運輸・法務連合委員会 第1号
- 発言数
- 180 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/06/04
会議録
○委員長(山縣勝見君) これより運輸・法務連合委員会を開会いたします。前例によりまして連合委員会の委員長の職を勤めます。御了承願いたいと思います。 それでは道路交通事業抵当法案を議題といたします。先ず発議者植竹君より御説明を願います。
○植竹春彦君 只今議題となりました道路交通事業抵当法案の提出理由について御説明いたします。 最近における道路運送事業及び通運事業の発達は極めて顯著なものがありまして、これに伴つて企業経営の維持及び拡充を図るため金融の円滑化に対する業界の要望も切なるものがあります。このため、個々の自動車に対しては昨年六月自動車抵当法が制定せられ短期資金調達の途が開かれたのでありますが、更に設備資金等の長期資金調達の円滑化を図るため企業を一体として担保に供する財団抵当制度を確立する必要がありますので、この法律を制定いたしたいと存じましてここもと提案いたした次第であります。 さて道路運送事業に対しましては、すでに旧自動車交通事業法においてその財団抵当制度が設けられていたのでありまして、旧法はすでに昭和二十三年一月一日に廃止せられました次第ですが、本法案におきましても、大体旧法の線を辿つておりますが、本法案が旧法と異る点はおおむね次の通りであります。 第一に、財団を設定し得る事業の中に新たに通運事業を加えることといたしました。 第二には、旧法では財団を一個の物とみなして鉄道担当法にならつて制度が構成されておりましたが、本法案では登記その他の手続上の簡便を図るため財団を一個の不動産とみなして工場抵当法にならつた法体系をとつております。従つて、財団の登記に関しては、不動産登記法の規定が、適用せられておりますし、又財団の抵当権に関しましては、民法上の抵当権の規定が、又財団の抵当権の実行に関しましては、民事訴訟法及び競売法の規定が、それぞれ適用されることになりますが、そのほかに事業財団の特殊性及び事業に対する監督行政上の必要から若干の特則が加えられております。 第三に、財団の担保価値を高め、且つ又事業監督行政の必要から、財団に属する事業の一体性を確保することは是非とも必要でありまして、この点に関して、事業用の物件が財団に当然所属すること、原則として財団組成物件の個々的な処分を禁止すること、競落人は免許に属する権利義務を当然承継すること等の規定は、旧法とおおむね同様に設けられております。 以上が道路交通事業抵当法案の大要であります。 以上によりまして本法案の提出理由につきまして御説明を終りますが、長期金融の円滑化を確保し、道路運送事業及び通運事業の健全な発達を図りますためには、是非ともこの法律の制定を必要とするものと考えますから、何とぞ十分御審議の上可決されるようお願いいたします。 次にこの法律案の要項についていま少しく詳細に御説明申上げたいと存じます。通路運送事業及び通運事業に関する信用の増進によりまして、これらの事業の健全な発達を図ることを目的とする事業財団抵当制度に関する單行法を制定しようといたしましたこの法律案の目的は、すでに提案理由の説明で申上げた通りでございますが、更に詳しく申上げますと、第一に財団を設定し得るものを一般自動車運送事業者、自動車道事業者及び通運事業者とし、これらの事業者はその事業單位の一、又は二以上について財団を設定することができるものといたしました。この場合事業單位につきましては主務大臣の認定を受けなければならないということに立案いたしたのでございます。 第二は、財団は同一の事業者に属し、且つその事業單位に関するものを以て組成するものといたしております。又不動産及び事業用自動車又は一般自動車道の敷地が存しないときには財団を設定することができないというふうに立案いたしたのであります。 第三は、道路交通事業財団登記簿に所有権保存の登記をいたしましたときには、事業用の物件等は財団に当然所属するものといたしてございます。財団設定後新たに事業体に属したものについても又、当然に所属することといたしました。 第四には、財団はこれを一個の不動産とみなして、この登記に関しては原則として不動産登記法の定めるところによるものといたしたのであります。 第五番目には、財団を所有権及び抵当権以外の権利の目的とすることは禁止いたしますると共に、財団の一体性を確保するために、財団の組成物件についても原則としてその譲渡等を禁止することといたしました。 第六番目に、免許の取消又はその全部の失効があつた場合には、抵当権者は六ヵ月以内に権利を実行することができる。この場合において免許はその期間内及び抵当権実行の終了するまでは、抵当権の実行の目的の範囲内だけで以てなお存立するものとみなすということに立案したのでございます。 第七番目には、財団に対する抵当権の実行は原則として競売法及び民事訴訟法の定めるところによることといたしました。 第八番目には、競落人は競落代金を支払いましたときには、免許に属する権利義務を承継するものといたしました。 最後に第九番目には、財団に関して必要な事項につきましては、工場抵当法を準用することといたしたのであります。以上の通りでございます。
○委員長(山縣勝見君) 御質疑のおありのかたは御質疑を願います。
○伊藤修君 この委員会は法務及び運輸の連合委員会でありまして、本来ならば法務から全員出て参らなくてはなりませんのでありますが、御承知の通り破防法を併行して目下審議をやつておりますから、ほかのかたがたは全部出られませんので私が無権代理で以て代表して質疑を申上げる次第であります。この法案に対しましては立案に際しまして多少御相談にあずかりましたので本法制定に対しましては別に反対するものではありませんが、ただおよそ法律ができます場合において、これを遵守するところの国民に対しまして、法律の中に盛られておるところの精神について、又立法解釈について疑義のある点を期らかにしておきたいという意味において御質問を申上げたいと思います。 先ず第一にお伺いしたいことは、この第二條で事業單位を運輸大臣の認定にかからしめたこと、この点についてその理由をお伺いしたいと思います。
○植竹春彦君 お答え申上げます。事業單位は財団設定の登記の際に登記官吏にその判定を委ねることは無理でもございますので、これを事業の監督官庁の立場から客観的に、公平に判断する必要があると存じて認定に委ねることにいたしたのでございます。即ち認定によりまして事業の細分化を防ぐという行政的の目的を達成することができまするし、又認定書を登記の申請書に添附することによりまして、登記官吏といたしましても單に書類申達のみで当該申請を受理することができるのであると考えます。登記所の手続きは、従いまして成るべく簡素化することができることになるわけであります。事業單位の認定は行政上の大局的見地から簡單迅速になさるべきことを計りましてかくのごとく立案した次第でございますが、なおこの場合の認定基準、認定申請書及び認定書の様式その他につきましては省令で定めることにしたいと存じております。併せて御了承を賜わりたいと存じます。
○伊藤修君 他の工場抵当法によつて予測されるところの事業者団体若しくは工場抵当法によるところの事業者等に対しましては、これはその経営者の自由に任かしておるのです。然るに本法に限つてのみ認定するということは、その認定行為によつて個人の企業に対するところの金融の自由というものに対しまして、或る程度政府機関が制約するということになるのではないかと思うのです。そういう立法のあり方としては特設の理由がなくてはならないと思うのでありますが、只今の御説明によりますれば、ただ登記官吏の容易にこれが認識を得るという理由が一つと、或いは主務大臣の監督の面においてそういうことを知り得るという行政上の一つの便宜主義、こういう点だけのように考えられるのですが、若しその二つの理由だけであるとするならば、却つて個人の企業の自由の金融措置というものをこれによつて大巾に制約し得ることも想像されるのですが、そういうあり方は却つて日本の企業全体に対するところの一つの官僚統制主義の精神が未だ抜けきらざるというふうにも考えられるのですが、若しこういうようなあり方で各企業ごとに政府がいずれもタツチするというような傾向を持つといたしますれば、これは由々しい問題になると思うのですが、こういうときにおいて特にそういう問題について主務大臣がタツチしなければならんという必要性についていま少し理由をお伺いしたい。殊に金融措置に対するところの容喙権ということに対しましては、余り無制限であるということになりますれば、それによつて角をためて牛を殺すの結果になることも考えられますが如故ですか。
○植竹春彦君 お答え申上げます。この法律案が適用せられます自動車に関する事業と申しますものは、殆んど全部が半ば公共的な、公益的な事業でありまするので、従いましてその事業を開始いたしまする際にも、免許によつていわゆる事業開始ができるようになつております。そのために、そうして又その事業は免許が下りました後にもその事業計画、路線の範囲等すべて公共的性質に鑑みまして一定の監督を受けて、その監督に従いまして営業をやるということが公共的性質の立場上これまでとられておる措置でありまするので、今回の財団抵当権法案におきましてもその点にとくとかんがみまして、監督官庁の認可を必要ととりきめたわけでございます。 なお又この法案におきまして当然所属主義をとつておりまする関係上、その組織物件の所属を明確にするためにもこの認可が必要と考えまして、又これは競売に附せられまして、競売の結果競落人に免許を当然承継させるという方針をとつておりまするために、事業財団の担保価値が従つて非常に高められて行くということになりまするので、この点から申しましても財団に属すべき事業が独立性、一体性を保つことができる。言い換えまするならば、免許行政上事業の細分化を防いで事業の一体性を確保する必要がある。そのためにはこういう場合に競落人に免許を当然承継さして行く、こういう点からも認可を必要といたさした次第でございます。 それから又当然所属主義をとりまする結果、事業の大拡張等が行われました場合に、若し認定して参りませんとあとから当然に所属すべき財産、例えは新たに入りました自動車、車両等をどつちの財産に入れるかというふうなことを明確にいたしますためにも、認定によつてきめておいたほうが妥当と考えて立案した次第でございます。
○伊藤修君 最後の免許の受継に対するところの理由は納得できます。ただ公共性とそれからこの種の事業に対するところの認可を政府によるという理由は、ひとり自動車事業のみでなく御承知の通り今度工場法において追加修正規定いたしました。いわゆる放送事業に対しましても御承知の通り公共事業であり、且つ免許事業である、或いは電気ガスということに対しましてもそうであろうと思います。その他の事業においても免許制というものはあり得ると思つております。然るにこうした事業より遥かに大規模の事業においても免許及び公共性のものに対しても自由にその金融の措置を経営者、事業者に任せておるにもかかわらず、ひとりこの事業に監督権を発動するというあり方が、今後企業家においても、金融措置に対しまして政府が重大なる発言権を持つという点を、私は国民に納得せしめなければいかんと思うのです。そういう理由では納得しかねると思うのです。
○法制局参事(岸田實君) 植竹委員の先ほどの御説明に補足いたしまして、認定制度をとりました理由を御説明いたします。 只今伊藤委員が免許の当然承継という理由は一応納得できるというお話がありました。これとこの事業軍位の認定というものは有機的に関係があるのでございまして、他の工場抵当法の適用を受けるものについては、工場抵当法鯨事業の承継という面は一応考えておらないわけでございます。従いまして、個々の事業法で免許制度をとつております場合には、財団は競落によつて財団組成物件は移りますが、事業の免許は改めて個々の事業法によつて受けるという建前で、財団の承継と免許の承継ということは切離してあるわけでございます。ところが、この道路交通事業抵当法案におきましては、旧自動車交通事業財団と同様に財団が競落されますと、そのときに免許に基く権利義務を承継させることによりまして、財田の承継と事業の承継を一本の形で行うという建前をとつておるわけでございまして、その点が工場抵当法の対象になる事業と著しく趣を異にしておる点でございます。そうなりますと、競落された場合に、その競落後の競落人がその後実施いたします事業が、円滑に運ぶような客観的條件を備えていないということになりますと、将来の自動車交通事業につきましていろいろの支障を来たす虞れがある。そこで事業の当然承継主義と関連いたしまして、財団を設定される場合に、万一それが競落されました場合、一個の独立した事業体として健全な運営を保ち得るような内容のものを財団として設定するということにいたす必要がある。ここで事業体の認定ということが先ず必要になる第一の理由が出て来るわけでございます。そこで、工場抵当法におきまする工場のように、客観的にその財団設定の基準になるべき最低の事業單位というものが客観的に判定のつくような状態にありましたならば、あえて大臣の認定制度をとるという必要はないのでありまして、むしろ認定制度を設けないということが立法上より望ましいと思うのです。併し自動車交通事業と申しますのは、御承知のように、空間的に非常に広い地域を動的に事業が活動ずるものでございまして、工場のように一つのまとまつた何と申しますか静的な状態で單位をつかみにくい。そこで、旧自動車交通事業財団におきましては、独立の路線又は独立の事業区域を有する事業の一部につきましては、これを財団設定を認めるという規定を設けて、一応その工場に当るべき設定の單位を規定しておつたのでございますが、單に独立の路線、独立の事業区域ということだけでは、競り落された場合に、将来健全な運営を保つて行けるような客観的條件に合致するかと申しますならば、なかなかそういうふうに実際は参らない。例えば或る路線の事業と他の路線の事業との間に非常に重要な施設の共用関係を持つておるとか、或いはそのときどきの事情に応じまして自動車を相互融通するというような事がらが行われるような場合ですと、これを競落によつて二つに切離しますとそこに従前の事業の機能よりも非常に低下したものができるということになりますので、そういう場合はやはりそういう共用関係にあるものを合せて一個の事業單位として認めるという必要がある。又そのほか事業法の免許基準によりまして適正規模の維持ということが確保されておるわけでございますが、当然承継をするのでございますから、その免許基準に基いてやはり適正規模を保持して、採算可能であり又運送需要を満たすのに十分であるという状態に保持する必要がある。これらのことは事業者の任意的な判断にお任せするわけにも行かないし、登記官吏の判断に待つことも勿論できませんので、やはりこういう公共的の内容を持つ事業の財団でございますので、事業法の監督官庁である大臣にその認定を一応させるということにいたしたわけでございます。併しながら、この認定制度と申しますのは許可とか認可という行政行為とは違いまして、一種のこれは確認行為でございます。これによつて金融を仰ぐ道を塞ぐとかそれを左右するとかいう性質のもので万々あつてはいけないことでありまして、申請がありましたような場合には、客観的にその事業の状態を把握いたしまして迅速にこれら個個の部分が一つの事業單位であるという認定を迅速に行うということを所期しておるのでございまして、この法律にも大臣の権限を陸運局長に委任するというような規定も後のほうに出ておりますが、地方的なものにつきましては陸運局長に権限を委任し、成るべく段階を付けないで迅速にこれを処理するということをこの法律としては所期し、又そういう運用ができるという前提の下にこの法律の認定制度というものを作つておるわけでございます。大体の趣旨はそういうふうでございます。
○伊藤修君 工場抵当法におけるところと本法におけるところの目的が相違するという点は、現行法においてはそうでありましようが、御承知の通り、工場抵当法におきましても、いわゆる免許にかかるものに対しましても、当然競落の結果その免許を承継するという法律体制に改めようということはあなたも御承知の通りであります。即ち電力事業に対しましてその水利権を当然競落者に承継せしむるという考え方は、今国会においてもそれを事実上具体化したい、こう思つたのですが、何分にも法律をたくさんいじらなくちやならんので次期国会に譲つたような次第であります。今日の金融措置を賄うための工場抵当法のあり方といたしましてはそういう傾向にあるのです。私はひとり免許ということにのみ重点をおいてという考え方は否定したいと思います。そうでなくて、少くともいわゆる金融措置ということに対しましては企業者の自由に任すべきである。かりそめにも主務大臣若しくは監督官庁においてこれに制約を加えるかごときあり方は結果的に責任を負わなくちやならん。そこまで面倒をみるかといえば政府はそこまで面倒をみるのではないのですから、私はこの認定が、今御説明のように、そうこれによつて金融措置を拘束するものでないということならばこれを了承いたしますが、然らば認定の基準をこの際明らかにしておいて頂きたいと思います。
○法制局参事(岸田實君) この認定の基準といたしましては、第二條に、事業にかかる業務が独立して運営され、且つ適当な事業規模を有するということが要件として規定されております。独立して運営されるということは、その事業の現業業務が他の事業の部門或いは他の事業と切離されて独立して運営しており、それが例えは競落等で第三者の手に渡りましても企業体として独立して運営されて行くということでございまして、この独立して運営されるという内容を更に分けますと、旧法にもありましたと同様に、独立のその事業の部分が独立の路線、独立の事業区域を持つておるものということが先ず第一に挙げられます。そのほかに、先ほども申上げましたが、その事業の用に供せられている事業用自動車であるとか、或いは使用設備が他の事業の部分と共用関係にない路線、事業区域も独立して持つており、又それに使われる資産その他も他と余り有機的な結付きなしに自己のうちに包蔵しておるという業務の状態があります場合に、独立して運営されておるという認定をいたそうと思つておるわけでございます。 で次の「適当な事業規模を有する」というのは、道路運送法、通運事業法におきましては免許基準で一定の事業規模を要求しておりまして、それに合致しないものは免許を與えないという建前になつておりますので、この免許基準を基準といたしまして適当な事業規模を有するものであるかどうかということを判定をいたすわけでございますが、その主な例を一、二挙げまするならば、その財団を構成いたします事業の当該部分がそれだけで切り離されて経営されることになりましても、通常の経営の下におきましてはそれが採算可能の規模であるということ、それからその部分だけが分離されて経営されましても、その路線なり事業区域なり或いは取扱駅なりにおける輸送需要に対しまして量的に質的に適切な状態を維持することができるというような要件を「適当な事業規模を有する」というこの言葉の具体的な基準といたしまして考えておるわけでございまして、これらの点はこの法律が出ましたあとで細則といたしましてはつきりこれを外部に公表し、その基準によりまして認定をするという方針でおるわけでございます。
○伊藤修君 抽象的な御説明は法文によつてわかるのですが、然らば自動車常業のみをやつておる、或いは通運事業のみをやつておる、自動車道事業のみをやつておる、こういう者に対しましては漏れなくこれを認定するという考え方ですか。或いはそのうちでも企業の内容によるとか、企業の大小の規模によるとかいうことによつて差別を設けるのかどうか、先ずその点について伺いたい。
○法制局参事(岸田實君) ちよつと御質問の要点と或いは食い違うかも知れませんが、財団が設定されます場合すべての場合にこの認定をやるという御趣旨でございますか、御質問は。
○伊藤修君 私のお尋ねすることは、今の御説明で抽象的にわかります。それからその独立というのとは別にいわゆる独立、自動車営業のみをやつておるとか、自動車道事業のみをやつておるとか、通運事業のみをやつておると、おのずからその事業に大小規模が違うのです。その場合において規模の大小によつて認定を左右するのかとうかということ、こういうことです。或いは内容によつて認定を左右するのかどうか。例えば十台以上なければこの認定を與えない、百台以上なければ與えないとか、自動者道の場合には百キロ以上の自動車道事業をやつていなければ與えないとか、通運事業であれば地域的な通運事業では與えない、全国的通運事業でなければ與えない、こういうそのいわゆる規模の大小、それからその事業の内容の如何によつて、例えば改善面命令を出すとかいうような事業に対しては與えないのか、與えるのか。
○政府委員(中村豊君) この法律の精神、趣旨、及び解釈については、先ほどから植竹委員、岸田参事から御説明申上げた通りでございますので、私たちはこの法律を施行するに当りましてはその趣旨に合うようにいたしたい、つまりできるだけ事業者の金融の便を図り、それをいやしくも阻害することがないようにいたしたいと思つているのであります。運輸大臣が事業の免許をいたすにつきましては、その事業がことごとく適正な規模を持つ免許基準に適合するという点を厳重に審査して免許しているのでございますから、事業者は全部適正な規模を持ち、又独立して運営できる形体を備えているものと認めているわけであります。従いまして只今御質問のありました如何なる場合でありましても、決してこれを拘束する、抑制するという意思は持つておりませんでこれに対して認定をいたしたいと思います。ただ事業が非常に大きい場合に、その一部分について認定をする場合に先ほどの議論があるのでございまして、事業が小さい場合にはその全部について認定するというような、認定の仕方についていろいろと場合が起るのでありまして、認定を抑制することは毛頭考えておりません。その結果認定を受けてあと財団を設定して金融を得るかどうかの問題は、これは又金融機関と事業者との交渉になるのでありまして、金融機関の見る事業者に対する信用の度合によつていろいろと問題が起るかも知れませんが、それは金融関係と事業者との関係でありまして、運輸省としてはそのような点に關與する意思はないのでございます。むしろそれをできるだけ御斡旋してできるだけ金融を得られるようにお手伝いをする、こういうつもりでむしろおります。
○伊藤修君 私のお聞きしているのは、実際問題として銀行が金を貸すか貸さんかということは、政府の関係ないことなんです。又そこまで政府がタツチすべきものでもない。又好意を持つて大きな事業に対しましては政府が或いは公益の面からそういうことを慫慂される場合もありましよう。それは事実問題であつて、私はおよそこの認定がとういう範囲において行われるかということをお尋ねしているので、今のあいまいでありますが私のお尋ねは率直に、あらゆる事業は今御説明がありましたごとく、それが適切なものであるという観点に立つて免許したのですから、およそ免許して現在営業してある独立営業者に対しましては、先ず以てすべて認定を與えるのかとうかということを聞いているのです。その中で区別するのかとうかということを聞いているのです。区別するということならは事業の大小によつて区別するのか、理事者の如何によつて区別するのかという基準があるのかどうか、そういうことは少しも考慮せずに、およそ免許を與えている業務に対しましてはすべて原則的に認定するのだ、併しこういう場合は認定しないのだという意向があるのかどうかということを聞いている。
○法制局参事(岸田實君) お答えいたします。これは財団を設定いたす場合にはあらゆる事業につきましてこの事業單位の認定を受けて頂くという建前で考えているわけでございます。併しそれは先ほども申上げましたように、それが切り離れても免許基準に……
○伊藤修君 独立の場合は、分割のことや何かは又あとで聞きます。私は単独の場合を聞いている。
○法制局参事(岸田實君) 單独の場合ですと、一応その單独の事業が若し二つ以上の事業單位を含んでおるということが……
○伊藤修君 いやそういう場合は別ですよ、それは聞いていないのですから。
○法制局参事(岸田實君) 一応事業単位の認定というものは形式的には受けて頂く。と申しますのは又あとから出て参りますが工場抵当法の、いわゆる工場抵当單位に当るものを作るということによりまして手続的な、技術的な問題としても財団の目録をその單位ごとに作るとか、或いは分割し得るというような将来の問題を含んでおりますので、この設定の場合には一応全都の事業の財団を作る場合におきましても、それが一つの事業單位であるか否かということにつきまして認定を受けて頂ぐ、こういうことで立案いたしておるわけでございます。
○伊藤修君 私の尋ねておることを率直にお答えになつたらどうか、できるかできないかを言つておる。事業單位のことを聞いておるのじやない。およそこれを適用するのに事業單位の認定を受けなければならん、これは根本的のことです。その事業單位の認定を受けるのに何かの区別があるのかどうかを聞いておる。ないならないでいい、あるならどういう場合があるか、事業單位の説明を聞いておるのじやないですよ。
○政府委員(中村豊君) 簡単明瞭にお答えいたします。区別は一切いたしません、全部認定いたすつもりでございます。但し法律に定められたところめ特定自動車運送事業、或いは荷主の指定のある通運事業というものはこれはできないという建前になつております。 それから五條によりまして不動産とか事業用自動車、自動車道事業これはできない。こういう法律で定められた制限は別でありますけれども、それに該当するものは如何なる形態のものでありましようとも全部認定するつもりでおります。
○伊藤修君 その御答弁ではつきりします。事業を経営する者に対してそれが一番のよりどころなんです。今の御答弁は責任を以ての御答弁と拝聴して差支えありませんですね。
○政府委員(中村豊君) 責任を以て御答弁申上げます。
○伊藤修君 然らばルールの中にもそれを区別するようなルールはお作りになりませんでしようね。
○政府委員(中村豊君) ルールと申しますのは認定の基準に関する規則でございますね。
○伊藤修君 はあ。
○政府委員(中村豊君) それについては先ほど岸田参事からお話ありましたような趣旨で以て基準を作ります。
○伊藤修君 それはいいです。この法律で盛られておる欠格條項、そういうことに対してルールを明確にされることは結構ですが、そうでなくしてそれ以外に今私がお尋ねしておるのは、他のいろいろな理由で或いは自由認定の主義をおとりになるというようなことはなさらないでしようね。
○政府委員(中村豊君) 基準以外には一切いたしません。我々としてはできるだけ金融の途が多く付くことを望んでおりこそすれ決してそれを制限する意思は毛頭ございません。
○伊藤修君 政府のほうはその辺御如才ないと思いますが、この法律を作る以上成るべく自由に金融の途を與えてやる、先一すつ以て第一の事業単位の認定においていろいろ面倒なことをしたり、或いは運動をしなければ認定を受けられないというような在り方では当場のに急に両に合わない、事業経営として非常に困窮する。先ずそれに相当の運動費を使わなければ認定を受けられないというようなことでは事業そのものが壊滅してしまう。その点を恐れるから私はそういうことのなきようにお願いしたいと思います。 次にお尋ねしたいのは、一つの営業に附属して兼業されておる場合に、これは先ほどの抽象的な説明でもわかるのですが、実際問題としてその兼業されておる自動車営業が、その他のものを含めた全体の事業の中の何パーセントとか、或いは單にパーセントによらずその事業を切り離しても單独に独立して常業ができるというこの法文にある趣旨だけで認定の基準にするとか、或いはパーセントでするのか、或いはその資産の運用状態によつて基準をきめるのか、どうなんですか。
○政府委員(中村豊君) 運輸省といたしましては兼業であろうと専業であろうと問いません。すべて自動車運送事業及び通運事業で自動車事業であれば先ほど申上げましたような考えですべて認定いたすつもりであります。
○伊藤修君 その場合、先ほど植竹さんの御説明になりましたように、いわゆる事業の細分化を阻止するという御趣旨はよくわかります。この事業單位を認定する場合次の條項にも出て来るのですが、結局数個の事業單位を認定することは公益事業を目的とするところのこうした事業を細分化させるということが法律で以てすでに予想されて行くということになるのですが、その場合の措置をどういうふうにおとりになりますか。
○政府委員(中村豊君) もう一度御趣旨をおつしやつて下さい。
○伊藤修君 先つほど御説明にもありましたが、いわゆる事業の細分化ということは好ましくないという基本的の観念がおありになる、我々もそう考えておる。ところが法律自体の予想するところは細分化を来すような結果に至るのではないかということを指摘するわけです。というのは事業單位を数個認められるわけでありますから、当然幹線と支線という場合に各母線を基準にして考えますと、支線は支線のみで以て事業單位を認めれば本線は本線のみで事業單位を認める。それを基礎にするところのすべての動産不動産を財団に設定することになりますると、それが各個独立していわゆる金融の目的となるわけですからその結果予想されることは別箇に競落されることも考えられる。そうすると結果的には事業が細分化されて行くのではないか。こういうことは法律自体が予想しておることなんだがそれをどういうふうにお考えになりますか。そういうことはやむを得ないというふうにお考えになつておるか、それを何んとか是正するという考え方か。若し是正するというならば、そういうことは好ましくないというならば、法律の立て方としてそうした数個の事業單位というものを認めることはよくないのではないか、そういうことになつて来ると思います。
○政府委員(中村豊君) 勿論事業の理想としてはできるだけ大規模になることが望ましいのでありますけれども、併し金融の途をつけるために事業全体を抵当にせず一部分だけをするという要望がありました場合、先ほど申しましたような認定の基準に該当し、その路線が独立性を持つておるとかその路線だけで採算の可能性があるというようなことに該当しますればこれを認めまして、その結果或る程度細分化することはやむを得ないことだと思つております。つまり細分化と言いましてもその分化された範囲は最小限度の独立性を持つておるのでございますから、そのことは容認しなければいけないことだと思つております。そういうことを容認してでも金融の途を付けることのほうが望ましいことじやないかと思うのであります。 但しそのように細分化された相互の事業につきましては、これはできるだけ運輸協定、連絡運輸というような方法で以て相互の協調連絡を計らしたい、かように思います。
○伊藤修君 趣旨はよくわかります。要するに金融ということを重点において好しくもないけれどもまあ最低限度の企業体という程度に喰い止めるというお考え方は止むを得ないと思います。そういたしますと、若しさように分割された場合におけるところの企業單位というものは、従来の一個の企業單位から二つに若しくは三つに分れて来る。その場合において一個の企業体としてすべての組織構成というものが成り立つて来るのですね。そうすると数個に分れると各独立してその企業体を成すのには足らざるものができると思うのです。例えば幹線と支線とある場合において、幹線と支線の交叉するところの営業所或いは設備というものは当然どちらかに帰属せなければならん。これは恐らく事業單位を認定する場合においてどちらの財産に属するかということはあらかじめ登記されることと思います。そうすると甲のほうにそれが帰属した、乙のほうには帰属していない、分割して競落された場合におきましては、たまたま乙のほうを競落しますればその営業所の不動産のない路線のみの企業をも現出することになりはしないかと思うのですが、そういう場合の考え方は、どうですか。
○植竹春彦君 法理論といたしまして誠にそういうことは想像されるのでございますけれども、実際の業界の実情からこの法律案がどういうふうに適用せられるかということを考えてみますると、幹線があり、数個の支線があります場合に、支線だけが一事業單位として担保に入りましたような場合に、その会社としてお金を返すことができない、そうして競落になるというふうな場合は極めて例外に過ぎないと思います。一支線だけで以て金融が梗塞してしまつてどうしても破産状態になつてその路線だけを切離してしまうというふうな場合には、業界の実情といたしましては大抵の場合他の支線も又担保に入つてそれが同時に全部一緒に破産状態になるというのが一般の場合と考えられますので、それでその場合にこの金融業者、金を貸すほうといたしましても極く特殊の意図を持つた金融業者以外、即ち一般の金融業者といたしましては、すでにその会社の一路線が担保に入つております場合には、やはり実際の業界の状態といたしましては、他の金融業者から他の事業単位を抵当として借入金をする場合には、やはり前の抵当権者に相談もあり、且つ又監督官庁である運輸省にも事前に無論認定の関係上連絡があるというために、一般には只今御質問のような憂いが少いことと思いまするが、併し立法に際しましてはあらゆる場合を勘案して立法措置を講ずるために、今御指摘のような場合もあり得ないではないでありましようが、殆んど全部、大体全部とは言い過ぎますが、殆んど今のような心配は少いものと考えられるのであります。
○伊藤修君 事実上としてはあり得ないかもわかりませんが、法律の予想するところは各事業単位を数個に区分し得ることができるのですから、結果的にはそういうことがあり得ることは法律自体において予想しなくちやならんと思います。そういうことが起り得た場合におきましては、これは何らかその場合において権利が承継される、それで新事業者が新らしくできる、そうしたものに対しまして、その事業を今度独立して経営して行く場合に必要欠くべからざるところのものを私は賄うべき指示を與えることは、やはりルールか何かで賄つて行かなくちやならんと思うのです。若しそれが法律のみをたてにして主張いたしましたらば、これは当然認可を受けているのだ、而もその認定によるところの抵当権の実行によつて取得した権利を承継したのだから、これで以てできるのだということを強く主張されますれば結局政府のほうが負けてしまうことになつてしまいますから、やはりこれは何かその場合においてルールのほうでも差支えないと思うのですが、そうした場合において新らしい競落の結果取得した経営者がその事業を継続して経営するに必要欠くべからざるところのいわゆる免許基準というものがありますから、免許基準に足らざるものは新たに免許の補正ですか、命令する措置を残しておかなくちやならんと思います。そうしないと私はその点は賄えないと思います。法文でうたえば結構でありますが、そこまでうたわなくても何かルールのほうでお手当ななさる必要があるんじやないかと思います。
○政府委員(中村豊君) 今御指摘の点は現実に起る心配はあるのでございますが、今のような方法で補完することも確かに一つの考え方だと思うのでございますが、現行の法律でも道路運送法第三十三條に、よりまして事業改善の命令があるのでございますので、事業を経常するにどうしても必要な設備その他の施設については必要な限度において命令することができますから、さような場合にはこれによつて補完することもできると思うのであります。
○伊藤修君 細かい問題ですけれども、今の御指摘になつた法律は改善命令ですが、すでになされておる経営者がその遂行の上において欠点がある場合において改善させるという立法の趣旨ですから、いわゆるその人が適正な認定の下になされた事業單位の競落の結果取得したのですから、そういうものはあり得ないことになるわけですね。許されておるのですから、取得したときに改善命令をやるということはちよつとあの法規だけでは無理があるんじやないですか。やはり別な規定をお設けになる必要があるんじやないか。その改善命令の趣旨を解釈したルールをお作りになればあの趣旨から出て来ると思います。いわゆるあの立法当時の趣旨は、経営を認可してその後認可にふさわしからざるところの企業形態がある場合、これを是正しようという改善命令なんです。その点は観念的にちよつとこれと違うのです。だからやはり特別のルールが私は必要じやないかと思いますが、何か法律があれば別ですけれども。
○政府委員(中村豊君) 改善命令は確かに事業経営してからあとのことを予想しておると思います。併し法文として自動車運送事業者という免許を得た者に対してはできるという表現にもなつておりますから、趣旨はお説の通りであろうと思いますが、法文解釈上は何かこの法律を元にして今お示しのような方法を講ずれば補えるんじやないかと思うのでございます。
○伊藤修君 その点はそうなさつたほうが私はよろしいと思います。これは疑義が出ると思います。よこしまな業者についてはこれは文句を言つて来るかもわかりません。 それからこういう問題が起りはしないかと思います。今の場合において、いわゆる本法において事業財団として欠くる結果を招来するということもあり得るんじやないかと思いますが、その場合は当然やはり補正させなければならんのですね。一旦それによつて消滅するのですかどうですか。
○政府委員(中村豊君) そのような場合には補正させることにしなければいかんと思います。
○伊藤修君 そうすると補正させるが、これは余り細かくなるかも知れませんが補正させるまでは擬制的に存続するということになるのですか。その事業形態というものは有効に生きる、いわゆる事業単位として補正するまでの間財団として存続するかどうか。
○政府委員(中村豊君) それは認定のときに事業單位として成立ち得るとして認定したのでありますから、これで存続し得るわけであります。ただその設備が足りない、或いは設備が十分でないという心配だけでございますから、それは事業單位として絶対に欠くべからざる要件欠缺といいますか、ではない、事業としては経営できるのだ、ただ設備が十分でないということだけはあると思いますので、存続できる。ただそれが経営をするのに十分でないから設備を補正させる。こういうことになると思います。
○伊藤修君 それは営業に必要欠くべからざるものの、いわゆる免許の基準としての欠缺を補正をするということならば、私は補正は許されると思いますが、そうでなくて、事業財団設定の基礎となつたものがたまたま欠けた場合においてはどうなるのですか。例えば第五條に指摘するような「前條第一号に掲げる不動産及び事業用自動車、自動車道事業にあつては、一般自動車道の敷地が存しない」というような結果を招来した場合においてはどうなるのですか。これは今の場合、抵当権実行の場合だけではなくて、その他の場合においても起り得るわけです。その場合においては、当然事業財団というものが消滅するかどうか。
○法制局参事(岸田實君) 第五條は財団設定の制限が規定されておりまして、最小の要件である不動産又は事業用自動車が自動車運送事業につきまして一つもなくなつたということがございました場合には、その財団は消滅すると解釈せざるを得ないと思います。
○伊藤修君 そういたしますと、消滅した場合の手当はどういたしますか、法律の整備は。
○法制局参事(岸田實君) その場合には財団が消滅いたすのでございますから、抵当権者はその財団に対して自己の権利を行使することができないという状態に立ち区至るわけでございますが、勿論こういう場合におきましては、例えば期限を送達して抵当権を実行に移すとか、或いはそのほかの民法で抵当権者に與えられておる方法で自分の権利を確保するという以外に方法はないと、いうことになるわけです。
○伊藤修君 今のは岸田君の言とも言えないようような……そういう御答弁でありますと。根本的に事業財団でなくなつてしまうのですよ。抵当権が根本的になくなつてしまいはしませんか、消滅原因としてどうなるのですか、法律的に。研究なさらんと今の御答弁ではだめです。これはこういう場合を想像されるのです。先ほどの競売の結果、欠缺した場合も想像されますけれどもそうでなくて、故意に、故意は犯罪になりますから故意の場合は問題ないとして、不用意にいわゆる自動車事業ならば自動車というものはなくなつてしまう場合があります。不可抗力によつてなくなる場合もあるでありましよう。いろいろ故意過失に基かずしてなくなる場合があり得ると思います。そうすれば、自動車がなくなつてしまうと事業財団というものは意義をなさなくなる、要件を備えなぐなる、消滅してしまうのですね。そうするとその上に設定された抵当権のいうものはどうなるのですか。抵当権の実行ということは起らないでしよう、基本的に事業財団でなくなつてしまうから。法律的要件を欠いてしまつたのですね。
○法制局参事(岸田實君) 理論上はたしかにそういうことになると言いたいのですが、実際問題としましては、今の……。
○伊藤修君 実際問題ではないのです。あなたは法律家だから法律家としての御見解を。
○法制局参事(岸田實君) 財団は消滅いたしますが、これは研究してみないとわかりませんけれども、財団の消滅の原因が例えは担保の毀滅に当るようなことがあれは、その場合には物上代位の原理によりまして現存しておる個個の物について抵当権を行使するということが或いはできるのではないかと実は思うのでございますけれども、例えは家屋を抵当に入れておりましてその家屋が焼失したというような場合に、その残滓物を抵当権に行使できるというような説もりありますしいたしますので、そういうような物上代位の論で個々の財産に対しまして行使することができるというように一応考えられるのでございますが、併しこれは固まつた学説でございませんので、今はつきりそういうふうなことができるとも言いかねますけれども、まあそういう方法以外には抵当権者を保障することはできないと法律的に言わざるを得ないと思います。
○伊藤修君 私のお尋ねしておるのはあとの救済方法ではないのです。救済方法は然るべく弁護士か何かに頼んで救済してもらえばいいけれども救済方法をあなたに聞いておるわけではない。法律構成として一体事業財団が消滅してしまうのだから抵当権が死んでしまうのか生きておるのかということを先ず。根本的に事業財団というものはなくなるかどうか、消滅する原因になるかどうかということと、従つて抵当権がなくなるかどうか、消滅原因になるかどうか、その場合におけるところの登記はどうなるのか、こういう問題が起つて来るのです。それから救済は物上代位で行くか或いは何で行くかということは、これは別問題ですけれども、弁護士の観点で伺つておるわけではないから先のことはいいから基本的なものはどうなるかということをあなたの見解を聞いておきたいのです。
○法制局参事(岸田實君) 先ほど申しましたように、財団は消滅いたしますから、その抵当権を設定されました財団に代るべき物の抵当権を行使するという意味における物上代位権の発動という限界におきましては、その抵当権はあると考えなくちやならないと思うのでございますが、それ以外には抵当権というものはなくなる。物上代位権を行使する範囲内において抵当権というものが残るというふうに考えておるわけでございます。
○伊藤修君 それでいいのですか、研究せんでも。
○法制局参事(岸田實君) その点はなお非常にむずかしい問題でございますから、十分に今後研究いたしまして、これは一応私の個人的な……。
○伊藤修君 参議院の法制局の岸田君ともあろう人がそういう見解だと、全国に……、あとで法律家の解釈の焦点になると困るからもつと研究なさつて確定的な意見を伺いたいと思います。 それから第四條の地上権はわかります。「賃貸人の承諾があるときは物の賃借権」、これはどういうことを指しておるのですか。物といえば勿論動産、不動産一切含むのでしようか。これに対してどういう御説明になつていらつしやいますか。
○法制局参事(岸田實君) これは動産、不動産を含んだ賃借権でございます。そしてこの「賃貸人の承諾があるときは」と書きましたのは、財団の組成物件に供するということと、将来継続されました場合にはそれが第三者に移るということの二つの事柄についての賃貸人の承諾をあらかじめ得る、そして得た場合にはこの組成物件にすることができるという意味でございます。
○伊藤修君 そうするとその賃貸人の承諾の意思表示は譲渡の意思を含むのですか。
○法制局参事(岸田實君) 賃貸人の承諾を受けるわけでございますが、その場合には組成物件に一応入れるということと、万一競売が実施された場合には第三者に移るという可能性があるということを含んだ承諾ということになるわけでございます。
○伊藤修君 そうすると競落のあつた場合におきましては、賃貸人の意思如何にかかわらずその権利関係は承継するという解釈をとるわけですね。
○法制局参事(岸田實君) そうでございます。
○伊藤修君 一体賃貸人はそんなふうに考えておるでありましようかね。この場合この承諾ということは、いわゆる権利関係に移転までは意思表示の内容としておるというふうにはちよつと考えられないですね、通常の取引観念から行くと、もつと問題が起りはしませんかね。
○法制局参事(岸田實君) 財団の組成物件に入りました以上は、その財団が競落されます場合には一体として競落人に移るという構成になつておるのでございますから、その組成物件に入れるということなんでございますから、承諾をする場合には、万一の場合にそれが第三者に移り賃借人が変る場合があるということを含んだ承諾ということで、まあ従来の立法例もございますし大体こういうふうに読めるのではないかと思つております。
○伊藤修君 これは私は賃貸人はそんなところまで元来その意思を持つていないと思うのですがね。普通の場合はただこれはやはり登記人に添附して出すのでしようから、その場合におけるところの賃貸人の意思表示の内容というものは、やはりそういうことを、明かにしておく書面を作るべきことをルールで要求しておいたらとうでしようかれ。そうすると不測の損害をこうむるということはないと思うのです、がね。いわゆる賃貸人、権利人の予期せざるところの法律効果を生ずるという弊害を除去することができる。ただみんなが法律家じやないのですからやはり取引する人はそういう点まで予想しないことがあり得ると思うのですがね。これはまあ小さな物件なら何でもないけれども、例えばビルとか何億という大きな物件なら何億という賃貸物件もあり得るからこれは相当問題になると私は思うのです。
○法制局参事(岸田實君) なおこの承諾につきましては登記の申請をいたします場合には承諾書を添付して申請をいたすわけで、ございまして、登記人はこの承諾書があるということを確認した上でなければこの賃借権については組成物件にこれを取上げることができない。目録にそれを記載することができないという建前をとつておるわけであります。
○伊藤修君 私の言うのは、承諾書だけ、組成物件とすることを承諾するということだけの意思表示をするわけですね。その法律効果というものがこの法律で以てはつきりしておるわけではないから、あなたの解釈上そう出て来るというだけであつて、当事者は予測せざるところの法律結果を甘受せなければならん。これは現に東京では或る大きなビルがそういう問題を起しておるのですから、ただ單純な承諾書に書いただけでは意思の内容がどこにあるのかというにとで何億という損害を生ずるか生じないかという問題を起しておるのですね。こういうことはやはり登記に添付する書類は競売の結果においてはその権利は競落人に承継するという文字が入ることがやはり好ましいと思うのですね。そうすればあとで疑義が起らない。これはただ組成物件にすることたけを承諾をしたけれども移転まで承諾していないという意思表示があるかも知れない、そんな意思表示なら当然この要件にはならないのですね。そういうことはやはりルールで親切にしておいてやつたほうがいいのじやないのですかね。この法律と自動車抵当法とはどういう関係になるのですか。
○法制局参事(岸田實君) 自動車抵当法は短期融資の途を開くために設けられたものでございまして、個々の自動車につきまして抵当権を設定するわけでございます。こちらのほうは事業全体の財産を組成物件といたすわけでございますが、この財団の組成物件につきましては六條の第二項によつて当然所属主義をとつておるわけでございます。それを財団が設定せられますと、目録に記載されると否とにかかわらず、この財団の組成物件になるわけでございます。併しながら他人の権利の目的となつておるものにつきましては、六條二項の但書でこれを除外して組成物件といたさないということにいたしておるわけでございます。従いまして自動車につきましては、すでに自動車抵当法が設定せられましたのちにこの財団が設定されるという場合におきましては、自動車抵当の対象になつた自動車はこの組成物件から除外されるということになるわけでございまして、又こちらの財団が先にできまして、そのときに自動車がこの財団の組成物件として目録に記載されますと、その後には個々の自動車につきまして自動車抵当を敷くということはできないということになるわけでございます。その間の権利関係はこちらの事業財団の目録にも記載いたしますが、同時に個々の自動車の登録原簿にこの財団に入つておるということを明かにいたしまして、第三者との権利の摩擦をないようにするということにいたしておるわけでございます。
○伊藤修君 今の御説明は結局第六條第二項の「但し、他人の権利の目的であるもの」その中に含まれるという御趣旨ですか。
○法制局参事(岸田實君) さようでございます。
○伊藤修君 そうするとその権利関係は財団設定の場合において当然証明書を取ることになるのですね。
○法制局参事(岸田實君) その場合には個々の自動車の登録原簿を照合いたしまして、権利関係があるかないかということを確めた上で、この財団法に編入するかしないかということをきめるわけであります。
○伊藤修君 それは誰がきめるのですか、そういう手続は。
○法制局参事(岸田實君) この手続につきましては工場抵当法の登記の際の詳細な手続を全部準用いたしまして……
○伊藤修君 だから私のお尋ねするのは、登記官吏がそれに対するところの認可を得るところの証明書を提出すべきことを命ずることになるのですかと、こう聞いておるのです。
○法制局参事(岸田實君) この財団の設定が申請されますと、登記官吏はこの個々の不動産の登記を管轄しております登記所、或いは自動車でありましたらその登録原簿を持つております陸運局に通知いたしまして、そうしてその陸運局なり登記所の登記簿の謄本を送らせることになつておるわけでございます。従いまして自動車に対して抵当権が設定されておりましたならばその設定されておるという通告が陸運局からありますので、そういう物はこの財団の管轄登記所はこの組成物件から除外する。除外しなければ無論登記を認めないという扱いをいたすわけであります。
○伊藤修君 そうすると申請がありまして、そこに他人の権利の目的となつておるもの、こういう自動車を百台ということを書いて出した場合に、その申請を受けました主務官庁に通知をよこしますほうの主務官庁は、それに対してすでに自動車抵当法によるところの抵当権が設定されておることを通知する、それから後登記ができるのですか。
○法制局参事(岸田實君) どちらの登記ですか。
○伊藤修君 基本的な……。
○法制局参事(岸田實君) そうでございます。
○伊藤修君 そうすると一たん受理しても主務官庁に照会するまでは登記は完了しないことになるのですね。
○法制局参事(岸田實君) そうでございます。
○伊藤修君 それは登記法から出て来るわけですか。
○法制局参事(岸田實君) それは工場抵当法の規定を準用しておるわけでございます。
○伊藤修君 それから出て来るのですね。
○法制局参事(岸田實君) そうでございます。
○伊藤修君 それから今の「権利の目的であるもの」ということの中の今の抵当権の場合はわかりましたが、売渡担保の場合はどうなるのですか。
○法制局参事(岸田實君) 売渡担保は形式上それが譲渡の形式をとつております場合にはこれは他人の物ということになりますから、勿論この第四條の「同一事業者に属し」というところにかからなければならんと思います。その財産が同一事業者に属しておる所有物でなければいけない、権利が事業者に慰していなければならんということになりますから、売渡担保の場合はその名義が相手方に移つておる場合においてはここに入り得ないじやないかと思います。
○伊藤修君 あなたは事業を御存じないからですけれども、名義が相手に移るということは要するに向うから借りておるということになるのです。そうでなしに名義はこつちで持つておつてそして且つその所有権は向うに渡しておるということが殆んどあり得るのですね。そというものはこれに含むか、含まないか。
○法制局参事(岸田實君) その何と申しますか、名義が事業者の側にある場合ですと、自動車の場合をとりますと、その登録原簿におきまして事業者の自動車であるという建前になつておるといたしましたならば、それを若しこの財団の組成物件の中に申請して参つた場合にはそのまま登記されると思うのでございます。その場合には相手方は対抗力を持ちませんからそれが自分の物であるということをこの財団の抵当権者等に対して主張できないという関係になるのじやないかと思います。
○伊藤修君 それはどうでしようね、実際上取引の上においては多く行われておりますよ。要するに名義書換に必要な書類を一切付けてそうしていわゆる監督官庁の移転許可に必要な書類を全部相手方に渡して、何どきでもその車は相手方の手中に帰し得るような状態において、且つその名義者がその金を返済するに至るまで使用しておるというのが今日の業界におけるところの最も多くの事例ですよ。いわゆる自動車抵当法ができない前には殆んどそれなんですから、できたからそのいわゆるメーカーと業者との間にはそれはなくなつたでしよう。併し個人間においてはなお且つ今日でも存在しておる。要するにそれは結局名義書換だけなんです。法律的にいいましても本質的には所有権は相手方に移つてしまつたのです。担保の目的の範囲内において所有権が移つておるのです。債権関係は存在している。あとこの場合、第六條の他人の権利の目的の中に入るかどうかということをお聞きしたい。
○法制局参事(岸田實君) 今おつしやいましたような場合ですと、実質的には所有権は移つておるわけでございますから、実質をとらえますと、この事業者の物でないということで本来ならば組成物件に入れられないものだと思うのでございます。併しながら登記のあるものにつきましては対抗力が登記にかかつておりますから、仮に事業者がそれをだまつてこちらの財団設定の場合に登記いたしますと、登記所その他登録官庁に連絡いたしましても、原簿には依然として事業者の所有物ということになつておりますからそのままその通知が来るということになりますと、財団の組成物件として登記されるということになつてしまうのです。その場合には事業者が或る意味において二重売買をやつたということになりまして、その相手方は非常に損害を受けますが、併し抵当権者に対しては対抗できないという形になりまして、あとは損害賠償なりその他の方法によつて自分の権利を移転するということになるのではないかと思うのであります。
○伊藤修君 その場合においてすでにこの引渡が相手に完了しておる、その引渡が完了して更にこちらのほうが賃借しておるということが書面の上において取交わされておる、これは事実そうしてやつているのです。要するに債権者としては有効適切な方法をとつているのですね。だから実質的にはそれぞれ良心的な事業者ならば勿論組成物件としては入れないでしようけれども、併し形式的に一応その会社の所属の自動車として登録されているのですから、それを以てしなければ事業單位の認定を受けられないというような関係からしても、そこにあるいわゆる形式的に存在するところの台数というものを登録する場合があり得ると思うのです。するといわゆる本来の所有権者との間の問題ですね。後に罰則が出て来るのですが、要するに処分というものをいつからするのか、すでに処分したものをそれを無視した場合における罰則というものがないことになる。だからそういうものに対するところの罰則で縛るか何か考えないと、これはどうかと思うのです。いわゆる何かルールで賄うとか何とかしないと、これは経済の取引の面において狹義の例じやないのです、殆んど行われておる例なんです。いわゆる現在の事業界の実態と法律とが齟齬しているといけないと思うわけです。その実態に照応するような考え方を盛り込まなければいけないと思うのです。要するにその手当を用意しておかなければならんと思うのです。
○法制局参事(岸田實君) どうも今おつしやいました問題は非常に困つた問題でございますが、まあ大体普通の場合は、その相手方に所有権が移つた形になつておるんじやないかと思うのでございますけれども、若しそうでないということになりますと、この法律が出ると不測の損害をこうむるということになつて来るので、又罰則の適用もございませんしいたしますので、非常に考えなければならん問題じやないかと思つております。
○伊藤修君 その場合において、いわゆる登記簿に不必要な記載をなさしめたという問題も生じて来るし、いろいろな問題が生じて来ると思うのです。まあルールで賄うか何かそこをお考えになつて頂いたほうがいいのじやないか。これはもうたくさんあることなんです。現在行われておることですからこれに対して経過的規定を設けるとか、何かお考えにならないと処置できないのじやないかと思うのです。ルールの上でお賄いになればよろしうございます。何かお考えになる必要があると思うのですね。その点は御注意申上げておきます。よく研究してみて下さい。
○法制局参事(岸田實君) その点は十分研究さして頂きたいと思います。
○伊藤修君 それから第六條まで行つちやつたのですけれども、四條の第二号の「自動車、」ごれはわかります。「その附属品」というのはどこまで指すのですか。
○政府委員(中村豊君) 自動車の附属品というのは例を挙げて申上げますればラジオ、ヒーター或いはシート又はジヤツキその他の工具類、こういうものであります。
○伊藤修君 するとそういうものを譲渡することは禁止されておるのですよ。ありましたね、何條ですか。
○法制局参事(岸田實君) 工場抵当法の規定を準用いたしておるわけでございます。個々の組成物件を譲渡することはできないという規定が工場抵当法にございます。これを準用しておるわけであります。
○伊藤修君 それに対する犯罪もあるのでしよう。第二十一條……。
○法制局参事(岸田實君) そうでございます。
○伊藤修君 そうすると、そうした部分品を売ることはできない、まあ事実上これは売るでしようがね、如何です。
○植竹春彦君 附属品は事実上売ることはないと思いますが。というのは工具類という今中村局長から説明でありますが、工具類にしましてもそんなにたくさん付いておるものではありませんし、それからいわゆるパーツというのはいわゆる附属品ではなくして、スペアを業者は通称パーツ、部分品と称しておるのでありますけれども、先ず売つても二束三文になるものが多くて、それから又御質問のような問題となりまするものを売つて売れるものといいますれば、只今局長の言われましたオイル・ジヤツキとかコンプレツサーといつたような高価の品物は確かに若し売られますればこれは罰則の適用を受けざるを得ない、こういう区別をいたしておるのでございます。
○伊藤修君 それから故意に売れば直ちに二十一條に触れますが、例えば今の附属品のラジオとか或いはその他のものが悪くなつたので取替えるとかいうために、善良な管理者の意思を以てやるというような場合にはどうなるのか。それもこの二十一條の譲渡に含むのか或いは除外するというのか、二十一條の書き方からいうと除外しているとは考えられない。それはあくまで残しておかなければならん。ただ新らしく付加するものだけが認められておる、いわゆる既存のものはたとえ不用品でも残しておかなければならんということになるのかどうか、手が付けられんのかどうか。
○法制局参事(岸田實君) 法律の建前としてはおつしやる通りでございますが、罰則につきましても抵当権者のいわゆる親告罪になつておりまして、告訴を待つて取扱うということになつております。従いまして抵当権者がそれでまあ甘んじておるというような場合でありましたならば罰則の適用はないということになるわけで、結局そういう場合には、正しいこの法律の規定の運用からいたしますと、例えば消耗品のようなものであれば、消耗してしまえば機械機具としての効用をなさないという状態になれば、これはそのものが滅失したと同じように考えていいのではないかと思うのでございますが、そのほかに例えばその事業用に必要でなくなるというような場合がありますと、正規の手続といたしましては、工場抵当法の準用によりまして財団から分離することの抵当権者に対する承諾を求める、その承認の上でそれを分離いたしまして目録から取消すということになるのでございまして、そういうような手続を包括的に行うか何かいたしまして分離をして行くか、或いは消耗してしまつたという解釈で行くか、いずれかによつて不用のものは廃棄して行くということになるのではないかと思うのでございます。
○伊藤修君 附属品の場合においてそれをたてにしてやられると実際困ることが当然ある、それで勿論消耗品ならば問題がない、消耗品でない機械機具の附属品の場合においてそれがいわゆる能率が悪くなつた、それを取替えるという場合に、取替えたものに対しては問題はない、取替えた既存のものに対していつまでも保存しておかなければならんこれは何号、何号の車の附属品だというので、業者としては非常に煩わしい、しまいには倉庫が一ぱいになつて困る、処分すると悪い債権者になると二十一條で告訴するぞ、こうおどかされて参つてしまうということがある、社長が幾つ身体があつても足らんという結果になるのですがね。余り細かいところまで規定されて多少危険じやないかと思いますね。これもちよつと考えなければ。告訴を待つてとあるが皆了解してくれる債権者ばかりならいいが金貸はそう了解してくれるものじやない、いざという場合は。これはやはり業者としても考えなくちやならんと思うのです。何とか賄う規定をちよつと入れておくか、どこかで手当をすることをお考えになつたほうがいいと思います。 それから今度は附属品じやない本体の自動車ですが、自動車の場合は、これはあなた使えなくなつてもうあれだ、どうしても買替えなくちやならん、倉庫に放り込んでおかなくちやならんという自動車も保存せんならんのですか。二年か三年たてばどうしても買替えなければならん、幾ら長く使つてもトラツクのごときはそう壽命があるものじやない、新車を購入して古いやつはちやんと大事にしておかなければならんということになる。これは業者として置場に困る、この点どうですか。勿論それは目録から外せば問題はない。
○法制局参事(岸田實君) 法律の建前といたしましては、抵当権者保護のために非常に厳格な規定を設けておりますので、その場合におきましては、新車と取替えるものでありましても、前の古いやつは廃棄したいということで分離の手続を同意を得、抵当権者からもらいましてそれを分離いたしまして新車を新たに補充するという恰好になるわけでございます。それでそういう大体企業というものは機動的に運営されてその間にいろいろ有形財産は変動して行くのが常でございますから、包括的に分離の同意をあらかじめ得ておくというようなことも、実際問題としては考えられるのじやないかと思うのでございます。
○委員長(山縣勝見君) それではこれを以て休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 —————・————— 午後一時四十六分開会
○委員長(山縣勝見君) 休憩前に引続きこれより連合委員会を開会いたします。
○伊藤修君 第四條の組成物件として営業権というものが明示されていないのですが、営業権というものは一体組成物件に入るのか入らないのか。
○法制局参事(岸田實君) いわゆる普通に営業権といわれておりますものは、経済的にこれを申しますと、企業収益から換算いたしました企業価値とでも申しますか、企業価値から有形資産の価値を控除いたしました残りのものを無形資産価値といたしまして、それを包括して営業権というような名称で実際の取引におきましては取引の対価の中に織込まれておるわけでございます。両法の営業譲渡の観念の中には、只今申しましたような営業を行うべき地位並びにいわゆる物権的なものでない事実上の要素も営業権というような名称で取扱われるということを前提にいたしまして規定いたしておるわけでございますが、併しこれは物とか或いは現在の既存の法律観念におきまする権利と称し得るものであるかどうかという点は非常に疑わしいのでございまして、通説は、これは事実上の取引上の利益のある要素であつて、権利ではないということを言つておるわけでございます。元来財団は抵当権を設定いたす目的のために作るものでございますが、抵当権はその性質上その対象となるべきものが特定されておる必要があるわけでございます。その対象によりまして優先的に弁済を受けるということになるわけでございますし、その第三者に対しましては排他的な権限を持つものでございますから、その内容が具体的に特定され、比較的安定性のある権利であることを必要の要件といたしておるわけでございます。財団制度は、既存の民法の抵当権が不動産にその対象を限定いたしておりましたのに対しまして、その範囲を拡大いたしまして動産をも含み、又物権的な色彩の強い賃借権というような債権まで含んでおるわけでございます。併し、抵当権が本来求めております原則は依然としてこれを踏襲する必要があるという建前で従前の各種の財団制度はできておるわけでございます。従いまして只今申上げましたような事実上の要素であり、又その内容が如何なるものによつて構成されるか不安定のものであり、将来の経営の方針の如何によりましては変動する可能性もある営業権というものをこの組成物件の中に入れるということは適当ではないのではないかというので、業界などにおいてはそういう要望もあつたという話も伺つておりますけれども、従前の財団制度を参酌いたしまして組成物件から除外いたしたわけでございます。併しながらこの法律では、先ほども申上げましたように十八條によりまして当然免許の承継という建前をとつておりますので、結局この財団が競落されますとその事業が競落人に移ることになります。そこで、その点から営業権的要素はこの財団の中に背後に取入れられておるという恰好になりまして、従つて工場抵当法の場合よりはこの法律による財団の価値というものは、只今申上げました営業権的な要素をも含めた、生きて活動している企業自体を担保の対象にしたような効果を生んで参るのではないか、それだけ担保価値も高ま つて来るのではないかというふうに考えられるわけでございまして、結論としては、組成物件に明確に規定いたさなくても、営業権的要素はこの法律においては考慮されておるということが言えるのではないかと考えておるわけでございます。
○伊藤修君 明示しなくとも免許という範疇において当然それが経済価価が賄われるということでありますから、それも御尤もだと思います。そういたしますと、その商号、商標というものはどうなるのですか。いわゆる継承する者が当然それをも受継ぐという考え方で行つていいかどうか。或いはそれは受継ぎ得ないものであるという考え方であるかどうか。
○法制局参事(岸田實君) 商号、商標は一つの権利の対象となつておりまして、而も組成物件に入つておりませんから承継されないことになると存じます。結局その企業の実体が承継されるということでございます。
○伊藤修君 そうすると、その場合において認可の基本的な名称というものは変つて来るんたが、その場合承継されたものに対しまして異なる名称を以て新らしく許可するということになるんじやないでしようか。当然承継ということになるのですか。
○法制局参事(岸田實君) これは法律上当然承継という建前をとりましたが、勿論所有者が変るのでございますので、名称の変更等に対しましては丁度事業が譲渡された場合と同様な結果になるわけでございまして、監督官庁に対しましては名称変更の届をするなりいたしまして、所有者、競落人が事業者であるという地位を確実にするということになるわけであります。
○伊藤修君 そうすると、抵当権実行によつて取得するものは、組成物件として挙げられたものの所有権と免許権というものが取得されて、それ以外のものは取得されないということになるのですね。
○法制局参事(岸田實君) お説の通りでございます。
○伊藤修君 そうすると、先の免許によるところの実態というものは変つて来るんじやないでしようか。そこのところはいいのですか。要するに承継されるところの権利関係ですね。
○法制局参事(岸田實君) 実体は組成物件に入つていない、例えば商標とかそういう権利は伴いませんから、その意味におきましては権利の内容が変つて参ると思います。ただ行政上の免許に基く権利義務は当然承継になるわけでございます。から従前の事業者と同一の地位に立つ。それから組成物件に該当いたしますものは当然所風主義でございますから、その競落のときにありましたものは全部包括的に移るということになりまして、組成物件から除外された若干の権利は移らないという点においては免許による権利義務の実体が少し変つて来るという点は考え得ると思います。
○伊藤修君 要するに私のお尋ねするしことは、いわゆる免許というその権利義務ですね、免許権というものが当然承継するということは本法になつておりますから、当然承継するということになれば、先になされた免許の内容というものがそのまま承継人に移るというのか。そこによつて先になされた免許と今度は変つた免許になつて来るのか。免許は切換えられるという意味になるのか、そのまま来るのかと、こういう意味です。
○法制局参事(岸田實君) それは前の免許がそのまま移るわけでございます。但し、名義等の変更のあることは当然でございますが実態はそのまま移るわけであります。
○伊藤修君 そういたしますと、先の免許、いわゆる当初の免許に付蔕されたいろんな條件がある場合も想像できると思うのですが、そういうことはないかも存じませんが、そうするとそういう條件若しくは瑕疵、いろいろなものが当然そのまま承継人に移るのかどうか。そうすると承継人はそのまま実行しなけりやならんということにもなりましようし、そういうものは受継がない、いわゆる無疵のものを受継いで再出発するということになるのかどうか。
○法制局参事(岸田實君) 前の免許に附せられました條件等は、すべてそのまま競落人に承継されるということになるわけでございます。
○伊藤修君 そうすると前の免許を受けた当時に理事者においてなさなければならなかつた義務を承継人が代行することの責任を負わなくちやならんのであります。
○法制局参事(岸田實君) そういう條件のあるということを前提の下に承継されるのでございますから、前の理事者が負つておる責任は競落人は自分の責任として果さなけりやならん、事業者として果さなけりやならん、こういうことになるわけであります。
○伊藤修君 ちよつとそこのところが理解しかねるのですがね。例えば前の許可においてなさねばならなかつたいろいろな事項というものが、この競落という事実、法律効果の下に直ちにそのままその瑕疵が承継人に移るということが、自分の責任でもないことが移つて来るということはどうなんですか。まあ條件の場合はいいでしようが、そうでなくて例えば改善命令というものがあつた場合に、改善命令によるところの義務履行というものが前理事者においてなさなくちやならん、それが競落によつてその人が責任を解除される、そうすると競落した人が今度はその責任を果さなくちやならんということはちよつと不合理じやないでしようか
○法制局参事(岸田實君) これはどこまでも前の免許の内容がそのまま競落人に移るということにいたしまして、事業の中絶を避けるということで規定いたしたのでございますから、免許に基く権利のみならず義務も承継すると規定いたしたわけでございます。そこでお説のような場合に、急に変りまして、前の改善命令を実施してないものをやるというような場合に、実際問題としてはいろいろな支障を生ずるであろうと思われます。それらの点は法律上は一応承継することになりましようが、運用としては例えば十八條にも規定がありますように一定の休止期間を設けるという規定がございますが、事業の引継に伴ういろいろの準備その他もございますので、事業の運営を休止することを認める規定を設けておるわけでございます。その期間内に監督官庁と折衝を遂げまして、競落人に不当の支障のないように、競落があつたという事実を前提の下に改善命令等につきましては更に検討を加えるという時間的な余地は與えられておるわけでございます。その期間にそういう処置をとりまして不当に無理のあるようなことは運用として避け得るのではないかと思われます。
○伊藤修君 まあその点は運用によつて賄えると思いますが、理論的にいいますと、先の改善命令が例えば八月一日までにしなければならんという命令が出ておる、それがたまたま八月一日若しくは七月三十一日に競落して競落代金を払つたという場合に事実上において不可能である。そうすると当然承継するということになりますればその承継人はできないのです。そうすると免許は取消されるぞと、これは固苦しい話になりますればそういうことになるのです。私はそこのところを明らかにしておきたい。ということは当然承継するということになるとそういうような問題も生じます。そうでなくして免許そのものは承継するけれども、免許に対するところのいろいろな条件というものは新らしい企業者に対して新らしく主務官庁側からそれぞれ指示し、要求し、命令するのである、こういうことになるかという、こういう点を明らかにして頂きたい。
○法制局参事(岸田實君) 法律の建前といたしましては第十八條第二項に「前項の免許に基く権利義務を承継した者」とございまして、義務の面におきましても承継されることになつておるわけでございます。それでその二項によりまして、「事業を休止することができる期間を指定する」ということが只今ありましたように引継の際のいろいろな問題を円満に解決するための期間といたしまして、元来業務を実施しなければならない義務を事業者は持つておるものでございますが、この休止期間を設けることといたしたのでございまして、その間に調整を加えるということを予想しておるわけでございます。
○伊藤修君 次に第四條第一号の工作物の意義をお伺いします。
○法制局参事(岸田實君) 工作物は人工で作られました土地の定着物を広く工作物という言葉で現しておるのでありまして、例えばこの事業で申しますと、土地の上に存する建物、車庫、停留所、貨物等、給油所、付属工場、事務所、通信又は信号に要する施設というようなものを工作物という言葉で現わしておるわけでございます。
○伊藤修君 まあ自動車事業の場合においてはいろいろあるのですが、そう問題になるものはあり得ないと思うのです。まあ自動車修理のために下へ穴を掘るというくらいのものだと思うのです。そう大して想像できないのですが、自動車道路事業の場合においては工作物は自動車道路に対するところの 一切の道路施設もあるのですが、それも工作物というのですか。それは道路の事業という概念の中に入れるのか、工作物として別に出すのか。
○法制局参事(岸田實君) 道路に附置されております施設も工作物という観念で與えられております。
○伊藤修君 そうすると自動車道路事業の場合においてはとの範囲内で出すのですか。例えば普通道路の場合もありましようし、アスフアルト道路の場合もありましようし、コンクリート道路の場合もありましよう。それは道路という一般観念の中に入れるか、或いは工作物とするのか或いは橋梁も工作物とするのか、或いは溝渠はどうするのか、或いはその他の急傾斜、急カーヴの場合におけるいろいろな標示施設というものを工作物というのか、その点を伺いたい。
○政府委員(中村豊君) 橋のようなものはやはり工作物と考うべきだと思います。橋梁或いは防護柵或いはそういうものも勿論工作物でございます。その低かに給油所とか休憩所とか或いはまあ番人の小屋とか勿論工作物でございます。
○伊藤修君 番人小屋はどうかね、移動し得るものはどうか知らんけれども。信号所の建物と二通りあり得るですね、それは。 それから第五号のうちに牛馬を含めておるのですね、これは馬籍法とはどういう関係になるのですか。
○法制局参事(岸田實君) 馬籍法は廃止されております。
○伊藤修君 そうすると今馬に対するところのあれは、全然法律はないのですか、牛馬に対しては。
○法制局参事(岸田實君) はい、そうです。
○伊藤修君 全然ない。
○法制局参事(岸田實君) ええ。
○伊藤修君 そうするとこれは馬はどうするのですかね、これはどの馬ということが変つてしまうでしような。
○法制局参事(岸田實君) これは標示特定化が非常にむずかしいと思いますが、農業動産信用法でございますか、これは前例がございまして……。
○伊藤修君 前例は当時は馬籍法があつたからそれで……。
○法制局参事(岸田實君) それで牛馬の特徴であるとかいろいろな何かしるしを付けるらしいのですが、そういうものによつて特定するような手続き細則が登記関係の規定に出ておるわけでありまして、まあ大体運用につきましてもそれと同様の取扱で特定化をして行くということになろうかと思つております。
○伊藤修君 私のお尋ねしているのは、従来馬籍法によつていろいろな特徴、年齢、毛並そういうものを皆標示されておるのですが、今度はそれがないということになりますれば、一体どうしてその特性を認識するのか。登記関係としてそれを組成物件として書上げるか、馬一頭として書上げるのかどうするのか、馬一頭ということになるとほかの馬と変えても何でもかまわんということになつちやうのです。(笑声)
○法制局参事(岸田實君) これが出ますと、登記取扱手続でとういうようにしても区別するかという細則を設けまして、申請の際にその馬の特徴であるとか、性別であるとかいうようなことを申請させまして、そうしてそれによつて登記をするということにいたしまして、大体運用としては法務府関係ではそれで特定化ができるという見解の下にそれを前提にいたしまして、これを入れたわけでございます。
○伊藤修君 ついでにもう一点だけこの点伺つておきたい。第四号の機械、器具これは機械、器具を全部賃借してやつておる場合があり得るのです。そういうものは組成物件として成立つかどうか。
○法制局参事(岸田實君) それは第三号の「賃貸人の承諾あるときは物の賃借権」というのがございまして、機械、器具が全部賃借されておるという場合は非常に稀な場合だろうと思いますが、その場合にも承諾があれば財団の組成物件にすることができるわけです。
○伊藤修君 この際植竹さんの御答弁を伺いたいと思います。
○植竹春彦君 先ほど伊藤委員から営業権についての御質問があつたわけでございますが、これにつきましては業界からも質問又要望もございましたので、この伊藤さんの御質問に対する発案者側の答弁に関連いたしまして補足的に答弁を申上げておきたいと思います。 営業権が権利であるという考え方も私は発案者の一人といたしましては成り立つと、こう考えております。営業権に法律上の権利としての性格を與えで譲渡を認める、流通温和に人らしむることも今、立法に際しては一つの立派に成り立ち得る議論である、むしろそのほうが業界の実情に即しておると思われます。現に営業権は売買されておりまして、路線の売買等にはむしろ営業権の査定、営業権の先買に入る交渉におきまして重点をおいて売買しているのが業界の実情であることは御承知の通りでございます。ただこれがまだ現在の社会通念とまでなつておるかどうかという点につきまして愼重な考慮を払つた次第でございまして、この法案の原案に営業権を物件として取扱わなかつたというのはこの点を勘案したからでございます。即ち監督官庁側の免許、行政上の見地から、取扱上の便不便、効果弊害等を十分考慮に入れるべきであると思いましてその営業権を今回は入れなかつたわけですが、曾つては占有権は物権でなかつた、それまでに発達していなかつた、單に占有の事実てあつたものがだんだんに発達して法律上の権利、占有権という物権として登場して来るようになつたというふうなこの法律上の歴史を考えてみますときに、やがて将来はこの営業権も健全たる物権として流通過程に入つて来る、又法律的に認められる時代が来るのではないか、むしろそうしたほうが弊害も却つて伴わない、而も営業権の査定に当りましても、却つてそのほうが公正妥当な算定もでき得るかと、いろいろ鉱業権とか漁業権寺の差異につきましての先ほどの答弁もあつたわけでございまするが、この自動車業界の営業権につきましても将来はさように考えておるのでありますが、右申上げました通り、現在の通念、監督行政の立場からの考えを考慮に入れました結果認めなかつた次第でございます。あわせてお答え申上げます。
○伊藤修君 これは今お尋ねした趣旨は、御承知の通り工場抵当法というものが明治時代のいわゆる企業の未だ発達せざる時代に賄われた法律でありまして、現在企業にはそれ自体が適用しかねる部面が多々あるのです。事業財団帯しくは工場紙当としてですね、もつともつと拡大しなくちやならんという面も多々あるわけであります。従つてこの工場抵当法というものが時代にふさわしからざる法律であることは御承知の通りであります。近く鉱業法におきましても事業者団体に対しまして各種な抵当法が個々に存在しております。これを工場抵当法に全部收容いたしまして、一本の工場抵当法として、この種のものは各章に事業ごとに賄いたいという考え方で進められることと思うのです。従つてその場合において、近代企業において重要なる部面をなすところの無体財産権というものに対してどう賄つて行くかということのお考え方を伺つたわけであります。将来においては、無体財産権をやはり事業団体の組成物件として認定する場合には、そういうものがあつてこそ初めて経済価値が高められるのですから、これを対象にすることはやはり債権者に対して有利であるし、且又金融の面からしましてもそれだけ金融を多く求められるということになるのですが、これはお考え願つておいていいことだと思うのです。今度工場抵当法の改正の四十二條の二によつて分割を認めているのですが、この分割の場合と本法の場合とにおいて、これが当然元の適用を準用しているようでございますから、そういう場合の処置はどういうようにお考えになるのですか。
○法制局参事(岸田實君) 十九條によりまして今度新たに改正され旅した工場抵当法の分割の規定は準用いたしております。そして十九條の中に「その他の規定中「工場」とあるのは「事業單位」と読み替える]ものとする。」というのが最後にございまして、工場抵当法では数個の工場が一つの財団に入つております場合は、工場ごとに分割することができるという規定があるわけでございまして、それを準用いたしますと、この道路交通事業におきましては事業單位別に分割することができるということになるわけでございます。
○伊藤修君 そうするとその事業單位というものが最初そういう数個に認定されておりますうちはよろしいが、いわゆる後日において分割の必要を生じたという場合において、いわゆる今度改正によるところの四十二條の二ですか、分割の措置をとるという場合において、いわゆる工場ごとというのを事業單位に読み替えるのですが、その場合においていわゆる第二條の事業單位の認定というものを新らしく出すことになるのですか、それはどういう手続が……。
○法制局参事(岸田實君) 初めに例えば全部の事業に財団を設定いたします場合におきましても、あらかじめこの事業單位の認定というものを受けるわけでございまして、その際に主務大臣はその事業の内部の客観的な状態を検討いたしまして、その一つの事業に幾つの事業單位があるかということを判定いたしまして、二つなら二つ、三つなら三つの事業單位があるということでこの認定書というものを出すわけでございます。そういう場合には後日分割をする場合にそのままやれますが、仮に当初は一つの事業單位として認定をされました場合は、その後非常に事業が拡張されたりいたしまして、その実体が数個の事業体に相当するようなものになつたという場合を仮定いたしますと、その場合には更に事業單位の認定替ということも考慮する必要がある場合が生ずるのではないかと思うわけでございます。その場合には事業單位の認定替をいたしまして、更にそれに基いて登記の財団目録等を変更いたしました上で分割をやるということになろうかと考えます。
○伊藤修君 分割の場合におけるところの規定は、この工場抵当法の場合の規定そのままでよろしいのですか。
○法制局参事(岸田實君) 第十九條に示してあります読み替え以外はそのまま準用して差支えないと存じております。
○伊藤修君 もう一点伺つておきたいのですが、この法律は工場抵当法の第八條の事業單位、事業財団としての規定を根拠としてこの工場抵当法の第一條から第七條までの規定は必要ないのですか、この事業に対しては。
○法制局参事(岸田實君) これはこの免許の細分化の防止その他の点から、事業を構成しておりまする一部のものだけにつきまして、特別の工場抵当法のような工場抵当財団でない工場の抵当のようなものは考慮する必要がない、それよりむしろこの財団の形態におきましてそれが競落されました場合に、そのまま事業が健全に継続されるような形態でやつて頂きたいということで、工場抵当法の二條乃至七條の規定は準用いたしておらないのでございます。
○伊藤修君 実際企業の面において、個々の小さな、小さなといつてはおかしいが、一つの工場法たけで金融措置が賄われるという必要性もあると思うのですが、そういう場合を賄わなくても業界において希望としては第八條だけで結構だ、こういう希望なんですね。
○政府委員(中村豊君) 業界からの希望は、やはり建物、施設という單独のものだけではなしに事業全体を抵当にして、担保価値を増して信用をつけて、こういうことで、工場抵当法のこういう個々の工場についての或いは個個の建物についての抵当というような希望は全然聞いておりません。
○伊藤修君 個々の場合において金融措置を賄いたいと思う場合は、單純な抵当法によつて賄うという考え方か、或いは工場抵当法の適用があるという考え方か、全然工場抵当法の適用なくても差支えないという考え方ですか。
○法制局参事(岸田實君) この法律では工場抵当法の只今申されました部分は準用いたしておりませんから適用が全くございません。結局個々の財団を普通の抵当に入れるか、或いは自動車抵当によつてするかによるわけでございます。
○伊藤修君 この法律によつて抵当権実行の場合のみが予想されて規定されておるのですが、強制競売を強行した場合にはどうなるのですか。 〔委員長退席、大蔵委員会理事岡田信次君委員長席に着く〕
○法制局参事(岸田實君) 他の債権に基く強制競売中のものにつきまして抵当権実行の事由が後から生じた場合には、抵当権の興行が強制競売に優先して実行できるというふうに考えておるわけでございます。
○伊藤修君 ちよつとわかりかねます。
○法制局参事(岸田實君) 実は今私言い間違いました、失礼いたしました、強制管理ではなしに強制競売でございます。強制競売が実行されました場合は第十五條にございまして、「事業財団に対する抵当権の実行のための競売手続又は事業財団に対する強制競売手続の開始決定の時以後において、いろいろ免許の取消、失効がありました場合には、これは失効がなかつたといたしまして、競落人にこの事業に関する免許を承継させるというようになつ津ておるわけであり律して、抵当権者はその強制競売による競落代金から優先的な弁済を受けるという途を、これによつて担保価値を維持しつつ保証したいという気持から、この十五條にその規定を入れておるわけでございます。
○伊藤修君 十五條だけの規定で以て強制競売と抵当権の実行との競合が解決できますか、一般規定に任せちやつたのですか。
○法制局参事(岸田實君) 一般規定に任してあるわけであります。
○伊藤修君 一般規定に任されたといたしますれば、その場合において免許を承継する、こういう関係においては、何人がこれを競落しても差支えないことになるのですか、この承継者の立場は。
○法制局参事(岸田實君) さようでございます。十八條によりまして競落人の資格については何ら制限を設けておらないのでございます。但し交通事業におきまして個人的な欠格事由に属する者、例えば刑罰に処せられた者とか、或いはそういう者については一応承継するという建前はとりますが、主務大臣はその免許を取消すことができるということにいたしまして、競売手続は成るべく円滑に取運ばせながら爾後において取消し得るという権利を保留してあるわけであります。そのほかの点につきましてはこの法律には特別の制約を設けておらないわけでございます。
○伊藤修君 たくさんお伺いしたいこともありますけれども委員の諸君も大分出て見えませんし余り長い間やつてもあれですからこの程度にしておきましよう。丁度この質疑応答の資料のことについていろいろお聞きしたいこともあるのですが、これはこの本を読まして頂いて承知することにいたしましよう。
○委員長代理(岡田信次君) ほかに御質疑はございませんか。
○伊藤修君 この際にちよつと申上げたいことがある。これは植竹さんにも申上げておいた次第ですが、かような法律に対しましては、やはり専門のほうへ今度は任して頂きたい、こう思うのです。というのは近く運輸ですか、交通事業に関する参與制度の法律案が出るようでありますが、こういう面につきましても、ただ交通だけで以て運輸のほうでおやりになるということは好ましくないと思いますが、やはりお互いの、私のほうが運輸のことを自分で立案して自分で審議することはこれは又越権の沙汰じやないか、こういうことも十分御了承を願つて今後の取扱を願いたいと思います。
○委員長代理(岡田信次君) ほかに御発言はございませんか。別に御発言もないようでございますから、運輸、法務連合委員会は終了いたしたものとして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長代理(岡田信次君) 御異議ないものと認めて連合委員会はこれにて終了いたします。 午後二時三十一分散会