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13回国会参議院1952/03/28

外務委員会 第15号

発言数
72
登壇者
10
会派数
5
開催日
1952/03/28

会議録

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) それでは外務委員会を開きます。  前回に引続きまして外務公務員法案を議題といたします。御質疑をお願いいたします。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 実は甚だ怠慢で、今日になつて初めて法案を見たような点も相済みませんけれども、それと同時に曾祢君の代りの臨時委員でありますから、余りいろいろな外務省の役所のことなんかを知らないので、極く素人のようなことをお伺いしたいと思いますが、第十二條に、第四項「待命の期間中、俸給及び勤務地手当のそれぞれ百分の八十を支給する」という、こういう音葉がありますが、まあこういう慣例があるのだろうと思いますが、そうしたことについての慣例のようなことを御説明願いたい。待命期間中の給與額のことについて……。

大江晃外務大臣官房長

○政府委員(大江晃君) 待命の制度につきましては、従前は外交官、領事官の官制の十條におきまして規定を設けておりまして、昔は満三年間の期間を以て待命の期間を與えておりました。給與につきましては在外公館の費用條例の第三條におきまして、待命期間中の外交官にはその本俸の三分の一以内を給することができるということになつております。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 今引用せられました在外公館云々の法令は戰後の法令ですか。

大江晃外務大臣官房長

○政府委員(大江晃君) 戰前の法令でございます。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 そうすると、只今引用せられた法令の支給額からいたしますと、本俸の三分の一以内ということになつておりますけれども、このこれは百分の八十でありますから、戰前とは非常に額が、パーセンテイージが殖えて来ておることになると思いますが、それはどういうことになるのですか。それからもう一つ併せてお聞きしておきたいと思いますことは、これはまあ外務官吏の他の国家公務員と異なるところの特殊性の上に立つての法律でありますが、一般国家公務員が適用される。こうした場合ですね、例えばほかの国家公務員にも待命期間というようなたちのものがあるのか、又その場合におけるところの俸給や手当の支給額というようなものとの関係はどうなるのですか。

岡部史郎人事院法制局長

○政府委員(岡部史郎君) お答えいたしますが、この待命の大使、公使の手当を百分の八十にした根拠でございますが、これは実はこういうことになつております。御承知のように戰前におきましては、大体こういう職務に就かない期間中の給與の標準というものは三分の一になつております。一例が休職者、戰前におきましては休職を命ぜられたものには本俸の三分の一を支給するということになつております。大体皆この職に就かないものは三分の一、その根拠はどこにありますかと申しますと、結局これが唯一の理由だということは言い切れないのでありまするが、大体におきまして経済状態がノーマルな場合におきましては生計費の占める割合が三、四〇%である。そういうような場合におきましては、大体三〇%の場合におきましてはその三分の一で、これはまあ生計費を、生活費を支給するのだということに基くように考えられます。ところが戰後におきましては、この生計費指数、いわゆるエンゲル係数というのが非常に高くなつて参りまして、一時六〇幾つ、現在においても六〇近いかと思うのでありますが大体……。そういうわけで戰後におきましてはすべてこの従来三分の一であつたものが、原則として六割、或いは八割という例が多いわけであります。現在の一般職の職員の給與法におきまして休職者の給與を定めておりますが、これは御承知の通り原則として八〇%をとつております。こういうようなのが大体の考え方に基いて八〇%になつておる、これなら大体生計費をカバーする程度のものというような考え方におきましてなつておる。まあ待命の大使又は公使には特別の事情がありますから、生計費の上に幾らか余裕を付けるという考えだと思います。そういうように考えております。なお、待命と申しますのは、この法律が特に定めておるのでございまして、私どもの知つておる限りにおきましては、一般職の職員は勿論、特別職の職員につきましても現在待命という制度はございません。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 そうすると待命というのは、結局他の一般公務員におけるところの休職に該当するのですか。即ち待命期間というのは休職期間というのに該当するものであつて、他の一般国家公務員も以前は休職給は本俸の三分の一であつたけれども、現在は八〇%になつているというのが只今の御答弁の内容と解釈してよろしうございますか。

岡部史郎人事院法制局長

○政府委員(岡部史郎君) 後段はその通りでございますが、前段におきまして、待命と休職とは又違うのでございまして、この大使、公使につきましては休職という制度はございません。これはございませんですから、或いは休職と似ているとおつしやればその通りかとも思いますが、一般職の職員の休職の場合とはそれぞれ事由が限定してございます。国家公務員法の七十九條に二つの事由が限定してございますが、その事由に基きまして、いわゆる休職を命ぜらるわけであります。ところが待命につきましては、この十二條の事由に基くわけでございますから、待命と休戰とはおのずから制度は違うのであります。それから職務をとらない場合に、職務に対する一〇〇%の報酬という意味ではございませんが生計費は支給するのだ、そういう点において似ていようかと思います。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 そうすると待命の期間中在職当時の俸給の百分の八十を支給する目的は、今おつしやつた御答弁によつて、結局休職期間中のその他の国家公務員の生活を保障するというのと同じように、その主目的は生活を保障することにあるというように解釈していいわけですね。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) 大体その通りでございます。殊に待命制度は、午前中も申上げましたように、いろいろアグレマンを取つたりいたします関係上、止むを得ず必然的にこういう制度をとらなければならんということから生まれて来た制度でございまして、その間の或る程度の俸給といいますか、そういうものを支給しなければならんことは当然のことじやないかと思います。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 午前中のそういう政府委員の御答弁を欠席いたしておりましたので承わらなかつたので今初めて承わるのですが、アグレマンを当事国から取るというような関係のために、特殊的な待命という制度があるわけなんですか。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) そうであります。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 大体その待命の期間というのは、従来の例からいたしますと、どれだけぐらいの期間になるのでしようか。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) もとは三年ぐらいあつたのでありますが、これも午前中出た議論でありましたが、昔は待命制度というのが、何か恩典といいまするか、暫らくその間待命にしておいて、又その中から外交官に外地に行つてもらうというような目的から、相当長い期間があつたのでありまして、今度のはアグレマンを取つたり、いろいろする関係上必然的に出来る止むを得ない制度として生まれたのでありまして、ただ相手国からアグレマンを取るにつきましてもすぐ出ないからといつてそのまますぐ引込めるわけにも行きませんので、まあ一年間くらいは期間を置きまして、そのうちにはつきりわかれば別でありますが、一年以上にもなるというのであれば解任、職を免ずる、こういうことにしておるわけであります。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 それで公使などの待命期間中、即ち他の一般公務員におけるところの休職期間中の生活を保障するために百分の八十の俸給及び手当を支給するのだということが一応了解できるのでありますが、生活を保障するということになりますというと、結局本俸を基準にして、本俸に対する百分の八十を支給すれば事足りるのだと思うのであります。ところが勤務地手当という言葉がそこに入つておりますから、外交官の勤務地手当というものは、私は素人でありますけれども想像いたしますところ、本俸の恐らくは数層倍にも、或いは数十層倍、或いは数百層倍かも知れませんけれども、比較にならないくらい私は多額なものだと思われるのであります。そうしてその期間は、恐らく内地へ帰つて生活することになるだろうと思いますが、そうした外地におけるところの勤務地手当、本俸の数層倍、数十層倍するものをここに規定して置くほどの必要は、御答弁によるところの生活保障という点からすると、ないような気がするのですが、それは如何でしようか。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) 吉川委員がおつしやいましたのは、在勤俸のことじやないかと思うのでありますが、この勤務地手当というのは、一般公務員にあります東京なら東京の勤務地手当という意味でございまして、本俸の二割五分ですが、それでここにありまするこの勤務地手当というのは、大体東京ということを考えております。東京の勤務地手当を支給する、こういうのであります。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 よくわかりました。  それでは違うことを一つお伺いいたしたいと思うのでありますが、これは何條でありましたか、今休憩中に外務省のお役人の諸君と私的にお話をしておつたわけでありますが、この法律のどこかに大使、公使というものは天皇の認証を要するということに、第九條ですか、なつておりますが、ところが普通認証官というものは、昔の制度による、あれは親任官に該当するものだと思われるのでありますが、大使は大体従来ともそうした形式をとつたんじやないかと思うのでありますが、公使は、まあ官僚といたしましても、俗な言葉で言えば、局長級というふうに解釈されておつたかと思うのでありますが、これはそういう親任官ではなかつたと思うのでありますが、こういう認証の制度が公使にまで適用されるようになつた従来の制度との違い及び理由というようなものについて一つ御説明が願いたい。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) 只今のお話のごとく、昔は親任官というのは大使だけであつたのでありますが、今度はこの在外公館の、別に御審議を願いまする位置に関する法律案が別にあるわけでありますが、それらを御覧になつてもわかるように、修交国に……殆んど大使を交換するという国が非常に多くなりまして、大使、公使の間の区別というものが、実質上の差異というものが重要性においてもその他においても殆んどない、なきに近いまでに至つて参つたのでありまして、そこで同じく一国を代表して外国に駐在するのでありますから、この際国家の重要なる官吏の任免と考えまして、公使も認証制度に加えた次第であります。

大隈信幸民主クラブ

○大隈信幸君 今のと関連してでありますが、今のお話で大使、公使の区別ですが、区別はあれですか、日本国が一定の基準に基いてそれをきめるのか、或いは相手国側との関係においてそれがきめられるのか、その辺の御説明をこの際して頂いたらいいと思いますが……。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) 只今のところでは、大体相手国の希望がありまする際に、それを公使でよろしいというわけにも行かない。それから又欧米の諸国と交換しておりまする事例等をも参考といたしまして、大使、公使の区別をしておる、こういうことになつております。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 第十六條の査察使の制度についてでありますが、戰前においてこういう制度があつたのかどうかということを一つ承つておきたい。

大江晃外務大臣官房長

○政府委員(大江晃君) 戰前におきまして、外務省の制度といたしまして査察制度ということをやつたことはないのでございまするけれども、実際の運営におきまして外務大臣が大使級の人を任命いたしまして、世界全体の公館を査察させるという実際の運営は、私の記憶では一、二回あつたと思います。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 これと同様なる制度についての諸外国の実例等がありましたら、教えて頂きたいと思います。

大江晃外務大臣官房長

○政府委員(大江晃君) 諸外国におきまして如何なる査察制度がございまするか、現在のところ資料の準備がございませんので、更に研究いたしまして後刻御報告をいたします。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 必ずしも私は惡い制度だとは思わないのでありますが、新らしくこういう規定を置く必要がそれほどあるものであるかどうかということについて、十分まだ納得が行かないのでありますが、そうした資料等の御提出を願つた後において再検討を自分でもいたしたいと思つておりますが、次に第十五條の、「外務省研修所又は外国を含むその他の場所で研修を受ける機会を與えなければならない。」という規定でありますが、これは従来とも外交官試験に及第しても、数カ年の間、外国の大学等に留学させたり、或いは語学の修練のために実務に余り就かさないで、見習といいますか、こうした研修をさせておつたということは、ほのかに私も了承いたしておるのでありますが、従来はどういうことをおやりになつていたかということを、実際上その当事者でなかつたものですからよく知らないのでありますが、そういう例も一つお話し願いたいと思いますことと、それから外務省の研修所のことについても、こういうものができておるということは聞いておりますが、その具体的な内容といいまするか、どこにあつて、どういう科目について、どれだけほどの期間、どういうことを教えておるのであるかということのお話を一つして頂き、又資料等をこの機会に出して頂けるならば、私非常に結構と思います。

大江晃外務大臣官房長

○政府委員(大江晃君) 研修所の現状、或いは外国におきまして研修をどういうふうにやるかということにつきましては、後刻申上げますが、その前に、先ほどの査察制度につきまして甲許にありまする賃料といたしましては、アメリカのフオリン・サービス・アクトの中に査察制度というものがございまして、国務長官は少くとも毎二年毎に一回の割合を以て外交及び領事事務の査察を行うために適当な外交官を派遣するというような規定がございます。これを申上げておきます。更に、他の国の制度につきましても又資料がございましたら申上げます。  次に外国におきまして研修をいたすことにつきまして従来行なつておつたのに二通りございまして、一つのほうは外交官というものになりまする若い職員が、最初の一年間、当該の国の大学等におきまして語学を中心といたしましていろいろ勉強する。もう一つのほうは、これは必ずしも毎年外交官、領事官の試験を通つたものから毎年必ずやるというわけではございませんが、予算の関係その他から、いわゆる研究員というものを選びまして、その国に三年間滞在させまして、やはり語学を中心とし、或いは国情の研究その他をやらしておりまして、この制度は今後これからも又再び続けたいと考えておりまして、大体同じような方法で以てこれを踏襲して参りたい、こういうように考えております。外務省の東京にありまする研修所の制度につきましては、場所は小石川の、これは東方文化学院ですかの建物を外務省が借用いたしまして、ここに研修所長以下指導員数名を置きまして、先ず外交官、領事官の試験を受けましてパスいたしましたものを一つのグループといたしまして、これに六カ月間の語学或いは日本の文化等に関しまする教育を授けます。又その間、適当な期間、一定の寄宿舎に收容いたしまして団体的な訓練も與えるということもいたしております。この研修所にはこのほかに外務書記生のクラス、こういうものもございます。更に外務職員で仕事をしておるものの再教育という意味におきまして、グループに分けまして語学を勉強させたり、こういうことをやつておりまするが、更に詳細のいろいろな点につきまして御要求がございますならば、資料として提出いたしたい、こう考えております。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 それでは外務省研修所に関する内容がわかりますような、いわば学校の案内書とか規則書のようなものですが、ありましたら一つこの機会に出して頂きたいということを御要望いたしておきます。まだ実はよく法案の全体を勉強いたしておりませんので、今までちよつと見たところだけにつきまして御質問いたした次第でございますが、これで私の質問は一時打切つておきます。

大隈信幸民主クラブ

○大隈信幸君 一、二簡單なことをお伺いしたいのですが、二條の関係で、政府代表と全権委員と、こうあるわけですが、それの説明を承わると、結局政府代表というのは、国際機関に参加するという点が特徴があつて、全権委員のほうは條約に署名するということになつておるわけなのですが、この二條の並べ方は、別に上下の順を追つて並べられたのじやないというようにも思うのですが、何かこの点は特別な意味があつて、こういうふうに政府代表のほうが権限から行くと非常に小さいわけなのですが、これが上に上つて出て、全権のほうが下に下つている。その辺の何か理由は特におありになりますか。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) これは実は率直に申上げますと、私もやはり若干そういう感じを持つぐらいなんでありまするが、結局全権委員もやはり政府代表でありまして、ただ全権委員は、條約に署名調印するという権限を附與されたものが全権委員だということになりまするので、そういう意味で上下とかどうとかいう観念じやなしに、政府代表の中の更に全権の権限を持つているのであるという意味でこういう順序になつたのであります。

大隈信幸民主クラブ

○大隈信幸君 それからその外務職員の定義があるわけなのですが、先ほど来の質疑で伺つておりますと、いわゆる外務省に勤務する者の中で、外務職員ならざる一般公務員法の適用を受ける者があるように承わるのですが、具体的にどういう職種の人がこれに当つて、そういう人は何と称することになるわけですか。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) 具体的に言えば、運転手、タイピスト、印刷工のような者が当るわけでありまして、これはやはり外務省の職員ではありますが、外務公務員法の適用でなしに、国家公務員法の適用を受ける外務省職員ということになるわけであります。

大隈信幸民主クラブ

○大隈信幸君 念のために伺うのですが、今の補助的なもの、運転手とか、タイピスト、印刷工等は、在外公館におる者は全部この適用を受けるわけですか。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) その通りであります。

大隈信幸民主クラブ

○大隈信幸君 それから第七條の関係で、これは非常に特殊な例を申上げるようでありますが、併しあり得ないとは思わないのですが、例えば外務公務員が外務省において外国人を雇い得るわけですが、その雇つた外人と結婚といいますか、した場合にですね。そういうようなことが起つたとしたらば、やはりあれですか、外人というのは外務省との雇用契約をやめなければならんということになりますか

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) 御質問の外人のほうは二十五條ですか、ここで、雇用契約でそういう外人はいいと思うのです。ただ外務公務員が、その外人が、外国の国籍を持つておるままでおりますと、これは今問題になつておりますこの條項に抵触して来る。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 午前中質問があつたようですけれども、私詳しく聞かなかつたから重複するかも知れませんが、過去においては在外公館にくつついておつたり、離れたりしていたのですが、いろいろな種類の人が行つておつた。海軍、陸軍……大使館から離れておつたようです、大蔵省からも財務官……、今後はそれが非常に多くなると思うのです。そうしてかなり有力な人が行くようになると思うのです。この法案の作り方からいうと、そういう人は在外公館で、公館といいますか大使館なり公使館で統一されることと思いますけれども、それをどういう工合にされるか、これにはどういうふうに予定されておるのか、経済の方面などは大使、公使より大分えらい人を出さなければならん場合が多いと思いますが、それは大使館員として考えられるか、どういうふうに統一されるか、その御構想を一つ話して頂きたいと思います。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) これはまあ一般のものにつきましては、いわゆる第十條がそのことを規定しておるわけでございまして、專ら財務、商務、農務、こういうことに属する人々は選考によりまして一応外務職員として外務機構一本の下にして行こう。それで定員などもつまりその場合は外務省の定員の中に入つておる、こういうことに相成るようになつておるのであります。ただ、只今の御質問の中で或いはお考えになつておるのかと思うのですけれども、非常な特命を以て特に何されるというような人は、これは或いは特派大使とか、特派公使とか、特別な形のものができるかも知れませんが、いわゆる従来の財務官、商務官というようなものにつきましては外務職員として一本の下にやつて行こう、こういう方針であります。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 それは大体この法文のお考えがそうなつておるだろうと思いますが、もつと大使より公使よりえらいものを出さなければならんような場合が相当多いと思います。そうしてそういう人がかなりたんさん行くものと思うのですが、それがうまく公使館、大使館の機構の中に網羅して行くことができる見込みですか。特命とか何とかいうことでなしに、或いは俸給からいつても高くなくちやならんかも知れません、位置、経験からいつても公使、大使より上の人が行くときにどういうふうにこれに対処されるか。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) まあ、何かその條約を締結するとかどうとかいう場合には、全権委員になるわけですが、その他の場合にはやはり現在の制度では特命全権大使と申しまするか、この中には任地を持たない大使というものもあり得るわけでございます。いわゆる特派大使というか特殊の目的を以て派遣される、外務公務員法の建前から申しましたならば、そこらではないかと思います。出先の大公使などとの関係は必要がありまする際には、外務大臣が訓令を以てその間を律すると、こういうことになつているのではないかと思います。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 これは実際問題から言つて非常によく研究して頂きたいと思います。前には陸海軍から行つておる者は大使公使のどれにもならなかつた例がたくさんある。今度は経済方面のことで相当有力な人がたくさん行つて、大使館、公使館を離れて別に行動するという、これからの外交はまあ主として経済のことが多いだろうと思うのですが、経済的に知識経験のある大使公使が行つておれば別ですけれども、多くの場合大使公使はそうでないので、そして外務省の役人は大体経済のことの知識は豊富でないので、もう一つは外務を多くして日本の事情を知らないということが非常に多いのです。特殊の扱いを受けてそういうふうに日本の事情を知ることが少くして外国勤務が多いというような弊に陷らないように、外務省は人材を運用するごとについて考えておられるでしようか。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) 全く御意見の通りであろうと思うのでありまして、今後は十分、十二分にその点は考えて行かなければならんと思います。幸い只今のおりまする現役陣は暫くの間内地勤務がございまして、終戰連絡事務局とか何とか国内の各地に暫く勤務をして、日本の地方の事情等にも十分通暁できたと思うのでございます。それから各省の人事の、外務省が非常に縮小されました。一時縮小されておつた関係上各省と非常な人事の交流が行われておりましたので、只今のところは幸い外務省の職員も非常に広く教養を受ける機会が持てたと思うのでありますが、今後はこの点につきましても人事の交流なり或いは長く在外にある者は内地で勤務させるとか、そういう点については十分留意をして行かなければならんと私どもも考えておる次第であります。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 昨日もちよつとお尋ねしたのですけれども、これはこの規則で見てもわかることじやないのですけれども、外交官と政党の関係です。これは日本の政党政治がこういう工合になつて来ると、社会党の内閣が敗れて自由党の内閣になつたとすると、社会党が任命した大、公使を全部自由党の人に代えるということもなし得るのです。その場合待命の人は非常にたくさんできるかも知れないけれどもなし得る。今でも自由党では外務大臣も、外務省を担当している国務大臣も、政務次官も皆自由党でいらつしやるように思いますが、自由党の論功行賞によつて大使、公使を取替え得るような考えが起るかも知れんが、そういうときにはこの規則では差支えなくそうなし得るわけですね。そういうことについては何か考慮を拂つておられるでしようか。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) この伊達委員の御意見、お気持は十分尊重しなければならんことは言うまでもないことでありまするが、この規則の上でそれを直ちにどの條項で、そういうことがどこで抑えてあるかということには相成らんかと思うのでありまして、いわゆる外交、殊に外交人事については超党派的であらねばならんことは言うまでもないことであります。これは私のここでの考えでありまするが、相手の国々によりまして、又いろいろその国の動き、思想的動き等もあるのでありますから、自由党の内閣になつたから外交官を自由党に全部取替えるなどということは、これは言うべくして行おうとしてもやはり行えないものだ、行えないのが実際ではないかと思うのであります。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 今の質問に関連して、よく調べておりませんから、誤りがありましたらいろいろ御教示願いたいと思うのでありますが、今伊達さんがお話になりました外務公務員と政党との関係でありますが、結局この法案は国家公務員法に対する特例的な法律案であると考えるのでありますが、国家公務員法におきまして今伊達さんが問題にせられました公務員と政党との関係というものに対する相当な考慮が拂われておる。或いはああした国家公務員法を作つたところの最も必要な目的として、いわゆる政党員の猟官性といいますか、アメリカの政治史上においていろいろな惡い例がありましたスポイルス・システムの排除ということが、山縣公が昔作りました文官任用令の目的であると同じように、国家公務員法の非帶に重要な目的とせられるところであります。そのことについては若干私は意見を持つておりますが、それは別といたしまして、この法案を見ますると、スポイルス・システムの排除という国家公務員法に表われておるような規定が少しもないように思うのでありますが、例えて申しますれば国家公務員法においては人事委員会の構成等においても政党に所属してはいけないとか、或いは数名の委員のものが二人以上同一政党には所属してはいけない、そういう規定があつたかどうか今はつきり手許に持つておりませんけれども、ともかく大体その精神とするところは政党員の猟官性というか、スポイルス・システムの排除ということについては嚴格な規定が相当に各所に私はあつたと思つておるのであります。調べてみるとすぐわかると思いますが、この規定が少しもこの中にはアプライされておりませんが、それはどういうわけなんですか。又そういうことを考慮するところの必要が只今の次官の御答弁では、余りないというようなお話でありましたが、果してその通りであるかどうか、やはり国家公務員法におけると同じような諸種のこれに関する制限規定というものを置く必要があるのじやないかということについての御意見を伺いたいと思います。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) これは般の外務公務員につきましては、この特例を定めております。外務公務員法以外の点は国家公務員法がすべて適用になるのでありまして、第三條におきましてそのことはきめられておるわけであります。そこでこの外務公務員法は、外務公務員の職務なり、勤務地の特異性ということから、最小限これだけの特例を考えてもらわなければなるまいというところから、この法律は生れたのでありまして、原則は一般国家公務員法が適用されることは勿論でございますが、今吉川さんが言われましたような点は、国家公務員法で律せられておるものと思います。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 これもまだよく十分調べておりませんから百%自信を持つた意見にはならないのでありますが、大体ざつと見ましたところ、第十七條その他に規定されておりまする外務人事審議会というものが、国家公務員法上における人事委員会に該当するような役割をつとめるのじやないかと思いますが、人事委員会の点につきましては明らかにいろいろな條件、政党との関係、そのほか資格要件が書いてあると思うのですが、若しこの審議会の委員が人事委員会の委員に該当する公務員の人事行政を担当するものであれば、やはり同様の規定をここへ挿入する必要があるんじやないかと思いますが、如何ですか。

久保田貫一郎常任委員会専門員

○政府委員(久保田貫一郎君) 外務人事審議会はいろいろの仕事を持つてはおりまするが、外務省令を定めたりしまする際に、いろいろ審議会の意見を微したりするというようなことが相当重要な職責になつておるのでありまして、この審議会の委員の資格その他をきめまする、大体当局で考えておりまする政令の気持といたしましては、政党の役員のようなものは排除して行きたい、こういう考えでございます。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 それで今私が申しましたことを、手許に資料として国家公務員法を頂いておりますから、調べてみますというと、国家公務員法の第五條、人事官に関する規定でおります。ちよつと冗慢になるかも知れませんが読上げてみますというと、  「(人事官)  第五條 人事官は、人格が高潔で、民主的な統治組織と成績本位の原則による能率的な事務の処理に理   解があり、且つ、人事行政に関し識見を有する年齢三十五年以上の者の中から両議院の同意を経て、内閣が、これを任命する。    人事官の任免は、天皇が、これを認証する。    左の各号の一に該当する者は、人事官となることができない。  一、禁治産者若しくは準禁治産者又は破産者で復権を得ない者  二、禁錮以上の刑に処せられた者又は第四章に規定する罪を犯し刑に処せられた者  三、第三十八條第三号又は第五項に該当する者」  とありまして、その次のことでありますが、「任命の日以前五年間において、政党の役員、政治的顧問その他これらと同様な政治的影響力をもつ政党員であつた者又は任命の日以前五年間においに、公選による国若しくは都道府県の公職の候補者となつた者は、人事院規則の定めるところにより、人事官となることができない。」こういうこともあります。次に「人事官の任命については、その中の二人が、同一政党に属し、又は同一の大学学部を卒業した者となることとなつてはならない。」という規定があります。こういう規定が少しもこの外務公務員法案の中には盛られておらないのでありますが、むしろ母法的な立場に立つところのものは国家公務員法であるという御答弁でありますから、今問題になつておりまするところの、政党員であつたものは人事官になれないということが当然ここに準用されるものであるといたしましたならば、やはりこの外交官の人事行政を掌りますところの外務人事審議会の委員というものについても、この政党員に対する制限規定が適用されるものであると解釈してよろしうございますか。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) 外務人事審議会、並びに人事審議会の委員と、人事官とは若干といいまするか、相当これは違うと思うのでありまして、外務人事審議会は外務大臣の下にあつて諮問に応じたり、いろいろ調査しました資料を出しましたり、意見を具申したりする立場でございまして、いわゆる外務大臣が外務行政事務を行いますについての一つの諮問機関といいますか、附属機関のようなものであるのであります。併しながら審議会の委員の公平を期するという意味からいたしまして、これはまだ只今ほんの腹案でございまするが、先ほど申上げましたように、政党の役員のようなものであるとか、或いは国会及び地方公共団体等の議会の議員、こういう人は大体なつてもらわんようにしよう、こういう考え方でございます。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 それで、これは外務人事審議会の委員の問題でありまするが、同様にこのスポイルス・システムを排除するという精神は適用されるものと解釈してよろしうございますか。もう少し具体的に申しますと、私の知つている範囲内においても、新らしく在外公館としての大使館、公使館等が復活するということを当て込んで、国会議員であつて大使或いは公使を狙つて若干の運動をしている人が私の身辺にもあるわけなんです。そういう人は勿論自由党の国会議員でありますが、只今の御答弁の精神に基いて国家公務員法が政党員の猟官性を排除していることを基本的な精神として制定されたものであるという立場において、同様の精神が適用される外務公務員法においても又そうしたもの等は政府が任命するというようなことはないと、このように解釈していいのであるかどうか、御答弁を願いたいと思います。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) 余り具体的な事例になりまするとどうかと思いまするが、先ほどから申上げておりまするように、やはり国家公務員法の基本精神は飽くまでこの外務公務員法にも当然流れていかければならんわけでありまして、これはその特例、実質は特例法でありますが、只今お話になつたように我々も解して行かねばならんと思つております。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 それからもう一つ、今読上げました、引用した国家公務員法の第五條の末項の人事官の任命に関する規定でありますが、そのうちの二人が、同一政党に属してはならないということと、その次の「同一の大学学部を卒業した者となることとなつてはならない。」ということであります。これは私は日本の民主化のためには非常に重要な規定であるとその当時から考えておつたのであります。このことは非常に重要なことであると考えるのであります。それから従来とも官吏は官学の出身者であるというような意味で、今申しましたところの山縣公が文官任用令を作りまして、そうして政党員の猟官性を排除すると同時に、官吏になることについての試験制度を確立した。即ち高等官でありますならば、高等文官の任用令のようなものを、及びそれに対する試験というようなものの規定を作つたのでありますが、同時にまだ人材もなかつたことであるので、官吏を作るということの目的として帝国大学、特に東京帝国大学が作られたということは、これは大学の歴史から見ましても明白なことだと思うのであります。ところが、そのために非常な官学閥の独占の弊を生みまして、そのことが官僚の独善主義を生む一つの基本ともなり、又学生の気分を非常にかたよつたものとし、又そうした考えが延いて日本の民主々義の発展を阻害して来たことは極めて顯著なことであると思うのであります。大体におきまして戰後マツカーサーが日本の政府に行わしめましたところの新憲法の制定、その他の制度につきましては局部的にいろいろ再検討しなくてはならん点は相当あると思いますけれども、併し日本の人が気付かなかつたところの日本の欠陷を衝いて、そうして日本の大きな改革をするということに非常な貢献をしたことは、私はその功労極めて大なるものが多くの面にあると考えるのであります。例えば農地改革とか、或いは労働関係法の制定とか、こういう大事なものでありますが、それと相並んで学閥の打破ということを考えて、日本の民主主義の未発達の原因が一つのその官学閥の独占ということにあつたということに気が付いて、これを矯正しようとしております見解のごときは、これは現在の官吏諸君からいたしまするというと、非常に愉快に思われないことかも知れませんけれども、広い目で見ますというと、これは極めて重要なことだと考えるのであります。それで外交官は大体今日まで帝国大学出身者及び一ツ橋の商科大学の出身者等に独占されて来たと思うのでありますが、これも広く人材をこの国内に開放して、立派な人材を広いフイールドから求めるようにして行かなくちやならん。併しながら現在の外務省の人事行政の質的な構成の立場から言いますというと、やはりそうした特殊の学校の学閥の勢力というものが、牢固として私は抜くべからざるものがあることは、これはもう現実として動かすべからざるところであると思うのでありますが、そのためにもこの国家公務員法の第五條に規定されておりますところの人事官の任命について「同一の大学学部を卒業した者となることとなつてはならない。」という規定、その中に今引用しましたこの同一の政党に属するものが二人以上おつてはならんということと同じように、必然的にこれは日本の民主化のために、又外交官の広く人材を求めるという立場から、どうしても考えて行かなくちやならんことだと思うのでありますが、こういの規定がやはりこのなかに挿入されて行く必要があると非常に考えられますが、どうでしよう。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) まあ外交官は御承知のように外交官試験で、書記生なら書記生の試験で任用されて行くわけでございまして、而もこの具体的の人事の場合は、これは外務大臣が外務人事審議会に一々諮つてやるというわけでもないのでございまして、只今の御意見は御意見として十分拜聽し、参考として行かなければならんと思いまするが、同一大学を出たものが、学部を出たものが何人以上いちやいけないとかどうとかい規定を置くまでのところは、只今のところでは考えていないのであります。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 それは今御答弁ありましたように、外交官の試験によつて、外交官補或いは領事官補、書記生等を求めていられることはよく我々は知つているのであります。併しながら結局そうした試験が行われておりましてもですね、さつき申しましたように特殊の学校の一、二の学校の卒業生の学閥によつて、外務省の人事行政が支配せられているということは、現実の事象なんでありますから、例えば松岡洋右君がああいう馬鹿げたところの外交方針を採択したということも、これは私は一つの原因になつているものは、むしろ学閥に対するところの松岡洋右君の反抗的な心理、サイコロジーというものが私は相当に働いておつたのじやないか。即ち霞ヶ関の秀才と言われるところの諸君が、帝国大学及び一ツ橋の大学の卒業生によつてコントロールされているということに対する、同君はアメリカの苦学生上りの人でありますから、そこに一つの反感があつたということが、私は実際上これは彼がああいう誤りを犯すことのサイコロジカル・フアクターに大きく動いて行つたと思うのです。そういう外交の面だけ考えて見ても、外務省の人事行政の面だけを考えて見ましても、この国家公務員法の第五條の終末の規定がこの中に入つていない。又そういう精神をリアライズする、実現するということの精神が、少しも一般公務員におけるがごとくこの中に入れられていないということは、これは私としては非常な欠陥ではないか。又国家公務員法その他いろいろ規定いたしおりまするところの、やはり民主主義的な精神というものがオミツトされているということは、たまたま法律形式の上においてこれがオミツトされているのではなくして、そういつた基本的精神がオミツトされているどころの、要するに戰前の外務省の人事行政の観念の復活、即ちこれは逆コースの一つとしての観念によつてこの法律案が作られているのじやないかということで、私は非常に危惧の念を持つのですが、如何でしようか、それは御答弁聞いてもいたし方ないでしようが……。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) これはさようなものでないといことをむしろ人事院側のほうからお託を願つたほうが却つて御納得頂けると思います。

岡部史郎人事院法制局長

○政府委員(岡部史郎君) 私からお答えするのが適当かどうかわからないのでございますが、申すまでもなくこの国家公務員法は我が国の官吏制度の民主化のために、その実現を保障するため種々の点において制度的に工夫が凝らしてあるわけでございます。そうしてその重要性につきましては、今吉川さんがお述べになつた通りでございますが、それで例えば外務公務員の、国家公務員法制定以来の外務公務員の採用試験、即ち従来のいわゆる外交官試験というようなものは、すべてこれは人事院が責任を以て実施する建前になつておるわけであります。でその人事院が今吉川さんのお示しのような、その公正性を担保されている。でこのような公正性を制度上担保することは、これは今後とも人事行政の中央機関の構成方法としては私は大事なことであろうと存ずるのであります。ただ、それがどういうようにこの国家公務員法の特例法としての外務公務員法案に現われているかという問題でありますが、第一に先ず具体的に取上げられましたのは、外務人事審議会の問題でありますが、この外務人事審議会を以ちまして、直ちに今人事院に要求されているような構成要件を要求するというのは、これは実際問題を主といたしまして考えましても、少し過大な要求ではあるまいかというような感じがいたすわけであります。と申しますのは、この人事審議会というのは、何と申しましても外務大臣の下におきましてできるだけの公正性を担保しようという機関に過ぎないのでございまして、このような機関にそれほど過度の要求條件につきまして要求することは少し無理ではあるまいかと思うのであります。併しながら先ほども石原政務次官からも申されました通り、この任用制度その他につきましても、一般職の外務公務員に関する限りはすべて国家公務員法の制度がかぶつているわけでございまして、又ここに掲げてあります特例につきましても、大体国家公務員法の原則にそう反した、そう逸脱したものではなかろうと考えております。そういう意味におきましても大体国家公務員法の線に沿つているのじやないか。ただこの外務公務員法は特別職につきまして同時に規定しているわけでありますが、大使公使等の特別職につきましては、これは必ずしもその言葉の本来の意味におきまするスポイル・システムというものと矛盾するかどうか。むしろ実は国家公務員法の精神といたしましても、一般職につきましても、はつきりメリツト・システムを適用する、これは中立を維持するポリシイ・メーキング、その他のいわゆる特別職に関しましては、これはそのときの政府の民主的な要請と人事の問題とを調和させるということがあるわけでありまして、そういう他の特別職とこの外務公務員法に規定されている特別職とは同じレベルにおきまして国家公務員法のコントロールから外れているものと考えております。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 今の御説明で一応了解した点もあるのでありますが、この学閥打破の精神を汲んだ国家公務員法の規定がこのうちに入つていないということについては、まだ了解ができにくいのであります。それで今これは外務大臣にお聞きすべき問題であるというお話がありましたけれども、吉田さんの平素の御言動からいたしますると、岡崎君も同一でありますが、大体岡崎君や吉田さんは、私は新憲法というものはわかつていない人だと思つているわけで、主権在民なんということはわかつていない人だと思つているので、これは聞いたところでどんな御答弁があつても何とも仕方がないと思いますが、淺井人事院総裁から私はこのことを一つお聞きしておきたいと思うので、次回にその便宜を一つ委員長においてお計りを願いたいと思います。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 ちよつとそれに関連してお伺いしておきたいのです。あの特別職でありまする外交官の試験なんですがね。これはいわゆるその特別職にふさわしい、先達つても私お聞きしたのですが、試験の、採用の方法ですね、大体外交というものは言葉がよくしやべれるとか、国際法をよく知つているとか、それでは私はいかんと思います。それを読む前に、一つの勘を働かさなければならん。いわゆる観察力、洞察力というものの卓越した人間というものが一番必要じやないかと思つております。殊に世界平和のために第三勢力の擡頭というようなことについて、世界の文明、平和の動向というものはどういうふうに動いているかということを、一応何万巻という書物を細いてこれを感知するというようなことじやいかんと思うのですがね。直ちにいわゆる一種の洞察力というものを働かさなければならん。従つてこの洞察力のある人間を採用するということが、最も外交官の素質の、いわゆる素質的に適格性を帶びている者じやないかと思うのですが、そういう点について一般職の採用の基準と、いわゆる外交官の採用の基準とはおのずからこれは区別されなければならん問題じやないかと思うのですが、そういう点について外務当局はどういうふうなお考えをお持ちになつているのですか、私はそれを一つ聞いておきたいのです。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) これは中山さんから昨日もいろいろお話がございまして、我々一同非常に同感共鳴しておるところでございます。今後も只今の試験の問題につきまして、更に科目等についても検討を加えて行かなければならんと思いますし、又現在の制度の下におきましても、試験の方法或いは問題の出し方、殊に口述試験等において、そういうところをよく働かせまして、試験制度の運用の妙を発揮して行かなければならんと思うのでありますが、御意見のところは一同非常に共感しておるところでございまして、今後外務省においても十分参考として検討を加えて行きたいと思つておる次第でございます。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 外交官の領事、書記官というような人々の採用については、大体思召のほどがわかるのですが、大公使の任命は、例えばこの間津島全権がフイリピンからお帰りになつた時の報告を聞いて、私は実は驚いたのです。これは負けたときの外交官というもので初めて外交官の真の値打ちがわかる。勝つたときは誰でもやれる、大概のものは……。負けたときにどういうふうにすべての問題を裁定して行くかというところに、真のその人たちの手腕、力量というものがわかつて来ると私は考えておる。然るに先だつての報告を聞きますというと、私の質問に対して、いわゆる損害の基準、基本的査定はどういうふうになさるかということを聞くというと、それを査定するには非常に長い間の年月がかかるのだ、だから御無理御尤もで向うの仰せのままにその損害額を認定して、それに対しての賠償方法というものを検討中だという、こういうお答えであつた。私はこれはやはり大公使の任命というものが行われる場合に、こういう不見識な人々が採用されるということになりますれば、国家の将来について非常な私は不幸なことをもたらすのではないかと思うのですからお尋ねするわけですが、大体イタリアにおられて、世界第一次大戰当時ですが、この賠償の方法が非常にうまく行つた。津島さんと吉田さんと力を合せておやりになつた。従つてそういう経験があるからこれを採用するということになつていますが、よほどこの大公使の任命については、私はこういうことから考えて参りますというと、外務省のほうでは、よほど人選というものに思いをいたされなければならんのじやないかと思うのです。これは私ども常識的に考えまして、たとえ負けたりといえども、正確な数字を知りたい。而も損害を拂うときには正確な国民の納得の行く基準に基いた賠償を拂つて行きたいと、こう考えておるのであります。従つて負けようが、勝とうが、如何なる場合においても動ぜずに、正々堂々と自分の主張をなし得る外交官が欲しいと私は思う。これは顧問でも何でもそうだと思う。こういう点について何か反省なり、これからの人選は一つ注意して頂きたいということを、これはお答えをもらわんでもよいから十分注意してもらいたい。こういう不見識ではいかんということを痛感いたしましたから、特に大公使の任命については、最大の一つ注意を拂つて頂きたいということをこの際お願いしておきます。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) これは只今の問題に私がお答えをするという意味で立つたのではないのでありまして、先般の津島顧問の報告の際の質疑応答からのお話であつたのでありますが、これは私の推測でありますが、津島顧問の考えでは、相手国の損害額がどうだということで日本の賠償の額をきめて行こうという気持ではないのであつて、いわゆる日本の能力といいますか、経済自立と支拂能力、両方睨み合せて行かなければならないという気持が常にあるものでありまするから、何か中山さんのお考えと違うような御答弁があつたのではないかと思うのでありますが、その点だけ、要らないことのようでありますけれども、一言私から補足しておきたいと思います。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 そうおつしやれば、私から又申しますが、はつきりおつしやつて私の言うことは間違いないのです。だから非常に時間的には困るから、だから向うの言うがままに認めるのだ、こういう前置きの下に賠償の方法を今交渉しておると、こういうわけだつた。そこで私は速記をとめて頂いて、対外的な響きが大きいといかんと思つて注意してお尋ねをしたのですが、まあそういうわけなんですから、特に一つお願いしておきます。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 私は簡單なことを一つ結論的にお伺いしたいのですが、この外務公務員法案を見てみますと、昔の外務省の復活を法律化したもので、新らしい心がまえの殆んど見るべきものがないように思います。何が非常に新らしい、国民外交を大いに起してやろうという心がまえがどこに見えるでしようか。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) これはいわゆる公務員法でありまして、而も原則はたびたび申上げまするように、国家公務員法が底流として流れておるのでありまして、ただいわゆる外務公務員の特殊性からいたしまして、これだけの特例を作つておきたいという気持ちからこの外務公務員法というものができたのでありまして、それでこの中でこれは元からあつたかもわかりませんが、外務省の研修所などは今後大いに活用して行きたい。それから外務人事審議会というものを設けまして、諸般の施策制度をきめるに際しましても、一段と広い視野からやつて行きたい。そういうようなことを大体中心として考えられておるのでありまするが、精神の根本は言うまでもなく国家公務員法が基盤となつておるのであります。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 どうも先ほど来申します通り、私は欠席して、さつきからこれを読み出して甚だ恐縮なんでありますが、この短時間の間の質問、応答、論議を通じましても感じますことは、実際国家公務員法に準拠したものだとも言つていらつしやるけれども、国家公務員法に現われておるところの新憲法の基本的精神に符合した民主主義的な精神、或いは新憲法によるところの新らしい人事行政の精神というものがちつともこの中に取入れられていないように思われるのであります。先ほど吉田さんや岡崎君には新憲法そのものから基本的にわかつていないということを言つたのでありますが、これは決して惡口を言うために惡口を言つておるのではないのでありまして、全くその通りだと思うのであります。これもやはり戰前の霞ヶ関の外務官僚の頭で明らかに作られておつて、いわゆる現在問題にされている逆コース的な所産であるということを、私はどうしても感ぜざるを得ないのであります。政府は頻りに先般来委員長に対して今日上げてくれ、明日上げてくれと言つてせいておるのであります。決して私たちは遷延のための遷延を企図しておるものではありませんけれども、これはよほどもつと審議して、この法案を作つた人の頭の切換えから一つ考えてもらわなくちやならんような気がするのですが、どうでしようね。だから従つてそうお急ぎにならないで、この法律は講和発効後実際上実施される必要が生れて来るのでありますから、期間の面において一部は四月一日からというようなことを楯にして政務次官も審議をお急ぎになつているようでありますが、十分これは一つ審議されないと、とんでもない外務省の人事行政上におけるところの、戰前の逆コースと言われているものをば復活することになるような憂えが私は非常にあるような気がしますが、努めて慎重に一つ審議するように委員長が十分考慮せられるようにお願いしたい。

岡部史郎人事院法制局長

○政府委員(岡部史郎君) 先ほどの吉川さんからのお尋ねに対しまして私からお答え申上げるわけですが、只今お答えというほどでもないのですが、お考えの御参考のために私申上げますが、この人事官の構成につきまして政党関係が第一の要素として規定されている。第二に学部の制限が規定されている、これは二つの非常に重要な問題だろうと思います。ところが国家公務員法の弟分の法律として出て来ました地方公務員法におきましては、丁度人事委員会に相当いたしまするが、都道府県の人事委員会の委員の構成方法につきましては、やはり国家公務員法と似た規定がありまして、先ほど吉川さんが国家公務員法をお読み上げになりましたが、地方公務員法におきましても人事委員は「人格が高潔で、地方自治の本旨及び民主的で能率的な事務の処理に理解があり、」とこういうような言葉があるわけであります。又委員のうち二人以上が同一の政党に属することとなつてはならないというような制限があるわけでありますが、吉川さんがこれと同じように重要性を置かれました出身学校の学部による制限につきましては、すでにこの地方公務員法、国家公務員法から二年半ばかりあとだつたと思いますができました地方公務員法におきましては、そのような制限が実はなくなつておるのでございます。で、これは非常な退歩であるというか、改惡というか、惡い方向への進み方であるとかいうような意味ではございませんが、とにかく二つの制度のうちで、すでにこのような似たような構成を持つべき二つの人事委員会において、このような構成の差がすでにできておる。従いまして私が知つております範囲におきましては、恐らくこの委員会の構成におきまして、学部にまで制限があるのは国家公務員法たつた一つではあるまいかというように考えられますので、その点御参考までに申添えておきます。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 ちよつとそれに関して申上げますが、あなたは地方公務員法を今引用されてお話になつたのでありますが、地方公務員法は地方自治体の人事行政をやる機関だと思うのでありますが、従来の考え方からいたしまして、役人としましても、いわゆる外交官並びに高等文官というものが官吏としての顯要の地位になつておりまして、地方自治体の吏員というものはそれに比例するような顯要な役人の地位であるとは、私は日本人の社会通念から考えて来ておらなかつたと思うのであります。従つて地方自治体の役人になつているところの人が必しもまあ従来からの観念で、伝統のある立派な大学の卒業生なんかが地方自治体の役人にはそんなになつてはいないので、最も代表的なものとして東京都のようなところには、それは石原政務次官のような立派な経歴、学歴の人も、或いは隣にいらつしやる兼岩傳一君のような立派な官学出身者の人も、課長になられるようなかたがありますけれども、併しもつと下級の地方の自治体にはそんなに石原君や兼岩君のような立派な学校の出身者というものはこれは寥々たるもので、そんな人が行くところにはなつていないのです。だからそんなところで特に国が今要求しているような国家公務員法の規定の同一学部云々のような、規定をするなど多く人はいない。外交官というものは官吏中においても最も羨まれて金持の娘さんをお嫁にやりたがる地位なんですから、(笑声)そのところでは特に私は今のようなことが規定される必要があるということを申しておるのであつて、あなたの御答弁は私の質問の趣旨には少しも符合いたしておらんということを申上げておきます。

兼岩傳一日本共産党

○兼岩傳一君 どうでしよう。昨日も非常に遅くなりましたし、今日は大臣も御出席にならないし、石原政務次官の外交の本義を承わるには……。

石原幹市郎自由党外務政務次官

○政府委員(石原幹市郎君) 速記をとめて下さい。

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) 速記をとめて……。    〔速記中止〕

有馬英二民主クラブ

○委員長(有馬英二君) 速記を始めて下さい。  それでは今日はこれで閉会いたします。    午後四時四十四分散会

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