人事委員会 第34号
- 発言数
- 91 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/07/29
会議録
○委員長(カニエ邦彦君) 只今より人事委員会を開きます。 先ず最初に、理事補欠の互選を行います。互選の方法は如何いたしましようか。
○加藤武徳君 理事を選びます方法は、成規の手続を省略いたしまして委員長の手許に理事の候補推薦か出ているはずでありますから、委員長において御指名を願いたいと考えます。
○委員長(カニエ邦彦君) 只今加藤委員より委員長一任の動議が提出いたされました。従つて加藤君動議の通り取計らつて御異議ございませんか。
○木下源吾君 今加藤君が手許に推薦したというのだが、それは誰がいつ推薦したのですか。
○加藤武徳君 実は我が党に理事が一名割当てられておるのでありますが、委員の更迭がございまして従つて我が党に欠けている理事を補充するために我が党から推薦いたしておる、こういうわけであります。
○木下源吾君 そういうように明瞭にやらんと、誰がどこから、加藤君が推薦したのか、誰が推薦したのかわからないのではちよつと疑義があると思うので、委員長の宣告通りやればいいと思うのです。推薦を抜きにして委員長の指名に一任する、こういうことで一つ私はやつてもらいたいと思う。(「了解」と呼ぶ者あり)
○委員長(カニエ邦彦君) それでは只今の加藤君の提出動議に御異議ないもりと認めまして委員長におきまして指名いたします。それでは委員長より鈴木直人君を理事に指名いたします。(拍手) —————————————
○委員長(カニエ邦彦君) 次に保安庁職員給与法案についてでありますが、これを議題に供します。只今出席されておりまする政府委員は、国務大臣大橋武夫君、政府委員としては警察予備隊本部次長江口君、同じく人事局長の加藤君、人事課長はまだ見えておりません。以上でございます。 前回に引続いて質疑を行なつてもらうのでありますが、前の委員会で三浦委員から御発言がありまして、それに対しまして専門員のほうから発言を求められておりますから、これを許可いたします。
○専門員(川島孝彦君) 昨日の委員会で三浦委員から、保安庁法案を参議院で修正いたしました結果、この保安庁職員給与法案に如何なる影響があるかというお尋ねにつきまして取調べましたところを御報告申上げます。 御承知の通り従来の警察予備隊と海上保安庁の海上警備隊とを統合して今回保安庁を設置するという機構改革の趣旨に基きまして政府の原案が出て参りました。それにつきまして参議院で修正いたしました要点は、昨日お答え申上げました通り、海上公安局に関する部分につきましては、これを当分の間従来の海上保安庁に戻して、海上保安庁の警備隊の組織だけを新らしくできる保安庁のほうへ移すということになつたのでありますが、具体的の方法につきましては多少複雑でございますので、極く要点だけ従来からの沿革から申上げましたほうが御参考になるかと思いますので、それで従来の経過を辿りますと、昭和二十三年の四月に海上保安庁が運輸省の外局として設置せられまして、この海上保安庁の職能といたしましては、大体から申しますると、従来の水上警察に関する事項と、海難救助に関する事項と、それから運輸省の船舶局あたりでやつておりました船舶の検査或いは規格の検定というような事項と、それから同じく燈台局でやつておりました航路標識或いは燈台の監視というような仕事、それから海軍の水路部でやつておりました海面の測量及び水路図誌の発行というようなことを集めましておるのであります。それでその関係を一番よく現わしておりますのが当時の部制でありまして、第一部から第六部、即ち第一の総務部から、船舶技術部、警備救難部、海事検査部水路部燈台部、こういう六つの部ができまして、このうちの初めの二つ、総務部と船舶技術部は、これは海上保安庁限りのものでありまして、その次の警備救難部が大体海上の法規違反の予防及び取締、犯罪の捜査という方面の仕事とそれから海難の救助という仕事をやつておりました。それからその第四番目の海事検査部は、先ほどの船舶の検査等のごときもの、水路部、燈台部はその名前のような仕事をやつておりました。ところがその後になりまして、昭和二十五年の八月に警察予備隊令が政令で公布せられまして従来の警察とは多少趣きの違つた治安維持のために行動をするということを主なる建前として警察予備隊ができました。その後事情の変化に伴いまして海上保安庁の海面のほうにおきましてもやはり同じような行動を主とする部隊が要請せられまして、今年の四月二十六日の法律第九十七号で海上保安庁の一部改正が行われまして、ここに海上警備隊ができましたのであります。ところが今回機構改革の要点といたしまするのは、これに対しまして保安庁法案と、海上公安局法案と、保安庁職員給与法案と、この三つの法案を基にいたしまして、計画されました。その内容は、保安庁の組織の中には、従来の警察予備隊、それと海上保安庁の海上警備隊の部分を入れます。それと同時に保安庁に附置される組織といたしまして、海上公安局というのが別個の海上公安局法によつて設置されます。この海上公安局の職務権限といたしますそのは、元の海上保安庁の警備救難部の仕事を受け継いでおりまして、海上保安庁のその他の海事検査部、水路部、燈台部という部局で行なつておりました仕事はこれは運輸省の船舶局、それから運輸省の附属機関であるところの水路部、同じく附属機関であるところの燈台局に移すことに規定されております。そうして保安庁の警察予備隊から移つた部分、及び海上の警備隊から移つた部分の職員の給与に関する規定といたしまして保安庁職員給与法案が提出されたわけでございます。そこで従来との関係から申しますると、この保安庁法と海上公安局法と保安庁職員給与法とが成立いたしました暁には、海上公安局法の中において、従来の海上保安庁法を廃止する。それから保安庁職員給与法におきまして、従来の海上警備隊の職員の給与等に関する法律を廃止する。こういうことになつておるのであります。今回の参議院の修正は、そのうちの海上公安局法、これは保安庁法の第二十七条に基いて作りまする法律でありまするが、この海上公安局法の施行を別に法律を定める時期まで待つ。別に法律を以て定める日において海上公安局法が効力を発するという修正によつて、法律そのものは通りましたけれども、まあ眠つた形で行く。それから保安庁法の改正では、期日を七月一日に発足すべきところを八月一日にする。それから保安庁の職務権限のうちに海上公安局に属する権限、即ち海上における警備救難の事務等に関する規定を公安局が発足するまで継承するという規定を入れております。それからその次は、右に伴う字句の整理をいたしましたので、要は公安局が眠つておる間の経過の規程でございます。例えば保安庁の隊員が被疑者を逮捕いたしましたときの引渡しを、原案では海上公安官に引渡すということになつておるのを、海上保安官に引渡すべしとか、或いは保安庁長官が必要の場合に海上公安局の仕事を統制するという規定を、海上保安庁の仕事を統制するというふうに読み替えるとか、そういうような修正をいたしたのであります。その結果、海上保安庁法というのは別に法律を以て海上公安局法が発効するまでは存続するということになります。それから警察予備隊令は廃止されるということになります。これは保安庁法案の附則に但書がございまして、十月十四日までは警察予備隊は保安庁の機関として存続することになつております。で、こういうような修正の結果から、この本委員会に付託されておりまする保安庁職員給与法案に関係する影響といたしましては、保安庁が七月一日施行が八月一日に変つたための修正が必要となつて参ります。それから又この給与法案の中に、保安庁法としては、すでに海上保安庁がなくなつたものとしていろいろの手を加えておりまするのが、海上保安庁及びその職員が復活したために再び手を入れなければならんところが数カ所ございます。これは主として恩給法に関係することでございまして、恩給法の中に原案としてはすでに海上保安官が要らなくなつておりますので、それを削りまして、その代りに海上公安官、つまり海上公安局の職員を入れるというようになつておりますのを、ここへ又海上保安庁の職員、即ち海上保安官を差加える必要ができて来たのであります。それからそれに附加えまして、海上警備隊の職員の給与に関する法律はどうなるかという問題がございますがこの法律は海上保安庁のうちの海上警備隊だけに関する給与の規定でございますから、これは全部保安庁のほうに移りますので、本案のように廃止をするということで差支えはございません。それから復活いたしますというと少上語弊がありますが、存続して行く海上保安庁に残るいわゆる水上警察、即ち警備救難に当る職員、これの給与の関係はどうなるかと申しますると、これは一般職の職員として今まで扱われておりまするので、元へ帰りましても一般職の職員の給与に関する法律で賄われるので、これは問題がないと存じます。このほかになお多少経過的の規定がございますが、これは参議院の修正の結果当然に響いて来る問題ではございませんので、一応省略さして頂きます。
○木下源吾君 今本会議が始まつておるようですがね、どんな法案が出ているかちよつと調べさして報告して頂きたい。それは若し採決等の必要があれば行かにやならんから……、こういうように考えますから。
○委員長(カニエ邦彦君) 申上げます。只今の休憩後の本会議は国会法の一部を改正する法律案、これは採決はございます。それから国土総合開発審議会委員指名の件、これは採決はございません。議長の指名であります。それからあとは請願及び陳情であります。以上であります。
○木下源吾君 国会法の改正のなには採決ですか。採決だとすると……。
○加藤武徳君 私が先ほど運営委員会で担当いたしましたので附加えますると、国会法の四十二条の改正でございまするが、これは共産党を含めて全会一致ということになつております。
○木下源吾君 ああそうか、それならよろしい。
○千葉信君 大橋国務大臣にお尋ねいたしますが、私ども保安庁の保安隊であるとか、警備隊が、軍隊であるとかないとかいう問題については、直接この委員会の所管ではないので、この際はその問題には一応触れませんけれども、ただ併し御提案になつておりまする保安庁職員の給与法案を見聞いたしますと、非常に給与が不当に高いのです。高いという事実はこの法案の俸給表等を見ましても歴然としておりますが、一般職の職員に比べましても、それから又例えば警備隊等の場合に船員俸給表による船員に対する給与の水準というものと比べて見ましても、それから又警察職員であるとか、海上保安庁の職員に対する給与の水準に比べて見ましても、そのいずれに比べて見ましても、非常に高過ぎるのです。どうして一体こういう高い給与を決定しようとするのか。私ども給与が高いということについて不服を持つているのではなくて、どうして他の職員とこれほど不均衡な、不公平な給与を決定しようとなさるのか、その点を先ずお尋ねしたいと思うのです。
○国務大臣(大橋武夫君) 本法案の別表に掲げてありまする金額を基本給として御覧になりますと、或いは千葉委員の御質問にありましたようなお感じがあるかと存ずるのでございます。併しながらこれは現在の警察予備隊並びびに海上警備隊の給与をそのままに引移したものでございまして、つまりそういたしますと、現状すでに高く思われるということに相成るかと思うのでございますが、実は一般職の給与におきましては、基本給というものをきめまして、これに対しまして、家族手当でありますとか、或いは地域給でありますとか、超過勤務手当でありますとか、この附加さるべき給与が、相当な金額がこの基本額のほかにつくことになつております。でこの法案におきましてはこうした特別手当の形を以てする給与金額というものをすべて基本給に算入いたしまして、そして金額をきておりまするので、この点はそれだけ高くなつて来ておると思います。併し実質的には大して変りはない、こういうことに相成ると思います。なおこの点についての詳細な説明は人事局長が参つておりますので、そのほうから申上げます。
○千葉信君 人事局長のほうから御説明を承わることも結構ですが、そういたしますと、大橋国務大臣は今御提案になつておるこの給与法案の給与の額というのは、他の一般職の職員であるとか、その他の般員等と比べて、そんなに不当に高いものじやないと、こういうお考えで出されているわけですか。
○国務大臣(大橋武夫君) 現在警察予備隊又は海上警備隊職員給与令によるものをそのまま引移したものでございますが、そのもととなつております金額は一般の職員に比しまして、特に高いとは考えておりません。
○千葉信君 今提案されておるものは、例えば海上警備隊の隊員に対する給与の件、それから警察予備隊の現行の給与額を一応の基準にしているということは、これは私どももわかつております。併し何と言いましても、警察予備隊の現在の給与額というのは、これは私ども殆んどその水準であるとか、その他の問題等についてこれは直接私ども与り知らないのであります。それから又海上警備隊の給与の問題については、私どもはつきりと反対すべき理由を申上げて反対しているにもかかわらず、遺憾ながらこれは法律として国会を通過して、現行の給与体系をとつておりますから、これにも私どもどうしても賛成することができないのです。ところが今大橋国務大臣は、それらを基準にしたものであつて、而も大体一般職の給与であるとか、その他の給与とそれほど違つているものじやない。違つているという印象を与えているのは、例えば勤務地手当であるとか、その他の給与を基本給の中へ含めているからそういうふうな印象を与えるのであろう。実際の基本額というのはそんなに違つていない。少くとも同じ程度の水準だというふうに大橋国務大臣は御答弁になられましたが、若しそうだとすれば、提案された大橋国務大臣が実際のこの保安庁職員の俸給額がどんなに他の職員に比べて不当に高率であるかということを知らないで出したのです。例えば今あなたはここで、保安庁職員の給与の場合には、勤務地手当であるとか、或いは超過勤務手当であるとか、或いは寒冷地手当であるとか、こういうものが本俸に加算されているから高いという印象を与えるのだ。こういうお話をされておりますが、実際はそうじやないのです。私どもがここで高いということを申上げているのは、俸給の月額として計算されたものだけを基準にしてですよ、加算額となつている勤務地手当であるとか、或いは超過勤務手当であるとか、寒冷地手当であるとか、特殊勤務手当であるとか、こういうものを全部控除して、本俸だけを基礎にして、その本俸の金額だけでも非常に高過ぎるというのです。その例を今ここで読み上げてみると、例えば今度警備隊のほうには三等警査というものが出ておりますが、これは三等警査というのは、保査のほうには二等までしかありませんから、この場合保査のほうを含んで二等警査と、二等保査の場合の俸給額を例にとつてみます。これは勤務手当であるとか寒冷地手当であるとか特殊勤務手当というような、今大橋さんのおつしやつたような加算された給与額を除いて、本俸の金額が五千三百五十円なんです。いいですか。それからこれに対して衣料費として控除されているものが当然これに積算されなければならない、本俸の中からそれを控除しておるわけてすから。それから又光熱費として当然これは一般職の職員でも何でも全部、その給与の中に含まれている給与額の金額がこれ又控除されておりまするが、本俸にこれは加算して計算されなければならない。それから又食費として、食糧費として本俸の中から何がしかの金額が控除されております。その控除されておるものを本俸月額として計算をして見ますと、七千三百八十七円になるのです。いいですか。而もこれに対比するところの一般職の職員の場合を見ますと、該当すると思われる基準になる給与額はこれは四千円なんてす。きつちり四千円なんです。これは昨年の十月一日から行われている一般職の職員に対する給与の基準になつた一八・六才になる職員に対する給与なんです。ですから二等警査であるとか、二等保査の場合の職員の年齢水準というものと殆んど同じ程度の職員、学歴等も大体同じ程度の職員なんです。それが一方は七千三百八十七円であるにかかわらず、一方は四千円なんです。それから今度はこれを例えば警備隊等と同様な仕事を一応担当すると思われる船員俸給表等を見ますと、船員の場合には少し高くて、該当する職員と思われるのが、これが四千三百円です。それから警察職員であるとか、或いは矯正保護職員であるとか、海上保安庁の職員に対する特別俸給表等の該当の金額を大体算定して見ましても、この場合にも六千百円程度なんです。こんなに違うのです。而もその二等警査、二等保査の今申上げました七千三百八十七円という、そういう給与の金額は、又一つからくりがあるのです。それは人事院の勧告しました現行の四千円の一般職の職員に対する俸給額の計算は、二千六百円を食糧に費す経費という形で考えられている。ところが、今度の保安庁の職員に対する給与の計算の中では、食糧費としての計算は千七百円しか考えていないのです。つまり二千六百円は食糧費にかかるという計算をしている政府が、千七百円しか保安庁の職員の食糧費としては考慮していないのです。これはいろいろな事情もありますが、例えば大量に購入するからという条件であるとか、その他いろいろな条件があるでしようから、これは二千六百円が千七百円という形で考慮されてもこの点は私はそう問題にはならないと思うのです。問題にはならないけれども、こういう俸給額の総体の比較ということになりますと、やはりこれは一応は問題にしなければならんと思う。そういうふうに違うのです。こんなに違う俸給表を出されておりながら、大橋国務大臣は何にもそんなに不公平なものじやない。大体同じ水準だなんて答弁をされることは、この数字が立証する事実に対してもう一回その答弁をし直される必要があるのじやないかと思う。
○国務大臣(大橋武夫君) この俸給金額というものは、大体一昨年警察予備隊創設に際しましての警察予備隊員の俸給額の基礎となつて来ているわけでございますが、当時この俸給額を決定いたすに際しましては、大体その職務の性質から見まして警察職員の給与を基準といたしております。これに地域給、超過勤務手当、家族手当、こうしたものの平均的なものを加算をいたし、その辺を水準にいたしてきめたものなのでございます。従いまして特に警察官より甚だしく高額であるとかいうものではないと思つておるのであります。尤も当時警察予備隊は一般警察よりも職務上の危険が甚だ大であるのみならず、勤務年限といたしましても一応二年というような、いわゆる非専門的な職業に対しましては、就職期間が半端でございますので、これらの点をも考慮をいたしまして、それに相応した程度は多少待遇も改善して行くということが適当ではないか、こういう趣旨で警察官を基礎にいたしまして期限が二年であるというような点を考慮し、多少改善するという意味も含めて決定いたしたものであります。併しその後たびたび給与ベースの改善があつたのでございまするが、その際にこれらの差異が漸次失われて参りまして、現在では警察職員と大体似たような水準になつて来ております。こういうふうに考えておるのでございます。なお詳細の点につきましては、人事局長から代つて申上げることをお許し願いたいと思います。
○千葉信君 人事局長から御答弁を頂く前に、これは大事な待遇の問題ですから、やはりもう少し今の御答弁に関連して御質問申上げたいと思うのです。給与の改訂等が行われてそうして大体今では警察職員なんかとも余り差がないというような御答弁でしたが、給与の改訂が昨年十月一日を行われた現行の給与の中でも、私が申上げておるような相違があるのです。警察職員との比較でも、片方は六千円、片方は七千三百八十七円、こういう相違があるのです。それが若し御疑問ならは私のほうではつきりその数字を具体的に申げてもいいと思うのです。それから今大橋国務大臣の御答弁によりますと、例えば警察予備隊とか、警備隊というようなものは、これは相当その職務も危険であるというような点にも考慮を払つたというお話でございましたが、この点私はちよつと不思議に思うのですが、これはどういうことかというと、成るほど保安官や或いは警備官は他の職員に比べてはかなり危険な仕事に従事することにはなろうかと思うのです。その点はまあおつしやる通りだと思うのですがね、併し平常の場合における保安官とか、警備官の職務の内容と、警察職員の職務の内容とがそれほど違うはずはないと思うのです。そうですね。そうすると一方保安庁の職員に対しては、保安庁法の第六十一条による命令出動とか、或いは第六十四条による要請出動をする場合の危険に対しては、今度の給与法の第三十条によつて、出動を命ぜられた場合における職員の給与及び災害補償等に関し必要な特別の措置については別に考慮すべきである、こうなつておるのです。非常に優遇されておる。この点に問題があることが一つと、それから今大橋国務大臣の御答弁では、警察予備隊なんかの場合には、二年間だけの期間をきめての雇用であるから、こういう条件からも給与の水準というものを考慮した、こういう御答弁でありますが、それなら一体これは将来も保安隊の職員については、或いは年限が二年ということになるかも知れませんが、警備隊のほうにはそういう年限の点はなつておりませんから、相当長い期間勤務することになるはずなんです。停年制は布かれておりますけれども、それ以上の制限はありませんから。そういうことになりますと、一体それでは警備隊と保安官と同じ俸給表で律するということは、今の勤務年限という点からするとおかしいのじやないかこういう結論になるのですが、この点は如何ですが。
○国務大臣(大橋武夫君) 先ず危険な出動をいたした場合には、危険であることはこれはよくわかるが、平常は危険はない、こういう御質疑の点でございますが、実は出動の際に備えまして、平常武器の訓練その他迅速なる部隊の行動というような訓練をいたしております。平常の仕事はまあ訓練が主になるわけでございますが、現実にこれらの訓練が相当な危険を犯してなされるものが多いのでございまして、一般の公務員には予想のできないような事故等も現実に起きておるのでございます。やはり平常の訓練においても、他の一般職員とは比べものにならない危険性があると存じておるのであります。それからこの二年の期間を似て雇用いたしておりまするのは、これは保安官でありまするが、警備官のほうは二年という期限はいたしておりませんが、これはお説の通りでございます。併しながら特に厳重なる停年制度を設けておりまして、その停年は一般の公務員にはないことであり、又事実公務員ならばこれから本腰で勤めようというときに、停年の期限が来るというような実情になつておるわけでございます。勿論保安官におきましても、雇用期間は一応二年にはなつておりまするが、志願によつて更に勤めて五年、六年或いはもつと長く行くということは無論あり得るわけでございます。併しこれにもやはり停年という制度があるわけでございまして、これらのいろいろな点を総合いたしまするというと、一般警察職員よりは多少待遇においてよくして参りたいという気持は当初はあつたわけでございます。
○千葉信君 少くとも一般職に比べては六割以上も高い給与額に本俸の計算がなつていて、而もその他のいろいろな手当の金額なんかを厳密に計算いたしますと、その手当額なんかも非常に有利に扱われている。そんなに高い給与を、或る程度違うだけであつて、そんなに大きな開きや不公平はないというお考えでおられるのは、私どもはこの法律案の審議をよほど徹底的にやらなければならんと思うのですが、まあ併し人事局長のほうからも補足説明があるそうですから、その点を……。
○政府委員(加藤陽三君) 俸給の算定の基礎でございますが、只今お話を承わつておりますると、十分御調査になつておるようでございますので、詳しく数字を挙げて御説明する必要はないかと思いまするが、私どもの考え方といたしましては、二等警査につきましては、新制中学卒業程度の者でございますので、この者が警察官として得られますであろう初任給を基礎といたしまして、これに国家地方警察の警察官の取つておりましたところの超過勤務手当というふうなものを加えまして、先ほどの御説明では、七千三百八十七円とおつしやいましたけれども、私どものほうの計算では、これは約七千二百二十五円ということになるのでございます。その中から先ほども御指摘がございました食糧費千七百円、これはその節もお話がございました通り、実費はこれを超過しているものでございますけれども、御了解願えるような事情から千七百円を引いております。それから光熱費、衣料費、恩給に相当する分、こういうようなものを引きまして、月額五千百円というふうな給与を出しておるわけであります。これが二等警査の諸君の初任給でございますが、その上の階級についてはどういうふうにきめたかと申しますると、警察監、監と申しますと監督の監でございます。上の階級の監でございます。この警察監の階級の諸君の給与につきましては、当時国家地方警察の本部長官が十四級でございます。これは三万人の警察官の最高統率者として十四級の格付を得られておりましたので、私どもといたしましては、当時七万五千人の発足をいたしましたときに、警察監のうちの最高の人を十五級に格付けをいたしました。この上と下とをきめまして、その間におきまして、その以外の警察監、監督の監です、これが十四級、警察監補は十三級、一等警察正は十二級、二等警察正は十一級というふうに順次一般職の職員の職務の給与に対応いたしまして格付をいたしました。同じような計算の仕方を以ちまして給与をきめて行つたわけでございます。食費の差引等につきまして御指摘のような点はございますけれども、私どもといたしましては、格別に良好なる待遇を与えたというつもりでできておるものではないのでございます。
○千葉信君 今あなたは警察監なんかの例を引いて、大体他の職種と順次格付の場合に不公平がないようにやつて行つたというお話ですが、これは私どもその点まで触れて行つたらまだまだ問題はたくさんあるのです。今この問題をここで持ち出したら収拾のつかないくらいたくさんの問題が出て参りますから、やはり順序としてはこの基準程度のものを一応ここで明確にしてから、そちらのほうに入つて行かなければならんと思います。今あなたの御答弁によりますと、私の持つている数字とは少し、百円以上も開きがあるのですか、私の持つている数字をここではつきり申上げますと、二等警査並びに二等保査の場合の初任給は五千三百五十円という計算なんです。それに対していろいろな手当なんかはこの際全然抜きにして、手当を本俸に入れたというその金額なんかは全然抜きにして、その本俸だけの計算は五千三百五十円、それから百二十八円という衣料費、それから光熱費が二百円、食費が一千七百九円、この控除したもの、恩給の百七円を除いて二千三十七円なんです。これを合計すると七千三百八十七円なんです。そのほかに恩給分が百七円になるのです。大体恩給の問題になると思うのです、この際。今大橋国務大臣が言われたように、二年たつたらやめるということになつているという予備隊の職員に対して恩給の金額を引くということは一体なんですか。恩給の金額を本俸の中から控除するということは一体国家がごまかしているということになりはしませんか。そういう問題も出て来ていると思う。ですからそういう恩給の問題はこの際抜きにしても衣料費、光熱費、食費だけの計算で二千三十七円という、厳格な計算です。それと本俸とを合わせれば七千三百八十七円になるのですが、あなたの金額とどこが違うのです。
○政府委員(加藤陽三君) 基礎給与が五千三百五十円であるという点、差引きいたします金額、すべて御指摘の桶りでございます。私のほうといたしましては、この五千三百五十円のほかに超過勤務手当として八百十四円、石炭手当として八十一円、寒冷地手当とい、たしまして百四円、勤務手当として五百七十六円、扶養手当相当分として三百円、これを加えておるのでございます。それから恩給を控除いたします点についての御意見のあることは私どもも重々承知いたしております。ただこれはやはり国家公務員といたしまして他の職に引継ぎました場合におきましては恩給の年限に通算されるような次第もありますので、いろいろ考えました末、当時これは恩給法の適用を受けさせよう。そのほうが有利であろうということで恩給法の適用を受けさせるようにいたしまして、納付金を控除するようにしたわけです。
○千葉信君 これは細かくなりますから逐条質問のときにお尋ねしたいと思うのですが、今の御答弁の中で気にかかることは、石炭手当の分というお話がございましたが、石炭手当の分を加算されているのですか。
○政府委員(加藤陽三君) 加算してございます。
○千葉信君 そうしますと、今の石炭手当というのは北海道に勤務する公務員だけにしか出ていないものを、その他の地方にもこれを均霑するということになるわけですがどうですか。
○政府委員(加藤陽三君) この提案理由の説明の際にも申上げましたけれども、給与の単純化を図りまして、その能率的な支払い計算ということをやろうという趣旨からいたしまして、いろいろな手当を総括いたしまして給与制度をきめられた。その際に石炭手当につきましても一応全国を平均いたしまして、ならした金額を計上した、こういうことになつているのでございます。
○千葉信君 この問題はあとから逐条質問のときに大分出て来ますからそれに譲ることにして、一応総括質問はこの程度にして、誰か御質問ありましたら……。
○木下源吾君 今度のなには、今先ほど専門員から説明がありましたが、二十三年からだんだんまあ変つて来たのですが、そこで当初の目的は海難、水上警察その他検査だとか、航路標識だとか測量だとかいうような任務ですね。ところがその後に二十五年八月からは、治安維持ということが目的になつた。そこで爾来治安維持という面で特殊的な事件、そういうものはどれほどあつたか。これらの事件がどれほどあつたかということを一つお尋ねしたいと思うのです。
○国務大臣(大橋武夫君) 警察予備隊は一昨年の八月に創立いたしまして、今日まで丁度二ヵ年ばかり経過いたしておるのでありまするが、国内治安の確保のために警察の処理できない事態に出動したという事態は今日まで一度もございません。ただ災害の場合におきまして、一般の救護のために或いは援護物資輸送のため、或いは災害地の処理のため、こういう目的を以ちまして自治体の管理者からの要請に応じまして出動いたしたことがございます。例えば先般の北海道におきまする地震の際、或いは又山口県の水害であるとか、鳥取市の火災であるとか、こうした場合に出動いたしました例が数回ございます。
○木下源吾君 そういたしますと、特に何ですね、一般公務員以外に危険性がある、生命等に危険性があるということは今日までのところはなかつたわけでありますな。そういうふうに了解してよろしいですか。
○国務大臣(大橋武夫君) 警察予備隊は一般警察の処理できないような事態に対処いたすのでございまして、かような場合におきましては多くの場合に非常な実力による抵抗を排除するというような場合が多いわけでございます。従いましてこの任務の性質から見まして、警察予備隊というもの職員が、職務上相当危険を伴うものであるということはこれは間違いのないところでありまして、幸いに今日までそうした事態がなかつたということになるわけでございます。
○木下源吾君 更にお尋ねしますが、今度のこれらの保安隊が、結局アメリカとの共同防衛に当るわけでありますね。そこで共同防衛に当る場合に、まあ同じ働きをする、こういうようにまあ考えられるのですが、アメリカの給与とこちらの給与との比較はどういうことになりますか。同じやつぱり働きをする人たちを比較して、その給与の状況は……。
○国務大臣(大橋武夫君) アメリカ駐留軍と共同防衛に当るということは別にきまつていることではございません。アメリカ駐留軍は、日本政府の明示の要請に応じまして、外国の教唆又は干渉によるところの大規模なるところの騒乱又は騒擾に対し、或いは武力による外国の侵略に際して日本の国土を防衛する、これが駐留米軍の任務であります。而して警察予備隊、保安隊の任務というものは、日本の国内治安を確保する、こういうことでございます。これは実際活動する場合においていろいろ相協力するということはあり得るかも知れませんが、併しながら共同して一つの指庫の下に動くというようなことは現在考えておりません。その場合においてそれぞれの立場から駐留米軍は駐留米軍としての任務を遂行するのであり、警察予備隊は警察予備隊としての必要な任務を遂行するので、別個の使命、別個の性質として活動するのでございます。ただその原因は、一つの原因に対して別個の二つの組織が別々にそれぞれの立場から働く。ただ原因が一つであるからしてお互いに連絡をとるということはあり得ると存じます。そういうわけでございまするので、特に米軍の給与と関係をいたしてこの保安隊の給与をきめるという考えは政府としては持つておりません。
○木下源吾君 別に米軍の給与等を標準にしてきめるとか何とかいう意味ではないので、私は共同防衛、共同作戦というようなことになればやはり同じような仕事を同一の指揮の下にやる場合もあるのじやないか、こういうように考えるのです。で、そういう場合に同じことをやつておつて、私どもは給与の面で非常に違つておるというようなことであれば、日本の防衛隊が別の何か昔のような精神的支柱と言いますか、そういうようなものが別になかつたならば、ただ給与の点で、今日では一般にいろいろ職務、そういうあの基準を計られるという世の中だから、非常な不均等の故に、実際行動においても差が出るのではないか、こういうように考えるので、そういう点でお伺いしているのです。そこでお伺いしているのは、同じような任務を持つたもののアメリカと日本との給与の比較はどんなものかということを一つ聞いておきたいと思うのです。
○国務大臣(大橋武夫君) 先ほど申上げましたごとく保安隊と駐留米軍というものはこれは種類が違つておりまするのでこれを比較することは果して適当かどうかということは別問題といたしましてとにかく駐留軍の給与と予備隊の給与というものはこれは格段の相違があることは申すまでもないのでありまして、先ず数倍の違いがあることと思つております。
○木下源吾君 先ほどあなたが言われたアメリカの駐留軍とこちらの保安隊とは事件が起きた場合に別々の行動をする、この点は別々であるということについても、場所は別々だということと、指揮系統が同じだということであれば私は同じだと思うのです。別々だとして、全然別個だと、こういたしまして、私どもは先般横須賀へ行つて実際に見て参りました。今あなたがおつしやる国内の問題ですがね。あそこで今度借入れることになつておる船は、上陸用に主として使う船が多いようであります。上陸用にですね。あれから見ると、あの海上保安隊、警備隊か、警備隊は国内で一体上陸用に訓練をして、別個の独自の行動だけで上陸用のああいう訓練は私は何ら意味がないのじやないか、こう考えるのですね。あの船は殆んど何十隻か、大部分は上陸用のなんで、その訓練もそれをやるというのですよ、訓練も。そうなると、どこかへ行つて兵隊を上陸させるということをまあ我々は素人だから考えるのですが、あれは一体国内で上陸訓練して、一体どういう場合に実際活動をするのですか。そういう点も一つお伺いしたいと思うのですが。
○国務大臣(大橋武夫君) 上陸用の船とおつしやいまするのは、恐らくアメリカから借りることになつております二百五十トン級の船舶五十隻、その一部を御覧頂いたのでございますが、これは成るほど、あの船は、アメリカの海軍が上陸部隊の援護用の船として設計をいたしたものとか聞いております。併し日本政府があれを借りようといたしておりまするのは、上陸援護の練習をしようという趣旨では無論ないのでございまして、何分に海上の警備の上から申しまして、船舶がありませんので、米国でそれに適当した船で貸してくれられるものがあつたら貸してもらいたい、こう考えておるのでございますが、米国といたしましてはたまたま上陸軍隊の援護用に設計した船が今日空いておる、それでこれを貸そうかと、こういうことになつたわけでございます。そこで海上警備隊といたしましては、これを警備の目的を以て運用するようにいたすつもりなのでございまして、訓練につきましても元は上陸援護用の船でありまするが今後海上警備隊といたしましては、海上の一般警備用の船としてこれを使う、そういう趣旨でこの船を運用いたしまするようにその訓練をいたしておると、それが今日の状況でございます。
○木下源吾君 それは大橋さん違うのではないかね。あれはアメリカで作つて、まだ本当の場合に使つたことがない。それで船足も非常に浅いようですね。我々が乗つていても動揺するような船なんですね。あれならばあなたのおつしやるようなことなら用はなさんと思うのですね、あれは。実際にあれを警備にということはどういうことに使うのかよくわかりませんが、恐らく海上を走つてそうしてまあ海賊のような船があつたら拿捕するとか何とか、そういうようなことも考えられるのでしようが、又しばしば政府が言われるように外敵侵略だとかいうような、まあ仮にそういう想定をした場合に、あの船は何も役に立ちませんし、実際においても、上陸というようなそういうことを練習し訓練をする、又それ以外に訓練しようがないのですね。大砲を打つというたところがあんなものなら少し気の利いた漁師なら打てるのです。そういうようなわけで、どうもあの船を使つてやるということが、どんな素人が考えても、どこか相手の国というか、相手の島というか、それにあの軍隊が上陸するときにもれで援護すると、どんなに我々としてもそれより考えられません。そこで私は余り不思議だから今お尋ねしているので、別個の行動をするという場合なら、あれなら何にも行動したところが、ああいう訓練をやつてこちらの兵隊を連れて行つて向うへ上げるだけのなによりない。それも一貫してできるのではなく、ただ援護してやる。ですから私は心の中で、ああこういうことをやつて、まあ世間で言う軍隊にするというならば、アメリカのこれは輜重輸卒じやなと、海軍の、日本で言うならば。そんなような恰好のものじやないか、こう考えて来たのです。給与の問題でも輜重輸卒の給与だ。向うは兵隊の給与だというようなことでは余りにもこちらは劣等感で、劣等感もいいです、国のために命を捨てるというなら給与なんか問題ではないが、併しここに現われて来ているのは公務員として現われて来ているのですね。そういう点に非常な矛盾を感ずる。私が矛盾を感ずるばかりでなく、実際行動する者もどういう考えを起すかということに非常な不安を持つ。ただ金を多くやればいいという問題ばかりでないと、こういうように考えて実際私が見て来たところから今御質問申上げたのだが、あなたが飽くまでも、これは海上警備だというならば、それは言葉の上と、机上ではそれで通るか知らんが、実際ば御覧になつたらわかりますが、そういうものではない。そこで私は関連してああいうようなもので海上を警備して歩いておつたらそれこそその防衛も何も実際問題ではなく、その船自体に乗つておるだけで危険がたくさん伴う、こういうふうに考えるのです。それで金がないから向うさんから借りるのだと、おかしなものを借りるのだから、それでこつちへはまさかのときは危険が多いから給与を余計払うんだと、これでは意味をなさんではないか、こういうように思われるのです。いずれにしてもこの問題についてはもう少しあなたから本当にどういうことをやるのか、これは警備隊なら警備隊はどういうことを実際やるのか、又想定しておられるのか、生命に関する危険が多いという点を指摘せられておるのだからして、それは想定でもいいから具体的にどういう場合に危険性が多いのだということを一つお聞きしたいと思うのであります。
○国務大臣(大橋武夫君) 海上警備隊の任務は、一般の場合に比べまして海上の警備救難のためには海上保安庁の警備救難部の船舶が当つておるのでございまするが、併しながらその能力に限りがございますので、非常の際におきましては、これを応援するということになつております。即ち水難に際し、或いは警備上必要である場合におきまして連絡をとつて、そうしてこれを応援する、こういう仕事でございます。御覧になりました船舶もそういう場合に使う船として貸してくれる船があれば貸してもらいたいと言つておりましたところ、あの船が借りられることになつたわけであります。従つてそうした任務の上から見て、あの船が果して適当であるかどうかということは、これはもういろいろ疑問の余地もあるけれども、木下議員の御疑念を抱かれる点も誠に御尤もと存ずるのであります。何分その目的を以て船を設計するといたしましても急場に間に合いません。又非常に多額を要するわけでございまして、アメリカから借りられるということならば、多少の不便を忍びましてもそれを利用するがよかろう、まあ私どもこう考えておるわけなんであります。従つてあの船によつて今申上げたような任務で参るわけであります。今申上げました警備上必要である場合に特に応援のために出て行く、或いは水難救護に際して特に援助のために出動する、こういう場合はその仕事の性質上やはり相当危険なことが多い、こういうふうに考えられるわけであります。船の構造から危険が来るということではなく、やはり勤務の性質上相当の危険を予想せざるを得ない、こういうふうに考えておるわけであります。
○木下源吾君 あなた、あの船を御覧になつたり訓練の状況などを……まだそんな訓練までば入つておりませんが、そういうことを御覧になりましたか、実際に……。
○国務大臣(大橋武夫君) 私もこの月の初めに横須賀まで参りまして、大型の船、小型の船を実際に見て参りました。そうして訓練の状況も見ております。
○木下源吾君 その御覧になつて、あれはあなたがたが今度企てておられる、この法律で企てておられるようなことがつまり完遂できるというお考えをお持ちになつておりますか。
○国務大臣(大橋武夫君) 御承知のように、たくさんの船を操りまして部隊行動をやつて海上の警備をやつて行くという仕事は、これはなかなか簡単にできる仕事ではないのでございまして、そのためにはできるだけいい船に訓練の積んだ乗組員を乗せる、又この全体を指揮する上において優秀な指揮者を得る、こういうことが望ましいことは申すまでもないわけでございますが、いろいろな国の実情から考えまして、不十分ながらあの船舶を以てそうした船の船隊としての部隊行動の訓練、或いは船舶操縦の訓練、或いは必要な際の水難救助、或いは警備上の活動、こうしたことをできるだけあの船でやつて行きたい、こう考えております。無論将来におきまして、財政その他国内の事情が許しますならば、専ら当初からその目的に設計いたしました船舶、又は速力なり装備なりそれにかなつたような船舶を得るということは、これは望ましいことであると、こう希望いたしておるのでございますが、現状におきましては、とにかくあの船でできるだけやつて参りたいと、政府としてはかように考えております。
○木下源吾君 そうすると、まあ今は間に合せにやつておると、その間に合せも当初はそういう考えではないが、アメリカが貸してくれるものはもつと役立つもの別貸してもらえると思つたが、実際に借りてみたところが、意外に役立たんものであると、こういうふうに考えていいのですか。
○国務大臣(大橋武夫君) 私どもはあの船が警備のために役に立たないとは考えておりません。もともと上陸軍の擁護の目的で設計された船でありますから、本来海上の一般警備のために設計した船というわけではございませんが、併しそうした目的にも或る程度活用できると、こう考えております。そうしてできるだけこれを活用して海上警備隊の目的、任務のために訓練をいたし、できるだけ使命を果すように努力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○木下源吾君 それは私は今あなたがお答えになつたことと実情とは全く合わん、こう考えておるのですが、まああなたはあれによつて、あの程度のものでよろしいと、こういうまあお考えならば、同時に私は別にあれでは生命の危険だとか、普通の警察よりも、或いはほかの公務員の場合よりも危険だというようなことは毛頭考えられない。それからただもう一つ聞いておかねばならんことは、今おやりになつておることはつまり幹部を養成するという意味で、主たる意味はそういうことでおやりになつておるのですか。
○国務大臣(大橋武夫君) 現在は船をまだ受取つておりませんが、併し一応いずれこちらへ渡してくれるが、それまでの間、ときどき訓練のために乗つて使つてよろしい、こういう話合いで使つておるわけでございます。この船が将来こちらに引渡されました場合には、当方で完全に運用して参らなければなりませんので、成る程度の数の船が差当り近い時期に引渡されるものとして、或る一揃いの揃つた乗組員の組を用意し、実地に訓練をしております。で、これは全部の船舶の乗組員に十分な人員でございません。僅かなものでございます。併しそれだけは幹部ばかりではなく、実際船に必要なすべての配置をきめ、その訓練をいたしております。これと並行いたしまして、将来逐次六十隻の船が引渡されて来るはずでございますが、将来の引渡される分につきましては、差当り幹部を予定して訓練して、時期を見て一般の乗組員の訓練を進めて行こうと、こういう計画で訓練中であります。
○木下源吾君 今のあなたがたのお考えは何ですか、これもいわゆる公務員でありますが、この公務員は技術の公務員であるというようにお考えになつておるのか、一般のまあ行政とは違いますが、こういう面でどういう公務員という規定をなされるのか、この点を一つ……。
○国務大臣(大橋武夫君) 技術と一般をどういうふうに区別するのかということは私は詳しくは存じませんが、実際の任務の性質から見まするというと、船舶に乗組んだ人々や、船舶の運用でありますとか、或いは武器の操縦でありますとか、そうした技術的な面を担当する人もありますし、又船舶の中における事務管理的な仕事もあるわけであります。殊に陸上におきましては、これらの船舶の運用を指揮したり、或いは会計、補給等の事務を担当する職員も多数必要と思われます。結局両方のものを含んでおると、かように考えております。
○木下源吾君 そうしますと、給与の面においては技術も、それからまあ軍隊と言うには当りませんが、軍隊行政といいますか、保安隊行政といいますか、警備行政といいますか、それとは何ら区別なくこの給与を一律に支給しようという考えでまあ出されておると思うのですが、行く行くはそういう面を分けて何らかの区別を付けようという考えを持つておられるのか。
○国務大臣(大橋武夫君) 例えば現在の範囲におきましても、常時船舶に乗込むような仕事につきましては乗船手当を出すとか或いは将来航空機などを利用するということになりますと、その操縦者に対しましては、その程度に応じまして航空手当を出すとか、こういうようなその仕事の性質によりまして特別の手当を出すということは、これは現在でも或る程度考えて将来も考える必要があると思つております。併し基本的な給与につきましては、技術系統の者と事務系統の者を区別して体系を立てる、或いは金額をきめる、こういうような必要はないと、こう思つております。
○木下源吾君 今後のなににつきましては昇給、昇格はどういうようにして行われるのですか。
○政府委員(加藤陽三君) 御承知の通り、技術的な仕事に従事いたします者も、それ以外の者も保安隊、将来設けられます保安隊及び警備隊においてはそれぞれ階級を持つております。それで私どもといたしましては、人事管理の面から申しまして、技術的なものであるとか、そうでないものとによりまして昇給、昇格と申しますか、そういうものについて年限その他の区別を設けようということは、只今のところは考えていないのであります。又将来の必要によりますと、どうしても技術的な者が足りないこのほうの幹部を早急に充実しなければならないということになりますと、実際的な事情に応じまして或いは技術系統の特定の部門の者については特に昇給、昇格の年限を早めて欠員の必要な充員をするということも或いはあるかと思いますが、只今のところにおきましては大体同様に考えております。
○木下源吾君 ではお尋ねしますが、まあこれはそういうようにきめておるのではなかろうが、先般行つて見ますと、従来の軍隊の士官に相当するような階級ですね、つまり言えば、これは士官と称しておりますね、士官、それともう一つは、記章は国際的な海軍の記章をどこへでも通ずるというような帽子から何から将官は各国の将官のような金モールを付けておるというようになつておりますが、やはりこれはそういうことにしなければならないような意味があるのかどうか。つまり言うと、日本ではこのようなつまり警備隊、そればやはり海軍だぞということを外国に見せる、知らしめる必要があるのかどうか、こういう点を一つお伺いしたい。
○国務大臣(大橋武夫君) 階級はその海上警備隊の船の運用、又船隊の運用、そういう必要からこれに相当する階級を区別いたしたわけでございます。別に特にこれは海軍だぞというようなつもりでやつたわけではございません。強いて申しまするならば、アメリカにおきましては海軍のほかにコースト・ガード、即ち水上警察と申しますか、そういうものがございまして、こういうのはやはり同じような区分の階級を持つておりますし、これを大体学びまして現在の海上保安庁の警備救難部の海上保安官の階級制度というものができておるわけであります。これらをそのまま承継をいたしております。今どうしても部隊行動をするものでございまして、指揮命令の関係を明らかにしたのであります。或る程度の基礎的な部隊から漸次大きな部隊に、階段的に組立てて行く、こうなりますというと、自然に軍隊と同じような階級区分、これが実際上において便利である、こういう理由でこういう階級になつたわけであります。特に軍隊であるということを示すためにこの階級をきめたわけではございません。それから帽子の庇であるとか或いは記章であるとか、こういうものもそれぞれの階級を示すのによかろうという意味で作つたのでございまして、別に国際的な基準によつて作つたというわけではございません。
○木下源吾君 そうすると、やはり士官というのは職業的だと、昔の職業的軍人だと、それ以下は昔は兵隊なんだ、今度は兵隊に対しても公務員として、一般公務員よりも優遇する給与をやるのだ、こういうことになろうと思うですが、この一般の兵隊、昔なら兵隊ですがこれはどういうところに一体違いがあるのかどういうところに昔の兵隊と違いがあるのか、この点を一つお伺いして、そうでないと一般公務員であるなら一般公務員のような給与で私はいいのじやないか。国情の上において低い経済力であるのだから、そういうふうに考えるのですが、何もこれは一般公務員が今低いからそれでいいのだというのではなく、私はバランスをとる意味においてそれでいいのじやないか。士官というものは特別な作戦だとか、指揮だとか或いは技術だとか、いろいろそういう面でまあ別に考えられるとしても、一般の者については特にその一般公務員より優遇をしなければならん、不均衡のような給与でなければならんというような理由がないのじやないか。いわんや今日の場合、先ほどもお伺いしたように治安維持という面においては今日まででも警察予備隊、或いは海上保安隊も別にそういう技術も何もないので、こういう点については、給与の面では我々はどうも不均衡で矛盾がある、こういうように考えるのです。若しそれ国際的な面でどうしても権威やら、或いはそういうものを保たねばならんというなら、これは又別に考えなければならん。ただ恰好だけ帽子や記章や金モールだけで国際的に同じだというだけではいかんのじやないか、こういうようにもまあ考えられるので、その点はどうもはつきりしないと思うのですが、そういう点について何か御意見があつたらお聞かせ頂きたい。
○国務大臣(大橋武夫君) 帽子とか金モールとか記章とか、こういうものは先ほども申上げました通り、別に国際的基準というものがあつてそれに倣うという性質のものではありません。ただ或る程度の階級を、その階級を明らかにするための記章、それだけのことでございまして、別に国際的な基準に従わなければならんというものではありません。それから給与につきましても、士官とおつしやいましたが、これは保安官或いは警備官の幹部職員のことであろうと思います。これを除いた一般隊員は昔の兵隊とどう違うのかという点でございますが、昔の兵隊はこれは御承知の通り兵役法によりまして義務として徴兵制度によつて徴募をせられたものであります。又これに対しては給与はほんの名目的なものを支出するというのが実情であると思います。併し今日のこの一般警備官或いは保安官、これらの諸君は全く一般の公務員と同じ建前において国の公務員として定められておるわけでございまして、志願によつて募集に応じて入つて来る、従つてその給与等につきましても、一般の公務員に準じて支給をする、こういうことになつております。これは非常に高過ぎるではないかという、高きに失しておる、一般の公務員とはバランスがとれないという御意見でございましたが、先に申上げましたる通り、任務の性質から見まして、一般警察職員の給与というものを基準にいたしましておおむねそれに準じて或る程度の勤務の特殊性というものを加味して定めたものでありまして、特に一般警察官に比べて高きに失しておるとは考えておりません。
○木下源吾君 私は一般質問の最後に一つだけお聞きしておきたいのですが、武器に準じて、そうしてこの制度を運用しようというようなまあ傾向になつておるわけであります。そこで武器は向うから貸与を受けたもの、これを基準にしておる、今借りておる、借りようとする最も多い船は上陸用の船だということは、これはもうまごうことありません。上陸用の船だ。そうして上陸に対する船でありますために、あれを使つては上陸の際の訓練をする、あれを使つての訓練はそういうことになる。そこであの訓練をするのは上陸の訓練はしない、上陸訓練をするということは取も直さず日本の場合ならばほかの国の沿岸に兵隊を、或いは警備隊を上陸させるということになるんで、上陸させるということなんで、そういうことはしないのだ、従つてそういう訓練もしないのだ、こういうように了解してよろしいかどうか、これだけを一つお伺いしておきます。
○国務大臣(大橋武夫君) 船は上陸援護用にもともと設計されたように聞いておりますが、私どもはあの船を一般海上警備に使いたい、従つて訓練といたしましては、一般海上警備に必要な訓練をしており、特に上陸援護を目的とした訓練を行う意思はございません。
○千葉信君 逐条質問に入る前に只今の木下委員の質問に関連する事項について一つだけお尋ねしたいと思うのです。それは今例えば帽章であるとか或いは金モールであるとか肩章等の問題について木下委員から質問がございましたが、大橋国務大臣も横須賀へはおいでになつたそうでございますが、私どもも横須賀へ参りまして、そうしてあのフリゲート艦の艦上にも参りましたし、それから上陸用舟艇にも参つて見学をいたしておりますが、あの場合に、私ども、実は先ほど木下委員が言われたような肩平等については、実は私どもの印象からすれば、これはもう海軍であり、一方警察予備隊は陸軍であるという考え方を持つておりながら、あの肩章なんかを拝見したとき、実は愕然としておるのです、現実にぶつかつて……。それは私どもあのフリゲート艦の艦上に行くときに、これは大橋さんも同様だろうと思うのですが、向うさんの駆逐艦のあれを通つて行つたのですね、その場合に私ども案内してくれた総監であるとか総監部の長官であるとか、それから地方監部の長官であるとか、総監部の長官は万国共通の海軍中将の肩章を付けておるのですね、それから地方監部の長官は万国共通の海軍少将の肩章を付けておるのです。而もその駆逐艦の艦上を通るときに、アメリカの水兵さんや将校さんはその日本の海軍中将の肩章を付けた、総監部の長官に対し、日本の海軍中将としての礼遇で挨拶しておるのです。又海軍少将の資格で向うは礼遇をしておるのです。こういう問題はまああすこの場合だけなら問題はないと思うのですが、これが将来いろいろ演習等の関係で、日本国外の地方なんかへも出掛るときがないとも限らないと思うのです。又アメリカ以外の所から来ない場合もないとは限らないと思うのです。そういう場合に与える国際的な影響等についてアメリカ以外のその他の諸外国等のこれに対する考え方が、日本では軍備をしないしないと政府当路者は言つておるけれども、もうちやんと海軍があるのじやないか、こういう印象は、これははつきりすると思うのですが、そういう場合に対する国際的な影響というものについて大橋国務大臣はお考えになられてああいう肩章なんかを付けられたのかどうか、その点もこの際承わつておきたい。
○国務大臣(大橋武夫君) 肩章は別に国際的な基準ということを考慮せずに海上警備隊自身の階級の区別に従いまして当方において適当と認める意匠に従つて考案をいたしたのであります。これに対しまして、米国側は如何なる敬礼をいたしておるか、これは私は実地に見たことはございません。実は私は米国の駆逐艦に通らず、直接フリゲート艦の舷側に行つて、そういう事実は見ておりませんが、併し恐らくその近所におりまする者で、お互いにいつも近しくいたしておりましようし、又特に現在向うの管理をしております船舶でございますので、船舶の管理官も乗組んでおりまするし、又新らしい装備でございますので、その使用方法を教えてもらうためにフリゲート艦なり或いは上陸用舟艇にわざわざ専門の技術将校に手をとつて教えてもらつておるという関係もございますので、お互いに近しく交際いたしております。その関係上、相互に社会的に必要と認められる敬礼を交換し合うということはこれは十分あり得ることと存じます。
○千葉信君 これは直接この法案に余り深く関係もありませんから、これ以上追及はいたしませんけれども、併しこれは本人に差障りがあつては困るのですけれども、これは万国共通の海軍中将の肩章でございますということを言つておるのです。これは海軍中将ばかりではない、その他職員もはつきりこれは尉官である、これは佐官である、佐官の中佐に該当するとか或いは少尉に該当するとか、本人たちがそういう意識を持つているらしい、はつきりそういうことを言つておるのです。まあこれはこういう私どもが聞いて来た話から本人たちに差障りが起ることがあつては甚だ私どもは遺憾に堪えない、併し事実上そういうことがあるということだけはこの際大橋さんにも十分、あなたがどういうふうに解明し、どういうふうに答弁されようとも、そういう事実があることについては十分これはお考えになつて頂かなければならないと思うのです。まあこの問題はこのくらいにして逐条審議に入りたいと思います。
○委員長(カニエ邦彦君) それでは他に総括質問ございますか。
○鈴木直人君 只今千葉さんから質問がありましたが、私初めて聞いたのですが、やはりアメリカの海軍は日本の警察予備隊の幹部を中将とか少将とかいうふうに、事実そう思つて挨拶をしておる事実というのはあるのでしようか。それを一つお聞きしてみたいと思います。
○国務大臣(大橋武夫君) 日本の海上警備隊を日本の海軍だと思つているアメリカ人はないと思います。又警察予備隊を日本の陸軍たと思つておる人はないと思います。たたその場合に記章の問題が只今出たのでございますが、記章は何も海軍について万国共通の記章というものがあるわけではないのでございます。このアメリカの例をとつて見ましても、アメリカには海軍とコースト・ガードというものと二つあります。海軍はこれは武官でありますし、コースト・ガードはシビリアンであります。併しながら、同じような船を運用します関係上、相互とも同じような階級に分けておりますし、それぞれの階級に応じた記章というものは非常によく似ておる、これはまあ一般の職員などにも昔海軍によく似た帽子やら記章やら星やらあつたわけであります。まあこれは階級組織になつておりますから、どの国で考えましてもまあそれぞれの階級を明らかにするということになりますとまあ似たり寄つたりの意匠になると、こういうことがあり得ると思うのであります。併し特に海軍について万国共通の記章などということは私ども承知しておりません。これは海上警備隊の記章というものは、日本において新らしく考案した意匠によつて制定したものと思つております。
○委員長(カニエ邦彦君) それでは他に総括的質問の御発言はありませんか。 それでは総括質問は……
○千葉信君 大体総括問題、それから逐条問題というふうにやることになつておりますがね、併し余り厳格に、もうこれで逐条賃問に入つたのだから総括質問があつてはいけないということではなしに、特に森崎委員なんかからは質疑が通告されておるようでありますから、一応ここらあたりで御出席のかたから質問がなければ、あと総括質問があつたらやることにして、逐条審議に入つたほうがいいと思いますがどうですか。
○委員長(カニエ邦彦君) それでは只今の……
○木下源吾君 今のやつはそういうふうに確認していいのかな、一応聞いてみて下さい。諮つてみて下さい。
○鈴木直人君 今千葉さんからお話がありましたように、まだ少くともここにおる人は総括質問はないということははつきりしておるのですが、誰か総括質問をしたいという、本当にそういうことを考えておる人で、そういうことが封せられるということは問題でありますから、そういう者は例外的にいつでもやられることにして、原則としては終りにして逐条審議に行く、こういうふうにきまりを付けたほうがいいのじやないですか。
○千葉信君 私の言つておるのは、そういう意味ではなく、総括質問とか逐条質問とか大体これは区別して従来ずつとやつておりますが、実は時間なんかの関係もありまして、もうそろそろここらあたりで逐条審議に入る時間だと思うのです。ただその場合に、森崎君なんかからまだ質疑が通告されておりますが、総括質問が何も行われておりませんから、これも当然総括質問が将来あるだろうし、それから私どもの場合もいろいろ逐条審議をやつておる経過の中で、いろいろな角度からやはり総括質問に類する質問をしなければならん場合が出て来ると思うのです。そういうことがあることを予想して、一応この際余り厳格にこの時間以後は逐条審議だなどというふうに限定をしないで審議をスムースに進行させたらいいのじやないかと、こういう趣旨なんです。(「了解」と呼ぶ者あり)
○委員長(カニエ邦彦君) それでは只今千葉君の御発言の通りに運営をいたします。それでは引続いて御質疑を願います。
○千葉信君 以下申上げる質問は、特に国務大臣と言わなければ、人事局長からの御答弁でも結構ですから御答弁を願いたいと思います。それはこの法案の第四条による俸給額について問題となりますことは、次長と官房長等の俸給表と事務官に対する俸給表がはつきり区別されておるようですが、これはどういう必要からこの区別を行われたか、この点が第一点、それからいずれも次官及び官房長並びに事務官等の俸給月額の算出の方法をどういう方法ておやりになつたかということと、どういう基準でこの算出を行われたかということ、それからもう一点は、課長、部員の項に甲級、乙級、丙級という区分がありますが、これは総理府令できめるということに備考でなつておりますが、どういう基準を以てこの区分を行われるおつもりであるか、以上三点を先ず御答弁願いたいと思います。
○政府委員(加藤陽三君) 先ず第一点でございますが、次長、官房長、局長、課長及び部員その以外の事務官、技官等との俸給表に区別を設けたことにつきましては、保安庁法の第十六条に部員、局長、課長、官房長等の事務が書いてございますが、大体私どもの考え方といたしましては、部員以上のかたは保安庁のいろいろな政策の決定に従事をする、部員は課務に参画するというふうに書いてございますが、政策面の決定に参画をするものだ、こういうふうに考えておるのでございます。で、事務官等はおのおのその命ぜられた事務に従事する政策的な面の決定は、これを本庁の職員で、基幹職員でありますところの部員、課長、局長、官房長、次長、こういうものが長官を補佐して行う、こういうふうに考えたことが一つであります。又こういうふうな面から考えますというと、保安庁法案にあります第一幕僚監部、第二幕僚監部と官房及び各局との関係についてこの保安庁法案の第十条に規定がありますが、長官官房及び各局は、制服隊員でありますところの第一幕僚長、第二幕僚長に対しまして、長官の行う各般の方針及び基本的な実施計画の作成についての指示とか或いは保安隊又は警備隊に関する事項について第一幕僚長又は第二幕僚長の作成した方針及び基本的な実施計画について長官の行いまする承認、その他保安隊又は警備隊の隊務に関して長官の行う一般的な監督について、長官を補佐する、こういうふうに高い面の知識経験を要する仕事を担任させることにしておるのであります。そこでこのことは関連いたしまして保安隊、警備隊の保安官、警備官の給与の決定に及んで来るわけでありますが、保安隊、警備隊の保安官、警備官は先ほど申しましたごとく、それぞれ俸給の支給を間違いなく能率的にするという面からいたしましても、いろいろな手当等を加算をいたしまして一本として整備をいたしました。政策的の方面におきまして一般的な方針等の指示につきまして保安官、警備官を統制する長官の職務を補佐するところの課長、部員、局長等は、これらの俸給等の均衡を考慮して特別の俸給表を制定することが望ましい、こういうふうな考え方からいたしまして、次長、官房長、局長、部員については特別の俸給表を設けたのでございます。事務官その他につきましてはさような必要を認めなかつたのでございまして、これらにつきましては、一般職の公務員の俸給表を使うことにいたしたのであります。次に事務官等の俸給表については、大体一般職の職員の担当いたします仕事の分野に応じましてそれぞれの格付をいたしますので、これは御説明を要しないかと思いますが、課長、部員、官房長、局長、次長等の俸給はどういうふうにしてきめたか、こういうことになりますというと、先ず長官は国務大臣でございます。次長はその下におきまして、今言いましたような面におきましての重要な決定をいたし、補佐をいたすものでございますので、大体私どもの考え方としては次長検事級の俸給をこれに給与いたしたい、こういうことできめられておるのでございます。官房長、局長につきましては、これも只今申上げました事務の一つでございます。保安官、警備官の局長級に相当する者が占めます地位、大体におきましてこれは保安監及び保安監補でございます、それらの者の俸給を見合せまして、双方の者にまたがりまして局長、官房長の俸給を決定いたしました。課長及び部員につきましては、このような標準に基きまして、課長は大体におきまして、一等警察正乃至二等警察正ぐらいのところを標準にいたし、部員はその下のところを位付けまして俸給の決定の根本的な方針としてきめておるのでございます。それから課長級、部員級につきまして甲、乙、丙の区分のあることでございますが、これは甲級と申しますのは、現在におきましては課長の諸君の級にしております。これはこの法律が成立をいたしますれば、やはり同様に扱いたいと思つております。乙級と申しますのは、部員の中で高級のクラス、まあ普通の一般職の職員で申しますと課長補佐級のかたがたを乙級といたしております。それ以外の部員を丙級と、こういうふうに考えております。
○千葉信君 そういたしますと、この事務官等の俸給表で賄われる職員で課長補佐とか或いは課長補佐に準ずるような職務を担当する事務官はないということに確認して差支えありませんか。
○政府委員(加藤陽三君) 只今申上げましたような次第でございまして、官房及び各局におきましては、その仕事を動かして行く中心は部員以上でございまして、事務官等は全くその補助的な仕事をいたすに過ぎません。ただこのほかに事務官等を以て当てることを考えております重要な職といたしましては、保安大学校の教官でありますとか、これらにつきましては、校長さんなどは相当高級の職を当てなければいけないだろうと考えております。官房各局につきましては、課長補佐に相当する者は全然おりません。
○千葉信君 次にお尋ねしたいことは、俸給額の計算の基礎に超過勤務手当が加算されておりますね、その加算の仕方自体にも少し問題がありますけれども、併しこの際お尋ねしたいことは、これを加算したために起つて来る不合理、不公平という問題が出て来ると思う。勤務地手当支給の場合には、御承知の通り現在の公務員等の場合には本俸と家族手当の二割五分とか、二割という計算になるのですが、これの場合には本俸に超過勤務手当が加算されておるために不当に有利になる条件が出て来るのです。細かい問題ですけれども、これが問題になるということは、先ほどいろいろ計数を以て御質問申上げた非常にその給与の水準が有利だという条件の上に更にこれが重ると思う。どうしてこういう処置をとるようになつたかということが一つと、それからもう一つは、恩給額の決定にも同様な条件がはつきり出て来ると思う。この不公平、他との均衡ということは考慮しなかつたのかどうかという点を……。
○政府委員(加藤陽三君) 本房といいますか、今度の官房各局でございますが、この部員以上の職員の給与の決定につきまして超過勤務を加えた点でありますが、これは御指摘のようなことは十分あるのでございます。ただ私どもといたしましては、先ほど御説明いたしましたごとく、それぞれこれらの行います政策的な決定と申しますか、長官の政策的な面の決定を補助し、統制する面の補助者であるこれらの者の給与をきめるにつきましては、仕事の運営上の都合を考えまして、その決定に従うところの制服隊員の者の相当階級との間の均衡ということも考えなければいけないと、こういうふうに考えたわけであります。そこで制服隊員の者の給与をきめます際に先ほども申上げましたような事情で、超過勤務手当を本俸中に加算したのでありますが、この加算の仕方につきましてはいろいろございます。ただ当時、最初に二十五年の八月にこの給与を決定いたします際には、国家地方警察の警察官の平均の超過勤務手当の率を算定いたしました。この率を標準にいたしまして一応警察予備隊の警察官の俸給の基本額の決定について入れたのでございます。その後の給与の改訂につきましても大体この率を踏襲して参つたのでございますが、そういうふうに保安官、警備官につきましては、超過勤務が入つておりますので、この部員等も仕事の統制の関係上、同じような給与の体系にしたほうが、俸給によつて職務の甲乙を付けるということは万々ないでありましようが、そういう点も避けたほうがよろしいのではないかというふうなことから、部員等には超過勤務を加算して給与を決定するということにしたのであります。これに伴いまして起るところの不合理と申しますか、これは勤務地手当の加算等についても起つて来るのであります。この点は私どもといたしましても考えておつたのでございますが、何と申しますか、警察予備隊、今度の保安庁の仕事の面から申しまして、これぐらいの条件で優遇をして頂くことはいいのではないか、許されてよろしいのではなかろうかということを考えておるのでございます。
○千葉信君 次に部隊等に勤務する事務官等は、保安官や警備官のように乗船手当とか航海手当とかというものがないわけでありますが、そういう事務官等の俸給表は、これは一般職の職員等と全く同列で計算され、同列で俸給表ができておるようですが、この点の不合理はどういうふうにお考えになつておりますか。
○政府委員(加藤陽三君) 部隊等に勤務いたしております事務官等は特別の、先ほど申上げました保安大学校でありますとか、保安研修所でありますとか、そういう所に勤務いたします者を除きましては、主として靴の修理とか被服の修理に当る者でありますとか、そういうふうなかたがたが多いのでございます。只今のところ私どもはこの事務官等のかたがたが船に乗込まれるということは考えておらないのであります。そこで乗船手当、航海手当については規定をいたさなかつた次第であります。
○千葉信君 それからこれは一応前にも他の機会に御答弁を頂いたのですが、この機会にも参考までに承わつておきたいことは、日額制にした理由ですね、どういう理由から日額制にされたか、その点……。
○政府委員(加藤陽三君) 保安官、警備官の給与を日額制にいたしましたのは、これは前々から申上げております通り、現在の警察予備隊、海上警備隊の、海上警備官の給与の制度を踏襲したのでありますが、私どもといたしましては、当初警察予備隊の警察官の給与を決定いたします際に非常に移動が多い、人数が多い、給与の関係の係官は各方面から民間におられるかたを採用いたしまして、給与の係官に当てたり、非常に事務に不慣れでありまして、到底普通の一般公務員と同じような支払いの方法をとつたのでは間違いが多くて困りはしないかということからして、当初は日額制ということにいたしたのでります。だんだんこれに慣れて参りまして、又実際やつておりますと、このほうが都合のよろしいことも多うございますので、今回先ずその制度を踏襲するというふうにいたしたのであります。
○千葉信君 それから次は扶養手当の問題ですが、扶養手当は保査長、警査長以下には支給しないことになつておりますね、ところが実情を承わりますと、例えばこの前参りましたあれは何と申しますか、練馬の第一総監部だつたか、あすこへ参りましたときに聞きました、あすこだけの実情から見ましても、大体保査長、警査長以下の隊員の一〇・二%の隊員が扶養家族を持つておるのであります。一〇・二%の警査長、或いは保査長以下の隊員が扶養家族を持つておるのです。而もこの法律によりますと、これらの諸君に対しては扶養家族手当は出さない。一体どういうわけでこういう不合理な取扱をされたか、その理由を承わりたいと思います。
○政府委員(加藤陽三君) 警査長以下の諸君に対する扶養手当を支給しないという問題につきましては、只今御指摘の通り、約一割ぐらい、私どものほうの調べでは全国平均をいたしますと一〇%ぐらいになつておるのでありますが、それぐらいの諸君が扶養家族を持つておられるのでございます。この諸君に対しまして扶養手当を支給するということは望ましいことで、十分考えられなければならない問題でありますが、只今のところ我々といたしましては、先ほど申上げました給与の計算の非常に複雑になるというようなこと、それからその大多数の隊員は十八才から二十才ぐらいのかたがたでございまして、兵舎の中に住んでおられまして家族と離れております。扶養手当の基礎となる扶養親族の調査等につきましてなかなか困難もありはしないかというふうなことからいたしまして、一応只今のところは給与の、本俸の計算の基礎に入れまして、別に扶養手当を出さないということにいたしたのであります。
○木下源吾君 この親法律が今両院協議会にかかつておるはずですが、審議状況はどうなつておるか、一応ちよつと調べてみて頂きたい。それによつてこつちのほうの最終的なものをやはりきめなければならん。いろいろそれと関連があるのでちよつと調べてくれませんか。
○千葉信君 まあ今質問の途中ですが、大体保安庁法案の問題もありましようけれども、今日実は四時半から人事委員会の懇談会の予定になつております。そろそろこれくらいで今日は審議を終る必要があると思うのですが、委員長からお諮り願いたいと思います。
○委量長(カニエ邦彦君) 只今の木下君の御発言につきましては、事務局をして一応調査いたさせます。 それから千葉君の御発言に対しましては、これは各派とも前々から了承しておりますごとでありますから、従つて質疑はございますが、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十九分散会