外務・法務連合委員会 第5号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1952/04/24
会議録
○委員長(有馬英二君) それではこれから外務、法務連合委員会を開会いたします。前回に引続きましてポツダム宣言の受諾に伴い発する件に基く外務省関係諸命令の措置に関する法律案並びに外国人登録法案を議題といたします。御質疑のおありのかたは御質疑を願います。
○羽仁五郎君 出入国管理令の関係では第二十四條の二項にもございますように、これは特定の場合でありますけれども、外務大臣が法務総裁とあらかじめ協議しなければならないというような点にも現われておりますし、これは端的に現われておるのでありますが、これらの法律案は外務委員会において最も適正なる審議が行われることと深く確信をいたすのでございますけれども、連合をお願いいたしました法務委員会の一員といたしまして最後に政府に向つて伺つておきたいことがございます。 その第一点は、とかく或る種の法律において、特殊の事情から或いは例外的な、或いは多少憲法乃至法律の一般の原則から外れたような規定がされるということは法体系の上から憂うべきことがあるということは皆さまも御承認下さるところであると存じます。いわゆる例外法というものが遂には本法を覆えしてしまうという悲惨な経験は我々自身も持つておりますし、又世界の各国の歴史の上にもあつた悲しむべきことであつたのでございます。そういう意味で、これは出入国並びに外国人登録に関する法案でございますけれども、併しその上において、いやしくも憲法又はその他の一般的な法律において確立せられたる原則というものはそれを嚴守するという態度がとられるのが望ましいのでありまして、それぞれの事情に伴つてそれらを或いは緩和し、或いは拡大し、或いは別個の関係において措置せられるということは望ましくないということは、すでに外務委員会各位においても私の政府に対する質疑の問に御了解下すつたことであると存ずるのでありますが、さてもうその個々の点については改めて立入りません。立入りませんが、例えばその一つの例を申上げれば、前回意見長官に向つて伺いましたような点で、或る団体を結成し又は加入しているという以外の密接な関係を有するというような文字が法律の上に出て参るということは、法が常に明確でなければならないという原則の上から誠に問題ではないかというように考えます。これについては殆んど政府としてもそういうことが望ましいというふうにはお考えになつておいでにならないだろうと思う。それは一つの例でありまして、私自身が問題にいたしました点にしても十指に余る各点につきまして民主主義的な法の原則という点から議論の余地があるのではないかと存ぜられる点があるのであります。従いましてそういうような法が国会を通過し、或いはこれが実際に法律としての効果を発生するというようなことが私は万々ないと、十分外務委員会において御修正下さることと確信をするのでございますけれども、併しながら或いはそれらの御修正に漏れましたような点において、そういう問題のあるものが法律となるような場合を恐れます。而も以上が第一の点でございますが、その第一の点について伺いたいのではなくて、これらの点についてはもうすでに伺つてございますから、それに他は、あとは外務委員会にお願いをするよりほかないのでありますが、政府に向つて伺つておきたいのは、そのように法律自体としても幾多の問題が或いはあるのではないかというようなことが、現在の国際情勢において、言うまでもなくその一、二を挙げましても、例えば朝鮮における状態というものは暫らく不幸な状態が続いておりましたけれども、最近においてそうした不幸な状態が立派に解決せられて平和の状態がそこに実現せられるという見込は極めて近いというように判断をされております。従いましてこれらの朝鮮或いは台湾などにおいて、現在異常な状態が続いております際に、こうした法律が施行せられるということについて一層さまざまの不安を、関係せられるかたがたが感ぜられることも誠に尤もであるというようにも考えられる。少くともそういう理由があるということは政府においても了解せられることではないかと思うのであります。それから又現在まで行われておりますポツダム宣言受諾に伴つて発せられております外務省関係の諸命令というものによつて行われておる強制退去というような措置につきましても、やはり今のように非常に紛糾しておる状態において強制的な退去ということが求められますと、その御本人が多大の不安を感ぜられるということも誠に無理からんことかと思われるのであります。そこでこの際政府に向つて所見を明らかに伺つておきたいと思いますのは、現在そうした国際情勢が異常な緊張状態にあるという時期におきまして、ポツダム宣言受諾に伴つて外務省関係で発せられておる命令によりますところの強制退去の措置であるとか、或いはこれらの出入国管理乃至外人登録等に関する措置で、特にそれに関係するかたがたが非常な不安を感ぜられるような措置については、特段に愼重の措置をおとり下さる御意思があるのかどうか。この点についてどうぞはつきりした御答弁を下すつて、少くともそれらに関する限り、無用な、不安を抱かれ或いはその無用な不安に基きましてさまざまな悲しい事件が起ることがないようにして頂くことができるか。私はできますことを切望するのでありますが、その点についてどうかはつきりしたお答えを頂いておきたいと思うのでございます。
○政府委員(石原幹市郎君) 只今の問題につきましては数次に亘るこの連合委員会におきまして、私その他からたびたびお答えを申上げたところでありまするが、只今お話になりましたように、無用の摩擦であるとか混乱を生じないように、登録の制度につきましても一応便法を講じて便宜を計ろう。それから又御指摘になりました出入国管理令の二十四條の運用につきましても、先般来殆んど各項目に亘つてそれぞれ質疑応答が交わされまして、御了解を得ておると思うのでございますが、これは二十四條は「退去を強制することができる。」という書き方でございまして、ここに列挙されておる者を全部該当者として退去というようなことを毛頭考えておるものではないのであります。各項目の運用につきましても、日韓会談等においても運用方針等をいろいろ打合せておりまするし、今後も、今日まで長く日本に在留され、法律を守られ、善良な経過をとつておられまする人に対しまして、何らの摩擦を考えようとしておるものではないのでありまして、十分諸般の事情を考慮いたしまして、この法の全体の運営については勿論のこと、特に第二十四條の運用につきましては、この委員会で交わされましたいろいろの御意見を十分参考といたしまして、将来間違いのない運営を図つて行きたい、かように考えております。
○羽仁五郎君 現在の朝鮮の休戰が成立……、少くとも朝鮮において休戰会談の成立が間近いことでありますから、少くともそれまで、それから又願わくば台湾の問題なども国際的に立派に解決せられますまで、強制送還というような問題に関し、ポツダム宣言受諾に伴う命令に共き外務省関係で発せられた諸命令に基く強制送還の措置、又たびたびお話になりました外人登録乃至出入同管理に関する措置において、無理な措置はおとりにならないというような御答弁だつたというふうに伺つてよろしうございましようか。
○政府委員(石原幹市郎君) その通りにお考え願つていいと思います。
○羽仁五郎君 私といたしましては、私の質疑は一応これで終りますが、最後に外務委員会各位に向つてお願いをいたしておきたいのでありますが、我々がこの二つの法律案について、私自身がどういう不安を持つているかということはすでに御了解下すつたことだと思います。これらの法律が目的としておるところを私も勿論十分了解するものでありますけれども、併しその目的を遂行しようとするために、その便宜を主に考えて、そうして法律を作られて行く、勿論その際にもできるだけ民主的にという御苦心もあることはよく了承するのでありますけれども、併しながらこの濫用が防がれないような形において法律ができておりますと、残念ながら現在の日本では濫用が必ず起つて来るという事実が恐れられるのであります。そういう意味におきましてどうか私の質疑の間に現われましたような心配につきまして御了解が頂けました範囲内において、これらの二つの法律案について我々が心配する必要がないというような審議をお願いしておきたいと思うのであります。甚だ差出がましいお願いでありますけれども、心配の余りそういうことを申すのであるというように御了解を願いたいと思います。
○吉田法晴君 一つは国籍の問題についてお尋ねをいたしたい。石原政務次官の御答弁を速記につきまして拜見をいたしたのでありますが、御答弁によりますとどういう国籍をとるかということは、相手国の国籍法、朝鮮で言えば独立する朝鮮の国籍法が決することになる、こういう御答弁でございます。つまり朝鮮なら朝鮮ということで、これは登録関係ですが、登録の切替を認めて行こう、こういう便法をとる。そこでこの国籍を、どういう国籍をとるかということは相手国の国籍、朝鮮で言えば独立する朝鮮、或いは中国関係で言いますというと、中国できめられる問題である。そうしてどういう法令によつてこれを取扱つて行くかということは、例えば朝鮮関係について言いまするならば、日韓会談よつてきめられて行く、こういう御答弁でございます。そうすると、日韓会談の結果、或いは日本と台湾政府との間の交渉の結果、向うの国籍法がきます。そうすると朝鮮の諸君について言えば、それが北鮮の出身であるか、南鮮の出身であるかは問わず、日韓会談によつてきめられるところに従つて国籍が決定される、こういうことになるように考えられるのであります。差当りの登録につきましては、朝鮮なら朝鮮ということで、登録の切替を認めて行く、こういう御答弁でありますから、これは便法でございます。そこで御質問申上げなければなりませんのは、韓国の……、日韓会談が成立いたしまして、韓国の国籍法というものがきまりますと、韓国の国籍を取得せられるかたについては問題はないわけです。その他のかたについては、朝鮮という登録の便法で行こう。そうすると、そこに御答弁によりますというと、国籍のない人ができるという御説明でございますのか、その点が一つ。登録法上は便宜朝鮮ということで扱つて行く、こういう御答弁になりますのか。それからもう一つは、心配をいたしますのは、日韓会談或いは日台会談と申しますか、その結果日本の相手にしておるのは韓国である、或いは台湾政権である、こういうことから、中国の人たち、言い換えますと、国民政府、日本の政府の考えます国民政府の意味における中国、これは国民政府の政府とそれから中華民国というものとは、これは別だと思うのでありますが、国民政府という言葉で中国を意味し、そして台湾なり、或いは台湾政権によつて表現せられます国籍を選ぼう、率直に言いますならば、中華民国、この人民共和国の国籍を取得したいという人について、日台会談の結果、国籍の取得について強制が行われるのではないか。或いはこれはその点は日本政府としては、相手国の国籍法によつてきます、こういう御答弁でありますけれども、結果から言いますならば、韓国籍以外には国籍の取得の方法がない、こういう結果になりますために、国籍の選択について意思に副わざる結果が生まれるのじやないか。この点について重ねて御答弁を煩わしたいと思います。
○政府委員(石原幹市郎君) この問題につきましては、先般吉田委員との間で質疑応答を重ねまして、更に速記もとめましていろいろ御懇談まで申上げましたので、十分内心においては御了解のことと私は思うのでありまして、重ねて御質疑でありまするので、一応更に繰返すようでありまするけれども、もう一回お答えしておこうと思います。 今回日本から離れて独立する朝鮮の人々が、どういう国籍を取るかということは、これは日本でどうこう論ずることのできない問題でありまして、独立する朝鮮の国において決せられる問題であることは申上げるまでもないと思います。これは日韓会談できますというのではないのでありまして、当然の一つの原則がそこで互いに確認され合う、これだけのことであろうと私は思うのであります。それでたびたび申上げましたように、日本といたしまして朝鮮の独立政府と認めて今折衝しておりまするのが大韓国民でありまするので、差当つての問題としては大韓民国の国籍法で律せられる、こういうふうに我々は考えておるのであります。ただ朝鮮の実情は御案内のごときああいう情勢でありまするので、今後六カ月以内に外国人登録法によつて登録の切替をしなければならない際に、ここにいろいろの摩擦等があつてもいけないと考えまして、韓国として登録されるかたはそれは無論そのままでいいのでありますけれども、韓国として登録を好ましいような人が仮にありまする場合に、ただ單に朝鮮人というようなことで登録されるような場合も当然登録法の扱いにおいては認めて行こう、こういうことを申上げておるわけであります。従いましてこちらの日本の立場におきましてはここに無国籍の者が出るというふうには考えていないのでありまして、それは只今まで申上げたところで御了解おきを願いたいと思うのであります。台湾の関係につきましても、台湾人の関係についても大体同じでありまするが、台湾は今度領土が新たに離れて行くわけでありまして、そこで朝鮮は新たに独立して一つの国が結成されるわけでありまするが、若干事情がそこに違いはあるのでありまして、台湾に関する限りにおきましては、先方に中国国籍復帰法というのがありまして、その法律によつていわゆる中国の国籍を取得する、こういう形になると思うのであります。それだけの違いでございまするが、朝鮮並びに台湾について申上げましたことは以上において御了承おきを願いたいと思います。
○吉田法晴君 石原次官の答弁の中にありましたように、前回相当、多少くどくなるほどお尋ねをいたしまして、そのあと速記等も見ながら考えたのでございますが、今の御答弁を以てしてももう一歩進んで御答弁を頂きたい。用心をしながら御答弁を頂いておるという感じがする。余り同じような質問を繰返しますのもどうかと考えますので、これも前にそういうお尋ねの仕方をし、又お答えも頂いたようでありますけれども、抽象的にそれでは世界人権宣言による国籍の選択の自由権は認めるという点について御答弁を頂きますれば或いは多少私としても満足できる。それともう一つは今進められております日韓或いは日台間の交渉の結果によつて、何と申しましても事実上政府は現状二つある、今後の問題は別問題でありますが、差当りの問題は現状がそう急に変るとは考えられませんので、その点について会談の結果、これは会談の点についてこの間お話を願いたいと申しましたけれども、それはまだコンクリートになつておらんから資料も説明も困難だということでありましたから、そこで心配が起つて来るわけでありますが、この日台会談の結果としても韓国の国籍を強制するものではない、或いは日台会談の結果、蒋介石政権と申しますか、今の日本で相手にしておられます中国国民政府の国籍を強制するものではない、こういう二点を御答弁頂きますれば仕合せでございます。
○政府委員(石原幹市郎君) あとの点をもう一回……。
○吉田法晴君 御答弁によりますと会談の結果国籍問題については向うできめる国籍法に従つて云々という御答弁でありますから、その会談の内容がわからんから、その会談の結果、これは南鮮、北鮮の区別なく、韓国籍なら韓国籍を強要するということにはならない、こういう御答弁が頂けますならば結構だと申しました。中国の場合についても同じであります。
○政府委員(石原幹市郎君) 御満足の行く御答弁かどうかちよつとわからないのでありますが、どうも議論の前提において若干の食い違いが互いの間にあるのではないかと思うのでありますが、それは我々の考えておりますのは、朝鮮についても、或いは中国についてもこの国が二つあるというふうにはこれは考えていないのでありまして、ただ現実の問題として政府と言いますか、まあ政権が二つあるような恰好に現実の事態がなつておるのであります。ところが日本の関係をいろいろ処理して行きます上につきましては、日本が承認して日本が交渉の相手としている政府、つまりそれがその国を代表しておるものと我々は考えなければならないのでありますが、その政府の定めておるところを認めて処理して行く以外に方法がないと、かように思うのであります。これは日本が強制するとかどうかということではなく、つまり相手国の先方の国内事情といいますか、先方の国内法がこれは定めて行く問題でございまして、そこで朝鮮につきましては、大韓民国というものを相手としておりまするので、韓民国の国籍法が一応朝鮮の国籍を律しておるのであるというふうにまあ我々は考えて、こちらの国内の手続を処理して行かざるを得ないのでありますが、先ほども申上げましたように、ただそれを嚴格にその通りに実行するということにつきましては、そこに現実の事態からいたしまして非常に摩擦が起る、或いは混乱が起きはしないかと思いまして、先般から申して来ておりますように、便法上便宜的の措置をとろう、こういうことを申上げておるのであります。それから中国関係につきましても、各般の御便宜をとろう、これは台湾人について問題がありますし、又旧来から日本におりまする中国の大陸の人についても問題がある、それにつきましてもできるだけ便法をとりまして混乱摩擦のないようにやつて行きたいというふうに申上げておるのであります。どうもこれ以上申上げるところは私としてはないのでありまして、どうぞこの程度で御了解を願いたいと思います。
○吉田法晴君 実は岡崎国務大臣がこれは衆議院でございますか、御答弁を頂いた点については若干表現の点について違う点があつたように聞き及びまするので、実は岡崎国務大臣の御出席をお願いして答弁を頂きたい、こういうふうに考えたのでございますが、その機会がございませんので、石原次官にお願いをしておるわけであります。それにこの国籍問題についてはこれは基本的な線については意見が異なると言わざるを得ないと思うのであります。問題は或いは中国なら中国の正当な政権が事実上いずれにあるや、こういう外交的な態度にも関連して参ると思う。それから朝鮮につきましても同様であると考えるのでありますが、あとは便法だ、こういう登録令上の便法だ、こういう御答弁に解したのであります。先ほど質問をいたしました中に、それではこの世界人権宣言等にございます国籍選択の自由の点についてはどういう工合に考えておられますか。その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(石原幹市郎君) これは人権に関する世界宣言の第十五條のことを言われると思うのでありまするが、その二項の、「何人も、ほしいままに、その国籍を奪われ、又はその国籍を変更する権利を否認されることはない。」この條項について言われるのではないかと思うのでありますが、これはほしいままに国籍を奪われ、或いは国籍を変更する権利は否認されることはないとあるのでありまして、何も我々は日本国の立場において相手の人の国籍を左右しているのではないのでありまして、先ほどからたびたび申上げましたように相手の国の国内法がきめるところを認めて行こうということだけでありまして、その国内法が如何なるものであるかということについて、遺憾ながら現実の事態は二つの政府といいますか、二つの政権のようなものがあるという誠に遺憾な状態ではございますが、併しこの政府、政権に対しまして日本がとつております外交上の措置、態度についてはこれは十分御承知のところと思いまして、二つの政権を同時に相手にしているのではないのであります。そこで相手の国の国内法が決するところで、それらの人々の国籍がなつて行くのだ、こう解釈しておりますので、決して我々は世界人権宣言に悖つた措置をとろうとしているのではないのであります。
○吉田法晴君 只今政務次官は残念ながら二つの政府があるということをお認めになつた。で、そのいずれを相手にしているかということは別問題であります。従つて二つの政府を認めながら一つのほうだけを相手にしているからということで、そこがきめる国籍法に従つて日本もこれに応ずるのだという今の態度であります。そこに基本的な問題を提起したわけです。現実に対して片方を相手にしているからということで、その国籍法、或いは国籍を韓国籍なら韓国籍を取得することを欲せざる人に強制するような結果になることについては、これは説明は日本が強制するのではないと言われますけれども、外交的な態度として結果においては強制になるのじやないか。その辺を便法でということをおつしやるのでありますけれども、便法はとにかくといたしまして、日韓会談の結果韓国政府を相手にしているからということで韓国籍を強制するという結果にならないようにされるべきではないか。今の答弁に関連いたしまして推理して参りますというと、そういうことになる虞れがございますので、もう一遍その辺重ねてお伺いしたいと思います。
○政府委員(石原幹市郎君) 吉田委員は今私が現実に二つの政府を認めているという言い現わし方をされましたが、これは誤解があるといけないと思いますから釈明しておきますが、二つの政府を、日本としては認めておるわけではないのでありまして、現実にそういう事態があるということを申上げたのであります。日本といたしましては朝鮮については大体国際連合が自由選挙に基いて民主的に成立した合法的政府と認めておるものは韓国政府と申しますか、大韓民国で、而も二十数カ国の国がこれを認めておる、こういう現実の事態に基いて日本はこれに処対しておるわけでございます。その国内法の律するところを原則、建前においては認め、日本のいろいろな諸手続をやつて行こう。併しこれはそういうふうにやればいろいろの問題が起きますから便宜的取計らいも認めて行こう、そうして我々は近い将来において何らかそういう問題がすべて解消される日の来らんことを念願しておるわけでありまして、只今の、現実の事態においてはこれ以上の措置をとるということは如何ほどここで論議を繰返しましてもこれはできないと、私はかように思いまするので、重ねてこの程度で御了解を願つておきたいと思います。なおそれから先ほどのお話では岡崎国務大臣と私との間に若干の違いがあるようでございますが、これはよく両方の速記をお調べ願いまして御検討を願いたいと思いますが、十分了解といいまするか、方針については打合せがあるのでありまして、根本的趣旨において何ら相違はないと私は思つております。
○吉田法晴君 基本的な外交上の態度について意見があり、それから出発してこの異見と申しますか、それが合致しないのでありますから、これ以上話を進めても仕方がないと思いますが、便宜的措置の中に現われておる国籍を強制するものではないと、こういう御意向を一つはつきり制度上、法制上確立して頂くことを希望いたしておきたいと思います。問題は、はつきりいたしません日韓会談、この日韓会談のこの項に関しまする分だけでも御披露願つて、或いは御示唆願つて質疑を続けますとこの辺明らかになりますけれども、明らかにせられませんだけに不安を持つわけであります。その点は希望を申上げるということにいたしまして、私は外務委員の皆さんにお願いをしておきたいと思います。 それから出入国管理令の全部についていろいろ質疑も従来重ねられましたので、改正点はもう質疑をいたさないことにいたしますが、今まで問題になりました例えば二十四條、或いは収容についての相当の理由があるとき、或いは思料するということが行政権によつて一方的に解釈される虞れがあるという点については、これはほかに委員その他から御質問がございまして、これらの点も問題になりますが、全部を通覧いたしまして、これは管理令でございますし、最初ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件として出て参つたのでありますから、考え方の基礎になりますアメリカの制度等を参酌いたして見ますと、手許に十分の資料がございませんが、頂きました資料、それからその後国内安全保障法の制定に伴つて入国拒否或いは送還等の理由になつたもの等を参酌いたして見ますと、その間に條文上の近似点或いは構想の近似点は十分わかるのです。ところが根本的に諸外国の例と、それから私どものここに論議をいたします出入国管理令、特に講和発効を目前に控えて私どもがここに論議いたします事情とは、根本的に違いがあるということを強く感ずるのであります。まあ強い立場弱い立場というような話も羽仁委員からなされましたけれども、アメリカに新らしく人が入つて来ようとするときに、アメリカに入ることは好ましくない、こういう事項として挙げられました移民法の問題、或いは国内安全保障法に伴いますこれらの関係法律の改正案は、これは一応わかります。併しながら、日本の場合において根本的に違いますのは、講和発効の日まで日本人として取扱つておる人たち、これが講和発効と共に外国人に一応なる。併し、過去数十年に亘つて日本におられた、或いは戦争中については、これは私どものまだ記憶に生々しいところでありますけれども、戦争に協力願うために、或いは勤労報国隊とか、或いは徴用とかいうことで、随分無理もして参つておる。この現実の上に、この二十四條その他、而もそれが思料する云々という言葉で表現されておりますけれども、こういうことで、新らしくアメリカならアメリカに入つて来る、それを好ましいか好ましくないかと価値判断するのと、日本の場合とでは、根本的に違う。而もこれは、或いは国籍の問題については論議をいたしましたけれども、韓国にいたしましても、或いは北鮮人民共和国にいたしましても、特に中国の人民共和国に国籍を持つことを希望せられる皆さんについては、これは日本とそれからこれらの東洋の新らしい諸国家、諸民族との間の関係ということを考えなければならんと思うのです。その点にこれは根本的な立場の相違があるし、それから出て参つてこれを比較検討いたして見ますというと、明らかにこの法律の中には、或いは占領下連合国と申しますか、或いは大部分の意見はアメリカでございましようが、アメリカの立場或いは気持というのがそのまま出ておるとしますならば、これはこれから独立する日本が東洋の諸民族に対する対等の立場、本当に心から対等で平和裡に手を握つて行くという法律としては、誠に何と申しますか、不備であり、或いは改訂を要する点が多々あると考えるのでありますが、これらの基本的な制度の背景をなします国の事情についてお考えになりませんかどうか。従つて、それから出て参ります立法技術上の点について再考すべきものがあると考えるのでありますが、この点について、石原政務次官なり、或いは佐藤法制意見長官、これは国務大臣がそれぞれおられませんので、代つて御答弁願いたいのでありますけれども、先ずその基本点を一つお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(石原幹市郎君) 極めて抽象的な言葉のお答えにはなると存じますが、この出入国管理令、これは冒頭の機会にも申上げましたように、国際慣行に則りまして本邦に入国したり、又は出国するすべての人の出入国の公正な管理について規定をすることを目的としておるものでありまして、制度全体を通じまして第一に国際慣行に合致するということを考えております。それから第二には、人権尊重の思想に従いまして外国人の処遇の公正を期することと、この二つを主要な目的としておるものでございます。そうして、現在の状態において能うる限りの諸外国の資料等も集め参酌してできたものと考えておるのでございます。ただ問題は、規定の書き方というよりも、この法を如何に使つて行くか、運用して行くかということに重点が私はむしろかかつて来るのではないかと思うのでありまして、それらの問題につきましては、この委員会で十分皆様がたから御意見も出、政府の気持も申上げておりますが、そこらの点は十分参酌いたしまして、更にこの法が立派に公正に運用されますることを我々は念願して行きたいと思つております。
○政府委員(佐藤達夫君) 個々の條文の御疑念につきましては、先般来私から御説明申上げた通りでございます。この全般の立法の行き方という点につきましては、只今政務次官が述べました通りでございまして、あえて私が言葉を附加する必要はないと思います。
○吉田法晴君 石原政務次官から、国際慣行による、或いは人権を尊重し云々というお話でございますが、先ほど申しましたアメリカの場合に、アメリカに新らしく入つて来る人をアメリカとして好ましいか好ましくないかと、こういうことで立案せられましたのと、それから日本の場合に一番大きく問題になりますのは、これは人数の点から考えましてもそうでありますが、その他の第三国人というよりも、朝鮮、それから中国の諸君もそうだと考えるのでありますが、これらの皆さんが長年日本におられた、或いは中には、中にはと申しますよりも、大部分日本の国籍を持つておられる。そういう事情の相違からいたしまするならば、これは全く事情が違つておる。その点について根本的な考慮は何も拂われておらんではないか。而も、占領中であるならばとにかくでありますが、独立後の法制としてここに我々審議するというならば、その点について根本的に考え直す必要があるのではないか。この点については、十分御答弁を願わなかつたように思うのであります。
○政府委員(佐藤達夫君) 先に僭越でございますけれども……、今のアメリカの関係は、これはもう御承知だろうと思いますが、念のために申上げておきたいのは、入国に対する制限、それから退去についての自由というものは、今御審議を煩わしておりますこの案件の建前と同じになつております。それから、アメリカ市民に一応なつておる、即ちよそから帰化されてアメリカの国民になつておられるというような人に対しては、又別な法制によりまして帰化の取消という制度もございます。やはり取消されたかたが結局退去をされるという場合も、これはまあ制度としてはございます。但しこの運用の問題としては、恐らく、政務次官のほうから先ほども申されました通り、日本のこの法制の運用としては先ほどのような御趣旨によつて運用されると、私はただ外国の例について知つておるところを申上げるのにとどめます。
○政府委員(石原幹市郎君) 只今意見長官からも申されましたように、これは日本の独得の法制ではないのでありまして、十分国際慣例を調べてできたものであるということは、先ほど申上げた通りであります。それで先ほどと同じことになるのでありまするが、やはり一応心配されますることは、この法のやはり運用の如何であろうと思うのであります。吉田委員がいろいろお言葉を換えて言つておられますが、結局はこの法の運用如何であろうと思うのでありまして、これは先ほど羽仁委員からの終局的御質疑に対しまして、私が十分今後の運営につきましては諸般の情勢を考慮して無理のないように適正、公正に運用されまするように十分留意をするということを先ほど申上げてあるのであります。これを以て御了解を願いたいと思います。
○吉田法晴君 運用でやつて行きたいと、それは退去を強制することができると書いてあつて、強制するとは書いてない。成るほどそれは外国の場合と違うところではあります。それを認めることは率直に認めます。併しながら、強制をすることができると書いてあつて、強制するとは書いてないから送還しないのだと、或いは退去を強制しないのだと、こういうことであれば問題はございません。運用々々と言われますならば、運用の点についてお話申上げますけれども、或いは思料する、或いは疑うに足る相当の理由がある、こういうことで運用せられますならば、これは一つ私知つております例を申上げますけれども、滋賀県で部落解放委員会という、従来日本で、何と言いますか、同じ日本人でありながら特別の差別を受けた人たちがあります。この部落解放運動の実際の世話をしておつた人、これは名義上はいわゆる日本名になつておりましたけれども、例えば登録令関係で行きますと朝鮮出身の人であつたのでありますが、この人を理由なくして……、これは出入国管理令に相当すると思料せられたのであろうと思いまするけれども、強制収容をして、そして長崎から強制的に送り還そうとせられた。で、その直前にやつと、何と申しますか、その強制送還を阻止し得た経験を持つておりますけれども、この法令の運用の点から言いますと、今お話のような運用によつて弊害のないようにしたいというお気持は、これはただ口頭のお話でありまして、私どものあれから言いますならば、例えば破壊活動防止法案に、労働組合には適用しないのだと、こういう注意規定を設けるのと同じように、実際にはそういう工合には行われない。恐らくこの法律で思料すること、疑うことによつてどんどん強制收容もせられるし、或いは送還もせられるということを、過去の経験からして我々心配するわけであります。特に先ほど来指摘せられましたように、二十四條の中に、違法ではないと、不法性はないけれども好ましくないという人たちを強制送還する條項が随分たくさんある。それならば、若し本当にその公正ならざる運用をする意思がないというならば、これらの問題の点について修正をする以外に、或いは削除する以外にないという工合に私ども考えるのです。具体的な例を挙げて公正なる運用をしたいという御答弁に対する反駁をするのでありますが、立法技術上こういう法律では弊害が生ずるという私どもの意見について、どういう工合に考えておられますか、お伺いいたします。
○政府委員(鈴木一君) 私からお答えを申上げますが、この管理令の建前は、先ほど政務次官からお話がございまして御了承を得たことと存じますが、その中で外国人である以上は、国際慣例によりまして民主的な扱いとしてこの管理令を適用する、この点については誠に明らかでございますが、我が国として特殊の事情であるずつと長く日本におつた朝鮮、台湾の人たちに対しては、法の体系からいたしまして別個に扱うということで、これは日韓会談にも問題になつておりますので、そういう点を考慮いたしまして、一応はこの人たちには特別の法律が出るまでは現在の状態でそのまま日本におれるという途を作つてあるのでございます。それで日韓会談の内容に入るわけでございますが、その日韓会談によりまして、そういう人たちには、善良な人でありますれば日本に永住の許可も與えられるということでありまして、普通の外国人が日本に永住許可を願い出ます際には相当な制限があるわけでございますが、長く日本に終戰前から在住しておつたというものに対しては無條件で永住の許可が與えられるということに、これは日韓会談の内容に入つて参るわけでありますが、そういう特別措置をしたらどうかということで、大体話合いができておるのでございます。それはいずれ特別立法によりまして、今度の議会に間に合いますれば出るわけでございますが、或いは次の議会になるかもわかりません。やがて出て参るわけであります。ただ外国人になつてしまいますので、外国人になつた以上は国際慣例によると、ただ以前からおつたそういう特殊の扱いをすべき人たちに対しましては、例えばこの二十四條の適用については、先般来申上げておりますように、貧困者というようなものについても、ただ貧困であるからすぐ還すということは勿論考えておらないわけであります。これは韓国側との協定その他によりまして、不安のないような扱いをいたしたいということを考えておるのでございます。で、運用の面におきましても、具体的に日韓会談におきましてそういう問題に特別な考慮が拂われるということがやがて明らかになるものと確信をいたすわけでございます。
○岡田宗司君 関連いたしまして……、只今の御説明によりますと、日韓会談の結果日韓條約というものができて、或いは台湾政府との間に何か條約ができた後に特別の法律ができて、そうして昭和二十年の九月二日以前にずつと日本に在住しておつた朝鮮人並びに台湾人ですね、その人々については、まあその後特別な法律に基いて無條件に永住権を與えるというふうなことになるのだ、こういう御説明があつたのです。そういうことをこのポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く外務省関係諸命令の措置に関する法律案の中に、なぜはつきり明示されておかなかつたか、或いは外国人登録法のほうにそういう経過的な規定をなぜお入れにならなかつたか、何か入れて悪い都合があつたのか、その点お伺いしたい。
○政府委員(鈴木一君) これは日韓会談の話合いが、この法案を提出いたしますまでにすでにできておれば、当然入れるべき問題であつたのでありますが、御承知のように未だ会談が調印に至つておりません。まだ発表に至つておりません関係で、その発表に至るまでは便宜処置として、この法案、今回御審議願つております法案の第二條の第六項というところで、特にこの点につきましては「別に法律で定めるところにより」という書出しでそれを暗示いたしておるのであります。で、先ほど申しました永住許可の問題は、この「別に法律により定める」この中にどういう方法で永住許可を與えられるかということを定めようという心組みで書いておるのでございますが、残念ながら日韓会談がまだ最後の妥結に至つておりませんので、法文に現わしてそれを明示するというところまで行つていないのであります。
○岡田宗司君 会談が成立しないから明示せん、こういうことでありますけれども、そういうものはいずれ両国の、両政府間の條約等によつてきめられることは予定されておる。そういたしますならば、そういうものができた際に、こういう取扱をするということをはつきりさしておいて、不安の念を與えないことが、法の目的をよりよく達成する途じやないですか、そこいらの点、どうお考えになりますか。
○政府委員(鈴木一君) 御尤もなことではございますが、條約になります内容をその以前に文字にいたしまして現わすということは、これはむずかしいことではないかと思うのであります。
○岡田宗司君 むずかしいことではないかと言つて放つたらかして不安の念を起したり何かして、いろいろ面倒な関係を生じさせることは非常にまずい。で、何もこの中に日韓会談が成立してとか、或いは台湾政府との間の條約が成立してとかいう言葉は入れなくても、そういう意味のことをもつとはつきり現わして、そうしてそれが成立……そういうような状態になつた場合にはこうこうする、それまではこうこうするということは、規定できないわけはない。いろいろな法律でもそういう規定は幾らもある。従つてそういうようなことをお入れになつておけば、むずかしい問題は起らないと思うのでありますが、そこらの点はどうお考えになりますか。
○政府委員(石原幹市郎君) これはポツダム宣言のこのほうの七頁の第二條六項の終り頃に、「別に法律で定めるところによりその者の在留資格及び在留期間が決定されるまでの間、引き続き在留資格を有することなく本邦に在留することができる。」決定されるまでの間は、在留資格があつてもなくても何でも本邦に在留することができるのでありまして、それで別に法律で定めるところにより、これが只今日韓会談で在留資格及び在留期間、これをきめよう、こういうことでありまして、これは岡田委員の御心配の点は全然ないと思います。無條件で本邦に在留することができるということが、ここにちやんと明示して書いてあるのであります。ただ如何なる内容になるかということは、別に定める法律がどういう内容になるかということは、今、日韓会談で話合つておるのでありますから、それがきまらんと、どうもここにちよつと書き現わすことはできないのじやないか、かように私は考えます。
○岡田宗司君 「別に法律で定めるところにより」というのをもう少し明らかにする必要があるのではないかということ、それからその別に定むる法律の内容がもうちつと明らかに限定せられて、そうしてこの法文が、もうちつとこの文章がはつきりした意味を理解できるようにされることが第一、それからこれに基いて永住資格を得たものについては、例の強制送還の問題について、無條件にこれを適用するようなことのないようにやはり明示する必要があるのじやないか、その点についてどうお考えになりますか。
○政府委員(石原幹市郎君) 一応私から答えまして、なお足らざるところは管理庁長官から……。これは先ほど申しましたように、会談で今両方の折衝の過程でありまするので、ここで而もそれを法律にその内容を明示するということは、これはまだできないと思うのでありますが、大体いろいろな條件を附けようという考えは、この在留資格において考えようというようなことは考えられてないようであります。期間につきましても、これはまあ大体衆議院のほうでもいろいろ若干の話が出たのでありますが、二年乃至三年くらいということになるのじやないかと考えます。それから強制退去の二十四條のことについては、これはここでもう何回も申上げましたように、破壊的、不穏的行動をとる人である、或いはもうこれ以上日本におつてもらつては困る、こういう人について、これはもうどこの国でもそういう場合には困るのであります。それ以外の人につきましては、殊に従来から日本におる朝鮮の人々、或いは台湾の人々について、十分考慮を拂いまして、摩擦のないようにやつて行きたいということは、ここでしばしば申上げておるのであります。大体皆様がたにも十分私は御了解は頂いておるのではないかと思います。
○吉田法晴君 御了解を頂いておるのではないか……了解をせんから質問を続けておるわけでありますが、今の御答弁からいたしましても、それから基本的に先ほど来申上げましは占領中にできておる法律を成るほどそのほかに若干附加えてはおりますけれども、大半はそのまま持つて来て、ここに講和後の法律とすることについて、妥当性を欠くのじやないか、こういう点が私どもの根本的な気持であります。只今の質疑に現われましたような事実或いは事項がございますならば、これはもう少し待つて、根本的に変えたらどうか、これが第一点。それからもう一つ、例えば先日からの質問でも、二十四條の四号の(ハ)或いは(ホ)、「癩予防法の適用を受けている癩患者」或いは「貧困者、放浪者、」云々につきましても生計扶助を受けているからといつて必ずしも送還しない。或いは癩予防法の適用を受けておるからといつて必ずしも送還するのじやないというならばもう少しこの法文を書換えるべきじやないか、或いはこのままで、ここの(ハ)なら(ハ)、(ホ)なら(ホ)の個々の條文はこのままにして置くとしても、第二十四條の別のところにこの條文を書加えるということが必要になつて参る。或いは先ほど無條件に永住の許可を與えると、こういうお話でありますけれども、施行規則の三條の三項によりますと「国籍証明書」を必要とする、或いは「独立の生計を営むに足りる資産又は技能があることを立証する書類」、こういうものを少くともこの法律は要求されておる、或いは資格として要求されておる。そうするとお話の点、抽象的な答弁の点と、それから具体的な法律案は違つておる。だからその点を直すべきじやないか、こういう点をこの條文の個々について申上げるときにも根本的に含みながら御質問を申上げておるわけでありますが、その点は如何ですか。
○政府委員(石原幹市郎君) 前段について私からお答え申上げまして、あとの点は管理庁のほうからもお答えを願いたいと思いますが、この法律はこれは朝鮮の人だけを対象として作つておる法律ではないのでありまして、一般外国人に適用する法律でありまするから一応書き方としてはこう書いておかなければ、書き方としてはこれ以外に方法はないのじやないかと思います。そこでくどいようでありまするが、従来からずつと在留されておりまする朝鮮の人、台湾の人等については特に愼重なる考慮を拂わねばなりませんから、又日韓会談においても、この運用方針について両国の問で十分話合いを進めたい、協議をしたいとこういうことになつておるのでありますが、法の書き方としては一般外国人に適用する法令といたしましては、私はこういう書き方をとらざるを得ないものと思います。あとの点については……。
○政府委員(鈴木一君) 第一の点でございますが、この法令がポツダム政令でできているのをそのまま引継ぐのはどうかというお尋ねが先ほどあつたのですが、その点は出入国管理令が十一月一日から施行になりましたわけでありますが、十一月にはすでに平和も近い、平和の條約の発効も近いということで、これが平和條約発効後独立日本としてのいわゆる管理法、出入国管理法として恥かしくない規定にしたいということで諸外国の立法例も参酌いたしまして作りましたわけでありまして、ポツダム政令であるから、新らしい観点で別に法律を作るべきであるという御議論は、その観点に立つてこの法案がすでにできているということを申上げますればおわかりになることと存じます。それから先ほどの永住許可につきましてこの省令にいろいろな條件が書いてある、こういうことを仰せられましたが、これはその通りでありまして、一般の外国人がその永住許可を求めますときにはその通りであります。併しながら今度日韓会談の内容に入る、先ほど申上げましたように特別の法律を出しまして、従来から日本におつた、長いこと日本におつた、終戰以前から日本におつた朝鮮、台湾人については、そういう特に善良であるとか、或いは資産がなければならぬとか、生活の能力がなければならぬというような條件、そういう條件は要らないということを今度の、次に提出いたします法律の中で書いて、そうして先ず無條件でおれる、こういうふうな規定をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○平林太一君 只今二條第六項の事柄、それから二十四條に対しまして詳細の説明を聽取いたしたのであります。又吉田君から極めて專門的な御発言がありまして、これに対して政府の説明がありました。これをいろいろ私は深く勘案いたしまして、恐らくこれは岡田君にいたしましても、吉田君にいたしましても、ほぼこの根柢は御了承が願えたものと私は思いますが、要するに本法案の根柢を流れておりまするところのこの思想及びこの本法の大精神というものは二つある。第一は我が国は講和の発効を契機といたしまして、いわゆる独立国家と相成つて、そうして世界共通のこの法則に則つて、これら出入国管理令に対するところの独立国としての、又法治国としての、世界的法治国としての体系をここに整えたわであります。第二はその体系を整えたものの中に、依然としていわゆる同文同種の同胞大愛の精神をこの中に深く包蔵している、そうして取扱つている、こういうことを認めざるを得ません。御承知の通り日韓、日台、又時あつて今日はややその方向は我々と彼との間に多少の相違がありますが、日華の関係、これは世界的に同胞同民族又同文同種の民族として、共に兄たり弟たりがたき関係、殊に日韓の関係に至りましては、もはや常識を以て判断すれば論議の余地がない。全く相共に今日まで共存共助の内容を以て今日に至つて参つておりますのでありまするから、これに対しまする取扱い方に対しましては、只今申上げた通り、現に具体的には日韓会談が行われ、そうして日韓会談のその締結によつてこの両国の関係に対して万全の方法による措置を講ずるということをここに規定いたしているのが本法に示してあるものと私は信ずるのであります。従いまして第二十四條のこの適用に対しましては只今政府の説明がありましたけれども私は深くこれを諒とするものでありまするが、かような大精神をこの基本といたすということを深く私は信じますにおきましては、政府におきましては当然これらに対しまして二つの、第二條第六項の問題、又二十四條の問題につきましては速かなる機会におきましてこれが効力の発生及びこれが適用をすることに遺憾なき措置を期せられることを信じて疑わない。併しながらこれに対しまして時間的にも極めて急を要しておりまするのでありまするから、日韓の今日の会談の状況というものはこの問題に対して極めて深い関係を持つておりますが故に(「その通り」と呼ぶ者あり)日韓会談の見通しというものは、およそいつ頃これは成立する、両国の間にこれが締結されるのであるかということを伺いたい。これを伺うことによりまして今日第二條第六項、又第二十四條等に対しましてこれが肯けるところに到達するのでありますから、要はその日韓條約の締結というものがいつ頃あるか、そしてその間には別にこれが、この法文上に現われたものが、適用せられるというのでありますから、その期間に対することをこの際明らかにお示しを願うことを要請いたしておきます。御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(石原幹市郎君) これは両国の間におきまして只今非常な熱意と努力を以ちまして、早く妥結に相成るように、少くとも基本條約につきましてはこれが妥結をできまするように、両代表の間におきまして、只今非常な努力と熱意を持つてやつております。ただこれがいつでき上るかということにつきましては、ここで私から明言するわけには参らないのでありまするが、成るべく早い機会に速かにこれを成立せしめたいという意気込みを以ちまして、非常な努力が拂われておるということを、ここに一言申上げておきたいと思います。
○平林太一君 只今外務次官から御答弁を承わりましたが、その見通しにつきましては、私も甚だ希望に副わざるものがあるのであります。今少しく、いやしくも條約の見通しというようなものに対しましては、もつと具体的なものがそこに潜在して、又表面に現われて、それを取り進めておるのでありますから、もつと明確な御答弁を得ないのは甚だ遺憾でありますが、併し大いに努めるというのでありますから、そのようにお努めになられて、一日も早くそういうことを締結せられることを希望する。そしてこれに対しまする頗る疑問となつておりまする二つの関係の事柄を解決なさることを希望する。それから第二十四條に対しまして、殊にこの効力発生後におきまして、特別なる処置がとられるということに対しましては、これはひとり国外だけでない、国内の法律におきましても、国内のいわゆる国民中におきましても、特別なる処置をとりますれば、当然これはそれぞれその行為に対しまする、これを処罰せられるということに相成つておるのでありますから、それらの点も私は余り深く心配をせなくてもよろしいものと思います。いやしくも独立の国家が形態を整えて、独立の国としての方向を進む以上、その独立をみずからこれを脅かす、又内にあつて、その秩序を紊乱するような行為に対しましては、或いは日韓、日華の関係でない、それが国内同胞の間においても、これを国内において処置しなければ、多数の国民の安寧福祉というものが阻害せられるのでありますから、これは止むを得ません。併しこれは殊に日韓の関係に対しましては、こういう場合十分に政府は愼重を期して、いやしくもそういう処置、取扱をするときにおきまして、思わざるものをするような結果にならないように、又すべきものをそのままに放置しておくということのないように、これは十分の愼重を期しなければならない、そういうときには、どういうようなお考えを持つてそういうことに臨まれるかということを、一つそういうことに対しまする一応のバロメーターと言いますか、基準と言いますか、これは法律の適用もありますが、そういうことを一応明らかにせられておくことが、この第二十四條に対しまするものを、極めて公明正大に明らかにいたすことになるのでありますから、この点一つ伺つておきたいと思います。
○政府委員(石原幹市郎君) 二十四條の運用の方針についての態度と言いまするか、考え方についての御質疑だつたと思うのでありまするが、これは先ほど物仁委員並びに吉田委員に対しまして、私から縷々申上げておきましたので、御了解は得ておると思うのでありまするが、これは一般外国人に対しまする法令でありまするので、書き方においてはこういう書き方をとつておりまするが、但し旧来より日本におりまする朝鮮の人々につきましては、十分留意をいたしまして、不当のことのないように、無用の摩擦のないように、我々はこの法令の運用を図つて行かねばならんと思つておるのであります。万止むなくこの法を適用せなければならないような場合につきましては、これもたびたび申上げておりますように、日韓の間におきまして、この運用の方針等についても打合せを遂げつつあるところでございまして、我々は隣邦の人々、殊に長く日本におられました人々に対しまして、十分諸般の事情を考慮いたしまして、適正なる運用を図つて行きたいと思います。
○平林太一君 大体私の質疑に対する御答弁は了承いたしました。この機会に申上げておきたいと思いますことは、どうかこの精神をこの二十四條の適用にも深く考慮せられてもらいたいということについて、この際一応参考までに政府に申上げておく次第でありますが、要するにこの法の、只今申しました私のこの法に接しまするところの私の態度といたしましては、やはり我が国は、如何に這般の過ぎし日に、戰いに敗れたりといえども、我が民族、我が日本民族というものはアジア諸国中におきましては依然として金は金である、腐つても鯛である、そういう感を深くせざるを得ない。又そうい方向でこれは進むべきものである。こういうことを思うにつけましても、いわゆる世界の米国、英国、如何に大国といえども、我々は今後我々の進むべき道に対しまして、誠意を踏んで、恐れてはならない、誠意を踏んで恐れざるときは、これら欧米のいわゆる大国をして誤らざる行動を事前にとらしめるということに相成るのであります。それで一方におきましてやはり我々アジアの幾つかあるところの国々の中に、国小なりといえども、その民族におきましては遙かに毅然としてこれは高きものを持つておる。そうして曾つてインドに生を受けた大聖釈尊が、あの小さな国におきまして全人類を救つたように、我々日本民族というものは、このアジアの諸民族の中にあつて、これらアジア諸民族が仕合せに又幸福に暮して行けるような、そういうような方向を我々日本民族の精神の中に今後とつて行かなければならん。そういうことを思うにつけても、いわゆるこのアジアに関するものに対しましては、我々今後独立国家といたしまして、大いに大愛の精神、親愛の精神を持つて、そうして我がこの日本に対しまして共に備え、又苦楽を共にせんとする人々に対しましては、豈それ我が国内の我が民族というものと、又これをやられた或いは韓国或いはタイ国或いは台湾というものをこれは差別すべきものではない。皆同じ心持、同じ精神を以て共にアジアの発展に盡して行きたい。そうして欧米の大国に対しましても決して卑屈の態度をとる必要はない。そうしたところに世界の大きな平和がもたらされる。その平和をもたらすところのものが、この法案に盛られてある。従いましてこの法文の運用、適用というものを、そういうことを基本にいたしまして今後お進めになられるようにということを、この際強く政府に対して申上げ、又我々も大いにこれに協力をいたしまして、この法案の完全なる運用の今後できることをひたすら望んで止まないということを、私はここに私の所信として、又希望として申述べておく次第であります。私の質疑は大体これを以て終りといたします。
○吉田法晴君 あと二、三点をお尋ねいたしたいのでありますが、先ほど来明らかになりましたように、国籍の問題、その他日韓会談、或いは日台会談と申しますか、明らかにならない点があり、文無條件で永住許可ができるようにするという方針でありますが、法文上は別に法律に定めるところによるというので、その内容は、法文上は明らかにならない。そこでこれらの事態が明らかになりますまで、この法案の何と申しますか、この審議立案を延ばすべきではないか、こういう点を一つ。それから、もう一つ、この二十四條その他でありますが、特に今二十四條が中心でありますけれども、外国の法令を見ましても、ほかの法律で違法性のないものを、強制送還或いは収容の理由にされておる、これは私は十分ではございませんけれども、頂きました法律等を見ましても、外国の場合にはないようにまあ思うのであります。で、特に二十四條の四号の点については、先日も御質問申上げましたけれども、破壊活動防止法といつたような別の法案で論議されておりますが、その中身になつておる、或いは団体の不法行為、こういつたものがこの中には含まれておる。或いは労調法云々というお話でありますけれども、労調法の範囲を越えておることも明らかであります。そういう不法性、違法性のないものを、好ましくないとして二十四條に入れるということは、立法技術上の問題ではない。而もそれは、先ほど申上げましたけれども、外国の場合と日本の場合とは事情が違つておる。これは外国人全般に適用せられるものでありましようとも、実質的には頂きました数字が示しております。台湾ならざる中国、一応この登録関係で言います中国人でありますとか、或いは韓国でない朝鮮の人たち、こういう人たちが多いことを考えますときに、実際問題として、それは日韓会談、或いは日台会談でなされておると言いますけれども、法の適用を受ける大部分の人はこういう人たちである。その人たちに、日本の法律では別の法律で違法性があると認定せられない事項、或いは不法性があると認定せられない事項を、第二十四條その他に書くことは、これは行き過ぎではないか。これらの点については修正せらるべきであると考えるのでありますが、その点が一つ。それから、もう一つ、この調査ですか、入国、或いは入国の場合のこの審査なり、或いは強制退去に至ります手続は、これは羽仁さんからお話になりましたけれども、先ほど申しましたような実態を考えますときに、外国の法令そのままには建前にならんわけであります。二十四條を実際に審理いたしますのは、これらの手続によるわけでありますが、その手続が行政権によつて行われる、而も外国の場合のように民主主義が相当徹底しており、民主主義の伝統のあります国においては、或いは日本以上に弊害を防ぐことができるかも知れません。併しながら、先ほども一つの例を挙げましたけれども、日本の場合に、特に今後の逆コースの中で、行政権の何と申しますか、專横と申しますか、或いは一方的な強行が行われます心配の多分にあります日本においては、この手続規定では、これは公正を期しがたい、もう少し裁判手続と同様の、行政官ではない、もつと第三者的な身分の保障をせられました機関による審理手続が必要だと考えざるを得ないのであります。これらの点についてどういうようにお考えになりますか。
○政府委員(石原幹市郎君) 前段を私からお答えしまして、後の点は意見局長官からお答えを願おうと思うのであります。今回の改正法律案の第二條の第六項におきまして、最後に「別に法律で定めるところによりその者の在留資格及び在留期間が決定されるまでの間」、これで一応きめるのであります。「までの間、引き続き在留資格を有することなく本邦に在留することができる。」「引き続いて」、これこそ本当に無條件でありまするが、「在留資格を有することなく本邦に在留することができる。」となつておるのでありまして、その間の経過的措置につきましても、何ら不十分なところはないと思うのであります。 それから第二十四條の書き方等についても、私は行き過ぎであるとは思つておりません。又出入国管理のやり方につきましては、大体諸国の例もこういうやり方をとつておるところが多いのでありまして、これも普通であろうと思うのでありまするが、なお法制的立場から佐藤意見長官からも御説明を願つておこうと思うのであります。
○政府委員(佐藤達夫君) 前回羽仁委員の御質疑に対してもお答え申したのでありますが、第一に、第二十四條に列挙されております事柄、これにつきましてのお尋ねでございましたが、申すまでもありません。ここで掲げております事柄は、これは絶対に制裁ではないのでございます。刑罰というようなもの、即ち制裁でないことは申すまでもないことでございまして、飽くまでも日本の国として非常に困るという立場から判断してこれだけ列挙いたしました。ただたまたま少し正直過ぎて、細かく列挙いたしましたために、前回以来非常に御迷惑をかけましたけれども、これは実は外国の立法例、殊にヨーロツパの立法例には、この間も触れましたように、不適当と認める者は退去きせることができるというように簡單明瞭にやつておる国さえもあります。それから申しましても、制裁でないことはおわかりでございましよう。(「制裁になる」と呼ぶ者あり)又この列挙がむしろ濫用を避ける意味で細かく無理をして並べたという我々の気持は十分法律家であらせられるところの吉田委員には殊更に(「ノーノー」呼ぶ者あり)私はおわかりになることと安心しておるのであります。(「わからないね」と呼ぶ者あり)なお行政手続という点につきましては、これはもう申すまでもありません。本来この退去するということは、行政府が全責任を持つてやるべき事柄でありまして、それを三権分立の原則をましまして、裁判所の責任に押しつけるようなことは私は憲法上如何かという気持がいたします。さて行政府の責任でということになりました場合に、これも併しできるだけ愼重な手続で憲法の要請する法の定める正当な手続という趣旨によつて、成るべく細かく規定をすることがむしろよろしかろうという趣旨でかような又御迷惑をかけるような長い條文ができたわけであります。今お話のように、せめて行政官でない者、完全な裁判官的な、裁判官とはおつしやいませんでしたが、裁判官に近いようなものというようなお話もございました。それも勿論考えられます。考えられますけれども、この点又いろいろ政府の責任関係ということから申しますと、政府の責任の負えないような手続がそこに行われるという面の批判も又出て参ります。これも勿論十分おわかりのことと存じます。而して結局結論を申上げますれば、行政権によつてこれは国会の、或いは又その国会のうしろにおられる主権者たる国民の完全なる監視の下に行政府が責任を持つてやりますという態度でこの案ができておるわけであります。
○岡田宗司君 今までのお話で、何遍も繰返されたことですが、外国人登録法は一般的な外国人の登録に関するもの、それはその通りでありまして、私どもよくわかつておるのであります。問題は例外的な朝鮮人並びに台湾人の問題と思います。これが例外であるこの法律の適用に関しては、この例外的な人々については例外的に取扱うんだということを、もう少しはつきり書き現わしていないからいろいろ誤解も起り、今までの取扱方についてもそういう誤解を生ぜしめるようなものがあつた。だからこの二つの法律ができる際に、その例外的なものをもうちつと親切にわかりやすく納得のできるように書き現わしたほうがいいんじやないか、こういうことを私どもは考える。それから今いろいろお伺いしておるというと、日華会談なり何なりの間で話合つておるこの話合いがどういうような内容を持つものかということを概略でもお伺いしないとはつきりしたことは僕らにもわからないのです。そこでこれは委員長にお願いしたいのですが、連合委員会は今日でお終いでありましよう。先ずこの法律の例外的な適用が今一番問題になつておるのです。その例外的な適用の基礎になる日華会談なり、或いは日本と台湾政府との間のいきさつなり、その会談なり、或いは何なりの場合におけるそういう人々についてのいろいろな向う側の考え方もあり、こつちの考え方もあるでしよう、それを一つ明らかにしてもらいたい。これはやはり岡崎国務大臣がその責任者でありましようから、岡崎国務大臣に出て一つそれから明らかにするようにして頂きたい。こういうことが一つ。それからこれはまあ日本に今までおつた朝鮮人並びに台湾人諸君は今後外国人になつて行くわけでありまするが、その人たちが、今問題になつておるその人たちが、一体日本の内部においてどういう生活を持つておるか、どういう状態であるかということが我々何も説明されていない。例えばそういう人々は日本人を妻としておる人もおる。そういうことを、それは一例でありますが、もつと明らかにして我々に納得の行くように御説明を願う。これは一般的な在留しておられるそういう人々の状況についての詳しい御説明を伺いたい。或いは犯罪の問題もありましよう。即ち二十四條に触れるような問題もたくさんあると思う。それらについての詳しい御説明をお願いしたい。それからこれはこの法律ができ上つて適用されるということになりますと、それによつて影響を受ける人が多いわけであります。特に不安に感じられておる諸君も相当おる。だから朝鮮人のかたなり、或いは華僑のかたなりの中で適当な人を参考人として喚んで頂いて、そうしてその人々から受ける感じ、或いは希望というようなものも是非伺つて我々の審議の資料にしたい。こう考えております。(「異議なし」と呼ぶ者あり)それから委員長、どうでしようか、そういうふうな方法を一つ審議の過程でお願いしたいのですが、これは外務委員会になりましてからのことでございますが、どうかお取上げになつて頂きたいと思います。
○委員長(有馬英二君) ほかに御質問はございませんか。
○兼岩傳一君 質問でなく議事進行で……。今岡田委員の言われたような日韓、日台に対する岡崎国務大臣のもう少し具体的な、少くとも一般的な方針、それの問題点等々をやはり聞かして頂くことと、参考人喚問ですな、これは一つ利害関係を持つておられるその人たちのほかに、公正な立場の国際公法の学者なり、それから民族問題について非常に理解のあるかたなりお差かえ願つて、やはり外務委員会として一つ参考人喚問、是非一つお願いしたいと思います。
○委員長(有馬英二君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(有馬英二君) 速記を始めて下さい。それでは法務との連合委員会は本日を以て閉じます。本日はこれを以て散会いたします。 午後四時四十五分散会