建設委員会 第43号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/05/24
会議録
○委員長(廣瀬與兵衞君) 只今から建設委員会を開会いたします。 本日は調査案件を議題に供します。先ず最初に建設省設置法の一部を改正する法律案を議題に供します。
○赤木正雄君 この建設省の設置法の一部を改正する法律案を見ますと、今まである技監を廃止するということになつています。これについて私は改正の意見を先ず持つています。一体技監制をなぜ置いたかと、これを検討する必要があるのでありまして、丁度技監制を置いたのは日本の土木を土木監督所という名目で地方の土木を監督していたのであります。ところがそれに対しては余りに知事の権限を土木監督所が多くとり持つというふうな観点から監督所の廃止問題が起つてそれに代るに土木出張所が各地にできたのであります。そして土木出張所は専ら内務省の直轄工事を行い、地方の事業に対しては土木出張所とは全然別問題になつたのであります。この土木出張所を置いて直轄工事をやつた当時においては専ら工事は治水工事で、今日のように道路工事はなかつたのであります。併し治水は我が国で最も重大な土木事業でありますが、これがうまく行くと行かないのにおいは非常に重大な影響があるので、治水事業は土木の中でも最も技術的に困難な事業とされていたのであります。その観点から各河川の計画を立て、これを施行する上において最高の技術機関が必要な情勢で、そのためにこの技監制ができたのであります。かようにして技監制の起つたのを見ると技術の重要性ということを考えて、いわゆる直轄工事においてはどうしても技監があつて日本全体の治水を取りまとめるという一つの職が必要になつたのであります。従つてその当時この技監というのは府県工事に対しては全然権限がなかつた、ひとり直轄工事のみに権限があつた。恐らくそれが今日まで技監として延びて来ているのであります。併し御承知の通りに、今日では単に治水のみならず、道路もあり或いは港湾もあり、すべての技術がありますから、一人の技師を以てこれら各種の技術に対して統轄し、或いは各種の技術に優れた技術者を見出すことはもとより困難である。それがこの技監制度を今回廃止する、この趣旨のようにこの間建設省の文書課長から我々は承わつたのであります。それに代えるに技術の会議を以てする。こういうことに改正がなつております。併し今最も日本の再建に重大なことは技術の確固たる確保であります。技監制を廃した後にどういう姿に技術が置かれるかということを想像すると、今日においてさえややもすると技術は戦前より一歩々々劣つているのでありますから、技監制がなくなつたあとはより多く技術の退歩を考えさせられるのでありまして、これは日本再建に非常に大きな欠陥を来たすものであります。その意味からして、私は技術の向上の観点からどうしても技監制は置かなくちやならない。但し先に申した通りに、一人の技術官を以てあらゆる技術に優れるということは不可能なのでありますから、最も徳望のある、又技術に優れた人が、仮にその人が河川或いは道路とするならば、その人が技監にある場合にはその下に副技監という者を置く。副技監はあれは何人置いたらいいか、これは十分検討の余地がありますが、まあ仮に河川、道路、建築、こういう三つの考え方があるのであります。さようにして一人の技監、これにそえるに三人の副技監、この技術のスタッフによつて建築、建設関係の技術がますます向上し、又あらゆる技術者はその位置になるために自分の技術を磨くべきが技術公務員の与えられたる生命と私は考えております。今日ややもすると、局長の位置を技術官が代るべきであると、これは長年内務省におきまして土木局長が事務官で、自分より学校をあとに卒業した者が知らぬ間に局長になつてしまう。自分を自由に使う。これが長年の技術官の不満な元で、遂に技術者の要望で局長の位置を今日とつております。これには私は非常に大きな考え違いがややもするとあると思う。無論技術者出の局長は純然たる行政官でありますから、局長の位置を守り得るような人があるならば、これは私は技術官で局長は少しも異議ありません。併し技術者は、先に申す通りに、技術においてお国に奉仕すべき大きな使命がありますから、ややもすると局長の位置を得んがために自分の天職を放棄する、こういう虞れが多分にある。でありますから局長は、やはり適当の技術者がないときには、事務官で結構である。そうして技術と事務を両立させて、ここに初めて建設省の本来の生命が発揮し得るものと私は確信しております。その意味で、この建設省設置法の一部改正の政府提案には、私は反対をするものであります。今申す通りに、これを改めて、やはり技監制を置いて、その技監の下に三人の、或いはこれは後に又協議をしてもいいのでありますが、適任の副技監を置く。従つてここにある河川局の中に次長というのがありますが、この次長のごときは、今私の言う案に言うならば、何ら次長の必要がありません。これは次長を廃して結構、こういうふうに私は考えます。 次にもう一つ、私は考えておきたいものは、この建設省の設置法案を見ますと、現在の機構を多少いじつたままで、実際行政機構の根本の精神に触れてない。これがためには、各省の今日の行政部門を如何にするかという大きな問題がありましたが、これはこの法案に全然盛られてない。併し第二国会で建設院が建設省になつた場合に、単に建設院を建設省に改めるばかりでは意義はない。少くとも明治四十三年以来問題になつておる農林省の荒廃林地復旧工事即ち建設省の砂防工事に該当いたしますが、これを建設省に統合して、いわゆる今日最もやかましい治水問題を真に治水に副うようにすべきである。こういう意見がやかましかつたのであります。そのときに、丁度そのときには芦田内閣のときで、社会党の方も或いは今日名前は変つておりますが、どの政党の人も、当時の国土計福委員におきましては、農林省の荒廃林地復旧工事を建設省に持つて来るということに異議はなかつたのであります。少くもその次の行政改革にはこれを実現するということを、当時の建設大臣一松、今日の参議院議員は言明されて来たのであります。そういう経緯もありますから、先ほど申す通りに、治水の重大問題である観点からしてこの際農林省の荒廃林地復旧工事を建設省に持つて来る、これを一元として治水の根幹をなして欲しい。但し農林省は御承知の通りに特別会計になつておりますから、いわゆる国有林の仕事に対しては、これは別に考究しても差支えないと私は思つております。かようにして建設省に持つて来るときには、農林省の砂防・建設省の砂防、これが一体となつて相当大きな予算もありますから、例えて申しますと昭和二十七年度には八十三億の予算になるのであります。従つてこれを砂防局として初めて河川局と砂防局と一つの対等の位置において仕事ができる。何故私がそういうことを特に申しますかといいますならば、砂防が必要でありながら、そのことは世間ではよく知つております。併し実際は予算を取るときには、むしろこの予算を阻止する、少くともこの予算に対して余り協力をされていないのは今日の河川関係の技術官であります。この長年に亘る弊害を打破する観点からも砂防局の必要を私は力説し、これによつて、いわゆる砂防局、河川局、農林省の造林、その他の治水事業、この一体が完全に行われて、初めて日本の治水は完成するという意味で、かように行政の改革を是非必要とするものであります。これは私は今日の建設省設置法案の一部改正に対する考えであります。
○田中一君 大体今赤木委員の言われたことに同感ですが、我々の手許には衆議院から、衆議院の建設委員会の議として衆議院の内閣委員長に意見書を申出ておりますが、これも並行してここで審議して見たい、こう考えます。今の技監制度を存置するということについては全く同感であります。無論この身分を次官と同地位に持つて行くということも同感であります。考え方については衆議院と多少私違いはありますけれども、一応結論としては一つでございまするが、副技監制の問題と、それから技術会議、この問題が衆議院と参議院が食い違いがあるのですが、この点について私は赤木委員に質問するといつては変ですが、もう一遍赤木委員に説明して頂いたらどうかと思います。
○赤木正雄君 衆議院の修正意見を見ますと、建設技術会議というものに対して非常に賛意を表しておられる。ところが御承知の通りに、会議というものはいわゆる会議で、これに何らの権限もないのであります。従つてこれは技監を廃して、その代りに建設技術会議を置くということは、もともと政府の原案でありましてその建設会議をリードするために技監を置く、これは衆議院の修正意見であります。これでは先ほど申す通り、何ら会議そのものが権限を持ちませんから、これは今までの会議の結果を見ましてもその価値はない。これによつて技術の向上なんかは毛頭できない。技術の向上ができないような会議を置くよりも副技監制においてその身分も保障し、技術の向上を図つたほうが遥かにいいと思いますから、私は建設技術会議よりも技監制度のほうが遥かに優れておると、こういうふうに患います。
○田中一君 私が質問するのは変ですが、まあ諮るわけですが、第四条第一項の都市局を計画局に改めようというのは、その法律の原案でありますが、それを衆議院では都市局をそのまま都市局として、この都市局では都市計画その他の事項を主管せしめる。官房に計画性のある国土計画その他の問題を持つて行こうというのが、衆議院の案のように考えますけれども、これは赤木委員としてはそのままでいいものでしようか。これはちよつと御意見を私から伺いたいと思います。
○赤木正雄君 これは私はまだどちらがいいかということは、もう少し検討を要するものだと思うのであります。政府の案のほうに住宅その他の大きな問題がありますからして、相当考える余地がありはせぬかというようなこともありますし、又やはり今までの衆議院のほうはいいか、これはもう少し皆さんと共に検討をして見たいと、こう思います。
○田中一君 私はこの砂防行政の一元化については全く賛成で、従つてこのことは各委員にお諮り願つたら……先ず第一に技監制度の存置と副技監を置く問題、それから砂防行政の一元化の問題の申入れ、この二点だけは取りあえずここで各委員にお諮り願つたら如何ですか。
○石川榮一君 私は今参りましたので、赤木委員の論旨を十分にお聞きする機会がなかつたのでありますが、先日お話になりました点等から想像しまして、およそ御意見のあるところを了承しますので、一応所見を申上げて見たいと思うのであります。先ず技監制度存廃の問題でありますが、今度の機構改革による設置法の改正は、技監を廃止をするということになつておりますが、これは行政簡素化の面からこれを取上げてあるのでありまするからして、相当に検討を加えて出したものと思います。併しながら私は率直に申上げまして、技監制度は存置したいという一員であります。その理由は建設行政は殆んど技術面を中心とした省でありますので、科学技術を基礎とする官庁でありますだけに、現在の建設省職員の数を調べて見ますと、大体において事務官から二〇%、技術部面から八〇%を以て建設省は成立つております。従いまして建設省それ自体は科学的技術だと言われても差支えないと思います。長い間の内務省の伝統を継いで参りました現在の建設省は、依然として日本の建設技術に対して権威の省であるのであります。その権威である、八十%も包擁しておるところの技術陣を指導統制して、そうして国政の上に科学技術が反映するようにやつて行くために必要とする制度は、やはり技監のごとき技術陣の最高峰として自他共に許す職階は必要である。ややもすると事務官系統が政治的な力からこの技術陣を抑えまして長い間技術者が検討を加え、苦心をして仕上げたところのその尊い計画も、ややもすると無理解の事務官僚のために、これが政治に反映しないということが今まで多かつた。今度の太平洋戦争の敗けた原因もいろいろありましようが、私は科学技術に対する尊重の念が日本の政府になかつた、これも大きな敗因の一つだというふうに考えられておりまして、戦後非常に困難な国内情勢、国際情勢等を見ても、更に財政の困難を考えますときに、特にこの科学技術の研究、向上を図らねばならない。こう思いますので、私はこの技監制度は是非存置いたしまして、八〇%も包擁しておりまするところの何万の技術陣の正しき人事行政並びに技術指導等に当るべきだ、かように考えまして、根本的にこの技監制度の存置に私は賛成したいのであります。ただ副技監を置くほうがいいかどうかということは、勿論技監だけで足らない場合にはその補助機関として必要とするでありましようが、副技監を置くという赤木委員の気持はわかります。わかりまするが、少くとも今行政機構改革を叫ばれておるときであり、国民も行政の簡素化に共感を感じておるときでありまするから、この政府が出しましたところの技監を廃止するのではなく、技監を存置して、更に副技監を置くということは、現在の客観的な情勢から判断いたしまして暫らく検討を要するのではないか、こう思いまして副技監設置に対しましては、今日私は賛成を留保いたしたい、かように考えております。それから技術会議の問題でありますが、これも新らしい構想であります。先ほど御指摘にありましたように、ややもすれば空転いたしまして、ただ会議に名をかりて集るだけであつて、それが何ら効果を現わさないということは今までありましたが、併しこれは衆議院の側から強く要望しているような点もありますので、この点につきましては私は技術会議を若し設置ができるならば設置いたしまして、その技術会議なるものを模範的に技監が運用するようにして行きまして、こういう種の会議の弊害を除去して行つたらば非常に効果が上るのではないか。特に国土総合開発の大事業が眼の前にぶら下つておりますので、特に技術陣を総動員する必要があるときでありますから、こういう意味合いからも一応技術会議を採用いたしまして、そうして技術会議の主宰を技監に当らせる、或いは総合開発計画というようなものは、必ず技監の手を通して最終の決定を与えるというようなことにするのもいいのではないかと思うのであります。それから砂防行政の統合でありますが、これは私も賛成であります。それから技監室制度の拡充ですが、現在の局長の職務は一般行政官としても差支えないのではないかという御意見でありますが、私どもも一応そう考えるのであります。これは職階制の問題は、ここ二三年前大きく建設省内におきましてもめまして、非常な波乱を呼びまして、結局この職階制ができたように私は承知しております。従いましてまだ職階制をきめまして以来二カ年しかたつていませんから、暫らくこれも研究材料として共に研究題目といたしまして、この際はこの局長等を一般職にこれを変えるということにつきましては、私は今日は賛成しかねるのであります。
○田中一君 私が今の石川委員のお話のうち技術会議の重要性を衆議院がそういう提案をしているからという御意見でありますが、先般私調査をいたしましたときに、建設技術会議が建設省の部局長を以て当てるというような御説明があつたように記憶しておるのです。従つて今日も省議というものを常にやつておるはずであります。従つて行政簡素化の問題と関連しまして、建設技術会議というものは現在もやつておるものです。やつておるものをあえてここに持上げて、そのために技監をやめようというような構想には反対したいのです。副技監の問題は赤木委員の構想を今伺つておりますと、大体において建設省の局長は行政官であり、又今石川委員の賛成された技監というものは建設技術全般に亘るところの技術を持ち得るような偉大なる人が発見できないのではないか、その構想はこの原案によりますところのこの建設技術会議に現われておると思うのです。建設技術会議もいわゆる一人の優秀な万能なる技術官がおらないという構想から建設技術会議というものを以て技術に関する重要事項を審査しようという構想に現われて来ておるのです。従つてもう一歩飛躍しまして行政簡素化の問題もおつしやる通りでありますが、ここに副技監、いわゆる河川、砂防、道路、建築等の専門の副技監を置いてそのパートパートの技術官を置いて、これによつて省議をまとめればあえて建設技術会議というものを作る必要はないのです。現在ですらこの会議は省議としてやつておるのです。至らないところはどうかと言いますと、極めて慎重の面から言つて、石川委員も御同様の御意見がありましたが、私としては只今赤木委員の案のように建設技術会議を廃し、これに代つて河川、砂防、建築、道路等の専門的な副技監を置くということは現在原案よりももつといい案じやないかというように考えられるのです。従つて私が今のこの赤木委員の構想に対しては賛成したいと思うのです。
○赤木正雄君 石川さんから人をこの際殖やしてはいかんという説と、技術会議がこの際いいのではないかというお話がありましたが、実際技監をなぜ廃止するか、これは建設大臣も言つておられる、今の技監では技術が多岐に亘つて一人の技監で全部の技術を見ることができないから技監を廃止するのだ。これは技監を廃止する大きな原因であります。そういう意味でありますから、丁度現技監は実を申せば港湾に非常に権威があるのです。現技監の活動分野がないということは世間で言いますけれども、活動部面は非常にある。あるものが活動ができない。できないというのは御承知の通りに河川局長は技術官である、道路局長も同じように技術官である、而も学校の卒業は同じ年度であります。技監は自分の思う通りにやれば河川局長も道路局長も要らない。そういうふうな実態の情勢でありますから、一体技術官が局長になりたい、これはそもそも私は間違つておると思います。技術官は技術官の本来の生命があるから、それに精進すればいいので、そういう意味からしましても技術スタッフを丈夫にして技術の健全な発育を図るという上においては、先ほど申す技術の会議よりも、相当の道に長けた人は河川でも道路でもよし、やはり副技監というものを置いてこそ初めて技術者は精進し得るので、技術会議を設けてその会員になつても何ら技術の向上にはならない。又技術の運営から言つて承決してその途は開けるものではないと、こう考えますから、恐らく衆議院におきましても私はこの副技監を置いてこういうことをするのだと言えば同調して下さりはしないかと思うのであります。
○石川榮一君 副技監設置に関しての構想を伺いました。私はこの副技監と局長と 〔委員長退席、理事小川久義君委員長席に着く〕 取混ぜて申すわけではありませんが、今まで技監、いわゆる技術陣が長い間苦心して作り上げましたところの尊いあらゆる発明、計画等がややもすると事務官のいわゆる政治的な圧迫がら政治に反映しておらないという状況であつたのであります。今般この職階制の中に、二年間ばかり前にできました職階制によつて今建設省におきましては各局長等は土木関係から出るということになつておるようであります。これにも含みがあるのでありまして、技術者が技術者だけのことを言いましてもそれが政治に反映しない、私は技術者の中にも技術に堪能であり、而も行政的な手腕にも相当見るべきものもあれば、そういう人は成るべく局長のような位置に据えて技術で出て参りましたところの優良な案はそれを政治の面に生かし得るような職階を与えるべきである。そうしませんと、技術者は技術者で研究だけで済みましてそれが政治に現われて来ない。事務官に任せますれば事務官はその技術の苦心並びに尊い結果等につきまして理解が足りない、熱意が足りないという点等に鑑みまして、私は局長等が技術者から出ましても、その人を得まするならば却つていいのではないか、技術と政治とが共に両々相待ちまして政治に反映して来るという、むしろそうなつてこそ技術者は希望を持つて自分の仕事に精進するのではないか。技術者は技術と切離し、事務官は事務官として行政をやるということになりますと、ややもすると折角苦労して作りましたところの技術者の尊い研究資料が政治に現われて来ないということを私は憂うるのであります。そういう見地に立ちまして局長等に対しましてはやはり土木局にある者を依然として使うべきだ、こういう見解に立つておりますので、そうなりますと副技監の必要はないということになるのであります。
○赤木正雄君 石川委員からして技術官が行政面にタッチしてここで技術が却つて向上する、こういうようなお話がありましたが、私はそういう考えもありますけれども、実際の問題として申したい。あの沖野博士が初代の技監になられたのです。その頃は御承知の通りに日本の土木事業は主に河川事業でありました。あれは原内務大臣が政党方面から考えてこれこれの川の河川改修をやりたい、こういうような御意見を出されましても、沖野技監がうんと言わん以上はどうしてもそれができなかつた。つまり沖野さんは日本全体の河川からして、先ずこれをやつてその次にはこれをやるべきだ、これは技術の観点からはつきりと検討しておられたのです。それでこそ技術の向上もあり、又国会で随分治水問題のごときは難問題が出ても、一たび沖野さんが国会に姿を現わしたならばどんな難問題でももう一言で解消してしまつた。これが厳然たる事実なんです。つまり技術者が沖野さんのあの技術を今日体得するならば、又あの沖野さんの意思を継いで行きますれば、私はそこに初めて技術は向上すると思います。局長をして自分の位置を向上するということはとんでもないことで、これは末節のことであります。その点は徹底的に技術官の考えが違つておる。無論局長の位置を得るのもいいでしよう。又先ほど申す通りに宮本技師のごときは立派な人でした。決して技術のみならず、行政部面にも優れていました。ああいう人が技術又行政、その観点から局長なり或いは技監なりの位置をお占めになるのは立派だと思います。併し主として技術官は技術に精進すべきもので、又技術官が長年苦労をして得た局長の位置を今捨てるのは惜しいようなお考えのことをおつしやいましたが、私はそこの考えが非常に違つている。技術官は技術官として国に奉公する、これは技術者の本来の精神だと思います。でありますから石川さんの御意見には遺憾ながら賛成しかねます。
○田中一君 速記をとめて下さい。
○理事(小川久義君) 速記をとめて。 午前十一時三十一分速記中止 —————・————— 午前十一時五十三分速記開始
○理事(小川久義君) 速記を始めてそれではこの手許にあります意見書のうち技監制を置いて、河川、道路、建築に副技監を置く、その点を満場一致で意見の一致を見ましたので、申入をするということに決定したいと思いますが、御異議ありませんか。
○田中一君 今自由党から一応委員長にも諮つておりますから、一応ここで個人的にきめておいて、あとは委員長の意思もあるのでしようから修正するか修正せんかは、ここで決定をしてもらうようにしたほうが穏当じやないでしようか、一応きめておいて……。
○理事(小川久義君) では自由党のほうで御意見がおまとまりでないそうですから、この決定は後日に譲ることにしたいと思います。次は特別調達庁の調達庁設置法の一部改正に関する御意見を承わりたいと思います。
○田中一君 私はこの法案に対して修正したいという意見を持つておるのです。その点は第五条の調達庁に、左の三部を置く、これを左の一房三部を置くと変えたいのです。その意味は総務部に官房と事業部を置きたいと思うのです。それは総務部の所管事項が庶務人事会計等の内部管理事務をやり、そのほか行政協定第十八条の損害賠償、紛議処理行政協定第二十二条に基く調達協力事務というものは頗る広汎であつて、これら広汎な且つ性格の異なる業務を総務部一部で処理するということは適当でない。総務部を官房と事業部に分け、庶務会計、人事等の内部管理事務は官房へ、その他の分は事業部内に属する部内にしたい、こういう考えでおるのです。それからそれに関連しまして第六条の特別な職、これに庁の次長が現在ございますが、そのまま残しておきたい。これは今前以て業務の点で申上げましたところの官房は次長を以てこれを充てる、かように考えておるのです。これは結局従来調達庁の業務は占領軍と接触する面が多くて、今回駐留軍になりましたが、これも同じように対外折衝が多いのです。従つて円満に処理するには長官が全部出てやるということができない、従つて次長がこれに当つたほうが今までと同じように当を得たものではないか。不動産業務、調達業務その他駐留軍の不法行為で以て国民が損害を受けるというような場合などにその損害の補償の問題とか、駐留軍と日本人業者間の紛議の問題、この調停等はやはり一応次長にやらせよう、そうして国民の権利擁護のためのいろいろな障害等については、十分今まで経験があり、且つ円満な接触をしておつたというような点から言つても、そこまでの簡素化は望ましくないと思う、こういう観点からこの庁の次長を置きたい、かように考えております。それから次に第五条に戻りますが、第五条の只今申上げましたのは一房三部の中の総務部といわゆる官房と事業部のことを申上げたのであつて、不動産部並びに労務部には次長を置いて頂きたい。これは現在次長がございます。これも事実において平和条約の効力発生と共に非常にその接収不動産の大量解除、これに伴うところの補償事務が非常に多くなつております。これはかねて本委員会においても、特調のほうから説明があつて御存じの通りと思いますが、不動産業務その他について部長のみではその窓口として適当でない、次長を置いて民間からのいろいろ陳情とか紛争などをそこで円満に解決しよう。現在もそのようにやつておるのです。今までも大きな機構で以てそれをやつておりました。それが今度大量にこれが解除されるということになりますと、今までよりももつと大きい機構が欲しいというくらいに考えられておりますけれども、現在ではせめて次長だけはここに残しておきたいと、かように考えます。それから労務部のほうの次長を置くということも、結局これは現在間接調達でありまして、駐留軍の使用する労務者というものは、後ほど御相談願うと思うこの日本国との平和条約の効力発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施等に伴い国家公務員法等の一部を改正する法律案に詳しく書いてございます通り、まだ駐留軍が間接調達で調達庁が斡旋調達をしなければならない。間接調達をしなければならないというのは、現在二十一万もございます。これは一万五千名、占領軍の英国軍に対する一万五千名が解雇されたのみであつて、現在まだ三十一万という多数のものがあるのです。そのような状態にあるときに、この設置法の改正に伴つて定員減を来たすのでありますが、その頭につく次長ですね、こうしたものがますます忙しくなるということによつてこれだけは是非置いて頂きたい、かように考えております。それから次は呉の調達局はそのまま存置しておいて欲しい。これは従来の呉の調達局の管轄権にあるところの駐留軍の施設は今後も相当残存するというような様子であります。不動産解除に伴う補償業務なども厖大な量に上る。又地理的に非常に遠いものですから、この法案によりますと、大阪調達機関がそれを見るということになつておりますが、これもなかなか不便があるのではなかろうかという点につきまして、是非この呉調達局として中国四国等の統轄をするように呉調達局の存置を希望したい。かように考えております。なおこれに伴いまして、先ほども申しましたところの、人事委員会に付託されております長い法律案、駐留軍労務者に対する法律案に関連します、今日これには直接しませんけれども、定員を大体三割八分五厘減ということに考えております。これは行政機関職員定員法の一部を改正する法律案にかかつて来るわけなんであますが、これを是非今申上げたような、まだ二十一万の間接調達する労務者を持ち、大量解除をする物件がある、補償の問題も非常に今までよりももつと忙しくなるという観点からいたしまして、この定員法も現在この法律案を見ますと書いてありますけれども、三割八分五厘減となつておりますけれども、これを是非三割減ぐらいにとどめて欲しい。かように考えております。この点を一つ修正案として出したいと思います。
○理事(小川久義君) ほかに御意見ありましたらお述べ願います。
○石川榮一君 今田中委員から大分修正案に対する詳細な御説明がありましたが、田中委員の修正によりまして、どのくらいこの修正によつて人員の増減がありますか、それを伺いたいと思います。
○田中一君 現在千九百九十一名が整理されるということになつておるのです。これで若しこうなりますと、今の大量解除という問題がありまして、これが一つ一つ円満に、接収するときのように簡単にものがとれないわけですね、返すときにはいろいろな紛争がある。ここを直さなければならないとか、査定の問題、補償の問題、いろいろな問題があるのです。従つて今私が三割減ぐらいにしてくれというと言いますと、千九百九十一名のうちから四百三十九名ぐらい首切りが緩和されるということになるのです、数字は。これは実際言いまして、解除物件の紛争というものは相当大きなものじやないかと思う。現在も相当大きく動いております。そういう点から申上げたいと思うのです。
○理事(小川久義君) 別に田中君の御意見に異論がなければ、これも保留しますか。
○田中一君 昨日委員会においては今日大体この建設委員会には相当多くの審議しなければならないものが残つておるから、一応時間がかかつても、今日は土曜日でありますけれども、ここで一応結論に達しようという申出がありますから、これは御意見がなければここで採決をして頂きまして、これは丁度案件の申出事項の採決でございますから、して頂きまして、御決定願いたいと思います。
○石川榮一君 田中委員の御説も一応御尤もに聞えます。千九百名程度の整理人員に対して、約四百名以上の緩和を図るという点が実は私ども余りにも厖大な予算の変更を来たすのではないかと思いますので、今日は委員長もおりませんから、これも近いうちに相談いたしまして、御挨拶を申上げたいと思います。
○田中一君 私は政府の定員減よりも残してくれというのは、この業務は次第に減つて参ります。その際にはどうか定員法を、これは定員法を変えればいいことですから、そのときには定員法をお変え願つてこの減を当然或いは四百二十九名以上に、五百名でも六百名でも業務が縮小されれば当然改正して構わぬものだと思います。ただ現在この解除物件の補償その他の問題につきまして、人間が減ることは結局国民の権利というものを阻害する虞れがあるのじやないか。事務が遅れまして権利を阻害する点があるのではないかという心配と、それから少い減員でありますと、自分のほうを早くやつてもらいたいためにいろいろ民間からの要求があつてもそれに応えられない場合がある。人間が少いために却つて汚職事件を起す危険があるのではないか。一人に多くの権限を与えて交渉にやる場合、これは穿つた話を申上げますけれども、これは単なる認定の問題、それから補償の問題につきましても、例えば変なことを申しますけれども、よしこの場合には五十万円の補償をしなければならないという場合に、百万円と言つてあとでどうこうということもあり得るのじやないかと思うのです。人間が少くて完全な裁定なり、補償の認定ができない場合には、そういう点からいたしまして事実仕事の量というものは非常に多い、これは実際の面に当つて石川委員も御調査願えばわかるのですが、無論そうした物件が減つて来れば当然定員法を変えまして定員減は当然であります。だからこの際一つ昨日の委員会の申合せ通りに、そう保留々々とおつしやらずに、一応この点は御了解願つたらどうか。先ほど委員長も大体のことは了承するというように私にここで申しまして退席したような関係もありますから、一応御決定願えないかとかように考えます。
○理事(小川久義君) お諮りいたします。建設省設置法の一部を改正する法律案に対する意見も一応留保におきめ願つたので、いずれその決定をしなければならんと思います。調達庁設置法の一部を改正する法律案に対する御意見もそれと一緒におまとめ願つたらと思いますが……。
○石川榮一君 田中委員のお説はよくわかります。よくわかりますが、四百三十数名の整理減を予期してこれを呑まなければならんことになりますので、自然予算にも関係をするのじやないかと思いますので、それらの点についてもう少し……委員長がおりませんから、委員長とも相談をし、でき得れば当局にも質して、そうしてあなたのおつしやるような事態をやはり当局も主張するならば、これも止むを得ないと思います。ただ行政整理をするための行政整理じや困る。今のように国民の主張を十分に取入れられないほどの縮減をすることがあつては重大でありますから、勿論賛成したいと思つております。一応この大きな予算に狂いが来ると思うのでありましてそういう点から考えまして、次の先ほど設置法の件につきまして長い時間じやありませんから一両日留保させて頂きたい。
○田中一君 私の説明がちよつと悪かつたと思いますが、今申上げました三百四十一名の定員減の問題はこれは行政機関職員定員法の一部の改正にかかるのでございます。従つてその調達庁設置法の一部を改正する法律案には関連がないのです。ただ予算問題を石川さんはおつしやつていましたが、その点は次長を置くかどうかという点においてこれを、多少それを三百四十何名を厖大なとおつしやる、その問題は定員法の一部改正に引つかかるわけです。それは多少その方面の幾らか意見でございまして、調達庁法の設置法には直接関係いたしません。
○理事(小川久義君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(小川久義君) 速記を始めて。先ほどお諮りいたしました通り建設省設置法の一部の改正に対する意見と、特別調達庁法の一部を改正する法律案に対する意見の決定は一両日待つてからということに決定したいと思います。先ほど申しましたように建設省の設置法の問題は内閣委員会で月曜日くらいにすぐ或いは審議するのだと思いますが、それならやはりその頃に間に合うように出すと、こう言いますので、その点特に成るべく早く御意見をおまとめ下さるようにお願いいたします。
○石川榮一君 了承しました。
○理事(小川久義君) さよう決定いたします。次に地方財政と建設事業についてこの問題を御審議願います。
○田中一君 私は殊にこの委員会に調査案件としてかかりました地方財政平衡交付金法の一部の改正案につきまして一応政府委員に質疑を行いたい点がございますが、よろしうございますか。
○理事(小川久義君) どうぞ。ちよつと申上げますが、財務部長の武岡君が見えております。
○田中一君 武岡財務部長に伺いますが、都道府県並びに市町村の両方に跨つて上げられておりますところの公債費、これについて一点だけ伺いたいのです。これは測定単位として災害復旧事業費及び防空関係災害費の支払に当てるための地方債の元利償還金として単位費用として一円に付九十五銭というものが計上されておりますが、地方財政委員会のほうの規則として地方公共団体に交付すべき昭和二十六年度分の地方財政平衡交付金の額の算定に関する規則、こういう規則がありましてその中の算定方法のほうで国家補助を受けている災害、国家補償を得ている災害の分ということになつておりますが、これは御承知の災害土木費の十五万円以下のものが都道府県又は市町村がこれを負担しております。この分に対する起債に対してこの枠の中に入つているのか入つていないのか、その点をお伺いいたします。
○政府委員(武岡憲一君) 御指摘の点でございますが、平衡交付金の算定におきましていわゆる基準財政需要額に算定をいたしまする公債費の額は只今お尋ねの、つまり国の補助金を伴いませんところの地方の単独事業で行いまする事業に当る起債の償還金の分は算定いたしておりません。その分につきましては従来の扱いといたしましては別途特別交付金の算定の場合にこれを考慮するように取計らつております。
○田中一君 この法律が実施せられますとそれはどの分に特別交付金というものが上げられておるのか、この点を御説明願いたいと思います。
○政府委員(武岡憲一君) 特別交付金につきましては現行法におきましては附則においてその規定があるわけでございます。これまでの扱いにおきましては特別交付金というものは二十五年度及び二十六年度の暫定的な制度として扱つておつたのでございまするが、今回国会の御審議を頂いておりまする改正法におきましてはこの特別交付金というものをむしろ恒久的な制度に取入れたい、こういうことで訂正をたしておるのであります。その規定は第十五条に特別交付金の額の算定というのを一項設けておりましてこれによりまして算定いたすのであります。只今お尋ねになりました単独事業についての起債の償還金というようなものがこれによりまして算定されることになつております。
○田中一君 私はこの際ここにはつきりと都道府県の場合には府県分担の起債も含むとか、或いは市町村の場合にもそういうような措置がとられておつたとすればここにはつきりと織込むことのほうが地方交付金制度の実際の目的を達するためには、殊に地方自治団体が非常に財政難に喘いでいるという現状から考えましてもそこに織込むことのほうがいいのじやないかと思います。事実織込みました場合に府県においては幾ら、市町村においては幾ら平衡交付金が増大になるか、これは資料お持ちでございますか。
○政府委員(武岡憲一君) 只今特にその点についての算定の資料というものは持合せておりません。と申しますのは従来この特別交付金は現行法におきますると、総額の一割ということできまつておりまして、基準財政需要額に算定される部分につきましては、単位費用とそれから補正係数、それからそれを掛け合せますところの数値というものによつて数字が出て来るのでありますが、特別交付金を以て賄う財政需要額というものは、その全体額の一割ということでその中で見るという建前になつておりまするために、特にそういう細かな計算はいたしておらんわけであります。従まいしてお尋ねの点につきまして、今これは調査すればわかるのでありますが、手許に資料はございません。
○田中一君 現在我々は衆議院参議院共に両院の建設委員会が中心となりまして、公共土木の災害につきます補助率の問題などにつきまして改正法を準備しておるのです。無論これはあの法律によりますと、十五万円以下のものは該当されないというお話でありましたが、十八万円以下も少し低額にしようという案を準備いたしまして本国会中に提案することになつております。それが提案されてそれが通つた場合には、これは従つてその改正によりまして十五万円以下というものは十万円なら十万円というものに交付金の額は変更されるわけのものですか。
○政府委員(武岡憲一君) 只今のお尋ねでございますが、補助の対象として認められまする事業の分量と申しまするか、これが法律が改正になりますれば変つて参るわけであります。ただ平衡交付金の算定の場合におきましては各団体に対してどれだけの起債が承認されるか、というよりはむしろ正確には各団体がどれだけの起債をするかということによつてその償還に必要な額というものが算定されるわけでございます。この各団体が起債し得る地方債の限度というものは別途毎年度のいわゆる枠によりましてきまつておるわけでございまするから、その範囲内において各団体に起債が許されます。その関係、その数字からつまり公債費がどれだけ、償還に要する経費がどれだけという数字が逆に出て来るわけでございますから、只今御指摘のように補助の対象が広くなるか狭くなるかということは直接には関係がないと、こういうことになるわけであります。
○田中一君 有難うございました。私はこの法案について修正ができないならば希望条件を附して地方財政委員会のほうに委員会の意見としまして提出いたしたいと、こう考えたのです。その第一点は、一つの都道府県の面、これはまあ都道府県も市町村も同じになつておりますから都道府県と市町村ということにして申上げますが、一の中のその測定単位の欄及び単位費用の欄、これについて一、土木費と、一、二、三、四、五とありますが、この経費の種類です。そのうち五に砂防費というものを入れて頂きたい。で経費の種類の中に五、砂防費、測定単位は流路工の延長、それからもう一つ崩壊地の面積と、こういう測定の単位を加味して頂きたい。従つてその五のその他の土木費は六になるわけです。併しながら今建設省においてこの砂防費の単位費用の問題についていろいろ適当な測定の資料を要求しておるのですが、遺憾ながら河川局においてはまだ実際その単位費用を掴めないという実情なんです。従つてこれがこの法律を通すまでにその資料が手許に入りまして地方財政委員会のほうに提出される場合には是非御考慮願いたい。若しもそれがそれまでに建設省河川局のほうでその資料が出ない場合には、一応それが出た場合には是非とも砂防費というものをここに挿入して頂きたい、こういうこれは希望でございます。次に今の公債費の問題です、がここに我々が公共土木の災害復旧の問題につきましては随分論議しております。この際地方財政の困窮状態を我々よく承知しておりますから特別交付金として交付されておるという現状を明文化したい。ここに公債費の中に県単分も同じように交付金として提出したものと、この単位費用の問題は、これは今資料をお持ちでないようでございますから地方財政委員会のほうで十分御検討願つてどのくらいになるかと、そして特別交付金がどのくらいあるか、それともどつちみち特別交付金で今まで交付しておるというような説明でございますからこの際これは九十五銭になるか、或いは八十五銭になるかどのくらいになるかわかりません。それはお任せしますが、少くとも県分担、市町村分担のものもここに明文化するという修正案を提出したいと思います。
○理事(小川久義君) ほかに御意見ございましたら……。
○石川榮一君 田中委員の御説は地方財政の緩和に相当役立つ案のように考えます。誠に合理的だと思います。私はその点に賛成したいと思います。
○理事(小川久義君) それでは文案その他については委員長に一任願いまして田中君の案を申入れすることに決定して御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(小川久義君) それではさよう決定いたします。では次に建設に関する労務について御意見がありましたらお述べ願います。
○田中一君 私は先般人事委員会との連合委員会で議題になりました日本国との平和条約の効力の発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施等に伴い国家公務員法等の一部を改正する等の法律案、これにつきましては人事委員会との連合委員会におきまして質疑をいたしました。これも同じように昨日の委員会におきまして一応審議をする場合には委員外議員として人事委員会に参画し、審議するということに取上げておりましたけれども一応昨日の話合いにおきまして建設委員会の意見としてこれを出したい、かようにきまりましたのでこれに対する修正意見を申上げます。その第一点はこの法案の第三条国家公務員共済組合法の一部を改正するということになりまして、結局今までは特別職として国家に使用されておりますところの進駐軍労務者、いわゆるこの法律ができますと身分が変りますところの駐留軍労務者、これは無論国家が国家機関においてこれを雇用し、その労務者を駐留軍に提供するという形になつております。この際建設省のいわゆる日雇労務者、これと同じようなケースの労務者が一万何千名おりますうち七千名だけは国家公務員共済組合法に準じて準職員という身分を以ちましてこれに加入されるように措置されたことを承知しております。これと同じように今まで共済組合法によつて多少の生計費その他に有利な立場におつたものをこのまま野放しに指定するのはよくないと思うのです。この際建設省の七千名の準職員と同じような待遇を与えて欲しいということが一点、次に附則の第三項の連合国軍労務者の退職金の問題です。これは先般の連合委員会で私から十分質疑をいたしましたが、やはり引続き駐留軍労務者として就業する場合には駐留軍労務者として退職した場合にのみ連合軍労務者としての退職金を交付するということになつておりますが、これを若しその労務者がその退職金が必要だと、使いたいという場合には貸付けるという方法を考慮されたいと思うのです。その場合この法律によりますところの「条約の効力発生の日の翌日から退職の日までの日数に応じ一年につき五分の割合を乗じて得た額」、これは利子ですか何ですか存じませんが、予算措置としてはこれが可能だそうでございます。その貸付けした場合には必ず返すという前提の下に、これは返し方は一遍に返すか、或いは一定の期限を切りまして月賦で返すか、少くともその人間の退職金を頂かつておるわけですから、この貸付方法をとつて頂きたい、かように考えるのです。その際には、一年につき五分の割合の利子は停止されるというような形の修正案を出したいと思うのです。これを提案いたします。
○理事(小川久義君) どうですか、今の田中君の御意見に対して何か……。
○石川榮一君 田中先生から非常に詳細な御説明を伺いましたが、私ども実はその点を何ら今まで調べておらなかつたわけです。今のお話でございますと、進駐軍労務者に対してもできる限り平等の待遇を与えろというように聞えたのですが、趣旨はその通りでありましようか。
○田中一君 この法律によりまして、今まで特別職として扱われておつたところの連合軍に働いていたところの労務者ですね、これは特別職という身分があつたのです、それがこの法律によりましてなくなつてしまうのです。で、公務員その他のいろいろなむずかしい定義は別といたしまして、その際全部国家公務員共済組合法によつて共済組合法の適用を受けておつたのです、それが今度はつきりと第三条で除外されることになるのです。共済組合法の適用を受けないことになるのです、この法律によりましてはつきりと。これはまあ当然かも知れません、本法律をきめればですね。併しながら一応建設省には昨年これと同じようなケースの労務者が七千名だけ大蔵省のほうの了解を得まして国家公務員共済組合法の適用を受けるようになつたんです。これはケースはたしか同じだと思うんです。この際今まで共済組合法の多少の保護を受けておつたところの二十一万の労務者のうち建設省の七千名の準職員と同じような形でせめてこの共済組合法の適用だけは受けさして欲しいというのが一つです。もう一つは連合軍労務者が今度は身分が切替えになります。従つてこの法律によつて公務員でなくなる、特別職でなくなつてしまう。そうなりますものですから、一時規則によりまして退職手当を出さなければならないんです。退職手当はアメリカ軍から国家がもらいまして預つておるんです。ところがそれを身分が切替えになりますから一応払わなければなりません。これは厖大な数字になります。これはインフレ抑制とか何とかいう点からいつても或いはそうしたことはしなければならんかも知れません。特調の意見を開きますと金はない、一遍にこれだけの金を払うことはできない、せいぜい月に二、三億程度のものなら払えるがそれ以上は払えんと言つております。それは一応止むを得んといたしまして、その際切替えた駐留軍労務者になりますと、駐留軍労務者としての身分になつて、継続してその駐留軍労務者として使われるものがやめるときまでやらない、やめればやるとこの法律ではつきりきまるのです。併し預り金として国が預つておる、その場合には年に五分の割合でこの金利を払うということになつております。その際退職金の必要な場合、金が必要な場合にはその預金を貸してくれというのです、その期間だけは五分の利息は停止される、こういう工合にしてくれ、こういう修正意見なんであります。
○理事(小川久義君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(小川久義君) 速記を始めて。
○石川榮一君 田中君の御意見誠に御尤もだと思うのであります。今専門員の言われたように従来共済組合に入つておらないというものを駐留軍に切替えた後においては入れるということとする必要があるかどうかということにつきましては、もう少し検討を要するのではないか、どうして駐留軍に入れなかつたかということを我々は取調べたいと思いますが、恐らくこれは臨時的な人たちが多いのであつて準職員に当てはまるような恒久性のあるものでないのじやないか、若し恒久性のようなものがあれば特別にそういうものを共済組合に入れるような法律を作るべきだ、こう思うのですが、それがどういう性格のものでありますか、私どもよくわかりませんので、臨時的に多数の人を駐留軍が使う、そうして工事が終りますればこれを解雇するということが頻繁に行われるのじやないか、こういう点から考えまして、お話の御趣旨はよくわかりますが、私どもは暫らく検討を要するものであろう、こう思うのですが、どうかさようにお願いいたしたいと思います。
○田中一君 この駐留軍労務者が臨時か臨時でないかという問題は、これは吉田首相に伺わなければわからんのです。御承知のように一体我々は行政協定によりましてアメリカ駐留軍が何年何十年おるものか私はわかりません。従つて臨時のものか長期のものかもこれもわかりません。ただ扱い方は臨時の扱い方をしております。その臨時か臨時でないかは、これは吉田総理の肚を聞かなければわかりません。アメリカ軍の肚を聞かなければわかりません。
○石川榮一君 それは御尤もです。御尤もですが、それは行政協定の問題に触れて来ます広汎な問題になりますから論議もされますが、少くとも暫定的な措置であつて、幸いに日本の国力がこれに順応するように伸びて参りますれば、或いは五年の後にも、或いは六年の後にも駐留軍の撤退を見るときが来るんじやないかと思いますが、それでも五年でも七年でも持続して使うんだということになれば、これは私どもも今田中委員がおつしやるような法的措置を講ずべきだと思いますが、今の段階では一応臨時的に雇つて置くという建前をとり、特に施設等について相当大きな施設等もできるかも知れませんから、一時的に随分たくさんの人を使うことがあります。こういうような点も考えますと、恒久的に使うのではなくて臨時的に多量のものを使つて、そうして工事が済みますれば解雇するというようなことになりますと、恒久的な準職員並みにするということはどうかと思いますので、もう暫らく様子を見たらどうかと思います。
○田中一君 先ほど今までの連合軍の労務者が共済組合に加入しておつたということを言いましたが、これは間違いだそうであります。これは加入しておらなかつたそうでありますので、それは訂正いたします。それから同じようなケースの建設省におけるところの現場の労務者が七千名だけこの共済組合に加入することができるということにきまつたのは、石川先生曾つての先国会ですかの委員会で以て御承知だろうと思いますが、同じようなケースなんです。片方は国が雇つておる、これも国が雇うんです。向うも国が雇つておる、そういう人間の一万何千のうもの七千だけは共済組合に加入をする、準職員に扱うという、これは記憶はありませんけれども、とにかく扱いは別になつております。併し同じようなケースじやないか、これができるならば加入をしてもよろしい、これは人事委員会のほうではどうなつておるか知りませんけれども、少くともそういう希望を申入れたいということであります。それからもう一つの問題は預金なんです。当然もらうべき預金なんです。金がないから今払えない、連合軍の労務者から駐留軍の労務者に変つても、そのまま引続き仕事をしておるならば預つて置こう、その代りに年五分の利子を附けてやる、併しやめなければやらない、やめる場合に人事委員会にお出にならなかつたかも知れませんけれども、三つの行き方がある。政府がお前やめろと言つて、はいと言つてやめるのがこれが円満退職ケースだそうです。第二番目は、自分から進んでやめさして頂きたい、こう言うと退職規定の二分の一しかくれないんです。それから悪いことをした場合、これは一銭もやらない、こういう三色の段階があるそうです。お前やめろと言われて、はいと言つてやめれば円満な退職で全額くれるんだそうです。それが金がないから、今事実身分の切替えがあるけれども、金が払えないからこれは預つて置こう、けれども駐留軍労務者をやめた場合には全額払う、それまでは預つた金に対しては年五分の利子を附けてやろう、こういう法律なんです。それは一応それで結構でございますと私は申上げて、ただその際或いは退職手当はもらえるんじやなかろうかと思つておるんですが、病気か何か起つて命が一遍に欲しい、これは自分の預金なんですから、欲しいと思うときには貸してくれという申出でをこの法律で許してくれる、そうしてこれは貸してくれても自分の金ですが、借りるときにはよそから借りる、銀行から借りれば金利がつきます。自分の金を借りるんだから、その間利子だけは要らない、元金を貸してくれ、併しながら賃金から幾らでも毎月返すとか、三回で返すとか、或いはやめれば全額もらえるから、そういうことでやつてくれ、そういう規定を入れたいという希望なんです。
○理事(小川久義君) お諮りいたします。田中委員の御説も御尤ものようなところもありますが、相当審議の必要もあると思いますので、引続き審議を継続するということにいたしまして、本日はこれを以て散会いたしたいと思いますが、御異議、ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(小川久義君) それでは本日はこれを以て散会いたします。 午後零時四十六分散会