郵政委員会 第16号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1952/05/22
会議録
○尾関委員長 これより郵政委員会を開会いたします。 前会に引続き、郵政省機構改革について質疑を続行いたします。降旗君。
○降旗委員 郵政省設置法の一部を改正する法律案につきまして、ちよつとお伺いいたしたいと思います。これによりますと、電波監理審議会は郵政大臣に必要な勧告をしたり、あるいは電波法及び有線放送業務の運用の規正に関する法律に基く郵政大臣の処分に対する異議の申立てについて審査及び議決をする、こういうような仕事を行うことになつておりますが、この議決をするということは、現実の問題としてどういう効果を現わすことになるのでありますか、その点をお伺いいたし、たい。
○大野説明員 お尋ねになりました電波監理審議会が、郵政大臣の処分に対しまして異議の申立てをいたしました際に議決をした、その議決の効果いかんという点でございますが、効果といたしましては、電波監理審議会が決定をいたしますと、郵政大臣の処分はその議決によつて拘束を受けるということになりまして、もしその議決に対して当事者がさらに不服があつて次の手続をとらない限りは、それによつて最終的に処分の内容が決定するということになるわけでございます。
○降旗委員 この議決に対して異議の申立人が不服な場合には、これは高裁へ控訴することになると思いますが、その場合に高裁はこの申立てに対して事実審議の立場上、この監理審議会の調査についてどういう取扱いをするのでありますか、その点お伺いしたいと思います。
○長谷政府委員 現在の電波法におきまして、そのお尋ねの点が明らかにされております。それは電波法の九十九條に該当いたすのでございますが、「電波監理委員会が適法に認定した事実は、これを立証する実質的な証拠があるときは、裁判所を拘束する。」ということになつてございますが、今回の郵政省設置法の一部改正に伴う関係法令の整理に関する法律案によりまして、電波監理委員会というのを電波監理審議会と読みかえることになつております。従いまして電波監理審議会が適法に認定した事実は、これを立証する実質的な証拠があるときは、裁判所を拘束するということでございますが、なお同條の第二項に、「前項に規定する実質的な証拠の有無は、裁判所が判断するものとする。」ということになつておる次第であります。
○降旗委員 ただいまのお話によりまする事実審議の裁量は、この審議会がこれをとりそろえて万遺憾なきを期することになると思うのでありまするが、およそかくのごとき重大な問題を取扱うこの審議会の委員につきまして、御存じのごとくこの九十九條の三の三項を見ましても、この委員に任命される人の資格につきまして、就任の前一箇年の制限あるいは退職後一箇年の制限が付せられておるのであります。そうしまするとごく限られたこういう専門家に対しまして、さらに就任前一箇年及びことに退職後一箇年就職の制限をつけて適当なる人を選ぶということは、よほど困難なことと思うのでありまして、この点につきまして十分に見通しがあるかどうか。さらに申しますと、こういう困難を排して任命する委員の報酬は單なる日当手当でありますが、はたしてそういう日当手当だけで委員の就任を受諾する人があり得るかどうか、大きな疑問であるといわなければならないのでありまして、この点につきましての御見解を承りたいと思います。
○大野説明員 お尋ねの点はまことにごもつともでございますが、御承知のように電波監理審議会が将来取扱うであろう異議の申立てに対する審理あるいは議決というような問題につきまして、最も重要となります点は、公正な立場で、はたして大臣の行つた処分が国民全体の利益に合致するかどうかという点が判断の重点になるわけでございます。もちろん事案そのものは電波に関する事柄でございましようから、かなり専門的な内容を含んだものであろうということは想像できるのでありますが、その事実の認定につきましては、それぞれ専門家の補助機関をこの審議会に持たせることになつておりますので、審議会の委員それ自体といたしましては、その事実を見て公正な判断が下し得るということがその資格の要点であります。と同時にこれは非常に利害関係を伴う場合の多いことが予想されます。しかもその事案はまず電気通信事業、有線設備の機器の製造事業者あるいは販売業ということに特別な利害を持つ場合が多いかと思われますので、たとい委員の資格として非常に公正な意見を持つておられ、そういう意見を持つて公正な判断を下し得るような人をお選びするといたしましても、特殊利害に非常に密接な関係のある人をその委員に選ぶということは、かえつて判断そのものに——少くとも判断そのものが正しくても、客観的に何かと誤解を受けやすいという懸念もございますので、特別に今回の改正法律案において、電気通信事業者と有線設備の機器の製造業もしくは販売業者、そういうところに関係の深い人々は任命前にも除外するという設けをし、また委員をやめられたあとも一年間はそういう職業にはつかれないという制限を設けておるわけであります。もちろんこれだけを除外しても、それ以外の方面はまだ非常に広いわけでございますから、そういう広い各界の方面から、適当な有能な人を委員にお願いするということは可能であろうと考えておる次第でございます。
○降旗委員 電波監理審議会のもとに審理官五人以内を置く、こういうことに規定されておりますけれども、この審理官五人の事務局は大体どういうような構想で構成されるものか、一応承つておきたい。
○大野説明員 お話の通りこの電波審議会に審理官五人以内を置き得るということになつておりますが、この審理官と申しますのは、主として聴聞を主宰するという職能を持つておるのでございます。聴聞と申しますのは、一つの事案が出て参りますたびに、利害関係者の意見をよく聞き取りましてそれを整理して、一定の判定をつけてこれを審議会に出すというような手続のもとになるものでございます。そういうわけでありますので、この審理官 は、当つておるかどうかわかりませんが、裁判所でいいますと、予審判事のような職能を持つておるわけでございます。そういうわけでありますから、各自が、つまりその審理官だけでそういつた仕事をいたしまして、特にその下にスタッフを持つといつたことは考えていないわけでございます。
○降旗委員 電波の方の施設を取締る必要は今後ますます多くなると思いますが、かくのごとき事務はだれが責任を持つて現実の事務的処理をなされるのですか。それを承りたい。
○長谷政府委員 ただいまの御質問についてお答え申し上げます。ただいま御指摘になりましたように、電波監視の問題は二面の仕事がございまして、一つの仕事は、電波監理委員会が許認可を與えた日本国中にあります全部の無線局が、合法的な運用をしておるかどうかという電波の面からの監視という仕事と、国内に不法な電波があるかどうか、それの監視、監査という仕事がその任務でございます。なおこの電波監視の仕事は、国際條約に基きまして国際的に相協力して行くという仕事の面も他方面から見ますとあるわけでございますが、事柄の性質から申し上げますと、先ほど申し上げました合法的な無線設備の監視、無線局の監視と不法無線の監視及び監査という仕事がございまして、お話にございましたように従来も、もちろん今後ますます重要性と仕事の分量がふえて行くのではないかと私どもも考えておる次第でございます。現在電波監理委員会におきましては、その事務当局に当ります電波監理総局の中に部制がとられておりますが、設置法上いろいろな事情から明らかにされてはおりませんけれども、現在電波監視長という職名のものを特に組織規程において内部的に設けしまして、その電波監視の仕事を全国的に統括し、指揮監督をしておる次第でございます。今回の行政機構の改革については、いろいろこの点も関係者の間で論議に上したのでございますけれども、現行において設置法に明示するところとはなつておらずに、監督並びに組織規程の上においてだけ言つておりますから、そのままの状態で、とりあえずただいま議題となつておりますような案になつておる次第でございます。
○降旗委員 この改正案によりますと、今御答弁になりましたような不法施設あるいは不法無電の件は、局長あるいは次長が現実的にも監督の責に当るもの、かように思いますが、先ほど御説明にありましたごとくに、この仕事は特別な仕事であり、今日の場合ことに重要な問題であるという立場から、監視長という職名のものを特に設けて、不法施設の取締りをすることが妥当である、かように考えるのでありますが、御意見はいかがでありましようか。
○大野説明員 ただいま長谷長官から御説明申し上げました通り、現在の電波監視長というものは組織規程上置かれておりますので、この制度を踏襲して行きたいと考えております。
○石原(登)委員 関連質問を……。先ほどの降旗君の質問の中で、次官の答弁があつたのですが、この審理官と審議会、それと郵政大臣の関係は一体どういうふうになりますか。
○大野説明員 電波監理審議会は郵政大臣の諮問機関でございます。その諮問機関の付属職員として審理官が置かれる、こういうわけでございます。
○石原(登)委員 そうしますとこの審理官の身分上、いわゆる監督というような権限はありますか、ありませんか。
○大野説明員 審理官も郵政省の職員でございますから、主として身分上は郵政大臣に属しておるわけでございます。
○石原(登)委員 そうしますと、先ほどの御答弁で、電波監理審議会の委員は、ある意味においては郵政大臣に対抗するだけの権限を與えておるわけですが、そこで相当な専門的な知識を持たなくちやならぬ、この点については次官もお認めになると思います。しかしながらそのもとには専門のスタッフがおるのだから、そのスタッフの意見を正しく判定でき得る能力を持つておるかどうかということによつて調整できるのじやないか、こういう御意見のようでありますが、こういうようなスタッフは、半面的には郵政大臣を拘束するような立場にある審議会委員のいわゆる補助機関であるが、今度は一面的には郵政大臣にいわゆる活殺自在の権限を持たしておるということになりますと、その間が微妙な関係になりまして、その審理官というものの性格が二通りあることになる。一方では郵政大臣に大きな活殺自在権をとられ、一方では審議会の委員に対して非常な責任を持つて助言しなければならぬということになるわけですが、そういうような関係で審議会の正しい判定というものができるかどうかということについて、非常に疑問を持つておりますが、この点についてお伺いいたします。
○大野説明員 御承知のように現在の国家公務員につきましては、いわゆる人事権というものは任命権者が握つておりますけれども、任命権者が人事権を持つておるということは、活殺自在にこれを進退できるというわけのものではございませんで、やはり相当の制限がございます。つまり公正にやらなければいけないわけで、審理官も同じような国家公務員であるから、同じような保障を受けておるわけであります。 それから審理官の職能でありますが、この審理官には法律をもつてこれこれの職能あるいは責任を與えるということに定められておりますから、つまり人事権の問題と職能、責任の問題とは、別になつて参るわけであります。そこでその審理官の職能あるいは責任というものは何であるかと申しますと、聴聞を主宰するということになつております。聴聞というのは何かと申しますと、一つの事案についでの関係当事者、利害関係者の意見をそのまま聞いて、そうしてその意見を整理して、その整理された意見から導き出される結論をある程度まとめて、それを審議会に報告するわけでありますから、いわばここには審理官自体の主観的判断をさしはさむ余地はないわけであります。これは理想的に申しますれば鏡のような役目をするわけであります。その鏡は多少焦点を合せることができるレンズ的な鏡になるかもしれませんが、そういう次第でありますから審理官自体の働きというものには、そこに主観を交える余地がないという点において、結果的にそれは大臣の助言と逆な結論が導き出されるに立ても、それは審理官自体のいわゆるイニシアチーヴで出て来たものではないということになりますので、これは非常に徴妙な点において懸念があるのではないかということは、実際問題として起らないのじやないかと考えております。
○石原(登)委員 私の言う活殺自在の権というのは、でたらめに自分の意見に従わないからどうという意味ではなくて、ただいまおつしやつた微妙な心理的感じを受ける、こういうわけであります。先ほどの降旗委員の質疑を聞いておりますと、審議会の委員に與えられた権限またその職務の内容は、相当重大なものである、これは裁判の第一審にも相当するようなことだと私理解されたのですが、しかも、一面においては郵政大臣を非常に拘束する、郵政大臣はその通り従わなくちやならぬというような、こういう大事な仕事を仰せつかつて、しかもその仕事の内容はきわめて専門的であり、技術的であるということになります。ところがそこにはいわゆる審理官というスタッフがおつて、その点の問題についてはおそらく間違いなく指導——と言つては何ですが、助言するだろうというふうに一応御答弁ではうかがえたのであります。そうするとそういうような重大な職務、権限を與えた審議会の委員というものは、その審理官の助言によつて自分の意思を決定するというような薄弱なものであつていいのかどうかということを、私は非常に疑問を持つわけであります。少くともそれだけの権限と職能を持つものであるならば、当然審議会の委員自身が責任を持つて事に当るというような態度でないと、この間の関係ははつきり行かないのではないか、極端に言いますと審理官のロボットというのが今の審議会の委員である、こういうことになりますならば、非常に事は重大だと思うのであります。それならばこの審議会の委員をなくす、それでなければ審議会の委員が、先ほど降旗委員が主張された通り重大な責任を有するのであるならば、それに相当した待遇を與えるべきではないかと考えるのでありますが、その点について当局はどうお考えでございますか。
○大野説明員 電波監理審議会の委員の機能と申しますか職能と、審理官の職能との相互の関係につきましては、現在の電波監理委員会の委員と現在の審理官の関係と同様のものを、そのまま引継いで持つて行こうという考えでございます。そこで職能あるいは機能の面から見ますと、現状をいささかも変更するものではないということだけでございます。ところがその委員会の委員の待遇の点になりますと、実は待遇はその委員の責任あるいは仕事の分量、その内容の複雑さといつたことと、ある程度照合しなければならないものだと考えます。その点で新しくできようとする電波監理審議会委員と、現在ある電波監理委員会の委員とは、趣を異にしている。と申しますのは、現在の電波監理委員会は御承知のように一つの行政機関であり、最終的に責任を負うべきものです。ところが新しくできる電波監理審議会は、單に郵政大臣の諮問機関であるというのが本体です。ただ郵政大臣の電波に関する処分のうち、その処分によつて利害の関係を持つものから不服の申立てがあつた場合に、その申立てのさばきを第一審的につける、こういう機能の点だけが、いわゆる本来の諮問機関的な職能と違つておる次第でございます。ところがこの不服の申立てをさばくということは、事柄自体は非常に大切なことでありますけれども、常時起る性質のものではない。もちろん将来のことは何とも申し上げられないというのが確かなところですけれども、過去の実績から見ましても、電波監理委員会が発足以来二年間に一件しかない。そういうものですから、そういう事案は非常に大切でありますけれども、きわめてまれに起る事柄をさばいていただくということになりますと、その仕事の分量という点からいいますと、現在の委員会の委員が受持つておられる分量とは非常に差が生じて来るわけであります。そういう点などを考え合せまして、一応非常勤の特別職の委員ということに原案はなつておるわけでございます。
○石原(登)委員 ただいまの御説明の通り、確かに電波監理委員会で取上げた案件は少いと私はよく承知しているのであります。しかしながら今度の改正によつてもなおかつ電波監理審議会委員に課せられるところの職務内容、その権限は非常に重大であると思う。その仕事の内容はほとんど従来の電波監理委員会の仕事とかわつていない。しかもまた就任上の制約がある。先ほど降旗委員も言われたように、その前後を通じて一年ずつは遊ばなければならないことになりますと、私はおそらく将来電波は文化生活、経済生活その他いろいろな面に大きく影響して来ると思います。そういうような重大な問題を、ただ單に案件が少いから非常勤でけつこうじやないかというような考え方はどうかと思うのであります。これはわずかの案件であり、あるいはほとんど起らないかもしれないが、起つた場合には、日本の国民生活や経済その他いろいろな面に大きな影響を與える事案であることは容易に想像がつく。ですから一朝有事に備えて、こういう専門の人たちが責任をもつて事案の処理に当る建前にして置くことが正しいあり方である。でなければ電波監理審議会の性格をかえて、單なる諮問機関である、決して郵政大臣を拘束しない、こういうように二つのうちのいずれかを選ぶべきだと私どもは考えるわけでございます。ですから、この電波管理の重要性はあらためて申し上げるまでもございませんが、郵政当局におかれても、この委員の処過についてはさらに十分御考慮が願いたいということを私は申し上げておきたいと思います。
○大野説明員 ただいまの御所見は、確かに一つの傾聽すべき御意見だと思いますが、ただ御参考までにちよつと申し添えておきますと、すでに御承知でありましようが、行政機関としての電波監理委員会が、今度諮問機関としての電波監理審議会になつたということは、本質的な変化があつたということだろうと思うのです。それから大臣を拘束する云々と申しますのは、これも御案内の通り例の不服の申立てに対してさばきをつけたときだけのことでございまして、諮問の場合は普通の諮問の場合と同様でございます。それから兼職禁止の問題につきましても、全面的に兼職を禁止しておるという現在の建前を改めまして、ただ直接利害関係、つまり利益代表になるような人が委員の中に入らないようにというだけのことでございます。
○降旗委員 先ほどの質問に関連することでありますが、一応念を押しておきたいと思います。わが国内外の情勢から申しましても、電波の監視及び規正並びに不法に開設された無線局の探査等に関する問題は、相当重視すべきものと思うのであります。従つて先ほど当局からお話のありました監視長の職責は、その意味において重視すべきものである。従つてこの法文にありまする電波監理局に次長二人、それに明文化しまして監視長を置くということにはつきりすることの方が妥当であると私は考えるのでありまするが、これを明文化する御意思ありやいなや、この点を一応承つておきたい。
○大野説明員 ただいまごらんを願つております法案が原案でございますが、その原案では、それを設置法上に明文化するということを考えなかつたわけでございます。というのは先ほど申しましたように、今回のいろいろな機構改正が、全面的には行政組織の簡素化という線からスタートしておるものですから、新しく何か特別な職をふやすというような行き方になることは、どうも全体の行き方とマッチしないという点が一応考えられることと、実際問題として現在監視長というものを組織規程上置いて、監視長によつて地方に置いております電波監視機関の統括をやつておるということを、先ほど長谷長官から説明があつたのですが、そういうやり方をとりあえずというよりは、踏襲して行くことによつて、何とか遺憾なきを期し得るのではないかというような考えを持つております。
○尾関委員長 それでは質疑はこの程度にいたします。 —————————————
○尾関委員長 この際、連合審査会開会申入れの件についてお諮りいたします。ただいま内閣委員会におきまして審議中の郵政省設置法の一部を改正する法律案及び郵政省設置法の一部改正に伴う関係法令の整理に関する法律案は、本委員会といたしまして重大なる関心を有するものでありますので、両法案について内閣委員会に連合審査会開会の申入れをいたしたいと思いますが、いかがでございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾関委員長 御異議なしと認めます。さよう決します。 なお連合審査会開会の日時につきましては、内閣委員長と協議の上決定いたしたいと思いますので、御了承願います。 それでは次会は公報をもつてお知らせすることとし、本日はこれをもつて散会いたします。 午前十一時五十六分散会