厚生委員会 第26号
- 発言数
- 129 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/06/18
会議録
○委員長(梅津錦一君) これより厚生委員会を開きます。 未復員者給与法等の一部を改正する法律案を議題といたします。提案者の提案理由の御説明を願いたいと思います。
○大谷瑩潤君 只今議題となりました未復員者給与法等の一部を改正する法律案の提案理由の説明を申上げます。 未復員者給与法は、もとの陸海軍に属している者が復員するまでの間、本人に俸給及び扶養手当を支給し、復員後においては帰郷旅費の支給及び療養の給付等を行うことを規定したものでございますが、従来戦争犯罪人又は戦争犯罪人容疑者として逮捕、抑留、処刑された者には、俸給、扶養手当及び帰郷旅費は支給されないことになつておりました。 本年四月二十八日に日本国との平和条約の効力発生に伴いまして、連合国軍最高司令官の権限が消滅いたしましたので、今後は新らたな戦犯の発生は考えられず、且つ、条約発効後においては、戦争犯罪人でありました者の取扱につきまして、他の法令、例えば恩給法におきましても、その権利の復活を認める方向に進んでおりますので、この際、未復員者の給与に関しましても、戦争犯罪人に対する特別扱を改めることといたしたいと存ずるのであります。 改正案の第一条の改正規定は、未復員者給与法中の戦犯関係条項を削除しまして、戦犯を理由とした差別扱をしないことといたしたのであります。併しながら、戦争犯罪人の中には、もとの陸海軍に属していない者があり、又内地において拘禁中の者がありますため、未復員者給与法の改正だけでは、すべてが救済されませんので、これらの者を特別未帰還者の中に包含させて、特別未帰還者給与法の適用を受けることができるようにいたしました。改正案の第二条は、このことを規定したのでございます。特別未帰還者給与法は、未復員者給与法をそのまま準用いたしておりますので、この二つの法律の改正によつて、戦犯者の以前における所属が旧軍関係であると否とを問わず、同一の取扱を受けることになるのでございます。 現在、拘禁中の内外地の戦争犯罪人は、その数合せて千二百四十一名でございます。これらの者に対しましては、その釈放に関する民間運動も展開されつつあり、又国会におきましても、さきに、戦犯所在者の釈放等に関する決議をいたしております。その世論にこたえる意味においてこの改正案を提出いたした次第でございます。 何とぞ御審議の上御賛同賜わりますようお願い申上げます。
○委員長(梅津錦一君) 以上で提案理由の御説明は終りましたが、質疑に入りましようか、如何いたしましようか、お諮りいたします……別に御発言もなければ、質疑に入りたいと思います。順次御質疑をお願いいたします。 私から援護庁長官にちよつとお尋ねしたいのですが、今回の法律改正によつて特別未帰還者に該当する人数がどのくらいおりますか。
○政府委員(木村忠二郎君) 今拘禁されております者の総数が千二百四十一名でございまして、これらが全部それに該当するということになろうかと思います。
○委員長(梅津錦一君) なお、その総予算がどのくらいになりましようか、およそ大体のところでいいです。
○政府委員(木村忠二郎君) 只今これに対しまする予算がどのくらいかかるかということにつきましては、只今数字を持つておりませんので、お答えいたしかねます。
○井上なつゑ君 ちよつと長官にお伺いいたしますが、今回未復員者給与法を改正されまして、戦争犯罪人の留守家族の援護が行われましようが、これと少し関係のございます未復員者給与法で只今療養いたしております患者でございますが、実はいつも患者のことで問題になつております六千余人の特別の取扱を受けております人たも、こういうように戦争犯罪者の人たもの留守宅援護ができますと、恐らくあの人たちも留守宅援護、あの人たちの生活面を見てくれという声が出るにきまつておりますが、それについて何かお考えがございましようか。承わつておきたいと思います。
○政府委員(田辺繁雄君) 今お尋ねの件は、これは未復員者じやございませんので、すでに復員したかたでございます。復員したかたが未復員期間中に受けた疾病等のための療養を要するときに国がその全額を負担する、こういう規定でございますので、未復員者の家族の援護とは又別問題でございます。
○藤森眞治君 甚だわかつたようなことをお尋ねするのですけれども、よく復員、未復員ということがいろんなケースにおいて非常に解釈のしにくいむずかしい場合があるのですが、これにつきまして、その復員、未復員ということを、どこでどういうふうに判定するのか、一つ明確に御説明願いたい。(「その通り」と呼ぶ者あり)
○政府委員(田辺繁雄君) 復員という言葉の本来の意味は、除隊乃至は召集解除ということでございます。で終戦後における取扱といたしましては、関係方面からの指示等もございまして、帰国後成るべく速かに復員をさせるということになつておりまして、おおむね上陸いたした港において復員といたしておつたのであります。そのときに復員の手続を全部完了して、一般の市民として他の引揚者と同様にそれぞれ自分の郷里へ帰つた。ただ昭和二十四年の夏、ソ連からの引揚者が特殊の状態で帰つて参りました関係上、これを一定の統制ある行動の下に、それぞれ郷里へ帰す必要から、これも連合国軍最高司令官の指令によりまして、復員の時期を変則的に変えまして、郷里に到達するまで未復員という状態に置いて、従つて依然として国家の統制の中にある身分であるということにして、これを指揮官を付けまして郷里へ帰したのであります。従いまして、その時期以後における復員につきましては、そういう取扱をいたしておりますが、それまでは全部港において復員の手続をして帰しているような次第でございます。
○藤森眞治君 そうしますると、外地におつて、外地で召集解除になりました者は、もうそこで復員ということになるのでございますか。
○政府委員(田辺繁雄君) そうでございます。
○藤森眞治君 そのときに召集解除ということの手続とか、或いは命令、命令と言いますか何か、言葉はよく知りませんが、そういうことが一般の兵隊によく徹底しておりましようか、どうでしようか。ただいわゆる敗戦ということで内地に帰るんだというようなことで、どさくさまぎれに要領を得ないで帰つている者が相当あるのじやないか。
○政府委員(田辺繁雄君) 現地において召集解除をいたした者は、現地復員と申しておりますが、これはみずから逃亡した者、これを主として現地復員といたしております。
○委員長(梅津錦一君) それに関連してお尋ねしたいのだが、ソ連からの引揚者が、スクラムを組んで郷里に帰ることを拒んだというところから、市町村の吏員ですね、雇われて結局村まで届けた。それまでは復員と認められないと、これは法律でそういうのは出ておりますか、出ておりませんか。そういう法律で出ておりますか、おりませんか。
○政府委員(田辺繁雄君) 昭和二十四年の夏にポツダム政令ができまして、そのポツダム政令の中に、この訓令において未復員とは、特に郷里に帰るまでの間を未復員であるということが書いてございます。
○委員長(梅津錦一君) もう一点、そのポツダム政令の解除になつた時期はいつですか。
○政府委員(田辺繁雄君) ポツダム政令は廃止になつておりますが、その時期はいつでしたか、はつきり今記憶しておりませんが、つい最近でございます。
○委員長(梅津錦一君) もう一点、そうすると、その以後に帰つて来た者は、全部村に帰るまでは復員と認めないわけですね。
○政府委員(田辺繁雄君) そうでございます。原則に立ち戻りまして、復員の手続をいたしております。
○委員長(梅津錦一君) そうすると、非常にそこにそのあいまいな点が出て来るわけですね。これが問題になつているのですが、現地から本土に上陸するとたんに未復員が復員したと、解除になつたということで、その途中における、自分の村へ帰る途中において事故を受けた者は、もうどんな集団的な災害に会つても、それはうも復員後であるから、何らの処置もとらないというのが建前でしよう、ところがたまたまソ連から引揚げた人たちがですね、共産党のアジトか何かに入つてしまうということをとめるために、特にそういうようなポ政令が出ている。而もそれが、講和発効の日までその政令が生きていたということになれば、これは一方的に政令によつてやられておつたのだからですね、法律上の解釈から言えばその政令ということで、そうでない、もうすでにそういうような、共産党がああいうような運動を起さないものも、その後においてもそれが生きているということなんですね、要するに共産党の何と言うのですか、まあ団体ですか、そこへ飛び込むために、それを防止する対策としてあつたのだ、そういうようなことがその後なくなつたのに、まだそれが生きているということは、恐らくおかしな話だと思う。そういうことで共産党のところへ行かない。行かない者を、そういうものがなくなつてからも帰郷をする途中事故を起した者は適用を受けるわけですね。旧法の適用を受けるわけですね。引率はなくてもですね。
○政府委員(田辺繁雄君) ポツダム政令の適用を受ける場合におきましては、特に列車を指定したり、或いは一定の指定をいたすわけであります。それの以外のものは、その政令の適用を受けないわけであります。従いまして、集団的な引揚の場合には引揚援護庁所管の部局から指揮官を出しまして、そうして指揮官の命令の下にそれぞれの郷里に返すという体制をとつておるのであります。従つて国の責任において返すという体制をとつておるのであります。それ以外の個別的な引揚者のかたには適用を受けない、さようにしたわけであります。そういうかたがたはそれぞれの原則通り上陸地において所定の手続を済ましたわけであります。
○委員長(梅津錦一君) そうすると非常に工合のよい解釈をしてやつたわけですね、早く言えば。指揮命令系統によつて復員した者は家へ帰るまでは未復員者、そういう命令がなくて任意に帰る者はそれは認めんという行政上の解釈ですね。
○政府委員(田辺繁雄君) ちよつと速記を。
○委員長(梅津錦一君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて。
○山下義信君 この際外務政務次官に私は伺いたいと思いますが、今回未復員者給与法等の一部を改正する法律案を我々提案をいたしまして、日本国との平和条約第十一条に掲げる裁判により拘禁されている者を特別未復員者給与法の対象の中に加えて未復員者給与法を準用いたしまして、いわゆる戦犯をして今日なお受刑中でありまする、拘禁中でありまするそれらの人たちの家族に対しまする援護の手を差延べようとする本案を只今審議をいたしておるわけでございます。つきましては、これらの戦犯に対しましては、すでに御承知のごとく、国会におきましてはそれらの釈放に関しまする政府の努力をお願いする決議案も出しておるわけでございまして、それぞれ政府におきましては、関係諸国と適切なる御対策を御考究中であるとは存ずるのでありますが、併しながら我々は国民感情といたしまして、講和条約成立の今日、なおこれらの人たちが戦犯という名の下に拘禁されておることに対しまする国民の同情と申しますか、道義の上からいたしまして、何としても忍びがたいというそれらの声に応えまして、本案の提案と相成つたのでございます。併しながらその中には、言うまでもなくA級の戦犯というのもあるのでありまして、これらA級の戦犯等に対しまして、我が国といたしまして、これらの援護の手を差延べるというような事柄が諸外国に如何なる印象を与えますかということにつきましても、若干の考慮を加えざるを得ないのであります。我々もその点につきまして相当考慮いたして、大体において意外なる悪影響を来たし、或いは思わざる誤解を招くというがごときことはないと考えたのでございまするが、併しながらなお入念をいたしたいと存じまするけれども、この際外務省といたしまして、これらの戦犯者の人に対していわゆる本法を適用する、給与を支給し、その家族に対するところの援護の諸給与を支給いたしまするということが、果して対外的に悪影響を来たすことありとお考えになりまするか。或いはこれらの真意を諸外国が諒察いたしますれば、そういう点に対しましては何らの懸念がないというお見通しがありましようかどうか。その辺に対しまする外務当局の所見を承わつておきたいと思うのでございます。
○政府委員(石原幹市郎君) 今回厚生委員会でいろいろ御研究されておりまする未復員者給与法の改正の動機といいまするか、重点が、こういう人々の家族、留守家族の援護、こういうところへ重点を置かれて発展されたものと思います。それで法の適用に当りましては、先ほど言われました拘禁されておる本人等にもいろいろ恩典が及ぶことになるのではありますけれども、この立案されました真の趣旨等が十分理解されまして、報道機関その他でこういう問題が誇大に宣伝されたり、或いは曲げて伝えられるというようなことがなければ、私は別段支障はないのではないかと、かように考えております。
○山下義信君 承わりまして大変安心をいたしました。なおこの際外務当局にお願いしておきますることは、若し本案が国会において成立いたしました暁におきましては、適当な機会におかれまして、我々の真意を誤解されないように、然るべくそういう機会がございましたならば、御善処方をお願いしておきたいと存じます。質疑は終りました。
○委員長(梅津錦一君) よろしうございますか。
○井上なつゑ君 先ほどの問題、今一回念を押しておきたいのですけれども、未復員者中に病気になつた人で只今国立病院に入院しております六千名余りを特別に取計らう、あの人たちの問題ですが、先ほどの傷病者遺家族援護法の中にも入らなかつたそうで、六千余者が取残されておるという状態です。今回法律の上ではこれは勿論未復員者であります。現在巣鴨に入つておる人なんかは内地に帰つて来たが、こういう人たちの留守家族は援護されておる、且つ六千余者の者は国の費用で療養が続けられるそうでございますけれども、家族たちの生活の保護がちよつともないわけでございます。そういうわけでございますから、勢いあの人たちの問題が起つて来るわけであります。この次の臨時の国会に遺家族援護法が大幅に修正されて、あの六千余者の人たちが入れば結構ですけれども、入らない場合には非常に大きな問題を起すのじやないかと思います。あの人たちの意見を聞いてみますと、遺家族援護法の更生医療の中に取入れられたらということであります。この前の法律案の審議のときに更生医療の中に入らないのかと申しましたところが、あの人たちは更生医療に入れることができないというようなことでございましたけれども、これはこうした遺家族は援護されるけれども、復員生活の面はちつとも保障がないと、こういうことですが、家庭の人や、いろいろな問題を起したりするということがあるのでありますが、復員者だからどう、未復員者だからどう、こういう見解ではなくて、当局のほうはそれらの人たちのために本当に考えていらつしやるかどうかということをもう一回念のために承わつておきたいと思います。
○政府委員(木村忠二郎君) この法案は私のほうといたしまして一応意見を申しますれば、ここに出ておりまする法案が留守家族の援護、或いは拘禁されておりまするものの家族の援護法というものでありますれば、確かに筋が通るのでございますけれども、給与という形でございますので、拘禁されておる者に対しまして給与を与えるというのがいいかどうかという点につきまして相当の説明を加えないと、なかなか先ほど申上げましたように、いろいろと問題が生じるのではなかろうかと、こう考えるのであります。なお只今井上委員から御質問がありましたように、これと同様の状態の者につきましても、同時にこれが措置を講じなければならんというようなことになつて参るのでありまして、これにつきまして、その措置が講ぜられずに、ここだけ直るという点につきましては、いろいろとなお問題があるのじやなかろうかというふうに一応考える次第であります。その措置につきまして、私たちはこれに異議があるのではないのでありますが、立法技術の問題といたしましては、いろいろと問題があるのではないかというふうに私は考えております。
○政府委員(田辺繁雄君) いわゆる特例患者と申しまするのは、今日適用を受けておるわけでございます。援護法の対象にならなかつたとか何とかという御意見でございますが、それは別問題といたしまして、そういうかたに対しましては未復員者給与法を適用いたしまして、全額の国費を以て療養いたしておるわけであります。家族の援護につきましては、これは更生医療に仮に取入れられましても、その家族が生活にお困りになつておる場合には、生活保護法以外には方法がないわけであります。更生医療に取入れるかということに関係なく生活保護の中に入れると、かように考えます。医療を継続して受けられるという点につきましては、御心配の点はないように承知いたしておりますので、御了承願います。
○藤森眞治君 ちよつと伺いますが、戦争犯罪者又は戦争犯罪容疑者として内地に拘置されておる者は、これは未復員者となるわけなんですね。
○政府委員(田辺繁雄君) 未復員者が戦争犯罪容疑者として逮捕されますと、給与を停止するというのがこの条文の趣旨でございます。一方復員の手続といたしましては、未復員者が戦争犯罪人容疑として逮捕されますると、これは全部復員の手続をとつております、今日まで。従いまして、今日これらのかたがたは復員してしまつておるというような取扱になつておるわけであります。従いまして第七条を削除するということはこれは当然の処置であろうと思いますが、その結果今日未復員であるかたがおられるかということでありますが、これは現地で全部復員の手続を終了いたしておるようであります。
○藤森眞治君 そうすると、全部今この戦争犯罪者としては、仮に外地におりましようがどこにおろうが、復員の手続はとつておるわけでございますね。
○政府委員(田辺繁雄君) そうでございます。
○委員長(梅津錦一君) 上陸したとたんに復員の手続を了しておる。帰るまでの旅費その他給与を支給する、そういう形で帰る。生まれた家のない人もありましようが……要するに落着くか落着かないかはともかく生れ故郷に帰る、その途中でとみなされる間において不慮の災難に会つて生命を落したという者の数がどのくらいおりますか。先ほどは大変数が多いようなお話でしたが……。
○政府委員(田辺繁雄君) 私が申上げましたのは、軍人でないかたが不慮の災害に会つた場合において法の対象になるということになると、他にたくさん同様の状態で、軍人でないかたであつていろいろ戦争で災難のために怪我をされたかたとか、或いは亡くなられたかたが相当おありになるので、こういうかたがたも同様に問題になるのじやないかということを申上げたのであります。帰郷の途中において不慮の災厄に会われたというのは、愛媛県の今治の第十東予丸の事件というのが一番数としては多いと思います。そのほか現地において召集解除になつて帰つて来る途中で病気で亡くなられたかたも相当あると思います。数は現実につかんでおりません。
○委員長(梅津錦一君) そこで私はもう一点お尋ねしたいのですが、この法律案が通過いたしますと、未復員者給与法の適用を受けるような形になりますから、例えば今拘置されておる人がそのままあそこで療養した場合にはどういうことになりますか。この法律が発効した後において亡くなられた場合。
○政府委員(木村忠二郎君) 亡くなりますれば、その人の給与でございますからして、給与は全然出ないということになるのでありまして、その後におきましては何ら適用を受けないということになるわけであります。これは戦犯によりまして死刑に処せられました人の遺族と同様の形になるわけでございます。なおここで問題がありまするのは、これは給与の形をとりまする関係上、家族のいない戦犯処刑者でありまして拘禁されておりまする者につきましても、同様の給与を払わなければならないということになりまして、その辺が拘禁されておるということによりまして、給与をここに積立てる。現在末復員者につきましてそれをやつておるのでありますが、それをやらなければならんということにこの規定もなると、皆さまがたにおかれましてお考えになつておりまする家族の援護という点、それに外れる面が多いのではないかというふうに考えております。
○委員長(梅津錦一君) そうすると、その拘置されておる、例えば巣鴨なら巣鴨で病死したという場合には戦病死ということにならないのですね。
○政府委員(田辺繁雄君) なりません。
○委員長(梅津錦一君) 御質疑はございませんでしようか。ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて下さい。ほかに何か御質問ございませんか。施行上の立場から政府当局として、何か疑義の点がございましたら御質問等願いたいと存じます。
○政府委員(木村忠二郎君) 先ほども意見として申上げたのでございますが、大体この法律におきまして、特別未帰還者給与法を適用いたしまして、その特別未帰還者の中に戦争犯罪の裁判によりまする拘禁されている者を加えることにいたしますると、そこで拘禁されている者に給与を政府が払うということになる。又同時に場合によりますれば、本来この法律の趣旨といたしましては、先ほどお話がありましたように、家族の援護をするという趣旨であるように受取つたのでありますけれども、該当家族のない者につきましては、それに対しまする本人に給与を払う。而もその給与を積立ておきまして、この拘禁が解かれました場合に、積立てた金額を支払うということになるように感ぜられるのであります。例えば若しも十年間拘禁されておつたとしますれば、十年間の給与を積立てまして、出て来ました場合に本人に給与を支払うというように考えられますので、そういうような点につきましては、我々としましては若干そこに困るところがあるのじやないかと思うのでありまするが、これに対しまする立案のかたの御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○法制局参事(中原武夫君) 只今御質問がありましたような理論的なおかしさがこの法案には内在しているのであります。若し戦犯者の留守家族を援護するということならば、別の法案を作りまして、留守家族援護法という形で出すべきであります。併しそういう出し方をいたしますと、先ほど外務当局に対して御質問がありましたように、対外的な反響が大きいのではないかという心配があつたのであります。そこでそういう正面からの取組み方をした立案を避けて、而も留守家族の援護ができるような措置はないかということで考えましたのが、未復員者給与法及び特別未帰還者給与法の一部を改正して行くというこの案でございます。この案で参りますと、御指摘のように本人に対して給与を支給するということになるのであります。然らば何が故に本人に対して給与を支給するのかということが問題になつて参ります。未復員者給与法及び特別未帰還者給与法が終戦後において帰国できないという事実に対して国が給与を支払つているのは、それが公務の連続であるとみなしているからにほかならないのであります。即ち自己の責に帰すべからざる事由によつて、自分の家族の下にも帰れない。自分が欲する生活の道を歩めないということは、その原因を作つた戦争に関連して、それから引続いていわば公務によつてそういつた状態があるのだという推定をして、それに対して給与を支給するということでなければ、未復員者給与法、特別未帰還者給与法の建前の説明ができないわけであります。然らば戦犯者はどうかと申しますと、それも現在抑留中の戦犯者はいずれも曾つて軍に属しておつた人たち、及び文官であつた人たちであります。これらの職務についておらなかつたならば、戦犯に問われるような原因も作らなかつたであろう、その公務の結果としてそういつた事態が生じたのであるから、その後においてなおみずからの欲する道を歩めないような拘禁を受けている状態は、ちようど未復員者なり、特別未帰還者が帰国できずに外地に拘留されているのと、いわば同じ状態ではないか。多少ニユアンスの上の差はございますけれども、その本質を探つて行けば同じ考え方ができるのではないかということで一応の理論づけをいたしまして、この法案を作つたわけでございます。率爾としてこの法案を読みますと、戦犯として抑留されていることが公務である、その公務に対して給与を支払うんだというおかしさが出て参ることは否定することができないわけでありますが、只今申上げましたような経過から、この法案の真の狙いを御了察願いたいのであります。
○政府委員(木村忠二郎君) もう一つ申上げますが、留守家族の援護という趣旨でございますれば、我々といたしましては関係諸外国に対しまする経過から申しましても、一応納得をさせるということができるというふうに考えるのでありまするけれども、これに対しまするこれを公務に準ずる者と見て給与を与えるということが、果してそういうような説明で参りました場合に、これにつきましては相当関係諸国におきまして疑義があるのではなかろうかというふうに考えるのであります。従いまして、これが取扱としまして、そういう行き方で以て外務当局におきましてはどういうようなお考えがされるかどうかという点につきまして、我々としましては、いささか心配をいたすのであります。それにつきましての御見解を立案のかたに求めるのはどうかと思いますが、外務当局のこれに対しての御意見等も我々としては一応叩いて見なければならんじやなかろうかと思つておりますことを、申上げておきたいと思います。
○法制局参事(中原武夫君) 只今私の説明が少し悪かつたために只今御質問になりましたような御解釈を強く出されたのではないかとも存じますので、もう一度補足をいたします。戦犯として処刑されていることが公務であるという意味で申上げたのではございません。それは公務の連続のような形で外地に抑留されているものと、本質と申しますか、自己の家庭に帰れないという状態、それも自分の責任、自分の欲するところによつてでなくて帰れないという状態は、本質的には同じではないかという立場から、同様に取扱うという意味に御了解を願いたいのであります。
○山下義信君 私は提案者の一人として我々の気持をこの際申上げておきたいと思うのであります。今中原課長と厚生省の援護庁当局との間に交わされました論点は、我々も十分疑義を持ち議論もいたしたのであります。成るほど筋を通すということになりますと、割切れないところもありまするし、又その適用につきましても十分御議論のありますることはその通りであります。併しながら考えなければなりませんことは、この種の立法は通常の状態に処する立法ではないのでありまして、全く臨時変則的な立法と申さなければなりません。すでに戦争犯罪人ということが我が国有史以来未曾有のことであります。今後こういう事態があるかどうかわかりませんが、恐らく予想もできませんが、未曾有のことであります。而も講和条約が成立いたしまして、その講和条約の規定するところによりますれば、趣旨とするところは、日本政府が関係連合国に交渉をいたしまして、その了解が得られまするならば、これらの人たちは釈放できることに講和条約ではなつておるのであります。その点からいたしますれば、当然政府は一日も早く関係諸国と交渉をいたしまして、これらの釈放につきまして善処しなくてはならんわけであります。当然又善処するでしよう、そういうことを国会においても外務当局は答弁をいたしております。そういたしますれば、現に巣鴨にある、この従来例のなかつたこれらの人たちの出所も私ども遠き将来でないことを期待いたしておるのであります。そういたしますれば、事例の極めて何と申しますか稀有のことでありますると同時に、この種の立法が適用されまする期間も又恐らくそう長くはないのではないかということも予想されるのであります。そういうことを考えますると、多少法理論の上から申しまして、首尾が一貫しない点がありましても、この際は大所高所から国民感情に我々といたしましては成るべく副いたいという政治的の考慮からいたしまして、この種の変則的な立法をいたしたのであるということはこれは事実でございます。従いまして、何も巣鴨に拘禁されておることが直ちに公務と解釈するのでもなければ、その拘禁されておることに対して、何か我我としてそれがよいことであるという意味で、この種の手当をいたそうというのでもなくいたしまして、全くその家族の状態を見ますると、気の毒な状態にあるという点に立脚いたしまして、飽くまでもその留守家族の援護という趣旨にあるわけであります。然らばそもそも生活困難な対象者についての対策は申すまでもなく厳として明らかにその根拠法があります。それを適用すればいいではないかということになるのでありますが、そこが即ち変則的な臨時的な立法で、その当時のその時代の国民感情の要求する、国民の希うというところに副いまするところでありまするから、これは暫時の変則的な立法であると、こう私どもは考えておるのであります。然らばその留守家族のない者にはどうするかという点になりますと、いささか又その点も他の未復員者その他のこの種の立法に鑑みまして、多少割切れんところもありますが、これはこの法律を借りたのである。未復員者給与法、特別未帰還者給与法という既存の法律を借りたのであります。借用いたしまして、便乗いたしまして、それらの者に対しまする援護の手を差延べようとするのでありますから、名は本人の給与となり、或いは名はそれの家族の給与ということになりまするが、ともかくもそれらの身の上に対し、又家族のものに対してその困窮に対する援護をこの法律を借りて行わんとする飽くまでも変則的な、而も短期間の予想された臨時立法であるという趣旨に私どもは解しまして、而して先ほど申述べました対外的な影響も考慮し、或いは又A級戦犯等に対する国民的考えがどうであるかということも考慮いたしたのでありますが、併しながら講和条約が成立いたしまして、敵も味方もない、恩も仇もない、すべて罪も何もないという、あらゆるものが清算せられるというこの際に、日本政府のなお対策よろしきを得ずして、その期間止むを得ざる事情のもとに放置されてある者に対しまする援護の対策は飽くまでも特別な考え方であります。これをもろもろの場合にすべて適用していいか、この原則でいいかということになりますると、先ほど御議論のありましたように、十分な疑義があると存じまするけれども、併しながらこの際この対策をいたしますることは、決して不当ではないということを考えまして、若干の原則論の上に立ちましては足らざるところがありまするが、このことをいたしますることは、国民も飽くまで諒察するところである、諸外国も又その真意を了とするところであると信じまして、私ども提案をいたしたのでございまするから、その趣旨で一つよろしく御善処を願いたい、かように考えるものであります。
○政府委員(田辺繁雄君) もう一点お伺いいたします。この特別未帰還者の範囲を拡張したわけでありまするが、拡張された特別未帰還者という状態は法律施行後にそういうものが発生するのか、過去においてかような状態にあつたものも特別未帰還者に観念するのかという問題であります。御承知の通り遺族援護法におきましては、特別未帰還者が死亡した場合において弔慰金を払うことになつております。過去において戦犯として処刑された者でございますれば、若し過去に遡つてこれをこの法律に言う特別未帰還者ということになりますると、三万円の弔慰金が出ることになります。一体援護法にいう特別未帰者という観念の中にはこれが入るかどうかという問題がそこに出て来ると思うのでありまして、これはどう解釈したらよろしいのか、この点重ねてお聞きしておきます。
○法制局参事(中原武夫君) この法律は昭和二十七年の四月二十八日から適用されます。そして第一条の条文は「現に拘禁されている者」と書いてございます。ですから、既往に遡るという問題は起きないはずでございます。
○山下義信君 質疑を打切り、討論を省略して直ちに採決されんことの動議を提出いたします。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) 賛成のかたが多いようですから、質疑を打切り、討論を省略いたしまして、直ちに採決をしたいと思います。賛成の諸君の御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(梅津錦一君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。 それから委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附けることになつておりますから、本案を可とされるかたは順次御署名を願います。 多数意見者署名 長島 銀藏 井上なつゑ 大谷 瑩潤 小杉 繁安 常岡 一郎 藤森 眞治 山下 義信 河崎 ナツ 谷口弥三郎
○委員長(梅津錦一君) 署名漏れはありませんか……署名漏れないものと認めます。 なお、本会議における委員長の口頭報告については、委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) 異議ないと認めます。ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて下さい。 次に引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案を議題といたします、衆議院の立法でございまするので、小平さんから御説明願いたいと存じます。
○衆議院議員(小平久雄君) 只今議題となりました引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。 引揚同胞対策審議会は第二回国会に衆参両院において議決されました引揚同胞対策に関する決議に基きまして、法律第二百十二号を以て昭和二十三年八月から最初は一年を限つて総理庁に設置され、海外同胞の引揚促進、帰還者、遺家族及び留守家族の援護等に関する諸問題につき民間の陳情を審議し、且つその実情を調査して、引揚同胞対策を考究いたし、その結果を内閣総理大臣に報告して参つたのであります。 然るに海外同胞引揚に関する諸問題は未だに解決を見ず、年を逐つて却つて未帰還同胞の引揚促進については、情勢の変化と共に次第に困難性を加えて参つたのであります。従つてこの設置法も現在まで四回の改正を重ね、引続いて今日に及んでいるのでありまして、今日までこの審議会で取上げられ調査した結果、総理大臣に報告された事項は十数件に上り、殆んど政府の施策に組込まれている点より鑑みましても、この審議会の重要性が窺われるのであります。 この法律案の要点は、この審議会を更に一年存続させるため、本法第七条中の「施行の後四年」を「施行の後五年」に改め、本法が本年八月で消滅するのを更に一年延長しようとするのであります。他の点は行政機構の改革に伴う所要の改正でありまして、特に委員に内閣官%副長官を加えるのが審議会の性格上妥当と思われますので、加えるようにいたした次第であります。 平和条約発効により独立国として国際社会へ復帰するに至つた今日、なお、未解決なる海外同胞引揚の問題は国際連合におきましても人道上の問題として特別委員会を設置いたし、その解決に努力しているのでありまして、我が国といたしましても、今日国民の一大痛心事でありますこの引揚問題に関する多年の懸案を解決することは、独立した現在における急務であると存するのでありまして、この点、更に本法の有効期間を延長し、この引揚同胞対策審議会に活動して頂く必要があると考えるのであります。これがこの法律案を提出する理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、速かに御賛成あらんことを切望する次第であります。
○委員長(梅津錦一君) お諮りいたします。提案理由の御説明がございましたが、本日はこの程度で次の議題に移りたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) それでは……。
○長島銀藏君 最近の議会におきまして、衆議院では在外同胞引揚促進並びに留守家族援護に関する決議案と、もう一つ諸地域等における戦没者の遺骨収容及び送還等に関する決議案が上程されまして、満場一致で通過いたしたのでございます。我々のほうの参議院側におきましても、衆議院のこの決議と相待つて早急に決議案を上程いたしたいと考える次第でありまするが、発議者は、私の考えではこの厚生委員全部ということにして頂きまして、案文については委員長一任という形をとつて、衆議院同様この決議をいたしたいと思いますが、委員長から各委員のかたにお諮り願いたいと思います。
○委員長(梅津錦一君) 只今長島さんから、在外同胞引揚促進並びに留守家族援護に関する決議の件、なお諸地域等における戦没者の遺骨収容及び送還等に関する決議の件が議題となりまして、決議案を本会議に上程したいと、こういうことでございますので、これに対しまして、御意見でもごさいましたらお伺いしたいと思います。
○藤森眞治君 只今の御提案至極御尤もなんで、異議はございません。
○委員長(梅津錦一君) ほかに御意見ございませんか。
○河崎ナツ君 藤森さんのおつしやる通りで、私どもも異議ございません。
○委員長(梅津錦一君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(梅津錦一君) それでは速記を始めて。大分御賛成者も多いようでありますので、各会派も含まれておりまから、厚生委員会提案になりますけれども、その形においては各会派共同提案の形に持つて行きたいと思いますので、さよう各会派に御連絡願いたいと思います。それではさように決定いたしまして、案文の件に関しましては、御一任願えましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) さようにいたします。 —————————————
○委員長(梅津錦一君) では次の仕事に移ることにいたします。医療小委員長から何か中間報告がございます。藤森小委員長。
○藤森眞治君 医療に関する小委員会の中間報告を申上げます。 結核新薬のイソニコチン酸ヒドラジツト、これが本年の初め頃から米国で発見されたということが、各日刊新聞等に発表されまして、それ以来漸く各方面に非常な大きなセンセーシヨンを巻き起しておるのであります。四月三日の厚生委員会におきまして、山下議員から政府に対する御質問がございました。それについて公衆衛生局長は、問題の新薬イソニコチン酸ヒドラジツトは、米国におきましても学問的な雑誌にはまだ発表がないので詳細はわからないが、相当の効果があるらしいので、至急に研究機関と研究者をきめて検討したい。又薬務局長は、製法は簡単であるし、原料は国内に十分あるので、製薬業者には製造基準を示して、試験的製造をさしているが、市販品としてはまだ許可していない、研究用のみ使用を許可する方針であるとの答弁がありましたのは、皆さんすでに御承知の通りであります。その後六月の十日の医療小委員会におきまして、その後の経過を承わつたのでありまするが、その際薬務局長からは、目下国内の研究データもまとまつておらず、効果も又確実に判定しがたいから、製造許可は勿論、輸入販売等も許可したくないと答弁しておつたのでありますが、その数日後の十七日におきまして、急に新聞にも発表されておりますように、その態度が変つて、薬事審議会、結核療法研究協議会等の意見を参考として、近く製造許可並びに販売を許可したいとの説明をいたしたのであります。どうもその間の説明を承わりましたが、いささか納得の行かない点がございますのと、なお一面には、この新薬が非常に大きな関心を持つて世間に迎えられておるということに関連いたしまして、本委員会といたしましては、本薬品の取扱の慎重を期するというような意味で、ここに関係者を参考人として厚生委員会に招致して、いろいろの説明を承わつて、そうして慎重を期したい、かように考える次第でございます。 以上中間報告を申上げます。
○委員長(梅津錦一君) 只今藤森医療小委員長のほうからの中間報告に対しまして、小委員長のほうから、なお本問題に関して検討を加える立場から、参考人等を呼びまして、その間の事情、或いは将来に対する参考人の意見等を聴取したいという御意見だと思いますが、それに対しまして何か御意見等でございましたら……。
○長島銀藏君 只今藤森さんの中間報告は誠に当を得たものと思いまするので、私は賛成を申上げたいと思います。
○委員長(梅津錦一君) お諮りいたします。それでは参考人等を招喚いたしまして、各方面の意見を聴取いたしました上におきまして、この件に関しては、医療小委員会のほうに重ねて付託したいということになりますが、さよう取計らつてよろしうございますか。小委員長のお考えを聞きたいと思います。
○藤森眞治君 各関係者の意見を聞きまして、若し小委員会に御付託になる必要があれば、付託して頂けば結構でございます。これは関係者を呼んで頂いて、そのいろいろな事情を聴取の上のことにして頂きたいと思います。
○委員長(梅津錦一君) それでは小委員長のほうから、参考人を呼びまして、その結果を待つて小委員会に付託するなり、しないなりを決定するようにという御意見でありますが、さように取計らつて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) さよう取計らうことに決定いたします。
○井上なつゑ君 なお、このことは早く願いたいと存じますが。すでに新聞でも御承知のように非常にこの闇の薬が売られております。十日分三万円だとか、六万円だとかいうようなもの、私どもそんなのを聞いておりますから、至急参考人を呼んで事情を御聴取なさることを御願いいたします。
○委員長(梅津錦一君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて。それでは次に何かございますか。
○河崎ナツ君 私看護婦さんのことにつきまして陳情が参りますし、地方に参りまして、この間から国立病院の地方移譲のことについてほうぼうの病院に参りまして、頻りに聞かされたのでございますが、そのことにつきまして、少し聞かして頂きたいと思うのでございます。丁度おいで頂きました看護課長さんにお伺いしたいと思うのでございますが、看護婦さんのことにつきして、試験をしないで資格を切替えましたかたと、それから国家試験を受けて及第したかたと、勤務の上で何か法律では差支えないような……区別がなかつたようでございますが、実際には区別がございますか。
○説明員(金子光君) 只今のは国立病院或いは療養所に限つての御質問でございますか。それとも全般的の問題でございますか。
○河崎ナツ君 私が話を受けておるのは、国立病院で聞きました。
○説明員(金子光君) 私どもが計画いたしましたのは、あの法律を改正されましたときに御説明申上げました通り、国家試験をしないで厚生大臣の免許をとるという形になりましたので、本人の看護婦さんの取扱は、病院でも療養所でも取扱は同じに取扱つております。あのときに大変評判が立ちまして、国家試験を受けて通つた人については部長にするとか、主任にするとかいうことを誤つて言つた人が一部にあつたのでございますが、これはきびしく戒めまして、そういう趣旨でないということを言つておりますので、変つた取扱はしていないはずでございます。
○河崎ナツ君 そうすると、今度は工場の衛生管理者でございますが、ああいうほうに、両方とも同じ資格としますれば、なれるのは両方とも同じ資格でございますか。そういうことにつきまして、もう少しこれは衛生管理者のほうは、直接あなたのほうの関係と違いますけれども、看護婦がなれる資格が両方あるわけですか。
○説明員(金子光君) 衛生管理者となるためには、一定の資格ができておりまして、これは、今までの最初にできましたときの資格は、専門学校卒業以上の人ならば、素人でも衛生管理者になれたのでございます、試験を受けて……。試験を受ける資格というものを与えられたのでございます。そのときに大変不都合だということで、実際問題としてそういうことは不合理なことが起るからというので、私どものほうでも希望申上げまして折衝いたしました。たまたまその当時は現在の法律が従来通りの、只今の法律でなくて、改正前の法律でございましたから、それで高等女学校を卒業して新らしい学校を出たものについては、無条件でもらうということには約束いたしました。ところがその後いろいろ改正されまして、国家試験云々のことが出て来まして、労働省のほうでは、国家試験に合格したものについて厚生大臣の免許が出るというように法律が出ておりますので、それじや国家試験を受けたものについては、ほかのものと同じ扱いにして出そうじやないかということでございまして、その後国家試験も受けずに全面的に切替えてもできるということになりました後は、労働省の考え方としては、そこまで幅をゆるめることはできない、原則として衛生管理者のあり方を考えてみれば、そこまで全部ゆるめることは不可能であるから、その点は勘弁してもらいたいということで、今のところ折合いがついておりませんので、切替えた場合には、衛生管理者に無条件でなることができない。ただ受験資格は勿論ございます。受験の場合には試験科目の免除ということもできております。
○河崎ナツ君 そういたしますと、労働基準局長から一月二十四日にそういうような国家試験を受けて、試験を通つた人はそういうものになれるというように、各地方の基準局へも出ておる次第でございますが、あなたの今のお話でよくわかりましたのですが、そうすると大勢のものまでに拡げられないというわけでありますけれども、何とか看護婦さんとしては、看護婦さんが一人前の看護婦さんとして受ければ、それはしてもいいけれども、国家試験を受けた人は、これは試験を受けなくても認められるわけですね。そこのところ私どもは、あなたのほうとのそういう話でそこで切れてしまつておるというところが、非常に残念なところでありますが、そこをもう少し更に又話をつけるためには、若し受けるならば非常に幅広く、而も試験の免除を、全面的な免除でなく、幅広く何とかできるという、科目を免除するとかいうことにつきまして、そういう交渉を新たにして上げるという問題はまだ起つていないのですか。
○説明員(金子光君) 今のところ差当りいたしておりませんけれども、今の試験の問題の将来のことにつきましては、残された試験科目といいますか、今私覚えておりませんが、保健衛生関係は全部免除してもらつております。それで残つたものは、衛生工場管理者としての必要な工場法とか、その他の法規に関する問題だけが残つておるようでございます。この点だけ勉強して貰えば、試験は楽に通るというようなことをおつしやつておるようでございましたけれども、私ども衛生管理者になりたいという御希望を持つておられるかたというものを調査したこともございませんし、そういうものも近いうちにしたいと考えております。
○河崎ナツ君 そういうことにつきまして、そういう工場管理とか、そういう法規の問題であるならば、今の国家試験を受けて通つた看護婦さんも、その問題は知らないわけだから、いわば同じということになりますね。
○説明員(金子光君) まあそういうことになります。
○河崎ナツ君 一つ引続きこの問題に関して取上げて、どの程度まで推進できるか、一つ当つて上げて下さつたら如何でございますか。
○説明員(金子光君) 承知いたしました。
○河崎ナツ君 もう一つは准看護婦と看護婦さんとの病院においての実際の職務の範囲は、あそこの規則にあるのだろうと思うのでございますが、平常の仕事をするときの状態において服装が違うとか、或いは普通の看護婦は、一人前の看護婦はちやんと普通の帽子をおつけになつておる。ところが准看護婦はつけちやいけないとか、そういうような服装の相違ということは、これは各病院でやるのですか。それとも厚生省としてそういうような一応多少違うべきだというようなことを、これは前の習慣からあるのですか。それとも又御指令の中の一部にそういうことがあるのでしようか、どうなんですか。
○説明員(金子光君) 正規の看護婦と准看護婦の問題でございますが、二つ御質問がございましたので、簡単にお答えいたします。業務の問題では今先生がおつしやいましたように、法律できめられておりますので、准看護婦というのは、正規の看護婦の指導監督を受けて業務をなすというように謳つてありまするので、これは独立性を持つていないという解釈になりますが、この看護婦の実務につきましては、看護婦の指導監督を得ながら仕事をしてもらうことができる、こういうわけでございます。独立性を持つていない。 それから服装の問題でございますが、これは先だつて私どものほうで開きました例の全国看護課長会議のときに、こういう問題が出まして、そのときに皆に諮つて考え方というものをきめてございます。これは言葉で以て指令を出してはおりませんこれは言葉で出すべきものではないと思いますので、出さないでおりますのでございますが、考え方としてはこういうように考えております。これは服装は一見してわかるように、判別ができるようになつておるほうがお互いを守るわけになると思います。と申しますのは、准看護婦は何と申しますか、管理業務或いは指導業務というものをしないことになつておりますので、何かあります場合に、責任の所在を明らかにいたしますときには、正規の看護婦が責任をとるべきと看護上の問題では解釈しておるので、明らかになつているほうが准看護婦のために有利であろうと考えるのでございます。 なお服装の点で細かく申上げますと、例えば制服と頭に戴きますキヤツプという問題が出て来るのでありますが、制服というのは正規の看護婦の場合でもそうでありますが、必ず白い制服を付けるのは、看護婦唯一の服ではございませんで、ほかの職業でも白い服を着ることはありましようから、准看護婦にも看護婦と同じ服装をして構わないと思いますが、頭に戴きますキヤツプだけは正規の看護婦のみ被ることを許しておりますので、准看護婦にも何か看護婦に準じて喜んで被るものを作るべきだと思いますし、なおもう一つは実質的な意味から考えまして、髪の毛がばらばらしたり、食事の中に髪の毛が落ちたりすることのないように、汗が伝わり落ちることのないように、きちつと頭の毛の隠れるような服装をしたい、形は最もいいものをお考えになつて頂いて、自分たちでこれがいいというのをおきめになつたらいいでしよう。これは病院によつて、或いは療養所によつて独自のものを考案なさつてよいと考えます。
○河崎ナツ君 区別のありますことは、おつしやるように非常に仕事の上においても責任がはつきりしていいということもあるのでございますが、働いておる人から言つて、非常に何か区別がありますのは、仕事の上に差支えないですか。又今の帽子の問題も、おつしやつたような意味で、正規の看護婦さんばかりが被るより、一般に心要なんですから、そういうところの区別よりも、何か徽章をつけて区別して、看護婦さんの仕事のできやすい、最もふさわしい保健衛生的な仕事を十分できるような意味での服装をして頂く。そうして区別が必要なれば徽章か何かでして行つて、そんなに非常に目立つような区別をしておかなければならんかどうかということにつきまして、そういう服装をする人の立場も少し考えて、別に病院で考えたらいいということですけれども、そうなつていると厚生省から全体について何が行つていないのですね。
○説明員(金子光君) 私の課では全国的な問題を取扱つておりますので、何もいたしておりません。ただ国立療養所及び看護婦養成所を三十カ所ほど設置しております。ここの准看護婦の帽子というのは先だつてきめて出したようであります。これは私ども直接関係のあることではなくして、国立だけが独自の立場でなさつたと解釈しております。
○河崎ナツ君 服装の件につきましては一つ考えて下さい。私もどうしたらいいかということはもう少し考えてみたいと思つておりますが、服装をする者の立場からも考えて頂きたいと思います。衛生管理者のことにつきましては、積極的に話を一つ進めて頂いて、いずれ御報告を伺いたいと思つております。質問はこれで終ります。
○藤森眞治君 先般この委員会で何か保健婦助産婦看護婦法を一部改正する法律案を出すというようなことが、ちよつと噂が出たのですが、そういう御意思があるかどうか。
○説明員(金子光君) お答えいたします。法律の一部改正というのは、事務的に改正して頂きたいという点が一点ございます。それに伴つて、若し改正して頂くことができるならば、やつて頂いたほうがよいし、プラスであるという面がございますので、それを併せて二点ばかりございます。内容は条文等を略して御説明申上げます。 一点のほうは、これは機密漏洩の問題です。看護婦に責任を持つてもらうという問題でございまして、これは今まで助産婦だけ刑法の中に謳われておりまして、機密を漏洩して、機密を漏洩された本人から訴えがあつた場合に、本人を処罰するという問題がございます。これは助産婦だけにそういうことがありまして、保健婦、看護婦にはそういう問題は今まで全然触れておりませんので、これは保健婦、看護婦の場合はお医者さんより家庭に入りますし、家族とも接触いたしますので、取扱つた病人或いは家庭の秘密をよく知つておりますので、漏洩されてはならないというように考えておりますので、何かこれははつきりさして頂いたほうがよいと思います。助産婦だけでなくて、保健婦、看護婦にもそのようにして頂いて、自分たちの職責を全うするというふうに直して頂くことができれば大変有難いと存じます。それが只今ございませんので、実際問題としてそういうことがあるということは聞いておりませんけれども、漏らしたところでそれは別に罪になつておりません、これが一点でございます。 それからもう一つのほうは、昨年法律の改正をして頂きましたときに、丁度先ほどお話の出ました国家試験を受けないで厚生大臣の免許を受けることができると直して頂きましたときに、同じ時期に附則で保健婦学校、助産婦学校或いは看護婦学校への入学資格が非常に拡張されました特例が設けられまして、今までは例を申上げますと、保健婦学校に入り得る者は正規の看護婦学校の卒業生であるとか、或いは国家試験に合格した者でなければ、それから旧制の保健婦免許を持つている者でなければ入れなかつた。ところが今度は幅が広くなつたので、大変喜んでおりましたところ、それを拡げたと同時にもう一歩直して頂かなければならなかつたのが直つていなかつた。それは何かというと、法律の十九条を御覧頂きますとわかるのですが、面倒ですから私略して申させて頂きますが、これは保健婦学校を卒業した者が保健婦になりますために、国家試験を受けなければならない法律になつております。保健婦の国家試験を受けます資格が九十条ではつきり打出してありまして、それを読みますと、看護婦国家試験に合格した者か或いは看護婦学校を卒業した者であつて更に保健婦学校或いは養成所を卒業した者に限り受けられるということになつております。一方では入学はしたけれども、卒業したけれども、新らしい保健婦になれないということになつております。ここで問題が出て参りまして、保健婦養成所、これは例を保健婦にとつておりますが、助産婦、看護婦すべて皆同じでございますが、新らしい保健婦になるために学校に入つて実質的に新らしい学科を学び、実地に研究して保健婦になろうと古い免許しか持つていない人が入りましても、卒業して自分は新らしいものになろうと意気込んで勉強したが、卒業しても国家試験を受けられないということになつておりますので、全部今までやつたことが無駄となるので、古い免許を持つ助産婦或いは看護婦ということにしかならない。実質的に新らしくなるということは全然不可能になつてしまいます。これが看護婦の場合でございますと、旧制度の看護婦の免許を持つております者は将来絶対に保健婦、助産婦になれない。それでこれを何とかして直して頂きませんと、学校を出ました者が、いわば看護婦さんにとりましては保健婦助産婦になる途が杜絶えてしまつた形になりますので、こういうことは困ると思いますので、この際大変恐縮でございますけれども、受験資格を卒業生には全部同じように与えるようにして頂きませんと、そういう人ができるようになつてしまいます。これはいろいろと先般国家試験を受けずに免許を取れるようにしたから、そういうことをすると二本建になるのではないかという御意見を頂きましたが、これは二本建ではございませんので、厚生大臣の免許を受ける人は免許をもらうことはできますが、学校に入つた人にだけ受験資格を与えて、実質的の新制度による保健婦であり、助産婦であり、看護婦であるということを認めてやらないのは、本人が勉強した理由も立ちませんし、新らしい制度に基く三つの者の資質の向上ということにもならないのでございますので、養成所に入つた者に限つてそういう措置をとつて頂きまして、本人たちもほかの学生と同じように卒業生としての資格を与えて頂きたい、そういうことでございます。
○藤森眞治君 大体わかつたのですが、もう一つはつきりわからない点をお尋ねいたしますが、今度全部同じ資格の看護婦になつたわけですから、旧制度のものもこれは余部試験を受ければ何でもなれるということになつておるわけでしよう。保健婦は旧来の者でもまだ試験を受ければ……。
○説明員(金子光君) 受けられないのです。旧制度の免許を持つております者は保健婦も助産婦も国家試験を受けることはできないことになつております。
○藤森眞治君 それはもう少し研究します。もう一つ伺つておきたいのは、最近例の厚生大臣の登録、これを或る期間に早くやつてしまわないと又取消すというような噂が末端に起つているのですね。早く厚生大臣に登録せよということを言われておりますが、これはあの当時一応皆厚生大臣の登録を受けられるようにして、そういう制限は何もなかつた。ところがそういう噂が頻りに出て末端の者からよく尋ねられる。それは何かあなたのほうから多少そういうことを言われたことがあるのですか。
○説明員(金子光君) 私どものほうは奨める立場ではございません。考え方によつてはなつて頂きたいと思いますけれども、御承知のように登録税がついておりますので、やれやれということも勿論できないわけでございます。ただあのときの御意見で早い期間にしてくれるようにという御要望がございましたので、一年中にしてしまえという御要望がありまして、事務的にはそれは到底不可能で二年間はかかるというお返事をいたしまして、予算措置は大蔵省のほうに一生懸命お願いしまして、二年間に二十万人切替えるように用意はしてございます。ところが只今までのところ来ております申請は三万ちよつとしか来ておりません。大変少いので、私のほうでは別に指令も出しませんし、早くしなさいということは特に奨めておりませんけれども、折角したいという要望をしてできるようにして頂いたのに、実際問題としてするようにしないのは、看護婦の信用の問題になりますから、お互い気をつけなければいけませんねということは私どもお互いに話しておりますけれども、厚生省の立場から今になくなりますよということは全然申しておりません。
○藤森眞治君 それが三年以内にやらないと、もう厚生大臣の登録はしないようになるということを各府県の何と申しますか、協会といいますか、そういう所から末端に文書で出しているようですね。それで非常に騒いでいる。登録税の問題もありますし、我々いろいろな機会に感じているのは、都道府県知事の登録か、厚生大臣の登録か、どちらにしたところで看護婦の業務の問題については平等であるということを話したわけでありますけれども、そういうふうな問題で、今厚生大臣の登録をしなければ又何か先にあるのではないかという不安を抱いている。そういうふうなことがないとすれば誤解なんですから、誤解のないようにして頂きたいと思います。
○專門員(草間弘司君) あの問題は昭和三十年までで打切るといいますか、期限は昭和三十年くらいまで認める。それをいつまでいつまでということにせずに、そのくらいで打切るというように認めたらどうかという問題につきまして、法制局で研究したことがあるのですよ。それがいろいろ伝えられて地方へ行つたのではないかと思います。その問題は打切るかどうか法制局が独自で作ることはないから、厚生省でこういうものを国会の立法でやつてくれないかということを頼まれたのかどうかそれは知りませんが、そういうことを研究しております。或いはそれが伝えられたのでしよう。
○藤森眞治君 現在看護婦業務に従事している者はこれは免許を持つているけれども、今差当り必要はないというふうに言われていると一応しておかなければならない。これは経済的な問題を考えてやらなければならないし、非常に誤解しているようです。
○專門員(草間弘司君) ちよつと繰返しますが、旧制度の保健婦の人、例えば小学校を出た人でも保健婦になつている人がおりますね。そういう人が今度のこの間の改正で厚生大臣の免許証を頂けるようになつた。そういう特殊な人があつて、又養成所に入つて出たときに、国家試験を受けられない、こういう話ですね。国家試験や受けさせる途を開いたらどうかということですね。ところがその国家試験を受けるとどういう特典があるのですか。
○説明員(金子光君) どういう特典があるかというお尋ねなんですが、多分具体的に待遇その他のお尋ねじやないかとお察しいたします。これは保健婦に限らずすべてのものがそうでございますが、本人の待遇ということは、本人の履歴に伴つてきめられております。只今お尋ねの小学校を出ただけで例えば検定試験を受けて保健婦の免許を取つた人が何年か働いて新しく保健婦養成所に入つて卒業して、国家試験を通つて、新制度の看護婦になつたという人がございます。その者の待遇は正規の高等学校を出て、看護婦学校、保健婦学校を出て卒業した人と比較して、本人の履歴通りに待遇がきめられますので、国家試験を受けたことによつて待遇が飛び上るということはございません。
○專門員(草間弘司君) そうしますと、国家試験を受けさせるということが特別に必要がないように思うのですね。今折角国家試験というものを平等に去年やめさせたわけですね。それを又活かして行く途を開くということは却つて矛盾が来はせんか、ここは如何ですか。
○説明員(金子光君) 先ほどもちよつと申上げましたけれども、その途を又開いてということは、考え方の相違になるかも知れませんが、そういうふうな意味で一般に開くのでは決してございませんので、今申上げたような理由で本人が新らしい制度に基く保健婦として出発しようという気持で入つて勉強した人なんですから、本人は新しい制度による免許が欲しいので、無条件切替えの大臣の免許がほしかつたのではない。勿論具体的には俸給の差はございませんから、本人の自己満足と申せばそれまでと存じますが、それは非常に仕事の上には影響いたします。自己満足は本人の自覚、自重にもなり、誇りとなつてよい仕事ができるということになります。それで本人たちが同じように勉強したのだから、卒業して試験を受けたいという希望を抑える特別の理由もございませんし、それによつて何かよほど大きな変動があれば、例えば国家試験を通つたら俸給が高くなるのだというようなことになりますと、これはとんでもないことになると思います。なぜかと申しますとすべての旧制度の免許を持つた保健婦が恵まれて皆様保健婦養成所に入るということがございませんので、特定の人にだけそういう有利な途が開かれるということになりますから、これは不都合だと思いますけれども、そういう意味で待遇の点では変化がございませんので、本人の実質的な効果を狙つているわけでございます。
○藤森眞治君 そうすると、かいつまんで言うと、もう一回国家試験の制度を復活さそう。その目的は保健婦になるとかというその目的があるとしても、もう一回国家試験の制度を復活しようということになるのですね。
○説明員(金子光君) そういうふうには解釈できないのです。もう一遍国家試験を復活させるのならば旧制度の免許を持つているもの、私は全部受けられるものは誰でも平等に受けさせなければいけないと思います。ところがそうじやないので、平等に受けさせるのでなくて、養成所に入つて勉強した人だけが本人の資格のために新らしい制度に基くものになろうというわけです。
○藤森眞治君 わかりました。それで国家試験を受ける対象になる人はどのくらいの数なのですか。
○説明員(金子光君) 只今のところでは指定になつた保健婦養成所は六個所でございまして、昨年の九月に蓋開けをしております。これで入学のときには法律改正がございませんでしたので、そういう人が入つているわけです。ところが在学中に法律改正になつてしまいまして、自分たちは受けられると思つていたところが、受けられなくなつてしまつた、こういう人が二十人ございます。なお、これは将来にも関係する問題で、将来でも又何人でも入つて来る可能性はございます。たまたま只今二十名しかおりませんのですけれども。
○藤森眞治君 対象が二十人ということで、あとからだんだんと又殖えて来るということのために法律を改正するということはわかりますが、ただ特定の二十人だけのために法律改正するということになつて来ると、これは大分考える余地があるのじやないか、又そういう場合には何かの特例で二十人の人たちだけを救つてやるという方法はこれは考えられるかも知れないので、二十人だけで以て法律改正、ちよつとこれは何だか荷が重いような気がいたしますが。
○説明員(金子光君) お説の通りでございまして、二十名や三十名ばかりのために法律改正ということは私どももおこがましいと思いますけれども、只今も御説明申上げましたように、入学資格のあるかたは許しているのでございますから幾らでも入つて来るのです。それともう一つ申上げたいことは、保健婦は非常に今足りなくて困つております。それで結核の問題などでも、ここに課長さんもいらつしやいますけれども、日本の只今の統計では結核患者の八〇%が治療しているのが家庭でございます。そうしますと、保健婦の家庭訪問指導、家庭療養者指導ということは非常に重要な仕事になりますのですけれども、その保健婦の必要数を非常に下廻つて足りない、そこで保健婦をもつと養成しよう、ところが一方看護婦学校の卒業生も欲しいだけはなかなか保健婦養成所には入つておりません。病院の側では成るべくそつちへ行かないように抑えていらつしやるのが実情でございます。そうすると、旧来の保健婦免許を持つている人、或いは旧制度の看護婦免許を持つている人が入つて来るのを待たなければならないという実情でございますので、やりこれは保健婦の需給対策から考えましても、相当入つて来る可能性は強いのでございます。
○專門員(草間弘司君) 旧制度の保健婦が養成所に入つて出たからと言つても別段その数は殖えないのですよ。ただ新制度の学校を経て国家試験受をけたというだけで数は殖えないのです。保健婦が保健婦になるのです。ただ先ほどおつしやつたことでわからないのは、養成所の試験を受けて養成所に入つて国家試験を受けると、新しい制度の保健婦ができる、こうおつしやつたのですね、そこがわからないのですね、同じ厚生大臣の免許証を得て、あとは養成所に入つたか入らないかだけなのです。養成機関で修業するということが非常にそこでは違う点があるのですか。その教育を受けることがこれが大事な点で、それなら皆奨励して教育をさせればよいが、あとは厚生大臣の免許証を前にもらつておつて、又もらうということは何も意味がないのです。二度もらつてもどつちも甲種待遇なのですから、だからどちらでも甲種待遇というのはおかしい。私の考えでは昔のAクラス、それから言つたのですが、そういう意味で別段国家試験をそこでどうしてもやらなければいかんという事由にはならないのです。ただ養成所を拡充するとか、或いはそういう勉強の途を開いてやるということを拡充してやれば目的は達せられると思う。実力が付きますし、新しい学問がそこに入つて来る、特別に国家試験はここで開かなくてもいいと思います。ただ開かなければいかんと思う途は一つあると思います。それは旧制度の看護婦がありますが、その看護婦が今度保健婦になつたり、助産婦になりたい、こう思つたときには保健婦の養成所に入ることができた、或いは助産婦の養成所に入ることができた。そのときにそれを卒業したけれども、自分の経歴はまだ国家試験を受ける経歴はないという、そのグループだけにはどうしても道を開いてやらなければいかん、こう思うのですがね、これだけは私は大切だと思うのです。併しあとの二つはつまり保健婦の問題と助産婦の問題はどうもつけたりであつて実益は何もない、去年こしらえた制度をちよつと破壊する道を作つたように見えるのです。第三の、五十三条というあれだけは成るたけ考えてやらなければ、今後保健婦や助産婦が足りなくなるからして看護婦のほうからそれを招きたい。ところが看護婦は国家試験を受けられない。養成所へも同じくその道をどうしても開いてやらなければいかんというふうに私ども考えているのですが。
○説明員(金子光君) 只今の先生の御意見は大変よくわかるのです。私どももそういうふうに一時考えたこともございます。それであえて無理することはないじやないかという考えもございますけれども、そこはやはり働らく保健婦と、それから法律を解釈する立場との考え方の違いでございまして、これは本人たちがそういうことになりますと、私どもの見通しでは保健婦養成所に旧制度の保健婦の免許を持つた人が入つて来なくなると思います。そうしますと、保健婦の、今の先生のお話のように資質の向上を図ろうという仮に計画を立てましても、七カ月、八カ月或いは十カ月の期間高い授業料を払つて勉強して、而も卒業しても試験を受けさせてもらえなくて従来通りの立場にいなければならないということになりますと、入学する人はなくなつてしまうと思うのです。まあ入学するものはなくたつて実質的には数は同じだからいいじやないかということになるかも知れないけれども、本人がそれでも満足して仕事をして呉れればいいのですけれども、次の段階で本人が仕事を去つて行くということも考えられないこともないのです。非常にその点心配しております。理窟で言えばそういうことはあり得ないのでございますけれども、実情といたしましては今非常に新らしい意欲に燃えていまして、そうして新らしい制度に基く資格をとつて、そうして生れかえつて働き直そうという気持があるものが、非常にそこで鼻をくじかれるような形になりますので、その点もこれは感情的だとおつしやつてしまえばそれまでだと思いますけれども、そういう問題がありますので、卒業生はずつと入学から卒業まで歩みを共にして来たクラスの者たちと同じ待遇で、扱いで卒業さしてやりたい。そういうふうに考えておるわけでございます。看護婦の問題は絶対にこれはどうにもなりませんので、やつて頂かなければ道をふさぐということになります。
○專門員(草間弘司君) 今の気持の問題は私も賛成です。その点は至極御尤もだと思いますが、養成学校へ入る意欲がなくなると言つても学問はしたい、もつと勉強したいという意欲は決して変りはないと思います。それでそういう型にはまつた養成所でなくても、どしどし再教育で同じだけの教育を与えるということは道はあると思います。その道を講じて行くべきじやないかと思いますのですが、これは意見の相違になりますから、どつちでもいいのですけれども。
○井上なつゑ君 折角課長さんが出ておられますから、ちよつと看護婦の問題に関しましてお伺いしたいのですけれども、御承知のように講和が発効いたしまして、日本の国が本当に独立してやつて行かなくちやならないということがいろいろと保健衛生の面に影響しておりますことは御承知の通りでございます。この国立療養所にたくさん昔、昔と申しましようか、今と違いますが、乙種時代の看護婦学校が設置され、この中に昔のいわゆる甲種の看護婦のが二カ所設置されているという話を聞きました。私ども先般来只今議題になつております保健婦助産婦看護婦法につきまして研究をいたしてみましたところ、いろいろな意見が出たのでございます。その中の意見といたしまして、只今尾村課長さんの管掌下にございます国立療養所の乙種でございます看護婦の養成所を、むしろ私どもといたしましては、国立でございますから、程度をどんどん引上げて頂いて、そして甲種に切替えて行つて頂きたい。そうしてこそ国立の養成所の価値があるのだというので大きな期待を持つておりましたところ、先般療養所の課長会議とかが開かれて、そのときの決議によりますと、どうも看護婦はもうこうした時局にそういう程度の高い看護婦を持たなくてもいい、折魚准看護婦ができたのであるから、療養所をすべからく准看護婦に切替えてしまおう。中に二つくらいございます甲の看護婦の学校も結局これは准に切下げたほうがよかろうというような、非常に看護婦教育の熱が薄らいだというようなことを聞いたのでございます。これは事実でございましようかどうでございましようか、ちよつとお伺いいたします。
○説明員(尾村偉久君) 只今のお話は結論から申しますと、非常に誤解でございまして、伝わり方が、或いは理解が薄かつたのじやないかと思いますが、ただ誤解される点も今から考えてみますと、或いは言葉が足りなかつたのじやないかと思つて反省をいたしますが、実は国立療養所でもそれぞれの段階の看護婦さんの補充が一層必要なんでございまして、それにはやはり上級の者、中級、下級の者、それぞれの分野が必要なのでございまして、その意味では、本省といたしましては、現在二十カ所あります乙種養成所が来年度全部甲種になつてもらいたいところなのであります。ただ前からの経験によりますと、形、入れ物だけ甲種にしても、療養所の立地条件と、それから結核療養所に若い娘さんを出すというのは、まだまだ地方の家庭に非常に問題があるわけでありまして、入れ物の条件が揃つても若し落第生ばかり、屑を拾うというようなことがあつたら、これは実際問題として非常に困る、是非応募者の見込みというものを先ず第一条件にして決定して欲しい、ただ徒らに恰好だけ自分のところは甲種になつてしまいたい、こういうことじや困る、その見通しがつけば応援をして県非甲種にする、こう言つたのでございますが、その点が恐らく誤り伝えられたのじやないかと思う点が一つと、それからもう一つは准看護婦の養成所の運営につきまして指示をしたのでございます。これは初めてのことでございますので、どの程度の教育をしたらいいかということを悩んでおつたのであります。これは看護課でもいろいろ養成方針、養成規程ができまして行くはずでございますが、実際に教育に当る者は国立療養所の中でどういうふうに一致してやるかという点では、やはりこれは准看という制度から考えますと、必ずしも従来の普通看護婦、乙種は自動的に普通看護婦になるようになりましたが、同じ観念ではいかん。准看護婦のほうの養成方針についてはやはり准看としての将来甲種と混合するというようなつもりの中途半端でなくて、新制中学を出た者に結核の患者の看護を通じていい看護婦を作るという人格とかそれから病人を看護するという点を先ず第一に考えて、人間を先ず第一に考える。そのために十分技術的な時間が足りなければ卒業後再教育のつもりでもいい、療養所に大多数残つて頂くつもりだ、こう言つたのでありますが、この点が恐らく混同して、誤り伝えられて、療養所というものは准看を中心にして若い者ばかりでいいというふうに思われたのじやないかと思いますが、そういうふうなつもりは全然ございません。できるだけ本当にいい者がとれるならば、療養所も二十カ所の乙種が全部甲種に切替わるならこれにこしたことはない、こう思つております。
○井上なつゑ君 大体様子をわからして頂きましたが、それでは将来の療養所で准看護婦を置いて、そうしてその教育年限のほか、経験を持たせるために長く療養所に働かせるというような御希望も出たようでございますが、そうしてみますと、療養所では准看護婦とそれから看護婦の比率をどのくらい将来お使いになる比率をお考えになつておりましようか、それもお伺いしたいと思います。
○説明員(尾村偉久君) この点はまだ全然今のところきめてないのでございます、と申しますのは、今度できました准看護婦の養成所というものが将来どのくらいの人数で普通看護婦の養成所と比率的にできて行くか、これもまだ見当つかんものでございますから、やはり需給源が確保されませんと、比率を先にきめますと、比率をきめた、併し出て来るのは普通看護婦が大部分であつて、准看護婦は僅かしか養成されて出て来ないということになりますと、これは非常に工合の悪いことになりますので、もう少し准看護婦の養成所が、乙種がなくなりまして准看と普通看護婦だけになつた場合に、どの程度応募者が多数で、それから真の准看護婦養成所が発生するかということになつてから比率をきめて、人事院等とかけ合いませんと、むしろマイナスになるのじやないか、こう考えておりますので、もう少しこれは先になつてきめたほうがお互いに利益じやないか、こういうふうに考えております。
○井上なつゑ君 それで大変安心をいたしました。現在こういう程度の高い甲種の看護婦学校は決して下げない、より拡充されるとも下げられない。そして乙種のものもこれは甲種に切替えられる可能性が多分にあるということは非常に嬉しく存じております。もう一つ承わりたいのは、療養所ではこの頃大変に患者の看護に手が要るというので、完全看護を実施するのに非常に研究を要するということで、看護婦業務の内容を療養所で検討をしておられるということを聞いたのでございますが、どういう点を検討しておられるのでございましようか、その点お伺いしたいと思います。
○説明員(尾村偉久君) ここにも丁度資料を持つて参つたのでございますが、実は附添の問題ともからみまして、療養所が現在免状を持ちました看護婦が定員に対して約二割強欠員なんでございます。これはあらゆる努力をしておるのでございますが、立地条件と、先ほど申上げました結核或いはその他の病気もそうでございますが、特殊な疾病のためになかなか来ない。そのために現実には国立結核療養所では七人に一人の割合しか看護婦がおらない、患者七人について一人、予算的には六人に一人とつておる、今のような欠陥から七人強に対して一人しかおらない、こういう工合でございますから、患者側といたしますと、何でも看護婦にやつてもらいたいというのがこれは、尤もなことでございまして、併しながら現実にはそれだけの人がいなければ結局オーバー・ワークをいたしまして、免状を持つた看護婦が毎日超勤をするとか、非常な労働をいたして、結局倒れてしまつて、一層欠勤者が出て、残つた者にオーバー・ワークが重なるということが現に起つておるのでございます。看護婦のやつておると思われる業務の中で実際には免状を持たない者でもやり得る仕事がある。例えば配膳室から食事を持つて来る仕事、或いは便を見るのは看護婦が見ますが、その後便所乃至は汚物処理場まで運びまして、これを捨てるというような仕事は区分して、免状を持たない者でもできるのではないか。そういうような形から是非看護婦がやらなければどうしても工合が悪いという業務と、若干任せられる業務というものを、国立結核療養所の特殊性に合した区分ができるという工合で一応案を作りまして、これについて実際に合して、療養所の実情と合した案を作つてみてくれということをこの間の会議でお願いをしまして、今要求しておるわけでございます。こうなれば理想は別といたしまして、現実で看護婦側もつぶれないし、患者も看護婦のやるべき仕事までやられては却つていけませんから、一定の限度を示したものでは安心してそう心配要らないというような線を差当りきめたい、こういうような点で業務内容を検討しておる次第でございます。
○井上なつゑ君 よく内容はわかりましてございます。この間も実は私或る療養所を訪問いたしまして、今尾村課長がおつしやると同様に患者からさんざんの不足を聞きました。結局援護法の中にも入らずに、そうして生活面は非常に困窮をしておる、そこへ持つていつて病院の完全看護、完全給食と言われますけれども、実に看護婦の手が不足で完全に看護をしてもらえない、附添いをつけてもらおうと思つてもなかなか未復員者給与法によつて、午前中に出ましたあれによつて、附添人もつけてもらえない、実に見捨てられた状態にあるということで、誠にひがんだ、不足の状態をまざまざ聞いたのでございます。今でも看護婦でなくてもできる仕事がどこかにあるのじやないかということで、雑仕婦を入れ下さることは非常に結構でありますけれども、これはややともいたしますと、雑仕婦さんが看護の部面までも出て参るということで、結局看護婦の定員を減らされるということはこれまでたびたびあつたことであります。雑仕婦が入りますと、看護婦の定員が減ります。さつき言つた例など多々あります。殊に伺いますと、この間から療養所の看護婦は非常に充実して来たということで私どもは安心しておりましたけれども、二割も足らないということはこれは又由々しき問題だと思います。それについても療養所の看護婦の待遇ということもこれは再検討して頂かなければならんのじやないかと思います。恩給法にも……、本当にそういう恩給法の対象には婦長しかないので、結核は恩給法によりましても、五割増しの恩給が渡つてなくちやならんと思いますけれども、共済組合によると十何年も……、あれは実に私は不合理だといつもよく申しておるのであります。国立療養所の待遇からして改善いたしませんと、看護婦が集らないのはこれはもう当然でございます。どうぞ厚生省におきましても、療養所の看護婦の待遇の面も、業務の内容を検討なさると共に検討して頂きたいと思います。これは私どもいつも声を大きくして言つております。それから一つ若い看護婦を入れて結核患者の看護に当らせるということは……、結核の病状からしていつも定まつた看護をするということで、実に結核患者ほどむずかしい患者はないということは皆さん御存じだろうと思います。これは若い人は本当に患者の言うことを聞いて小間使いはできるかも知れませんが、患者の本当に療養指導をするのは、私本当の昔の甲種の看護婦でないとできないと思います。療養所でも非常に喜んでおる次第でありますので、療養所課長抜け目はございませんでしようけれども、予算の面でも来年度はらんとふん張つてもつらつて、程度の高いほうに切替えるように一つお願いしたいと思つております。私はそれだけ希望を申上げて質問を終りたいと存じます。
○河崎ナツ君 丁度課長さんがおいでになりましたからちよつと伺わせて頂きたいのでございますが、今課長さんのお言葉で、仕事を整理してそうして誰でもできるものはそつちに移して看護婦さんをつぶさないようにしたい、非常に看護婦さんはお気の毒なほど忙がしい、殊に療養所ではまあ過労もありほかのこともあり、大分長期欠席のおかたが療養所にございますが、行つて気の毒だと思つたのでございますが、ただ問題は現実においても看護婦さんの定員を雑仕婦さんが食つておりますね、看護婦さんの定員は雑仕婦さんの定員の枠とは別の枠にこれは是非してあげなければいかんと思うのですが、課長さんは予算的にあらゆる努力をしておいでになるのですか、それともあの定員というのは動かせないものでございますか。実情に応じて、こういうふうになつておるからというので動かすようなことは課長さんのほうでなすつておいでになるのでございましようか。それともどこを押せばよくなるのでありますか、あれを動かしてもらいたいと私は切に思つている一人なんでございますが、そういうことにつきまして皆さんのほうでやつておられるか、又どこでやればいいかというようなことを御指示を頂きたいと思います。
○政府委員(尾村偉久君) 只今の、看護婦の欠員があるから、それをもう雑仕婦で間に合わすというつもりはないのであります。飽くまで看護婦を六人に一人というのは病院そのものでも必要なものだというので四年前からも認められて比率をとつておるのでございます。従いまして二十六年度、二十七年度予算いずれでも、当初予算では全国を通じまして約二千名の、病棟婦という名前をつけまして、雑仕婦という名前をつけるといやがるものでございますから、病棟婦という名前で別枠で予算要求はいたしておるのであります。ただ御承知の通り定員を職員は一人も殖やさんという点が一つと、それを別枠でとりながらそれじや看護婦のほうの約二千名の欠員はすぐ埋められるかどうかということだつたのでございます。これは数年来国会からもいろいろ御意見がございまして、非常な努力をいたしたのでございますが、漸ぐ幾分縮まりまして、曾て六割五分しか充員しておらなかつたのが今八割になつた。それが昨年来固定しておりまして殖えなくなつた。何としてもこの欠員を埋めるという自信がないものでありますから、従いましてそれならば差当りは二千名殖やしたつもりでそれを使つておればいいじやないか、とれないものを残したところが、ただ予算のやりくりに過ぎない。一方で欠を持つておると、むしろそつちに落されてしまうという向きがあつたものでございますから、差当りはそれで埋めるという形で、今後も形としては飽くまで別な仕事で、別な種目でというので要求は続けたい。従いまして、その裏付としては飽くまで看護婦の欠員は埋めるのが先決問題でございますが、これには今のところ、待遇問題は今お話がございましたが、俸給表等は大体今のところ、もよりの同程度の民間療養所等とはそう差がないのでございます。民間のほうは一層この看護婦を得にくくて困つておるのでございますが、その点は結核同志の取りつこというようなことで、具体的に申上げますと、国立にだんだん流れ込みやすい状況でございます。ただ問題は、それ以外の都会地にある一般総合病院とのあれでは、僅かばかりの待遇の差は全然問題にならないのであります。都会地に来たいということ、結核のああいう退屈な、単調な、やかましいことの起りやすい療養所では全く忍びがたいということで、家庭も本人も両方で来たいということでありますので、この解決策としてはどうしても広い意味の結核知識の普及というか、そんなものではないということを、結核療養所の看護婦の生活はそんなにたまらんというようなものではない、友達同志で一人々々に村にでも行つてもらつて、帰省したときに宣伝してもらう以外に実際にはなかなか方法がない。ですからそういうような具体的な手はどうしても打つて行かなければな ない。それからもう一つは、やはり幹部職員でございます。これが看護婦に対する思いやりがないとか、やりにくいとか、或いは相棒の幹部職員がやはり昔なりの看護婦を見下した感じでちつとも家庭的な雰囲気が出ないというのも非常に大きな原因であります。これも私どものほうの非常な責任でありますので、看護婦に対する幹部職員の扱い方というものについてはこれは是正をしたいと努力いたしております。
○委員長(梅津錦一君) 本日はこれにて散会いたします。有難うございました。 午後四時五十八分散会