外務・人事連合委員会 第4号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/03/29
会議録
○委員長(有馬英二君) 前回に引続きまして、外務、人事連合委員会を開会いたします。引続き御質問をお願いいたします。
○吉川末次郎君 若し時間の制限上、我々はまだあとに時間があるのでありますが、人事委員のほうから特に先にやつて頂く時間の関係がありましたら、私はあとにいたしてもよろしうございますが、よろしうございますか。
○委員長(有馬英二君) 人事委員のかたに先にやつて頂きます。
○千葉信君 昨日中山委員のほうから第十九條以下の御質問がありましたが、まだ第十七條、第十八條の質疑は残つておりますので、その点から御質問申上げたいと思います。第十七條は勤務條件に関する行政措置の要求ということになつておりまするが、国家公務員法の建前から言いますと、勤務條件に関する行政措置の要求と同時に利益処分に対する審査の請求とが同様に扱われているのでありまするが、この場合には單に勤務條件の行政措置に関する要求だけを前審として外務人事審議会に要求できることになつておりまするが、この点については、どうしてこういう差別を設けられたか、その点をお尋ねいたします。
○政府委員(浅井清君) 公務員法に関しまするから、私からお答え申上げまするが、この行政措置の要求について、外務人事審議会と申しまするのは、外務人事審議会というような機関を設けないということならば、これは当然人事院に来てよろしかろう。併しともかくも外務人事審議会いう審議会がありまする以上は、一ここを通して問題を処理すべきじやなかろうか、併しこれに対する第二とでも言いますか、それは人事院に来ると、まあこういうふうな考えでありまして別に直接人事院に来たからいとか、いかんとかいう問題ではなのであります。
○千葉信君 次に第十九條以下の問題についてお尋ねしたいと思いまするが、昨日も中山委員からこの件については質問申上げて、浅井総から御答弁があつたようでありまするが、そのときの浅井総裁の御答弁によりますと、外務人事審議会等に提訴し、若しくは又その提訴した案件について、任命権者である外務大臣がその処分の訂正であるとか、或いは取消を行うという問題について、同様のことが人事院としても任命権者として、而も人事院自体がその処分に対する審査をやり、申請又は取消をやる場合があるからというお話でございましたが單にそれだけでは私はこの問題に対する御答弁にはならないと思うのです。どうしてかと言いますと、今度の新らしく設けられる外務人事審議会或いはその審議によつてこれを外務大臣に答申し、若しくは諮問に応ずるという状態の場合と、人事院が行なつているこういう案件に対する審査なり、若しくはその審査をする機構なりというものが非常に性質の違つたものであということを言わなければならない思うのです。御承知のように、国家公務員法によるこれらの案件の審査というような問題の場合には、先ず第一が人事官そのものがこういう案件に対して持つておる考え方というものは、外務大臣の考え方とは相当その考え方が違うというふうに私ども考えざるを得ないのです。例えば人事官会議を構成する人事官に対しては、国家公務員法の第五條でも非常に嚴格な規律が定られておる。而もその人事官会議で審査する目的というのが、どこまでも公務員の利益の保障とか、或いは又公平な審議ということを目的として人事官会議が設けられておる。そういう人事官会議の問題に対する態度というものと、この外務人事審議会等の構成から来る欠陥とか、或いは又その全体の問題に対して公平な取扱いをするために設けられておる人事官会議等の場合の結論と、外務人事審議会等のこういう問題に対する態度というものは、おのずから相当な開きがあるということが、一応どうしてもこれは考えられなければならないし、それから又例えば第二十條の第三項によりましても、口頭審理は非公開でするということになつておりまするし、それから又国家公務員法における審議の際には、弁護人を代理として弁護に当つてもらうことができるということがあるのに、その点についてもこの外務公務員法では弁護人という條件は排除されておるという状態であります。これで全く浅井総裁のお考えとしては、こういう状態にあつても條件が、つまり等しく任命権者がその行なつた処分に対して取消をやつたり、或いは又修正したりするという條件において何ら異るところがないというふうにお考えになつておられるかどうか、その点を承わりたいと思います。
○政府委員(浅井清君) 第一に千葉さんのお尋ねになりましたことは、私が昨日中山さんにお答えしたことと関連するのありまするが、その中で以て、人事院が任命権者として首を切つた者も又人事院へ訴えて来ると、これは勿論のことでありまするが、そのほかに公務員法の八十四條二項によりまして、人事院がほかの省の職員を首切ることもできる、そういうふうな場合にも又人事院へ訴えて来ると、そういたしますると、中山さんの御非難は、首を切るのも外務大臣、その首を切つたことがよいか惡いかをきめるのも外務大臣ならば、この審議会の制度は有名無実ではないかというようなお尋ねでございましたから、実は一般公務員法においてもそういうこともあり得るのだということを申上げたのであります。そこで任命権者としての人事院がやつた場合だけとは限らないのであります。それが第一点であります。次に千葉さんの御質問になりましたことは、どうも一般公務員の公平審議制度と外務人事審議会の審議制度とが違うじやないか、言葉を換えて申しますれば外務省のほうは公務員の保護において欠けるところがあるのではないかと、こういうふうなお尋ねであつたように思います。併しながらこの問題は、二つの非常に大きな要請をどこで調和させるかという問題でございましよう。第一は、千葉さんの御指摘になりましたように、公務員の保護をどうすれば全うし得るかという要請、これと正反対のところから出て参りまする要請は、どうすれば外交上の機密、これも又重要な要請であろうと思いまするが、それをどうして保全するか、この二つの調和点でございまするから、 一方からのみ立脚してお考えになりますると、この制度は公務員の保護を全うし得ないのではないかという御懸念もあるように思うのは御尤もでございまするけれども、これは要するにどこでその調和点を求めておるかという問題に帰するだろうと思つておりまするが、私といたしましては、先ず第一に外務人事審議会の構成でございまするけれども、この点は人事院のやつておりまするところの公平委員会の構成と比較して、公務員の保護において欠けるところがあるというふうには考えられないのでございまして、御承知のごとく人事院の公平委員会の委員はすべて人事院の職員でございます。言葉を換えて申しますれば、我々の指揮命令に服すべき職員であるのでございます。ところが外務人事審議会の構成員は、その一人だけが外務省の職員である。つまり外務大臣の指揮命令に服するものはただ一人でございまして、その次は人事院のほうから、つまり外務大臣の指揮命令に服しない官庁である人事院のほうから一人入る。他の五名はすべて学識経験者でございまして、これも又外務大臣の指揮命令に服するものではない。そうして見ると、構成といたしましては、これは決して人事院の公平委員会の組織に比べて公務員を保護するという意味において劣つているところはないように考えております。第三点といたしましては、只今人事官についてはいろいろ国家公務員法第五條等の制限がある。それから外務大臣についてはさような制限はないということでございまして、而も人事官は三人の会議であり、外務大臣は一人である。そうすると、三人が寄つてきめたほうが公平であつて、一人がやつたほうがどうも偏頗に流れやすいという御懸念もございまするけれども、これはやはり、裁判所の構成におきましても、三人のこともございますれば、一人のこともございまするから、必ずしもそれはそういうふうには言い切れないのだろうと思つておりまするが、この点は成るほど人事官につきましては、いろいろ資格要件等の條件もございまするが、それを外務大臣に求めるということは初めつから困難なことでありまして、若しも外務大臣の良識が信用し得るならば、私はこの程度の二つの要請を調整したところの制度は必ずしも公務員の保護を全うし得ないというような結論には達しないと考えております。
○千葉信君 そうしますと、浅井さんの御見解から言いますと、結論的にいうと人事官会議で保障できる程度の公平な保障は、外務大臣だけに事実上任されてしまうような、こういう外務人事審議会等の結論を通じても同様にこれは全うできるというふうにお考えでございますか。逆に言うと、人事官会議の行う公平な審議と、外務大臣の全くのもう一方的な、私どもの考えからすれば、一方的な結論が出される場合が虞れられるわけですが、そういう点でも決して心配はないという考えを最初からお持ちですか。
○政府委員(浅井清君) 只今のお言葉の中でちよつと私が疑義を差挟まなければならんのでございますが、それは千葉さんが仰せられた外務大臣が一方的にきめる制度ということでございますが、それはそうではないのでありまして外務人事審議会が一方的にきめるという恐らく結果になつて、外務大臣は運用の上におきましては、この外務人事審議会の結論を鵜呑みにするというようなふうになりますので、むしろ一方的と申せば、外務人事審議会が一方的にきめるというのが運用上の結果になつて現われて来るだろうと思います。丁度私ども人事院を構成しております人事官が、人事院の公平委員会の結論を変更することは法律上はできますが、実際はすべてその公平な結論に服しておるのと同じ結果になるのでございまして、決して外務大臣が一方的にこれを專断して勝手にやる、つまり外務人事審議会は外務大臣の独断のカムフラージユになるというふうにはお考え下さる必要はないのじやないか、そういう御心配はないように私は考えております。
○千葉信君 この外務大臣と外務人事審議会の問題はあとで附則のほうに出て参りますから、そのとき改めて御質問申上げることにして、外務政務次官にお尋ねいたしますが、第十九條に言われている外交機密の漏えいによつて国家の重大な利益をき損した、こういう條文がありますが、外務省としては外交の機密というような問題について具体的にはどういう定義をお持ちになつておりますか。
○政府委員(石原幹市郎君) これは外交機密の具体的な程度とか、どうとかということをちよつとここで申上げることはできないと思いますが、これは外務省に限りらず、いろいろな役所におきましても、この取扱を嚴秘とか、極秘であるとか、重要機密であるとか、いろいろの取扱の従来の例があるのでありまして、その機密の漏洩によつて重大なる利益が毀損されたという場合にその問題が起つて来るわけでございまして、それから機密というのも、現在においては非常に重要機密であるが、それが一週間も経てば何でもないというようなこともございますし、ここで具体的にどの程度のことが外交上の機密であるということを申上げることはできないと思います。
○千葉信君 第十九條から第二十二條までの條項については、これは單に外務職員だけに限らず、外務省本省に勤務する一般職の国家公務員を附則の第二項によつて全部包含されることになるようでありますが、そういたしますと、外務職員等の、外務本省における現在の人員から言いましても、大体約半数が外務職員、而も附則の第二項によつては、これはそれ以外の外務本省に勤務する一切の外務省の職員は第十九條から第二十二條までの適用を受けることになるわけでありますが、従つて具体的には給仕から小使さんの端に至るまで、この條項の適用を受けることになつておりますが、一体仮にいわゆる外交上の機密について具体的な御答弁はありませんでしたけれども、これらの職員までが外交上の機密を漏洩するような、又漏洩できるような仕事を分担しているとお考えになつておられるのでございますか。
○政府委員(石原幹市郎君) これは例えば私昨日申上げましたように、一般職の公務員になつておりまするが、タイピストがタイプしたものを漏洩するというようなことも考えられないことはありませんし、或いは又給仕その他の者が仮に機密文書をどこかへ届けるとかいうような場合に、それを知りつつ漏洩する、こういうことも稀ではあるわけでありますけれども、絶無とは言えないと思います。
○千葉信君 絶無とは言えないというお話でありましたが、一体こういう国家の重大な利益を毀損するという程度の重大な外交上の秘密事項は、そんなに外務省ではいい加減に取扱われているのですか。今までの外務省の仕事の中にも、そういう部分は、現在のように秘密外交一点張りですから、何ですが、従来も外交上の秘密事項はあつたわけなんですが、そういう秘密事項が、而も国家の重大な利益を毀損する虞れがある程度の重大な秘密事項を、外務省では従来の経験からいつてそういうふうに杜撰至極に取扱われているような例がありますか。
○政府委員(石原幹市郎君) 杜撰な取扱いによつてそういうことがあつたというようなことはございませんが、先ほども申上げましたように、タイピストがタイプで打つ場合もありまするし、或いは又電信の補助者等がどういう機会にどういうことによつて機密事項を知り得る場合もあるかも知れないと思うのであります。或いは使者として使いに参りました者がそれを漏洩するというようなことも、これ又絶対ないとは言えないと思うのでありまして、そういうものがこういう外交上の重大機密に直接関與するというわけではございませんが、一つのまあ機械的な仕事をする場合におきましても、こういうことがないとは私は言えないと思いますので、そういう意味でこういう取扱いをすることにいたしているわけであります。
○千葉信君 どうもこれは私どもの常識から言つても、何かそういう重大な国家の利益に関係のある外交機密が漏れるというようなこと、而もこれがもう実際上そういう仕事には全然携わらないところの職員なんかに対してまで、私どもの考えから言うと、この第十九條から第二十二條を適用しておいて、そうして場合によつてはその職員に対する不利益な扱いを頻繁と行う虞れが、こういう條件から出て来るのではないかということを非常に私ども心配されますけれども、まあそれはそれとして、万一の場合あるかも知れないという御答弁だけでは私ども簡單にはこの点は了承できないのですが、併しそれはそれとして、次にお尋ねしたいことは、一体こういう第十九條から二十二條に対してはこの外務公務員法に言う外務職員、それから附則の第二項によつて外務本省に勤務するその他の国家公務員もこの條項に当嵌められる、該当することになりますが、それ以外の外務公務員に対しては、第十九條から第二十二條の適用を除外してもいいとお考えになつたその理由は何でございますか。
○政府委員(石原幹市郎君) それ以外の外務公務員というのはどういう場合ですか。
○千葉信君 第十九條には 「外務職員が」ということになつております。それから第十九條以下もそうでございます。そうして附則の第二項では、その他本省に勤務する一般職の公務員もこの適用を受けることになつております。
○政府委員(大江晃君) 千葉さんの御質問は、恐らく大使、公使その他の特別職の者を指しておると思うのであります。これは何と申しますか、特別職でございますから、そういう場合には免職ということになつて処理できると思います。
○千葉信君 その点はどこで何しますか。
○政府委員(大江晃君) 特別職につきましては身分の保障がございませんので、大臣の権限によりまして免職ということに事実上の処置をすることになります。
○千葉信君 それからその次は附則の第五項でございます。第五項では外務省設置法の一部を改正して、外務人事審議会が設けられることになつておりますが、この外務人事審議会の構成は、委員は外務公務員である者の中から一人、人事院職員である者の中から一人及び学識経験者の中から三人を外務大臣が任命するということになつておりますが、この学識経験者の範囲は一体どういう程度にお考えになつておられるわけですか。この点を先ず承わります。
○政府委員(石原幹市郎君) これは外務省関係でありまするとか、或いは財政、大蔵関係の事務であるとか、通産方面その他まあこれらに関係する学者、実業家そういうようなことをまあ考えておりますが、特に私はいろいろの御審議のことを考えておりまして、やはりそういう中でも更にいわゆる公平を旨とするような、公平家というに近いような人々の方面からも採用することができればと、かように思つております。
○千葉信君 その第十四條の二の第二項、これは具体的には例えば「外務公務員の給与その他勤務條件に関し必要な資料を適時外務大臣に提出し、及び外務大臣の諮問に応じてその意見を答申することができる。」とありますが、実際上の運用等については、どういうものを基準にされるおつもりでございますか。
○政府委員(大江晃君) 人事審議会の外務大臣に提出いたします資料といたしましては、在外公館の公館長から随時在外公館の所在地のいろいろな物価の状況等の報告も出ております。この調査報告書というようなものを出しますこと、或いは又急激のいろいろな情勢の変化による物価の変動というような場合に関しましても、随時そういう報告が出ております。その他御承知のように、外務省は電信関係その他におきまして勤務時間が多少他省と異なつておるところがございますから、そういう事情につきまして、いろいろな必要資料を出す、こういうようなことであろうと考えております。
○千葉信君 法案の第二十二條に戻りますけれども、第二十二條に懲戒処分に関する審査の手続に関し必要な事項は、政令できめるとありますが、この政令できめるという具体的な内容についてはどうお考えになつておられるか。それは国家公務員法の第七十四條に分限、懲戒、保障の根本基準が一応ここできめられておつて、而もその必要な事項は人事院規則できめるごとになつておりますが、これらをどうして特別に政令できめなければならないとお考えになられたか、その点を承わつておきたいと思います。
○政府委員(大江晃君) この懲戒処分に関する審査の手続に関しましては、先ず口頭審理の通知であるとか、或いは資料の提出の要求、証人や参考人の喚問或いは証人の宣誓、調書の作成、こういうような国家公務員法の規定に準じました必要な政令を作るというふうに考えておるのでございましてこの懲戒処分といたしましても、人事院その他で行いますものと特に変つた形式はとるつもりはございません。
○吉川末次郎君 ちよつと今のことに関連して承わりたいのですが、今千葉君が御質問になりましたことは私も実は聞きたいと思つておつたのですが、今外務省の官房長の御答弁は、千葉君の御質問に対して少しも答えることになつていない感が非常に深いのでありますが、何を言つていらつしやるのかさつぱり聞いていもわけがわからないのですが、人事院のほうから、一つ今の千葉君の御質問に対する御答弁が願いたいのですが、要するに国家公務員法の第七十四條第二項において、千葉君が御指摘になりましたように、そうしたことは人事院の規則で定めるということになつておるにもかかわらず、本法案によりますると、特に外務公務員に対してはこれを政令できめるというようになつておりますることは、どういう理由に基くものであるかということを中心として、一つ浅井人事院総裁の法律的な見解を承わりたい。
○政府委員(浅井清君) 国家公務員法におきましては、これは人事院規則で定めるということになつておりまして、人事院規則の十三の一でございましたか、百條近い條文を以て構成された詳細なる規則が出ておるのでございます。ところがそれは人事院の公平審理に関する規則でございまして、これがこの外務公務員法によりまして、それとは別に外務人事審議会でこれをやるということを前提といたしますれば、これを人事院規則で制定するということは、これは意味がないのでございまするから、結局政令でやるか、或いは省令でやるかというようなことになろうかと思いまするので、これは人事院規則でなぜやらんかということは、つまり人事院の公平制度でございますれば人事院規則でやりまするが、それから脱けまして、外務人事審議会でやることになつておりまするからして、それは人事院規則ではやれないだろう、これは政令か省令、こういうことになると、こういうふうに考えております。
○吉川末次郎君 今浅井さんから御答弁を得ました外務人事審議会の構成の問題については、後ほど更に浅井人事院総裁からいろいろ御答参得たいと思つておりますが、今千葉君の質問に関連してちよつと申上げたことについては、なお後ほど更にお伺いすることにいたすとして、私はこれでよろしうございます。どうぞ御継続願います。
○千葉信君 只今の官房長の御答弁によつて、ややはつきりして参りましたが、第二十二條によつて設けられる政令については大体人事院規則を基準にしてやりたいと、こういう話でございましたが、そこで問題になりますことは、一番そういう政令を作る場合に考えてもらわなければならないことは、本案の第二十條の第四項と、それから国家公務員法の第九十一條の著しい相違点でございます。この点については具体的に申上げますと、これは非公開で審理されるところへ持つて来て、国家公務員の場合には公開で審理されて、而も自己の代理人として弁護人を選任できることになつておる。非公開で而も外務公務員法の場合には特に弁護人を選任するということを排除されております。これは非常に外務公務員にとつては不利益な取扱が行われる虞れがあると思うのですが、こういう点について、一体外務省としては政令によつて何らかのこれに対する救済措置を具体的にとろうということについて御計画をお持ちになつておるかどうか、その点一つ承わりたいと思います。
○政府委員(石原幹市郎君) その点は、先ほど来からいろいろ話がございましたように、つまり個人の身分保障という問題と、それから国家の利益の保護という、これを両面からうまく調整しなければならんという点でこういう形が生れて来たわけでございまして、外交機密の漏洩によつて国家の重大利益が毀損されたということが元となりまして、いろいろな事案が審理されるのでありますから、機密の更に一段と拡がりますことを防ぐ意味で審理も非公開にしたい、関係者もできるだけ狭めたいということでこういう特例が作られておるわけでございます。併し皆来からいろいろのお話がございましたように、個人の身分保障の点においても、できるだけのことは我々といたしましても考えなければならんと思いますので、政令を規定いたしまする際におきましても、被処分者のために必要がありまする場合には、或いは参考人としてとか、いろいろの形においてできるだけここへ出ていろいろなことを述べ得る、或いは調査の資料を十分にし得るような措置を講じて参りたい、かように考えております。
○吉川末次郎君 專ら浅井総裁にこの機会にお伺いいたしたいと思いますが、昨日もあなたがお留守に多少聞いたのでありますが、十分に満足するような御答弁を得られなかつたのであります。それで御質問申上げる。私の基本的な立場について、多少意見の開陳に亘らない程度において質問に関連して申上げたいと思いますが、昨日も言つた通り、この法案がいわゆる世間に 一般に言われておる政治の逆コースの線に沿うて出されているものであるという感が私には実は非常に強いのでありまして、これは本会議におきましても、総理大臣の施政方針演説に関連いたしまして、若干申上げたことなのでありますが、吉田さん、岡崎国務相その他の現政府の政治意見というものが基本的に、新憲法の基本的な精神というものをば理解していないと、まあ私は実は独断であるかも知れませんが、考えておるわけであります。例えて申しますれば、総理大臣は国会議員の中から選任されるというようなことが憲法に規定されておりましても、その立法の精神は、民主主義的な立場において国会議員の中から政党の第一党の総裁が民意を代表して総理大臣になるということがその制度の建前だと思いますけれども、併し新憲法そのものの基本的な精神を吉田さんは理解していらつしやらない立場から、そんなものは実はどうでもいいんであつて、総理大臣になるということが第一要件である。総理大臣になるために現在の憲法は甚だ気に入らんのだけれども、吉田さんが総理大臣になるためには国会議員の選挙を一遍やつて来なくちやならんというような規定になつているから、仕方がなしに土佐で立候補して衆議院議員になつた。結果においては同じことでありますが、モチーヴがどちらにあるかということは、これは政治精神の上においては、非常な相違であります。総理大臣になるために憲法の規定には賛成じやないのだけれども、仕方がないから衆議院議員に立候補しようというのと、初めから民意を代表するところの国会議員として大衆の中から選ばれて来たところの人が国民の総意を代表して総理大臣になるのとは基本的な政治の私は見解の相違と思うのでありますが、これはところが政治的に考えると問題があるのであります。それで最近において行われておりまするところの行政機構の改革等に関するところの吉田さん及び吉田さんによつて代表されているところの現内閣の考えを見まするというと、今の吉田さんと同じような考え方、要するに戰後マツカーサー・アドミニストレーシヨンの関連性において行われた日本の民主化のために行われた諸種の制度というものを、その基本的な精神というものを、十分に理解しないで、そうして局部的な弊害のようなものが少しでも暴露されるようなことが起りまするというと、こんなことが起るんだから、これはいけないのだということで以て、これを全面的に廃止するとか或いは逆コースの方向へいろいろ持つて行こうとしていらつしやる。私は本会議において申上げたのでありますが、いろいろな委員会、執行委員会の制度であります。例えば地方財政委員会であるとか、その他いろいろな、いわゆるコンミツシヨン・ガヴアメントの制度は外国においては、これは三権分立以外の第四権とも言うべき一つの新らしいフオームの政治組織であつて、それにはいろいろな民主的な立場からその民主主義の精神を実現するところの一つのいい面を非常に持つておる。ところがこれは新らしい日本の終戰後の制度であつて、戰前の古い吉田さん等の明治憲法のセンスからするとわからないのです。多くの吉田さんによつて代表されておるところの自由党の党人と、そしてその官僚上りの閣僚というものはやはりわからない。だものだからして、何とか、かんとか文句を付けてこれを廃止しようと、行政機構の改革をしようとしておる。で、そのときにも言つたのでありますが、その一つとして先ず第一に私は浅井総裁にお聞きしておきたいことは、今のような考え方の線に沿うて、やはり新らしいこの国家公務員法というものができて、新らしい官吏に対する人事行政の規定の法律として、国家公務員法に基くところのあなたの主宰されている人事委員会の人事院というものができておるのでありますが、行政機構の改革の一環として明治憲法のセンスから少しも脱却しないで新憲法の基本的精神であるところのデモクラシイ、或いは主権在民という観念をこれは毫も理解していないのです。吉田さんの平素の言動から推して……。そうして文部大臣に君が代の復活をやらしたり、或いは紀元節の復活をやらさせたりして、私は品を酸つぱくして天野さんのそういう観念が新憲法の蹂躪だと言つておるけれども、幾ら言つたつてあの人はセンスが古くてわからないのです。それと同じ線に沿うて、この人事院が持つておるところの日本の官吏制度におけるところの一つの民主主義的な新らしいプリンシプルというものはやはりわかつていないのです。それで今度はこれを廃止しようと政府は企んでおるということは、これは一般の知るところであります。それに対して私本会議でもあなたの御答弁を促したかつたのでありますけれども、お留守でありまして、御答弁を伺うことができなかつたのでありますが、一つ明確に意を盡して我々が納得することができるように、それに対する御答弁を得たいのでありますが、御答弁の内容としては恐らくまだそういうことが別に明確に決定して表面に出ているわけではありませんから、形式上はですよ……。併しまあ実質上はそういうことが有力に動いておるのであります。人事院というものを、そうした逆コースの線に沿うて民主主義を理解しないところの明治憲法時代の感覚に基いて吉田さんたちがこれを廃止しようとしているのです、あなたの主宰されておるところの役所を……。それに対してあなたはどうお考えになつておるか。又私がいろいろ申上げたことに関連して、どのように考えておるかということについての御答外を一つお願いします。
○政府委員(浅井清君) 吉川さんの御認識に対しましては私は深く敬意を表する次第でございます。併しながら私がここで発言を許されておりまするのは政府委員としての資格においてのみでございまするので、吉川さんの吉田内閣或いは自由党の内閣に対する御批判に対して更に私に批判をせよと仰せられましても、それは政府委員の持つている職責を逸脱することになりますので、その点は御容赦を願いたいと思つております。たた私は従来やつて参りました国家公務員法或いは人事院というような制度は将来においてもこれは必要なものであるという信念においては、私は吉川さんと全く御同感と存するということは申上げて差支えないように存じております。
○吉川末次郎君 それでは政府の逆コースの線に沿うところの人事院の廃止ということについては、浅井総裁はもとより反対していらつしやるという御答弁を得たのでありますが、ところがこの我々の前に今提供されております外務公務員法というものは、私は前提としてあなたの主宰されるところの、そうしてあなたの反対されるところの人事院の廃止、国家公務員法の廃止、国家公務員法を全面的に廃止することをするかどうかはわかりませんが、少くともその骨子であるところのものをば私は骨抜きにして、恐らく昔の文官任用令の制度というようなものを復活するところに持つて行きたいということになると思うのでありますが、そういう考えに副うてこれが行われておるというように、どうしてもこの法案を見て考えざるを得ないのであります。それでこの法案が国家公務員法の基本的な新らしい、終戰後新たに日本の官吏の人事行政の中に入れられたところのものをみんな無視しているということを私は痛感するものでありまして、そのことについてあなたはそういうようにお考えにならないかどうかということを先ず第一にお伺いいたしたいと存じます。具体的な例をあとから挙げて、又更に御質問したいと思いますが。
○政府委員(浅井清君) 只今吉川さんが問題とされましたその逆コース云云のことは、これは政治論でございまするからして、私から申上げかねまするが、ただそれとこの外務公務員法とは少し別問題であろうかと考えております。一体外務公務員に対しまして特例を認めなければならんということは、そもそも昭和二十二年に初めて国家公務員法が制定されましたときに附則十三條に明記されておりましたので、現にこれよりももつと高い特例が教育公務員或いは検察官に対してすでに教育公務員特例法、又は検察庁法において認められておるのでございます。併しながらこれに対しては別に国会においても逆コース云々とか、或いは人事院の権限を奪うものとかいうような御論議はなかつたように存じております。時たまたまこうい時勢でございまするから、さような御懸念もあろうかと存じまするが、この外交官、領事官等に対しまして特例を認めますることは国家公務員法制定当初の目的の一部でございまするから、これは御混同にならないようにお願いいたしたいと思います。第二といたしまして、然らばこの内容が逆コースであるかどうかということに問題が帰着するのでございますけれども、これはすでに私も申上げました通り、この程度の特例は教育公務員や、或いは検察官に比しまして決して無理ではないと、かように思つておるのでございます。
○吉川末次郎君 今私がその次に聞きたいと思つておることを多少お話願つたのでありますが、この外務公務員、即ち従来の名称で言いますと、外交官でありますが、外交官というものが特殊の才能を要するところのものであるからして、それに対する特殊の制度を設けるというようなことにつきましては、私はあえて反対ではないのでありまして、先ほど来休憩の時間の間におきましても、外務省の諸君とはその必要があるということを個人的にもお話していたようなわけでございまして、そういう点については私は決して反対しておるところのものではない。即ちテイプロマツトについては、キヤリア・デイプロマツトがやはり外務行政上必要であるということは十分了解いたしておるのでありますから、それを否認しておるものではないということを御了承が願いたいのでありますが、それで今多少お話があつたと思うのでありますが、これは私がまだ十分の調べが完成しておりませんから、私のほうに手落が十分あるのだろうと思いますが、即ち先般来、この月の初めから予算審議、殊に憲法七十三條と行政協定の問題で私は没頭して、非常に生理的にも疲労しておるような状態でありますから、十分な調査が時間的にもできていないのでありますが、特例であるということをおつしやいました。それから又提出されております法案の第一條のところにも特例ということが書いてありまするし、理由書の中にも特例ということが書いてありますが、それは国家公務員法の今たしか附則の何條かにあるということを御指摘になりましたが、それを一つ教えてもらいたいということと、それからこれが制定されまするというと、即ちこれは法律になるわけであります。国家公務員法も一つの法律でありますが、昨日来の政府委員の御答弁を聞いておりまするというと、何か二つの法律との間には段階があつてそうして国家公務員法が丁度政令に対する法律のような、法律形式の上においての広義の法律、法律形式の上においてのランクの高いものである。或いは母法で、あるというような立場の意味の、そのように解釈される御答弁がしばしばあつたのでありますが、そのように解することができるところの法律的な根拠がどこにあるかということが御答弁を得たいところの第二点。それからそうしたランクというものはなくして、両方とも同じランクのこれは法律であるというときに、二つのこの法律が、即ち国家公務員法と外務公務員法とがコンプリケーシヨンを起した、リーガルコンプリケーシヨンを起した場合においては、どのように解釈したならばいいのであるかということについての、三つの事項についての御答弁を浅井総裁から願いたいと思います。
○政府委員(浅井清君) 第一点は、最初の国家公務員法を制定いたしましたときの附則十三條でございますが、併しこの十三條における外交官、領事官云々の例示は、御承知の昭和二十三年の十二月の国家公務員法の改正によつて取去られております。併しながらこれは無用と認めて取去つたのではなく、そのような例示を、これは当然のことであろうと考えて取去つたのでありますから、現行の附則十三條にはそのような例示は上つておりません。併しその精神は当初の立法のときと同じことでございます。それから第二は、国家公務員法とこの特例外務公務員法との関係についてお尋ねになりましたが、これはやはり法律上の二つの、立法上の二つの原則に待つほかないと思つております。第一は、特別法は一般法に先立つという原則でございますから、外務公務員法が国家公務員法と矛盾いたしまする場合は、それは外務公務員法は国家公務員法に対して特別法の関係に立ちまするから、一応外務公務員法が優先をいたすのでございます。それから第三の点につきましては、やはり後法は前法を排除するという原則によるべきものでございますから、国家公務員法よりあとで外務公務員法が制定いたされましたならば、それが両者矛盾をいたしました場合は、外務公務員法の規定による。大体この原則はこれはひとり国家公務員法と外務公務員法との関係のみならず、およそすべて立法に通ずる原則であろうかと思つております。そこで、併しそのような牴触するというようなことは、これは立法技術の拙劣から参りまするので、我々といたしましては、十分さようなる牴触が起らないように調整をいたしたつもりでおります。
○委員長(有馬英二君) お諮りいたします。大体先ほどから一時間以上経ちましたが、ここで一先ず人事委会員との連合委員会を終りまして、外務委員会に移ろうと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(有馬英二君) それでは連合委員会はこれで散会いたします。 午前十一時五十分散会