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13回国会参議院1951/12/13

決算委員会 第2号

発言数
70
登壇者
9
会派数
4
開催日
1951/12/13

会議録

岩男仁藏国民民主党

○委員長(岩男仁藏君) これより本日の委員会を開会いたします。今日の議題は、昭和二十四年度決算報告の会計検査院の批難事項の三百三号から三百二十三号を議題に供するわけでありますが、その前にカニエ議員からの申出がありますので、先般議題になりました三百三十三号国有財産の売渡に関し処置当を得ないもの、財団法人聖十字学園に対する質問がカニエ議員からなされます。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 只今の三百三十三号の批難の質問の前に、国税庁の調査査察のほうでお調べになつておると思いますが、本委員会が十二月七日に二重煙突の件に関しまして、同僚栗山議員からの質問で、大橋氏に対して渡されたところの二十万円なり、或いは三十万円等のこの金額について、国税庁はよく調査をして、そうして委員会に報告をせられたいというところの栗山君の質疑に対する報告がないのでありますから、この際質問に先立つてこの点どういう結果になつておるか、委員会に対して御報告を願いたいと思います。

忠佐市国税庁調査査察部長

○説明員(忠佐市君) 二重煙突事件につきまして、当委員会からお話がござ  いまして、一連の問題を調査いたしておりまするが、担当官の報告を一応受けておりまして、その概要は差上げる段階に至つておると思います。ところで足利工業株式会社の関係帳簿書類が検察庁に押収せられておりまして、担当調査官の調査いたしましたその結果が、私たちといたしましても十分に当委員会に御報告するまでに完全なものとなつておりません次第でございます。従いまして中間報告といたしましてこの程度のものを差上げるのも如何かと感じておりましたので、遷延いたしておりまして誠に申訳ないと存じます。その概要を申上げますると、足利工業株式会社につきまして、個人事業を会社に引継ぎましたあと二回ほど決算をいたしておりますが、その決算の結果を見ますると欠損になつております。従いましてその欠損の内容如何ということについて相当調査いたした次第でございまするが、地元の建設工事等において地元に対する一つの考慮からいたしまして、欠損をあえていたしまして工事を担当しておる、従いまして二重煙突関係の収益がそれから削減されておる。こういう状況でございまするが、何分にもその帳簿書類が不備でございまして、その点が私たちといたしましても確信が得られない次第でございまして、もう少し検察庁押収帳簿等を拝借することができた段階において御報告するのが適当かと、こう存じております次第でございます。委員会において御要求がございますれば現在までにおきまする我々の許された範囲における調査の結果を申上げることはできると思います。  それから高橋正吉氏と大橋氏との間におきまする三十万円の問題、二十万円の問題がございます。この点につきましては、三十万円の問題につきまして会社の帳簿に現在ありまするものは四万円だけでございます。この四万円は大橋氏の弁護士報酬であるということを調査担当官も考えておりまするし、我々もそう考えております。但しそれと別に三十万円の金銭の授受があるようでございます。この三十万円の金銭の授受につきましては、調査官のその当時の私どもに対する復命によりますれば、これは弁護士報酬、まあ申しますれば顧問料というようなものよりか個人間の贈与であると見たほうがいいのではないか、こういう見解を持つております。ところで私どもはよく事情を考えますと、顧問料というようなそういう性質のものではなかろうか、その点において調査担当官の調査がまだ不十分ではないかという見解を持つておりまして、只今その点を確かめかけております。これは税務署所管の事務になりまするので、その主務部でありますところの直税部のほうに連絡をいたして調査中でございます。それからもう一つの二十万円の事件でございますが、これは贈与であるか、或いは選挙に関連いたしますところの献金というような性質のものであるかという問題に相成ると思いまして、この点は事情をもう少し調査いたしたい、かように考えております。なお先ほど申上げました四万円の弁護士報酬につきましての課税、それから三十万円が若し弁護士報酬であるという問題になりますれば、所得税の問題といたしまして更に調査をする点がございまするが、これは急速に結末をつけるというように関係の担当官に連絡をいたしておるような次第でございます。以上が概要でございます。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 検審当局に証拠帳簿を押収されておるから足利工業の会社の経理内容については十分な調査ができないということでありますが、検察庁に対して国会に報告をせねばならないので、国税庁としては関係書類を一応早く引渡してくれ、或いは見せてくれということの要求をしたのかどうか。したとすればいつ頃そういう要求をしたか、その点について……。

忠佐市国税庁調査査察部長

○説明員(忠佐市君) 只今のお尋ねの点につきましては正式にはまだその手続をいたしておりません。検察庁におきましても只今事件調査中と聞き及んでおりますので、それが終了いたしますればその書類をお借りしたい、こういう意向を非公式に申上げてある段階でございます。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 そうすると、そういうことは積極的にやつていないということである。それからもう一つは大橋氏の二十万円並びに三十万円……まあ四万円は話は聞きましたが、その他の金額については大橋氏が税の申告等をしておるのかしていないのか、それは税務署の窓口のほうでどうなつておるのか。

忠佐市国税庁調査査察部長

○説明員(忠佐市君) 記憶が多少不正確かと思いますが、只今御指摘になりました点の申告は、現在までの段階においてはなかつたように記憶いたしております。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 国税庁では本件が相当重要なものであつて、国民一般大衆は疑惑を持つて見ておる、そうして国会もこの審議にはかなりな日月を要しておるというほどの事件の、そういつたような事件のものであるということは、あなたは恐らく御認識であろうと思う。然るにかかわらずこの委員会が今言つた調査を要求して、あなたのほうに言つたのは昨年の十二月の七日である。速記録を御覧になればよくわかるはずです。あなたがここで答弁されておつて、而も栗山君の質問に対してはあなたがお聞きになつた。それを今日一体何日になる、三百六十五日は過ぎ去つてしまつて、ややもすると四百日にもならんとしておる。国民はこの疑惑をどう考えておるか。大橋氏も議会において何と言つておるか。迷惑千万だ、国会に対して、国会は速かに決算委員会が調査されて結末をつけてもらいたい、こう言つておる。我々は日夜これが解決に努力している。然るに国税庁は一年もたつても今の答弁は何たることか。要領を得るような得ないような答弁をされておる。なおあげくの果て調査をこれからしようとしておる。何たる考え方か。我々委員会を一体小馬鹿にしておる。あなたは我々議員をどう考えておるのか。国会の審議というものをどういう工合にあなたは考えておるのか。少くともこれだけ世間がやかましく言い、国会自身もこの点については非常に関心を持つて調査しておるということがわかつておりながら、一体一年以上もたつてこのくらいのことが調査ができないというような、一体国税庁はどこにあるのか。どこの国に一体こんな国税庁があるのか。先ほどの御答弁を聞いておれば、委員会から御要求があればと言われる。御要求は一年前にあるのですよ、すでに……。あなたのほうから調査をして速かに国会に対して、調査ができました、遅れましたがこうです、とこういうことを言うのが当り前であつて、こちらが何のために二度も三度も催促せなければならんのか。一体我々委員会を何と心得ておるのか。一年も、一年半も、二年もこれから先かからなんだら調査ができないのかどうか。遅れた理由を一遍ここではつきり我々委員が聞いて、成るほどそれならば一年も二年もかかるという理由をはつきりここで述べて下さい。

忠佐市国税庁調査査察部長

○説明員(忠佐市君) 只今お叱りを受けましたこと誠に御尤もだと思います。部内の連絡が十分でありませんために遅れまして誠に申訳ないと思いますが、このあと急速に事件の処理をつけるように努力いたしたいと思います。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 連絡といつたつて日本国中連絡したつて半年もかかりやせんですよ。あと大体何年くらい待ちや結末がつくのかはつきり言つて下さい。

忠佐市国税庁調査査察部長

○説明員(忠佐市君) 足利工業株式会社の事件につきましては、先ほど申上げたような事情によりまして、ちよつと見通しはつけかねますと思います。但し個人間の問題につきましては、今後一、ニカ月のうちに御報告を完全にできるように努力いたしたいと、かように考えます。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 委員会も御承知のように、二十三年度の決算は、本件が終了せんために国会としても上つていないのですよ。従つてこの件に関しましては、速かに審議を完了したいと我々もこれに努力しておるのみならず、これは国税庁のみではありませんが、司法当局にしても遅々として調査報告が延びており、非常に私はこれは遺憾に思うので、特に委員長から専門員に調査をさせられまして、そうして回答のないもの、或いはその他の報告の漏れておるもの等については特に促進をして頂きたい、こう思います。

岩男仁藏国民民主党

○委員長(岩男仁藏君) 委員長から国税庁の調査査察部長にちよつと希望いたします。只今カニエ委員からの質問は、私は御尤もだと思うのです。あなたのほうも陳謝されておつたようでありまするが、事は昨年の十二月、栗山氏からの御質問に対して、あなたのほうから調査して報告する……、もう一年を経過いたしております。あなたのほうが職務怠慢であるというようなそういう酷なことは委員長は申上げませんが、早く結末のつくように、成るべく早くですよ、要望いたしておきます。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 次に二十四年度の審議をいたしておりまする聖十字学園の国有財産払下に関しまして、払下を受けたところの東京都中央区日本橋堀留町二丁目七番地、財団法人聖十字学園代表者、磯川義隆、同渡辺敬吉、これらの個人並びに法人として、我々委員が調査をいたしました結果、これらは元の厚生省の衛生試験所を、これを社会事業の施設をやるからという約束で、これを安く払下を受けて、そうして事実は施設をなし得るところの当初から資金も計画もなかつたにかかわらず、仮定のこの計画を以て、そうして国を騙して、そうしてこれらの物の払下を一時受けて、そうしてその受けた土地建物を、今度は一般の住民、或いは一般人に対して、これを高価な権利金乃至は前渡金、或いは売却金等を取つて、そうして現在はあたかも外から見ると社会事業の経営のように見せかけて、そうして多額な家賃なり地代なり、権利金を寄附として、或いは又いろいろな名目でこれを取つておるのみならず、その当時は非常に物資が窮迫をしておるという状態であつた、ところがそこに厖大な施設をするために、木材であるとか、鉄鋼であるとか、セメントであるとか、或いはガラスであるとかという建築材料を、これを多量に当局からチケツトをとつて、そうしてそういつたチケツトを今度は数倍の金額で他にこれらを売払つておる。そうして不当な利得をしておる。又そういつたような関係からいろいろこのせしめた金で、財団法人聖十字学園事業部というような今度は名前で、伊東の温泉に伊東寮、グリーン・ハウスというようなものを作つておる。又そのほかには浅草の松葉町報恩寺の右側を北のほうへ一町ほど行つた右側に、ここに何か製罐工場のようなものもやつておる。又川崎の駅前に大きなバザーを持つて、そのバザーには社会事業団体であるという名目からして、どこからどう入手して来るものか知らないが、政府の払下物件等をそこで又売払つて儲けておるとか、或いはその他社会事業の蔭に隠れて、赤い羽根のああいつた浄財までも取上げておる。又一部収容しておる浮浪児等からは、これを毎日牛馬のようにこき使つて、そうして金を儲けさせて、その金を搾つておる。全く我々が一、二を調査しただけでもかようなものが東京の、而も真中に巣食つて、そうして三万台の自動車に乗りまくつて妾どもを置いて豪奢な生活をしておる。こういうことは我々としてはただ単に国有財産の払下が適当であつたとか、なかつたとかいうことにとどまらず、まじめに働いておる人たちにとつては、かようなものが殆んど税金を払つていないというような点からして、国民の納税意欲にも大きな不満と影響を持つことは、これはもう当然であるのみならず、社会的にも道義的にもこういうものの存在を許すべきでないというのがごうごうたる非難である。而もこの事柄はどの新聞もが一応やはり問題に取上げて書いておる。だから国税庁としても、そういう新聞を見たときに、一体こういうものの蔭には、多くそういう不正があるのではなかろうかどうかということを、気を付けて見ておられるかどうかということも、まあ問題ではありますが、いずれにしてもこういう事実に対して、国税庁は国税庁の立場から調査査察をして、そうして徹底的に国民の前に事の黒白を明白にしなければならないという考えからして、かねて国税庁のほうにもこの調査方をお願いをしておいたのでありますが、その調査がどのように現在運んでおるのか、まだそれに対しては調査をしていないというのか、先ず経過について一つ御説明を願いたいと思います。

忠佐市国税庁調査査察部長

○説明員(忠佐市君) 只今問題になりました聖十字学園に対しましては、カニエ委員から私どものほうへも貴重な御資料を頂きまして感謝いたしておる次第でございます。調査査察の仕事といたしまして、査察関係の事務につきましては、新聞紙等に散見されておりまする記録を一々注意して見守つておる次第でございますが、脱税犯検挙というような面から仕事をいたします場合には、相当の確信と証拠とを持つて実行に移るという段階になつておりますので、只今まで拝見いたしましたところでは、査察事件としては、これはまだ早いと、こういう見解を持つたわけでございます。従いまして一般的に納税者について調査をした上、課税をするというような職務を持つておりますところの、調査課の職員に一応調査をさせた次第でございます。その結果現われておりますところは、財団法人が不動産を取得いたしまして、それを転売したというようなことが表面にございますので、このような財団法人が不動産を臨時に取得しましたものを、又臨時に売却をする、これが課税の外にございまするので、経理の内容からいたしまして、いろいろと問題があることは、私も承知いたしておる次第でございますが、租税の面から調査に移る、或いは査察に移るということは、実は困難であると考えておる次第でございます。かように昭和二十五年以降におきましては、財団法人といえども、物品販売業、或いはその他の事業を行なつております場合には、その特定の事業について生じた収益には課税されるということに相成つておりまするが、不動産の臨時の売買、転売というものにつきましては、課税がされておりませんので、これはどちらかと言えば、個人がその間に関与いたしまして、相当の取得があつたというようなことで、役職員等に対する所得税の課税の問題に中心を移して行つたらどうかと、こういう内部の意向が一致いたしまして、只今はこの事件は調査査察部の手から直税部の手に移しまして、税務署を通じまして調査をすると、こういう段階になつております。只今承わりますところによりますれば、製罐工場の経営とか、或いはバザーの経営というようなお話がございまして、こういう事業に相成りますれば、たとえ財団法人が経営いたしておりましても、課税の問題に入るという余地がございまするので、これは又新らしい観点から調査対象を拡げるということを早速いたして見たいと思います。個人につきまして現在まで資料をとりましたところによりますれば、磯川義隆、義彦、この両名に対しまする点でございますが、二十五年、二十六年につきまして申告の提出はないという、こういう事実を一応確かめておる次第でございます。まあ所得の申告と申しましても、これは確定申告でございますから、源泉で俸給その他について課税をされておるという面以外についての申告はないということでございます。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 非常に今のまあお話を聞いておりますと、何か税務署の直税課のほうに移しまして、そうしてまあぽつりぽつりと調べて行くというようなふうに聞えるのですが、私はすでに国会で問題になりまして、小委員会でこれを掘下げて調査をするということに決定しておるということは、勿論これは先方も承知していることである。従つてあなたのほうが調査をぽつりぽつりとおやりになつておれば、勢いこの財団法人のあらゆる利権なりいろいろのものをこれは売払つて、どこかもう国税庁あたりの手には届かないようなところへ逐電してしまうというようなことも、当然我々としては窺われることであります。それから今言われた税務署のほうで調べたり、税金を払つておるとか、払つていないというようなことをおつしやいますが、勿論こういう悪い人間ですから、勤労者がまじめに税金を差つ引かれておるような勘定にはなつていないのですよ。又幾千万の巨額な、いわゆる不当取得をしておつても、国には税金を一銭も払わずにそうして横行しておるということは事実なんで、あなたがたのお調べがなくてもわかつておると思います。そこでこういうようなものを今言われたような形でやつておられれば、一体まじめな人の税金は取れるかどうか、こういうそのすばしこい悪党の税金は、ちつとも取れないということになつてしまうのじやないか、ということも考えられるのでありますが、そこで願わくば、そういう気の長いことをおつしやらずに、すぐに調査査察で一つ会議なり、或いは何なりを開いて適切な措置をして、強力に一つ調査をされるように願いたい。それからこれはもうすでに劈頭から委員会としてはどんどんと進行をして参りますので、そう長くは私のほうもお待ちしているわけに参りませんから、できるだけ早く委員会に御報告を願いたい、こういうことをお願いしておく次第でございます。

忠佐市国税庁調査査察部長

○説明員(忠佐市君) 先ほど申しましたように、国税庁の内部職制といたしまして、この事件を直税部所得税課を通じて、税務署を指導しながら早急に結論を出して御報告の段階に漕ぎつける、かようなことになつております。従いましてこれから帰りまして、担当官も今日は実は調査をやつておつた次第でございます。一部書類を調査いたしましたものが、行政監察委員からその書類を必要だというのでお渡しいたしまして、若干延びておりましたのですが、現に今日もその作業に従事しておりましたような次第でございまして、早急に結論を出して御報告申上げるようにいたしたい。その意向を関係の部局のほうに連絡いたしたいと思います。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 専門員のほうから何かこれについて、国税庁のほうにお願いしておかれるような点があれば、この際お気付きの点を述べておいてもらいたい、こう思います。

森荘三郎常任委員会専門員

○専門員(森荘三郎君) 只今カニエ委員からのお話で、専門員のほうから何か特にこの事件について意見があればということでありますが、どうかこれにつきましては、あなたは官吏として忠実に職務を執行して頂きたい。先ほどもお話がありましたが、昨年の十二月七日、この小委員会の席におきまして、あなたに対していろいろ委員のかたから質問があつた、そうしてそれに対する答えとして、「○政府委員(忠佐市君)国税庁にお話をお伝えいたしまして、しつかりした調査ができました上でいずれ委員会のほうへ御報告申上げる」……速記に明記してあるのです。先ほどあなたはこの席で、若しも委員会から御要求があれば報告をいたしますと言われましたが、これなんかは明らかにあなたの間違いであります。すでに私も国会の職員といたしまして、委員会の御決定或いは御要求などについては、あなたのほうへときどき御連絡することも多いだろうと思う。昨日あなたがなされたところの態度、先ず正しい人のなす態度ではないと思う。そのことを一言あなたに忠告いたしておきます。今後そういうことのないように……。

忠佐市国税庁調査査察部長

○説明員(忠佐市君) ちよつと弁解させて頂きたいと思います。先ほど申上げましたのは、これは弁解のようで甚だ恐縮でございますが、中間段階において、私どものまだ十分に確信のつかない報告は出ているけれども……従いましてそのようなものでも御要求になりますれば、こういう趣旨のことを申上げたつもりでございまして、確信のあるしつかりした御報告をするということについて日を重ねておりますことを恐縮に存じますが、一応そういう意味で申上げたつもりでございます。それから昨日、部内のことで甚だ恐縮でございますが、関東信越国税局に過去一週間参つて総合視察をいたした次第でございます。それで昨日は公表する段階になつておりましたが、これは連日十時前後まで関係部内で協議を遂げまして、それを昨日午前中更に最終討議を行うので即刻関東信越国税局に参つて公表すると、こういう段階になつておりました。それで実はこれは国税庁国税局を通ずる根本的の重大な問題でございまして、如何に公表の案文を取りまとめるかということについて相当実は微力ながら苦労をいたしておつたような次第でございまして、そのために実は当日は国税庁に私はおらないものとして、誠心案文のほうに力を打込んでおつたような次第でございますので、従つでそのことを私がそういう事情で直接に申上げかねますので、当該担当官にそのことを御連絡したいと、こういう次第でございまして、その点行届かない点がございましたかも知れませんが、御了解を願いたいと考えます。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 本件については今専門員のほうからも言われた通り、我々国会としては、やはり他の仕事もたくさん持つておつて、而も国会の仕事というものはあなたがたの仕事のように年百年中やつておるのでなく、会期の間に短時日の間に結論をつけねばならないという仕事を持つておるのですから、従つていろいろ事情もありましようけれども、いやしくも国会が要求し、又国会が審議のために必要な書類の提出等をなし、或いは連絡をした場合においては、速かにやはりやつて頂かなければ国会としても困るので、今の点においてもいろいろ連絡上手違いがあつて甚だ遺憾であつたということであれば、それで事は終いだというようなお考えにならずに、今後とも一つ十二分に専門員のほうから注意があつたこともありますが、なお一層私からも注意をいたしておきますから、十二分に一つ留意して頂きたい、こう思います。

岩男仁藏国民民主党

○委員長(岩男仁藏君) それではさつき議題にいたしました点について一つ……。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 それでは国税庁の質疑はこれで打切りまして、議案になつております三百三から三百二十三までの国有財産の貸付料及び売渡代金の収納に関する会計検査院からの説明を、まだだと思いますので一応願いたいと思います。

小峰保榮会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(小峰保榮君) 只今議題になりました三百三号以下の案件につきまして一応御説明を申上げます。  ここにたくさん表にいたしまして並べましたのは、国有財産の貸付料、売渡代金等の収納処置が当を得ないという案件であります。年々歳々この種の案件がたくさん出ておりますが、未だに相当多いのは甚だ遺憾であります。各財務部におきます国有財産関係の収入の収納状況を見ますと、徴収決定済額が三十六億余万円でありますが、これに対しまして、収納未済額が七億六千八百余万円、二割以上に当つております。このほかに会計検査院の検査で判明いたしました徴収決定の手続さえとつていないというものが五千数百万円あるわけであります。大体御承知かと思いますが、国有財産の貸付料は前に納めるとか、或いは売払代は前に納める、貸付料は毎年定期に納めさせるというのが原則でありますが、長い間とつておいたというのがここに溜まつておるのであります。一つ一つ申上げるのは如何かと思いますが、この貸付料の中で特に大きいのは広島財務部の元呉海軍工廠の貸付料であります。これが合計で三千百数十万円という金額になつております。それからその次に大きいのが三百十二号の佐世保の元海軍工廠、これが千三百四十数万円ということになつております。海軍工廠は非常に広い設備を持つておりますが、貸付料はどこも徴収成績がよくない。第三番目が舞鶴の海軍工廠であります。  それから売渡代金、これもたくさんここに並んでおりますが、この中で一番大きいのは裏に書いてあります三百二十号、大阪鉄鋼線工業株式会社に売りました元広島第十一海軍工廠、これの工員宿舎でありますが、九百十九万円、これが収納未済になつております。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 私はこの間ちよつと休会中に広島を調査に行つたのですが、そのときに今の三百二十号の広島の呉市仁方町にある工作物、大阪鉄鋼線工業株式会社、これに売払つたものはその後金をくれないので契約を解除した、こう言つておつたのですが、その後の経過はどうなつているのか、財務局のほうから一応御説明を願いたいと思うのですが、大蔵省来ているでしようか。

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) 只今のカニエ委員からお話のは三百二十号かと存じますが、これについてはまだ我々のほうには、契約は解除したという段階にはなつておりますけれども、まだ徴収にはなつておらんというふうな報告になつております。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 これは一応留保いたしまして、広島局のほうから局長でも呼びましてよくその他の案件もありますから、重ねて委員会で聞きたいと思つております。そこでまあそういう手続に関しては委員長にお任せをしておくといたしまして、私の聞きました範囲ではこの会社が非常に悪質なものであつて、国に代金も払わない、賃料も納めない、のみならず現地としては非常に当惑をいたしました結果、その建物を売却を解除して、そうして解除した部分を適当な措置で他に売つている。ところが買受けた人がそれを取壊しに行きますと、たまたまその土地がこの大阪鉄鋼線工業株式会社が借りておつて専有をしている土地であるから、その上に立つている国の建物を売つても、それの取壊し等に関してはいろいろと地上権を楯にとつて妨害をする、従つて建物を売ることも困難な状態にあり、さりとてそのまま置いておけば、盗難或いは風水等の災害のために逐年悪くはなつて行くし、といつて買う者があつてもそういうようなことでなかなか買手もない。たまに売ればこんな結果で非常に困つている。こういうような実情であるということのように考えられたのですが、こういういわゆる国有財産の処理に対しては、やはり適当に法務府なら法務府を呼びまして、いろいろ法律上の研究もさして、速かに処理をしなければならないと思うのですが、検査院のほうでは今一体私が述べたような実情にあるのですか。こういうようなものが他に幾つもあるのかどうかということ、それからこういう事態になつたときには一体どういうように措置をせしめるかというような点について一つお考えがあればこの際参考までに聞いておきたいと思うのです。

小峰保榮会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(小峰保榮君) 三百二十号の呉の仁方の国有財産でありますが、これは検査報告を掲載いたしますときに関係姉妹会社と申しますか、姉妹会社の関西製鋼所と申しましてここに貸しているというような事々も実はわかつていたのであります。私ども批難するとぎには最も悪質なる案件がこの一枚の表になりますと至つて簡単でありますが、この中には特に質の悪いものという判断でここに掲載した次第であります。ほかには国有財産は御承知のようにいろいろ食い物にはなりますが、あとへ非常な糸を引いて処理に困るというようなものはそうたくさんはないと思つております、検査上も……。わかりましたのはそうたくさんはないのでありまして、これなんかは異例に属するものであります。それからこういうものが出た場合に、検査院としてどう処置するかというお話でございますが、実はこれはもうカニエさんよく御承知の通り、会計検査院としてはこれ以上検査院の力でどうするという力は現在の制度では与えられていないのでありまして、見付けますと事実をありのままに国会に御報告する、先ほどの聖十字学園でもそうでございます。それからいろいろ大きな問題になりました二重煙突の問題も両方とも私の局で実は見付けまして検査報告に掲載しました結果ここでお取上げになりましてあれだけの大きな問題になつたのであります。あれだけのことを実は検査院としては現在の力ではいたしかねるのであります。この席上でお取上げになりまして国会の力でやつて頂くほかは現在ではないと思うのであります。この案件につきましても甚だ私どもとしましては残念でありますけれども、これ以上何ともいたしかたがない、国会のほうで適宜の処理をやつて頂くほかは私どもとしては甚だ残念でありますが、それ以上何とも仕方がないのであります。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 只今第四局長小峰氏から答弁があつたことはこれは尤もだろうと思います。従つてこういう悪質な、いわゆるものに対して恐らくやこれは国税局としても持て余しておるのではなかろうかというようなことも推測されるので、やはりこういう問題については適当に考えて結論を与えるということは国会以外にはないと思うので、従つて現地の事情等を詳しく委員会で聴取をいたしました結果速かに処理のでき得るような結論を出したいと、こう思つておりますから、先ほども申しました通り、一応広島県関係のものも他にありますから両方いたしまして現地から参考人その他の方法で呼出して聞く、こういうことでどうかと思います。なおその時期或いは方法等については委員長において適宜お計らいを願えれば結構だと思つております。それからその他のものについて大蔵省としてはその後の収納の状態について一つ御説明を願いたいと思います。恐らくやこの批難に載つておりまするものは相当時期としては古いのでありますから、現在では恐らく全部回収がついておるというように我々は考えておるのでありますが、なおあなたのほうで回収ができないというものがどれだけあるか、ここに御説明を願つて、同時にその回収が不能であるというところの一つ原因についても重ねて御説明を願いたいと思うのであります

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) 三百三号から申上げます。三百三号の関東工業株式会社、この点につきましては、こういうふうに取立方を依頼しまして調定和解をいたしました。それでその結果四回に分納して納めるということに相成りました。第一回は昭和二十六年の七月の末までに百万円納める、三百九十四万円強でございますが、そのうちの百万円を二十六年七月末までに納めるということになつておりまして、これは第一回分は八月の四日に収納済になりました。それから第二回としては五十万円を二十七年の三月の末までに納めるということにきめました。第三回は百万円を二十八年の三月末までに、第四回は残金全部を二十九年の三月の末までに納めるということで二回以降からは厳重に取立てたいと考えております。  三百四号の件でございますが、この件については本年の四月の三十日に全部収納いたしました。これは全部済みました。三百五号の片倉工業株式会社、この件については昭和二十五年の四月の末に全部収納いたしました。三百六号の農村時計製作所、これについては本年の三月の末までに九十万何がしかのうちの五十五万二千百二十四円を収納いたしまして、まだ残額が未納でございますが、これについて今督促中でございます。三百七号石川島重工業ですが、これについては本年の三月末に全部収納を終りました。  三百八号の飯野産業、先ほどお話のありました軍港の造船所の転換工場の一つである飯野産業でございます。これについては二十六年の四月の末に収納を了しました。三百九号もこれも軍港の造船所の一つの呉の播磨造船所でございます。これについては会社といろいろ折衝を続けております。実はこれは呉だけではなく、舞鶴の飯野産業或いは佐世保の佐世保船舶工業或いは呉の播磨造船所この三つに関係することでございますが、この三つについてはスキヤツプの指示によりまして、非常に厳重な造船活動の制限を受けておりまして、経営内容は必ずしも我々から見ましても思わしくないというふうに思つております。そのために交渉も非常に難航を続けておりまして、これはまだ全部完納するまでには至つておりません。只今話のついておりますのは、ここに掲げてございます三千百四十五万八千六百九十四円の未納については本年の四月、五月、六月、七月、これの分としてこの間は二百五十万円ずつ、八月、九月、十月は四百万円ずつ、十一月、十二月、来年の一月、二月、三月、この五カ月は六百万円ずつということで只今使用料を納めるという約束が整いまして、我々が現在受けております報告では十月の末までの分は徴収が完了しております。あと十一月以降の分としては取つておるのではないかと思います。まだ報告を受けておりません。従つてまだ若干未納が残つておるということに相成つております。経営内容もだんだん改善されておるようでございますから、近く納入されるというふうに思つております。次に三百十号の日本セルローズ工業株式会社、これは昨年の十二月十四日に全額収納いたしました。  次の三百十一号水野造船所でございます。これについては本年の八月の末に五百五十一万五千三百三十三円のうち二百万円を収納いたしまして、残額については十一月の末と明年の二十七年の三月末、この二回に分割して納入するという約束になつておりますが、八月の分まで二百万円収納が了したということで十一月末と、それから三月の末の分はまだ報告に接しておりません。これも追々入ることと存じております。次の三百十二号の佐世保船舶工業株式会社、これは昭和二十五年の十二月の末に全額収納いたしました。貸付料のほうは以上のようなふうになつております。  次に売渡代金でございますが、これについては三百十三号東京鉄道局、これは二十五年の四月に全額収納いたしました。次の三百十四号、この韓国人厚生協会でございますが、これについては百十一万九千四百六十円のうちで、四十万円、今入つたところでございます。あとはまだ納入されるに至つておりません。法務府に取立を依頼して、厳重に取立てようかということを目下考えておりますが、実はこの団体が朝鮮動乱の関係で、本国との関係が思わしく行きませんで、厚生援助資金がなかなか入らないというような関係で、法務府に取立を依頼するというところまで行きませんでおりましたところ、十二月の末までには完納するからという約束をしておりますが、これまだ残額について約束をしておるという段階で、まだ完納されるに至つておりません。三百十五号の高岡市宮本某でございますが、これについては法務府から訴訟を提起いたしまして、訴訟には勝つたのでございますが、現在まで契約保証金が二十万円入つている。そのほかに四十万五千四百円を収納したという段階で、あとまだ現金は収納するに至つておりません。次の三百十六号、中部経済新聞社、これについては本年の三月の末に金額収納いたしました。次の三百十七号、これについても三月の二十九日に金額収納いたしました。次の三百十八号、この東海大学でございますが、これについては実は国会へ説明書として提出いたしました段階以上にまだ進んでおりません。これについては東海大学が外地引揚者の集まつた学校で、場所も余りよくない関係上、非常に経営が苦しくて、なかなか現在の段階では、この金額を近い将来に納められるかどうか、どうも我々苦慮しておりますけれども、今のところ納まつておりませんし、将来東海大学の経営内容がよくなつて納まるかどうか、この点実は残念ですが、疑問に思つております。  次の三百十九号、中部日本新聞社、これは二十六年の四月の末に金額収納いたしました。次の三百二十号、今お話の出ました分については、契約を解除して、未納の使用料については督促中でございますが、只今カニエ委員からのお話のあつたようなことが実情でございまして、我々のほうも非常に苦慮しておる次第で、まだ入つておりません。それから三百二十一号の水野造船所、これについては、浮ドツクについては、これは二つに分れておりますが、浮ドツクと船と。浮ドツクについては契約を解除いたしました。次に船舶のほうの分については、これは売払代金で本年の三月十四日に収納を了しました。次の三百二十二号、株式会社中本製材所、これについては本年の六月の十一日に全額収納いたしました。最後の三百二十三号の川南工業、これについては昨年の二十五年の八月の四日に全額収納いたしました。  以上のような状況になつております。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 第三百三号から三百二十三号までの中で、貸付の分で今御報告になつた状態のほかに、その後におけるところの賃料は滞つているのか、それは収納をしてなおこれが焦げ付きとして残つているのか、その点はどうなんですか。

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) 只今の御質問のありました分については、この検査報告に出ております分については、只今お話申上げました通り、収納したものがかなりございますが、未納の分も若干ございます。それでその後の分については、特に大きな軍港を転換した造船会社、こういうようなものについては未だ若干遅れがちでございます。それでこの中では将来佐世保船舶工業、或いは播磨造船所なんかは割合いいのではないかと思つておりますが、三百八号に出ております飯野産業、これについては非常に立地条件が悪く、仕事がないように思われます。これについては、やはりかなりこの三つの中では滞るところがどうも将来も多少多いのじやないかというふうに考えております。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 結局ですね。今お聞きしたのは、批難として出て来ている未収金が、仮に整理されておつてもですね、その後に又次から次へと焦げ付きのような形でお代りができて来れば、我々としては何もならんことになるので、整理ということはそのときで線を引いて、それ以前の焦げ付きに対してはどうであるか。それから、これから進行しつつある貸金に対しては、当然これはもらう、こういう行き方でなければ、前に貸したやつの焦げ付きば逐次もらうけれども、併しながらそれをもらつただけで、あとの貸金で遅れがちになつて来るということになれは、結局において少しもあなたがたが努力をされていないということになつてしまうのです、結果としては……。そういうものに対して一体見込がないというものについては、やはり何らかの方法を考えて、契約を解除するとか、或いは他の支払能力のあるものに貸付けるとか何とか考えなければしようがないと思うので、この点は一つ十二分に注意されまして、又ぞろ次年度の御報告に又同じようなことの出ないように、一つ考えて頂きたい、こう思います。

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) 只今お話のありました検査報告に挙つたものについては、順々に納入されても、あとの分が滞つては仕方がない。それから契約解除その他方法を考えろというお話のように承わりました。これについては我々のほうも又できるだけ努力しておりまして、小さな余り社会的影響のないようなものについては契約解除をする、或いは相手方は誠意なしに使用しておつて支払わないというようなものについては、契約解除するなり、その他強硬手段を講ずべきであるというふうに考えて、そういうふうに措置いたしたいと思います。それからかなり契約解除、或いは経営者の更迭というようなことをやると、社会的影響が多いのではないかというふうに思われるものについては、我々としてはできるだけ貸付の範囲を、貸付料そのものが無理なのではないかというような、無理だということは余計に借り過ぎている例もあるかと思います。そういうようなものについてはできるだけ整理をして貸付の範囲を縮小して行く。例えば機械を四千台借りておつても、三千台で間に合うのではないかと思われれば、一千台は貸さんというような方向で、幾らかでも貸付の範囲を縮小して行くというような方向と、それから経営内容が改善するようにいろんな面で我々のできることはしてやるというような方向で解決いたしたいというふうに思つております。

岩男仁藏国民民主党

○委員長(岩男仁藏君) それでは次は三百二十四号から六百二十八号を一括して上程いたします。そのうちでちよつと問題になつている三百二十七号について専門員より調査の結果を報告願います。

森荘三郎常任委員会専門員

○専門員(森荘三郎君) 先ず事件の内容は、大体検査院の検査報告に簡単に記されてありまするが、なお又それに対する当局からの答弁は極めて簡単に出ておりまする。これにつきまして調査いたしましたことを簡単に申上げたいと思いまする。ここに元飛行機救難艇であつたところの垂水丸、それから千三百三十三号というこの二艘の船がありまして、これは船の型からいいましても細長い型のもので、貨客船、即ち貨物と旅客とを乗せるのに都合よくできておりまするが、純粋の貨物船として使用するのには都合の悪い恰好にできておりまする。昭和二十二年に関係方面から旧軍用艇は民間に払下を命ぜられましたので、全国にこういう多数の船をそれぞれの地方の財務部が評価をしまして、それを大蔵省へ持ち寄りまして、本省で統一をするというような方針をとられたように聞いております。当時この二艘の船は未完成の船でありまして、一艘は佐世保で半沈、半分沈んだ状態にあり、他の一艘は別府で全沈、全く沈んでしまつておつた状態にありましたので、同じトン数の船でありながら、この二艘の船の値打は別紙に記しました通り、一方は百三、四十万円、他方はただの三、四十万円というほど値打の違つたものであつたのであります。これを昭和二十二年の十二月に競争入札に付しましたとき、九州商船会社が一艘には約三倍も、それから他の一艘には約十一倍以上の入札をしたのでありました。これを払下の予定価格に比べましても又二番札を入れましたところの藤山海運会社と、青木石油会社の入札価格に比べましても非常な差のあることは明らかであります。入札の状況を見ますると、垂水丸が予定価格百三十万円ばかり、これに対して一番札の九州商船が三百七十何方、二番札が百五十万円、三番札が百二十万円、それから千三百三十三号の船は予定価格が三十三万円、これに対して一番札の九州商船が三百六十万円余り、二番札は僅か三十万円、三番札はもう誰もない、こういうような状態で入札されたのでありました。然るに当時関係方面ではこれを貨客船に使用することを許さなかつたものでありまするから、そこで契約が解除になりまして、改めて貨物船として随意契約、この随意契約にいたしましたわけは、九州商船が一時使用を許された形になつてその船を、沈没しておりました船で而も未完成の船であつたというわけで、それを改造をしておりました関係上縁故者というわけで、法律の規定によつて随意契約が許されまして、そうして遂に一方は百四十二万円、他方は四十三万円というまあ相当な価格で売買契約が成立したのであります。最初なぜ九州商船が意外にも高い値段で入札をしたかという点が問題になると思いますが、それは当時日本の船は戦災のために非常に払底しておりましたこと、又当時関係方面の意向で客船の新造は絶対に許されなかつたということ、それから又五島方面の航路はこの頃は全く杜絶しておりまして、その交通路に当る町村の人々は生活上にも産業の上、即ち農産物や水産物の販売のためにも船の交通が絶えているので非常に困難を訴えて、九州商船会社にその航路を再開してくれるように強く要求をした。この要求は実に強い要求であつたようであります。元来この方面の航路は九州商船が古くから独占しておるような事実関係にありますので、会社としましてはお客様に対する関係上如何なる犠牲を払つても貨客船を手に入れて航路を開くことを商売気を離れた社会的の義務と考えておつたようであります。それで会社は右のような思いもよらない高い値段を入札しまして船を手に入れようとしたのでありました。後になりまして二十三年の九月に随意契約で買入れましたときの値を見ますると、前の予定価格に比べますると、垂水丸は一・〇九倍、即ち九分増、千三百三十三号の船のほうは一・三〇倍、言い換えれば三割増でありまして、先ずこれならば一応相当な値ではないかと思われまするが、そのわけはほかの会社が競争入札のときに入れました二番札と比べましてもわかりまするし、又その当時これらの船以外の船で売買されましたその実例をそこに一、二聞込んだものを記しておきましたが、例えば九州郵船会社、これは九州商船会社の姉妹会社であるように聞いておりますが、この会社が買入れました二艘の船がいずれも予定価格に比べまして一・一二倍、即ち一割二分増で落札をしておるのであります。なお話は変りますが、後になりましてこの船を貨客船として使用してもよろしいということがGHQから許可されたので、ありまするが、それはこの会社だけがプライベートにひそかに運動をしたとかいう関係からではないのでありまして、ほかの会社と共に運輸省に願い出まして、運輸省を通してほかの会社の船と一緒にGHQから許可を得たのであります。そうしてこの船は貨客船として必要な設備を備えまして、国庫からも補助を受け、長崎県からも補助を受けて、現に五島方面の指定航路に就行しておるわけであります。この船の売却に関しまして検査院の検査報告を見ますると、条件違反、即ち貨物船として使う条件であつて貨客船には使えないという条件で払下げたのだから、この条件に違反しておるという理由で解約せよという意見を出しておられます。併し最近聞くところによりますると、政府当局から法務府の見解を求められましたところ、法務府では条件違反で解約はできないという見解を与えられたということでありまするが、これはどうか当局から御説明を願いたいと思います。  なお最後に附加えて申上げまするが、解約をせよという意見がどういうところからでありましようか、世間に聞えましたので、五島方面の人々がそれはこの地方の生活問題であり、産業上の大問題だというようなわけで、長崎県の南松浦郡の町村会会長野村氏ほか九十四名から本年の十月一日附で陳情書が決算委員長宛で参つております。  以上甚だ簡単でございますが、一応の事情を申上げました。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 会計検査院で批難事項とした理由をもう少し御説明願いたいと思います。

小峰保榮会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(小峰保榮君) 只今三百二十七号につきまして専門員のかたから細かい調査の結果の御報告がありました。私どもいろいろ教えられるところが多い内容を持つたものでありますが、結論としては御同意しかねる面が多いようであります。甚だ失礼でありますが、要点だけにつきまして会計検査院の見るところを申上げたいと思います。大体この案件は先ほどの御説明にもございました通り、一体この二隻で百八十六万円、随意契約で売りましたこの価格が適当かどうか、これが先ず第一点だろうと思います。それから入札が当初これの数倍の七百四十五万円、こういう入札をいたしまして、今の百八十六万円を七百四十五万円で買いましよう、こういう入札をいたしまして、それが一応有効に成立したのであります。その後にいろいろな理由をつけまして、その高い入札を破棄いたしまして、そうしてそれを大蔵省独特の計算をいたしまして百八十六万円という四分一ぐらいの値段で売つたのであります。結局この当初の七百四十五万円という入札が高く入れ過ぎたということを現在になりますとこの九州商船でも言つているのであります。それを先ほど専門員は全面的にお取上げのように伺つたのであります。この点は後ほど申上げます。それから会計検査院が契約違反だから解除すべきじやないか、これに対しまして、法務府の見解が解除はできない、こういう御紹介がありました。会計検査院といたしましては解除すべきじやないかという点で一応打切つたのであります。実は検査院もこれを解除しまして取上げたところで国がどうというものでもありませんし、それから五島の方面のかたがたがお困りのことも重々わかります。併し一応解除の手続をとつたらどうか、こういう意味であります。そして値段を公正にやり直したらどうか、こういう趣旨でありまして、それを解除と書きましたがあとのことは書かなかつただけの話であります。私どもとしてはこの船を国が取つたところで国が使えるものでもございませんし、結局貨客船として改造したものでありまして、あそこの定期航路に都合のいいように改造して就航いたしておるものであります、決して住民の足までとめるということまでやるつもりはございません。解除から先のことにつきましては、これは何らの法律上の根拠もないのでありますから、そこまでは書かなかつただけであります。それは後ほど御説明いたしますが、あらかじめ申上げておきます。それから予定価格より一二割高く落ちておる。こういうことを専門員がお挙げになつておるが、実例というのは多分これは国の売払いだろうと思います。大蔵省関係の船の売払の予定価格が安いということは後ほど申上げますが、これが安い予定価格より一、二割落ちたということは、何らこの価格が正当だということの根拠に私はならんと思います。これだけ申上げまして、大体まず第一にこの価格の一体百八十万円が相当かどうか、これを御説明したいと思います。これの根拠になりました船舶は新造価格が実は根拠になつております。大蔵省のほうの新造船価というのは、当時若しこの船を造りましたら幾らでできるかということが根拠になつておるのであります。当時の船価というものは、先ほど専門員からも御紹介がありましたように、客船というものは一切新造中止であります。売買実例というようなものもないのでありますが、一体船価が幾らぐらいだろうかという基本になる資料があるのであります。それは昭和十六年の船価というものを一にいたしまして、昭和二十二、三年というものが一体何倍ぐらいになるか、これの見方は大蔵省の見方と世の中の実際とは根本的に実は違つていたのであります。ここに非常に大きな差が出た原因があるのであります。これは二十三年度の検査報告でも非常に詳細な批難報告を出しましたが、大蔵省の船の売り方の値段が非常に安い、現状を無視した値段で売つておるということを、二十三年度に全貌を掲げて批難しております。垂水丸を一隻売りました当時は昭和十六年に比べまして九倍というのが大蔵のとつた標準であります。ところが船舶関係の専門であります運輸省のほうで船価指数調査というものをやつておりまして、これによりますと実に七十一倍なのであります。運輸省のほうでは昭和十六年に比べまして昭和二十三年というものは七十一倍ということを御調査になつておる。ところが国有財産を取扱う大蔵省ではこれを九倍ということにしておる。ここに非常に大きな差が出て来る根本があります。その頃は一切新造は許されておりませんが、仮に新造いたすといたしますと、二隻ともそれぞれ三千万円以上かかる船であります。当時これは先ほど申しましたように、新造ということは許されませんでしたが、貨物船の新造はやつております。その貨物船の新造に比較になるのでありますが、トン当り十万円以上はかかる船であります。小さい船でありますから、何千トンというような大型の船の建造単位とは比較にならんのでありますが、大体私ども実は十五万円という資料を持つております。十五万円というのも、少し強いかも知れませんが、少くともトン当り十万円以上は仮に新造いたしますとかかるのでありますから、それを裏書する資料といたしまして、これはこの契約をいたします当時、すでに三菱の長崎造船所に入れまして、貨客船として改造実施中であります。これの改造費に千六百万円かかつているのであります。これは九州商船が三菱に支払つた金でありまして、全然仮定の計算の数字ではございません。ちよつとお考え願いましてもわかりますが、修繕いたしまして客船にすると千六百万円かかる船の本体、それは一部未完成の分もありましたし、半分沈没しておつたというような哀れな状態ではありましたが、ともかくも船の母体を直したものであります。それが一体、改造するために千六百万円もかかる時代に、船が百八十万円、これが正しいということは、どうも私どもも実は納得しかねるのであります。まあそういうことは余談になりますが、御参考に供しておきます。それから当初の七百数十万円、七百四十五万円という入札が、これは二隻で差がございますが、ともかく合計いたしますと七百四十五万円という札を入れたのであります。そして落ちたのでありますが、これが是非欲しいとか、いろいろな関係があつたので不当に高い値段を入れたのであります。こういうことを当事者は言つておるようでありまして、陳情書にもそれが出ているようであります。私は実はそうは思わないのであります。これは先ほど申上げましたように、新造いたしますと六千万円もどうもかかりそうな船であります。貨物船を造りましてもそれに近い金が当時かかつたのであります。客船は御承知のように、貨物船よりは内部の設備なんかで大分高くかかります。従つて客船でも十万円近くトン当りかかつた時代であります。それでどうも六千万円以上にはなりそうな計算が出るのでありますが、それを七百万円、少し沈んでおつたりなんかしておつたのでありますが、七百数十万円という入札は、これはどうも入れ過ぎたんだ、高く入れ過ぎたんだということには私はならんと思う。現在でもいろいろ調査の結果なり、或いは陳情も十分伺いまして書類を拝見いたしましたが、どうも私は、未だに七百何十万円という入札は高過ぎたのだ、こういうふうな印象は実は得ておらないのであります。それからほかの実例、当局者の作りました予定価格の数倍になつているという入札が、七百数十万円という入札が高過ぎたのだ、例えば二番との間に非常に差があるのであります。ですが、これは恐らくは、そう申すのは甚だ失礼でありますが、大蔵省の予定価格というものは、民間の専門家はみんな知つていたろうと思います。当時の情勢といたしまして。それでそういう高い値段を入れなくても落ちるのであります。ほかでたくさん安い入札なり随意契約で買つているのであります。そういう民間で、いわば商売でお買いになるかたが、そのくらいの事情を御存じないことは私ないと思います。そうしますと、役人の作る予定価格というものは少し外に漏れてしまうというのは、これがそうだとは決して申しませんが、一般にそういうことが言われておるようでありますが、これだけが漏れなかつたということは私はないのじやないか。そういたしますと、当時官で作りました百何万円とか、二隻合せまして百何万円というような予定価格が正常だつたという前提の下に議論を進めて行くことは実はどうかと思うのでありまして、私どもはこれは非常に当時の船の値段、社会情勢というものを無視した不当に安い予定価格だというふうに実は了解しております。それは二十五年度の検査院の船舶売払に対する全般に対する批難に対しまして、先ほど申上げましたように九倍とか、七十倍というような数字を実は批難したのでありますが、大蔵省はその後本院のあれに従いまして値上げしておられます。現在ではたしか百倍、これで売れなくなつた、弱つた弱つたということを仰せになるのであります。いいものは先にどんどん安く売つてしまつて、あとへ残つたのは悪い船だ、悪い船が残つた頃になつて上げた、これはまあ悪意があつてしたわけではないのでありますが、結果から見るとそういうことになるのでありまして、売りにくいのは当り前の話でありまして、百倍は高過ぎるから売れないというふうには私どもは見ておりません。このくらいを申上げますと、大体この案件についての会計検査院の考えが或いはおわかりになると思います。  それからもう一点、解除の点について法務府の見解も出たようであります。御参考に申上げておきますが、この解除は、検査院がここにも実は、売渡条件違反として解除すべきものと認め注意した、云々とありますが、これは先ほど冒頭に申上げましたように、決してまあここでお終いにしちやう、船を取つてしまえというふうには考えておりません。今のようないきさつがありまして、七百数十万円という入札をしたものを、如何なる事情があつても百何十万円で売るということはないじやないか、これが前提となつておりまして、実はもう少し高い金を取つて欲しいのであります。そういう前提として、解除ということを持ち出したのでありますが、これは法務府がどういう御見解で解除できないと仰せになるのでありますか、私ども実はわからないのであります。これは契約書の正本を持つておりますが、契約書の条項といたしまして、はつきり、貨客運搬船としての使用は認めない、こう書いてある。これは特に一項を加えた契約書がここにございます。ところが国有財産法の第二十九条で、用途指定の売払というのがございます。本件は用途指定売払に当るわけでありますが、これは国有財産法を読みますと、三十条で指定の用途に供さない場合は、契約を解除することができる、こういうことが国有財産法できまつております。それで私どもといたしましては、正常な価格を追徴して頂く前提として、先ずこの契約条項、これは文書にはつきり現われている、向うが出しておる書類であります。これは今申上げましたように、旅客運搬船としての使用は認めない、こう書いてあるわけです。この条項によりまして、一応国有財産法の二十九条によつて売つたものであります。ですから三十条によりまして解除の段階に話を進めるべきじやないか、勿論これは先ほども申上げました通り取つてしまえ、国が使えということではありませんが、一応その段階に進んでともかくも七百数十万円という入札をするときと同じ状態になつたわけであります。GHQの指令によりまして、七百数十万円の入札をしたときに、貨客船として使うのはいかんということになつたのであります。それで、今申しましたように旅客運搬船としての使用を認めないという条件をつけたのでありまして、これがなくなつたわけであります。そういたしますと、七百数十万円という入札をした当時の状態に戻つたわけでありまして、そうしたら一体その七百数十万円の入札というものをもう一遍思い出して見たらどうか、正常な値段、当事者が入れた値段というものをもう一遍思い出して、もう少しいい値に直したらどうか、こういう趣旨で実は批難したような次第であります。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 大蔵省のほうの説明も聞きたいと思います。

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) 本件につきましては大蔵省といたしましては、只今小峰先生から御説明のありました事実の通りだというふうに我々思つております。それで我々としては一旦GHQから禁ぜられて、客船にすることを禁ぜられているという状況になつておりますもので、客船として売払うことは適当ではない、又国が売渡す場合にGHQから禁ぜられているのに条件もつけずに売るのはどうかというふうに思われますので、客船としないような条件をつけております。それで売払いましたところ、その後いろいろ運輸省として運動の結果、結局客船とすることが許可になつたということで、売払つた暫らく後において又客船として改造を許可されまして、それで現在は長崎、五島間に就航して運航中であります。この件について我々といたしましては、会計検査院から契約を解除したらどうかというふうに指摘せられましたけれども、そのとき実は我々もいろいろ苦慮した次第でありまするが、その結果説明書に掲げましたことは、非常に簡単な説明書になつてしまいました。慎重に考慮中であるというような程度のものになつてしまつたわけでございます。その後直ちに法務府のほうにも相談を持ちかけまして、五月の中旬に法務府へこういうような会計検査院の見解であるが、契約解除ということが果して適当なのかどうかということを照会いたしました。それで口頭で法務府のほうから契約解除はできないという回答を得ましたけれども、口頭では工合が悪いと思いまして、文書をお願いいたしまして公文書で回答を求めましたところ、やはり口頭で得た結論と同じ回答が参りました。それで我我としては契約解除ということはできないというふうに考えております。  それから只今この契約解除云々とは一応別に会計検査院のほうからお話のございました船の価格の点でございますが、これについてはこの当時は丁度インフレーシヨンの進行期であつたかというふうに我々思つております。それで昭和十六年を一といたしまして、九という船価指数をとつたということ、これについては只今検査院からもお話のありました通り、この前の二十三年度の検査報告ではいろいろ船価指数の点について指摘を受けまして、我我のほうでも同時に並行して検討を加えておりましたが、現在は改訂をしておりますけれども、約百に近い指数に直しております。そのときは丁度この売払つたときは九であつた、この指数は若干時期のズレから低かつたのじやないかということは言えるかと思いますが、これについては当時の船舶の状況とそれからインフレーシヨンの状況で現在は、いつであるか、どのくらいであるかというようなことはなかなか我々としても掴みにくかつたというような関係、それから又インフレがぽんぽんと進行するためにそのあとをすぐ追つかけてどんどんどんどん上げて行つていいかというような、インフレというものは進行するとも限らず、下がるかも知れん、それをどんどんどんどん上げて行つていいかというような問題もありますので、我々のほうで採用しております物価指数というのは若干遅れ気味であるというのは、これはインフレーシヨンが遅れ気味であるということは否定できないというふうに思つておりますけれども、この指数は当時の貨物船のものとしては、我々、全国大体これでやつておりまして、その結果から見て止むを得ないのじやなかつたかというふうに我々考えておる次第でございます。それから予定価格が漏れるとそのためにほかの場合においても、或いはこの場合においても、二番札以下が割合大蔵省のきめた値段と大差ない値段に出ておるのであるというようなお話もございましたけれども、我々予定価格が漏れるというようなことはこれは我々としてはないと信じております。ただ船を、或いはほかの物件でも、売ります場合、同じような種類の物件が幾つかございますから、これを順々に売つて行く場合において、予定価格が大体この辺であろうという推定は業者の間においてなし得るかも知れないというふうに考えております。それから最初にちよつと申上げましたけれども、契約解除をするかどうかという点について法務府の見解等も申上げましたけれども、我々も法務府に間合せる前に同じような見解で考えるのが妥当ではないか、というふうに我々自身考えておりまして、法務府に相談した次第でございます。この法律的な見解のほかに、我々としては長崎、五島間に就航している船、而もこの指定航路に就航中であつて、いろいろ国庫からの補助金を受けて、大体あの辺の航路としては唯一の船であるというふうに我々承知しておりましたので、実はこの処置について極めて慎重を期したために、検査報告が、説明書が簡単になり、それから又我々としては爾後かなり時間を要した次第でございます。現在の段階では我々は少くとも契約解除はできないというふうに考えております。で他に又今のいろいろな問題が、検査院御指摘の値段が低いというような関係からいろいろ問題があれば、それは別ではないかというふうに思つております。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 御説明はよくわかりましたが、二十三年九月に随意契約をしたときにはどういう理由ですか。

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) 随意契約をいたしましたのは、九州商船株式会社がこの船について縁故者であるという理由でございます。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 縁故者の理由はどういうのです。

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) 縁故者の理由はこの船を随意契約をする前の段階において九州商船株式会社が一時使用を財務局から許可を受けております。それで沈んでいるやつを或る程度手直しをして、一時使用の許可を受けて会社が使つておつた、それで有益費を相当額投じておるという関係で、法規上そういう理由で随意契約ができることに相成つておりますので……。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 その一時使用を許したのはいつ頃でございますか。

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) 入札の直後でございます。ちよつと日取りがわかりませんけれども、入札をして売払おうといたしまして、それで一旦九州商船が今いろいろお話のありました大きな値段を入れて落札したかのごとき形になつたその直後でございます。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 それから二十二年十二月の価格と二十三年九月までの価格のインフレの上昇比率というのはどうなつていますか、指数といいますか、これは会計検査院のほうでおわかりになりませんか。

小峰保榮会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(小峰保榮君) 先ほどの田中さんの御質問でどういう条項で、理由で随意契約をしたか、そういうのは当局の説明がどうも違つておるようでございます。これは仮に一時使用さしておいたので、随意契約というのはおよそこれは意味がない、入札のあとで連合軍から旅客運搬船相成らん、こういうことに指令が参りまして、そうして止むを得ず売れなくなつたので一時使用さした、そのときに縁故者というのではまるきり話にならんので……、これは予算決算及び会計令の九十六条二十一号で、私ちよつと記憶が違うといかんと思つて調べて見たのですが、二十一号で公共用、公用又は公益事業、これに使うものは随意契約でよろしいが、一時使用とは全然関係がない。当局はそこまで妙な扱いをさしておりません、正しい扱いをしておる。その条項でやつております。これだけ御参考に申上げます。船価の異同でありますが、先ほど当局者はインフレの影響でずれると、こういうような御説明がございましたが、実は九倍と七十一倍であります。船価は七十一倍になつております。それを九倍で売つた事実に対しての御説明としては私は当らん、大分差があり過ぎます。ズレやそこらの問題ではないのであります。大体御参考までに申上げますと、船価というものが、これは船によつて非常に違つて参ります。現在一〇〇と言つて先ほど私が申上げましたし、当局からも一〇○という説明がありましたが、物によつては三〇くらいしか上つていないものがあります。大きな船になりますと上り方が違つて来るわけであります。本件のような小さい船でありますと、上り方が非常に高いわけであります。それで十六年の船価指数が二一二であります。それを基本にいたしまして、二十三年の七月は一五〇八〇であります。それからちよつと前のほうはどのくらい変つたかと申しますと、一年前の二十二年の七月は一〇八四〇であります。これは一〇八四〇というのは二一二で割りますと約五十倍とすぐ出ますが、これを御参考になつて然るべきじやないかと思います。本件の売払の場合に、如何にインフレーシヨンの時代とは言いながら、これががたんと九倍に落ちることは考えられないのであります。五十から九になるということはちよつと考えられないと思います。大体そのくらいでおわかりと思いますが、九倍をおとりになつたのはこれは実は一般の機械工場なんかで使います機械の指数というのが大体九倍ぐらいだつたのであります。船の指数はそれよりも非常に上り方がひどかつたものであります。機械ということで九倍、ところが今試みに出して見ますと、前の年に会計検査院が批難いたしましたときには四倍から十五倍、五倍から九倍、こういうようなあれでやつておるわけであります。大蔵省がこれで大部分をお売りになつたのであります。これは船のほうは機械の指数をおとりになつたということであります。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 どうもこの件は会計検査院の説明されること、又私自身としてはその信念が正しいように考えられるのであります。ここで今これを保留しまして、一応もう少し検討して見たいと思いますが、如何でしようか。

森八三一第一クラブ

○森八三一君 一つ大蔵省にお伺いしたいのは、法務府の解釈は如何ようでも別にいたしまして、法務府に照会する前に大蔵省内部ではすでに同様の見解を持つておるというお話でございましたが、払下をするその払下条件に違反をした目的に使つておるという場合でも、そのまま契約を変更することは法的にできん、こういう見解を承知してよろしうございますか。

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) 只今の点は少し我々違つております。それは実は普通条件をつけます場合にもいろいろございますけれども、この用途に国が使わせたい、それがいいんだということで条件をつける場合と、本件のごとく本来適当な用途でない用途に使うべく司令部から指令されておるという場合に止むを得ずつける条件というものと、これは我々性質が違うというふうに考えております。本件の場合についてはそのとき随意契約で売りましたときにおいては、この船は誰が買いましても客船には絶対使用し得ないわけであります。これについては司令部の許可があれば別でございますが、これはちよつと推察し得ませんし、客船としては九州商船以外の会社が買つたとしてもこれは使い得ないというような状況にあつたと我々思つております。それでそのために客船としては使つてはならないという条件を我々のほうも司令部から命ぜられておりますのでつけたような次第でございます。それが従つてその当時としては売払つたときとしては、今いろいろ船価指数その他の問題もございましたので、若し我々の評定しました価格が妥当だとすれば、その値段が誰が買うにしても、誰が売るにしても、その船についてはその値段が妥当な値段ではなかつたかと我々としては思つております。その後全然、GHQというようなよそのほうから禁止が解除される、そういうような事態があとになつて発生いたしましたために、その客観的な価値が少し上つて来たという問題であつて、その売払つたときの価値としてはやはり客船としては禁止されたものとしての価値しかなかつたというふうに我々は考えております。それでつけた条件についても、我々が客船にすべからずという条件をつけることがいいのである、或いはつけることは当然であるということでつけたのではなしに、GHQから客船にしてはならんということになつておつたのでつけざるを得ないからつけた条件ということで、これは普通の条件とは我々違うというふうに考えます。

森八三一第一クラブ

○森八三一君 先刻検査院の契約書に関する条項の御説明では、とにかく司令部の意向がどうあつたかなかつたか別問題で、政府と当事者との間に交わされた契約には客船には使用いたしません、使用してはならぬという条件が明確についておつたように伺つたのであります。そういう条件で払下をするから、そこにおのずからその条件に適合する価値というものが私は生まれて来ておると思います。それが後日使用の目的が他の客観的情勢の変化によつて拡大をせられたからといつて、そういうように拡大した用途に使うということについて、それが正しいという解釈はどうも変じやないか、これは常識論かも知れませんが、考えるのであります。そういうことを認めて行つてよいかどうか、今後もいろいろ政府所有物資の払下もあると思います。その財産の使用方向によつておのずから価値が変ると私は思いますが、払下をするときの条件はこうであつても、その後の情勢の変化によつてこういう用途に使うということになると、価値が変るということを見逃がして行くということになれば、これは非常に大きな問題が起つて来るように根本的に思いますが、そういうことは正しいんだという見解を大蔵当局はお持ちになつておるというように了解をしていいかどうか。

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) 只今御質問の点は、我々のほうでもこれは只今申上げました条件にもいろいろあるというような点で、これは解除しないほうが正しいんだと本当に言い切れるかということになりますと、これは本件につきまして我々実は多少の疑問はあると思います。それで我々としては実はこの船が客船に使用されておつたというようなことについては会計検査院からいろいろ指摘を受けまして、それからあと実は私どもの部内においてもいろいろ意見が対立したのでございます。それで本件については法務府の見解のように実質的に同じように解除することはできないと解釈するのが正しいといいますか、解除しないということで行くよりほか止むを得ないんじやないかというふうに我々は考えたのでございます。

森八三一第一クラブ

○森八三一君 私のお伺いしているのは、一応この三百二十七号の問題を離れまして、国有財産を払下するときの与えられた条件というものによつて物の価値が生じて来ると思う。その条件通りの使用が行われなくて、他の目的に向つて使われるということの事実が発生した場合にも、それは契約違反というように突きつめて行くということは法律的にいけないんだという解釈をとられるのかどうかということを先ずお伺いしたのです。

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) 只今の御質問のような事柄は、この船以外のものについても随分現在の段階ではあるかと思います。それはいろいろ我々旧陸海軍の財産を抱えこんでおりますが、これについてはいろいろな制約が現在もついております。例えば先ほど問題の出ました船会社などで言えば、三十日以上の修理工事はやつてはならん、新造、改造などは勿論三十日以上の工事はやつてはならん、或いは三十日の中でも十五日以上ドツクにいる工事はやつてはならんというように厳重な制約を受けてそれが数年間続いております。そういうような状況のある面がほかにもいろいろございますが、勿論戦時中造つておりましたいろいろなものを造つてはならんという制約もついております。そういうような場合現在その制約を受けている財産がどういう価値であるかというような場合、これはやはり制約があるものとしての価値であつて、これは将来その価値で若し売るなり貸すなりした場合、そのものが制約が取除かれたというときに売払つたそのときには、制約を受けておつたそのときのものは間違いであつて、契約を解除して高い値段に直すというようなことは、これは我々ではとても現在においては予期できないことですし、将来においてそういう事態がいろいろな財産について起り得るかと思いますが、その場合そういう解除するそのときの価値は間違いであつたので、計算の方法が間違つておつたので、いろいろな禁止条項というようなものがないものとして評価するのが適当であるということを言い切ることは、これは我々できないというふうに考えております。

森八三一第一クラブ

○森八三一君 払下するときに一定の条件が付せられておるその条件と異なつた条件の下に使用するということを放置するということも止むを得ないという解釈であると理解してよろしいかどうか。私の考えでは若しそういうように客観的な情勢が変りまして、払下を受けたときの条件と異なつた目的に使用し得るという場合が開けて来たといたしますれば、当然これは当事者として政府に向つてその変更せられた条件を具陳して、違つた目的に使うということについて更に了解を得るのが当然じやないかと思う。その了解が与えられて初めて契約違反とか違反でないという問題が解消するのであつて、黙つて変つた目的に使つておるということについてはそれを放置すべきでないという、私は解釈をしたいのでありますが、これは当然のことじやないかと思うのですが……。

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) 只今の御質問でございますが、お話の通りだと思います。我々もその九州商船株式会社がこれは当時売りましたのは熊本財務局、今南九州の財務部になつておりますが、そこに連絡なしに客船に使つておつたという事実、これは極めて不当であるというふうに思います。これはお話の通り当然つけられた条件、それがどこからの指令によるにしろ、止むを得ずつけた条件であるにしろ、つけられた条件があり、約束した以上、これについては状況が変つて他の用途に使用し得るというようになつた場合、当然これは財務部に相談があつて然るべきであると思います。

森八三一第一クラブ

○森八三一君 そこで本件につきましてはそういうような当事者との協議があつて、政府はそれを了承したものであるのか、今以てそういう協議なしに勝手にやつておるのかどうか、それをお伺いしたい。同時に仮にそういう協議がなかつたといたしますれば、客船に使用してはならんというときの価値と、客船に使用してよろしいというときの価値とはおのずから差があるべきであつて、そこで我々その法律的なことは別にいたしまして、そういう払下をしたときの目的以上に拡大をした用途に供せられるとなりますれば、おのずから価値の上昇があるわけでありますので、その協議に基き変更するときにはもともと随意契約で売つた品物でもあるわけでありますので、そこで検査院が指摘されておりますように法律的な問題は別にいたしましても、当然価格について用途の変更に伴う価格の上昇、価値の上昇ということが協議されて然るべきではないか。その協議に相手は応じなかつたかどうかは別問題であるが、当然私は国の財産を管理して行く立場からはそういう処置がとられなければならん。そういう処置が一体とられたかどうか。それに対して相手が応じなかつたかどうかは別問題でありますが、そういうところまで行つたかどうかということをお伺いしたい。

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) この九州商船株式会社が客船に改造した当時財務部にそういう用途を変更するという協議がなかつたということは事実でございます。それでその後検査院から指摘を受けまして、我々のほうも解除すべきかどうか、これを検討し、本人とも折衝を続けておりますが、改めてその条件があるにかかわらず客船として使つてよろしいというような許可を与えるということはまだやつておらんと思つております。それから協議があつた際に、只今解除ができないという法務府の見解もございましたから、十月の末でございますが、それで今後協議がありました場合、その価格の点について条件があつた場合と、或いは外れたような情勢になつて来た場合と違わないかというような協議は、我々のほうも今後研究して先方と相談いたしたいというふうに思つております。

森八三一第一クラブ

○森八三一君 今以て協議もなし、了承も与えておらんということでございますれば、これは当然僕は契約を解除するかどうかは別問題として、契約に盛られておる条件違反の用途に供しておるのだから使用停止のことは法的に可能のように思いますが、御見解はどうでございますか。

牧野誠一大蔵省管財局国有財産第二課長

○説明員(牧野誠一君) 我々使用停止することも只今の契約の解除ができないというような理由と同じ理由で使用停止というような処置も適当ではないというふうに我々考えております。それから価格の点については、実はいろいろ検査院からの御指摘の趣旨も、先ほど第四局長から御説明のありましたような趣旨も裏にあるのではないかというふうに思われましたので、解除ができないといたしましてもこの差額を納めろというような話は実は南九州の財務部から会社に対して数回、非常に回数を余計……いろいろ折衝をしておりますが、この差額について納めろという点については、会社はどうしても現在のところ応じておりません。

森八三一第一クラブ

○森八三一君 今私の質問いたしました事項について検査院の見解を承わりたいと思います。

小峰保榮会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(小峰保榮君) 只今の御質問は、契約の条件としてついた事項に違反したようなことがありました場合にそれを解除にするかどうか、その点だと承知いたしております。この条件にもいろいろよりけりだ思います。普通条件という中に単なる申請書に、例えばその機械を売つてもらつて自分の工場で仕事をする、こういうような申請をやつて買いまして、それが公共的な仕事ということになりますと、物によつては随意契約ということもあり得るわけです。これは特に契約書にはつきり書かないのであります。申請を認めまして会計法規に当てはめて適用を別な計らいをするのが、これも一口に条件々々と言つておりますが、この種のものになりますと、これは法律上の効力は私はないと了解しております。実は実地検査のときにこの垂水丸もそうでありますが、そう言つては甚だ失礼でありますが、会計検査院が実地検査に行つて見つけるまでわからなかつたのでありますが、この種と同じような方法で売つた先へ行つて見るのであります、条件通りやつているだろうか……。そうしますと自分で使う、尤もらしく申請書に書いて来たのを行つて見るとその通りやつていないというのが随分多いのであります。が契約にはつきり一条項として書いてないものは私どもとしては不問に付しております。これは騙されたには違いありませんが、我我として法律上の効力を持つ条件とは言えないだろう、こういうので私どもとしては検査報告に載せておりません。現在でもその品物の案件を扱つておりますが、載せていないのであります。ところが本件は御覧願つても結構なのでありますが、一から九まで普通の条件であります。十と特にこれを載せたのであります。契約書に載せます条件でも政府の契約というのは政府のほうに都合のよいように載せてあるのが一般の例でありまして、例文的に扱つて然るべきだ、例文として軽く扱うというようなものもあるのでありますが、これは例文じやないのでありまして、わざわざ実は入れた条件であります。これをこうなつているものまで条件違反を云々するときの条件として取扱えないということになりますと、先ほどの条件附きの売払、国有財産法のきめた、国有財産法の二十九条のきめました条件附の売払、目的を特定した売払、それに違反した場合の解除条項、法律の三十条になつております、先ほど御紹介いたしましたが、ああいう法律があるのは何のためにあるのかと考えるのであります。本件の条件につきましてはこの文章に現われてないものがいろいろございますが、とにもかくにもそういうことは法律上の効果といたしまして現われてないわけであります。あとに載つておりますのは契約書の十、先ほど申上げましたような船として認めない、こういうのが載つているのでありまして、これを楯にとつていろいろ法律上の効果を来たす行為をするということは私は当然であると考えている次第であります。条件にも実はいろいろありますので、分けて御説明したような次第であります。

仁田竹一自由党

○仁田竹一君 大体私も船屋なものですから見当はつくわけでありますが、一体この旅客船というものは、船の設備その他、ほかの船とはすつかり違つたものでありまして、旅客船会社が船が欲しいということは、どこまでも旅客船が欲しいわけなんでありまして、特に今回の船が何ですか、救難艇ということでありますが、大体救難艇というものの船型も承知しております、決して客船としての完全なる船体にはなり得ない船なんです、船体自体が……。これは恐らく普通の型よりも、うんと長さの長い、多少ローリングのありますような船体、かなり危険性のある船体に違いありません。速力が非常に速い、そういう船であります。従つて只今検査院のおつしやるように、その当時の船の船価がトン当り十万、十五万だという話がありますけれども、例えば特にたくさんの人命をあずかります、特にこういうふうな荒海に出る船体にがつちり合うものでは、トン当り十万であり、十五万であるということになつております。従いまして百万円、二百万円の船に対して、一千万円の改造費をかけるというお話でありますが、大体これで御了承願えると思いますが、併しその当時は鋼船は認可制度でありまして、大体に旅客船は許されておらない時代だと私考えております。一方又旅客船といたしましては、戦時中それぞれどこの船も相当傷み切つておりまして、船は欲しいわ、認可はしてくれないわ、というときには、それはその会社々々のその航路等に必要な上から言いますと、馬鹿げた金を出してでも船を買うのではありません、いわゆる権利と申しますか、船が欲しいので、権利を買うために相当の金を入れるのであります。そういうふうな考え方も私はわからないわけでもありませんけれども、恐らく九州商船株式会社もそういう気持があつたのではないか。こう思いますることは、一番札と、あとの二番、三番の札が非常に荒くなつている。これは玄人同士が札を入れるならそう荒くなるということはありません。荒くなるということは、九州商船はどうしても必要航路のために欲しかつたということが重大なる理由になつているのだろう。若し船だけの価格から申しますならば、玄人同士の入れる札なら、そう二倍、三倍という二番札との開きはないと思いますが、この場合には半分にも足りない価格だつたと思いますが、それはそういうところから入札をしたのではないかと想像しますが、私は船屋として想像できるわけでありますが、それはやはり旅客船がどうしても一艘要るというふうな客観的な事情からそんなふうになつたのだろうと想像されるわけなんでありまして、なお又当時その船は、一艘は全然沈没しておりますし、一艘は何か一部沈没しておつたというのでありますが、これも沈没しておりまする以上、それを引揚しなければなりませんで、引揚げる価格によりましては、実は零でもらつても、そのほうが金の要ることがたくさんありますので、現在沈没しておりまする船が未だに揚げられておりませんのも、掲げる費用のほうがたくさん要る、だからよう揚げ得ないという船もありますので、その沈没の引揚の費用等も勘案して行きますならば、必ずしも幾らが高いとか、安いというふうなことを一応テーブルの上でのみのそろばんによる計算はできにくい事情にあつたのではないかと思いまするのと、実際問題といたしまして、とにかく二番、三番という札と、一番札との間に非常に開きがあつたということは今申上げましたような事柄が理由になつているのだろう、こういうふうに私は想像するわけなんでありますが、実際問題でありますが、事務的な処理といたしましては、客船として欲しくて買いましたものが客船にできないことになつたために解約をした、これは当然のことでありますが、併しその後貨物船ということにいたしまして契約をいたしまして、先方から客船にしてもいいということになつて客船にした。そのときに運輸省、或いはその方面との手続が十分とれてなかつたのは不都合であつた、不都合であるかも知れませんが、併し現在と違いまして、二、三年前のその当時は、特にこの船関係等につきまして絶対の権限を持つていた関係方面から客船にしてよろしいという通知が若し私どもの会社に来た場合のことを考えますと、それは徳義上相談しなければならなかつたものだろうとは思いますが、今から考えると考えられますけれども、その当時のあちらさんのあの力の強い時代のことを今から想像いたしますと、向うから来たということによりまして、一応向うから来たというならば、それでやれということで、特に九州のほうの田舎でありますると、東京あたりと違いまして、あちらさんから許可が来たということになれば、一切合切日本政府も了承しておつたのだろうという感じで連絡等をしなかつたということもこれは先ずあり得るのではないだろうか。そこで、勿論それが正しいやり方だ、私ども特に講和条約の締結を目の前に見ました今といたしましては一層そういうふうな感じがいたしますけれども、そのときの事情から申しますと、又私どもこれもありそうなことだと、で、まあこれも何かその契約違反とかいう話がありましたけれども、私はこれが果してそういうふうな違反になるのかどうかということについては、多少の疑念を持ちたいと思います。それから何でしたか、何かもう少し……、私はちよつと忘れましたが、まあ大体今申しましたようなことからいたしまして、価格の点はまあ高かつた安かつたということは別といたしまして、実際問題としてはむしろその当時の二番、三番船というものとの比較から考慮をされるべき余地があるということで、むしろそれはそれほどまでに客観情勢が船が必要だ、認可はしてもらえない、とにかく船さえあれば、それから先は船についてでも、幅を拡げてでも船を持たしてもらう、それによつて一つ船を造り上げようと、こういうふうな事情であつただろうとまあ想像ができますこと、一方のこれが契約違反だということはまあどうかと思いますることと、もう一つこんなことはどうなんですか。私よくわかりませんけれども、貨物船にするというので払下を受けた、その後GHQのほうから客船だというので客船にした。そのために非常に儲けになつた。商売人から言いますと儲けになつた。儲けになつたから金を出せということなんですが、私はこれはむしろこういうふうなものもあるかも知らず、又ときにはその逆に非常に損をするというようなこともあり得たであろう、そんなものに対して国が、ああ、それじや君は損をしたから気の毒だから金を返してやろうというふうな一体措置をすべきものか。こういうものには、商売人から見ますといい儲けをしたものだというような気がするのですが、悪意でなくてたまたま物価が上り、特に鉄材、スクラツプが上つたから儲けになつたのでありますから、これが又逆の場合も想像し得るわけでありますが、そんなふうなときに、今度は民間人のほうから、やはり損をしましたから一つ金を戻して下さい、まあ、そういうふうなことも言えるのじやないかというような気が、極端なことを申上げますと……、ような気もしますので、恐らく今度の国有財産処理等につきましては、こういうふうな意味で一つ一つを穿鑿いたしまするならば、それは幾らもあります。恐らく今回問題になつております播磨造船のスクラツプの問題にいたしましても、水野造船の問題にいたしましても、私らも多少承知しておりますが、こういうふうな考え方から、これを突き進んで行きますれば、幾らでも国の財産になるべき金額のものは相当あります。これは得をするものやら、損をするものもありますが、まあそういうふうな意味から申しまして、実際にこれがどのくらいの価格になつたかということは、そのときの沈没による引揚の費用、或いはスクラツプ等の関係でよくわかりませんけれども、船会社をやつております私どもから見ますと、今言つたような考え方が常識というくらいに私は考えております。若し私の申上げましたことにつきまして何といいますか、御意見がありまするならば、この機会に承わつておきたいと思いまするけれども、私はそういうような意味におきましてこの価格の点も、又そういう契約をしておつたけれども、それが契約違反だからということによつて、この問題を解除する等というふうなことは法的にも少し無理じやないか、こういう考え方を持つております。

森八三一第一クラブ

○森八三一君 一つ速記をとめてもらいたいのですが……。

岩男仁藏国民民主党

○委員長(岩男仁藏君) 速記をとめて……。    〔速記中止〕

岩男仁藏国民民主党

○委員長(岩男仁藏君) 速記を始めて。

カニエ邦彦日本社会党(第二控室・右)

○カニエ邦彦君 運賃に関しては先ほど田中委員から御発言があり、又森委員からもいろいろ説明がありましたが、一応留保いたしておきまして、私も少し考えるところがありまして、一応よく現地の事情も休会中にちよつと調査をして、そうして実際どうであつたかというところを一つ究明して、そうして委員会で決定を願いたいと、こう思つておりますから、なお調査をして見た結果、案外複雑なものであれば、小委員会に移せばいいと思うし、そうでないものなれば適当に委員会で御処置願えれば結構だから、とにかく今日は留保いたしまして、次の案件へ一つ進行願いたいと思います。

岩男仁藏国民民主党

○委員長(岩男仁藏君) お諮りいたします。本件に関してはカニエ君から今日は留保して、更に審議するということが出ておりますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩男仁藏国民民主党

○委員長(岩男仁藏君) そういうふうに決定いたします。本日はこの程度で散会いたします。    午後四時二十九分散会

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