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13回国会衆議院1952/02/20

予算委員会第四分科会 第1号

発言数
145
登壇者
15
会派数
2
開催日
1952/02/20

会議録

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  本分科会は、昭和二十七年度一般会計予算中、通商産業省、経済安定本部及び農林省所管及び昭和二十七年度特別会計予算中通商産業省及び農林省所管の審査を行うことになつておりますが、審議の都合上、本日は通商産業省及び経済安定本部所管の審査を行い、明日農林省所管の審査を行いたいと存じます。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 それではこれより通商産業省所管及び経済安定本部所管について、政府より説明を聴取いたし、続いて質疑に入ります。質疑は通告順によつてこれを許すことにいたしますから、あらかじめ御通告願います。  それでは政府の説明を求めます。通商産業大臣。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 ただいま議題となつております通商産業省所管予算各案について御説明申し上げます。  まず二十七年度通商産業省所管一般会計の予定経費要求額は、六十五億九千八百八十七万四千円でありまして、これを二十六年度総額百三十四億三千六百一万九千円に比較いたしますと、六十八億三千七百十四万五千円と大幅に減少いたしておるのであります。しかしながらこれを内容的に検討いたしますると、二十六年度においては、貿易特別会計の残務処理に必要な経費三十七億五千三百十八万七千円、緊要物資輸入基金特別会計基金として二十五億円、輸出信用保険及び中小企業信用保險特別会計にそれぞれ十億円の基金繰入れのごとく、当該年度限りの臨時的な経費が多額に組まれているのであります。また二十七年度予算にもこれと同じ性質の経費が、貿易特別会計残務処理に必要な経費五千六百三十一万二千円、輸出信用保險特別会計基金十億円、中小企業信用保險特別会計基金五億円が含まれておりますので、両年度それぞれからこれらの臨時的経費を控除して実質的に比較いたしますと、二十六年度予算は五十一億八千二百八十三万二千円、二十七年度予算は五十億四千二百五十六万二千円となつて、差引一億四千二十七万円の減少となり、総額においては前年度とほとんど異動はないということになつておるのであります。  次に二十七年度予定経費中重要なものについて御説明申し上げます。第一に貿易振興対策においては、海外見本市参加補助及び海外市場調査会補助はそれぞれ前年度と同額の四千万円と三千万円を計上いたしたのであります。  次に輸出信用保険特別会計については、輸出振興の見地から二十六年度においても十億の基金繰入れを行い、プラント輸出に伴うバイヤーの支払い不履行による損害の保險を行うこととしたのでありますが、今般さらに事業を拡張することとし、輸出業者または輸出品製造業者に対する銀行の資金融通に伴う損害を保險することとし、もつて輸出資金の融通を円滑ならしめんとする見地から、新たに十億の基金を繰入れることにいたした次第であります。  次に新たに海外広報宣伝費として、一千三百万円の予算を計上いたしましたが、これはわが国主要産業の実情を詳しく記述したカタログ、パンフレットの類を作成し、これを海外各国市場に送付し、わが国製品、特に機械類を中心とするプラント物の販路開拓をはかりたいと考えたのでございます。  貿易特別会計残務処理費は、昨年度に計上された鉱工品貿易公団の損失補填金十六億九千万円並びに米国政府及び英濠軍払下げ物資代金償還経費十三億八千万円等の経費が、本年度は不用となりましたので、五千六百三十一万二千円と大幅に減少いたしました。また緊要物資輸入基金は昨年二十五億の繰入れを行つて設置されましたが、本年度は基金を増額する必要もございませんので、別に予算を計上いたしておりません。在外事務所見本陳列費は昨年度は二千四百三十万円を計上いたしましたが、これは邦人商社の海外活動が通商航海條約未締結のため、ほとんど不可能でありましたので、盲貿易打開対策の一助として、在外事務所に陳列室を付置したものでございます。しかしながら講和條約の発効も近い将来となり、海外商取引は民間ベースで自由に行われるようになりつつある際でありますので、この事業は二十六年度をもつて打切ることといたしました。  第二に、技術振興対策であります。第一に新技術の応用研究及びその工業化試験の補助費でありますが、この経費は二十六年度で大幅に増額計上せられたものでありますが、二十七年度においてもその重要性にかんがみ、昨年度と同額を計上することにいたした次第であります。工業技術研究費補助につきましては、二十六年度に比し若干減少しておるようでございますが、これはその一部を別途資源庁関係の鉱業研究試作費として計上いたしたためでありまして、実質的には増減はないのであります。  次に本年度においては、新たに工作機械輸入補助として二億五千万円を計上いたしました。これは工作機械、工具等の機械工業は各産業の基礎をなすものでありまして、その設備の近代化は焦眉の急務であります。にもかかわらずこれらの産業は他産業に比しまして収益必ずしも良好でない状態でありますので、その輸入する高性能工作機械の輸入に対し補助金を交付し、この重要産業の技術水準の向上をはからんとする趣旨でございます。  次に発明実施化試験の補助金は二十六年度とほぼ同額の一千万円を計上いたしましたが、そのほか本年度においては、発明の実施化対策として新たに貸付金制度を設けることとし、優秀な発明でありながら経済的な理由からその実施化がはばまれているものに対し必要な資金を貸し付けることとし、二千万円を計上いたしたのでございます。  第三に資源開発対策であります。まず鉱業研究試作費補助として新たに二千四百万円を計上いたしましたが、これは資源開発の重要性及び鉱業技術の特殊性にかんがみ、従来の鉱工業技術研究補助金から二千四百万円を独立計上し、これを鉱業研究試作補助金として運用することにより優秀炭坑機械の試作研究、特殊採炭方式の研究、石油二次回収方式の普及促進等鉱山経営における新技術採用の促進をはかろうとするものでございます。  次に重要鉱物探鉱費補助金は、二十六年度一億四千万円に対し、二十七年度一億三百五十万円と若干減少いたしておりますが、これは最近における金属鉱業収益の現況にかんがみ、比較的自力による探鉱の余地も増大して来つつあるように考えられますので、二十七年度においては主として資力に乏しい中小鉱山に重点を置いて、その効果的運用を行い、全体としての重要鉱物の探鉱活動を維持せしめたいと考えておる次第でございます。  次に石油試掘補助金につきましては、二十六年度一億一千万円に対し、二十七年度は四千万円と大幅に減少いたしておりますが、これも探鉱奨励金の場合と同様に、大規模採油業者の経営状況が最近好転し、自力による探鉱投資力が増大しつつある現状にありますので、真に有効な探鉱活動で資力の乏しいものに対して主としてこの補助金を交付する建前で運用いたすことにより、実質的には二十六年度と同様の効果を収め得ると考えるのでございます。  採炭方式改善費補助金は、二十六年度カツペ採炭普及の目的をもつて、二千八百万円を計上せられたのでありますが、本補助金はきわめて有益な効果を収め、この採炭方式の普及の目的を達成いたしましたので、二十七年度はこれを計上いたさないことといたしました。また長孔発破採炭方式等の新採炭方式の奬励につきましては、前述の鉱業研究試作費補助の中で考慮いたしたいと存じておるのであります。  第四に中小企業対策であります。中小企業協同組合共同施設費補助金は、二十六年度大幅に増額せられました経費でありますが、中小企業振興対策の重要性にかんがみまして、二十七年度も同額を計上いたしたのであります。中小企業振興指導費の地方庁に対する補助金につきましても、昨年度と同額を計上いたしました。中小企業相談所補助金は二十六年度に初めて計上いたしました経費でありますが、本相談所の普及育成に非常な効果がございますので、二十七年度におきましても二十六年度と同額を計上いたしております。  中小企業信用保險特別会計は、従来金融機関が中小企業者に対して行いますところの貸付を政府が、保險するものでありまして、現在基金十五億円をもつて運用されておるのでありますが、先般さらにこの業務の範囲を拡大し、全国各地の信用保証協会の保証業務の再保險をも行うことといたしましたので、それに必要なる基金としてさらに五億円の基金繰入れを行うことといたしたのであります。  第五は自転車及び自動車工業振興対策であります。自転車競技法及び小型自動車競技法に基く競走の完全なる運営をはかり、かつ自転車及び自動車工業の振興をはかるため、海外市場調査、カタログ及び現物による海外への宣伝、性能の研究、検査施設の充実、金融の確保等に必要な経費として四億六百万円を計上し、なお前記貿易振興対策、工業技術振興対策、中小企業対策等の経費中に、自転車及び自動車関係経費として、一億五千六百万円を計上いたしました次第でありまして、二十六年度予算額とほぼ同額でございます。  以上をもちまして一般会計予算の概括について御説明いたしましたが、次に二十七年度当省所管の特別会計に関し、その歳入歳出予算の大要を御説明いたします。  まずアルコール専売事業特別会計でございますが、二十七年度の歳入予定額は、四十七億百六十八万円、歳出予定額は四十億八千六百三十三万七千円でありまして、資産売掛金等の関係を加減しますと、三十七年度の益金予定額は八億一千八百七十万九千円となります。  第二に米国対日援助物資等処理特別会計歳入歳出予算について御説明申し上げます。御承知の通り、米国の対日援助は二十六年六月打切られましたので、二十七年における本特別会計はその残務を処理することを目的とするものであります。二十七年度の歳入予定額は六十億六千百七十六万一千円であり、歳出予定額は二十億六千百七十六万一千円であります。従いまして差引四十億円が一般会計に繰入れられるわけでございます。  第三に輸出信用保險特別会計歳入歳出予算について御説明申し上げます。二十七年度の歳入歳出予定額は、ともに三十八億九百四十五万八千円でありまして、歳入のおもなるものは保險料納入五億四千二百万円、資金運用収入八千八百万円、一般会計からの基金繰入十億円、前年度剰余金十八億九千二百万円であり、歳出のおもなるものは支払保險金十億四千八百万円、予備費二十六億三千九百万円等であります。  第四に、中小企業信用保險特別会計歳入歳出予算について御説明申し上げます。本制度は一般会計の御説明の際にも述べました通り、金融機関が中小企業者に対して行う資金融通に伴う損失を保險するとともに、全国各地の信用保証協会の保証業務の再保險を行わんとするものでありまして、二十七年度歳入予定額は二十五億六千九百四十六万八千円であり、歳出予定額も右と同額であります。これを前年度の歳入歳出額十九億七千百二十八万八千円と比べますと、大略六億円の増額となりますが、これは歳入については一般会計から基金として五億円の繰入が行われたこと、及び歳出については業務の拡大に伴う支払保險金等の増額が行われたこと等の結果であります。  第五に、緊要物資輸入基金特別会計歳入歳出予算について御説明申し上げます。本基金の二十七年度歳入歳出予定額は、ともに七千五百八万五千円でありまして二十六年度予算額と同額でございます。  第六に、特別鉱害復旧特別会計歳入歳出予算について御説明申し上げます。本業務は、戦時中の石炭濫掘に伴う鉱害を復旧することを目的とするものでありまして、二十七年度歳入歳出予定額はともに六億四千二百二十万八千円でありまして、歳入のおもなものは納付金収入四億三千八十八万九千円、前年度剰余金一億百九十七万八千円等であり、歳出はその大部分が事業費であります。  以上で通商産業省所管の一般会計及び特別会計予算の説明を終りますが、なお御質問に応じて詳細御説明申し上げたいと存じます。何とぞ御審議の上御協賛あらんことをお願いいたします。

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 次に経済安定本部長官より説明を求めます。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○周東国務大臣 経済安定本部の予算につきましては、大体が役所の性質上行政費が大部分を占めております。会計課長から御説明申し上げますから、どうぞよろしく御審議を願いたいと思います。

小笠原喜郎経済安定事務官(総裁官房会計課長)

○小笠原政府委員 経済安定本部所管の昭和二十七年度予算につきまして御説明申し上げます。  まず歳入につきまして見ますると、総額六百七十万二千円でありまして、これを前年度の六百三十一万四千円に比較いたしますと、三十八万八千円の増額となつております。この増額となつた科目について、前年度との比較を申し上げますと、公務員の給与ベース引上げによる恩給法納金五十九万七千円、不用物品払下代金三十二万八千円、雑収入四万九千円、計九十七万四千円の増加となつておりますが、他方公務員宿舎貸付料が五十八万六千円の減額となつております。  次に歳出について申し上げますと、要求総額三百六十億八千五百三十八万五千円でありまして、前年度の三百十四億一千九百六十一万八千円に比較いたしますと、四十六億六千五百七十六万七千円の増額となつております。この増額となつたおもなる科目について申し上げますと、物価庁の価格調整費二百七十億円でありまして、前年度二百二十五億円に比較いたしますと、四十五億円の増、公共事業災害復旧費八十億円でありまして、前年度七十五億三千五百万円に比較いたしますと、四億六千五百万円の増額となつております。  さらに経済安定本部の所管の内局及び外局別に御説明を申し上げますと、経済安定本部では要求総額三億一千五百四十九万一千円でありまして、前年度の四億一千四百七十七万五千円に比較いたしますと、九千九百二十八万四千円の減額となつております。この要求経費のおもなる内訳を申し上げますと、人件費及びそれに伴う事務費その他でありまして、自立経済審議会に必要な経費三百五十一万五千円、土地調査に必要な経費八千八百一万一千円、国土開発、電源開発に必要な経費一千一百万円、公共事業監査に必要な経費二百五万九千円等が含まれております。物価庁は要求額四千五百十六万九千円でありまして、前年度五千二百七十四万七千円に比較いたしますと、七百五十七万八千円の減額となつております。この経費の内訳を申し上げますと、人件費及びそれに伴う事務費でありますが、そのほかに米価審議会等に必要な経費二百七万四千円、地代家賃実態調査に必要な経費百三十八万円が包含されておりまして、物価行政の円滑なる運営のために必要なる経費を計上してあります。次に経済調査庁は、要求額六千三百八万三千円でありまして、前年度九千一百十四万一千円に比較いたしますと、二千八百五万八千円の減額となつております。この経費の内訳を申し上げますと、人件費及びそれに伴う事務費でありまして、行政機関の行う各種経済施策の不備欠陷を改善するための調査等に必要な経費であります。  次に外局の外資委員会は、同じく人件費と事務費でありまして、要求額五百十二万二千円となつており、前年度要求額四百五十八万八千円に比較いたしますと、五十三万四千円の増額となつております。この経費は外国資本の導入と資本の海外逃避を防止するために必要な経費であります。  最後に当本部の地方支分局として、札幌ほか七箇所に管区経済局と都道府県にあります地方経済調査局について申し上げますと、いずれもその運営に必要な人件費と、それに伴う一般事務費でありまして、要求額六億五千六百五十二万円は、前年度八億二千一百三十六万七千円に比較いたしますと、一億六千四百八十万七千円の減額となつております。  以上はいずれも自立国家として日本経済の発展と向上を目ざし、国民生活の安定に寄与する施策に遺憾なきを期するものであります。よろしく御審議をお願いいたします。

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 以上をもつて政府の説明は終了いたしました。これより通商産業省所管及び経済安定本部所管について質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。小峯柳多君。

小峯柳多自由党

○小峯委員 通産大臣にお伺いいたしますが、最初に、飛行機の生産の所管の問題はどんなふうに進んでおりますか。運輸省との間に所管の問題があるのではないですか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 まだ問題にはなつていないのです。閣僚の間で一度もそういう話は起つておりません。しかし私は航空そのものは運輸省の所管であるべきだと思います。いやしくも工場になりますと、通産省の所管であるべきだという考えを持つております。

小峯柳多自由党

○小峯委員 戰争前は生産の行政まで運輸省が所管しておつたのではありませんか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 あれはいろいろ変転があるのだと思いますが、軍需省時代には、むろん飛行機関係は、商工省が前身である軍需省の所管であつたと聞いております。

小峯柳多自由党

○小峯委員 その飛行機の生産に関する行政費というようなものは、この予算には何も計上しておりませんか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 計上しておりません。

小峯柳多自由党

○小峯委員 この間予算総会で私伺いましたのですが、飛行機の生産の見通しはどうですか。これはいろいろ国際的な関係もありましようが、どの程度のものですか。この間は何か修理、組立のお話がありましたが、どんなふうにお考えになりますか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 私はどうしても日本に飛行機工業は必要なのだと思います。むろん飛行機をつくるということになると、非常に大きな企業でありますので、最初は修繕工場、組立工場というふうにした方が、かえつて効果が上るでありましよう。日本でも国内航空を始めておるのでありますから、この修繕などは時々起るわけであります。どうしてもそういう工場は必要に迫られておると考えております。なお通産省の方で航空機生産に関する法案を本国会に提出したいと考えて、今準備をいたしております。

小峯柳多自由党

○小峯委員 私は通産省にひいきをするという意味ではありませんが、運輸委員会の方で小委員会をつくつて、その所管の問題を研究している趣に聞いておる。今大臣のお話のように、航空そのものの行政は運輸省でしようが、生産になりますと、これは一番総合的な機械工業でありますから、資材関係もありましようし、やはりこれは通産省の所管にしなければいかぬのではないか。そういう意味で御準備願いたいと思います。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 航空機の工場はほかの工場と非常に関連がありますので、これは当然通産省で所管することが、非常に業者も便利であるし、取扱いも便利であると私どもは確信いたしております。

小峯柳多自由党

○小峯委員 どうぞお拔かりのないように、御処置願いたいと思います。  それから繊維局長にお尋ねしたいと思いますが、いわゆる商社のこげつきの問題です。これはいろいろ各方面で御盡力をいただいておるようでありますが、なかなか解決が進んでいないように思います。先般大蔵大臣とオーバー・ローンの問題でいろいろ話合つたのでありますが、やはりこれもオーバー・ローンを形成しておる一つの有力な理由だろうと思います。また商社自体がそういうことのために非常に弱つておりますので、輸出取引なども活発に行い得ないような面もあるのではないかと思いますが、特に繊維関係商社のこげつき問題を局長はどういうふうにお考えになつて、どういう方法をとろうとしておるか。多分それについて腹案があつて、いろいろお考えになつておるのではないかと思いますが、その点伺つておきたいと思います。

記内角一通商産業事務官(通商繊維局長)

○記内政府委員 御指摘の通り、繊維の商社が非常に金融に苦しんでおりまして、そのために繊維の取引、特に輸出の方面に非常な障害が現われておると思われるのであります。私どもその原因を調べてみますと、單に繊維の方面だけではなく、去年の一—三月ごろの朝鮮事変をめぐつての世界的なブームに乗つて、いろいろ輸入を促進したわけであります。ところが朝鮮事変がおちついて来て、世界的な物価下落の反動時期に入つたというようなことから、非常な値下りをした。その損失が相当重荷になつておるという事情があるわけであります。こういうことになりますと、單に繊維商社だけの問題ではないのでありますが、その後またそれと同じようないきさつで繊維の暴落が始まり、また輸出キャンセルが行われるというようなことから、繊維商社が繊維の値下りの輸入物資の値下り等による損失が特に著しくなつておると思います。このままでほつておきますと、輸出の大宗である繊維の輸出について非常に支障を来すことになりますので、対策をいろいろ苦慮いたしたわけでありますが、最近に至りまして、大体おもな債権者でありまする銀行も、紡績会社の方も、商社の側ではつきりと損益計算を示して、またその経営の刷新、合理化をはかつて、今までの債務の立て直しを明らかにすることになれば、十分協力するという話合いが大体でき上りまして、今商社と紡績会社と金融機関の三者で話合いをまさに進めつつあるという段階に達しました。こうなりますれば、大体の動向としまして、さしあたりの問題は一応解決して、漸次取引も活発になつて来る。そうなれば立て直しもできるのではないかというふうに期待いたしておるわけであります。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 今、局長から御答弁がありましたが、私も同感であります。金融業者の方からいうと商社に対して不満の点もあります。それは昨年の上半期に御承知のような窮境に陷つて、今資金を出して繰延べはいたしますが、その後商社の内部の整理が一向進んでいないので、いかにも誠意を欠いているように私も考えるのであります。そういう状態であれば、この際そういう便宜をはかつて繰延べいたしましても、いつまでも商社全体の整理ができない。この機会に同時に整理を要請して商社の内容を調べて、救済の価値のあるものは救済して行こうという根本の原則は、金融業者、日銀などで主張しております。その根本の原則は私もつともだと感ずるのであります。いわゆるケース・バイ・ケースで、商社について調査をして救済をして行こう、その原則はそれでよろしいのでありますが、ただここで恐れますのは、ケース・バイ・ケースということであると、調査が非常に手間取つて間に合わない商社ができて来るおそれがありますので、その点は私直接日銀総裁にも手遅れのないように調査を一つずつということでなくて、十も二十も一緒に調査を進めてくれということは要請いたしております。

小峯柳多自由党

○小峯委員 幾らかお話が進んでいるように承つたのでありますが、金融機関がめんどうを見るわけですが、言いかえますと金融の問題は大体ケース・バイ・ケースということを言うのですが、ほつておきますと、めんどうを見たが、それが正常の運転資金に乗らずに、姑息な手段で問題を延ばして行くということになるわけなんです。そこで先般からオーバー・ローンの問題をよく石橋さんがお話になりますが、ああいう形に行かないで、何ほどかたな上げするような形にならないと私は問題は解決しないと思う。そこで今の繊維に関するお話でも、化繊関係、紡績関係で五、六十億と申しますか、これはつかみ方で大分かわつて来ると思います。それだけではかつこうが悪いものですから、日銀の総裁がなかなかうんと言わないでしようが、別のわくのような形にしてしばらくこれをたな上げするという形、金利も普通の金利ではなかなか負担しきれないから金利でも下げたり、それをしばらく別なことにして長期でなして行くという形のものを考えませんと——これだけは別わくだといつて公表する必要はありませんが、ケース・バイ・ケースを累積するとこういう形になる。そういう扱いにしないと、結果において問題はやはりどこかへ隠して行くだけだと思いますが、何か具体的な話はありませんか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 それはごもつともであります。私はあなたのお話はよくわかるのです。わかるのですが、ちよつとその点はひとつ大蔵大臣に譲りたいと思うのです。

小峯柳多自由党

○小峯委員 ですから譲るというよりも問題はどの程度に進んでいるか。そういう話まで触れて進んでいるか。ただケース・バイ・ケースでは銀行屋さんはかたいからなかなか進まぬのです。そういう点で何かその点に触れて話が進んでいるかというのです。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 そういう点で通産省と日銀当局との話合いはそういう問題にも触れておりますが、これはまだ意見が一致しておりません。それが実情であります。

小峯柳多自由党

○小峯委員 今のこの金融の問題は、私は大蔵大臣が考えているほど簡單ではないと思うのです。この間からも三月危機だとかいう話がありましたが、言われているようなそんなものを私は考えておりませんが、少くとも商業に関する危機といいますか、商社の持つ危機、これがここで出直します上に相当問題になつている。どうしてもこの問題をある程度片づけないと、掛声だけでは動かぬだろうと思います。今年は通産行政も非常に伸びなければならぬ年でもありますし、予算面を見ますると少し逆に減つておる。これはいろいろ説明がございましたが、ごく常識的に考えても、大分通産省に張り切つてやつてもらわなければならぬときに、残念な気がいたします。これはいろいろ費用の関係もありましようが、今のような問題を小口から片づけて行く、こういうところに実際的な通産行政推進の意味があると思う。そういう点で非常に関心を持つておりますし、私ども党でこういうものについて特別な機関をつくつて、党としても考えてみるような準備を始めております。銀行屋さんも大蔵大臣も、出す方ですから強いのですが、強い壁を破つていただかないと問題が解決しないように思います。なおその原因が実はオーバーローンにもなつておると思います。また今のお話の中で商社の整理の問題がありましたが、これは日本中の企業会社が全部共通の弱点でありますが、運転資金に対して自己資本が小さい。これは資本蓄積の少い当然の理由でしようが、そういう面でただ整理をするだけでなくて、商社の資本の樹立の方法、言いかえると統合の面などをあわせてお考えになつておるか。それについて何かかじをとつておるか。そんなお話も少し聞いてみたいと思います。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 ただいまのあなたの御意見は私御同感の点もはなはだ多いのです。十分参照いたして努力をいたしますから、ひとつあなた方も御援助を願いたいと存じます。

小峯柳多自由党

○小峯委員 機械の輸出の問題ですが、このごろの日本の機械の輸出値段というものは、国際的なベースに比べて大体どんな見当になつておりましようか。何かそんな資料でもつくつてありますか。

小室恒夫通商産業事務官(大臣官房総務課長)

○小室説明員 機械と申しますと、電気機械もあり、工作機械もあり、いろいろな種類にわたつておりますが、一番通産省として重点を置いておりますプラント輸出の対象になつておりますような機械類、こういうものにつきましては、今ここでもつてどういう機械が幾ら、あるいはどのくらいの価格の推移になつておるということは、すぐ申し上げられませんけれども、これは別途に資料にして差上げたいと思います。やはり競争国であるドイツ、その他の国々に比べますと、依然として割高の傾向を保つております。小さな機械類、たまたまここに掛時計だとかカメラ、双眼鏡というものがございますが、これらのものについては、大体昨年の下半期からの毎月の相場を見ておりますと、大体においては安定しておるように思います。これは鉄鋼だとか、非鉄金属だとか、そういう諸材料の値段が相当機械の製品の値段に影響を与えますけれども、必ずしもすぐに毎月のそういう原材料の相場はそのまま輸出品の相場に反映するというわけでもございません。そういう種類のものについては比較的安定しておるように考えております。はなはだ不十分ではございますが、あとは資料にして差上げたいと思います。

小峯柳多自由党

○小峯委員 これはお説の通り私も機械のことは多少知つているから伺つたのですが、専用機械、汎用機械というようにいろいろありましようが、そのごくモデルになると思われるようなものでいいですから、最近の機械の値段をひとつ研究してもらいたい。  それからもう一つ、課長は機械のことが詳しいようですから伺いますが、日本の機械の中でこれからのいろいろの点を総合して、プロミツシングなものを考えられる場合、日本の技術の面もあるし、設備の面もあるし、あるいは日本に与えられた立地條件の点もありますが、そういう点を総合して、どんな機械がどういう方向にこれから伸びて行くか、その方向だけを伺いたいと思います。

小室恒夫通商産業事務官(大臣官房総務課長)

○小室説明員 機械の関係の者がおりませんので、かわつて私からお答え申し上げますが、御承知のようにプラントというか、重機械というか、そういう範疇に属する輸出品の中では、船舶、特に最近ではタンカーの関係におきまして相当輸出があるわけでございます。それからまた特に東南アジア各地の工業化に伴いまして、動力機械の必要なども大いに生じております。発電機関係というような機械類は、わが国でも戰前から電気機械については相当輸出をやつておりました。戦前ブラジルに相当大きな発電所をつくつた経験もありまして、相当有望じやないかと考えております、それから内燃機関、鉄道車両がございますが、これは最近あまり成績がよろしくありませんが、ことに中南米とかその他の地域に戰前においても、戰後においても相当大量に売つて参つた実績がございます。そういつたもののほかに、工作機械の問題もいろいろございますが、工作機械の方はどうもすぐに大量にアメリカあたりに輸出するという段階にはまだ参つておらないようでございます。幸いにアメリカから、工作機械の調査団も見えておりますから、これはアメリカの援助を借りて、できるだけ一流の工作機械が輸出の対象になり得るような日を、これはなかなか急には行かないかと思いますが、待つておるわけであります。光学機械あるいはさつきも申し上げました掛時計だとか、カメラだとか、双眼鏡だとかありますが、特に光学機械のようなものは、ドイツと日本が割合に有利な立場に立つております。アメリカ向きの双眼鏡あるいはカメラというようなものは、やりようによつてはまだまだ伸びるのではないかと思います。ただ一方価格の競争の問題もいろいろあるようでありまして、その簡單には伸びて参りませんが、ことにそういう例としては、ミシンが相当出たのであります。安売り競争で相当マーケットをくずしているというような実情もあります。そういう雑貨に類したような小型の機械類というようなものについては、特にそういう価格上の競争防止策が必要ではないかと私見としては考えております。はなはだ簡單でありますが、お答えといたします。

小峯柳多自由党

○小峯委員 機械の関係の人がいなくてわからないのですが、工作機械の調査団の話が出ましたが、あの調査団は、日本で製造する工作機械に興味を持つて来ているのですか、それとも昔アメリカから輸入した機械あるいはその他の国から輸入した機械で、日本で保有している機械に興味を持つて来ているのですか、どちらですか。

小室恒夫通商産業事務官(大臣官房総務課長)

○小室説明員 デリケートなお尋ねでありまして、機械局長がおりませんのでお答え申し上げかねますが、両方に興味を持つているのではないかと私は考えております。特に後者については、一段と興味を持つているのではないかというふうに考えております。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 今お尋ねの問題は、私まだ会つていないのです。きよう初めて会見することにしております。そうしますれば多少その点についてはわかるかと思います。

小峯柳多自由党

○小峯委員 私、多少工作機械に興味を持つているものですから伺うのですが、工作機械の中でも、種類によつてはある技術の水準に近いものがあろうと思いますし、また種類によつては、とても比較にならぬものがあるでしようし、そういうふうに今度の調査団の来朝によつて、戰争中穴の明いた期間でどのくらいの技術のギヤツプが出て来ているか、そういうことを知りたいと思つて聞いたのでありますが、ひとつそのつもりでお答え願いたいと思います。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 私の方はまだ確たる答弁はできませんが、やはりアメリカから古く輸入した機械ということも考えましようが、日本でこれからつくる機械のことに相当興味を持つて来ておるのだと思います。今日よくそれらの点を話し合おうと思つております。

小峯柳多自由党

○小峯委員 それから工作機械というものは日本では非常に先行き楽しみの多い機械だと思うのです。材料を使わずに精度を上げて加工品をつくるという段階にこれからの工作機械は持つて行かなければならぬと思う。これは戰争が起るとやかましく言われるのですが、平和産業としても工作機械はよほどしつかりつかんで行かなければならぬと思う。機械というものはフアイナル・プロダクツという意味ばかりではなしに、生産手段としても相当大きな力を持つていると思うので、その点特にお力添えを願いたいと思います。  それから通商航海條約、これは特にアメリカとの間に準備が進んでいると思いますし、ほかの国とも準備が進んでいると思いますが、いつごろ調印ができる見込みですか。折衝はむろん外務省の方でやつておられるのだろうと思いますが、あなたの方で通産行政をやられる立場から、どういうふうにこれをやろうとされておりますか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 アメリカとの折衝はまだ開かれておりません。今準備中であります。

小峯柳多自由党

○小峯委員 どこか準備が進んでいるところがあるのですか。

小室恒夫通商産業事務官(大臣官房総務課長)

○小室説明員 御指摘の点は、これは外務省が主管しているわけでありまして、外務省と通産省、あるいはその他の関係省寄りまして、将来締結さるべき通商航海條約のひな型になるような、アメリカが他国と結んだ條約がいろいろございますので、そういう條約、特に最近コロムビアとアメリカが結んだ條約というようなものを逐條的に十分研究いたしまして、これに対処する日本の立場を検討中であります。まだ向うと草案について検討するといつたような段階にまでは来ておらないかと思います。

小峯柳多自由党

○小峯委員 條約発効の時期と、今の調印の時期との関係をどういうふうに見ておられますか。條約が発効すると、ますますこれが必要になるのですが、そのときにアメリカとの間では進むかもしれぬが、ほかの国とはどういうふうになるかということについて何かお考えになつておりますか。

小室恒夫通商産業事務官(大臣官房総務課長)

○小室説明員 どうも私からお答えするような事項ではないように思いますけれども、條約発効後できるだけ早く各国と通商航海條約を結んで行きたい、そういう立場で、まず第一にアメリカとの間に條約を早急に締結して行きたいという考えであるかと思います。

小峯柳多自由党

○小峯委員 今の通商航海條約を結ぶのと結ばないのとではどんな利点、あるいは今後貿易をする上の便、不便がありますか。

小室恒夫通商産業事務官(大臣官房総務課長)

○小室説明員 通商航海條約を結ばないで、戦前の通商航海條約、あるいはそれに類する協定をそのまま復活するという考え方もあり得るわけでありますが、しかし新しい情勢に即応した通商航海條約を結んで行くことが、戰後の非常に大きな経済的な変化から見て、日本側から見れば当然望ましい行き方だと思います。

小峯柳多自由党

○小峯委員 大臣に伺いますが、緊要物資輸入基金特別会計ですか通産省で使える金がありますね。あれについて輸出商品、たとえば今繊維品などは大体国際的なベースに並ぶようになつておると思いますが、しかし物によつては安いものがあると思う。ただこつちの先安見通しのためになかなか約定かきまらない。そういうふうな場合には逆に意識しなくてもダンピングをしておることにもなるので、そういう会計をつくらなくて、何かそういうものを一時プールするような方法、これはいろいろな意味で法律にも触れましようが、考え方としてはある程度までそういうものを考えて行つた行き方を、新しい貿易政策の中に打出さなければいかぬと思います。これはやかましい答弁でなくていいのですが、何かそんなことをお考えになつておられますか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 今簡單なものでございますから、あなたのおつしやる御趣意と合致するかしないかはともかくも、あの特別会計法は少し直して拡大して行きたいと思つております。今せつかく省内で研究いたしております。

小峯柳多自由党

○小峯委員 自由経済の中での、たとえばアメリカでやつておる農産物の買上げ会社みたいなものがあるのですし、それから貿易に関しては、考え方、くふうのやりようによつてはそれに似たようなこともやり得ると思う。そしてなるべくなら安く売りたくないわけだし、また売込み競争みたいなもの、それと実は違つた意味で、よそに買い付ける場合でも、買い付けるオッフアーが、同じ品物が幾つも幾つも影になつて向うの市場を刺激しているような面もあります。そういう意味で輸出入に関しても許される範囲で組合のようなものを考えたい。この間予算総会の席で輸出組合のことも考えておられるような答弁でしたが、何かひとつそういうものをまぜて新しい貿易政策というものを立てませんと、よそ様がそれぞれ計画を立てて来ておるのに、こちらはふんどしをはずして行くということではなかなか立向いできぬと思う。私はその辺に新しい通産行政というものの手がかりがなくてはならぬと思うのですが、そんなことをあたつておられますか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 私しごく御同感で準備をいたしております。いずれそのうち御審議を願うことになると思います。

小峯柳多自由党

○小峯委員 それからこの説明書の中に発明に対する貸付金の問題がありますが、いいかげん申訳に計上したような金額なので、趣旨はいいのだがちよつとおそまつなものみたいな感じがするのです。これは今までの工業化の補助金とか技術の補助金との関係をどういうふうにされておりますか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 これは金額がいかにも少いので不本意なのですが、われわれは実際相当の額を要求したわけなのです。一般の財政が本年はことにきゆうくつでありますので、ようやくここにおちついたわけなのです。いい発明があつても研究不完全である、もう少し続けて行けば非常に有望だというものに特許庁などでも出あうのですが、それがそのまま葬られてしまうということは捨て置くべきでない、そういうものに貸付金をやろう——一種の補助金でありますか、貸付金でありますか、それがこの構想であります。大体全体の特許庁の経費よりも特許庁の収入、つまり国の収入は非常に多いのですから、そのくらいのものは特許庁を拡充して発明者の便宜をはかる、外国の特許庁のことを調べてみますと、ある国は特許庁に大きな試験研究所などを持ちまして、今申しました貸付金でも、そういうような不完全な、そうして有望な特許の完成助成に特許庁が働いて参るという制度もあります。日本では技術が非常に遅れておる。そうして終戦後にはああいう空白時代がありましたから、日本の発明というものが非常に質が低下しておつたので、私就任後どういう模様になつているだろうと思いまして、特許庁で調べますると、喜ぶべきことは近年質が非常にいいものが出て来ておる。ですから私の理想としては特許庁もそこまで完備したものを持つて行きたいと考えておるのですが、この貸付金二千万円をとるのにはなかなか骨が折れたわけで、本年初めてですから、これを土台にして年々増加して行きたいと考えております。

小峯柳多自由党

○小峯委員 あなたの目から見て、さしあたつてこの仕事で取上げてみたいというのはどんなものがありますか。

松永幹通商産業事務官(特許庁総務部長)

○松永説明員 先ほど御質問のありました一般の技術振興、工業技術庁の補助金関係の問題でございますが、工業技術庁の予算の中にはもちろん発明になつておるとなつていないとにかかわらず、振興を要する技術が全部入つておるわけでございます。そのうち技術庁ではある程度データのそろつたものでないと貸与をしない。しかしながら御承知のように、発明と申しますのはアイデアであつてさしつかえないわけでございます。あるいは一つの発明から順々に改良発明が重ねられまして、最後に応用されるような発明に行くというような関係もございますので、そういつたような過渡的なデータのそろわない発明といつたようなものを対象にしたいと考えておりますので、両方の補助金の間には一応線が引けるというふうに考えております。  次にただいま御質問のありました、どういつた発明をとるかという問題でございますけれども、毎年特許庁に出て参ります発明のうち、技術的に重要なものは特許庁で毎月重要発明として選んでおりますので、そういつた特許庁で選んでおります重要発明のうち、工業技術庁の補助金の対象になるようなデータのそろつたものを除外したものについて実施して行きたい、かように考えておる次第であります。

小峯柳多自由党

○小峯委員 りくつを言うようですが、そういうものに金を貸してとれますか。

松永幹通商産業事務官(特許庁総務部長)

○松永説明員 今まで補助金を年八百万円程度、三十五、六件に対して交付しておるのでございますが、その経験にかんがみまするのに、発明のうち関連技術あるいは経済の状況によりましてなかなか実施が困難である。相当期間たたないと企業化されないというものもありますが、技術的にも優秀な技術あるいは関連産業というものの点から、そういうものが容易に解決されて、金業化されて回収されるというようなものが相当数ございますので、過去の経験から見ましても大体回収可能だというものが二千万円程度は優にあるというふうに確信いたしておる次第でございます。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 ちよつと私からも一言申し上げたいと思います。今の大きな発明あるいは改良の方は大企業者で数千万円でも惜しまずに費すわけです。ところが小さな発明で、発明のいい頭を持つておる人で存外金のない人が多いわけですから、大きな貸付でなくても、わずか十万、二十万の金でも役に立つようなものもずいぶんあるのです。貸し付けた金ですから回収する契約になるのですが、私はそういう程度のものは返して来なくてもあまりむずかしく考えずにやつて行きたいと思うのです。

小峯柳多自由党

○小峯委員 今の大臣の方針賛成です。貸したものをとろうというつもりだと、かえつて生殺しになつてしまうので、初めの、ものにならぬうちは、正直なところたちさえよければ返つて来なくてもいいという腹を持つていないと、せつかくやつたものが芽が出ないということになると思う。その点ひとつそういう御方針でお考えを願いたいと思う。  それから産金政策をどういうふうにとりますか。これはまた独立とともに脚光を浴びて来る事業だと思いますが、今の買上げ値段で産金は引合うかどうか、どんなふうにお考えになりますか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 業者の話を聞きますと、今の買上げ値段では日本ではどうしても引合わぬというのです。しかし日本は金の産出ということに割合に冷淡になつているのですが、わずかの金でもこの際積んで行かなければならないと思う。せんだつてもある業者から、例の北海道の鴻ノ舞鉱山ですか、あれが今までに比べて非常によい床を発見して非常に有望である、それを開発すれば著しく増産ができるのだが、今の買上げ値段ではどうしてもできないのだという打明け話を開きました。しかしこれは、今の買上げ値段を上げることは、まだ関係省で同意していないのです。今度一部分……。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 日本銀行の方に積んで行くのです。昔はむずかしい協定などもあつて、それでどうにもならぬようなかつこうになつていたのだが、加工用の金を自由にしようということで、大体大蔵省と話がつきまして、今大蔵省の方で改正の法律案を準備しておるわけです。ただ加工用金というものは、輸出産業に使つている面があるのです。そこで輸出用の加工用金につきましては、多少値段の点を考慮しなければならぬと思いますが、大体そんな線で行くわけです。

小峯柳多自由党

○小峯委員 クレジットのことや何かというと、割合影が薄くなつているが、そうではいけないと思うのです。自立経済は、必ずやるという気魄を持つて行かなければやれぬ。そういう意味であなた方はイニシアチーヴをとつて、産金政策もやつてもらいたいと思うのです。  それからもう一つ伺いたいと思いますが、商工中金の資金がほかのものに比べると端の方に寄せられたわけです。しかしこれはなかなかいいことをやつておる。商工中金が中小商工業者の金融に対して非常に役に立つていることは間違いのないところです。そこでこの間も大蔵大臣に聞いたら、郵便貯金の利子なども上げて、なるべく金を集めてやるのだということを言つているけれども、この資金というものを少し考えてもらわぬとたいへんなことになると思う。そういうことで金が集まつて金融債が発行できるまで待つつもりですか、何か考えているのですか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 それは御承知のように、党の方でも大体三つの案を結論をつけていただいておりますので、今その線で大蔵大臣の方へ話をしておりますが、御承知のようにとりあえず十三億償還期限の来たものは延ばすということになつております。予算の折衝のときにも、必ず別途中金の資金の方へやるということになつておりますので、今折衝しております。

小峯柳多自由党

○小峯委員 別わくという面もあるので、大蔵大臣に……。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 今大いにやつているところですが、遠からず出ると思います。

小峯柳多自由党

○小峯委員 通産大臣にひとつ啓蒙する意味でといつては失礼ですが、申し上げたい。中小企業の長所というか、この間私は非常に興味のある記事を読んだことがある。それはミシンの問題です。ミシンを安売りしているというが、一貫メーカーと、部品を集めてアセンブルしているミシン・メーカーとは違う。私は理化学研究所の大河内先生と十年ばかり一緒に仕事をやつて来たが、この先生は、中小企業はコストにおいて大企業より安いという持論なんです。それはいろいろ厚生施設や何かが低いからという意味ではなく、大きなメーカーよりも専門メーカーに部品を安くつくらせているので、それをアセンブルすることの方がりくつからいつても安くなるのだというわけです。昨今の輸出用の陶器についてもそれと同じようなことが言えると思います。大きなメーカーのコストは安くならぬから、大きいメーカーは安い安いといつて反対するのでありますが、アセンブルするメーカーの方は必ず安くできるものであつて、むしろ安目にして輸出を確保する方がよいだろうという記事を興味を持つて読んだのであります。中小企業は大企業に比べるといろいろな意味で劣悪なんだというふうに考えないで、中小企業は大企業でありたいが、しかたなしにいろいろな意味で中小企業でやつているのだというふうに考えて、中小企業独自の存在価値をはつきりと見出してやらないと、中小企業の将来は出て来ないと思う。そういう意味で、ぜひひとつ中小企業の積極的な存在価値というものを通産省は強く認識していただきたい。何といつても数が多いこういうものを活用しないと、せつかくの輸出はできないものだと思います。日本の国力からいつても構成からいつても、どうしてもこれが必要だと思う。通産大臣は大きな工場だけでなく——ことにビールというのは大企業の工場ですから、そういう中小企業をよく御認識されて、中小企業を盛り上げるように仕事をやつていただきたいと思う。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 それは確かに大企業かもしれぬが、そういう点でも私は中小企業に対する認識は持つているつもりです。中小企業でなければできない技術がある。つまり優秀な技術を持つているが、近年破壊されて来ている。これはたとえば卑近な例で、さしもの屋がちよつとした茶だんすをこしらえるとかなんとかいうことは、大企業では、さしもの屋のメーカーがこしらえるようなものができないわけです。時計の修繕でもそうです。私は長年大阪におつたが、自分が非常に大事にしている時計の修繕を命ずる人間はたつた一人しかない。ただ一人自分がこつこつやつている小さな時計屋が一番正確に修繕ができるのです。そういうような面を中小企業は持つておるのです。これはどうしても保存、育成することが必要だというのは、私もそういう持論を持つておるのです。

小峯柳多自由党

○小峯委員 競輪場の新設についてどう考えておりますか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 これは御承知のように稀少物資の問題にも関連いたしまして、建築制限の点もやかましく言つて来ておりますので、どうも急に許可するわけには行かぬ、こういう実際上の情勢でありますので、御承知のようにどうしても法律改正をしなければなりませんが、その問題は法律にうたわぬで行こうかということになつておりまして、ちよつと新設は実際上困難だ、こういうことであります。

小峯柳多自由党

○小峯委員 とめておるのではないが、行政運営上しばらく押えておるということですね。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 しばらくは新設は許可できない、こういうわけです。

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 次は志田委員。

志田義信自由党

○志田委員 前例にならいまして、私も通産大臣の老躯に対して大いに御同情を申し上げたいと思いますので、座つたままでお願いいたします。  実は昨日突如として新聞にポンドの過剰対策の記事が出ておりまして、新しい対策が実施されることになつたのでありますが、通産省でもよくおわかりであろうと思いますが、一般の商社はいずれも経済的な内容は苦しい。こういう苦境にある商社の方々が、このポンドの新対策でさらに国際貿易の規模を縮小しなければならぬようなことになりますと、輸出が非常にできがたくなるというので、いろいろ業界でも、たとえば日本貿易会であるとか、あるいは日本綿糸布協会というような団体が、政府のこれに対する善処方をかなり強く要望して、寄り寄り協議中であつて、すでにわれわれの方にもその要請が一部参つておるのでありますが、通産省としてはこれを一体どういうふうに処理して行こうとされるのか、新処置に対する業界の今後の指導の仕方、それをひとつ承りたいのであります。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 これは御承知の通りでありますが、われわれとしてもなるべくこの処置を避けて、適切な施策をしたいと考えて来たのですが、なかなか適切な、これがあれば解決ができるというものはないわけです。要するに輸出はやはり奨励してふやして行かなければならぬ。ふやせばふやすだけポンドが累積して来るわけです。今度はポンド累積の問題について何か措置をとらなければいけない。これは実は昨年の十二月ごろからの問題になつておるのでありまして、通産省はなるべくこういう措置を避けて考えておつたのですが、その後もポンドはずんずん累積して来る。この程度の措置はやむを得ないだろうという結論に達しまして、通産省も同意したわけなのであります。業界からもすでに私のところにいろいろな反対意見が来ておりますし、それは覚悟しておつたのですが、通産省の対策としては、また違つた行き方も考えておりますので、今連日検討しております。あるいは来週早々には何か結論を出して、多少通産省のポンド累積に対する対策も発表したいと考えております。今度の措置は大蔵大臣と私の話合いでも、あくまで臨時措置であつて、情勢を見てまた幾らでも適正化して行くという話合いになつておりますし、実際の適用の面においても、なるべく通産省の意見を参酌して、幅を持つた適用をして行くということに、実は内々は申合せをしておるようなわけであります。

志田義信自由党

○志田委員 暫定的な処置であるということと、これは非常な幅を持つた行き方で、それぞれ適用する方法を今考慮している、これは非常に当を得た大臣のお話だと思うのであります。そこで、暫定的な措置であるとすれば、一体その暫定的措置の期間をどのくらいに考えておいでになるか、それをひとつお話願いたい。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 期間としては話合いができておりません。ただ実際の情勢を見て緩嚴よろしきを得て行かなくちやいかぬという程度であります。

志田義信自由党

○志田委員 期間は一応情勢を見てというのですが、それでは、輸出契約が成立したときに、為替予約を認めてもらえないかという要望がございます。そういう要望のある業界、たとえば機械でありますとか鉄鋼でありますとか、一部綿製品、繊維品、こういうものだけにでも何か重要品目としてこれを認めるような幅のあるお考えをお持ちになつておるかどうか、それを第一点として伺いたい。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 要するに今度の措置は、今大臣から御説明になりましたような趣旨でできたのですが、問題はポンドの累積にあるわけです。そこで通産省といたしましては、物資別にあるいは市場別にある一つの計画を立てまして、その計画量の範囲ではできるだけ従来の慣行を尊重するような行き方をしたらどうだろうかという線で、実はただいま案をつくつておるようなわけでございます。いずれにいたしましても、ポンドが非常にたまり過ぎて困るということに原因があるわけですから、ぜひともそういうスターリング地域に対する輸出関係に一つの計画性を持たせたらどうだろうか。こういう考え方で今実は案を準備しておるような次第でございます。

志田義信自由党

○志田委員 もう一つ計画的に物資別でやつて行かれるということですが、そういう物資はどういうものを予定しておられるか承りたいと思うのであります。またそういう計画を立てて、物資別に幅のある処置を講じてくれるのだというお話であれば、先物為替相場の変更によりまして、貿易商社の円の手取りというものが非常に少くなる。そういう場合に、割引の引下げをやりまして、さらに金融が一層窮迫して来るおそれがあると思うのです。そういうことも含めて何かお考えがあるかどうか伺いたい。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 ただいま申し上げたような大きな線で大体計画が動いて行くようなことになれば、金融の面から無理な抑制をしなくてもいいというような事態に事実を誘導いたしまして、そしてできるならば金融面から今度やりましたような措置をやめて行きたい、こういう考えで実はただいま準備をいたしております。そこで先ほどお話のありましたように、物資別には鉄鋼、繊維品というようなものが輸出品の一番大きな柱になつておりますので、この点を市場別にも勘案いたしまして、全体の上ではあまりポンドがふえないような効果を上げて行きたい、こういうふうなねらいで用意いたしております。

志田義信自由党

○志田委員 きのうも経済安定委員会におきまして長官にお尋ねし、また木内外為委員長にもお尋ねしたのでありますが、特に実際に貿易の面をその所官の行政としてなさつておられる通産大臣にお尋ね申し上げたいと思います。一体このような過剰ポンドをこういう処置だけによらなければ方法がないと思つてこういう処置をとつたのか、他に方法はあるけれども、緊急やむを得ざるものとしてこれをやつたのかどうか、その点をお尋ね申し上げます。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 私はこのポンド蓄積問題は非常に大きな問題で、こういう措置で解決せられるようなものではないと思います。要するにこれは世界的にポンドの信用が低落したことがもとなのですから、日本一国の政策を多少かえて解決されるような問題ではないと思います。今度の措置もはたしてどのくらい効力があるか、これはやつてみないと疑問です。しかしざつくばらんにお話すると、一つの方法でなく十の方法をもつても解決できぬようなむずかしい問題でありますだけに、とりあえず今度の措置くらいはやらなければいけないだろう、やむを得ずやろうじやないかという決心をしたのが実情です。

志田義信自由党

○志田委員 そこで鉄鉱石の輸入などに例をとりましても、ドル地域から鉄鉱石を輸入するよりは、ポンド地域に振りかえられるということが値段の点で安ければ、そういうことも大いに考えなければならぬということもいわれておるのでありますが、日本の過剰ポンドについては、業者に非常な影響があり、輸出不能に陥るのじやないかという犠牲までもしいなければならぬような国内だけの荒療治の方法でなく、たとえば東南アジアの開発に対する過剰ボンドの投資、これに加えて日本の現物投資ももちろんいいですが、それと練り合せて、東南アジア諸地域への新しい開発計画にそういうものを使うという根本的なお考えが必要ではないかと思いますが、現在そういうことをやつておられますか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 過剰ポンドの長期投資ということは非常に有力な意見でありまして、そういうことが一つの大きな解決方法であると私ども考えております。そういう方に行くべきだと思います。東南アジア開発のためのプラント輸出の問題が遅々として進まないじやないかという御批判を皆さんからよく受けるのですが、これは長期投資である上に、アメリカの資本が、多少は入つておりますが、なかなか入つて来ない。それは何がもとかというと、日本の経済というものはまだ安定してない、一種の不安を持つているということが最大の原因だと思うのですが、さてこのポンドを投資する国々は、日本よりももつと経済が安定しない国々なんです。それに長期投資をするということは、よほど愼重にやらないといろいろな意見が出て来る。しかしあなたの意見には私も同感ですから、そういう方向に部分的にでも進んで行きたいと考えております。

志田義信自由党

○志田委員 長期投資であり、日本よりも不安定な国々であるからという御心配もあるようですが、しかし日本が今なぜこれをやるかといえば、原料をどうして多く入れるかということが主眼になります。従つて外貨で持つている資本を政府の適正な処置によつて外地に投資して、それによつて開発された資源を原料として日本に入れるということが非常に大事ではないか。これは長期的な投資であるから損害も見込まなければならぬというようなことを言つておりますが、私どもは必ずしも今通産大臣がおつしやつたようなことだけにも考えられない。むしろそういうことを大いにやらなければならぬと思つておりますが、そういう方向も考えて進めていただけるというのならばけつこうだと思います。そこでお尋ね申し上げたいのは、さつき小峯委員から質問が出ておりますが、日本は今度自立計画を立てて経済復興をやらなければならぬ。そうすれば相当大きな輸入をしなければならない。輸入をやるということになればもちちん輸出が伸びなければならない。その輸出は一体通産省では二十七年度においてはどこを中心としてやろうという考えでありますか。またどんな物を輸出できるかということ。幸いきようは分科会ですから隔意のないお話をお願いいたします。

松尾金藏通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○松尾説明員 輸出の目標といたしましては、大体十六億程度のものが考えられております。それを商品別に見ますと、昨年に比べてそう大した変動はございません。やはり繊維が五割までは行かぬと思いますが、五割近い割合を占めておりまして、鉄鋼、機械類というような順番に相なつておるかと思います。どの商品に重点を置いてというふうな考え方ではなしに、買つていただくならば何でもいいというような気分で、われわれといたしましては見通しを立てておるわけであります。それから市場別に申しますと、その十六億の中で、これは今安本で見通されておるのと、通産省で見通されておるのと少し違うかもしれませんが、大体スターリング関係が六億から七億ドルぐらいな見当、それからドル関係が最低三億二、三千から四億ぐらいの間までをねらつております。その他がオープン・アカウント諸地域というふうになつております。

志田義信自由党

○志田委員 十六億の輸出をやるために、原料はどのくらい買わなければならぬのですか。

松尾金藏通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○松尾説明員 十六億の輸出をいたしますために、所要の輸入原材料というものの換算はまだいたしておりませんが、一応安本等で打合せております輸入計画といたしまして、大体二十一億ドルぐらいを考えておるわけであります。

志田義信自由党

○志田委員 日米経済協力が非常に発展して行くことになりますと、東南アジアの経済復興に、日本がアメリカにかわつて直接いろいろな仕事をしなければならぬことになるわけであります。そこで米国にかわつて東南アジアの民需を引受けるという場合に、相当日本は覚悟しなければならぬのでありまして、このためにせつかく上つて来ている日本の民需を圧迫し、生活水準を低くするというようなことがありますれば、日米経済協力というものは日本のために考えられないで、アメリカのためにのみ考えられ、あるいは東南アジアのためにのみ考えられるというような片ちんばなことになる。これでは国民が協力しない、こう思うのでありますが、もし民需を引受けないで、しかもこれだけの輸出をやるということになると、米国にかわつて東南アジアの民需を引受けるということを考えなければなりませんが、一体この後進地域の東南アジア方面、さつき通産大臣も非常に生活程度が低いし、経済も安定しないと言われた後進地域というものは、従来どの程度アメリカにこれらの輸入を仰いでおつたものか、そういうことに対する調査が通産省にはございませんでしようか。

松尾金藏通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○松尾説明員 実は東南アジア地域と申ましても、いろいろ国が多うございます。それを総括しまして対米関係がどの程度であつたということは、実はまだ調べがつかぬのでありますが、国別はある程度わかつておりますので、必要でありますれば、資料を差上げます。

志田義信自由党

○志田委員 私はわが党における日米経済協力の特別委員もしておりますが、特にこれは日本の二十七年度の大きな問題になろうかと思いますので、ぜひともその資料を政府において御提出願えればありがたいと思います。それからそういうような点で、安本あたりでも国際稀少物資を相当調整しなければならないという問題があるようであります。私は特にあまり急がない物資の輸入は抑制するという建前をとらなければならないことも当然だと思うのですが、こういうことのために、なおかつ生活水準を低目にしないで、生活水準を向上して行くような方法を通産大臣としては考えておられるか伺いたい。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 生活水準の問題は周東君によくお尋ねを願いたいのですが、私は大体の考えで、まだ相当国内の増産の余力もありまするし、来年度の電力事情がどういうものになるかまだわかりませんけれども、昨年の秋のようなことはなかろうと思うし、調べてみますと、いろいろな面でかなり余力があるのでして、日本の国民の生活水準が下る心配はないのじやないかと思います。政府として、あるいはわれわれとしては、日本の国民の生活水準を徐々に上げて行くということを優先的に考えて行かなければならぬのではないか、これを落して輸出ということは考えられない問題だと私は思います。

志田義信自由党

○志田委員 日本にもまだ未開発の物資がいろいろあるから、これを開発するという方針で行けば、生活水準は落さなくても済むというお説のようで、私もぜひそうしなければならないと思いますが、すでに総理府の調査で、最近朝日新聞に載りましたものを見ますと、昨年と一昨年の十二月を比べましても、相当生活消費水準は低下している。安本で出している書類によりましても、二十六年度よりも二十七年度は苦しくなるということがあつたように私は記憶しておりますが、この点は安本の見込み違いと言つていいでしようか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 どういう数字が出ているか私わかりませんが、かりにそういう数字が出ておつても、東南アジアの開発の影響とか、あるいは日本の輸出の影響ではないのではありませんか。私は輸出貿易の点からだけ考えてみますると、そんなに輸出かできれば、喜ばしいことじやないかと思います。

志田義信自由党

○志田委員 国内にはいろいろ開発さるべき資源かある、人間もいるということで、問題になるのは金でありまして、資本の蓄積をまつてこれはやらなければならぬということになるのだろうと思いますが、資本の蓄積につきましては、通産省では具体的にどういうふうなことを考えておられるか。私は安本あたりが資本の蓄積について日本の産業界をリードすることはできない、これはやはり通産大臣の抱負、経綸によらなければならぬと思いますが、その点はどんなふうにして資本蓄積をさせるような方法を通産大臣としてお考えになつておるか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 これはちよつと私も御答弁ができませんが、実際私が民間幾つかの事業に関係して来て、幸いにそれらの事業はあまり打撃を受けていない。まあ繁栄している事業であつて、私の関係しておりますものは幸いにすべてそうです。それでこの一、二期というものは、中には意外の利益を上げておるものがあるのですが、実際にはなかなか資本蓄積はできないのですね。これは税法の関係もありますし、いろいろな関係がありましようけれども、どうして資本蓄積をして行くかといえば、これは非常にむずかしい問題で、ちよつと私には御答弁ができません。

志田義信自由党

○志田委員 経済界の長老である通産大臣ですから、今御答弁できないということは、謙遜であつて、私は必ずしもそうじやないのだと思つておるのですが、大臣のお立場でできないといえばそういうこともあろうかと思いますが、たとえば日本の今の経済界では、御承知の通り固定設備に比較して運転資金が総体的に非常に少な過ぎるということがいわれると思うのです。それにもかかわらず、正しい在貨、たとえば自分で生産した品物の保有ができないために、品物はつくつたわ、すぐそれを金とかえねばならぬというようなことが原因になりまして、正常在貨の保有に対しまして特別な金融措置が今までされておらない。滞貨措置も十分でありませんが、正常なる在貨の保有に対しましても金融措置が講ぜられていない。こういうことに対しまして、通産大臣としては大蔵大臣あるいは一万田日銀総裁あたりに、現在の日本の国情から見て、運転資金が少な過ぎるということで——多年経済界におられたあなたでありますから、こういうことはよくわかると思います。こんなことをしておつては、資本蓄積にならぬ。貸本椿積をやろうというなら、ひとつこういう金融措置も考えてやらなければならぬというお考えも大いに申し述べられることが必要じやないかと私は思う。  もう一つ、あなたは先ほど海外の長期資金の問題を言つておられましたが、国内の長期建設資金の問題、国内の設備建設に必要な長期資金というものに対して、それもただ国民の資本蓄積にまつだけで、国民生活の水準を引下げないでも済むような、日本の残された資源の開発ができるというようなお話ではないだろうと私は思うのですが、この点と、二点をひとつ率直にお話願えれば仕合せだと思います。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 その御質問の点を私に答弁をしいられることはちよつと御無理であるから、それはお許しを願いたいが、今のあなたの運転資金が不足しておるのも資本蓄積の阻害になつておる大きなフアクターではないかという御意見ですね。これはもうその通りです。日本の経済は底が浅いという言葉でよく片づけられておりますが、実に日本の経済は底が浅い。そうして少し不足するとやみ相場がずんずん上つて来る。少し生産が進んで来てわずかばかり過剰になると暴落するというのが現状です。これは経済の底が浅いという言葉で片づけられますけれども、一つは運転資金が非常に欠乏しておるということが最も主なる原因だと私は思うのです。それは私も認めます。ところでもう一つ根本になるというと、今の銀行が微力になつたこと、銀行が横暴だとか何とかいう非難をよく聞きますけれども、それよりも銀行そのものが微力になつたのですよ。いわゆるオーバー・ローンと言いますけれども、オーバー・ローンというのは何も銀行が好んでやつているわけではありませんで、利ざやかせぎに例外的にやつているところはあるかもしれませんが、大銀行はことごとくそういう精神で、オーバー・ローンなどは避けたいのですから、私は、近来貿易商社の合併の問題が新聞などでうわさされておりますが、貿易商社というものが非常に微力になつて、資金的に欠乏しておる。これが昨年の春の輸入のあの破綻の一つの原因になつていると思う。貿易商社が合併をして強力になることは非常に喜ばしいことで歓迎しますが、もしこのために商社が強力になると考えたら大間違いだと思う。というのは、商社が大きくなれば大きくなるだけ金融のバツクは大きいものを要求する。民間の銀行の力ではそのバツクができないのです。これは結局、先刻のあなたの御発言のうちにもあつたのですが、オーバー・ローンの解決あるいは長期資金への振りかえというようなことも、銀行だけの問題ではない、産業界全般、輸出入の貿易全般に非常に大きなフアクターになつておるのだと私は考えております。これは生産会社が利益を上げて資本蓄積が遅々として進まない大きなフアクターだと私存じます。それはどうしたらいいかというと、非常に複雑な問題になつて来るので、私にはちよつとお答えできません。

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 志田さんにちよつと申し上げますが、質疑を十分していただきたいのでございますが、なるべくきようのうちに通産省に関する質疑を完了したいと思いますので、できるだけ簡単にお願いいたします。

志田義信自由党

○志田委員 できるだけ簡単にいたします。それから私はきようこれを拝見いたしますと、海外広報宣伝費としての一千三百万円の予算を計上しておる、こういうお話なのでありますが、在外事務所に見本陣列を出すための費用を二千四百三十万円計上した。これは私たいへんけつこうだと思う。しかし日本人の商社の海外活動が、もちろん今通商航海條約ができませんから、不可能で、盲貿易なのでありますけれども、その支店を出すというようなことに対しまして、これはどうでございましようか。盲貿易の打開のためには非常に大きな問題なのですが、日本は安保條約の発効しました場合におきましては、そういうことはどんどんできるようになりますでしようか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 できるようになると思います。

志田義信自由党

○志田委員 それからもう一つ、ここに高性能の工作機械の輸入に対しまして補助金を交付する、そうして重要産業の技術水準の向上をはかるというふうにありますが、これはたいへんけつこうなのでありますが、工作機械の輸入に対して補助金をやるくらいでありますから、関税はもちろん免除するのではないかと思いますが、その点についてお話を承りたいと思います。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 通産省で認めますそういう特殊の機械については免税することになります。

志田義信自由党

○志田委員 その通産省で認める機械とはどういう機械をいうのですか。

小室恒夫通商産業事務官(大臣官房総務課長)

○小室説明員 ただいまどの種類の機械ということを申し上げることは、非常にたくさんの種類の機械が載つておりますからむずかしいと思いますが、特殊の工作機械、生産機械等につきましては、わが国の産業合理化を推進する趣旨で昨年関税定率法が国会の審議を経ましたときに、一年間だけ免税という措置をきめておつたのでありますが、この三月三十一日でもつて免税措置は一応切られるわけでありますが、重要機械についてはさらにもう一年免税措置がとられるものと私どもは期待しております。

志田義信自由党

○志田委員 これは説明員の人の方がよくわかるのじやないかと思いますから、ひとつならしてお尋ねいたしますが、この英語のマシンというものは全部機械と認められますか。

小室恒夫通商産業事務官(大臣官房総務課長)

○小室説明員 これは政令でありましたか大蔵省令でありましたか、そこのところは今ちよつと記憶しておりませんが、非常にこまかく一つ一つの機械について定義を明らかにして、免税の対象になつておるものについては誤解を与えないように措置してあるはずであります。

志田義信自由党

○志田委員 実は昨年こういう問題が起きたのです。それは日本の道路を鋪装する機械をアメリカから一台入れようとした。その機械の内容をちよつと申し上げますと、トラックにミクサーのついた非常に高性能のもので、一里の道路を一時間五十分か二時間足らずで鋪装する機械があるのです。この機械をあるところで輸入しようとしたときに、これは機械であるというので高率な税金がかかろうとした。ところがミクサーというものが機械であるかどうかよく調べてみますと、ミクサーは重量機械でなく軽量機械の分類に入つておる。御承知の通り機械の関税の対豫になる率は重量と軽量とにわかれておるようでありまして、どのくらいの重量を基礎にしておりましたか忘れましたが、それに対して幾らというふうになつております。ところがこのミクサーとトラックと一緒なものでありますから、これは機械であるかどうかということでいろいろ問題が起きまして、大蔵大臣や当時の建設大臣がいろいろお骨折りくださいまして、これは重量機械ではない、機械としても軽機械である、こういうことで関税は割に少くて済んだのであります。ところがその後いろいろな高性能の工作機械が輸入されるような状態が相次いで起つて参り、今後ますます日本の国土開発のためにはそういう機械を必要とするということになつております。従いまして通産省としては機械というものに対する分類の仕方に対しては、相当今後日本国土開発の点からお考え願わなければならぬ。ただマシン・カンパニーと書いてあるところの製品だから機械だというようなことのないように、特に私から希望を申し上げておきたいと思います。  それからいま一つ、これはほんとうは長時間を要したいのですけれども、今主査からのお話もございましたので簡単に伺います。それはこの通産省の予算説明にもありますように、輸出信用保險の問題です。これは先日わずかな時間しかありませんでしたので、これに対する大臣の御説明並びに御意見を十分お伺いすることができなかつたのでありますが、御承知の通り、アフガニスタンに対する日本の生糸製品が輸出禁止になつた事件がある。これは中央における業者が非常な影響を受けたばかりでなく、私はその生産地である山形県ですが、山形県の機械業者に対しても徹底的な打撃を与えてしまつた。しかもそれは輸出信用保険法によりまして保険がかかつておつたのであります。この前大臣にも申し上げました通り、一体輸出信用保険法によつて保険をかけて行つたにかかわらず、向うの方ではその保険のかかつておるそういう品物は一切入国させないという禁止命令を出しておる。それを日本の海外事務所も、また通産省も、業者ももちろんどうすることもできずして、保険契約は期間中だけのものであるという考え方から、輸出信用保険は期間保険で行くべきものであるという——これは商法の規定による理論だそうでありますが、そういう理論からのお答えが先日の予算委員会でありました。しかしこれははたして期間保険の理論で行くものであるかどうか、事責任の有無がわかれる重大な事件でありまして、これに対してどういうふうに業者を保護してやらなければならぬかという問題があるのでありますが、これは通産大臣といたしましても、單に輸出信用保険を期間保険だということにしないで、航海保険の理論で行くというような考え方で広くこれを適用されまして、そうした業者の一方的な不利益をできるだけカバーして、日本の輸出振興のために御努力願えるようになるならばたいへんありがたいのではないか、かように思うのでありますけれども、この点はきようの分科会でも重ねてひとつ伺つておきたいと思うのであります。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 ちよつと速記をとめて……。

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 速記をやめてください。     〔速記中止〕

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 速記を始めて。

志田義信自由党

○志田委員 時間もとりましたからこの点はこれで一応留保いたしまして明日またお尋ねいたしたいと思いますが、この点につきましては法理論だけでなく、今大臣せつかくそこまでお考えくださつておるのでありますから、部下をよくおさとし願いまして……。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 私は誠意をもつてそういうふうに考えておりますから、省の意見が決定次第あなたには御連絡することにいたします。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 ただいま伺つておりますと、ポンド対策というものをお考えになつている。実はわれわれポンド対策を非常に悲観するわけなのですが、ポンド圏への貿易問題というものが非常に暗い感じを受けるのです。予算委員会でも安本長官は、日本は自立経済に向つてだんだん進んでおるということを言つておられますけれども、こういう事情でありますと、自立経済というものは不可能になつて来るのじやないか、それで貿易政策というものを根本的にかえなくてはならぬのではないか。こんな状態を続けて参るならば、いつまでたつても自立できないのじやないか、それはひいては国内の産業構造を再検討しなくてはならぬような状態になりはせぬか、こういうことを心配するわけです。自立経済とポンド圏の貿易との関係について安本当局の意見を伺つておきたい。

福田篤泰自由党経済安定政務次官

○福田政府委員 ポンド過剰の問題にからんで、今の御質問まことにごもつともだと思います。万々御存じの通りスターリング地域のインフレ問題と、ドル不足といろいろな問題がからんで、それでポンドにつきましては先ほど通産大臣が詳しく御説明になりました通り、安本といたしましても十分各方面から研究しまして至急対策を立てて行きます。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 これはきわめて重要な日本の産業構造の基本的な問題になると思いますので、今御答弁を願うことは御無理かと思いますから、適当な機会でけつこうでありますけれども、正確な見通しをひとつはつきり出していただきたい、こういうことをお願いしておきます。  それから日米経済協力の問題ですが、これは自立経済と関連いたしますけれども、予算委員会で再三議論になつております。しかし具体的な内容については遺憾ながらまだはつきりしておらないわけでございます。日米経済協力の具体的な内容と、進んでおる現在の段階はどの程度になつておるか、将来はどういう見通しを持つておるか、この点についてお尋ねしたいわけであります。その内容は二つになると思うのでございますけれども、国内産業にどういう形で日米経済協力というものが進んでおるかということが一つと、もう一つは南方地域の東南アジア開発に対するその進行の状況、それをはつきり具体的に説明していただきたい、こう思うわけであります。

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 遠藤委員にお尋ねしますが、適当な機会と申しますと……。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 この委員会の終了の前に……。

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 ちよつと速記をとめて……。     〔速記中止〕

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 この際ひとつ伺つておきたいわけですけれども、例のまぐろの関税問題であります。このまぐろ関税問題については、水産関係の者としては非常に関心を持つておるわけであります。日本の政府としては国連協力という線でまじめにやつておる。それは今回の台湾との修好條約の問題につきましても、ある程度中共を犠牲にして行くという考え方に立つておるわけであります。ところがまつしぐらにまじめにアメリカに協力しておる日本の経済としては、きわめて重要な意義を持つておる関税問題——アメリカの方から見れば大したことではないのだと私は思います。そこでこういう問題についてもアメリカは一体協力してくれる気があるのかどうかということを疑うものであります。私ども別に共産党的なアメリカ排撃の考えをここで述べようというわけではないのでありますけれども、まじめにアメリカに協力しようという考えを持つておる人が非常に疑問を持つだろうと思う。これに対して今どういう情勢になつておるか、日本の政府としては何らかの手を打つておるかどうか、この点についてお尋ねしたい。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 ちよつと速記をとめてください。

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 ちよつと速記をとめて……。     〔速記中止〕

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 速記を始めてください。遠藤委員。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 今のまぐろ関税の問題は、日本の国民としてはきわめて重大な問題として関心を持つておると思いますから、政府としては遺憾のないように、ひとつあまりアメリカになめられないように強硬にやつていただきたいということをお願いしておきます。  それから次に、今賠償問題が盛んに論議されておりますが、賠償は御承知のように役務賠償の形になつております。ところが役務賠償は、一方においては非常にいい面があるわけでありまして、日本から技術者が行くとか、あるいは熟練工が行くとか、移民的な意味を半面においては持つておりますけれども、他の半面においては、南方の国々に日本独特の産業が植えつけられるというこわい面も一つあるわけであります。そこで日本のなけなしの産業というものがどんどん南方で興つて参りますと、日本の輸出産業は火が消えたみたいになるおそれがあります。これはまことに重大な問題だと思うわけであります。この点について、通産省は賠償問題に関連してどういう交渉をしておられ、あるいはどういう見通しを持つておられるか、その点についてお伺いしたいのであります。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 今あなたの御発言のような点はあると私は思うのです。つまり未開発地方が開発される、そうしてそこで産業が興れば日本の輸出が減ることになりはせぬかということであります。イギリスのそういう方の政策は、そういう考え方が根本になつて、たとえばインドとか、ビルマとかで、教育ということが問題になるから大学はどんどんこしらえるけれども、技術方面の課目は一切置かぬというようなやり方であつたのです。しかし今日ではそれではいけないのじやないか。やはり世界に協力するということでなければいけないのじやないかと私は思うのです。それで、かりに未開発地方にある種の産業が興る。産業が興ればその国の購買力も増して来るわけです。多少の産業が興つても、優秀な品物は十年や二十年、三十年でできようはない。日本の工業もその間には進歩して行きますから、品物はかわつて行くかもしれぬけれども、それらの地方が開発されて行けば、日本の貿易が増す面もあるから、そう悲観する必要はないのだと私は思うのです。現在の考え方では、やはり日本は、かりに多少の害はあつても、世界の人類の幸福を増進して行くという点には協力をして行くという方針で行かなければいけないのだと思うのです。しかしその実際の面については、今のあなたの御意見のようなことは参酌しながら進んで行かなければいかぬと思います。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 ただいまの大臣の御意見は高邁な理想を説いておられ、まことにけつこうだと思うのです。ところが日本から南方の諸国へ輸出されておる物資を見ましても、高度の技術品でなくて、むしろ繊維品だとか、雑貨だとかいうようなものが多いわけです。かりに繊維工業が南方にどんどん興つて行けば、日本の輸出というものは非常に困難になつて来るだろうと思う。そういう点を考えて、あまり楽観し過ぎないように、ひとつ愼重にお考えを願いたいということを申し上げたいと思うわけであります。  それからボンド地域から物を輸入する問題が起つておると思うのであります。ポンド過剰対策として、いろいろ物を輸入しようという計画が逐次進んでおるように聞いておるわけであります。ところがポンド対策の苦しさに追われて、輸入すべからざるものまでも輸入するような空気がだんだん出て来ておるように私どもは見ております。ことにその結果、非常に日本の国内産業を圧迫するようなおそれのあるものが、だんだんに論議されておるように聞いておるわけであります。こういうことをやられると、ポンドの問題は解決したけれども、日本の国内産業が非常に大きな打撃を受けるというような問題が出て来ると思うのであります。そこでポンド地域から、あらためてポンド対策として輸入しようとしておる物資はどういうものであるか、それについての御意見を伺いたいのであります。

松尾金藏通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○松尾説明員 ポンド地域から輸入を予定いたしておりますものは、品目を申し上げますと数が非常に多くなりますが、一言に申しますと、食糧は濠洲の小麦、大麦、あるいはビルマの米を初めとします食糧、その次に大きなものは綿花で、綿花は大体パキスタンを中心としまして、ごく若干を東アフリカ、インドあるいはビルマというふうなもの、その他鉄鉱石につきましてはマレー及びインドに期待する。それから石炭、粘結炭などは主としてインドに期待しておる。その他、ゴムにつきましてはもうマレーはある意味において主産地でございますので、ゴム、皮革及び濠洲の羊毛、それから塩もかなり大きな品目でありますが、これが大体スターリング地域からの大きな輸入だと思う。その他の地域からは、表を読み上げればいいのですが、相当の品目になつております。御指摘のポンドをできるだけ使うために、あせつて国内産業に影響を及ぼすものを輸入したり、またそういうことを考えておらぬかというお話であります。これははつきり結論を申しますと、特に影響を及ぼすようなものは考えておらぬと申し上げた方がよかろうかと思いますが、需要者の面におきましては、非常に輸入を欲しておるわけであります。ところがたまたまそれを加工する業者の面からいうと、輸入を欲しないということで、消費者の面と製造業者の面におきまして、やや意見の異なつておるというところもあります。ちよつとでも国内産業に影響を及ぼすものは輸入せぬということになりましてもいかがかと存じまするから、程度の問題はよく考えまして、えらく影響を及ぼすようなものは極力避けつつ、輸出の原材料あるいは国内産業にかえつて若干の刺激を与えて貿易を促進させるようなものにつきましては、少し程度のものは考えてもよろしかろうじやないかという構想で今参つておるわけでございまして、決してむちやな輸入を考えておるわけではございません。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 ただいまの説明でありますと、しごくごもつともな御方針でけつこうだと思うわけですが、今たとえばバターの輸入の問題が出ておるようであります。バターなどは、御承知のように国内では一ポンド四百二十円もしておる。ところが濠洲のバターは二百五十円くらいにしかなつていない。それをどんどん入れて参りますと、そうでなくても畜産の関係は今参つて来ておるのですから、非常に大きな打撃を受けてしまつて、せつかく伸びようとする国内の産業が壊滅に瀕するような結果になつて参ります。今の説明だと、こういう結論は出て来ないと思いますけれども、その点はいかがでありますか。

松尾金藏通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○松尾説明員 バターは今のところ輸入する予定になつておりません。

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 上林山委員。

上林山榮吉自由党

○上林山委員 分科会で承るのが適当かと思いますので、一点だけお伺いいたしたい。まず自転車競技法は政府案として改正案を本国会に出す意思があるかどうか伺いたいのであります。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御指摘の改正案を、今のところは政府案でなく議員提出で出したいということで進んでおります。

上林山榮吉自由党

○上林山委員 政府案でなくて政府と連絡の上議員提案で出そう、こういうふうに了解してさしつかえありませんか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 その通りでございます。

上林山榮吉自由党

○上林山委員 政府案即議員提案というような意味でお出しになるのであれば、政府としてお答えができると思いますので、内容について少しお伺いをいたします。その改正のおもなる点はどういうところですか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御承知のように今の自転車競技法は届出主義になつておりまして、地方財政委員会の指定を受けますれば、その府県、市町村は自由にできるということになつておるわけであります。それから自転車振興会は、設立をいたしますときには主管大臣の許可を要することになつておりますが、実は監督と申しますか、あるいは指導をも含めてでございますが、そういう権限がどこにあるか、あの法律では明確でないのでございます。そこで自転車競技法を施行いたしまする監督官庁の責任と権限を明確にいたしたいということが法律を改正いたしたいという要点に考えております。

上林山榮吉自由党

○上林山委員 ただいまのお答えによると、結局現在届出主義になつておるのを許可主義にしたい、第二点は自転車振興会等を監督する監督官庁を明瞭にするのだ、この二点にとどまるというような話でありますが、たとえば政府納金というようなものを引上げるというような構想は中に入つていないかどうか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御指摘のような構想は入つておりません。

上林山榮吉自由党

○上林山委員 私どもは自転車競技法の弊害については率直にこれを改めて行かなければならないと考えておるのでありますが、通産省的な感覚でこの問題を扱うと、その意味からの弊害が非常に起る。というのは、最初本法の成立したのは、戦災復興の財源の調達、あるいはこれに類して経済的に非常に貧困な自治体の経済を助けようという趣旨で出発したのであります。そこで政府納金というような問題については軽い程度にとどめて、地方の財源を幾分でも補つてやるという方向に、今後の運営ないしは法律の改正をして行かなければならない、こう考えるのでありますが、この根本的な考え方に対して政府はどう思つておられるか、この点を伺います。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御指摘のような点はごもつともに思うのでございますが、実はただいまその問題に触れますと、大蔵省その他との交渉に相当時間もかかりますので、御指摘のような要望は、一応今度の法律改正をいたしまして、その次の第二段の問題として考慮いたしたいと考えております。

上林山榮吉自由党

○上林山委員 二段の問題として考えるということは、国庫納金等を現在よりも低くする、こういうような実情に即した改正案を第二段としてやろうとお考えになつておるのかどうか伺いたい。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御趣旨のような線で大蔵省と折衝いたしたいと考えております。

上林山榮吉自由党

○上林山委員 そういう趣旨でお進みになることを特に私は強調しておきたいのであります。  そこで伺いたいのは、通産省としては、最初のほどはあまり国庫納金の収入は多くを期待していなかつた。しかるにこれが相当収入があるようになつたので、幾らか未練がましい考えもあるのじやないか、こういうようにいわれておるのでありますが、二十六年度の自転車競技法による国庫納金は、大体現在まで幾らであり、年度末までに幾ら入る見込みであるか伺つておきます。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 大体年間に十六億程度入つておるかと思います。二十六年度の正確な数字は、事務当局が用意しておりましたから御説明申し上げさせます。

伊藤繁樹通商産業事務官(大臣官房会計課長)

○伊藤政府委員 二十六年度は予算書に計上いたしました見積りは十六億円でございます。これが多少上まわるような程度でございます。

上林山榮吉自由党

○上林山委員 最初に見積つておつたのは十六億円であつたが、年度末までにはそれよりも上まわる予定である、こういう御答弁でありまするが、おそらく三十億円くらいにはなるであろうと推定をいたしております。これに対しまして自転車競技法及び小型自動車競走法に基く競走の完全なる運営をはかり、かつ自転車及び自動車工業の振興をはかるため、海外市場調査、カタログ及び現物による海外への宣伝、性能の研究、検査施設の充実、金融の確保等に必要な経費として四億六百万円を計上しておられるようでありますが、残りの十六億円程度のものはどういう方面にお使いになつているものか、あるいはまた二十五年度等においてはいかなる方面にこれが使われたものか、どうも本末を顛倒した運営の仕方を感ずるので、この点伺つておきたいのであります。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御承知のように自転車競技法の立法の趣旨は、国庫へ入りました金を自転車産業の振興のために使うという建前になつておりますことは御指摘の通りでございます。ただいま御指摘の費用のほかに、通産省の予算の中にも一部は含まれておりますが、大部分は大蔵省の収入になりまして、大蔵省が財源として使つておる、こういう状況でございます。

上林山榮吉自由党

○上林山委員 私は大局的見地からこれを考えてみても、あるいはまた自転車競技法ができた趣旨から考えてみても、ただいまの政府の答弁では満足いたしかねるのであります。ことに劈頭に申し上げた通り、競技法のできた沿革を考えてみますと、戦災復興のための財源の一部にする、あるいはこれに類した、経済の極度に貧困なる地方自治体の財政の補いに幾らかでもしてやるという趣旨、これと並行して自転車工業の発展と奨励、こういうものを含んでこの法案ができておることは、賢明なる政府当局であられるならば、率直にお認めになるところだと私は考えます。先ほどの御答弁の中に、二段の構えとして、国庫納金をできるだけ減して本来の趣旨にのつとつた改正をしたいという御意見であるから、私はこの問題をこれ以上追究は申し上げませんが、どうか責任を持つてひとつこの問題を御解決になるように希望を申し上げたい。できるならば今度の法案の中に大局的見地からと実情からと勘案されて、少しくらい大蔵省との折衝が手間取ることがあつても、この機会に本来の趣旨にもどるべきだと私は思いますので、これはここでの御答弁は強く希望はいたしませんが、むしろそういう方面に御努力されることを強く重ねてひとつ要望いたしまして、この問題についての質疑を終りたいと思います。

小野瀬忠兵衞自由党

○小野瀬主査 大分時間も経過いたしましたので、本日はこの程度にいたし、明日午前十時より質疑を続行いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時五十五分散会

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