水産委員会 第2号
- 発言数
- 30 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/12/14
会議録
○委員長(木下辰雄君) 只今から水産委員会を開会いたします。 この前の委員会において、真珠養殖事業視察のために委員を派遣するということが議決になりましたが、人選及びこの日時は委員長一任と決定されたのであります。それでいろいろ各委員に御相談いたしましたところ、大体千田委員、松浦委員、秋山委員、玉柳委員、この四名は視察に行くことに同意せられましたので、この四人を決定いたします。なお他に希望者があるかも知れませんから、そこは委員長に御一任願いたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。それでは出張の件はさよう決定いたします。 —————————————
○委員長(木下辰雄君) 次に、日米加漁業條約の問題で、大体三国間の話が妥結点に達したようであります。それでその條約文の内容その他につきまして、水産庁長官に一応の御説明をお願いいたしたいと思います。
○政府委員(藤田巖君) ちよつと速記をとめておいて頂きたいと思います。
○委員長(木下辰雄君) 速記をとめて。 午後一時十三分速記中止 —————・————— 午後一時五十九分速記開始
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。只今は水産庁長官から日米加漁業條約の案文について詳細御説明がありましたが、その案文がまだ各委員の手許に参つておりませんので、いろいろこれに対する質問は如何かと思いますが、若し今聞かれた問題について何か御疑問がありましたらお願いいたしますが、いずれ近いうちにその案文が各委員の手許に参りますから、そのときにいたしましようか、如何いたしましようか。
○千田正君 私はやはり案文を各委員のもとで慎重に御検討になつて質問を願つたほうがいいと思いますが、ただ一点、その内容じやありませんが、質問したい点があります。これは新聞紙上にも発表になつているのですが、飽くまでも人類に寄與すべきところの最高の一つの資源の保護であるという意味から出ている誠に結構な條約のように思いますが、日本としては、はつきり言えばアメリカ、カナダに協力してその問題の解決に当つて行くという点で、日本の利益という点から言えば、或いは将来のことにかかつているかも知れませんが、現在は大したことがない。ただこれに伴つて、過般国内において制限されたところの「らつこ」「おつとせい」の制限というものは北太平洋漁業條約と関連するかしないか。公海自由の原則に基いて、或いは日本の領土内におけるところの「らつこ」「おつとせい」というものの捕獲に対してはどういうふうに考えられるか。この点を一応……。この際日本のいわゆる資源保護のために日本の領土内を通過するもの、或いは日本の近海を通過するこうした海獸に対して、日本の魚族資源の保護のためにそうしたものの捕獲ということは許されて然るべきじやないか。この際それを強く要求すべきではないかと思いますが、長官のお考えはどうですか。
○政府委員(藤田巖君) その点はこの條約を作るときにいろいろ質問もしたのでありますが、この條約はいわゆる海獸は含んでおりません。いわゆる魚族についての規定であります。従つて「らつこ」「おつとせい」の問題は今回やりましたこの漁業協定の対象の範囲外になつております。
○千田正君 であるから私は質問しているのです。我々の要望するのは、やはり日本の近海におけるところの魚族を保護するために、魚族を駆逐するところの海獣を捕獲して惡いという理由はない、やはり日本の近海の魚族資源保護という立場から言えば、それは強く主張してちつとも差支えない。アメリカ、カナダの漁場における「さけ」「ます」「にしん」、ハリバツトというものに対してのみ我々が協力しなければならないのであるならば、これは一方的協力である。我々はやはり日本の近海の魚族の資源保護を強く要望して、アメリカにもカナダにもこれに協力を求むべきではないか。かような点についての私は質問を申すのでありまして、海獣であろうと魚族であろうと、そういう差はない。日本の魚族の資源保護という点から考えてそれはどう思われるのか、その点であります。
○政府委員(藤田巖君) この点は、私は海獣の猟獲に対する別個の協定が又結ばれると考えております。そのときに問題になると考えておりますが、ただ従来吉田・ダレス書簡を出しましたときに、「らつこ」「おつとせい」の問題についての取扱がいろいろありまして、日本政山村はたしかこれについては、日本は従来の「らつこ・おつとせい條約」というようなものに参加をして行くというふうな態度を私は明らかにしておつたと思うのであります。従つて、そういうような趣旨でそういうふうなことをされますると、やはり海獸猟獲というようなものは、現在と同様にやはり禁止をするというような建前で行かなければならないのじやないかというふうに私は考えております。
○千田正君 吉田・ダレス書簡に基くところの、いわゆる国際間の信頼の下に、日本の独立後の将来の條約が結ばれて行くという、その内容の中に、この「らつこ」「おつとせい」の問題は、将来国際原約が結ばれるであろうから、そのとき日本は各国の信頼に応えるために、一応「らつこ」「おつとせい」に対する禁止法案というものを、日本で一応準備的に作成した、かように我々は了承しているのでありますが、私どもの考えから言えば、やはり一つの国の利益を代表して條約は結ばれなければならないと思うのでありまして、仮にそれは日本の領土に住まないところの海獸であつても、日本の領海を通過し、或いは日本の資源に多少でも影響のあるものに対しての捕獲というものは全部禁止することなく、或る制限を加えて、そうしてなお且つ日本は利益の均霑を求めるべきではないだろうか。これは一国が当然主張すべきところの権利であると思う。かように我々は考えるのでありまして、これはいずれ又国際條約の中にこの問題が起きて来ると思いますが、やはり全部が全部我々は手を拭いて見ていなければならない。一方には魚族の資源、それを駆逐される立場にある場合には、やはりこれに対する配分というものを我々は要求してちつとも差支えないのじやないか。海獣の制限については勿論現在のところは一頭といえども我々はとるわけに行かない。併しながらどんどん殖えて行く、そのために漁獲が、或る点においてそれによる影響が上つて来る。そういう場合にはそれをバランス上一定の割合において、日本においては或る程度のそれに対する利益の均霑、国の利益の均霑を要求してちつとも差支えないのじやないか。かような観点から私は次の段階においてそういう問題が起るとすれば十分に水産庁長官としては御考慮願いたい。この点要望しておきます。
○委員長(木下辰雄君) ほかに御発言はありませんか。……それではこの條約問題に対する質疑は條約案文が委員の手許に廻つた場合にお願いすることにしまして、この前の委員会において東支那海、黄海、朝鮮海峡方面において漁船の拿捕の非常に殖えましたその措置等について水産庁に要求してありました。今リストができましたので、そのリストについて水産庁長官の説明を求めます。何か拿捕問題についての御発言はありませんか。
○松浦清一君 韓国とか中国とかいう所は代表部が日本に存在しておるので、拿捕船の返還、抑留船賃の送還、こういう問題については十分話をつけておられることと思いますが、中共、ソ連等に対してはですね、どういうふうになつているのでしようね。私は何遍もくどくこのことは伺つているのですが、一向に交渉の進展のあとが見られないのですがね。
○説明員(山本豐君) 今までは中共、ソ連の分につきましても、一々現地から報告がありました際に、先ず外交部を通じ、これは無論外務省を通じて、向うのGHQの外交部を通じて適当な処置方を依頼しておるわけです。併し御承知のように、中国と韓国とは只今のお話に出ましたように、現に中国については台湾に駐在所ができました。韓国はこちらに駐在員もおるので、それらとの関係は非常に密接に参りましたので、或る程度成果は挙るのでありますが、中共とソ連については、率直に申しましても効果のある方法が外務省或いはGHQの外交部においてもなかなかむずかしいという事情もあるものでありますので、実際的には効果はなかなかこれは期待し得られない。併しながらこれはいわゆる国際情勢の今後の漸を追うての推移に従いまして、漸次いい方向に持つて行けるのではなかろうか、こういうふうな現在は期待をかけておる程度にとどまつておるわけであります。その点甚だ遺憾ではございますが、実情が実情でございまするので、或る程度止むを得ないのではないかというふうに考えております。
○松浦清一君 中共やソ連に対する交渉が、外交部を通じてやつてもなかなか困難であるという事情は了承されるのですが、なお積極的に促進して頂くということを要望するのほかないと思うのですが、中国のほうはどういう機関にどういう交渉をしておられるのでしようね、中国、韓国は……。
○説明員(山本豐君) これは、はつきり日時は私覚えておりませんが、最近は台北に在外事務所ができたわけであります。従いまして、それ以前におきましてはこれも文書による依頼という程度に過ぎなかつたのでありますが、現在並びに将来におきましては、その台北にありまする在外事務所、これを通じましてじきじきに中国の政府当局にも依頼ができる、かように信じておるわけであります。
○松浦清一君 ここの駐日中国代表団ですね、あの方面に対しては、水産庁は直接交渉されたことがございますか。
○説明員(山本豐君) これは外務省の出入国管理庁、そのほうと連絡をとりまして、そうして直接文書を持つて行つたこともありますし、連絡はしております。
○松浦清一君 中国の代表団に対しては海員組合あたりからも交渉をやつたのですよ。それから僕は最近行くつもりでいるのだ、今連絡をとつていますが、我々でさえも直接交渉をして、そしてなかなか調子のいい話をしてくれるのですが、もう一つ政府が押して行けばもつと具体的に話が進行するのじやないかというような気がするのですがね。
○説明員(山本豐君) その点私も同感でありますが、結局こちらにおられるかたに單に依頼して、そのかたがじきじきではできないので、結局台北なら台北へ連絡があつて、それでそれが台北の中国政府に反響をどの程度に及ぼしているかというのが問題であろうと思うのです。でありますから、勿論その方法も非常に結婚でありますけれども、やはりこちらから、在外事務所ができたのでありますから、やはり現地でじきじきそれをやつてもらうのが非常にいいのじやないか。それで先般も中国の、いわゆる台湾でありますが、中国の漁業のやり方ということについて日本にいろいろな援助を要求しておるのでありますが、それらの本当の民間の折衝というような意味で、現在代表が現地に行ているのですが、それらのときにも漁船が欲しいとか、いろいろ話が出ておるのですが、これらの問題を現地で或る程度話をしてもらつておるわけであります。そういうような事情がございますので、私はやはり折角できました在外事務所に、これは外務省のじきじきでございますから、我々も努力しまして、外務省からよくこちらの真意を伝えて、現地で強く政府に要望してもらうのが効果があるのじやないかというふうに考えておるわけであります。
○委員長(木下辰雄君) ちよつと私から質問しますが、中共即ち台湾に拿捕された船の中で、未帰還が三十隻、韓国に八隻ある。これはどういう状態になつておるか、おわかりになれば……。
○説明員(飯塚勝君) 只今のは中共の関係、中共関係の……。
○委員長(木下辰雄君) 中国。
○説明員(飯塚勝君) 中国に拿捕された関係でございますが、大体向うで、御承知のように上海から台湾に向けて移動する間に、これに持つて行きましたものが主でございまして、向うの小艦艇に現在使用されておるわけであります。保管が不十分でありましたために沈没、坐礁等の、そういう損失もあるようでございます。
○委員長(木下辰雄君) それから韓国には未帰還八隻ですが、盗難が二十一隻あるようです。合せて二十九隻になつておるのですが、これらの何らかの交渉の経過がわかつておればお示しを願いたい。
○説明員(飯塚勝君) 韓国関係の盗難船でございますが、これは約半数は一九四五年、丁度終戰直後九月頃のものが約半数、その後も裏日本関係のもの、対馬附近のものは、乗組員に韓国人が乘つておつたまま行つているというものを推定しての全部の数でございます。最近の八隻はいろいろ事情がございまして、極端なものは韓国の日本海岸とか、東岸で非常に高緯度に上つておつたので、連合軍の艦隊によりまして一応臨検を受け、向うに引渡されたようなもの、それから向うの領域て坐礁をいたしたもの、そういうようなものが主なようでございまして、そのほかは大体帰つて来ておる状況でございます。それでこの盗難般の件については……。それから未帰還の件につきましては、只今向うの代表部のかたが日本に来ておりまして、只今日本、韓国間の未帰還船舶会議というものを運輸省で開いておりまして、この際こちら側といたしましては、この程度の盗難船、未帰還船があるのだ、こういうものを議題に載せて欲しいというように強く要望されておる状況でございます。
○委員長(木下辰雄君) ほかに……。
○秋山俊一郎君 ちよつとお尋ねしますが、この中共関係の拿捕船が、五月二十七日以降は一時拿捕船がなくなつて、講和條約の直後の九月八日から再び多くなつて来たということを見ますと、如何にも講和條約に非常に関係があるように感じますが、果してそういうふうな見方をしておられますか。大体底びき関係は六月頃から休漁期に毎年入るのです。そうして九月の初めに、本格的に九月の末項から一斉に出漁するわけですが、そういう関係で六月以降九月頃までは船が出ておらないから拿捕船が少いというふうに感ぜられますが、その点水産庁はどういうふうに見ておられますか。
○説明員(山本豐君) 御説のような点も、水産庁としては考えを持つておるわけであります。併しこれは数量の問題は別といたしまして、この説明の後段に書いてございますように、現地の取締当局のいろいろ御意向を聽取してみますと、最近の何は非常に何と言いますか、団体的にやつて来る傾向が濃厚であります。これらの点とか、特に監視船等も時々被害を受けた事情もございますので、こういう事情は今までは余りなかつたものでありますので、果してこれは計画的と断定するのは、これは早過ぎるかも知れませんが、余ほどこれは愼重にこちらも考えて行かなければならんというふうに思つております。
○委員長(木下辰雄君) ほかに御発言がありませんければ、拿捕漁船についてはこのくらいで打切ります。 それから真珠養殖事業法案は、近く委員が現地に行かれて十分調査してみえますので、その後において審議いたしたいと思います。それから小型機船底びき網漁業整理特別措置法案、これはいろいろ各委員から御意見がありましたので、水産庁に対しては、成るべく多くの資料を出してもらいたいという要求をしております。なお省令案ですが、できましたらその省令案の要項を各委員に配付してもらいたいということを要求してありますので、そういうものが出揃つてからこの法案の審議をいたしたいと思います。 今回は大体明日までで自然休会に入るようでありますが、明日は今の日米加漁業條約に対する最終の決定もあるやに聞いておりますので、明日又委員会を聞きたいと思います。 本日はこの程度で散会いたします。 午後二時二十四分散会