外務委員会 第21号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/04/15
会議録
○委員長(有馬英二君) それでは只今只今から外務委員会を開会いたします。昨日の在外公館に勤務する外務公務員の給與に関する法律案を議題といたします。つきましては、昨日杉原委員からの質問に対しまして、第九條の中の「最近の国会においてこの法律が改正されるまでの間」という字句に対しまして、懸案になつておつたのでありますが、法務府法制意見第二局長林修三君から説明を聞きます。
○政府委員(林修三君) この法案の第九條の、只今の問題になりました「最近の国会においてこの法律が改正されるまでの間」ということにつきまして、大体の解釈と申しますか、立案の趣旨について御説明申上げます。 これにつきましては、大体二つのことを含んでおると思うのでございますが、「最近の国会において」ということは、やはり国会の閉会中におきまして、特殊の事情によりまして在外公務員手当等の改訂をいたすような必要があります場合において、大体国会閉会中に政令で特例をきめるはずでございます。そういう関係からいたしまして、やはり「最近の国会」と申しますのは、その政令のきめられましたときの、その次の国会におきまして、改正の措置と申しますか、国会へ、政府によりますか、或いは国会議員のほうから、御提案も勿論あることと思いますが、政府のほうにおきましてこの法律化する措置をとるべきである、こういうことと、それからもう一つは、そういうことに基きまして、実際にこの改正の措置がなされるまでの間、政令の効力がある。つまり、この二つのことを含むと思うのでございまして、最近の国会におきまして政府が改正法案を提案いたしますと、仮にそれがいろいろの事情によりまして、次の国会において改正の措置が成立した場合も、それまでの間勿論効力が続くことと考えておるわけでございます、ただ、はつきりと国会におきまして否決されたというような場合におきましては、これは勿論そのときに、将来に向つて、この政令の効力がなくなるものだ、かように考えておるわけでございます。
○委員長(有馬英二君) どなたか御質問がありませんか。
○岡田宗司君 この「最近の国会において」という意味ですが、今のお話ですと、とにかく政令がきめられてすぐその次に開かれる国会と、こういうことになるのですがたまたまその国会が、この前の例に見られましたように極めて短かい国会、そうして、こういう法律の改正等が出されないというような場合があり得る。そうなつて来ると、「最近の国会」ということはどういうことになるのですか。
○政府委員(林修三君) 只今、例にお挙げになりました点は、昨年の八月に開かれましたような、臨時国会のような場合を御想定になつたことと考えられるわけでございますが、かような場合がございましても、やはりこの法律の趣旨から申しますれば、一応政府としては、これを法律化する法案の提案をいたすだけのやはり用意をいたさなければならないのじやないか、さように考えておるわけでございます。例えば昨年の八月の国会のときにおきましてちよつとこれとは例が違いますのでございますが、あの前の国会におきまして、在外公館等借入金の返済の準備に関する法律というのがございまして、次の国会に、政府は返済の実施に関する法律案を提案しなくてはいけない、というあれがございます。実は八月の国会は、僅か二日だつたと思いますが、政府といたしましては提案をいたしたいわけでございます。あと、国会がこれをどうお扱いになりますか、そのときの事情にもよることと存ずるのであります。一応この法律案の趣旨といたしましては、勿論国会議員のほうからお出しになれば別でございますが、政府といたしましてはやはりそれだけの準備をして国会の御審議を待つということの義務を負つているのじやないか、かように考えております。
○岡田宗司君 とにかく「物価若しくは為替相場の著しい変動その他特別の事情により、緊急に在勤俸の額を改訂する」云々とあるのでありますが、これは相当大幅な変動のあつた場合と解せられると思うんです。そうなつて参りますというと、予算の問題が関連して来ると思うんですが、これはやはり同時に「この法律が改正されるまでの間」云々ということと関連して考えて見ると、この最近の国会にはそれに伴う予算の補正の措置が当然講ぜられるべきものかどうか、どういう御見解ですか。
○政府委員(林修三君) これは勿論御承知のように、予算には予備費のあれがございます。予備費で支出し得る分につきましては、予備費の支出ということも勿論当然考えられると思うのでありますが。予備費で支出し得ない部分については、おつしやる通りの問題が起るかと存じます。
○岡田宗司君 そこで外務省のほうに聞きたいのですが、この俸給の問題については、こういう場合を予想して相当な予備費が常に計上してあるのですか。そういうことになつているのですか。
○政府委員(高野藤吉君) 本年度の予算におきましても約三十億の予備費が計上してありまして、こういう事態が起きますれば……大体こういう事態は一つの国の、世界全体ということは考えられませんで、而も短期日の間であると思いまして、その範囲では十分賄い得ると考えられるのでございます。
○岡田宗司君 そうすると、外務省のどういうところにその予備費が……外務省全体の予備費なんですか。それとも外務省の俸給関係の款項目の中の予備費になつているのですか。
○政府委員(高野藤吉君) 政府全体の予備費でございます。
○岡田宗司君 政府全体の予備費の支出を、予備費の中からそれでは外務省が要求をして、それで一時支出するということになるんですか。
○政府委員(高野藤吉君) お説の通りでございます。
○杉原荒太君 先ほどの林さんの御説明を一応了承しましたが、将来の問題といたしまして、この種の事柄を規定するに当つて、その方式を、今ここに見えているような文句、更に又旅費に関する法律の例というようなものを、将来のやはり一つの先例的な形を、今後も先例としてこういうようなものをそのまま取つて行くような……将来については、併しなお、その辺のところを御研究になるようなつもりでおられるかどうか、その必要があるというふうに認められるかどうか。
○政府委員(林修三君) 今お話がございました通り、一昨年でございましたか、御議決を願いました旅費に関する法律に大体これと同じ文句があるわけでございます。一応そのとき以来、先ほど申しましたような解釈で、今回も同じような表現をとつたわけでございます。今後におきまして、勿論使う事柄の違います場合につきましては多少別の表現をとつた法律案もございます。事柄によりましては多少事態が違う関係で、違う表現をとつたものもございますが、ただまあ只今ここで、昨日ちよつと私伺いませんでしたが、いろいろ問題が起りましたことがございますので、私どもとしては一番いいのじやないかと思つておりましたが、将来の立法問題としては、なお考究したいと思つております。
○岡田宗司君 昨日も問題になつた点なんですが、先ほどの解釈で参りますというと、例えば最近の国会で否決されれば何ですが、そうでなくとも審議未了等になつた場合には、次の国会までやはり政令がそのまま続いて行くのだ、効力を持つて行くのだ、こういうようなお話だつたと思います。やはりこれは「最近の国会においてこの法律が改正されるまで」というふうに、場合がはつきりしておるのですから、これはやはり最近の国会において政府がちやんと改めて法律案を出して、つまり改正案を出して、そうして、それを改正するということをはつきりさして置いたほうがいいように思われます。そうでないというと、どうも政令というものが、「最近の国会においてこの法律が改正されるまでの間」とは書いてあるけれども、実際上は、次の国会、或いは更に場合によればもう一つ次の国会までもそのままで行くということも生じそうに思われるのですが、その点はどうなんですか。
○政府委員(林修三君) これはまあ一応私の考えといたしましては、先ほど申しましたように、次の国会に、政府といたしましては改正法案を提出いたすわけでございます。従いまして、それのお取扱は結局国会でお取扱になるわけでございますが、或いは継続審議になりますか、或いは審議未了になりますか、或いは否決されますか、それは当然国会において、次の国会におきましてお取扱がきまることであろうと存ずるわけでありまして、それまでの間というわけでございますから、決して政令を次々と長く政府の意思で延ばすということではない、そういう点はそう御心配のようなことは起らないと思います。国会のほうで御審議の結果きまるのでありまして、差支えないだろうかと思います。
○岡田宗司君 そういうふうに言われれば問題はないと思うのでありますけれども、実際上これはこの問題だけではなくして、こういうようなことは一般的に生じ得る問題なんで、その観点から見ますというと、やはりこれは政府が最近の国会において法律を改正するということを、はつきりさして置いたほうがいいのではないか、従つてこの政府が改正案を出すということを、こういう場合には私ははつきりさして置いたほうがいいと思うのですが、どうなんですか。
○政府委員(林修三君) お説の通り御尤もと存じますが、ここで書きました趣旨は、一応政令は政府が出したのでありますから政府に責任がございますから、政府で改正の法案を出すべきことは当然の責務と考えますけれども、ここで書きましたのは、必ずしも政府のみがその改正案を出すということは予想しておりませんで、国会議員のほうでお出しになることは別に否定してはおらないのでありまして、必ずしも政府が出すということを書いたほうがいいか、これにつきましては、そこまで書く必要はないということで、こういうふうな表現にしてあるわけです。勿論政令は政府が出すわけでありますから、一応政府の予算に関するものでありますから、政府が提案するのが当然の責務であるとは存じますが、そこまではつきりしないでもいいだろうと考えておるわけであります。
○岡田宗司君 政府が政令を出してきめたというのならば、政府が国会と国会の間でそれだけの必要を認めてやつたものなら、これは当然次の国会において政府が出すのが当り前、国会議員のほうから出すべき筋合のものでもないと思うのですが、そうなつて来ると、やはり政府に、こういう場合にはつきりと改正の法律案を出すということを義務付けておいたほうが間違いなくていいのじやないか。
○政府委員(林修三君) この條文だけでも、先ほど申しましたように、政府としては出す責務は負つておるわけでございます。その点はまあ御心配のことはなかろうかと存じております。
○岡田宗司君 私は、どうも政府がそれだけの責務を負つておるというふうには解釈できないのですが、これはやはり明記しておいたほうがはつきりするので、明記してないというと、そうでない場合も考えられるので、明らかにしておいたほうがいいのじやないかと思いますが。
○政府委員(林修三君) まあ今までの取扱を見ましても、御承知のように昨年の夏、サンフランシスコの平和会議がございましたときに、旅費に関する法律の附則に基きまして全権委員の旅費の特別な政令が出たわけでございまして、次の臨時国会にその改正案を御提案申上げまして、その可決をお願いしたような事情もございまして、当然先ほど申しましたように「最近の国会」と、ここにはつきり書いてございますので、当然その措置がとられることは予想されますので、私どもとしては、これでいいのではなかろうかと存じておるわけであります。勿論、今、おつしやいましたようなことも考えられないことはないわけでございますが、まあ一応私どもが提案いたしました趣旨としては、それで差支えないのではなかろうか、そういう解釈でいいのではなかろうかと存じておつたわけであります。それ以上のことにつきましては、おつしやいますことも十分理由のあることは私どもも存じておりますが、一応政府といたしましてはそういう考え方だつたわけでございます。
○岡田宗司君 これはまあ俸給なんかの改正ならそう大したことはないわけですが、一般的に考えた場合に、この法律を或る程度政令で直して、その次の国会で以て改めて法律に直すという場合には、この場合だけでなく、いろいろな場合が起る、そのような場合の一つだと思うのですが、全体的に見てほかのいろいろな事例との関連があるわけなんだが、こういう場合における政令と法律との関係というものは、もつと明白に規定しておいたほうがいいのではないかという立場から、私は質問しておるのですが、もつと一般的な問題として、こういう場合の政令と法律との関係についての規定のあり方を御説明願いたいと思います。
○政府委員(林修三君) こういうふうに特別に、法律で書くべきことを政令で書くということは、これは極めて例外のことでございまして、やはり特別に緊急の必要がございまして国会閉会中にそういう事態が起つて、而もそれが特別に緊急を要するというような場合の特別の措置でございます。これは、こういうことは合理的な根拠がない限り、こういう立法をすべきものではないと、実は私ども考えております。今まででも極めて例外的な場合にしか、こういうことは法律として御提案申上げたことはないのであります。そういう意味におきまして、これが一般的に国会閉会中においていろいろのものに拡がるということは、これは予想されないことだと存じておるわけであります。特別な合理的な必要がある場合だけと当然考えておるのであります。そうそうこれが一般的に、今後こういう例ができるということは、私ども只今予想しておるわけではございません。
○岡田宗司君 それならばもつと細かく規定をしておいたほうが、間違いがなくていいのじやないですか。
○政府委員(林修三君) 先ほど申上げましたような措置で、一応私どもとしては、こういうことで解釈はいいのじやないかと考えておつたのでありますが、そういう意味につきましては、ちよつと私ども……勿論いろいろの規定の仕方、いろいろな手段方法、立法技術はあると存じます。併し一応これで、私ども非常に拙ないところがあつたかもわかりませんが、一応これで立法技術としても解釈上間違いはなかろうと考えたわけでありまして、一応そういうふうに考えておつた。勿論立法技術的に一つであるべきはずは勿論ないのであります。もつと細かい規定の仕方も勿論あると思います。一応これでいいのじやなかろうかと考えたのでありまして、その点御了承を願いたいと思います。
○岡田宗司君 参議院の法制局長に、昨日この問題について考えてもらいたいということを言つたのですが、法制局長はお見えになつておられるか。
○委員長(有馬英二君) 出席を要求いたしますか。
○岡田宗司君 そうですね、来て、とにかく昨日そう言つておいたのですから、意見を聞いておきたいと思います。とにかく昨日の委員会では、局長にこの場合について考えてくれと言つておいたのですから、それは局長が来て、それについての説明をして頂くのがいいのじやないかと思います。法制局長がお見えになつたので一つ……。もつと、第九條の「最近の国会において」云々というところを明らかにするようにお願いをしておいたのですが、この案について法制局長のほうから出された案について、ちよつとお伺いしたいのですがね。
○委員長(有馬英二君) それでは奥野法制局長から御提出になつた在外公館に勤務する外務公務員の給與に関する法律案に対する修正案というのが、今お手許に配付されたのでありますが、それについて御説明をお願いします。
○法制局長(奧野健一君) 昨日のお話によりまして、一応修正案を作つて見ましたのでありますが、これは原案のうちの「最近の国会において」という字を一応削りまして、二項及び三項を加えたのであります。「最近の国会において」という文字を削りますと、法律の改正のあるまではこの政令が、これは飽くまでも閉会中の出来事について国会で法律が制定せられるまでの間の繋ぎの臨時的措置でありますので、できるだけ早く法律によつてこの点の改正をいたすことが望ましいのでありますから、最近に開かれる国会に必ず政府としてはその改正の法律案を提出しなければならない。それから先は国会でその法律案を可決いたしますればその法律案に乘り移つて参りますし、それから若し否決になりますれば、これは国会の意思が明白に反対の意思を表明されておりますので、政令は効力を失うということになるように、明白に規定することがいいのではないかというので、二項、三項を附加えた案を作つたわけであります。
○岡田宗司君 どうもこの臨時的な政令と国会における法律改正との関係は、このほうがはつきりしているように思うのです。これは意見局のかたにどつちのほうがはつきりして、どつちのほうがいいか、ちよつとお伺いしたい。
○政府委員(林修三君) ちよつと私ども余りはつきりした意見は申上げかねるわけでありますが、大体同じようなことでありますので、この審査は委員会のほうの御審査にお願いいたしたいと思います。ちよつとはつきり意見……私どもとしては、まあ一応立案したときはそのつもりで書いたわけでございますから、このほうがいいということになればこれは勿論……。
○岡田宗司君 どうも意見局のかたが意見がなくちや困るのですね。このくらいの條文について意見を述べてもらわなくちや意見局の役目をなさんじやないですか。
○政府委員(林修三君) いや、この政府の提案いたしました法案は、私どものほうで一応審査いたしまして出したわけでありますから、一応私どものほうといたしましてはこれでいいのじやないかと思つておつたのでございますが、ただ併し勿論同じような趣旨をもつとはつきりさせる意味において、これまで書くということも、勿論先ほど申しましたように立法技術的に考えて結構なことでございます。それを私否定するわけでは決してございません。政府といたしまして御提案いたします際に、これで一応いいというふうに考えておつたということだけを申上げたいと思います。
○杉原荒太君 林さんにお伺いしますが、先ほど御説明になつた趣旨、その内容の意義が、ここに今奥野さんからの案、これと内容的には一致しておるという見解ですか。
○政府委員(林修三君) さようでございます。
○岡田宗司君 今の林さんの話だと、この内容が、まあ奥野さんのほうの出されたこの案と趣旨において同一であるとすると、どうもはつきりと規定してあつたほうがいいように思うのですね。内容は違つちまうなら別問題ですけれども、内容が同じならば、明白な規定のほうが法律上疑義が生じなくていいことになる。どうでしようか、その点もう一遍林さんの御見解は……。
○政府委員(林修三君) ちよつと私から……、私どももまあ当の法案の立案にあずかつたものでございますので、多少或いはこだわつてるのかも存じませんけれども、勿論こういうふうにはつきりいたしますれば、先ほどおつしやいましたような疑問は非常に発生の余地がなくなるという意味においてははつきりしていると思います。併しまあ、私どもも大体同じ趣旨で立案したということだけは御了承願つておきたいと思います。
○岡田宗司君 意見局のほうでこれを立案されたときには、これでいい。併しどうも我々のほうからははつきりしない。そこではつきりした案を国会側のほうで作るという場合に、それについて立法技術者であるあなたのほうで、どつちがはつきりしているのだと聞いたときには、どちらがはつきりしているか、どちらがいいかということくらい、これはお答えになるのが至当じやないかと思うのですがどうでしよう。
○政府委員(林修三君) 昨日おつしやいましたような或いはそういう疑問が生じない意味においては、これのほうがはつきりしているかもわかりませんが、併し先ほど申しましたように、私どもとしては解釈上は差支えなかつたと実は存ずるわけでありますが、まあ疑問が生じる余地はこのほうが少いかと思います。
○兼岩傳一君 この問題があるならば、きりがついたところで…。
○委員長(有馬英二君) この問題について、もう暫らく……。
○兼岩傳一君 ほかのかたはいいですか。
○委員長(有馬英二君) 如何でしようか。……それじや速記をとめて。 午後零時四分速記中止 —————・————— 午後零時四十二分速記開始
○委員長(有馬英二君) それでは速記を始めて。 本日はこれを以ちまして散会いたします。 午後零時四十三分散会