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13回国会衆議院1952/03/06

労働委員会 第6号

発言数
167
登壇者
15
会派数
6
開催日
1952/03/06

会議録

島田末信自由党

○島田委員長 これより会議を開きます。  労働行政に関する件を議題といたしまして調査を進めます。質疑を許します。前田種男君。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 外務当局の出席を求めて質問することが本筋でございますが、日米の交渉の関係で出られないということでありますから、後日出席していただきたいと思います。行政協定の内容について労働省当局の見解をただしておきたいと思います。  協定の第十二条の四項、五項の問題でありますが、独立後の労使関係、いわゆる軍関係あるいは協定に基いておる内容における雇用関係、あるいはそれから発生するところの一切の問題に対して、この条約はいかなる内容を示すものであるかという点を、労働省当局から明確に御答弁願いたいと思います。

富樫総一労働事務官(大臣官房総務課長)

○富樫説明員 この問題は労働省の各局に関連し、またがりますので、便宜最初に私より事務的に申し上げたいと存じます。  第一に駐留軍に必要な労務の充足方法でございますが、これにつきましては、協定中に日本政府の援助によつて充足することというふうに規定してございます。この援助とは何を意味するかということにつきましては、具体的に規定してございません。従いまして弾力的な意味を持つておることになつております。特に問題となりますのは、職業安定機関の援助をもつて充足することは問題ないのでありますが、その後におきまして駐留軍当局が直接に雇用するか、あるいは現在のごとく特調のごとき機関が、日本政府が雇い入れた上で提供するか、いわゆる直接雇用、間接雇用の問題があるのでありますが、その点は行政協定の解釈上、便宜によりいずれの方式をもとり得るということにになつております。その意味は、筋といたしましては直接雇用であるべきだというのでありますが、実際問題として言葉の関係やら労働環境の特質などからいたしまして、実際上労働者の保護のためには、間接雇用の方がいいという関係組合等の希望にもよりまして、現在のところ大体現状のごとく大部分間接雇用の方式で行く、こういう見通しを立てております。それから雇われた後におけるいわゆる労働関係でございますが、これにつきましては協定に書いてありますように、原則といたしまして、国内労働法規が全面的に適用され、その法規の中には申すまでもなく組合法、労調法、基準法等の労働三法が含まれるわけでございます。特にそこに、別に合意ある場合を除くのほかということで、何らか合意があつた場合には、現行労働法規の例外的取扱いを受ける道が開かれております。この意味は、駐留軍という軍隊に使用されるということの性質に基いて、あるいは何らかの特別な扱いを必要とする場合もあるであろうということで、その道を開いたのでありまして、今日何らかの例外とりきめをするという具体的なものを、現在予定してはございません。今後の折衝によるわけでございます。それがない限り、原則として労働法規を全面的に適用する、これが全体としての筋でございます。なお足りないところは御質問に応じてお答えすることにいたします。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 直接雇用か間接雇用かという問題につきましては、従業員あるいは労働組合の希望によつて満たされるという御答弁でございますが、ここで問題のあるのは、私は原則としては、直接雇用であつても間接雇用であつても任意でいいと考えられるのです。というのは、かりに日本人がアメリカに行つて商売をした場合に、アメリカ人を使う場合もあり得るから、アメリカ人が日本に来て日本人を採用する場合に、直接雇用関係を持つということもあり得るのです。ただ問題は、その国の法律の適用を受けるか受けないかということが大事であつて、今度の場合は、日本人がアメリカに行つて商売をする場合はアメリカの法規に従つて、そうして雇用関係というものは一切縛られる。つまり今度の行政協定から行きますと、アメリカの駐留単、それに関係するものは治外法権のもとにおいて適用されるという問題でございますから、雇用それ自体は間接か直接かということになりますが、それから生じて参りますところの一切のものが、日本の法規が適用されないという、そこに問題があるのです。だからその点をもつとしつかりせぬと、使われる方は法規で縛られる、使う方は法規のらち外に置かれる。ただ好意をもつてと言われますが、好意をもつてというような考え方で一切を信用して行けるかどうかというところに、基本的な問題があるわけでございますから、この点をもつと明確にせなければならない。この行政協定の一番大きな不備の一つはここにあると考えます。この点に対して、当局の見解をもつと明確にしておいていただきたいと思います。

富樫総一労働事務官(大臣官房総務課長)

○富樫説明員 問題は、いわゆる刑事裁判権が日本裁判所になくして、軍事裁判所にあるということでございまするが、これにつきましては協定の第四項におきまして、日本政府が通告いたしました場合には、合衆国はこれを捜査し、正当に処理する意思及び能力を有することを約束するというふうに規定してございますし、さらにそれに引続きまして、間違いのないように扱うことを規定しております。協定で両国政府がこういうふうに約束しておる以上は、大体これで行けるのではないかというふうに考えてております。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 大体行けるのではないかというようなあいまいな考え方では、たいへんだと私は考えます。刑事問題に関する条項は別といたしまして、雇用関係だけを押えてみましても、重要な問題は、使う方のやつておりますところの日常の行為に対して、日本の法律が何らの制裁を加えることができないということになりますと、まつたく一方的になります。問題は、軍の希望を満たすために日本政府が援助をして、いろいろな点を充足するということは、アメリカ側の強い要望であつて、不便を来さないために日本政府が援助するというのでありますが、逆に日本の国民の権利義務を守るために、日本政府はどの程度アメリカ政府に対して強くものを言えるかどうかという点が、この協定に拘束されて言えないという結果になりはしないかということが問題になります。雇用関係が円満に行つておる間は問題がありませんが、解雇問題が起きたり、紛争議が起きたりした場合に、一方的に処理されるのであつて、雇用者に対して何ら言うべきところの権限がないということになりますと、その結果は、言わなくとも結論が明確になつて参ります。その点をどの程度日本政府は強く雇用者の方に対して言えるか、言えるようにできるかできないかという点を、もつとはつきりとしておいてもらいたいと思います。

富樫総一労働事務官(大臣官房総務課長)

○富樫説明員 直接には、現在の方式を大体踏襲いたすとすれば、駐留軍当局とのただいまのお話を、日本政府側の機関として折衝する一番大事な役割を勤めるのが特調でございます。特調が今後どういうふうにされるかは、特調側より御説明があると存じますが、労働省といたしましては、たとえば労働紛争議につきましては、組合法の命ずるところによりまして、労働委員会、中労委等によつて、成規の扱いを堂々とするという建前になつております。ことに最近におきまして、占領下ではあつても労働委員会が占領軍関係の紛争議について、事実上関与できるという話合いが、中労委と総司令部との間に成規にかわされております。従つて対等国の関係になつた場合には、さらに事態が明確になる。また労働基準法関係におきましては、今まで占領下の占領命令関係というようなことがなくなります。協定上労働法規を守るという正式の約束をしておりまするので、監督官、監督機関も一段と明確なる職責の遂行ができるというふうに考えおりますし、われわれの心構えも、できるだけ御期待に沿うように努力する心構えでおる次第でございます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 どうも今の答弁を聞いておりますと、まつたく対等の立場でものが扱えるような見解で言つておられますが、行政協定の内容はそうなつていないのです。どんなに希望を持つておられましようとも、この協定に縛られる限りは、相手方を拘束する力は何もないのであります。ただ好意の上に立つてものを処理するということであれば別でありますが、好意というものは、普通正常に考えられる常識であつて、いろいろ問題が起きる場合、そういうものは度外視して一つの規定、協定がものを言うということになるから、なかなかそうはならないのです。一、二の例をとつて申し上げますと、かりに解雇問題が起きた場合に一体どうするか。今日までは占領軍であつたために、問答無用と言つて首を切られております。独立国家になつた後の雇用関係というものは、そうであつてはならぬのです。理由を明確にし、あるいはその内容については不平を申し立てるところの機関があるはずですから、堂々と対等の立場に立つて、解雇問題も解決できる道が開かれるかどうか。それは今日、毎日就業しているところの状態を工場の門に行つて見ますと、まつたく奴隷扱いに身体検査をやつて、そうして厳重な監視のうちに出入りをしております。今日なら占領軍の支配下でございますから、やむを得ないといつてがまんをしておりますが、独立後は、はたしてそういうことが許されるかどうか。アメリカが日本の国民を対等の国民として認識しておるかどうかという点にかかつて来て、そういうことはさせないと言うだけの自信が政府にあるかどうかということが、大事な問題であるわけです。独立後は決してそういう不都合なことはさせないというふうに、政府は手を打つだけの自信があるのかどうか。それから紛争議の場合にも、そういう道が開かれるというようなことを言つておられますが、日本の会社の代表者を呼び出して中労委がいろいろあつせんするように、駐留軍あるいはその関係者を呼び出してあつせんするだけの権限があるかどうか。そういう点について、もつとはつきりと政府側の見解を申し述べてもらいたいと思います。

富樫総一労働事務官(大臣官房総務課長)

○富樫説明員 現在占領下であるから不満足なところをがまんしろ、将来はちやんとやれるのかどうかという見通しなり、力の関係に関する認識にかかわるような御質問でございます。きわめて政治的な性格を持つている問題でございますが、事務当局といたしましては、お話のような建前で進む心構えでございます。なお不当解雇、不当労働行為等に関する労働委員会の扱いとして、当該不当労働行為者と目される人に対する出頭を求める権限等につきましては、法制局と打合せたところ、当然にある、こういうことでございまするので、われわれとしても非常に力強く感じておる次第でございます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 私は政務次官に聞きたいのですが、今私が質問した雇用関係、紛争問題、解雇問題の処理等に対して一体どうされる考えであるか、明確に意見を聞かしていただきたいと思います。

溝口三郎緑風会労働政務次官

○溝口政府委員 進駐軍の労務の問題につきましては、ただいま総務課長からお答えいたしました通りでございますが、私どもの考えとしては、第十二条によりますと、進駐軍に対する労務の関係においては、国内法によらなくてはならないということになつているのでございますから、進駐軍労務に対しましては、国内法をはつきり適用ができると確信しているのでございます。なお十六条においても、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族等は、日本の法令を尊重する義務があるということがあるのであります。これらの点にかんがみて、国際信義の上からも、労働条件に対しては十分に国内法の適用ができると確信をいたしておるのでございます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 私は駐留軍関係に使用される労務者、いわゆる日本の国民に対して日本の法律を適用することは、もちろん当然であろうと思います。また協定はそう示しておるのです。しかしこの行政協定の全体を見ますと、使う方の駐留軍、その軍属、家族等は、日本の法律の外に置かれておる。外に置かれておるものをどうして縛つて、日本の法規を円満にあるいは円滑に遂行させる自信があるかという点について、はなはだ不安があると私は考えます。協定の内容が示すように、日本の法規は及ばないということになつて参りますと、一応日本の労働三法は適用さすということになつておりますが、相手方には適用されないということになりますから、日常の問題の上に無理が出て来ると私は考えます。今渡さらにこの内容の協定あるいは了解事項の折衝等においてこの点を明確にして、日本の国民の権利義務を守り得るような方向に努力する余地があるかどうかという点まで考慮して、もう一度次官の答弁を促しておきたいと思います。

溝口三郎緑風会労働政務次官

○溝口政府委員 進駐軍労務の関係につきましては、常道であれば直接雇用であるべきでございまして、その線におきましては国内法を適用するという原則がここに書いてあるのでございますが、その後におきまして労働者側の方の希望もありまして、今までのような間接雇用の方が都合がいいのだというような点がありますので、できるだけこの希望をいれて、しかも国内法は適用できるというふうに、今後雇用の形式等についてはなお打合せをいたすことになつておるのでございます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 私は行政協定の内容についてもつと質問したいのですが、外務当局の出席を待つてさらに質問し、外務当局の答弁の上に立つた労働省関係の答弁を願つておきたいと考えま正す。  次官に一、二お尋ねいたしますが、一つは国際自由労連から、吉田さんに対して抗議的な文書が来ております。一この内容はいまさら私が申すまでもなく、吉田内閣は日本の労働立法その他の点について反動的な処置を講ずるであろうということに対して、警告的な文書であると私は見ております。これに対して労働省当局はどういう見解を持つておられるのか、あるいは国際自由労連に対して何らかの回答をされる御意思があるのか、あるいはこの内容を十分検討して善処されるというお考えであるのか、お尋ねしておきたいと思います。

溝口三郎緑風会労働政務次官

○溝口政府委員 国際自由労連から吉田総理に対して書簡が参つたという事実については聞いておりますが、その内容等につきましては私まだ承知いたしていないのでございますので、その内容を検討いたしまして、日本政府の見解を回答する必要があれば回答をいたす所存でございます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 かんじんな労働省当局が、ああいう文書の内容も知らぬということでは、答弁にならぬと私は考えます。きのうかおととい文書が来ておるならば、まだ労働省にまわらないということも言えますが、来てから相当たつておりますものが、その内容がわからないということでは答弁にならぬと思います。少くともこの問題は、世界各国に伝わつております。私自身西ヨ占ツパ参呈しているくいわれておるのは、日本が独立した後には、また低賃金とソーシャル・ダンピングをやるのだろう、そして基準法もその他の立法も改悪して世界市場を荒すであろうという、非常な恐怖にかられておるのです。少くともこういわれる節が、吉田内閣あるいは日本の国内の空気の中には相当漂つております。私は日本の健全なる民主化のために、そういうことをさしてはならない、またあつてはならないと思います。今いろいろいわれておりますような労働立法の内容を、今ごろいろいろいじつて肇ところでそれでど乏もな生ぬ。かえつて世界各国の信用を失墜するものであると私は考えております。一それよりも世界各国の信用を高めることこそ、独立後の日本のやらなくてはならない務めであると考えておるのです。今日の国会の勢力をもつてすれば、あるいは労働立法を改悪することはできるかもしれません。しかしそういうことをやれば、世界各国からまた締め出しを食いまして、食糧問題、資金の問題、資材の問題、あるいはその他幾多の問題に、日本全体として大きな損失を受けなければならぬということにぶち当ります。その基本をなすところの、含屡畠労連でいろいろ心配しておりますところの内容等については、そうした世界的な情勢をもつと緩和するように努めなければならぬと思います。私は重ねてこの問題に対する当局の見解を確かめておきたいと思います。

溝口三郎緑風会労働政務次官

○溝口政府委員 国際自由労連からの書簡は、労働省は先週の土曜日に文書を受付けまして、ただいま翻訳中でございます。十分に検討した上で、善処いたしたいと思います。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 今のような答弁では話になりませんから、私は大臣が見えてからまたお尋ねいたします。  最後に行政機構改革の問題についてお伺いします。新聞の伝えるところによりますと、労働省をつぶして、社会省にするとか、あるいは厚生省の一局にするとか、二つを一緒にして労働社会省にしたらいいのじやないかということがいわれおりますが、今日の厚生省と労働省との予算の面から申しましても、役所の内容から申しましても、厚生省関係は七局七十幾つの部や課がございますが、労働省は四局、わずかに三十ぐらいの部課しか持つておりません。これを一つにした場合、一体どちらが隷属するかということは、今日の予算面、機構面からいつても明確であるわけです。私は独立後の政府全体の行政の問題におきましては、生産面では通産省あるいは運輸省、農林省その他各省がございます。八千何百万という日本の国民の労働行政を預かつて、真に日本の国民が労働行政の面で政府機関をたよつてやつて行くためには、どうしてももつと労働省を拡充しなければならぬと私は考えます。そうでない限りにおきましては、また昔の日本に帰つてしまうのです。日本には金もなければ資源もない。ただ一つ人的資源があるのみです。この人的資源を百パーセント生かして使うことによつて、初めて日本の生きる道が残されております。その日本の国民を対象にするところのサーどス省としての労働省が、発足して日は浅いのでございますが、新しい省であるから、これは文句なしに併合してしまつて、どこかにやつてしまう、そうして一つの局ぐらいにしてしまおうというようものの考え方では、たいへんなことになると私は考えます。この点はどうしても、首をかけてでも労働省の併合に対しては反対をして、むしろもつと労働省をがんじようにして、りつぱな行政機関に育て上げるということに全力を尽してもらいたいと思いますが、次官の見解、あるいは今後努力される意思があるかどうかという点について意見を承つて、私は質問をおきます。

溝口三郎緑風会労働政務次官

○溝口政府委員 行政機構の改革に関連いたしまして、労働省の廃止とか、社会省とかいう問題につきまして、御質問があつたのでございます。私どもといたしましては日本の労働問題の発展のためにも、現状を一層拡充強化いたしたいと考えてはいるのでございますが、全般的の行政機構の問題につきましては、まだ閣議でもきまつていないのでございます。希望といたしましては、できるだけ現在よりも私は拡大強化いたしたいということを考えておるのでございます。この点につきましてはなお行政管理庁の方から、内容等についてお答えをお願いいたしたいと思います。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 行政管理庁から次長が見えておるそうでありますから、今の件について率直な見解を申し述べていただきたいと思います。

大野木克彦総理府事務官(行政管理庁次長)

○大野木政府委員 ただいま御質問になりました行政機構の改革の問題につきましては、先般来、独立後のわが国の国力にふさわしい簡素、能率的な、かつ民主的な機構をつくり上げるということで、研究をいたしておる次第でございますが、ただいま労働省の政務次官からお話がございましたように、  まだ長官の手元におきまして検討中でございまして、内容等をまだ私どもから申し上げる段階に至つておりませんので、その点御了承を願いたいと存じます。なおただいま伺いました御意見は、十分に長官にも伝えまして、参考一にしていただくようにいたしたいと存じます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 私は次長が見えておることは知らなかつたのでありますが、この点はひとつ真剣に考えていただきたいということを私はお願いしておきます。というのは、ただ単に保険関係等が輻湊しておる関係上、一本にしたらどうかという事務的な問題もございますが、根本的には独立後の日本の将来の重要な行政機構の問題でござ旧いますから、基本的に考えていただきたい。一緒にしてまた二年もたたないうちに別の省をこしらえるというようなことになりますと、事務上の書類の整理、看板の塗りかえ、そういうことのために多くの費用々費して、何もならないということになりますから、むしろ日本政府は今後行政機構はどうすべきかという根本に触れて考えていただきたい。その面からいつて、先ほど申し上げますようにほんとうに日本の生きる道としては、人的資源をどうして活用するか。もちろん資金も重要でございます。さらに技術も重要でございます。その技術を生かす面は、何といつても常識鵬かな日本の国民を育て上げて、真に国家再建に協力せしめるという態勢が確立されなくちやならないと思います。もし労働省をつぶしました場合に、一体労働大衆はどこをたよりにして政府にものを言うか。たよるべき道がなくなつて、ます抗争が激化するということになりますし、どうしても政府機関の中に有力な労働省を確立して、とにもかくにもいろいろ批判はされましても、やはり労働大衆のよりどころとして、それが真に日本の行政機構の中で労働大衆のめんどうをよく見てやるということでなくてはならぬと考えますから、単に二つの省をつぶして一つにする。また今日吉武労働大臣は厚生大臣を兼務しているから、それをよいことにして、両省を一本にしようという姑息的なことでなく、基本的な問題として考慮していただきたいということを、私は質問というよりも、特にあなたの方に強くお願いを申し上げておきたいと思います。

島田末信自由党

○島田委員長 柄澤登志子君。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 質問に先だちまして、岡崎国務大臣と吉武労働大臣に御出席を求めていたのでございますが、まだお見えにならない理由につきまして、委員長の方から御説明願いたいと思います。

島田末信自由党

○島田委員長 吉武労働大臣は、午前中はちよつとやむを得ぬ事情がありますが、午後は大体一時半ぐらいからは見えるだろうと思うのです。それまではあちらさんとのいろいろな協議もあるようで、やむを得ぬ事情らしいから、御了承を願います。それから岡崎国務大臣は、外務省関係で参議院の予算委員会に今出席しておるので、手がすき次第ということで、今一応留保しておかぬと都合が悪いのですが、午後の再開のときにでも、間に合うようでしたら連絡をとりたいと思います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 そういたしますと、午後はお見えになるということですね。

島田末信自由党

○島田委員長 吉武労働大臣は午後には来られると思います。それから岡崎国務大臣の方は、参議院の予算委員会の都合で、まだはつきり予定が立ちません。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 それではおいでになるように御努力を願いたいと願います。

島田末信自由党

○島田委員長 努力してみましよう。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 それではおいでになりまして、なお質疑をさせていただくというとを条件にいたしまして、今お見えになつていらつしやる方々に質問を申し上げたいと思います。  先ほど前田委員からの御質疑の御答弁で、国内法を適用するということが第十二条、第十六条に保障されておるので、国際信義の上から守られると信じておるという御見解で、労働省当局は行政協定をもつて今後の日本の労働者のあらゆる諸権利というものは、十分保障されるというふうに御答弁になつたと思うのでありますが、皆さんの御免解をそのように了承してよろしゆうございますか。

溝口三郎緑風会労働政務次官

○溝口政府委員 さようにお考えになつていたたいてさしつかえないと思います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 私行政協定の内容に入ります前に、国内法の適用ができるので、この政府の御見解につきまして少しただしてみたいと思います。独立後、行政協定の実施、安全保障条約の実施ということを条件として、来年度の予算は組まれておると思うのでございます。来年度の労働省関係の予算だけを検討いたしましても、これは実は私どもの一方的な検討だけではなしに、当委員会で皆さん方の御説明を聞いて、もつとこれを具体的に検討しなければならないと思つておるわけでございますけれども、今までその機会が与えられなかつたわけでございます。国内法の適用ということでございますが、今当委員会で取上げております港湾関係の労務者の状態、これなども当委員会から出張いたしまして、横浜で業者、組合の両方の代表の意見を聞き、皆さん方の下部機関であるところの基準局の責任者にも参加していただきまして、東京でもそうでございますが、私ども種種意見を伺つたのであります。ところが脱法行為が厳然とあると言つておる。業者も守れないと言つておる。基準局もそれを御承知なんです。それがなぜそのままに放置されておるか、ひとつ御答弁を願いたいと思います。

亀井光労働基準監督官(労働基準局長)

○亀井政府委員 港湾関係の基準法違反につきまして具体的な事例といたしまして、一、二聞いたことはございます。その都度われわれといたしましては、その是正につきまして地方の局なり直接の監督機関でありまする監督署に指令を発しまして、その是正を命じて今進行中でございます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 抽象的な御答弁でなく、今年の予算と関連して御答弁願いたいと思います。

亀井光労働基準監督官(労働基準局長)

○亀井政府委員 予算と関連してという御質問でございますが、予算上から申し上げますと、本年の基準局関係の予算と二十七年度の予算との比較をしてみますと、監督の実質的に必要な予算といたしましては、旅費とそれからそれに伴いまするいろいろな事務費でございますが、一人当り職員の旅費額を比べて参りますと、二十七年度におきましては職員公人当り一万九千円でございますのが、二十七年度におきましては二万四千八百円と増額になつておりますし、また物件費全体といたしまして、一局平均七十九万七千九百円が、二十七年度におきましては百六万九千円と増額になつております。それからまた監督署関係におきましては、二十六年度は職員一人当り平均一万六千九百円が一万九千六百円、物件費は昭和二十六年度一署平均十三万三千八百円が十六万八百円というように、それぞれ増額になりまして、監督行政の実質的な向上と申しますか、より細部の監督のし得る予算的措置は、一応整えられているような状態でございます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 そうすると当局はそれで満足しておいでになるのでございますか。

亀井光労働基準監督官(労働基準局長)

○亀井政府委員 非常にむずかしい御質問でございまするが、もちろん予算というものは、あればありますほどけつこうなことではございまするが、いろいろ国の財政の関係もありまして、最小限度われわれの仕事の上に支障のない予算としては、来年度予算はこれで一応よい、今後補正その他の機会がございますれば、その状況に応じまして、またその都度増額に努力して参りとりあえず現在のところでは最小限この程度で能率を上げたいと考えております。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 港湾だけではございませんで、銀座のコロンバンの争議とか、三越の争議等の場合に、具体的に労働者側から陳情を受けまして、一体就業規則その他について基準局はどうなつておるかというので、監督署へ参りますと、あなたは旅費がたいへん上つたと喜んでおられるようですが、二十六年度では一日五十円当りで、一箇月十二日しか旅費がない、そうすると一人の監督官が三千円くらい持つておつて、全部見ると三年間くらいかかる、こういうようなことでとてもその監督署自身が、基準法の適用をやるだけの予算的措置がございません、こう言つて逃げておりました。逃げるのかどういうのかわからないのですが、港湾なんかでは組合をつくると、やめよといつておどされるというような暴力的な、権力的な圧力もあるそうでございますが、そういうことで組合法の改悪のようなことを――前田委量からも御心配があつたようでございますが、結局予算は軍事費にどんどんとられて、労働省の基準的監督輿係の費用がとられないでおれば、組合法を改悪しなくてもいいし、基準法も改悪しなくもいいし、そのまま置いておいても、予算さえなければ監督が具体的にできない、自由党は万々歳といつたら何ですが、とにかく業者の方は大喜びだ。そういう状態のように私どもは考えているのでございますが、その点で本年度の基準法とか労働関係法というものは飾りもので、ただあるだけであります。何も労働者の具体的な利害を守つていないということは、私ども調べまして一、二の例もあるのでございます。基準監督署磐が脱法行為に手をつけられないでおるのは、予算がないからだという基準局の答弁を私ども承つておりますが、その点はどうなのでございましようか。そうじやない、やはり基準監督官の不行き届きだ。基準監督署の責任だというふうにお考えになりますか。そしてまさに二十七年度は満足な予算が組まれているので、あらゆるものがもし不十分な場合には、これは監督甥の責任として、予算的な措置ではないというふうな御答弁と承つてよろしゆうございますか。

亀井光労働基準監督官(労働基準局長)

○亀井政府委員 ただいま御質問の中に、全然監督をやつていないというようなお話もございましたが、これはわれわれの毎月の監督月報をごらんくださるとわかりますように、決してそういう状態ではないのであります。問題は予算が少いからできないかというお話でございますが、部分的にはあるいはそういう問題もあるわけでございますが、しかし多くの問題は、やはり局内あるいは監督署の中の内部事務が、手続その他の関係で非常に複雑でございます関係上、内部事務に追われて、外に出て実際の監督をするという能力が、内部事務にとられているというのが現状でございます。われわれといたしましては、内部事務をいかに整理して、監督官がその本来の使命でございます第一線に出て、実際の監督に当ることができるかということを今検討いたしておりまして、できるだけすみやかにそういう方向に進みまして、予算を十二分に活用し、あるいは監督官としての本来の使命を十分に発揮し得るよう、あるいは事務整理という方向に向つて参りたい。もう一つは監督官の素質の問題でありまして、今までの監督官は単に監督官試験に合格して監督官になつた方で、その中にはやはりいろいろな問題で、素質、教養の点で欠ける者もあるわけでございます。そこで目下これらの監督官の再教育をいたしまして、資質の向上をはかり、一人当りの能率の向上をはかるようにしたいというので、この面につきましても今計画を立てて、実施に移すよう準備をいたしているような次第でございまして、この両方の面からいたしまして、来年度は資質の向上と、それから十分第一線で監督事務に専念し得る態勢をつくつて行くということで、この行政の能率化をはかつて参りたいというふうに考えております。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 この問題についてはあまり時間もないので、このくらいでやめたいと思います。現在基準法がありながら、賃金遅配、その他のたまつている事務の処理のために、十分監督に出る余裕がない。人員もふやしてもらいたいし、旅費もふやしてもらいたいし、また予算もふやしてもらいたいというようなことで、これは私ども基準局の方に抗議に行きましてむしろ同情をして参りまして、どうしても共同闘争をやつて、ひとつ政府から予算をとろうと思つて来たのでありますが、その点が今の御答弁でございますと、まつたく内部に理由があるのであつて、予算的措置とか、人員が定員法で首切られたというようなことにあるのではないという御意見というふうに了承してよろしゆうございますか。あなたの御意見なんでございます。

亀井光労働基準監督官(労働基準局長)

○亀井政府委員 いろいろな事情があろう思いますが、当面われわれがなします行政の能率を上げますためには、先ほど申しましたような点に重点を置いて、現段階においてはそれでやつて行きたいということを申し上げたのであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 よく大蔵大臣がおつしやいますところの全体の見通しから、現在の再軍備をして行かなければならないところでは、これでがまんをするという御見解ですか。

亀井光労働基準監督官(労働基準局長)

○亀井政府委員 そこまで関連しての意見ではありません。現在国会で審議されております予算と現在の局署の機構、これにおいて私は先ほど申し上げました点を重点に置いて、能率の向上をはかつて行きたいというふうに申し上げたのであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 あなたはこれでいいとおつしやる。これでもし予算的な措置や何かが足りないために、脱法行為が何も解決できないのだということが具体的に出て来ましたときに、あなたはそれに対して責任をとりますか。

亀井光労働基準監督官(労働基準局長)

○亀井政府委員 責任の問題になりましたが、いくら監督官をふやしましても、監督官の質の問題が私は一番大事なことじやないかと思います。数をふやしましても能率が上るものじやないので、やはり一人の監督官の質が上つて参りますと、一人で二人前の仕事もできるようになりましようし、また予算の面におきましても、これを効率的に使つて行くということによりまして、より以上の効果も上げられるのじやないかということで、これは人の数だとか、あるいは予算の額だとかということももちろん関係はございまするが、それ以上にわれわれとして何らか努力して、そこに効率的運用をはかつて行きたいというのであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 先ほど出ましたところの労働者の要求によりまして、なるべく直用ということを少くして、日本政府を通じての間接雇用にしたい、こういう労働者の要求があつたという御説明でありまするが、これはやはり今のあらゆる国内法などの適用がやられないということも、一つの理由だと思うのでございますが、政府としては労働者がそういうことを望みます原因について、どういうふうにお考えになつていらつしやいますか。

富樫総一労働事務官(大臣官房総務課長)

○富樫説明員 労働組合が間接雇用を望んでいる理由につきまして、組合が私どもに申し出た理由の主たるものといたしましては、言語、風俗、習慣、環境などを異にするために、団体交渉その他によりまして直接に交渉をするよりも、日本政府が雇用主としてこれと交渉をする、そして日本政府がしつかりした駐留軍と交渉してもらいたい。その方が実際上の利益保持になる、要するにこういうことと承知しております。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 昨年の七月だつたと思いますが、ドル払いになりましたのはたしか六万だつたと思いますが、そのくらいでございますか。その労働者の状態についてひとつ伺いたい。

中村文彦総理府事務官(特別調達庁労務部長)

○中村(文)政府委員 昨年の六月末切りかえられました労務者の概数は、ただいまお話のあつたように六万余であります。これは大体家事使用人が中心であります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 今度の行政協定にも、軍人、軍属その家族ということまで含まれておると思うのでございますけれども、今おつしやつた家事使用人というのは、いわゆるメイドといわれておる連中だと思いますが、この人たちは直用になりましてから、現在いわれておる間接雇用にしてもらいたいということを望んでおる中の、非常に熱心な人たちというふうに聞いております。その具体的な事情を聞きますと、特別職として政府の給与法で保障されていたあらゆるものがなくなつてしまつたということを聞いております。社会保障、保険その他もなくなつてしまつた。いつでも首が切れるというようなことでございます。基準法はもちろん全然無視されている。こういうことなのでございますが、その実態につきまして、政府の方ではどういうふうにお考えになつていらつしやいますか。なぜ特別職のベース・アツプのときに同じに賃金を上げてもらわなかつたのかといわれておるのでございますが、その点についてどういう理由であつたか御説明願いたい。それからできましたならば、どれだけの給与を払つておるか、政府としては予算をどういうふうに組んでおるか、政府の組んでおります予算と実際にもらつておる労働者の賃金の実額というものの開きも聞いておりますが、そういうのはどういう原因によるものなのか、伺いたいと思います。

中村文彦総理府事務官(特別調達庁労務部長)

○中村(文)政府委員 ただいまお話の昨年の六月末に切りかえられましたものは、御承知のように大体家事使用人の分であります。その後の家事使用人の状況につきましては、御承知の通り直用になりましたので、われわれの手を離れておりまするから、十分な状況はわかりません。ただその関係の労働組合その他からの報告によりますと、相当遺憾の点があるような話が出ております。ただいまのベース・アツプの問題につきましては、私の方の所管いたしますものは間接雇用だけでございます。従つて直接雇用になりましたものの状況につきましては私たちは関与しておりませんので、その点御了承願います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 三十ドル政府から払つているのに対して、実際に働いている労働者は五千円ぽつきりしかもらつていない。三十ドル政府は予算に組みまして、日本人の税金から支出している、それが労働者に渡るときには五千円ぽつきりだ。これは一体だれがどこでどういうふうに監督し、どうするものでしようか。だれのポケットに入つて行くものですか。ドル払いになりましてからかようなことが起きて来たというのでございます。

中村文彦総理府事務官(特別調達庁労務部長)

○中村(文)政府委員 御承知の通り昨年の七月一日以降は、労務者の給与は政府の定めるところに従いましてそれぞれ格付されまして、それによつて払つているのでありまして、一人当りの単価三十ドルというふうなことで、向うから補助されているというようなことは決してありません。これは何か別の問題じやないかと思います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 では賃金の額はきめてないのですか。全然向うさんまかせでございますか。

中村文彦総理府事務官(特別調達庁労務部長)

○中村(文)政府委員 今のは直接雇用の問題だと思うのでありまするが、そういうことはわれわれタッチいたしておりません。わかりませんので御回答できません。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 直用の労働者が向うの直接のドル払いになつたといいましても、これは全然あなたの直接の係りでございませんでも、どのくらいの予算を計上して、どういうふうに使つているのかというようなことについても、ここの委員会で明らかにする道筋がないとおつしやるわけですか。

中村文彦総理府事務官(特別調達庁労務部長)

○中村(文)政府委員 今の御質問については、われわれは明らかにする方法がございません。御了承願います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 お聞きしているのは、あなたは明らかにできませんでも、労働委員会として明らかにする道がないかどうかということです。

島田末信自由党

○島田委員長 大分御質問が無理なようですから、この辺で質問は打切つていただきまして、午後一時半まで休憩いたします。     午後零時三十五分休憩      ――――◇―――――     午後二時三十九分開議

福永健司自由党

○福永(健)委員長代理 休憩前に引続きまして再開いたします。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 大臣がおいでになりますまで、通産省関係のことを少し質問さしていただきます。  行政協定には新しく「合衆国軍隊の維持のため必要な資材、需品、備品及び役務」というものの調達に関しての規定が十二条にあるようでございますが、ただいまの日本の現実の資料に基いて二、三御答弁を煩わしたいと思います。これは昨年の暮れにかけまして炭鉱労働者のストライキのときに、通産委員会が当国会でも開かれまして、私さしかえていただきまして、通産委員会で質疑をしたことがあります。その当時通産委員会の与党の諸君から、現在の段階では日本の石炭が非常に重要な役割を果しておる、そのとき炭鉱労働者のストライキをもつて政府の政策が脅かされる、そういう場合に政府は何らかの行政的な措置をして、この労働者のストライキを押えることはできないのかというような意味の質疑がなされたと思います。政府はそれに対して、第三次ストに十一月七日から入られると、今優先出荷をしておる分の重大なわくの方に影響して来るから、第三次ストに入らなければよいのだ、今のところは行政的な措置は考えていないというような御答弁であつたと思います。このくらい与党の諸君が心配なさるような重大な事態ということで、石炭産業は、統制は解かれましたけれども、非常な役割を果して行つておるということは明らかだと思うのであります。私ども実はこのストライキのあとに暮れに炭鉱をまわつてみましたが、終戦後最高の出炭能率を上げておるわけでございます。しかもそれが北海道では、暖房用石炭のためにということで、会社が労働者に増産運動をさせまして、北海道民が寒さをしのぐためにはわれわれも働かなけばいけないというので、当時は十二、三時間の労働をやりまして、終戦後最高の出炭記録を上げております。しかしこの石炭が実際には暖房用の石炭になつておるかどうかということで、いろいろ調査に御協力願つたのでありますが、それについて私どもの得ました国鉄その他の具体的な資料では、夕張なんかは一かけらも暖房用炭には行つていないのであります。行政協定ではそういうことが新しく特に強調されて来ておるようでございますが、条文を見ますと、「日本国の経済に不利な影響を及ぼす虞があるものは、日本国の権限のある当局との調整の下に、また、望ましいときは、日本国の権限のある当局を通じて又はその援助を得て調達しなければならない。」ということに規定されておるのでございます。そういたしますと現在優先出荷になつておるものに対しましては、暖房用石炭という名目でもつて増産運動をさせたものでも、暖房用炭にまわらないという現状があるわけでございますが、その点については私資料を持つておるわけでございますけれども、資源庁の方針としてはどういうふうにこれを措置していらつしやるかということにつきまして伺いたいのであります。

五神辰雄通商産業事務官(資源庁炭政局炭政課長)

○五神説明員 北海道の暖房用炭は、年に最近では百三十万トンを必要といたしております。これに対しまして本年の九月末までの上期におきますものを統計的に調べました数字では、六十数万トンになつておりまして、平年よりも若干本年は送炭が下まわつていることからいたしまして、夏場において冬場の暖房用炭が懸念されるということで、各方面からいろいろ御要素ございます。私十月のごく始めに北海道へ参りました際に、各石炭業者にお集まりを願いまして、冬場の暖房用炭の確保についているくお願いをいたしました。そのときの話によりますと、またその後におきまする推移を見ておりますと、大体月に十三万トンないし十五万トンくらいの計画をもちまして、各炭鉱は昨年度の実績、年間を通じての百三十万トンの石炭を確保することについて努力するという確約を得て参りました。その後通産局で各炭鉱会社の暖房用として送り出した数についての実績を取上げておるのでございますが、十一月におけるストライキ等の影響によりまして、一時は若干減つたのでありますが、その後また順調に推移して参りまして、ただいままでのところでは、特に暖房用の石炭が不足で困つた事態が起つておるということはございません。三月末までに百三十万トンの石炭は選炭でき得るものと考えております。  なおただいま御質問のありました優先出荷の問題でございますが、御承知の通りにただいま石炭につきましては、一昨々年の二十四年から自由販売になつております関係で、何ら法的統制の道がとられておらないのでありますけれども、昨年の春以来電力用炭につきましては、電力会社における石炭の消費が、近年にない異常渇水が多かつたために、非常に危機に瀕したのであります。それがために石炭の危機という問題が起りまして、特に昨年の十一月のストライキ前後におきましては、統制あるいは優先出荷というような形における法的措置が、各方面でやかましくなつたのでありますけれども、資源庁といたしましては極力業界の協力を得まして、石炭をガス、国鉄、そういうような公益事業的なものに確保するということで、いわゆる行政措置によりまして確保をはかつて参つたのでありますが、幸いなことにいたしましてその後、出炭はきわめて順調でありますのと、電力につきましては、昨年の暮れから本年の一、二月を通じまして、全岡的に非常な豊水に恵まれましたので、ただいままでのところでは六十万トンの電力用炭の貯炭をもちまして順調に推移をいたしておるのであります。このままで推移して参りますならば、石炭の需給は特別に問題なく、この年度を経過するものと思つております。従いまして今後におきましても優先出荷とかいうような特別の変化がない限り、こういうことは必要ないというふうに考えております。二十七年度におきましても需要と生産の関係を見て参りますと、大体需給のバランスはとり得るものと考えております。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 たいへんうまく行つているような御報告でございまして、それならば心配がないということになりそうでございますけれども、現実には現地で暖房用炭として暖をとるに足るようなものは、大体一トン八千円しておるわけでございます。炭鉱では、軍需景気と申しまするか、事変後の事態の急変によりまして、ズリ山、いわゆるボタ山と言つておりますが、あのズリ山がみんななくなつてしまつたそうでございます。どこに行つたのかといわれているくらい、ふしぎなことに選炭されて燃えない部分として捨てられてありましたものが、全部なくなつて隠れてしまつたというようなことで、これらが暖房用炭として振り向けられているということは、歴然たる事実でございます。つまり燃える非常に優秀な暖房用炭になるべきものが、優先出荷で事実上の統制がしかれておる。統制は解かれたというけれども、統制はやられておる。そうして優秀なものは全部そちらの方に持つて行かれてしまう。行政措置でなすつたということでございますが、それは通産省の行政的措置としておやりになつたということになると思うのです。それらは北海道では官吏、皆さん方の下の方の人たちも困つておるわけでございまして、その問題で決していいということは言えない。せんだつても実は炭政局長さんにお会いしまして、一体北海道で何て報告していますかと言いましたら、北海道の石炭部長が部長会議でうまく行つていると報告して来ました、こういうお話なんです。それで北海道の通産局に行きまして事情を述べまして、暖房用炭で掘らした石炭の会社の内訳を私らに示してもらいたいと言つたのです。そうしたところが、全体の石炭の増産、特需工場に幾ら、朝鮮に幾ら、進駐軍に幾ら、大口工場は何ぼ、電力は何ぼ、鉄道は何ぼという、総わくの統計は通産局ではとれます。しかし夕張、幌内、新幌内というような、北炭という会社が自分の山で一日の出炭量五千二百トンもやらしておるのですが、この掘つた石炭は、暖房用炭だと言つてペテンにかけたことになると思うのですが、そうでないにしてもペテンにかけていないという事実を証明する、どこに振り向けたという内容は、通産局としては示すことができないというのです。一体そういうことがあるのでございますか、どういう関係で示すことができないのでございますか。

五神辰雄通商産業事務官(資源庁炭政局炭政課長)

○五神説明員 先ほど申し上げましたように、暖房用炭の出荷の状況につきましては、通産局では各炭鉱からいろいろ実績を徴しておるのであります。従いまして通産局としては、暖房用に各炭鉱ごとに幾らの数量が送り出されたかということは承知いたしております。しかしながら現在の統計法の建前から申しまして、各企業の統計資料を外に発表することは、つまり統計以外の目的に使用することは許されておりません。従いまして柄澤先生から御質問のありましたことに対して、遺憾ながら御説明ができなかつたのではないかと考えます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 統計以外の目的というのは、一体具体的にはどういうことか。統計はやはり行政というような、私どもの国会におけるところの資料の基礎になるという目的からはずれたものではないはずなんです。それが国会でもできないというのは、統計法という法律の中に抵触する部分があるのでございますか。あるいは国会で要求したものならば、国会では御説明できるのだということになるのでございますか。

五神辰雄通商産業事務官(資源庁炭政局炭政課長)

○五神説明員 統計法の規定を私ただいま持つて来ておりませんし、また統計法の専門家でございませんから、確実な御答弁があるいはできないかもしれませんが、統計法の建前といたしまして、集計のためにその数字を利用することは許されております。しかしながらこれを税の基礎資料にするとか、あるいはそのほかの目的にするためには使用してはならぬというふうにいわれております。従つて国会から御要求がありましても、各企業別にどこの山ではどれだけの石炭を暖房用に出したというような数字は、公表できないことに相なつております。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 通産省には各事業別に、北炭なら北炭という炭鉱資本の出炭した石炭の大きな振りわけ、たとえば特需とか、電力とか、国鉄とかいうような振りわけがございますが、それのできて来たもとは、各山々の資本別の出炭を合計しなければできて来ないはずですから、そのもとはおありになると思います。それを国会が要求しても明らかにはできないものですか。

五神辰雄通商産業事務官(資源庁炭政局炭政課長)

○五神説明員 ただいま御説明いたしましたように、統計法の規定上それはできないことになつていると考えます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 私ども納得できないのでございますが、それはかりにできないとしても、現実に暖房用炭に振り向けていないものを、暖房用炭するのだといつて増産運動させたということに対して、今のところあなたの方は何にも手を打つことができないのですか。

五神辰雄通商産業事務官(資源庁炭政局炭政課長)

○五神説明員 各企業がその企業の発意に基きまして増産運動を実施したその内容について、またその際に目標として掲げた一項目として、暖房用炭の増産ということがあつたということは承知いたしておりますが、それがその通り行つてないからということに対して、私どもの方は何ら行政的な措置をすることは考えておりませんし、またすべきでないというふうに考えます。暖房用炭として全部出すということは、常識で考えてもあり得ないと思います。たとえば某炭鉱で暖房用炭の増産をするということは、すなわちその増産された分は全部暖房用炭だということは考えられないのであります。従つて幾ら幾ら出すということを労働組合とお打合せになつておれば、それは対労働組合との関係の問題でありまして、私の方では直接関与いたす考えはございません。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 あまり深くこれに入つている時間がないので非常に残念でございますけれども、結局特需とか、電力とか、朝鮮動乱以後に吉田内閣の方針に協力して、その方針でもつてあなた方が石炭問題について行政措置をおやりになつた。ところが日本人が冬をしのぐための暖房用炭に対して、しかも業者がペテンにかけて増産運動をさせていることが明らかでありながら、その法的根拠になるような統計も、これは統計法があると言つて、統計法をたてにして出さない。そのもとになつておる集計した資料はございます。それは出せます。しかし各業者がやるのはかつてなんだからと言つておるけれども、その業者があなた方の行政措置でもつて優先出荷という大きなわくをはめられて、そうしてそろばんに合わない石炭を朝鮮向けにも出しておる。言つていらつしやることが自分でおかしいとお思いにならないのでしようか。日本人のための通産省じやないのですか。どうしてできないのですか。

五神辰雄通商産業事務官(資源庁炭政局炭政課長)

○五神説明員 われわれが行政措置をとつてその確保をしておる対象は、先ほど御説明いたしましたように、電力とか国鉄が中心であります。従いましてこれは何ら特に外国のためにやつておるわけではなく、われわれ日本人のために、いろいろ公益のために措置ししておる問題でありますから、御了承願いたいと思います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 どうも怒らせるようなことばかりおつしやるが、電力でも石炭でも、特需工場の料金が安いことは明瞭じやありませんか。割当だつてそうじやありませんか。こういう大きい方針で通産省が出して来ておるのじやございませんか。平和産業がやれないように、料金から割当から全部きめておいて、その方向に追い込んで来ておるのじやございませんか。現実に炭政局長はこぼしておられるのです。いわゆる自由党でいう統制を解いた後の自由というのは、自由じやない。優先出荷などは、私ども軍事統制だと見ているのです。今問題にしたいのは、行政協定の中にはつきりこういうことが書いてあるのです。あらゆる物資が協力させられるようになつているわけです。しかもそれがいかにも民主的なような形をとりまして、日本国の権限ある当局との調整のもとにというようなことをいつておるのです。今あなた方が現実のこの状態に目をふさいで、これが日本国のためだとか、日本人のためだとか、民主的なことだとかいうことで、この行政協定をやられたらたいへんです。何をやるかわかつたものじやありません。一体どういう腹なんですか。

五神辰雄通商産業事務官(資源庁炭政局炭政課長)

○五神説明員 ただいまの御質問は、私どもではちよつとお答えをいたしかねるような大きな問題でございますので、もつと責任の方に御質問を願いとう存じます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 もう一つ聞いておきたいのは、今北海道の地震でもつて釧路炭田が、そこには十三山ございますけれども、大分落盤もございますし、ズリ山がくずれて長屋がつぶれたとか、死亡者もあるようなことでございます。ここには労働省の方もおいでになつておるのでございますが、これは厚生省にも関係すると思うのでございますけれども、地震によりますところの賃金がもらえないとかいうことや、けがをしたとか、死んだということにつきまして、労働省としては特にまた意を払つていただきたいと存じますが、そういう点について労働省としてはどういうような対策を持つていらつしやるのですか。

亀井光労働基準監督官(労働基準局長)

○亀井政府委員 全般的な問題としましては、援護の関係は厚生省の所管でございます。私の方としましては、法律に定めております条件に従つて賃金が支払われるかどうかということを監督をいたし、それに違反がありますれば、その違反を是正して行くという措置をとるのであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 あとは労働大臣が来られてからにします。

福永健司自由党

○福永(健)委員長代理 青野武一君。

青野武一日本社会党(第二十三控室)

○青野委員 御質問をいたします前に、委員長にお尋ねいたしますが、労働大臣は本日の労働委員会においでになるのかならぬのか。おいでになるとすれば何時ごろおいでになりますか。きのうの労働委員会も、あとから参りますというのでお待ちしておつたが、おいでにならなかつた。きようも午前中はあちらさんとのいろいろな交渉ごとで来られないから、午後一時半から確実においでになるということでしたが、まだおいでにならない。その点をひとつ委員長にお尋ねしておきます。

福永健司自由党

○福永(健)委員長代理 労働大臣は午前中の申合せに基きまして、一時半から出席するように交渉をしてありましたし、現に労働大臣もそのつもりで二時ごろまで待つておりましたが、そのうちに参議院の予算委員会の方から出席を求められまして、ただいま参議院の予算委員会に出ております。そこでなるべく早くそちらを済まして、こちらへ来るようにという折衝は再三やつておるのでありますが、まだ向うがはずせないような状況であります。労働大臣自体は一時半から待機はいたしておつたのであります。右お答えします。

青野武一日本社会党(第二十三控室)

○青野委員 労働大臣に対する御質問は、おいでになりましたときに二、三お尋ねしたいことがございますが、それはそのときにやらしていただきます。問題が多くございますので、実は吉武労働大臣にとも思いましたが、その道の専門家である賀来労政局一長がいらつしやいますので、一番先にお尋ねしたいと思いますのは、都内の墨田にございます亀戸の駅から徒歩で十分くらいのところにある花王石鹸をつくる会社で、約四百名の従業員諸君が、会社側と対立して、昨日から二十四時間ストをやつたのであります。この内容は、私も詳しくは知りませんけれども、かなりおとなしいといいますか、穏健な行きカをしておつた花王石鹸工場の四百名の従業員、このうち四分の一の百名は婦人であります。職員その他を入れて四百名の従業員でありますが、そのうち大体百五十名が臨時工で、しかもそのうちの三分の二が七年間の長い間臨時工という形で雇われておる。そこが問題になりまして、労働組合側の要求といたしまして、臨時工を即時本雇いに、いわゆる常用工に編入してもらいたいということが第一項、第二項は、御承知のように朝鮮動乱この方、石鹸工場あたりも相当もうけておると聞いておりますが、賃上げがそのままになつておる。今の物価指数からいつて、食われないから上げてくれという要求で、この二つの問題が中心になつて、経営者側と交渉しておりまして、経営者側は臨時工を常用工に受入れて、相当の開きがあつたのでございますが、賃金は大体二〇%程度引上げることを約束したそうであります。ところがこのごろになつて、月給制を日給制に変更する案を会社側が出して、臨時工を常用工に直すという意思が会社側にないということがはつきりわかりましたので、昨日から二十四時間ストが始まつたということを、私の同僚議員が視察に参りまして、その内容を私に話されたので、私はお尋ねしておるのでございますが、大体花王石鹸の工場は二月分の給料を四五%払つて、現在五五%は給料をやつていない。これもやはり労働組合側を刺激した一つの理由だと思います。それからいよいよ労働組合が会社と対立して、二十四時間ストを始めるということになると、経営者側が職員労働者に第二組合をつくらして、内部の分裂を計画しておる。そうして約四百名のうち、第二組合を百五十名ばかりでつくらしておるとか、あるいはつくらせかかつておるとかいう話を承つておるのであります。ちようど私は昨日選挙のことで前を通りましたので、ちよつと立ち寄つたのでございます。この百五十名の第二組合をつくろうとしておる諸君が、長さ三間ぐらいの模造紙をつなぎまして、ストライキ反対であるといつたような声明文を出しておる。最近の労働争議ではちよつと見られない腰の抜けた行き方であると思うて、私は車に乗つておつたので、よく見ずに別の方に参りましたが、組合員諸君がこの第二組合ができるのに屈せず、組合の結束を乱さずにやつておるのでありまして、大体がんばり抜いて、無期限ストになりそうな空気があるのでございます。こういつたような弱い組合、大体多くの婦人従業員をかかえておりまする特殊な会社は、往々にしてこういう手を使うのでございますが、それがために無用な労使の対立を激化して行くということについて、労働省に入つておりまする情報、それから今私が申しましたことがかりに事実といたしまするならば――これは報告を受けただけでございますが、労働省側といたしましては、この経営者のとつておる行き方についてどういう御見解を持つておりまするか。そのお話の模様によりましては、私どもも多少この労働組合の援助の方針をかえなければいかぬ、こういうぐあいに考えておるのですが、一応御意見を承りたいと思います。

賀来才二郎労働事務官(労政局長)

○賀来政府委員 ただいまのお話の中で、臨時工の問題、賃金の遅配の問題につきましては、所管が基準局長の方だと思いますので、基準局長からお答えを申し上げると思いますが、私からは私の所管の関係についてお答えを申し上げたいと思います。  これははなはだ失礼な申し上げようでございまするが、私の方の局の仕事、すなわち労使の関係の紛争議の解決ないし予防という仕事につきましては、一府県内にありまする中小企業については、地方の都道府県が第一次の仕事に当るということになつておりますので、二府県以上にまたがりまする場合、あるいは全国的な関連を持つておりまする紛争議以外は、報告の入りますのに非常にひまがいるのであります。そこで実を申しますと、花王石鹸のことにつきましては、昨日青野委員から御注意がありまして、それで知つたような状況でございまして、なおけさほど参議院の重盛委員がお見えになりまして、ただいま青野委員からお話がありましたようなお話がございまして、ぜひ調査をしてもらいたいということもございましたので、実は東京都の方にけさ至急調べてもらいたいという連絡をいたしますとともに、労働省といたしましても、吉野委員や重盛委員のお話をうそであるという疑い方をするわけではございませんけれども、一応労働組合側の報告に基きましてのお話と存じますので、ただいまのようなお話が事実であるといたしまするならば、われわれの所管の問題として考慮いたしたい。この紛争の起り方を見ておりますと、一応賃金の協定ができて、労働協約ができたにかかわらず、御承知のように油脂関係の景気の変動に伴いまして、会社の経営が困難になつたという建前から、その協定をもう一度破棄して、あらためて協定を結びたいということから、今紛争議になつておるというふうな事情、及び第二組合の結成が昨日から行われておるという事情は、これはわれわれの方の局の所管といたしましても、しかもその経過の内容から申しましても、一応直接調査をいたしたいと思いまして、けさわれわれの方の局からは係員が東京都と連絡いたしまして、調査に行つたというふうな実情でございます。ただいままだその結果の報告を受けていないのであります。いずれ報告を受けました上で、青野委員に御報告を申し上げたいと考えておるわけでございます。

亀井光労働基準監督官(労働基準局長)

○亀井政府委員 ただいまの御質問は、臨時工を常用工に改める問題、並びに二月分の賃金五五%の遅払いというふうなお話でございました。この問題につきましては、まだ報告を監督署から受けていないのでございまするが、ただ考え方だけを申し上げますると、基準法第二十一条によりますると、臨時工でございましても、一月以上同一事業主に雇用されます場合には、常用工の取扱いを受けるという建前になつておるわけであります。しかしその場合に、事業の経営の必要上、一月ごとに契約を更新して行くという場合が間々あるわけでございます。そういうふうな場合におきましても、使用者側において雇用する意思を持ちながら、単に形式でそういうふうな形をとつているというふうな場合におきましては、具体的な実情を見まして、われわれの取扱いとして常用工とみなす場合もあるわけであります。ただ墨田工場の場合にどういう形になつておりまするのか、もう少し実態を調査いたした上で判断をいたしたいと考えております。なお賃金遅払いにつきましては、これもさつそく調査いたしまして、そういう事実が確実であるとすれば、この是正方につきまして努力いたしたいと考えております。

青野武一日本社会党(第二十三控室)

○青野委員 重ねてお尋ねいたしますが、七月ごろに労働委員会から福井県、富山県方面に、主として繊維産業関係について視察に参りましたときから、私は感じておりましたが、大体福井方面の繊維産業は――名前も資料も全部控えておりますが、常用工から見て臨時工の給料は大体三割くらい少い、待遇も常用工から比べたら問題にならない。そうして農家の子女を、二箇月間の短期契約で、臨時工にしておる。ある労働基準監督署の人の説明によりますと、五百人くらい働いておるところで、半数近い臨時工を使つておるところもあります。これは極端な例でありますが、たいてい一割から二割、それが二箇月くらいの短期契約で、やめるときにはもうあしたから来なくてもいいと言つて、退職金を一銭もくれない。常用工と同じような仕事をしていて、三割からひどいのは三割五分くらい給料が少い。そしていつやめさせられるかわからない。どういうわけでそういうことをしているかというと、それは農家の子女でございますから、農繁期のせわしいときは自分の家の加勢をする、せわしくないときは紡績工場に働きに来るというように家庭から出ている。だからまるきり労働基業法を無視しているということを、七月十五日に私は大分やかましく言つた記憶を持つている。私も直接労働組合の幹部から聞いたのではございませんけれども、四百名の従業員の中で女が百名、さらに従業員全体の中で臨時工の数が大体百五十人、その中の三分の二が七年間にまたがつて継続的に働かされているが、形は臨時工である。こういうことは同じ東京都内の問題でもあるし、知らなかつたでは私どもどうも納得できない。給料の遅払いとあわせて、至急にこの点はだれか適当な人をやつて、労働基準局としても厳重に調査をしてもらいたい。こういうことは時局が切迫して参りますと、各所に起つて来ることと思います。私のところは全国でも大きい会社ですが、三万五千、四万という人が働いているところに、今年一ぱいで一万入の増員をやる。その一万が全部臨時工です。これはどこから計算しましても明らかに違法になります。けれどもそういう大きな工場で常用工と同じ待遇をすればへ最近も八、九億増資をしたのですが、そういう予算の関係から行きましてもたいへんです。労働基準局がもう少ししつかりして、そういうことをやらせないように、相当の熟練工、まじめな諸君は二、三箇月すればどんどん常用工に繰込んで行くように督励してもらいたいという希望を私は持つております。この花王石鹸工場の労使対立の争議に対しましては、こじれると弱い労働組合でも、三越の争議のようにどう展開して行くかわからない。まして一方的に会社が労働組合の分裂を策して第二組合をつくつて、二つの組合の労働者が同じ会社で対立している空気を私もきのう見て参りました。詳細な点は来週に失業保険の改正の問題で法案が出るそうでございますから、その折にまた具体的な資料をもつて御質問したいと思いますが、特に労政局と基準局に対しましては、この問題について誠意と努力をひとつお願いしたいということを申し上げておきます。  次に委員長にお尋ねいたしますが、建設省の人事課長さんはおいでになつていらつしやいましようか。

福永健司自由党

○福永(健)委員長代理 参つております。

青野武一日本社会党(第二十三控室)

○青野委員 建設大臣においでを願う予定にしておりましたが、けさの新聞を見ますと、北海道の地震の実情を御視察においでになつておるそうでございますので、私が町田人事課長さんにお尋ねいたしたいと思いますのは、項目が非常に多いのですが、なるべくあとの委員の方の発言のために要約して申し上げたい。  第一にお尋ねいたしたいのは、二月二十九日に建設省で行政整理が行われた事実がございますが、それは何名ぐらいなさつたか、まずその点を伺いたい。

町田稔建設事務官(大臣官房人事課長)

○町田説明員 お話のありましたように、二月二十九日に行政整理の一部を各地建におきまして――地建と申しますのは建設省の出先機関でございますが、実施いたしました事実はございます。なおこの際に各地建を通じまして何名の整理を実施いたしましたかは、まだ報告が集まつておりませんので、今正確にお答えすることはちよつとできません。

青野武一日本社会党(第二十三控室)

○青野委員 今のところでは全部報告が集まつておらないから、全部の数字はわからないということですが、大体の数字はわかりますか。どうせ来週労働委員会が開かれますので、そのときにまたあらためておいでを願つてお聞きするかわかりませんが、まだ報告書がそろつておりませんければ、大体の内訳として希望退職者、長期病欠者で定員外になつた者、それかわ希望しないで解職された者、その程度のところをひとつ御説明願いたい。

町田稔建設事務官(大臣官房人事課長)

○町田説明員 ちようど二十九日の分は、今申しましたようにわからないのございますが、二十九日までに建設省では百八十名の整理をいたしております。なお整理を要する数が三百名以上あるのでございますが、このうち二十九日におそらく百五十名程度実施したものと思つております。なお詳しい数字がまとまりましたら、お手元に差上げます。

青野武一日本社会党(第二十三控室)

○青野委員 このうちに組合の役員が何名くらいおられるか、それから現に専従者で休暇をとつておつた者が何名おるか、そしてその身分とか氏名、出身職場と組合の役職、今御答弁ができなければ書類でけつこうです。

町田稔建設事務官(大臣官房人事課長)

○町田説明員 調べましてお手元に差上げます。

青野武一日本社会党(第二十三控室)

○青野委員 それはひとつ書類で全労働委員に御配付願いたいということを希望しておきます。大体この中に私は役員で解職せられた人を知つておるのでございますが、全建設省労働組合の専従者である役員を、一体どういう理由で解雇なすつたか、それをひとつ先にお尋ねいたしたい。

町田稔建設事務官(大臣官房人事課長)

○町田説明員 今青野委員からお示しのありましたように、二十九日に整理をいたしました者の中に、三名の専従役員が含まれております。この三名は、一名が東北地方建設局に所属いたしております。それから他の二名が九州の地方建設局に所属いたしておりまして、行政整理の際の任命権者として辞令を出します者は各地方の建設局長なのでございまして、東北に所属いたしている者につきましては東北の地方建設局長、九州に所属いたしている者に対しましては九州の地方建設局長が、それぞれ解職をいたしたのでございます。この理由につきましては、組合の事務に専従することになりまして、組合役員として東京に駐在いたしております期間のことは、東京の本省の方でよく存じておりますし、それから地方で勤務をいたしておりました当時の状況につきましては、これは本省でわかりませんので、地方で局長がそれぞれ知つているわけであります。それで今、地方でのこれらの者の勤務状況その他につきましては、詳しい資料がございませんのでお答えできませんですが、東京に駐在しておりました当時の事実は、これは私の方が十分調査をいたしまして、各任命権者である地方の局長に通知をいたしておきました。その通知に基いて、それを参考として各局長は被整理者と決定したことと考えております。それで今東京の方でわかつております事実について申し上げますならば、それは組合専従者として各種の交渉等の際に、たびたび国家公務員法なり人事院規則等の各種の規定に違反することが多かつたのでございまして、ことに昨年の十一月、十二月等におきましては、あるいは大臣との交渉の際に、大臣が用務のために室外に出ることを阻止するような行為がございましたり、あるいは事務用の部屋を占拠いたしまして、事務の遂行を妨げるような事実がございまして、どうしても公務員としてぎわめて不適当であると思われるような行為がございましたので、これらの事実は各任命権者に通知をいたしております。これらの点を考え合せて、任命権者は被整理者と決定したことと存じております。

青野武一日本社会党(第二十三控室)

○青野委員 重ねてお尋ねいたしますが、その解職をせられました人々が、その根拠法規に該当して、またどういう関係で選ばれたかということと、それから私が国会対策委員会その他でいろいろな関係者と会つて実は自分で資料をつくり、調べて参つたのでありますが、町田人事課長は三月一日に組合の幹部と会つてお話をしたときに、今私がお尋ねしたような内容はおつしやらずに、ただ組合の幹部に対して解職をした理由は法廷で言う、君らには今言われない、こういうことをおつしやつたということを聞いているのですが、事実か事実でないか、それはあなたに聞いてみなければわかりませんが、かりに事実とすれば私はあまりに一方的ではないかと思う。私はここに別に持つておりますが、それが大臣の言うことを聞かない、あるいは交渉するために不遜な態度があつた、あるいは勤務時間内にかつてな行動をしたとか言いますが、これは去年の暮れと思います。十一日の夜間に建設省の大臣室の前で、御承知のようにハン・ストをやつているときに、ぼくもたびたび行つたのですが、その人間が少くなつたときに、それは建設省の大臣にあなた方が連絡をとつたのではないでしようが、麹町警察の伊藤という警部が八十名の武装警官を連れて来て、大臣室の前でハン・ストをしている人間を追い散らかしている。そういうことが一方的になされると、やはり建設省と麹町の警察署とが何か連絡を持つて、百人も百五十人もいるときは知らぬ顔をしていて、三十人、四十人になると武装警官を八十人も連れて来て、廊下で最低生活権を保障せよと年末闘争を盛んに――実際若い十七、八の女までまじつてやつているときに、そういう行き過ぎた行動をすることは、やはり労働組合の幹部の諸君も生きている人間ですから、感情にもさわる。そういう問題がやはり交渉の上に出て来ると思う。そういうむちやなことをしたことを伏せておいて、ただ労働組合の専従者である幹部が、勤務時間内にかつてな行動をとつた、年末闘争をやつた、あるいは交渉に対して不遜な態度があつたということだけでは、私ども納得することができない。それでありますから、こういうことでも建設省は、自分のところに働いておつた人に、もう少しあたたかい気持で接してもらわなければならぬ。これは別の話です。建設省がやつたとは申しませんけれども、やはり大臣室の前に坐り込んで、自分たちの力で自分たちの生活を守ろうとしておりますときに、ちようど十二月十四日、おそらくどこからか有力な人の命令が出たのでしよう、警視庁の捜査課の武装警官が百五十名、あなたたちと一緒に働いている千葉の黒砂町――千葉の二つ手前の駅で入りました習志野の戦車学校、あそこに地理調査所の職員が千名働いている。これはアメリカの軍事基地になつたのだ、お前たちがここにおつてもらつては困るから立ちのけと言う。年末闘争を妨害して、立ちのけ立ちのけとピストルを持つてそこに交渉に参りますから、結局反抗する。反抗する人は多少ひどい目に合う。組合の重要書類はでんぐり返されて、押収されてしまつた。行政協定は政府に質問してもまだ進行中、相談中ですと言つておるときに、去年の十二月十四日、あなた方の同僚が千人政府の役人として仕事をしておるところに、何の権利があるのか、警視庁の捜査課から武装警察隊が百五十名わざわざ行つて、立ちのきの命令をしておる。満州から引揚げて来た諸君が、二年も三年もかかつて麦をつくり、陸稲をつくり、落花生をつくつて、そこにささやかな自分の生活の根拠をつくつておるところを、ここは軍事基地になつたのだから、行くところがなくてもかまわぬからどこにでも行け、こういう横暴なやり方が去年の十二月十四日に行われておる。こういうことをすれば、どんなおとなしい諸君でもやはり労働組合としての組織の中では相当にがんきようになり、相当にはげしい態度に出ざるを得ぬのですよ。この問題につきまして、これは一つの実例を申し上げたのですが、大体この委員長の阿久根君は、福岡の出身であるということを聞いておる。福岡に建設省の出先機関の事務所がある。これは去年の十一月二十五日、第十二国会の参議院の内閣委員会で社会党のカニエ君が質問をした。また十一月八日の建設委員会において田中一という議員が質問したときに、小林文書課長は、営繕の仕事は非常に忙しいので、全然整理の余地がない、従つて整理をしない。参議院議員が二人もこの問題について質問しておるときに、文書課長は忙しいので整理はいたしませんと言うておるが、整理をしておる。どういう事情があるのか。あいつはわれわれの言うことを聞かぬ、大臣に反抗するからという理由があればこれは別です。こういうことを国会議員に対して政府を代表して答弁しておる。また書記長の長瀬君という人は、これは仙台の出身である。やはり東北の建設省の事務所の係の人と思いますが、東北では整理人員が九名、希望退職者が九名よりもオーバーしている。それを切つておる。私はやめさせてもらいますと言う方が、整理する人員よりも上まわつておるのに、わざわざ横から連れて来てそれを切つておる。それから青年婦人部長の木森という人は、これは下関の出身で、やはり関門工事事務所の人である。関門工事事務所の年間の予算は、昭和二十六年度で九千万円、二十七年度で五億六千七百万円、これだけ予算がふえておる。予算がふえておるということは、仕事がふえておるということです。しかも関門工事の事務所の定員は増加されていない。従つてそこで働いておる建設省の従業員の諸君は、常識的にいつても予算の計算からいつても六倍の労働強化をやられる。そうしておいてその中からわざわざ整理の対象をつくつておる。こういうことは何と答弁されても行き過ぎです。もう一つは、小林文書課長が整理をしないと言明しながら、遂に整理が行われておる。小林文書課長は二十六年十一月二十五日の参議院内閣委員会において、土木関係者は技術屋が足りないから、事務関係は切りますが技術屋は切らないといつておるが、今言つた青年婦人部長の木森という人は、関門国道をつくるのに非常に必要な機械関係の優秀な技術屋であるのに、この人を切つております。この組合の意識の水準がどの程度にあるか知りませんが、こういうように言うたこととすることが全然うらはらになつて行くような整理の仕方は感情が交つておる。失業者の多いときに、こういう納得の行かない方法で整理が行われるならば、そういうところで働いておる人たちは安心して働けぬ。また木森という青婦部長は、二十三年から組合の専従者をしておつて、二十四年の行政整理にもかけられなかつた、二十五年のレッド・パージにもかからなかつた人である。それなのに今度は優秀な技術屋でありながら、事務屋を切るといつてこの技術屋を切つておる。こういうことについてあなたはどうお考えになりますか。

町田稔建設事務官(大臣官房人事課長)

○町田説明員 ただいまいろいろな項目について御質問がございましたが、まず第一に、整理をいたしました後に組合の者が来て、その理由を示すことを要求したが、その際に断つたのはどういうわけかという御質問でございました。実はただいまもちよつと申し上げましたように、これらの人を整理いたしましたのは、抽象的に申しますれば、公務員としての適格性に欠けるところがあるという理由でございまして、当時参りましたのは整理を受けた本人たちではなく、他の組合員が参つたのであります。全建労の組合員ではございますが、整理された者ではない者がその理由を聞きに来たのでございます。これは個人の名誉にも関係することでもございますし、当の本人が参りましたならば理由を申すのにやぶさかではないのでございますが、そういうことに関して他の者に軽々に言うわけにも参りませんので、一応断つたような次第でございます。  次に定員法の審議の際に、参議院で小林文書課長が、営繕の関係については整理をしないという答弁をしたが、実際は営繕関係者を整理しておるじやないかという御質問でございますが、小林文書課長が参議院で当時申し上げました趣旨は、定員としては営繕関係の削減はしないということを申し上げたのでございまして、これは例の定員法で建設省が六百二名減つておりますが、その内訳と申しますか、積算の基礎の中には、営繕関係は、小林文書課長が答弁いたしましたように整理しない数が上つておるのでございます。定員といたしましては整理をいたしております。ただ営繕の中にもこの際退職を希望する者もございますし、その他いろいろの理由で、現実的には行政整理にかける者もございます。しかしながらそのために営繕関係の定員が減るということはないのでございます。同じことが東北、関門につきましても申し上げられるのでございまして、お示しのようにこれらの事業量の比較的多いところにつきましては、定員としては極力削減しないようにいたしたいと思います。この点は参議院での答弁の趣旨の通りに私ども考えておるようなわけでございます。

青野武一日本社会党(第二十三控室)

○青野委員 課長のお話は、課長の立場からのお話としては十分わかるのでございます。重ねて三つばかり一つにまとめて御質問をいたしたいと思いますが、それは小林文書課長が昨年の参議院の建設委員会において、ある議員の質問に対して、今回の行政整理は希望退職者で埋めるという答弁をされておる。ところが九州地建においては、希望退職者が大体四十七名、長期欠勤者が十八名、これを定員のわくからはずすと、合計すると整理人員五十二名を明らかにオーバーしております。同じく九州の青年婦人部長の野口という人も、やはり解雇されておる。これも先ほどから私が質問いたしましたように、納得が行かない切り方である。それから九州地建の幹部、これは名前は申しませんが、長期欠勤者十八名を整理の数に入れて、かわりに新規採用を行つているということを私ども聞いております。これはどういうわけか。どうもふに落ちないことでございますから、ひとつ明らかにしておいてもらいたい。  それから今回の解職は、明らかに任免権者である局一長によつて行われたものではないように私どもも思う。ということは、建設省の事務当局のあなたが行つたように、いろいろな資料に基いても、また組合の幹部諸君と会つて話をしても、そう思わざるを得ないような事情がある。東北地建の営繕部長も所属課長も、長瀬という人が解職せられたことを知らなかつた。自分の下で働いておる者が、本省から知らないうちに解職せられておる。東北地建の局長の伊藤信という人と、九州地建の庶務部長桑野寅太という人に、町田人事課長が解雇の責任は本省で持つということをおつしやつたということを私は聞いておる。それから一月二十九日全建労の三名を解雇した処分に関して、組合員が上京した場合には、処分する場合がある事実を確認しろと、あなたは三月三日付で電報を打つておることは事実ですね。こういうことはやはり明らかに一種の労働組合の弾圧である。なぜこういう電報を打つたか。おそらくあなたが独断で課長の立場から打たれるはずはない。どういう人があなたに命令をしてこういつたような、事実上労働組合の自主性と民主性を弾圧するような電報を打たれたか。首を切られた者はどういう理由かわらぬから、本省に話に来る。来てみろ、処分する。そういう電報はあり得ない。これは忠臣蔵じやないが、明らかにこれは定九郎の劇であり、切られ与三郎がけつをまくつたようなやり方である。首を切られた者はたいへんです。そう簡単に今どき日本の国で首を切られた日は、なかなか仕事にありつけない。切る方はおもしろいでしようが、切られた方はたいへんです。何の理由で切られたかわからないと言つて、はるばる九州から東京に上つて来る者に、上つて来て見ろ、首を切る。そういつた電報はやはり政府の当局にある人は打つべきものではない。一応ここで切りまして、またそのあとで伺います。

町田稔建設事務官(大臣官房人事課長)

○町田説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。九州地方建設局では、希望退職者とそれから長期欠勤者とを合せると、すでにもう割当てた数以上に上るのだから、特に希望しない者までやめさせる理由はどこにあるかという御質問だと思いますが、先刻もお話がありましたように、九州は非常に事業量が多いのでありまして、その割合に比較して定員が少いのであります。それできわめて少い定員で能率を上げて、十分に事業を遂行いたして参りますためには、希望した者を必ずしも全部やめさすわけには参らないのでございまして、この際ひとつとどまつて仕事をしてくれと言わざるを得ないような人もたくさんあります。それからなお少い人員で能率を上げるためには、やむを得ないがやめてくれ、希望しなくても整理をせざるを得ない人も出て来る。これは与えられた人員で一定の目的を達するためには、きわめて遺憾ではございますが、やむを得ない必要な措置でございまして、この点は御了解をしていただきたいと存ずるのでございます。  それからなお今回の整理にあたつて局長でなくて人事課長が全部実質上は首切りをやつたのだろうというお話でございますが、これはそういうことはございません。建設省の各地方の局長は、それぞれ与えられた責任と義務とをりつぱに果しておる方々でございまして、任命権を放棄するようなたよりない者は一人もおりません。ただ先刻も申しましたように、今お話になつております三名の者は、主として職場を離れまして、長期間組合の事務のために東京に駐在をいたしておつたものでございます。東京におきまするいろいろの行動につきましては、局長等が知らないところが多いのでございます。これにつきまして先刻も御質問に対しまして答弁いたしましたように、こちらからそれらの者の東京駐在中の行動を知らせてやつたのでございまして、これらに基いて局長が判断をいたしたということは争えない事実でございます。もし先刻のお話のように営繕部長等が、そういうふうに自分の知らない間に部下が切られたというようなことを言つたとすれば、これは何らかの誤解ではないかと存ずるのであります。  それから第三の質問の点はどういう……。

青野武一日本社会党(第二十三控室)

○青野委員 電報について。

町田稔建設事務官(大臣官房人事課長)

○町田説明員 電報のことでございますが、これは多少誤解があるようでございますが、実はそういう意味の電報は打つておりません。ただ上京をする際には、これは従来ともそうでございますが、組合の会議等に出る際には、必ず賜暇なり、また専従の休暇なりをとつて上京すべきものでございますが、ともしますと、そういうことが従来比較的ルーズに流れておりますこともあつたのでございます。この点につきましては、最近人事院等から非常に強い注意も具体的に受けたことがございますので、もし今回のごとき上京しての会議等に出席するためには、必ず所属長の許可を受けて上京させるようにしなさいという意味の注意の電報は打ちました。しかしながら上京そのものを阻止するような電報は、決して打つておらないのであります。

青野武一日本社会党(第二十三控室)

○青野委員 これ以上今御質問をいたしまして、御答弁をしていただきましたことを繰返してやりましても、結局水かけ論になり、議論になりますので、適当なときにまた労働委員会へ御出席願いたいと思いますが、最後に会私は項目別に十三点ほど質問をしたのでありますが、大体官公労の諸君でも、法的に労働組合をつくつていいことは御承知の通りであります。それがたまたま自分たちの生活を守るために、朝鮮事変その他の関係で物価が上昇する。給与は黙つておつてはなかなか上げない。人事院が勧告しても政府はなかなかその通りにやらない。じつとしておれば毎月何千円かの赤字になり、子供を学校にあげるにしても、病気をして医者だ、薬だといつても間に合わない。みすみす医者にかければなおる子供を殺すような実例が幾らもある。官吏であるから、政府の職員であるから、公務員であるからといつて、苦しい生活とわずかな賃金で追いやつていていいということはございません。そのために組合の組織力の上に立つて、合法的に許された範囲で当局と交渉するときに、その先頭に立つでおる者は整理の対象にならない。しかもたくさんの人の代表として上層部と話を進めるときには、それは多少激論することもあり、感情に走る場合もありましよう。今申しましたように、一方においては建設省が頼んだのではございますまいが、大臣室の前に何十人も籠城されては、カン詰めになつたようで大臣も困つたでしようが、自分の力でおつぱらうことができなければ、麹町警察署から八十人も呼んで、ピストルを突きつけておつぱらう。そういうことをすればやつた人は気持いいでしようが、やられた人は困るでしよう。しかも賃金を上げてくれということを先頭に立つてやつた者は全部首になる。そうなりますと、結果においては労働組合はたががゆるんで弱体化して、役に立たない組織になつて行くとは明瞭でございます。そういう点ら行けば労働組合にとりましては、これは建設省の労働組合だけではございません。民間の労働組合ももとよりですが、そういうことでしかたがないといつて、長いものに巻かれる、太いものにはのまれる行き方をすれば、組合をつくる必要はなくなる。組合にとつてはこれは将来の重要な問題であるからというので、組合の諸君はいろいろな組織を通じて会合を開いて、そういうような職権を濫用する、感情によつて人の生活を破綻に導くようなことはやらせたくないといつた組合活動を抑圧するようなやり方は、私どもはどうしても納得することはできません。町田人事課長は解職をせられた者とは私は交渉しないということを言明している。しかし解職せられた者でも、組合員から選出をせられて全建設省労働組合の中の役員、幹部をしておりますれば、その組合の意思を代表いたしまして、その交渉に行くことは、これは当然だ。腹の中ではいやだ。社会党の青野のやつ、ろくなことを言わない。答弁したくないけれども、呼んでおるから行くというような気持で来られても、来ないわけにはいかない。組合を代行しておる者が、首を切られておつても、現在幹部であり、役職員である以上は、あなたのところに行つて、将来の問題もあろう、今の問題もあろう、不当解雇だ。元の通りにしろという一つの交渉をする際に、当面の責任者であるあなたが、解雇した者だから合わないという考え方は、二、三百年前の徳川時代の封建的な考え方なんです。組合の代表者である以上は、会つて話をしてさしつかえない。こういうことを私が御注意を申し上げるのは、個人の代表なら別ですが、首を切られた人でも、それが全建設労働組合の役員である以上は、やはり堂々と会つて話を進めて行つてもらいたい。これは私の心からのあなたに対する要望である。そういうことで、私自身も、この問題については去年からたまつておる問題がありますので、具体的にいろいろな実情を調査しております。ただ人から書類をもらつて言つておるのではない。私自身の責任において質問しておるのです。実はもつと詳しいことを調べて参りまして、来週は失業保険法の改正案が出ますから、そのときに――どんな質問でも労働関係はできるのですから、私はまた出て来てもらうつもりでおります。この点について最後のあなたの見解を聞いて、私は来週からまた開かれる労働委員会で、私自身党の一つの方針を求めて進んで行きたい。この労働組合の幹部との交渉であるとか、こういうことをやりましたことについての、あなたの最後の御見解を聞いておきたいと思います。

町田稔建設事務官(大臣官房人事課長)

○町田説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。御承知のように官庁の職員組合は、職員だけが構成メンバーになつておりまして、やめた者はその日から組合員になり得ないのでございます。それで組合員ではございませんので、解職された者との正式交渉は事実いたしかねるのでございます。ただ、そういう意味におきまして私は交渉を拒否すべきだと思いますが、また拒否するというよりも不可能であると思いますが、事実整理を受けた者との交渉という意味でなく、お互いに話合いをするという意味の懇談は、これは決していたしますのにやぶさかではございません。従来も組合関係者でやめた者もございます。こちらからやめさせた者もございます。それらの人と、交渉ということでなく、お互いに話合いをするということは何回かいたしておるのでございまして、この点は御注意がありましたが、その通りのように私どもも存じております。ただ交渉ということになりますと、これは人事院規則の上からいたしましても、成り立たないということははつきりと申し上げておきたいと思うのであります。

青野武一日本社会党(第二十三控室)

○青野委員 御質問をしておりますうちに、大体労働大臣に対する重要な質問事項を実はそらして質問しておるのです。参議院の予算委員会か何かに出られておいでになりませんが、この次の労働委員会には吉武労働大臣にぜひ御出席を願いまして、私はこれで質問を終らしていただきますが、きよう出て参りますれば、やはり労働大臣に対する質問が各委員からありましようけれども、大臣が参りませんから、私はこれで質問を一応打切りまして、この次に労働大臣に対して四つ、五つの重要な問題について質問をいたしたいと思います。従つてその際に、横浜にありまする宮川興業株式会社の代表者が不当労働行為を起しておる点について、労働大臣並びに関係代表者の御意見を具体的な資料に基いてお尋ねしたいことと、それから長崎の川南造船所が退職金と不払い給料を入れて約一億円やりつぱなしておいて、何千という従業員を、会社を解散して路頭に迷わしておりまするこれらの諸君の緊急を要する失業問題に対しましては、失業保険改正案が来週出るときに労働大臣に質問をしたいと思います。そのほかにもございますが、時間の関係がありますので、労働大臣に対する質問を保留いたしまして、私の質問を一応これで終ります。

福永健司自由党

○福永(健)委員長代理 中原健次君。

中原健次労働者農民党

○中原委員 労働大臣の出席はどうなりますか。これをひとつ……。

福永健司自由党

○福永(健)委員長代理 ただいま再三折衝しておりますが、まだ参議院の予算委員会の方から手が離せないようであります。ごく数分前にもさらに折衝をいたしておりますので、私どもはもう間もなく来ることを期待はいたしておりますが、ただいま申し上げましたような次第でございます。なおさらに折衝をいたします。

中原健次労働者農民党

○中原委員 それでは主として労働大臣に対して、労働行政に関する質問をしたいと思つておりまするので、これは労働大臣の出席を待つて御質問をすることにいたします。  その前に、ちようど町田課長がお見えになつておるので、ただいまの青野委員からの質問に関連しまして、一点伺つておきたいと思います。それは三月三日付で代表の上京を妨げるような電報を打つておるという青野委員の御指摘に対して、町田人事課長は、そうではない、これは誤解であるというふうに説明をしたのであります。しかし課長のこの説明にもかかわらず、われわれが今知りたいことは、そのとき打つたという電文の内容をそのままに知りたいと思います。解釈は私どもの方で適当にいたしますから、その電文の内容をお示し願いたい。

町田稔建設事務官(大臣官房人事課長)

○町田説明員 今手元に正確な電文の書いたものを持つて参つておりませんが、これは調べましてあとからそのまま御報告いたしたいと思います。

中原健次労働者農民党

○中原委員 それでは全建労の行政整理に関連する馘首問題につきましては、青野委員も申しましたように、いずれ次の最も近い機会に、これは一層内容を深めまして、当局の見解なり今後の方針を聞きたいと思いますが、早急にその電文の内容をそのままにお知らせを願つておきます。このことを希望いたしまして、それではこの点は今日は触れないことにいたします。  さて最近の傾向としまして、大体われわれが考えますると、不当労働行為とみなされるような馘首が、官庁だけではなくて、民間企業にもあるいは進駐軍関係の労務にも、その他特需関係工場にも頻発いたしておるのであります。従いましてそういうような頻発する労使事情について、いずれ大臣の見解なり方針を聞きたいと思いまするが、その前に労政局長からこの点について大体どういうふうに考えておいでになるのか、このような忌まわしい傾向に対して、今ほんとうには何を考えて政府は労働行政を対策しようとしておるのか、そういうことについての局長の御意見を伺いたいと思います。

賀来才二郎労働事務官(労政局長)

○賀来政府委員 ただいま中原委員から御指摘がありましたように、われわれ労政当局といたしましても、最近と申しますか、大体昨年の中ごろ以降の状況を見ますと、不当労働行為と思われるような事件が、だんだん出て参つておるのではないかという感じを持つたのであります。従いまして実は昨年の十一月の終りごろだつたと思いますが、全国の都道府県に対しまして、最近一箇年間だつたと思いますが、その間に行われたと思われる不当労働行為、あるいは労働委員会に提訴はなくても、そういうふうに感ぜられたような事件があれば、報告をしてもらいたいというふうなことを頼みまして、一応集計をいたしたのであります。集計をいたしました結果によりますと、数字として特に全国的に増加したというふうなことはあまり認められないのであります。しかしながら中原委員がお気づきになりました点は、起きました事件の内容が、だんだん何と申しますか故意に行われるというふうなものが出ましたり、あるいは積極的な意味において労働組合運動に干渉しようというふうな形が出て参りましたので、それで関係者の注意を強く引いて来たのではないかというふうにも考えておるのであります。ただ問題は、不当労働行為は御承知のように、労働委員会にかかりましても、その審議は非常にむずかしいのでありまして、単なる都道府県の労政職員の調査のみを基礎として、さような断定は、あるいは最後的には下しにくいであろうと思つて、なお注視いたしておるのであります。  さて一応さような状態になりました原因を考えてみますのに、従来――従来と申しますか、昨年あたりは特需の関係等もありまして、使用者側は組合の要求を大体のめるという情勢でありましたのが、昨年の終りごろからだんだん経済界の一部におきましては不均衡な状況が出て参りまして、従いまして組合い折勢いろいろ問題を起して参りました。ところで不なれな業者におきましては、さような状態を正常な関係で話合いで行こうとする訓練に欠けておりましたがために、不当労働行為とも思われるような事件を起して来たものもある。これも一つの原因だと思うのであります。しかし一方考えてみまするのに、労働組合の現状は常時申し上げますように、全体といたしましては非常に健全な、また団結の強い組合になりつつありますけれども、一昨年行われましたレッド・パージ後におきまする労働組合の状況を見ておりますと、何となくその行動におきまして弱さと申しますか、あるいは権利の濫用と申しますか、何でもとにかく要求を始めましたならば、正常な話合いで片づけて行こうとするよりも、一歩も譲つてはならないというふうな傾向の組合も出て参つておるのであります。これが非常に健全な組合であり、かつまた強い組合である。言いかえますると、非常に訓練の行き届きました労働組合の指導者ありますならば、またその相対しまする使用者側がさような訓練の積んだ、経験の積んだ使用者でありますならば、そこにお互いに話合いができて行きまするし、健全な組合があつた方がいいのだという理解もだんだんついて参りました使用者におきましては、いろいろな事故起すということはないのでありますが、双方がまだ未熟な状態下におきまして、しかも経済界の一部ではやはり不均衡な状態で、いろいろ苦しい状態が出て参りますると、ただいま中原委員が御指摘のような、問題の本筋から離れました不当労働行為というふうな形が出て参ると思うのであります。そういうのが原因ではなかろうか、かように考えております。しかし先ほど申しましたように、われわれ労政当局といたしましては、労働組合の健全な発達をはかり、いやしくも組合運動に干渉したり、あるいはこの困難を弱めようとするような行為があつてはならない、かように考えまして、労働委員会を通じ、あるいは直接地方の労政当局を通じまして、深甚の注意を払つておるというのが現状でございます。

福永健司自由党

○福永(健)委員長代理 ちよつと速記をとめて。     〔速記中止〕

福永健司自由党

○福永(健)委員長代理 速記をしてください。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 大臣にお伺いしたいのでございます。行政協定に関連いたしまして労働委員会に関連する質疑をいたしたいと思います。  第七条に「合衆国軍隊は、日本国政府の各省各庁に当時適用されている条件よりも不利でない条件で、日本国政府に属し、又は日本国政府によつて管理され、若しくは規制されるすべての公益事業及び公共の役務を利用する権利並びにその利用における優先権を事有する権利を有する。」ということがあるのでございます。この合衆国軍隊ということからまず伺いたいと思います。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 御質問の趣旨があまりよくわかりませんが、第七条にある合衆国軍隊というのは、合衆国の軍隊をさしておることで、それ以上私も存じません。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 日本国民が心配しておりますのは、合衆国軍隊ということの内容になるのでございますけれども、行政協定を結んだ趣旨といたしまして、日本国の領域にある間におけるアメリカ合衆国の陸軍、海軍または空軍に属する人員で、しかも服役中の者を合衆国軍隊の構成員というというふうにあるわけでございます。しかしこの行政協定の内容を検討いたしますと、アメリカは現在朝鮮で戦争をやつているわけでございまして、日本国としては朝鮮の戦争に協力する何らの義務もないというのが、ポツダム宣言の趣旨だと思つております。占領軍には日本国人民は従わなければならない。ポツダム宣言の無条件受諾であるから、これは実に明瞭な事実であります。行政協定が結ばれまして、アメリカ合衆国の陸軍、海軍、空軍の現に服役中の者が日本国の領域にある間において、それらに日本の公益事業及び公共の役務を利用する権利があるということになりますと、ポツダム宣言を受諾されて占領軍に従つて行かなければならないという内容と、この行政協定のいつていることとはまつたく違う、非常に広いものになる、この点を日本の国民は非常に心配しているのじやないか、こう思うのです。それで合衆国軍隊という規定について、一体今政府はどういう御見解を持つておいでになるか。ことに労働大臣として吉武さんはどうお考えになつていらつしやるのか。これは行政協定をめぐりまして政府と与党並びに野党の諸君から、たびたび質疑において繰返されている問題でございますが、非常に重要な点だと思いますので、その点についての御見解を聞きたいのでございます。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 この条約につきましての解釈は、ひとつ岡崎国務大臣からお聞きを願いたいと思います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 その点が明らかになりませんと話がつかないのです。どうしても労働大臣にひとつ岡崎国務大臣を連れて、ここにいらしていただきたいと思います。  では合衆国軍隊の規定は、吉武さんではわからないというわけですか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 さようです。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 閣議で意見が一致したのじやないのでございますか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 一致しましたけれども、正確な字句の一々についての解釈は、岡崎専任大臣からお聞きを願う方が正確だと思います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 閣僚の一人として、責任を持つて、統一された意思の一端をここでお述べになる勇気がないのでございますか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 正確なものはひとつ責任大臣からお答えをいたさせたいと思います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 その点は非常に無責任な答弁でございますが、労働大臣としての見解を聞かしていただきたいと思うのです。そうでございませんと、優先権を享有するという役務の問題なんかも関連しまして、労働大臣としての実際の仕事がおやりになれないのじやないか。閣議では意見が一致しないで、岡崎さんに白紙委任状でおまかせになつたのですか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 もちろんこれは一致いたしまして、異議のあるはずはございません。ただ条約の一々についての字句の解釈は、それぞれ責任大臣からお答えすることが正確であり、また御満足の行くことであろうということでありますから、特に何も岡崎国務大臣の御答弁をお避けになる必要は私はないと思う。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 ふざけてはいけませんよ。岡崎さんの答弁は避けておりません。しかし役務の提供ということが、行政協定の重大な内容としてあるわけです。その場合に合衆国軍隊の規定ということがわからずにはやれないことだと思う。一致した見解でよろしいのでございます。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 何べん申し上げても、合衆国軍隊は合衆国軍隊というふうに御解釈を願いたいので、それを掘り下げて一々お聞きになりたいのであれば、岡崎さんをお呼びになつてお聞きになればいいのじやないかと存じます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 非常に労働大臣として無責任だと思いますね。協定を結ばれて批准さえすればこれは実施すると言つているのですから、そういう点で責任を回避して御答弁ができないということはあり得ないと思います。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 何度申し上げても同じでありまして、合衆国軍隊といえば合衆国の軍隊を言うことであつて、それ以上何か御不満であれば、岡崎さんを呼んで御納得の行くまでお聞きを願いたい、こういうことであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 それでは進めます。私どもここで聞きたいことは、公益事業及び公共の役務を利用する権利並びに優先権を享有する権利を有するというのでございますが、これは戦時中にやられました徴用というようなことも意味されるのではないかと思いますが、その点はいかがでございますか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 労務につきましては、御承知のように十二条の四項に、駐留軍に必要なる労務は日本国政府の援助によつて充足されるという規定がありまして、それに対し強制力を用いてやるということは書いてありませんし、またわれわれもやるつもりはありません。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 十二条にはなるほどそういう規定があります。しかし国内の法規に従つて徴用が行われるとかいろいろございますけれども、十四条には特権と申しますか、除外例がありまして、         という各項目に従いまして、特に役務関係のことでは「合衆国政府により認められたときは、第十五条に定める諸機関の役務を利用する権利」たとえば過超勤の免除とかいろいろな特権がありまして、むしろその特例の場合の方が通常の状態になるのではなかろうかということがはつきり出ているわけでございます。十二条のことが出ましたので、十二条に触れてもいいのでございますが、七条では、「日本国政府の各省各庁に当時適用されている条件よりも不利でない条件で、」ということがありまして、これは官公吏並で使われるということになることを意味していると思うのでございますが、大臣はどういうふうにお考えでございますか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 ちよつと今の御質問の趣旨がよくわかりませんが……場。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 もう一ぺん七条からやつて行きたいと思うのでございます。七条にもどりまして、合衆国軍隊が使いますには、日本国政府の各省各庁に当時適用されている条件よりも不利でない条件で公共の役務を利用することができるという、この役務というのは当然労務だと思うのです。労働を意味していると思うのです。その点についての御見解はいかがでございますか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 不利でない条件でということだけであつて、それは日本におきましても強制的に労務を提供しているわけではございませんし、先ほど申しましたように、この条約の中のどれをごらんになりましても、労務を強制して提供するという約束はしておりません。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 第七条に優先権を享有するということがあります。優先権ということになりますと、日本の公益事業その他を日本国内の利用その他に優先して軍が使うことができる、合衆国軍隊が優先権を持つのだ、この規定がある。たとえば石炭の問題にいたしましても、石炭の優先出荷を現にやつております。貨車にいたしましても輸送部というのがございまして、輸送指令によつて優先的に使つております。また電通事業でも優先的に使つておる。そうしますと、占領軍ではなくなりましても、今度は合衆国軍隊としてここに規定されている軍隊は、あらゆるものを日本国内の需要に先だつて優先的に使える、つまり労務、役務からあらゆる施設、すべてのものを優先的に使えるのだということを七条は規定している、こう思うのでございます。いかがなものでございますか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 私どうも御質問の趣旨がよくわからないのですが、たとえば労務なら労務を使われるという場合にも、優先するという場合は、日本のある機関に労務を紹介する、片一方はアメリカ軍隊なら軍隊に紹介する、その場合に優先するということはあるかもしれませんが、そのことが労働を強制し、徴用して充足するということにはならないのであります。そういうことはどこにもうたつてございません。どういう御心配でおつしやるのか、私その点がわからないのです。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 強制ということに大分こだわつていらつしやるが、きのうの労務充足のあれでひつかかつていらつしやるのではないかと思いますが、そういうことを今申し上げているのではなくて、アメリカの軍隊があらゆる諸施設その他それに働いているところの労務者、こういうものを優先的に使う権利を持つておるということを七条で保障しておる。その点について強制するとか、しないとかいうことは別問題です。優先的に使うということになれば、その権利を持つている軍がやる傷合には、客観的に見れば有無を言わせずやれるのです。働かせられる者の側から言えば、強制されることになります。それにひつかかつているのじやないか。とにかく軍があらゆるものに優先して、日本の公共事業や公共の役務を利用する権利を持つているということを七条はうたつていると思うのです。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 どうも私は御質問の趣旨がわからないのですが、この条文にありまする通りで、不利でない条件でこれこれに関するものは優先して亨有する、権利を有する、権利があるからと言つてそれを強制するということはどこにもありません。ですから御質問の御趣旨が、一体どこを御心配にたり、どういうことをさされているのかわからないのです。文字の解釈はここにある通りです。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 大臣は、それは友好的な条約を結んだのだから、権利があつても向うは友愛の情を示して決して強制しないだろうと、向うの立場まで弁護していらつしやるのではないかと思います。軍の必要に応じてはいつでもやれるのだという権利が、この条約で保障されておるのだとするならば、軍が必要だということになつた場合に、ちようど戦争中と同じように、やはり労務を紹介することも優先的にやり、施設を使うのも優先的にやるということになる。そうなれば、それは強制しようがしまいが、向うは強制ではない、権利を施行しただけだ、第七条で日本国政府の保障してくれた優先的に使う権利を当然のこととして使つただけで、別に無理じいに押しつけたわけではないと言うでしよう。両方が納得の上の条約なんでございますからそうでございましよう。しかしいつでも使うと言えば使えるという条項が、ここでははつきり向うには保障されている。それを保障さすために第七条というものをここで確立したわけだ、こう思うのでございますけれども、労働大臣はどういうふうにお考えになりますか。向こうの権利を確保するために、軍の作戦でいつでも使いたいものを使えるように第七条はつくられているというふうに思いますが、いかがでしようか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 いろいろ法律を曲解され、またかつてな御解釈をされているように思いますが、ここに書いてありますように優先的に亨有する権利があるというだけでありまして、そういう権利があるからといつて、個人の自由を拘束してかつてなことができるはずはございません。特に労務については先ほど申し上げたように、十二条で労務の充足は日本の援助によつてこれを行うとはつきり書いてあります。しかも日本政府は、これを強制でもつてやるということは、どこにも約束しておりませんし、また日本の国内法にもございません。だからそれ以上あなたが、自分はそう思うんだとかつてな御解釈をされることは、はなはだ迷惑千万であります。条約なりその実際の適用なりはここにきちつとしておりますし、私が正確に御答弁を申し上げておるのに、それを御信用にならなければ、これ以上御答弁を申し上げても私は意味がないのではないかと思います。白は白だと私が申し上げるのを、いや白ではない、私は赤と思うと言われてもしようがないと思います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 おふざけになるのはよしたがよいでしよう。優先権を享有する権利を持つというのは、このことが白は白ではありませんか。何が白は黒ですか。あまりおかしなことをおつしやらない方がよろしいでしよう。それではあなたの言うことになると、アメリカが優先権を持たないということになるのですか。公共事業や公共の役務をアメリカ合衆国の軍隊は持つておらぬのだということになるのですか。それこそ白は黒ではありませんか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 優先して享有する権利がある、そうしてそれはどういう方法でやるかということは、他の条文に規定してあるじやありませんか。それは日本政府の援助によつてこれを充足すると言つている。日本政府が援助をしないとは言つておらない。日本政府はそれを強制してやるということはどこにも書いてない。書いてないばかりではない。日本政府といえども法律なくして個人の権利を拘束することはできません。それは現在の日本の国内法には、どこをお探上になつてもありません。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 今の御答弁でございますと、国内の法規を今後も適用するのだというようなことと思いますが、現実には国内法規が適用されておらぬということが言われおるのです。それからこの間あなたは労働委員会で御答弁になりましたが、同じ委員会の一時間ばかりの間でもたいへん食い違つたことを言つておられた。それは東日重工下丸子工場の一つの例でございますが、十分調査しておりませんと言いい、最後には、調査をいたしましたけれども法律には違反しておりませんと言われている。ところが組合は、不当労働行為に対しましてバローという向うの人と交渉をしております。バローという人は、それは軍の命令ではないのだと言つて逃げている。不当労働行為をやつたのは、会社が悪いのだ、会社が違法行為だといつて逃げておられる。それに対して労働大臣ともあろう者が、十分調べてないと言つたり、十分調べたけれども違法行為でないと言つてみたりしておる。向うの連中が労働者の闘争を認めて違法行為だと言つておるのに労働大臣が違法行為でないと言つておる。今あなたがここでどんなにみえをお切りになろうとも、具体的な事実をもつて足元から日本の人民の人権を確立して行くことを、ひとつ表明していただきたいと思うのです。これが今の八千万国民のほんとうの気持だと思うのです。そういう態度がなしに、行政協定の条文あるいは国内の法規、実施されないような基準法、裏づけのない予算、そうしてその場限りの答弁で通せばいいということでは私どもは満足できないのです。だから国内法規が適用されるのだというならば、今起きておるあらゆる不当な労働行為その他についても、労働大臣は十分お調べになつて、国内法の適用ができるということを身をもつて示していただきたい、それをやつていただけますか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 柄澤さんの言葉じりをとらえるわけではありませんが、強制労働が行われておるといわれているということで、いかにも強制労働が現実に行われたような言い分をされておりますが、私どもは終戦後強制的に徴用して労働を提供するとか、強制労働をさせておるというようなことはございません。もしあれば御指摘を願います。  それからあとで御指摘になりましたどこかの工場で解雇があつたということですが、これはこの前の御質問でお答えしたように、それが軍命令で出たかどうか知りませんが、とにかくその工場において解雇したのは、不適格である、不適任であるということによつて、労働法に基いた手続によつて解雇が行われておる、従つてこれは違法でないということを申し上げたのであります。解雇されたことが不服であるかないかということはあるでありましよう。しかし法律はそれによつて違法であるかないかということを決定するだけであります。それはわれわれの調べたところによりますと、不適任であるということで解雇され、所定の法律の手続によつてなされておる。でありますから私はこれは違法ではないということを申し上げたわけであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 今強制労働と不当労働行為と二つの点を労働大臣は御答弁になつておるようでございます。私はきようは強制労働のことには触れなかつたのですが、お出しになりましたからそれにもひとつ触れようかと思います。そのあとの方の事件として下丸子のことは、大臣はこの前おつしやつたことを忘れていらつしやると思うのです。初めは調べていないとおつしやつたのです。あとでは違法でないときめつけていらした。ところが会社側が首を切るときに、これはほかに何も文句は言えません、お気の毒でございますが軍命令でございますからと言つて、理由を言わないで切つておるのです。この事実はあなたの今の御答弁と違うじやございませんか。しかも当時の話ではこの首切りはもつとやるのだと言つておるそうです。これは労働組合じやない、文化サークルまで調べてみなやるというのです。ですから労働者が、自分たちは徴用工でもないのに、組合をつくつて正当な労働運動をやり、文化運動をやるのを弾圧するのはけしからぬといつて、バロー氏のところまで行つておるのです。ところがバロー氏は労働者の意見がずつと強くなつて、特需工場の協議会なんかを持つて来たものですから、軍命令じやございません、会社が悪いのですといつて逃げているのです。この委員会にバローさんに来ていただくことができれば最もいいのだと思うのですが、これは参議院も要求したと思います。私どもうそを言つておるのじやない、陳情だけじやない具体的な事実をもつて、責任をもつて申し上げておるのですから、その場限りはやめていただきたいと思います。ですからできればさつき申し上げたことを大臣は実行していただきたい。これは行政協定を前にした全日本の労働者の要求だと思います。これをやつていただけるかどうか、もう一ぺん答弁を願いたい。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 お答え申し上げます。下丸子の問題は、あなたはそうお聞きになつておるかもしれませんが、解雇したいきさつについては、軍の方から指示があつたかどうか存じません。あるいはそれはあつたかもしれません。しかし会社が解雇した理由は、私どもの調べたところでは不適格である、不適任であるということで解雇しておるわけであります。ですから私の方といたしましては違法であるとは考えません。法律がある以上は法律を守ることは当然であり、労働大臣としては適正な法律の施行について努力すべきことは当然であります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 いつどんな方法で、だれを呼んで、どこでどんなふうにお調べになつたのですか。軍命令で切られておるといつて、首を切られたときの通達のようなものを、五反田の職安と大森の職安に出して、失業保険の適用を受けておるのです。ですから食い違つておる点を明らかにするようにひとつ努力していただきたい。それにはやはり証人を呼ぶなりしていただきたい。

賀来才二郎労働事務官(労政局長)

○賀来政府委員 ただいま大臣からの労働省として調べたところによればという答弁は、労政局の係員が下丸子の工場に行つて、使用者側並びに組合側に会いまして、両方の陳述を聞いたのであります。その結果はただいま大臣が申し上げたと思いますが、下丸子の工場と、あの工場を管理しておるGHQの方との間に、一つの契約があります。その契約によりますと、工場の安全または防衛上、管理者として必要がありと認めたときには、その労働者については工場に立入りを禁じ、あるいはその労働を停止するように処置を求めることができるという意味の契約に基いて、管理者側が下丸子の工場の係に対して、処置方を要求されたのであります。それに基いて工場としては自分の判断をもつて、違法の措置でない解雇の措置をとつておるのであります。これがもし不当労働行為ということになりますれば、組合は国内法に基いて、東京工場の責任者に対して、不当労働行為の提訴があるべきだと思います。組合としては委員会におきまして、その処置はやむを得ない処置であると認めておりますので、現在不当労働行為としての提訴は行われていないのであります。われわれといたしましては、その会社がとりました措置が不当労働行為であるということになりますれば、労働委員会によつて判定すべきものであると、かように考えておるのであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 そういたしますると、いつのことかわからないのでございますが、その後協議会等によりまして、政党政派を越えました議員に対しまして陳情があつたのでございます。その事実に基いて、それらの類似の不当労働行為というものが多いということは、賀来労政局長も先ほどの御答弁の中でお認めになつておつたのでございます。特に神奈川の宮川興業でございますが、会社を解散して、契約を解除して、同じメンバーをもつてまた新たな会社をつくつて、同じ仕事をまたやつて行くというような、非常に巧妙な形の不当労働行為というものの行われて来ておるような今日です。ぜひ責任をもつて、今のような事態の非常に不明朗な、たいへん疑義があるところの問題に対しましては、当委員会で労働大臣が協力するようにして、ひとつ事態を明らかにしていただきたい、また責任をとつていただきたい、こう思うのでございます。先ほどの御答弁では、軍令解雇ではないということになつたのでございますが、その点をひとつ聞いておきたいのです。

賀来才二郎労働事務官(労政局長)

○賀来政府委員 会社側がどの関係者にどういうことを申したか知りませんが、労政局の調査におきましては、さような言葉は会社側は使つておりません。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 労政局が向うへ乗り込んでいらつしやつての調査に対しまして、会社はいつそういう報告をなさつたんですか。

賀来才二郎労働事務官(労政局長)

○賀来政府委員 はつきり日にちは覚えておりませんが、多分二月の初めごろであつたかと記憶をいたしております。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 いずれ五反田の職安その他からそれらの資料を取寄せまして、新たにこの問題については責任を明らかにしていただきたいと考えます。  吉武労働大臣は友好的な協定だということで、できるだけ有利な場合を考えて、非常にスムーズに行ける条件のもとで協定を解釈しよう、こういうふうに考えていらつしやると思うのです。しかしわれわれとしては、軍隊をもつて日本の安全を保障してもらうという有史以来ないような悪条件、こういう条件のもとで日本の労働者の権利を守つて行こうという場合には、やはり最悪の場合というものを考慮に入れまして、この協定の条文を検討しなければならないと思うのです。だからそういう立場から、もつと誠意を持ちまして、たとえば戦時中強制労働ではないと言いましても、やはり徴用があつたというようなことがあるわけでございまして、この協定が、もしそういうような最悪の状態に置かれた場合にはどうするか、労働省としてはどうするか。断固として闘うというような、たいへんごりつぱな表現が、今までも行政協定に対してあつたと思うのです。断固として闘うというのは、どういうぐあいにして労働者の権利を守るのか。闘うということはどういうふうにするのか、その辺を少し明らかにしていただきたいと思うのです。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 私はここではまじめに答弁をしておるわけでありまして、何度申し上げても同じであります。この協定の中の労務の関係につきましては、私は十分検討もし、慎重に考えまして協定を結んでおるわけであります。その協定において、私は先ほど何ぺんも申し上げましたように、労務を強制して提供するという約束はいたしておりません。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 そこでお伺ししたいのでございますが、なるほど強制は政府としては指令としてお出しになつてはいないと思うんです。しかし、たとえば失業者の問題なんかもそうでございますが、東京都におきましては、朝鮮事変が起きます一週間前に、失業救済の予算に対して、あぶれ反対で追加予算まで組みまして、政府もお認めになつて、救済事業をやつて来ました方針を一擲いたしまして、全部打切つて、予算のわく内で絶対にやれということで、都の林労働局長が全都の日雇い労働の係の人たちを集めまして、あぶれを一齊に出さしておる。こういうような方針と、それからいわゆる連合軍に協力する仕事とのタイ・アップにおいて、食えない労働者がやむなく追い込まれて行く。これは法律では強制的に労務提供をしろとは言つておりませんが、食えなくして追い込んで行くというようなことが、現実に出て来ておるわけでございます。先ほども言いましたように、私どもから見ましたならば、ずいぶんたよりにならない政府、労働者をごまかしており、基準法の監督もなさらない。けしからぬ政府だと思つている政府でも、日本の労働者は何と言つておるか。日本の政府に使われたいと言つておるんですよ。直用はいやだと言う、外国人に使われるのはいやだと言つている。首を切つたり、基準法を実行しなかつたり、ずいぶんけしからぬ政府だと思つている日本の政府でも、日本の労働者は、日本の政府に使われたいと言つている。それなのにあなた方は、当然与えられておるいろいろな権利について、この条文の中で、最悪の場合まで検討して、日本人の労働者を日本の法律でどうして保護して行くかというまじめな態度が、非常に欠けておると思うのです。欠けておるという断定をされるのが御不快でございましたら、ここで誠実に答弁をしてもらいたいと思うのです。強制労働はせぬと言つて、指令を出さなくても、あぶれを出さない予算を組まなければだめだし、基準法が実施されるような裏づけがなければだめだし、食える資金がなければだめです。この保障なしに、ただ紙の上で、あなた方は強制をした覚えはないとうそぶいていらつしやつてもだめなんですよ、吉武さん。やはり保障が必要だと思うのです。そうでない限り、労働者というものはかり立てられて行くということに、結果としてはなると思うんです。  それからそういう条件だけでなしに、さらに十四条で私どもが心配しておりますのは、なるほど吉武さんは闘うとか、いろいろ言つていらつしやる。国内法は適用できるということになつていると思います。しかし十四条でごらんなさい。1として「通常合衆国に居住する人(合衆国の法律に基いて組織された法人を含む。)及びその被用者で合衆国軍隊のための合衆国との契約の履行のみを目的として日本国にあるものは、本条に規定がある場合を除く外、日本国の法令に服さなければならない。」といつております。さすれば本条に規定がある場合は、日本国の法令に服さなくてもいいということになると思う。しからばその後にございますように、2の「前記の人及びその被用者は、その身分に関する合衆国の当局の証明があるときは、この協定による次の利益を与えられるものとする。」ということの中に、hの「雇用の条件に関する日本国の法令の適用からの除外」ということがある。これは具体的にそれじやどうなるのか、国内法というものは適用されないということになるじやないですか。その点はいかがでございますか。そしてそれはどんなような場合、その法律が適用されないという場合になるのか。この十四条の適用ということは非常に重大な問題だと思います。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 今御指摘になりました十四条の被用者というのは、アメリカ人のことで、日本人ではありません。  それから柄澤さんは別に他意があつておつしやるわけではないでありましようけれども、今のお話のようなことが強制労働だとおつしやることになりますと、それは言葉の意味が私は違うと思います。およそ仕事というものは、自分の好む仕事ばかりにつけるものではありません。やはり労務というものは自由職業、自由の選択はございますけれども、自由の選択があつたからといつて、自分がすき好むだけの仕事に従事するということは、どこの国だつてあるはずはないのであります。自分のすき好む、またいい条件以外のものはみな強制だなどとおつしやるならば、それは言葉を濫用されていると私は思います。私どもが普通強制労働と言う場合は、権力によつて労務に従事せしめることを言う。ですからあなたの言う意味でおつしやることであれば、それはあなたがかつてに言葉をつくつておつしやるだけのことです。  それからあぶれあぶれとおつしやいますが、今はできるだけあぶれのないようにしてやつておりますけれども、自由労働者のその日その日の労務についてあぶれの出ることは、戦前もそうでありましたし、あり得ることなんです。しかしこれは決していいことではございませんから、われわれはできるだけあぶれを少くして行つて、大体今日では一月に二十日ないし二十二日くらいの雇用ができるようにしておるのであります。これは全部三十日あるいは三十一日、一人のあぶれもなしにとおつしやつても、それは無理だと私は思います。できればけつこうでありますが、なかなかそう完全にということはむずかしゆうございます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 なかなか吉武大臣は私と一致しないで、いつもこうずれるのです。大分御答弁の筋がずれているようなんでして、権力をもつてやつておらないというけれども、権力を使つていらつしやいますよ。渋谷でも新宿でも、組合活動に対してピストルやこん棒で何千人もでつつ込めと言つて弾圧しているのですから……。その前は海老塚さんが失業対策課長のときにはあぶれ反対でもつて、あぶれをなくし、補正予算を組ました。失業保険の問題も出て来ますけれども、失業者からとつた保険金だけで政府は百五十億も押えていらつしやるじやありませんか。その半分でもやつたらどうかと思います。一年分の失業対策事業は、その半分も組んでいらつしやらない。失業保険金をとりつぱなしなんです。その労働者が一月なんか、全国平均二十日働いておりません。だから朝鮮動乱一週間前にも、なぜあのようにまずまずあぶれをなくしている者を呼びつけて、予算のわくでやれ、輪番制を実施しろというふうにおやりになるか。しかもそれに反対すると権力を使つております。警官を動員してどんどんつつ込めていらつしやる。女の髪をひつぱつたり、ぶつたりけつたりして検束していらつしやる。都の労働局では査察隊なんかをお出しになつて、陰に隠れて見ているそうです。そういうことは権力を確かに使つていらつしやるのです。この点でそういうことをおつしやれば、こちらはいくらでも反駁する材料は出て来るのでございます。ですから失業者の場合なんかも、強制労働ではないとおつしやる。しかし私は労働政策、労働行政全体を通じて、やはり平和産業で働ける条件を確立して行かない限り、労働者を追い込んでいることになるのだということを申し上げているのです。その条件を確立されなければだめだ。ところがそういう条件以外に、これでは行政協定一本で何でもやれる、あらゆる権利、権力、権能と、行政協定の中で三つ使つております。権利と権能と権力とどう違うか。権力でやるのが強制だと今吉武さんはおつしやいました。ここでは御丁寧に権利、権力、権能と三つも並んでいる。これはどう違うのか。この権利、権力、権能というのが軍事基地だけでなしに、隣接地域、近郷地域といつて無制限に拡大して、そうして公共の施設から、それらの役務から、優先的に使えるということを行政協定でうたつているわけであります。今ここで触れておきたいことは、そういたしますと第十四条の国内法規の適用からの除外というのは、外人に限つているということでございますか。日本の労働者の場合は絶対にないのでございますか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 この最初に書いてあります被用者というのは、アメリカ人に使われるアメリカ人のことを言つておるのであります。  それから私は柄澤さんとここで議論をしようとは思いませんけれども、どうも現在ある姿というものが、権力でもつて強制労働をしているという言葉につきましては、私は承服できません。権力で強制労働をさせているのはソ連のように、もしそれ働かなければそれに制裁を加えるということでやつている労働が強制労働であつて、日本では働かない者を権力でもつて処罰するという法律はございません。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 大分強制労働にこだわつていらつしやるようですけれども、これはひとつ議事録をお調べになつて、ゆつくりと頭を冷やして労務行政を御検討願いたい。今やつていらつしやる予算、その他失業対策、労務行政をゆつくり御検討いただけば、今ここであなたと言い争うことは問題ではないのでございます。  それから十八条にございます「合衆国軍隊による又はそのための物資、需品、備品、役務及び労務の調達に関する契約から生ずる紛争でその契約の当事者によつて解決されないものは、合同委員会に調停のために付託することができる。但し、7の規定は、契約の当事者が有することのある民事の訴を提起する権利を害するものではない。」ということがあるのですが、これは合衆国の軍隊に使用される労働関係でございますから、労務の調達に関する契約から生ずる紛争で、その紛争の場合に当事者間に解決されないときは合同委員会に付託し、合同委員会が最終の決定をすることになると、ここでは規定しているように思いますが、その点はいかがでありますか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 これもやはりここに書いてある通りでありまして、大体労務の関係におきまする紛議というものは、この十二条の五項にもございますように、日本の国内の労働法規が適用されるのであります。従つて労働紛議についての調停、あるいは不当労働行為についての裁定というものは、労働委員会を通じて行われると思います。しかしそういうものを通じて行いまするほかに、必要があれば合同委員会によつてもそれをあつせんするとか、調停するということはあり得ると思います。しかし国内法の適用を排除する趣旨はございません。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 そうしますと、最終的には紛争も解決される場合に解決されない、最終的な紛争は合同委員会で解決するということになるわけでございますね。これは十八条の7の方へ飛んだのでございますが、1の方で「各当事者は、その軍隊の構成員又はその文民たる政府職員が公務の執行に従事している間に日本国において被つた負傷又は死亡については、その負傷又は死亡が公務執行中の他方の当事者の軍隊の構成員又は文民たる職員によるものであるときは、他方の当事者に対するすべての請求権を放棄する。」ということがあるのです。これでは軍隊はないという御答弁であつたにもかかわらず、「各当事者は、その軍隊の」というふうに、軍隊であるということを認めておると思うのでございます。その点がまず第一に、政府の答弁で非常に矛盾しておると思います。それからその軍隊の構成員というのは、具体的に何をさすのか。各当事者というと両国ということになると思いますけれども、日本に軍隊がないと言う吉田内閣が、軍隊の構成員というのは何をさすのですか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 私は自分の所管の事項についてはお答えいたしまするが、自分の所管外のことについて、ここで一々御質問されることについては、委員長よりひとつ適当なるおとりはからいを願いたいと思います。ここの軍隊という問題は、これは予算委員会でも岡崎君から明快に答弁をしておることでありまして、どうも共産党に所属される議員は、何度もこの点をお気になさつていらしやいますけれども、その軍隊の構成員というのは、向うのアメリカの駐留軍のことであります。日本側はその文民たる職員、こういうことであります。向うさんは軍隊でしようし、こちらは文民の職員、そういうふうにはつきりとしておるのに、それが両方かかるというふうに言われることは、わざわざ曲解をされておられることと思います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 これは翻訳だからかもしれませんが、非常にややこしい、日本の文法がわかつていたら……。「各当事者は、その軍隊の構成員又はその文民たる政府職員」とあるのは、これは非常にこじつけだと思います。もし「政府職員が公務の執行に従事している間に日本国において」ですから、もちろん日本国の公務員、政府職員が当ると思いますけれども、負傷または死亡した場合において、当事者の軍隊の構成員または文民たる職員によつてそれがなされたときには、殺されたら殺されつばなしということをこれは証明しておるわけでしよう。軍隊を認めて、しかも殺されたら殺されつばなし、けがをしたらけがをしつぱなし、請求権がないということになるとそういうことになると思うのですが、どうなのですか。非常に重要な問題です。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 私の所管以外の事項につきましては、責任ある国務大臣より答弁をさせます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 所管外ではないと思うのです。政府職員の、やはり殺される、死亡というような非常に重大なことだと思う。もし所管外としてこの件を御検討なすつてないとすれば、職務怠慢だと思います。吉武さん、重大な問題です。殺されても殺されつばなしということになるが、どうなのですか、――お答えがなければよろしゆうございます。  それから第二十三条に「日本国及び合衆国は、合衆国軍隊、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族並びにこれらのものの財産の安全を確保するため随時に必要となるべき措置を執ることについて協力するものとする。日本国政府は、その領域において合衆国の設備、備品、財産、記録及び公務上の充分な安全及び保護を確保するため、並びに適用されるべき日本国の法令に基いて犯人を罰するため、必要な立法を求め、及び必要なその他の措置を執ることに同意する。」ということがあるわけであります。これも所管外とおつしやればそれつきりなのであります。あらゆることが国内法でやられるという御答弁で尽きているのですけれども、新たに立法をすることができるというようなことを、二十三条では裏づけているように思うのでございますが、そういう点につきまして、大臣は無責任な答弁ではなく、閣僚の一人で、閣僚でないとは思えないのですから、御答弁を願いたい。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 これも先ほど申し上げた通りであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 労働大臣は、労働大臣ではあるけれども、行政協定の重要な点について何も知つておいでにならないし、非常に無責任だ。自分の管轄でないというようなお答えで、終始大事なところになりますと答弁を避けていらつしやるのですけれども、どうしても当委員会としては岡崎国務大臣をここへお呼びして、なおできればこの質疑をやつていただきたい。こう思いまして、私の質疑はこれで打切ります。

福永健司自由党

○福永(健)委員長代理 本日はこの程度にとどめて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後五時二十一分散会

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