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13回国会参議院1952/02/13

決算委員会 第6号

発言数
300
登壇者
14
会派数
6
開催日
1952/02/13

会議録

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 只今より会議を開きます。  先ず本日の委員長及び委員打合会の御報告を申上げます。証人として六名のかたの出頭を求めておつたのでありまするが、うち一名三浦義男君が急病のために出頭ができないという届出が出ておりますから御了承を願つておきます。残り五人の証人について証言を求める順序をきめましたところ、一番目が足利工業株式会社社長田中平吉君、次が特別調達庁財務部長川田三郎君、次が大橋武夫君、次が東京地方検察庁検事渡邊留吉君、最後は東京地方検察庁検事正馬場義續君、こういうふうに順序がきまりましたので、御報告申上げておきます。   —————————————

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 次に理事の補欠互選の件を議題に供します。  本委員会の理事は只今三名欠員でありますので、その補欠のため互選を行います。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 この際理事の互選は成規の手続を省略して、委員長において指名されんことの動議を求めます。

伊藤保平緑風会

○伊藤保平君 只今の小林委員の動議に賛成いたします。

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 只今小林君から理事の互選は成規の手続を省略して、委員長において指名されたいとの動議が提出されておりますが、小林君の動議の通り決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 異議ないと認めます。依つて委員長は、理事に仁田竹一君、長谷山行毅君及び飯島連次郎君を指名いたします。   —————————————

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 次に昭和二三年度決算会計検査院検査報告批難事項第三百九十七号足利工業株式会社(契約当時は足利板金工業組合)に対する二重煙突代金支払及び之に関連する事項について東京地方検察庁検事正からの報告に関する件を議題に供します。  本日は本件に関して四名のかたが証人として出頭されております。本日証人に出頭を求めました趣旨は、本委員会において今日までに述べられました証人の証言と東京地方検察庁検事正からの報告との間に若干の相違があるやに思われますので、本日の委員会においてこの点を明らかにいたしたいと思うのであります。これより宣誓を求めますが、その前に各証人に一言申上げます。昭和二十二年十二月二十三日公布になりました法律第二百二十五号、議院に於ける証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合にはその前に宣誓をさせなければならんことになつております。なお宣誓又は証言を拒むことのできるのは、只今申しました法律の第四條の規定に該当する場合に限られております。又証人が正当の理由なくして宣誓又は証言を拒んだときは一年以下の禁錮又は一万円以下の罰金に処せられ、且つ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになつております。一応このことを御承知になつて頂きたいと思うのであります。  それでは法の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。お手許に差上げてある宣誓書を漸次証人より朗読して頂きます。御起立を願います。    〔総員起立、証人は次のように宣誓を行なつた〕    宣 誓 書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。        証人 馬場 義續    宣 誓 書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。        証人 渡邊 留吉    宣 誓 書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。        証人 大橋 武夫    宣 誓 書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。        証人 田中 平吉

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) ちよつと証人に申上げますが、だんだん時刻も経過いたしまして、十一時を過ぎております。そこでさつき証言を求める順序を申上げましたが、検事正と渡邊検事さん、それから大橋氏は午後になります。午後は大橋さんは一時から三時までの間を大体予定いたしております。馬場検事正と渡邊検事は二時頃からおいでを頂けば結構だと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 開会に先立ちまして、実はこの前に証人の喚問を決定しまする際に、重要な関係者として高橋正吉を呼ぶことを失念をいたしておつたのでありますが、幸い実は今日はこの場に来ておるようでありますから、そこで本件については当の中心の人物でもあり、又田中平吉或いは大橋等の関連においても先ず当初に高橋正吉に対して一、二重要な点を伺つておきたい点もありますので、そこで日程に追加いたしまして、先ず田中平吉の証言の前に高橋を証人として喚問し、質問することの動議を提出いたします。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 只今のカニエ君の動議に賛成します。

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 速記を始めて下さい。カニエ君から高橋正吉を証人として出頭を求めたいという動議がありまして、成立いたしております。カニエ君の動議に賛成のかたの起立を願います。    〔賛成者起立〕

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) それでは高橋正吉君を証人喚問として出頭を求むる件は、手続を委員長に御一任願いたいと思います。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) それではさよう決定いたします。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 本日の証人各位の御証言は、この問題の審議に極めて重要でありまするので、従いまして甚だ僣越ではありますが、証人のこの席への御出席は、委員会の意思によつて行われるようにいたされたいと思います。従いまして私は田中平吉君の証言を伺いまする場合においては渡邊検事その他の証人の御退席を願いたいと思います。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 只今の栗山君のお話のように、まあ一応直接関係のある人の同席は御遠慮を願つたほうがこの際いいんじやないかと思いますから、さように取計うことに賛成いたします。

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 栗山君からの動議について御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 御異議ないと認めます。  それでは渡邊検事の御退席をお願いいたします。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 私から証人に伺つておきたい点は、極く簡單に二、三点でありますが、先ずこの報告書によりますと、田中が自動車を大橋に売却を依頼した。そうしてその代金は特調に納めるということは田中はそれを了承しておる。が併し大橋がその金をほかに使つて、流用して、そうして利殖をして、その上で特調に払うというようなことは田中平吉は了承をしていないように前回の取調ではなつておつたのでありますが、今回の報告書によりますと、田中平吉も高橋も、又特調の川田、三浦もこれを同年の六月の上旬頃までの間にこの売却代金を流用する、運用するということを承知をした、こういうふうに相成つておるのでありますが、この点について田中平吉はそういうようなことに承知をした覚えがあるかないかということについて先ず証人に伺いたいと思います。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) このモーリス自動車のことにつきましては、覚書にありました通りに、会社のものになつていたので、実は売るとすればその時分に七十万円、そうするとなかなか借金も多いので、少しでも余分にしたほうがいいだろうというので、まあ貸して置けば幾らか、百万円くらいにはなるだろう、ただそれは話だけだつたのですけれども、そういうふうなことで、幾分でも余計納めるというふうなことで大橋さんにお願いしたのです。ただそれは売つた金を直ぐに流用して、その余分の利息と言いましようか、そういうものは、例えば二十万円でも三十万円でも出れば大変楽だから、そうしたほうがよいということについては私は承知しておりました。併しただ納まらなかつた点について、それがどれだけその時分に納まつたか納まらないかということは、調達庁から報告が私のほうになかつたから実は内容証明をつけたようなことになつたんです。流用して金を殖すという点については、私は承知をした上でございます。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 それはいつ頃、どういう場所で誰々が寄つたときにそういうことの話合いができたのか、記憶があつたらお答えを願いたいと思います。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それは二十四年の、私も非常に愚鈍な人間で、少し頭が惡いから忘れていますが、夏半ば、二十四年の半ばだと思いまするが、その頃だろうと思いますが、六、七月頃か、よく自分も考えているんですが、そこのところはわかりかねますが、実は自動車のナンバーは私のほうへ外して来まして、そうして自動車屋が、何という自動車屋でしたか、自動車屋が私のところへ来て、大橋さんから頼まれて来たと、それで私は私のところでは大橋さんにお願いしたのだから、大橋さんのほうからよく聞いてそうしてやつてもらいたいということをお願いしただけでございまして、深いあとの意味はございません。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 自動車の所有権というものは高橋正吉のものであるのか、田中平吉のものであるのか、その点は証人はどういう信念でおられるか、その点を伺つておきたいと思います。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) その点は覚書に、自動車というものは会社というふうな名前でもありませんし、私に運転もできませんし、專務高橋正吉は運転ができるために正吉の名前になつて、自動車は、ナンバーは受けてある。で金は会社で出してあるんです。併し覚書に、そのときに大橋さんも立会いまして、あれをすつかり……覚書を書いたのは平井顧問弁護士だと私は察しておるんですが、大橋さんもその中に調印をしまして、これはもともと会社のものになつたので、して見ると私のものでなく、その代表者は高橋正吉になつておりますが、そのときの覚書によつてあれは会社のものになつたものと私は心得ております。私のもの、社長というふうなことになるか、何になるか知りませんが、会社のものになつたのでございます。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 あなたが大橋武夫に対してその後自動車の代金も、売払つた代金も返してくれないと、そうしてから大橋に対して請求の内容証明を出されたことの事実があるのですが、この内容証明によつて見ますると、あなたが大橋武夫に対して請求をしておられるようですが、この請求をされてから大橋のほうからあなたに対して何か返事がその後あつたかどうか、返事があつたとすればどういうような……大橋さんからこの手紙に対して返事があつたのか、一応その点を伺いたいと思います。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) 金は受けたか……非常にそれより日がたつておりまして、それで実はこの前の参議院のほうの委員会に出たときに、その自動車の話が出まして、そうしてそのときに、自動車は売れたか売れないかわからん。併しそういうものなら内容証明を一つ出したらいいだろう、こういうふうなことを実は言われまして、そうしてどんなふうに出していいかというので、下書を実はカニエさんのいる前だと思いましたけれども書いて頂きまして、そうしてそのまま内容証明を佐野の郵便局、私のほうの会社の、すべての会計をやつておる人間が大石幸次郎という男ですが、これが佐野でございますから、佐野の郵便局からすぐ出しましたが、その後何らの御返事はなかつたように私は考えるのです。別に御返事というものはないように思います。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 次に検察庁の調書によると、顧問料は高橋が支払つた三十万円ということになつておつて、その他はこれに載つていないのです。ところが事実は会社がもう破産に瀕して非常に苦境になつた時分に、その後田中のほうに顧問料の請求があつて、そうして田中が現金を以て支払つた。而もそのときの田中の心境としては、大橋さんは非常にひどい人である。首縊る人の足を引張るようなことをする人だということを証人がたしか言つておられたように思うのであります。従つてそういうところから見ると、高橋だけでなく、高橋のほかに田中からも大橋は顧問料を取つておるし、又田中も支払つておるというように考えるのでありますが、その点は田中証人はどういうことになつておるのか、支払つたとすれば幾らその後支払つたかということについて証言を願いたいと思うのです。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それは丁度昭和二十四年に、金が詰つてだんだん仕事がなくなつて来るというようなことにつきまして、会社の整理もしなければならん、これではやり切れないというので整理をするというときに当りまして、内々は私が支払つたというのは、皆会社で支払つたものでございますし、高橋が支払つたものでもあります。ただ高橋は東京の出張所の專務であつて、東京一切を高橋正吉がやつておつたのでございます。そうして高橋がどういうふうに、三万円の顧問料を出すというのが、三万円出したか幾ら出したか、それはわかりませんが、あとでまとめて出してあるように帳簿になつておることは、会社破算の結果わかつたのであります。それから職員の三分の一をよそうというときに、大橋先生にもまあ顧問は要らないということで……、私は大橋さんの顧問というのはあとでわかつたのですが、顧問は平井先生一人だと、こう思つておつた、そうするとそれは東京出張所長のほうで、まあ大橋さん顧問にやはりしておいて三万円やる。その三万円という金があとでわかつたというのは高橋政雄という老人でありますが、その人がすべてそういうようなことを解決する、その総務をやつておりまして、そのほうを通じまして、私に高橋政雄から、大橋さんから私に直かにあつたのではありません。政雄から、大橋さんがおれにも顧問料、退職手当というものをもらいたいというので、ああそうか、併し会社にも金がない、困つたな、実際困つた、やれる金があつたら……、じや大橋さんに今までお世話になつているからやつてくれというので、一番おしまいに、高橋政雄がじや払つておきましたと言つたときが、三万円大橋さんにお渡ししたと思います。それだけでございます。今カニエさんがおつしやる田中からやつたとか或いは高橋からやつたとか、こういうふうな、これは名前は高橋政雄となつておりますが、出ておる金は会社のものになつております。その点をどうぞ、私からやつたとか高橋からやつたとか、やるのは名義はみな変つておりますが、私からやつたというわけじやなく、会社からそれだけ出ておる、三万円、一番おしまいの三万円というのは私が承認して出した金であります。それだけでございます。それですから出る金は、その前に三十万円どうとかいう金は、たしか三万円ずつというふうにきめたのを一遍に先貸しをしたということになつておるかどうか、私にもちよつとその辺はわからない。だからあとの三万円だけは、私がじや払つてくれろというので高橋政雄を通じて支払つたことになつております。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 そこでその高橋が支払つた、或いは田中が決裁をして支払つた、いずれにせよ、その支払つた金というものの性質は、これは大橋さんを援助するというような性質のものであるのか、やはりこれは月三万円の割による顧問料であるということで会社はお払いになつておるのか、その点についてはつきりと一つお答えを願いたいと思います。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) どうもそういう点私もいろいろ会社の経理につきましても先ほども委員会で申上げました通り学力知識もなし、会社の社長の実際器にあるのじやなくして、自分として年を取つておるからまあ社長になつてくれというようなことでなつたので、すべてそういう細かいことはよくわかりかねます。又法律のほうのことはもう全然鈍いのでございますして、その今のどういうふうな金で支払われたかということは、私はまあ顧問料というふうな、まあお礼のような顧問料というふうな、私は何か給料……ちよつとわかりかねるようなわけで、その点が私は顧問料というのはまあ礼金というような、人を頼む、つまり礼金のようなものじやないかと心得ておるのですが、如何なものでしようか、その点はちよつとわかりかねるのであります。給料というふうな点でなく払つたと思います。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 田中さんにちよつと伺いますが、昨年の三月十一日あなたが社長として大橋さんにお出しになつたこの内容証明は、これは先ほどちよつと聞き取れなかつたのですが、これを出すことについてどなたに相談されたのですか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それを出すときですか。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 ええ。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) その内容証明を出すときに、実は第一回決算会議がありましたですね、委員会が。あれは去年……明けたから一昨年になりましようか、それはちよつとわかりかねるのですが、実はその後一ヵ月くらいたつてからか、まだごてごてごてごて、ごてごてと言うとちよつとおかしいのですが、私も職員でございましてよくわかりませんが、参議院会館に私来まして、そしてカニエさんに面会を求めました。そのときにいろいろお話が出しして、それでこういう自動車のことでいろいろ聞かれた結果だと思います。どういうふうになつておるとか、こういうふうになつておるとか聞かれた結果だと思うのですが、そのときに、それでは内容証明を出したらいいだろう、そういうようなことであつた。どんなふうに書くんでしよう、こういうふうな内容証明はどんなふうに文句を書いたらよいかというので、その文句を書いてもらつて、それでうちへ来て、大石幸次郎という私のうちの会計をすべてやつておる人間なんですが、その会社の会計をやつておる者に、こういうのを書いてもらつて来たんだが、まあこんなふうにやつて見て大橋さんに一応出して見ろいというので、佐野の局から大石が出したのでございます。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 そうしますと、これを出すのはあなたの意思でお出しになつたのですか、今あなたが話された……参議院会館であなたが出すことの肚をきめられたのですか、そのお話があつたから出すことになつたのですか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) 私の意思もないというわけでもないでしよう。どういうふうにしたらばいいだろうとお聞きしたら、内容証明がいいだろうというので、それでは早速出しましようというのですから、私も出す意思は、自分が出すのですから、人のことではないのですから、確かに自分の意思だと私は心得ておるのであります。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 それであなたは参議院会館へいつも来られておるのですか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) いや、いつも参りません。そのときいろいろの用がありまして、丁度私が来なくなりましたのは……、二三回行つたきりであります。来なくなつたのは、会議ですべてを、決算会議のほうか何か存じませんが、地検にお願いをするということになつて、地検のほうのお調べになつてから、私はカニエさんにも行き会わなければ誰にも行き会わないで、地検のほうのお取調べを受けておつたわけであります。だから行つたのは三回くらいだと思います。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 あなたは参議院会館でこの内容証明をお出しになる肚をきめられたのは、決算委員会のあとでございますか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) さようでございます。後でございます。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 その日ですか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) いえ、ずつと月は、一ヵ月くらいたつておると思います。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 内容証明の点はそれだけにしまして、田中さんに、先ほどお払いになつておりました、その三十万円以外にその三万というのが最後にあるというわけですか。三十万の以外に三万があるという……。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) ちよつとそこはわかりかねるのですが、三万というのはどういうのですか。これはさつきの顧問料と、複雑になつておるように私はちよつと考えるのですが。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 さつきあなたのおつしやつた、その顧問料というか援助の金か、お礼のようなものか、どうも給料のようなものではないように思う。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) さようでございます。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 その金は三十万円の後ですね。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) いや、私が払つたという、私が払つたというとちよつとあれがありますが、会社で一番おしまいに、これきりで顧問をやめてもらうというときに払つたのが三万円でございます。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 それは昭和二十四年の……。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) 二十四年の七、八月頃だと思います。それから三十万円というのはそれは何でしよう。その前に高橋正吉出張所長、専務がそれは払つたのですから、給料じやない。やはり前貸しにするのだから給料じやない。顧問料と言うのは給料でないようにも思うのですが、その点は私にはちよつとわかりかねます。一番おしまいの三万円は私直かに出したものではないですよ。これは高橋政雄という、総務の高橋政雄という男に話があつて、政雄から私に話があつて、それでは払つておいてくれと言つて、あとで支払いましたということになつたのです。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 直かではないわけですね。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) 手渡しをしたわけではないのです。又大橋さんから直かに話があつたわけではないのです。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 いずれにしてもその金は、それを高橋さんに任したのは、大橋さんに対していろいろ努力してもらつた感謝の意味もあつたわけですね。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 高橋正吉から大橋さんに顧問料か何か三十万円前貸ししてあるが、それは自分の金で払つてある。前貸ししてあるから、会社から高橋正吉にその金を返してくれというようなことは言われたことはありませんか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それはございませんです。それは立派に会社の帳簿についておりますから、専務としてもそれは言うわけはないのです。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 あなたがこの前のこの委員会で証人に呼ばれた際には、大橋さんが顧問として、顧問弁護士として頼んでおるというようなことを余りよく知つていなかつた。殆んど大橋さんとも会つていないように話されておりますが、その点はどうですか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) その通りでございます。高橋専務というのは私に、一人職員を頼むにも社長に相談をしたことのない男なんです。それで一切の、六、七十人おる中でも、殆んどそのうち私が自分で本当に頼んだというのは三名しかいないのです。あとは全部自分自身で以て頼んでおつたのです。そういうのですから、それでも私は若い者の顔をつぶすのは……。すべてを自分でそのまま放任しておつたのが今日の私の間違いになつたのでございます。これだけ皆さんに御迷惑をかけることになつたのでございます。そうして、ですからあとで大橋さんを頼んだというときに、大橋さんと私が行き会つたのは、もう頼んでから半年もたつてからなのであります。そして大橋先生が今度はやつてくれる、これは社長田中平吉ですといつて引会わせを受けたのは半年くらいだと思います。よくわかりませんが……。それですから、そういうふうですからすべての間違いが起つたということが言えると思います。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 あなたは三十万円前貸ししたということは知つておりますか。知つたというならばいつ頃知つたのですか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それは会社が駄目になつてしまつて、いろいろ帳簿調べになつて来る、本当にそのとき払つておいたかというのは、昭和二十四年のもう……、どのくらい実際払つておいたのだろうという……、一番最後、しまいに三万円払うときに、三万円払つていたのだということが、月三万円くらい払つておいたのだというのを聞いたことが、それが帳簿に載つているかということを調べたので初めてわかつたのでございます。前貸ししてあつたのが……、それですから、それは二十四年でございます。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 もう一遍伺いますが、このモーリス自動車を売却して、その代金を高橋のほうのために流用して利殖することについてあなたは了承してあるのだということを先ほどお話になりましたが、その点については先般の検察庁の取調の際にもあなたがそういうことをその通りおつしやつたわけでございますね。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) そういうふうに話してあるというふうに私は思つております。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 その利殖をするという意味は、百万円という金はこれは当然特調に返すものであるから、この百万円は特調にすぐに返す、自動車が売れてもこれはすぐ返す。そうしてその他の部分については、これは流用してもいい、こういうことなのか。それともその百万円も、そのほかの売れた金も全部括めて使つてもいいと、こういうことなのか、その点はどういうことになつておつたのですか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それは百万円、七十万円というふうなことよりも、余分に金がなくては特調に出せない。幾らあつても差支えないのです。高く売れるほど結構なのでございますから、百万円以上に売れても、それは他に百万円以上に売れたならば流用してくれとは私は申しません。又九十万円で売れてもこれはしようがないだろうと私は思つておつたのです。けれども余分に売れるほど結構ですから、日は長くても利息で以て七十万円のものが利息がついて行けば、百三十万円になればなお会社は楽になるから結構なんです。他にそれを流用するというようなことは私は思つてもおりませんです。余分に売つてくれるということで、成るたけたくさん納めるということについては承認をしております。あとの余りは流用していいということじやないと思つております。又そういう心理もないし、大橋さんとしてもそういう心理はなかつたと思います。

森八三一第一クラブ

○森八三一君 今のお話で、前のカニエ委員の御質問と今長谷山委員の御質問に対するお答えが少し建つてお話になつておるように思うのでございますが、関連してもう一遍お伺いいたしますが、覚書によりますると自動車の売却代金は、それが七十万円に売れようと百万田に売れようと、成るべく高く売つてもらつて、その全額を特別調達庁に入れるということになつておると思うのでありますが、その売れたお金を更に利殖をして、運用をして、もつと多くして払うということについて了解をされたかどうか、その点を明確にお答え願いたいと思います。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) 今もお話で、実は自動車ばかりでなく、覚書には芝浦のもあり又東武の株もその中に皆含んでございます。併し余分に売れるほど結構な話で、少く売れるということについては誠に困るので、それも拒むわけにも行きませんが、値打のないものを、拒むわけがございませんのです。余分に売れた金は余分に特調に納めるというふうなことになつておる。それは覚書には書いてないでしようけれども、そういう心理の下に覚書ができたのだと思います。確かに余分にできたならば余分のものは使つてもいいとかいうのではなくて、売れただけの金、又取れただけの利息は特調に納めるというふうになつておるのです。

森八三一第一クラブ

○森八三一君 私の聞き方が惡いのかまだはつきりいたしませんが、覚書によりますればいろいろの物件が入つてはおりまするが、今ここで問題にしておりまするのは自動車だけについてであります。自動車を幾らに売れるか、これは売つて見なければわからんことでありますが、気持の上ではできるだけ高く売りたいという気持だと思います。その売れたお金は全額を特別調達庁に納めるのだということが覚書の内容であると思いますが、その売れたお金を更に利殖をして、もつと殖やすということについて了解を與えられたかどうかということです。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それは売れたお金は納めるということはもとより、他へ貸して余分に金を殖やして納めるということは、先ほど申した通りそういうことは私も承認しております。売れたものは余分に納める、売れた金は一旦ここにおいて百万円だ、百万円のものを貸して置いたならば、今度はそいつに五分の利息をつけて百五万円になることについては、それは結構な話だということは私は申してありました。

森八三一第一クラブ

○森八三一君 そうすると自動車売却代金を更に運用をして、できるだけ利殖を図つた上で納めるということについて用意をされたというように了解しててよございますか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) さようでございます。

森八三一第一クラブ

○森八三一君 覚書によりますると、先刻申上げまするように売れたなればそのお金は特別調達庁へ納めるのだというように相成つておると記憶をいたしておりまするが、更にその売れたお金を運用するということについて社長が了解をせられて、社長一存でそういう措置を講ぜられたのか、覚書の相手方でありまする特別調達庁のほうにその旨を申入れられて了解を得られたかどうか、その辺をお伺いしたいと思うのです。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それは特別調達庁の今日皆さんもおいでになつていないからおわかりにならないだろうと思いますが、これはお話で、特別調達庁へ行きまして株を納めたときも、余分に売つてやる、このときは東武の株が五十七円であります。今六十円になつたとしたらば、余分に売つて納める、成るたけ高く売つて、成るたけ高く売つてという話がありましたから、それは特別調達庁のほうではこれは承知しているだろうと思います。

森八三一第一クラブ

○森八三一君 成るべく高く売るということについてはよくわかります。わかりまするが、売れた金を特別調達庁に入れるということが、あの覚書でありましたか返済計画書でありますか、精神であると思います。その売れたお金を更に運用するということについては、あの当時作成せられた覚書の内容にはなつていないと思うのでございますが。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) その通りでございます。なつていないのですけれども、そのときには余分に売つて、余分にして納めようというふうに、いつ何日までに納めろというふうじやなくて、すべて大橋さんに何分一つ頼むと、売つて早く納めてもらいたいと、こういうふうなことをお願いしたのでございます。ですからそんなに長引く、売れて、どこまでも利益を見ていつまでも納めないでくれろとも私ども誓つたわけじやございませんが、余分に貸して、つまり半年なり一年なり貸せば納めるというふうな点であつたのじやないかと思うのでございますが、その点が私はまあ百万円、七十万円のものを百万円にするのだから、その点日数もかかるけれども、余り何とも話がなくとも、調達庁のほうへ例えば百万円で売つて三十万円納めるとか、二十万円減つて納まつたというのならば別ですけれども、何らの沙汰もございませんから、内容証明つけたようなわけでございます。余分に売つて、余分に金を殖してもらうことは承認しておりますけれども、どうもそこのところちよつと覚書にはそういうことございませんけれども、そんなふうになつた。それで專務もいたし私もおつて、三人で余分に売ろう、余分にすべてを何しようじやないかということはそこで話になつたと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 只今のお話の続きになるわけでありますが、あなたが自動車の売却代金に対して利殖を図ることを承認したということでありますが、その話合いのときに、然らばどういうような方法で利殖を図ろうかという具体的な話が出ましたかどうか、それを伺いたいと思います。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) 別に具体的な話は……。咄嗟に言つたように……、具体的というふうな、つまり特調に出すというふうな金がいつ何日までにそれではこれだけ出す。できたらば追い追い出してもらいたいというのが最初の目的で、この前の委員会にも私はそのことは申上げておるのです。そして、ですから大橋さんのほうもそういうふうな考えから、すべて特調や何かも、大橋さんは私や何かよりも……私はちよいちよい行きませんが、すべてあのかたがやつて下さるのだからと思つて、そうして実はそのモーリスの自動車を売つた金は順々にまあ納めてくれるものだろうという單純な考えで、深い理窟も何も考えないで、余分にもらうことたけを思つていたようなわけであります。従つてそのときに何をどうやるというふうな考えもなかつたように思われます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうしますとですね、実際にその後起きましたことは、自動車の売却された代金は大橋武夫氏が管理をいたしまして、そうして山下という人が自動車の売買事業に使つて参つた。で、自然にだんだんとその資金がなくなつてしまつたようになつておるわけでありますが、そういうことについてもあなたは初めから全然御承知がなかつたわけですか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それはございません。なかつたのであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 全然相談を受けておらなかつた……。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それは相談を受けておりません。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 先ほどからいろいろこう話がごつちやになつているように考えるので、重ねて聞いておくのですが、自動車を売つた百万円のその金は特調にこれはすぐ返す。その他の分については、余計高く売れればそれは運用するということの承認をしたのか、それとも全部の、何でも自動車を売つたらその金は特調に納めずにみんなそれを何に使つてもいい、とにかくそれを使つて、そうして殖やして特調に納めたらよいというようなことをあなたが承知したのか、その点がどちらなのかということです。実はこれは初めから覚書とかいろいろな返済計画を見てみると、特調に、国にそれだけ損をかけているのですから、当然早く国に返さなければならん。そのために株も自動車も出したのだ。にもかかわらずそれは早く返すはずのものが返さずに何年も結果において、結果ですよ、結果において何年もぶらぶらとして、そうして返さんようなことになつておつた。そこでそれじやなぜそんなことになつたかというと、それは特調の三浦も、又皆がそういうことを承知したと、併し田中平吉もそういうことを承知しているかどうかということなんです。だから百万円の金をとにかくは納めなければ……これは整理もあるのだから納めてくれ、そうしてあとの分は、これは利殖をして、たとえ一分でも、二割でも三割でも、これは運用して納めてくれというその点についてどうであつたかということと、それからあなたがそういう話合いを、誰からそういう話合いを、相談を受けて、それでいつ頃どこで誰と誰との間でそういう話をしたのか、了承するようにしたのか。その二つのところを一つはつきりと述べてもらいたいと思います。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それはまあ大橋さんとしてみても、利息をつまり納めて、利息を取つて自動車を一台貸して、そうするというと、この自動車を貸すと……、売れたとしないで貸すとする、まあ売れても貸しても……。そうするとこの利益が月に幾ら上るか知らないが、利益が三万、五万と上る。その利益はだんだん特調に納めて行つて、一番おしまいに元金を納めれば百万円ぐらいになるというふうな考えだつたように思つております。それから売れたらすぐ納めるというのでなくて、それならその利益で……。百万円のものを百三十万円に売れたから、百三十万円持つて行くというのでなくて、自動車を貸した自動車屋は何というのですか、今申された自動車屋に貸して、その損料を特調に持つて行くわけです。理窟がそうだと私は思う。そうして一番おしまいに売つたお金が、例えば百万円ぐらいになつておつた。それがちつとも入らなかつた。特調から再三催促があつた、今月はちつとも入らないじやないか、田中君一つ自動車屋に催促をしてもらいたいということを私に申されたこともあります。金がなくて又自分の株を売つて、持つておつた株は少しばかりのものですけれども、それも売つたり何かして、例えば五万でも十万でも持つて行つたことがあります。そういうふうな何だから、それを納めておいて、やはり利息なら利息が月にまあモーリスの自動車を一台貸しておいて、三万円上れば三万円と、こういうふうに納めて行つてくれれば……、まあそのつもりで大橋さんがおつたように思つたのですけれども、一番おしまいに今度は現物を売つたら、その金を全部納めて……。猶予期間のうちに運用するというのでなくて、利息を納めてくれることになつておるのじやないかというふうに考えておるのです。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 もう一つ、自動車を大橋の使いの者が取りに行つて、そうして渡されたと、そのときに大橋があなたに預り証を名刺の裏に書いて渡して、あなたがその名刺を受取つて、預り証を受け取つておられるのですが、あなたの気持は、大橋に自動車をもうやつたという気持なのか、やつぱりそういう工合の條件附で大橋に預けてあるという考え方なのか、その点をちよつとはつきり述べてもらいたいと思います。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) 依頼して預けて私もあるということは何しております。もともと大橋に是非これを頼む、大橋さんがそうしたほうがいいと言うので、大橋君にそれじやお願いすると、ところが一年も特調へちつとも入らないから、私としてみても、じやこれはどうしたのだろうというので初めて内容証明をつけたので、どうでもいいというところから、ただ大橋さんがこれは好きにしてくれというようなことでやつておるのではないと思います。たといそのうち五十万円でも入つておれば、私はあの内容証明もつけなかつたと思います。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 そうすると証人の御記憶の点から言いますと、三十万円というものは会社から出ておる、従つて会社の帳簿にもある、又そのほかに三万円というものを証人が直接に大橋に指揮して渡さしたと、こういうふうになりますと、合計三十三万円というものが出ておるはずなんでありますが、その三十万円の帳簿に付いておるのは、帳簿にはどういう名目になつておりますか、その点を先ず……。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) 一遍に三十万円じやないと思います。ちよつとこのところを忘れておりますが、大橋さんが給料として……給料としてでなく、礼金のような何かのようなことに付いておるように……ちよつと記憶はないのですが、六万円とあと二十万円ですが、二回ぐらいでしたか、三十万円くらいになつておるのではないかと私は考えておるのでありますが、帳簿をちよつと見なければそういう記憶力は私はないのですが、どんなふうに付けているか、そこのところが、……給料のほうの部分には付いてなかつたのです。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 給料か礼金か、何かわからんと、こうおつしやるのですが、ともかくその三十万円とあとの三万円と合計三十三万というのは、会社から大橋に出ておる計算になりますか、そういうふうに伺つてよろしいですか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) 結構だと思います。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 あと先いたしまして混乱するようで恐れ入りますが、さつきの自動車の売却のことにつきまして、ちよつと一つお聞きしたいと思います。売却を大橋に依頼されましたのは二十四年の三月頃のように記憶いたしておりますが、それから今度の内容証明の出されました、その間の期間が何年くらいになりまするか。それからその間にあの自動車は幾らで売つた、その売つた金は、実はそれで以て多少の金を足して新らしい自動車を買つたというような、その売つた代金を利殖のほうに使つておるところの現状の中間報告、そういうものを何回受けましたか。又全然そういう御報告がなかつたのか、その点ちよつとお伺いしたい。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) 先ほど申された通りその点は一向受けておりません。今日聞きますのに、その自動車の代金だろうと思うのが昭和二十六年の十二月に特調へ金が幾らか入つておると思います。併し特調としてみても私どもへは幾ら入つたというふうな報告を、どこからこういうふうに入れたというような報告をしてくれないのですが、どういうのか、私にもその意思がわかりかねる。これは委員会におきまして速記をつけて述べてございますが、併しまだ金は大変足らないのでございますが、自分の財産を差押えをしてもらつて、それを売買して、そうして入れられるだけ入れたということについては、これは自分は承知しております。併しどこそこから幾ら高橋正吉が入れた、私が又幾ら入れた、高橋正吉が今度は幾ら入れたという報告はまだ受けていないので、自動車の代金は去年の十二月、二十六年の暮詰つて入つたように記憶いたしております。他から私は聞いたのでございますが、まだよく調べておりませんから、川田さんにも私は行き会いませんからわかりませんが、そういうふうに心得ております。

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 速記を初めて。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 田中平吉君の証言は必要がありましたならば後ほど伺うということにいたしまして、一応この辺で中断をいたしまして、次の高橋正吉君の証言を求めたいと思いますが、さよう議事進行を図つて頂きたいと思います。(「議事進行」と呼ぶ者あり)

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 議事進行に関する御発言、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 それに異議ありませんが、もう一点だけお尋ねしたいと思いますが、この自動車を売却して特調に納めるという計画なんですが、余り長引いたので、いずれにしても当初の委託の趣旨に反した処分をされたということは確かなんですか。自動車を売却して特調に成るべく早く納めてくれ、こういう趣旨で頼んだと、こうおつしやつたのでしよう。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) はい。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 ところがのんべんだらりといつまでも納らないという結果になり終つたのですが、そうして見まするというと、大橋に対して委託した、委任の趣旨というものは殆んど沒却せられて、大橋のこれらの管理方法が会社並びに証人がたの依頼の趣旨に反した結果になつたということは、これは間違いないですか、当初頼んだことと恐しく話が違つて困つたことになつたということは、それは事実なんでしよう。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それは事実です。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 その点、結構です。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 先ほど田中さんはその結末について、昨年の十二月頃特調へ幾らか金が入つておる。どれだけ入つておるかわからんけれども。そこでその内容ははつきり御存じでないけれども、併しその特調のほうへどの程度入つておるかわからんという状態の下において、今小林委員のお聞きになつたような、その大橋さんに頼んだあなたの依頼の趣旨に反した結果が出て来ておると、そういう断定的な御意見はあなたとして特調の関係がわからないのに今のような供述ができますのですか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) 御尤もであります。併しその前に、何を出したときには、まだ自動車の金が入らないということがわかりましたからそれを出したのです。それを出すときには、それで特調で、困つたなあ、一つ大橋さんに催促して幾らかもらつてくれんかということを私は言つた。それがわかつたので、それがちつとも入つていないので私は出した。併し大橋さんから幾ら入つたということはまだ聞いておらないのでございます。だけれども、ただ蔭で自動車の代金は入つたらしいということをちよつと聞いたのです。その内容証明を出すときにはもう確実なんでございます。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 よろしいです。

棚橋小虎日本社会党(第二控室・右)

○棚橋小虎君 その自動車の売却代金を運用して、金を利殖して、運用して金を殖やすという相談をしたのは、そこに立会つたのは誰々ですか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) そのとき立会つたのは、余りどうも日数がありますのでちよつとわかりませんが、そのときは專務もおつたと思うように心得るのですが、と同時に私と大橋さん、うちの職員も一人か二人おつたように思うのですが。

棚橋小虎日本社会党(第二控室・右)

○棚橋小虎君 大橋君がおつたことは事実ですね。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それは無論、大橋さんはまあ僕が作つてやろう、金を殖やすようにしてやろうということは言つたでしよう、おつたのですから。それから始まつた話なんですから。

棚橋小虎日本社会党(第二控室・右)

○棚橋小虎君 売つた金はすぐ特調に納めるべきものであるのに、それを運用して殖やしてそうして特調に納めるというのであるが、仮に百万円で売れたものを殖やして百二十万円にする、又それを殖やして今度百五十万円にする、こういつたふうになるというと、だんだん慾も出るし、際限ないことになつて、いつ特調へ返すというときも来ないというわけなんですが、それにはいつまでに返すとか、或いは一遍だけやるのだとか何とか、その限というものがありそうなもんなんですが、そこはどうだつたのですか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) いや、それがですね、まあなかつたのだな、そういうことは、実際まあ会社に借金があるということは、二千万円からの借金ができたということは、大橋さんもその中に入つて御存じで、それに対して非常に頭を痛めていて下すつたかたですから、いつまでにという制限ということはないと思います。それは大橋さんもそれくらいのことだつたら、お役所へ入つていない人じやないのですから、私もそれに念を押して、何日までに納めてくれますかというようなことは又どういう方法にして納めるというふうな方法の幾分の心配までしてくれえた人ですから、会社の顧問でございますから、例えば顧問料も払つて、信用しておれば、それまでのことはないと思うのですがな。

棚橋小虎日本社会党(第二控室・右)

○棚橋小虎君 その売却代金を利殖しようという、そうして運用して返そうというようなことを誰が言い出したのです。そういうことを発議した人は誰ですか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それは大橋さんです。幾分余分にして納めるように僕が計つてやると言つたのは大橋さんです。それですから、その際にそれじやいつまでに余分にしてくれるとか、およそ何十万円、百万円くらいになるよ、それを信用しないわけには行きません。まして人格者でございます。(笑声)又私には深いそれまでのそういうふうなことがすべて順序がそこまで行けば、こういう皆さんに御迷惑のかかるような間違いは私はないと思う。極く單純に私は考えておるのでございます。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 これは念のために田中さんにお聞きしておくのですが、あなたはこの内容証明をお出しになるときに、こういう意味の内容証明をお出しになるのならば、参議院会館に来て参議院の人に相談しなくても、弁護士さんもおありになるでしようし、何か参議院会館に来てこの内容証明を出すことについて、普通の場合とは違う事情でもありましたか。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) それは今言う私のことでございますから、それは弁護士もおりまして、今のお話通り相談をしてやつたらよい。それは咄嗟にそこで起きた話でいろいろな話のついでで、どうしたものだ、こういうのはどいうことで起きたので、じやどんな文句かと咄嗟に考えて出たことでございますから……。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 あなたの会社には顧問弁護士さんがおありになるのでしよう。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) そうです。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 そういつたようなことは顧問弁護士さんにお聞きして……。

田中平吉足利工業株式会社社長

○証人(田中平吉君) その時分には顧問弁護士も何も、給料も払えないからお断りを申したのです。(笑声)

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) それでは田中さん暫く御退席を願います。  それでは川田、高橋、お二人の証人が出頭いたしましたので、証人に前以て御注意を申上げておきたいと思います。  本日証人に出頭を求めました趣旨は、本委員会において今日までに述べられました証人の証言と、東京地方検察庁検事正の報告との間に若干の相違があるやに思われますので、本日の委員会においてこの点を明かにいたしたいと思うのであります。  これより宣誓を求めますが、その前にお二人の証人に一言申上げておきます。昭和二十二年十二月二十三日公布になりました法律第二百二十五号、議院に於ける証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求むる場合にはその前に宣誓をさせなければならんことになつておるのであります。なお宣誓又は証言を拒むことのできるのは、只今申しました法律の第四條の規定に該当する場合に限られております。又証人が正当の理由なくして宣誓又は証言を拒んだときは一年以上の禁錮又は一万円以下の罰金に処せられ、且つ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになつております。一応このことを御承知になつて頂きたいと思います。  それでは法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。お手許に差上げてあります宣誓書を順次朗読して下さい。総員起立を願います。    〔総員起立、証人は次のように宣誓を行つた〕    宣 誓 書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います        証人 川田 三郎    宣 誓 書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います        証人 高橋 正吉

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 着席を願います。  宣誓書に御署名、御捺印を願います。  それでは高橋証人より証言を求めます。暫く川田証人は控室においで願います。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 高橋証人に伺いたいのは、この検察庁の報告と、そうして実際と多少やはり違つておる点があるのでなかろうかと思われる節があるので一、二点伺うのですが、検察庁の調べによると、三十万円の金はこれは贈與であるというように報告書に書かれておるのであります。ところが委員会でずつと調べて参りました幾多の記録から見てみましても、これは明らかに顧問料であるというようになつておるのでありますが、これは先ほど田中証人は三十万円以外の三万円については自分が高橋政雄を通じて渡した。が、併し三十万円についてはこれはその後帳簿によつて発見をしたので、余りはつきりしたことはわからないというような意味の証言をしておつたのでありますが、幸い高橋正吉証人が今日おられるのでありますから、この点のいきさつについて先ず一つ詳しくどういうことが一体本当であるか、又どういうような関係でこの三十万円の金を大橋が寄こせということになつたのか、それらの点について詳しく一つ述べて頂きたいと、こう思います。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 今カニエ委員のお尋ねでありますが、この点については前回の委員会にも申上げました通り、これは顧問料の前渡しであります。それは当時大橋先生が私のほうの会社に来られてまだ日が浅く、取立てて贈與をするような事項もございませんでしたし、当時大橋先生は選挙運動のために島根へちよいちよい帰られておられた。そうして何かのときに同郷のかたと一緒に来られまして、俸給の前渡しを、貸してもらえないかという話がございましたので、顧問料のなし崩しという形で、当時私が東京の支店の責任者をしておりましたものですから、私の責任におきましてそれを差上げたことは事実であります。  それからもう一つは、その件につきましてこの前の委員会のあとに、東京の主税局と澁谷の税務署が参りまして、贈與税の申告をしてくれという話がございましたので、私が澁谷の税務署に参りまして、当時国税庁のほうの間違いか何かそれははつきりしておりませんが、二十万円と三十万円の二通りの申告書を書かせたわけなんであります。それで私は二十万円は前回にも申上げました通り、購與いたしました。この三十万円については俸給の前渡しで、私のやるべき筋合いじないという話をしましたところ、二通のところ当時澁谷の税務署の松本功という人が代筆をしてくれまして、そうしてではどつちか上司の命令によつてきめるからというそういう話だつたが、私は依然として二十万円だという主張で、多分二十万円をしつかり言つて来まして、当時検察庁でもその後問題になりまして、その当人と対決しましたときに、それは私の誤りかも知れないということを、検察庁で当人と対決したときに申しておりまして、その後のことは又再調査をして調べてあなたのほうに御返事するから、そのとき一つ出て来てもらいたい、こういう話で、三十万円というほうが贈與であるということには、税務署自体も私が主張した通りのようらしく、未だに見えておりません。それからその三十万円は当時私だけでなく、会計の大谷明というのも立会つておりますから、完全に顧問料の前渡しだということは断定できます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そこで事態ははつきりいたしましたが、あなたは、そういうわけでありますから、その顧問料を一時に前渡しをしたものについて、将来返済をしてもらおうというような気持がありましたかどうか、それを伺いたい。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 当時そういう考えは別に持つておりませんでした。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そういたしますると、東京地方検察庁の馬場検事正の捜査報告書によりまするとこう書かれております。まあいろいろ前段はありますが省略いたします。若し御了解願えなければおつしやつて頂きたい。「昭和二十三年秋頃高橋に顧問料をもらつていないから……」これは、もらつていないからという意味は、月々三万円の契約であつた、それをもらつていないというのだと思います。「もらつていないから借入金の支払いは免除されたい旨を申入れてその承認を得たので……」まああなたから得たというわけですね。「……得たので結局右の三十万円は高橋から贈與されたものと考え、これについて所得税の申告をしなかつたのみならず、他に申告を必要とする所得がなかつたので、昭和二十三年度の所得申告をしなかつた旨を主張している。」大橋君がそういうふうに主張している、こう書かれております。従いましてあなたが今証言では、顧問料を一括前払いしたものに対して債権として将来返してもらう意思はなかつたということを申されておりますので、この検事調書というものは、あなたの只今のお言葉では全く違う、事実と違うように思うのでありますが、その点を一つ明らかにして頂きたい。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点につきましては前渡しである以上は、私のほうも何でもその次の十月からそこらに奧さんのところから俸給を頂きたいという申入れがございました。それまでは全然そういう話がありませんでした。私のほうはそのときに大谷君が奥さんに、御主人が前渡しとしてお持ちになつてお帰りになつたという御返答を差上げたように私は記憶しております。それはお持ちになるときに前渡しとして持つて行かれたということを御返答申上げて、その月が来るまでは差上げられませんというようなことを大谷君が御回答申上げたように記憶しております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そういたしますと、只今私が読み上げましたように、高橋に対して借入金の支払いは免除されたい旨を申入れてその承認を受けたということがございますが、さようなことは事実がないということでございますか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) そういうことは私の記憶にございません。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 そうすると何ですか、この証人の会社から大橋に対して渡した金というものは、その三十万円だけであるか。又今日まで問題とならない部分、つまりちよいちよい二万取られ、三万取られ、五万取られたということを、外部に君の会社から洩れておるのですが、そういう事実があるかどうか、その点を一つはつきりとおつしやつて頂きたい。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点につきまして大橋先生には御恩もございますが、良否は正しく明らかにしなければなりませんから申上げますが、そういう事実もありましたことは、私もはつきり記憶はございませんが、私が検察庁で申述べました調書の中にそういうことをたしか申上げまして、その裏付け調査を検察庁がなさつておりますから、そういうようなことは検察庁の調書によつてお調べ願いたいと思います。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 検察庁の調書は、これは公開せられないので、そこでここでもう一遍、もう一遍じやない決算委員会として初めてお聞きするわけです。検察庁の調書は我々には公開できない、検察庁で言つたことが本当であるならば御面倒でもその経緯をもう一遍ここではつきり申してもらいたい。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点につきまして後ほど私のほうで、これは証拠もなくては不十分でございますから、後ほど私が書いてそちらに提出いたしたいと思います。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 その必要はありません。御承知のように証言というものは、過去の記憶のある限度を述べて頂けばよいのだ。それについて司法的な判断でも與えるというようなことに相成りますると、一切のものが証拠付けられなければ信用せられないのであるけれども、証人の場合は過去の記憶だけで結構なんです。ないことはおよそ記憶にありますまいが、あることだけざつくばらんにおつしやつてもらいたい。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点につきまして社会人としまして日時が非常にあいまいでありますので、私先ほど申上げたのでありまするが、記憶の中では当時甚だ申上げて失礼でしたが、先生もお困りの御様子だつたので、来られて車馬賃をというようなお話で、一万或いは二万、それからその後五万、それからそういつた類で持つて行かれたように……そのほかにもう少し金額の少いのを持つて行かれたように記憶しております。私もその点につきましては、実は検察庁でわざわざ私どもの家宅捜索を受けて、帳簿、いろいろな証拠書類を押収されたので、そういう実例が出ましたものですから追及されまして、それでお答えしたようなわけなんで、私も多分今のお話のような金額を二、三回続けたように記憶しております。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 それでは今の大橋氏にこの三十万円の以外にどれだけ金を渡したかということについては、証人が言われたように、後ほど責任ある資料にしてお出しを願つても私はいいと思うのです。ただこの際に今までにこの三十万円以外に一体どれくらいの金を大橋氏に渡したと思われるのか。その大体の総額ですね、大体の総額が、どのくらい大橋氏に渡したか。この点について伺つておきたいと思うのですが。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 今のお話でありますが、それは大体私の記憶では、五十万円、三十万円、そのほか五万円、七万円、とにかく百万円に満たない金額であるということは事実であります。それ以外に私も今のところ記憶はございません。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 そうしますと、この問題となつた三十万円を加えて、今おつしやつた一万円、二万円、或いは五万円、それらが数回、はつきりわからんが総合してまあ百万円に満たない、それらに近い金だと、そう伺つてよろしいですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それはその通りであります。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 顧問ですから、それは当然だろうと思うのですが、本件に関してですね、一体大橋氏と何回ぐらい証人は協議を遂げられたか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点につきましては、大橋先生とは別に協議らしい協議は遂げたことはございませんが、私の持つて来ました金につきましては、再三返して欲しいということにつきましては、たびたびやりましたし、又御自分の部下、まわりのかたをして私に折衝させたということがございます。それ以外は取立てて申上げるようなことはございません。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 証人は履き違えて聞かれたようですが、私の伺つておるのは、この二重煙突に関して本件の委員会で問題にならない前に、大橋氏と君が何回くらい会われたか。それから念のためにこれも加えて向いたいのですが、この三十万円と選挙の際の二十万円、これ以外には一銭も金を收受しておらない。飲み食いもしたことがないというようなことをはつきりと言明しておられるのですが、それが事実であるかどうか。その二点だけお答え願いたい。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 今の御質問履き違えまして……、やめられましてからも、再三尾張町ビルの事務所に行つておられまして、飲み食いはないということは良識の御判断に委せるといたしまして、相当の回数会つておりますし、又仕事については或る程度報告をなし、次の株券の計画についても話をしておることも十分御承知の通りだと思います。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 それから大橋氏が国務大臣になり、この二重煙突事件というものが決算委員会で明るみに出され、こうなつてから何回ぐらいどこかでお会いなされたか、今度はそれを伺いたいと思います。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) この問題になりましてからは、妙に向うも避けるようなふうでして、むしろ私のほうから実際この問題についての解決は、早く国家に金を返し、又あなたが早く私に、金を返して欲しいとお会いになつておつたのだから、個々の問題でやらして欲しいということを私が申上げておきましたのですが、今日に至るも依然としてうやむやということが結論であります。

棚橋小虎日本社会党(第二控室・右)

○棚橋小虎君 この問題になつておる三十万円というものは一回に払つたのですか。数回に払つたのですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは一回であります。当時私の会社に金がなくて私の個人名義の口座が東京銀行の銀座支店にありまして、そこから私の社員である大谷と私と行きまして、金を下げて来まして、そして事務所で大橋先生と一緒に車のところで、下に車を待たしておきまして、車の中で渡したように思います。

棚橋小虎日本社会党(第二控室・右)

○棚橋小虎君 高橋個人名義の預金から払戻しを受けて大橋に手渡したと、こう言われるのですが、それは高橋個人の金を大橋にやつたということになるのですか。足利工業のつまり金を払つたわけでありますか。どちらですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それはよく私が東京の責任者でもありましたし、会社に金のないときは私のほうからリレーをして使う。付替えにして使うということでありますから、会社の顧問に払うことは、当然会社に貸付けた形になるという形です。

棚橋小虎日本社会党(第二控室・右)

○棚橋小虎君 大橋は検察庁でこういうことを言つておるのですが、これはあなたから見た場合に事実であるか事実でないか、お答え願いたいのですが、大橋は足利工業株式会社の顧問就任当時、高橋との間に会社から月額三万円ぐらいの顧問料を支払うとの約束があつたので、昭和二十三年六月頃、高橋に顧問料の前貸しを依頼したところ、会社より顧問料の前貸しとして支出することはできないとのことであつたので、後に会社から受取るべき顧問料を以て返済することとして高橋から一時三十万円を借り受けるに至つたものである。然るにその後会社が顧問料を支給してくれなかつたので、昭和二十三年秋頃に高橋に顧問料をもらつていないから、借入れ金の支払は免除されたい旨を申入れて、その承認を得たのである。結局右の三十万円は高橋から贈與されたものと考えたと、こう言つておるのでありますが、これは事実間違いないのでありますか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点につきましては、先ほどから再三申上げておりますように、顧問料であることは間違いありません。それから顧問料の前渡しで貸してくれということで、私のほうはお貸ししたのであつて、それから三万円というのは、当時今建設省の監察官をしております石破さんを通じまして、そういうふうに三万円ぐらい支出して欲しいという話でおきめしたことであり、それからその時まだ三十万円の前貸しのときは、一回も多分払つてなかつたと思います。来て二十日ぐらいで多分給料に満たない時であつたと記憶しております。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 検察庁の言い分では、この三十万円の金は、これは高橋が高橋の口座から払つたのだから、顧問料ではないというような断定を一つは下しておるという点と、それから借入金の支払いは、これを三十万円を前借りをした、高橋から顧問料の前借りをした、この三十万円の前借りは、支払いを、返済することを免除する、それは返済しなくてもいい、貸してやるということの承認を高橋から得た、従つてそれは高橋から贈與をしてもらつたのであるという点を主張しておる、検察庁は、それからもう一つは、いろいろこの税務署等の関係者を取調べて見ると、どうもこれは三十万円はこれは贈與であるという工合に考えられる。だから結局これが顧問料であるということについての、この的確なるところの証拠はないとこういうふうに言つて、飽くまでもこれは顧問料でない、高橋がこれは承知して三十万円をくれたのだと、贈與金であるとこういうふうにここには報告しておるのでありますが、率直にあなたの考えでこれは顧問料であるということを裏書するに足る何か証拠なり、又あんたの本当の確信があれば、どういうような点からしてこれはそういうものでないということ、それから今言われたように一時その金を自分の会社に金がなかつたから、自分の金を立替えてやつたが、後にはこれが会社ならもらつて、あなたがもらつて、そうして会社から顧問料として正確に出したかどうか。こういう点についてもう少しはつきりと一つ述べて頂きたいとこう思うのであります。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点については、顧問料を渡すときに会計の大谷君がおりました。大谷君がそれじや毎月、三十万円の中からなし崩し……、何年何月まで渡さなくてもいいのだということを言つておりまして、当時奥さんがそういう話が出たときに大谷君がそれを申上げたということを一つ申上げておきます。  それから税務署でございますが、そこにそういうふうに的確に書いてございますが、私と対決したときは、税務署は、それじや私も記憶違いかも知れません、それじや又改めて調べましてあなたに来て頂いてもう一回会つて話をしましようとそういうことだつたのであります。ですからそういうふうに断定的に書かれるとは、今初めてお聞きしてびつくりしてしまつたのであります。ですから税務署のほうはもうそういうふうな意味ですから未だに何の回答もそれから呼出しもありません。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 今のところは、非常に重要なところですからもう一遍繰返して伺つておきます。私は先ほど非常に簡單に御質問しましたが、あなたが明解に答えて頂いたので質問を打切つたのであります。同僚議員の質問によつて更に事態ははつきりして参りましたので問題はないかと思いますが、もう一回伺つておきます。それは大橋君のほうでは、顧問料というものを贈與金の性格にいたしたいという意思が相当強かつたと私は想像するのでありますが、従いまして顧問料を受けたことについて、毎月の分をもらつていないのでそれを催促をいたしまして、そうして前に受けた三十万円を相殺するというような仕組になつておるようであります。であなたのほうから大橋君に対してもう顧問料として支払いしつ放しであると主張されているにかかわらず、相手のほうでは顧問料の要求をし、又三十万円の借入金に対して顧問料を出してくれないから相殺してくれと、こういうような工合に言つておるわけでございます。ここのところが非常に込入つておるわけでありますので、あなたとしてはあくまでも三十万円というものは、これは顧問料の月三万円の約束を一括して渡して、そうして将来に亘つてなし崩しをしたのである、そういう工合にこの委員会で明確に一つ記録を残して置いて頂きたい。そうしませんと、この問題は言葉の使い綾になつてしまつて、あいまいになる虞れがありますので、さように明確にして置きたいと思います。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その三十万円は飽くまで前渡しであるという裏付けは、当時丁度三十万円が終つた頃に私のところの古い帳簿がその次の月から大橋さんに顧問料としてお渡ししたという記録が残つております。でありますから、それに満つるまでなし崩しをしたことだけはたしかです。ですから、繰返して申上げますように、顧問料であることは私としては自信を以てお答えいたします。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 それから先ほどあなたの御証言の新らしいものといたしまして、三十万円のほかに相当な金を渡されておることが明らかになりました。又相当社会常識的と言われましたが、会合せられ、飲食を共にせられたことも述べられたわけであります。ところがこの点は昭和二十五年十二月六日、ここへあなたがたも来て頂いて証言をして頂いて、そのときに大橋君にカニエ君がこういう質問をしておるのであります。その辺で大体わかつたんですが、そうしますと確かに顧問料は三万円というものをもらつた。そのほかに田中平吉、高橋個人に或いは又会社等から金品を受取つたことがあるかないか、或いは又金品ではないが、併しそうすると今度は飲食をいたしたことがあるだろう、その点はどうですか。こういう工合に証人に聞いております。そうすると大橋武夫君はこれに答えまして、会社へ行つておりまする際はたまたま長くなりまして、晝食のときなどになりますと、弁当を取寄せて食べるというようなことは数回あつたと思います。それ以外に会社から金品を受けたことはありません。なお、それでは個人として田中或いは高橋から何かもらつたか。これはたしか昭和二十四年昨年の春私が郷里において選挙をやつておりました当時、高橋からたしか十万円か二十万円程度の陣中見舞をもらつたことがあります。これは陣中見舞というのは、検事調書によりますと、生活費に送つたということになつておりますが、私ども政治屋の通念としては、これは選挙資金である、陣中見舞をもらつたことがあります。この金はどこから出したかとお聞きしたのですが、これは自分の写真機を売つて出したそうである。それから選挙の際の費用の一部に使つてくれということを言われて受取りました。これは選挙期間中及び期間後における生活費の一部に充てた費用である、こういうふうに述べております。従いまして当時の証言と先ほどのあなたの証言とで新らしい事実が出たように思うのでありまして、この点も一つ併せて確認をしておいて頂きたい。例えば大橋君がそういう証言をされておりますけれども、そのほかに金品が送られている、それから会社の弁当でなくて飲食を共にしたことが相当あるということを、一つこれは具体的な証拠はなくてもよろしうございます。その点あなたの印象を一つ述べて頂きたい。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) そういう点につきましては、私も常識外というか、それ以外に特別申上げるという自信もありませんが、とにかくその辺を御判断をして頂かなければならないかと思います。それから先ほどの第一回の、二十五年十二月の、先生のおつしやつておられる陣中見舞ということは、これは社会通念から判断して頂いて、その点は私としてはまあ持つて行つて上げたということだけにして頂きたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 その社会通念というのじや、又先ほどの御証言と少し漠然とするのでありますが、とにかく前回の証言のときと違いまして、ほかに金品が授與された。つまり前回は三十万円以外には受取つていない、そのほかには何も受取つていないということが強く述べられた。ところがあなたはそのほかに総額、三十万円を加えて百万円に満たない金品を送つたというふうに考えますとおつしやつたわけであります。従つてこの点を具体的に一つ述べて頂きたいということ。それからまあ飲食のほうは、これは問題でありますが、弁当だけを取寄せて食べたということはあるのでありますから、それ以外に社会常識でいう、ただおなかをこしらえるというようなことが当時相当行われたかどうかというような点くらいは述べられると思うのであります。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) そういう御質問でありますので申上げますが、大体まあお弁当のほかに、行きつけの料理屋、食堂へ行つて、それは一杯や二杯飲んだということは、ないというのが間違いであつて、あるほうが当然なんです。それから今のように幾ら贈つたというのは、私も実はさつき申しましたようなメモが出て来たから、ここへ来て行つているのじやないか。一体その金はどこへ行つたのだ、行きどころを……。私はまあ隔離されておりますから隠すわけにも行かんし、じやその通り、裏付けするようにして下さい……、大体そういう意味で言つたのを向うが確認した。それから私自体から差上げたということもあり、特にこれは二十万円前後において早く持つて行つてくれというような慫慂を受けたこともありますので、実は検察庁みたいに、ああいうふうに高地検みたいなところにやられてしまうと、前後をもう連絡するわけに行かん。ただ向うの突付けた証拠のみでこつちが是認するか、否認するかというところに持つて来られ、そうして私もそういうふうに証拠を突付けられたのでは、記憶があるでしようと言われて、辿つて返事をし、それが確認されたのだろうと、こういうふうに思います。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 そこで先ほど言われた三十万円のほかに百万円に満たない金というのは、三十万円を含めて大体百万円に満たない程度の金というのか、三十万円の顧問料は別として、あなたがちよいちよい五万円、或いは二万円、三万円というような金で出されたものが百万円に満たないという金であるかということが一つと、それからそのいろいろお出しになつた中で今記憶は全部はないにしても、その中であのときの五万円はどこで渡したとか、それからこのときの二万円はどこで渡したとか、或いは議会のほうで渡したとか、会社で渡したとか、或いは大橋の家へ行つたというような記憶のある分は、全部はなくてもこれはあると思うのです。そういう点で幾らいつどこで渡したかというやつの、はつきりしている分があれば、そのはつきりした分をここで述べて頂きたい。こういうこと、先ずこの二つを一つはつきりして下さい。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その総額の金額は全部をひつくるめて、三十万円を含めたものが百万に満たないということなんです。  それからもう一つは、そのどこどこというお話ですが、私の記憶のあるところでは、大体国会のとき、第七かそこら、一回五万円を持つて来て、先生がもらいたいというお話でお渡しした記憶がございます。その以外はまあ会社に来られたときにちびちび渡したように、先ず大体そういう記憶です。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 高橋さんは大橋氏との関係におきまして、今先ほどから縷々お話があつたので、大体わかつたのですが、その中で今日までに供述のなかつた三十万円以外に、一万、二万、或いは五万という、それは高橋さん個人の立場でお出しになつたのですか。会社の専務、会社のあなたが専務として東京の探題たる立場においてお出しになつたのか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点につきましては、大橋先生が私の所の顧問弁護士ということか、さもなければ大橋先生個人として私に接していたかということの見解なんです。それで当時はまあ私もはつきり、先ほど申しましたように、それは大橋先生には恩義はありますが、正しいことは正しいことにして頂かないと、後ほど私たちも困ります。先生自体も困ると思います。だから私ははつきりしたことを申上げますけれども、それは当時は先生が弁護士として私どもの顧問弁護士として来られたという立場でしたら、それは即会社としての立場で差上げたと、こう申上げたのです。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 その顧問に推薦したのは高橋さんが推薦なさつたのですね。そこであなたは、顧問弁護士を推薦する、専務としての権限はあつたわけですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 私は当時代表権を持つておりましたから、当然私がお雇いした、僭越ですが、お雇いしたと言い切れます。それから又、当時推薦して来てくれた人は役所の人ですから、石破二朗さんかまあそういう話、それから鎌田庄太郎さんというような人が、そういう人の口ききで私の会社へ推薦して来た。それで私がそれを採用した、こういうことなんです。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 その三十万円の金は、先ほどあなたが供述をなさつたような状況でお出しになつたのですか。今日お話になつたそれ以外の金はあなたの金ですか、会社の金ですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは私の金もあり、又会社の金もあるわけです。当然会社でまあお渡しするときは、会計に私が言いつけまして、それから会計が出しますから、会社から出ております。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 そこでこの本件で問題となつておりまする三十万円のあなたの言われる顧問料の前渡しでありますが、大橋さんは会社のために三十万円前後の金或いはそれ以上の金であるか知らんが、とにかく三十万円前後の金を出すだけの顧問弁護士として努力をしておつた。いわゆる功労というか功績といいますか、そういう会社としての感謝すべき努力はあつたのですか、ないのですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 当時入るときに、石破さんやそれから鎌田さんのお話とそれから先生のお話と総合なさると、とにかく、私のほうも、じや、そういうお話だつたらお入りになつて頂きたい。それから実は選挙に出るのだというお話もございましたのですが、当時とすれば、まあそれも当時はやめたかたが選挙に出られて、立候補されるというのも私たち事業屋から見れば、これも常識なんです。それではというわけで、この三十万円を貸してくれとおつしやられたときは、まだ入つてないときで実は一面識というか、ただ單にお雇いしたというだけであつたから、如何に金の価値のないときでありましても、三十万円はちよつと多い、出しかねると思つた。併しながら、そういつた経緯もあり、まあ将来そのほうで働いて頂けるのだという将来に対する希望、これは人、人間の一般心理なんです。まあそういつた意味でお出しした。ですから功績があるとかないとかいうことは別の問題だと思う。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 そうしますと、あなたは顧問料の前渡しということで、その御供述は変つておらんわけなんですが、結局大橋さんが三十万円に匹敵する会社なり、あなたのために努力、まあそれに対応する努力をしてくれるか、してくれんかということよりも、今のあなたのお話を聞くと、選挙も近付いておる、選挙にも金が要る、同時に人間的にもあなたは大橋氏をそのとき尊敬しておつたということで、とにかくそういうような意味合いで、三十万というものを出された。そのときのあなたの心境は返してもらわないでもいいのだということの意味だとあなたの先ほどからの供述を総合して考えますると、そういうようにとりますると、結局大橋さんには、三十万円に対する対価としての働き、功労というか、功績というか、労力というものが仮にそれに対応するものがなくても、あなたの気持では三十万を大橋さんに言われたから、やはり出したのだということになるのじやないでしようか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点は一度俸給をきめたら、きめまして雇つた以上は、俸給を払わないということは、これはちよつと妙なもので、例えば、技術屋さんならテストをして見て、それで価値をきめるということもできますが、如何せん、弁護士さんというのは、要るときは要るけれども、要らないときは本当に要らない。働いてもらうときが来て、初めてその対価が発揮されるのだ。ですから私とすれば、当然お雇いした以上は、毎月の顧問料を差上げる、人道的に考えても一番正しいと思つたからお出ししたわけであります。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 くどいようでありますが、私のあなたからお聞きしようとすることは、その今のことでわかつたようでありますが、なお掘下げますと、結局あなたの心境としては、顧問として雇つたというか委嘱をした。だから働きがあろうとあるまいと、それはやはり出したのだということにもとれまするが、先ほどのお話のように選挙のこと等を考えると、仕事ということと離れてやはり人間大橋という人をあなたが信じたために、労力というものがなくても、三十万円ぐらいは出して上けるという気持で、そういう要素もあつて出したのじやないでしようか。本当のその当時のいろいろな來雑物、いろいろな雑念を考えずにあなたと大橋という人の金銭授受が行われたときに、あなたの本当の心境は、やはり人間大橋君をやはり応援して上げるというので、必ずしもその三十万円に対する顧問弁護士としての働きが的確になくても、あなたの専務としての裁量の範囲で出すつもりでお出しになつたのではないのでしようか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは無論人間的というか、大橋さんを尊敬しておるから、その場合委嘱したのでありまして、その点は選挙ということも一つあリますが、お雇いした以上は、俸給を払うのがこれは鉄則だということなのです。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 その問題はもうこれ以上質問してもはつきりしておるので、高橋君が顧問料として顧問を雇つたから払つたのだということは明確なので、まあこれはそれでいいと思うのです。併し二十万円の、選挙のときに持つて行つた金の検察庁の報告によりますと、これは大橋氏は二十万円選挙のときにもらつたのは、これは選挙運動の資金じやない、私生活の費用だというようなことを言つておるが、併し証人高橋の前回の供述からいつても、やはり選挙資金として陣中見舞として狩つて行つたのだということを明確に言つておる。この点で検察庁の書いておる、報告しておる点と違うのでありますが、そこで私はこの二十万円の金が選挙資金であるということの考え方が、どういう点からして一体高橋君がこれは選挙資金であるという考えの確信を持つておるのか、その前後の、そり金を持つて行く前後の模様からして、又或いはそういうものが請求があつたのかなかつたのか。本人直接にそいうことを言つたのか等について、一信念のほどを述べて頂きたい、こう思います。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点につきましては、多分二十三年の暮だと思いますが、行かれたときに、先生まあ行つて来るから頼むというお話だつたものですから、では先生私も選挙資金というか、運動資金を差上げなくてはいけませんねといつたらば、まあ一つ頼むと、まあこういうお話だつた。それで私もそれじや選挙資金、運動費用という……。そのとき選挙に行つた以上は、当然金を持つて行けば、もうこれは何に使おうと、選挙費用に使われても……、先生がたもよく御存じのはずだと思う。そういう点でありますから、もつと特に違つた……、郵送したのではなく、持つて行つた以上は、これは陣中見舞のつもりでなのです。陣中見舞というのは、誰がお考えになつてもおわかりのことだし、私自体もそういう選挙にお使い下さいというつもりで持つて行つたのであつて、それでなかつたら私も島根くんだりまで行つていません。そういつた心境ですからそれは確かに私が選挙運動の陣中見舞ということで持つて行つたことは確かなんです。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 それからその二十万円のほかにです、島根県にあなたが行かれて選挙の……、いろいろまあ選挙の間幾日おられたか知れませんが、幾日かおられて、あつちこつちへ、選挙事務所のほうへも行かれたことであろうが、そのほかに、あなたから二十万円のほかに一体どのくらいお金をお出しになつたか、出したとしたら、一体それは誰に渡したかということ、これについて一つ述べて頂きたい。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 私は当時東京を出るとき丁度二十五万円持つて行つたのです。ですからそれが二十万円お渡して、あと旅費それから宿屋の費用だとかそうい生ものも加えまして、そのときは差上げたというような記憶だけではつきりしておりません。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 あなたが選挙のとき二十万円やつたその金について、この前の証人の際には、これは小林委員からの問いに対しまして、あなたがそれは生活のために私は寄附いたしましたと、こういうふうに答えておられますが、只今聞くと大分それと違つておるように思いますが、どういうわけでこういうふうな供述をされたのですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは人間には人情というものがあります。ですから私も何もこんなに大きくなつたり、天下周知の事実になつて来ることは、もう当時そんなに思つておりませんし、又私は党派を別にして速かに御損をかけた国家の費用が国に入ることを念願としておつた。ですから人情としてそう申上げたのでありまして、別に喧嘩とかなんとかいうことではございません。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 それからもう一点、その選挙の当時ですか、前後だと思いますが、会社のほうに電報が来て三十万円を送つてくれという電報が来たそうじやないかということを、この前のあなたが証人に出られた際に聞かれたときに、あなたはこういうことを言つていますが、それは全然私も記憶はございません、ただ五万円送つてくれというのは、鳥取のその社会党のかたが、思い出しましたが、そのかたから送つてくれという電報が来たのは事実です。こういうことを言つておられますが、それはどういう意味でございますか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは私も前述の供述と同じように記憶はございません。ただそれの前のときに先生が島根に出られたときに、相原さんというかたと不破さんというかたから、電話で先生のところへ早く持つて行つてくれという電報があつたことは記憶しておりますが、その電報と、もう一つの電報は社会党のかたで梶川さんというかたが鳥取から援助して欲しいということを言つて来られたことは、記憶はあります。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 もう一点この三十万円の、あなたは顧問料の前貸とこう言つておりますが、最初に一カ月三万円ずつに割るというふうにきめられたらしいのでございますが、これはいつからいつまでの分とあなたは計算しておるのですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは一年三十六万円と計算いたしまして、当時先生からの要求額が三十万円でありました。ですから私は当時六月か八月、ちよつと年月は記憶いたしておりませんが、それから大体十カ月というふうに考えまして、それからその後私のほうでそういうようなお話があつたときに会社の帳簿に付けて、多分十カ月くらいの間を付けて差上げたと記憶しております。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 あなたのほうで顧問に招聘したのは、二十二年の四月頃でありますが、それから逆算しますと、大体この計算はわかります。ところがその後顧問料を支払わない、それからそのほかに車馬賃として一万、二万、或いは五万くらい行つておると言つておりますが、それはいつごろ、その三十万円を出す前かあとか、いつ頃そういうものが払つてあるか、その点を伺います。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それはこの過払いの前後でございます。とにかく古いことですから余り記憶ははつきりしておりませんが、とにかく前後に亘つて、そういうふうな……、多分あの年の三月頃を以て大橋先生は田中からの話で、やめてもらおうじやないかというような話が出まして、それで例の四月頃からか私の自動車を持つて行つてからは、顧問料ということじやないけれども、まあお会いして少し貸してくれんかと、先生にそう言われたこともあるし、いたしますのですが、大体その過払いの前後に先生に一応御遠慮して頂きましよう。会社が立つて行かなくなつた。当時その田中がそういうふうな金を隠匿しているとは私は夢にも思つておりませんでしたから、当時そういうふうなことで、一応御遠慮願いたい、それと同時に又私のほうの自動車を責任を以て利殖を図るということで先生との繋りはできておつたのです。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 今あなたが過払いのときと言いましたが、過払いのときというのは、過払いを受けておるということが特調に発見せられて、その回収を求められた、その当時のことを言つておるのですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) そうであります。それと先生が選挙に行かれる前です。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 そうするとこれは随分長い間に今のあなたがおつしやつた車馬賃というものは相当長い期間に払われた車馬賃ですね。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) そうであります。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 わかりました。それであなたがこの前証人として立れた際には、この三十万円の顧問料の前払い、それから二十万円の、あなたが選挙の際に大橋さんに贈つた金、これ以外にないというふうに申されておりますが、今回はそのほかにあるように言つて、大分前の証言と食い違いがあるのですが、あなたはこの前はそういう記憶がありながら、わざとほかにはないというふうな証言をされたのですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは先ほど申上げましたように、こんなに大きくなつて騒がれるとは思つておりませんし、私も早くこの委員会を終つて国へ帰りたいと思つておつたし、和解のできておるものを刑事問題まで惹き起したということでは、それはおのおのお互いに隠し合つておるのだから、国民の皆様には申訳ないと思うから、それはあるだけ皆はつきり申上げてそうしてさつぱりしたいという気持であり、又速かに解決を願いたいという考えからこう申上げます。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 あなたはその当時の気持では、やはり前に言つたようなことを記憶していたから言つたのではないですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 前のほうの記憶と申しましても、当時私も今は全部全貌的に検察庁のほうから聞き、相手方が何をやつておつたか、実例をまざまざ眼の前に見せつけられておりますから判断ができます。当時は大体漠然と暗闇から牛が引つ張られたように聞かれたので、まるでもう家へ帰つたら卒倒したというようなことで、或いは陳述の間違いもあつたかも知れませんが、現在では相当しつかりお答えできると思います。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 あなたがこの前検察庁で取調べを受けた際に、いろいろなメモや何やら出て来たことと、それからこの帳簿上の計算が食い違いがあるので、そういうことをいろいろ追及された上で今のような事実を検察庁に述べられたわけですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは事実です。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 高橋証人は三十万円は顧問料であるということははつきり強く主張されておると思うが、検察庁のほうの調書によりますと、事実の証拠を挙げて顧問料と認定しがたいということを述べております。それは調書の中にこう書かれております。「本件三十万円は会社より支出されずして東京銀行銀座支店の高橋個人名義の当座預金口座から支払われておる事実を考慮すれば、にわかに高橋の前記主張のみを以て右三十万円を顧問料とは断定しがたく、他にこれを顧問料と認定するに足る的確な証拠がない。」こう書かれております。そこであなたは先ほどから会社の帳簿に三十万円の前貸しということはちやんと記録してあるということを述べております。従つてあなたの個人名義の当座預金口座から出された金が会社側のほうの会計に振替えられてあつたかないか、その点を伺いたい。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは当時私の仮払いになつておりましたのを、会社の会計も全部知つておつたので、後ほど付替えたいという例がございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 よくわかりました。その意味のことをあなたは検察庁で十分主張されたのですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点については十分主張しております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 主張されておるのにもかかわらず、検庁察はこういうような報告を国会によこしたと私ども理解してよろしうございますか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 私の信じて申上げましたことについては、そのおとりになつても差支えございません。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 それから次にちよつと話は変りますが、自動車の件でありますが、先ほど高橋証人は、この自動車の売却を大橋その他に依頼をいたしましたのは利殖を図るためである。而もその利殖を図るということは、大橋君がみずから主張せられて、そして皆が賛成をしたと、こういうことを言われたのでありますが、その点は間違いございませんか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点については間違いございません。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そこでこの自動車の件でありますが、さような工合にして利殖を図ることになつて、いよいよ山下君が中心になつて売却代金で以て自動車の売買経営が行われた。そうして漸次やつておる間に赤字ができて来た。この場合にあなたに伺いたいのは、この検事調書によりますと、大橋及び山下が売却代金を直ちに特別調達庁に納入せずして、これを自動車の買入資金に充てて自動車の売買経営をするということについては田中平吉、高橋正吉等もこれをどうも了承しておつたように考えるということが調べられております。で先ほど田中平吉氏に聞きましたところ、さようなことは全然知らないと、全く知らないことである。こういう工合に述べられたので、検事の調書とは違うことが明らかになりましたが、あなたはそういうようなことをよく了解をして、そして自動車の売却その他の問題について大橋、山下両氏に委任をせられたのかどうか。この点を伺いたい。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点につきましては、いちいちその立会つたことから申しますと、当時自動車を渡しますときは、田中はどういう意図だつたかよくわかりませんが、とにかく自動車を、私に言わせれば田中に欺された……、こういうことなんですが、その当時田中はどういう意図かわかりませんが、それを私は、会社に一銭も金がないということで、私は、なければ……、銀行へ聞きに行きましても、それは皆返済に充ててしまつたと、それはまああとでわかつたのでありますが、当時まあそういうからくりの中で私がその総額私有財産の五十万円を会社に提供して、それによつて国に対する損失を埋めようと、そういうことだつたのです。それで自動車が幾らに売れるかということにつきまして、当時モーリスの評価が大体六、七十万、こういう話だつたのです。それでその自動車を渡すときは、私と田中と大橋先生、三人で交詢社の二階でやつたわけであります。そのときに百万円以上に売れたら即座に高橋君にその金を返してやつて欲しいということを田中が大橋先生に言われた、それで車券を渡して、山下というのを自分が使うからということで、山下に売らせるから、自分が責任を持つて売らせてそういうふうにするからという話でありましたが、その後特別調達庁で私と三浦さんと川田さんで当時四月ですが、だんだん四月、五月と過ぎて来て、どうも特庁に対する返納金が払いが惡い、それでどうも特庁のほうも当時どういう意図だつたかわかりませんけれども、その金について実は私もすつからかんになつてしまつたわけです。それでその生活費を見る、それと同時に田中がまだ遅々として納めてない。それで私の分は個人保証として一番最初に取るべきだ、そういう主張を大橋先生がされて、そうしてその金を高橋の生活費に充てるのだというので、私と三浦さんと川田さんと大橋さんの間でそういう話がまとまつて、逐次その金によつて私の生活を見る、それをその後どうなされたのか、その間まで実は私もわからなかつたのです。でやはり検察庁の調べでやや、どうなつたか、こうなつたかというのは具体的にわかつて来たのです。それですから当時その田中は残額を受けた以上は即座に渡して欲しいと、これは確かに申しました。それからあとその利殖については大橋さんが全責任を以てやる。それで特調も当時は大分それに対して不満だつたらしい。ところが大橋さんという偉い人だからよもや間違はあるまいということと、今までの名声に押されて、特調側がいやいやながら了承されたというのが真相です。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 大体よくわかりました。そこであなたの証言を伺いますと、モーリスを有利に処分をするということ、そうしてその処分をするために大橋先生なり、山下さんを煩わしたということまでは了承しておられるようでありますが、それからあとのその売れた金を保管して、そうして自動車の営業をやるというところまではよく知らない。その経理面がどうなつておるかということははつきり知らないということをあなたは言われたのであります。その場合に、あなたの御見解を伺いたいのでありますが、そういうような工合にしてあなたの会社なり、あなたなりに、非常に貴重なモーリスというものがだんだんと年数が経つに従つて行方がわからなくなつて行き、金銭的に全くゼロに近くなつた。こういう状態になつて、あなたはこの損失の責任は特別調達庁の関係は別でありますが、損失の関係は一体どういう工合に処理すべきであるか、この責任の所在についてどうお考えになつておるか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それにつきまして、生活費を見るということでしたので、当時先生にその話をすると、先生は、山下に言え、山下に言うと、先生に言え、いたちごつこでさつぱり要領を得なかつた。それでどうしてくれるのですかと、立会つた三浦さん、川田さんに私は抗議を申込みました。そうして一度川田さんから、生活費の條項は一体どうしてくれるのだと言うので、川田さんが大橋さん宛てに一度渡してやつてくれという文の手紙を大橋先生に書いてくれたことがあります。その後依然としてやはりさつきのようにいたちごつこのことばかりしておりましたので、実は和解になつたときも、特調と和解になつた以上は、君の所に引取つて速かに特調に入れろと大橋先生に再三再四申入れました。和解になつた以上は、私の責任で国と和解になつておる以上は、もう大橋先生は遠慮して頂きたい。それにもかかわらずもう殆んど寄せ付けてくれないということが一つありまして、今回のようになりまして、それから検察庁で大体の雲行きがわかりましたし、当時山下をして一割乃至二割でこれを廻すのだというふうに先生は私に言つておりましたので、私としてはそろそろ総決算をつける必要があると思いまして、こないだ起訴された後に検察庁に相談に行きまして、返して欲しい。そうしましたら大橋先生は、返すと言つておる。それでは一つはつきり返してもらいたい。その前に実は一回今年の四月にその残金について山下さんと大橋先生の使つておられる関主計という人が立会いまして、四月中に返すなら残金だけでもいいという手形をもらつたわけなんです。ところが四月中に返すどころか、もう十月になつても返さない。それで七月に丁度私が入れられておりましたときに、その請求をしましたところ、関主計氏はそんなことは知らん、大橋先生も全然そんなことは知つておらんというようなお話だつたものですから、私は検察庁でよく調べて頂いて道行きがよくわかりましたから、せめてその生活費というようなことだつたら、その当時の金で例えば三分にしてもいいからということで三分の複利で内容証明便で、これは渡邊検事にも見せておりますが、そういう内容証明便を大橋さんの所にやつております。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 そこで今言われた高橋氏が大橋さんに対して主張しておるところの現在の心境なり、主張の要領というものが内容証明で出されておるというのですが、その内容です、どういう内容のことを大橋に申入れをしておるのか、この点を一つ高橋氏から朗読して頂いて速記にとどめて置きたい、こう思つております。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それじやその内容証明の内容をここで私から読み上げます。  拝啓昭和弐拾四年四月貴殿にその処分を委託しました小生所有の自動車モーリス壱台の代金について申述べます。当時貴殿は特調の三浦監事及川田経理局次長立会の下に小生に対し右自動車代金は貴殿の責任において月一割乃至二割の金利をもつて利殖し小生の生活資金に当てる旨申され各自諒承の上貴殿に上記の処分委託をしたものであります。貴殿が山下茂氏に自動車の処分を命ぜられ或は右処分代金を銀行預金としその出納をなされましたこと及右代金の内一部を大坪、渡瀬両氏へ貸與(月一  割の利息)されましたこと等はすべて貴殿の責任においてされましたことで右の内代金を小生名儀として銀行預金としたこと以外はすべて小生の関知しないところであります。従つて看代金の決算には貴殿においてなされたく、山下氏その他いかなる第三者の介入も小生においてはこれを認めません猶山下氏も貴殿に責任あることについて小生の許に証書を差出しています。自動車処分の昭和弐拾四年七月以降の利息を月三分とし複利計算し昭和弐拾六年十二月までの元利合計金弐百七拾参万八阡八百拾六円也及昭和弐拾七年二月拾日までの單利息金拾万九阡五百五拾弐円六拾四銭也、合計金弐百八拾四万八阡参百六拾八円六拾四銭也昭和弐拾七年弐月拾日まで御返済相成度請求致します。右計算の基礎たる事実は左の通りです。  一、昭和弐拾四年七月自動車売却代金金百四拾五万円也一、昭和弐拾四年七月貴殿の使たる山下に渡し分金五拾万円也一、昭和弐拾四年八月貴殿の名刺により三和銀行日比谷支店より引出し特調に納入せし金参拾万円也一、昭和弐拾四年十二月貴殿の命により山下より小生受領(貴殿の命によりしことは上記山下の証書に記載あり)金弐拾七万円也一、昭和弐拾五年弐月右同様山下より受領せし金弐拾八万円也一、昭和弐拾五年拾弐月特調と小生との和解成立後小生が納入告知書を所持せるのに拘らず貴殿が不破直三氏に命ぜられて單独に特調へ納入せし金参一拾万円也一、昭和弐拾六年四月右同様小生が納入告知書を所持し同年拾弐月まで期限の利益ありしに拘らず受渡し場所を特調とせしために小生の利益を無視して納入せし金四拾万円也右返済については貴殿より直接これをなす以外代人は一切お断り致し上記の期日まで御返事なき場合は小生において御返済の意志なきものとして今後一切の自由行動に出ずることを申添えます。  昭和弐拾七年弐月五日   東京都新宿区大京町十一番地            高橋 正吉   東京都世田谷区上馬三丁目千四九番地       大橋武夫殿 これは最高裁判所内の郵便局長の証明で出しております。

棚橋小虎日本社会党(第二控室・右)

○棚橋小虎君 大変時間が長くなりまして、我々まだ晝食もしないでこうやつてさつきから続けておりますが、なおこのあとにたくさん大事な証人がおりますし、まだこの証人は全部済んでいませんけれども、大変疲れて参りましたから、この辺で一応休憩にして頂きまして、食事を済ませてからにして頂きたいと思います。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 今のに関連して一点だけ……。

棚橋小虎日本社会党(第二控室・右)

○棚橋小虎君 一点ならば、顧問料のことに関連いたしまして質問があるのであります。いろいろな質問があつて、それができないうちにずるずると新らしい問題が入つて来ましたので、この辺で打切つて頂きたいと思います。

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 棚橋委員から議事進行についての御発言がありました。大変長時間になつてもう二時になんなんとしております。非常にお疲れのことと思いますので、暫時休憩しまして、お揃いの晝食ができておりますから二十分ばかりの間にお召上りになりまして、そうして再開いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 暫時休憩いたします。    午後一時五十八分休憩      —————・—————    午後二時三十二分開会

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 休憩前に引続きこれより開会いたします。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 高橋証人が先ほどお読みになりました内容証明をちよつと見せて頂きたい。今朗読されたのでお聞きしましたが、あの内容証明というLのは二月の二日に作成したようでありましたが、お手許に今ないとすれば、いつ、記憶はどうですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは二月の五日です。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 これはこの内容証明は今まで黙つておつて、どういうわけで二月の二日になつてから急に作成するようになりましたか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは再三再四私に返す返すと言つておきながら誰も実行してくれなくて、ときによるとそういつたものは知らんというようなことを言われたりしておりましたが、聞きましたところによりますと、昨年の十二月の二十七日に大橋先生が喚問されてお調べを受けられたときに、高橋君に返すのだという話をされたということで、ずつと心待ちに待つておりましたところ何の音沙汰もなく、ただ山下が三十一日に返す、残額を返すからというような、ただ單に一片の挨拶だつたので、私もきちつと結末を付けて、一国の大臣たる者が返すと言つた以上は、かかる礼儀を知つてそういうことを言つてくれると思つておりましたが、ところがそういうこともなさらずにただ山下を單独によこしたものですから、私としては余り若いから……、人間性を余り無視しておるということで私書いて、出しました。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 あなたはその前に大橋さんの秘書とか、その他関係者を通して何回かこういうことを折衝しましたか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 再三再四そういうことは折衝しましたし、又ぐるつと手の平を返すような騙され方もしました。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 あなたはこれは自分で原文書かれましたか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それはこの事件と同時に知つておる弁護士さんを通じてよく相談の上書きました。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 何という弁護士ですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 大串兎代夫という人です。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 この内容証明をあなたは今朝お宅からお持ちになりましたか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点につきましては、私二、三日前にどうしたらこの解決が最もよく行くだろうかということで、たまたま前国会から来ておりますので、委員会のところで波江野さんと森さんの所に今朝私は提出しておいたのです。それははつきりして頂かなければいつまでたつても私たちのあかしが立たない。ただ偉い人たちがごちやごちやときめて蛇の生殺しのようなことをされては困るから徹底してはつきりして欲しいというので、私自体がお渡ししました。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 委員会の先生がたというのはどなたですか。あなたが相談されたのですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは丁度カニエ先生がおられましたので、カニエ先生の所にお渡ししました。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 この内容証明は今朝カニエ委員に渡されたのですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) そうであります。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 どこで何時頃ですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 今朝十時ちよつと一、二分前です。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 どこで誰から……あなたが自分から面会を求めてやつたんですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それはこういう機会を外すと……大分私もこの前の国会のこの委員会も誤解をされておりました。そして検察庁では本当のことを言えたと随分喜んでおつたのです。ところが大分報告なんかを見ますると、係の検事の言と主任検事の言と大分食い違つておるということを聞きましたものですから、こういうしつかりした席上できちんとお話をすることが一番いいことであると思いましたので、私から進んで証人に出るようにお願いしました。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 あなたはそれでこの内容証明についてはどういうことを説明してお渡ししたのですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは大分、今まで入構的な面とそれから実際の面と食い違つておる。こういうことはとにかく私の良心によつて、どれが一番正しいかと思うことによつて私は判断して出しました。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 あなたはこの問題についてこの前の委員会の際に傍聴したいということで私に面会を申込んで来ましたが、私は何の用事か秘書を通じてあなたに聞いたのですが、そうしたら傍聴したいと、こういうことだつたのですが、そういう事実はありましたですね。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それはございます。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 その際に証人は傍聴されなかつたようですが、あなたは検察庁の当委員会に対する回答書を見たことがありますか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは見たことは、今日初めて皆様のお手許にあるやつを、どういうふうな調べ方だということで拝見しましたが、薄々そういう話は聞いておりました。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 今朝見たというのはどこにあつたのを見たのですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは控室で私がお借りして、今あの田中証人がここで証言をしている間に、召喚状に書いてありますような資料を頂戴したいということお借りして、私拝見しました。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 誰から借りました。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは係りのかたであります。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 係りというのはどういうどの人です。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) ここにおられない……、とにかくこの決算委員会の係りのかたです。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 誰に、委員会に行つて申込んだのですか、どこで申込んでそれを借りたんです。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 私は今そこで……ここから出ましてそこの控室にいるときにお借りしたのです。それはどういうことを質問されるかわからないものですから、一応質問される以上は、資料があればお見せ願いたいというので、私申上げてお借りしただけなんです。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 あなたはこの前の委員会の際に来られてから、その後委員のかたにここの決算委員のかたに、議員のかたにお会いになりましたか、この問題につきまして……。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは私としては別に会う必要もございませんから、別に会つておりません。今度初めてお願いしただけです。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 先ほどあなたはこの前の委員会のあとで誰先生かちよつと聞き漏しましたが、速記には載つておると思いますが、会つてどうすればいいかお願いした、こういうふうにあなたは言いましたが、今というのは違うじやないですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) この前の委員会でございますか、今の委員会じやないのですか。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 今日の委員会じやないですよ、前の委員会のあとにと、さつき言いましたが……。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 議事進行に関して、今の長谷山君の言つておられるのは、高橋証人が今とまどいしておるのですから、議事進行に関してと発言をしたのですが、私の先ほど聞いておつたのでは、それは森先生とは誰かということで、それは專門員のことであろうと、こう思つておるのです。それを長谷山君が議員か誰かと間違えて質問を重ねておるように考えられるので、私はちよつとお考え違いじやないか、こう思つたから……。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 わかりました。あなたがこの前お会いになつたというのは、森先生というのはどの森先生ですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 委員長の右におられる人です。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 專門員の森先生……わかりました。それではその後会つたのはカニエ先生だけですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) そうであります。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 カニエ先生にいつお会いになりました。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 今朝でございます。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 その際にどこでお会いになりましたか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それは專門員室で会つております。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 その際にこの内容証明を渡して、今日証人として私を喚問してくれということをお願をしたのですか。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) それはそういうふうに話しておきました。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 そこでですね、証人に伺いたいのですが、私はこれをいろいろこう調べて参りますと、どうもこの自動車の返済の金ですがね、これが大橋氏が返さないということ、これについては、どうも大橋氏自身も何かこうお考えがあるのではなかろうか、返さなくてもいいんたというような考えがあるのではなかろうかというふうにも考えられるのですが、その点について、あなたが大橋さんにあれを押えられておるという何か弱身があるのか、或いは大橋氏自身が何といいますか、自分でこれは返さなくてもいいんだというようなお考えを持つておられるのか、こういう点について何か気付かれる点なり、自分のお考えがあれば、一つその点お聞かせを願いたいと思います。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) その点については、この自動車の金を持つて行かれてから一番迷惑をしたのは私であり、又特調の川田さんや係官だと思います。そういう面から見ますと、非常に、私としては何というか、当然おれが扱つたんだからもうお前なんかには手を触れさせないんだというような見解が非常に今までの経過のうちにありましたことは、これは特調のその出納の任に当つておるかたも随分感じておるはずなんです。そういう点について随分私も強く言つたのですが、一向にお聞き入れがない。まあ結論的に言えば、あんなものの言うことはもうどうでもいい、もう虫けらのごとくに思われていたという感じが随分最近には強いように感じております。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 自動車売却をした代金でありますが、この代金は大橋君の証言によると、高橋正吉の名義で三和銀行の日比谷支店に預けてある。そうしてこれは今でもちやんとございます、こういうことを大橋証言は言つておるんです。そこでその後それをいろいろ調べると事実と相違する点が発見されて来たのでありますが、自動車を売つた当時、その金がこの大橋証言で言つておるように、日比谷支店の高橋正吉名義の口座に入つておるというようにはどうも私の調査では考えられないということ、その点は一体どうであるかということ、あなたはそういう工合に思うか思わないかということ、それからその金は大橋氏が監督をして、大橋氏の名刺なり判なり許可がなければ如何なる人といえども出すことができなかつたかどうか。仮に山下がそれを内緒で出しに行つてもですね、それは出せないようになつておつたか、山下が自由にそれを出し入れすることになつておつたかどうかということ、そこでこの検察庁の調書を見るとですね、これは大橋が監督の下に山下が勝手に大橋の許可なくしてやつたかのように書いてあるんですね、考えられる、検察庁の報告を見ると。そうするとその責任は大橋でなくしてむしろこの山下が惡いことをしておるんだ、だから大橋は罪がないんだ、一口に言えばこれは大橋の知らんでいる間に山下が自由自在にやつて、そうして国にこれだけの損害を與えて、結果金がなくなつてしまつたんだというように、まあ検察庁の調べは持つて行つておるんです。そこで当初の証言では大橋氏も、それからあの銀行におつた銀行の支店長である有光氏も、それからその他の証言においても、全くこれは大橋の責任において、大橋の許可がなければ出すことも動かすこともどうにもできない、こういうことを全部が言つておる。にもかかわらず、今度検察庁の報告が出て来るとですね、山下が如何にもこれをやつたかのように書いてある。そこで当初あなたはですね、そういうような、山下が自由にこれを動かし得るようなことができたかどうかという点、そうしてここで先ほどあなたが何か言われた、山下の念書を一冊もらつたというが、その念書は一体どういうことを書いておる念書であつて、どういうものであるか、こういう点についてですね、一つ率直に我々にわかるように当時の事情を聞かして頂きたい、先ずその点を一つ伺います。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 議事進行について。先ほど証人のお話を聞くと、今朝ほどこの議員のかたにお会いになつて何かお話された、こういうことてありますので、而も証人は前の供述と大分違つておりますし、これは証人を調べるほうが証人と前に会つてやつたという点から見まして、この証人の証言は極めて信憑力がないものだと思います。この程度でこの証人に対する証言は打切ることが至当だと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 議事進行について。信憑性があるないということは、我々が判断をするのでありまして、各委員が本件の調査について必要であると認められることを、自由に証言を求められることは何ら差支えないと思います。私ども未だ幾多の点を持つておりますので、只今の長谷山君の動議には賛成をいたしかねるのでありまして、依然として高橋証人の証言を求めたいと思います。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 事ここに至りますと率直に申上げます。個人的にカニエ先輩には敬意を表しておりますが、午前中における田中証人の出しました内容証明の場合におきましても、参議院会館においてカニエ委員は意見を述べられて、この二十六年の三月十一日の内容証明が出されている。今又、宣誓して神聖な決算委員会に出るべき高橋証人が、今朝カニエ委員と会つておられるということは、さような証人であれば我々は賛成するのでなかつたのであります。少くとも参議院における決算委員会として、この神聖な場所において、宣誓して供述する高橋氏が、その委員が事前においてそうして会つておつて、而もこの内容証明はすでに委員は見られておつて、そうしてここにおける供述が従来の供述と相当相違を来たしておる、かような状態の証人を、いやしくも国会における権威あるこの決算委員会においてこの高橋証人から供述を聞くなんということは、全く参議院の神聖を侮辱するものであると思います。私は長谷山君の動議に賛成し、この高橋証人の証言をこれ以上聞くことは、これは参議院の権威のために無意味であると思いますから、さように先輩議員各位の御賛成を求めたいと思うのであります。

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 暫時休憩します。    午後二時五十八分休憩    —————・—————    午後二時五十九分開会

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 開会いたします。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 今長谷山君からも溝淵君からも発言があつたのですが、いやしくも本委員会で宣誓の上証言するに当つては、その前に私的な活動がどのようなことがあろうとも、その証言の権威は何ら軽視するものではないのでありまして、そのためにこそ法律が宣誓というものを命じてあるのであつて、私的な考えで以て信憑力がないなどとは借上の限りである。続行してもらうことを要求します。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 議事進行について。只今自由党の長谷山並びに溝淵両議員から、高橋氏が私と会つているから、従つてそこには何か打合せをしてやつてるんじやなかろうかというような、その考え方からして高橋の証言を必要でないというようなことを言われたのでありますが、これについては高橋と私的において会つてはおりません。公式において、而も会つた場所は本院の專門調査室であり、而も会つてしやべつておるときは絶えず森專門員並びにここにおられる波江野氏がおられたのであります。而もそれは高橋を私が呼んだのではなくして、高橋がたまたま私が專門員室で調べごとをしておつたときに偶然来たのであります。偶然にそこに来て、どうしますか、高橋が来ておるが、高橋の言うことも聞いてやつて頂けませんかという話が波江野專門員からあつたので、そこで、それでは聞いてやろうが、どうだ、お前は嘘をつくんだ、信用ができないんだ、だから本当のことを洗い浚いして述べるのなれば、それは何もかまわないことであるから、私一人に言うよりは委員会において堂々とそれは述べる機会が許されるなれば述べたらよかろうということで、そこで証人喚問の動議を出して証人喚問をしたのであつて、私の考えでは、率直な考えでは、今までの高橋の態度というものは大橋を庇おうという一点においておつたから、私はそう考えておつたから、高橋の要求を余り欲しなかつた。ところが今度は高橋が、本当に心から真実を述べますから、田中ばかりでなく私にも証言をさしてくれということなんであります。だから私は、それなればよろしいということになつたのでありまして、今両君が言われるように、この証言を聞くとか聞かないとかいうことでなく、やはりこれは聞いて、そうして我々だけによらず一般国民大衆の前に、又同僚議員の前にはつきりとやはりさして、その上で判断されることが私は正しいのではなかろうかと、こう考えておりますから、このまま御進行を願いたいと存じます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 今のカニエ委員の御意見がありましたが、カニエ委員から、高橋氏を証人として喚問されて宣誓をされるときに、今のお話があれば何ら我々は異見はないのであります。先ほど高橋証人の証言から、カニエ委員にお会いしたということを聞いて、我々はそれは参議院の決算委員会としては証人に出る人とその前に会う……先ほど小林先輩の御意見もあつたし、無論宣誓をしておるのであるからということを言うでありましようけれども、私たちは自然にとれなかつたのであります。併しあなたが今言われるような、その今のお話を先にお聞きして、宣誓のときに言つておいて頂くならば、実はそんなに……我々も真相を明らかにして決算委員会としての使命を果そうとしておるのでありますから、ちつともそれに捉われるのじやなかつた。それから更にこの際牽連して申上げておきますが、この午前中における田中さんの場合、これも、これは決算委員会の権威のために、これは今の高橋の場合とは違つてこれはカニエ委員の参議院の部屋で、そうして而もカニエ委員が案文をお書きになつたという意味の田中証人の証言がありました。その点について、これは決算委員会の議事進行の上において、一応カニエ委員のそのときの状況をお聞きしておけば誠に結構だと思います。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 簡單に説明を申しますと、田中が文案等について、カニエ委員から原稿の云々ということがありましたが、これは全く私がこしらえたものでも、考えたものでもございません。これはそのときに委員会が委嘱をいたしておりました法務委員会の伊藤氏が、そのときに立会つておりまして、そうして伊藤氏が自分でこれは文案を書いて渡されたように、私は私の眼の前で書いておられたように記憶いたしております。但しそのときに、これは飽くまでもこちらから指示をするものでなくして、本人の意思においてお出しになるものであるから、お出しになろうとなるまいとそれは自由であるということも、これも附加えて言つたように覚えます。なおこの点について御疑念があるということでありますなれば、これは確かにその原稿を書いた者が現在未だに会計をしております大石幸次郎というものの手許に、参議院の便箋で書かれたものがあろうかと思いますから、この大石というものがそれを書いて出したということでありますから、その筆蹟を御覧になつて、なお大石に確かめて頂きますなればはつきりといたすかと思います。以上。(「進行」と呼ぶ者あり)

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 進行しております。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 自由党の諸君、いいかな、それで……。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 ちよつと……、

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) それでは只今の質問に対して…。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 一応先ほどの点はカニエ委員のお話がありました。聞いております。そこで、これはこの決算委員会が真相を把握するという意味におきまして、やはり我々が出て来た証人を事前に、その事情が如何なる事情であろうとも、その証人と事前に会うおられる、委員がいろいろ聞かれるということは、やはりそこに本当の真実性が出て来るかどうかという感じがありまするし、高橋自身も、起訴されたということによつて相当心境の変化を来たしている場合でありますから、決算委員会における判断が間違つてはいけませんから、私はこれは高橋証人に対する質問は、一つカニエ委員以外のかたにおいて、適切にカニエ委員の聞かれようとするところをお聞きして頂くということになれば、私はいわゆる高橋氏も供述を今後される上において非常に楽でありましようし、それから又この決算委員会の権威の上におきましても、私はそのほうが適切じやないかと思うのであります。(「委員長々々々と呼ぶ者あり)そうすれば、先ほどこれで打切りの動議は長谷山君から出まして私も賛成いたしましたが、真相を窮めるということが決算委員会の本当の責務でありますから、だからそういう決算委員会としての態勢をおとり願うならば、私のいわゆる高橋君に対する質疑打切りの動議は撤回してもよいと思うのであります。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 只今自由党の溝淵委員から私に対して、高橋氏に対する質問はこれは適当でない、それは委員会の権威にも関するというようなお説がありましたが、私は御承知のようにこの件についてはどなたよりもよく調査をしております。よく知つております。そこで私が質問をせなければほかの議員のかたの御質問でもなおいいのでありますが、私はやはり信念を持つておりますから、その信念に基いて質問をしておるのであります。従つて私の質問が当委員会の権威を傷付けるというようなことは毫末もないと確信をしております。従いまして私の発言を如何に絶対多数の自由党の諸君といえども、発言を封鎖されることの必要は私はないと思うのでありますから、この発言は遠慮なくさせて頂きたい、かように思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 暫時休憩いたします。    午後三時十二分休憩      —————・—————    午後三時四十二分開会

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 休憩前に引続き開会いたします。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 先ほど長谷山君からの高橋証人にこれ以上お尋ねすることは不適当と考えるから、高橋証人に対して決算委員会でこれ以上お聞きすることは中止するという長谷山君の動議に並びまして、私よりカニエ氏の高橋氏に対する御質問を他の人に代つてもらう方法によつて進行してもという意見を出しましたが、この私の意見は撤回いたします。そうして長谷山君の高橋証人に対する決算委員会として更にお尋ねを続けるということにつきましては、先ほど私が意見を申述べましたときにその要点は述べたのでありますが、更に敷衍いたしまするならば、私どもは決算委員会におきまして高橋証人の出頭を求めて、そうして供述をお聞きしておるゆえんのものは、この事案に対する真相を探求いたしまして、そうして決算委員会における結論を出すようにしたいという考えからであつたのでございまして、飽くまで高橋氏が正しい供述をしてくれることを希つておるのでございまするが、私どもの常識を以ていたしまして、この委員会における、特にこの問題の一番まあ主役を演じておると申上げたら語弊があるかも知れませんが、最も熱心にやつておられまするカニエ氏が先ほど、あとでお聞きいたしまするとわかつたのでありまするけれども、私どもは高橋氏のいわゆる在廷証人的に予定せず、今日にわかに、高橋氏以外の田中さんほか五名の供述をとるために本日開きましたるこの決算委員会に、今朝カニエ委員から高橋氏を証人として喚問するとの動議が出ましたときにおきまして、私どもはこの事案に対する真相を明らかにする上において進んで賛成を申上げたのであります。ところがその高橋氏の供述の状態を見ておりますると、いずれが真であるかわかりませんが、今日まで決算委員会において高橋氏が述べられたる供述と重要なる点においてたくさんの変更が加えられて来ておるのであります。而もその高橋氏がその場所がどこであろうと誰が立会つておつたであろうとも、いやしくもこの決算委員会において聞くべき委員がその供述する証人と朝お会いになつて、そうしてそのお会いになつたことがこの内容に触れたかどうかは知りませんが、それはお聞きいたしておらんのでありますから知りませんが、触れようが触れまいが、私どもの常識を以ていたしますれば、かような場合に、この大切なる決算委員会において証人を喚問する場合におきまして、その委員が事前に会つておつて、而もその証人を申請ずるときにその会つたことを言わずに申請をして、そうして我々は極めて純真なる気持において賛成をした。ところが途中において朝会つておつたということがわかつて参りましたる以上は、決算委員会の権威のために、そうして高橋氏がかような状態の下に私は真実を述べることは誠に不可能じやないか。そうして又我々といたしましてこの状態におきまして高橋証人が述べる、いわゆる供述に対して信をおくことは、私どもといたしましてはいたしかねる気持が先ほどから湧いて来たのであります。長谷山氏の高橋証人に対するお尋ねはこれを以て打切るという動議に賛成いたしまして、高橋氏に対するこれ以上の喚問はいたさないということに私は賛成するものであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 私は只今の動議に反対をいたします。先ず最初に、先ほど溝淵委員は高橋君は起訴をせられたので、従つて心境の変化を来されている、こういうことを断定されましたが、何の根拠でかようなことを申されましたか、私は先ずそれを伺いたい。それから第二に、この委員会の権威権威と言われるけれども、権威というものはこの事件の真相を明らかにするように事を運ぶことが権威であります。そして前回の証人のときにまだはつきりしていなかつた点が、高橋君がその後事件の経過を勘案し、余りに大事件であり、国民に相済まんことをした。従つてあらゆるものをとにかくはつきりと申述べ、そうして国会を通じて国民の前に批判を請いたい、そういう熱意でたまたまこの国会へ来られた、絶好のチヤンスであります。そういうチヤンスを利用するというのは誤弊がありますけれども、活用して、そうして疑惑に包まれているあらゆるものを天下に明らかにすることこそ国会における権威を高めることである。これを包みまして、そうして自由党の諸君が要望せられるように、この問題を打切るということこそ、これこそ国会の権威を失墜することであると私は考える。途中で如何なる経過が出て参りましようとも、それは我々議員がみずから公正に判断をして決定すれば済むことであり、これは公平に私は行うべきである。特に一昨年以来この事件に関係して参りました私といたしましては、大体今まで想像しながらも、今日高橋君が述べられたようなことが実在するのではなかろうかというように大きな疑いを持つて見ておつた。当時いろいろと質問をいたし、或いは質疑応答いたしましたけれども、その核心に触れることができなかつたのであります。併し本日初めてそういう点に触れられて明らかになつて来たことについては、私はいささかこの委員会が国民の前に大きな責任を果すことができるのではないかという光明を見出しておる次第であります。大体今国会になりましてから、この二重煙突事件につきまして検察庁の捜査文書を、これを認めるか認めないか、証人を喚問するかしないかということにつきまして、終始一貫して自由党の諸君は大橋君の弁護の立場に立たれた。そして奮闘されたと言つて間違いないのであります。私はそういうことが国会の権威を自由党のために傷付けておると断じて差支えないと思うのであります。どうかさようなわけでありますから、ここは一つ党派を超越して、そうして決算委員会の権威を高めるために高橋証人の証言を心行くまで一つ聞いて、そうして我々自身の良識によつて公正な判断の下にこの事件の結末を付けられるように私は要望してやまん次第であります。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 只今栗山さんからも述べられたと同様の趣旨において私はこれを続行することの動議を提出するものであります。なぜとなれば、本件の真相というものは、今まで遅々として困難であつた、ところが今度初めて高橋がみずからの行いを悔いて、そうして国会の皆様がたに真相を一つ話をするから進んでみずからここに証言台に立つということの申入れを不肖議員私を通じましてあつたのであります。だから結局この問題の一番真相をよく知つておる者はやはり高橋なんであります。この高橋の本当の意思を聞くことなくして、一体国会、委員会の権威というものがどこにあるかということ、この一点においてでも私はこれはやはり聞かれて、そうしてこれはカニエと高橋とが八百長であるとかないとかいうことは、これは国民大衆が、ここにおられるこれだけの人が批判をされ、又同僚議員が批判をさるべきことであつて、これを打切ることが国会の権威のためということには毛頭私はなり得ないと、かように思つております。だから私は速かにこの証人の喚問を続けて、そうして高橋からやはり真実を聞くことが我々の任務であり、正しい行き方である、こう思いますから、私はここに新らしく打切りの動議に対しまして続行をするべき動議を提出いたします。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 私は先ほどこの証人に対して尋問打切りの動議を出したのは、決してこれ以上真相を明らかにすることに対して、私は真相を把握することは本来我々委員会が一致して努力して協力して来たのでありまして、私どもこの機会に本当に真相を把握したいと思うのであります。従いまして私はこの証人の信憑力を問題にしたのであります。それは形の上におきまして少くとも証人というものは公正でなければいけないと思うのであります。裁判官が裁判の始まる前に、その本日尋問すべき証人を呼んでその者から資料を提供さして、そうしてその裁判に臨むというふうな場合があつてはならないと思うのでありまして、そうした形をとられたこの証人に対しては、私は信憑力の問題からしてこれはこれ以上聞いたつて無駄だと、こういうふうに私は考えるのであります。殊に証人は先ほどからの証言を聞いていますと、一回のときの証言とはまるで違うのであつて、どれが本当であるか甚だ疑問に思うのでありまして、而もこの証人としてこの会議に臨む前におけるその行動についてはいささか不明朗なものを感ずるのでありまして、そうした意味においてこの証人には信憑力がないと私は信じ、そしてこれ以上この証人に尋問しても、この証言は我々として素直に受取るわけには行かないのであります。そうした意味において私は打切りの動議を出しておるのでありまして、この点釈明しておきます。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 私は只今カニエ君がこの問題を続けて証人喚問をして行くということに対する動議を出されておりますので、これに賛成をします。賛成しますのは、先ほどからカニエ君が証人と会つたということを言つておられますが、本人も言つておりますように、会つたところは作意があつて会えば決して院内の常任委員室などという所で会うということはないということです。そこで偶然会つて、そうしてここへ来たということで、それが証言の信憑性がないということならば、自由党のあなたがたは必ず大橋国務大臣にはいつの機会にもお会いになると思う。そうしてここへ出られることがあり得ると思うのです。そういうときにそれじやその人の証言は信憑性がないといつて否定することになる。そういう意味において私はこれを打切るということは、あなたがたがカニエ君の今朝の行動を理由にして打切らせようというふうな意図を持つておるようにしか我々は取れない。それをそうでないと言われても、やはり我々はそう取るよりほかないのであります。従つてこれを続けて行く上において、カニエ君がとられた行動をそれほど理由にして取上げる根拠はないと思います。従つて高橋証人に対するところの喚問は、この際高橋証人がこの前言つたことが本当のことを言つておるのか、この前のことが多少発言において加減されたような点がある、だから今度は本当のことを言つておるのかということを先ず高橋証人に聞いて頂いて、そうしてどちらの証言が正しいかということを確認した上で討議を続行するということが妥当であると思うので、カニエ君の動議に賛成いたします。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 私もカニエ委員の提案に賛成するものでございますが、一言附加えます。これはカニエ委員の動議に皆さん御賛成頂く前に、もう一つ確認して頂きたい。それはこういうふうにわざわざ午前中の尋問を聞きますと、高橋正吉がどこに自分の本当の、真実を告げる術もないという気持でふらふら国会にやつて参りまして、常任委員室までわざわざ見えて、丁度幸か不幸か、まあ幸いにカニエ氏がそこにおられて、それを取上げて、そこで本日正式な証人として取上げられたということは、本委員会としてカニエ氏の業績に満腔の敬意を私は捧げるべきだと思う。こういう機会を捉えたカニエ委員に対して心から感謝いたします。こうした感謝がなければ本決算委員会の権威というものはない。そういう確認の上にカニエ氏の動議を是非取上げて頂いて、続行されることを特にお願い申上げます。

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 今御意見がいろいろありましたが、要は決算委員会はこの問題の真相を追及するのでありまして、その意見は同様であります。従つて進んで高橋証人の喚問に我々は賛成したのであります。繰返して申上げておきますが、その申請のときに実は今朝專門員室に高橋君が来たのだ、それでいろいろ今まで申上げたことは違つたところもある、真相を一つ申述べたいという意味であつたということを、その高橋氏を証人として申請するときにカニエ君が言つておれば、我々は何らそこに今私どもが言つておるこういう話は必要ないと思うのです。ところがそういつたことを全然言わずに、ただその高橋氏を証人として喚問申請することにせられて、我々はそのつもりで賛成したところが、午前に会うておられたでしよう。いろいろ今の御意見がありましたが、高橋証人自身も進んで証言をしたいというならば、委員は何十人の委員があり、その委員を代表するものは委員長である。高橋証人が真に神聖なる証言をしようとするならば、委員長の所へ来られて、そうして自分の供述することを申述べればよいのであつて、やはりかような場合におけるカニエ氏の所で、それが專門員室であつても、カニエ氏に高橋氏が証言をするということを申出たそのこと、それもそのままの事実であればよいのでありますが、それをこの証言の途中において、高橋氏の供述が前回の供述と非常に違つておる、なぜ違つておるかということを我々が疑問に思つておるところへ、ぽかんと今朝実は会うたのだということで、我々の良識に訴えて見て高橋氏の証言は信憑力がない、かような意味で長谷山君の動議に賛成したことを重ねて申上げます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 採決の動議を提出します。私はこの問題はにわかに意見の一致を見ないように思います。そうしてすでに時間も四時になつておりまして、徒らに時間を費やすだけでありますから、この際採決を以て高橋君の証言を打切るか、続行するかを決定せられたいと思います。(「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり)

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 高橋証人の証言をこの程度で打切りたいという長谷山君からの動議に対し溝淵委員から賛成されまして動議が成立いたしております。なおカニエ委員からこれは続行すべきであるという動議が出まして、小酒井委員から賛成意見が述べられて、これも動議が成立いたしております。只今栗山氏からこれを採決に諮れという動議が出まして、これも動議が成立いたしております。よつて委員長はこれから採決いたします。念のために申上げておきます。只今の出席委員の総数は、委員長を除いて二十二名であります。過半数は十二名でありますから御了承を願います。先ず長谷山委員の動議に対し、つまり申上げますというと、証人高橋君の証言をこの程度で打切ると……

高橋進太郎自由党

○高橋進太郎君 先ほどの長谷山君の言葉は、適当ではないので、高橋証人の証言の信憑性がないからという意味で、何も程度の問題を言つたわけじやないのですから……。

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 長谷山委員の動議は、証人高橋君の証言は信憑力がない、だからこの信憑力のない証人から証言を求むる必要はないということに動議を訂正いたします。同じことだと思うのですけれども、ちよつとそういう表現の仕方の問題で……。そこで長谷山君の動議に賛成の諸君は起立を願います。(「そんな馬鹿なことないよ」と呼ぶ者あり)    〔賛成者起立〕

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 少数と認めます。(拍手)よつて長谷山君の動議は否決されました。このまま続行いたします心

溝淵春次自由党

○溝淵春次君 高橋証人の証言は信憑力はないという意味におきまして動議を提出いたしましたが、敗れましたから、(「残念ながら」と呼ぶ者あり)それでもなおその信念は採決の結果においても私どもは変りません。従つて高橋証人の証言を聞く間は我々は退場いたします。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 只今自由党の諸君が信憑力がないから退場するというようなことで退場されたことは、私は国民の代表として実に遺憾に堪えないのであります。私は先ほども申しました通りに、高橋とはただ偶然に專門員室で会つたのでありまして、決してその間呼んでもおりませんし、私的に会つたこともございません。而もそういうことを理由にされるならば、私は皆様がたにお話をしたい点は、実は本件の最も重要であるところの最初に呼びました証人有光について三和銀行支店長でありますが、これは最近に至りまして私の調査の結果意外なることを発見したのであります。と申しますのは、彼有光は大橋武夫の実の妹の婿であつたという事実を発見したのであります。かような点からいたしましても、又今まで大橋君があらゆる証人といろいろ会われておるような点からいたしましても、かようなことで一々国会の証人の信憑力がないというようなことになりますなれば、恐らく私は国会の権威も又証人の意義も全くなくなつてしまつて、何のために一体審議をやつておるのかわからないということになりますから、私は今のような自由党の諸君の態度というものは非常に遺憾に思つております。  なお幸いにして良識ある同僚議員の賛成を得ましたので、そこで高橋証人に伺いたいのでありますが、その質問をする前に、今まで高橋証人が言われたことなり、又現在かようにまで議場が混乱をして、そうして採決にまで至つて、そうしてここで漸く高橋証人の証言を国会が取上げることになつたのでありますから、あなたの気持がどんなものであるか、この今日の心境なりこれから申されることについて、勿論宣誓をしておられるのでありますが、かようなことで非常に私自身も迷惑をしておるのでありますから、先ず自分の考えをここに皆さんに率直に申述べてもらいたい、かように思つております。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) 今カニエ委員からのお話で私の心境を述べよということでありますから、私は一言申述べます。それは前国会のときは、先刻申しましたように何が何やらわからなかつた。それと同時に、それは大橋先生に対しては、人情的にはこれを言つたらお気の毒だというような人情の点もございましたものですから、さように前回の委員会のときは申上げておきましたが、結局ここまで天下の周知の事実のようなところまでなつて来ましたことに対しまして、私としては国会の権威によつて十分に真相を明らかにして、そうして私どもが一日も早くこの過払いを、どこでどうなつたかということを明らかにして国民の皆様に詫びたいという気持を持つてこの委員会に臨んだことを申上げます。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 そこで先ほど私がお伺いした点でありますが、山下から証人が念書を取つておられるということを言つておられるが、それはどういうような意味のものであるか、どういうことであるかということと、それから三和銀行日比谷支店に預けておつたところの自動車の金というものは、山下が自由にでき得るものであつたか。或いは又絶対にこれは大橋氏の責任の下において大橋氏自身が承認をせなければ出すこともでき得なんだものか、その点について一つ率直にお述べ願いたい。

高橋正吉元足利工業株式会社專務

○証人(高橋正吉君) ちよつとカニエ先生のさつきの心境を申し附け足しますと、私はこの委員の先生がたの党派はどつちでもいいんです。要するに正しいことが正しく行われなくちやいけないということをその前に申述べます。  それからカニエ先生に対する答えですが、当時山下は、丁度去年の八月のときに山下氏に一体金はいつ返すのかということを追及しまして、何回も許可証をくれ、そうして一体どれが本当だということで、それじや一札書けということで、その念書は大橋先生が持つておりますが、それは私は大橋先生の委託を受けてこれをやつておつて、あなたに依託を受けたのじやない、これは前回の証言では、山下証人は私と大橋先生に受けたようになつておりますが、そういうことを書いております。それからこの前半の返済の責任は大橋先生にあります。それから過納五十万円の返還、この前の証言では、全然違つたようなことを言つて、山下証人も全然違つたようなことを言つておりますが、それは大橋先生の金によつてあなたに返した。それからこの返済の全責任は大橋先生にあるから、提訴した場合はいつなりとも出廷いたします、こういう念書を入れております。  それから三和銀行の点でありますが、当時三和銀行の預金がいつ作られたのか、印鑑がどういうのか、これは私は、前回の委員会のあとに初めて問題になりまして、大橋先生があれを解約せいということによりまして、私は初めてその通帳を知つたわけなんです。それでその通帳に対する金額についての出入れについては、大橋先生の名刺或いは電話でなければ絶対に出せない。私が行きましても拒否をしたのであります。よく私が考えて見ましたら、それは大橋先生の弟さんだ。そうして大橋さんに頼まれているからあなたに見せるわけに行かない、こういうふうに言つて突つぱねられたことが二回ございます。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 それで自動車の売却代金を、高橋正吉名義で三和銀行日比谷支店の金を動かすということは、前回の各証人の証言の通り大橋自身の責任であり、大橋の許可がなければ動かせないということがはつきりして参つたのでありますが、そこでもう一つは、自動車でなくて例の株でありますが、株の売却をあなたがされて、その株のうちから大橋氏に渡した金があるのかないのか。あるとすれば、それは一体どのくらいであるのか、この点についてお答え願いたい。

岩男仁藏改進党

○委員長(岩男仁藏君) 定足数を欠いております。従つて委員会はお流れになりましたので、本日は散会といたします。    午後四時十五分散会

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