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13回国会参議院1952/05/23

水産委員会 第34号

発言数
38
登壇者
9
会派数
3
開催日
1952/05/23

会議録

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。  公報に掲げてあります通り、理事の補欠互選の件を議題に供します。理事松浦清一君が五月二十一日に委員を辞任されましたため、理事が一名欠員となつておりましたが、本日小林委員の補欠として松浦君が再び委員になられましたので、この補欠選挙は成規の手続を省略して直ちに委員長より同君を理事に指名いたしたいと存じますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます、それでは松浦君を理事とすることに決定いたしました。  次に先ほど法案となりました小型機船底びき網漁業整理措置法、これが今実施中でありますが、諸所方々からいろいろ陳情がありまして、その整理状況についての陳情或いは請願が多数来ておりますので、この際主なるところから実情を聽取いたしたいと存じまして、本日大阪府の漁業協同組合連合会長の住留吉君、大阪湾海区漁業調整委員会会長の桐本富次君を参考人としてここに御出席を願つたのであります。先ず御両君からその実情を聽取いたしたいと思います。先ず住留吉君から御意見をお願いいたします。

住留吉大阪府議会議員大阪府漁業協同組合連合会長

○参考人(住留吉君) 私は大阪府会議員並びに大阪府漁業協同組合連合会の会長の席を汚しております住留吉でございます。このたび小型底びき網漁船減船整理につきまして、大阪府漁連並びに大阪湾海区調整委員会が漁民の代表とともに水産庁その他関係各方面に陳情に参りましたところ、特に参議院水産常任委員会におかせられましては事のほか御繁忙中にもかかわりませず、我々代表者をお呼び下さいまして、参考人として陳情の趣きをお聞き下さることは、私の最も光栄とするところでありまして、その御厚情に対しまして謹んで厚くお礼申上げる次第でございます。昨日水産議員連盟会議の諸先生の御集合の際大阪府の二十五年十一月以来昭和二十二年四月の最終の整理完了までの年次の水産庁の計画、御方針につきましては申上げましたので省略さして頂きますが、政府の小型底びき減船整理の御方針に対しまして大阪府と共に努めて目的の達成のために努力いたしておるのでございまするが、二十五年の十一月の現在で四十馬力を最高馬力として底びき漁船が大阪府に七百六隻あつたのでございまするが、これが整理の段階に入りまして二十八年度末まで、十一馬力まで減馬力並びに減船整理をする二十八年度末には十馬力以下四百八十三隻と相成るのでありまして若しこれ以上十馬力以下を整理せられることになりまするならば岸和田、佐野のごとき漁村は全く壊滅し、漁村経営が成り立たなくなり漁業生産に重大なる支障を来たしますことは火を見るより明らかであります。大阪の底びき業者は専業であります。半農半漁はなく他種漁業は飽和状態であつて、而うして他種漁業に転換は全くでき得ない、余裕のないことであります。又零細漁民であつて到底外海に進出することの不可能なることを挙げまするなれば、四百八十三隻の十馬力以下の小型底びき船を全部何とぞお認めを願いたいのでございます。又私は瀬戸内海の海区漁業調整委員会の委員といたしまして昭和二十五年の十月の二十三日に瀬戸内海連合会海区調整委員会が初めて開かれまして、この当初より以来十数回に亘りまする委員会におきましても、大阪湾海区の特殊事情を勘案いたしまして、何とぞ大阪湾海区を中間区域に御設定して頂きまして、而して大阪の漁民が紀伊水道に半年入漁の事情もあつて二十馬力に線を引いて頂くことを強く主張して参つたのでございます。ところが紀伊水道を除く内海を同一の十馬力制限になりまして、私は最後の委員会においてこの決を採りまするときにおきましても大阪は絶対賛成しがたい、留保の意見を付けておりまして今日に至つておるのでございます。併し大阪の漁民は今日といたしましては十六馬力までの減船につきましては不本意ながら承認をいたしておるような実情でございまするが、十五馬力に線を引いて最高馬力十五馬力までお認め下さるよう強く漁民は要望いたしておるような次第でございます。なお和歌山県、徳島県の一部にも馬力の制限を受けることなく特例を設けておる実情でございまするが、これも内海の調整委員会にかけられましたときも、やはりこうした場合には大阪は特にこれらと同じく大阪におきましても特例を設けて頂きたいということを強く私は主張いたしております。又大阪府の漁民代表よりも強くこれを主張しておるのでございます。今年十六馬力以上の減船が百三十五隻、減馬力四十七隻、計百八十二隻の中には大月三十日現在整理せられることを観念いたしておる船もありますが、大多数の船は夏場、秋場の大阪湾の盛漁期に働かして頂きまして、本年度におきましては十二月に至つて整理を断行して頂くことを私も強く要望しております。従いまして只今申上げましたことを、要点を申上げますれば馬力の制限を何とぞ十五馬力まで認めて頂きたいこと、なお最小の整理、二十九年度の十馬力以下の残りました四百八十三隻全部をお認め願いたいこと。なお本年の整理時期を十二月末まで延期して頂きたい、右何とぞ御陳情申上げる次第でございますが、なお私の足らざるところ、又大阪湾の海区の特殊事情につきましては桐本大阪湾海区漁業調整委員会会長に補足して頂くことにいたしますが、どうぞ右ようの次第でございますので、特に大阪湾の実情を御調査下さいまして、只今申上げましたことに何とぞして頂くことをここに皆さまにお願い申上げる次第でございます。

桐本富次大阪湾海区漁業調整委員会長

○参考人(桐本富次君) 私は大阪湾海区漁業調整委員会会長桐本でございます。只今住連合会長から申上げたことで大体尽きておるのでありますが、大阪府における小型機船底び網漁業は、その産額において全部の水産物の約半額、動力付漁船において約七割五分を占めておるのでありまして、大阪府の水産といたしましては、それだけこの漁業に対して依存度が大きいのであります。この度着手せられておりますところの小型機船底びき網漁業の整理減船につきまして、只今住会長から申されましたのでありますが、水産庁の整理の御方針は大体制限馬力をきめて、それより以上のものは全部整理の中に入れてしまう、そのほかに何ほかの率をかけて整理をするというような方針でやられておるようであります。従つて紀伊水道は別といたしまして、瀬戸内海で最も船の大きい、最も高馬力の多い大阪府といたしましては、ほかの府県に比べまして、非常にその減船整理の率が大きいように思われるのであります。減船整理もそれは高馬力はいけないということは瀬戸内海の連合会区調整委員会で決定いたした事柄でありまして、これも住会長が飽くまで反対を続けましたが、遂に多数決で健闘空しく破れたのでありますが、それにもまして私共が甚だ遺憾に感ずることは、水産庁の御方針はこの制限馬力以上のものはそのまま切つてしまつて、そして制限馬力に入らない船の多い府県はそのまま残して置くというような切り捨て御免式の整理の仕方であるように見受けられるものであります。従つて瀬戸内海におきまして、最も船体が大きく、馬力の大きい大阪府の漁船の減船率が非常に大きいのでありますから、これまでも水産庁に対しましては漁業勢力と申しますか、実際の漁業能力を基本にして制限馬力以下に決定するならば止むを得ないから、現在の漁業勢力というものを勘案して、各府県ともほぼ打撃出血の率を同じような程度にやつて頂きたいということを再三申上げておるのでありますが、これに対して未だ釈然としたお答えを得ないのであります。現在の御方針を以て進むならば、恐らく岸和田であるとか、或いは佐野であるとか、昔から泉州打瀬の本場所であると言われる漁業地は僅かに十馬力以下の船を数隻残すばかりでありまして、漁業者それ自体の打撃は勿論でありますけれども、それのみにとどまりません。漁村経済というものが全面的に潰滅するほかないと考えるのであります。この点は幾ら水産庁が強行されようとしても、私は事実上できないことだと考えております。非常によくない結果が生まれて来るのではないかと思うのであります。これを強行することになれば、必ず私は相当な社会問題が起きると考えております。でありまして、私どもはこの減船整理につきましても、その費用を何とかして国庫のほうから支出して頂きたいということを、昨年の夏も陳情に上つた組でありまして、決して減船整理そのものを否定するのではなくて、ただ打撃、出血の率をほぼ各府県同じようにして頂きたいというお願いなんであります。大阪府のみにおいて特に高率の出血を見ることは誠に忍びないのであつて、何とか一つほぼ各府県と同じような率にやつて頂きたいということを再三お願いいたしておるのであります。  大阪府の特殊事情と申しますのは、これは昔から泉州打瀬というのは帆船時代から船体が大きいのでありまして、と申しますのは、この泉灘というところは、大阪湾内ではありますけれども、ノースウエストのモンスーンをまともに受けるところでありまして、淡路や或いは徳島寄りの方面では、冬季平穏のお天気と思われますときでも、泉州の海岸におきましては、濁流岸を噛む状態であります、のみならず海岸一体が屈曲に乏しい砂浜でありまして、漁港に恵まれておらんのであります。昔から船乗りは「泉灘押しややばせがこわい、やばせ返しの西こわい」という歌があるくらいでありまして、内海とは申しながら相当の難所なんであります。従つてここに操業をするところの漁船はほかの海と変りまして相当大きな丈夫な船体を持ち、機関も相当なものを備えなければ安全を保つことができないのであります。只今住会長からもお願いいたしました十五馬力の漁船を残して頂きたいということは、これは最小限度でありまして、これは打瀬が主なんでありますが、打瀬の船について言うのでありますが、打瀬網という漁法は皆様御案内でもありましようが、これは風に対しまして船を横流しにいたしまして、風の力で網を引張る漁法でありますから、馬力の大小は漁獲そのものに直接の影響はないのであります。ただ大馬力を望むということはひとえに運航操船の技術の上から必要を感じておるものでありまして、沖合における漁撈のために使うのではないのであります。従いましてこの漁法によりますものは、少くも十五馬力くらいをお許しを願いまして使用いたしたいということが大多数の漁業者の要望であります。  なお水産庁方面で言つておられるところは、非常に資源の枯渇を憂いて、大阪が資源が乏しくなることを心配下すつておるのでありますが、私どもの考えは、大阪湾におきましてはほかの府県よりも特に濫獲になつて資源が枯渇するというわけのものでないと思つております。高馬力而も大きな船体で操業をいたしましても、現在でも瀬戸内海の他の区域に比べましたならば、大阪湾は相当に資源が豊富であると考えるのであります。それは計数的に正確な数字をお見せすることはできないのでありますが、それは恐らく大阪府のみならず、ほかの府県も或いは水産庁のほうにおいてもはつきりとはわからないことだろうと思つておりますが、現在冬季で海水が非常に冷えますときに、紀伊水道に出るということは問題のほかといたしましても、打瀬にいたしましても或いは巾着網にいたしましても又その他あなご延縄にいたしましても、隣接の香川、岡山、兵庫、和歌山等から大阪湾に対して入会を要求するところは非常に多いのでありますけれども、大阪湾の漁師が曽つて隣県へその入会を迫つたことを聞かないのであります。又我々もそういう話は毛頭ないのでありまして、これは確かに瀬戸内海において、大阪湾は資源において他の府県に比べて非常に恵まれておるということを立証するものだと思われます。摂津、河内、泉の大きな平野並びに数百万を擁する大都市があります関係上、有機物の流入が相当多いのであり、従つて無生物なり浮海生物の発生を見ることが他の地方よりも多いのであつて、その点は何も大阪を特に警戒する必要は毛頭ないので、ほかの府県に対してより以上私は資源は繁殖しつつあると考えるのであります。先ほど申上げました打瀬の点は、瀬戸内の連合海区ではああいう決議になつておりますけれども、徳島県の北野田その他にもありますように、只今永久にできないならば、或る暫定の期間でも許可して頂くというような方針をおとり頂きたいということをいつも懇願いたしておるのであり、漁業法の附則第三項にもそういうことが謳われておるようでありまして、その適用を受けることができますれば最も仕合せに考えるのであります。なお洩れ聞いておりますところの方針で減船整理をやつて行きますならば、隻数においては三七%くらい残るそうでありますが、馬力数においては二〇%となつて参ります。漁業の能率においてはその二〇%を更にうんと下廻るだろうと思われるのでありまして、その整理は随分苛酷なものになつて、到底仕事として成立たないものはないかと思われるのであります。大正の頃、村上隆吉氏という水産局長がおられましたが、氏は繁殖保護を論じて漁師が大事か魚が大事かということを主眼として考えなければいけないということを私どもに訓示されたことがあります。この場合最も適切な至言だと考えますので、なんとか大阪府の整理も他府県と同じくらいの打撃、出血にとどめるように御高配をお願いいたしたいのであります。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 愛知県知事から同様な意味の陳情がこの水産委員会に来ておりますから、一つ西村専門員から御披露いたします。

西村清俊常任委員会専門員

○調査員(西村清俊君) 昭和二十七年度の小型機船底びき網漁業の減船整理について愛知県知事の桑原幹根、それから同じく愛知県議会議長の田邊秀世両氏から同じ内容の陳情が出ております。今その要旨を御報告いたします。  二十六年度から実施せられておる小型機船底びき網漁業の減船整理が第二年度の整理を迎えておりますが、失業対策、更に転換指導の困難などの問題がありまして、特に次の諸点について御配慮の上善処をお願いいたします。  一、本年度の整理終了期限を昭和二十八年三月末日までにして頂きたい。伊勢湾、三河湾、渥美湾などにおきましては、処理要綱によつて当分の間二十馬力の制限がありまして、この馬力以上の漁船二百三十一隻は殆んど好むと好まざるとにかかわらず整理をしなければならない。而もこれらの漁業者は専業者でありますので、この種の漁船ができるだけ多く残るように臨機の措置を講ずる必要がありますので、整理終了期限を昭和二十八年三月末日までときめて頂きたい。特にその事由の中で主なるものといたしましては、  一、機関の換装には相当の猶予期間が必要である。  一、失業保険適用については加入後六カ月以上の掛金払込期間が必要である。  一、転換対策の準備期間を十分設けられたい。  それから他の整理に対して特に次のことを配慮して頂きたいという中に、実情に即した整理の実施と被整理者の転換対策について積極的な措置を講じて頂きたい。第二次整理に現在着手せんとしておりますが、政府は単に漁船の買上など補償のみの責任において今度の整理を強行して、これによつて生ずる失業対策、転換指導等の解決は地方庁に委ねて、積極的な国家的施策が打たれていないことは極めて遺憾である。漁民は前途に不安を抱き、仕事にも身が入らないのが現在の実情であります。これについて次の諸点の御留意をお願いいたしたい。  一、減船整理は地方事情に即した範囲でとどめて頂きたい。  一、機関換装には国家補償か或いは融資の斡旋を計つて頂きたい。  一、被整理船の転用を十分認められたい。  一、失業者、特に乗組員の対策について国家的措置を講ぜられたい。  一、他種漁業への転換指導については地方庁のみに任せず、政府においても積極的な指導斡旋をせられたい。  以上が陳情の趣旨でございます。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 只今の両君の御発言に対して御質問がございましたらばお願いいたします。又これについて何か御意見がありましたら御発言を願います。

千田正第一クラブ

○千田正君 私は水産庁に聞きたいのでありますが、この配付されました報告、これは水産庁から出しておりますか。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) そうです。

千田正第一クラブ

○千田正君 ちよつとお伺いしますがこの二枚目の昭和二十七年十二月二十七日付というのがあるが、一体十二月二十七日はまだ来ておらないのにこういう通知を出したことがあるのですか恐らくこれは二十六年の十二月二十七日付の誤まりだろうと思いますが、こういうものを出す際においても慎重に考えてもらいたいと思います。さて私が質問したいのは、この小型船の整理に関しましては、この法案の審議に当つては相当長い期間に亘つて各議員からいろいろ質問もあり、政府当局からも答弁があつたのでありますが、その御答弁の中に、水産庁としては万遺漏なきを期しておるという十分自信ありげな御答弁があつたのでありますが、今日になつて各漁民の代表者或いは業者から、整理の対象になる人たちの代表者からこういう陳情を受けるということは我々としても誠に遺憾に存ずるのでありますが、水産庁としましてはこの法案が通過する以前に各業者或いは漁民或いは各地方庁とも十分密接なる連絡をとり、而も調査した上で先般述べられたような御答弁をなさつたらどうかという点についてお尋ねいたしたいのであります。勿論長官が代られる以前だつたと思いますけれども、併し担当各課長、部長等においても十分その点は研究されておると思うのでありますが、今日に至つて各業者或いは代表者からこのような陳情を聞くということは、いやしくも行政官庁としては十分な連絡がなかつたがごとく思われますので、その点について御答弁頂きたい。

尾中悟水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(尾中悟君) 小型の減船整理につきましては、これはたしかもう二年以前からと思いますが、水産庁といたしまして、小型機船底びき網漁業の減船整理要綱というものを発表いたしまして、その後パンフレツト、リーフレツト等によりまして各漁民のかたがたにもこの整理調整の要綱につきましては、十分その趣旨の徹底を図つて参つたつもりでございますし、その後各府県とも連絡いたしまして、この問題につきまてはいろいろ機会あるごとにその趣旨の徹底を図つて参つたつもりでございます。先ほど大阪のほうから御発言になりました整理隻数の問題でございますが、これは昨年の十二月二十七日に一応水産庁といたしまして、こういつた計算方式に基けば、整理隻数はこうなるという試みの案を作りまして、この案に従いまして各府県において十分関係の漁業者なり関係の協同組合或いは海区調整委員会とも相談して頂きたい、そういう趣旨の下に昨年の十二月に各府県に通牒を出しまして依頼したわけでございます。で各府県においては当然関係の漁業者なり関係組合、関係委員会と種々密接な連絡をとられて御検討になつておる最中だと思います。水産庁といたしましても、今月末から来月の初めにかけまして直接各府県の担当者と個別に折衝いたしまして、この整理隻数等については、分各県の実情を聞きまして、その上で最終的にきめて参りたい、こういつた意味合のものになつておるわけでございます。  それから先ほど、ついででございますが、整理の時期についての陳情もあつたようでございますが、これはすでに通牒を以ちまして失業保険の加入の要件でございます掛金の期間の問題等もございますので、当初本年の六月に整理を実施するというような予定もあつたわけでございますが、これを秋以降に延期するということで、はつきり各府県を通じて連絡いたしておるはずでございます。  それから馬力等の問題につきましては、それぞれ関係の委員会なり何なりで再三再四検討をいたしておりますし、更に今後におきましても各海区の実情を十分慎重に検討いたしまして、今まできまりました馬力につきましてどうしても変更しなければならないというような実態にありますものについては、その実情に応じては十分補正の途も考えて参りたいと思つております。ただ御承知のようにこういつた問題につきましては、いろいろ各県の実情が極めて錯綜しておりまして、我々といたしましても今まででき得る限りの努力をやつて参つておる次第でございますが、ただ余り各県の個々の実情にこだわりますとなかなか事の本質と申しますか、そういつたものを見失うということにもなりますので、その辺のかね合いについては今後とも十分留意いたしまして、機械的な処理にならないようにその点は十分慎重にやつて参りたいと思つております。

千田正第一クラブ

○千田正君 そして、今のこれは過ちなんですか、どうなんですか。先ほど私が一番先にお尋ねした五年後における残存隻数、トン数、馬力数、に対するところの各議員に配られました漁業調整第一課から発表されております昭和二十七年十二月二十七日付の通牒ということは、年月が合わないと思うが、これはあなたのほうの間違いなのでありますか。

尾中悟水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(尾中悟君) これは甚だ恐縮でございますが、二十六年の誤りでございます。

青山正一自由党

○青山正一君 今日住さんなり或いは桐本さんからいろいろ陳情が来ましたのですが、ここで重ねて水産庁長官にちよつとお聞きいたしたいと思いますが、この小型底曳の漁船の整理の問題などは、恐らく資源の保護というような建前から出て来た問題だろうとは思いますが、こういつた際におきまして、勿論各県の実態なり実情なりを水産家とか或いは漁民からいろいろ意見を聞いてまあこういつたことになつたのだろうと思いますが、ただ問題は先ほど桐本さんのお話にもあつた通り、資源保護とかいうような問題からこの整理の問題が起るにいたしましても、一応その漁村政策とか或いは漁村の経済政策、いわゆる漁民をどうして今後生活せしめるかというふうな建前で考えて行かなければならないと考えておりますが、こういつた場合におきまして、いろいろこの失業の対策の問題とか或いは他種漁業の転換の問題も出て来ようと思いますが、こういつた漁村の漁村政策或いは漁村の経済政策というものを考えてこういつたものを進めたかどうか、その点について承りたいと思います。

塩見友之助水産庁長官

○政府委員(塩見友之助君) 当時の実情私も詳しく知つておるわけではありませんけれども、やはり共倒れになるというふうな点を考慮しまして、それで底魚の資源の点から見ましても、そういうふうな点はまあ大体明かであるというような海区については、やはり共倒れになるというふうな点に重点を置いて、どうしてもそれはその期間が先に延びれば共倒れですから、まあひとりでに自由競争で整理されて行つて食えなくなるというふうな事態に落ち込まぬとは言えないようなふうな、まあそういうふうなことが考えられるので、それをできるだけ事前に救うというふうな点等を考慮して、それでまあ漁業者のかたがたには勿論現在の操業しておるのをやめるというふうなことはいろいろな意味で大きな影響を持つわけですけれども、そういう大局的な観点から共倒れを防ぐというふうな意味においてこれはとられておるものと私は考えております。

青山正一自由党

○青山正一君 それならば課長に一つお聞きしたいと思いますが、去年あたりのこの整理のあとに他種漁業に転換いたしまして、整理を受けた者はつまり非常に損をしたというふうな今のお話のようにも承つておるわけですが、昨年あたりの建前からいたしまして他種漁業への転換、こういつたものは円滑に行つておりますかどうか、その点についてお聞きしたいと思います。

尾中悟水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(尾中悟君) 二十五年度、二十六年度の整理の実績でございますが、これは当初他種漁業への転換が約半数くらいはあるだろうと、こういうふうな想定をしておつたのでございますが、やつて見ますと大部分のものが築磯にすることを希望するというような結果になつておりまして、他種漁業に転換するための補助金を交付いたしたものはほんの数件に過ぎないわけでございます。築磯にした場合には、船を沈めてしまうわけでございまして残された乗組員の失業問題或いはその転換対策というものが特に愛知県、徳島県等においては相当問題になりまして、関係の市町村なり県のほうとしましてもいろいろその後御尽力願つておるわけでございますが、この問題は御承知のように、最近の経済情勢との関係もありまして相当困難であるようでございます。今まで聞いております範囲では、例えば中型「かつを」「まぐろ」のほうに転換したい或いは長崎方面の「さば」の一本釣のほうに転換したいというようなことで中金等の連絡の下に計画としてはその後進められておると思いますが、その問いろいろな事情から相当現地においては御苦心をなすつておるというふうに聞いております。

青山正一自由党

○青山正一君 中金等は殆んど問題にしていないというふうにも私承つておるわけなんでありますが、先ほどからこの問題について一つ住さんから現地の模様を特に承りたいと思います。

住留吉大阪府議会議員大阪府漁業協同組合連合会長

○参考人(住留吉君) 只今他種漁業の転換でございますが、御承知の通りに、大阪湾海区は非常に日本全区に比較をとりましたら小さい海区でありまして、その中に地曳、延繩、一本釣りというような他種漁業が非常に多くありまして、この小型で整理せられました漁民が他種漁業に転換するということは全く不可能であります。又只今築磯の問題でございまするが、これも御承知の通りに大阪府の沿岸は砂地でありまして、特に地曳漁業の発展いたしておりまする土地でありまするので、そんなら大阪府で三百のこの小型の整理の漁船を築磯に持つて行くことが経済的に仮に認められたといたしましても、築磯にする場所が全くないのでございます。ただ築磯にする場所は、御承知の通りに谷川、深日、淡輪の一部分の海岸だけでありまして、全く大阪の海区といたしましては築磯には不適当でございます。  なお、先ほどから縷々陳情いたしました中に、私は、紀伊瀬戸内海連合海区調整委員会の委員の一人といたしまして、なぜ大阪は中間区域を設定して頂いて二十馬力まで認めて頂かなければならないかという問題は、今日になつてからこれは便乗的に私は申しておるのじやなくいたしまして、二十五年の十二月の二十三百の第一回の委員会の時から強く主張いたしております、というのは、先ほど桐本会長からもお話のありました通りに、同じ大阪湾の海であつても、摂津海区と大阪湾海区とは全くその趣きを異にいたしております。御承知の通りに摂津海区では東風が大阪湾は非常に少いので波が緩やかでありまするが、大阪湾海区のほうに至りましては、常に六甲山の吹下しのために波が荒い。自然に私は、その漁獲のために馬力が高率になつたのじやなくいたしまして、当然荒海で働く場合には二十馬力、十五馬力を据附けなければどうしても働き得ない。若しここに十馬力に相成りまするなれば、今まで十五馬力、二十馬力で二十六日まで働けたものは、十馬力になりましたなれば僅か十日ぐらいより働けないというようなことで、全く漁業の成算が成り立たないという実情にありまして、ただ漁獲を余計したいという一つの観念から二十馬力を主張いたしておるのじやないのです。漁民の非常に遭難率も多いし、又先ほど申しました瀬戸内海におきましては、どこへ参りましても島蔭がありまするが、避難をする場所が大阪湾海区ではないのでございます。そういう事情で、我々といたしましては二十馬力を主張いたして参つたような次第でございまするが、これも認められんことになりまして、まあ瀬戸内海では、他の紀伊水道を除きまして十馬力ということに相成つたのでございまするが、先ほど申しましたように、漁業者は二十馬力はもう観念しまして、どうもあかない、せめて十五馬力にして頂かんと、先ほど申しましたような漁業の期間が一月平均しましても少くなる。操業の期間が少くなるというような実態になつておりますので、徳島県なり和歌山県の一漁村が特例を設けておられるように、この大阪湾海区におきまして特例の御配慮をして頂きまして、十五馬力まで何とかして認めて頂く。併しこれも一旦きまつた法規であるからどうしても只今認めることはできない、葬式済んで医者はなしというようなお考えであるなら、何とか特例で延期をして頂く一つの御処置をお願いしたい、かように考えているのでございます。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) ちよつと私から尾中課長に質問しますが、先ほど千田君から、この整理に対しては知事とも十分緊密な連絡をとつて万遺憾なきを期したかという質問に対して、課長は十分にやつたというような御答弁がありましたが、この法規にも都道府県知事及び中央の審議会の意見を聞いてそうして整理すべき線をきめると、私はこう思つておる。然るに愛知県にしろ、大阪府にしろ、その他の府県にしろ、知事の名前においていろいろと陳情が来て不満の意を示しておる。これはただ単に都道府県知事の意見を聞いて聞き流しということではないかと思います。どのくらい地方長官の意見その他を聞いて参酌したかということについて、もう一遍お伺いしたいのです。

尾中悟水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(尾中悟君) お尋ねの点は、最終残存隻数の問題だと思いますが、この点についてはまだ正式に決定いたしておりません。昨年の十二月に今日配付いたしましたような一応の試案を作りまして、各県において十分検討してもらいたいという依頼を出しておりまして、只今各県においてはそれに基いていろいろ御検討願つておることと思うわけであります。本月の末から来月にかけまして個別に各県の係官とも十分折衝いたしまして、その際各県の実情を十分見た上で、更に中央審議会のほうにも諮問いたしまして残存隻数の決定を行いたいと思つております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 只今配付を受けましたこの最高限度決定算式というのも一応御説明願いたい。ちよつとわかりにくいです。

尾中悟水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(尾中悟君) 御説明いたします。残存の最高隻数を決定いたしますやり方といたしまして、先ず最初に、現在の総隻数から整理する必要のない船、例えば自家用の釣餌料を目的としておるような底曳網漁業、それから貝類とか「なまこ」「ひとで」そういつたものを主たる漁獲物としておりますような手繰の第三種或いは打瀬の第三種の漁業であるとか或いは「いか」巣曳網漁業であるとか、それから「ひとで」の桁網であるとか、或いは「あみ」「しらうお」等を目的としておる底曳網漁業、こういつたものは資源的にも整理の対象にする必要はないというふうに考えられますので、先ずそういつた整理の対象にしない漁船数をさつ引きまして、それからいわゆる法規で定まります制限以上船、例えば十五トン以上の船だとか或いは内海の内湾等におきましては、馬力制限が実施されるわけでございますが、そういつた馬力以上の船、これは機械的に整理されることになつて参りますので、そういつたものをさつ引きましてここにZという数字を出すわけでございます。それから従来この小型底曳網漁業につきましては、各都道府県の許可になつておるわけでございますが、海域によりましては相当無許可船が多いわけでございます。無許可船につきましては、その船数の一割程度のものをそれからさつ引いて参る。それから特殊海域、これは瀬戸内海、伊勢湾、有明海といつたような特殊海域につきましては、そこで操業しております船数から無許可船の一〇%のものを差引きまして、その二割程度を差引いて行く。それから第三の打瀬の一種とそれから手繰の一種でございますが、これは主として魚類を対象にしておりますので、資源との関係が非常に深いということで、その二割程度のものを差引いて行く。それから更に以上のZからABCを加えましたものを差引いたものに三〇%程度のものを掛けましてDというものを出すわけでございます。総隻数から、結局ここにございますようにABCDEをそれぞれ加えましたものを差引いたものを以て残存隻数にするという計算をとつたわけでございまして、これは各府県において最終の残存隻数を決定されます場合の一つの考え方として全国同一の計算方式をとつて、試みの案として作つたものでございます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 どうも具体的にこれを考えるときにまだわかりにくい点があるのですが、ここの表のYの三〇%イクオールのDとありますが、これはYというのは総隻数からABCを引いた残りのものである。そのABCというものには無許可船の一割とか或いは特殊海域操業船から一割引いたものの二割なんですが、それでYの三〇%ということになると、この無許可船とか或いは特殊海域の操業船とかいつたものの各々の三〇%になるのであるか、そこらが実際問題とするときにどういうような勘定になるのですか。集積したものを引いたというと残存隻数は数字として出て来るでしようけれどもこれを実際に出す場合にどこから三〇%出すか、Yから三〇%出すとしてもYというものはZからABCを引いたものなんです。そうするとYの三〇%というものは総数においては出て来るが、これを割振つて出す場合にはどこから出して来るのか、各々の三〇%になるのか、その計算はどういうふうにしてやるのか。

尾中悟水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(尾中悟君) これは当初全国の総数の現在ございます三万五千隻を昭和五—九年当時あつたと推定されます二万隻程度にまで減船するという大まかな枠をきめたわけでございます。大体その二万隻に近ずくような算出方法をとつたものでございますから、例えばこの無許可船の一割だとか或いは特殊海域におきましては二割程度だとか、それから手繰の一種、打瀬の一種につきましては二割程度というようなものも、そういつた大きな全体の数字との睨み合せで以てやつたものでございまして、我々としてここに科学的な根拠があつたわけではございません。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 それはこの総数を出す場合にはそういう算式が出て来ていいと思うのですが、これを各県で実体に割振つて第一種打瀬網からは何隻残すということはどこから計算して来るのですか。このDというものを今度は割振らなければいかん。逆に一方は一割或いは二割とありますものの集計の更に三割なんですからね。その三割を出すためには総数はそうして出て来るが、その総数を出すために今度は実体にこれを減船するという場合において、どの組から何隻減らすということはこの総数からいうと、この算式では出て来ない……。

尾中悟水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(尾中悟君) これは結局各県におきまして無許可船の性格だとか、或いはその海域においては特に手繰りのほうに重点を置いて整理するとかいろいろ実情が違うだろうと思うのであります。で、この三割の問題につきましては、そういつた各県の実態に応じまして、整理の重点をどこに置くかというようなことを十分考えて操作してもらいたい、こういうことなんでございます。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) ちよつと私から申上げますが、この水産庁でとられた統計は、水産庁の試案であつて決定案でない、六月中くらいに大体府県の意見を十分に参酌して決定するというようなお話ですが、間違いないですね。

尾中悟水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(尾中悟君) 間違はございません。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) それでは十分陳情その他の趣旨も尊重されて船主のごとき、特に打瀬を以て取つておるところで多数の打瀬を整理すれば社会問題を惹起するという所は徳島県の北灘村であります。そういうこともこの法案の第五條第三項にもありますので、特に考慮されんことを私は切望いたします。

千田正第一クラブ

○千田正君 委員長が最後におつしやられましたが、私二点だけ長官並びに課長に聞いておきたいのであります。只今委員長が申されたように各地方からその地の実情に即さないというのでいろいろ陳情が来るようでありまするが、水産庁としましては、最初から期しておつたところの資源枯渇防止法案に基くこうした小型機船の底曳の整理、この段階に入つて来まして、恐らく一定の隻数、一定のトン数、それによつて将来の漁獲を維持して行こうとするその方針に変りないとするならば、更にこういう問題が起きて来た場合に、どつかに、このほかの県、ほかの地方に割振りしなければならないと思いますが、全然変更しないで行くつもりか、それとも今のような実情に即して多少そこに弾力性を持たして行くのか、或いは当初の所期した整理トン数、隻数、漁獲の維持というものを飽くまで強行しようとして行こうとするのか、その辺の方針をはつきり承わつておきたいと思います。そうでなければいわゆる整理に対するところの予算の措置とか、そういう問題に将来いろいろ関係して来る問題であると思うから、只今委員長は本委員会の大体の空気を察して水産庁に要望しておられますが、水産庁としましては、当初の問題の通りやつて行くのか、或いは陳情その他によつては考えて、今後十分なる処置をとつて行かれるのか、その点をはつきりこの際所信を明かにして頂きたいと思います。

尾中悟水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(尾中悟君) 小型の整理につきましては、二十六年度は御承知のように十五トン以上の船につきまして実施いたしたわけでございます。で、本年度につきましては、特殊海区において制限馬力がそれぞれ告示されることになつておりますので、その馬力を超過したものを重点にいたしまして実施いたす予定でございます。最終残存隻数がこの表によりますと一万八千隻ということになつておりますが、この隻数につきましては先ほど来申上げましたように十分各県の実情も勘案いたしまして決定して参りたい、そこでこの一万八千隻の枠内において各県の操作をやるということは考えておりません。この隻数が上廻つて来ましても、勿論その程度によりますけれども、問題は現地の実態に即さないような機械的な整理ということになりますと、実施それ自体が困難でございますし、又たとえ実施いたしましても、その後又逆戻りして来るというような点もございますので、十分実態に即した残存隻数を決定して参りたいと思うのでございます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 今いろいろお話を伺つておりますと、各地方の実情に即するような数字もまだ出ておらんようでありまするし、ここに五年後における残存隻数として表が出ておりますが、これも今お話を伺いますと確定的のものではない、大体の性案であるというようなお話であります。で、この表を見ますというと、これはこの土地の漁船の実態が違うためでもありましようが、パーセンテージにおいてこの残存数のパーセンテージが非常に違つておる、極端に言いますと一%くらいのところから六三%というくらいまで非常に区々になつておる、これらの間の調整も或る程度私は必要じやないか、この率を見ただけで内容はまだ別といたしましても、非常に均衡を失しているような感じもするわけでありまして、従つて先ほど来陳情のかたがたのお話もここに帰つて来ることになると思いますが、これらの点については今月末から来月にかけて個別的調査において、とくと実情を調査されて、余り懸隔のないような方法に落ちつくようにしないと、この問題は円満に遂行できないのじやないかと、こう考えます。もう一つは、先ほどもちよつと課長さんのお話に出ましたが、この減船の結果、或る程度の補償金と申しますか買上金と申しますかが、業者の整理するものに渡りまするけれども、ただそれだけの金をもらつて引込んでおつて食えるというわけのものじやない、何らかの仕事をして行かなければ、その漁業者は僅かの金をもらつて一年間やそこらは食えますが、あとはとつても食つて行くおけに行かない従つて何らかの仕事をしなければならんが、今大阪府の例を伺いましても、その地方において何ら転換する方法はないと、こういうふうな御意見である。そうすると、それらの者は一体どうなるのかということになりますと、我々としても懸念なきを得ない。今お話のように、逆戻りするということも多分に考えられる。そこで私は、この他種業への転換ということが、その同じ海区において他種業に転換できるものならばどんどん転換されるでしようが、そういうものはない。実際言うと、その海区を離れて例えば長崎県のごとく沖合に出て行く、内湾じやいけないから外に出て行くということになる。そうしますと、その持つておる船を使うことができない。その船はその内湾よりできないので、それにふさわしい船ができておる。沖合に転換するには沖合に転換するにふさわしいものを造らなければならん。それには忽ち資金の問題が出て来る。長崎の例が出ましたから申上げますと、先般私ども水産庁の方といろいろ御相談いたしまして、本年の漁期に間に合うように中古船を買入れて転換しようというのもあります。又中古船を買入れるのに間に合わないから新造しようというのもあるようでありますが、そういう他種業への転換についても、資金の斡旋等について水産庁の手配が少し足りないように私は考える。ただその買上げ資金を渡せばなんとかなるだろうということでは、実際の効果は上らない。場合によつては逆の効果が出て来るかも知れない。従つて早急にそういうものに対する資金の斡旋の方法を考えて頂きたい、勿論数でありますから信用のないものに対してはどこも貸せないでありましようが、そこは連帯でやるとか、或いは協同組合、漁信連を通じるとか、いろいろ方法もあろうと思いますが、そこに貸出すところの資金の枠を相当に設定しておかなければ、ただ切りつ放しすると困ると思う。そういう点について水産庁長官はどういうふうな考えを持つておられるかこの転換するところの資金の問題について水産庁の御意見を一応承わつておきたいと思います。

塩見友之助水産庁長官

○政府委員(塩見友之助君) 現在のところでは、農林漁業資金融通特別会計のほうでは、組合への支払いというふうなものにのみ拡げられた段階であつて、それ以上に個々人のことについては、国家のほうで特に資金を出して見るという段階には入つておりません。併しながら今秋山委員の御質問の点は非常に大事な点だと思いまするし、今後長い間沿岸に押込められておつて、その狹いところで少い資源をお互いにとり合つて共倒れになろうというふうな状態、これが余りに長く続いたために、こういう窮迫した事態に入つて来ておるのでありますけれども、今後はやはりどうしても沿岸での各種の増殖等ももう一度考えて見る必要もあると思いまするが、やはり独立後に開かれましたところの広い海洋のほうへ、できるだけ進出して行くというふうなことによつて、沿岸との摩擦なしに漁民にやはり慣れた漁業で生計を立てられるようにするというふうな点については何らかの措置が私も必要だと思つておりまするけれども、現在のところ、そういうふうな方面へは何らかの斡旋をしたいというふうには考えておるのですけれども、金融のほうの関係については、政府のみで見るわけにも行きませんし、現在水産金融全体について貸倒れ、その他いろいろの問題もありまするので、そういう点で資金の受入態勢というふうなものについて、何らか制度的にいい方法を考えなければならない。勿論その点について、漁船の新造等につきましては漁船保険、むしろ進んでは漁船の養老保険、これは全船価についてでなくてもいいと思いまするが、一部船価について、そういうふうな制度ができ上れば、これは金融に乗り易いのではないかというふうな点等も考えまして現在検討中でありまするけれども、今まだそういう点について御安心の行くような形で発表できる段階まで案を作つておるという状態になつておりませんが、これはできるだけ早くそういうふうな方面での水産金融については、何らかの形で打開策を講じたいと、こう考えております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 何か速記の関係で非常に議事を打切るという話ですが、それじや審議ができにくいですが、そういうことなんですか。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) そうだけれども……。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 今長官よりお話がありましたが、現状はお話の通りだと思う。ただ一般金融についての問題じやなしに、かような一種の画期的な仕事と申しますか、きわものについてこれを処置して行くためには、若し金融の面で考えられれば、この整理は相当いわゆる楽に、案外スームスに行くんじやないか、ところが袋小路に追い込んでおいて引つぱたいたつてなかなか進まないと思う。そういう意味において、特にその整理の問題を取上げてくれということを今後早急に一つお考えを願いたい。これは政府として考えなければならん問題だと思う。一般金融というものは、又多少時間がかかりましても、こういう差迫つた問題を処置するためには、どうしても金融の処置を講じてやらなければ、思い切つてこの転換もできなければ、安心して整理もできないでありましよう。整理したけれども、又こそこそやつておるというふうなことに必ずなつて来ると思う。その点私は特に希望をしてこの質問を終ります。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 本日はどうです、この問題を又継続して将来やることになると思いますが、本日はこの程度で散会いたしたいと思います。    午後三時二分散会

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