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13回国会参議院1951/12/15

運輸委員会 第1号

発言数
10
登壇者
4
会派数
1
開催日
1951/12/15

会議録

山縣勝見自由党

○委員長(山縣勝見君) それではこれから本日の委員会を開会いたします。  一般運輸事情に関する調査についてお諮りいたしますが、本件に関しましては、閉会中に継続調査をいたしましたが、その期間が短時日でありましたために、調査の実も十分でなかつたのでありますが、本院規則の第五十五条によりまして、報告書を提出することに相成つておりまするが、その案文等は委員長に御一任を願いまして、提出いたしたいと考えまするが、如何でございまするか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山縣勝見自由党

○委員長(山縣勝見君) 御異議ないと認めて、さように決定いたします。  なお委員長の提出いたしまする報告書には多数意見者の署名を附することになつておりまするので、例によりまして、御署名をお願いいたします。   多数意見者署名    前田  穰   植竹 春彦    内村 清次   小酒井義男    高木 正夫  前之園喜一郎

山縣勝見自由党

○委員長(山縣勝見君) 次に一般運輸事情に関する調査中、航空事業の現況に関する件を議題といたします。政府の御説明を願います。粟沢次長。

粟沢一男航空庁次長

○政府委員(粟沢一男君) 御指名によりまして、航空関係の最近の状況を御説明申上げます。  先般航空運送事業に関しまする制限が一部緩和されまして、日本航空会社が設立されて、現在国内の民間航空に従事しておりますことは御承知の通りであります。最近の実績を申上げたいと思います。現在使用機は、ダグラスのBC4一機、マーチンの三十六人乗りを三機、合計四機で操業しております。いずれもその機体はアメリカのノースウエスト会社の飛行機でございまして、操縦者もアメリカ人が乗つております。この四機の飛行機を以ちまして、只今東京、札幌間毎日一往復、大阪、福岡間毎日一往復、東京、大阪間は毎日四往復というスケジユールを組んで計画しております。十一月分の輸送実績といたしましては、全般的な運航率が大体九〇%をやや上廻つております。但しこれは実際の運航率を見たのでございまして、最初の計画に対比いたしますると七一%という数字になつております。実際の旅客数は、東京、札幌間十一月一ぱいで二千六百三十二名、大阪、福岡間は千九百五十一名、東京、大阪間が五千三百八十五名、合計九千九百六十八名の旅客を輸送いたしております。この利用率が、旅客マイル数の計算で行きまして七六%になります。それから貨物のほうでございますが、これは十一月の実績五千百九十八キロ、これは予定計画の九千キロに比しまして半数ちよつと超えるという程度になつております。それから郵便物のほうは予定が二方六千キロに対しまして、約半量の一万三千八百八十二キロという実績でございます。なお運行率は十一月は割合によかつたのでございます。十二月に入りまして、機体の故障その他によりまして約六五%の実績に落ちております。これは但し一日から七日までの実績でございまして、八日以後は相当に成績を挙げております。なお特に十二月七日までの、只今も申上げましたような非常な三五%を上廻るような欠航を見ておるということは、飛行機の整備が甚た現在のところ不十分でございまして、機体もノース・ウエストの機体を使つております関係上、その整備は全くノース・ウエストの整備陣に依存しておるわけであります。これが部品の不足或いはエンジンの不調、整備要員の不足等によりまして、現在のような不十分な整備をしなければならん結果を来たしておるのでございます。これはノースといたしましても責任を感じておりまして、只今相当の部品或いはエンジンの交換品等を輸出許可をとりまして輸送中のものもございます。なお買付けて輸出許可をとる手続を進めておるものもございます。整備員も若干増派するという約束をいたしておりまして、遅くも来年一周までには大体整備としては十分な人員を確保できるという約束はとつてございます。航空庁といたしましても、只今の実績甚だ不本意でございます。できるだけ早くそういう態勢を整えさせまして、十分な実績を挙げさしたいと存じておる次第でございます。ただ如何せん、特にそういう制限のありまする運航方法でございます。又日本といたしましては、終戦後暫らく行わなかつた民間航空が再開されたばかりでございますので、当分の間はむしろ機体その他に整備不十分なものがありました場合には、大事をとりまして相当の安全率を見込まなければ飛ばないというほうがむしろいいのではないかというふうに考えておりますので、かように欠航率が多いようになつておるのであります。なお先ほど申上げました北は札幌駅、西は福岡駅という線につきましても、途中名古屋とか岩国、或いは最近三沢というような問題も出て参りました。これらの途中の飛行場に寄航するという点についても現在考えてございます。なお来年度といたしましては、更に新らしい線といたしまして、四国を廻つて九州に入る線或いは鹿児島方面へ福岡から延長する線、或いは長崎へ延長する線というようなものも早急実施いたしたいと思いまして、予算に計上要求いたしております。そういう点につきましては、十分御審議を頂くと共に御協力をお願いいたしたいと思います。特に民間航空の延長に予算を必要といたしますので、御承知のように飛行場が相当戦後荒廃しておる、或いは滑走路が現在の飛行機に使うためには短いといつたようなものもございます。飛行場の整備が必要である。更に航空保安施設も現在不十分である。航空通信の関係につきましても現在非常に不満足な状態でございますので、それらを整備して、初めて安全な航空ができるということになりますので、相当な予算額を要するわけでございます。次に最近平和条約の調印が終りまして、近いうちに講和条約が発効になるという状況になつております。これに関連しまして、平和条約では、第十三条の規定によりまして、日本は講和発効後直ちに現在締約各国に与えておる便宜をそのまま続けて与えなければならん。又国際民間航空条約という条約がございます。これに至急に加入するということを声明いたしております。又加入前にも、この民間航空条約或いはその附属書に規定せられました事項につきましては、条約上の遵守の義務があるというふうな状況になつております。現在の日本の国内法制では、その要求を直ちに満たすことができないのでございまして、私どもといたしましては、これに対応すべく現在航空法というものを新たに制定する必要を痛感いたしまして、現在これが草案の準備をいたしております。  この航空法草案につきまして若干申上げたいと存じます。私どもの見込といたしましては、本国会に提出いたし得るように事務的の手続を進めまして、どうしてもこの国会には御審議を頂き、決定を見ませんと、講和条約発効後直ちに実施しなければならん義務に対応できない。こういうように考えておりますので、只今法務府に持込みまして条文の整備を願つております。できるだけ早い機会に国会のほうにも提出いたしたいと思つておるのでございます。その内容といたしましては、大体先ず航空機の国籍を決定いたしまする登録についての規定をいたさなければならないのでございます。これは皆さんも船舶について御承知のように、航空機の国籍という問題につきましては、船舶の国籍について出ておりますと同様な問題が航空機にもございます。その国籍を定めるために必要な事項でございます。その次には、航空機が実際に安全に航空いたしますためには、堪航性と申しますか、航空機の耐空性ということにつきまして十二分の検査或いは証明を経たものでないと、危険でありますということも大体船舶について考えられると同様、或いはそれ以上でございまして、その点につきまして国際条約、或いは附属書に相当綿密な規定がされておるのであります。航空法につきましても、そういう点につきまして、航空庁において十分な検査をし、証明を与えたものでなければ、これが航空の用に供することができないと規定いたしたいと存じておる次第でございます。なおそれにつきまして、特に航空機はアメリカにおきましてはマス・プロを行なつております。一定の形式の証明を受けたものは……生産する施設の検査を受けまして、この証明を受けましたものは、個個の製造検査を省略して、直ちに耐空証明を受けることができるというふうな規定の仕方をアメリカの航空法にはしております。現在の日本の状態におきまして直ちにマス・プロを考えるということはやや行き過ぎるという御意見もございましようが、航空機の生産というふうな点から申しますれば、確かに一定の形式を持つたものを、一定の条件を備えた生産施設で生産される場合には、その技術陣或いはその素材或いは設備に十分の信用がおけるものでありますならば、一々の製造検査をいたさなくても十分足りるということは言えるのでございまして、日本におきましても、大体その形式の証明方法をとりたいというふうに考えております。  それから次には航空従事員、操縦者、その他の従事員の問題でございます。これにつきましても相当程度の試験、養成その他のことを考え、免状を発行いたしまして、おのおのその等級に従つて従事し得る任務をきめて行きたいというふうに考えております。  それから飛行機が飛びますには、やはり相当の航空保安施設を完備しなければならないということは考えられるのでございます。飛行場、その他航空保安施設につきましても、国際条約にも相当の規律がございますので、それにできるだけ適合するような航空保安施設の整備をいたすように規定いたしたいと考えておるのでございます。なおそれに伴いまして、航空機が実際運航する場合に、殆んど視野のきかないような状況においても、最近の飛行機は飛んでおるのでございます。又夜間飛行ということも殆んど通常と申しますか、むしろ夜間飛行が、二十四時間飛行が原則のような状況になつております。それに伴いまして航空路における航空機の交通、そういう点につきましても十分の規定を設けてこれを行うようにいたしたいと思つております。なお又、実際その航空機を飛ばして運送事業を行う事業者、或いは航空機を使用して写真測量その他の事業を行うものに対しての必要な規定を設けたいと思つております。  大体主な航空法の内容といたしましては、以上申上げましたような事項でございます。私どもといたしまして、特に講和条約発効と同時に、これを施行しなければならないというふうな時間的な制限がございますので、大急ぎで現在やつておるのでございます。成るべく内容につきまして広く官民の有識者或いは航空関係につきまして十分の御経験を持つておられる先輩がたにも、この内容につきまして御検討頂きたいと存じまして、先般航空法制定に関する審議会を設けまして、これによつて相当深く突込んで御審議を頂いたわけであります。その審議会におきまして、いろいろ条文につきましてお話がございました。なお最後に御答申になりました全般的な総合意見というものを出されましたので、そのプリントをお手許にお配りいたしたいと思いますので、御覧願いたいと存じます。この内容といたしましては、要するに日本の航空輸送事業は現在非常に初期であるという点から見ても、或いは又各国の例から見ましても、十分な保護育成を与えなければこれを振興することができない、その保護育成についてはいろいろな、こういう点を考えてもらいたいというふうな御意見、或いは航空行政を行う点につきまして非常に民間、その他にも権利義務等の錯綜した問題もあり、とかく漠然的になり易い航空行政というものを、是非民主化する方法を考えてもらいたい、或いは又、国内のみならず国際関係につきましても航空路というものをどんどん開発しなければいかんのだ、そういう点について十分努力するように要望し、或いは現在の航空保安施設、或いは航空機の試験検査の施設、航空機乗員の養成施設等についても現在は殆んど不十分というか、ものによりましては皆無であるという状況から見て、十分こういうものを政府において整備しなければ将来の日本の航空というものは発達しないという点を指摘せられまして、政府側の努力を要請された、そういう状況でございます。私どもといたしましても、できる限りこれらの御要望に副いまして十分努力して、将来の民間航空の発達並びに航空の安全確保という点に努力いたしたいと考えておる次第でございます。簡単でございますが、以上御報告申上げます。

山縣勝見自由党

○委員長(山縣勝見君) 何か本件に対して御質疑ございませんか。……御質疑がなければ、引続いて陸運事業の現況に関する件を議題といたします。特に国鉄運賃改正後の輸送状況並びに年末における輸送状況について御説明願いたい。

足羽則文運輸省鉄道監督局長

○政府委員(足羽則文君) 最近の陸運事情を御説明申上げますが、その前に実は資料をお手許にお配りをして説明を申上げるのが一番いいかと思いましたが、その余裕もございませんでしたので、多少おわかりにくいかと思いますがお聞取りを願いたい、かように考える次第でございます。  運賃改正後の影響について申上げたいと思うのでございますが、十一月の運賃改正後実はまだ一カ月も……、短時日でございますので、まだはつきりした情勢をつかむというまでにはまだ少し時日が足らないようでありますので、その点はつきりした情勢を申上げかねるのでございますが、大体十一月の成績について極く概観を申上げたいと思います。大体運賃改正で値上げがございますと、その後は比較的輸送の成績は低下をいたします。そこで旅客と貨物と双方に亘りましてこれを概観いたしますと、いずれも比較的低調と申しますか鈍調でございます。旅客輸送はそのほかに農繁期の影響もありまして伸びない数字が出ているのではないか、こういうふうに考えられます。貨物につきましては、十一月はいろいろ収穫期を控えて従来相当輸送が伸びる傾向があるようでありますが、それが通例でございますが、併し先ほど申上げました運賃改正の影響等もあつたと思いますが、それも一つの原因となつて鈍調であつた。なおそのほか石炭、電力事情が悪い、殊に炭労ストの影響なども相当影響をして、輸送事情が比較的伸びなかつたのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。個々の数字について或いはお聞取りにくいかも知れませんが、御説明申上げますと、旅客につきましては先ず定期外の旅客の動きでございますが十一月の月間一日平均は三百二十万一千人でございまして、これは昨年の十一月に比べますと六%の減でございます。今年の四月以降十月までの動きを見てみますと、丁度昨年の四月から十月までの旅客に比べて自然増が四・九%でございます。従つて四・九%そのままの姿を考慮いたしまして考えて見ますと、結局一一%くらい昨年の同月に比べると減つた、こういうふうに見られるのではないか。これは先ほど申しましたような運賃改正がありましたので、その影響が相当強い、こういうふうに考えております。収入の点で見ますと、一人の平均の運賃が五十四円八十三銭でございまして、四月以降十月までの平均運賃が四十三円七十七銭でございますので、約二五%の増、収入面から申上げますれば大体順調かと思うのでありますが、利用者面では先ほど申上げたような減でございます。定期の旅客につきましては先月中に値上げを見越しての定期券の先買があつたのでございましようか、乗車人員では対前年同月から一三・二%増でございましたが、収入では七・四%増にとどまつている。これは先買の関係かと、こういうふうに考えております。貨物関係では小口扱いでは一日平均七千三百九十三トンで、対前年三%の増でございますが、先ほど申上げましたような自然増を考慮するという見方で、四月から十月までの自然増を考えながら調整をして見ますと二五%余の減少でございます。大体一トン平均の運賃につきましては三割増しになつております。更に車扱いは上旬の一日平均三十三万トン、中旬が三十六万四千トン、下旬が三十六万八千トンと、こう漸増いたしまして月間の一日平均では三十五万六千トン、これは対年同月の一一%増でございます。大体先ほどと同じような自然増を考慮して調整して見ますと、一四%の減になります。中旬以降は大体平常に帰つていると、こう考えられますが、上旬の減少は炭労ストの影響が非常にあつた、こういうふうに考えておるのでございます。一トン平均の運賃につきましては五百九十一円九十七銭で対前年同月と比べますと二七%増、本年四月以降十月までの平均運賃に対しましては三一%の増となりまして、これも旅客と同様大体順調と、こう言えるのではないか、こういうふうに考えております。  以上が大体この運賃値上げ後の収入或いは輸送の面の大体の姿でございますが、なお在貨と、それからどういうふうに輸送がされたかという一日の発送、こういう面を中心にいたしましての御説明を申上げたいと思うのでございますが、大体この十一月の中旬までは二百万トン乃至二百十万トン台の在貨を上下しております。即ち十月の下句末百九十六万七千トン、中旬末が二百十九万トン、十月の下旬末が二百二十四万六千トン、こういう数字でございまして、十一月の上旬は二百九万トン、それから中旬が二百六万トン、大体そういうふうな数字でございまして、十月三十日は一番最高で二百二十八万トン弱、大体最近では最高の在貨になつております。ところが十一月下旬になりまして、幾分この在貨が減少して参りまして十一月の下旬では百八十九万トン、十二月に入りましては百八十万トン台を割つた。こういうふうにだんだん少くなつております。この傾向は最近になつてやや持ち直しまして、この十三日現在では約二百万トンの在貨を持つおります。いろいろ事情を聞いて見ますと、今年の輸送の繁忙期というものはどうも十月が山であつて、その後在貨というものは横這いで比較的伸びが悪い、こういう観察が一般的のようでございまして、年末までの情勢の見通しはどうか、こういうことでございますが、これは年末を控えて多少殖えるのではないかというふうに見ておりますが、大体二百十万トン見当、大体現在の情勢からやや上廻つて、大体横這い、こういう情勢でこの年末を送るのではないか、こういうふうに観察されておるようでございます。以上在貨の説明を申上げたのでありますが、毎日の輸送の実績は大体どういうふうであるか、こういうことでございますが、これは十一月は千三百七十万トンを上廻りまして、計画より相当たくさん運んでおります。発送トン数、これを御説明申上げますと、十一月の一日平均四十一万一千九百トンでございまして、やはり前年度の集績から約一割二分ぐらい増加した発送をいたしております。十二月に入りまして連日四十三万トン台の発送トン数でございまして、最近では四十五万トンという非常に高い伸びが出ておるようでございまして、現在の情勢では現場のいろいろこれに対する努力によつて、年末まで恐らくこの出荷の情勢が現在のようでありますれば、こういう好調を持続して計画量くらいなものは運べると、こういうことになるのではないか、こう考えております。ただこの所要車とそれから使用車の割合でございますが、所要車がやはり五万五、六千両程度でございますが、使用割合は大体五〇%前後でございます。そこで問題になりますのはこの炭でございますが、この事業用の石炭でございますが、今の需給状態がどうか、これは極めて窮屈なわけでございます。現在貯炭量が十一月末で二十五万一千トン、十二日現在では二十四万一千トンでございまして、恐らく十二月末には現在の推定では二十三万トン程度になるのではないかと、こういうふうに考えられております。現在の納入の状況、或いは来年の年始めにはどうしても納入が減るのが例年の例でございますので、一月において石炭の需給状態は相当逼迫して来るのではなかろうか、こういうふうに予想はされておりますが、何とかして或いは消費の面におきましても、或いは納入の点につきましても努力をいたして、できるだけこの輸送の実績を挙げるように切抜けたい、こういうふうにいろいろ万全の努力をいたしておるわけでございます。  以上がまあ簡単な運賃値上げ後なり、最近のこの運賃値上げの影響、或いは輸送情勢の御説明を申上げたわけでございますが、なおこれに関連いたしまして、この貨車がどういうふうに作られておるかということがよく問題になりますので、御説明申上げたいと思いますが、現在までのところ今年度の計画に対して相当貨車がよくできておりまして、現在までのところ約三千一七、八百両貨車が竣工いたして、それだけ実際の輸送に力を添えておるわけでございます。  それからなお最近、まあ補正予算も成立いたしまして、近くワムを四百三十両、ワムと言うのは十五トン車の有蓋車でございます。それからセム、石炭積みの十五トン車でございますが、これを二百両、これが補正予算が通りましたので、近く入札をするというふうに聞いております。極めて最近入札があるかと存じておりますが、大体そういう状況でございます。  それからなお、私鉄の関係でございますが、私鉄の大きな鉄道約十六が、国鉄と一緒にこの値上げをいたしましたが、実は私鉄のほうはこの値上げ後の数字は実はまだ資料がまとまつて入つておりませんので、大体どういう状況かということは、ちよつとはつきり御説明をいたしかねますが、大体旅客、貨物を通じまして十月末の今年度の様子を見ますと、昨年度よりはいずれも少し旅客数は殖えておるようでございます。それから全体のそうしたこの値上げ後の数字がわかりませんですが、この東京の近郊の大きな私鉄二、三についていろいろ聞いておりますところでは、やはり値上げ後主として旅客を扱つている鉄道ばかりでございますが、やはり十一月上旬は客がずつと減つております。絶対数が去年よりも減つております。収入は少し殖えております。やはりそれが通常の状態になつて参りますのは十一月の下旬以降くらいからを見なければいけないかと思うのでございますが、大体今年度の客は昨年度に比べて殖えておりますので、或いは今後この運賃値上げ直後の影響を考慮して考えると、やはり旧に復するのではないか、こういうふうに考えております。  なお御参考までにこの運賃値上げは、この前御説明申上げましたように私鉄の関係は約三割二分見当の値上げをいたしたわけでございまして、先般御説明申上げましたこの十六会社も含めて、十一月以降今度鉄道運賃の値上げを実施しました私鉄の会社数は約六十三社になつておりまして、値上げ率は大体只今申上げた三割二分前後のところでございます。大変どうも簡単でございますが、以上申上げましたことで陸運事業の概略の御説明といたしたいと思います。

山縣勝見自由党

○委員長(山縣勝見君) 本件に関して御質疑はございませんか。……御質疑がなければ引続いて海運事業の現況に関する件を議題といたします。政府の説明を求めます。

岡田修一運輸省海運局長

○政府委員(岡田修一君) 海運事業におきまして最近特に問題になりましたのは、第七次後期造船量の問題でございます。  御承知の通り、第七次後期造船量といたしまして、政府は当初二十万総トンを建造いたしたいというので計画を進めておつたのでございます。二十万総トンを建造いたしまするがためには七十億の見返資金が必要となるのでございます。これに対しまして、すでに大蔵省で補正予算と関連して、船舶に対する見返資金は三十五億という線で交渉が進んでおつたのでございます。どうしても今回は三十五億しか出せないということで、従つて見返資金三十五億を使つてできるだけ大量の船舶を造ろうというので、方針を変更いたしまして、当初一総トン当り貨物船については七万円の見返資金を融資するという計画を、一総トン当り五万円、三十五億の金で十五万総トンを建造しようというふうに決定したのでございます。尤も市中銀行筋からは昨年或いは今春より異常に市中金融が窮屈である。従つて今回はこれまでよりもより以上に見返資金の比率を上げてもらいたいという要望が非常に強かつたのであります。政府としてはその間の事情を十分承知しておつた次第でございますが、見返資金の比率を七万円から五万円に下げまするがために生ずる市中負担は、丁度開発銀行で既往の造船融資を二十億程度肩替りする計画がある、その金を更に造船のほうに廻すことによつて市中金融の負担過剰を緩和するという考えの下に、この決定がされたのでございます。ところがその考えに、政府間に食違いがあつたようでございまして、必ずしも造船のほうに廻り得ないというふうな事情が出て参りまして、そこにいろいろの紛糾なり、混乱が生じたような次第でございます。従つて市中銀行筋では見返資金の比率を五万円にした場合に、ついて行くだけの金融がつかないという非常に強硬なる態度を……、実際、金融上も窮屈であつたと考えるのでございますが、さような事情が非常に濃くなりましたので、更に政府は前の方針を変えまして一総トン当り七万円、但しタンカーにつきましてはやや従来よりも比率を下げまして一総トン当り四万五千円ということにいたしまして、約十二万総トンの船舶を建造することに落着いたしたような次第でございます。目下これに対する見返資金解除の手続を申請中でございまして、できれば何とかして本年中にこれが見返資金を解除してもらい、造船所に金が入るように持つて行きたい、かように取運んでおる次第でございます。ところで十五万総トンからこの十二万総トンに建造トン数が減りましたがために、中流の造船所で長い歴史を持ち、且つ非常に優秀なる技術を持つておりまする造船所に仕事が一つも行かないという状態が出て参つたのでございます。大阪の藤永田造船所、日本鋼管の鶴見造船所、石川島造船所、こういう所に一隻の注文もなくなつておる。更に十五万総トンの場合に、何とか見返資金その他の財政資金を工面して、もう一隻追加することによつて、函館ドツクに仕事を与えるようにしようという一応のまあ話合いができておつたのでございます。これも全然仕事が行かない。従つてこの四つの造船所が非常に困つた事態になつているのでございます。ところで先ほどの十二万総トンに落着きました閣議決定におきましては更に一—三月以降において船舶の追加建造に努力するという報告も入つておりまして、政府としましては、それらの造船所、非常に優秀な造船所の困窮状態を船舶の追加建造によつて緩和すると共に、船舶の必要性に付いて行きたいという考えで、そういう決定をしたのでございます。目下その追加建造を如何にして実行するかということについて努力中でございます。市中金融の面並びに市中融資をやつた場合に、あとでそれを如何に財政資金に肩替りするかということについての目途を早急の間につけたいというので折角努力中でございます。今日まだ具体的に御報告を申上げる段階にまで至つておりません。七次造船については右のような次第でございまして、今日世界の海運事情と言いまするか、世界各国の海運拡充の趨勢を見ますると、いずれも非常に積極的でございまして、各国の手持ち造船高というものは漸次増加しております。欧米各国はいずれも三年分或いは五年分近くの注文を持つているというふうな状況でございます。それに対応しまして我が国は造船能力の半分に満たないものしか持つていないというような誠に残念な状況にあるわけでございます。簡単にこの造船能力と手持ち工事の状況を申述べますと、大体現存の能力は六十六万総トンの造船能力を持つている、かように考えております。それに対しまして、この十一月末現存で持つておりまする工事が第六次、第七次の前期、これを合せて約三十万総トン、それからその他これは極く小さい船舶でございますが、これが五万総トン、合せて三十五万総トンの注文、それから十一月末現在でまだ着工しておりませんが、すでに契約が確定したものが七万八千総トン、約八万総トンございます。それから今度の七次後期分、これが十一万八千総トン、約十二万総トン、これを入れますると、全部で五十四万八千総トンということになつております。ところでこのうちの第六次、第七次の前期分三十万総トンというものがこの二月、遅くとも三月までにはすつかり竣工してしまいます。従いまして残るのは二十五万総トン、六十六万総トンの能力に対して二十五万総トンというふうな状況に相成り、他国が造船能力の三倍も四倍もの注文を持つておりますのに、日本が半分に足らない状況であるという誠に遺憾至極な状況になつております。一面この船腹の需要量、需要からいたします事と、たびたび御説明申上げましたように、明年度の荷動きとこれに見合うべき日本の船腹を見ます場合に約百万重量トンの船腹が足りない。これは全体として大観した船腹の不足でございますが、これを個々の航路に当てはめてみまする場合におきましても、非常なる船腹不足を各海運会社とも痛感しておるのでありまして、最近欧州航路に対して日本国の加入が認められましたし、又濠州航路も近く再開されようとしております。それから南米航路、中南米方面の定期航路、こういうことを考えます場合に、どうしても新造の優秀なる船舶を整備いたしませんと、折角の計画が実現し得ない。どうしても今後日本の海運を伸ばして行きますためには、貨物定期航路として伸びて行かなければならない。買船による古船なり或いは従来の低能船では、どうしても定期航路というものは維持されない。新造を以てこれに進まないと、外国海運に対する太刀打ちということができないのであります。一面、日本のドル収入という点から考えまして、今度貨物船を十三隻造ることになりましたが、いずれもこれはアメリカ方面に配船されるものと思います。これらの船がアメリカ方面に配船されますると、約一隻の船で百万ドルの運賃収入が入るわけであります。尤も外地におけるポート・チヤージその他の費用の払いが大体一割五分乃至二割程度引かれますけれども、いずれにしても一隻で百万ドル程度の収入がある。日本の貿易収支のバランスを保ち、殊にドル収入を確保するという見地からいたしましても、何とかこの海運の拡充というものを既定計画通り持つて行きたい、かように考えておるのであります。従いまして私ども明年度におきましても、本年同様四十万総トン計画を遂行いたしたいという考えを持つておりますが、来年度におきましては、いよいよこれに見合うべき見返資金その他の財政資金が窮屈になつて参つておりまして、国会その他の非常なる御協力を得なければならない、かように考えておる次第であります。よろしく御援助のほどをお願いしたいのであります。

山縣勝見自由党

○委員長(山縣勝見君) 本件に関して御質疑等ございませんか。……速記をとめて。    〔速記中止〕

山縣勝見自由党

○委員長(山縣勝見君) 速記を始めて。それでは委員会はこれを以て散会いたします。    午後二時五十一分散会

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