予算委員会 第3号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/01/29
会議録
○塚田委員長 会議を開きます。 昭和二十七年度一般会計予算、同じく特別会計予算、同じく政府関係機関予算、右各案を一括して議題に供します。 この際お諮りいたすことがあります。総予算につきましては、国会法第五十一條によりまして公聴会を開かなければならないことになつておりますが、その開会の手続等につきましては、一切委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塚田委員長 御異議がなければその通り決します。 議事進行について川崎委員より発言を求められております。この際これを許します。川崎秀二君。
○川崎委員 昨日来予算委員会が開会されまして、審議に入る前におきまして、われわれ野党側は今回提案を見ました予算書が不備である点、ことに財政法を明らかに侵しておる点、この財政法背反のこととからんで、憲法背反の疑いもある、こういう問題で委員長の所信をただし、また委員長を通じて政府側の見解を聞いたわけであります。しかるところ、財政法第十四條二項によつて提案を見たるところの部分について、昨日川島委員と池田大蔵大臣との質疑応答を通じて明らかにされたところは、大蔵大臣の答弁を見ますると、財政法の改正は昭和二十二年度並びに昭和二十四年度の二回にわたつて前例があることであるから、従つてこれに基いてやることは何ら違法でないという強引なる答弁でありまして、少しもその内容について触れるところがないのであります。今回の改正の問題と前回の改正とは明らかに異なつておる。昭和二十二年度の改正は、もとより大蔵大臣が言われておるように、財政法施行の最初の機会であつて、いわば今回の改正よりも大きいことは間違いない。しかしそれは法律の根拠がない。ことに新憲法がしかれて、日本は古き世界から新しき世界へ飛躍するという混乱期にあつたときのことであつて、これを施行する根拠がないのである。従つて財政法施行に伴つて予算案が出るのは、これは当然のことである。そんなことを今ごろ持ち出すという感覚と常識を私は疑う。それから第二回目の改正はいかなる改正であるかというと、これは款項目の整備配列、朗らかに事務的な取扱いでありまして、今回の改正案のごとく、財政法があつて、そうしてそれに、予算の根幹に触れるような改正をすることとは、おのずから別の問題であるのであります。しこうして継続費の問題については、目下参議院において審議中でありまして、その参議院において審議中の内容なるものは、継続費そのものについてこれを設置するということは、憲法背反の疑いがあるという学者の説があるのであります。昨日この問題については、会計年度の問題と関連して、大蔵大臣は多数の学者はこれを採用しておるのだというような言論をなされておるが、憲法註解等権威ある所説に従うならば、多数の学者はむしろ継続費は新憲法の精神においては、これを認めることができないという解釈をとつておるのであつて、憲法の権威である佐々木惣一博士もこれを裏書きしておるのであります。もとより少数学者とみなされる者の中には、前憲法並びに新憲法を通じての権威であつた故美濃部博士のごとき有数なる学者もあります。しかしながらこのことについては多くの疑義があつて、しかもそのことがいまだ解決せられざる以前において、この改正案にのつとつて出して来たということは明らかに財政法背反であり、憲法背反の疑いがあるのでありまして、このことをわれわれは予算審議の以前に解決をせんとしたのであります。野党の精神は、憲法遵守、財政法遵守の立場から発したるところの正義の議論であつて、これに対して前例に籍口して強引に押し切らんとするごとき蔵相の態度は、はなはだ遺憾であります。しこうしてその言辞の中には、参議院で審議中であつて、これはすでに衆議院を通過した問題だからよろしいではないか。その言辞やまさに一党専制、衆議院では池田蔵相の所属されておるところの自由党というものが絶対多数を擁しておるのだから、こんなものはいつでも通ります。それさえ通ればよろしいというような態度、これは明らかに国会軽視、参議院の存在を無視する態度だといわなければならぬと思うのであります。従つてこの際委員長は大蔵大臣がかかる不誠意な、前例に籍口して、その前例も前例とすべからざる前例に籍口して、かかる言辞をなしておるごとについては、委員長の権威をもつて私は嚴重なる警告を発していただきたいと思うのであります。もとより今度の予算書の問題で提起した問題は、決してひとり財政法背反の問題だけではない。現下国民注視の的であるところの日米行政協定がいまだ明かにならざる以前において予算が先行するなどということは、国民を愚弄する、これよりはなはだしきものはありません。五百六十億という巨額を単に安全保障のための措置費の名目において使うのだ、内容が少しもわからないところで審議を開始したならば、国民は何と言うか。このことを私どもは選良の一員として厳粛に反省をしなければならぬ今日の段階であります。ことに本日新聞紙上によるならば、岡崎国務大臣のごときは、ラスク氏が来訪しての折衝の記事の中に驚くべき放言を放つている。なぜならば、予算はすでにきまつているのであるから、かかるものに対して行政協定がどうなろうとかまわぬ、行政協定 はアメリカ軍の出すものに従つてやればいいのであつて、日本側から出す案は出さないかもしれぬなどという、まさに隷属根性、奴隷根性を表わした言辞を放つておるのであつて、このことは予算審議の前に解決をしておかなければならぬ重大な問題であると思うのであります。それらをも勘案しまして、今日私が議事進行について発言を求めたるところのゆえんは——今回野党側が提起しておる問題は、予算審議の開始にあたつて当然解決をしなければならぬ問題についてわれわれが問題を提起しておるということをあらためて強調するとともに、委員長から大蔵大臣の委員会におけるところの質疑応答についての不誠意なる答弁について、警告を発していただきたいということであります。 以上をもつて議事進行に関する発言を終ります。
○塚田委員長 川崎委員の御意見はお聞きの通りでありますが、今後一層の誠意と懇切さをもつて御答弁あらんことを大蔵大臣に委員長より希望いたします。 —————————————
○塚田委員長 これより政府の説明を求めます。池田大蔵大臣。
○池田国務大臣 昭和二十七年度予算の編成に関する基本方針並びに予算の大綱につきましては、過日本会議において説明いたしましたが、予算委員会の御審議をお願いいたすにつきまして、あらためてその内容を御説明申し上げます。 まず歳出について申し上げます。第一に、平和回復に伴う措置といたしましては、防衛支出金六百五十億円、警察予備隊費五百四十億円、海上警備救難に関する経費約七十三億円、安全保障諸費五百六十億円、連合国財産補償費百億円、平和回復善後処理費百十億円、総計約二千三十三億円を計上いたしました。 防衛支出金は、日米安全保障條約に基いて駐留する米軍の必要とする経費の一部をわが方において負担する結果支出を予想される経費でありまして、従来占領軍のために負担しておりました終戦処理費とは根本的に異なるものであります。経費の内容といたしましては、借料、運輸通信費、需品費、光熱費、労務費等が予想されるのでありますが、とりあえずこれらの経費を両国において分担することになるものとして積算いたしました。近く行政協定の締結によつてこれらの負担関係は具体的に定められる予定であります。 警察予備隊につきましては、現在の人員七万五千名を本年九月より三万五千名増員するとともに、部隊の配置がえ等に伴う営舎等の建設、機能の強化に要する装備の擴充等をはかることといたしました。その経費の内訳は、現在の七万五千名に対する分として三百五億円、増員の三万五千名に対する分として二百三十五億円であります。 海上保安庁につきましては、沿岸警備力を増強するため、船艇六十隻を増備する計画のもとに、これが要員として警備救難関係業務に従事する現在の人員約八千名を来年度中におきまして約六千名増員するとともに、これを収容するための基地施設の整備等をはかることとし、所要の経費を計上いたしました。 安全保障諸費は、治安の確保を期するため、警察予備隊および海上保安庁に計上いたしました経費のほか、さらに特段の措置を講ずるために設けたものであります。その使途として予想されますものは、たとえば平和條約の発効後米軍が大都市の中心部から周辺地区に駐留場所を移動いたします場合、これに伴う営舎、住宅等の建設に必要な経費、右の移動に伴う有線無線通信施設その他営舎関係諸施設ないし附属工場、各種荷役設備等の建設に必要な経費、巡視船等の装備の強化、監視施設の充実に必要な経費、治安に関する機構の整備、学校その他教育訓練機関の設置に必要な経費等があげられるのであります。これらの経費の内訳につきましては、今後における諸情勢の推移により、内容がさらに具体化するのをまつて配分を適切に行いたい所存であります。 連合国財産補償費は平和條約に基き、連合国財産について、戦争の結果生じた損害に対し、補償を行うために必要な経費でありまして、連合国財産補償法第十九條の規定に従つて計上したものであります。 平和回復善後処理費は、連合国に対する賠償、対日援助費の返済、外貨債の債還、その他対外債務の支拂い及び占領によつて損失をこうむつた本邦人に対する補償等を予定いたしておるのであります。賠償を初めとする対外債務の処理につきましては、平和條約の精神にかんがみ、わが経済力の許す範囲内において、できるだけ円満な解決に努め、友邦善隣の関係を確立いたしたい考えであります。 以上申し述べました平和回復に伴う諸経費の計上にあたりましては、国民経済に過度の圧迫とならないよう、あとう限りの配意をいたしたのであります。右の諸経費を除きましたいわゆる内政費は総額六千四百九十四億円でありまして、本年度予算のこれに対する金額六千三百五十九億円に比して、百三十五億円を増加いたしており、外国為替資金に対するいわゆるインヴェントリー・ファイナンスを内政費から除外して計上いたしますれば、右の増加額は五百八十五億円と相なるのであります。 第二に、経済力の増強のための措置といたしまして、まず重点を置きましたのは、食糧増産対策であります。わが国の食糧事情は年々三百万トン以上の食糧を海外に依存する状態でありまして、これに要する外貨は毎年三億ドルに上るのであります。今後の人口増加による需要量の増大に対応するためにも、また国際収支の観点からいたしましても、食糧自給度の向上をはかることは最も緊要な施策であると考えます。これがため昭和二十七年度予算におきましては、食糧増産対策経費として四百三億円を計上し、前年度に比較いたしまして約百億円を増加いたしました。その内訳のおもなるものは、土地改良事業及び開墾、干拓事業の推進のための経費二百十九億円、農業共済保険事業の改善充実等のための経費百六億円、農業の生産性を向上し、農業経営の改善をはかるために農業経営改善費として二十五億円、病虫害による主要食糧の減産を防止するために病虫害防除費として十一億円、有畜営農の確立等のための畜産振興費として六億円等であります。 なほ主食の統制に関しましては、さしあたりこれを存続する建前のもとに予算を編成いたしました。 次に国土資源維持開発のための公共事業費は、災害の復旧及び治山治水事業に最重点を置き、昭和二十六年度以前にこうむりました全災害の約三割を来年度中に復旧する予定であります。また河川事業につきましては、電力不足の現状にかんがみ、電源開発を兼ねた総合開発事業としてこれを推進する計画であります。その内訳は、河川、砂防、道路、港湾等の一般公共事業費五百八十四億円、災害復旧公共事業費五百億円でありまして、前年度に対しまして、一般公共事業費におきましては百億円、災害復旧公共事業費におきましては、百二十九億円を増額計上いたしております。 財政資金による出資ないし投資につきましては、まず経済基礎の充実をはかるための産業資金等の供給といたしまして、一般会計、資金運用部資金及び見返り資金を合せまして、千百八十五億円を予定いたしております。そのおもなものは、日本開発銀行へ百七十億円、日本輸出銀行へ七十億円、国民金融公庫へ五十億円、住宅金融公庫へ百五十億円、農林漁業資金融通特別会計へ二百億円、電力開発資金へ三百六十億円、造船資金へ百四十億円等であります。明年度におきましては、対日援助の打切りによつて、見返り資金は四百億円以上の支拂い超過となるのでありますが、一方、資金運用部における収入の増加と運用計画の調整とによつて、これを相殺することといたしております。 一般会計から外国為替資金への繰入れ、その他いわゆるインヴエントリー・ファイナンスは、本年度の九百三十七億円に対して三百五十億円と、著しい減少になるのでありますが、これは経済の正常化等に伴つてその必要が減じたためでありまして、均衡財政の原則は従来通りこれを堅持しつつ、金融面における施策と相まつて、経済の健全な運営をはかりたいと考えております。 貿易の振興は自立経済を達成するために欠くことのできない要素でありますが、現下の問題はドル地域向けの輸出の増強と、ポンド地域からの輸入の促進にあることは御承知の通りであります。来年度におきましては、政府は輸出信用保険制度を擴充して、新たに輸出金融保險を設け、ドル地域向けの輸出資金を融通した金融機関の損失を補填することといたしました一方、わが国の必要とする原材料を極力ポンド地域に求めるため、これが開発に要するプラントのポンド地域向け輸出に対し為替補償の制度を創設する方針であります。 交通通信施設につきましては、その老朽化の現状にかんがみ、あとう限り設備の復旧と更新に努めましたほか、鉄道電化の促進、新線の建設等を予定いたしております。 第三に民生の安定及び文教の振興のための施策といたしましては、まず生活困窮者の保護のための生活保護費として二百四十六億円、健康保険その他社会保険の充実のために五十三億円、結核対策費として九十三億円、失業対策経費として百二十九億円を計上いたしまして、民生の安定に関する必要な経費の確保をはかりました。 なお住宅事情の急速な改善に資するため、住宅金融公庫に対し一般会計から五十億円、資金運用部から百億円の資金を供給いたしまして、来年度において五万戸の住宅建設を予定いたしましたほか、公営住宅建設に対する補助として四十七億円を計上し、庶民住宅約二万三千戸の建設を確保することといたしました。 次に戦死者遺家族及び戦争による傷病者に対する援護に関しましては、政府は財政の現状及び将来の国民負担をも考慮の上、現在としてあとう限りの措置を講ずることといたしました。すなわち遺族年金百五十六億円、障害年金十七億円、戰傷病者更生援護費七億円、その他遺家族子弟育英費、合同慰霊式典費等を計上いたしましたほか、交付公債約八百八十億円をもつて遺族一時金に充てることとし、その利子所要額を国債費に増加計上いたしております。政府は、戦死者に対しましてあらためて敬弔と感謝の意を表し、遺家族及び傷病者の方々に対しましては、深い同情の念を抱くものでありまして、なお今後とも財政事情の許す限り、援護の充実を期する所存であります。 文教の振興につきましては、六・三制校舎の急速な整備を行うため、三十七億円を計上し、これによりまして校舎その他二十五万六千余坪の建築を予定いたしております。これにより六・三制実施に伴う校舎等の整備は一応完成する予定であります。また職業教育につきましては、その施策の充実に特段の配意を加え、産業教育振興費として六億円を計上いたしました。学術振興のための方策といたしましては、国立大学における研究費等に十五億円を増加計上するとともに、学術振興費として七億円を計上いたしております。 次に地方財政につきましては、平衡交付金を前年度の千二百億円から千二百五十億円に増額いたしますとともに、別途資金運用部資金による地方債引受のわくを、前年度の五百億円から六百五十億円に擴張いたしました。最近地方財政は逐年膨脹の一途をたどり、昭和二十四年度に三千七百億円程度でありましたものが、昭和二十七年度は七千億円にも達しようとし、かつ財政困難の声が高い実情であります。このような地方財政の状況に対しましては、政府並びに地方公共団体ともに根本的な検討を加え、行政事務の刷新簡素化、歳入の確保、経費の節減及びその効率的な使用等につき、特段のくふう、努力が肝要であると存じます。 次に歳入予算について申し上げます。歳入予算の内訳は、租税及び印紙収入六千三百八十一億円、日本専売公社益金千二百五億円、雑収入等六百七十二億円、前年度剰余金受入れ二百六十八億円となつております。 租税及び印紙收入につきましては、最近の収入状況及び明年度における生産、物価の動向を予測してその見積りの適正を期したのであります。すなわち所得税、法人税等はその課税実績を元とし、国民所得算定の基礎となつた生産、物価及び雇用、賃金等の指数を参考としつつ、また経済の実情を極力勘案いたしまして、その収入を算定いたしました。特に法人税につきましては、課税実績のうちには朝鮮動乱の影響等による異常利益に基くものも含まれておりますので、これらを調整するよう特別の配慮を加えました。また酒税、物品税、砂糖消費税等間接税収入は、来年度の生産、販売、輸入等の見通しを十分考慮に入れて算定いたしております。今後生産、物価ともに堅実な歩みを続け、国民所得も順調に増加するものと考えられますので、六千三百八十一億円の租税及び印紙収入は、これを確保し得るものと考えております。 税制に関しましては、先般所得税の軽減を中心として、租税負担の合理的調整の措置を講じたのでありますが、今回はこの所得税の軽減を維持平年度化しますほか、所得税及び相続税につき一層負担の合理化をはかるとともに、課税の簡素化及び資本の蓄積に資するため、税制改正を行うこととし、近く所要の法律案を提出いたす予定であります。その概略を申しますと、まず所得税につきましては、さきに臨時特例法により実施した控除及び税率の改正を平年度化するほか、新たに生命保険控除の限度の引上げ、譲渡所得、一時所得及び山林所得に対する課税の軽減と簡素化等をはかることとしております。次に相続税につきましては、税率の引下げ、基礎控除及び生命保険金控除の引上げ、退職金控除の新設等の改正を予定しております。また法人税におきましては、徴収猶予の場合の利子税を引下げることといたしますほか、本年四月以降砂糖の統制廃止を行うこと、並びにその最近の負担の状況等を考慮いたまして、砂糖消費税の税率及び砂糖に対する関税率の引上げを行う考えであります。 以上一般会計歳出及び歳入について申し上げましたが、次に特別会計及び政府関係機関について概略申しますと、昭和二十七年度特別会計予算は、外国為替資金外三十三の特別会計に関するものであります。前年度まで存置してありました財産税等收入金特別会計はこれを廃止いたし、残務の整理は一般会計に引継ぐことといたす一方、新たに特定道路整備事業特別会計を設置することといたしました。特定道路整備事業特別会計は、産業の振興上における道路の重要性にかんがみ、新たに有料道路の制度を設けて、道路交通の画期的向上を期する目途をもつて設置したものでありまして、本会計においては、資金運用部資金十五億円をもつて関門国道その他特定の道路整備事業を推進し、将来の道路使用材の収入により資金の償還をいたすこととしているものであります。 次に昭和二十七年度政府関係機関予算は、日本専売公社、日本国有鉄道のほか六機関に関するものでありまして、前年度において存した各公団、持株会社整理委員会及び証券処理調整協議会はいずれも解散し、おおむね清算を結了いたしましたので、来年度の予算は計上されておりません。なお閉鎖機関整理委員会及び商船管理委員会も本年度限りで解散いたし、来年度においてはその清算事務のみが残ることとなつております。 以上昭和二十七年度予算について、その概略を説明いたしましたが、御審議に際し御了解をお願いいたしたいのは、先般の臨時国会に予算制度の合理化、会計事務の簡素化等のために、財政法等の改正法律案を提出いたしまして、御審議をお願い申し上げ、現在参議院において継続御審議を煩わしている次第でありますが、昭和二十七年度予算は、その改正案の趣旨に従つて編成いたしましたため、新たに継続費を設けるほか予算科目区分の改正等をいたしていることであります。 なお、裁判所の予算のうち施設費につきましては、内閣は裁判所の要求にかかる歳出見積額を減額いたしましたので、財政法第十九條の規定に基き、一般会計予算にその詳細を付託いたしております。なお詳細は政府委員から御説明いたします。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されるようお願いいたします。
○塚田委員長 午前の会議はこの程度にとどめまして、午後一時三十分より委員会を再開して、政府委員より説明を聴取することといたします。 これにて暫時休憩いたします。 午後零時十三分休憩 ————◇————— 午後二時十七分開議
○塚田委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 午前に引続き予算各案につきまして政府の説明を求めます。河野主計局長。
○河野(一)政府委員 大蔵大臣の説明に引継ぎまして補足いたします。 お手元に昭和二十七年度予算の説明というのが行つているのでありますが、まず一般的な説明について申し上げたいと思います。この予算に組みました予算単価の問題でありますが、大体昨年の十月ないし十一月、ごろの物価事情を基礎にして組んでおります。十月と申しますと、二十六年度の補正予算の出た時期でありますが、具体的には大体において補正予算の単価を使用いたしまして、それに必要に応じて調整を加えておるわけであります。補正予算は大体八月ないし九月ごろの物価事情で編成されておるのでありますが、その後物価は多少上つております。しかし金属等につきましては、大体八月を頂点にいたしまして多少その後下つておるので、そういつた関係の調査はございます。例で申しますと、鉄道の石炭は昭和二十六年度の当初予算では六千二百カロリー、三千八百七十円、補正予算では五千百八円ということで組んでありますが、今度の予算では六千四百カロリー、五千五百八十一円ということになつております。レールにつきましてはトン当り四万九千円を越えておりません。まくら木におきましても一本六百四十四円を越えておりません。郵政、電通におきましては、補正予算当時の單価と大体同様であります。但し十一月から鉄道、郵便料金、通信料金がかわりましたので、その限度においては単価をかえてございます。食糧につきましては昨年の八月から改訂せられました消費者価格、つまり米十キロ六百二十円、麦五百五十五円ということで予算が組んでございます。 次は国民所得の問題でございますが、二十六年度の国民所得四兆六千六百億、二十七年度は五兆二百七十億、この国民所得の基礎になつておりますのは鉱工業生産指数一四〇・六、CPI一六三・二、産業活動指数が一四六・一、卸売物価指数四八二、具体的な生産で申しますと、石炭が四千九百万トン、普通鋼鋼材が四百六十万トンといつたようなベースで国民所得を計算してあるわけであります。 次は国際収支の問題でありますが、これは後ほど理財局長が詳しく説明いたすと思いますが、受取りが二十三億八千万ドル、支拂いが二十二億八千三百万ドル、差引九千七百万ドルの受取り超過ということで、外為のインヴエントリー・フアインナンスを組んでおるわけであります。 第四に食糧の問題でありますが、これは大蔵大臣の説明にもありまする通り、統制は一応存続するという建前で組んでございます。パリテイは二五五ということになつております。その結果生産者価格が米の現在七千三十円が七千二百十四円、大麦、これは四十五キロでありますが、千百四十五円が千二百二十五円、裸麦千八百四十八円が千九百七十七円、小麦千七百十四円が千八百三十四円、裸麦、小麦は大十キロでありますが、そういう生産者価格になるのであります。従つて理諭上は、リプレース・コストで行きますと多少上るのでありますが、中間経費の節約によりまして、現在の消費者価格を上げる必要はないというふうに考えて、消費者価格を動かさずに組んでございます。買入れは内地米二千八百二十五万石、内地の麦は玄米石で七百八十七万石という計算になつております。輸入は到着ベースで三百五十一万七千トン、米は百一万トン、大麦は七十一万六千トン、小麦は百七十一万九千トン、CIF価格は米で百七十二ドル、大麦が平均百ドル、これはポンド地域で百十ドル、ドル地域は百三ドル、小麦協定は到着ベースで八十四ドル、これをウエート平均にいたしまして大体百ドルということに相なります。小麦は、一般の小麦は九十七ドルということに考えております。これが予算の基礎的問題であります。 次は予算の総括的な分析の問題であります。まず財政規模五兆二百七十億に対する八千五百二十七億というのは、これは大蔵大臣が本会議でも言われました通り、一七%ということになつておりまして、前年の同様な数字も大体一七%でありますので、財政の規模としてはふくれていないということに相なります。 これを支弁すべき財源の問題でありますが、予算の説明の十八ページの左の欄にあります。租税及び印紙收入、二十七年度、二十六年度と並べて書いてありますが、租税及び印紙収入が六千三百八十一億、専売納付金が千二百十三億、以下書いてあります。租税收入は後ほど主税局長から御説明がありますが、現在の税法を基礎といたしたものでありまして、この前の改正前の税法で行きますと、七千百四十億というのが、改正前の税の姿でありまして、これに比較いたしますと、七百五十八億ほど減税になつておるわけであります。 それから専売でありますが、このうちタバコの分が千二百五億でありまして、あとはアルコール専売益金になつております。タバコが八百三十四億本から八百六十八億本に販売がふえることになつております。官業益金以下が多少減つておりますが、これは貿易特別会計の収入が整理収入の関係、それから復金の出資回収金の関係、復金の納付金の関係、公団の清算の納付金の関係で減つておるわけでおります。こういう関係で、約二百五十億ほど減つております。 それから税の負担の問題でおりますが、六千三百八十一億に対して、千二百五億という専売益金を加えますと、七千五百八十六億というのが今年の税と見られるものでありますが、国民所得に対する割合は一四・五%前年の同様なものは六千七百八十三億円で、四兆六千六百六十億に対する割合は一四・六%で大体同様ということに相なります。 次は歳出の分析の問題であります。これは四ページをごらんになるとわかりますが、いわゆる講和関係経費と申しますか、平和回復経費と申しますか、そういつた経費と内政費との関係であります。平和回復に伴う経費とこの表に上つて上つておりますが、二千三十三億、その他の経費の計が最後に出ておりますが六千四百九十四億、おのおの前年の姿は、平和関係経費が千五百七十六億で、四百五十七億の増となり、その他の経費は、つまり内政費が六千三百五十九億でありますので、百三十五億ふえておるわけであります。しかしその内政費の中にインヴエントリーというものが、前年は九百三十七億、本年は三百五十億でありますので、五百八十七億減つております。従つてこの両方合計いたしますと、インヴエントリーを除く一般経費で七百二十億ほどふえておることに相なるわけであります。この具体的な計数に当つて行きますと、たとえば食糧産で申しますと、前年三百八億が四百二億で約九十四億ふえております。公共事業でいいますと、千二百三十六億で、前年の九百九十四億に対して二百四十二億ふえておる。それから社会保障の経費について申しますと——社会保障の経費と申しますと、四ページの最後の、四の生活保護費五、社会保険費、六、結核対策費、七、失業対策費、こんなものを合せたものでありますが、五百二十六億、前年が四百六十七億で約六十億ほどふえております。それから教育文化費は三百三十五億、前年が三百十四億で二十一億ほどふえておるのであります。どういう経費の内容の内訳でふえておるかということは、この各表をごらんになつていただきたいと思うのであります。 それから次は財政投資の問題でありますが、財政投資は、二ページの右の欄をごらんになりますと、産業等投資内訳というのが出おりまして、二十六年度が千四百三十七億、二十七年度は千百八十五億でありますので、少し減つております。これは見返り資金の投資の関係が減つたのでやむを得ないのでありますが、これを別の面から見まして、財政を通じて、いわゆる回収面まで入れて、つまり開発銀行、輸出入銀行、住宅公庫、そういつたところで過去の投資を回収してまたさらに投資いたしております。あるいは、鉄道におきましても、電通におきましても自分の勘定における益金でもつてまかなう分もございます。こういうことを考えに入れますと、そういう回収まで入れた財政による投資が二千四百七十八億という数字が全体で出ております。前年度が二千四百十四億でありますので、六十億ほど、いういつた回収による財政投資を入れますとふえることに相なつております。その回収まで入れた姿は、この産業投資の千百八十五億の投資が千五百八億になります。前年千四百三十七億という姿が千五百七十四億になります。地方債が六百五十億、前年五百四十七億、公企業、つまり鉄道、郵政、電通等の建設投資が三百二十億、その前年が二百九十五億という内訳に相なるわけであります。 次は定員の問題でありますが、これもうしろの方にたしか表がのつけてあつたと思いますが、結論から申し上げますと、二十七年度末の予算定員は一般会計、特別会計及び政府関係機関予算を通じまして百三十八万六千人、これは予備隊を除いてございます。予備隊が十一万一千人ございますので、これを合計いたしますと百四十九万七千人。行政整理前の姿に比較いたしますと、予備隊を入れた姿において四万八千人減、予備隊関係を除きますと八万二千人ほど減少いたしておることになります。行政整理の既定の方針をそのまま遂行したわけでありますが、一方多少の人員の増加も見てございます。それは一つは学校の学年進行であげまして、六・三・三・四の四年制が今度できる関係、あるいは地方の大学を国立に引取るという関係、そういつた関係で人員の増加がございます。それから病院が新たにできて、そこに医者、看護婦を入れるという問題。それから特別会計におきましては、電話局ができてそこに交換手、その他の要員を入れる、こういつた三つの関係で人員の増加は多少ございますが、全体といたしましては八万二千人、予備隊関係を入れても四万八千人ほど減つておるということに相なつております。 以上総括的な問題について申し上げたのでありますが、大蔵大臣も説明の中で申されました一、二の点について数字だけ指摘いたしておきますと、裁判所の見積り要求に対しまして内閣はこれに応じておりません。つまり、従つて財政法第十九條によつて二重予算を出しておるわけであります。その要求は営繕費についてでありまして、裁判所の要求は九億一千二百万円、内閣の見積り査定では六億六千六百万円ということになりまして、二億四千六百万円ばかりの差があります。これは、もし修正の場合におきましては予備費を減らしてやるというふうに財源を付記してございます。裁判所は大体前年度近くまでの営繕費を御要求になつたのでありますが、内閣といたしましては、営繕費は一般的に減らす方針のもとに、前年の三分の二程度を考えた結果こういうふうに相なつたわけであります。 それから昨日から御議論になつております継続費の問題でありますが、継続費は一般会計において二つとつております。一つは北海道の幾春別川総合開発事業費で、これは総額二十億円で三年の年割、今年度五億円。それから内地におきましては、鬼怒川外二河川総合開発事業費でありまして、これは猿ケ石川とそれから物部川、鬼怒川、この三つでございますが、四十六億四千二百万円、四年の年割で今年度十四億七千八百万円を計上いたしてございます。 それからその次は特定道路、つまり有料道路の関係でございまして、これは特定道路整備事業特別会計に計上した関門国道整備事業費でありまして、総額は三十一億八千二百万円、五箇年の計画で、二十七年度の年割は五億七千六百万円ということにいたして、御要求いたしております。 以上、大験総括的な御説明を終りました。細部につきましてはこの説明に書いてございます。また資材もついておりますので、御不審の点は重ねて御説明申し上げます。
○平田政府委員 租税及び印紙収入につきましては、昨日お手元に「租税及印紙収入予算の説明」という簡単なパンフレットをお配りいたしてございますので、それに基きまして、先ほどの大臣からの御説明を若干敷衍して御説明をいたしたいと思います。 租税及び印紙收入の総額は先ほどからもたびたび御説明になりましたように、来年度は六千三百八十一億余円になるのでありますが、前回の法人税法の改正を含めました改正前の租税收入見込額七千百四十億円に対しまして、約七百五十八億余円の減収ということに相なつておるのでございます。そこでまず二十七年度においていかなる税制の改正を予定しておるかということにつきまして御説明申し上げます。 まずこの大体の考え方につきましては、先ほどから大臣からもお話がございましたが、基本的な考え方といたしましては大体このように考えております。所得税につきましては、先般の国会で通りました減税措置を大体そのまま平年度化する、つまり減税を引続き行う。それと相続税につきましても、負担の実情にかんがみまして減税をする、これが一つの考え方であります。それから法人税につきましては、これは先般臨時国会を通過しました法人税の増徴案をそのまま引続き二十七年度においても実施する。つまり、法人税につきましては増徴した法律案をそのまま実行する。それから間接税につきましては、最近まで減税を行つて参りましたが、最近の財政状況等にかんがみまして減税は行わない。砂糖につきましてだけは、自由販売等にもなりましたので、この際砂糖の消費税と輸入税と両方で若干の増税を行う。こういう点がこの税の増減、——税に関する基本的な考え方でございます。 それからこの税の制度につきましては、二十五年度に御承知の通り根本的改正をいたしたのでございますが、その後の実施の状況等にかんがみまして、でき得る限り日本の実情に即応するような改正を行おうという考えでございます。ただこの税制の根幹に触れるような、——国税、地方税を通じまする根本体系に触れるような問題につきましては若干問題がございますが、将来さらによく検討することにいたしまして、今回はそのような点に触れる問題はさしあたり見合せることにいたしまして、先ほどから申し上げましたような趣旨におきまして若干の改正を行う、こういう基本的な考え方でございます。 そこでまずこの説明の二ページ目に載せておるのでございますが、所得税につきましては、これは今申しましたように、先般臨時国会を通過しました改正を原則としまして平年度化しようという考えでございます。ただこの際平年度化するという場合におきまして、実質的には、勤労所得税の場合と申告所得税の場合とにおきまして、若干違つた意味があるということを御説明申し上げたいと思いますが、勤労所得税の場合におきましては、すでに去る十一月から基礎控除は五万円、扶養親族の控除は三人まで二万円、税率もこれに示しておりますような新しい税率で税額を算定いたしまして、それですでに源泉徴収を行つております。従いまして、源泉徴収に関する限りにおきましては大体現在と差がございません。申告所得税の場合におきましては、御承知の通り減税のございます関係上、昭和二十六年分、つまりことしの二月に申告します二十六年分は、基礎控除は三万八千円ということになつております。これは前回も御説明申し上げましように、八月より新控除を実行する関係からでございます。扶養控除につきましても同様に二万円に上るところは一万七千円になつております。新旧税率の間ぐらいの税率になつております。それが二十七年分といたしましては、平年度化されます結果、それぞれ、基礎控除は従来の二十六年の三万八千円から五万円に引上げる、扶養親族の控除は二万円に引上げる、税率もこれに示した税率に改正するということに相なる点でございます。その他の点につきましては、すでに前回御説明申し上げましたので、説明を省略さしていただきたいと思います。 それからあとは、不具者控除、老年者控除、寡婦控除などにつきましても、従来は所得から一万五千円を控除しておりましたのを、税額から四千円を控除することにいたしておるのでございますが、今回特に旧軍人軍属の遺家族であります寡婦、老年者、それから旧軍人軍属で戦傷のため不具になつたような方々、こういう方につきましては、一般の四千円の税額控除を六千円の税額控除に引上げるということにいたす考えであります。 それから生命保險につきましては現在二千円の所得控除でございますが、これを四千円程度の所得控除に引上げ、ぞれから青色申告を提出しました納税義務者の場合におきまして、優遇の意味からいたしまして、家族従業者に対しましては、今までは本人の所得と見て全部合算して課税しておりますが、今回は年五万円を限りまして、給料の支拂いを認め、給料として支拂いました場合におきましては、それを経費として控除することを認めるという考えでございます。 それから次に変動所得の平均課税でございますが、これにつきましては負担の軽減をはかるのと、簡素化をはかる趣旨で若干の改正を行う考えであります。まず退職所得につきましては、これは前回提案しました臨時特例をそのまま平年度化する考えでございます。それから新たに譲渡所得、一時所得、山林所得等につきましては一年十万円の特別控除をう行ということでございます。それによりまして少額所得の負担の軽減と課税の簿素化をはかろうという趣旨であります。それからなお譲渡所得に関しましては、相当課税手続が煩雑でございますので、これをできる限り簡素化する趣旨と、負担の実情に即応しまするように、たとえば自分の前持つていた家を売りまして、新しく家を買う場合におきましては、譲渡所得の課税を免除する等の措置を考えたい。なお相続等の場合におきましても、みなす譲渡所得税を課税しておりますが、そのようなものにつきましても、相続の際には課税しないことにいたしたい考えであります。それから平均課税の方法等も、従来は五箇年間にわたらなければならない場合が相当多かつたのを、一年限りにする場合を多くしようという考えでございます。そかれら源泉課税につきましても、若干この際新たに加えますと同時に、従来の源泉課税の税率につきましても、妥当な調整を加えたい。新たに加えます分としましては、健康保険の診療につきまして、一〇%程度の税率で源泉課税をしたい。医師、弁護士等の会社から受ける分につきましても、一〇%程度の源泉課税をしたい。それから配当につきましては、臨時特例で二割源泉課税をすることにいたしておりますが、これを恒久法に織り込む考えでございます。なお現在の原稿料等に対する源泉課税の税率につきましても、最近の事情に応じまして若干引下げる等の措置をとりたいと考えております。 以上が所得税に関するおもな点であります。なおそのほか二重課税の防止に関する国際協定を締結する運びになつて行くかと思いますが、それに関連しまして必要な規定の整備を行う考えでございます。 次は法人税でございますが、法人税につきましては、前回の改正で大体盡されておるのでございまして、今回の新たな改正につきましては、小改正にすぎません。一つは源泉で徴収しました税額を控除した結果赤字になつた場合、その場合におきましては、やはり課税の原則に従いまして、還付しようというのが一つと、それから三月の延納を前回から認めましたが、その場合に四銭の利子税を二銭に引下げるという考えでございます。それ以外は所得税に準じました若干の改正がございますが、大部分は前回の改正で盡されると思います。 次は相続税でございますが、相続税につきましては実は控除の引上げと税率の引下げで相当な軽減をはかろうというのでございまして、基礎控除は今まで十五万円でございますのを三十万円に引上げる。相続人ごとと申しますか、相続財産取得者ごとに三十万円でございますので、四人おりますと、百二十万円程度まで控除になるということになります。なお三十万円程度に引上げますと、農家も自作農家の通常の場合、つまり自作農地一町歩ぐらいと自分の家、屋敷を持つている程度の場合は、大体相続税の問題はなくなるという点を考えまして、このような基礎控除にいたしております。 その次は、生命保険につきましては、今十万円の特別控除を認めておりますが、これを二十万円に引上げる。新たにまた、おやじさんが在職中に退職されまして、むすこさんが退職金をもらうというような場合におきましては、現在控除はございませんが、二十万円の特別控除を行う、税率につきましては、ここに示してありますように最高現在は五千万円超九〇%という非常に高率でございますが、これはやはり日本の実情から見まして高きに失するきらいがありますので、今回は一億円を越える金額百分の七十という税率に改めました。その中間の税率もてれぞれそれに準じましたようにずらしております。そのほか相続税につきましては、山林、不動産が多い場合の年賦延納の期間を現在の五年を十年にする。利子税の四銭を二銭にする。それから申告納税の期間は、現在は相続開始後の四箇月でございますが、これを六箇月程度に直しまして、申告の適正と納税の円滑化をはかりたいというふうに考えております。以上の改正によりまして、相続税といたしましては、相当な負担の軽減になるものと考えております。それからその次は砂糖でございますが、砂糖は先ほど申し上げました趣旨からいたしまして、分蜜糖と氷砂糖に対する税率を七割引上げまして現在百斤千円、つまり一斤十円を十七円程度に引上げる、七円程度引上げるつもりでございます。黒砂糖等の税率はそのまますえ置く考えであります。なお輸入税につきましては国内の糖業の保護等の点を考えまして、現在粗糖一〇%の税率を二〇%に、精製糖二〇%の税率を三五%程度に引上げまして、できる限り国内産糖の保護をはかりたい、こういう改正を行いたいつもりであります。 以上が改正の大体の内容でございますが、これに関する法律案はできる限り早く国会に提出すべく目下準備中でございます。 次は各税の収入の見積りにつきまして若干説明申し上げたいと存じます。その詳細につきましては今申し上げました資材に相当詳しくその積算の基礎を示しておりますので、この内容をこの際全部御説明申し上げますのは、時間の関係からどうかと思いますので、かいつまんで要点だけを申し上げたいと存じます。まず所得税のうち源泉所得税の分でございますが、源泉所得税の中には御承知の通り給與所得に対する分とその他の分とございます。給與所得に対する源泉課税につきましては、課税実績が明らかになつている分は、昭和二十五年度分でございます。その昭和二十五年度分を元にいたしまして、その後における雇用なり賃金の増加趨勢等を考えまして、それぞれ課税所得を算定し、それに基きまして現行法による税額を算定し、改正法によります増減を見積りまして計算いたしてあるのであります。増加率は二十五年からいたしますと相当の増加になつておりますが、これをかりに二十六年に対して比較してみますと、雇用におきまして大体一・一%、賃金が一一・四%、合せて一二%程度の増加を見込んでおることになつております。それによりまして現行法における税額を算定しますと、千八百三十九億でございますが、税法改正後におきましては千百五十八億に減りまして、勤労所得税だけから見ますと、六百八十一億円程度、改正しない場合に比較しますと減収ということに相なるのであります。源泉課税といたしましては、そのほかに公社債の預金利子等に対する分が、改正後におきまして約四十八億、退職所得は改正後約十二億、配当所得が百二十億、合せまして百八十億円程度ございます。改正前におきましては公社債の預金利子等は大したことはありません。退職所得は約三十三億円程度見込まれるのでありますが、配当所得の増がございますので、差引いたしまして改正しない場合に比べまして、九十九億の増加になるのであります。従いまして、両者を通じました税法改正による減収額は、一番最初に示してありますように、五百九十億円程度の減ということになつておるのでございます。 それから申告所得税でございますが、これもやはり見積りの確実を期するために、二十五年度分の課税実績を元にしまして、その後における生産、物価、それから調査徹底等の点を考えまして、適正に見積ることにいたしております。これには両方の数字が示してありますが、二十六年に比較しますと、申告所得の課税所得で一割六分の増加を見ておりますが、農業は五%、営業は調査の徹底等も考えまして、二割五分程度の増加を見込んでおります。それによりましてそれぞれ現行法による税額を算定し、さらにそれに対しまして改正法による税額を計算いたしまして、申告所得税の見積りをいたしておる次第であります。申告所得税の見積りに対しましては、当年度分と過年度分、それぞれわけまして、収入歩合等もこまかく分析いたしまして計算いたしておりますことは、従来と同様でございまして、その点の詳細な説明は省略いたします。結局申告所得税全体といたしましては、現行法で行きますと、千四百九十億円程度のものが、改正後におきましては千七十三億円程度になりまして、約四百十六億の減と見ております。そのうち農業所得は現行法によりますと約二百六十四億円、農業所得税の改正後におきましては、それが百三十億円程度になります。ちようど百三十億円程度減少する計算になります。営業所得の方は所得が大分大きいのでそれほど減りません。大体現行法によります場合に千二十四億、それに対しまして、改正法を適用しました場合に八百十一億、差引二百十三億円程度の減、こういうことに見込んでおる次第であります。 〔委員長退席、小峯委員長代理着席〕 そこで所得税全体といたしまして、納税人員等がどうなるか、ちよつとつけ加えて御説明申し上げておきますが、納税人員はまず給與所得者は昭和二十七年度におきまして八百三十三万二千人程度と存じております。昭和二十四年、これは所得税の一番重かつた年でありますが、納税者は約千百六十万一千人程度と見ておりましたので、改正によりまして所得の増加にかかわらず大分人員は減ることになります。申告の方は二十四年が約七百五十一万八千人に対しまして、この予算で見ております納税人員は三百六十万七千人程度と見ております。これも農業所得者が大部分でありますが、納税人員が改正によりまして失格する者が増加しまして、約半分になることになつております。所得税納税人員全部を合せまして、二十四年が千九百十一万九千人に対しまして、二十七年度は千百九十三万九千人程度に減少するものと見ております。昭和二十六年分、今年は約千二百六十八万三千人程度と見ておりますので、二十六年に対しましても、人員としましては主として基礎控除等の引上げによりまして、若干さらに減少する、かような結果に相なろうかと存じます。 次は法人税でございますが、法人税につきましては算定の基礎を昭和二十六年九月以前一箇年に終了しました事業年度分の申告税額を基礎にして算定いたしております。これは実績がわかりますので、それを元にしたのでございます。しこうしてそれに対し生産、物価等の状況並びに先ほど大臣からお話がありました二十六年分には、物価の値上りによる支出等が入つておりますので、そういうものを調整する意味で所得率を下げまして、結果におきまして全体としまして今申し上げました事業年度分に対しまして八・四%の増を見込みまして、法人税を見積つておるのでございます。それによりまする当年度分の収入並びに過年度分を入れまして、現行法で行きますと千六百八十八億円程度の收入が、前回の法人税の改正によりまして、さらに百九十一億一千五百万円程度増加しまして、予算額といたしましては千八百七十九億円程度計上いたしておる次第でございます。税法の前回の改正によりまして、税率引上げだけでは約三百八億の増加でございまして、課税標準の計算等に対する特例措置を設けました結果百十七億減りまして、純増は百九十一億ということに相なつておる次第でございます。 なお会社の利益は今申し上げましたところから計算いたしますると、課税利益は二十六年度が四千九百六十四億円程度——これは前回お手元に資料としてお配りいたしましたが、それに対しまして二十七年度は五千九十一億円程度と見ております。これは二・六%ほどしか増加いたしませんが、それは前回の措置で新たに各種の準備金を、利益の中から損金として繰入れることを認めた結果でありまして、それが前回は二十億円程度二十六年度に見ておりますのが、二十七年度といたしましては、約二百四十六億円程度が利益の中から、たなおろしの準備金あるいは貸倒れの準備金等の形で積み立てられるという関係になりますので、それを加えますと、先ほど申し上げました増加指数と大体符合するわけでございます。償却の方は二十六年度は千九十五億円程度見ておりますが、二十七年度はさらに各種の措置によりまして増加いたしまして、千三百六十二億円程度の固定資産の減価償却ができる、こういうふうに見ております。従いまして、税の負担がふえまして、本来の積立金は若干減ることになりますが、全部課税外の準備金と減価償却を含めました広い意味の会社の留保額は二十六年度は三千五百九十二億円程度と先般申し上げました通りでございますが、それに対しまして、来年は三千七百七億円程度で社内の蓄積と申しますか、利益の中から蓄積しますのと、償却及び各種の準備金で留保ができると考えております。これは会社の自己資金調達の財源になるかと考えておる次第でございます。 それからほかの税につきましては詳細書いてありますので省略いたしますが、酒税についてだけ精算の基礎を申し上げます。酒税につきましては、原料が増加いたしました関係で、税収入におきまして相当な増加を来すことになつております。すなわち二十六年度の補正予算では千百六十二億円に対しまして、二十七年度は千三百七億円、差引百四十五億円の自然増収を計上いたしております。これは主として原料の増加等によりまする関係でありまして、昨年は米は六十万石使いましたのを、今年は七十四万石の割当を受けましたので、清酒の増産が期待されます。それから麦につきましても、前年は三十五万石程度使つておりましたが、最近の売れ行き状況あるいは麦の統制の関係からいたしまして、四十四万石程度原料として使用できるということを前提にいたしまして計算いたしております。そういたしまして、来年度といたしましては、農村に対しまする酒の配給は継続して実行いたしたいと考えておりますが、その他の配給につきましては、原則としてこれをやめることにいたしたい。そういう前提で計算いたしておりまして、配給酒は前年度が補正予算で約二十六万九千石見ておりましたものが、今回は十五万九千石程度見ることにいたしております。これは主として農村に対する配給を予定しておるのでございます。自由販売酒の方は、補正予算では四百四万四千石に見ておりましたのを、二十七年度には四百七十三万三千石見ておるのであります。そのうち一番増加しますのは清酒でございまして、清酒は特級、一、二級を合せまして、二十六年度は百十五万八千石であつたと見ておりますが、二十七年度はそれを百四十八万一千石程度に原料米の増加によりまして増加供給ができる。酒類を全部合せますと、補正予算百三十一万三千石見ておりましたのが、二十七年度の予算といたしましては四百八十九万二千石程度見込んでおる次第でございます。これは最近の酒類の売れ行き状況等から見ますれば、まず確実なものと考える次第でございます。 その他の数字につきましては詳細の説明を省略さしていただきたいと思いますが、来年度予算におきまして、直接税、間接税の比率がどうなるかということは予算の説明の十九ページに載せてありますが、直接税が二十七年度におきましては改正後五八・二%になります。今回主として所得税の減税をいたしておりますので、所得税の改正をいたさないとするならば、直接税が六二・八%になるところでございますが、改正後五八・二%になります。主として法人税の自然増収がありましたために、二十四年、五年に比べますと、直接税の比率が増加いたしております。二十四年が五四・一%、二十五年が五五%、二十六年は大体二十七年と同じで、五八%という数字になつておりますことは前回もお示しいたしました通りでございます。 それから総税額は先ほど主計局長からもお話がございましたが、結局租税と印紙收入、国税の収入が来年度六千三百八十一億を見込んでおります。タバコの専売益金が千二百五億、合せまして国税とタバコの専売益金が七千五百八十六億円程度になります。地方税の方はまだ最終的にはまとまつておりませんが、約二千九百億円程度の租税収入を見込めるじやないかと見ております。それを加えますと、二十七年度といたしましては、国税、地方税、タバコ益金を含めまして、一兆五百億円程度の国民の税負担になる。これを二十六年度の人口一人当りにいたしますと、一万二千四百円程度の国税、タバコ益金及び地方税を含めました負担に相なるのであります。これは前年より若干増加いたしております。これは戰前等に比べますと大きな額だと思いますが、税の負担は昭和二十四年度が実は最高でありまして、国民所得に対し昭和二十四年度は約二五%、それが二十五年度の改正で少し減りまして二二%ちよつと弱です。それから二十六年度におきましては二〇%、二十七年度はおきましても、まだ地方税関係はよくわかりませんが、大体二〇%台と考えておる次第でございまして、このような負担になるわけであります。この二〇%は外国に比べますと、必ずしも高くない数字であるという批評がございますが、現在の生活水準、必要物資の状況等から考えますと、私どもとしては相当な負担ではないかと考えております。 以上御説明を終ります。
○河野(通)政府委員 私から予算のうらはらになつておる金融の問題について若干御説明申し上げたいと思います。 まず最近における金融の情勢でありますが、通貨は御承知のように、昨年末におきまして五千六十三億ということで越年をいたしたのであります。一昨年の末が四千二百億でありまして、大体八百億程度の増加ということに相なつております。この通貨の状況は、現在の生産その他経済界の実勢から見まして、非常にいいというわけでもございませんし、またそれかといつて非常に通貨が不足いたしておるという状態でもないと私は考えております。 〔小峯委員長代理退席、委員長着席〕 年度末、つまり三月末でありますが、今年一月から三月末までの金融の情勢は、いろいろ国庫収支の問題等、あるいは昨年の末以来いろいろな関係で金融の面にも混乱と申しますかを起す可能性のあるような問題もあつたのでありますが、経済界に大きな変動を與えないような立場から、金融の措置についても遺憾なきを期して参つたのであります。この方針をこの三月においても継続して参りたい。経済の必要といたします通貨の供給につきましては、極力インフレーシヨンを回避しながら必要なる措置を講じて参りたい、かように考えております。年度末におきます通貨の発行高は大体四千七百億程度というように私どもは予定をいたしております。 日本銀行の貸出しは、昨年末におきまして二千二百三十億、このほかにいわゆるユーザンスといわれております外為貸付が一千三百八十億ございます。二十五年度末におきましては、一般の貸出しが千百四十五億、ほかに外為貸付が千五百億ばかりあつたわけであります。今後金融の面につきましては、ただいま申し上げましたような考えのもとに極力処置をいたして参りたい、かように考えておる次第であります。 当面の金融政策と申しますかの基本的な考え方は、インフレーシヨンを回避しながら、必要といたします資金の確保をはかつて行く、かいつまんで申しますれば、こういうことになると思うのであります。これがためには、まず第一に資本の蓄積を促進いたさなければならぬと思うのであります。税の問題と資本の蓄積との問題につきましては、ただいま主税局長からも一部説明があつたのでありますが、この観点から、私どもといたしましては、第一に無記名定期預金の実施をぜひとも実現いたしたい、かように考えております。なおこれとあわせて、国民貯蓄組合預金の預入限度、非課税の限度の引上げ、また郵便貯金の預入限度を引上げ、また利率の引上げを実施いたして参りたい。次に国民貯蓄債券という、まだ名称ははつきりきめておりませんが、そういう種類の政府が発行いたします貯蓄債券を実施いたして参りたい。これがため必要な法律案を御提案申し上げたい、かように考えております。なお先ほども主税局長からお話がありましたように、生命保険料及び生産保険金の税法上の取扱い控除の引上げを実施いたして参りたい。こういうふうな措置によりまして、できるだけ資本の蓄積を促進いたしまするために、税法上の措置をとつて参りたい、かように考えております。なお今後におきましては、これらの税制上の措置と合せまして、民間及び政府と一体となつた、資本蓄積の促進の大きな運動を起して参りたい、かように考えておる次第でございます。 次は資本蓄積の促進と相まちまして、蓄積されました資金を最も重点的な方面に確保いたしますために、不急不用でありますとか、そういつた資金の融資を抑制いたして参ります昨年来とつて参りました措置を、今後におきましてもさらに続けて参らなければならぬと考えております。このうちには、特に金融機関からの設備投資につきましては、特に重点的な産業に対してその資金を確保いたしますために、比較的不急でありますとか、あるいは不要でありますとかいつた種類の設備資金は、極力抑制いたして参りたい、かように考えておる次第であります。なお、資金の重点的な確保という点から、日本銀行の公定歩合の引上げを昨年実施いたしたのであります。日本銀行の割引政策、あるいは金利政策を通して、インフレーシヨンを回避しながら、必要な方面への資金を確保するために必要なる措置は、今後も続けて参りたい、かように考えております。 次は、緊要な産業資金の確保のために、国家資金と申しますか、財政資金及びその他の政府資金を、重要なる産業資金へ投資をいたしますことを、来年度におきましても強力に促進いたしたいと、考えております。この点は午前中大蔵大臣からも御説明がありましたので、私からは重複を避けて御説明を省略させていただきたいと思いますが、主として開発銀行、輸出銀行あるいは国民金庫、住宅金融公庫、これらの方面へ極力国家資金、一般会計資金のみならず、資金運用部資金あるいは見返り資金を重点的に投資をいたして行くということを促進されることに相なつておるわけであります。なお農林漁業資金につきましても同様であります。 次に金融問題といたしましては、金融制度を整備いたして参ります問題がございます。平和條約の発散を間近に控えまして、わが国の金融制度を、内外ともに信用を高める意味におきまして、これを整えて参るということが必要なことは、申し上げるまでもないことであります。現在日程に上つておりまする問題はいろいろあるのでありますが、銀行法の改正あるいは日本銀行法の一部を改正する問題、あるいは臨時金利調整法の改正の問題、非常に大きな問題がございます。これらの点につきましては現在大蔵省に臨時金融制度懇談会というものを設置いたしまして、各界の権威の方々にお集まりを願つてこれらの問題について御検討を願つております。まだ結論を得ておりません。御審議の結果に基きまして、必要があります場合には所要の法律案を国会に御提案を申し上げたい、かように考えております。そのほか開発銀行法、輸出銀行法につきまして相当大幅な改正を御提案申し上げたいと考えております。また国民貯蓄組合法あるいは国民金融公庫法等につきましては、予算に計上されておりますもの、あるいは税法上の措置等にからみまして所要の改正を助えて参りたいと考えております。また信用保証協会というものが現在特別の法的根拠なくしてできておるのでありますが、今後これらの制度を確立いたしまして信用をさらに強化いたしますために、適当なる單行法を制定いたしたい、これがための法律案の御提案を申し上げたいつもりでおります。 金融制度につきましてはそのほか長期の金融機構をさらに整える必要があるのではないか、将来国際経済に一人前になつて参加いたしますにあたりまして、外国為替の銀行の機構あるいはこれを育成いたします方途いかんというようないろいろ重要な問題を含んでおります。これらの点につきましても目下種々の観点から検討を続けておる次第であります。 なお現在いろいろな点で問題になつております資金運用部資金の運用計画でありますが、これは予算の説明書によつてごらんいただけば詳しく載つております見返り資金とともに、政府の持つております政府資金といたしまして、極力これが活用につきましては今後といえども一層努力をいたして参りたい、かように考えておる次第であります。 簡單でございますが御説明申し上げます。
○石田政府委員 理財局関係の事項に関しまして、若干補足的に説明申上げたいと思います。 第一に国庫収支の問題でございますが、御承知の通り国庫収支は、国庫内の振替というものと、それから日本銀行との間の収支と、最後に対民間の収支があるわけでございます。昭和二十七年度予算案を基礎といたしまして、対民間の国庫収支を予測いたしまするに、一般会計におきましては、大体散布が六千九百五十五億円、引揚げの方が七千六百七十二億円、その結果といたしまして、大体七百十七億円の引揚げ超過に相なるかと存じます。これに対しまして、特別会計の方におきましては、資金運用部におきまして六百十二億の散布超過、その他の特別会計を合せまして、百五億の散布超過ということになります。一般、特別両会計を合せますならば、大体対民間国庫収支はほぼ均衡を得るのではないかと考える次第でございます。 第二に国際収支の関係につきまして申し上げます。わが国の外貨収支につきましては、昭和二十四年度以前につきましては、関係方面の発表いたしまする数字にたよるほかはなかつたのでございます。この間の数字を申し上げますると、昭和二十、二十一両年度を通じましての数字といたしまして、受取りは一億五千八百九十万ドル、支拂いは四億四千四百九十万ドルということに相なりまして、支拂い超過が一億八千六百万ドルになつたのであります。しかしこれに対しまして米国の援助がございましたので、その援助を合せまして数字を見まする場合には、六千一百万ドル受取り超過と相なつたのであります。それから昭和二十二年度におきましては、受取りの方が二億四千七百六十万ドル、支拂いの方が七億四千四百六十万ドル、支拂い超過は四億九千七百万ドルということに相なつております。アメリカの援助を考えに入れましても約二千五十万ドルの赤字となつたのであります。昭和二十三年度におきましては受取りが四億一千五百七十万ドル、支拂いが八億二百十万ドル、支拂い超過は三億八千六百四十万ドルであります。しかし米国の援助がありました結果、結局八千七百四十万ドルの受取り超過と相なりました。昭和二十四年度につきましては、受取りが六億八千十万ドル、支拂いが十億二千四百二十万ドルであります。支拂い超過は三億四千四百十万ドル、これに米国の援助を勘案いたしました場合には、一億五千二十万ドルの受取り超過に相なつたのであります。すなわち昭和二十年以降昭和二十四年度までにおきましては、常に米国の援助を除外いたしました場合には、非常な支拂い超過になつておつたのであります。米国の援助によつてわが国はその間外貨を蓄積しておつたという状況でございます。 昭和二十五年度以降につきましては日本側の計数によつて数字を申し上げることができるような段階に相なつたのであります。この数字を申し上げますと、昭和二十五年度といたしましては、受取りが十三億八百五十五万ドルでありまして、支拂いの方は十億一千六百九十九万ドル、従いまして受取り超過は二億九千百五十六万ドルと相なつたのであります。この数字は今まで申し上げました過去の数字と違いまして、米国の援助を入れました数字でございまして、米国の援助がなかつたらどうなつたかと申しますと、二千八百九十万ドルの赤字と相なるという計算でございます。昭和二十六年度につきましては十二月までの数字は確定いたしております。その数字を申し上げますと、受取りの方が十七億九千三百万ドル、支拂いの方が十四億三百九十万ドルでありまして、受取り超過は三億八千九百万ドルに相なつております。この中には米国の援助の数字が入つておるのでありますが、米国の援助を除きましてもなおかつ二億六千七百万ドルという受取り超過を示しておるわけであります。なお昭和二十七年度の予測については先ほど主計局長から数字を申し上げましたので、省略させていただきたいと思います。 最後に見返資金特別会計につきまして若干数字を申し上げたいと存じます。見返資金特別会計は昭和二十四年度から始まつておるのでありますが、昭和二十四年度におきましては收入が千二百九十三億円であります。これに対しまして支出は千百四十億円であります。従いまして百五十二億円の收入超過があつたわけであります。昭和二十五年度におきましては千六百二十九億円の收入に対しまして、支出は七百九十九億円でございます。従いまして八百三十億円という收入超過があつたのであります。これを前年度の收入超過百五十二億と合せますれば、実に九百八十二億円という資金残ができたわけでございます。昭和二十六年度になりましてはこの傾向が逆になりました。すなはち収入の方におきましては五百六十億円に対して、支拂いの方は七百八十五億円になりますので、従いまして二百二十三億円の支拂い超過ということに相なりました。 なおこのほかこの年度中におきまして四百九十四億円というものを国債に運用いたしたのであります。昭和二十七年度の予算につきましてはすでに数字がお手元に出ておりますが、収入といたしましては元利金收入の百三十五億円、これに対しまして支出の方は六百億円となつておりますので、従いまして四百大十五億円の支拂い超過と相なります。このためには現にございますところの預金のみならず、先ほど申しました国債を換金いたしまして、そうしてこれを使う、かような予定をいたしておるのであります。大体これで説明を終ります。
○塚田委員長 委員長から御要求申し上げます。ただいまの銀行局長及び理財局長の御説明の内容になつておる資料をできるだけ早い機会に、なるべく明日までに間に合いますように委員会に御提出を願います。 本日はこの程度にとどめまして、明日は午前十時より委員会を開会して、質疑に入ります。 これにて散会いたします。 午後三時二十八分散会