厚生委員会 第29号
- 発言数
- 62 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/06/26
会議録
○委員長(梅津錦一君) 大介遅れましたが、これから厚生委員会を開きます。 本日は、結核新薬のイソニコチン酸ヒドラジツドに関する発売計画に関しまして参考人の四人が見えられております。結核療養所研究協議会の慶応大学の教授の大森憲太先生、なお薬事審議会新医薬品部会の国立第一病院長の坂口康藏先生、同じく日製薬連専務理事の竹内甲子二さん、同じく東大教授の石館守三さん四人が見えております。 参考人のかたに御挨拶申上げます。本日は御多用中のところを御出席頂きまして誠に有難うございます。参議院の厚生委員会におきましては、社会保障制度に関する調査の一環といたしまして、結核新薬イソニコチン酸ヒドラジツドの取扱、いや使用について調査中でございましたが、イソニコチン酸ヒドラジツドが結核治療薬として急に製造発売が許可されることになりましたのでありますが、この薬が、結核患者から非常に大きな期待を持たれております関係もあり、その取扱や使用について慎重を期したい趣旨から、大体次のような問題について御意見等を拝承いたしたいと存ずるのであります。その一点といたしまして、結核療養所研究協議会の研究経過、その二点といたしましては、薬事審議会の審議経過、その第三点といたしましては、その他本剤に関する参考事項でございます。それらについて参考人の皆様から御意見を聴取いたしまして、当委員会の指針の材料にいたしたいと、こう思いますので、誠に御多用中恐縮でございますが、御腹蔵ない御意見を承わり、厚生省との又連絡におきまして、将来新薬に対するこれが万全の施策を樹立したい、こう考えておりますので、順次参考人のかたがたから以上三点につきまして、御意見或いはそれに対しまする御研究のほどを御披瀝頂きたいと存ずるのであります。
○藤森眞治君 ちよつと御意見を承わる前に、私小委員長として申上げたいことがあるのです。実は御承知の通り、我々の持つております医療の小委員会と申しまするのは、以前には結核対策の小委員会でありましたのが、発展的の解消をいたしまして、医療一般に関する小委員会というものを設けました。それでこの結核の新薬につきましても、かねてからいろいろ厚生省のほう等との連絡或いはその後の推移等を非常な大きな関心を持つて見て参りました。今月の十日に厚生省の薬務局長に来てもらいまして、そうしてその後のいろいろの事情を承わりましたところが、そのときにはまだ研究中であるために製造、販売等の許可等に至らないと、こういうことを答弁されておつたのであります。ところが十六日のたしか新聞だと思いまするが、日刊新聞に一様に許可ということを発表されましたので、すぐ翌日の十七日に又小委員会を開きまして意見を聞きましたところが、薬事審議会の決定によつて許可することにした。併しこれはデーターの面から許可したのではないので、いろいろの社会事情その他薬品の外国から入つて来る様子、そういう点から急に許可したのだと、こういう答弁で一応答弁としては、薬事審議法の結果だということで了承はいたしましたが、僅か一週間ほどの間になぜそういうふうに急に厚生省が態度を変えなきやならないかということの事情がつまびらかでない点がございますのと、この薬が非常に国民一般から期待されておりまして、聞くところによりますると、結核の手術なんかしなきやならん者も、この薬に期待して手術を延ばしているというようなふうなうわさも承わつております。のみならず各療養所その他におきましても、一日も早くこれを手に入れたいということを非常に念願して、そうして非常な期待を持つておるわけでございますので、我々といたしましては、今これがすぐに使われるということになつて、果してそれでよろしいかということに厚生委員会としまして、非常に慎重を期したいと、こういうわけで、我々小委員会の決議によりまして、委員会に先生方の御意見を承わりたいということを申出でまして、今日の運びに相成りましたわけでございますので、どうぞその点御了承の上で御意見を拝聴したいと存じます。
○委員長(梅津錦一君) それでは参考人のかたの順次御発言を頂きたいと思いますが、順序によりまして、最初に慶大の教授の大森憲太さんからどうぞ……。結核療養所研究協議会の委員のかたでございます。
○参考人(大森憲太君) 結核療養所研究協議会と申しますのは、厚生省のまあ研究費の補助を受けて、その名前の発足は今年からでありますが、昨年度以来ある研究協議会で、委員長を東北大学、前の総長であつた熊谷岱藏先生がやつておられます。その下に五つの分科会がありまして、一つが化学療法科会、それから外科療法科会、細菌研究科会、病理研究科会及び後療法科会、当面の問題がストレプトマイシンにあつたものですから、一昨年等はもつぱらストレプトマイシンの研究をいたしまして、昨年は御承知のような藤森小委員長の御尽力によつてできました結核予防法で結核治療の、これの方針がきまりましたので、このストレプトマイシンとパスとを併用するという治療法を取上げて研究をいたしておりました。そういう事情にあつたわけでありますが、今年の大体二、三月頃であつたと思いますが、アメリカじや結核新薬のイソニコチン酸ヒドラジツドの報道が入つて、新聞等になかなか大きく取扱われておる。厚生省では公衆衛生局と薬務局の連合のお名前でまあ結核方面の研究には、これは薬学方面のかたもありますし、我々医学方面の者もあつたのでありますが、そこでまあこれを厚生省としては急に何とか一つ研究をして目鼻をつけなくてはなるまい。みんなその会合をいたした者も同様の考えで賛成いたしました。それでは、丁度厚生省で大体お世話をしておる結核治療研究協議会というものがあるから、そこへ全面的にまあお任せしようという話になりまして、四月に入りまして、大阪で文部省の科学研究費による結核総合研究委員会というものがありますが、そこの第四日目のその会合で、一日ほど延ばしてそこで協議をいたしました。各科会を総動員して、これはちよつと一つ申上げておきたいというのは、当面の問題が科学療法でありますから、一応試験管内の実験、動物実験に並行して人間の臨床実験をやるという手筈を整えたのであります。その際にまあ製品等も一応検査をして、まだ完全にどういう検査をするということは新薬のことでありますので、或いは不可能かも知れませんが、成るたけ新薬を、例えば衛生試験所というようなところで検査をして、そうしてみんなに配付をする、又試験方法等もお互いに話合つて、統計的な結果が十分信頼できるような方法にやりたいというようなことで協議ができまして、厚生省方面からやはりその新薬のお世話を受けて大体五月二十日前後にほうぼうに配付することができたかと思います。 そういうことでぼつぼつ研究方面をいたしておりましたが、まあ二週間も前になりますか、或る目薬務局長が大学のほうへ訪ねて見えまして、実はアメリカでもこの薬が許可になつて、まあ御承知のように大変世間では期待をしている。又製造が比較的やさしいせいか、相当にまあ薬が患者さんの手にも渡つておるらしい。これらのことから考えると、これをいつまでも研究のほうへ引張つておいたならば、患者さんに対しても迷惑であるばかりでなく、いろいろ闇等に高価なものが或いは患者さんの手に渡るというようなことで迷惑をかけている点もあるかも知れない。何か早く許したいと思いますが、どうだろう。丁度私何か協議会か何かやつていた途中で呼出されて出まして、これは大変どうも或いは研究のプラン、態度からすれば迷惑な話でもあるけれども、一応そういうお話ならば今日は何とも返事は申上げかねる。従つて丁度十一日の午後一時半からその結核治療研究協議会の常任委員会、それは五つの部会の会長及び各学会から一、二名ずつ常任委員というのができて、すべて会議でいろいろきめるという建前になつておりますので、そこへその話を、私の意見とは言いませんが、そのまま一つお出しを願いたい。こういうことでその日十一日の午後一時半に結核予防会二階でその会合が開かれた。その日は委員長ほかその他全員出ておられました。そこへ慶松局長が見えておりましたし、なおこの話は厚生次官とも、公衆衛生局長とも話合つて了解を得ておることであるから、それで公衆衛生局長の御出席を待つておりましたが、何か議会関係でちよつと出られない。結核予防課長がお見えになりましたので、暫く待つてその会合が始まつたわけでございます。それで慶松さんは殆んど同様の御趣旨の御説明がありまして、それで二、三質疑応答され、そのうち自分が主張しましたことをちよつと申上げまして、成るほどそういうことでお許しになりたいということは一応一面うなずけるが、但しその研究をこれで中絶するとかいうことになつては、甚だよくないことだと思う。まだ新薬のことであるし、十分研究の余地はあるに違いないし、又研究方針も立つであろう。それでこれをどうお扱いになるか、少くとも研究費等については厚生省従来のお考えを是非やつてもらいたい。又研究等については、十分我々も初めの計画をやりたい。それからなおいま一つは、お許しになるとすれば、やはりどこか然るべき衛生研究所ということになりましようが、そういう所で純度の高い、規格のとれたものを配布するということは勿論のこと、販売等にもそういうものをお出しになるということ、それからもう一つは、どうしても医者の処方乃至指示によつてやるということについては、殊に新薬等についてはやらないと、或いは不慮のことが起らないとも限らんという意味でそういうことを是非おやりになるなら付けて頂きたい。その他幾多の意見もありましたが、大体の空気はそういうことで、それでは研究は十分続行するということで、一応これらの案と申しますか、我我はそういう行政的におやりになるのをとめるほどのことはないと申しましようか、私ども大体そういう気持でその日はその他の議事を進めておつたという次第であります。大体この協議会の成立ちと今度の新薬が許されるまでの経過は、事務的にはそういうことかと思います。 それでついでにちよつと私の今度の許可についての意見というようなものを申上げることができればお許しを願いたいと思います。これは研究はどうしても続けて行くという方針には変りはありませんし、但し大分世間を騒がせたと申しますか、一体新薬等が出るときには、やや誇大なこともありますので、十分慎重を期すべきであると考えます。併し一方又患者の期待は大きいし、患者の希望をかなえるということも、我々臨床家としては当然必要なことではないか。殊にこれは世論と申しますか、輿論と申しますか、或いは新聞も社説に取上げたところも一つかあつたと思う。又今日の話題というようなところに取上げて、なぜいつまでも研究を抑えるのだというようなことを書かれたところがあると思います。いわば世の期待が激しく、世論が熾烈であつたと私ども考えたのであります。従つて臨床家としては、これはできれば成るたけ早く使いたいという希望は当然医者としては持つたであろうと思います。 それからいま一つは、今度その大阪の学会に七社ばかり製品が出ておりました。殆んど見ましたところ純白な結晶形のものができておる。それから衛生試験所で試験の結果を廻されましたいわゆる純度の一つの標識になると思いますが、結晶の融解点、融点というものがある。それが殆んど一致しておる。例えば百七十度ということに各製品がよく一致しておるということは、一面純度が大体において統一されておると見て差支えないかと思います。そういうことを考え合せて、なお極めて少数ではありますが、日本ですでに短きも一月、長きは八十日に亘る臨床実験も行われた。又試験管内の培養によつてこれが結核菌の発育をどれくらいで阻止するか。又動物実験等によつてどのくらい発病を阻止し、又変化が少くなつておるか等の事実も或る程度わかつておる。殊に治療実験の際にどれたけ効いたかという問題は、大変むずかしい問題でありまして、結核というような非常に複雑な又千変万化……、今日は医科出身のかたがたがおいでになるのにこういうことは説くまでもないことでありますが、大変判断がむずかしい。併し少くとも相当に効く薬であるということと、それから必要なことは、副作用がやはり大変こういう薬を許可する場合に問題になると思うのでありますが、従来の成績では比較的少いので、そういうことを考え合せると、そのいきさつ等はどうもちつともわかりませんが、或る程度これを早く許すということの必要もあるのではないか。但し私はその会合の席でそういうことを申したわけでもないし、そういうことを考えておつたわけでもありませんが、こういうお呼出しを頂いていろいろ考えを整頓してみると、そういうことが私の脳裡にあつたので、その会合等も比較的波瀾なしに或いは通つたのではないか、こう考えるのであります。又いろいろお尋ねがありましたらお答えできると思います。 一応私の意見をも加えて申上げた次第であります。
○委員長(梅津錦一君) 時間の関係がございますので、御要点を成るべくおつしやつて時間の節約をして頂きたいと思います。次に坂口先生にお願いいたします。
○参考人(坂口康藏君) じや、私は薬事審議会の新医薬品部会の部長といたしまして、どういう工合にこれが許すことになつたかといういきさつを簡単に申上げます。その前に従来この新医薬品部会ではどういうふうにしていろいろの新薬品の許可或いは不許可ということをきめているかということの大体を申上げますが、以前には薬事審議会のほうから厚生大臣にその決議を建議するという形になつておつたのでありますが、いつからですか、最近は建議をするのではなくて、厚生大臣のほうから諮問があつた場合にその諮問に答えるということになつております。従つて、この新薬品のことにつきましても、業者のほうから厚生大臣に対して製造発売の許可を願出ました場合に、それをどうしようかということを厚生省のほうから私のほうのこの部会に諮問して来まして、その諮問に答申を出しておつたわけであります。私のほうの委員会といたしましては、厚生省のほうから諮問がなければ、自発的にどうこうという意見は何も申出せないことになつております。従つて今度の新薬につきましても、厚生省のほうの諮問を待つていろいろな相談をするということになつておりまして、あらかじめこの新薬についてどうしたらいいだろうというようなことを相談したり、意見を申出たというようなことはありませんです。 従来の新薬を取扱います場合に、審査の場合にどういうところに重点を置いておるかと申しますと、主にこの委員会というものは、医科方面のもの、医科と申しましても臨床科、それから薬理学のもの、薬学の関係の人、或いはその製剤などにいろいろ関係しておられるようなかたがたと、そういうようなメンバーで構成されておりますのですが、主としてこれは医薬品として使うのでありますからして、先ず毒性がどうであるかというようなこと、それからその薬が純粋かどうかというようなこと、それから又効能というようなことについて当然審議されるのでありますが、これを許可します場合には、その効能書というようなことについてもやかましく検査いたしまして、実験のデーターのないような効能をそこに大部分往々業者が書並べて来ておりますが、そういうようなものは一切許可しない。ただ本当の実験のデーターがあつて、それが確かであるというものの病名だけをそこに書連らねさせるというような態度をしております。従来は業者のほうから出しましたこの新薬を片つ端からここに出しましたのですが、とてもやり切れませんので、幹事がありまして幹事のところで大体その薬は効くか効かないか、又いろいろ材料のデーターなど出して参りましたのが、信用する、だけの値打ちがあるかないかというようなことを大体下相談をしまして、そうしてこの会議にかけるのでありますが、それを内規といたしまして、大学若しくは大きな病院で信用のおけるような病院で以て、その薬につきまして少くとも二ヵ所以上で以て相当の実験例で、そうして相当に効果があるということを認めたその実験成績をつけて申請したものに対してだけ調査をして、そうして私のほうの委員会へ提出して来て、それをいろいろ調べた上で以て可否を決定するということになつておりますのですが、随分たくさんの新薬ができて参りますので、これの可否を決定します場合に、実際我々としては非常に迷う場合が多いのでありますが、毒性が大してない、それからしてその薬は割合に純粋に作り得るとか、その製法やなんかを薬学のほうのかたが検討されまして、そこに無理な点がないかというようなこと、それから副作用というようなことには相当重きを置きまして許可をしておるのであります。 そういうわけでありまするからして、この新薬につきましては、もう外国のほうでも随分たくさんに実験されておりまするし、それからして、又今大森博士からお話があつたように、我が国におきましても相当に各方面で、この薬は日本製の薬について実験されております。それでその成績が学界でも発表されておりまするし、雑誌にも発表されておりまするし、それから我我のところでも数十名に実は使つております。と申しますのは、この薬は四十年前にすでに合成された薬で、ただこの薬が結核に効くということが割合に新らしく発見されただけのことであつて、この薬そのものはちつとも珍らしいものではないのであります。従つてこの製法も非常に簡単なものでありまするからして、向うのアメリカの新聞にこの薬が結核に有効だという話が出ますと、すぐ日本の業者は造つて我我のところへ持つて来ておるのであります。我々のほうでも、私のところだけでなくほうぼうの大学、大きな病院などへ見本品として各業者から提出されておつたので、それを我が国でも相当に使つて、今大森博士からもお話があつたように、ここ二、三ヵ月以上も使われておるのであります。そういうようなことでありまするからして、大体もうこの薬につきましては、委員会にかければ一も二もなく通るというような実は条件を備えておつたのでありますが、併し厚生省のほうの意向といたしまして、今大森教授がお話になりましたように、最初は結核療法研究協議会にお願いして、そうしてその結果を待つて製造発売を許すという態度をとつておられたのでありますから、それに対して我々のほうは、別に我々委員会としては何にも異論はないのであります。ただ、厚生省のほうから諮問してくれれば、それに対して返事をするというだけのことでありまするから、そういうことになつておるというので、我々もそういうふうに了解しておつた。それで行きますというと、どうしても今年の末でなければ我々の委員会にはかかつて来ないというような気持を持つておりました。ところが本月の十一日の昼頃に薬務局長がお見えになりまして、そうして今丁度大森博士から話されたような事情を話されまして、どうもこのままにしておくというといろいろの弊害が起るから、薬事委員会のほうにかけたいと思うけれども、どういうものだろうという相談がありました。それでもうそれは薬事委員会のほうへかければ、私はこれはもう当然内外の資料も十分整つておるのであるから、これは当然に従来の新薬の許可のあれで行けば、これは委員の間に大した問題は起らんと思う、許可になると思う。併しこれは結核療法研究協議会のほうの研究成績を待つて許可するというふうにあなたのほうでおきめになつて、これは厚生省のほうできめられたことなのだから、私の委員会のほうでは、そういう研究の成績があろうとなかろうと、ほかのほうからの十分な資料があるから、これは一も二もなく通過することになるのでありますけれども厚生省のほうで研究協議会の研究の結論を待つてということで、一応世間に発表されておるのだから、少くともその研究協議会のほうとは十分に連絡をとつてやらないというと、一口に言えば、人を馬鹿にしているというような気持をその委員会の連中に起させないとも限らないから、その辺の十分に連絡をとつてそうしてそちらのほうの了解を得た暁には、私のほうの新薬委員会のほうへお出しになれば、これはもう当然に通ることと思います。こういうことでありました。 ところがあとで新薬委員会のほうの開催の通知が参りましたので、それじやそういう手続が済んだのであるというふうに考えておりました。で、十六日の日に午前に新薬の委員会が開かれまして、その席で慶松会長のほうから、今の療法研究協議会のほうの了解も得たというふうなお話もありまして、そしてなぜこれを急がなければならないかというような理由の説明もございまして、そしてこれが上程されたわけでありますが、ここでは特別ないろいろの材料がもう十分に整つておりますものですからして、大した質問もございませんでしたけれども、ただ一つこういう質問はあつたのです。この薬を許可するということは大変に結構なことであるから異議はないが、これを許可するのならば同時にテイビオンが相当に効果があるというようにまあ認められておるのだが、それを同時に許可したらばどうだろうかというふうなお話が委員からちよつと出ました。これは実は昨年の何月でしたか、約一年ぐらい前になりますが、このテイビオンがやはり薬事審議会のほうに新薬の委員会にかけられたことがある。そのときにその委員会では、そのテイビオンは効果もあるが副作用も強い。併しまあ医者が使う分ならば別に心配はない。だから医者だけに使わせるということが若し厚生省のほうで取締りが十分にできるならば、これは許可していいというふうな決議になつたのであります。併しその当時には司令部のほうの意向というものは相当に尊重しなければなりませんので、アメリカのほうでは、このテイビオンに対しては反対の態度をとつておりまするので、若し司令部のほうと了解がついたならば、それを許可するというようなまあ条件附で、テイビオンのほうはもうすでに許可になつておりますので、今はもう司令部のほうはなくなりましたけれども……、その司令部に対する了解を得る一つの手段として、もう日本でもドイツでもたくさんにテイビオンについての研究成績は発表されておるのでありますけれども、なお司令部に対するところの一つの厚生省のほうの対策としまして、結核療法研究協議会のほうに改めてその研究をお願いして、そうしてその研究のチーターを持つて行つて、こういうふうに精密に検査したけれども、その結果はこうこうであるからと言つてその了解を得ようというようなことになつて、その手続をしておりまして、そういうわけでありますので、そちらのほうの結果が大体においてあと一、二ヵ月で以てまとまりそうだというふうなことでありました。それじやまあ僅か一、二ヵ月のことであるのだから、この結核療法研究協議会のほうの成績を待つた上で、そちらのほうにお願いしてもあることであるからして、その結果が出た上で以て適当にこれをとるということにしたらよかろうということで、新薬の委員会のほうでは、若しもこの結核研究協議会のほうで非常に悪い結果でも出た場合はこれは別といたしまして、そうでなかつた場合には、もうすぐ改めて新薬の委員会を開かないでそちらを許可してもいいと、こういうふうなことを再確認したわけであります。 それからそのときに、この新薬は大して毒性もなし、効能も相当にある。まあ新聞に書いてあるほどのことはありませんけれども、相当にあるとは言いながら何しろまだ新らしい薬であるし、殊に結核患者が自分で盛んに使いたがつているというようなこともあつて、これを普通薬として出しますというと、非常な弊害を起す危険がある。従つてそれは是非医者の処方若しくは医者の指示によつて使わなければいけない。と申しますのは、今日までの実験の成績によりまして、やはりこの薬はとうもストレプトマイシンと同じように耐性ができて来る。これは長く使つておりますと効かなくなつて来るという傾向がある。まだこの辺がはつきりいたしませんが、どうもそういう点を考えなければなりません。そうするとうつかり素人がどんどん使つておりますと、効かなくなつたものを効くと思つて使つおりますと、そのために適当な治療の時期を失するということも起つて参りますし、今までのところは副作用は大したことはございませんけれども、又長く使つております間には、どういう副作用が現われて来るか今日のところはまだ未定でありますが、医者が使つておりますそういう場合は、副作用の点から申しましても、これを効くか効かないかということをきめる上にこれはすぐ気が付きますので、そういう危険はありませんけれども、これを普通薬として取扱われたのでは非常に弊害を及ぼす、だからこれは絶対に素人に使わせちやいけない。必ず医者の処方若しくは指示によるべきである、そういう条件付きで新薬の委員会のほうは通過したのであります。 それからその日の午後に今度は常任委員会のほうにこれが上程されまして、私からその経緯を説明いたしました。そのときもやはりテイビオンのことが問題になりました。テイビオンをなぜ許さないのかということでありますので、実は私のほうでは許してあるのだけれども、まあ司令部との関係上今まで延びた。而も今度司令部がなくなつたけれども、先ほど申上げましたように折角結核療法研究協議会にお願いしてあつて、その結果によつて許すか許さないかをきめるのだということをお願いしてあるという厚生省のほうの立場になつておりまするからして、こういうまあ一ヵ月か二ヵ月のことをそう急ぐこともないのだから、まあそちらはそちらでその結果が出た上で以て非常な反対、これはこういう害があるのたから、そういうものを売出してはならんという強い決議が研究協議会のほうから出れば、これは話が別でありますけれども、そういう場合はもう一遍薬事審議会のほうに厚生省のほうからかけて頂く、そうでなかつた場合には改めて新薬の小委員会であるとか、或いは常任委員会というようなところにテイビオンをもう一遍審査にかけるというようなことをしませんで、そうしてすぐにそれの製造発売を許可するというような事務的の手続をとつて頂きたいということでこれも許可ということになつたのであります。 会議の模様は大体そういうのでありますが、ただどうしてそんなに十日には今藤森委員からお話のように、ここではまだ未定であるというようなことを言つて、そうしてその後に急にそういうふうに態度を変えられたかというようなことについては、これはどうもわからないのでありますけれども、この薬を早く売り出せということは、単に患者だけでなくて、医者方面からも相当にそういう声は強いのであります。殊に療養所や何かで金を持つておる者は闇で以て使えるの、だが、貧乏人はこの薬が使えないというようなことで、療養所の所長などが非常に困つておるというような話も私も聞いておりまして、そういうことがだんだんと局長の耳にも入つたりなんかして、恐らく局長としてはこれは何とか処理をしなければならんというようなことを心配されておつたのじやないかと思うのでありますが、その際にたまたまここで以て十日の日にそういういろいろこの薬についての御質問があつたり何かしたというようなことが動機になりまして、それで十一日に私のところにやつて来たというようなことじやないか知らと、私の全くの想像でありますが……、結局それで早急にこう急いで、こういうふうに厚生省の態度が変つたということは私はこの参議院のここでいろいろお話があつたというようなことが動機になつたのじやないかというふうに想像はしているのです。それまではまだそういういろいろな私のほうへの下相談をするとか、或いは大森君への打合せを十分に済まぜるというようなことは、多少頭にあつたかも知れませんが、それほどの手続がしてなかつたために、お役人としては何にも自分の意見を言うことができないので、従来決定されておつたことだけを申上げた、併し皆さんがたの御意見でやはり早くしろというふうにとつたのじやないかと思いますが、いろいろな情勢を考えましてどうしてもこれは早くしなければならんというようなことに決心がついたので、或いは十一日の日に私のところに来たのじやないかというふうに考えております。この薬は当然早く許すべきものであるというふうに私個人としては考えております。それだけのことであります。何か御質問がありましたら又……。
○委員長(梅津錦一君) 次に、日本製薬団体連合会専務理事の竹内さんにお願いいたします。
○参考人(竹内甲子二君) 只今坂口さんからも審議会のことについては詳しい御説明がございましたが、私からは簡単に意見を一つ述べさして頂きたいと思います。 イソニコチン酸ヒドラジツドにつきましては、すでに報道機関が非常に大きく報道しましたので、国内に大きな問題となつて知れ渡つております。又そのものにつきましてもお話がありましたように、結核に対しまする有力な治療薬として効能が確認され、又その副作用等におきましても、比較的少いというようなことも知られております。なお諸外国の例を見ましても、すでにどの国でも殆んどこれを許して、そうして市販をさしておるというような実情でございます。又国内の事情を申上げますると、国内におきましても有力な会社、すでに十数社というような有力な会社が一斉にこれをもうすでに作りまして、そうして今お話のありましたような、結核療法研究審議会に対しましてサンプルを相当量すでに提出いたしておるような次第でございます。従いまして業界におきましても、一日も早くその売出される日を待つておつたというような実情でございます。それからいま一つ諸外国におきましてできましたところのものが、表面はギフトとして飛行機が着くごとに日本に入つているように聞いております。こういうものが闇に流れまして、法外な値段で患者に売られておる。又一面国内におきましても闇でこれを作りまして、無許可でこれ又法外な値段で売つておるというような実例もあるようであります。 このような情勢を見ますると、今日一日も早くこの有力な薬を国民に提供いたしまして、そうしてそのような無謀な値段で患者が買わなくてもよろしいように、いいものを安心して安い値段で買い得る、そうして治療に役立たせるようにするのだということは、私としましては当然のことと存じておるのであります。 ただ先ほど来お聞きの通り、まだ業界としましては作りました見本が研究機関に届きまして間もないような状態でありまするので、恐らくこの研究機関のデーターができ上つた後において審議会によつて審議され、そうして許可になるであろうというような関係から、先ほど坂口先生のおつしやるように、恐らく本年の末頃じやないかという考えでおりましたところ、急に審議会が開かれて許可になるというような状態で、いわゆる業界としては茫然としているような実情でございます。従いましてこれを許可するに当りましては、どうか業界がそのために大きな混乱を起さんような一つ措置を講じてもらいたいというようなこと、それから品質確保のために国家試験をしてもらいたい。それから医師の指導或いは処方箋によるものでなければ売れないというような措置、いま一つ、患者は溺れる者は藁をもつかむような心理状態でおりますので、一つこうした薬を誇大、虚偽等のいかがわしい手段によつて売ろうとするような不心得の者があつてはならんと思うのでありまして、広告の監視というものを厳重にしてもらいたいということを一つ十分に行政庁で監督して頂きまして、そうしてこの結核の治療薬が一日も早く無事に患者の治療に役立つようにして頂きたい、このような意見を持つております。
○参考人(坂口康藏君) 一つちよつと追加して頂きたい。私ちよつと申し残しましたのは、この審議会のほうで言つておりましたことは、この薬は必ず厚生省で以て検定したものをレツテルを貼つて売り出すということになつております。それからしてこの効能書のほうは、或る会社からの申請のではいろいろの結核性の疾患が書いてございましたけれども、まだ我が国において、これはかなり多数実験されているのは、肺結核だけでありますので、今度許す場合には肺結核その他の結核症ということにいたしまして、そうして今度だんだんといろいろの例えば屎尿器結核であるとか、その他のいろいろの相当の実験例が出まして、そうしてそれに確実だと思われるのはだんだんに後からこう附加えて行くということにきめました。そういたしませんというと、そこへずつとこうそのままいろいろな正直に結核の名前を書きませんというと、又開業医たちはその薬を買いまして、やはりつい効能書を見て、そこに書いてある病名がありますとそれには効くもんだろうということでそれを使う。そのために或いは効かない病気に、結核に使うかもわからない。肺結核その他の結核症としておけば何かほかのものに使おうという場合には、誰かに質問して使うだろう。そこへ一々関節結核とか何々結核ということを書きますというと、それに効くものというふうに医者は誤解することがあるから、そこへ病名を挙げる場合にはちやんと多数の実験が済んだものだけを挙げさせるというような注意もいたしました。それだけのことを追加しておきます。
○委員長(梅津錦一君) 次に同じく薬事審議会新薬品部会の慶大教授の石館守三君にお願いいたします。
○参考人(石館守三君) 私から強いて附加えることもたくさんないんですが、ほんのもう私は薬学者として委員になつております立場から簡単なことだけを申上げておきます。 審議会として、先ほど坂口さんから申されました通り、例えば外国で発見された薬であつても、日本において臨床実験した上で発売を許可いたす建前になつておりますので、併しながら薬の性質によりまして今回のごとく諸外国で皆一般にたくさんの臨床を経たものである薬は我々はこれを余り固執しないという建前で、もう一つは、この薬物が、性状が非常にはつきりしておりまして、而も純度が非常にはつきりしており、外国で作つても、日本で作つても、純度においては決して間違いを起すべき性質のものじやないという性質でもあり、且つもう一つ大事な点は、従来の結核療法剤よりも低廉である、極めて低廉である。微量を使えばいいし、一月の使用量も極めて低廉であるというこの二つの利点があるために、成るべく早く社会に出して、厚生福祉のために使うべきものであるという建前から、私どもも是非早くこれを、今までも弊害がないような条件付において、先ほど申上げた意味において発売を許すべきである、こう私ども考えておるわけであります。 簡単にそれだけ申上げて、又御質問がありましたら……。
○委員長(梅津錦一君) 大体参考人のかたのいろいろの御意見なり、経過なり聞きましたが、委員のかた質問等がございましたら……。
○藤森眞治君 大森先生にお伺いしたいのですが、これの使用量につきましても、いろいろ極く少量でいいというようなことを言つておりますが、又相当大量に使わなければならんというようなことも言われておるのでございますが、その辺について何か多少まとまつた御意見でも出ておりますでしようか。
○参考人(大森憲太君) 日本の大体の例は大変慎重にやつておりまして、はじめ体重一キロについて一ミリ、二ミリ、大体日本人の平均体重は五十キロ、或いは五十五、六キロといたしますと、五十六、或いは百二十、それからもう少し殖やして、体重一キロにつき四ミリ、従つて二百ミリになる。そういうのが大体従来の日本で、まあ余りだくさんの例ではありません。併しちよつと私どもこの御質問のお申込みもありましたので、日本でここ暫らくの間に、いわゆる発表された数を大体調べて見ましたら、ちよつと三、四百例でできております。勿論我々が計画いたしましたいわゆる衛生試験所で調べられたという成績は持ち合せがありません。併し相当なやはり結核研究協議会のメンバーたちがやつた仕事でもあるわけでございます。その仕事は大体今申上げたような量が実際は日本では今使われております。併し文献的に、おつしやるように、相当大量を使つておるところがあります。例えばドイツのネオ・テーベンとこれは名をつけておるようでありますが、これは体重一キロについて十乃至十五、そういたしますと五百乃至七百五十になる。その際丁度これは二、三日前に入手した文献でありますが、私第一にやはり副作用のところを引繰り返して見ましたが、やはり大した副作用がないということを書いております。というようなこともこれは一応御承知になつておいて然るべきことではないかと思います。ただネオ・テーベンが日本の全くあれと同じかという御質問を受けますると、これはちよつとわかりかねるのであります。先ほど申しますように、大体製造が比較的簡単であるというせいか、純度等も今度我々が配給して頂ついたのは先ほど申上げましたように溶解点が殆んど一致していますから、相当に高いものだろと思います。
○参考人(坂口康藏君) 今のにちよつと追加をいたしますが、新薬委員会のほうでは、やはり量を何と言いますか、使用書の中に書かなければならんことになつております。その使用書には体重一キロについて一乃至四ミリ・グラムということに書いてございます。というのは、今申上げましたように、一ミリでも効く場合、まあ一ミリぐらいから始めてだんだんと副作用がなければ多くして行くというのでありますけれども、四ミリぐらいまで使いますれば、今までは大体大概日本で使つた実例は、四ミリくらいのところまでがとまりになつております。併し実際は遙かにもつと多く使つてもいいらしいのでありますけれども、これは日本の実験がございませんので、使用書のほうは一乃至四ミリ・グラムということにしてございます。
○藤森眞治君 それについてもう一度お伺いしたいのでございますが、今も坂口先生のおつしやつたように、日本の実験がなくて日本で量をきめられた……。
○参考人(坂口康藏君) いいえ、日本の実験が今の基礎に……。
○藤森眞治君 基礎になつている……。
○参考人(坂口康藏君) ええ、基礎にして、その四というところにとめておいて……。
○藤森眞治君 ああ、そうですが。それではこれは大体日本の実験からやつているのですね。
○参考人(坂口康藏君) 日本の実験を基にしてやつております。
○藤森眞治君 それからこの間薬務局長の話を聞きますと、薬事審議会では、まあ行政的にそれは認めよう。併しこれはデーターの上から認めるのじやない、こういうお話があつたということを薬務局長が言つておりましたのですが、そうしますと、またデーターがないから行政的にやるならそれはいい……。
○参考人(坂口康藏君) そんなことではございません。そんなことはございませんで、一番はじめは大森君のほうの協議会の結果を待つてということであつたのでありますけれども、それを待たずに出すとか何とかいうことは、厚生省のほうで行政上の都合でいつお出しになつてもいい。それは私のほうの審議会は、ただ厚生大臣にこの薬を許したほうが日本のためになるか、或いはいけないかということの返事をするたけでいいのですけれども、それは十分に外国のも、それから日本のも、十分にこちらで自信を持つて諮問に応ずるだけのデーターは持つておる。その結果でやつたのですから、どういうふうに厚生省はお考えになつたか知らないけれども、私のほうは全然学術的の意味で答申しております。
○藤森眞治君 それから大森先生にもう一つお伺いたしたいのですが、結核療法協議会で現在研究されつつある場合に、突然この行政措置で許可してしまつたということになりますと、今後いろいろな新薬が出るということを予想される場合に、折角研究一本でされておるのに、すぽつとこつちをやつてしまうということになりますと、協議会の必要性というものが一応非常に疑われるような気持がいたしますのでございますが、そういう点については何がお考えがございませんでしようか。
○参考人(大森憲太君) ええ、先ほど申しましたように、行政約の処置でおやりになるというので、我々はそれは研究上から甚だ遺憾である。それについてはこの研究態勢を崩さない、又研究費等は十分お世話願うという点は一先ずまあ念を押して申上げて御了解を得たというようなことで、そのときの情勢と申しますか、その場の空気というものがどつちに傾くかということは、多少懸念しておりましたが、案外岡君ともいろいろ議論もいたしましたが、結論的にはこれは一応止むを得んというような態度に落ちついたと思います。丁度いい御質問でありますから、こういうことを一つ。 その後この研究協議会の経過と情勢でございますね。幸いに厚生省も相当額の治療、研究費を、必ずしもそれは多いと申しませんが、もつと欲しいところでありますが、従つてどの療法協議会の各分科会とも、研究の方針、その他まあ方針としては詳しく申上げるといろいろありますが、例えば細菌科会等では十四日の日に、やはり細菌科会の数十人のかたが三、四時間に亘つていろいろの打合わせをした。これはちつとも熱意を失つていないということを申上げて差支えない。大体学者というものは必ずしも……、まあすぐ直接世の中にためになるということも一応考えておりますが、半ば道楽でしてどうしてもやりたいという気が大きにあるものですから、この点は、そのために新薬は行政的にも許されるから、もうみんな懸念したという点はないと思う。これは将来とも又こういう関心を持ち、又有力な委員会等へ厚生省も一つ研究費をもつと出すように御鞭撻願いたいと思いますが、そういうことで、幸いちつとも態勢は崩されておりませんし、熱意はなお持つておりますから……。
○藤森眞治君 今のお話を承わりまして非常に安心はいたしましたのですが、ややもすると行政措置によつて研究が無視されるというようなことがあつては非常に困ると思いますので、まあ幸いにそういうことがなければ、これは非常に結構だと存じておりますが、それにつきまして、今この薬は非常に国民が期待しておりますので、恐らく如何に取締つても相当大量が、医者の指示によるだけじやなくて、患者に服まれるのじやないかということを我々は恐れておるのですが、そういう場合に抵抗性のできることかどうかということが非常に心配になつておる。幸い結核の死亡率が減つて来たいい傾向にはなつておりますが、若し期待が大きいだけに、大量に使われて逆に抵抗性が強くなつたというようなことになると、これも非常に考えなければならん。それで抵抗性というような点については、何かデーターが出ているのでございましようか。
○参考人(大森憲太君) お答えいたします。坂口さんから何かお話がありましたので、試験管内ならば抵抗性は一応出ているかと思います。但し実際の場合は今申しました最高……報告に出ているのは八十日くらいでありますが、その場合、人体から分離して抵抗性という点は、今私は存じておりません。
○参考人(坂口康藏君) 抵抗性の問題は、試験管内では非常に早く出るらしい。これは日本でも各国でも両方あります。人体についてはまだ余りやられておりませんけれども、初めの報告では、余り抵抗性はできんというような報告がございますけれども、私のところでやつたのでは、やはりできるらしうございます。そういう実例がございますので、それで私は、これはやはり医者の指示ということでやらなくてはいけないということを強く自分でも考えている。これは一体新薬は当然すべきであると思いますけれども、抵抗性ができると申しましても、皆違うのでございます。例えばストレプトマイシンを使つておりますと、ストレプトマイシンが効かなくなりますけれども、それの抵抗性のできたものに対しては、やはり今度のパスとかテイビオンとかいうものは効くのでございます。今までの結核の薬と申しますと、ストレプトマイシンとパスとテイビオンと、これは多少効く薬だということになつておりますが、これはみんなどれもこれも……パスの抵抗性のできかたは少いのでございますけれども、やはり多少抵抗性はできてございます。そういう抵抗性を得た菌は、今度の薬ではよく効くのでございます。抵抗性のない菌をやるのでございますから、そういうものをやはり医者が使い分けをして行かなければならないのじやないかと思います。
○藤森眞治君 そこで我々考えさせられますのは、最近七月の末乃至八月にはテイビオンも許可しようということを言つておるのですが、そうなりました場合に、マイシン、パス、テイビオン、これと、この四つの有力な薬が出て来る。これをどういうふうに組み合せてどういうふうにやつて行くかということは非常に重大な問題じやないかと考えますので、もう少しそういうところの研究ができてから許可したほうがよかつたのじやないかというような気もいたしますのですが、勿論国民は非常に期待しておることは事実でございますので、その辺がどういうわけでそう早く急がれたか、殊に私ども憂えておりますのは、大体八月頃になれば結核協議会の中間報告とでもいいますか、或る程度の成績が出るだろうというふうなことも聞いておりましたので、それまでも待てなかつたということにも何だか解けにくいような妙な凝りがあるのでございます。
○参考人(坂口康藏君) 今のにお答えいたしますが、これは大森君のやつておられます協議会は、以前は一番初めストレプトマイシンについて始めた。ストレプトマイシンはもう使い方が大体わかつておりますようなものでありますが、アメリカのほうでも委員会ができまして、相当何回も会合をやつてその報告書などを出しております。そういうふうに、ストレプトマイシンみたいなものでも、まだ今日においていろいろ研究して使用法を研究して行かなければならないかと思います。大森君のほうでやつておられますこの研究協議会のほうでは、ストレプトマイシン、パス、ナイビオン、そういうふう九もの、それから今度の新薬というようなもの、みんな一括して研究されておるので、新薬の委員会などで以て許可するとか許可しないとかいうような問題とは別個に、もうすでに許可されてしまつたパス、テイビオン、マイシン、そういうようなものについても使用法をどういうふうにするのが一番適当であるかというようなことが熱心に研究されておるのであります。あの研究会はもともとがそういう意味であつて、あの研究会の成績によつて薬を許可するとか許可しないとかいうのは、そういう実は建前になつておりませんので、薬を許可する許可しないということは、我々は許可されたものであつても、この結核に関しては使い方をどうするかということを続けて研究してもらうというのが重要な役目になつておりますので、慶松君が私のところにこれを許可しようということを相談に参りましたときにも、あの研究会の許可を得なければならないと言つたときに話しましたけれども、あの研究会は研究自体大事な役目を持つているのだから、どこまでも研究を続けてもらうつもりである、こういうふうなことを言つておりましたので、今度の許可されたために、あの研究会の仕事が幾らか弱体化されるというようなことは、これは毛頭ないと思いますし、又あるべきはずでもないと思います。それからして今の御意見のように、いろいろの仕組とか、いろいろなことがきまつちやつてから、それから許可したらどうかということになりますが、これは下熱剤にしましてもアスピリンもありキニーネもありピラミドンもあり、いろいろの下熱剤がありますが、それはその場合によつて違う途がありますので、熱を下げるという点においては同じでありますけれども、これは人々によつて効き方も違いましようし、そこのところをいささかいろいろ手加減をしてやつて行くわけであります。そうしてなお性質もありますので、この薬は是非医者の処方或いは指示によらなければいけないということを強く新薬品委員会のほう、或いは薬事審議会のほうで申上げたのはそういう意味でありまして、そうしませんというと、やはり素人ですというと、これは下熱剤だというとアスピリンならアスピリンをずつと飲んでいる。ほかにもつとキニーネとかピラミドンとかいうものがあつても、そういうものの使い方を知らないものですから、一本槍で行く。そこに危険が起るので、それを医者に使わせれはいい、そこのところをどういうふうに組合わせるかということは、これは使つてみて、例えばアスピリンの効かない人、或いはアスピリンの副作用のある人はピラミドンかキニーネを使うというように、それと同じように、この結核の薬の場合も、医者が使つてみて効かないと思つたらば別の薬にする。副作用があれば更に別の薬を使うというふうにやつて行かなければならないかと存じまして、そこのところがすつかり細かくきまつてしまつてるということになりますと、これはアスピリン、ピラドンのようにわかりきつたのでさえもなかなかそういう場合にはああやるということを紙で書現すことも困難だと思いますので、殊に今の結核のような薬になりますと、一年や二年じやどうせなかなかまとまりはしませんと思いますので、それまでの間、薬を売らないということになりますと、いろいろな弊害も起つて参ります。これはとつちかと申しますと、むしろ厚生省が今度のように早く態度をとつた、或いは世間から見れば態度を豹変したというふうに見えるかもわかりませんが、これは私は厚生省としちやこんなふうに自分の言つたことをばあつと引つくり返して、辛かつたと思いますが、それを押切つてやつたということは厚生省の英断だと考えておりますので、すべてのことをこれはいいと思つたら、こういうふうにやつてくれれば私は結構だと考えておるわけであります。
○藤森眞治君 坂口先生のようなお考えは非常によろしいのですが、研究は研究でやり、そうしておいて必要なものはどんどん許可する。これは私どももその方針は大賛成なんですが、併しややもすると、研究に名をかつて、売りたくないものは抑える。都合のいいものは行政措置でやつて、研究の方面は無視する。こういうことがあつてはならないということで、今度のことにつきましても、そういう点を実は案じましたものですから御意見を伺つているわけなのです。 それから竹内さんにお伺いしたいのですが、アメリカ方面からこれがギフトとして相当送られているというお話でございますけれども、どのくらいの量がギフトとして送られているのでございましようか。
○参考人(竹内甲子二君) 私の伺つているところによりますと、飛行機で輸送されるものは一本とか、二本とか僅かなものらしいのです。僅かなものですから、結局それが闇に流れて非常に高くなる。それは売るべきでないのでございましようけれども、そう私どもは聞いておるのでございますが、その実際問題は当局者ではありませんから存じておりません。
○藤森眞治君 それは厚生省のほうでは、ギフトとして送られるということは、一つの今度許可した理由のように言つておりますけれども、常識的に考えましても、ギフトとして送られる量というものは、これは知れたものだと思うのです。そこで内地の生産量は一体現在どのくらいあるかということが、一つの問題になつて来るのですが、この間の話を聞きましたところが、まだ大量生産のところには全然行つていない。場合によれば実験室の製造範囲、それをやや上廻つたくらいの程度だというふうに聞いておるのですが、そこで今の大きな要求がある場合に、内地の生産量としてすぐ間に合いましようか。
○参考人(竹内甲子二君) 大体現在内地で作つておりますというのは、結核療法研究協議会というようなものに研究材料としての意味合いから作られておるものと存じております。でございますから現在あるものは、大量はできていないのじやないか、このように思つております。思つておりますが、そんなわけで、業界としてはやはり許可になりますれば全力を挙げて国民の期待に背かないように生産のピツチを上げると存じております。よく私ども存じませんが、この物は比較的製造ということが楽のようなこともございますので、相当国民の期待に副うように生産が上昇するのじやないかと存じておりまするが、一面アメリカ等におきましては、すでに売出されておるものもございますので、輸入のような措置が講じられるのじやないかと思いますが、でございますから最初は国内で生産されたものと、それから輸入されたものというものが売出されると、このように存じております。
○藤森眞治君 もう現に許可されまして、製造販売やつているところがあるのでございますか。
○参考人(竹内甲子二君) まだ許可になつてませんので、販売許可を受けておりませんので、売出してはおりません。おりませんけれども、最近輸入の為替割当をしたというようなことを伺つておりますし、聞くところによりますと、来月の半ば頃にはそうした品物が入つて来るのじやないかということでございます。
○藤森眞治君 私は事実見てないのですが、もうすでに新聞広告か何かに、何日から発売するというようなことが出ておるという噂を聞いておるのですが、そういうことはお聞きになりませんか。
○参考人(竹内甲子二君) 実は一、二の会社が待機中であるというようなことで、日刊新聞紙が広告していることは事実でございます。
○井上なつゑ君 ちよつとお伺いいたしますが、大森先生に伺いますが、五月二十日に実験用でほうぼうに送つて人にも使つたというようなお話でございますが、この薬はどんなような結核の程度に効くのでございますか。私どもはほうぼうから手紙をもらうのでありますが、ここにも一つ患者が書いて参りまして、お医者さんは新薬を奨められるけれども、入手の方法がない。入院患者で厚生省のほうから実験用に出した新薬を個人でもらつておる。そうして、これを服んでいるのですが、良転にびつくりしているというふうによく効いておる。でその人も自分も早く服んで成形手術をしようと思いますと、こんなことを言つて参りましたのですが、この薬の効く病気の時期でございますが、どの程度の病人が服めばよく効くのか、実験の結果をおわかりでしたらお聞かせ願います。
○参考人(大森憲太君) 衛生試験所でやりました品物は五月二十日前後にやつと研究所内から発送されたもので、それはどうなりましようか。まだ二十日ぐらいになりませんから、そのほうの成績はまだ出ておりませんが、併し日本で従来やりました二、三百の例のうち、こういう事情があるのです。従来ストレプトマイシン、パスといういいお薬がありますので、これがそういう病気に使うということをきめておりますから、そういうのに効かないものに一応使つてみようじやないかというのが、こちらの療法協議会の建前にしているのです。なお文献などで申しますときに、勿論初期の結核、結核性の脳膜炎、それから現在は大体肺結核を主にして、その他の結核の研究がないものですが、相当重症の人にも効いたのであります。又効かないのもあります。我々の研究協議会は重症者を対象にして、従来余り取扱わなかつたのをやつてみたい。併しこれも必ずしも重症ばかりでなく、もう少し研究が進みましたら拡げて参りたいと思つております。
○井上なつゑ君 それではもう一つ伺いたいのですが、先ほど竹内さんでございましたか、石館さんでございましたか安いということでありましたが、もう一つの頂いた手紙によると、先ほどどなたかがおつしやつたように、結核患者は藁をもつかみたい気持で、ちよつと薬の広告が出るとそれが買いたい。十日分で三万円もした或いは一週間分で五万円もする薬を買つた人もあると言つて、併し高いから何とか入手方法がないのかということでありますが、一体これが内地で製造されて売出されますと、安いとおつしやつておりますが、健康保険の只今の薬価並に行くのでございますか。
○参考人(石館守三君) 私は原価計算は専門じやありませんが、大体伺つておるところで、原料費一グラムについて二、三十円、それに工料を入れましても大体生産費はグラム百円ぐらいと私らは見ております。それがお医者さんの手に入ると実際処方なんかの値段が入りますから、私らは高くても一月分として千円以下と見ています。毎日〇・ニグラムを常用として考えて、一月六ダラムですから、そう考えますと、患者の服まれる一月の薬価は千円内で抑えられるのではないか。従つて当然社会保険制度の中にも容易に入り得る。ただ先ほどの小委員長の御質問でありますが、外国から入つて来るギフトは大した量ではないと思いますが、これは容易に作れるそうでありますから……。併し正式に許可を受けていないで闇で売る、これがあるように我々思います。それが非常に困る。責任のないものが出て来ますから……。
○藤森眞治君 私の恐れているのはそれなのであります。例のヒロポン、覚醒剤の法律を作つてまで取締つても、なかなか密造が絶えない。殊にこういう内地生産量が比較的少いと予想がされる。薬が比較的簡単にできるというと、闇の薬ができやしないか、それが非常に悪影響を及ぼすようなことがないかということを非常に私どもは心配しておるのでございますけれども、そういうふうな密造というと語弊があるかも知れないが、そういうふうな傾向がございますか。
○参考人(石館守三君) それは非常に簡単にできるもので、又量が少くていいんですから、今言つたようにこれは全国で作つても勿論数トンという必要はないと思いますから、薬品としては非常に量が少いでしよう。ですから二十社が作つたとすれは数キロずつ作れば間に合うのではないかということになります。量が少いんですから。
○藤森眞治君 これは非常な問題でございまして、国家検定を受けたものは、これは一応私たちは絶対信用するという建前をとりますけれども、そういうふうなものが流れた場合には医師の指示なくて服む患者ができるかも知れないということが一番恐ろしい。
○参考人(石館守三君) それは厳重にやつております。
○藤森眞治君 そのために先ほど竹内さんのお尋ねしたように、内地生産量が、相当賄えるかということに非常に大きな問題がありますね。
○参考人(竹内甲子二君) 私ども実際業界における者としまして、そういう問題につきましては、これはもう国家検定いたしまして、そうして検査済の証というシールが貼られているものでなければ使つちやしけないのだという、いわゆる弘報活動を活発にするということ、それから今日全国にありまするところの薬品監視員というものが、こうした点に十分に一つ活動するというようなことによりましてこれを取締り監視して行くということ以外にちよつとこの方法はないと思いますが、又それによつて防ぎ得るものではないか、このように考えております。
○藤森眞治君 もう一つこれは大森先生、坂口先生にお伺いしたいのですが、これがいよいよ発売ということになりますと、先生のほうで生活保護法と患者とか、或いは健康保険の患者をたくさんお取扱いになつておると思いますが、これが一斉に使うてくれということを非常に要望すると思うのです。ところが又その薬については健康保険その他の取扱いは全然きまつておらないと思つておりますし、そうすると患者が要求する、それがまだ保険法できまつてないだろうということでやらないということになる。そこに又一つの摩擦のようなことが起りやしないかということも私ども心配しておりますが、そういう点について何かお気付の点がございますか。
○参考人(竹内甲子二君) 一つ私のほうに関係ございますので、ちよつと申上げておきますが、健康保険で使いまする薬はこれが保健医がどんな薬でも使い得る建前別になつておりまするが、併しながら支払基金がその薬品の金を払いまするのには、価格というものがまちまちじや困るというので、厚生大臣の定める薬価基準というのがあります。厚生大臣が薬価基準に載せまして、そうしてその基準によりまして各府県知事がやはり基準を作りまして、そうしてその基準によつて保険医が払つておるわけであります。でございまするからして、結論から申しまするとこの厚生大臣の定めまする薬価基準の中に、一つ今度できまするものの薬価というものを作つて頂きませんと、実際的に保険医が使えないということになります。でございまするからして一つこちらの委員会等におきましては厚生省の保険局長のほうに速かに一つ発売が許可になると同時に基準を作るようにというような、一つ御忠告頂ければ、早くこれが載りますれば全国の保険医が安心してこれを使えるということになる、こういうことでございます。
○藤森眞治君 そこなんです。私どもが申しましたのは、僅か一週間の間に豹変するというような、もう少し準備をしてやる、健康保険ならばそういう薬価基準に入れて、そうして中央診療協議会等にすでにもうちやんとかけて、一定の方針ができたときにずばつとやつてやれば、これはすべての人がこの恩恵を受ける。ところがこれを又審議会にかけたり、薬価基準に入れたりしますと一ケ月かかるか、或いは二ヶ月かかるかしておりますると、その間に大きな不平が起る。これは非常に見逃せないことになることだ、このように考えます。
○参考人(竹内甲子二君) これは何とか御骨折で成るべく早くやつて頂ければ結構だと思います。
○藤森眞治君 こういう点を審議会のほうのただ薬を売るというのでなくて、行政措置によつていろいろなことの出て来ることも多少つ御考慮願つて、審議会等も御答申下されば非常に結構じやないかという気がいたします。
○参考人(坂口康藏君) ちよつとそのことは審議会でも出ましてね。何とかそれを適当に早くそういうようにするようにしてもらいたいという意見は出まして、併し条件ということは審議会のちよつと権限外になりますので、条件というわけに参りませんけれども、希望はそのときに述べております。これは併しお話の通りに、相当に大きな問題と思いますから、まだこれがいつ頃から発売されるかということはまだわかりませんけれども、慶松君の話では八月の末くらいになるのじやないかと言つておりました。できますればそれまでの間に何とか保険局のはうで急いでくれますと、今の御心配のようなことば起らずにスムースに行くんじやないか。お話の場合には私どもが一番困る立場になるだろうと思います。
○参考人(竹内甲子二君) その問題は私附加えておきますが、今坂口さんからおつしやいますように、意見が出ましたときに、厚生省の公衆衛生局長が委員会のその席にいて聞いておられるはずだと思いますが、恐らく公衆衛生局は準備しておられると思います。そこらもお考えになつて一つお願いいたします。
○藤森眞治君 大森先生に伺いたいのですが、立入つたことを伺うんですが、この結核療法協議会の研究費でございますね。これは一体どのくらいの予算がございますんですか。
○参考人(大森憲太君) これは二つ建になつておりまして、ヒドラジツド関係費が百四十五万でございましたかね。委員数が六十九人。
○藤森眞治君 そうしますと委員の方一人に対して二万円……。
○参考人(大森憲太君) そんなものですかな。今一ついわゆる結核綜合研究、結核綜合療法研究、その建前の金が両方合わして三百四十五万円と思いました。
○藤森眞治君 この研究費の費用の少いということがこの研究成績のデーターなんか出るのが遅れるということになるのじやございませんか。
○参考人(大森憲太君) それはありましよう。大いに多々益々弁ずるで、一つこのあたりでいろいろ一つ促進をして頂きたいと思いますが、向うといいますか、厚生省内部の何を聞いて見ますと、なかなか一生懸命やつたようでございます。但し今言つた支給品が一応参つておりますので、その程度のここ半年くらいは、これはまあここでこういうことを申上げまして甚はだ何ですが、支給品については何も要らないわけでございます。患者さんも大体非常な希望をされておりますから、これは入院された患者さんでいたしますから、臨床方面の研究の基礎のほうに主に重点を置きまして金を廻して臨床ではまあ大学あたりは一応普通の治療入院費でというようなことで、基礎のほうの研究に重点的に金を廻すような考えではおりますが、まだ実際上は廻しておりません。これだけは是非一つ又促進の手段を講じて頂きたいと思います。
○委員長(梅津錦一君) 御質疑も尽きたようですから、この程度で本日は散会したいと思います。御苦労様でございました。参考人の方にはいろいろ貴重な御証言を頂きましてこの席上から厚くお礼を申上げます。 散会いたします。 午後零時三十九分散会