建設委員会 第12号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/03/06
会議録
○委員長(廣瀬與兵衞君) 委員会を開会いたします。住宅緊急措置令等の廃止に関する法律案を議題に供します。本法案に対し御質疑がございましたら、順次御発言を願います。
○田中一君 私は前回の委員会において建設省に資料の提出をお願いしておきました。その資料の提出について、これがそれならば、これについて御説明願いたい。
○説明員(鬼丸勝之君) 御説明申し上げます。使用権の設定されました建物につきまして、先般申上げましたように、通常の使用によつて生ずる通常の損失を建物所有者に補償することになつておりますが、その補償の状況につきまして、先ず全般的に詳細な数字がまだはつきりしてない部分があることをお断わり申上げまして御了承願いたいと思いますが、はつきりした数字で滯納のあります部分をここに書き出しましたのがこの資料であります。東京都の同胞援護会と貸室組合の二つでございますが、補償金額は、いわゆる起業者が建物の所有者に払うべき金で、これは補償審査委員会で決定された金額であります。これを合せまして今まで三百八十七万円ということに相成つております。それに対しまして、現実に支払われましたものが二百五十八万二千八百二十五円、こういうことになりまして差引補償料の滯納額が百三十九万円、約三分の一近くのものが滯納になつておりますが、この原因は入居者が家賃として起業者に払うべきものを払つてない、入居者の家賃未払によるのであります。神奈川県及び市につきましては、入居者の家賃の滯納は別としまして、補償料そのものは全部払つております。つまり公共団体において負担をして払つているという実情でございます。
○田中一君 そうしますと、同胞援護会と貸室組合二つしかない、ほかのものはわからんとおつしやるのですか。例えば助成金とか、住宅営団の何はわからんですか。
○説明員(鬼丸勝之君) 先般の委員会におきまして、田中委員の御質問の趣旨を或いは多少狭く解釈したのかも知れませんが、補償料の滞納状況を特に知りたいというふうに承知いたしたものでありますから、滯納の額のはつきりしているものを計上したのであります。他の分は支払つているという状況であります。
○田中一君 旧法の損失補償委員会はどういう基準でこれを支払つておられるか。
○説明員(鬼丸勝之君) 旧法の損失補償委員会におきましては、いわゆる入居者の支払うべき家賃を地代家賃統制令の統制額の枠内においてきめまして、その中から若干でありますが、これも統制額の一つの基準がありますので、その基準でいろいろ管理費を若干見て、それを控除した額を補償額として決定いたしております。従いまして建物の使用によりて生ずる通常の損失というこの規定の運用ということになりまするが、これは通常の損失といたしましても、今から見ますと、十分の損失補償の額になつておらないのではないかと思いますが、併し法令上は審査委員会でそういう基準できめましたものは、一応客観的な妥当性を持つものと考えられているのであります。
○田中一君 もう少し詳しく……。実はこの政令に讓るというところの比率の問題ですね。補助の比率の問題でありますが、旧法というのは現在も生きているのですから、従つて現在も損失補償委員会は現存している、又活動されていると思うのです。従つて第八條の国の補助の面において、予算の範囲内において政令で定めるという、この定めるという内容は先般局長から伺いましたが、それもこの法律が発効すればすぐ生きるものです。現在旧法におけるところの損失補償委員会も現在生きているのです。従つてその実際の現在生きているところの補償委員会できめられているところの補償の問題です。家賃の問題は家賃統制令とか、或いはいろいろ扱いがあつてきまつておりますが、補償の問題を伺いたいのです。補償の問題、現在生きている、現在やつている基準ですね、こういうものを伺いたいのです。
○説明員(鬼丸勝之君) 旧法と今回の法案の関係につきまして、特に補償の点をもつとはつきり申上げて置きたいと思いまするが、先ほど来お答えを申上げました補償と申しまするのは、これは飽くまでも旧法の補償であります。で、今度の新法には関係はございません。と申しまするのは、いわゆる直接使用によりて生ずる通常の損失を補償するということは、今度の法案に盛られておりまする原状回復に要する費用の補償とは全然本質を異にしておるのでありまして、ですから旧法による補償の問題は飽くまで旧法によつて処理すると、こういうことに考えておるのであります。今回の法案に盛られておりまする新らしい原状回復の補償は、旧法と関係なしに、つまり旧法で触れていなかつた面の補償を取上げたものでございます。
○田中一君 そうしますと、先ほどの御説明は、一定の当時あつた家賃統制令と言いますか、これにプラス補償的な、補償の意味を含んだものを加えて家賃として払つたと、これが補償なんですね。
○説明員(鬼丸勝之君) そうです。
○田中一君 家賃の中に補償の意味を含むところのものを織込んで家賃として支払つたというわけですね。そうしますと、その家賃の中に損失補償の意味を含んでおつたこの所得はどういう形に税法上処理されておつたか伺いたい。含んでおつたとおつしやるなら……。ここにはつきり損失補償委員会というものができておるのですから、これは補償の問題です。家賃の問題ではないのです。その中に含んでおつたとおつしやるならば、その補償としての収入と、家賃の収入とは税法上どういう差異があつてどういう扱いをしておつたか伺いたい。
○説明員(鬼丸勝之君) ちよつと御質問の趣旨が十分呑み込めないかも知れませんが……。
○田中一君 ではもう一遍申上げます。損失補償委員会があつても、損失補償ということはしてなかつたように受取れたのです。従つて損失補償の意味は、補償の意味は家賃にプラスし て、家賃というものと、それに補償という補償を意味する金と加えたものを家賃として払つたと、こういうわけですね、こういうように受取れたのです。
○説明員(鬼丸勝之君) 少し違います。
○田中一君 それではもう一遍伺います。
○説明員(鬼丸勝之君) もう一遍はつきり申上げますが、今までの補償金額と申しますのは、旧令の第十条の規定によりまするところの、使用するために直接生ずる通常の損失を補償する金額であります。で、これは御承知のように、補償審査委員会で金額を一応審査いたしまして、知事がきめることになつておりまするが、その金額を起業者が払わなければなりません。その財源をどうするかという問題で、そこに家賃収入ということが出て参ります。で、起業者に対しましては、起業者の自己負担をこの旧令で要求してはおりませんのであります。起業者は入居者から家賃をとつたものをこの補償金額に充てろと、こういうことになるのであります。従いまして、家賃収入の大部分をこの補償金額、補償のほうに廻しておると、廻すべきものであると、こういう運用をいたしておるのであります。
○田中一君 ちよつと專門員に聞きたいのですが、この賃貸家賃の収入と、それから補償金などの収入とは、税法上どういう区別をされておりますか。
○委員長(廣瀬與兵衞君) ちよつと速記をとめて干さい。 〔速記中止〕
○委員長(廣瀬與兵衞君) 速記を始めて……。
○田中一君 大体御説明通りならば、不満ですけれども、実情がそうなんですから、これは止むを得ません。それを新らしくこの国の補助の第八條において、そうした今までの旧法上非常に不明確な点を明確にする、そうして又はつきり補償金として払うための補助をするということならば結構かと思います。併しなお残りますのは、旧法上現在までやつておりますところの実態については私も一応東京都その他について調査して見ます。結局所有者が余りにみじめな目に会つているように考えられますので、その点も一つ調べて下さい。この点の質問はこれで打切ります。次に引揚援護庁の経営しておるところの住宅について、私先般、この前の委員会で入居者が公営住宅に入居したいというような意思があつた場合に、優先的にそれを優先入居させるという措置をとらんでいいかどうかということを伺つて置いたのですが、若し援護庁から見えておれば御説明願いたいと思います。御返事を願いたいと思います。
○委員長(廣瀬與兵衞君) 速記をとめて……。 〔速記中止〕
○委員長(廣瀬與兵衞君) 速記を始めて下さい。
○田中一君 委員長の御判断にお任せします。
○委員長(廣瀬與兵衞君) 專門員の武井君から説明して頂、きます。ちよつと速記をとめて……。 〔速記中止〕
○委員長(廣瀬與兵衞君) 速記を始めて……。それではほかに御発言はございませんか、ございませんければ、質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(廣瀬與兵衞君) じや御異議ないと認めまして、これから討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べをお願いいたします。
○田中一君 これはポ政令廃止に伴うのと意味の同じような法案でありまして、廃止には全体として異議がございません。併しこれに対処して跡始末をする意味の新らしい立法をなされておるのでありますが、この中で、第一にこれだけのものを二十八年三月三十一日まで、二十七年度中にこれを移転させる意図の下に本年度の五百三十億の予算をお組みになつたと思うのですが、若しそれに充当するだけの優先入居させる東京並びに神奈川県で公営住宅が建つかどうか、現在東京都は昨年は約七百戸、本年は鉄筋コンクリート分として約二億何千万かの金を国庫に返しております。この現状から見て、実際に神奈川並びに東京都が熱意を持つてこの住宅転換ですね、公営住宅に持つて来るという人を優先入居させ、なお且つ市民の住宅難を緩和させるというような方法、熱意があるかどうかという点について甚だ疑問に思うのです。従つてその点について政府は若し、東京都は昨年において木造七百戸、今年においては鉄筋コンクリート予算として二億何千万円かを百返しております。その返しておるものについては、十分に東京都に対してはなし得るかどうかの問題についてはつきりと御調査になり、申入をして二十七年度の公営住宅の交付金をきめて頂きたい。同時に第二点としましては、なぜ東京都がこの金を返したかという現状を見ますと、この地方公共団体が結局財源がないという理由で返しておるのが実情であります。従つて若し優先入居させるならば、それに対応するだけの地方財政の補助或いは起債を考慮して頂きたい。こうしなければ到底二十七年度中にこの転換はできんと考えられます。第三点は、この法の裏付によつて、話合の下に個人的な契約をして入居させたところの余裕住宅、これも個人のものが少いようにこの資料に出ておりますが、この貸家組合ですか、並びにその他の団体、同胞援護会その他の団体で以て多少そうしたものが残つているように考えられるのです。これに対する補償、補償と言いますか、これに対する……、この法によつて与えられたところのものであるものですから、できるならば單なる今までの五百三十億の枠外に、そういうかたがたにも補償するような意味の措置をとつて頂きたい。それからもう一つは、起業者も無論営利事業としてやつているものがないと考えます。従つて起業者が自分の事業をこれによつて完全に、その面の緊急措置によるところの事業は清算されるわけです。清算された場合、この起業者に対して、若しもこの法律を正しく遵守したために受ける損害があるように考えられるのです。あるとするならば、これに対する補償の用意もとつて頂きたい。従つてこれは二十七年度全般の予算の編成上のいろいろの問題もございますが、そういうものも織込んで……。先般の局長のお話ですと、二十八年度には及ばないというような御意思であつたようですが、できるならばそういうものも織込んで、二十八年度に又別な枠を以て、先ほど申上げたような四つのかたがたにも補償する予算措置をとるように、希望條件を付しまして本案に賛成いたします。
○委員長(廣瀬與兵衞君) ほかに御発言ございませんか……。別に御発言はないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(廣瀬與兵衞君) 御異議がないと認めます。 それではこれより採決に入ります。住宅緊急措置令等の廃止に関する法律案を原案通り可決することに賛成のかたは挙手をお願いいたします。
○田中一君 希望條件を入れないで賛成していいですか。希望條件を入れてくれませんかね、どうでしよう。
○委員長(廣瀬與兵衞君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(廣瀬與兵衞君) それじや速記を始めて下さい。只今申した通り賛成のかたは御挙手をお願いいたします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(廣瀬與兵衞君) 全会一致と認めます。よつて本法案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、先例に従いまして委員長において作成することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(廣瀬與兵衞君) 御異議ないと認めます。 それから成規の手続によりまして、本案を可とされるかたは順次多数意見者の御署名をお願いいたします。 多数意見者署名 赤木 正雄 石川 榮一 深水 六郎 東 隆 楠瀬 常猪 前田 穰 徳川 宗敬 田中 一 小川 久義
○委員長(廣瀬與兵衞君) 御署名漏れはございませんか……。御署名漏れはないと認めます。
○委員長(廣瀬與兵衞君) それではポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く建設省関係諸命令の措置に関する法律案の審議に入ります。御質疑のおありのかたはどうぞお願いいたします。なお説明員として地理調査所の総務部長中村博正氏及び印刷部長の岡山俊雄氏が来ておられます。
○田中一君 次官にお尋ねしますが、これは結局ポツダム宣言の受諾に基くところの法案であつて、これをこのまま効力発効後も持たすということですね。結局アメリカから押付けられた法案というような印象があるでしよう。これをもう少しその講和後におけるいわゆる独立国家としての国民に対する法律というような工合に多少、精神は結構でしようが、表現その他の字句について改正するような御意図かあるかどうか、ないかどうか伺いたいと思います。
○政府委員(塚原俊郎君) 田中委員の申された点は私としても考えております。今の段階では止むを得ないと思つておりますが、完全な独立国家になりました曉においては十分御趣旨に副うように改正したいと考えております。
○田中一君 それからこれは衆議院でも問題になつたと思いますが、罰則の第十七條ですね、これがどうもこの利用者が利用するときにもいつでも出してくれるというものが、このような罰則が重過ぎるというような考え方を私は持つておるのです。今の参考資料が来ておりますが、結局今日では秘密というものではなくなつておるのです、この空中写真の利用というものは……。従つてこれから又戰争に突入すればどうか知れませんが、併し今日の段階においては自由に使えるという、利用できるという建前から、この罰則の緩和はどういう工合にお考えになつておるか伺いたいと思います。緩和をしたほうがいいのじやないかという考え方に対して、政府の御見解を伺いたいと思うのです。
○政府委員(塚原俊郎君) 無償貸与に伴うところの保管の責任を全うするために、こういう罰則規定が設けられておると私は考えております。併しこれも先ほど申しましたように、私個人としての考えを申上げるならば、やはり相当きついものじやないかというふうに考えております。何も軍事上の目的でやるものではありません。産業の開発その他いろいろな面で皆様に利用して頂くために考えなければならないものでありますから、罰則規定についても緩和の精神を我々は研究いたしたいと考えております。
○田中一君 そうしますと、取りあえず、これを発効に伴いこうした命令がこのままなくなつちや困るというのでやるのであつて、今の質疑の点も御了承ならば、私は暫定的措置として差支えないじやないかと思うのです。従つてもう私の質疑はやめますから、どなたかから御質疑があつたらば……。
○委員長(廣瀬與兵衞君) それでは来週はポツダム政令廃止に伴う空中写真測量の法律案及び同じく特別調達庁に関する法律案及び接収関係の請願について審議いたしたいと存じます。 では本日はこれを以て散会いたします。 午前十一時三十八分散会