運輸委員会 第4号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/02/12
会議録
○委員長(山縣勝見君) それではこれから委員会を開会いたします。 先ず一般運輸事情に関する調査事件中、企業合理化促進法案に関する件を議題にいたしますが、本件に関しましては、現在運輸省において通産省或いは大蔵省と折衝中だと承知いたしておりますが、法案の第一條の中に、何々等とあります中に船舶が含みますか、どうか。なお又政令においてその船舶を含むような措置を関係各省と折衝されていると思うのでありますが、その経過について先ず政府から御説明をお願いして、その後に各委員から質疑を行いたいと思います。
○政府委員(岡田修一君) 企業合理化促進法の対象に船舶がなり得るかどうかという点でございますが、これは企業合理化促進法の中に機械設備等という文字がございましてその機械設備等の中に船舶が入り得るということは、この法案が衆議院の法制局で審議されておりますときに、関係省で確認をいたしているところでございます。実際船舶をこの対象にするかどうかは、この法律に基く政令で業種を指定するときに関係省で協議をする、さような話合いになつておりまして、今日この法律が参議院において審議されて、その政令の内容の提示を求められておりました。関係省でその業種の打合せをしているのでございますが、私どもの当初から主張しております船舶につきましては、大蔵省として若しこれを含めまする場合、それによる税の減收が相当多額になる。企業合理化促進法実施によつて予定している額に比べてその額が非常に大きな額になるという理由でなかなか難色があるわけであります。自由党の政調会におきましても、両三回この打合せがありましたが、未だ結論に達しておりません。ただ先般衆議院の運輸委員会で大蔵大臣がこの問題についての質問に対しまして企業合理化促進法の適用はなかなかむずかしい点がある。耐用年数の短縮という点において考えてはどうかと思う、こういう話がございまして、ただ私どもといたしましては、如何なる方途でもあれ、とにかく海運会社の自己資金の造成に役立つものならば我々としては何ら厭うところではない。従つて耐用年数の短縮につきましても、企業合理化促進法の対象に船舶をいたしました場合とほぼ同様の効果が出るものならば、あえてそれを辞するところではないというので、耐用年数の短縮の面につきまして、大蔵省と話合いをいたしているのでございまするが、この点におきましても相当意見の食い違いがありまして、まだ両者妥結の点にまでは非常に道が遠いというのが現状でございます。私どもといたしましては、企業合理化促進法が今提案され、これに船を乗つけますことがいろいろの面から言つて得策である。この企業合理化促進法の対象となる業種を選定いたします基準からいたしまして即ちこれが貿易改善に資するとか、或いは基礎産業として非常に不足しているものを補う、或いは資本蓄積の現状並びに将来、こういうことをその基準にとつているようでございますが、その基準の点からいたしましても、船舶が、海運業が十分該当する、最も優先的に選ばるべき業種である、かような考えを持つておりまするし、又これに対しまして、企業合理化という面から見て新造船を加えることは解釈上やや難点があるのじやないかという議論がありまするが、これは先ほど申上げましたように、この法律制定のときに、すでに新造船を入れるということを予想しておるのでございます。これは解釈上如何ようにもつきまするし、又海運業に対する外部の情勢から考えましても、特別立法等の目立つた方法よりは、この企業合理化促進法の適用という方法で行くのが最も得策であると私どもは考えておる次第でございます。なおこの企業合理化促進法の対象に新造船を附加えるように今後とも十分の努力をいたしたい、かように考えております。
○委員長(山縣勝見君) 政府にお伺いいたしたいのでありますが、只今海運局長の御説明があつたのでございまするが、先般の総理の施政演説、なお安本長官の経済演説、その後又運輸大臣の本会議における演説におかれましても、大体最初三十万総トンの昭和二十七年度における新造船計画を政府として言明されておるわけでございまするが、二十万総トンを建造するとして、少くとも四百数十億の金が要るわけであります。見返資金は伝えられるごとく相当細つて行くわけでございまするが、どうしても最後は自己資金の拡充ということが最後の問題になると思うのでありまするけれども、本法案に船舶が入らないということは、我々今予想しませんが、それらに対して企業合理化促進法案において、船舶をどうしても政令において入れなくちやいかんということは、自己資金という点から考えても、昭和二十七年度の三十万総トンを最小限度建造するという点から見ても、これはどうしてもこの法案に、とにかく政令において入れるということに持つて行かなければならない。或いは若し入らない場合、その代案として何らか的確なよりいい案をお持ちであるかどうか。で、政府はこの二十万総トンの建造計画は正式に言明されたのでありまするから、自然この資金の点においても確信を持つて総理の施政演説或いは安本長官の経済演説があつたと思うのでありますが、これらに対して大臣はどういうふうにお考えになつておりますか。
○国務大臣(村上義一君) この問題につきましての経過は、只今海運局長が申述べました通でありますが、又本問題の性質はこれ又今委員長からお話がありました通りでありまして、今まで財政資金を、いろいろの支出を見返資金によつておりましたが、非常に先細りの状態にあります。もとより何らかの措置を講じて財政部運用資金を充当して行くということはやらなければならないのであります。一面におきまして、市中銀行面においてはかなりのオーバー・ローンに相成つておるのであります。どうしてもこの際船主自体の自己資金を造成してもらうように慫慂せんければならん、同時に政府としましては、船主の自己資金造成を助長する、その意欲を旺盛ならしめるような措置をとらんならんということは、これ又当然なことであります。そういう見地から考えまして、今参議院に継続中の企業合理化促進法の適用を受けることにするということが全く法的な手段であると信じておるのであります。運輸省としましては、この機械等という文学の解釈を省令で定めるということに是非いたしたいと考えて交渉をいたしておるような次第であります。ただこの企業合理化促進法による減收の額につきまして、関係方面との打合せがあつたかということでありまして、今占領治下における我が国としてその打合せは尊重をせんならんということは勿論であります。而し日本の国策として、特に最も重要な国策の一つとして船の新造を図るという見地から考えまして、是非ともこれは企業合理化促進法の適用を受けるように改めて交渉を、することが望ましい次第であります。併しながら只今も海運局長が申述べましたごとく、衆議院の運輸委員会におきまして、大蔵大臣は、諸般の情勢から今直ちに企業合理化促進法の適用を船舶に対してもするということは非常に困難な事情である。併し必要性は認めておるので、耐用年数の縮減等の方法で同様な結果をもたらすように考慮しつつあるというような意見も述べておられたのであります。運輸省としましては、本法の立法目的が本法自体に明示されておりますその趣旨から言つて、当然包含せしむべきだと信じておりまするけれども、いろいろの事情上これができないということであれば、同様の結果をもたらす他の方法でも万止むを得ないという考えは持つておるのであります。いずれにしましても、船主が資本の蓄積に向つて強い意欲を起されるように、政府としては適当な措置を講ずる必要があると痛感いたしておるような次第であります。
○委員長(山縣勝見君) 只今運輸大臣の御説明によつて大体了承いたしましたが、先ほど申しました通り、三十万トン最低限度新適するということは政府の既定の方針であります。それから見返資金についても、一応大蔵大臣が財政演説の中その他において言明しておる数字もわかつております。或いは補正されるかも知れんが、大体わかつておる。それから市中のオーバー・ローンの状態も、大体の現在の情勢はわかつておる。そうしますると、煎じ詰めれば最後は自己資金の蓄積にすべてかかつておるのでありますから、只今運輸大臣の言明されたように、我々は一応この委員会としましては、この企業合理化促推法に船舶を入れるべきであるという見地から審議を進めて参りまするが、場合によつては各委員の御意見によつて、通産委員会との合同審査を求めるかも知れませんが、大蔵大臣は直接この委員会において衆議院の運輸委員会における言明のごときものをいたしておりませんから、当委員会としては一応合理化促進法の中に船舶を入れるという見地から審議を進めて参りたいと思います。仮にそれがいかん場合においては、爾後当委員会としての意見をまとめて参りまするが、いずれにしても三十万トン建造するということは政府の声明した限度でありまするから、而も見返資金は只今申上げた通り、又市中の金融も御承知の通り。でありまするから、何らかの方法において残余の資金、これは結局自己資金でありまするが、これを作ることに対して運輸省とされては勿論只今の言明で確信はおありのようでありまするが、是非その点いわゆる計画に終らないように一つお願いいたしたいと思うのであります。これは今後当法案に対して大蔵省或いは通産省の政府当局の説明を求めた上で又質問いたしまするが、その他の委員におかれましても、折角運輸大臣が見えておりますから、御質問ありましたら……。
○小泉秀吉君 この問題については、今運輸大臣から明確な御意見の御発表があつたし、先般私が御質問を申上げました時分にも、ほぼ同様の御決意のほどを伺つたので、運輸省としての決意はすでに明らかであり、又今後もその線に沿うて閣議その他で御盡力下さることを確信して疑いありませんが、この法案は当委員会で審議するようにあらかじめできておらないわけで、御承知のように恐らく通産委員会にあるものと、或いは大蔵委員会かも知れませんし、はつきりいたしませんが、いずれにしても、この法案を主管して審議するところに我が運輸委員会も合同審査を申入れることを私は委員長においてお取計らいを一応願いたいと思います。その理由は、すでに委員長からも、又運輸大臣からもお話があつたような次第でありまして、通産省であれば通産大臣の御意見、或いは特に大蔵大臣の御意見というようなものが相当この法案の審議の上に有力な支柱とでも申しますか、になると私は信じますが故に、是非この運輸委員会は運輸委員会の立場から合同審査を一つ提案するようなふうにお計らいを願いたい。それと同時に運輸委員会が合同審査をするのに対して、運輸委員会としての成案をあらかじめして行くほうがよければ、そういう点において委員長が皆さんにお諮りを願つて、そうして皆さんの御意見を伺つて議をまとめるほうがよければ議をまとめて行き、運輸委員会としては、このまま大体筋書がわかつておるのだから、合同審査をすることがよければ、そういうことにおいて合同審査をして頂きたいといごうとをお願いいたします。
○委員長(山縣勝見君) 只今小泉委員の御発言がありましたが、先ほど申述べました通り、本法案に対しては通産委員会の議題になつておりまするので、できれば当委員会に大蔵大臣或いは通産大臣の出席を求めて、詳細に亘つて質疑を行いたいと思つてもおりまするけれども、他の予算委員会その他の関係で、或いは大臣が出席可能の場合が少ければ、只今小泉委員のお話のようなふうに合同委員会を求めて、そこで本法案に関して船舶を中心に質疑を各委員から行なつて頂くとか、こういつた方法も適当と思つておりまするが、或いはその前にもう少し、詳細な皆さんの質疑を当局に求められた上で合同委員会をいたすか。これらの点に対して御意見を承わつておきたいと思うのですが……。
○岡田信次君 この企業合理化促進法は衆議院で可決されてから、すでに大十日経過しておるのです。ですから事を運ぶのに、いずれにしても早急にこの案は御決定を願いたいと思います。
○委員長(山縣勝見君) その点に関しては参議院の通産委員会の委員長の名で、本法案に関しては六十日を経過しておるけれども、何らかの方法によつて衆議院の決定通り決定しないようなふうに要請されておると思つておるのですが、いずれにしても、そうゆつくりもできませんから、場合によつて合同委員会或いは場合によつて当委員会の決議を通産委員会のほうに持つて行く、このいずれかにいたしたいと思いますが、問題は、当委員会において独自に皆さんのお考えをまとめられた上で、一定のまとめた考えを以て合同審査に臨むか、或いはこの程度で合同審査に臨むか、そのいずれか方法をおきめ願つたらどうかと思うのですが。
○高田寛君 この問題は、法律の中に船舶建造関係も含むかということについては、運輸大臣初め運輸省当局の御熱意もわかつておるので、問題はやはり單に運輸省だけの問題ではなく、通産省とか、大蔵省という方面の問題が問題になる。従つてここで論議しているより、早く今小泉委員の提案されたように各同委員会に持つて行くほうがいいだろうと私は思います。
○小野哲君 合同委員会は私も結構だと思いますが、ちよつと伺いたいのですが、本委員会で合理化法案の内容について通産省等のほうから説明をお聞きになつたことがあつたのですか。
○委員長(山縣勝見君) まだ運輸省から説明を受けた程度であります。そうして合理化促進法案に関して、船舶に関する限り大体運輸省の説明で了承はできるわけです。ただ問題は入れるか入れぬかという問題です。それに関しては、運輸省は勿論入れる希望でしようけれども、問題は通産省或いは大蔵省の留保の関係であろう思います。その意味において内容そのものはまあ大した問題じやないので、要するに政令によつてそれを入れるか入れぬかという問題。それから船舶を入れるための理由とか、その必要手続は運輸省が一番よくわかつておるわけですから、それは一応当委員会においてもまとまつておれば、あとは税收入の関係とか、租税関係とか、その他いろいろな関係で、他の省の意向というものは非常に決定に重大な関係があるのであります。ただいま大蔵大臣を要求いたしておきましたが、他の委員会その他の関係で出席が現在のところ不可能であるので、代つて税制課長が見えておりますから、税制課長から一応の数字その他の説明を求めてもいいと思つておりますが、如何でしようか。
○小野哲君 若し議事の運営上そういう時間のゆとりがあるとすれば、一応伺つておいたほうが参考上いいと思います。
○委員長(山縣勝見君) ではその上で合同審査に移るか、或いは当委員会において審議を進めた上にいたしましようか。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山縣勝見君) それでは大蔵省の主税局の税制課長の泉君が見えておりますから、泉君から先ほど来論議いたしております企業合理化促進法案の中に、政令によつて船舶を入れまして、それによつて自己資金の蓄積を図るということを我々考えておるのですが、それに関してこの合理化促進法を制定された趣旨、又税收入の点、そういうような点からどういうふうに大蔵省が考えておるかどうか、説明を願いたいと思います。
○説明員(泉美之松君) 企業合理化促進法の趣旨につきましては、当委員会にすでに運輸省のほうから御説明があつたことと思いますが、同法案におきましては、いろいろの事柄が規定されておるのでございますが、特に税の面におきまして二つの手段をとることにしておるのでございます。一つは試験研究費につきまして、従来五年間の償却ということにいたしておりますものを三年間に償却するということでございます。もう一つは、急速に設備の近代化を必要とする業種の特定の機械設備等につきまして、取得の年に取得価格の半額まで一時に減価償却ができるということにする減価償却の特例であります。で、問題はその二番目の初年度五割償却することができる業種の中に海運業を指定して、その所有する船舶というものを指定設備にするかどうかということにかかつているのでございます。大蔵省といたしましては、運輸省御当局といろいろ今日まで折衝して参つているのでございますが、大蔵省の考えを申上げますと、海運業を企業合理化促進法案の第六條の規定による政令によつて指定し、船舶に初年度五割の償却を認めることはなかなかむずかしいのではないかというふうに考えているのでございます。その第一点は、企業合理化促進法案の趣旨といたしましては、我が国の産業の機械設備が一般的に陳腐化しているので、それを取替える必要があることはあるのでありますが、合理化促進法といたしましては、その中で特に陳腐化いたしておりまして、急速に取替えをする必要があるものにつきまして、その取替えを容易ならしめるために、償却の特別措置を認めるということにしているのでございますが、船舶の場合におきましては、設備の新規更新というよりも、どちらかと申しますと、むしろ船舶の船腹量の拡張にあるのであります。その点から行きますと、どうも合理化促進法案の趣旨からいたしまして、ややそぐわない点がある。これを例えて申しますと、工場の機械の一部を取替える趣旨のものでありますが、船舶の場合は、工場全体を新しく拡張して作るというような筋合になりますので、やや趣旨として如何かと考えられる点があるのであります。もう一点は、船舶につきまして、仮に初年度五割の償却を認めるということになりますと、昭和二十七年度におきまして、收益の関係で全部償却はできないかと思いますが、仮に若し現在適用を認められます船舶におきまして、全額償却いたしますならば八十一億円の減収になるのでございます。仮に全部やらないといたしましても、少くともその半額以上の減收になることは明らかであるのでございます。現在、昭和二十七年度予算としまして、租税及び印紙收入につきまして国会の御審議を願つているのでございますが、それについてそれほど多額の減収になる措置は当初予定いたしておりませんので、とりがたいように考えられるのであります。併し大蔵省といたしましては、この船舶の拡充ということによりまして、日本の海運業の振興を図るということが喫緊の必要になつております。又諸外国におきましても、いろいろ船舶に対しまして特別の措置を講じているようでございますので、企業合理化促進法案の指定業種としての特別償却はできないにいたしましても、すでに租税特別措置法におきまして、初年度及びその三年間五割増しの償却を認めておるのでございますから、その措置が更に一層有効になるように、例えば耐用年数の短縮を図る等の措置を講じて行きたいというふうに考えておるのでございます。これらの点につきまして、目下運輸省当局と折衝いたしておるような次第でございます。簡單でございますが、一応御説明いたします。
○委員長(山縣勝見君) 運輸省に聞きたいのでありまするが、今大蔵省の言明の中に、大体昭和二十七年度において全額償却を適用すれば八十一億、大体全額しなくても半額ということでありまするが、我々の考えているのは、昭和二十七年度において最小限度政府が言明いたしておる船腹の拡充をいたしたいということであります。そのために必要な自己資金を是非とも確保したいというのでありまするから、問題はそこから来ておるのであつて、いたらに減税そのものを目的としておるのではなくて、船腹の拡充ということを目的として自己資金の蓄積を我々は何とかしたいということなんです。その意味から言つて、運輸省は昭和二十七年度において最小限度三十万トンの船腹を拡充するについて、現在考えておる見返資金、市中金融、そういうことを想定した上で自己資金が幾らあればいいか、そのためには企業合理化促進法によつて幾らの減税があれば三十万トンという最小限度ができるか、その数字はどういうふうに見ておられるか、伺つておきたい。 ちよつと速記を止めて……。 〔速記中止〕
○委員長(山縣勝見君) 速記開始。時間もありませんので、泉君にお尋ねをいたしますが、先ほど御説明の中に、合理化促進の中に船腹を入れることについての難点二点を挙げられたのであります。第一点については、これは私は形式的にはさようなことは言えるかも知れんけれども、船舶そのものはやはり一つの設備であつて、必ずしも先ほどの御説のようなふうに解釈すべきでないと思うのですか。それから第二点につきましても、これは法律ができたから八十一億全部やるというわけじやないので、少くともこの政府が方針として船舶の拡充をやり、総理も施政演説で話をされ、又政策の根幹について責任を持つておる安本長官も三十万トンということを言明いたしております。さような見地からどうしても、而も見返資金は一応大蔵大臣が言明しておる。それからオーバー・ローンについても一定の方針がある。従つてどうしても自己資金を蓄積しなければないかんということになつて来れば、何ちかの方法によつて自己資金蓄積の方途を国家として考えなくちやならん。その一番手近な、又一番現在とつて然るべき措置がこの合理化促進法ということでありますから、余り形式的なことを言わないで、やはりこれは合理化促進法で自己資金蓄積の方途を考えるべきだと思うのです。まあそれはそれとして、最後にお話の大蔵省としては船舶の拡充に対してはこれは当然必要であると考えられておる。又渉外局においてもいろいろの実例がある。従つて耐用年数の短縮によつてその実効を期したいというお話でありまするが、先ほど来申しておりまする通り、問題は形式にあらずして目的でありまして、どうしても三十万トン最小限度造らなければならん。これは政府の言明いたしたところであるから……。なお政府の言明の如何にかかわらず、国家として達成しなければならん目標であるから、如何なる方法であろうとも、自己資金の点において三十万トンが建造できるという額でないと、單に耐用年数を二、三年減しただけで、それで事足れりとしているが、それはただ大蔵省だけのことであつて、国家としては三十万トン最小限度建造できる自己資金蓄積の方途を講じなくちやいかん。そういう点から見ると、私は今大蔵大臣が衆議院の運輸委員会で言明いたしたこと、これは非公式でありますけれども、聞いたのは、耐用年数を二、三年短縮するということでありますが、それはただ形式だけ減したというだけであつて、目的は法の末節を触るにあらずして、一番大事なことは船舶建造ということでありますから、その点に対してどういうふうにお考えになつているか、我々はまだ耐用年数の短縮によつてこの問題を解決すべきであるとの結論に当委員会は達しておりませんが、仮に一歩讓つて耐用年数の短縮によつてこの自己資金蓄積の目的を達するという場合において、大蔵省は今どういうように、どの程度のものを考えておられるか。これは少し飛んだ話になりまするけれども、一応その場合においてはどういうような額、どの程度を考えられておるか、お聞きしたいと思います。
○説明員(泉美之松君) 私は船舶の建造のほうにつきまして余り知識がございませんので、三十万トンを必ず造らなければならん情勢かどうかについては、私として意見を申上げることはできません。ただ三十万トンを造るために見返資金なり、或いは市中銀行の借入で賄えない部分を全部税で解決してくれとおつしやられますと、それは必ずしも全部税で解決することは困難ではないかと考えます。やはり増資或いは社債というようなものの増加或いは收入の増加によつて税を拂つた後の所得の中から使用されなければならん分もあろうと思います。従いまして、そういつた数字につきまして、いろいろ検討いたしませんと、耐用年数などを短くすることによつて、どの程度償却することが適当であるかどうかということは判定いたしかねると思いまするので、それらの点につきましては、なお研究いたしたいと考えております。ただ先ほど海運局長からおつしやいましたが、二十六年度におきまして二十一億円、二十七年度におきまして二十八億円の減収になるというお話でございますが、これは何か誤解ではないかと思うのでございます。二十六年度というお話の分は、我々の計算によりますと、二十七年度の減収になるのでございます。これは合理化促進法の規定によりまして、二十六年の四月以降終了する事業年度から特別措置法を適用するのでございますが、すでに終了いたしました事業年度につきましては、合理化促進法の規定が施行されました後に終了する事業年度におきまして、前の事業年度におきまして特別償却をやつたならば、償却し得べかりし金額というものを償却範囲額の中に入れまして償却を行うということにいたしておりますので、本年の、二十七年の三月三十一日までに終りまする事業年度において本当ならば償却し得べかりし金額、或いは二十六年九月三十日に終る事業年度におきまして償却し得べかりし金額というものは、結局二十七年度の租税收入の減収となつて現われて参りますので、それらを併せまして、従つて二十七年度におきまして、運輸省の計算におかれましても四十九億の減収になるということになるのであります。
○委員長(山縣勝見君) 他の委員も御質問がありますので、私の質問はこの程度にいたしますが、又本日は大蔵大臣に御質問申上げたいと思つておりましたので、あえて論議を重ねませんが、ただ今お話の中で、我々は新造計画に当つて税收入或いは租税のみに頼つて新造の資金を求めるということは毛頭考えていないのでありまして、この点は誤解のないようにして頂きたいと思います。先ほど運輸当局の御説明の中にも大体百三億足りない。この百三億を国家も民間業者も国家目的のためにおのおのできる範囲でやつて行こうというのでありますから、百三億全部を税制その他によつて賄つて行こうとは毛頭考えておりません。ただ従来運輸当局からの説明によつても、少くとも二、三十億程度のものを、この百億内外のうちで少くとも二、三十億或いは四十億何がしになるかも知れませんが、大体二、三十億程度を租税制度によつて賄つて、そうしてその目的を達しようというのでありますから……。これは御承知の通り耐用年数二十年というような船腹の耐用年数を持つているのは世界広しといえども日本だけであつて、大抵二年又は三年、多くて五年、戰後においてはその年に全額償却するところが多いのであります。だからその点は誤解のないようにして頂きたいと思います。折角税制課長が見えておりますから、他の委員のかたで御質疑がございましたら……。ありませんか。
○小野哲君 大体泉君から一応お話を伺つて大蔵省としての見解は聞いたわけなんですが、ただ勿論合理化促進法案の技術的な点についても、読んで見るといろいろと疑義があるのですが、根本的には委員長から指摘されたように、三十万総トンの政府の建造計画というものを二十七年度において実現するということを目標としていろいろな施策をやつて行かなければならないのですが、ただいろいろと技術的な質問があるのですが、これは通産省関係にも問題があると思うので、議事の運営の都合で適当な機会に、或いは合同委員会等で質疑の時間があれば、その機会に讓つてもいいかと思います。
○委員長(山縣勝見君) そういたしましようか。今日は大体他の打合せで三時十分くらいまでにこの委員会を終りたいということでありますから、小野君の今の御発言の機会を作るようなふうに今後いたしましようか。併し泉君が折角見えておりますから、現在泉君に対して御質疑がありましたら、この機会にやつて頂きたいと思います。なければ、泉君に対する質問はこの程度にいたしますが、ほかにございませんか……。それでは泉君どうも有難うございました。いずれ又……。運輸省に対して本法案に関連して御質疑はございませんか。
○小野哲君 ちよつと船舶の問題に関連して運輸大臣の御所見を伺つておきたいと思うのですが、この法律案の中には運輸業という言葉も使われておるのですが、海運業のほかに、運輸省が御所管の通運事業とか、或いは倉庫業とか、或いは港湾運送業というふうな点についてどんなふうにお考えになつておりますか、伺いたいと思います。
○政府委員(岡田修一君) 運輸省関係では企業合理化促進法の対象といたしまして車両工業、それから造船工業があります。もう一つ、私どものほうで希望して、今のところむずかしいものは、その只今問題となつておりまする新造船と、それから港湾荷役機械設備でございます。
○委員長(山縣勝見君) 他に本件に関して御質疑がなければ、本法案の取扱い方について御相談申上げたいと思いますが、如何でしようか。もう一度本法案に関して質疑をいたしますか、或いは通産委員会の審議の模様も見極めて、合同委員会を申入れることについては委員長において計らうことにいたしますか、如何いたしましようか。
○片岡文重君 先ほどの委員長からのお計らいで、大体私は合同委員会を持たれるものという前提に立つて質問申上げておりますが、ダブつても時間の不経済ですから、一応合同委員会を持たれるような方向に進めて頂いて、特に先ほど岡田先生からも御指摘があつたように、これは前国会から持込まれたものでありますから、早期にあげるように努力するということで、一応今日はこの程度で、合同委員会に讓りましたらどうでしようか。
○委員長(山縣勝見君) 只今片岡君の御発言がありましたが、如何でしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山縣勝見君) それでは本件に関しましては、通産委員会に合同審議を求めます措置をいたしますか等につきましては、委員長に御一任願つて、さようなふうに取計らいたいと思いますが、よろしうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山縣勝見君) それではさように決定いたします。本日は三時十分までに終りたいと思うのでありますが、運輸大臣はどうしても出席を求められております会がありますから……。 —————————————
○委員長(山縣勝見君) 次に昭和二十七年度運輸省関係予算及び日本国有鉄道予算に関する件を議題といたします。
○前之園喜一郎君 運輸大臣に対する私の質問通告は大小取混ぜて非常に多いのです。簡單はなかなか済まんと思いますが、それじやまあ基本的なものを一、二今日質問いたします。 その前に、中央気象台のかたが見えておるそうですが、小さい問題でありますけれども、これから一つお尋ねしたいと思います。昭和二十七年度運輸省所管の予算の気象官署に関する問題であります。これは鹿兒島地方気象台新設の予算として三百二十二万円を計上しておるということに関する質問でありますが、鹿兒島の測候所を地方気象台に昇格せしむることについては、本委員会においては特に非常なる御助力を賜わりまして、又運輸省関係においてもいろいろと御心配を頂いておるのでありますが、特に鹿兒島測候所長の前の生沼君がこの問題に関して非常に寝食を忘れて熱心にやつておつたのですが、現地の実情によく通じておる生沼君の非常な熱望をここにかなえられたわけでありますが、私は同君に対して深く敬意を表するのであります。ただここに計上されておりまする三百二十二万円という費用はどういうふうに使われるものであるか。私どもの要望いたしました額に比しまして非常に少い、この鹿兒島測候所の地方気象台昇格の問題は單に鹿兒島の問題でないと思います。日本の問題であります。御承知のようにルース台風の被害でも、これを細かく計算いたしますると、恐らく千億を超えるものであろうと思うのであります。若し私どもの要望がもつと早く認められておりまするならば、恐らくこういう大きな被害を出さなくて、或る点相当にこれを抑えることができたのではないかということも前回においても申上げたのであります。この三百二十二万円をどういうふうにお使いになつて、地方気象台としての機能を発揮なさるおつもりであるか。前の運輸大臣には私は申上げておいたのでありますが、例えばルース台風のあの問題にいたしましても、二時間前に十メートルの突風で高潮があるというようなこと、或いは六十数メートルの台風が上陸するということがわかつておつたが、これを一般に知らせる方法がなかつたために遂に皆がここに大きな被害を受けたというようなこともあるのであります。そういうような通信杜絶等に対する場合の便宜な措置、これについても相当にお考え願いたいということを私は申上げて置いた。そういうようなものもこの中に織込まれておるのかどうか。又これは極く一部分であるが、近い将来において更に予算もとつて十分に施設その他拡充をされるという御予定で、暫定的にこれだけの予算をおとりになつたものかどうかということを、先ず運輸大臣から極く簡單に御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(村上義一君) 工事方式及びその計画につきましては、気象台の当事者から一つ説明をお聞き取り願いたいと思います。
○説明員(北村純一君) 鹿児島の地方気象台の昇格の件に関しましては、現地の要望も多年ございましたし、私どもも長年その必要を認めまして、これまで苦心して参りましたが、二十七年度に当つて初めて計上して頂くことができまして非常に喜んでおる次第であります。つきましては、三百二十二万円の金額は非常に少いというふうな御心配もございましたが、従前から鹿児島の測候所につきましては、測候所の機構のままでも、若干のでき得る限りの機構は整備して参りましたので、これを地方気象台に整備するにつきまして必要な点は、主として予報に当るべき人間と、それに伴う経費というふうな点であつたのであります。理想的に考えますと、いろいろな厖大な人間も考えられるのでありますが、当初我々が考えておりましたものは、大体約二十九名前後の人間をこれに補給いたしましたら、地方気象台として先ず必要な機能を果し得るものと、こういうように考えてやつて参りました。ただ御承知の通り、財政上非常に困難なときでございまして、なかなかその要求を通すことができなかつたのでございますが、今年度ここに十五名の人員と、それに伴うところの経費三百二十二万円、これは主として人件費でございます。それが通過したわけでございます。従いましてこれからこの予算を直接使いますことは、台風の予報に必要なるところの人間を強化いたしまして、その機能を充実するという点に盡きると思います。なおその人間、台風の予報を強化いたしまするにつきましては、直接の予報作業員以外に、これに附随いたしますところの特殊な鹿兒島地方の気象條件を研究、調査する要員があれば非常に結構だと思つたのでありますが、その人間は人件費の、財政の都合でその要求を現在は見送らざるを得ないような情勢になつております。一応この人間で実行いたしまして、その結果なお将来において大きな欠陥を生ずるということがございますれば、その点につきましては、更にそういう方面の充実につきまして努力いたしたいと思います。なおこの十五名という人員が出ましたのも、この予算の中に計上してあります統計事務の機械化といつた事務の合理化の面で出て来るところの若干の減員というものも推定いたしましてそれを当てたような次第でございますので、将来の対策というふうなものも同様に気象業務全般の業務運営の合理化というふうなところから、それを求めて行きたいと、こういうふうに考えております。ルース台風につきましては、非常に大きな被害がございまして、特に鹿兒島地方におきまして警報の伝達が円滑を欠いたというふうな若干の事実があるようでございますが、これに対しましては昨年の七月でございましたか、閣議了解を頂きました線で強力な行政措置を警報伝達につきまして講じておつたのでございますが、その線についても十分な効果が上つていなかつた点もあつたかと思われますので、この点の辺につきましては、なお現地並びに中央で関係の向とそれぞれ対策について相談したいと思います。抜本的な対策といたしまして、現在気象台で気象法の起案をやつておりますので、この中に法的措置によりまして、こういつた台風の襲来に対する警報伝達、それに伴う措置につきましての規定をその中に織り込むようなことでやつて行く、こういうふうに存じまして、できましたならば、今議会に提案して御審議を頂きたい。こんなふうに考えておる次第でございます、御了承願います。
○前之園喜一郎君 この問題についてはなおいろいろお伺いしたいことがありますが、時間の関係で一応中止いたしておきます。 次にお尋ね申上げたいことは、この日本国有鉄道の予算説明の申にありまする輸送計画、これは先般申上げておきましたが、この輸送計画は鉄道のことだけが謳つてある、その他のものは謳つていないようでありますが、国鉄で経営いたしておりまするバスについての根本的な問題について運輸大臣の御所見を承わつておきたいと思うのであります。それは大体現在バスの経営というものはどうなつておるのかという点、黒字であるのか、赤字であるのかという点、細かい数字の問題についてはあとで書面でお出しを願つて結構ですが、先ずそれをお伺いしたいと思います。それからこのバスの経営につきましては、戰後民営との間にいろいろの問題も起つておるようでありますが、最近において非常にこれは全国的な問題になつているようであります。例えば民営のバスをやつているところに国鉄のバスの営業申請が出て摩擦を生じているものや、或いは又一つの民営がやつているのに他の民営が割り込もうとしたり、或いは又国鉄でやつているのに民営がそこに割り込んで行こうとしているようなものもあるようであります。従来の私どもの本委員会における方針といたしましては、私ども考えておりましたことは、やはりこういうバスの営業のごときものは、すでに営業を開始しているものに対して更に新らしい営業を許すということでなく、むしろそれを強化し、民衆の便益に備えるという方向に行くことがいいのではないかというような考え方、いわゆる一つの既設の営業を圧迫するようなものの考え方はいかないのではないかというような方針で考えられて来ておつたように思うのであります。これは運輸省においても、国鉄においても同様であろうと思うのでありますが、この根本方針がきまつておらないと、将来においても、いろいろな摩擦が出るだろうと思う。運輸省或いは国鉄としては、すでに国鉄がやつているものに、民間の営業をお許しになるというような方針なのか、或いは又民営がやつているものに対して、国鉄その他が割込んで行くということも場合によつてはお認めになるのかどうか、そういうような場合、若し現在の営業が非常に設備が惡い、度数が足らない、車が惡いという面があるならば、これを強化せられてそうして民衆の要望に応えるようなふうに指導監督をせられるという方針であるのかどうか、根本方針というものははつきりしていないようであります。それで殆んどバスの問題について全国的に大きな問題を投げかけている実情でありますが、そういう点について運輸大臣の一つはつきりした御意見を承わりたいと思うのであります。 それからう一つは、この前も申上げましたが、市営バス、自分の市でバスを経営しているところに、他の民営のバスをやつているところ、或いは又許しているところがあるのであります。私どもの気持といたしましては市で自分のところに市の市営バスをやつている場合には、他のものの営業を許すということは非常によくないのじやないか、外部から乗入れるところの、市内に乗入れるバスはこれはよろしい、市営バスを許すというようなことはよくないのじやないかというように考えているのでありますが、これらに対しましても運輸省或いは国鉄が基本的な御方針をはつきりとおきめになることが必要じやないかと思うのであります。このバス問題は、国鉄が非常に鉄道の面においても民間のバスに蚕食されている、経営困難を来たしているというような面もあるのであります。そういうような営業上の立場からもいろいろと御苦心をなさつていることと思うのでありますが、併し根本方針がはつきりすると、その方針に従つて国鉄も、或いは民営も動いて行くわけであります。この点を一つ造詣の深い、又私どもの信頼する運輸大臣から根本的なお考えをお聞かせ願いたいと存ずる次第であります。
○国務大臣(村上義一君) 只今お話の既存業がある場合、それは国鉄たると民営たるとを問わず、既存業のある場合に、第二の申請を受けた場合、大体において今お話になりました御趣旨によつているのであります。なお国鉄バスに関する運輸省の根本的な考え方という御質問が最初ありましたが、この点から申述べたいと思うのであります。国鉄バスは日本国有鉄道法に規定されておりまする通りに、国有鉄道に関連するものに限られているのであります。これを要約しますれば、国鉄線の先行、或いは代行、短絡若しくは培養ということに相成ると思うのであります。具体的に国鉄バスの申請がありました場合には、この性格に該当するか否かを先ず以て審査いたす次第でありまして、該当する場合には、他の要件について更に支障がないかどうかを検討して、支障がなければ免許するという方針をとつております。この場合にありましても、その路線の全部或いは大部分につきまして、すでに民営業者が経営しておるという場合には特に慎重に取扱わねばならんことは勿論であります。先ずその民営業者が現在の資材、燃料等の情勢下におきまして可能であり、且つその交通需要という点から見ましても適当であると認められるサービスを民営業者が提供して、そうして利用者に一応の満足を與えておるかどうか、仮に十分なサービスでないとしましても、只今お話のごとく、行政指導等によりまして、今後できる限り急速に改善の見込が立つと言えば、これは民営業者を育成して行かなければならんと思うのであります。要するにこの改善の見込があるかどうかということを十分調査しまして、先ず一応のレベルに達しておる、達し得るものだという見込があると考えられまするときは、国鉄バスの申請がありましても、これは認めることができないと思うのであります。既存の民営業者を十分に監督をし、事業の改善に努力させるということによつて、地方民なり、利用者の需要を充足さして行けば、それが最もいいんだと考えておるのであります。こういうような調査によりましても、民営業者が到底事業の改善の見込がない、誠意がない、或いは回数の点におきまして、或いは車両の点におきましても、これらを地方の需要者の輿望に副うように事業の改善に努めてやつてくれるということでなければ困ると思うのであります。で、そういうふうに事業の改善に、又一方から申しますと、改善に努めてくれる。交通需要が併しその場所で非常に多い、相当既存の民営業者が改善に努めても、なお且つ一業者だけでは運びきれん、まあ大都市近傍にそういう個所があるのであります。そういうふうで到底需要を満し得ないというような場合に初めて新規の出願者に許す。それは国鉄たると民営たるとを問わずに処理せんならんと思つております。国鉄バスと民営バスとが競合する路線につきましては、道路運送法で民営バスのみならず、国鉄バスにつきましても、運転系統でありますとか、運転回数とか、或いは運賃とかいうようなものを大臣の認可事項として、この両業者を平等に監督することになつております。決して不当な競争を生ずるようなことのないように取締りつつあるという次第であります。要は国鉄バスの進出をどんどん認めて、民営を圧迫するというような考えは毛頭持つておらないのであります。その点御了承置き願いたいと思います。なお市営バスの点についてはお話でありましたが、これも一概に一つの基準を以て律することはできないと思うのであります。大都市と、そうして然らざる市政を布いておるところと相当考え方が違うと思うのであります。特に大都市近郊に衛星都市を持つているようなところでは、そうして現状が大都市の入口まで郊外のバスが来ており、その市の経営しておるバスは要するに市の領域に限られておるというような場合には、衛星都市から市のセンターに通勤されるのに、必ず市の境界線で乗換を要するということに相成りまするので、こういう場合には是非とも郊外バスと市バスが相互乗入れをし合うということにして、利用者の時間と便益とを増すようにして行くべきだと考えております。勿論そう考えましても、その都市都市の特殊事情もありますので、せいぜい市の理事者又は当該バスの経営者お互いに墾談をし合つて、円満裡に相互の乗入れをできるように、利用者の便益を増進するように慫慂するという方法を講じている次第であります。併し市民が大体市内に居住しておられるということで、郊外との連絡が比較的少いというような市におきましては、お説の通りその市に市の経営するバスがありますならば、それだけで大体事足るのじやないか、こういうふうに考えておる次第であります。要は乗客の利便ということに重点を置いてなお諸般の事情をそこに勘案して結論を出さんならんと、こう考えておる次第であります。
○委員長(山縣勝見君) 大臣はちよつと時間の都合で退席されるようですが。
○前之園喜一郎君 それではこれで保留しておきましよう。バスの問題は大問題だと思うのでありますので、又次回に……。
○委員長(山縣勝見君) それでは今日はこれで委員会を閉じたいと思います。散会いたします。 午後三時九分散会