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13回国会参議院1952/05/20

外務委員会 第31号

発言数
114
登壇者
12
会派数
4
開催日
1952/05/20

会議録

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) それでは只今から外務委員会を開催いたします。  先ず日程を変更いたしまして国際情勢等に関する調査(駐留軍接収土地に関する件)を議題といたします。御質疑を許します。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 前回の委員会におきまして、私が政府に質問いたしました羽田の飛行場接収土地の問題につきまして、前回の委員会における政府の御答弁はまだ納得できませんので、重ねて今日質問をいたします。政府より提出されました買上申請書を見ますと、その第六項の「構造等財産説明」という事項がございますが、その中に「本土地は私等の祖先が干拓造成し、以来今日まで定住した土地であるだけに、私等は本土地に対して財産以上の価値を認めていたのであるが」云々と記してございます。ところがこの土地は徳川中期において鈴木嘉右エ門という人が干拓造成した土地でありまして、それなるが故に鈴木新田の名称がつけられたのでございます。買上げ申請人たちは、この鈴木家の沒落に伴つて順次所有権を保有するに至つた人々が大多数でございます。従つて本土地は所有者みずから居住していた人々もございましたことは事実ですが、本土地には、この所有者のほかに、接収当時三百数十名の借地人がみずから家を建てて居住していたことも事実でございます。その居住しておりました借地人の組合員の名簿がここにございますから、参考としてお目にかけます。それゆえに借地居住者に対しましては、区役所から立退証明書が発行されております。その立退証明書もここに罹災証明書と併せてございますから、これも参考にお目にかけます。右のように借地居住者は、居住年月も本人の代になつてからでも、十数年から六、七十年に及んで、その大部分がいずれもその前二代、三代に亘つて居住しておるのでございます。このように見て参りますと、申請書にいう土地所有者の相先が干拓、造成し、財産以上の愛着を感じておるごとく述べて、そうして高価買上の理由としたことは明らかに事実と相違しておると思いますが、この点は如何でしようか。

長岡伊八特別調達庁管理部長

○政府委員(長岡伊八君) 只今御指摘になりました事実につきましては、実は今回買上げました土地につきましては、この問題が突如として起つたのではないのでございまして、大分前から買上げて欲しいという希望がございまして、我々のほうでもいろいろ研究いたしておるのでございますが、その間に只今御指摘のような、いわゆる賃借権と申しますか、権利者のほうからは何らお話を承つておりません。先般この席上で御説明申上げました通りに、特調といたしましては、登記簿その他によつて権利のあるなしということを見たのでございますが、その点が権利が一応ないということに相成つておりまするので、所有者から買上げたのでありますが、ここに今御指摘の事実がその通りだといたしますというと、所有者が、ここに書上げましたことが違うのでございますが、併しこの関係があるために、特に所有者に高価で買上げたということはないのでございまして、時価によりまして相当だと認めました価格で買上げておる次第でございます。但し只今申上げましたような関係がございますので、この買上げ価格の中から、賃借権があるからというので、減額はいたしておりませんので、いわゆる新地として買つておる次第でございます。先般の御質問もございましたので、所有者の代表者も呼びまして、こういう御質問があつたことを示しまして、十分話した次第でございます。この所有者たちも、そういう話はまだ我々のほうにも一つも出ておらんのであるけれども、そういう関係者があるならば、我々のほうで責任をもつて解決いたします、役所に対してそういうことを申上げておる何もありまするし、我々も單に我々だけで不当な利益を得ようという考えはないのでございまするから、そういうかたとは十分に話をつけたいと、かように昨日も申しておつた次第でございます。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 第二の質問は、この買上げ申請書の第八項の、「本財産に設定されておる所有権以外の権利」によれば、「所有権以外何らの権利も存在いたしません」と、こういうふうに述べてございますが、先ほど質問いたしましたように、強制接收当時、現実に居住して借地権を保有していた借地人のあつたことは、これは政府当局としても、この事実をお認めにならないわけには行かないと思います。そこで借地八は強制接収によつて、借地人は権利を一時中断したに過ぎない形であつて、接収土地が解除されれば、当然借地人は原地位に復帰して権利が継続されるわけでございます。そういう土地が買収されたのでございますから、借地権補償は当然表の中に包含さるべきものだと思うのでございますが、これはどうなんでございましようか。

長岡伊八特別調達庁管理部長

○政府委員(長岡伊八君) 只今御指摘の賃借権、これは決して理窟を申上げるわけではありませんが、これが果して権利として対抗要件を備えておるものであるかどうかということは、これは法律的に個々のケースについて十分検討をする要があるものだと考えるのでございます。それから接収によりまして権利がいわゆる眠つておつたので、解除になつてこの権利が目を醒す、いわゆる生き返るという問題につきましては、先般もちよつと触れました通り、非常にむずかしい問題が存在するのでございます。と申しますのは、接収中でございましても、或る物によりましては、その間の賃借権を確保する途のあるものもございます。それから私の承知しております限りでは、その土地にありました建物等を進駐軍が除去いたしましたために、借地借家法によりまして権利の確保の途が断たれたと見られるものもあるのであります。で、この問題につきましては、この羽田の問題に限りませず、一般の問題といたしましてこの権利を生かせという問題が存在するのでございまするが、これは先日申上げました通り、我々といたしましては、若し立法のできるものならば、立法によつてこの権利をはつきりと確認の途をとりたいと考えたのでございますが、非常にこれは法律的にむずかしい問題が存しておりますので、法務府等の意見を聞きました結果、遂に未だ立法の措置はとられておりません。それでこの権利、いわゆる権利として主張されましたものが現在の法律の下におきまして、果して存在するものであるかどうか、主張のできるものであるかどうかということは、個々のケースを見て十分研究する要があると考えております。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 接収されました土地の借地権が眠つていて、そのまま生きておるか、或いは消滅してしまつたかという問題の解釈につきまして、今政府委員の御答弁を伺いましたのでございますが、この申請者と政府とで交わしました契約書の第五條にこういうことが書いてあります。第一條の不動産買上げにより、乙はその所有権以外のすべての権利を消滅せしめ、その権利のこうむる損失については、乙においてすべてこれを補償するものとすると、こういうことが述べてございますが、こういうことが述べてあるということが、明らかに所有権以外の権利が存在することを予想して、政府において後日の紛糾を恐れ、その責任を乙、即ち買上げ申請者に転嫁したわけではないのでございましようか。

長岡伊八特別調達庁管理部長

○政府委員(長岡伊八君) この五條によりまして、政府が責任逃れにやつたというふうに或いはおとり下さるかも知れませんが、決してそういう意味でこの規定を入れたわけではないのであります。申請書にも書いております通りに、この今回買上げました土地については、権利者はないということを所有者は申しております。その他の方法によりましてみましても、一応権利がないように見えるのです。従いまして権利のないことに承知いたしたけれども、若し現に問題が起きております通りに、権利者、権利ありといつたような問題が起きましたときには、一応新地として金を拂います関係上、こういうものについては所有者において全責任を持つて解決する。こういう意味におきましてこの條項を入れました次第でございます。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 政府はこの土地を買上げになりますときに、この買上げの評価についてみますと、最低一坪当り八百円から最高は四千円に及んでおります。この価格は、土地所有者が補償しなければならない所有権以外の権利の補償価格を想像して評価されたことではないか。そうしてこそこの売買契約の第五條にこうしたことが記されたのであろうと、こう解釈するのでございますが、如何でございましようか。

長岡伊八特別調達庁管理部長

○政府委員(長岡伊八君) 土地の賃借権その他権利が附随いたしておりまするならば、所有者から買います金は、この賃借権がついておりますということで値打が下るのであります。これは安く買わなければならん。今回買いました土地につきましては、そういうものがないという見込で買いました土地でございますから、只今御指摘の価格の中には賃借権その他の権利の価格は含んでおりません。何も権利のなかつた土地として買つておるのでありますから、若し賃借権その他が存在するということになりますならば、所有者がその賃借権を自分の受取りました金から代価を拂いまして、この権利を消滅させる話をつけて解決するという責任を、この本條によつて負わした次第であります。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 今政府の御説明を伺いましたのでございますが、この買収されました土地に借地権が存在していたかどうかということの判定ということは、今すぐここでお答えはむずかしいことだと考えます。併しこれらの事実があつたということは、これは争うべからざることで、ここに借地人名簿も、家屋立退証明書、罹災証明書、それから長い間借地人が家を建てて麦拂つておつた家屋税納入の税金領収書、これらの事実を物語る書類が揃つておりますので、借地法の精神から見ましても、借地権が保有されているということはどうしても争われない事実だと考えます。そこで政府が土地所有者の今までの一方的な言葉だけによつて、実情にそぐわない認識を以て御処分なさつたことは甚だ遺憾であつたと思います。政府は契約書第五條によつて責任を土地所有者に転嫁しておりますけれども、政府の当然の責任として土地所有者に対して、借地権者に対する補償をなさしめるために努力をなさるということが当然ではないかと思いますが、如何でございましようか。

長岡伊八特別調達庁管理部長

○政府委員(長岡伊八君) 先ほどもちよつと申上げました通り、昨日も代表者を呼びまして、その事情を話しました。所有者も我々において片付けると申しますことはどの程度かはわかりませんけれども、賃借権ありとして認めなければならないものには、これに対する代価を拂うということ、ただ議論を申上げますならば、政府の買上げましたものはそういう権利のないもの、ないとして買いましたもの、これが政府に対して対抗要件がありや否やということで突つぱねる……一応それは政府の關與したことでないと言つて突つぱねる手もあるかと思いますけれども、我々としてはかようなすげない態度で問題を措置しようという考えはございません。只今申上げました通り、すでに所有者にも話しておる次第でございますので、今お話のような権利書がどうとかいうものは初めて伺う次第でございまするが、これによりまして更に所有者にも申し聞けまして、この問題が円満な解決に至りますよう斡旋と申しますか、努力いたしますことにつきましては何らやぶさかではございません。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 只今の政府委員の御答弁で、十分に御斡旋下さるということで、私も納得いたした次第でございますが、これは單に羽田飛行場の土地の問題に限らず、今後各地において同じような問題が起ることが予想されますので、どうかたくさんの借地権所有者が納得できますように、十分政府が斡旋されますよう、又その御斡旋なさいますときには、どうか極く一部の数人の人を相手にしてなさいませんで、その土地の全般の借地人組合というようなものを対象として、皆が公平に納得できるような方法で御斡旋なさることをなおこの際政府に希望いたしまして私の質問を終ります。

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) 速記をやめて。    〔速記中止〕

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) 速記を起して。  それでは只今から千九百二十七年九月二十六日にジユネーヴで署名された外国仲裁判断の執行に関する條約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。質疑は大体終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) 御異議ないものと認めます。それでは討論に移ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 私はこの條約を承認することには賛成でありまするが、ただ今度の條約と日本の国内法との関係を考えてみますると、現在の現行法の下におきましては、外国の仲裁判断の効力及びその執行についての明示的の規定はないわけでありまして、僅かに解釈論からして、外国の仲裁判断の場合にも適用があるというふうに一般的に解釈されておるようでありまするが、こういうものはとにかくもともとが私権の争いのあることを大前提として、とにかく争いに関するものでありまするから、その争いを解決する基準というものは極めて明確でなければならない性質のものだと思うのであります。外国判決の場合については、必ずしも十分ではないけれども、現行法で特別の明文規定があるにかかわらず、仲裁判断の場合は全然明示的な規定はない。そうして一方今度のこの條約に入ることによつて、これの執行、その効力を認めるか認めないかの執行を認めることに相成るわけでありまするが、それに関連して当然に国内法の整備ということが必要があるわけであります。それで本来からいたしますならば、むしろ国内法の整備をやつて、そうしてこの條約に入るというのが普通の本当の行き方だろうと私は思うのであります。併しいろいろな関係で、今民事訴訟法全体についての改正のことが考えられているようでありますが、いろいろそういう関係からいたしまして、この仲裁判断だけについて特に国内法の整備ということも手がつけにくいというような事情もあつたかと想像するりでありまするが、併し実際のこの必要からしますると、何といつても国内法の整備ということが非常な緊急な要務だろうと思います。従つて私はこれに賛成いたしますけれども、一つ急速に国内法のこの点についての整備をやつて頂きたいという強い要望を附して、賛成いたすものであります。

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) ほかに御意見はございませんか……。別に御意見もないようでありまするから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。千九百二十七年九月二十六日にジユネーヴで署名された外国仲裁判断の執行に関する條約の締結について承認を求めるの件を原案通り御承認になることに御賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) 全会一致でございます。よつて本承認を求めるの件は可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりましてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において、本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨及び表決の結果を報告することにして御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) 御異議ないものと認めます。  それから本院規則第七十二條によりまして、本委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておるまするから、本案を可とせられたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     杉原 荒太  曾祢  益     平林 太一  野田 俊作     徳川 頼貞  伊達源一郎     加藤シヅエ

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) 御署名漏れはございませんか……。御署名漏れないと認めます。   —————————————

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) それでは次に、国際連合の特権及び免除に関する国際連合と日本国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。提案理由を政府から聞きます。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) 只今議題となりました国際連合の特権及び免除に関する国際連合と日本国との間の協定につきまして提案理由を御説明いたします。  国際連合は、特に朝鮮における任務の遂行のため、その事務所を日本国内に維持し、国際連合加盟国の代表者並びに国際連合及びその専門機関の役員及び専門家をして我が国に駐在させ、又は我が国を通過させる必要があることを認めております。又国際連合憲章第百四條及び第百五條は、国際連合並びに加盟国の代表者及び国際連合の役員が国際連合の任務の途行及びその目的の達成に必要な特権及び免除を享有することを規定しております。  国際連合及びその職員並びに国際連合の諸機関に対する加盟国代表者は、英、仏、加、濠等三十八カ国が加入している国際連合の特権及び免除に関する協定に基いて、必要な特権及び免除をそれらの国で享有しております。  我が国は、国際連合への協力の方針に鑑み、国際連合からの本件協定締結の申出に応じ、前記の協定に準じて特権及び免除を認めることとし、昨年十月以来国際連合側との間に交渉を進め、その結果、本年四月末交渉が妥結し、案文の確定を見ました。  よつて、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。  愼重御審議の上本件につき速かに御承認あらんことを希望いたす次第であります。

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) 次に、千九百二十八年十二月十四日にジユネーヴで署名された経済統計に関する国際條約、議定書及び附属書並びに千九百二十八年十二月十四日にジユネーヴで署名された経済統計に関する国際條約を改正する議定書及び附属書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。提案理由の説明を政府から求めます。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) 次に、只今議題となりました「千九百二十八年十二月十四日にジユネーヴで署名された経済統計に関する国際條約、議定書及び附属寸並びに千九百二十八年十二月十四日にジユネーヴで署名された経済統計に関する国際條約を改正する議定書及び附属書」につきまして提案理由を御説明いたします。  「経済統計に関する国際條約、議定書及び附属書」は、統計の利用によつて世界全体及び各国の経済的情勢及び発展を知ることを目的とし、このため一定種類の経済統計の作成及び発表並びに一定の統計表の統一的作成方法の一般的採用を確保することを趣旨として、千九百二十八年十二月十四日にジユネーヴで成立いたしました。我が国も、同年十一月二十六日から十二月十四日までジユネーヴでこの條約の作成のために開催された経済統計に関する国際会議に参加し、この條約の趣旨に賛成して、各国と共に條約、議定書及び会議の最終議定書に署名いたしました。その後、政府は、この條約の批准を奏請することとし、昭和五年十月十日付及び昭和七年三月二日付で二回にわたり、外務大臣から内閣総理大臣に対して批准方奏請の手続をとりましたが、いずれの際にも内閣の更迭に会い、奏請に至らなかつたのであります。その後、国際情勢が険悪となつて参りましたので、本件條約の批准は、一応見合わせることとするうちに、今次戦争を迎えるに至つたのであります。  戦後、国際連盟が解体されましたため、この條約が連盟に與えていた一定の義務及び任務を他の機関に引き継がせる必要が生じました。「千九百二十八年十二月十四日にジユネーヴで署名された経済統計に関する国際條約を改正する議定書及び附属書」は、これらの義務及び任務を国際連合に行わせることを目的として作成されたものでありまして、千九百四十八年十二月九日にハリで成立いたしました。  およそ経済情勢の判断に当り統計が必要不可欠であることは、言うをまたないところでありますが、我が国は、この條約及び改正議定書の当事国となることによつて、国際的統一的方法により作成発表された関係各国の一定種類の経済統計を入手し、各国の経済情勢を共通の基礎において比較対照することができるわけであります。なお、我が国は、昨年九月八日サン・フランシスコにおいてこの條約及び改正議定書に加入することを宣言しておりますから、これらに一日も早く加入してこの分野における国際協力に積極的に参加することは、わが国の国際的信用を高めるゆえんでもあると考えられます。  よつて、これらの国際文書の締結について御承認を求める次第であります。右の事情を了承せられ、何とぞ愼重御審議の上本件につき速かに御承認あらんことを切に希望いたす次第であります。   —————————————

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) それでは国際連合の特権及び免除に関する国際連合と日本国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして質疑を許します。御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 すでに国際連合に加入している国との間に結んでいる協定と、今度の協定との違つた点はどういう点なんですか。

須山達夫外務省国際協力局第一課長

○説明員(須山達夫君) 国際連合の総会におきまして、一九四六年に加盟国一般が採択いたしますように勧告しました一般條約と称しておりますが、特権、免除に関します国際連合の集約と、今度の日本国と国際連合との間の協定との差異ということでありますが、これは一概に申しますと、極めて少しの差異しかございません。最も大きな差異と申しますものは、協定の第六條におきまして、国際連合は日本の公衆用無線通信施設を利用するについて特別の特権を與えられるということを承認した点であります。  それから一般條約のほうにおきましては、紛争の解決について多数国間條約にふさわしい規定を盛つておりますが、我が国と国際連合との協定におきましては、当事者が二国……、二人であるために、それにふさわしいように改めております。  その他細かい点におきましていろいろ違うところも少しづつありますが、もう一つ大きな点は、この特権、免除を受けます加盟国の代表者、国際連合の役員、それから専門家という者の氏名を国際連合側から日本政府に通知しなければならないという第四條をこの協定のほうは設けております。一般條約のほうにおきましては、国際連合の代表者と専門家につきましては、右のような氏名を通告するという義務を設けておりません。ただその役員だけの場合には、事務総長はこの一般條約に定めた特権を享有すべき役員の氏名を各加盟国の政府に通知するというように規定をしております。そういう点が主な差異であります。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 第六條のどの條項です。

須山達夫外務省国際協力局第一課長

○説明員(須山達夫君) 協定案の第六條であります。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 六條の第何項のどの分です。

須山達夫外務省国際協力局第一課長

○説明員(須山達夫君) 第六條「国際連合は、その事務所から東京の国際電報局までの直結通信線設備の権利を含めて公衆用の無線及び有線の業務の使用に関するあらゆる便益を與えられる。また、日本国政府は、国際連合の公用通信に対して国際電気通信條約の附属規則に従つて優先権を與える。」これだけの條文であります。

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) ほかに御質疑はございませんか。御質疑のあるかたは御発言を願います。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 この第一條の(2)に書いてある、国際連合朝鮮両建局による日本国における救済物資の大量買付のように、商業的性格を有しておるものには勿論特権が及ばないということが書いてあるわけであります。これは現実にははつきりと区別がつくようになつておるのかどうか、それで今もやつておるでしようし、今後朝鮮の動乱が幸いに解決でもすれば、非常に大きな再建に関する基準みたいなものになるわけであります。これらのことは勿論そういう濫用はないと思いますが、又第一條の規定が濫用を許さないことがはつきり書いてある。現実の問題としてその区別はどういうふうにしたら達成できると考えておられるのか、その点を一つ御説明願いたいと思います。

須山達夫外務省国際協力局第一課長

○説明員(須山達夫君) この外交使節団に類する者のこの場合は、結局物資の買付という場合に予想される特権を享有するためには、結局国連再建局のほうから外務省に対して、自分はこういうことをするからこれこれかような特権乃至免除を與えて欲しいというふうに申出て来ない限り、特権、免除というものは普通は成立と申しますか、実施されないわけでありますから、その点で事柄の性質上、日本政府が與えなければ先方は享有することができないという点で十分チエツクできるものと考えております。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 一応わかるのですがね。国内の一般的な商品を買うようなときは、勿論これは外交官だつて別に特権はないわけです、本来なら。ただ外国から荷物が入つて来る、そういう場合には免税の問題やなんか起る。日本を通過する場合……、そういう場合にははつきりですね、そういうときは一体免税になるのかどうか。日本に持つて来て加工するような場合どうなるのですか。そういう場合は起り得るのじやないのですか。国連向けだからといつて税関のほうはフリー・パスしてしまうということは起らないのですか。国内の買付というものは、成るほどあなたが言われるように、多く大体消費税、物品税的なものは特別な証明書か何か発行しない限り免税されるはずはないわけだ、これはわかりますね。ただ輸入貨物の場合、私は現実のことをよく知らない。ただそれが保税倉庫に入つておつて行くのじやなくて、或いはそこから引取つて加工するというような場合には、一体朝鮮向けになるのやらどうなるか、免税の対象になるのかならないのか。

須山達夫外務省国際協力局第一課長

○説明員(須山達夫君) そういうような場合は、正に外交使節団の通常の必要を超えるものだと考えられますから、その場合々々に先方が特権を欲しければ、先方から申出があるわけですから、その場合にやるかやらないかを定めて行けばいいわけで、この協定といたしましては、そういう場合にはやるかやらないかはまだこれからきめることだということを示しているわけでございます。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 ちよつとおかしいと思うのですが、あとの「且つ、国際連合朝鮮再建局と日本国政府の権限のある当局との間の特別協定の対象となり得るものには、及ばない。」これは再建局と日本政府当局との間にいろいろな特別協定ができるかも知れないのですね。だからそういうものが、或いは別途日本の国連援助というか、或いは国連の朝鮮再建援助を助ける意味で、特に免税してやるというようなことがあるかも知れないけれども、そうでない限りは、一般にはそういうようなことはここの特権及び免除の協定の対象ではない、むしろそれは排除しているのでしよう、はつきり……。だから第一條の(2)によればそういつたような特別協定がある場合は別だけれども、そうでなければ一々特権によつて、その場その場でそのときどきで免税する義務を発生したり、そんな不明確な問題でなくて、この協定の対象になるような特権及び免除というものは、一般の外交官的な特権に限つているのだから、そういうものは一々特権のあるなしということは、特権はないのだ、ないのだが、別に朝鮮再建局と日本政府との間に別途いわば政治的な話合いで特別扱いをするものはこれは別だ、こういうふうに考えるのか。それは特権で当然に要求できるものじやないのだ、こういうふうに考えるのが正しいのじやないか。

須山達夫外務省国際協力局第一課長

○説明員(須山達夫君) 御意見の通りでありまして、そのことをこの協定は実は書こうとしておるわけでございます。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 それから杉原委員からの質問に関連するのですが、この一般の協定にない部分についての、説明員のお話の中に渡れていたのですが、朝鮮の国際連合の朝鮮再建局のこと、乃至は国際連合が日本を基地としているために、日本と特別に書いているような字句、事項は、ほかの一般協定には勿論ないのでしよう。これは日本の場合の特別な規定なんじやないのですか。

須山達夫外務省国際協力局第一課長

○説明員(須山達夫君) その通りであります。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 この国際連合に加盟していない国で、而もこの種の協定を結んだ国が別にありますか。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) これはスイス連邦政府と国連事務総長の間で、協定が一九四六年に締結されておる一つの例があります。それから又大韓民国との間にも協定が結ばれております。それから又一九五〇年十一月二日に、交換公文でソマリランドにおける国連及び諮問理事会の事務局職員の特権免除に関して、イタリアと協定を締結しておる三つの例があります。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 この期限の條項を設けたのはどういう趣旨があるか。一般條約のほうにも期限があるのですか。この五年間の期限……。

須山達夫外務省国際協力局第一課長

○説明員(須山達夫君) この協定の目的は、前文に謳つております通り、国連の朝鮮における任務の遂行に便宜を與えるためであります。そこで国連の諸機関でありますところのアンクラとアンカルクと申しますか、再建局と統一復興委員会の朝鮮における任務というものは、今板門店で交渉されております休戰の成立によつて終了するものでなく、休職後むしろ本格的に再建の仕事が行われる。或いは事態の推移によつては、アンカルクの朝鮮統一という政治的な任務が必要な場合が起ると思われます。で、こういうような任務がいつ終了するかということは見通しが立たないわけなので、一応五カ年の期間を設けて五カ年の後には協定当事者の一方の意思で以て廃棄し得るといたした次第であります。他方この一般條約のほうにつきましては、そのようにいつまでというふうな規定はございません。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 今の説明だと、朝鮮におけることがこの協定を結ぶ目的、そういうようなことも一つあるけれども、もつとその前に一般的のなにかあるわけでしよう、これを結ぶ目的が……。具体的にいえばこの協定案にもそういうことを謳つてあるわけでしよう。朝鮮事変だけを見てのあれじやないのでしよう。

須山達夫外務省国際協力局第一課長

○説明員(須山達夫君) 只今の御質問は、朝鮮事変がなくてもこういうような規定が必要じやないかというふうに私は考えられるのでございますが、朝鮮事変がなければ国連と日本との関係というものは、日本が加盟国にならない限り、日本において特別に何らかの会議を開くとか、何かの事務局を設けるとかいうことがない限り、日本に国連の人員乃至加盟国の代表者が公務の執行のために来る機会は極めて少いわけでありますから、そういうような場合には、特別に大きように協定を設ける必要はないと考えます。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 それはあなたの説明としては非常に奇異に感じますが、そうじやないでしよう。そういう考えで作つたのですか。そうじやないでしよう。

須山達夫外務省国際協力局第一課長

○説明員(須山達夫君) この協定は国際連合事務総長の個人代表者でありますところの、国際連合特権事務局の中の特権法務局の免除及び條約部長のスタブラプラスという人が昨年の九月に日本に参りまして先方から案文を出しまして、この協定の申入があつたのでございますが、その中に書いてあることでも、初めからこの前文に書きましたと同じようなことが述べてあるのでありまして、朝鮮における自分の任務を遂行するために、国際連合は日本国内に事務所を維持することが必要である。それから国際連合の代表者及び職員が朝鮮における使節団への往復に当つて日本国を通過することが必要である。そういう必要上、国連の任務が上手に日本において円滑に果されるために、この協定を結んで欲しいということを申出たわけでありますから、その程度において、我がほうとしてはこの申出に応じてこの協定を作つたわけでございます。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 今のは実に向う側が、まだ日本は国際連合にも入つていないのに、こういうのを日本と結ぶということは、向う側から言えばそういうふうな説明の仕方をしましようが、併しこれを結ぶ目的は單にそればかりじやないでしよう。

須山達夫外務省国際協力局第一課長

○説明員(須山達夫君) 日本国の、我がほうの趣旨と申しますのは、この前文の四項に謳つてあります通り、「日本国は、国際連合の目的を促進するために協力することを希望し」という、そういう趣旨でこちらとしては先方の申出に応じたわけでございます。

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) ほかに御発言ございませんか。

平林太一自由党

○平林太一君 この国際連合加盟国の代表者に対し、我が国において必要な特権及び免除を與えることとすると、こういうことですが、この我が国において必要な特権及び免除を與えることは、専門機関の役員及び専門家をして我が国に駐在させるというのでありますが、これに対してどういうことになるのでありましようか。これは我が国のほうでそういう必要な特権及び免除をこれらのものに與えるのか、又はこれらの役員及び駐在する専門家が我がほうにそういうことの特権及び免除を必要としてこれはできたものじやないかと思いますが、これを一つ明らかに説明を願いたいと思いますが……。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) これはこの国連の職員がいろいろの特権なり免除を持つておりますることは、各国の例になつておるのでありまして、今回先ほどから申上げておりまするように、朝鮮関係のことで日本に国連の関係の者が出入りもするし、おる場合もある。こういうことで先方からもいろいろの便宜を與えて欲しいという申入れもあり、そうしたほうが日本としてもいいと考えまして今回こういう協定を結ぶ、こういうことになつておるのであります。

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) 平林委員に申上げますけれども、外務大臣がお見えになりましたから、先ほど申上げましたように、本議題は質疑を次回まで続けますから、この次にお譲りを願いまして、只今から国際連合への加盟について承認を求めるの件を議題といたしまして、外務大臣に対する質疑をお始めになつて頂きたいと思うのでありますが、御異議ございませんか。

平林太一自由党

○平林太一君 ああ、そういたしましよう。   —————————————

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) それでは国際連合への加盟について承認を求めるの件について外務大臣に御質疑を願います。

平林太一自由党

○平林太一君 質疑を、先ず大臣に伺いたいと思いますが、国連に加入することに相成りますれば、又今これをしようといたしておる場合に非常に考えられますことは、この戰争犯罪人に対する取扱い及びこの性格というものが非常に考えられるのでありますが、これに対しましては、いわゆる外務大臣の外交上の見識なり、又はお考えというようなものがおありのことと思いますが、これを一つ明らかにせられたいと思います。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) 戦争犯罪人の問題は国際連合とは直接関係がないのでありまして、日本と戦争をした主要国の連合の裁判所と、それからフイリピンとか、濠州とか、その直接戦争行為があつて捕虜になつた人に対する各国の裁判に基くものと二つありまするけれども、国際連合自体とはどうも直接関連がありません。まあ強いてあるとすれば、そういうものが人道的にどうであるかというようなことから、国際連合の、この国際間の輿論を喚起するというような問題は、それは考え得られるかも知れませんけれども、直接の問題としてはどうも余り関係がないように思つております。

平林太一自由党

○平林太一君 私の考えておりますことは、そこで今お話のようなことの御答弁があるので、更にこれは必要なわけに相成つて参るのでありますが、いやしくも我が国が国連に加入して、そうしてこの加盟各国とのいわゆる同一の態勢、行動の下に、これから世界の平和に貢献しようということが目的でありますから、今の戦争犯罪人のことは関係ないというようなお話でありますが、その発生したことに対しましては、戦争から生じた、これら加盟各国の、加盟をしようという各国の間におきまして、それぞれ我がほうの戦争犯罪人が只今犯罪者といたしまして、それらのそれぞれの地に今なおそのままになつておるということに相成つておるのでありますから、これはむしろ国際連合へ加盟する今日の機会におきまして、如何にもこの点が除外されておるということでは、非常に私といたしましては、これは腑に落ちないのでありまするが、関係がないというような、そういう事務的な事柄よりも遥かに今お話になつたような人道的な立場におきまして、これは考えなければならないことだと思いますが、こういう機会にこそ、これら加盟各国に対しまして、我がほうの戦争犯罪人に対しましては、速かにこれがそれぞれ帰還のできるような、又その犯罪の行為が現状のままで、先方がそういうことの取扱をしないような事柄に対しまして、これは考えなければならない事柄と思うのでありますが、そういう点に対しまして、大臣にそれを一つお尋ねいたしたい。若し大臣におきまして、そういうことは事務的に関係がないのだということでありまするならば、全然これは関係のないということには相成らない。只今も道義的にそういうことはあるのだとおつしやいますが、然らばそういう意味におきまして、これら即ち犯罪人に対しまして、我が国といたしましてはどういう方法によつてこれを救済するかということを一つ、私はこの際どうしてもこれと切り離すことができない、かように考えるのでありますが、その救済の方法というようなことについて一つ御意見を承わりたいと思うのであります。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) これは順序としては平和條約を調印しましたときには、その前文に「日本国としては、国際連合への加盟を申請し」という文句がありまして、そうして平和條約の十一條では、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受けた者は、これに対して赦免とか、減刑、仮出獄等はどういうふうにするというような規定があるわけであります。日本が国際連合に加盟するということは今に始まつたことじやなくして、平和條約を作るときにすでにこれはそういうことにいたしておりまして、そうして平和條約の十一條では、戦争犯罪人等の刑の減免等はこういうふうにやる、こう規定してあるのですからして、いずれも平和條約締結当時にもう予見されておることであります。私どもは直接にはこの宇和條約の第十一條によりまして、今拘禁されておる人々に対しまして、減刑なり、仮出国なり或いは赦免なり、こういうことをすべきが適当であると考える人につきましては、そういう手続を履みたいと思いまして、すでに法務府と連絡していろいろの資料を集め、調査をやつておる最中であります。

平林太一自由党

○平林太一君 只今の御答弁を頂きまして、非常に私我が意を得たわけでありますが、どうかそういうふうに……、私はむしろこの戦争犯罪者の問題は、国連というような大きい、広い世界的な運動、平和というようなものからこそ考えられるべきことでありまして、平和條約によりまして、基本的に示されてあるのでありますから、これは取扱上そういうふうに相成るのが妥当と認めるのであります。でありますから、一つ外務大臣におかれましては、今お述べになりましたような御意思を今後迅速果敢にお取り運びを頂きまして、これらの戦争犯罪者の処置が一日も早く明らかに相成りまして、平和な独立国家になりました我が国の同胞といたしまして、これは速かにそういうようなことで帰つて来るような処置を取り進めるようにお取運びを切に希望する次第であります。今もお話でありますが、これからというのでありますが、平和條約によりまして、そういうようなことに相成つておるのでありますから、もう少し具体的に、一つこれに対しましてどういうことによつて速かにこの処置ができるのだ、できる見通しがあるのだというようなことを、最後に大臣から一つ全国の戦争犯罪者のそれぞれ関係当事者に対しましても、もう少し見通しの付くような御答弁を求めたいと思うのであります。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) これは、実は終戦当時におきましては、連合国側でも戦争裁判をやるということでありましたが、日本政府側でも国民を誤らせてこういうことにした責任者については、日本側でも裁判をやるつもりだというくらいに言つておつたのでありまして、責任ある人に対する責任の追及ということは、当時としては当然のこととして考えられておつたのであります。ただもう約七年近く経過しておりまするし、その間にいろいろ本人の考え方も変つて来ておる点もありましようし、又服役の状況等もありましようし、いろいろの材料を研究しまして、減刑なり、赦免なりが適当と思われる者は、当然政府として各国に話合うべきものであります。極東裁判に関しましては、裁判所に代表を出した政府の過半数の決定によつてきまると、こういうことになつておりますから、例の拒否権等はありませんのですから、私は正当の理由ある者については、これは日本側の希望が容れられるものと考えております。ただ日本側の希望を表明する場合は、日本政府としても責任がありまするから、十分その服役者の状況等も注意して調べて、責任ある意見を出さなければならん。ところが巣鴨を移管されたのはそう前のことではありませんし、過去何年間の記録等も調査しなければなりません。従つて多少時日はかかると思いますが、これは法務府と連絡して今折角やつておる最中であります。できるだけ早くこういう調査を完了して適当な処置を講じたい。こういうつもりで今急いでやつております。

平林太一自由党

○平林太一君 大変詳細な御答弁を頂きまして、了承をいたしたのであります。取りあえず海外にあります犯罪者を我がほうに還してもらいまして、そうして我がほうの拘置所においてこれらの人が服役のできるような措置をお取り運びに行かないものか、文案は相当困難がありましても、そういうことを希望するのでありますが、その辺は如何でありましようか。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) これはフイリピンであるとか、マヌス島におる人のことをおつしやつておるのであろうと思いますが、これらにつきましても、ずつと今まで非公式ながら話合いを進めて来ております。先方でも今日に至つていつまでもそういう人たちを自分のほうで収監しておくということは必ずしも先方でそれを固執するとも考えません。ただいろいろ国民的感情がありますし、又その間には選挙等もあつて、その対策なども考えられるものですから、余り日本側に何と言いますか、非常に日本政府の希望を容れたような行為ばかりするというようにとられることもどうかという気持もあるのじやないかと思いますが、我々としてはできるだけ早く本国に連れて来たいというつもりで、ずつと話合いをいたしております。

平林太一自由党

○平林太一君 有難うございました。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 国連加盟問題に関連して御質問申上げます。先だつての委員会で伺いましたいわゆる英濠軍の国連軍としての日本における地位に関する協定の問題は、その後どういうふうに進展しておりますか。何か新らしい進展がありましたら一つ御説明伺いたいと思います。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) 実は前にも御説明しまして、繰返すようですが、これは二つに考えておられるわけです。一つは平和條約によりまして……。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 進行状況だけでいいです。話合いの……。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) 進展状況ですか。進行状況は昨日も本日も話をまだ続けておりまして、暫定的のものもまだ結論に達しておらない。いわんや何と言いますか、最終的の、本格的の協定というのはまだついておりません。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 交渉の内容ですから詳しく伺いませんが、相手方はそうすると国連軍司令官といいますか、とやつておられるのですか。その点は相手方は誰になるのですか。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) 国連軍司令官とやつております。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 私のこの問題に関する意見並びに希望の大部分はこの前申上げたのでありますけれども、繰返したくありませんが、これは飽くまで平和條約第六條でしたかな、特別の協定があれば相変らず外国軍隊が駐留するという性格のものでなくて、吉田・アチソン交換公文によつて国連軍に対する必要な便宜供與という程度に限らるべきだと申上げたのですが、なお又その際に、これを速かにやつて頂くことの必要についても申上げたわけです。本日申上げたいのは、実は速かにやつてもらわないために現実に問題があちらこちらで起つておるわけです。たとえて申しますれば、英濠軍に雇傭されておりました労務者が身分が切替つたといいますか、雇傭関係が切替つてしまつた。そして日本政府からはいわゆる特別調達庁が管理しておりまして、何と申しますか、間接雇傭みたいになつておつた。それを打切つて、これらの労務者は退職金なんかをもらつたのですが、即日に英濠軍との直接の話合いで契約を改めてやつた。ところが、まあその契約を、これは当事者も少し迂闊であつたとは思いまするが、労務者諸君のことであるから、英語もよく読めなかつたために、サインしてしまつたところが、今度は直傭だから退職金も何もないといつたような契約であつたそうであります。それで非常に動揺を来たしておる、こういうわけでございます。これは甚だ無理からぬことであつて、それで特別調達庁に陳情すれば、特別調達庁はもう私のほうは手を引いた、これはまあ政府の機構としてはそうなんです。然らばどうかというと、直傭なら直傭ということで、一体政府としてそういう建前をとつておられるのか、それもわからないのに現実にはそういう事態に進んでおる。更に又一体引続き駐留しておるのかどうか、明日の先もわからない。駐留しないものだつたら、まあ退職金も無理だろうけれども、英濠軍が本当に駐留を相当長くやつておるのだということになると、私たちの見た建前から非常におかしなものになると思うのですが、併し労務者の立場から言えば、それならそれで身分の安定があるし、又それならそれでもつと自分らの有利な身分の保障ができるような契約を欲している。それらの点について制定の切替りということがよくわかりませんために、そういう気の寿な状態を起しているわけなんです。従つてこれについて外務省或いは労働省になるか知りませんが、政府当局としてどういうふうにこれら労働者に保障してやるという点に関するお考えを伺うと共に、結局私が申上げたように、やはり政府の確たる方針が、協定がされてないためにこういう問題が現に過渡的ながら起つておるのです。これについては速かに軌道に乗せて頂くことが必要だろうと思います。これは希望だけであります。第一点はどうですか。どういうふうにしてこれらの労働者の問題を誰が見てやるのか。直傭制度にするのか、間接雇傭制度にするか、それらの点に関するお考えを伺いたい。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) これはちよつと速記をとめて頂きたいと思うのですが……。

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) 速記を始めて。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 いろいろ御苦心されたことはわかりますが、やはり我々が国連軍を援助して行くという精神は勿論持つて行かなければいけませんが、ただ問題は、飽くまで外国軍隊が安全保障條約等によらずして日本に駐留するというような恰好になつては、これはいけないのであります。従つてそれらの点についてやはり明確な建前を分けて進めて頂きたいということと、労務者の問題についての直傭、非直傭の問題についても事情はわからないではありませんが、これは外務大臣も御承知のように、前からいわゆる国連軍に属しないほうの直傭の労務者についてはプリヴエリング・ウエイジという一つの安全保障があつたわけです。従つて直傭になつて当該労務の通常の賃金以下に叩かれるということがないように、その点は政府のほうでも或いは協定等にそういう点を明確にして制度は間接でなくして、直傭でもやむを得ないと思いますが、何らかの一種のプリヴエリング・ウエイジというような保障を與えるように一つ御努力を願いたい。これは希望として申上げておきます。  それから国連加入の問題との関連性はやや遠いかと思いますが、一つだけ時事問題について質問をお許し頂きたいのですが、それはソ連代表部の問題についてです。ストツクホルム十九日発ロイター共同によりますると、スエーデンの外務省が十九日の夕刻にコンミユニケを発表して、スエーデンはソ連における日本の利益代表国になつていないから、日本の覚書を伝達することを拒否したと述べたそうでありますが、これはソ連代表部の問題についてスエーデンを通じて何らかの意思表示をされた結果だと思うのですが、さような事実があつたかどうか、お知らせ願いたいと思います。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) これはその通りでありまして、実は正式に申出たのではなくして、そういう場合にはスエーデンで仲介の労をとるであろうかどうだろうかということを内意を聞いてみたわけであります。そのロイター等は、別に見ましたが、まだそれのコンフアメーシヨンと言いますか、公電は入つておりません。ですからはつきりしたことはわかりませんが、どうもそういう内意を聞いたのについて発表するのはおかしいと思いますが、まあとにかくそういうものが出ちやつたようです。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 スエーデンの内意を聞かれたということは事実だそうでありまするが、そこで簡單に政府の方針を明らかにして頂きたいと思うのですが、この前の委員会で、たしか岡田委員からこれにちよつと触れられたのでありまするが、政府としては、ソ連とのいろいろな問題、或いは中共との問題に関連してだつたと思いまするが、いわゆる懸案が解決することが先だ、例えば抑留者同胞の返還問題、漁船の返還等が解決しなければ、いわゆる国交調整というようなことは考えられないではないかというようなお話であつたのですが、ただ代表部のステータスの問題については、質問もなく、従つて本委員会としては伺つていなかつたわけです。そこで私が伺いたいのは、ソ連代表部は法律的に言うならば、何らもはやここに残つておる理由はない、これははつきり明確なことだと思います。そういう見解をとつておられると思いますし、更に又これらの問題は、ただ黙過しておくのならば一種の既成事実を作ることになる、そういうこともおもしろくない。併しながら同時に代表部と称するソ連の官吏さんたちをいわゆる実力的に追拂うこともできませんでしようし、又そういうことが決していい外交ではないと私たちは考える。従つてこれをどういうふうに規制して行くか、放つておくわけには行かないし、速かに何らかの措置をとらなければならない、或る程度のソ連の日本における官憲の駐在を認める、但しそれに何らかのいわゆるギブ・アンド・テーク的な條件をつけるということは当然考えられる。それらの條件については、抑留者の問題も勿論ございましようし、あらゆる機会にそれを頑張つて頂かなければならんと思うのですが、同時に日本としては丁度この問題に見合つたように條件、例えば同様の構成による同様の資格を持つておる在外機関をソ連に認めさせるといつたような條件を出して行くというようなお考えはないかどうか、それを含めての政府の大体の方向、方針というものを一つお聞かせ願いたいと思います。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) 今お話のように、ソ連代表部というのは連合軍最高司令官に派遣されました諮問機関のメンバーとして来ておるわけであります。ところがすでに、連合軍最高司令官というオフイスはなくなつております。又対日理事会というのも消滅したということを宣言されております。従つて代表部なるものは自然消滅せざるを得ないということになると私どもは考えております。今ソ連側に対しての日本の立場をはつきりするということは、要するに代表部というものはそれ自体の性質上もう存在の理由がなくなつておるということを、ソ連側にこの事実だけを述べるわけでありましてそれを述べなくてももう当然そうであるかも知れませんけれども、今曾祢君の言われましたように、何らかの既成事実になるという懸念もありますから、この建前だけは明らかにして置こうというだけであります。若し将来ソ連側から何らかの代表部なり或いは通商代表部なりなんかということにつきまして申出がありますれば、仮にそれを置くか置かないかは別といたしまして、そういうものを仮に将来認めるような場合には、無論これはレシプロシテイといいますか、相互的でなければならんわけです。そういう申出もありませんし、又それを承諾するともしないとも考えておりませんから、まだ早いのですけれども、何かの場合には相互的であることは、これは当然と考えております。現にソ連代表部は、代表部としての特権を受けておるというものは殆んどないように我々は見ております。例えばガソリンの配給を受けておるわけでもないし、これは本国から持つて来ておる。食糧も本国から持つて来ておる。そうして現在では門も閉してしまつておる。フアンクシヨンはいたしておらないようであります。聞くところによると、或る引揚の代表者が行つて陳情書を出したところが、もうすでに自分のほうはそういう仕事はしなくなつておる、と言つて陳情書を受付けなかつたというようにも聞いております。これはまあ人ずてでありますが、要するにガス、水道、電気等は引いてありまするけれども、これは普通並みの料金を拂つてやつておる。建物はソ連の国有の建物。従つて中で靜かにしておればどうということはないのでありますが、ただ万一の場合に、例えば何か刑事事件なり民事事件なり起つたというような場合には、やはりステータスが問題になりますから、それで一応そういう事実だけを明らかにして置こう、こういうつもりでおります。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 そうすると、現在の法律上の地位から言いますと、ソ連の国有財産の中にソ連の人がただ住んでおる、これは特権も別に求めていやしないし、又求めても来ない、ソ連人というものがただ住んでおる、それから食糧、ガソリン等については、これは免税でなくて税金を拂つて持つて来ている、その点はどうですか。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) これは今後のことはわかりませんが、今までは占領軍の一機関でありますから、自分の船で免税されて持つて来ておるのだと思います。併し食糧等も今後どういうふうにして持つて来るか、これはわかりません。又強いて言えば、今までの資格がなくなれば例えば出入国管理令によつて登録しなければならんとか何とかいう問題もありましようけれども、その辺のことはとにかく今までの資格がありまするから、カーテシーとしてそう追及する必要もないのじやないか、要するに特別何らか国内で目立つような邪魔になるような行為は全然ないのでありますから、今のところはただ事実そういう資格がなくなつたのであるということさえ明らかにして置けばいいんじやないか、将来問題があれば別でありますが、そう考えております。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 国津加盟の問題についてお尋ねしたいのですが、今加盟の申込みをしようという際に、これが受入れられなかつた場合のことは実は予想したくもないわけなんですけれども、併し客観情勢というものを考えてみますると、必ずしも実現を見ない場合のことも併せて考えては見つなければならんことだと思います。然るに国連に加盟するといつても、これはまだ入つていないほかの国の場合と日本は非常な違つた特別な地位にあるわけで、平和條約ですでに国連の協力について一般的な義務というものは條約上の義務として負担してしまつておる。そういう点から見まして、ほかの非加盟国とは非常に異なつた又條約上のステータスがあるわけなんですが、政策的に見まして、加盟すると否とにかかわらず、国連に協力するということは私非常に望ましいことだと思うのです。併しそれにもかかわらず、やはり條約上の義務のほうだけは非常に先に行つて、一般の協力の面のこと、それから今日審議しております特権等に関する面もこれは義務に関してであり、義務のほうが先に進んでしまうのですが、権利と言いますか、国連に対するこちらの発言権というほうは一向にまだ條約上確保されていない。そうして而も国連で国連の行動或いは措置として決定されてしまう、こういう措置をとるときまつてしまつた、日本は一般的な協力義務というものは自動的に発生して来るわけですが、一番大事なことは、どういうことが国連の行動措置としてきめられるかのきめられる際が一番大事であります。殊にこれが極東方面に関する事件についてそれがきめられるというような場合などには、殊に日本としてはそのきめられる際に何らかの日本側の意思というものがそこに反映されるということを希望する、恐らくこれは国民的の要望であろうと思うわけです。まあいろいろそういう点は実は今後の対国連外交の上において最も実は大事なところじやなかろうかと思うのですが、どういうふうにそれをやつて行くかは時期とか方法いろいろありましようし、簡単じやないと思うのですけれども、その辺のところについての外務大臣としての大体のお考えをお尋ねしたいと思います。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) 我々は平和條約なり、只今の国連に対する特権等いろいろやつております。これも実は私自身としては国連加盟に対する一つの試石であろうと考えております。入るまでは何もしない、入つたらいろいろやつてやるということでは、今の情勢ではなかなか自由国家群の国連加盟に対する援助もなかなか受けがたいのでありまして、まあ最終的にはリードはありまするけれども、少くとも世界の多数の国の輿論として、日本の国連加盟は当然であるという気持になつてもらうべく、できるだけ各種の協力はいたすべきであろう。まあこう思つているわけでありますが、そこで今度はいろいろな措置につきましては、無論オフイシヤルには何もありませんが、併し将来は国連に対するオブザーバーというような問題も考えているわけであります。又この日米安全保障條約は直接これらには関係ありませんけれども、安全保障條約の考えは日本の安全を保持するためにはやはり極東の安全及び秩序の保持ということがどうしても必要になるということで、第一條にもそういう趣旨のことが謳つてあるわけでございます。従つて実際的には何かの措置が極東方面でとられるという場合には、それが極東の安全にどういう影響を及ぼすか。それが又間接的には日米安全保障條約にも影響があり得るのでございますから、そういつた方面から米国側によく相談いたしまして、日本側の意見も取入れられるようにする途がそこに開けているのじやないかとも考えております。これは実際になつてみないと、理窟だけではわかりません。要するに各国の日本に対する支援と言いますか、理解を増す方法を一応考えてやつて行く。それから又オブザーバーというような問題も考えてみたい。それとアメリカ側の安全保障條約を通じての意見の交換というようなことで、できるだけ日本の立場も理解し、日本の気持もそこに反映したいというふうに考えているのであります。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 もう一つ、これは国連加盟には関係ありませんが、この間から外国の新聞でよく報道されたのでありますが、国連で今問題になつている中共などが大陸方面から麻薬を日本に輸入して資金をこしらえているということが国連の今問題になつているようで、相当数字的にまでたしか報道されてあるのでありますが、ああいう問題は事実としてあつたものですか。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) これはどうも的確に事実であるとかないとかというように証拠を以てお話することが今のところできないのであります。併し感じとしては、相当程度そういうことがあるのじやないかという感じはいたしております。個々のケースはつかまえたときじやなければわかりませんものでありますから、どうも証拠をはつきり挙げるわけにも行かないと思います。我々のほうじや麻薬取締その他の国際條約もありまするから、殊に独立後はそういう点でも厳重にいたしたいと考えております。だんだんダータが集まりますと、間が抜けておりましても大体想像が付きますが、今までのところは本当にぼつぼつしか出て来ておりませんから、ちよつとはつきり申上げようがないのでありますが、感じとしては何かそういうことが相当あるのじやないかという気がいたしております。

徳川頼貞自由党

○徳川頼貞君 私はこの際外務大臣に今度国際連合に加盟するに当りまして、政府は国連協力というものに対していろいろ考慮されておられるとは思いますけれども、この国際連合なるものが世界各国の国民の支持がなければその目的を達せられないという点からいたしまして、我が国民の間に国際連合の目的及びその活動などについて十分知らせておく必要があるのではないか、又それが最も今現在の重要な点かと思いますが、そのことに関してどういうふうにお考えになつておられますか、この際伺いたいと思います。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) 私も全くそれは同感でありまして、御承知のように東京に国連協会がありますが、これだけでも十分でありませんので、先般各地方団体に呼びかけまして各県に国連協会を作つてもらいまして、又各県から下部である各市町村に国連協会を作つてもらいまして、各県でも相当の費用をこれに割いております。随分加入されている人も数も多いようでありますが、どうもとかくこういう直接に利害の伴わない協会には経費がなかなか出ないのであります。政府がこれに補助をするということは、又これが政府の御用団体のようにとられる心配もありまするし、又政府の予算の建前から言つても、こういうものは余りそういうことにしないほうがいいと思いまするけれども、そうしますと、なかなか寄附だけではやつていけないということであります。東京にある国連協会などもなかなか費用の点で困難しているようでありますが、むしろ地方のほうが比較的自治団体で、各市町村でやつておりますから、それで以て国民の理解を増すというのに非常な力がついて来たように思います。今後できるだけこれを活用しまして外務省からも、或いは文部省その他からも講師を派遣して講演をするとか、いろいろ地方の団体を通じまして、国民に国連の趣旨を徹底させるように、特段の努力をしたいと思つているわけであります。

徳川頼貞自由党

○徳川頼貞君 その際に、そういう具体的な指導についてどういうふうなお考えをお持ちになつておりましようか。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) これは外務省でいろいろの意見を出しますと、とかく非難をされて来ておりますが、我々としては外務省員等が講演その他に行きますときには、私は少くとも自分の判断なり外務省の判断というものをその中に入れないように努めるべきである。事実を事実としてできるだけわかりやすく、又正確な資料に基いて話をして、判断は国民に任せるべきものである。決してこちらの考えを押付けるようなことをしないように注意して行く、こう考えております。その意味でできるだけ資料をたくさん供給するということに努めておるのでありますが、それでもとかく外務省の考え方は一方的であるといつて非難をされております。今後もその点はできるだけ注意しまして、要するに根本的には資料の供給、判断は国民に任す。その資料も無味乾燥のものばかりではいけませんので、やはり国民が聞いて面白い、面白いと言つちや語弊がありますが、興味のあるようなことをたくさん入れなくちやならない、そういうものを入れますと、又これが一方的であると言われるので困るのですが、できるだけ国民の興味を惹きつつ国連に対する関心を深くしよう。こういうつもりでやつております。

徳川頼貞自由党

○徳川頼貞君 今現に外務省にございます情報文化局、或いは国際協力局というような所で、今日までどういうことをされておられますか、又今後そういう所でどういうことをされようと考えておられますか。その点のことをお伺いしたいと思います。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) これは主として情報文化局、及び国際協力国及び條約局の仕事でありますが、これらはまとめ役でありまして、主としてやるのは講演でございまして講演はいま回数は覚えていませんが、延べにしまして千百回というように非常に多くやつております。人もかなり余計出さしています。外務省の旅費は殆んど講演に行く者の主張旅費に使われております次第でありまして、で、非常に注文がたくさんありまして応じ切れないくらいであります。これにはその土地土地の希望も聞きまして例えば国連協力の問題でありましても、アジア局の者を出すこともありまするし、或いは官房の者を出すこともあります。それは場合によりますので、その元締は情報文化局でやつておりまして実際の連絡は更に国際協力局と條約局ということで、更にパンフレツトのようなものも出しております。それから国連協会と連絡を取りまして、そちらのほうに資料を提供するとか、まあいろいろのことをやつております。

徳川頼貞自由党

○徳川頼貞君 これはこの運動、この問題には限りませんが、我々やはり外務委員会に属している委員としては、やはり外務省に来てるいろいろの書類をこちらから要求される場合には渡されるのは勿論ですが、できるだけ多く我々のほうに配付して頂きたいということをこの際重ねてお願いしておきたいと思います。

團伊能自由党

○團伊能君 まだ国連に加盟を許されておりませんイタリーの例に見ましても、信託統治委員会の中には單にオブザーバーでなく、すでに十分発言もする委員としてイタリー国は加わつておりますが、それのイタリーの国連信託統治委員会に入つておりますステータス、どういう資格になつておりますか。伺いたいと思います。

須山達夫外務省国際協力局第一課長

○説明員(須山達夫君) イタリーは今度の戦争で失いました自国の植民地の中で、ソマリランドにつきましては自分が施設権者になりました。その信託統治協定に基いて自分が施政権者になりましたために、今度の憲章上施政権者は信託統治理事会に出て来れるということになりました。その結果そこにおいて発言権が生じたわけであります。

團伊能自由党

○團伊能君 その委員の資格は、やはり正規の委員として出ているわけですか。

須山達夫外務省国際協力局第一課長

○説明員(須山達夫君) これは只今その協定と、それからその点の書類を持つておりませんので、私の記憶でお答え申上げますが、正規の者として出ておりますけれども、投票権は持つておりません。発言権は持つております。

團伊能自由党

○團伊能君 只今のイタリーの非常に特殊な場合がありますけれども、先ほど杉原委員からもお話がありましたように、講和條約を受諾したそのときにおきまして、すでに国際連合に加盟する我が国の立場を声明し、又その義務を受諾することを声明しておりますし、そういう国連と日本との特殊な関係におきましても、これは国連の参加を許される前に部分的な委員会等におきましては、單にオブザーバーを許されるばかりでなく、或いは場合によりましてはその専門委員とか、或いは参考人とかという形において出席して、発言する機会のつかめないことはないと考えます。殊に日本と非常に密接な関係を持つております東洋の問題はもとより、例えば捕虜送還の委員会、昨年の十二月に最後の委員会をいたしたと思いますが、そういう委員会とか、或いは日本として非常に不安に思つております海上保安に関する問題を来たるべき委員会に提出するとかという問題で、これは日本の発言権は或る程度道が開かれようと考えられますが、外務大臣におかれましてこの加盟申請とその辺のお考えを伺わして頂きたいと思います。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) これはいろいろほかの国との関係もありましようから、ここでこうやるんだとか、こうやりたいとかということを申すことは差控えたほうがいいと思いますけれども、御意見は十分了承いたしますが、御意見の趣旨はできるだけ尊重して善処して行くようにやりたいと思います。

團伊能自由党

○團伊能君 なお先月、甚だ根拠はないかも知れませんが、日本は各国に大公使を送ると共に、国連に対して或いは資格はオブザーバーかも知れませんが、日本の立場としては公使、大使級の待遇を以て国連の連絡員と申しますか、オブザーバーと申しますか、送るようなことも伝えられておりましたが、外務省としてそういう御意思がありますか。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) これもどういう資格の人を……これはまあいろいろありまして、大使を出している国もありますし、書記官のようなものを出している国もある、いろいろのようであります。どういう資格の人を出すかということはまだ決定しておりませんが、費用等はそう大したこともありませんからして、できるだけ日本の国としての立場上他国との釣合いについても見劣りのしないようなところで、適当なところを出そうと考えております。まあいろいろ研究中であります。

團伊能自由党

○團伊能君 ニユーヨークに集つております代表及び国連総会その他に出席する人は、人物的にも相当各国を代表する大きな人が集まつております。こういう点から考えまして、今日外務省としては非常に予算問題に縛られてもおいでになりましようが、これをニユーヨークにいられる総領事というようなかたに代表させるということは、事務は助けられても甚だ不得策とも考えますので、この問題につきましては相当の代表を送られるよう、希望をここに述べさせて頂きたいと思います。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 ちよつと一、二お伺いしますが、この琉球を信託統治にして主権が日本にあるということを講和承認国会で盛んに議論されたのでありますが、結局どういう形式になつておりますか、国連との関係及びアメリカとの関係。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) 只今のところどういうふうになりますか、まあ信託統治に将来はする、アメリカでそれに関する提案をすることになつておりますけれども、只今のところまだそういう提案をいたしておるわけではないのです。アメリカ側としては、実際上は軍事的に必要でない範囲においてはできるだけまあ日本の主権を認める方向に行きたいという気持でおるようです。将来信託統治の提案をする場合にどういう形になりますか、そういう特殊の事態を考えて、アメリカでも非常に研究しておるようです。まだ別に結論が出ておるようなことも伺つておりません。ちよつと今のところはつきりわからないと思います。我々としては、現実の事態は経済にしても交通にしましても、或いは学校その他の問題にしましても、アメリカ側としてこれを日本から切り離すような方向に向わない。むしろ日本側にひつ付けるような方向に向つておるようですから、今のところ南西諸島は日本から形式的には離れておるという恰好になつておるのは残念でありますが、事実上まあかなり満足というようには行くまいと思いますが、いいほうに向つて来ておると思います。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 あの問題についてサンフランシスコ会議のときに、ダレス及びヤンガー氏が主権は日本にあるということを演説において言いましたのですが、あれは何といいますか、この主権問題についてはどういうカのあるものなのですか。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) これは私の考えでは、アメリカ、イギリスはこの会議の招請国でありまして起草した提案者でもありまするから、その解釈が一番オーセンテイツクなものであると考えております。従つてその両国が主権が日本にあるのだということを会議の席上で申されたこと、これは非常にそれを争うべき反対の根拠を持つ論拠はないと思います。どこの国を見ても別に反駁いたしておりません。私はそれできまつたものと考えております。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 安全保障條約ですが、あれは日米安全保障條約と国連とはどういう関係を持ちますか。国連に入るのと入らないことであり方が違うようですが、その点承わりたいと思います。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) あれは、この日米安全保障條約というのは、究極には国連に加盟することを予想しておるのであります。それは平和條約で日本が国連加盟をするということを宣言しておりますし、平和條約と少くとも日本及びアメリカに関しては一連の関係があつて同日に調印された條約であります。而もその四條には、ちよつとここで條文を持つておりませんが、国連による措置及び個別的及び集団的の安全保障措置の効力が有効になるまでこの集約は効力を有するという趣旨になつております。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 全く別なことですが、悪いことを予想するようですけれども、国連に加入しようとするとき、先だつてもお伺いいたしたのですけれども、或る国の拒否権のために安全保障理事会の勧告がないとしたとき、そういう場合、あの憲章にありますように、平和愛好国を入れるということがありますが、平和愛好国でないとして拒否された場合、そのほかの国が平和愛好国と日本を入れようとしても、安全保障理事会というもので、日本はそういうものでないという御疑念を持たれてしまう。そういうことに形式上になるようでありますけれども、そういうことについてどういう考え方を持つておりますか。

岡崎勝男自由党

○国務大臣(岡崎勝男君) これは今の国際情勢から見ますと、この拒否権はどういう理由で使うかこれはわかりませんが、これは拒否権を使われる場合もなきにしもあらず、当然あり得る場合もあると考えまするので、我々としては例えば先ほど問題になりました朝鮮において行動しておる国連軍に対する協力、或いはこの平和條約にありまする国連軍に対する一般的の協力、或いはこの今協定案が出ておりまする国連に対する特殊の協力、こういうようないろいろの日本側として自発的に各種の協力をするという体制をとりまして、少くとも世界の大多数の国々は日本が平和愛好国であり、且つ国連に加入せんとしていろいろ努力しておるという点を認めて、これに支援を與えるような方向に持つて行きたい。併し国際の今の情勢では極く少数の国々が反対の意見を表明するということも、これはいたしかたないのであります。そういう場合も大多数の国からは日本の真の性格が認められ得るようにいたしたいと考えておりまして、各種の施策をいたしておるような次第であります。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 今日は私の質問はこれで終ります。

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) ほかに御質疑はあるかもしれませんが、いろいろの都合もありますので、本日の質疑はこれを以て一つ先ず打切りまして、次回に譲ります。なお明後日になりますが、国連加盟の問題について質問を続行したいと思つております。外務大臣の御出席はあると思います。   —————————————

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) なお、お諮りいたしますが、本日大蔵委員会より、千九百二十三年十一月二日にジユネーヴで署名された税関手続の簡易化に関する国際條約及び署名議定書の締結について国会の承認を求めるの件について、連合審査の申入がありましたが、連合委員会を開くことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) それでは連合委員会を開くことにいたしまして、開会日については大蔵委員長と協議の上取りきめることに委員長に御一任を願いたいと思います……それでは御一任あつたものと認め委員長より然るべく取計います。  それでは本日はこれを以つて散会いたします。    午後三時五十九分散会

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