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第13回国会衆議院1952/01/30

予算委員会 第4号

発言数
50 件
登壇者
6 名
会派数
2
開催日
1952/01/30

会議録

塚田十一郎自由党

○塚田委員長 これより会議を開きます。  都合によりましてこの際午後一時半まで休憩いたします。    年前十一時二十八分休憩      ————◇—————     午後二時二分開議

塚田十一郎自由党

○塚田委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  中曽根委員より、議事進行について発言を求められております。この際これを許します。中曽根康弘君。

中曽根康弘国民民主党

○中曽根委員 前国会以来、国民並びに国会の注視の問題は、日米安全保障條約に基く行政協定の問題でありました。ところが、この行政協定の問題に関してわれわれの質疑が触れると、吉田総理大臣並びに政府当局は、常に、これはまだ実現していない将来の問題である、仮定の問題であると言つて、答弁を避けて来たのであります。しかるに、今回昭和二十七年度一般会計予算を見ますと、この安全保障條約に基いて、六百五十億円の防衛支出金、及び五百六十億円の安全保障費なるものが出ておるのであります。しかしながら、この経費の内容につきましては、何ら明確なる説明がないのであります。われわれは、このような内容のない予算を提出されて、これをはたして国民の負託に沿うだけの予算として受取つて審議していいかどうか、疑問に思うのであります。なぜなれば、政府は今まで仮定の問題には答えないと言つて来ておりながら、仮定の問題に対してこのような予算を出して来ているわけであります。従つてこれらの問題に関する政府の明確なる説明なしには、われわれはこの予算審議に入るわけには行かないのであります。それと同時に、われわれが最も関心を呼んでおるところの国民の血税の使用に関しましても、御存じのように、政府はあの戰死者遺家族の痛切なる要望をしりぞけて、わずかに百七十五億円の遺家族補償費を出したのにすぎないにもかかわらず、無内容なる五百六十億円ないしは六百五十億円という厖大なる血税を使おうとしておるのであります。一銭一厘を惜しんで遺家族にやれないものを、何ゆえ内容のわからないこれらの厖大な経費にこれを充てるのであるか、こういうこともわれわれとしては納得の行かない点であります。  さらに国会の権威に関しましても、伝え聞くところによりますと、米国の国会におきましては、この行政協定の内容についてある程度の了解なくしては、平和條約並びに安全保障條約の審議が遅れるとかいう情報すら伝えられておる。国会の権威につきましては、アメリカといえども、日本といえども同じであります。アメリカの国会がそのような態度を持しているのに、日本の国会がこれをうのみにするということは、国民の負託に沿うゆえんではないのであります。日本の国会はアメリカの国会に従属するものではありません。従つてこれらの問題に関しまして政府の明確なる説明を聞き、しかる上にわれわれはこの予算審議に入りたいと思うのであります。  そこで岡崎国務大臣にお尋ねをいたしますが、この行政協定の内容について、新聞の伝えるところによると、一体内容がもうできているのか、できていないのか、つまり日本側の案があるのか、ないのか、明確でないのでありますが、この点はいかがでございますか、まずお尋ねいたします。(「質問なしだよ」「議事進行じやないか」と呼びをの他発言する者あり)議事進行に関して、この点に関して政府の所見を委員長からも承つておいていただきたいと思うのであります。(発言する者、離席する者多し)  議事進行に関してさらにお尋ねいたしたいことは、この行政協定の内容が、結局この予算の肉づけをなしているわけであります。従つてこの内容に関してある程度の説明なくしては、われわれはこの予算自体を理解することができないのでありますので、その点に関して若干お聞きしたいのでありまするが、従来政府はこの点に関しては何ら見解を表明して参りませんでした。しかし新聞の伝えるところによると、ラスク氏は昨日の岡崎氏との交渉におきまして、次のことを明確にいたしております。  まず第一は日米両国は平等な主権国家としての立場でこの交渉を開始すると言つております。この平等なる主権国家という立場は、両方主権を持つておるから平等であるという意味ではなくて、国家としての対等の立場を意味する、主権者としての立場の平等を意味すると思うのであります。しからば日本は現在占領中でありますけれども、これらの点に関しては連合軍総司令官の影響や、いろいろな指導、その他は受けないで、日本独自の見解に基いて当然これはなさるべきものであると思うのでありますが、占領下にあつてもそのような立場で政府はやる決心であるかどうか。  第二は、この問題は自衛力漸増問題には触れないと言われております。行政協定の内容というものは、自衛力漸増問題とは何ら関係のない、単なるアメリカ軍隊の駐屯に関する配備條件、こういう問題であると解釈しておるのでありますが、この点はいかなる程度にわれわれは解釈してよろしいものでありますか。  第三番目は費用の分担でございますが、ラスク氏の言明によれば、費用は能力に応じて平等に負担するとある。そうして日本の農業や商工業には過重な負担はかけないと言われておる。この費用の分担金の問題と行政協定の内容とは一番関心を呼んでおる問題でありますが、この点に関する政府の考え方はいかがなものであるか。  最後にこの安全保障費あるいは防衛支出金自体というもの——この行政協定自体というものが、防衛力漸増の問題とは何ら関係がない、そうしますと、防衛支出金もそれから安全保障費もともに行政協定とは関係のない経費に支出されるものであるか、この点も最後に明確にしていただきたい。  最後に岡崎国務大臣に伺いたいことは、こういうふうな発言をしておるのであります。新聞記者との発言の中において、日本が負担する米軍の駐留費もすでに予算できまつておるので、問題はなかろうと言つておる。そうすると、国会なんかは要するに自由党が二百八十人で多数を持つておるから問題はないのだ。要するに金の問題はもうきまつて、文句はない。だからこれは政府は單独でアメリカと結べばよろしい。こういう意見としか受取れない。しかし予算案は提出されただけである。しかも内容もまだ明確になつておらない。そういう段階にあつて政府の責任者が、国会の権威を無視し、民主主義の根底とはずれるような発言をしてよろしいものであるか。そういう考え方で考えた行政協定が国民の支持を受ける行政協定であるかどうか、この点についても岡崎国務大臣の明快なる説明を要求するものであります。

塚田十一郎自由党

○塚田委員長 ただいまの議事進行は政府側もお聞き及びの通りであります。この際政府より何か発言がありましたらこれを承ります。

岡崎勝男自由党賠償庁長官

○岡崎国務大臣 今いろいろ言われたようでありますが、その多くは今後予算の審議の過程において明らかにできると思います。ただ一、二の点について申しますと、第一に、ただいま占領下ではありまするが、行政とりきめに関する限りはまつたく平等の立場でもつて話すことになつており、現にその通りやつております。なお行政協定は安全保障條約第三條に基くものでありまするから、米軍の安全保障條約に基く駐留に関しては、直接関連のある事項だけを協定いたすものであります。それから防衛分担金と申しますか、いろいろお話がありました点については、新聞は元来紙面の関係もあり、正確あるいは詳細に記事にしない場合が多くあるのであります。私がそのとき質問を受けましたのは、防衛分担金について行政とりきめの相手方と話をするかと申しましたから、いやそれはもう予算の方に出ておるから議会で審議されるべき問題で、われわれとしては話はしない、こういう意味でありますから、何とぞ御了承願います。

塚田十一郎自由党

○塚田委員長 これより予算各案について質疑に入ります。尾崎末吉君。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 私は本国会の予算委員会の劈頭におきまして、まず総理大臣に御質問申し上げるつもりでありましたが、総理大臣に故障があるようでありますから、延ばしまして、主として講和條約に関係があり、また貿易、外資の導入等に関係のある予算の問題につきまして、大蔵大臣に質問を申し上げたいと思うのであります。  まず敬意を表しておきますことは、昭和二十七年度予算が幾多の重要経費を含んでおり、関係方面との交渉はすこぶる難航が予想せられまして、従つてその国会提出が相当に遅れるのではないかと憂慮されておつたにもかかわらず、政府原案の予算総額が何らの変更を見ることなく、また講和関係諸費にいたしましても、初めは二千五百億くらいなどと言われておつたのでありますが、これが政府原案に近い程度にまとまつて、本国会再開早々提出せられたことや、またわが国情にもよく合致せず、財政、徴税の上からも困難に陷るとして、極力その実施の延期方を関係方面に求めておつた附加価値税の実施が、政府の御努力によつてその延期に成功したことなどに対しまして、特に深い敬意を表する次第であります。  まず伺いますことは、従来吉田総理大臣がしばしば言明をされて来ましたところの、再軍備は急ぐべきではない、まず国民経済力の安定をはかつて、国民が著しくその負担に困らぬという状態に至つたとき、あらためて相談してきめる、こう言つておられたのであります。もとより大蔵大臣もこれに同意をしておられたのでありますが、その御所信についてただいまもおかわりはないかどうかということをまず伺つておきたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 吉田総理大臣のたびたび述べられました、ただいまのところ再軍備をしようにもできない。将来能力ができたときに国民の方々とよく相談してきめる、こういう吉田総理の言明に私はまつたく同感であるのであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 その点一応安心をいたしましたが、ここに伺いますのは、昭和二十七年度の予算案を見ますと、終戰以来前例のない八千五百二十億という数字に達しておりますが、国民所得五兆三百億に達する見込みといたしますれば、その国民所得の割合からいたしますと、一七%弱でありまして、さきに画期的な減税に成功いたし、超均衡予算といわれた二十六年度の国民所得と予算との割合一七%から申しますれば、同意し得るところでありまして、多く心配するに足らないのであります。また八千五百二十七億の総予算の中に防衛支出金六百五十億、安全保障諸費五百六十億、警察予備隊費五百四十億、海上保安庁費中警備救難費七十三億、合計千八百二十三億円が計上せられておるとは申しましても、それは二十六年度までの終戦処理費を九百億余超過いたしますのにすぎませんので、また他面経済力充実のための内政費もまた二十七年度は二十六年度よりもはるかに多いのでありますから、予算の割合から申しますれば、そう大して心配するには足らぬのでありますが、何といたしましてもこの一千八百二十三億の費用が大きいために、野党の一部諸君が名目は再軍備ではないが、予算の大きなところを見るとそれは再軍備ではないのか、国民にだまつて再軍備をやるのはけしからぬ。使途のはつきりせぬ多額の予算を計上するのは、あたかもかつて軍閥が專制をきわめたときの臨時軍事費と似たようなものであるというような、ことさらの攻撃をするのであります。私どもは大局から見てこのことをまことに遺憾に思うのでありますが、これに対して大蔵大臣はいかなる見解をお持ちであるか、このことをお伺いいたします。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 防衛費が一千八百二十億円になつておるので、再軍備の前兆ではないかという議論がございますが、私はそうは考えていないのであります。財政演説で申し上げましたように、防衛に関します直接の経費は、防衛支出金の六百五十億円と、しこうして警察予備隊、海上保安庁等の六百十億円余が主でございます。しこうして安全保障諸費につきましては、防衛支出金並びに警察予備隊等の今後の状況によりまして使用を見込んでおるものでございまして、これはずつと長く続く経費ではないと私は考えておるのであります。従いまして二十七年度におきましては一千八百二十億円は決して少いとも申しません。しかし多過ぎるとも言えませんが、大体この程度のものはわが国の国民所得の状況等、現在置かれております関係から考えまして、やむを得ない数字である。これが再軍備であるとか、あるいは再軍備のはしりであるというようなことは、われわれは考えていないところであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 その点よくわかりましたが、重ねて伺つておきたいと思いますことは、これは御説明の通りに了承をすることができるのでありますが、防衛力というものを急に増強せねばならぬ理由が一体どこにあつたか、こういうことについてできるだけ詳細な御説明を願つておきたいと思うのであります。欲を申しますならば、将来再軍備を必要とするときが参りましたならば、そのことを国民に相談をいたして、国民がこれを納得するまでの間、防衛力を増強するため経費をできるだけ少くいたしまして、その余裕あるところを国民経済力の伸張のために、すなわちこのための内政費に充てて、政府も国民も総力をあげるということを先決問題として参りますならば、従来総理を初め政府が申しておられた方針にかなうのではないか、こう思うのであります。  それから防衛力の漸増という言葉が使われておるようでありますが、二十八年度からの予算においては、先ほどもちよつとお話があつたようでありますが、二十七年度よりも防衛力に要する経費が著しく増加するようなことはないかどうか、この点について伺つておきたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 わが国は自衛の十分なる力を持つておりませんので、アメリカ軍の駐留を希望いたしまして、日本に駐留してもらうのであります。しこうして私の見るところでは、この駐留軍の費用が今以上にかかつて、そうしてわれわれの防衛支出金がこれ以上になるとは私は考えておりません。減ろうともこれ以上になるとはただいまのところ考えておりません。しこうして駐留軍の状態が今の状態を続けるか減少するかによつて、警察予備隊の人員もこれにかみ合せて考えて行かなければならぬと考えておるのであります。七万五千人の現在の警察予備隊に三万五千人を加えまして、大体十一万人と予定しておるのでありますが、昭和二十七年度におきまして五百四十億円の警察予備隊の費用は、七万五千人の装備強化のため等に要しますのが三百五億円でございます。来年度、原則として九月から入隊いたします三万五千人に対するものは二百三十五億円であるのであります。従つて今度人員がふえなくても、装備の強化のための費用もいりましよう、またただいまのところ人員が将来永久にふえないとも言えませんが、私の考えでは今の日本の経済状態からすれば、一千八百二十億円程度がせいぜいではないか、これは海上保安庁の費用も入れまして、この程度がせいぜいではないかと思います。防衛力を強力するといつても、国民経済を圧迫したり、国民生活を切り下げてやるようなことは、私たちの絶対にとらないところであります。従いまして将来日本の経済力が上昇いたしますれば、ある程度の増加は考える必要がある。これを漸増と言つておるのでありますが、経済のいかんにかかわらず漸増するということは考えていないのであります。私は繰返して申し上げますが、今の経済力といたしましては、この千八百二十億円がせいぜいのところだと考えておるのであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 きわめてはつきりした御説明を伺つたのでありますが、そういたしますと、二十八年度におきましても防衛力に要するところのその経費は、大体二十七年度と大してかわりはない、こうはつきり伺つておいてよろしいのでありますか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 日本の経済状態が今のままか、あるいはある程度上昇いたしましても、千八百二十億円を相当越えるというふうな防衛費は私は組みたくないと思います。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 はつきりいたしました。そこで私の希望を述べまして、さらに伺つておきたいと思いますことは、できますならばさき御答弁になりましたように、物価の変動その他特殊な国際情勢の変化等がない限りにおいては、大体において二十七年度程度でやられる、こういうことなのでありますが、将来もしそうした国際情勢や物価の変動等が起つた場合におきましても、できますならば二十七年度程度のこの予算をもつて二十八年度以降も最善を盡すところの防衛力といたしておきまして、その残つたところのものをさき申しました国民経済力の充実伸張のための内政費に使う。もう少し要約して申しますならば、少くとも向う数箇年間くらいは、極力日本国民の経済力の充実伸張と国民生活水準の向上とに努めておいて、しかもこのことをよく国民にも了解せしめておいて、そのあとからさらに日本の防衛のために必要なるところのその計画を実現に移して行く、この間においてもし日本の安全保障に対して危険を感ずるようなことがある場合がありました際は、これはもとよりアメリカその地に頼んで、その安全保障をやつてもらう、こういつた段階をつけて防衛力を漸増して行く、こういうことについてせつかく今ラスク特使が見えまして行政協定に入つておるのでありますから、そういうような点を深く了解を願うような手段について、政府はお考えになつておるかどうか、このことを伺つてみたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 国民生活の安定、政治の安定がなければ、防衛力の強化はございません。国民生活の安定がなくて、いかに警察予備隊をふやしても、これは自衛力があるとは言えない。しかし独立国家となりまするならば、国民生活の安定向上をはかると同時に、防衛力も漸増して行かなければならない。うらはらの問題であります。しかし何と申しましても、国民生活の安定、向上ということが第一でございますから、私は今後日本の経済力の発展によりまして、経費があるならばまず国民生活の安定の方に向ける。そしてその裏としてある程度の防衛力の増加、これは二の次だと考えておるのであります。そういう考え方から行きまして、片一方では国際情勢の推移その他を勘案して、防衛支出金の問題、あるいは警察予備隊等の問題を考えて行きたいと思います。新聞では、十一万人では足らぬ、いついつまでに何ぼとか言つておりますが、今私がここでそういういつの年度に何人予備隊ができるというふうなことは、大蔵大臣としては考えないことはございませんが、まだ発表する段階に至つておりません。ただ国民生活の向上と見合いながら、防衛力を漸増して行きたいという気持であるのであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 それからその次に伺いたいと思いますことは、米国の対日援助は、経済援助の方針からだんだん軍事的援助の方針にかわつて参つておるように思われるのであります。すなわち米国が世界平和のために必要とする軍備拡張のために必要な生産、これに関連する事業への協力をわが国にも求めるという方向にかわつて来ておるのじやないかと思うのでありますが、一体政府はこれらのことに対処する何らかの計画をお持ちになつておるのであるかどうか、この点を伺いたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 アメリカ合衆国の自由国家群に対します援助は、わが国あるいは西ドイツのように経済援助でやつているところもありますし、またイギリス、フランス等に対しまする軍事援助的なものもあつたのでありますが、最近は自由国家群につきましては、経済援助の点が相当クローズ・アツプいたしておるのであります。私は今後の日本の発展の立場から申しますと、もう対日援助は打切られましたので、今後は経済提携、経済援助ということにならざるを得ないと思うのであります。このことにつきましては、総理も言われておるように、できるだけアメリカの経済力を借りて日本の発展をはかりたい。経済力を借りて日本の発展をはかるのにも、国内生産の上昇と東南アジアを見込んでの上昇、あるいはまたアメリカで不足している分についての日本からの供給、こういういろいろな問題があると思いますが、あらゆる点から経済協力を密にし、そうして経済援助の道を開いて行きたいと努力いたしております。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 今御答弁になりました東南アジア諸国の開発等に必要な問題や、あるいはまたアメリカその他に対するところの協力に対しましては、もちろんわが国としては全力をあげてこれに盡さなければならぬと思うのでありますが、それにつきましては、これらに協力する、すなわち東南アジア諸国の復興と開発その他に協力するための態勢というものが、日本の現状において十分であるかないのか。その態勢が十分できないといたしますならば、何らかの態勢を整えるための計画を政府はお持ちになつておるのであるかどうか、この点重ねて伺いたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 経済的協力態勢の問題でございますが、私の見るところでは、日本の設備その他につきましては協力し得る態勢がかなりあると思います。ただ問題は、設備その他はありまするが、動力が非常に不足しております、ことに電力が不足しておりますので、電力を早急に開発すれば、東南アジアあるいはアメリカに対しまする協力の強さが非常に急速に出て来るというので、最近の政府は最もネックでありますところの電力開発に第一の力を入れておるのであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 重ねてそのことについて御意見を伺いますが、東南アジア諸国その他の国に対する協力について、アメリカあたりから何らか具体的の話があつた、あるいは何らかの了解ができておるということはないのでありますかどうか。その点もう一ぺん伺つておきたいのであります。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○周東国務大臣 東南アジア開発に関しましては、日本の輸出銀行等の資金あるいは日本の技術というもので協力する以外に、日米経済協力の線を通じて、アメリカその他の資金あるいは資材等の必要な援助ということについては、具体的な物事について話合いを進めようとする段階であります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 具体的な段階に進む話合いを進めようとしておられるとおつしやるのでありますが、それには先方から何らかのお話があつたか、またはこちらの方から働きかけておられるか、そういうことがありといたしますれば、伺つておきたいのであります。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○周東国務大臣 その点につきましては、硫黄、鉄、銅、ニツケル等におきまする必要な要求数量等に関しまして、日本の設備能力等を考え、それに対する原材料の供給等について、今後話合いを進める考えでございます。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 これは他から漏れ聞いたことでありますから、当つておるかどうかわかりませんが、昨年の秋ごろでありますか、東南アジア開発のための協力を日本に求めるために具体的な話が日本に来たことがあるが、日本の企業家の方では、その話が非常に大きいので、これに対して話合いを進めるのを躊躇したというようなことがあつたということを聞いておるのでありますが、そういつたようなことがあつたのでありますか。あるいはこの後もそういうような日本の企業家が受け切れないと思われるような申出が来るような見込みがあるのかどうか、過去のことと将来についてのお見込みを伺いたい。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○周東国務大臣 過去における問題につきましては、そういう話があつたということは聞いておりますが、具体的な話は詳しくいたしません。しかし私どもは、次に話合いがあつたといたしましても、日本の経済力を考えつつ、またその設備能力を考えつつ今後話合いを進めて行きたいのでありまして、あくまで日本の経済の側が取立てられて、日本の経済が圧迫されるような形へは協力の姿を持つて行きたくないのでありまして、従つていろいろな線が参りますようでありますが、その中をすみやかに統一して政府が適当なところにその線を持つて行きたい、このように考えております。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 その次は賠償に関してお尋ねをいたします。二十七年度の総予算八千五百二十七億中、平和回復処理費といたしまして、対日援助費の返済、外貨債の償還その他海外債務の支拂い、本邦人に対する占領関係損害の補償、それから賠償等に関しまして、二十六年度からの繰越分を見込んで二百十億にすぎないのは、これはまことに少いことは喜ばしいことでありますが、一体この程度をもつてこうした問題を処理することができるのであるかどうか。予算に組まれているこの程度のものをもつて処理し得なかつた場合どうなるのであるか。このことについてお伺いいたします。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 お話の通りに、二十六年度に計上いたしました平和回復善後処理費を加えまして、ただいま御審議を願つておりまするそれと合せますと二百十億円くらいであります。これは、私の見るところでは、賠償につきまして話が一応きまりましても、年度の当初からすぐ賠償を拂うような段階には至るまい、こう考えているのでございます。また対日援助資金につきましても、また支拂いの方法につきましては話をいたしておりません。また外債の支拂いにつきましても、話をつけるまでには相当の日子を要することと思いまして、一年分全体を見込んでいないのであります。賠償の話が進んでこれで足りないという場合においてはどうするかということになりますると、それはそのときにもよりまするが、いわゆる補正予算を組まなければならぬと思います。ただいまのところ私の見通しでは、昭和二十七年度中にはこの程度でまかない得ると見込んでいるのであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 これに関連をいたしますが、フイリピンその他から非常に厖大な賠償を要求せられていることは、私ども非常に心配をいたしているのであります。昨日の新聞の伝えるところによりますれば、特にフイリピンのごときは講和発効前に賠償に着手して誠意を示してもらいたい、こういう要求をいたしているということが伝えられておつたという、これほど賠償はむずかしい問題と思うのでありますが、一体フイリピンのみならず、賠償を請求する各国に対する賠償の問題は、どういうふうにおちつくという見通しであるのか。もとより賠償は役務賠償に限ると言つてはみましても、その役務に要する費用が非常に莫大である際は、当然日本の財政を圧迫し、ひいて国民の経済力を圧迫することになるのでありますが、大蔵大臣は、このことについてどういう見通しを持つておられるかということが一点。  次は、来年度以降においても、この賠償の問題に善処し得て適当な予算を組み得る、こういう自信があるのか。この二点についてお尋ねいたしたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 私はあくまで平和條約十四條の規定を遵守いたしまして、賠償交渉に誠意を持つて当りたいと考えているのであります。一国との賠償のあれがきまりましても、他の国との関係がありますので、できれば全体を一度にきめたいという気持を持つております。しかし今までのインドネシアとの予備交渉につきましても、私は両者誠意をもつてすれば適当のところにおちつくという見通しを持ち、またおちつかなければならない、両当事国が誠意を持つて円満な妥結に行くように努めなければならないという考えを持つているのであります。フイリピンの問題につきましても、新聞では承知しておりますが、困難な問題であることは確かであります。しかしこれはどうしても乗り越えなければならない、また乗り越え得るものと確信いたしているのであります。昭和二十七年度二百億程度、二十八年度にはどうなるかという問題でありますが、二十八年度におきましても、日本の国民生活水準を引下げるような賠償には応じられないと私は考えております。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 大蔵大臣とちよつと所管が違うかとも思うのでありますが、関連をいたしておりますから伺つてみたいのであります。フイリピンが八十億ドルとか、インドネシアが七十億ドルとかいろいろの金額をあげて賠償を要求いたしているのでありますが、それらの賠償をするところの数字の根拠については、日本の方においてもこれを検討する計画があるのか。あるいはまた賠償の問題についての特使として行かれる方々が、そこまでつつ込んだ話合いをすることのできる立場にあるのかどうか。それによつて賠償の金額が大きくなつたり小さくなつたりすると思いますから、そのことについて御承知があるならば伺つておきたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 直接の所管ではございませんが、日本の財政に重大なる影響がありますので大蔵大臣としての考えを申し述べますれば、えてして賠償というものを従来の金銭賠償のように考えられやすいのであります。金銭賠償ということを前提にいたします場合におきましては、戦争によつてこうむつた損害を計算して、そうして賠償基準にしようという考え方になりやすいのであります。しかし平和條約第十四條の規定は金銭賠償ではございません。日本の経済力に沿つたような賠償であります。またその賠償たるや、他の連合国に為替上の損をかけない、日本の生活水準を維持するという趣旨が織り込まれておりますので、昔のような損害額を金銭に見積つて金銭賠償をするという考え方とはかわつておりますので、私は日本としてはあくまで十四條の規定に沿いまして、金銭賠償でなしに、向うの損害がいかがであろうとも、拂うのは日本でございますから、日本の状態によつて、あの十四條の精神にのつとつて行くべきものと考えているのであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 賠償の問題はその程度といたしまして、さつき大蔵大臣からちよつと御答弁があつたのでありますので、これと重複するかもしれませんが、外資の導入について重ねて伺つておきたいのであります。  総理を初め政府当局は外資の導入を、先般の施設方針の演説においても強く強調しておられるのであります。特に外資の導入ということは国情の安定が先決問題であり、国情の安定は政局の安定が先決だ、こういうことを述べておられるのでありまして、まことに私ども同感なのでありますが、その外資の導入につきましては、もとより日本経済の将来に関して国内資源の開発のためにも、貿易に要する事業の振興にいたしましても、あるいはまたさきお述べになつたような電源開発等にいたしましても、外資の導入はまことに大事なことなのでありますが、この政府が強調をせられておるところの外資の導入ということは、これは單なる構想でおつしやつているのであるか、または外資導入について先方と——言葉をかえて申しますと、米国などと何らかの了解か話合いかまたは計画等があるのであるかどうか、そのことを伺つておきたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 外資の導入につきましては、二、三年来われわれの非常に心を碎いているところでございます。しかしこれは何分にも経済の原則に沿わなければなりません。日本の経済が安定し発展するその度合いによつてきまります。これは個人の貸借関係と同じでございます。まじめに営々として働く能力のある者には貸してくれますけれども、経済力がだんだん落ちて行く人に対しては貸しにくいのと同じでございます。そこでわれわれは日本の経済の安定と発展に努力して参りましたところ、幸いにも民間外資はだんだんふえて参つております。ただいままでに参りました株式投資によるものは千五百数十万ドル、貸付金が二百数十万ドル、合せて千八百万ドルばかりの株式投資を中心とする外資が参つております。またほかにも技術、いわゆる特許権、こういつたものが相当入つております。一応の特許料の支拂いから申しますると、大体六千万ドルくらいが今まで入つて来ておると思います。今後の見通しとしてはどうかという問題でありますが、私は今国会におきまして、外資導入に関する法律の改正をいたしたいと考えております。これは今までの株式投資等は、日本に投資せられましても、その投資が適当な方法によつて返る道が開かれてないのであります。入つたら入つたままで、出ることを規定していないものですから、入りにくかつたのであります。今後株式投資にいたしましても、一定のすえ置き期間を置いて、一定の年限に適正に返るというふうな道を講ずれば、非常に急激に入つて来ると私は思います。私のところへそういう問題を持つて来たアメリカの有力なる会社も相当数あるのでございます。今国会にこういうことをやりたいと考えております。  また民間の借款のみならず、われわれの計画いたしておりまする電力開発公社等につきまして、向うの政府資金なり、あるいは政府関係機関の資金なり、いろいろな方法で入つて来るような努力を続けております。ただ何分にもまず第一にやらなければならないことは、国際通貨基金への参加の問題でございます。これは御承知の通り、昭和二十六年度の予算で二百億円を計上いたしまして、出資に充てることにいたしておるのであります。この国際通貨基金加入の問題も、大体日本の割前がどのくらいになるかというので、向うで非常に議論しておるのでありますが、これは日本のクオータはできるだけ多いことをわれわれは望んでおる。しこうしてそのクオータ、割前がきまりまして、出資するお金はできるだけ少いことを望んでおるのであります。日本の割当は大体外電によりますれば、二億五千万ドルにきまつたような情勢でありますが、私は二億五千万ドルよりもつと多くしてもらいたいということを言つております。また日本が洗い込まなければならぬ分は、今の予算よりももつと多いことを向うでは考えておるようなわけですが、そういうたくさんの出資はできないというので、今せつかく折衝をいたしておるのでありますが、できるだけ早い機会に、本年度内にひとつ相当有利な條件で入るようにいたしたい、こういうこともやはり外資導入につきましての一つの大道をこしらえるゆえんでありますので、こういう方面につきましても努力をいたしておる状況であります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 今の問題とやや関連をいたしますので、ついでに伺つておきますが、先日大蔵大臣が述べられましたように、終戰当時外貨資金というものを持たなかつたわが国が、貿易の伸張等によつて漸次外貨を充実して参り、また朝鮮動乱による特需の影響等の力も大きく響きまして、わが国の今日の外貨は保有高が九億ドルに達しておつて、昨年三月末に比較しますと約四億ドルの増加であつて、米国の援助額を控除してもなお二億七千余万ドルの増加である。こういうことはまことに喜ばしいことではありますが一体この九億ドルの外貨中、正常な輸出によつて得た外貨はどのくらいで、朝鮮動乱のいわゆる特需によると思われる外貨はどのくらいであるか、おわかりになつておればこれを伺つておきたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 全体の数字といたしましてはお話の通りでございます。九億ドルのうち七千五百万ポンド、すなわち一億ドル余がポンド勘定になつております。一億ドルがドルのオープン勘定になつております。ほんとうのドルと申しますと語弊がありますが、普通のドル勘定において五億八千万ドル余りであるのであります。昨年のそれに比べまして、一億二千万ドル程度、ドルだけの計算でふえて参つております。ポンドその他を入れれば四億ドル。一億二、三千万ドルの増加は、ドル地域との輸出入の関係から申しますと、輸入超過であります。ただそれを補つておるのが、朝鮮関係の特需と貿易外の収入でございます。朝鮮関係を主といたしました特需が、大体三億ドル程度かと思つております。それから貿易外収入の四億ドルの中に、朝鮮関係の米軍の国内で消費しますのが一億五、六千万ドルかと考えております。特需並びに貿易外収入七億ドルのうちに、五億ドル近くが今の臨時的なものと言えば言い得るのであります。従いましてドル不足の問題は、今の状態では特需関係あるいは米軍の消費等がありますから、ドルはたまつて参りますが、輸出入本来のかつこうから申しますと、輸入超過になりますので、将来をおもんぱかれば、やはりこの際ドルをどんどんかせがなければならぬという状況であるのであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 そういたしますと、二十七年度におきましては、正常な輸出関係による外貨の獲得高はどのくらいになるお見込みであるか。またそれに対しての対策を持つておられるか、それが一つ。  それから朝鮮動乱が停戰となつた場合におきまして——一体この特需は、早く申しますと、朝鮮以外の方面においてもいろいろの特殊なものがあるようでありますから、朝鮮動乱が停戰になつた場合におきましても、この特需の性質を帶びたものがどのくらい入つて来るお見込みであるか、これについての御計画があれば承つておきたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 こまかい数字でございますので、一応資料を出しましてお答え申し上げますが、大体全体を通じまして、貿易、貿易外を通じましては、九千七百万ドルの受取り超過になると思います。大体二十四億ドル程度の受取り勘定の中で、七億七、八千万ドルを、特需並びに貿易外收入と見ておるのであります。すなわち特需は大体三億二千万ドル程度を見込んでおります。貿易外は四億四、五千万ドルであります。そこでこの三億二、三千万ドルの特需関係が、休戰になつたらすぐなくなるかという問題でありますが、私はそうは見込んでおりません。やはり朝鮮の方々のいろいろな消費物質あるいは復興その他につきまして、日本から買い上げることが非常にいいという、いわゆる地理的條件に日本が惠まれておりますので、休戰になつたら特需がそう一度にがた落ちになるとも私は考えていないのであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 そこでこれもついででありますから伺つておきたいのでありますが、ポンド関係でありますが、ポンドの手持高が非常に増加しておる原因は一体何であるか。これは大蔵大臣でも安本長官でもいずれでもけつこうでありますが、このポンドの手持高が非常に多くなつておる原因は何であるか。もとよりポンド地域からの輸入が少くて、輸出が多かつたんだと言えばそれまででありますが、これを放置するときは外貨収支の面から貿易が行き詰まることをおそれますので、このことについて特に伺つておきたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 ポンドが一昨年の暮れに二千万ポンド切れていたのが、一年間に七千五百万ポンドになり、すなわち五千五、六百万ポンドふえた理由はどうか、こうおつしやれば、お話の通りに輸出が伸びて輸入が減つた。しからばなぜ輸出が伸びて輸入が減つたか、と申しますと、大体ポンド地域の物価はドル地域の物価より高いのであります。ドル地域の物価よりポンド地域の物価が高い、これを証拠立てるものはドルとポンドとの換算率一ポンド二ドル八十セントが、二ドル三十セント、あるいは四十セント、すなわち相当のやみ相場があるがごとく、ポンド地域の物価がドル地域に対して高い。そこで日本は原材料をドル地域から持つて来て、製品はポンド地域に持つて行く、そうして安いところの材料で高いところへ持つて行く、こういうので輸出が伸びるのであります。ところで今度逆に申しますと、ポンド地域の物価は高いので、原材料をポンド地域より輸入するよりもドル地域から輸入した方がいい、そういうことになるのであります。そこでドルとポンドとのやみのないことを望み、ドルとポンドとの換算が自由になることをわれわれは望んでおるのでありますが、今の英国の状況から申しましたら、そうは参らないようであります。これが重大な問題でありまして、われわれはそういう場合でございますから、できるだけドル地域からの輸入をとめて、ボンド地域から輸入してほしい。また輸出もポンド地域への輸出を制限したらどうかという議論もそこから出て来るのであります。日本の将来から申しまして、ポンド地域への輸出を制限するということよりも、輸入を促進すべきではないか、こういうことでやつておるのであります。財政演説で申し上げましたように、金融のあつせんをするとかいろいろな手もあります。またドルの方へはドル・ドライヴとして、ドルの輸入を促進するという方法をとるべく努力いたしておりますが、これだけでも足りないというような場合におきましては、私は今後の情勢を見まして、いろいろな金融財政的の措置を講じて、何と申しますか、片貿易を是正して行きたいと考えておるのであります。しかし何分にも問題はポンドが強くなることを望み、またわれわれとしては強くなると同時に、ポンド地域からの輸入を極力いろいろな施策を講じてやるべきだ、こう考えておるのであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 それから二十六年度の予算と比較をいたしまして、二十七年度の予算に弱点があると思われる点について伺つてみたいのでありますが、二十六年度は予算の中に九百億ものたくさんの用意されてあつたインヴエントリー・ファイナンスが、二十七年度は半分以下の三百五十億というものに減ぜられております。また歳入歳出の均衡がとれておることはもとよりでありますが、この歳入歳出の均衡をとるにつきまして、ひとりインヴエントリー・ファイナンスだけでなくして、他の部面におきましても経費の流通によつて均衡を保つておる、こう思われる点があるのでありますが、二十六年度までは今までの余裕によつてそれができたといたしましても、二十七年度総予算を大観をしてみまして著しく財政の幅が小さくなつた、こういう感じがするのであります。これらの点についてできるだけ納得の行くような御説明を伺つておきたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 結論から申しまして、財政の幅が狭くなつたとは考えておりません。御心配になつておられまするインヴエントリー・ファイナンス、すなわち外為会計の繰入れ八百億円が三百五十億円に減りました理由は、貿易は伸びて来ます、また外貨の受取り支拂いの勘定も増大して参つたのでありますが、極力輸出入をバランスさせて、外貨の受取り勘定も、昭和二十六年は一億七千四百万ドルの受取り超過と相なつた。それが先ほど申し上げましたように、昭和二十七年度におきましては九千七百万ドル、こうなつて参りますので、インヴエントリー・ファイナンスは九千七百万ドルの円換算題三百五十億円で足りるのであります。従つてこの二十六年度の外貨の受取り超過額は一億四千七百万ドルでありますが、このうち政府勘定の四千数百万ドルを除きますと、二十六年度のインヴエントリー・ファイナンスというものは四百億程度でよかつたのであります。ただそれが昨年の四月一日からユーザンス制度の改正によりまして、特別に四百億程度のものがいつたのであります。従いまして昭和二十七年度は外貨の受取り支拂いが九千七百万ドルで済みましので、三百五十億円でいい、こういうことになつたのであります。それでありますから、これによりまして政府がわきへとつておく金が少くなつた。従つて、幅が狭くなつたんではないかという御質問でございすが、私は理想といたしましては、この外為特別会計への繰入れ、インヴエントリー・ファイナンスというものはない方がいい、今年は理想に近づいて来たというわけで、幅が少くなつたとは考えておりません。従いまして、内政費におきましても——平和関係諸費がふえましたが、昨年度よりは相当ふえて来ておるのであります。内政費が、六千三百数十億円が六千四百九十億円、百五十四億円ほどふえて参りましたが、この百五十四億円にインヴエントリー・ファイナンスの五百五十億円を加えまして、七百億円というものが内政費が実質的にふえた、こういうことになるのであります。従いまして公共事業その他民生安定等に相当の金が今年はまわりましたので、昭和二十六年度よりも——平和関係諸費がふえましたが、内政費も相当ふえて行つた、こう言い得ると思うのであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 次に、資本の蓄積が日本経済を強くするために、何よりも大事なものであることはもとよりなのでありまして、その資本の蓄積に関してどういう計画を持つておられるか、できるだけこれは具体的に、御答弁を願いたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 資本の蓄積につきましては、財政演説でも極力強調いたしておきましたように、日本の生産力が伸びると同時に物価が上つて参りまして、今までの資本の蓄積では不十分であります。七年々相当の資本の蓄積がありますが、経済力の発展、物価の上昇に伴わない。それがいゆわる銀行のオーバ・ーローンとして現われておるのであります。そこで私は、まず民間資本の蓄積といたしましては、企業ができるだけその経費を切り詰めて生産増強をし、生産設備の合理化をして増産、いい品物を安くたくさんつくらなければならぬ、こういうふうに努めていただき、また個人生活におきましても、極力節約をして行つて、貯蓄に向つて行つてもらわなければならぬと思います。企業の方の蓄積も、累年幾何級数的に伸びて参りまして、私は、昭和二十六年度におきましては、三千数百億円の企業の積立金増加、あるいは償却金額が伸びると思う。前年の千五百億、前々年の六百億円に比べまして、幾何級数的にふえて来ております。やはりこれを持続いたしたいと考えております。しかしてまた個人の方につきましても、できるだけ節約をお願いいたしまして、税制におきましても、資金が正常なルートで銀行その他の機関に集まり、たんす預金などが皆無になるような、税制上の方法を講じたい。すなわち無記名預金を認めるとか、あるいは国民貯蓄組合の三万円の限度を引上げるとか、郵便貯金の利子を引上げる、あるいは預入限度を引上げる、あるいは生命保険料の控除をふやすとか、あるいは相続税におきまして生命保険金の控除をふやすとか、いろいろな税法上の手を講ずると同時に、貯蓄債券等の新規の発行をやる、こういうふうにいたしまして、また片方では、国民各位に極力貯蓄を願いますように、一大貯蓄運動を展開する、こういう方法で行きたいと思うのであります。しこうしてまた資金の蓄積と同時に、証券関係におきましても、最近株価も上つて参りまして、増資も非常にたくさん行われるようになりました。昨年度におきましては七百五十億円の増資が相当楽に行つた。今後におきましても、今のような株価の状態ならば、相当増資も楽に行けるのではないか。そういうことから考えますと、証券流通に対しまして、今の手数料の引下げとか、あるいはまた譲渡所得の軽減、できれば撤廃、こういうふうな方法で、資本の流通の面におきましても、また集まつた金につきましても、不用不急の方に使わないで、資金の使用を効果的にするように、金融機関の諸君にも注意を促しておる状況でございまして、私は企業も個人も政府も一致協力しまして、昭和二十七年度こそは、極力貯蓄の増強、資金の蓄積に努めたいと思います。資金の蓄積に努めれば、即それが外資の導入を促進をすることに相なろうと考えるのであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 私の予算に関する質問は、主として講和関係並びに防衛力関係のことを質問申し上げると冒頭に申し上げたのでありますから、大体終るのでありますが、ここにあと二点だけを伺つておきたいと思うのであります。  それは昭和二十六年度以前の災害復旧費は、五百億を計上いたしまして、二十六年度以前のものの三割を復旧する、こういう御説明であつたのでありますが、三割を復旧いたしたあと、あと二年間において、二十七年度以後に生ずる災害もあわせて、前の二十六年度以前の残つた七割の災害復旧というものもこれを完遂することのできる計画を持つておられるかどうか、念のためにこのことを伺つておきたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 お話の通りに、二十六年度以前に発生いたしました災害の復旧につきましては、二十七年度並びに二十八、二十九の三年度で完成いたしたいという考えを持つております。御承知の通り、過年度災害は、昭和二十一年の大災害以後、毎年々々重なつて参つておりますので、過年度災害のほんとうのヴオリユームがどれだけかということは、重複した等の関係でなかなか困難でございます。関係当局におきまして十分精査いたしまして、そして大体三年計画で過年度分はやつて行こう、こういう考えでおるのでございます。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 最後に戰争犠牲者の遺家族援護の問題でありますが、議事進行の名において、野党の諸君から盛んにこの問題を材料に引かれておつたようでありますが、伝えるところによりますと、当時の橋本厚生大臣が三百億を要求いたしたが、大蔵大臣がなかなか言うことを聞かなかつた、こう言われておるのでありますが、私どもはそういうことは簡単に信じません。国家財政の現状とにらみ合せ、国民全体の負担力というものを考えて、この問題を処理して行かなければならないことはもちろんでありまして、特に戦争犠牲者の遺家族には、著しく生活に困つておる者もありますが、気持の上におきまして、いわゆる国家から與えられるところのものを、名誉のものとして與えられるということにおいて満足する、こういう気持の人も相当多数におるのでありますから、私どもは二十七年度に計上せられました二百三十一億、これをもつて国民に、いわゆる遺家族に満足してもらうような最善の方法をいたしたいと思つております。来年度におきまして、この問題についてできるだけの援護の方法を講じていただきたいと思うのでありますが、来年度についてはどういうお考えをお持ちになつておりますか、このことを伺つておきたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 軍人遺家族の方並びに傷痍軍人の方に対しましては、先般来申し上げておりますごとく、まことに敬弔の念にたえず、御同情申し上げておるわけであります。問題は、戰争犠牲者という大きい問題があるのであります。これはもちろん、最も犠牲にあわれた方が戰病死者の方であることは、異論はございません。しかし広くこれを考えますると、軍人恩給の問題もございますし、在外財産の問題もございます。また原子爆彈その他で非常なひどい目にあわれた方もありまするし、また戰災によりまして家を焼かれ、一定のごく少額の保險金で棒引きされたのもあります。また預金をしておつた人が切られたのもある。いろいろな点がありますので、われわれは十分なる検討を加えなければなりません。大蔵大臣の一存でこんな問題はきめられない、また橋本厚生大臣と大蔵大臣だけでもきめられない、大きい問題であるから、閣議で十分討議しよう、こういうので、実は閣僚中から小委員を設けまして、数次にわたつて検討を加え、しかもまた党との関係もありますので、小委員中から二人の方をお願いいたしまして、そうしてそういう方方の結論によつて大蔵大臣はやつたのであります。大蔵大臣は閣議、小委員会、またあつせん役のお二人並びに党の意見を聞きまして、その一致したところで、二百三十一億六千六百万円ときめたのであります。こういう問題は、大蔵大臣が金があるかないとかいう問題ではないのであります。この点を十分私は全国民の方、ことに軍人遺家族の方に御了解を得たいと思うのであります。八十億とか五十億とか百億とかいう問題ではございません。将来の日本を考え、将来の日本の財政状況あるいは国民負担の状況を考え、戰争犠牲者のあらゆる点を考慮に入れて十分検討したもので、大蔵大臣一個の意見ではないのであります。しかし今の状態から申しますると、賠償その他の国際関係もございます。しかしこの問題もほうつておけないというので、私はある大臣から、軍人遺家族に対して出す額以上の賠償の要求をされることは、これはあり得るぞということも聞いておるのであります。しかしこんな問題と兼ね合せのできない国内の重大問題であるというので、愼重に皆さんの意見を聞き、皆さんの意見通りに私はいたしておるのであります。ただその点で皆さんの意見が橋本君の意見と合わなかつたということは遺憾でございまするが、大蔵大臣としては全閣僚その他の意見を十分聞いてやつたということは間違いのないことであります。しかしいかにも気の毒だ、しかしてまたそういう問題につきましては、私が財政演説で申し上げましたように、将来十分これを考えなければならぬ、しかし財政の現状、国民負担の将来の問題から考えて、ただいまのところ、この程度でごがまん願いたい。何もお燈明料というようなことは一度も言つたことはない。弔慰金であります。よく誤り伝えられておりますが、このことは非常によくないことで、せつかく出します金が、せつかく出します百七十五億円の年金と八百八十余億円の公債の利子を加えて二百三十一億六千六百万円の金が、ほんとうにありがたい金、こういうふうにみんなが、建設的に、ありがたいという気持でやつていただきたい、いたずらにごたごた問題を起して、せつかく使う金が意味をなさぬようになつてはいかぬので、われわれは今後におきましても、二百三十一億六千六百万円の金の使途につきましては、その後においても検討を加え、またこういう問題につきましても、今後財政が許せば、他の戰争犠牲者との兼ね合いを考慮いたしつつ、善処いたしたいということは、申し上げておる通りであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎(末)委員 最後にこの問題についての要望を申し上げておきたいと思いますが、ただいま大蔵大臣の御答弁の通りに、私どもも了承するのであります。一体野党の諸君は、自分たちの内閣の当時には、こういう問題に対しての何らの手を打とうともしなかつたにもかかわらず、せつかく賠償等の問題で苦労をしながら、現内閣におきましてこの問題を取上げて、その実現をはかつて、気の毒な戰争犠牲者の遺家族に対して、その援護をしようとするのに、いたずらにこれを悪く宣伝をいたしたり、自分たちの内閣であつたならばできもしないような多くの金額を吹きかけて、宣伝をいたしてみたりするような傾向があることは、嚴に慎むべきであるとは思うのでありますが、政府の方におかれましても、今おつしやつたようなそういうやり方についての正しい認識を国民に與えるために、この種の問題をお取扱いになるにあたつては、十分にそれらの真相を伝える、いわゆるためにせんがための宣伝なんかに惑わされないように、よい認識を国民に與えるような、こういう手段について特段のごくふうを願つておきたい、この段を要望いたしておく次第であります。  これをもつて私の大蔵大臣に対する質問を終ります。他の閣僚に対する質問は他の機会にこれを讓ることといたします。

塚田十一郎自由党

○塚田委員長 本日はこの程度にとどめまして、明日は午前十時より委員会を開会し、質疑を継続することといたします。これにて散会いたします。     午後三時二十二分散会

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