厚生委員会 第6号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/02/11
会議録
○委員長(梅津錦一君) これから厚生委員会を開きます。公報で御通知を申上げました通り、社会保障制度に関する調査の一環として、遺族援護に関し橋本龍伍君から意見聽取、これが一応要件になつておりますが、本日前厚生大臣の橋本さんから書面が届いておりまするので、一応御報告を申上げます。 前略来る二月十一日参考人として出席を求める通知書頂戴致しましたが只今旅行中にて出席致しかねますので右御通知申上げます。 二月九日 橋本 龍伍 参議院厚生委員長殿 住所は、発送したときの住所は、新宿区下落合四ノ二一二八橋本龍伍とこうあるわけですね。こういうような事情で本日橋本さんが見えられませんので、従いまして橋本さんから意見を聽取することが本日は不可能でございます。右御報告申上げます。
○山下義信君 橋本君の出席が本日なかつたことは誠に遺憾でありますが、只今の委員長の報告を聞きますと、出席しないというのではないので、旅行中であるから出席ができないというのでありますから、旅行が終了しまして橋本君が帰京しましたら出席するように重ねて委員会としまして御通知を願いたいと思うわけであります。従いまして橋本氏の意見を聽取しますることは、同君の旅行が終了しまして出席するまで御延期を願いたいと存じます。なおそのお手続を願いまして出席せられまする……、出席のできないお心持が旅行でできないのでなくして、他にお考えがあつて出席しないというようなことでありますと、そういうことはないと思いますが、そういうことでありますれば、委員会といたしましても重大な決意をしなくちやならんのではないかと存じます。証人喚問ということが参考人ということで御出席を願うことになりました経緯に鑑みまして是非同君の旅行終了次第御出席相成るように委員長から適切なる公式の御措置を願いたいと存じます。
○委員長(梅津錦一君) 只今山下さんの御意見でございますが、如何取計らいましようか。
○藤原道子君 私は前委員会で皆様がた一致しての意見であつたと思うのです。従いまして今山下さんから言われましたように、出席しないというお言葉でなくて、旅行中で出席できないということでありまする以上、再び出席を求める手続を至急おとり願いたい。で万一出席しないということの口実でそういうことが言われておるといたしまするならば、これ又山下さんの御意見と同じように、私たちはどうしても出席を求めるために成規の手続をとるべきだと、私はさように思いますので、山下さんの今の御発言に同意いたします。
○草葉隆圓君 これは前回に、懇談会に一つ呼んでそうして参考にしようじやないかという御意見で、皆さん承諾されたと存じます。今の委員長の御報告のように旅行中で出席いたしかねる、旅行から帰つて来たら更に連絡をして、そうしてどうしても来ないときには重大な決意をするというと最初の話とは少し違つて来ると思います。むしろそうじやなしに、柔かくお取扱いになつて旅行もどのくらいの期間か、結局参考になり得る期間じやないと懇談の価値はないと思う。時間がずつとずれて参りますると、大した価値のない問題になつて参りまするから、そういう点も、これはこの前の懇談をいたしました際も、よく懇談してお互いに了解し合つたことでありますから、そういう只今の山下君の御提案も、そういう意味において一つお取扱い願うほうが結構じやないかと思います。
○委員長(梅津錦一君) ほかに御発言ございませんか。……それでは草葉さんの御意見も反対ではないように伺えまするし、ただ参考人としての性格上の問題もございますが、これはまあ方程式がございませんので、やはり参考人として旅行の済み次第早急に御出席頂けるように手配をいたしたいと思いますが、それでよろしうございますか。……さよう決定いたします。
○藤原道子君 只今のお取扱で結構だし、草葉さんの言われることも御尤もだと思うのですけれども、際限なく旅行を延ばされちや困る、従つてその点は適宜御措置願いたいと思います。
○委員長(梅津錦一君) 了承いたしました。 —————————————
○委員長(梅津錦一君) それでは第三の案件は、国立病院地方移管に関する件が議題となつておりまするので、この件を議題といたします。
○山下義信君 前回私がお願いしておきました資料はいつ頃頂戴ができましようか。
○委員長(梅津錦一君) 資料の件ですが……。
○政府委員(高田浩運君) 先日お話の医療機関の整備に関します資料につきましては、遅くとも今週中にはお出しいたしたいと思つて今準備をいたしております。できればその前に提出いたしたいと思つております。それからもう一つのいわゆる法律に関しますることにつきましては、先日も申上げましたようにこちらが主管でございまするし、まだ実は十分向うのほうと具体的な内容について打合せが整つておりません。打合せを始めたような段階でもございますので、こちらのほうは今ちよつと時期について確たる見通しを申上げることはできかねる事情でございますことをお許し頂きたいと思います。
○山下義信君 そうすると医療機関の整備計画についての資料は今週中に頂戴ができる、それで医療についての関係法律案はまだ厚生省と大蔵省の間にいろいろお打合中でまだしつかり進んでいないと了承してよろしうございますか。
○政府委員(高田浩運君) 後段についてはさようでございます。それから前段につきましては、整備計画ということに的確に当てはまる資料が出せるかどうかわかりませんが、まあ成るべく御趣旨に副うようにいたしたいと思います。
○山下義信君 ちよつとそれじや前回の事務局長の答弁といつても、これは質問じやなかつたのですが、そのお話と今の次長のお話とは食い違いが生ずる。前回私が医療機関の整備計画の資料を請求しておきましたときには、この国立病院の地方委譲については、言うまでもなく我が国の医療機関の整備計画の一つの一環としてやるので、整備計画というのはあるのだ、自分たち研究して整備計画は持つておるのだということで、それでそれはあるのだからガリ版で刷つてすればいいものがあるのだから、これはそんなに手間はかからない、こういう御説明であつた。それがですね、医療機関の整備計画というものになるかならんかわからんけれども、まあそういつたような資料を一つ出そうというのでは、私の要求する資料と今の次長のおつしやるのでは、少し心許ない。私どもはしつかりした本当に参考になる医療機関の体系的な整備計画というものの資料を頂戴したいと思います。それがないはずがない。もとよりあると、こうおつしやつたのです。ですからその医療機関の一つの体系的計画といいますか、整備計画というものの上から関係があるわけでございますから、その資料を頂戴しなくちやこれはどうもならんと思います。なければ口頭でお尋ねしてもいいと思います。資料があるのかないのかということを……、ないのを出せと言つてもしようがないですからね。これからお作りになるのでもよろしいです。今週中に間に合わせるというのならいいですがね。
○政府委員(阿部敏雄君) 私この前御説明申上げましたときに言葉の足りなかつた点もあるかも知れませんが、改めて申上げますけれども、今度の国立病院の地方移管は、地方の公的医療機関の整備の一環として委譲するのだ、まあこういうふうに申上げたつもりでございますけれども、若し間違つておりましたらこの際訂正をいたしたいと思います。それから具体問題といたしまして、どこの病院を移してそうしてあとどことどこの県に建てさせるんだというような具体的の細かい点に至るまでの計画は全部を御提出することはできんかも知れんと思います。ただ私の整備計画と申しますのは、公的医療機関及び私的医療機関の関係に基きまして人口どの程度におきましてベツドをどういうふうに置くとか、都会地はどうであるかというような計画につきましては一応の計画を持つておりまして、そういうものを刷つて差上げる、こういうつもりなのでございますが、若しそれが全部の地域に、何郡にどの国立病院が行くんだ、その代りにほかには県でどういうふうに建てさせるんだという問題につきましては、今度の病院の移管で県と折衝する場合に県の意向も聞きまして相談することであり、又それがだんだんとその後の情勢によつて多少は変ることもあり得ると、こう思うのであります。
○山下義信君 ともかくもあの政府の持つておるところの医療機関の整備に関しまする細かい、今局長の言つたようなものはあるかないか存じませんけれども、とにかく一番正確な、一番緻密なもうこれ以上はないという計画資料をお出しを願いたい。これは私どもは、この委員の中には專門家もいらつしやいますけれども、我々は素人であります、そういう資料によつて勉強さしてもらわなきやなりませんので、そういう我々のわかるように一つお出しを願いたいのであります。
○藤原道子君 私も勿論素人のことでございますから資料が出てから十分に御質問をしたいのでございますが、どうも私納得がいたしかねる点がございますので、一、二お伺いいたしたいと思います。それは只今医療整備と言われる言葉がございましたけれども、今度の政府が国立を残すと今予定されておりまするところを見ますると、北海道のような所は札幌が一個所しか残らない。これで妥当なものであるかどうかということが私疑わしいのです。九州地区は五つか六つ残るのですね。九州地区には一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六箇所残る。それで北海道のようなああいう不便な広汎な所にたつた一箇所しか残らない。これで本当に心から医療計画の整備のために今度の国立の移管が考えられておるということになるのでございましようか、その点一つお伺いしたい。
○政府委員(阿部敏雄君) 今度残します病院につきまして、その分布状態から言つて果してそれが正当に考えた残し方か、どういう趣旨で残すのかという御質問でございますが、この前にも御説明申上げましたように、今度残しますのは、数府県に亘ります医療の指導を行なうという、いわゆるメデイカル・センターという意味で残すのであります。それにつきましては北海道地区、各地区に大体一つか二つ、これは人口等も睨み合わせ、それから病院等も睨み合わせまして一個所或いは二個所ときめたのでございます。そのほかに温泉療養所等で、例えば九州の別府にあるものとか、石川県の山中にあるというようなものを残すことになつておることでございまして、九州に一つ多いのは筑紫と博多、近くで二つ残ることになつておりますが、これは一個所に合併する予定なのでございます。それで北海道のように非常な広汎な地域に一つで少いということをお考えになるかも知れませんけれども、国立病院は地方の公的医療機関の親病院として指導的役割を果すために残しますので、北海道地区ではその程度でよろしいのではないか。関東地区のように人口の多い所でも一つでは、これはおのずからその土地の広さだけではいけないのじやないか、こう考えまして北海道はまあ一個所ということになつたのでございます。
○藤原道子君 私は真劍に当委員会としては、国民の医療という立場からお互いに肚を割つて御相談しなければならないところだろうと思うんです。私はこの際率直に申上げまして、この計画を見まするときに何やらどうも納得行かない点がある、若し速記にとどめていけないというならこれは私は速記をとめてもいいと思うのでございますが、忌憚なく申上げますならば、今度国立として残すことに予定されておりますのは、将来警察予備隊を防衛隊に切替えると言われておりまするが、これらの病院に切替えるような意図の下に計画されているのではないかという感じがいたすのでございますが、その点について率直な私は御意見を承わりたいと思います。
○政府委員(阿部敏雄君) 現在国立病院を残すのは、将来の警察予備隊の利用ということを考えてきめたのじやないかという御質問でございますが、さような点は全然考えておりません。又はつきり申上げますけれども、警察予備隊から国立病院を予備隊に使いたいからくれいというような交渉はまだ全然受けておりません。
○藤原道子君 それでは、この計画されておりますのを見ると我々はそういう感じがしたのでございますが、それは医務局長として断言してそういうことはないとはつきり申されます以上、それを固く御信頼してよろしいわけでございますね。
○政府委員(阿部敏雄君) 先般来申上げますように、飽くまでもメデイカル・センターとして残す必要のもの、それから特殊の診療機関として国で経営するほうが適当だと思つて残したのとこの二種類でございまして、予備隊関係は現在までには一つも交渉を受けておりません。予備隊は予備隊で又別の計画を進めておられるようでございます。
○井上なつゑ君 一つ二つ伺つておきたいと存じます。残される病院は指導的な、又特殊的な意味を持つとおつしやいますが、そういうことになりますと、各地区に今ございます医務局出張所とはどういう関係になりますのでございますか、ちよつと伺いたいと思います。
○政府委員(阿部敏雄君) 各地区にございます医務局の出張所は、その地区内の国立病院及び療養所の運営の面につきまして中央からだけではいろいろな不便な点もありますし、又徹底しない点もあるので、中央の出店として運営するのでございまして、残ります病院のメデイカル・センター、指導的と申しますのは、これは例えて申しますれば、各公的医療機関は勿論のこと、その他の病院及び私設の医療機関の先生がたの再教育をやる、或いは病院管理の講習をする、或いは現在ではそういう大きいことは言われませんが、将来財政が許せばそこにできるだけの施設をいたしまして、そうしてその地方の病院に利用して頂く。一例を申上げれば新聞でも御承知と思いますが、鉄の肺のようなものは、これは極めて稀に使うものでございます。これを各病院に設けるということは極めて使用価値が少いのでございますが、併しこれがなければ完全に助かるものが死ぬのでございますから、そういうものを備えつけて、そうしてその地区へ急送するとか、或いはその患者を連れ込んで治療するとか、又看護婦の再教育を行うというような使命を果すものを我々はメデイカル・センターとして残したい。こういう考えでございまして、医務局出張所とは大分用途が違うのでございます。
○井上なつゑ君 只今医務局出張所の性格と違うということを承わりましたのでございますけれども、国立病院がだんだん減つて参るのでございますけれども、こうしたメデイカル・センターの大きな病院に指導してもらわんでも国で直接指導してもらつたら如何かと思います。数が二十幾つになりますし、こうなつて来ると、医務局出張所の必要がなくなるのではないかと思いますので、その点を一点承わりたい。それから只今鉄の肺のことが出ましたのでついでに伺いたいのですが、鉱山地帶、セメント地帯で職業病と言われております珪肺病の病院を作つてくれということを言われておりますが、こうした国立の病院を残される中にこうした病院をお作りになるお考えはありませんか、伺つておきたいと思います。
○政府委員(阿部敏雄君) 国立病院を地方に移管するために病院の数も減つて来る、それで医務局出張所というものも必要がなくなるのじやないかという御質問に対しましては、現在国立病院及びその分院を合せまして九十、それから国立の療養所が百八十余りありまして、全部で二百八十何カ所なのでございます。今回地方へ委讓を計画いたしておりますのは六十足らずの病院でございまして、全体から行きますと、それほど仕事が簡單になつてしまうということは考えておりません。それから又今まで手が足りないのでできなかつたことも、もう少し地方の医務局出張所のほうへ仕事をやつてもらわなければならんごとも出て来るだろうと思いますので、今医務局出張所が不要になるということは全然考えておりません。それから珪肺の病院を作るという問題につきましては、珪肺問題はこれは非常に重要な問題でございますが、現在それを国立病院で專門にしておるところはございません。併し今後残す問題につきましてそういう点も特に考えねばならん場合も出て来るだろうと思います。これは一つ今後の問題として愼重に研究いたしたいと、かように考えております。
○山下義信君 私ちよつと伺うのですが、さつき次長の資料のときのお話に、まだ委讓する病院については地方の当局者との話合いが皆済んでいない、こういうことをおつしやつたようでありますが、これは端的に申しまして、この計画は何といいますか、失礼ですけれども実に疎漏なんじやないかという気がするのですがね。地方に委譲するけれども病院とその地方の当局者と話合いもついていないで……話合いがついているのですか。そうして委譲した……うちの県は引受けようということの話のきまつた分だけを委譲なさるのですか、どうですか。皆一々はつきりと府県の、地方の承知して得心しているのだけ委讓なさるのですか、その辺はどうなつておりますか。
○政府委員(高田浩運君) 前にお話申上げたと思いますが、具体的に地方、県庁等と、この病院を一つ引取つてもらいたい、引取りましようという意味の交渉はまだいたしておりません。全般的の方針についての考え方につきましては、衛生部長なり、或いは病院長なりにお話は申上げておりますが、それは具体的な引取等についての交渉だとは考えていないわけでございます。従いまして県との具体的な話合いということは、これは今後の問題だと考えております。
○山下義信君 今後の問題でなしに、それが最初の問題じやないですかね。ですからこちらのほうで、国が予算で決定して、これだけの病院は委譲するのだという計画をあなたがたが立つて提案されても、地方が反対して、いや、私の県は要りませんということになりますと、地方との間に円滑な何といいますか、計画の遂行ができないのであつて、そこにトラブルを生ずることは言うまでもない。今日すでに反対が強い、反対を押切つてでもやりますか。反対でも押切つてでもこういうことを決定して、あとの府県との間の話合いがつかないというのを、押付けて行くのですか。押付けて行くような法律をお考えですか。法律で強制的に引受け、さすのですか。あとで反対の府県に対してはどういう態度をとるのですか、どうさせようというのですか。
○政府委員(高田浩運君) 今お話の点につきましては、前回も医務局長からお話申上げたと思いますけれども、よくいわゆる相手方と協議をいたしまして、協議の整つた分について移管をするということでございまして、従いまして協議もしないで無理やりに押付けるというようなことは、現在考えていないわけでございます。なお、まあ話合いを後にするか先にするかということでございますが、これらの点はいわば移管の條件等が緊密に結び合つておりますが、移管の條件等につきましては、現在の国有財産法の範囲内において、即ち値引等をしないでやるということであれば、これは勿論現行法で行けますが、先般医務局長から御説明申上げましたように、相当いわば値引をしてやるということになりますれば、法律を要することでございます。その辺とも睨み合わせなければなりませんので、従いましてそれに先んじて交渉で固めるというような措置はとつていない次第でございます。
○山下義信君 それで私の要求した資料を頂戴して……、皆わからんというのは、あなたの今の御答弁でも二つとも引つかかるのです。一つは法律案というものを拜見しなくちやならない、その法律案には言うまでもなく委譲の條件を御規定なさるでしよう、その御規定をなさらなければ委讓のできないことは今まで御承知の通りです。その條件というのは一律平等の條件でなしに、例えば割引であろうと何であろうと、その委譲したあとの病院に対しての、いろいろの何といいますか、結納を持たせてやる、それらのものも一律平等でなしに、画一的でなしに、個個の事情に応じて各府県ごとにこれから交渉してきめるのだということになれば、その委譲に関する法律案にでも、一律平等じやいかんのだから個々の場合を掲げなければならんことになつて来る。そこらの法律の書き方もあるでしよう。従つてどういう委譲の方法をとろうかということを規定される法律案を見なければこれはわからんわけですが、今非常に重大な御答弁をなさつたように思うのですから確認しておきたいが、地方が承諾したのだけ、納得したのだけ委讓して、どうしても委譲はもらいたくないという、反対するところへは強いて委譲しようとは思わない、こういうことには相違ありませんか。
○政府委員(高田浩運君) 先ほど申上げましたように、相手が引取らないというものをその意思にかかわらず押付けるというようなことは現在考えておりません。
○山下義信君 そうすると、それはまあ私ども勉強してからでないとわかりませんが、私ども素人ですから今日は口切りの走りをするようなものですが、そうするとこの国立病院の委讓計画というものは、これは我が国の医療機関の整備計画としてやるのでなくて、その土地の都合によつて受けるところへは渡す、反対するところはやめるというならば、医療機関の総合的計画とは関係ないじやありませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)若し医療機関の計画上どうしても国立病院を地方に委讓させる、そうしてそれが当該地方の既存の病院、或いは何といいますか、專門的にはメデイカル・センターといいますか、それらとの関連上いろいろなあり方、国立病院、県立病院といろいろな病院との関係、公的な医療機関と私的な医療機関との関係を睨み合わせて、これはどうしても委讓させる、こうするほうが、当該地方の医療機関の体系というものができる。それが延いては全国的な我が国の医療機関の体系計画の軌道に乗つて来るのだというので委譲するのかと思つたら、地方の都合によつて受けるほうへはやる、これは要らんというものにはやらんのだということになると、我が国の医療機関の整備計画とは関係ないじやありませんか。
○政府委員(高田浩運君) 或いは私の言葉が足りなかつたかも知れませんが、いわばどつちでもいいという気持よりもやはり一歩進んで、この計画に副つて地方側に協力してもらいたいし、我々のほうとしてもそういうように努力いたしたいと考えておりますが、併しながらどうしても最惡の場合話がまとまらなくて、相手が引取らないというものを無理やりに地方にやつても、これは国立病院の運営上果して適切に行くかどうか。その辺は相当考えなければならん問題でもございますし、そういう意味におきまして協議をして整つたものについてこれを移管するというふうに考えておる次第でございます。
○山下義信君 この問題はまあ一つ、まだ日もあることですからゆつくり御意見を伺うことにしますが、本当を言うと、これは何といいますか、ざつくばらんに言つて、これだけ多数の国立病院を抱えておいて、これは面倒なことです、そうして財政上にもいろいろ負担もあるし、むしろ財政上の負担軽減が目的で大蔵省のほうから強要されて離したくもないものを厚生省は離すというのじやないか。さもなければ、あなたがたのほうが進んで委讓したいというならば、これは面倒だからいい加減に整理しようというのでやるのか。大蔵省のほうから少しでも財政負担を軽くするというためにこれを処分しようというので、大蔵省からやかましく言われて考えたのか。一体どつちなんです。私どもの印象では、厚生省は医療の公的機関の拡張ということに熱心なのはこれは建前であつて、一つでもたくさんの国立の病院を、小さくても大きくても、不便な所であろうと、採算が合おうと合うまいと、たくさん、百二十個所でも百五十個所でも国民のサービスのために国立病院の設立……医療機関を増加したいというのが、一個所でも国立病院を殖やそうというのが厚生省の医務当局の念願でなくちやならん、一個所でも少くしようというのが厚生省の医務当局の考えでは私はないと思う。これは恐らく大蔵省ができるだけ国立病院を委讓させるということは、それで経費を少くして国民の財政上の負担を幾らか軽減してというので、いわゆる軍事費等から来る財政上の圧縮のしわがあなたのほうへ寄つて来たのじやないかと思う。これは素人的な見方かも知れませんけれども、こういう見方をするものがないとも限らんと思うので一応聞いておきます。
○政府委員(阿部敏雄君) 国立病院のできました当時、この二、三年前までの状況から申しますと、相当の赤字経営をやつておりまして、国民の負担も相当かかつております。従いまして今のような見方をいたされても当然だ、かように考えております。併し最近の状況になつて来ますと、先般申上げましたように国立病院の経営というものは、経営費においては殆んど赤字を見ておりません。そういう見込でございます。従いまして……。
○山下義信君 それは医療費を高くして設備をしないからだ。
○政府委員(阿部敏雄君) 設備をするのには、それは赤字は出ております。で、われわれとしては、病院網をできるだけ早く充実させたいというのはわれわれの仕事でございまして、それは勿論念願しております。併し最近府県の情勢を見ますと、県立病院を作るという熱は非常に盛んでございます。そうして国立病院を委譲してもらつて、それを土台にして整備したいというようなところも相当出ておるのでございます。従いまして赤字の財政的な圧迫のために厄介病院は地方へ讓るのだという考えで今度の計画をしたのではございません。やはり先ほど申上げましたように国としての経営をすべき病院は残して、これは非常にボロ病院でございます。併しこれは国の費用を以て十分に整備をしましてその使命を果させる、又地方的の病院は地方に讓つて、地方で整備をしてもらう、その整備をされるにつきましては、差当つてのところは整備資金を附けて出す、その後の整備につきましては十分にわれわれとしても御協力申上げたい、かように考えておるのでございます。それで売れるものは売つて残るものは残すという御意見も伺いましたが、私どもが売れるものだけを売るということを申上げましたのは、とにかく地方へ非常に圧迫になるようなものを無理に押付けないという意味で申上げたのでございまして、病院の収支の状況その他をお話すれば、十分に地方としてもこれを引受けて頂けるだろうという自信は私ども持つております。ただどうしてもいやなものをとらすという意味でないという意味で、話のできたものだけを委讓する、かように申上げたのでございます。それで今の見通しといたしましては、知事会議でもいろいろな方面で反対されておることも私ども十分承知しております。併し反対されておる内容を少しずつ承わつて見ますと、とにかく反対される理由について非常に誤解もあると思います。例えば国立病院が非常に赤字病院で、それを地方へ押付けるんだとか、まあいろいろな誤解に基いた点もあると思いますから、そういう点はざつくばらんにお話しまして、話合つたら大体において引受けられるほうが相当多いだろうと、こう考えておるのでございます。
○山下義信君 局長何ですか。医療機関というものは今は足りないんですか、又過剩ですか、どの程度足りないんですか。それで今の御答弁には地方に委讓させて、地方には例えば県立病院などの設立熱が非常に高いので、その一つの潮を利用して一つこれを委譲してそうしてうんと拡張してもらうつもりだ、こういう御答弁でありますが、なぜ地方で拡張させるんですか。なぜ国で拡張しないんですか。その当該地方に委譲して国立病院をして、県立で拡張させようとするならば、県立で拡張させないでも国でなぜ拡張しませんか。一つその点ですね。医療機関の過不足の状態と、それから国立病院として拡張しないで地方に委譲させて拡張させようとするその理由ですね。それを伺つておきます。
○政府委員(阿部敏雄君) 医療施設の過不足の問題でございますが、これは地方的に非常にまちまちでございまして、不足しておる所もあればむしろ過剩になつておる所もございます。これは個々について申上げなければならんと思うのであります。それからなぜ不足の所は国で整備してやるべきものを地方でやらせるのか、こういうお話でございますが、その点につきましては、私のほうでとつております方針といたしましては、各地区の指導的の病院、即ちメデイカル・センターたるべき病院は国で経営する、それから特殊の病院であつて地方で経営されては少し無理だろうと思うものは国で経営する、その他の病院につきましては地方で経営して頂くという、そういう方針を今までとつておるわけでございます。それでそれにつきましては多少ではございますけれども、地方の公的医療機関の整備の補助金も出しておりますし、又地方でもそれを十分に了解されて、地方で判断されて足りないと思うような点につきましては、どしどしと公立病院が建ちつつあるのが現状でございます。どこが足りないか、過不足の数につきましては只今一々について申上げる資料は手許に持つておりません。数字は後ほど又調べまして申上げます。
○山下義信君 私も一々局長の答弁をメモしませんからあとで速記で拝見しなければなりませんが、どうもまだ要領を得んです。それで日が長いんですからゆつくり又研究さしてもらいますが、じや何ですね、大体当該地方で医療機関がひどく不足でないという地方には委譲はいたしませんね。つまり極端な言葉で言えば、医療機関が過剩と思われる地方にはこの国立病院の委譲の計画はないと了承してよろしうございますね。それは何となれば、委譲して大いに当該地方で整備拡張させようという趣旨なんですから、医療機関がすでに過剩な地方に国立病院を委譲なさろうというはずがないから、大体医療機関の不足な地方にこれを委譲なさろうという原則が、原則中に十原則あるか、三原則か九原則か知りませんけれども、原則はなくちやならん、その中の一つであろうと思う。それからさつき局長はその赤字の病院など、そんなのを押付けようとは思つちやおらつん、元来はボロ病院とおつしやつた。速記に残つておる。この言葉は別としてつまりそういつたような病院を国立としてやるんだ、こういうことですね。それと大体国立病院として置くのが当該地方のメデイカル・センターという役目を持たせて置くつもりだ、それが国立病院の性格だというこの考え方だと、それは私どもにはピンとしないんですがね。それでメデイカル・センターという病院はボロ病院ですか、それからボロ病院を国立で引受けるということと、国立病院は、元来当該地方のメデイカル・センターたる性格を持たせるものを国立病院にしようというこの原則と二つの原則との間の関係はどういう関係になりますかね。
○政府委員(阿部敏雄君) ボロ病院を国立のメデイカル・センターとして残すということを申上げたのではございません。メデイカル・センターたるべき病院は立派な病院であるはずでございますけれども、現在残す予定になつておるものの中には非常にお粗末なものもあるということを申上げたのであります。これは財政と見合せて将来は実質共にメデイカル・センターになるものにしたいということを申上げたのでございます。それから地方の診療機関があり余つたる所には国立病院は委譲しないかというお話でございますが、国立病院もやはりその地方のベツトの中に加わつておるわけでございます。国立病院だけが別の形でおるのではありません。そこで若しそういうふうにいたしまして国立病院なり何なり、ベツトが本当にあり余つておるということになれば、その地方に委譲という問題も、そういう利用価値がなければその病院は国で経営するのがおかしい問題でございまして、これは閉鎖すべきものであると、私はかように考えております。
○山下義信君 非常にうまい答弁をなさつたが、国立病院のベツトというものは当該地方のベツト数に入るから、過剩の地方に委譲しようというはずはないので、それはいわゆる何といいますか、そういう言い方は一種の我々の仲間では三百代言の言い方というんですが、それは当然その地方のベツト数に入つておりますから、総を以て別を論述するおかしな論になりますから妙ですけれども、そこのその地方では十分だというほうには大体病院は委譲なさらん建前であろうか、こう聞いておるのです。それはいいんですが、私素人で承わつておきますのは、その当該地方のメデイカル・センターというものは国立病院でやろうというお考えですか。そうすると例えばその地方のお残しになる国立病院が、実はそれ以上な病院が県立病院である、或いは官立病院の大学病院等で以上のものがある、なおそれをしも凌ぐといいますか、そういうもののセンターとなるところまで国立病院というものを持つて行こうという方針でもおありでございましようか。
○政府委員(阿部敏雄君) 私説明がまずいので……。
○山下義信君 いや、なかなか上手です。(笑声)
○政府委員(阿部敏雄君) 徹底しないんですが、メデイカル・センターがその地方の最高の施設を持つておつて、府県立病院においてそれより立派な施設はないはずかというお尋ねと思いますが、先ほど申上げましたように、メデイカル・センターの使命というものはその県内の患者の診療だけを目的とするのではなくて、各その地方の……地方といいますか、ブロツクといいますか、そういうものに従事しておられる医師の再教育、或いは看護婦の再教育、或いは場合によつては特殊の施設で、何ほど立派な県病院でありましても、そういう施設を持つておつたらそれは非常に余分だ、併しそのブロツクにとつて是非そういうものは一つ置いておかなければならんというような考えで置く意味でありまして、必ずしもその建物全部がどの角度から見てもその県立病院の上にあるべきはずだという意味でもございませんからその辺一つ御了承頂きたいと思います。
○山下義信君 私は大体まだ詳細な資料も拝見しないし、どういう方法で委譲しようとするか、一応の政府の考えられる案は漏れ承わつておりまするが、いよいよ立法をしてどういう法律でどういう内容で委譲されるかということを詳細に存知しませんので余り立ち入つた質問はいたしませんが、とにかく印象としてはこの国立病院の委譲計画というものが非常にルーズである、同時にこの委譲しようとする国の方針の、一体この医療機関に関する根本的原則というものはどういうものを持つておるかということ、又全般的に亘つて計画がどうあるか、まだ私は資料を拝見しませんとわかりませんが、委譲後のいろいろ医療に関しまする影響、変化がどういうふうに予想されているかという点等が承わらんとわかりませんが、どうもそういう確たる御計画なしに、これはまあ一年なり一年半なり前からお話はぼつぼつありましたでしようけれども、しつかりした御計画なしに臨んでおられるのじやないかと思う。政府はこういう国立病院というものを半数以上も委譲しようとする、国の責任を負つて国民の医療を擁護してやろうという国立病院を委譲されるということは、私はこれは当局にとつて大問題だと考える。これは先般保險の一点單価で保險医の総辞職という二とがありまして国民は震え上つた、それとこれは同じ性質ではありませんけれども、国が国立病院を廃止して地方に委譲する、何も病院がなくなるわけじやない、おつしやるように縮小されるわけではない、それはますます地方に拡充してもらうということでありましようが、一般に受ける印象は国が大いにこの方面に力を盡そうという意気込みが減つて来て退歩している、そうして地方に委譲されるのだという、こういう大計画をなさるということは、これは私は切に同じなさるのなら……これは反対、賛成は別として、今ここで私は反対とか賛成ということは言いませんが、願わくは正確な、何といいますか十分な計画の、我々の納得する計画の下にやつて頂きたい。これは、若しこの政府の計画がいよいよ執行に当つて障害を来たしてこの計画通り行かなかつたということになりますと、私は申上げておく、これは十分な私は責任をお感じになるだろうと思う。これを疎漏に……地方が反対しておるのに今非常に楽観的なお見通しでありましたから国会もすらすらと一夜のうちに通過するかも知れません、或いはしないかも知れませんが、これは十分一つ政府も御研究を願つて、一つ肚をきめてかかつて頂きたいということだけ私は今日申上げておきます。
○藤原道子君 私、今山下さんの御答弁の中でどうもちよつと伺つておきたいと思うことがあります。それは只今医務局長は、地方の反対運動の中には赤字の病院を押付けられちや困るという誤解から反対しているのだというようなお話です。先日私の質問に対しましては、従業員等が身分の不安から反対しておるというようなこともおつしやつた。地方委譲に対して局長は本心から赤字の病院を押付けられちや困る、或いは従業員の身分の不安のみから反対が起つておる、果してその程度にお考えでありましようか。私はそれは軽率だと思う。私地方を廻りまして反対の声を聞いております。市町村民自体から聞いております。国立病院は自分たちの健康を守つてくれる病院だ、国の病院だという気持で今日いるのです。それだけ社会的使命を果しておるのです。それから国立病院へ行けば社会保險の患者でも、生活保護法の患者でも差別なく診てもらえる、そこに非常に安心しておられる。ここに国民が非常に国立病院に対しての信頼と申しましようか、存置を要望しておるところがここにある。それからこの頃赤字が消えてもう採算がとれるのだというようなお言葉でございましたが、これについては独立採算制になつてから非常に巖しくなつて来ておる点も現われております。けれども、それでも国立病院の規定の中に減免という扱いがある。ところがこれが若し地方に移されました場合に果してこのままで行けるかどうかということが非常な不安になつておる。一部の人の反対じやございません、一般の人々が反対しておるということをお考えになつておいでになるでしようか。若し県営になつた場合、果してどういう扱いをされるかということは、私先だつて当委員会から視察に参りましたときに、或る県立病院でございますが、そこでは医者が安いからいつかないというので、收入の五割をまあお医者さんたちが分けて取るという規定になつておつて、而も收入の多いところがその收入の率によつて分け取りしておるのです。内科が多い、その次には、産婦人科、小兒科というようなことさえすでに県立病院では行われておるのです。そうすると勢い営利的にならざるを得ないのです。こういう場合に果して本当に医療に悩む人々はどこに頼つたらいいかというような不安から私は反対が起つておると思うのでございますが、そういう点はないとお考えでございますか。
○政府委員(阿部敏雄君) 私先ほど府県の反対は赤字のものを押付けちや困るという理由からだということを申上げた、それから先般は従業員の身分の関係から反対したということを申上げたというお話でございますが、成るほどそういう言葉を使つたかも知れません。が、併しそれは私はその反対の理由が全部それだとは思つておりません。ただ県知事に会つて話を聞いて見ると、いや、赤字のやつをもろうというのはとてもかなわん、というので一応反対しておいたけれども、そういう條件でそういうものならそれはもうわしのほうでも経営したいというようなことを言うておる人もあります。これはただ交渉に行つたわけじやなくて、たまたま向うから訪問されて、あの病院の移管問題はどういうようになるのですか、と聞かれたときの話なのですが……それから身分問題の反対も私はこれは一つの事案だと思います。それから一般の従業員がいろいろな意味において反対されておることも、私はそれもあるだろうと思います。併し今お話の県病院のすべてがそういう性格のものであつて、国立病院とは格段の経営が惡いのだ、惡いということは民衆に対して診療が惡いのだということは私ども考えておりません。非常にいい実例も知つております、又惡いのも事実だろうと思います。この問題につきましては、やはり個々に十分にその蓋を開けて話合つて見て実情も調べさしてやつて行かなければ……いずれもが皆真でございまして、全般的に申上げることはできない、かように考えております。
○藤原道子君 私はそれは県立病院が全部だと言つたわけじやありません。あなただつても今赤字だから困る、反対だと言つたのも一つの例です。そういうことがあり得るのにあなたがこれで以て、本当に今こういうことで以て、不安を持つておる人に対して決して不安はないのだと言い切る、日本の医療はそれで以てやつて行けるという確信を持つて御計画を立てられたかどうかを伺つておるのです。
○政府委員(阿部敏雄君) 今の御質問に対しましては、この計画を立てましたのは、とにかくその府県の経営する診療機関と国の経営する診療機関というものは、我々としては一応の境をつけておるのであります。そして府県の経営する診療機関に該当するものは一応府県として経営してもらえないかということを交渉いたしたい、その点の交渉の中に、條件の中には今の住民の不安を除くような点も十分に考慮してやつて行きたいと、かように考えております。ただ現在それじや不安がないと思つておるかということであれば、現在はいろいろな話が流布されておりまして、不安も勿論あるだろうと、かように考えております。
○藤原道子君 こんな話をしていても全く埓があかないような、瓢箪なまずで仕方がございません。もつと資料を頂いて私たちも勉強してしつかりした審議をいたしたいと思います。併しただこの点につきまして、従業員の点でございますが、先日私は沼津の国立へも行つたし、姫路の国立へも行つた。ところがこれらで働く従業員が、たとえ身分が下げられても私たちは医療のサービスを……国民が国立を信頼しておる、これに報いるためには、私たちは国立を存置してもらいたい。随分熾烈な要望をしておるのでございまして、ただ自分たちの身分だけでやつておるのじやないということを医務局長も、これら医療の先端で働いておる、而も民間から比べれば非常に待遇の惡いところでなお且つ戰つておる人々の真情をいま少し医務局長は親心を持つて私は考えてやつて欲しいということを一言申添えておきます。 それからまだこんな具体的な結論が出ないうちに、これが大きな問題になつておりまするために、私どもは医療の一環と申しますよりも、重要な役割を果しておる看護婦の不足問題について随分真剱に当委員会は今まで扱つて来ておる。先般も申上げましたけれども、今度国立が地方に移管されるということになつて、非常に動揺を来たしております。そうして生徒の希望者が国立の高等看護学院へ入つても、若しこれが地方へ行つたならば地方で果してこれが継続できるかどうかわからないというような不安が、私姫路だけだと思いましたら、その後ほうぼうから手紙が来ておるのです。そこで看護学校としてはどういうような方法をやつて参つたらいいでしようか、一体見通しはどんなでしようかというような、実に切実な問合せが来ておるのです。そして毎年十分数が足りていたのに、今年は殆んど希望者が半減してしまつた。若しも私たちはこれを大丈夫と受入れたといたしましても、途中で経営できなかつたならば、若い女性の将来を誤まらせることになるので、確信ある答弁ができなくて困つておりますというようなことも言つて来ておるのであります。でございますから、若しもこういう場合に対しまして、そういうことのないように指示いたしますというだけでは、私は安心ができないのです。万一これが地方へ委讓されました場合には何らかの紐を付けるとか、看護婦の学校に対しては、養成に対しては特別の措置を講ずるというような具体的な御考えをお持ちでございましようか、その点について……。
○政府委員(阿部敏雄君) 看護婦が非常に不足しております現在、看護学院の増設を各方面へいろいろ勧奬しておりまする時期に、この移管のために看護学院が減るというようなことは、これはもう重大な問題でございます。そこで国立病院の移管につきましては、看護学院を継続してやるということにつきましては、絶対條件として附けたいと思つております。その点につきましては昨日も全国立病院の院長と会同いたしまして、今お話のような質問も出まして、私は実情はよく承わつております、それで今申上げましたようなことを話して、とにかくその点だけは一つ安心しておつて欲しいということをお話して、了解を得たつもりであります。それからもう一つ、そのときに出たことを申上げますけれども、職員の身分につきましてもいろいろと院長の御意見が出まして、その点につきましては私どもも絶対に我々としては擁護しなければならん立場にあるのだということ、それでその点についても十分に考えておるということを申上げたのでございまして、今沼津の例や姫路の例をお話になりましたが、終戦後あの荒廃した建物を受けまして、そうして建物こそまだ貧弱かも知れませんが、その診療の要員として、診療のスタツフとしましては、少くとも各県病院の範となるというような態勢に来た皆さんの苦労を、このまま移管のために急転直下、百八十度廻れ右をするというようなことにはどうしても持つて行かないつもりだということを十分にお話申上げまして、御了解を得たと、かように考えております。
○藤原道子君 なお重ねてお伺いいたしますが、それでは看護学院を、若しそれを絶対條件にして地方へ移す、併し若し地方でこれを継続し得なくて、高等看護学院を準看護学院に格下げをするというような場合には、それが費用のためにそういうふうな方向へ行つたというような場合には、政府としてこれに対して補助金その他の措置をも講ずるのだけの御用意がおありでございましようか。今一般的に申しまして私たちは看護婦は今の看護学院一本の線へ持つて行きたいのです。けれども一部におきましては、準看護婦のほうに重点を置きたいという動きもあるのですが、地方へ参りますと、その点医師会その他の圧力によつてその方向へ行かないとは断言できないのです。それでは困るのです。従いましてそういう傾向のあつた場合には、予算的措置と申しましようか、補助を行うだけの御用意はおありでございましようか。
○政府委員(阿部敏雄君) その問題につきましてはどうもできるなら今の正規看護婦ですね、高等看護学院というものがたくさんできまして、今の看護の向上という問題を念願しておるのであります。又最近の努力によりまして国立病院でも何が一番よく行つたかというと、看護の問題が一番進歩しておると思います。それで今御心配のように、或いは県病院に移したがために需給関係、殊に経費の関係から看護学院を廃止しないまでも、高等看護学院を準看護婦のほうへ引下げるとか何とかいうようなことが、或いは交渉の過程には出るかも知れません。それは私どもも出る、或いは出るかも知れんということを予想いたしまして、それに対する対策を今検討を加えておるような次第でありますので、その点は全然無視しておるわけではございませんから、今日のところはこの辺で一つ御了承頂きたいと思います。
○藤原道子君 考えないわけではないというので、まあいろいろ局長もお苦しいでしようからこれ以上追及はいたしませんけれども、今の正規の看護婦学院が格下げをするというようなことが絶対にございませんように、私は強く要望いたしておきます。 それからこれは国立病院の地方移管の問題とはちよつと離れるかもわかりませんけれども、今完全看護、完全給食ということが強く言われましてその点からでございましよう、或いは費用の節減からでもございましようけれども、附添看護婦の問題が大きく起つておるのであります。これに対して医務局長のお考えを伺いたいのであります。
○政府委員(阿部敏雄君) 附添看護婦の問題につきましては、先般来大きな問題でございまして、保險局と只今折衝をいたしまして、大体我々の希望も容れられる、ここ数日中に容れられる方向に話が進んで行くのじやないかと、かように考えておりますので、これの詳細につきましてはここ暫らく待つて頂きたいと思います。
○藤原道子君 暫らく待てということだから待ちますけれども、ここに待てないところがあるのです、それは今日もこんなに陳情書が来ておりますが、これが最近におきまして働いた看護婦の收入がもう入つて来ない、それで十一月分しかまだ入らない、十二月分で半分以上入つていない、一月分はまだ零なんです。働かなければ食えないこの人たちが、あの辛い仕事をしながら働いた俸給が二月も三月も入つて来ていない。この実情を当局としてはどのようにお考えでございましようか、この点について……。
○政府委員(阿部敏雄君) 誠に申訳ない次第でありますが、私どもとしても決して放つて置いたわけではございませんで、連日会議を続けておりまして、ここいま暫らくと申しましたけれども、二日か三日の間に大体結論を得るというところまで参つておるのでございますから、どうぞ一つ御了承頂きたいと思います。
○藤原道子君 じや、私は医務局長の言葉を御信頼申しまして、一つ生活に困つておるこの人たちのために一日も早く一つ給料が入手できまするようにお取計らい願いたい、と同時に附添の問題が今のような状態の下に完全看護と言つてもこれは不可能なんです。でありますからたださえ足りない看護婦を酷使するという結果に相成りまするので、その点は特に一つお考えを願いたい。明日保險局長にもお会いするという約束をいたしましたので、保險局長のほうへも強く申入れし、それから社会局長は今日は……社会局長のほうにも関連いたしますので、特に生活保護法の扱いの附添婦の問題は都庁でやつているときには比較的早く来ても、社会福祉事務所に移つてからは非常に能率が上つていない、こういう点で困つておりますので、一つ私のほうからも交渉いたしますからあなたのほうからもまあ一つよろしく……じや、この程度で私の質疑は終ります。
○委員長(梅津錦一君) 少し私からちよつとお尋ねしたいのですが、地方委譲を、政府が考えているように、国立病院が全部地方に委譲されると国費がどのくらい浮くわけですか、年間……。
○政府委員(阿部敏雄君) ちよつと浮くという言葉とはぴつたり合わぬかも知れませんが、来年度予算で申上げますと、国立病院の経営費はどんどんでございます。従いまして幾ら行きましても行つただけ收入も減れば、支出も減るというわけで国費には影響はないわけであります。問題は修繕費といいますか、それが……、それから整備費につきましては前年度は三億二千万円でございます、それから来年度組みましたのは移管病院に付ける整備費が六億四千万円、それから残つた病院に付けたのが三億四千万円、だから国の経費としては減つておりません。
○委員長(梅津錦一君) 六億四千万が地方委譲分に対する修繕整備費ですか。
○政府委員(阿部敏雄君) そうです。
○委員長(梅津錦一君) これは年々出すわけですか。一年で打切りということになるのですか。
○政府委員(阿部敏雄君) これは一年で打切りということになります。というのは、今まで、今年は三億二千万円で全体の百の施設の整備をやつておつたわけであります。それで今の、来年度の予算の問題につきましては六億四千万円を附けて出すということになります。併しその六億四千万円というものは、これは十分な金とは思つておりません。府県に受入れられまして、そうして、それが整備されるについての問題については今後相談をいたしましてできるだけいい病院になるように努力いたしたいと、かように考えております。
○委員長(梅津錦一君) そうすると何か二年か三年ですね。三、四年たつと結局政府が投資したのは浮き上つちやうことになるのですね。三、四年後は当然又地方が、整備費を県から支出しなければならないでしよう。県に肩替りするわけですね。県が肩替りして整備をやつて行く、こういう結果になるのですね。
○政府委員(阿部敏雄君) その点は、普通の整備費というものはそんなにかかるものではございませんので、現在我々の考えておりますは軍病院は一般病院とは多少異なつた施設があるわけでありまして、それを一応一般病院にふさわしいものに直そうというのでございまして、このたくさんの金が年々連続して行くべきものじやない。と申しますのは、例えば今年度におきましても三億二千万円のうちで今対象になつている六十の施設でも、どのくらいに金が行つたかというと極めて僅かな金であります。大部分は特殊の病院の施設改善にも使つているのでございます。今後それが非常な地方の負担になるというようなものではないと思つております。
○井上なつゑ君 国立病院のことについてお尋ねになるかたがございませんでしたら、ちよつと国立病院関係以外のことで、丁度医務局長も地方庁のかたも皆さんずつとおられますから、皆さんお済みになつてから……。
○委員長(梅津錦一君) それでは国立病院関係の本日の質問はこのくらいにして、次に何か病院関係以外で御質問になるそうですが、それを続行してよろしうございますか……御発言がないようですから……。
○井上なつゑ君 それでは別のことでございますが、ちよつと伺いたいのですが、さつきちよつとお話が出ましたのですが、厚生省といたしましては珪肺法の制定をなさるおつもりがありますかどうでしようか。労働委員会のほうへ大分陳情が出ておりますが、それを先ず一つ伺いたいのですが……。
○政府委員(阿部敏雄君) この問題はまあ労働省の関係もあり、又予防の問題について厚生省といたしましても公衆衛生局の関係でもありまして、今はつきりとここで御返事を申上げるような段階に医務局としてはなつておりませんので、又検討いたしましてお答えいたします。
○井上なつゑ君 それでは今度又変つた問題でございますが、一つ伺いたいのでございますが、大変厚生省御当局の御厚意によりまして、今度は社会保障の方面で助産婦の実態調査ができるような工合にして頂きまして非常に喜んでおりますのでございますが、私は厚生委員の立場から、少しこの予算の問題をはつきりさしておいて頂いたほうがいいのじやないかと思います。私自身もなんでございます、いろいろと質問されますし、言われるものでございますから、この点特に伺いたいと思います。総務課で、社会保障制度の方面の調査を、七百万円でございますか、一千万円でございますか、今年の予算でお取りになりまして、それをあらゆる実態調査にお使いになつていらつしやるのでございますが、こうした社会保障制度のこの調査は、一体厚生省としては、どこで……統計調査部のほうでなさるのがこれは本当でございますかどうか、それを伺いたいのが一つ。それから助産婦の実態調査に、私当時ありませんものでございますから、頭にはつきり残つておりませんでしたところ、百四十万円ほどの費用が取れていると言われるのでございますが、今度これのうち三十万円助産婦に、厚生省のほうで割当てて頂きましたということは、これは一体どういうことでございましようか。その点をはつきりしておいて頂きたいと思うのでございます。それでございませんと、非常に厚生委員の立場から、私の立場が、非常にむずかしくなつて参りまして、それでいろいろと、どういうわけでこういうふうに少くしたかと言われますと、非常に答弁に困るのでございますから、この点一つどういうようになつておりますか伺いたいと思います。
○政府委員(高田浩運君) 第一段の社会保障の調査の関係は、官房の総務課が中心になりまして、省内各局課の応援を得てやつております。従いまして所管としては総務課がこれに当つて行くということになると思つております。それから第二段のやつは取調べまして御返事申上げます。
○井上なつゑ君 もう一つ、統計調査部との関係がどういうようになつておりますのでございましようか。こうした調査は統計調査部でなさるのでございましようか、それを伺いたいのでございます。特別私どものほうへ大変御好意をお持ち下すつたと思うのでございますけれども、その点は、ほかのものはどういうふうになつておるのでございましようか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(高田浩運君) ちよつと総務課長がおりませんので……。
○井上なつゑ君 それではこの問題は印刻資料が頂きとうございます。一つこの問題についてはつきりしておきませんと、非常に厚生委員としての立場がむずかしいのでございます。よろしくお願いいたしとうございます。 —————————————
○委員長(梅津錦一君) お諮りいたします。今日午前中の理事、小委員長の打合会で、引揚問題調査に関し、その実情調査のため最近引揚げた幾名かを証人として喚問し、証言を求めることに決定いたしましたが、この決定通り証人を喚問することとしてその日附は二月十四日午前十時、人選についてはこちらにお任せ願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) さよう決定いたします。全会一致で決定いたしました。 —————————————
○委員長(梅津錦一君) 次に新たに厚生委員会に付託された請願、陳情中、遺族援護に関する小委員会に付託するものを読み上げます。請願、三百九十七、三百九十八、四百十一、四百六十一、四百七十四、四百九十四、四百九十八、五百二、五百三、五百四、以上十件。陳情、二百十二、二百十七、以上二件。 さよう決定して御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅津錦一君) 御異議ないものと認めます。さよう決定いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四分散会