厚生委員会 第25号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1952/06/13
会議録
○委員長(梅津錦一君) これより厚生委員会を開きます。 日本赤十字社法案を議題といたします。提案理由の説明につきまして衆議院のほうから青柳さんが見えられておりますので、御説明を頂きたいと存じます。
○衆議院議員(青柳一郎君) 只今上程せられました日本赤十字社法案について、その提案理由を御説明いたします。 先づ本案は日本赤十字社の行う事業の公共性と国際性とに鑑みまして日本赤十字社の特性を生かし、その自主性を重んじ、事業の円滑適正なる運営を期せしめまして、一つには、日本赤十字社が国内の現状に即してその本来の使命を発揮し、国民生活の安定に一段の力を尽くすようにいたしますと共に、又一つには、日本赤十字社が国際赤十字の一員としての地歩を強め、我が国をめぐる複雑な国際情勢の下にあつて、赤十字国際機関並びに各国赤十字社とよく力を合せ、世界の平和と人正数の福祉に貢献せしめまするために、日本赤十字社を特殊法人に改組し、これを強化しようとするものであります。そもそも赤十字は、世界の平和と人類の幸福とをもたらすために、一八六四年八月二十二日スイス国ジユネーヴにおいて、スイス国ほか十一カ国の間に締結された戦時における戦傷病者を救済しようとする「赤十字条約」によつて確立せられ、一九〇六年及び一九二九年の再度の条約改正を経まして現在我が国を初め七十カ国によつて支持せられ、又赤十字社は、赤十字条約加盟各国においてこの条約の崇高な使命を達成するりために奉仕しようとする、平和を愛好する人々によつて組織せられ、その振動は赤十字条約の規定に従つて戦時における戦傷病者の救済に奉仕するほか、真の平和と人類の福祉を確保するための根源に遡つて、常時において人々の健康を増進し、疾病を予防し、又天災地変その他不測の不幸から派生する生活上の苦痛を軽減することにあらゆる努力と奉仕がなされ、而もこの努力と奉仕は自国民のみに止まることなく、各国赤十字社相協力して、可能なる限り広く世界各国の人々の上になされるものでありまして、このため赤十字条約加盟国の各赤十字社は、国際赤十字機関を構成して組織ある赤十字活動を展開し、且つ赤十字活動を通じて強固な国際親善の基礎を培い、世界恒久平和の逮成に貢献いたしておりますることは、御承知のところでありまして、各国政府が自国赤十字社を公認し、種々の特権と便宜を与え、その発展振興に当つておりますることは、けだし上述の理由によるものであります。 殊に昨年九月平和条約調印の際、日本は、平和条約発効後一年以内に「一九四九年八月十二日の戦争犠牲者の保護に関するジユネーヴ諸条約」に加入することを世界に宣言いたしましたことから、日本赤十字社の制度をこの際速かに確立して該条約受入の態勢を整えますことは、平和を愛好する我が国の真摯なる態度を世界に宣明するものであると深く信ずる次第でございます。従つて日本赤十字社に対し、その所期する活動を期待いたしますためには、現在のような民法上の一般社団法人として運営せしめることなく、日本赤十字社の性格とその実態に即し、特殊法人としての法的根拠を与え、国の指導援助の下に強力にして且つ健全な運営を図らしめることが、最も重要であると思惟されますので、ここに日本赤十字社法案を提案いたした次第であります 本法案について主なる点を申し上げますれば、第一に、日本赤十字社は、赤十字に関する諸条約等の精神に則りまして赤十字の理想とする人道的任務の達成に当ることを目的とする我が国唯一の赤十字社であることを明らかにすると共に、日本赤十字社がますます事業の公共性を発揮して国民の負託に応えることができるよう、従前と異り、その社員の地位を明確にすると共に、役員に関する規定を時代に即応する民主的なものといたし、総会に代るべき代議員会を設くる等、その運営管理の基本について規差したことであります。第二に、日本赤十字社の国際的な性格に鑑み、その運営の成否ば国際信用の上に至大の関係を持つものでありますので、国際赤十字の一員としてその本来の使命を来すよう国際協力の原則を規定したことであります。第三に、日本赤十字社に対する国の立場を明らかにしたことであります。日本赤十字社の活動は、赤十字条約の規定に基き、篤志赤十字機関として国の赤十字に関する条約業務に奉仕し、平時においては健康の増進、疾病の予防及び苦痛の軽減等のための国家的施設を補足するものでありますから、国は日本赤十字社によつて実施されるこれらの役割に対し、その代償として必要な特権と便宜を与え、又物心両面に亘る援助をなすことといたしたのであります。併しながら、他面日本赤十字社の役員の決定、その他運営の本質に直接関係ある事項につきましては、赤十字国際会議において決議された諸原則を尊重し、又その国際的な性格から考えまして、中立性を保持せしめる必要から、その自主性を重んじ、不当な関与はこれを避けしめることといたしたのであります。第四に、日本赤十字社が現在なお千三百万入に及ぶ社員を擁する全国的組織の社団たる性格に鑑み、その基盤 たる社員について一章を設け、その資格、加入脱退並びに権利義務等を明確ならしめたことであります。第五に、日本赤十字社の兼務を明らかにすると共に、赤十字に関する条約に基く繁務並びに非常災害時又は伝染病流行時における非常救護のために必要とする看護婦等救護要員の確保について必要な看護婦養成等に関する事項を規定したことであります。第六に、監督規定を設けまして、日本赤十字社の業務につき、その適正な監督を実施することといたしたのであります。日本赤十字社の運営につきましては、その特性を活かし、自主性を重んじて健全な発達を奨励促進せねばならないことは言を待たないところでありますが、その健全な発達を促すためには、常に善意に基く監督が必要でありますので、そのために業務上必要な命令をなし、又役員中不都合の行為のあつた者に対してはその解任を勧告し、又監督上必要な報告を徴し、或いは又事務所に立ち入り業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査して、その業務の適正な実施を期せしめることといたしたのであります。第七に、日本赤十字社の行う事業に対し、国文は公共団体の助成の途を講じたことであります。日本赤十字社は、その性格から礼員の醸金によつて維持経営せられるのが理想でありますが、非常救護のための救護班の派遣とか、病院、診療所及び療養所の創設、拡張、改良とか、或いは又救護員の養成のためには、多額の費用を要することが予想せられ、社員の醵金のみを以てしては、到底賄うことができないのみならず、これらの事業はいづれも国家的施設の補足をなすものでありますので、これらの費用に対して国又は公共団体は或いは補助金を支出し、或いは有利な条件で貸付金を支出し、又は財産を讓渡貸付できることとして助成することといたしたのでございます。 最後に、日本赤十字社は、その本来の業務に必要な資金について寄附金を募集し得る旨の規定を設けたのであります。 日本赤十字社がその業務を行うに必要な経費につき社員の醵金で不足する分については、従来いわゆる「白い羽根募金」を毎年一回定期に実施して参つたのでありますが、これについては社会福祉事業に要する経費を除いた日本赤十字社本来の業務に必要な募金を行う場合には、厚生大臣に届出ることとし、更に特別の事情に基き必要な経費に当てるため臨時に実施する寄附金募集については、厚生大臣の許可を受けることといたしたのであります。 なお、ここに申し添えておかなければならないことがございますが、それは現在こちらに付託されておりまする日本赤十字社法案の第三十六条と第三十七条に関しまして、この定期の寄附金募集及び臨時の寄附金募集に関する規定に関しまして、衆議院におきましては修正が加えられました。その内容はこの二カ条を附則に移しまして、そして当分の間こういう方途を講じさせる、こういうことでございました。これに関連いたしまして必要な条文、字句の整理をいたしたのでございます。この点を附加して申上げておきます。何とぞ慎重に御審議のほどを切にお願いを申上げます。
○委員長(梅津錦一君) 提案理由の説明を頂きましたが、なお、質疑に入りましようか、如何いたしましようか。 〔「どうぞお入り下さい」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) それでは質疑に入りたいと思います。順次御質疑を願います。奇柳さんのほうはお急ぎでございますので、成るべく御質疑を簡潔にお願いいたします。
○井上なつゑ君 結構でございますから……、私は資料の要求をいたしておきたいと思います。
○委員長(梅津錦一君) それでは質疑の件は次回に譲ることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) では一質疑は次回に譲りたいと存じます。どうも有難うございました。
○中山壽彦君 この赤十字法案の審議は昨日もちよつと打合会に申上げたのですが、各派からそれぞれ小委員を選出して頂いて、小委員会で一応審議をするようにいたしましたほうが進行上早いと存じますので、これを提案いたします。
○委員長(梅津錦一君) 只今中山委員から動議が出ましたが、如何いたしましようか。
○山下義信君 中山君の動議に賛成いたします。なお、小委員会で御審議になりましたのちにでも、更に本委員会で十分御審議を継続されることはできることでありますし、一応小委員会で御検討を一つ願つて、その小委員の人数は何名になさいますか。
○中山壽彦君 各派から一名ぐらいでいいと思いますが……。
○山下義信君 そうですね。中山君の御動議に賛成いたします。
○委員長(梅津錦一君) それではそういうことで……。
○井上なつゑ君 只今、昨日から中山委員が小委員会を作りたいとおつしやつておりますけれども、只今山下委員の御賛成がございまして、それで各党から一名ぐらいとおつしやつておられますけれども、すでにこの赤十字法案につきましては、この委員会におきましても大分よくいろいろと御研究になつて頂いておると思いますので、小委員といたしましても、三人とか五人しかおいでにならないかも知れませんし、本委員会といたしましても小委員会の人数ぐらいしか出られませんのでございますので、私はむしろ初めからこれを本委員会に付託して頂きたい。初めから本委員会で御審議が願いたいのでございますが、如何でございましようか
○委員長(梅津錦一君) 中山さんの御動議に対し山下さんは賛成でございますが、異議がございまするので、如何いたしましようか。
○山下義信君 井上さんの御意見も御尤もと思いますが、一応昨日の理事会で御決定になりましたことですから、まあ理事会の御決定は尊重して、私と動議に賛成しておるわけなんです。それでまあ小委員会でも十分御審議も願うわけでありまするし、又それだけで済ませるというわけでもないわけですから、一応理事会の御決定通りにお運びを願うことが至当であろう、こう思うのです。
○井上なつゑ君 只今山下議員は昨日理事会で決定したようにおつしやつておられますけれども、昨日の理事会は本日の提案理由の説明を聞いた上で善処するということに決定したと存じておりますのでございますが、如何でございましようか。
○山下義信君 そういうことになつておりましたが、本日の提案理由の説明を聞いて、そして小委員会を置くか置かんかということを諮ろう、こういうことになつておつたのです。小委員会の設置の動議をいきなり出してもいけませんから、御質疑があれば御質疑があつたその模様によろうというわけであつたわけであります。今御質疑もないようでありまするし、賃料の提出の御要求ぐらいのようであります。そこで小委員会の設置の動議が出たと思うのでございます。これは昨日の理事会の申合せの通りに私は進んでおるのではないかと思うのですね。
○井上なつゑ君 もう一回申上げさせて頂きます。昨日は御承知のようにあの理事会では、私が再度申上げまして誠に失礼でございますけれども、何と申しましようか、梅津委員長も御承知のように、これは提案理由のこの問題に入りますときにちよつと事故が起りまして、提案理由の説明を聞いてからこの小委員会を作るか作らないかを決定するというようなことであつたと思うのでございます。併し只今中山委員から動議もございましたし、山下委員のほうからもこれに賛成しておられますから、小委員会をお作りになるのでしたら、各党一人なんということを決定しないで、この問題に関して興味々持つたかを全部お入れになるよう何とか御善処して頂けば、私は譲らないことはございませんから、どうか委員長、皆さんにお諮り願いたいと思います。
○中山壽彦君 この小委員会の指名と小委員長の指名は委員長に一任いたしたいと思います。
○委員長(梅津錦一君) お諮りいたしたいと思うのですが、実は本日は各派全員揃つておりませんので、この程度で話合いを終りたいと思います。あとで異議が出ても困りますから、大体この程度の話はまとまつたということで後刻決定したいと思うのですが、委員の出席数によつて、後刻というのは本日の後刻でも結構でございます。
○山下義信君 委員長のお考えは御尤もでありますが、そうすると動議の扱いはどういうふうになさいますか。
○委員長(梅津錦一君) 動議は成立しておると思うのです。これだけの人数であれば成立しないわけでありますが、実際いうと定足数を欠いておりますので……。ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて。只今の中山さんの動議を取上げることに決定して御異議ありませんか。 〔「異議なしと呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) 動議は取上げることに決定いたしました。速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて。動議は取上げることに決定いたしましたが、それに対しまして小委員長、理事の指名の件に関して私にお任せ願えるでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下義信君 あれはちよつと、異議はありませんけれども、一応小委員の御決定は委員長に御一任ということになつておりますが、その小委員などはどうするかということは小委員会のほうへ又お諮り願つたほうがいいのじやないかと思います。
○委員長(梅津錦一君) それでは小委員の指名に対しては指名権を私に御一任下さることで、小委員長に対しては後刻又打合せたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) それでは赤十字社法案の件に関してはこの程度で打切りまして、次の議題に移りたいと思います。ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて。赤十字社法案に対する資料要求がございましたが、その藤森さん、井上さんの資料要求に対しては、事務のほうから手続をとるようにしたいと思います。なお、小委員会を作ることに決定しましたが、名前がないと工合が悪いので名前をつけたいと思いますが、何かよい案がございましたら……。
○山下義信君 委員長に一任いたします。
○委員長(梅津錦一君) それでは考えておくことにいたします。速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて。それでは請願の件に関し、特飲街の事件でございますが、広島市大須賀町に特殊飲止店街設置反対の請願を議題といたします。請願の梗概について専門員のほうから御説明を願います。
○専門員(多田仁己君) 本件は請願者は広島市の植木仙次郎君でございますが、件名は広島市大須賀町に特殊飲食店街設置反対ということでございまして、反対運動の代表者という資格において請願者が請願をしておるのでございます。紹介議員は藤原道子先生と山下義信先生でございます。請願の要旨は広島市の鉄道の駅に近い大須賀町という所に特殊飲食店業者が特殊飲食店街を新規に設置するという計画を立てておるが、それを中止してもらいたいというのでございます。
○委員長(梅津錦一君) 以上請願の梗概でございますが、もう少し詳しく御説明が願いたいと思うのですが、状況等号について……。
○山下義信君 私から便宜補足いたしたいと思います。この請願は御承知のごとくすでに春以来出ておりましていろいろな御承知の関係で地方行政委員会に一応廻つておりましたのですが、今回当委員会に付託替えになりましたのです。今後は挙げて特飲街の問題は厚生委員会で処理するという条件付きで、而もそれがこのたび原則が確定をいたしましたわけでございますが、この特飲街の事件は東京都内にありましたケースと大体まあ大同小異でございますが、すでに家屋の建築は一部終りまして、大変まあ地方の問題となつたために、広島県だけの問題ではなく、中国全体の兵庫県、岡山県、山口県等々との関連の問題になりまして、相当地方の大きな問題となつておるわけでございます。この建築は或いはその処理の状況等につきまして、いろいろ検討を要する点もあるかに存じまするので、この請願を審議願いますにつきましては、一般の特飲街の問題等と睨み合せて頂きまして、本委員会で御検討を願いたいと、こう思うのでございます。願わくば委員会といたしましても、非常に御多用中で恐縮ではございますが、請願者の趣旨をお取入れ願いまして、でき得れば委員長のお手許で御調査願えれば誠に有難いと存じますので、一応書面だけでは実情も尽しがたいと存じますので、委員長のお手許で然るべく御調査をお進め願いました上で、改めて次回に御審議を願いたいと、かように存じますのでございます。
○藤森眞治君 私も山下委員のお説に賛成ですが、これは一広島市の問題といわず、今後において各地方においてもこういう問題が起つて来るのじやないかということも予想されるので、よほど慎重にこれは考える必要がある。そういう意味で何か調査をするとかどうとかいう方法を講じられるように希望いたします。
○委員長(梅津錦一君) この問題は、池上のやはり特飲街の問題が同じように出ておりますが、山下さんのほうから何らかの方法で調査をするようにという御希望でございますので、その点よくわかりまた。いろいろ費用の点その他に関して研究して然るべく取計らいたい、こう思つております。
○山下義信君 委員長に御一任します。
○委員長(梅津錦一君) 承知いたしました。調査の結果によつてこれが内容を検討して行きたい、こう考えますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて。厚生省設置法に対する件を議題といたします。質疑に入ります。
○山下義信君 厚生省の設置法の中で一番大きな問題は引揚援護庁を内局にするということなのです。それで次長を置くことになつておるということなのです。それで地方の支分部局ですか、そういう関係がずつと援護庁について変つて来る。でこれはどういうふうになるのか。実は我々によくわからんのですがね。でこういう説明を内閣委員会で聞かなかつたので、こちらはいきなり行つてから異議を言つたのです。改めて厚生委員会で大体今度の厚生省の設置法がどういうふうに改正されるのか、又改正されることによつてどれだけ事務の渋滞もあるのか、いろいろ前後の見通しも開きたいというので、公安委員会が構成されたと思うのです。取りあえず引揚援護庁に関してどういうふうに変るのか、その変ることを実際に実施しようとするとどういうふうに実施して行くのか、今遺族援護の事務をやつておるわけなんでありますが、それはその仕事の関連性を一遍一つこちらの厚生委員会で明確に聞いておかないと、内閣委員会の連合委員会に行きましても又申上げ方もあろうかと思います。一遍政府から御説明を願いたいと思うのです。
○政府委員(木村忠二郎君) 援護庁の現在の機構を申し上げますると、長官の下に次長がありまして、局が二つその下についております。総務課のほかに援護局と復員局と二つの局があります。援護局には現在課が九つ、それから復員局は更にその中に庶務課のほかに部が復員業務部、経理部、それから留守業務部、それから第二復員局残務処理、これだけの部がございましてそのほかに課が資料整理保、法務調査課、それから整理審査一課、審査二課、審査三課という独立の課が、部に属さない課があるというような非常に複雑な組織になつておるのであります。これは御承知の通りに引揚援護庁の従来のあり方からこういうふうになつておるのでありまして、特に旧陸軍、旧海軍の残務処理という仕事のために復員局というものができておりますので、これが従来の資料のできておりまする関係からいたしましても、陸軍と海軍との資料が全然別にできております。これの処理も全然別の系統で別の組織でやつておつたわけであります。従いまして、現在の遺族の援護等の仕事をいたします上につきましても、一番大きな問題になりまする軍人軍属に関しましては、それが果してどういう身分の軍人軍風であつたか、そしてこれの死亡、傷痍の原因が公務によつたものであるかどうかという点につきましての調査につきましては、従来の陸軍並びに海草の持つておりました資料をその組織を使いまして明らかにする以外にはないのでありまして従いまして、現在できるだけそういうような機構をそのまま使いましてやりたいというふうに考えまして、現在までその仕事を進めて参つておるわけでございます。これを内局にいたしますれば、結局現在の案といたしましては、局の下に次長二人、そうしてその中にあと課を幾つかに分けまして、この仕事をするということに相成るわけありまして、それによりまして、仕事が理論上から申しまするとできますし、できないこともないというふうに考えられるのであります。ただこの仕事は私どもといたしましては、御承知のごとく一年以内に完全に全部仕上げてしまわなければならない仕事でありまして、その間一人の増員もこの仕事については認められておらず、僅かに若干の臨時要員の形で以て人を入れて仕事をするという非常に切り詰めて仕事をしなければならないわけでありまして、我々といたしまして、これは仕事をどういうふうにしたらば今の構成で以て完全に果すことができるかということに苦慮いたしておるわけであります。今度の構成改正案におきましては、人員につきましては、殆んど現在のままの人員で以てやるのでありまして、従いまして人員の点から行きまして我々といたしまして、この仕事が現在と機構を変えましたために、非常に能率が落ちるということは人の数から申しましたならば、言えないのではないかと思うのでありまするが、ただこの間におきまして、我々といたしまして、非常に注意しなければならんことは、従来の機構でやつておりますと、仕事の組織を動かすことによりまして、その間におきまして能率が落ちるということはないということは、私どもといたしましては、保証はいたしかねるのじやないかと思つております。これにつきましては、どちらにいたしましても政府といたしましては、原案を出してこの審議を願つたのでありますからして、これによりましてできました組織につきまして、我々といたしましては完全にその仕事を遂行して行くということに努めなければならんというふうに考えておりますが、現在非常な複雑な機構がそれぞれの節約がございますし、又運営に伴つて、できました機構における各種の書類等におきましても、それぞれの従来の行き方で整理いたしておりますので、これを改組いたしますることになりますれば、どうしてもその仕事の運用におきまして、我々といたしましては、これで満足すべきものであるということはなかなか言いかねるのじやなかろうかというふうに思つておるのであります。
○山下義信君 援護庁の職員は、今総数何名ですか。
○政府委員(木村忠二郎君) 本庁に千百十一名、地方に六百六十八名となつております。地方と申しますると府県じやございませんで地方部局でございます。
○山下義信君 わかりました、約千八百名……。これは外局だけで、あとの課などはなんですか、これは内部規定で、省令できめるのでしようが、法律事項でありませんけれども、課は大体現状のままでございますか、若干の地方支分部局でありますか、というものは法律で変えることになつておりますが、大体の課はずつと従来の通りという考え方でございましようか。やはり影響を受けまして、課の統理配合とかいうようなことをさせなければならんということになつて来ましようか。
○政府委員(木村忠二郎君) 内部部局になりますると、その中間を統轄する機関がございませんからして、従いまして或る程度の課の整理はしなければならんだろうと思います。
○山下義信君 それは大変なことで、課の整理統合をやらなければならんということになつて来るというと、今長官の言われたように、大変に事務の渋滞を来たし、その事務の引継ぎから、事務の所管替えから大変なことが起きて来る。この資料を前に……、この表だと思うのですが、五月一日現在の厚生省の機構の配置表と、それから今度改正後の法律に言われておる配置表があるようですが、比べて見てよくわからんのです。引揚援護庁だけ切つて、現在の機構と、それからそれが変るところを赤かなんか入れて頂いて一枚でわかるような資料を作つて頂けませんか。厚生省のほうで作つて頂きまして、至急に一つ今この法律の上に現われておる現われ方でよろしうございますから、この資料を一つ出して頂きたいのです。
○委員長(梅津錦一君) 今七分前になりましたが、また時間がございますが、これで休憩に入りたいと思いますが、如何でございましようか。よろしうございますか……それではこのまま暫時休憩いたします。 午前十一時二十三分休憩 —————・————— 午前十一時四十一分開会
○委員長(梅津錦一君) それでは休憩前に引続いて再開いたします。
○山下義信君 援護庁のことで続いて聞きたいのですが、先ほど一覧表のわかりやすいようなものをお出しして頂いたのですが、表は表で頂きますから、いま一つ地方支分部局ですね、設置法の中で、なかなか読みましてもわかりにくいのですが、どういうふうに変るのか御説明を一つ願いたいのですが。
○政府委員(木村忠二郎君) 地方支分部局につきましては、これは大体変りはないわけであります。現在あります地方支分部局をそのまま引継ぐものということになります。ただこれが引揚援護庁の設置令に入つておりましたものを、こちらの設置法に入れるというだけであります。
○山下義信君 そうですが、変りございませんか。そうすると舞鶴引揚援護局というのも今後もあるのです。復員連絡局というのもあるわけですね。
○政府委員(木村忠二郎君) さようでございます。
○山下義信君 それでは政務次官に伺いますが、この今回の行政機構の改革で、この閣議で決定と言いますか、政府の方針として厚生省のほうへどういうふうな原則と言いますか、改革の基準と言いますか、そういうものが示されたものはどういう点でありますのですか。
○政府委員(松野頼三君) 実は私のほうに共本線というふうなものを厚生省に示されたというのは私は聞いておりません。大体これは閣議で全部おきめになつたということたけでありまして、そのときの方針は外局は全部なくすると、部制を全部廃止すると、この二つが大きな基本線で、その上立につて行政管理庁長官が原案をお作りになり、最後に閣議で各省大臣の御了解を得られて、それを各省大臣提案でお出しになつた。こういういきさつでありまして、私のほうの省内に特にどうだこうだという具体的な御方針を示されて、それによつて案を作つたという働きかけでございませんで、主として行政管理庁が各省の意見を事務的に聴取して、これを一括閣議にかけられたといういきさつだと私はこう承知しております。
○山下義信君 わかりました。
○谷口弥三郎君 私から一、三お伺いしたいと思います。今回の機構改正によりますというと、公衆衛生局には次長を置いて、環境衛生部などは廃止するということでございますが、そのほうが実際によく運用ができるとお思いになつて、こういうふうに御改正になろうというのでありましようか。それらの点の可否を一つお伺いしたいと思います。
○政府委員(松野頼三君) 公衆衛生局に次長を置くというような案には私のほうはなつておらないと思いますけれども、政府としては、今の次長を置くということにはなつておらないのでございます。政府の原案には……。
○谷口弥三郎君 そうですが。そうすれば単に環境衛生部とかいうものを除けたままで、そのままでやつて行けるというわけですね。
○政府委員(松野頼三君) 原案は環境衛生部を除けたままになつております。
○谷口弥三郎君 そうですが、又あとで……。この統計調査監を今度はこしらえて調査部を廃止すると、この調査部を廃止するということは、現在のような極めて統計調査部は厚生省方面には特に必要な部でありますし、殊に最近はますます拡充されなければならんというような場合に、部をやめてしまつて、そうして調査監ができたということで、実際にうまく行くようにお考えになつておりますでしようか、どうでしようか。
○政府委員(松野頼三君) 実はうまく行くつもりでおるのでありまして、勿論過去においてこういう例はやつたことはございませんから、うまく行くのだという実証を挙げろと言われますと、甚だ実は困るのですが、そういう閣議の方針がそこに来ましたので、それに合せて部制を廃止した、部制を廃止して、三課をいきなり官房に入れてこれをやるということは、これは甚だ無理なことでもありますし、仕事の性格上、殊に統計調査という特別の性格を持つておりますので、会計課、総務課と同様に統計調査部の三課を一緒にやることもこれはなかなか無理なことでありますので、こういう特殊な仕事という意味で、特別に監を置きまして、この監によつて大臣の補佐をしてもらう、こういうつもりで監というものを置きまして、やれるかやれないかと言われますると、甚だ実は過去においての実績がございませんので、まあ有能な官吏を有しております厚生省ですから、統計調査監によつてこの運営を丁度補佐して行きたいと、こう考えたわけでございます。
○谷口弥三郎君 なお又医務局などにおいて、次長を今度は廃止するというような案らしいのでございますが、これも次長なるものがないということは、医務局の今後のやり方が非常に困るだろう、殊に現在では国立病院の地方移譲などという大きな問題までも抱え込んでおられる際に、次長を除けるということは、これはよほど困りはせんかと思うのですが、如何でしようか。
○政府委員(松野頼三君) 谷口委員の御指摘のように、これは実はその案が一応話をされましたときに、早速実は私も行政管理庁長官に所管の政務次官として、これは性格が違うのだと、局長が専門家であらせられるから事務官の補佐官として次長が今まで存置してあつたので、これは性格が違うという認識を改めてもらいたいという説明にも参りましたが、そのときの行政管理庁長官のお答えに、建設省の道路局長が技官であるが、次長はおらなくて総務課長制でやつておるから厚生省もやれという御答弁だつたのです。併し私はそのときお話したことは、厚生省は実は違うのであつて、御承知のように直接全部やるのだと、道路事業のように請負事業をしないで全部これは直轄工事であります。下の看護婦から下の全病院、全療養所合せて四百幾つという厖大なものを持つており、而も人員が三万人というような性格を持つておりますから、これはどうもなかなかむずかしいのだという認識の話もしましたが、結論において内閣の行政機構改革の大綱に援助してくれというわけで原案が出たわけでありましてさて私もこの仕事の量に応じまして、医務局長一人でこれをやれということになりまと、なかなか医務局長もよほど八面六臂、大掛りな仕事をして頂かないとやれないという仕事を持つております。併しとにかく一応こういう案で苦しいながらもやつてみろというわけで提案いたしまして、非常な心配と苦労をしておりますが、内閣の方針に従つて次長を廃止したと、こういうわけでございます。
○谷口弥三郎君 なおもう一つちよつとお伺いしておきますが、ほかの、いわゆる五局以上の省には官房長とか官房とかいうのがあるようですが、厚生省はこれは全然必要ないというのでこれを設置せなんだような模様ですが、その関係を一つ……。
○政府委員(松野頼三君) 官房長の問題は先日も厚生と内閣の合同委員会をおやりになりましたときに行政管理庁長官に御質問があつたようでございますし、実は私もその答弁を聞いておりませんが、行政管理庁長官の御意見は知りませんが、私ども厚生省としましても、今度いよいよ内局案になりまして、七局というものになりますと、ここに官房長という制度が各省において相当な効果を挙げておられるならば、厚生省もこの行政機構改革の際に他の省の長所を取入れて、私のほうも官房長制度を置いて運営して行きたいという構想を持つておりましたが、何にいたしましても、この際行政機構の改革は先ず部制と外局制を廃止することに第一点があるのでありまして、新しい、新規な構想はこの際一応遠慮いたした形でありまして、将来仮にこの原案の通りに実施されました暁において、七局というものが厚生省にできましたならば、その軍営上他の省の長所を入れるという意味から行きましても、こういつた官房長という構想が出て来ると思いますが、今度の行政機構改革の場合は私たちもそこまでの実現ができませんでした。
○谷口弥三郎君 私はこれで一応……。
○井上なつゑ君 ちよつとお伺いいたしますが、この統計調査部を廃されまして統計調査監ということになるのでございますが、この只今の統計調査部にはたくさんの機械が置いてございまして、たくさんの人がいるのですけれども、あれはどういうようになるのでございますか、仕事を皆縮められるつもりなんでございましようか。あの人たちは皆人員を整理されるつもりなんでしようか、ちよつとお伺いいたします。
○政府委員(松野頼三君) 今度の行政機構改革案には部長と外局の長官以外の人事には一切触れておりません。一切課長の課の移動も考えておりませんし、まして課内の事務官の人員までは一切触れておりません。
○井上なつゑ君 じやもう一つお伺いいたします。それでは只今の統計調査部のお仕事をそのままやつて行くというわけでございますか。そういたしますと、厚生省の各局の様子をちよつと見ておりますと、各局でも何だか知りませんが調査をやつておるようでございます。そこで統計調査部と各局の調査との重復はどういうふうにして避けておられるのでございましようか、細かいことなんですが、ちよつとお伺いいたします。
○政府委員(松野頼三君) 統計調査部長をして答弁いたさせます。
○政府委員(曾田長宗君) 原則といたしましては、成るべく統計調査部で取りまとめて統計調査をいたし得ますものはお引受けするという建前を坂つておるのでございます。でありますが、仕事の性質上現局が立案をいたし、又調査の指導監督をするというようなことがより適当だと思われるようなものにつきましては、統計調査部に技術的な相談協議をいたしまして、その上で決定実施するというようにいたしておりますので、御指摘の通り統計調査部で担当しておりません統計調査は若干ございますけれども、おおむねそういう方法で今のところ支障なく行つておるのじやないかと思います。ただものによりましては、はつきりとこの実施の一部分、或いは整表というような部分は初めから統計調査部が担当するという企画でいたしておるものもございます。今後ともその連絡は密にして参るつもりでおります。
○井上なつゑ君 もう一つお伺いいたします。それでは只今の御説明でよくわかりました。特別のものは、専門のものは各局でおやりになりますが、全体のものは統計調査部で、若し先ほどから谷口委員のおつしやいますような、この西部太平洋でございますか、何でございますかW・H・Oかの会議がございまして、そうした統計調査をしなければならんということになりますと、只今の統計調査部が監になりましてもおできになるとお考えになるでしようか、ちよつと伺いたいと思います。
○政府委員(曾田長宗君) 先ほど次官からお話がございましたように、何しろ新しい制度でございますので、私どもとしてはさように改革になりますれば、新しい制度の下でできるだけうまく仕事を進めて行くようにいたしたいというふうに考えておりますが、仕事はいろいろな企画、或いは資料の収集、整表、解説或いは刊行というような多岐な仕事に亘つておりまして、又幾つかの課に分散されて一つの調査が行われるような工合になつておりますので、かなり強くこれを連絡統制して参る必要はあると思います。どうしても先ほど申されましたようにばらばらでは困りますので、監というものが置れることになりましたのですが、監でうまく参りますかどうか、できるだけ努めて行きたいというふうに考えております。
○委員長(梅津錦一君) 速記をとめて……。 〔速記中止〕
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて下さい。先ほど問題になりました日本赤十字法案に対する小委員会設置の件は決定しましたが、その名称がまだきまつておりませんので、小委員会の名称を日本赤十字社法案に関する小委員会とこういう名を付けたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) そう決定いたします。なお小委員には中山寿彦君、長島銀藏君、大谷瑩潤君、井上なつゑ君、藤森眞治君、山下義信君、河崎ナツ君、谷口弥三郎君、深川タマヱ君、以上九名でございますが、御了承願いたいと存じます。 —————————————
○委員長(梅津錦一君) 次に国立病院特別会計所属の資産の譲渡等に関する特別措置法案でございますが、この件に関しましては、審査の都合上厚生・大蔵連合委員会の審査が終了と同時に医療に関する小委員会に審査を委託したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(梅津錦一君) 次に厚生省設置法の一部改正法案に対して内閣委員会のほうに決議を申入れたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) それでは決議案文を朗読いたします。 厚生省には内局として七局があり、事務の分量も極めて多いだけでなく、その所管事務と技術に亘る複雑なものであり、更に官房内に二つの監もあるのでこの際官房を統轄する官房次長を必要とする。 今次国会において制定された戦傷病者、戦没者遺族等援護法施行の中心をなす年金、弔慰金等の支給資格に関する裁定事務を所定の期間中に行わしめるには、引揚援護庁を内局とすることは少くとも今年度中は避けるべきである。よつて引揚援護庁を廃止して厚生省の内局とすることは明年四月一日まで延期すべきである。 医務局はその所掌事務の性質から見ても分量から見ても局長のほかこれを助けて局務を整理する次長の存置を必要とする。 公衆衛生局は元予防局、公衆衛生局の二局の所掌をしていた事務をこの局一局で所掌している関係上、この局の環境衛生部を廃止した場合には局長を助けて局務を整理する次長の設置を必要とする。 統計調査部は本年国際統計講習会が東京に開催され、各国より統計専門家が来集せられ、我が国の統計処理状況、組織等が研究課題になるため少くとも本年度中は存置すべきである。 以上でございます。なお、これ以外に説明乃至補足すべき文章については御一任頂けるでしようか。
○山下義信君 字句については委員長に一任します。
○委員長(梅津錦一君) 字句については御一任願いたいと存じます。速記をとめて……。 〔速記中止〕
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて下さい。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十八分散会 —————・—————