決算委員会 第4号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/02/01
会議録
○委員長(岩男仁藏君) 只今より委員会を開会いたします。 先ず理事補欠互選の件を議題に供します。カニエ邦彦君が人事委員長に就任されまして、本委員会の理事を辞任されましたので、その補欠のため互選を願います。
○小林亦治君 この際、理事の互選は、成規の手続を省略いたしまして、委員長において指名されんことの動議を提出いたします。
○高橋進太郎君 小林委員の動議に賛成します。
○委員長(岩男仁藏君) 只今小林君から理事の互選は成規の手続を省略して委員長において指名されたい旨の動議が提出されました。小林君の動議の通り決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩男仁藏君) 御異議ないと認めます。よつて委員長は小酒井義男君を理事に指名いたします。 —————————————
○委員長(岩男仁藏君) 公報を以つて御通知いたしてありまするが、本日の議題は、昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十三年度特別会計歳入歳出決算、(昭和二十三年度決算会計検査院検査報告批難事項第三百九十七号 足利工業株式会社(契約当時は足利板金工業組合)に対する二重煙突代金支拂及び之に関連する事項について東京地方検察庁検事正からの報告に関する件)であります。本件につきましては、去る月曜の本委員会において、お手許に差上げております通りの報告が来ておりまするので、取りあえず速記にこれを載せることに決定いたしたのであります。当日は定足数に達しておりませんので、この問題は非常に重大でありますので、本日の議題にいたした次第であります。いろいろ御意見もございましようから、御意見の御発表を願います。 お諮りいたします。本日の委員会において、委員外議員の発言は、その都度お諮りをいたしませんで、あらかじめ委員外議員から発言を求められたときには、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩男仁藏君) 御異議ないと認めます。
○高橋進太郎君 どうなんですかね、この足利工業の問題は、この前の決算委員会でもまあ大体論議してこれで打切ろうと、こういうことになり、又検事正の報告も聞いたんですから、一つこの際二十三年度の決算は一応これで仕上げて頂くということにお願いしたいと思うんですがね。
○カニエ邦彦君 二十三年度の決算を仕上げる仕上げないということは、当然その二十三年度の審議が国会として十二分に盡されて、その中に何らの疑惑もないということで初めて終るのであつて我々国民代表として出て来ておる者としては、国民がいささかでもやはり疑惑がある、或いは又我々が少くとも疑惑があつてそれが釈然とされないということであれば、やはりこれは我々としては質すべきところを質して、そうしてこの事柄の明確さを確かめた上でやはり審議を終るべきであると、かような意味からしてまだ本件についても幾多の疑惑が存しておると思う。この点はやはり正確にせなければならない。特に本件に関しましては、参議院としましては委員会の愼重審議の結果、結論を出し、而も院議として決定されておる事柄でもあるので、従つて国民のこれに対する輿論というものは、或いは考えというものは、非常に大きなものがあろうかと思います。そういう点からして、なおこれは各派ともそれぞれの御意見があろうかと思いますから、やはり慎重に処理すべきである、かように私は考えております。
○小林亦治君 先ほど高橋君から足利工業の、つまり二重煙突の事件は、この前にこの程度で打切ろうということになつたとおつしやるのですが、そういう覚えは私にはない。つまり中間報告をするに当つてこの報告の限度では先ずこの辺で打切ろうというような話はあつたのでありますけれども、この事件全体としては決算委員会としてはこれで打切ろうということになつてはいない。今カニエ君が言う通り、本会議でも両三回に亘つて問題になつており、要請したところの回答が検事正から参つているのでありましてこの内容を検討せずして漫然と二十三年度の決算の終結をつけるということはこれはできないはずなんであります。従いましてこの一月の二十三日付の馬場検事正の報告の内容を一応検討願つてその上で決算委員会としての態度を決定すべきだと、こう考える。ただ單にこの報告があつたからこれで終つたとは、これはなし得ないのであります。何ら審議の機能を盡さないことになるのであります。これについて愼重な審議を願つた上で、決算委員会としての態度を決定してもらいたいと、こう思います。
○大矢半次郎君 ちよつと先ほどカニエ委員の御発言の中に、本件については院議を以て決定した点もあるのでというお話でありましたが、それはどういうことなんでしようか。ちよつと御説明願いたい。
○カニエ邦彦君 これは、この事件に対する最終の委員会の結論が出て、その結論、これが本会議に報告され、そうしてこの結論に対しては一応参議院としては各派が寄つて出した決定事項だと、こう私は解釈しております。 それからなお先ほどの何に付け加えて申上げますが、前国会の終りに本会議で緊急質問を私がいたしました際において、大橋国務相の答弁の中に、これは皆さんも御存じでもあり、又速記録にも明らかになつているのでありますが、警察予備隊、自分の所管しているところの部下に対しては甚だこれは遺憾である。そうして今後こういつた疑いがあるというようなものがあれば徹頭徹尾調べて、そうして処分をすると、こういうことを言つておられるのです。 それから私に対しての御質問でありますが、これは只今決算委員会におきまして御調査になつておりますので、十二分に一つお調べを願いまして質して頂きたい、こういうことを言つておられるのです。ところが、私らの立場から言わしむるなれば、いささかでも部下の疑惑があるというものを認めた場合は、これは徹底的に処分する。然らば大橋氏に対しての疑惑というものはないのかというとそうでない。先ほど申しましたように一応の疑惑があるということの結論を参議院は委員会として出しているわけなんです。だからこれ以上まあはつきりとした疑惑はほかにないと思うのですね。にもかかわらず、部下に疑惑があると認めたら自分は処分するが、自分については参議院において目下決算委員会においてお取調べ中であるから十二分に調べてくれ、こういうことを言われた。そこでそう言われたあとに、我々決算委員会は、成規に開かれるのは今初めてであります。従つてこの問題はこれで一応いいということにはこれは私はなり得ないのじやないか。いやしくもやはり国務大臣をされているところの大橋氏に対して、決算委員会としてはもつと親切に丁寧にやはり調べて、そうして結論を付けねばならないのじやないか。かような意味からいたしましも軽率にこれでいい、これで打切るのだとかいうようなことは私はこれはあり得ないのじやないか、こう思つているわけであります。
○大矢半次郎君 私は先ほど院議が一たび決定せられているという御発言がありましたので、何かこの足利板金工業ですか、これについて具体的な参議院としての決定があつたのか、私はそういうことを承知していないからお尋ねいたしましたが、今カニエ委員の御説明によりまして私の疑念は晴れました。中間報告に関連して本会議でいろいろな質疑応答があつたというだけのことでありますからして、私はこれで了承いたしました。
○長谷山行毅君 この足利工業の事件は、昨年の四月に決算委員長から東京地方検察庁に捜査を要請して、その後検察庁では愼重に今まで調べた結果が今回回答されたのでありますが、この回答書を見ますと、いろいろの点で十分に捜査を遂げていると私は思うのであります。そうしてこれはいずれも犯罪に関與した人は起訴せられ、又嫌疑のない人は勿論不起訴になつているのでありますが、この前本委員会においては多少でもまだ疑惑の残つている点は、捜査機関でない今の委員会としてこれ以上調査しても無駄であるからして、これを捜査機関で十分愼重なる捜査を遂げて、その結果の報告を得たい、こういうことで要請したのであつて、それが十分その目的がこの検察庁の捜査によつて遂げられておるのでありまして、これ以上この決算委員会としてはもうこの問題に関する限りは調査する必要はないと私は考えますので、この足利工業事件に対しては、これで打切つて相当であると私は考えます。
○栗山良夫君 これは前の委員会の審議の経過を繰返す必要を認めないかと存じますが、一応この委員会におきまして二重煙突事件の捜査の中間段階を終了いたしましたときに、カニエ委員から大橋君を偽証の故を以て告発すべきであるという動議が提出せられましたことは皆さん御承知の通りであります。その当時いろいろと議論がございましたけれども、それを要約いたしますると、委員会としてはその調査に完璧を期し得ない点があるので、検察当局の手を煩わしまして、その調査の結果に基いて態度を決定すべきが妥当であろうという意見が述べられたのであります。その結果、一応その点を了承いたしましてカニエ君は動議を撤回されておるわけであります。従いまして、私どもといたしましては先ほど小林君が御発言になりましたように、この検察庁の馬場検事正の捜査に関する当委員会への回答書がそのまま当委員会で異議なく承認せられるならば問題は別でありまするけれども、この回答書の内容に対して、何ら委員会が手を触れることなくして鵜呑みに了承いたしまして、この事件を当委員会が打切るということについては、私は賛成をいたしかねるのであります。当委員会におきましてはよろしくこの馬場検事正の報告書の内容につきまして、更に当委員会が今まで調査して参りました数々の事項と照合いたしまして、そうして権威を以て了承するかしないかを決定し、了承し得るとするならば他の委員の言われたように打切つても妥当であると思うのでありますが、了承し得ない点がありまするならば、これは更に糺明を続けて行くべきである、こういう工合に考えるわけであります。従いまして私は当委員会といたしましては小林君の御発言のように処理せられたい、こういう工合に強く要望いたします。
○大矢半次郎君 私は、本件につきましては当委員会でも長い間詳細に調査したのでありますけれども、捜査権等の強制力のない委員会といたしましては到底この真相を把握するわけには行かないからして、実際の権力のある検察庁に十分徹底的に調査してもらつて真相を極めようと、而して若しも責任をとるべき人があるならばその責任をとつてもらうようにしようというのが趣旨だつたと思うのでありまして、今検察庁が詳細に調査いたしまして、それぞれ起訴すべきものは起訴、起訴猶予になるべきものは起訴猶予、或いは又証拠不十分なものは不起訴にするというような段取りになりまして、その報告もこちらに参つたのでありまするから、本委員会において今後又再び長い間綿密な調査をしても、到底検察庁の調査のような徹底した調査はできないだろう。これはすでに本委員会が前回検察庁に捜査をお願いする、促すという決定に至つた経過に鑑みても明らかだと思うのでありまして、私はむしろこの際本委員会といたしましては、検察庁の調査報告に信頼をおいて、そうして適当にこの際処置をとるべきではなかろうかと考えます。
○高橋進太郎君 私は大矢委員の意見に全く賛成でありまして、やはり検事正が権限に基いて捜査したのでありますから、これを信頼すべきであつて、従つてその捜査に若し疑惑があり、或いはそれについての又問題があるならば、これは検察庁そのものの捜査なり、或いはやり方なりを法務委員会なり、或いは別個のところで問題にすべきであつて、我々決算委員会としては一応この報告を基礎においてこの事件を処理して行くべきであると、こう考えます。
○カニエ邦彦君 今自由党の諸君がたから盛んにこれを早く打切つて、これを鵜呑みにしたらいいじやないかと、こういうざつくばらんな御意見があるのですが、これはまあ自由党のおかたとしてはこれは至極御尤もなお説であろうかと私は思うのです。併しながらこの場合は自由党、與党というようなお考えでなくして、国民代表である、ひとしくそういう観点に立つてこれは論議をして頂きたいと、かように私は思つておるのです。それからもう一つ、これは発議されておる自由党の諸君にお伺いするのですが、私ども検察庁がお調べになつたことを、これを信用せないとかどうとか、こういうわけじやないのです。ところが、このお調べになつて報告をされておる事柄と、我々が調べて来たことと、およそ違う事柄があると、こう我々は思つておるのです。そこでお調べになつたではありましようが、そこには勢いそのお調べになつたかたのお気付きにならなかつた点とか、或いはその他の事柄からしてもう一つ徹底を欠いておるようなことがあるのではなかろうかと、かように思われるのです。そこでこれはお調べになつた検察庁としても、人のすることでありますから、必ずしもこれは完璧を期しておるというようには考えられない場合もたまにはあるのではなかろうか。そういつた場合には一体どういうような我々は態度をとればいいのかということですね。検察庁がお調べになつても、なおそれがその上の機関において又不起訴になつたものが起訴になる場合もありますし、有罪に決定されたものが、その上の機関では無罪と決定される場合もあると思うのですね。こういう場合もあろうかと思うのです。従つてこの場合は先ほど私が言つたように非常に問題にもなつた事柄であるし、殊に大橋さんの置かれておる立場からしても、一つ丁寧にやはり我々は調べて、そうしてはつきりさせて上げることがこれが親切でなかろうかと、私はこう思つておるのです。従つてこの報告書の中にはどうも自分たちが調べて来たことと少し違う点があるように感じられると、こう思うのです。だから私はむしろこの際馬場検事正を証人として今度は来てもらつて、そうしてあなたのほうから、こういう我々は回答書を頂いております、併しこの点は一体どういういわゆる根拠によつてこういうような結果になつたのでありますかと、事実私たちの調べたのでは、これはしかじか、かようになつておるように思うのですがということを、やはり明らかにして、そうして成るほど向うのお調べになつたことが正確であり、我々の思つておることの疑念がなくなれば、これは私はいいと思うのです。ただそういうこともせずに、ここで一片の、人が作つて来たこの報告書を丸呑みにするというわけには、私は余り軽率過ぎやしないか、こう思うのです。従つて自由党の諸君にお伺いするのは、そういうような場合においてはもうこれは鵜呑みにするよりほかに方法がないのかどうか、こういうふうなことについて一つ伺いたい。
○長谷山行毅君 只今カニエ委員から自由党の諸君は、自由党なるが故にこれを鵜呑みにして打切るんだというふうな御発言がありましたが、決してそういう意味で我々がこれを打切り説を述べておるのではないのでありまして、これは我々は権威ある捜査機関の捜査に信頼をおき、なお本決算委員会目的趣旨からいたしまして、もうこれ以上この問題を論議する必要はないのでないかというふうに考えまして、さように申上げたのであります。なおカニエ委員から、今まで当委員会で調査した点と、この検察庁の捜査の結果と違う点があるというふうな御意見が述べられましたが、これは当委員会で詳細に愼重に調査したその資料をも捜査機関に出して、更に捜査機関ではあらゆる手を盡して愼重に捜査した結果、ここに真相が相らかになつたのであります。従つて我々はこれを十分なる捜査を遂げてあると信ずるのであります。従つて今不起訴事件について検察審議会なるものがあつて、それに対して異議を申立てておる制度もあるのでありまするが、本委員会としてはそういうようなことをすべき問題ではない、かような見地からして、私はこの問題につきましてはこれで打切りまして、先ほど高橋委員からもお話がありましたように、二十三年度の決算につきましては仕上げをするというふうな取扱いをして頂きたいと思うのであります。
○森崎隆君 私は、決算委員の会議のほうは今回初めてお邪魔したのでございまして、この問題は以前からいろいろお聞きはいたしておりました。昨日この東京地検の御判定の問題につきましてこの資料を頂いたわけでございまするが、私特に委員のかたがたにお訴え申上げたい。これは自分が曽つて教育出身者というようなことから、おこがましいことを申すわけではございませんが、私の非常に残念に思つておりますことは、特に青少年の犯罪が非常に殖えておる。小さい子供が惡いことをする、親が惡いのだ、社会が惡いのだ、教育が惡いのだというふうに皆罪はございましようけれども、やはり道義国家、文化国家という大きな使命を持つて、敗戰後起ち直ろうとしておる日本のあらゆる問題の中で、その中核をなす政治そのものが、やはり国民の納得の行くような正しい政治というものを中核に打立てて頂かないと、こういう問題のいわゆる根本的な是正の基本方針はやはり立たないのじやないか。文部省を通じていろいろいいことを書かれて指導されましても、国の最高責任者といつたかたがたがやはりその名に値するような、道義的な意味の模範生というとおかしい言葉でございますが、そういう立場を堅持せられておることは非常に望ましい。私は、この問題は單に我々議員とか政府の要人とか、そういうものと別個の、いわゆる巷間の一つの問題でありまするならば、これは又検察庁にそのままお任せしておいてもいいのですが、不幸にしてこれはやはり現政府の重大なる責任を持つていらつしやるかたが、それに関連しておるというところに、この問題が愼重に取扱われなければならない。下手をいたしまして、これは私素人でわかりませんが、これまでの速記録をずつと読ませて頂きまして、特に二月でございましたか、前委員長の中間報告、又五月末か六月の初めでございましたか、当決算委員会の名におけるところの最終のあの報告書を読みますと、又その上に立つて、この東京地検のこの書類を昨日見せて頂いたのですが、若しこれで一応検察庁を信頼して我々は勿論信頼はいたすのでございますが、それでこれを一応これで打切つた場合には、それで国民が果して納得するかしないかという問題が一つ残るわけです。と申しますのは、皆さんがた案外のんきに考えていらつしやいますけれども、小学校の子供でも二重煙突事件ということは、名前は知つておりますし、而も新聞に出ましたのは何回出たか、昨年の二月頃に中間報告が一遍新聞に出ました。参議院の決算委員会の最初の報告は五月か六月頃に一回新聞に出ました。昨年の、ついこの間の臨時国会の中間のときに一回出ました。新聞に出たのは僅かに三回だけなのです。ところが、日本国中どこに行きましても、小学校の子供でも二重煙突事件ということは知つております。これはそれだけ政治の最高責任を持つておる人々の行動というものは、如何に国家の道義、文化というものに対して基本的に決定付けるところの性格を持つておるかということを裏書きするものと思うのです。如何に末端の子供や若い者の犯罪をじやんじやん取締りましても、やはり中心に立つ者がこういうような疑惑を持つたままでおりましたならば、日本人の惡い癖で、口には言わないが、どうせこんなだ、おれたちも適当にやればいいのだ。こういう空気が出て来ると、日本の道義国家、文化国家の建設途上において最も恐ろしい問題じやないか。それだけに衆議院も勿論でございましようが、特に我々参議院のほうといたしまして、責任を持つてこの問題ははつきりと正惡の決断を我々自身の手でも下さなければならない。若しこのまま行きましたならば、検察庁がそういう……、東京地検が判定を下してこれでいいということになりますと、やはり臭いものに蓋をしたというさつきカニエ委員の申された気持が国民の心から拂拭は絶対できません。もり少しこれははつきりして、全然これは犯罪に該当することは何もないならないということをはつきり参議院の本会議へ持つて行つて、ないということをはつきりする。あればあるとはつきり出して、それに対する我々は国民の疑惑を解く責任は、特に参議院でこれをやらなければならないと思うわけです。そこで例えばこれがまあ法律的な犯罪がないといたしましても、私はこれは素人でわかりませんが、例えば第二項の問題を見ましても、このままで素人の我々考えますと、公金その他の金を一応拂うべきところへ拂わなくても、横領に相当するように見られました曉に、大体二年くらいの……済むまでにこれを元通り拂えば大体そういうような心配はない、横領罪にはならないといつたような漠然としたものではありますが、そういう気持を持つ。ところが、実際民間において法律はもつと嚴格に行使されておる。公金を例えば三十円にしても五十円にしても、自分のたばこを一つ買うことに立替えても背任に相当することになる。たとえ一万円でも二万円でも自分の個人的な通帳に入れたら背任に相当するわけです。背任罪の問題が書かれていない。横領の問題にいたしましても、私は何かやはりこれを見るというと、一応二十六年四月までには全部拂つて、完納しておるから、強いてそのような起訴の手続をとるということは認められないと、そのように書いてありますが、果してそれが罪であるかないかという問題はもう少しはつきりいたしたい。そうして又、法的にこれが犯罪でないといたしましても、全体の空気から見まして、これの中心になるかたが、全然いわゆる道義的な意味を含めまして、惡いことは何もしていないとは言い切れない部面があります。どうしてもこれは、私は氷解できない点だと思います。そうすると、そういう人間が国政の中枢に立つて、なおこの上、政治をあずかつて行くような責任の地位におつていいものだろうかどうだろうかということは、文化国家、道義国家として、特に参議院の性格から考えまして、我々は考えなければならん問題がある。そういう意味から考えましても、我々に特にこの判定を納得させて頂くためにも、東京地検の検事正の馬場さんなどの、こういうような御立派なかたがたを、例えば成規の証人の形で来て頂きまして、特にここまで判定を下すに至りますまでの経過等を、少くともお聞きいたしたいということは、私どもの切なる願いなんです。そういうような我々の真摯な審議を盡して行くところに、成るほどこれなら無理はないといつたような、国民に納得を與え得る、一つの我々の誠実な審議の歩みがやはり披瀝されるのじやないかというように私は思うのです。そういう意味におきまして、今日でこれを打切るといつたような簡單な言葉で、こういう問題を済まされるということは、私は参議院の性格から考えましても、その権威から考えましてもどうも私は、これは大蔵委員会におきましても今日は、財政法の一部改正なんかで憲法違反というような問題で、今てんやわんやで議論しておる。そういう中において我々が、こういう重大な問題を検察当局の報告過程で一応了承する意味で、今日で打切るというような、こういう簡單な御提案ではどうしても私は不賛成です。それでは今後本当に、国民が道義的な意味で、正しいことを正しいとして頑張つてやつて行くどんなに苦しくても出すべき税金は出して、正しい道を歩んで行くという熱意を減段する最も惡い一つの要素になりやしないか、これを心配するわけです。もう少しこの点はおおらかに、これは政党政派を超越いたしまして、一緒なつてまじめに一つやつて行く。そういう意味で一つ今日で打切るとか、そういうような御提案には極力私は御反省を求めたいと思う次第でもります。
○高橋進太郎君 森崎さん、まあ初めて出て来られたから或いはそういうのかも知れませんが、この問題は要するに一年越しの問題であり、決算委員会としては恐らく未曽有の愼重審議をやつた問題と思うのです。従つて何かさつきの話から、我々が打切るということは、何か臭い物に蓋でもするというような意味に誤解せられておるようでありますが、我々も全くこの問題を正当に審判するということが非常に正しいことだろうと、こういうので、これは検察庁の手も煩わしたわけなんでありまして、従つてこれを検察庁に渡すか渡さんかというようなことでも問題にするなら、或いはそういう疑いがあるかも知れませんが、とにかくこういう犯罪事件につきましても、正当なる権限あるところの検察庁が判定をして、十分捜査をした結果がこれなのであります。従つて若し更に疑うということ、こういうことになれば検察庁の捜査権なり或いは検察庁がこの事件にとつた態度なりなんがで、若しこれを疑うべき問題があるならば、これは検察庁そのものの問題として別個の問題ではないかと思うのです。従つて我々は一応検察庁の、いわゆる正当なる権限あるところの官庁が判定したものを基礎にして決算委員会としては議論を立てべきであつて、若し更に正当なる権限あるところの官庁の判定すらも更に追及するということになりますれば、決算委員会において、例えば国の拂下処分について民事訴訟が起つた、それの裁判があつた。更にその裁判を問題にして行くというような工合では、これはやはり国家機関の相互の権限尊重という意味から言つても、これは大いに愼しまなければならない問題でありまして、私どもはやはり検察庁がここに委員長宛に報告をよこしているのでありますから、この報告書を基礎にしてこの問題を判定すべきものと考えるのであります。
○棚橋小虎君 この事件は委員会が半年に亘つて愼重に調査をいたして一応の結論を出した事件であります。ところが、委員会といたしましてはこの事件だけに余り勢力を取られているのもいかんというので、一応の中間報告をして検察庁の捜査を依頼したわけでありますが、その検査の結果は我々委員会の考えておつたことと違つた結論が出て来たのであります。委員会としましては、検察庁の結論がこういうふうになつたからと申しまして、直ちにその検察庁の結論を受入れることはできないのでありまして、私ども半歳の間捜査をしている間に、次第にこの大橋法務総裁に対する嫌疑の確信を深めて参つておつたのであります。こういうわけでありまして、私どもは検察庁の捜査を信頼すると申しますけれども、検察庁といいましても常に必ずしも間違いがないとは言われない。又検察庁のすることが間違いは仮になかつたとしても妥当を欠いておつたということがないとも言われない。でありますから検察審議会というようなものが全国的に制度の上にもできておりまして、検察庁のやることが必ずしもよくなかつた場合には、それに対する再審査の方法も取られているのでありまして、こういう関係から申しまして、私どもはこの検察庁の結論に対しましてはいま一度その調べに当つた検事なり、或いは検事総長なりを呼んで、よく我々の疑念を晴らしたいと思うのであります。殊に法務総裁は、現職の法務総裁でありまして、法務総裁はその捜査に当つた検事を直接指揮する権能もないのでありましようが、検事総長に対しては指揮監督の権限を持つている、その検事総長はその下級の検事に対してはこれを指揮監督する権限を持つているのでありまして、そういう場合においてこの捜査が常に公平妥当に行われたということを、全幅的に信頼していいとも言われない。こういう意味におきまして、私は今日軽率に直ちにこの検察庁の結論を認めるということはできないと思うのであります。先ほどカニエ君が、自由党の諸君はもう少し党派を離れて一つ国家的な考えに立つてこの議題に臨んでもらいたいということを言われましたが、私ども必ずしも自由党の諸君がそういう党派的な考えでこの議題に臨んでおられるとは考えておりません。併しながら、その最後の取扱いにおいて妥当を欠いている軽率なやり方をされますと、自由党の諸君がそういう考えでやつたということを世間から認められ、国民からそう認められるということにならんとも限らんのでありまして、この際自由党の諸君もそういう公平な考えに立ちまして、愼重にこの問題の結末をつけるよりにして頂きたいということを希望するものであります。
○小林亦治君 只今まで本件に関しては八名ほどの発言があつたのでありまうが、その中で本件はこれで打切りましようというのはこれは自由党の三君なんで、あとはいずれもこれは打切るべきでない、こういう結論になつておるのであります。殊に聞き捨てならないのは高橋君の御意見なんであります。検察庁を指して権威があるとかなんとか、こんな言葉で表現せられておるのでありますが、検察庁よりも国会の委員会が権威があるのであります。国権の最高の機関の委員会なんであります。検察庁というものは一体どういうものであるかということは、満場の諸君が本件を介して御洞察になられたことと思うのであります。というのは、一昨年でありましたか、私どもはこの事件に関してま先ず臭いもは田中、高橋、大橋、この三名だ、なかんずく最も臭いのは大橋だ。こういうポイントをつけて私どもは追求をしたのであります。その間たまたま各新聞は二重煙突というものを掲げたが、捜査当局は頑として動かない。業を煮やした結果、昨年の三月になつて委員会から検察当局に一本差入れたわけなんであります。一体これをどうするのか、早く何とかせいとなつた結果、捜査権が発動され、私どもの指したところの三名のうち、田中と高橋が起訴せられた。残つたのは大橋と、こういう結果になつているのであります。この権威ある捜査機関が云々とおつしやるのでありますが、今棚橋君からも申されたように、検察の捜査必ずしも当を得たものではないのであります。その上に検察審査会もあり、検察庁内部においてもこれは第一段階の捜査から最高検の捜査まで、現在では四段階に分れておるのであります。今回の捜査というものは、これは第一段階の捜査なんでありまして、捜査の途行程度とその結論というものについては、これは無條件で承服するわけには行かないのであつて、本報告が妥当であるかどうかということについては、もう一遍本委員会或いは小委員会なりにおいて、篩にかけて結論を見なければ、委員会の最終意思決定というものは出て来ないのである。国権の最高機関の委員会が、こんな一片の報告を、権威ある検察庁の報告だから、呑めなんと馬鹿なことを言われるはずがない。それが国民代表の委員であるならば、私どもはこれは政治的に問題にしなくちやならないのであります。單なるこれは政党政派の問題じやないのであります。政争の具に供する云々という言葉が、この前の委員会にもありましたが、もはや政争の具であります。これは堂々と糺明をして、委員会の意思というものをはつきり結論を出さなければならん段階になつておる。私はそういうふうに考えますので、更にこの上に最終の結論を出さんがためには、更に設けられるところの小委員会にもう一遍かけて、その小委員会でこの内容を検討した上で、委員会の決定になるべきはずなのであります。報告の内容をよく見もせず、読んだかどうか知りませんが、それらの比較検討もなくして、権威ある検事正からかような報告が参つたから、これでお仕舞にしましようということは受取れんはずなんであります。どこまでも私は、追及されるように、その方法は本委員会で不適当であるならば、小委員会にかけて決定されるように希望します。
○中川幸平君 昭和二十三年度の決算に対して会計検査院の批難事項が大小幾百ありますが、中でも足利工業の事件は相当事件も大きいし、又大橋国務大臣が介在しておるという関係から、当委員会で愼重にこの内容について審議されて、又その上に捜査機関である検察官に頼んでいろいろ審議されました。当委員会として国民の輿望に応える誠に愼重なやり方であると存じます。そこで馬場検事正からの捜査結果を伺つて、なお且つこれ以上検察当局を召喚する、或いは内容について調査する、御尤もなことでありまするが、一つの案件にさようなことをやつておつたのでは、この幾百の批難事項を一々さようなことをやつておつたのでは、昭和二十三年度の決算認定に一体何年かかるであろうか。そのうち二十四年度も出て来る、二十五年度も出て来る。一体この委員会としてどう挽回できるか、実際問題として多少不満な点もありましても、ここまで手を盡してやられたのでありまするから、この程度で打切るのが適当でなかろうか、我々はさように考えます。非常に不満なかたがたもあるかも知れませんが、実際問題としてさように計らうよりいたし方がないでありましよう、かように存じます。
○栗山良夫君 只今の御発言でありますが、私はこの委員会の使命といたしまして、やはり不明確な点は如何に時間をかしましようとも徹底的に明らかにいたしまして、国民の前にいささかも疑惑を残さないというのが使命でありまして、徒らに結末を急ぐことのみが目的ではなかろうかと思うのであります。特に本件はもう繰返して申上げるまでもなく、相当審議を愼重にいたして参りましたけれども、なお且つ疑惑が残つております。その疑惑は、問題になつております当時現職の法務総裁が、内閣の一員といたしまして国民から信頼をされなければならない立場にあるかたであります。私どもも信頼をいたしたいのであります。併し信頼をするためには、無條件で信頼をいたすというわけには参らない、こういう事件が起きましたときに、その内容についていささかも関係がない。明々白白なものであるということが立証されて、初めて信頼し得るのでありまして、若しこれが不明確のままで問題が途中で中断し、そのまま放置されますときは、国民は大臣の椅子にあつたがためにさような処遇を受けたのであるという印象を受けるとしまするならば、今後の日本の道義の高場というようなことは、期するも及ばないことであろうと思うのであります。先ほど来皆様がたが馬場検事正のこの報告書を信頼いたしたいということを言われておりますが、私は今まで関係して参りましたことで知つておりますことから指摘をいたしまするならば、この報告書と、委員会が証人として喚問いたしました当時の大橋氏の発言との間に、すでに大きな食違いがあることを発見せざるを得ないのであります。それでいろいろ問題が出ておりまするから、私はこの一つの例を、この報告書の中で指摘して御参考に供したいと思います。それはこの十五頁を御覧頂くとわかりますが、十五頁の初めから五行目のところに「昭和二十三年秋頃、高橋に顧問料を貰つていないから借入金の支拂は免除されたい旨を申入れて、その承認を得たので、結局右の三十万円は高橋から贈與されたものと考え、これについて所得税の申告をしなかつたのみならず、他に申告を必要とする所得がなかつたので、昭和二十三年度の所得申出口をしなかつた旨を主張している。」こう大橋氏が主張されたことを述べておるのであります。併し当時の委員会の審内議を思い起して頂きたいのであります。私が質問をし追及をいたしましたとき、大橋氏は毎月二万円ずつの顧問料をもらつておるということを述べ、そうしてその顧問料に対して税金の申告をされたかどうかということを質問いたしましたときに、彼は憤然として一時顔色が変つたということを皆様方御承知だと思います。当時決して三十万円を一括して前借りでもらつたというようなことは、彼は証言していないのであります。ところが、後になつて高橋君を呼びましたときに、高橋君が初めて三十万円を前貸しとして一括して送つたということを述べたのであります。従いまして、大橋君がここで述べられておりますることは、国会の委員会の証人喚問における記録とはとにかく違つておるのであります。それから又十六頁の一番終りのところに、「高橋の前示主張のみを以て右三十万円を顧問料とは断定し難く、他にこれを顧問料と認定するに足る適確な証拠はない。」と言つております。併し委員会において、顧問料として毎月三万円をもらつたというのは大橋個人が、大橋氏がそう主張したのであります。高橋君もこれを裏付けたのであります。検察庁のこの報告は、私どもはこの一点だけでも了承し得ないのであります。従いまして、こういう点を明確にされて、そして大橋氏のこういう事件に対する責任を明らかにする必要がありますと同時に、更にこの委員会において問題にすべきは刑事事件としてのこともありましようけれども、更に多くは先ほど私が申上げました通りに、大橋前法務総裁の政治責任の追及というものはちつとも行われていないのであります。政治責任の追及を行うのがこの委員会の審議の建前から言いましても当然だろうと思う。そういうような点においてまだこの委員会はなすべき多くの仕事を残しておると思うのであります。どうか賢明なる委員各位の御判断とそして御良識によりまして、この問題を国民の前に今少し明瞭な形において解決した結果の報告ができまするように御協力を頂きたいことを切に要望してやみません。
○小酒井義男君 私もこの決算委員会には今回が初めてでありまして、この問題の具体的な内容等については皆さんほど十分知識を把握しておるということは言えないかと思いますが、併し決算委員会の中で今まで一年間に一番大きな問題として取上げられ、そして国民の間でもいろいろと疑惑を持たれておる問題であります。それが従来からこの問題に関係を持つておられます各委員の中においても更にまだここで打切るべきでないという意見が相当あるわけなんです。折角ここまで愼重にやつて来たものを、最後のところに来てもう一つ愼重な手段方法をとればよいというところで、これを打切るというようなことが行われますと、非常に私は棚橋委員が言われたように、数で押し切つたというような印象を與えて非常にまずいと思う。ですから最後の愼重な検討をするという意味において適当な委員会を持つなりの方法で、最後的な再審議をしたほうが、これは問題を明快に解決をつける方法ではないか。かように考えますので、棚橋委員、或いは小林委員の申された意見に、私は賛意を表したいと思います。
○カニエ邦彦君 先ほど自由党の中川委員から、二十三年度もこれで引つ掛かつておるから、実際問題としては二十四年度、二十五年度も来るから、もう早くやらなければならん、もうこの程度で打切つたらどうかというような御意見であつたと思いますが、私は、決算委員会の任務が国民に対してどういうような影響を持つか、どういう重要性を持つかということについて非常に愼重でなければならない。一般会計、特別会計を通じて、国民の血税が使われるのであります。その使われた結果が、何になつたかということを見極めるものは、この決算委員会あるのみでありまして、他にないのであります。従いましてこの審議の重要性というもの、これが国民経済に與える影響というものは相当大きなものでなければならない。かような重要な意味からいたしましても、やはりいささかも疑念があれば、これは愼重に審議をすべきであるということ、それからもう一つは、この委員会は他の法案と違いまして、いつまでにこれを上げねばならないというような規定はございません。従いまして二十三年度が二十四年度、二十五年度と一括して上つても、一向に差支えないのでありましてただそういうような点からして、これをそこそこに審議を終わるというようなことは、国民に対して甚だ以て相済まないのではないかというように私は考えております。それからなお、この今問題になつております検察庁の報告書でありますが、これは先ほど私が申しました通り、如何に権威ある検察庁といいましてもやはり人間のすることでありますから、そこには手落がないとは、これは限らないのであります。従つてこの事件に関する調査というものは、これは検察庁が本当に心から国民に対してやらねばならないという考えから、みずから進んでこれをやつたのではございません。実のところは、いやいやながらやつておるという始末であります。これはどういうわけでそういうことが言い得られるかと言いますと、私はこの事件が新聞や或いは雑誌に出まして、そうしてどうも読んでおる間にこれはおかしい、どうもこれはこの事件はただ單なる検査院の報告書に出ておるようなものではなかろう、必ずやこれは刑事事件が介在しておるものであるというように考えましたので、そこで検察庁のほうの責任者である草鹿刑政長官でありますか、この委員会に呼びまして、そうしてどうも委員会として我々素人でわかりませんが、どうもこの事件は刑事事件が伏在しておるように思いますので、よろしく検察庁はこれを調査して、捜査を開始するところの必要がないのであろうか。併しながら事は大橋法務総裁に関する問題でありまするから、あなたのほうとしては直接指揮監督権を持つておる人を調べるということはやりにくいでしよう。併しながら、やりにくくても、これはやりにくいだけに国民の前に明らかにせねばならないので、これはお調べになる必要がないのでありますかということと、それから今日我々素人が、議員が新聞や雑誌を見て、どうもおかしいという判断をするくらいでありますから、あなたのほうでも当然これは注意をされて、そうして僅かな投書であるとか聞込みのようなものであつても、お調べになつておるのでありますからどうですかということを質したわけです。ところがその当時、草鹿刑政長官は、当局はこの事件に関しましては何ら刑事的なものが伏在しておるようには考えておりませんという御言明があつたわけであります。そこでどうも当局はそういうことを言つておるが、なお我々としてはおかしいというので、止むを得ず当局がやつてくれないために、審議を長年にかかつてやつたわけなんです。やつて参りますると、どうもこれは委員会としてはこれは臭い。どうも国を欺いて、そうして国民のあの血税をどうもごまかしておるように思うからというようなことが判然として参りまして、そうして委員会は、これはどうもならんからというので、検察庁に、委員会が決議をいたしまして、そして捜査をお願いしたわけなんです。そこで初めて検察庁が腰を上げて捜査にかかつたということ、ところがその結果というものは、国を瞞してそうして金を取つたところの会社の責任者である社長、専務は起訴されました。ところがそれらを瞞して取つて、金をもらつておるほうの大橋君に対しては、これは何らその責任がないというような報告書をここにもらつたのであります。だからかような経緯から考えて見ましても、本件に関しては必ずしもこの検察庁の捜査というものは、みずからが国民大衆に対して、そうしてやろうというところの熱意と意気に燃立つてやつたものではございません。従いましてなお更、私はこの捜査に関しては、いろいろこの報告書の中に伏在しているものに疑念を持つのであります。従つてかかる疑念を明確にせずして、そうしてこれを打切るということは、これは我々如何に自由党のかたが何とおつしやつても、我々としては国民に対してやはり明確にせねばならん。こういう考え方を持つておるのでありますから、一つ何とぞそういう考え方を了承して頂きましてなお愼重に一つ明白にされんことをお願いする次第であります。
○中川幸平君 決算委員会といたしまして、大小幾百の批難事項を一々審議するということは当然の責任でありますが、一つの案件に特別の小委員会を設けて、数回に亘つて証人を喚問して調査し、又その上に検察庁を煩わして十分に捜査してもらつて、その報告書をもらつた。それを又飽き足らぬとして調べるということは、国民に対して忠なるゆえんであるかも知れませんが、まだ他にも相当調べなければならんこともたくさんあろうと存じます。そこまで手を盡してやつてそれを又やらねばならんというようなことをやつておつたんでは、一体どうなるかということを考えて、この案件はこの程度で打切るべきであると私どもはさように考えます。
○鬼丸義齊君 決算委員会は従来の成績から見ますると、とかくに甚だ振わなかつた。私ども遺憾に思つておりましたが、昨年来この足利工業の二重煙突事件を中心といたしまして、当委員会が非常な熱意を持たれて熱心なる調査をして参りまして、ついには検察庁を動かしまして、やはり不正事件に対しまする事実が白日の下に曝されることになりまして、我が委員会の申出によりまして新たに四名の被疑者を出し、ついに事件は公判に四名運ばれておるようなことでありまして、この委員会の活動に対しましては、恐らく全国民ひとしく感激していることだと私は思います。成るほどこの事件に関連をいたしまして、大橋時の法務総裁の身辺に対しましては幾多の暗い影のありましたことも、私ども非常に眉をひそめておつたのでありますが、併しながら委員会が非常な熱意を持たれて、熱心なる調査をされましたけれども、ついに大橋氏の事件関係においては不正の事実を発見するに至らなかつた。続いて検察庁もこの委員会の指摘に基きまして、大橋氏の刑事事件の責任について相当にお調べになつたようであります。併しその間日子を相当経ました結果として、嫌疑事実の一つでありまする政令違反のごときはすでに昨年の一月において時効にかかつておる。又一番眼目でありまするところの詐欺事件については、いろいろな各方面から調べたけれども、結局大橋氏の犯罪事実ということについての嫌疑はつかみ得ないというようなことに報告されております。更に又、税法違反の問題につきましては、法的にも或いは経過的にも、どうも今刑事事件として起訴する段階までには行つていないということが、この報告書において明白になりました。この上の結局大橋氏の第一、第二、第三の事実に対しまする刑事事件としての責任を、私は更にこの委員会が突込んで調べましても、恐らくはこれ以上のことをつかむことは困難ではなかろうかと思います。昨年の当委員会において大橋氏に対する偽証の告発の問題が当時起りました。私はその当時その告発に対しましては真向から反対を申上げました。と申しますることは、偽証の中心問題でありますところの横領の事実があるにかかわらず否定しておるのだから、それは大橋氏が偽証したのである。こういうような告発の趣旨でありましたが、私は大橋氏の横領事実に対する点について非常な疑問を持ちました。横領罪が成立するや否やということの前提が確立しないにもかかわらず、その反対の陳述をしたからと言つて、それが直ちに偽証罪になるというふうなあいまいなことによつて、いやしくもこの決算委員会は告発などというふうな非常手段に出でることは少しく行き過ぎじやないか、自重する必要があろうということで反対いたしました。幸いに皆様の御同意を得まして、当時それは取りやめることに相成つたのでありますが、今回馬場検事正の報告書を私は拝見をしておりますると、これは又別な意味において新らしい大きな私はこの委員会として関心を持たなければならん点があるのではなかろうかと思います。この点について先ほど栗山委員からも御意見がございましたが、極めてこれは該博な調査でありますから、更にまだ愼重なる御調査を願わなければならんとは思いますが、私の記憶する範囲におきましては、第九国会においてこの決算委員会の公団等の経理に関する小委員会の会議録第一号の三頁にございます。丁度この大橋氏の証言の一節であります。これによりますると、この足利工業に関しまする大橋氏の立場としては、顧問に就任をして約一年間、この間毎月三万円ずつの顧問料をもらつておつた、この総額は約三十万円に及んでおつて、これは確かに顧問料としてもらつておつたのだということの証言が明白にございます。これはすでに速記録に留められまして公文になつております。動かすべからざる一つの証言であります。然るに今回の検事正の報告によりますると、これとは全く異なつた意味の陳述があつたのでありまするが、新らしい何かそういうようなことの事実が検察庁のほうに明らかになつて来たのであろうと思いまするが、これは顧問料でなくして貸金だというようなふうになつております。それがために、この税法違反の問題についてはすでに明白でないということの結論になつておりますが、これは私は税法違反の問題とかというふうな問題については、すでにこれは今に至りましては何ともいたし方がないと思つております。けれども、いやしくも決算委員会において国の国務大臣が宣誓の上においてされました証言にして誤まりがあるといたしましたならば、決算委員会の権威におきましても、確立したる事実の下に偽証の事実があります限りにおいては、やはりこの議院に於ける証人の宣誓及び証言等に関する法律の第八條によりまして、我が決算委員会はこの偽証事実に対しては告発の義務を命ぜられております。告発すべしということなんです。即ち第八條にあります「各議院若しくは委員会又は両議院の合同審査会は、証人が前二條の罪を犯したものと認めたときは、告発しなければならない。」そこでその偽証の事実を認めることの根拠ありや否やという問題であります。これは先ほど私が指摘いたしました、とくに、第九国会の参議院決算委員会における小委員会の記録に明白に載つております。この事実と検察庁における大橋氏の証言、或いはその他の関係者の言うことでありますが、大橋氏は少くとも今度は、先に証言した事実と相反するところの贈與に基くものなりというふうなことに陳述を変更しております。これはもう明白に両方の陳述というものに違いがございまするから、この顯著なる、動かすべからざる一つの事実に対しましては、大橋氏の言うことが、果してこちらの証言のほうが事実か、或いは検察庁におけるものは大橋氏の書面回答の証言と私は聞いておりますが、それが事実であるか。この点は少くともこの場合は明白にして、即ちこの偽証の事実ありや否やという点だけは、この委員会はここにどうしても明白にしなければならんのじやなかろうかと思います。幸いに両方とも何ら法的に咎むべき何物もなくして、忌わしきことなくして済むならこれに越したことはありませんが、一国の国務大臣が国会において虚偽の証言をなしたということは、勿論憂うべきことでありますけれども、併しながら我々の目の前に明らかにこの二つの対立した事実というものを見せられました限りにおいては、これは私はどうしても明白にしておいて、いずれそれの結末をつけなければ当委員会の権威の上におきましてもいけないのじやないか。況んや我々に対しまして法は告発すべしということを命じております。動かすことのできない、取捨できない規定でございまするから、私はこの段階におきましては大橋氏の刑事事件の追及ということよりも、むしろこういう新らしい事実に対しましては、一応最後的に明白にするために馬場検事正なり、或いは時々調べられました関係記録、これを携えて来てもらつて当委員会に出てもらいまして、この事実を明白にして、私は本委員会の最終結末をつけるべきではなかろうかと思います。どうかそういうことにお運びを願います。
○カニエ邦彦君 只今栗山委員からも、それから鬼丸委員からも、報告書の内部に触れた疑義の点について御説明がありました。併し私は、この報告書を検討いたしまして、なお且つこの中には幾多の疑義があるということを知つております。併し、私はこの席上では申しておりません。これは先ほど申しましたように、これをお出しになつたいわゆる自由党の諸君の言われる権威あるおかたの御出席を求めて、そうしでなおこれはどうかということをお尋ねをしたいがために、私はこの席上では申しておりませんが、併しながら今鬼丸委員から言われておるように新たなる事実もあるし、又従つて委員会としては法で規定されている義務を持つている。これすらも明白にすることなくしてこれを打切るということは、これは当然私はとるべきでない。それからなお先ほど重ねて中川氏から言われましたが、この委員会は、衆議院の決算委員会から見ますと、決してこの事件を我々がやつておるから非常に遅れておるということは私はないと思います。二十四年度もどんどんと審議が進行し、なお且つその他の二十四年度のみならず、二十五年度の分に対しても我々は調査をし、走り廻つてやつておるので、決して二十三年度中のこの二重煙突事件があるがために、この委員会の審議が遅れているということは決して思いませんから、その点も一つ中川委員、よく御了承、御認識をして頂きたいと、かように思います。なお、これにつきましては私は馬場検事正を証人として、或いは大橋、なお特調の川田、それから三浦監事、これらの人々の再喚問を願いまして、そうしてこの報告書に基くもろもろの疑念を一掃して行きたいと、かように思つております。以上提案いたします。
○鬼丸義齊君 私、先ほど申上げました検察庁における大橋氏の陳述でありますが、これは多分最高検のほらか或いは検察官のほうからか、大橋氏に対して書面回答を求めたということに聞いております。若しその書面回答に基いてこういうような認定が行われたということでありますならば、その書面もあると思いますから、その一件記録を携えてこの委員会に検事正の出席を得て頂きたいと思います。なお只今カニエさんからいろいろ多角的にまだ明白にする必要がある点を承わりました。私は存じません、存じませんが、少くとも最小限度の、この点だけは是非明白にして頂きたいということを重ねて……、余りに明白な違いでございますから。
○委員長(岩男仁藏君) 暫時休憩いたします。 午後零時十八分休憩 —————・————— 午後零時二十八分開会
○委員長(岩男仁藏君) 休憩前に引続き開会いたします。
○森崎隆君 ちよつと動議を出したいと思います。只今開会されまして、まだおいでにならんかたもおられます。やはりいろいろ各党でお打合せもあるのかと思います。できましたらはつきり時間を切つて、今から一時間なら一時間休憩とはつきり時間をきめてやる、又今日中に見込みが立たなければ、それまでの間に委員長のほうに申出でまして、明日やるというように、この際おきめ頂きたいと思います。こうしてまあじつと待つておりましても、これじやどうもおかしいと思います。一時間休憩をして頂きたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)お諮り頂きたい。
○委員長(岩男仁藏君) 只今森崎君から動議が出ておりますが……。
○小林亦治君 あと時間もそう取らないのですから、この際どうですか、このままお待ちになつたほうが……大して時間を取らないのじやないかと思います。どういうふうにきめるかというだけで……。
○委員長(岩男仁藏君) ちよつと速記をとめて……。 〔速記中止〕
○委員長(岩男仁藏君) 速記を始めて下さい。
○カニエ邦彦君 休憩前にもまあ申しましたのでありますが、検察庁から成規の公文書を以て報告書を受取りまして、そうして見ましたところ、この報告書の内容と私たち調べて参りました事柄とになお疑点がありまして釈然とせないのであります。なお且つ、新たなる、今鬼丸委員から言われたような問題も出て参つておりますし、従いまして私はやはりこれは馬場検事正、それから大橋武夫氏、それから特調の川田、それから三浦氏と、それから取調べの任に当つた検事、この五名を証人としてお呼び下さいまして、一応の質問をいたし、そうして或る程度の疑念がなくなれば幸いであると、こう思つておりますから、次の委員会には是非これらの証人をお呼び下さるようにお願いして置く次第であります。
○高橋進太郎君 先ほどいろいろな議論が出て参りましたのですが、我々といたしましても党に帰りましてよく諮つた上で、回答しなければならん問題がありますので、本日はこれを以て散会いたしまして、追つて措置いたしたらと思いますから、動議として提出いたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(岩男仁藏君) それでは只今の高橋さんの御動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩男仁藏君) それではお諮りいたしますが、次の委員会はいつにいたしますか。大体定例日は原則としてきめてあるのですが。ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(岩男仁藏君) 速記を始めて。それでは二月五日の午前十時に更に委員会を開会いたします。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十分散会