運輸委員会 第30号
- 発言数
- 120 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1952/06/16
会議録
○理事(岡田信次君) 只今より委員会を開会いたします。 離島航路整備法案を議題に供します。御質疑のおありのかたは御質疑を願います。
○前之園喜一郎君 この前の委員会に大蔵省の血計局長に御出席を願つて、本法案について参考となるべき質問をすることになつておつたわけであります。その前に成規の手続を経て大蔵省に要求をして、そうして前回の委員会には主計局長が出席されるからということであつたのですが、二時間も経過しても出て来ん。どうしたのだというと、他に用事ができたからと言つて出て来られな、こういうようなことであつた。私は非常に不可解に感ずる。その事情を十分に委員長において調査して次に報告してもらうことになつておつたのですが、そのときの事情を御調査になつていると思うのですが、質問の前に御報告願いたいと思います。
○理事(岡田信次君) 前之園議員にお答えいたしますが、本日山縣委員長、所用で欠席いたしておりますので、次回に山縣委員長から一つ今の問題には御答弁申上げると思います。
○前之園喜一郎君 了承いたしました。それでは後ほど、主計局長御本人にその点について質問いたしますが、なお次回に詳細に御調査の上、御報告を願いたいと思います。 大蔵省の主計局長に御質問したいと思うのでありますが、この予算編成に当られていろいろな各方面の事業その他について補助政策をとる、或いは利子の補給をする、或いは又損失補償をするとかいうようなものが相当あろうかと思うのですが、大体そういうものがこれはまあ予算書を見ればよくわかるわけでありますけれども、二十七年度にどのくらいやつて、これは更に将来どういうふうに推移するものであるか、又これが日本の財政の面にどういうような影響を及ぼすものであるかという根本的な問題について、一通り御説明を願いたいと思います。
○政府委員(河野一之君) 損失補償という規定がこの政府のほうの当初原案であつたようでありますが、損失補償の規定は現在ありますのはルース台風、十勝沖震災のものについてあるだけであります。つまり災害の場合には特にこの二つの災害に限つて或いは漁船或いは農業関係におきまして、災害復旧のために金融をいたして、それに遭遇した場合に補償するという規定が、たしか二つの法律についてあつたと思います。一般的に損失補償というものは国の財政の問題としてはいろいろな問題がありまして一般的にこれを拡充するような考え方はないのであります。 補助金につきましてでありますが、補助金もいろいう性質がございまして、単に一律に補助金と言いましても、地方財政平衡交付金も一種の補助金でありますし、価格調整補給金も二百七十億今年度に載つております。これも一種の補助金でありますし、補助金というものの観念をはつきりいたして頂けませんと、補助金の見通しがどういうふうになるかということについて確たることを申上げられないのでありますが、大体において補助金というものは、これは前々から補助金政策というものはいろいろとかくのあれがあるのでありまして、常に予算を編成するときにおきましては、補助金をできるだけ整理するというふうなことが言われており、又国会からも常々そう、いうふうなお叱りも頂いているわけでありますが、勿論補助金は絶対いかんというのでなしに、ものによつては相当補助金を出さなければ目的を達しがたいものもございますが、やはり現在そういつた特殊なものを除いては厚生省関係、文部省関係、それから農林省或いは通産省、一部大蔵省というような関係で補助金が相当に計上されております。公共事業だけでも先ず五百億くらいの補助金は出るだろうと考えております。
○前之園喜一郎君 私が質問した点に大分的の外れた御答弁でありますが、私は公共事業に対する補助、平衡交付金、そういうものを聞いているのじやない、いろいろな個人的な営業に対する或いは公共的性質を帯びたものもありましようが、個人的な或いは法人的なさまざまな営業方面に対する補助或いは損失の補償或いは利子の補給というようなものが大体どのくらいあるのか、それに対する予算編成上のお気持はどうなのか、これが将来だんだんと私どもは殖える傾向にあるのじやないかと思うのだが、そういうものに対する大蔵当局の考え方はどうか、こういうことをお尋ねしているのです。
○政府委員(河野一之君) 個人の営業に対する補助金というものは原則としてございません。そういうものは原則としてございません。例えば農業の水路でありますとか、そういつた組合の関係におきまする商業関係のこれはございます。これは併し個人の営業と申しますより団体なり、組合なり、そういつたものに対する補助金であります。通産省関係におきましても中小企業に対する補助金というようなものもございますが、これは中小企業の共同的な施設というふうな意味合いになつております。それから機械の試作補助金とか、特定のものについて特定のものの奨励といつたような或いは共同的な施設、こういつたものに対してでありまするが、事業なら事業全体について損失を補償してやるとか、或いは補助金をやるといつたようなものは先ず厚生省のいろいろな団体の補助金というようなものはございますが、原則的にそういうものはやらない方針であります。
○前之園喜一郎君 原則的にというお話ですが、現在補助をやつているものが運輸省の関係においてもその他の関係においてもあると思うのですが、それらのものに対する大蔵当局の考え方、将来の方針、そういうものについて私は聞いている。原則的と言われても例外もあるわけであります。全然ないという御答弁じやないわけですが、それについてお聞かせ願いたい。
○政府委員(河野一之君) おつしやる意味が私はよくわからないのでありますが、補助金というものはどういう……、補助金にはいろいろの性質のものがあると思います。おつしやる意味の補助金がどれに該当しておつしやつているのか私ちよつとわかりかねるのでありますが、要りするに補助金というものは、或る事業を奨励するためにそれの経費を補助してやるというのでありまして、その補助金の性質というものは結局法的な色彩を持つとい)ことが一つ、及び普通ならばできない事業についてその収支を或る程度見てやつて、そうしてまあペイイング・ベースで行けばできないものを補助することによつてやつてもらう。この二つの種類であろうと思います。公共的なものと言いますれば、公共事業とか、そういつたものは認めてありまするが、一般の私営業について補助金を出す場合におきまして財産的な、資本的な支出に対して補助金を出すというものは現在までのところございません。共同的な組合的な施設のものについてはございますが、個々のものについてそういつた補助金を出すというものではないのであります。ただその個人の営業について、これが非常に公的な色彩を持ち或いは社会的な必要性からして普通に放つて置けばなかなかできないというようなものについて収支の差額を見るというようなものはございます。これは公共的なもの或いは社会的なものいろいろございますが、そういつた意味の補助金でありますならば、各省とも或る程度ございます。
○前之園喜一郎君 よくわかりました。今私がお尋ねしているのは、先ほど申上げたような公共的な性質を持つておる事業に対する補助ということを最初からはつきり申上げておる。よく一つ御開きを願いたいと思うのです。そういうものに対する補助についての御意見も大体今わかりました。それならば例えば今問題になつておりまする離島航路に対する補助のようなもの、これらに対する考え方、大蔵当局の考え方として、例えばここに千万円或る航路で損をしておるという場合にどの程度を基準として大体お考えになるのであるか。現在どういう方針でやられて、それから又将来現在の基準を拡げて補助額というものを増加して行くというようなお考えであるのかどうか。その点についてお答え願いたい。
○政府委員(河野一之君) どうもおつしやることがよく私にわかりかねますが、どういう意味でおつしやつておるか、何でありますが……。
○前之園喜一郎君 わからなければこれはよく聞いて置いて下さい、私語しないで……。あなたは最初の答弁から誰にしているのかわからんようにぼんやりしていちや困る。最初の質問からあなたということをちやんと言つている。主計局長に質問をすると言つているのにぼんやりして聞いていて誰に質問しているのかわからんようなことじや非常に困る。よくお聞きになればわかるはずだ。この離島航路に対するこの法律案はあなたは御承知になつているのですか、離島航路整備法案というものが出ているですね。これは大蔵省に関係のある法律案ですからこれはおわかりになつておりますか。
○政府委員(河野一之君) 私はよく存じておりますが……。
○前之園喜一郎君 それならば今のような御答弁はないはずだと思うのです。例えば離島航路の補助の額は、千万円損失したものがあるならば、そのうち幾らを補助しようという大蔵省の方針であるか、全額を補助しようというのか、それらの基準についてはどうかということを聞いておる。これはおわかりにならんですか。
○政府委員(河野一之君) どうでしようか、その千万円という損が出た場合に、この千万円というものの損の内容の問題であろうと私は思うのであります。単に千万円出たからこれを補助せいという意味でなしに、この千万円のものについて、場合によりましては離島航路以外の経営もしておりましようからそこの共通費であるとか、店費なんかの見方がどうであるとか、或いはその航路にかけておる資本がどうであつて、それに対して幾ら減価償却或いは幾らの利潤を見るとか、そういつたような点について基準がきまつて初めてその千万円のその基準に合致した場合にどうなるかということがきめられて、初めてその千万円を出すのがいいのか、或いは八百万円でいいのか、或いは足りないか、こういう問題になると私は考えるのでありまして、単に一千万円が出たからと言つてすぐにそれだけを補助するのだとこういう考え方に私はならんと思います。
○前之園喜一郎君 どうもあなたの答弁は要点に触れない。損失を補填するには、会計的にも法的にも大体においてきまつておるわけですね。今言われるように、一定の影響を見積つて、そうして損に入れるというようなことはあり得ないことだと思うのです。それならば具体的に聞きましよう。昭和二十六年度に離島航路に相当補助をしておられるようでありますが、これによると、大体三〇%くらいの損失に対する補助をしておられるようです。これははつきり出ておる。だがこれが具体的にこれが相当かどうかということを聞いておる。こういうものが出ている。あなたのほうには無論こういうものが出ている。そうして予算の査定をしておられるとすると、これだけの損があるから補填しろといつて出されてあるものとは、私は思わない。
○政府委員(河野一之君) まあ一億円程度の損があると、こういうお話でありまして、これは運輸省からいろいろお話も聞いておるのであります。はつきり申上げまするならば、離島航路について損とかいうようなものについてはつきりした観念と申しますか、そういつたものがまだ未だに私は確立されておらんと思うのであります。幸いこの法律によりまして、いろいろな基準その他について相当真剣に考えられることになると思うのでありますが、率直に申上げまして、そういう段階にないのであります。若しそういう損した場合に、必ず一定の基準によつて補助するというようなことでありますならば、先ず航路の指定その他についても、いろいろな問題があり得るだろうと思うのであります。ただ、今のところ我々として予算を出しておりますのは、三千五百万円に達しないであろうと思うのでありますが、三千五百万円という金を出して運輸省の見るところによつて配分して頂いておる次第であります。これは無論大きくなることは望ましいでありましようが、現在の財政その他の関係から、こういうような金額に只今のところなつている次第であります。財政の許す限りにおいて、十分にとは申しかねますが、できるだけのことはいたしたいと考えております。
○前之園喜一郎君 どうもあなたの御答弁は抽象的で困るのだが、二十六年度の補助金交付明細書というものを海運局からもらつております。これはあなたがいつなされたか知らないのだが、運輸省と大蔵省との間の交渉によつて、又資料によつて、こういう補助率というものが大体においてきまつたものだと思うのですが、私のお聞きしておるのは、こういうような補助率というものが二十六年度においては相当であつたとお考えになつてそういうことをお認めになつたのかどうかということ、それから又将来において、これを或いは五〇%とか、六〇%とかいうふうに増額して行くべきものかどうか。これは国家の一般の財政と考え合せて、そういうような点について伺つておるわけなんです。
○政府委員(河野一之君) その補助金というものは、これは政府の義務では、実を申上げますと、ないわけでありまして、これを義務とするならば、別に法律が要るのでありますが、ここに出ております欠損査定額というものがどういう標準で出されたか詳しくは存じないのでありますが、これだけの損を出されておるのであろうと一応思われるのでありますが、一方国の財政というものは幾らでも出せるというわけのものでもないので、三千五百万円という金を有効に運輸省が御配分になるという場合において、こういうふうなことでお分けになつておるのだろうと思うのであります。私ども財政の立場といたしまして、欠損が出たならば幾らでも見てやるのだと、こういう建前で予算を計上いたしておるわけではありませんので、三千五百万円の金を最も有効に最も効率的に使つて頂きたいという考え方でおるわけであります。従つて、こういうような補助率になつておるのだろうと考える次第であります。
○前之園喜一郎君 いわゆる昭和二十六年度においては三千五百万円、三〇%の補助金というものは最も効果的な補助であろうと思つておるか、それらを御決定になるには、相当にあなたのほうでいろいろ御研究になつた結果だろうと思うのでありますが、現在においても、この三〇%というものが最も効果的な補助であるというふうにお考えになるのかどうか、その点についてお答え願いたい。
○政府委員(河野一之君) 財政の面から言いますれば、三千五百万円程度しか出すわけに参りませんので、これをその範囲内において運輸省が最も有効にお分けになつたものだと考えます。
○前之園喜一郎君 昭和二十七年度の分が大体三千五百万円程度になつているように思うのですが、この点どうでしようか。ちよつと私数字がわからないので……。
○政府委員(河野一之君) 私間違いました。二十六年度は三千三百万円であります。私の三千五百万円と申しましたのは二十七年度でございます。
○前之園喜一郎君 二十七年度ですね。そうすると今の御答弁で国家財政の面から言つて二十七年度は三千五百万円が相当である。それ以上は出せない、こういう御答弁になるわけですか。
○政府委員(河野一之君) 現在の予算において三千五百万円程度しか見ておりません。又現在の段階においてはこの程度で止むを得ないのじやないかと考えます。
○前之園喜一郎君 とにかく会社側の計算によると、七千万円くらいの損額を出している。不足の分の三千五百万円という点は更に補正予算等を出される場合に計上してもらいたいというような強い要望があつた。それらの点についてこの法律案を提出された方面と御交渉があつたように聞いているのですが、そういうことはないのですか。
○政府委員(河野一之君) そういうようなお話はまだございません。
○前之園喜一郎君 それからもう少し具体的に入つて行きますが、これはまあ大体おわかりであろうと思うのですけれども、離島航路を運航している一つの会社で五線も六線も経営しているという場合ですね。そのうちで半分、或いは二線とか三線というものは欠損、併し他の航路は非常に或いは儲かる、それに総体的に見ると黒字を出しているというような場合に対する補助の考え方ですね。大蔵当局として一つの会社が経営している総体的には黒の状態、或いは部分的には或る航路が欠損しているというような場合に、欠損をしている会社だけに補助することが相当とお認めになるのか。或いは総体的に見てその会社は赤字の線もあるけれども、儲けているから補助については考えなければならんというようなお考えなのかどうか。
○政府委員(河野一之君) これは先ほど私が申上げましたように、航路補助というものは航路を指定して行われる以上、その航路自体についての損益率というものを見て参るべき建前であろうと思つております。
○前之園喜一郎君 先ほど局長は、公益的な事業、こう言われたわけです。公益的な事業をやる以上、これは公益の線を以て見るならば、損する線もある、或いは儲かる線もある。国有鉄道にしても、国有鉄道当局の答弁によると儲かるのは東海道線だけであつて、公共事業だから損する建前でやるのだ。ここに公共性というものがあるのじやないか。儲かる線はそのままにしておいて、そうして儲からん線だけ補助してもらわなければならんというのは著しく公共性というものを失うのじやないか。先ほど局長の御答弁になつた公共性というものを標準とするというならば、著しく私は公共性を失うものじやないかと思うのです。その点についてお答え願いたい。
○政府委員(河野一之君) この航路を経営しているのは私企業の会社でありまして、公社のごときものと私は違うと思うのであります。運輸省でこの航路を指定される場合におきましてはその具体的な航路が公益性があるかどうか、そして指定するかしないか、指定しなくてもやらなければならんのかということを十分に勘案されてやられると思います。従つて御指摘の補助金につきましても航路主義でやるのが適当なんじやないか。勿論共通の店費でありますとか或いは減価償却或いはその他の共通的なものについて区分しなければならん点はあると思いますが、原則的にはそうだろうと思います。
○前之園喜一郎君 一つの航路しか持たないという会社或いは個人、こういう場合にこれはもう補助するのは当然ですね。これは公共性又国民の利便から考えても当然だと思うのだが、多くの線を持つておつて、たまたま一線か二線しか損をしていない、ほかは黒字を出しておる。これを補つてなお相当の配当ができるし、手当が払われるというような場合に、やはり一線か二線持つて全部損をする経営者と儲かる経営者との間に基準を設ける必要はないかどうかということを私は聞いているわけです。儲ける線はそのまま全部目をつぶつて、損する線だけ……、幾らほかで儲けても補助するというのか。或いはその間に儲ける線に対しては手心をするというのかどうかとこういう点ですが。
○政府委員(河野一之君) これは私はこういう航路を経営している会社が私企業でなしに公益的な特殊のもの、或いは法人なり或いは特別の団体なりというふうなものであれば、或いはそういうふうな御議論も成立つと思います。或いは補助金の比例においてほかの航路が何割以上配当しているなら交付しないということ、だろうと思います。特にこの制度で狙つておりますのは、そういうふうな補助金を出さないと、その航路がストツプしてしまう。そうすると一般の離島民が迷惑する、だから補助金を出して少くとも損はしないようにしてやる、こういう建前の法律であろうと私は思うのであります。ほかのほうで幾ら儲けようが、これがほかのほうの損になるということになりますれば損を埋めなければならんということになりますと、なかなかこの法の目的としたところが達せられないのじやなかろうか。私はそれが法の精神であろうとこのように考えるわけであります。
○前之園喜一郎君 そうすると結局、こういうような営業者というものは、実にこれは国家の最大の援助を受けるということになるわけですね。財政的に考えて、日本の財政と同じように窮乏に瀕しておる、個人的に考えても税金を払えないとか何とかという問題、この税金の問題では実に御承知のように国民は困つている。これらの補助というものはこれは国民の血と油と汗の結晶なのです。そういうようなものからなるところのものを以て補助する。儲かるものはそのまま儲けさせておく、損をするものだけを補助して行くというのは大蔵省の考え方は誤つているのじやないかと思うのです。それならば引つくるめて運輸省としての、これは大蔵省の関係じやないかも知れん、運輸省としては事業全体を目標として運用というものを考えるべきじやないか。そこに初めて公共性があると思うのですが、それなればいいが、儲かる線だけは幾ら儲けてもいい、補助もやる、配当もやり放だいということになれば、これは国民が納得しましようかね。私はそういうことは許すべからざることだと思うのですがね。非常に大蔵省は儲ける線に対しても補助というものをされて、まあまあ赤字を出すところと、儲けているところとは差をつけて考えなければならんじやないのですか。大蔵省はそういう線で予算を立てなければならないのじやないのですか。
○政府委員(河野一之君) これは折角の御議論なのでありますが、若しそういうふうな建前で行きますれば、運賃全体を統制いたしまして、全体損するところもうんと儲かるところもすつかり統制したすべてが引合うような、全体として引合うような運賃をきめる、つまり昔ありましたような統制をやる、そしてそれでも統制運賃で行かないところには、運賃の補助金を出すとかいうような政策で行きますならば、それはこの問題は実は解消してしまうわけであります。併し現在とられております政策としましては、これを私企業に委ねて、そしてそれに対し、運賃に対して、特に統制をやつて行けないという建前の原則においては、そこで赤字が出たという場合に、この航路をやろうがやるまいがそれは私企業の自由でありまして、これは公共の見地から少くとも損をさせないようにしてやるという方針をとる限りにおいては、それは航路主義で行くのが理論として筋ではないかと私は考えるのであります。
○前之園喜一郎君 それなればお伺いいたしますが、海の場合と陸の場合はどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(河野一之君) 陸の場合でも私は同様であろうと思います。
○前之園喜一郎君 そうすると将来いろいろな問題が出ますね。例えば二つの線を経営している、一つは非常に損をするというような場合に、損をする線だけはあなたの御議論で言うと補助しなければならん、或いはハスの線にしても儲かる線もあり損をする線もある。そういう場合にやはり損をする線には大蔵省としては補助をして行かなければならん、こういうお考えでありますか、そういうふうに了承してよろしいのですか。
○政府委員(河野一之君) それはそういうものを補助する線路として指定するかどうかという問題であろうと思います。今まで地方鉄道法或いは軌道法或いは北海道の拓殖鉄道につきましても建設後付年間は損を補償しておつたのであります。そういう場合におきましては、その当該の路線にとつてやつたのでありまして、若しそれが補助されなければその交通がとまつてしまうということで、特に指定を受けてそういう補助金をもらつておつたのです。そういうようなお話、事情は同じ航路業者にもそのまま当てはまるのだと私は考えます。
○前之園喜一郎君 私が聞いているのはそういうことではないのです。将来こういうつものが一つの何と言いますか、一つの根本の考え方だということになると、陸においても海においてもいろいろ出て来ると思うのですね。これは輸送だけです。その他の航路においても特に外国の航路においては、これは国家の意思も考えなければならんと思う。陸運は問題も、バスの問題も、或いは設備施設の問題等或いはこれも法制化されようとしておるのですよ。ですからこういうものをあなたの言われるように損をするものは、公共的なものはすべて国家が補償してやるのだ、補助してやるのだということが、大蔵省の御方針かどうかということを私は聞いているのです。
○政府委員(河野一之君) 公共的なものはすべて補助してやるという、そういうまあ率直な原則でもないのでありまして、国家の必要性からその事業を継続させる、併し経営の面から言つて独力ではできない、或いはそれをやれば損をするという場合において、これが国民全体の利益のために、国民から出した税金でそれを補助してやつて事業経営が成立つてやられるようにする、こういうことは財政の本質から言つて当然考えられていいことであろうと思います。ただ問題は、その公共性の程度の問題であり、又その補助するについても、その規模なり金額の問題であろうと思います。殊にどんなものまでもやつて行くということになりますと、勿論財政が持ちませんので、その中に重点的に又国民の利害というものを天秤にかけて合理的にこれをきめなければならんと考える次第であります。
○前之園喜一郎君 今のお答えの中に国民全般の利益のためならばとおつしやいましたが、それはどういう意味でしようか。国民の生活から行くと、これらの恩恵を受けるものは国民のそれこそ極く僅かな、そういうものを含むという御答弁なんですか、どういう意味ですか。
○政府委員(河野一之君) 国民全般と申しますことは国民の個々の利害ではないという意味であります。国民の個人の利害ではない。その場合には全体の国民のことも勿論でありますが、或る一部の人だけ一般の国民の福祉の点から取除けて、除外するわけには参らんのでありまして、このような場合の離島における国民の利害ということも国民の利害の重要な、先ほど申上げましたが、国民の利害に合致するというふうに考えております。
○前之園喜一郎君 話題を変えますが、最近議員立法というものが大分出ておるんですね、御承知の通り、特にこれからそういうものは非常に出るだろうと思うのです。こういうものは大かた予算を伴うものが非常に多いようですね。何千億何百億というような予算を伴うようなものがあるのだが、こういうふうなものが次々に出て来ると、大蔵省としてはお取扱に非常にお困りになるのじやないか。日本の国の財政を維持して行く上に非常にお困りになる場合もあるんじやないかと思うんですが、それらの点について率直な御意見をお示し願いたい。
○政府委員(河野一之君) 予算の編成権が政府にある結果、予算を伴うような議員立法についてはどうだろうかというお尋ねだろうと思うのでありますが、この問題は結局政府と議員とが十分に話合つて、そうして政府もこれによつて十分財政上考慮できるというようなことでこの立法が行われるのであれば、これは私は何ら差支えないのじやないかというふうに考えておるわけであります。
○前之園喜一郎君 そういうふうな話合ができるということは非常に望ましいことなんですね。ところが併し議員の職権を以て政府の了解を得る必要はないと思うのですが、突如として法律案が出て来る、或いはそれに伴う金額というものは非常に高額に修正されるという場合も考え得られるわけです。そういう場合に大蔵省というものはその法律に当然拘束されて或る程度の予算措置をなさなければならない。できれば全額或いは財政上の許す範囲内において最大限の予算の編成をなさなければならんと思うのですが、今お答えのような事前の打合わせがない場合、打合せするせんはこれは自由でしようが、そういう場合もあり得る。しなくても何も拘束されることはない、そういう場合の取扱はどうなんですか。
○政府委員(河野一之君) まあ今までの例で申しますれば、皆お話合いができておるわけでありますが、仮におつしやつたような事例がありました場合におきまして、これは国会がおやりになることでありまして、私ども何ともこれに対して仮に反対でありましても、何とも私どもとしては申す何はございません。殊に予算の修正ということも議会において行われます以上、私どもはとやかく政府が申すべき筋合ではないと存じます。
○前之園喜一郎君 今のような場合に、当然予算を編成されるあなたがたは、そういう法律の拘束を受けるものだと思うのですが、その点はどうですか。
○政府委員(河野一之君) これは法律の書き方にもいろいろございますが、しなければならないとか、補助しなければならないというふうなこともございまするが、むしろそういつた例よりは、予算の範囲内において補助することができる、或いは補助しなければならないとかそういうようなことでありますので、又その意味は財政の点を考えてということであろうと私らは思います。従つてそれがために予算のほうが非常に拘束されるというふうな事態は私どもとしてまだ考えておりません。
○前之園喜一郎君 予算の範囲内でということになると非常に結構なんですが、仮にそういうものがなかつたらどうなんですか。
○政府委員(河野一之君) これは現在の予算と法律とは全然制度が違いますので、仮に法律ができたとしましても、予算がなければ出せません。予算がありましても、法律がなければ出せないわけであります。今申されたような例におきまして、予算の範囲内においてというふうな文句がなくてできた場合には、これは予算と法律が二重意思になつては困るのでありますから、それを尊重するのが私どもは筋合いだろうと思います。勿論予算の範囲内におきましても、その予算がゼロであるという理屈にはなかなかいかないのでありまして、この法律の趣旨に従つて予算を修正して国会に提出するのが筋合いではなかろうかと思います。
○前之園喜一郎君 よくわかりました。結局こういうことですね。そういう場合には法律上の拘束を受けるということですね、原則においては……。大蔵省は法律の拘束を受けてその法律に基いて予算の編成も考えるということになるわけですね。
○政府委員(河野一之君) 法律と予算が違つた意思の、一つの問題で両方が違つた意思にはならんわけでありますから、国家の意思としては、一つの意思でありますから、それは政府としてはこの法律の趣旨を尊重してやるべきであろうと思います。
○前之園喜一郎君 尊重ということはないでしよう。拘束を受けるのじやないですか。ここに一つの法律ができてこれだけの予算が必要だという場合には、その拘束を受けて大蔵省はその法律に従つてできるだけやる、予算の範囲内においてやるということじやないでしようか。尊重なんということはないでしよう。
○政府委員(河野一之君) 先ほども申上げましたように、法律の内容如何にもよることでありますが、尊重という意味でありますが、必ずしも入れねばならんのかということになりますと、これはこの条文にもよりまして予算の範囲内においてできるものもあれば、計上しなければならないというものもありますし、結局その法律の趣旨に合うように予算を作るのが建前であろうと思います。それは国家の意思が二つにならないように予算と法律とが矛盾しないようにすれば、当然そういうことになると思います。
○前之園喜一郎君 具体的の問題を私は聞いておるんじやないので、これは法律でこれだけの予算が必要だというものは、通過しても中央の財政においてできない場合もありましよう、具体的な問題は……。併し建前として国家の意思でそういう法律ができた場合に大蔵省はこれに拘束されるのかどうかということを私は聞いておる。具体的な問題じやないんです。
○政府委員(河野一之君) 拘束されるという意味の解釈も私はしようだということを申上げておるのでありまして、何々は予算の範囲内において補助することができる、このできるという場合においてしないこともできましよう。併しするのが適当だという場合もございましよう。ところが生活保護費のように、国家が負担しなければならないというように政府に義務付けたものは、これはどうしても計上しなければならない。計上しなければ法律違反になると思います。予算の範囲内においてすることができるとか、財政の状況を見てとかいろいろ立法例がございますが、この場合場合によりませんと何とも解釈はまだその点は確定しておらないのでございます。
○前之園喜一郎君 どうもあなたの答弁は何かしらはつきりしない。私が聞いておるのは、はつきりしておる。法律に拘束されるのかどうか。これはすることはできる、これはあなたの説明ではするのは建前であるが、しないでもいいことになるわけですね。そういうようなものでなくて、法律上どうしてもしなければならないということになつておる場合には、大蔵省は拘束されるのか。その通りやらなければならんのかどうかということなんです。
○政府委員(河野一之君) これはどうなんでございましようか。私はしなければならないとなつておる場合にはこれは拘束されると思います。ただ予算が国会に出ておりますときに、しなければならないという法律ができた場合において、これを又理論的に申しますれば、国会の意思として二重になることはないのでありますから、予算の修正があり、そういう法律が通ることが何でありますが、併しそういつた場合予算がそういうことは必ずしも同時履行でなしに行われる場合は幾らでもあるのであります。併しそういうような場合において、国がそれならば法律に違反しているかというようなふうな意味合で言われますと、私は必ずしもそういうふうに考えないので、結局国会はそういうしなければならないとした場合においては、いずれはそれを予算化して、その法律のしなければならないという規定に合致させるような予算を政府としちや作るという義務がある。私はそう考えます。
○前之園喜一郎君 あなたの仰せのように、長い間にそれを具体化して行くという場合はそれはできるでしよう。併しまあ年限を切つたりするような場合、或いは今年、或いは来年、こういう場合に、あなたは今それぞれのこれらの拘束を受けると言われるが、国家財政とその大蔵省が拘束を受けるというのとどうしてもしつくり行かんということになる場合、つまり財政の面において法律の拘束を受けて予算に計上することができんというような場合はどうなるのですか。いわゆる予算編成権と言いますかね、それとこれとの関係……。
○政府委員(河野一之君) 若しそういうふうな場合が、どうしてもしなければならないという規定があつて、それを組むことができないというような場合には、予算はそれを組まずに出し、一方当該法律の改正案を国会に御提案申上げる筋だろうと思つております。
○前之園喜一郎君 いや法律の修正案をお出しになつても、これは通るか通らんか、それは国会の意思によるのであつて、お出しになつたものがそのまま通るとは限らないのですね。これは重要な法案でも審議未了になるものがあるかも知れません。そういう御答弁では我々は納得しないのですがね。いわゆる予算編成権と法律と符合しない場合、或いはほかの財政が許さんという場合にどういうふうにするのが一番いいのかということを聞いているわけなんです。
○政府委員(河野一之君) 只今の、先ほど申上げた例で予算に計上することができない、予算にはそれは入れずに出してある、一方法律は修正案を出しておるという場合におきましては、国会の意思が二重になることはないのでありまして、その修正案を議決されるならば、その当該の予算を修正してそれだけの金額を増額すると、こういうような措置が国会において行われるものであろうと思うのであります。
○前之園喜一郎君 予算の編成は、予算を編成する当時の法律に従わなければならないと私は思うのですが、どうなんですか。
○政府委員(河野一之君) 必ずしも私はそうだと思いません。勿論現行の法律によつてなんでありますが、財政によつてその法律を変えるような必要があるような場合におきましては幾らでも法律と予算との同時執行で、法律の改正を前提として予算が出ていることは幾らでも例があるのであります。
○前之園喜一郎君 原則的には併し法律によらなければならんでしようね。当時の法律によるということは原則でしようね。例外でしよう、今のお話があつたような場合は……。
○政府委員(河野一之君) 勿論その通りであります。法律がある以上は、法律によつて発生した既定の義務費までも廃するというようなことは勿論適当でありませんが、財政事情でその法律をその通り執行が許さない場合には、これを変えるという前提で予算を組むことは差支えないと思います。
○前之園喜一郎君 大分私一人で時間を取りましたから、この程度で私の質問を終りますが、私は特に主計局長にお考え願いたいことは、将来こういう臨時的立法は非常に多くなるだろうと思うのですね。これらの離島航路整備法案のごときは、これは非常に軽備なものですが、これから将来こういうものは出るだろうと思うのです。そういう場合に非常に私は大蔵当局はお困りになるでしようが、今お話のように、法律はこれは予算編成権に優先するものであろうと思う、原則的に……。非常に私はそういう摩擦を生ずるようなこともあるだろうと思うのです。今は幸いに臨時立法をお出しになるのには一与党である自由党で、絶対多数の自由党が……、非常に多いので、スラスラと当然通るが、そう行かん場合もあるし、非常にその場合に私はあなたのほうでお困りになる場合があると思うので、そこでこの点についてもう一つ十分に法的にも、実際的にもお考え願わなければならない、そうして適当な機会にこれらの点をお聞かせ願いたいと思います。 なお、先ほど離島航路の問題を一つ一つ別に考えるということは私は納得できない。一応理論としてはいいでしよう。だけれども今日の日本の経済情勢、各般の事情等に考え合して、如何にも動かぬ線があつて、黒字が出るのに、赤字のものだけを補助するので、赤字だけの線と同様に補助しなければならんという考え方は、非常に私は遺憾であると考えるのです。まあ今日は突如としてあなたは質問を受けられたので、よく腑に落ちない点もあつたろうと思いますが、その点も一つ合せて御考慮を願いたいと思います。 なお、私は最後に申上げておきたいと思うのですが、どうも大蔵省は委員会のほうにお出でを願いたいと言うても出て来られない。山県さんが委員長でいるときも、大蔵省は何遍言つても出て来ない。仕方がないから正式の手続をして議長から申入れて漸く出て来たというような状態で、各委員会においてそういうような空気は強いのです。大蔵省に対する何か知らん反撥的な気持というものは、これは委員会に流れている。どうも大蔵省は予算を握つているから、大蔵省は思い上がつているというようなふうにさえ言う人もある。この前の委員会においても私は二時間も待つておつた。そうして二時間も過ぎてから、ほかに用事ができたから来ないということは、国家の最高機関であるところの国会を全く無視されたものだと思わなければならない。さようなことはこれはちよつとあり得ざることだと思うのです。将来どうか一つそういう点についてもお考え願いたい。あなたのような将来最も有望なかたが、つまらんことで国会に摩擦を生ぜられるということは、私はあなたのためにも非常に惜しいと思つて、特にこのことを御忠告申上げておきたい。これで私の質問は一応終ります。大蔵当局に対する質問は一応終ります。
○小泉秀吉君 大蔵御当局に伺いますが、本法案におけるこの利子の補給ですね。これは先刻来のお話でも今までの審議の過程においても、大蔵御当局もすでに賛成をしているところのように私は了承しているのでありますが、ところでこの法案が通ると、今年度において一つ運輸省のほうから出て来ておる計画というものによると、相当多額の改造、並びに新造資金というものは、二十七年度においても計上してあるし、それに対する利子額というようなものも出ておりまするが、この計上しておる二十七年度の利子補給額といいますか、これは恐らく今まで予算について計上してないと思うのだが、この法律が通るとどのくらいの利子の補給額をお出しになることになるのか、或いはこれは査定をするほうの側から申請をして来て、それによつて従つてその額に応じて利子も出て来るわけですけれども、この計画当時に果して新造なり、改造の申請があるかどうかということもわかりませんが、とにもかくにも金がでで、法律だけを出すという話は、只今までの前之園委員との応答によつても明白だと思うのだが、この法律が通ることは衆議院も御賛成になつたようですが、金額の面でどのくらいの利子補給を今年度は出すかということを、明確にそういうものの腹案を伺つておきたいと思います。
○政府委員(河野一之君) 離島航路の維持に伴いまして、新造改造の融資が起つて来る、それによつて利子補給がどの程度になるかというお尋ねでありますが、この点につきましては運輸省において目下御検討になつておるようであります。まだ私のほうとの折衝がついておりません。従いまして幾らというふうなめどはまだ具体的にきめておりません。恐らく利子補給は一定の据置期間と申しますか、利子は後払いということになりますので、今年度及び明年度どういう程度になりますか、大した金額ではないのじやないかというふうに考えております。
○小泉秀吉君 そうすると、大した金額でないから、必要があればその辺は呑めるというお心持だというふうに了承していいのですか。
○政府委員(河野一之君) 大体さようであります。
○小野哲君 私から多少細かい点になると思いますが、二、三御質問したいのですが、先ず第一はこの法律案の第六条に「当該離島航路事業のサービスの改善に関し、必要な指示をすることができる。」こういうことになつておるのですが、勿論航路補助金を受ける資格のある事業者は、運輸大臣が認める輸送事業に適合する運航計画を確保して行かなければならないものであるということはわかるのでありますが、その場合に一体必要な措置をすることの前提として、サービスの改善ということが取上げられておりますが、サービスの改善というのは、どういうふうな限度のことを言つておるのか、この点を伺つて置きたい。
○衆議院議員(關谷勝利君) サービスの改善といいますと、安心をしてそれなら安全であるということで気持よく乗れる程度のサービス、このように考えております。
○小野哲君 尤も航路補助金の対象としてのサービスの改善ということになりますので、只今の御答弁で大体了承するのでありますが、サービスの改善がとにかく一般通念として、当該事業者が適正なサービスをしておるということを認められるわけでありましようが、これはまあいろいろ主観的な立場で見方が変つて来るわけだと思います。従つて運輸大臣に指示権を与えておるということは、やはり行政権の一つの作用として、事業者にとりましては、一つの重要な問題ではないか。かように思うので、従つて若し例えば海上運送法に定められておりますような事業計画に定める運航の確保の問題であるとか、これは第十四条でありますか、これに違反したような場合は事業の停止及び免許の取消しをするというようなことにもなると思うのでありまして、その辺の限界が運行計画の通り行つておる、従つて補助を受け得る資格は持つておる。その上にサービスの改善をするように指示をするということになりますと、事業者としてはこの事業計画に定められておる運航の確保は、勿論これは海上運送法上の義務としてやらなければなりませんが、補助金を受けているという立場においては指示権を行使されなければならない、受けなければならない、こういうことになるので、サービスの改善ということが、ちよつと私には少し、指示権の前提としてのサービスの改善ということになると、もう少しはつきりした何らかの目安があつて然るべきじやないかと、こう思うのですが、如何でしようか。
○政府委員(岡田修一君) 私はこの法案が成立いたしました場合に、どういうふうに政府が運用するかというふうな立場からお答え申上げますと、成るほど海上運送法で、定期航路をやりますために、この航海回数、その他についての許可を受けるわけですが、その場合におきまして、運輸大臣は先ず何と言いますか、それを拒否するという場合は、よほどの場合でないとできない。航路補助をやります場合には、その程度よりもう少し高い航海回数なり、船舶の質なりを目標にしまして、それに対しまして補助金をやるから、これだけの回数を維持せよ、海上運送法による許可の場合の対象となる航海回数、或いは船型補助をやる場合とは、甚だしい差があるわけでございます。実質面によつて考える、それから更にサービスの改善ですか、この航路計画、補助航路をやります場合に、一々書いております事項でありますると、その計画通りにやればいいわけですが、その補助を受けまする場合に、指示していない事項、例えば待合室が非常に狭い、これをもう少し拡張しないと、それの利用者が非常に不便を感ずる、露天で待合せなどをしているというふうな事項なんかに対しまして、この補助金交付に基く運輸大臣の指示権というものでそういうことを指示しよう、こういうふうな考えを持つているわけでございます。その他今ちよつと頭に浮かびませんけれども、一例を挙げればそういう事項があるわけでございます。
○小野哲君 この法律案の第五条を見ますると、航路補助金というのは、当該離島航路を維持するため特に必要がある場合」ということに限定されておりますので、維持をすること自体がせいぜい一ぱいの場合だ。従つてこれを維持させるためには、予算の範囲内において補助金を交付するということになつているわけでありますから、それ以上にサービスの改善のためにいろいろ運輸大臣が指示をするということは、事業者としては相当重荷になるのであつて、少し補助を与えるという趣旨から言いますと、何と申しますか、それを上廻つておるような印象を受けるわけでありまして、言い換えれば、もつと露骨な言葉を使いますと、補助金はやるからもつといいサービスをしろというための補助金であるような感じを受けるので、それではどうも第五条の趣旨とは少しかけ離れて来るのではないかと思うのですが、私の考え方について、若し政府当局のほうでこういう事情があるからこうだという御説明を頂きますならば、或る程度了解するのじやないかと思うのですが、如何でしようか。
○政府委員(岡田修一君) 先ほどの趣旨で私から御答弁申上げますると、お説の通りでございまして、この補助金をもらう航路は船路維持がやつとであります。併しまあ実際問題といたしまして、その航路維持すら補助金で十分できるかどうか、困難と思われるほどひどい航路ばかりでございます。この航路補助金というのは、いささかえびでたいを釣るという、大変俗な言葉を言いますけれども、僅かの補助金をくれて相当大きい負担を業者に背負わせようというふうな感じが多分にあるのです。先ほど御質疑があつたのと反対の実は匂いがここにございまして、そういう匂いが第六条にもう少し強く出ているのかと思います。従いましてサービスの改善が非常に度を越した強いものになりますと、それによつて業者は、その航路自体も維持できないような負担になると思いますが、それは補助金の額、まあ航路の経営状況等を勘案して、その辺のサービス改善に対する自然の度合いを十分考えて行かなければならないと思つております。
○小野哲君 大体私もお気持はわかるのですが、ただ海上運送法とこの法案を両方並べて拝見いたしますと、海上運送法では、免許を受けてやる場合には事業計画に定めておる運航の確保ということが事業自体の存亡にかかわるような一つの原因になるわけなんだ。従つて離島航路をやつておるもので補助をもらわなければやれないというようなものは、当初免許を受けました場合の事業計画自身も維持ができないのじやないか、維持ができないようなところを対象として補助をやつて、とにかく免許を受ける場合に提出した事業計画を確保するということをやらせるというのが一つの狙いじやないかと、こういうふうに私は実は思つておつたわけであります。ところが第六条で更にサービスを改善させるということになりますと、どうも維持するための補助金では私は足りないのじやないか。それならばもつと積極的に何らかの助成方法を講ずるなり補助金を殖やすなり、或いは利子補給制度を更に徹底してやるとか何とかしないと、事業者はなかなか経営が、この法律案ができて更に負担が重くなつて来るような印象を受けるわけでありまして、そういう点の心配があるものですから、この法律案の趣旨として離島航路をできるだけ維持して行こう、又サービスもよくして行こうというところには何ら異存がありませんけれども、その辺の両方を拝見いたしますと、どうも少し補助を受けると荷が重くなるような感じを受けたのでありまして、一応気が付いたことを申し添えて政府の御意見を伺つたわけです。
○前之園喜一郎君 この前資料の御提出を願つておいたのですが、今日お出しの各航路収支明細書というのはこれなんですか、これは資料ですか。
○政府委員(岡田修一君) 先般の当委員会で資料の御要求がございまして、航路補助を如何に査定しておるかということに対しましては、この前の委員会にお手許へ配つたかと思いまするが、これは補助航路損益見込計算書並びに補助航路損益計算書という厚いのがございます。これを御説明さして頂きたい。それから黒字を出しておる会社についてほかの航路の状況その他を出せ、こういう御要求がございましたが、これにつきまして各会社に今その資料を出させるといたしますると、非常に多数の日数を要しまするので、この前御了解を得たと存じてやつたのでございまするが、佐渡航路を経営いたしておりまする佐渡汽船会社の実情について調べましたのが各航路収支明細書、これでございます。実はこれも新潟まで人をやりまして大急ぎで各航路の内訳を出さしたのでございます。ここにお配りしましたのは、その内容を収入と支出を計算をしてサムアツプしたものでございます。
○前之園喜一郎君 これは本日お出しになつた資料は非常に早急な際にわざわざ係員を御派遣になつて、御作成になつたもののようですから、非常に厄介であつたろうということは考えられるわけですけれども、これにいたしましても、又ここに出ておるいろいろな補助の基準になるものにいたしましても、書面の上でその数字を出すということは非常に簡単なのじやないかという気持がするのですが、これは補助に対しては会計検査院が相当検査しておるわけだと思いますが、会社に直接行つてやつておるのでしようかどうでしようか。
○政府委員(岡田修一君) 各補助会社全部とは行きませんが、適当なる会社に対する抜き検査を会計検査院でやつておるわけです。
○前之園喜一郎君 二十六年度の補助に対して会計検査院が検査を行なつた会社はどこなんですか。
○政府委員(岡田修一君) まだ二十六年度に対しては手が及んでない……。
○前之園喜一郎君 二十五年度はどうなんですか。二十五年度も補助しているのですか。
○政府委員(岡田修一君) 二十五年度も補助いたしております。二十五年度にどの会社を検査されたか詳しいものを記憶いたしておりません。本省のほうはこの補助のやり方その他についての検査を見ておるわけです。
○前之園喜一郎君 運輸省でやられる場合は、これは会社に臨んで具体的に調査されるわけでしようか。
○政府委員(岡田修一君) 何分会社が地方のものでございますから、本省のやつておる方法、それから本省で取つておりまする書類、それによつて調べられます。
○前之園喜一郎君 会計検査院で検査する場合には、運輸省の係官は立会つておるわけですか。それはどうですか。
○政府委員(岡田修一君) この補助航路について、会社に行つて会計検査院が検査したその事例を、実は私今記憶はございませんが、原則としてこういう補助会社、補助機関に対して会計検査院が検査をされる場合には運輸省の役人は立会つております。
○前之園喜一郎君 二十五年度のどこどこを会計検査院が検査したということはすぐわかりませんか。
○政府委員(岡田修一君) 大変先ほどの答弁いささか正確を欠きましたが、二十五年度においても個々の補助会社まで検査の手が及んでないようでございます。運輸省でとつておりまする書類によりまして中央で検査をする、まあ会計検査院も非常に検査事項が多いものでございまするから、小さい補助会社まで手が及ばないのではないかと推測いたしております。
○前之園喜一郎君 これはいつから補助しておるわけでございますかね。
○政府委員(岡田修一君) この補助航路は終戦前からずつとやつております。それから補助金額が三千万円、三千万円になりましたのは二十四年頃からでございます。それまでは、二千万円になりましたのが二十三年度でございましようか、それまでは百万円余りでございます。会計検査院もその補助の金額が比較的額が小さいものでございまするので、他に多数の大きな事項を控えておりまするせいかと存じまするが、個々の会社にまで手が及んでないように考えております。
○前之園喜一郎君 二十四年から三千万円以上、三十三年までは百万円ですか。
○政府委員(岡田修君) 実は終戦前は確か七十万円程度でございます。まあ物価の何が違いまして、終戦後非常に物価の値上りに伴いましてこの補助額の増額の必要性が叫ばれておつたのですが、どうしても関係方面でこの航路補助の、特に離島航路補助の性格を呑み込んでもらえなかつたのです。それを非常に何回も関係方面と交渉いたした結果、二十四年度に二千万円、ちよつと先ほど間違えましたが三千五百万円くらいだつたろうと思います。二十五年度に三千万円、二十六年度に三千三百、こういうふうになつておるわけです。それで、終戦直後非常に少かつたのは、さような関係方面でこの航路補助の性格がなかなか呑み込めなかつた。それを非常に苦労して関係方面の了解を得て海上運送法にそれの根拠になる規定を入れるということで二十四年度から増額された、かように存じております。
○前之園喜一郎君 これは従来補助率は三〇%ですかね毎年、それからもう一つ本年度三千五百万円のうち何千万円か組んでおるわけです。あと三千五百万円を補正予算で出してもらうように大蔵省当局と話がついておるという御説明じやなかつたのですかね、説明では。
○政府委員(岡田修一君) あと補正予算で組むかどうかというところまで段階は進んでおりません。私どもはこの新らしい法律の中に航路補助に関する規定が設けられましたのは、海上運送法にある補助の規定をこちらに入れまして、その規定をより比較的詳しくいたしますると共に、この離島航路に対する補助の必要性を明確にするため、その意義を強調するため、かように考えておるわけであります。これによつて補正予算に補助金の増額を要求するかどうかはこれからの大蔵省の折衝になると思います。
○前之園喜一郎君 これはまあ私は素人なので一般論として今まで考えて、外国の財政と照らし合せて各種の個人営業、これも個人営業に間違いないのですが、そういうものとの関係においてこれまでいろいろ論議した点もあるわけでありますが、お出しになつた表によると余りそう儲けておる会社もないかも知れんが、併し現在の状況は儲けてないから将来も儲けないことにはならないと思います。一線か二線持つておれば、一線だけで何万という黒字を出して配当しておるという会社と、例えば二線持つておつて二線とも非常に赤字を出しておるという会社と補助率というものが同率であつていいものかどうかということは、これは非常に考えなければならん点だと思うのです。こういう場合に黒字を出しておるものに対しては率を相当に引下げて行くというようなことになるべきものではないか、こういうふうに考える、私はそうではないかと思うのです。儲ける会社は幾らでも儲けさして、損をする会社と同じに国家が補助して行くという考え方にはどうしても私は納得の行かん点があるのです。ですから非常に会社が総体的に非常な黒字を出しておる会社であるならば、赤字ばかりの会社とおのずから考え方を変えなければならん。いわゆる補助率というものに差をつけるべきものではないかと思うのです。そういうふうにお考えにならないですか。
○政府委員(岡田修一君) たびたび御答弁申上げておりますように、やはり航路補助はその航路の赤字について考えるべきではないか、それで会社全体として利益を上げておる場合に斟酌をするということになりますると、ますますその航路補助の性格がぼやけて来やせんか。殊に補助航路としてこの航路補助を出しておりますのはその公益性の中でも特に強いものだけを出しております。例えば、お手許に配りました佐渡航路でございます。この航路は四線で経営しております。定期航路として四線でありまして、四線とも赤字を出しております。併し補助金を出しておりますのは、そのうちの新潟から出ております航路だけでございます。ほかの航路としては定期航路として赤字を出しておりますが、この新潟から出ております航路を補助すれば、ほかの航路は必ずしも大きく見て国家的にその維持を援助する必要性はないであろうというので補助を出していないような次第であります。そういうように、その航路の公益性が如何に大きいかということを対象として考えて行きまして、私どもとしましてはその航路、定期航路会社が如何なるものであるかということは、まあ強いて言いますると眼中に置かないで航路自体を見て調整して行く、これが実情であります。
○前之園喜一郎君 この佐渡汽船というのですか、さつき言われた表の会社は会社名が入つていないんですがね。
○政府委員(岡田修一君) 大変資料を急ぎましたものでございますから落しましたが、佐渡汽船会社でございます。
○前之園喜一郎君 これは二十五年、それから二十六年はまだ出ておりませんがね、これは幾らの配当をしておるんですか。
○政府委員(岡田修一君) 配当率は五分でございます。で、この会社はもう一線と申しますか、現在就航しております船が適当でございませんので他から船を購入いたしまして、相当大きな金をかけて改造する必要がございます。それがためには増資をいたさなければならん、つまりそういう含みもございまして配当を五分といたしております。ここに挙げておりますのは、この会社は定期航路以外に機帆船或いは回漕、こういうものが相当の利益を上げておつて、これで全体としての収益のバランスをとる。
○前之園喜一郎君 九州商船とか九州郵船というのはどういう配当をして、株価はどのくらいでしよう。
○政府委員(岡田修一君) 九州郵船は現在無配でございます。株の値段は上場されておりませんからちよつとわかりません。それから九州商船は一割の配当をいたしております。これはその配当の利益金の中には船腹売却代金が入つております。これもまあ船舶の入れ換え、その他で本年度に倍額増資を予定されておるような次第であります。
○前之園喜一郎君 大分はつきりして来ましたが、ただ私は非常に気にかかることは、運輸省としてもすべて補助額審査をされる場合に、先方の出して来た書類によつてのみ検査をされる。それは無論あらゆる点を十分検討されるとは存じますが、仮に悪く考えて若し数字の上で作為的にやるということになれば、これは非常に簡単にやれると思います。ですからそういう場合に何線も持つておる場合は、結局いろいろな負担を赤字のほうのところに被せる。そうしてそれのほうに余計に収入を見て、或いは利益を見て行くという結果も、非常に悪い想像でありますが、あり得ないこともないと思うのです。そこで会計検査院というものの検査を行う、あなたがたも十分検査をしなければならん。会計検査院もやらなければならんと思うのですが、そういうような補助の問題に対して会計検査院が若しやつていないとすればこれは非常な怠慢だと思うのです。私は決算委員も長いことやつたが、会計検査院では細かいこともやつておる。百万円くらいのものもやつておる。而も三千五百万という補助額に対し、一片の書類によつて検査を済ませるということは以てのほかだと思う。あなたのほうとしても十分にこれは国民が信用する程度の検査はされなければならん、会計検査院に対してそういう要求をさるべきだと私は思うのです。ただ海運局という立場で了承するという一方では非常に困ると思うのですよ。あなたは非常に善良な人だと私は思つておる。だから殊に向うの窮状を見ると、思い切つた検査もできないというようなお立場にもあるのじやないかというような気持もするのです。ですからまあ済んだことはしようがないけれども、将来において私は十分に会計検査院の検査をしてもらうということがなければ、あなたのほうから要求するというふうにしてもらう、こういうようなふうに進んで頂きたいと思うのであります。今までのものは書面で検査したと言われるならば、会計検査院に二十四年頃から、二十四年、二十五年会計検査の結果、何らの支障はなかつたかどうかということを一応確める必要があると思うのです。批難事項というのが毎年本になつて出ますが、小さいものは入つていないのですが、毎年殖えております。書いていないものにも相当な事項があるのですよ。ですから検査の内容についても一応一つ検討する必要があると思うのであります。そこまで私どもは一つ十分研究を進めて、そうしてこの審議の参考にいたしたい。こういうわけでありますから、次の機会に二十四年度、二十五年度の航路補助に対する会計検査院の検査の結果について一つ御報告を願いたいと思います。これで私のほうは終ります。私の見当も大体付きましたし、皆さんの御意見もわかりましたから、この次までに態度をきめなければならん。これは私は会計検査院がこれをやらなかつたということは会計検査院として大問題だと思うのです。
○理事(岡田信次君) ちよつと速記をやめて。 〔速記中止〕
○理事(岡田信次君) 速記を始めて。 ほかに御質疑はございませんか……。別に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(岡田信次君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
○小酒井義男君 私は本案について賛成であります。併しそれについて少し意見を述べて賛成して見たいと思います。 航路補助ということは、現在の海上運送法によつてもやられておることで、新らしくできておる問題ではないので、この問題については別の機会に更に検討する機会もあるだろうと思います。離島に居住をしておる人々の生活を国が保障して行くという必要上、補助を行なつて行くということは、これは国として必要であろうと思います。併し一方最近の国内の状態を見ても、一方には海上警備隊という名によるところの軍事費的な予算が相当に使われておる。そうして更にこの国会を通じていろいろな事業を補助するというような法案が数々出て来ておる。これは補助金の制度の復活或いは減税の措置というようなふうにいろいろ出て来ておる、こういうものが出て来ることによつて、やはり国民生活の安定に必要な予算というものが圧迫を受けて来る、こういう形にならざるを得ないと思います。従つてこれだけではなしに、外航船舶の建造とか、或いはこういう直接民生安定に必要であるというものは、これはやはり優位に取扱うという、そのためには国民生活が更に圧迫を受けるというような方法でなく、海上警備隊とか、ああいう海上保安隊というようなものに必要とするような予算を、これを減らして、こういう方面に使うようにやつて行かなくちやいけないと思うのです。そういうことについて私は法案そのものには賛成でありますが、これに要するところの経費の予算の枠等のきめ方については検討をする必要があろうと思います。又航路補助交付申請の手続でありますが、質問中にもありましたように、非常に各種の書類を取ることになつております。でこれは書類はどうにでも作ることができるのです。逆に作つて来るということによつてどういう数字を作るということも、これは可能だと思うのです。監督官庁としては書類が一応整備しておればそれで責任がないというような、書類によるところの行政がやられるということの従来の取扱い方でありますので、やはり書類と同時にその事業の実質的な内容も十分検討してそうして航路補助の指定を行うような取扱い方をされるように私は希望をして、そうして賛成の意を表する次第であります。
○理事(岡田信次君) ほかに御意見はありませんか。
○前之園喜一郎君 私は根本的に、或いは又理論的に考えて、非常にこの法案には不満もあり、不可解の点もあると考える。これはまあ質疑のうちで十分私の意見を申上げたわけでありますが、まあ併し今日の離島航路の状態から考えて、一先ず賛成せざるを得ないと、このように考えて賛成はいたします。 併しこの法律の運用に当り、特に補助の問題については、十分に慎重の上にも慎重に調査研究せられて、そうして万遺漏のないようにして頂きたい。更に又この離島航路の補助或いは補給というようなものは、年々殖えて行くような傾向にあるわけでありますが、これらについて運輸省当局としてはやはり心を用いて、成るべく年々こういうものを減して行くように、指導し助成し、そうして減ずるように、航路事業者の営業の状態がよくなつて行き、国家の補助がなくてもやつて行かれるように進んで行かなければならないものじやないかと思うわけであります。去年が三千三百万円、今年は三千五百万円、できれば七千万円というふうにだんだん殖えて行くという傾向に対しては、我々は特に考えなければならないのじやないか。特に直接監督の衝にある運輸省においては十分にこれらの点を考慮になつてやられるべきだと思うのです。この法律案は私どもが常日頃尊敬しておる關谷先生の御提案でもあり、我々はそういう意味においても不満ながら先ず賛成するわけであります。提案者においてもそういう意味において了承せられ、善処せられるようお願い申上げたいと考えるのであります。こういう法律が通過いたしますと、続々これに類似したものが出て来るだろうと思うのです。先ほど大蔵省の御意見は大体わかりましたが、そういうようなものも出て来る。これはいいとしても、十分にこういうような点も考えて行かなければならんと考えているのです。かような問題にいたしましても、外国航路問題、或いは国内航路の問題等、多々益々こういうような問題に直面することになるのではないか。或いは場合によつてはそういうこともやらなければならんのじやないかという気持もするわけであります。で私は補助のみによつて、そうして安閑としているという考え方は、非常に私は警戒しなければならない点だろうと思うのです。 申上げたいことは、質疑の間に十分申上げ、答弁になつておると思いますので、以上注意的に申上げまして賛成いたします。
○小泉秀吉君 私は本案に賛成をいたしますが、特に船舶の新造或いは改造に対しての利子の補給ということが従来の補助以外に決定したということは私は非常に意義のあることだと思うのであります。参考書その他でも御承知の通りに、現在の離島航路に使用しておる船は誠に如何わしい船で、一面において民生安定というようなことを言うておりながら、事実においては民生の生命を絶えず危険に曝しておるような船が甚だ多いのであります。で先刻大蔵省から来ておる政府委員のお話によると、ともかく法案が決定されても、今のところは予算の措置も大してきめてはおらないし、それから利子の補給額にしても恐らく甚だ軽少だろうから、金の面においては先ず賛成をしておるのだというような、非常にアンギユウニアスな法律だと思う。これを実際第一条に規定してあるような目的にするためには、運輸当局はよほど肚を据えて、その危険な航路に従事しておるような船舶の改造その他のことに対しては、十分大蔵省も国民も納得の行くような説明をして、そうして船が動きさえすればよいのだというような航路でなく、本当に安全、堅実ないわゆる民生安定に資するような施策をされるように私は希望いたしまして賛成をいたします。
○理事(岡田信次君) ほかに御発言はございませんか……。別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(岡田信次君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。本離島航路整備法案を原案通り可決することに御賛成のかたの御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(岡田信次君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容等爾余の手続は慣例によりまして委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(岡田信次君) 御異議ないと認めます。 次に、本案を可とされましたかたは、例により漸次御署名を願います。 多数意見者署名 高田 寛 小泉 秀吉 植竹 春彦 仁田 竹一 高木 正夫 小野 哲 小酒井義男 齋 武雄 前之園喜一郎
○理事(岡田信次君) 署名洩れはありませんか……。ないと認めます。それでは本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十九分散会