならないということになる。でそれは現在の状況からしますと相当漁連にしても単位組合にしても非常に負担がきついということであり、それからそういうふうにやるということは製氷、冷凍の融資期限の問題と矛盾して乗る。製氷、冷凍の融資期限は只今鈴木先生がおつしやいましたように十五年でまあ返せばいいということになつておる。再建整備法を純法律的に突詰めて行きますと、五年間でそれに見合う増資をしなければならんのであるから、言い換えれば五年で返せということを意味することになる。十五年で返せばいいのをこちらでは五年で返せということを意味する。片方においてはその五倍なり一倍半なりを強化するということは無理だ、こういう事情からしまして、その点は、それができれば協同組合の強化からしてできることに越したことはないのですが、できにくい点がある。こういう考え方によりまして再建整備法の第四条に書いてある点を、返済期限にまだ到来してない分は、それは差引いて増資をしてよろしい、こういり建て方で第四条を書いた次第でございます。
○委員長(木下辰雄君) 何か御質問がありませんか。別に質問がないようでありますから、極めて簡單な法律でありますので、この際お諮りいたしますが、前論を省いて直ちに採決に入りたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。それでは直ちに採決をいたします。本案に賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(木下辰雄君) 総員賛成であります。よつて本案は全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。それから例によりまして委員長の本会議における報告は委員長に御一任を願いたいと思います。賛成者は御署名を願います。 多数意見者署名 松浦清一 千田 正 秋山俊一郎 藤野 繁雄 —————————————
○委員長(木下辰雄君) 政府委員がお見えになつておりませんので、次の法案はあとに譲りまして、水産業協同組合法の一部を改正する法律案、これは本委員会には付託になつておりません。衆議院から本院に修正議決した旨の回付がありましたので、本院の態度を決定するために一応水産委員会として意見を求めたいと思います。 先ずその修正の点について修正者の代表として松田君から一応御説明をお願いいたします。
○衆議院議員(松田鐵藏君) 衆議院の水産委員会といたしましてこれを修正した理由を一応説明申上げます。 私どもは戰時中にこの水産業協同組合法を無理矢理に制定されたことと承知しておるのであります。現在の水産業界に対して果してこれが適正であるかどうかということに対してはまだ大きな議論が残されておるのであります。故に近い将来に全面的にこれに対する改正をしたいという考え方を衆議院の水産委員会では持つておるのであります。 ところで今回参議院において議決されて、私ども衆議院のほうに回付された協同組合法一部改正の法律案でありますが、私ども衆議院において結論として生まれた問題は、論議された問題は、今全国的な全漁連を作ることに対しては我々は決してやぶさかでない、それに対して賛成するものであります。併し果して経済的にすべてのもの、すべての事柄を行なつて行こうということに対してもつともつとその時機を見る必要があるのではないかというのが我々の結論でありまして以上の理由から行きまして、八十七条第三項、四項、五項、七項というものに対して農林大臣の認可をすることによつて行過ぎな行為を是正したい、かように考えたのがこの法律案の改正をした理由であります。
○委員長(木下辰雄君) ちよつと御相談いたしますが、水産協同組合法の一部改正に対する修正案は、只今松田君の御説明の通りであります。全国を地区とする漁業協同組合が経済行為をする場合においては農林大臣の許可を受けねばならん、かようになつております。昨日水産当局にこの問題について説明を求めましたところが、どんな府県でもいやしくも漁業協同組合のあるところであれば、その一部を残して全国地区ではないという説明がありましたが、実際においては別に大した支障にはならんようでありますが、参議院としてこの修正を呑むか呑まんかということについて一つ御意見を御発表願いたいと思います。
○千田正君 およそ協同組合なるものの精神はすでに各位とも御承知の通りと思います。而もこの修正案なるものは、協同組合の、恐らく理論的な問題から見ても如何なる点から見ても、更に逆行した官僚統制というような方面に走つておるように我々から見れば見受けられますので、協同組合の精神を活かす意味からいつてもこれは絶対反対すべきである。殊に漁業協同組合に限つてかかる措置を講じなければならないという理由を我々は見出すわけには参りません。故に我々としては参議院の曾つて全会一致を以て通りましたところの漁業協同組合法を以て我々の本旨とすべきだと思います。枚に私は衆議院から回付されましたこの修正案に対しては反対の意思を表明します。
○秋山俊一郎君 水産庁当局にお尋ねいたしますが、海なし県等においてこの水産業協同組合或いはその連合会の組織のない所がございますが、若しそういう県があるとすれば何県と何県であるかお知らせ願いたいと思います。或いは単協でもいいです。
○説明員(浜田正君) 大体海のある県で連合会のない所は一つもありません。それはちよつと内水面関係では長野、埼玉もありますね。奈良はありません、それから山梨もありません、栃木県ありません、群馬県ありません、それだけです。
○秋山俊一郎君 それは県漁連のない県でございますか。
○説明員(浜田正君) そうです。
○秋山俊一郎君 単協は皆ありますか。
○説明員(浜田正君) 単協は大体あるんです。
○松浦清一君 衆議院の修正案の八十七条の第二項の「全国を地区とする連合会」と、その「全国を地区とする」という定義を一つ御説明を願いたいと思います。法制局のほうでも水産庁でも結構です。
○衆議院法制局参事(伊達博君) 只今の御質問は、「全国を地区とする」ということの意義がどうだというように了解してよろしうございますか……。この場合「全国を地区とする」ということは、結局定款の必要な記載事項として地区を書かれる、この地区のきめ方如何によると思うんです。定款記載事項として全国一円という表示をしてあれば、これは全国を地区とする連合会ということになると思います。但し現実の問題として、九州だけの連合会が更にその連合体を作ろうというような場合に、定款の記載事項として、将来は全国の連合会を受入れる態勢を作るからといつて、全国を地区として主務大臣の認可を申請して来たという場合には、これはおかしいではないかということは言えると思います。法律上はそれは禁じております。この地区といいますのは何かといえば、結局その団体の構成員の資格ありやなしやという場合に、その地区内の団体であれば構成員となり得るという点にこの地区の意味がございます。
○松浦清一君 そうすると全国連合会を組織する場合の構成の単位は県の連合会を単位とするのであるか、又連合会がなくて単位組合が一つある県があるとすれば、その単協でも一単位とこうみなすのであるか、その点をお伺いいたします。
○説明員(浜田正君) 単位組合もそうであります。
○松浦清一君 冒頭委員長から、若し全国の連合会を組織する場合に、先ほど説明のありました奈良県とか山梨県、栃木県、群馬県等の協同組合の存在しない県が入らないと、まあ入りませんが、そうすると全国ではないと、そうすると単協が全国連合会の組織構成の単位と認められるということになると、結局全部のものが入らなければこの法律は適用されない、こう簡単に結論していいわけですか、一県でも抜ければ全国ではない、こういう意味なんですか。
○衆議院法制局参事(伊達博君) これは一県でも入らなければ全国でないかという御質問ですが、当然抜ける県があつても、地区を全国というふうに書いてあれば地区を全国とする連合会だということは言い得ると思います。定款の記載事項として地区は全国一円であるという記載をしておれば、法律上の解釈としては全国を地区とする団体である、実際上それが如何にも常識外れであるということは別としまして。
○松浦清一君 この定款というのは全国連合会の定款ですか。
○衆議院法制局参事(伊達博君) そうでございます。
○松浦清一君 そうしますと例えば九州地区連合会或いは北海道地区連合会というものができたとすれば、それは全国の組織でない、こういうわけですね。九州は連合会ができてまとまつたと、それから例えばの話ですが、北海道連合会ができてまとまつたと、そうすると本州だけ抜けて、北海道連合会と九州連合会が一諸になつたと、これは全国連合会とみなすわけですか。
○衆議院法制局参事(伊達博君) この場合に将来の統合ということを予想しまして、地区を全国とするというふうに定款に記載するとすれば、一応全国連合会というふうな解釈を下してよろしいと思います。実際問題としては非常におかしいと思います。
○松浦清一君 そうしますと、まあ大変話が細かくなりますけれども、二県以上の連合会又は単位組合が全国を呼称して漁業協同組合連合会を作つたと、こういうふうにして届出をすれば、それは全国連合会だとみなしますか。
○衆議院法制局参事(伊達博君) この場合設立を認可すれば全国連合会になる。併し設立の恐らく認可をしないのではないかと思います。
○松浦清一君 ですが、一挙に全国の県連合会が話合いがまとまつてそして全国連合会が結成されると、こういうことになれば問題はありませんが、飛び飛びに、参加ができないというような県連台会が七つも八つも十もある。二十たけはまあとにかくまとまつた。そこで将来は全国組織へ全部勧誘をするという目標を立てて、そしてこれは全国連合会であると、こういうことで届出をすれば、その辺はどう認定なさいますか。半分以上の場合は全国と認める、半分以下の場合は全国と認められないというふうな判定はどういうふうになさいますか。
○説明員(浜田正君) 地区を全国としておつて、この法律の体系では、設立そのものは……今の話は事業そのものの認可とかの問題でありますが、設立そのものは違法な点がなければ認可しなくてはならないと、こういうわけで、行政官庁は自由裁量でなくて、その定款とか何とかが違法でなければ認可しなければならない、こういう押え方で、認可しなかつたら何年かたてば自然認可したものとみなすという建前になつておりますからして、これは認可になります。
○松浦清一君 そうしますと全部の連合会が加盟をしない全国連合会というものができてそして認可の申請をすると、あなたのおつしやることに従えばそれは認可する、こういうことになれば、衆議院の修正案がこれは適用されるということになりますね。
○説明員(浜田正君) そうです。加入脱退は自由ということと、それから全国を地区とする云々ということは決して矛盾をしてないので、全国を地区として、例えば北海道なら北海道を地区としているが、加入脱退は自由だから、これは全国を地区としておれば定款上は全国連合会という形になります。
○松浦清一君 全国連合会が経済行為をやる場合には主務大臣の認可を受けなければならんと……、認可を受けるのは嫌だから多数の県連合会が一緒になつて、これは全国ではないという連合組織が別にでき上つた場合にはどういうことになりますか。
○説明員(浜田正君) 例えばこれは法律の理屈だけ言いますと、長野県を除くその他の県と、こういうふうなことでできた場合は、これは法律形式上は全国ではありません。
○松浦清一君 そうしますと主務大臣の認可を受けるということは、その全国連合会は主務大臣の監督を受けることになる、主務大臣の監督や容喙をされることをいさぎよしとしないで、心ある協同組合が同志相寄つて自由な連合会を作る、その連合会が全国を呼称する連合会よりも大きなものになつても主務大臣の認可を要せず、又監督を受けなくてもよろしいと、こういう解釈でよろしうございますか。
○衆議院法制局参事(伊達博君) 形式的な法律論で申上げればそういう場合はよろしいということになるのであります。
○松浦清君 わかりました。
○秋山俊一郎君 今大分細かいところまで話が進んだようでありますが、たくさんの県の連合会乃至は単協が大きないわゆる全国連合会のごときものを作りたい、併しながらそれを作るためには、全国であるならば大臣の認可が要り、又その仕事の上の厳重な監督を受けることになるので、これを避けるために一部の県、只今お話の出ました一部の県を除いて設立したいと、こういつた場合にその除かれた県が、いやそれができるなら自分も入れてもらわにや困ると、こういうふうな申出があつたときにそれを拒むことはできないのではないかと思うが、それは如何でしよう。
○説明員(浜田正君) それはまあ又長野県を例にした場合、長野県を除いて地区の連合会をこしらえた場合に、長野県を入れてくれというと、それは拒むことはできます。地区になつておりませんから。
○秋山俊一郎君 長野県を除くという定款になつた場合にですね……。
○説明員(浜田正君) 長野県を除く何々、何県を以て地区とすると、こういう定款ができた場合、長野県を入れてくれと長野県が言つて来た場合、その定款を改正せぬ限りは長野県は入れない、こういうことになります。
○委員長(木下辰雄君) 私から一つ愚問を発しますが、全国連合会というものは各都道府県の連合会が先ず入る、それから単協も全部入る、これが本当の全国連合会の体制である。単協が入ることになれば、長野県も栃木県も山梨県も群馬県も入れたらいいと考えられる、組合へ入れたいために組合の地区だけは地区にはめておいて組合のない地区だけを各県がとると、そうした場合どうなるのですか。
○衆議院法制局参事(伊達博君) そういう組合のない県を地区から除くわけでございますか。
○委員長(木下辰雄君) 組合は全部どの県にもありますから、組合のない所、組合の存在していない村を除く農村を除く……。例えば長野県であれば浅間の地区を除くとか、極端に言えばそうです。そういう場合に全国と言えますかどうですか。
○衆議院法制局参事(伊達博君) これは地区の単位について制限がございませんから、そういう場合もやはり全国を地区とするということは形式的に言えば……、全国を地区とするものでないという解釈になると思います。
○委員長(木下辰雄君) 実におかしな改正ですが、実在がないとなれば如何ですか。
○千田正君 大体協同組合の精神はどういうものかということから私はむしろ質問したいのであつて、そういう精神で生れて来るところの協同組合がいわゆる主務大臣の認可を受けなければ仕事ができないなんということは、およそ協同組合の精神というような建前から言うと、これはいわゆる民主主義に逆行した精神である。こういう精神は、我々は少くとも参議院としては足らざるものを補い、そして行過ぎたものを是正するのが参議院の性格であるために、私は参議院の水産委員といたしましてはかかる逆行した悪法に対しては断固として反対いたします。だから特に注文したいのは、当然参議院のこの委員会なり或いは参議院の本会議において問題になつた場合において、これは両院協議会に付さるべき問題であります。そういう場合において、私は、当委員会としてはこれを断固反対して両院協議会に持越して、飽くまでも協同組合の精神を活かすべく、且つ又この民主主義の制度の実現を促すための参議院の立法に対して強度に実現を私は図るべく委員長からの強力なる主張を要求してやまないのであります。以上私の意見だけを申上げます。
○秋山俊一郎君 只今千田委員の言われた点は我々も同感であります。この現在の民主化された社会におきまして、一々事業の上に認可を受けなきやならんという性格は我々も好むところではございませんが、今いろいろ質疑を重ねたところで抜け道はあるように聞えたのです。そこで若しこの法案を成るべく早く通過さして実現を図るという趣旨から行くならば、必ずしも固執せんでも、殆んど全国の連合会に近いものであつて、而も認可許可の監督を受けないでできるような組織ができるのではないか。これを逆に又千田委員の言われるように理想を持つて突き通して行つて、両院協議会でまとまらずにこれが流れてしまうということになると、当分これは実現性かなくなるという危険も包蔵しているように思われるのです。そういう点から考えますというと、強いて全国を入れなくても組合の機能は発揮されるというような意味合いからいつて、むしろ急速にこれを実現せしむるほうがいいんじやないか。そうするとこの際まあ一応それを呑んで、衆議院の修正意見を呑んでこれを成立さす。併しながらこれが両院協議会において十分成算ありということになれは、これはもうそのほうがいいが、若しそこで流れるような危険でもあるならば、むしろ流すよりはこれを通したほうがいいんじやないかと、かように私は考えます。
○千田正君 私は流れても先ほど言いましたところの全国の連合会ができ得るものと思いますが、そこで議事進行について私は申上げます。幸い本日は各県の漁連の会長さんがたも傍聴に見えておりますので、時間の許す範囲におきまして、一応委員会を閉じるなり或いは休憩に入りまして、そうして御意見を求める懇談会を開くことを私は提案いたします。
○委員長(木下辰雄君) 本委員会においてもも又本会議においても可決されたこの案でありますから、我々としては、参議院側としては極力この主張を貫徹するのが当然と思いますけれども、もともとこの法案を出したというのは、各連合会長各位の再々の陳情請願によつて提案したのでありますので、只今千田委員が言われるように、ここに丁度お見えになつておりますからして、代表者がこの委員会において一言代表意見をお述べを願つたら大変都合がいいと思いますが、休憩にしますか、或いは懇談会にしますか。 〔「懇談にしたほうがいいでしよう」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木下辰雄君) それでは暫らくの間懇談会に移ります。 午後二時四十九分懇談会に移る —————・————— 午後三時五十四分懇談会を終る
○委員長(木下辰雄君) 懇談会を閉じまして委員会を再開いたします。 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍陽に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律案を議題に供します。前回に引続いて質問をお願いいたします。
○秋山俊一郎君 只今の問題でありますが、前回から数回に亙りまして水産庁及び大蔵省御当局に質問をいたしておりますけれども、未だ我々の納得の行くような御回答を得ませんので、この審議が継続されておるわけでありますが、過般も質問を続けておりますところのこの「通常生ずべき損失」という損害額の算定をする算定方式とでもいいますか、そういうものにつきまして質問を申上げておるのでありますが、御回答によりますというと、かような補償の経費というものが単に日本国だけのものでなく駐留軍の方面からも比率を以て出て来るという関係もあり、いろいろ複雑な点があるというお話でありましたが、そのうちで大体かような補償に充てる額が九十二億円程度である、そういうものを一応押えておるために算式というものもまだ決定をしないというような御回答があつたのであります。我々といたしましては、操業を制限する等によりまして漁業者に損害を与えて来る、その損害を補償するのであるから、先ず以てどれだけの損害の補償をするか、どういうものに対してはどれだけの損害を補償するかという基準が一応きまつた上で、それを累算した額が出て来にやならん。それが逆に予算を押えておつてそれに割当てるような算式を作りますというと、その補償というものは極めて妥当性のないものができて来る虞れもありますので、私は先ず妥当なる算式というものを一応きめて頂いて、そしてそれによつて大体どれくらいの損害が予想されるかということから総体の金額を見積つて頂きたい。現在では九十二億となつておるかも知れませんが、そういうことによつて若し不足するならば補正予算その他においてこれを補つて行くし、大体不足しないならこれは何も質問はありませんが、そういつた順序によつてやつて行かなければ、逆に持つて行くと補償が補償にならないじやないかということを非常に心配しますために、この点をしばしば質問をしておるわけでありますが、大蔵当局として、そういうふうに大体損害額の「通常生ずべき損失」というものの算定式を至急にきめて頂いて、水産当局と十分折衝されて早急にきめて頂いて、そうして妥当なる方式をお示し願いたい。で、これを私どもは審議しておる過程においてこの算式を出してもらつてこの法案を審議することが最も必要であり好ましいのでありますが、先ほど来しばしばお尋ねをしましても、なかなかそう今急いでおるが急速にはむずかしいという御答弁であります。併しむずかしいということは、要するにそういうふうな逆算をするためにむずかしいのではないか、妥当なる線、どこから見てもこの程度の算式で行くならばいいのじやないかということであるならば、そうむずかしくないと思いますが、その点について大蔵当局は我々の意図を汲んで処置されるような御意思があるかどうかお尋ねしたいと思います。
○政府委員(河野一之君) 原則的には秋山さんのおつしやる通りであつて「通常生ずべき損失」というものは一応まあ客観性を持つたものであろうと思います。その算式をどういうふうにきめるか、これは不合理なものであつてはならないことは勿論でありますが、併しそれだからといつてそのほかとのいろいろな関連というものも考えることなしに、その面だけでというのも又いけないんじやないだろうか、九十二億というものは勿論絶対のものとは言えないでありましようけれども、国の財政の上から考えて九十二億程度というものであるということも一方勘案しながら、又起つて来た損失をできるだけ補償するという建前と、両方の考え方を併せてこの問題が解決せられるんじやないだろうかと、こういうふうに思う次第であります。
○秋山俊一郎君 大体九十二億という額が絶対数字が出ておる以上は、何かそこにやはり九十二億を出したもとがなけりやならん。併しまああいう条約の協定等によつて、そういう細かい算定でなしに、大体大まかな見積りによつてああいうものはできておるだろうと我々は想像しますが、従つてこれは非常に大まかな数字である、それがために著しい不足を来たすようなことがあるならば、補償が補償にならない要するにそういつたような日本の防衛をするために一部漁業者の犠牲ばかり重圧がかかるということは、これは我々としてもこの法案を審議する上に非常に責任があることである。そういうことからこの妥当な線を出すということについては九十二億に遮二無二かじりつかないで、そこに弾力を持つた措置を講じてもらいたいということが我々としては望ましいわけであります。
○政府委員(河野一之君) おつしやることは御尤もな点もあると思うのでありますが、この九十二億はおつしやる通りまあ一応の大雑把と申しますか、そういう見通しでありますが、従来の占領中におけるそういつたような経費を積算しましてでき上つておるわけであります。それにまあ或る程度の余裕はとつてございます。そういつたことでございますので、私として不合理なものを無闇に九十二億に押進めるというような考え方は毛頭ございませんが、冒頭申上げましたように、各方面の関連を考えて、勿論漁業者だけに不当な損失を与えてはこれはいけないのでありますが、合理的な基準で勿論やらにやなりませんが、一方国家の財政というものもその関係というものを考えて、そこに妥協点といいますか、そういうところが出て来るんじやなかろうかというふうに私は考えるわけです。
○秋山俊一郎君 そういたしますと、水産庁当局としましても従来漁業者の業態は一番よくわかつておりますので、今後、今交渉の途中かも知れませんが、漁業者の実態というものをよく両省で御検討下さいまして、そうして成るべく早く両者の納得の行く線を出してこの問題を処理してもらいたいと思いますが、私はまあできるだけ早くこれをやつて頂きたい。ただ盲減法「通常生ずべき損失」と、甚だ漠としておつて、どれだけの損害があるか、或いはどれだけ制限を受けるかということもこれはわかりませんが、その制限の程度によりましてこれは大きくもなり又小さくもなるのでありますけれども、大体の基準の見当がつかなければ、業者としても法律ができたけれども不安でかなわないというようなことになると思います。是非一つ十分検討して早急にこれをきめて頂きたい。
○政府委員(河野一之君) おつしやる通りだと思いますので、目下水産当局と協議いたしておるわけでありますが、速かに成案を得るように努力いたすつもりであります。
○委員長(木下辰雄君) 只今の問題は重要な問題でありますからして、どうぞ水産当局も大蔵当局も十分に業者の実情を御了察下さいまして、最善のことをお願いいたしたいと思います。 ほかに御質問がなければ質疑は終了いたしたとして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。 それでは討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにして御発表を願います。
○秋山俊一郎君 しばしば本問題につきまして審議を重ねて参りましたが、その過程におきまして我々の今後処置をしてもらわねばならん点が二、三点あるわけであります。と申しますのは、この法律によつて漁船の制限ということになつておりますが、漁船以外の場合の損失というようなことも我々は十分考慮して、この法律には明記してありませんが、いろいろの問題、派生するところの、直接でなく、いわゆる漁船ではないけれども、漁業に非常な制約を受けるといつたような問題が出て参ります。こういう問題につきましては政府は速かに適当な処置を講じて、それらの損害を、補償する制度を作つてもらうということと、それから「通常生ずべき損失」という問題につきましても速かに算定基準を作りまして、妥当なる補償の標準を速かに作つて、この法律の実効を図られたい、この二点を希望いたしまして本案に賛成いたします。
○松浦清一君 日本国とアメリカ合衆国との間に締結をされた安全保障条約に基く行政協定は、明らかに日本の国全体を守るというその国防的な性質を持つているものでありまして、国全体の問題でありますから、国民全体の義務負担においてこれはなさるべきものであるにかかわらず、その損害が一部の水産業に非常に過重にかかつて来るということはこれは妥当でない、従つて実際から言いますと、漁業に対して起つた実害のほうから勘定をして行つて、そうしてその損害を補償するというのが本旨でなければならん。繰返されましたように政府当局では先に九十二億という予算の枠をきめておいて、その範囲で損害の補償をやろうと言うのですから、実害に対する金額が補償されないことはもうこの法律を作るときから明らかである。こういう物の考え方は、国全体の責任の建前からいつて好ましいことではないので、この法律案に対して私は賛成をいたしますが、将来この種の損害補償、つまり国防に関連する損害補償の点については、先ず最初にその損害の度合と損害の実体というものをきめて行つて、その損害の全体に対して国全体が補償する、こういう逆の建前で一つやつてほしい、こういうことを申上げて、この法律に対して賛成をいたします。
○千田正君 只今秋山、松浦両同僚議員から希望を挙げられましたように、私自身としましても、この法律そのものに相当完全じやない点がありますので、例えば第三条の問題であるとか或いは第二条の「通常生ずべき損失」というような問題についても相当疑義があると思います。なお且つ政府当局の説明を聞くと、補償の金額は一応の予定した額を超えておつて、それから逆算するような方向に考えておられるようでありますので、その点においても甚だ遺憾とする点がありますので、実は時間がもう少しあるならばこれを修正して、参議院としての立場を明らかにしたいと思うのでありますけれども、すでに会期末でもありますので、現在非常に損害をこうむつておるところのたくさんの漁民がありますので一日も速かにその補償を実行させようという意味からいたしまして、不本意ながらも希望条件を両議員と同じように付しまして賛成をいたします。
○委員長(木下辰雄君) 御意見は尽きたようであります。それでは採決をいたします。本案に賛成のかたの御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(木下辰雄君) 全会一致と認めます。よつて本法案は全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。 なお本会議における委員長の報告等は委員長に御一任願いたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。 さよう決定いたします。 それでは例の多数意見者の御署名をお願いいたします。 多数意見者署名 松浦 清一 千田 正 秋山俊一郎 藤野 繁雄
○委員長(木下辰雄君) 本日はこれを以て散会いたします。 午後四時十二分散会