郵政委員会 第9号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/03/10
会議録
○尾関委員長 これより郵政委員会を開会いたします。 郵便為替法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続けます、受田新吉君。
○受田委員 この改正案に盛られておりまする北緯二十九度以南の南西諸島が、この法律の成立とともに外国為替及び外国貿易管理法並びにそれに付属するところの命令から除かれるわけになるのでありまするが、なお日本といたしまして考慮されなければならない問題は、千島列島とか、あるいは小笠原、硫黄島、大東島、沖鳥島、南鳥島とか、あるいは竹の島とかいう地域との、内国為替並の取扱いに対する見通しはいかがでありますか。
○寺本政府委員 今受田委員からお尋ねの件は、今後将来の問題でありまして、今ただちにはつきりとした見通しをまだ持つておりません。
○受田委員 本邦と外国とを別に今申し上げた法律並びに命令が地域の指定をやつておるのでありまするが、その外国の部類に属するうちで、最後にあげられたる今問題になつている北緯二十九度以南の南西諸島だけを特に認められるという実情にあることは、これと同等の立場にある小笠原とかあるいは大東島、沖鳥島、南鳥島、こういうところを別個に取扱うということになるのですけれども、事情はまつたく同じにありまして、南西諸島が認められる以上は、当然アメリカの管理のもとにこれから立ちまする小笠原や硫黄列島も、これと同時に進行していいはずだと思うのです。この点二十九度以南だけが取扱われるようになつたという点は、いろいろ情勢もありましようが、同時に今申し上げたような地域はこれと事情を同じくして、わが日本民族が住居しておるところで、きわめて密接な地裁になつているのですが、それに対しての見通しが立たぬということは非常に遺憾だと思うのです。この際政府といたしましてこの為替取組みに当りまして、内国為替の規定を使うことができるように努力されたことに対しては敬意を払いまするが、これらは一連の問題として取扱うべきであつて、徐々にということも考えられまするけれども、実際問題として同時作戰をやり置くべきではなかつたか。この点政府の努力の経過を報告していただきたいのであります。
○寺本政府委員 ただいま受田委員の御説の通り、南西諸島とほかの小笠原その他となぜ区別をしたのか、これは別にはつきり区別をしなければならぬ理由はございませんと思います。しかし話のとりきめやすいところからと申しますか、向うの方でもそういう希望を持つておられますし、こちらの出光と向うの当局と大体話を今進めつつあるわけであります。そういうわけで御説の小笠原その他のところも、これから漸次やつて行きたいと思つております。
○受田委員 特に小笠原諸島は、伊豆の七島とともに東京都の行政管内にあつたわけです。この一番大事な中心の東京都の管内にあつた小笠原の住民との取組み関係は、最も切実な問題だと思うのでありますが、西の方二十九度以南の地域との取組みが許されている以上、東京都の行政管内にあるところの小笠原を除外するというのはどうも解せないのでありますが、何か努力の上で忘れた点があるのじやないかと考えられるのです。同時にこの小笠原諸島と、今申し上げました外国為替関係の法律及び命令で、終戰後取組みされた為替はどのくらいあるのか、実情の報告をいただきたいと思います。
○小野政府委員 御質問の御趣旨の点、私どもも同様に考えておるのでありまして、沖繩と特に小笠原その地相類似したところと、区別する気持は毛頭ないのでありますが、従来のいろいろな努力の経過から申しまして、沖繩関係につきましては割に早くそういつた準備を進めることが今日可能になつたわけであります。爾余の問題につきましてもそれでいいわけではないのでありまして、将来努力を続けて参りたいと思いますが、この沖繩関係がまず解決されれば、これが一つの先例として、あとの問題を促進するきつかけにもなろうと思うわけであります。御質問の終戦後におきまする為替の交換の状況がどうなつているか、こういう御質問のように承つたのでありますが、終戦後日本行政権が分離いたしましたまでの取扱いは多少ございます。しかしこれは微々たるものでございまして、ほとんど両者の間には為替の交換が停止した、こういうような実情になつております。
○受田委員 それは二十九度以南の南西諸島にも同一の問題でありますか。
○小野政府委員 その通りであります。
○受田委員 二十九度以南の南西諸島の住民諸君が、この便益を供与されるということになりますならば、当然一番手近な小笠原諸島ぐらいは、何とか一緒にやつてもらいたいものであります。わけて東京都の管轄内にあつて、今まで同じ行政庁の中でお世話になつておつた小笠原の住民諸君も、日本との接触が一層濃厚になつたという喜びも感ぜられるのでありますから、まず二十九度以南にこの成功を収めて、橋頭堡を築いて、しかる後他の地域に及ぶんだという御説もまことにもつともでありますが、私たちとしてはこういう問題については、政府当局がこの法律改正に持ち運ぶまでの努力において、なお一層この切実な地域の問題を同時に取上げて努力していただきたかつた、これを強烈に努力していただくことで成功したのではなかろうかと思うのでありますが、追つて法律改正がどんどんなされるにいたしましても、その時の遅れだけ、その住民の不便が考えられるわけでありますから、願わくは、この法律の実施は四月一日からということになつておりますので、その期間中に何とか急速な措置をして、ほかのところは第二といたしまして、小笠原だけはひとつ大急ぎで折衝してもらつて成功してもらいたいものであります。その点についての政府の意思をお伺いしたいと思います。
○小野政府委員 御質問の御趣旨の通りに考えておりますので、今後極力努力して参りたいと思います。ただ今国会会期中に実現いたしますかどうか、そこのところははつきりと見通しを持ち得ないのでございます。御質問の御趣旨によりまして、早急そういつた方面につきましても為替の交換ができますように、努力を続けて参りたいと思います。
○受田委員 二十九度以南の南西諸島で、この法の改正によるところの便益供与の程度、すなわちこれの利用者がどのくらいあろうかという年間の見通しについて、政府当局の案はありませんか。
○小野政府委員 従来の両地区間の為替の交換の実情を見ますと、昭和十二年から十六年あたりまでの状況で申し上げますと、本土から振出しにかかりますものが一箇年平均いたしまして、十七万七千口くらいでございます。払渡しにかかりますものは同期間の一年平均にいたしまして、三十一万五千件くらいの数に相なつておるのでありますが、まだ為替の交換を始めましても、昭和十二年—十六年ごろの状況とは、交通その他の関係が非常に相違いたしておりますし、また両者の経済関係等にも、その当時と非常にかわつた姿もございますので、はたしてこれだけの取扱いがありますかどうですか。的確にどのくらいの口数が取扱われるだろう、こういう見通しははつきりとは立て得ない実情でございますが、相当な数はあろうと思います。もちろんただいま申し上げましたような一箇年平均の数には、はるかに及ばないのじやないかと思います。と申しますのは、いろいろ両者の物資の交換條件、また両者の交通関係、特に沖繩から日本本土の学校へ入つておる人たちの数等から見ましても、両者のそういう交通関係が非常に制約されておりますので、為替業務を開きました当座におきましては、件数の上において多くを期待できない、こういうように見通しておるわけであります。
○受田委員 これらの諸島とは、従来の法理解釈からも、あるいは慣例からいいましても、わが国の同じ領土で、特に内地という立場にあつた地域でありますし、これが純然たる外国とは相違を持つという点でこの法案が出されてあるわけですが、これが実施に移された場合に、これを利用する者が多数なければならぬわけでありまして、そういう道を政府当局としても開かなければならない。その法の改正ができたことの趣旨の徹底も、国内並びに南西諸島へ周知徹底させなければならない。そういう意味からも、その政府の努力によつて実績が上るのであります。従つてこの点双方の友好親善をはかるのにも非常に役立つだろうし、また同じ内国為替の立場から送金ができるという立場になりますと、統治こそ管理されておるにしましても、実際は主権としては同じ立場に立つているのだという問題も起りまして、特に奄美大島のごとき、あれだけ切実な日本復帰を念願した運動を起しておるところには、より一層この問題は切実になつて来ると思うのです。この点政府が、そういう問題について至急便益が与えられることによつて、両国の住民が得るところの利益が非常に大きいように努力してもらいたい。 それからもう一つ、先般日本領土に編入された十島村は、どういう関係に置かれているのであるか。政府としてこれに対してすでに手を打つておられるはずでありまするが、それらの地域とのとりきめ関係を御説明いただきたいのであります。
○小野政府委員 前段の点につきましては、この地域からの為替業務再開に対する希望が非常に強かつただけに、本業務の開始にあたりまして、便益を受ける度合いも非常に強いと思います。実は前臨時国会に対しましても、沖縄諸島から熱烈な、実に痛切なる陳情もあつたわけでございまして、その中の事例にあげられました一、二の例を見ましても、沖繩から日本の本土の学校に入つておられる生徒たちが、いろいろ苦労をして勉学を続けておるわけでありますが、送金の道がない、為替利用の便を受けないために、遺憾ながら学業を半ばにしてあきらめて帰らなければならぬというような犠牲者も出て来る、こういう切実な訴えもあつたわけでありまして、こういつた事例はこの業務の開始にあたりまして、取扱い件数の多寡にかかわらず、質的には非常な便益をもたらすであろうということを信じておるわけでありまして、本業務の開始にあたりましてはこの業務の利用上、できるだけ安全に確実に利用できるような方法につきましては、沖縄政庁関係の方面ともよく連絡をとりまして、為替業務のサービスの十全を盡して参りたいと思います。 後段の先般十二月五日付でございましたか、はつきり日本の領土に復帰いたしました下十島村の関係につきましては、すでにいろいろ手を盡しておるわけでありまして、そのために日本本土からも人を派遣いたしまして、いろいろ善後措置を講じておるわけであります。いろいろ為替業務、貯金関係の仕事の基本になります通貨関係の方面につきましても、従来沖繩地区で通用しておりましたB円を日本円に交換する業務を二月十一日から始めまして、十八日にはひとまず完了を見ておる次第であります。そういつた状況から、ただちにこういつた為替の利用もなし得る実情にあるわけでございます。また郵便貯金の関係につきましても、従来のB円で表示されました通帳を日本円表示のものに書きかえる作業を、すでに始めておるわけであります。そういう実情にございますので、郵便貯金の預払い並びに為替の利用の関係につきましても、十分制度の利用が開き得るというような現状になつておるわけであります。
○受田委員 郵政省の機構問題などがやかましく取上げられている現状にかんがみまして、特に郵政行政は重要な国の行政の一環を握つているのであるという意味からも、これが軍に交通省としてその一部局にとどまるような構想に災いされることなく、しつかりとした国際的な郵政行政への貢献の立場からも、郵政首脳部が大いに努力して行かなければならぬ問題だと思うのであります。その意味からこの外国為替のわだちの中から取去られて、郵便為替の中に取入れられて、大蔵大臣の所管から郵政大臣の所管の中へ入つて来て、これらの地域との友好親善をはかつて行くということは、これは非常に大きな喜ぶべき第一歩だと思うのであります。こういう点をひとつお考えいただきまして、国際的な立場で郵政省に大いに貢献していただき、その郵政行政が国の政策の中で非常に重きをなし、なおまた行政面で軽視されることのないように、大いにがんばつていただきたい。これを念願いたしておきます。 もう一つ、参考資料にいただくものについて、郵便為替法の一部を改正する法律案要綱の説明などに、もちろんこれは法律または命令の抜萃でありまするからやむを得ないのでございまするが、抜萃とは別にして、文字の読み方について非常にむずかしいものがありますので、これらについてはひとつ資料を出される際に、この法令の別の立場からひとつ振りがなを付していただく必要があると思うのです。たとえばあなたの方でお出しになつたこの案の、今申し上げた第九ページの一番最後に千島列島と書いてありまして、その次に括弧して、中にむずかしい漢字が並べてあります。これらはどういう読み方をするか。これをひとつこの資料を利用する側の方からも、一々これを問いただす必要がないように、何らか最後の方に註でも加えて、これは何と読むというふうにやつていただくと、資料の提出者として非常に親切であると思うのです。これは何と読むのですか。最高責任者から発言をしていただきたいのであります。
○小野政府委員 珸瑶瑁、これはゴヨウマイと読みます。非常に教えられるところが多いのでありますが、将来そういつた方面につきましては十分注意を払つて参りたいと思います。
○尾関委員長 田代文久君。
○田代委員 私は沖繩の内部事情が全然わかりませんので、簡単なことでありますが、はつきりさしたいのです。現在沖繩の中では円は全然通用してないかどうか。それでどういう貨幣があそこで通用しておるかということを、まずお尋ねしたいと思うのです。
○小野政府委員 現在沖繩の中におきましては、沖繩を管理しております軍政府の定めましたB円というものが通用しておるわけであります。これは日本の円との関係におきましては一対三、B円一に対して日本円三、こういう比率で定められておるものであります。
○田代委員 そうしますと沖繩の住民は、以前はもちろんこれは円を所持し、円で一切を処理しておつたわけなんですが、その沖繩住民が持つておりました円というものは、現在ただいま説明せられましたB円に換算されて、B円一本で通用している。こういうことになるのですか。
○小野政府委員 先般日本の領土に返りましたいわゆる下十島村関係の状況を見ますと、これは日本円も通用し、B円も通用しておるわけであります。ただ貨幣価値がB円に対しまして、これはまあ軍票のようなものであります。軍票そのものではございませんが、沖繩の軍政府で沖繩地区における新しい通貨として、日本の行政権から分離いたしました以後、そういつたB円というものを定めたわけでありますが、その一円に対しまして日本円は三円、こういうことで両者通用いたしておるような実情であります。
○田代委員 それで現在はどうですか。
○小野政府委員 現在下十島村関係につきましては、B円は全部回収いたしまして、日本円と交換をいたしております。その交換の比率はB円一円に対して日本円三円で、先般交換を了したような次第になつております。ただ二十九度以南の関係につきましては、ここは現在まだ日本行政権下に返つておりません。今回郵便為替を再開しようというこの法律改正の対象になつております地域でありますが、この地域内におきましては、ほとんど主としてB円が通用しておるのではなかろうかと考えます。
○田代委員 通用しておるのではないかと考えるという、何かあいまいな答弁ですが、はつきりそれはわからないですか。
○小野政府委員 建前としましては日本旧来の円の流通を禁止いたしておりません。そういう関係で、実情がどうなつておりますか、日本円も通用する建前にはなつておりますが、何しろそういつた通過措置がとられたのもずいぶん前のことでありますので、現在通用しております通貨の大部分は、B円ではなかろうかということを申し上げたわけであります。
○田代委員 そうしますと、はなはだこれは疑問に思い、それが深まるわけですが、今度のこの郵便為替法の一部改正によりますと、日本円をあちらに送る場合に、これはドルに切りかえられるが、そのドルはやはり現在の国際為替レート三百六十円が基準になる。そうしますと、現地の沖縄においてはB円が通用しているということになりますと、そのドル建とB円との関係はどうなるか。それからまた実際にそういう貨幣が通用しているということになりますと、沖繩の住民としましては、今まで円を持つておつたので、その交換比率や何かで非常な不利な條件に置かれたような事実はないかという点をはつきりお伺いしたいと思います。
○小野政府委員 ただいまの関係につきましては、B円と円との切りかえが当然あるわけでありますが、ドル建にいたしますと、そこに為替相場が立つわけであります。その相場は、日本円の関係におきましてお説の通り三百六十円でありまして、B円との関係におきましては百二十円ということに相なつておりますので、今の一対三の比率はその点についても現われて来るわけであります。
○田代委員 そうしますと、これはある程度見当はつくのですが、はつきりしなければならない。私たちが非常に問題になると思うのは、為替価値の変動であります。たとえばかりに円が現在よりはドルに対して高くなるとか、あるいは安くなるというような場合に、こちらから為替を組んで送つた場合に、その間非常に損をするとか、あるいはまた利益を得るというような現象が起る可能性もあるのではないか。そういうことがあるとすれば、それをどういうふうにして処理されようとしておるか、そういう点をはつきりさせていただきたいと思います。
○小野政府委員 本来まつたく自由な貿易関係、経済関係、通商関係におきましては、為替相場はお説の通りほとんど日々かわつておるわけであります。これは従来といえども毎日の為替相場を見まして、それで換算して為替の建値を直しておるわけであります。将来どうなりますか、現在のところで申しますと、日本円とドルとの三百六十円の相場は全然変更がありません。ほんとうの正常な貿易関係に返つて来れば、そういつたような変動も予想されるのであります。また沖繩関係につきましては、将来といえども現在の軍政府下にあるわけでありますので、B円百二十円対一ドルという相場は、そう始終変動するものではないのであります。かりにそういうような変動がありましても、両者とも毎日そういつた相場に注意いたしておりまして、その相場の通りに換算しておるわけであります。
○田代委員 現在のところはそういうことである程度の安定感があるわけですが、社会また国際情勢自体がいわゆるノーマルな状態から相当離れて来るというようなことになりますと、たとえば沖繩へ金を円でどんどん送つてやつた方が有利だという考え方もあるわけであります。また逆な場合もあるわけなんですが、そうしますと、円をもつて沖繩へ送金する場合における額は、現在の場合であれば、こちらでもうけたものを向うへ送るとか何とかいう、そう大した金でないようでありますけれども、実際において一種の投機的にこれを生かすようなふらちな者がある場合には、そのためにこれが利用される危険があるのではないかと想像されるのですが、その点はいかがですか。
○小野政府委員 為替相場に非常な変動があれば、そういうことにもなろうと思います。しかしながら私ども現在の状況から将来の関係を見通しましても、両者の為替相場の関係にさして大きい変動があろうとも考えないわけであります。従いまして今御懸念のような事態は生じないのではないかと考えております。
○田代委員 これは私が非常に懸念することがはつきりいたしたのです。つまり現在のような状態であればいいのですが、いわゆる資本というやつは、また資本家というやつは、自分の利益のためには、それが国家の立場あるいは社会の立場から正しいかどうかということを突破しまして、自分の個人的な利己的な利益のために策動することは、これはもう資本主義の通弊なんであります。従つてそういう場合に対する対策というものが明確にないとしますと、これは日本の国としましては非常にゆゆしいことになると思う。すなわち円がどんどんドルに切りかえられ、そうして円資金がドルに逃避してしまうということになると、これはたまつたものじやない。そういう抜け道としてこれが利用されるという可能性があるような御説明でございましたが、こうなつて来ると、この法案は非常に問題になるように考えられますが、この点いかがですか。
○小野政府委員 郵政省で扱つております為替の関係は一定のとりきめによつて定まつたところを事務的に遂行しておるのみでありまして、今御懸念のようなことをなからしめることはどこの国といえども考えておるだろうと思います。この点を私どもからお答え申し上げるのも筋違いかと思いますが、為替管理の問題として、そういつた御懸念になるようなことのないような措置は、過去といえども十分とられ、将来といえどもとられるだろうと思います。一に為替管理上の問題でありまして、郵政省で担当いたしておりまする為替業務の運行の問題とは多少違つているように思います。
○田代委員 その為替管理の問題なんですが、これが日本とアメリカあるいはイギリスという、こういう国々との間に完全な自主性を持ち、あるいは関税の問題にいたしましても、あるいは輸入品に対する税金をかけるか、かけないかというような問題にいたしましても、はつきり一対一という立場が堅持されているというような事態におきましては、今説明がされましたような安定感もあるのですが、現在のこの行政協定の内容など見ましても、非常に強者に対する弱者という立場がはつきりいたしているのでありまして、従つて為替管理ということを言われましても、実際にその管理が日本に有利な條件のもとになされるかどうか。われわれの判断によりますと決してそうではない。アメリカの非常に強力な圧力のもとにこの為替管理がなされるということは、また実際において運営されているということもはつきりいたしているのであります。従つてその点によりまして非常にこれは不利であり、またゆゆしい問題である。そうしてこの為替管理法の一部改正というものが、一面たとえば沖繩人の諸君にとりましては非常に日本に向うから送るので都合がいい。その点私もこれは認めることにやぶさかではございませんけれども、実はそれよりその奥に隠れているところに、そういう大問題があるというところが非常に問題になるのでありまして、これは現在の政府答弁によりましてはつきりした。従つてそのことはいかにこれが将来日本の国にとつて大きな禍根を残す内容を持つているものであるかという点がはつきりしたので、これは議論しようとは思いませんけれども、私はその点に対する政府の神経というものは、まつたく強者に対する弱者の追随、自主性のない態度というものがはつきり出ているというふうに感ぜざるを得ないのであります。 次に私は質問いたしたいと思うのでありますが、この郵便為替法の一部を改正する法律案の提案理由の説明によりますと、琉球臨時中央政府ととりきめをする云々ということになつているのでありまするが、大体この琉球臨時中央政府ということは私は初めて聞くのであり、またこういう政府があるのかどうか。その主権者は大体だれだ。この点をひとつはつきり私は御答弁願いたいと思うのです。
○小野政府委員 これは琉球にあります、先方には郵政関係の最高機関として郵政局というものがありますが、そこをさしているわけであります。この郵政局と日本郵政省との間の話合いということに相なるわけであります。
○田代委員 これは大臣がはつきり答弁さるべきであるし、大臣がいなければ次官からはつきりしていただきたいのですが、ただいまの答弁によりますと、琉球臨時中央政府が郵政局である、こういうばかなことがありますか。はつきり琉球臨時中央政府との間にこれのとりきめをやるということが明々白白に書いてある。大臣も説明し、また印刷物にまでしてあります。しかもそれを質問いたしますと、それは琉球の郵政局であります。もしそうであるならば、なぜそういうように書かないか。まつたくこれはインチキきわまるものである。私は次官のはつきりした答弁をお願いしたい。
○大野説明員 お答えいたしますが、御承知のように琉球政府では現在アメリカ軍の占領下にありまして、そこの司令官が全部軍政、民政ともに責任を持つて執行しておられます。この司令官の委任を受けまして、民政方面を担当する機関といたしまして臨時中央政府が設立されているわけでございますので、その民政関係の仕事の一部分といたしまして、為替関係のとりきめを日本の当局側と話合いを進めるというのが現在の実情でございます、そういうわけでございますから、ここに提案の理由の説明に先般大臣が、琉球臨時中央政府ととりきめをしなければならない云々と申されましたのは、以上のような琉球方面を担当する最高権限ある米軍司令官から委任を受けられた臨時中央政府の権限内の仕事として、われわれがそのとりきめをするという意味で、それを相手方に申し上げたわけでございます。その臨時中央政府の中でさらにこまかくいろいろ内政方面をやる人もございましようし、郵政関係をやられる人もございましよう。そこで具体的にそういう話合いをするということになれば、事郵政に関する限りにおきましては、その臨時中央政府の中の郵政関係を担当する機関と話合いをするということになるわけでございます。ただいま小野政府委員の申し上げましたのは、ちようどその直接とりきめをする相手方という意味合いで、先方の郵政局ということを申し上げたのでございます。
○飯塚委員 関連してちよつと……。ただいまの次官の説明でよくわかりましたけれども、お互いに資料を頂載しておりますから、その資料をごらんになれば琉球の臨時中央政府の郵政局ということが書いてありますから、御質問なさる方もよくごらんの上で御質問なさつた方がいいと思います。
○受田委員 関連してちよつとそうしますと……。今の琉球臨時中央政府といいますと、国際法の立場からその主体は米軍のこの方面を担当する司令官ということになるのでありますか。あるいはこの臨時中央政府ということになるのでありますか、お尋ねしたいのであります。
○大野説明員 国際法の関係になりますと、私も専門家でありませんのであまり権威のある御答弁をいたしかねるのでございますけれども、権限を委任をされている限りにおきましては、とりきめをいたします相手方が臨時中央政府と心得てよろしいのではないかと私どもは考えております。
○受田委員 この琉球方面の臨時中央政府のほかに、奄美大島とか八重山、宮古島に、この方面のそれぞれ分割された区域に政府ができているのではありませんか。そういうものを統轄したのがこの付近の臨時中央政府ということになつているのでありますか。あるいは今後この占領政策が終結を見てこの方面にどういう行政管轄が行われるか知りませんが、その場合にはこれがどういう方面に移管されるのかというような見通しなどについても、ひとつ御答弁いただきたいのであります。
○大野説明員 私の承知いたしておりますところでは、この臨時中央政府は、統一された民政の機関であるというように心得ております。将来のところはよく存じません。
○受田委員 ただいま田代さんからお尋ねになつたこの問題は、先ほど貯金局長さんの御答弁が、その臨時中央政府の一部局である郵政局という説明で非常に憤慨されたわけでありますが、解釈によつて、臨時中央政府の一部局と面接には折衝するが、結局それが臨時中央政府との交渉と同じ結果を示すという解釈であろうと私は思うのです。ところが国際法上の権利義務の関係に立つ主体がどこにあるかという問題で、今こうして占領されている地域でありますから、これが交渉団体としての主体を認められる場合もありますので、何かここへ法的な、筋の通つた解釈をしておかないと、将来こうした條約の締結にあたつて、あるいはその、條約に基くいろいろな協定などにあたつて、ちようど今参議院の予算委員会等で問題になつております行政協定などと関連して、国民に非常に疑惑を与えるおそれがあると思いますので、この点はつきりと琉球の臨時中央政府というものはどういう関係に立つものであるかということを御説明いただいて、その政府との交渉は違法性を全然持つていないのであるというはつきりした了承がないと、国民の間にはこういう政府をあまり信頼しない人もおるのでありますから、疑義を生ずると思います。この点沖繩付近の全般を管轄する政府といいますと、ここへあげてあります二十九度以南の南西諸島の地域は全部含む、管轄権を有するということになると思うのでありますが、それに間違いないのでありますか。それともう一つは、これとあわせて参考資料にあげてあります千島列島や、あるいは小笠原諸島、こういうところを管轄している政府はどういうものがあるのか。郵便為替法の次の改正ではこの方面へ当りたいとおつしやつておられるのでありますが、琉球方面の臨時中央政府と折衝されることにもうお話が済んでいるのでありますから、いただいておる資料の小笠原あるいは竹の島というような、これらの地域等を内国為替法の中へ編入されようとするときには、どういう方面へ当られることになるのであるか、まだはつきり折衝されていないのでありますれば御答弁がいただけないと思いますが、折衝されておりますならば、この方面の政府はどういうものがあるのか、お尋ねしたいのであります。
○小野政府委員 前段の面につきましては、前回の委員会におきましても、いろいろ今回の改正に至りますまでの経過を御説明いたした通り、もともと非常に特殊な地域でありまして、今回為替を始めようという地域の中には、鹿児島県に属しておつたような地域もあるわけであります。そういう関係から、外国と物をとりきめるというような形で扱いたくないのが本心であります。従つて條約というような形にいたしますことはもちろん、協定とかとりきめといつたきゆうくつなものにする意思もないのでありまして、日本側におきましては、現在関係筋との話合いによりまして、もうすでに全面的に郵政省にまかされた問題でありますから、一応こういつた内容でお互いに話が済みそうだという場合にも、まつたく事前にそういつた了承を受けなくてもいいという状況であります。問題は形式、内容ともに琉球側と話が済めば、これはまつたく郵政省の自主性にまかそうということに相なつております。ただ沖縄という地域を、たといわれわれがそういうような気持で考えておりましても、御承知の通り特殊な地域でもありますので、郵政省だけでなしに、外務省もあるいは関与することになろうと思いますが、実際は協定といつたようなかた苦しいものでもなく、郵政省で案をつくりまして、こういうような要領で行きたいということを先方に通告いたし、先方がそれに対して異存がないということになれば、ただちにいろいろ外交文書的に嚴格な條約とかあるいは協定というようなかた苦しいものでなく業務を再開したい、かように考えておるのであります。先方といたしましては、琉球側の事情もあることでありましようが、あるいは郵政方面のいろいろな文書による措置が必要となりますかどうですか、現在のところまだはつきりいたさないのであります。大体において中央政府の郵政局方面からのものと、われわれ本土からいたしますものと、同様な実施要領を持つて、お互いにこれで行こうではないか。その内容が同一のものであれば、そこで初めて業務を再開し得るわけであります。そういう状況に相なりますので、嚴格な外国とのとりきめの例によつてこれを御判断願うことも、実は非常に心苦しい次第であります。 後段の関係につきましては、現在何らそこに沖繩におけるような中間の政権はないと思うわけでありまして、日本に進駐いたしておりますその軍の組織によつて管理されておる、かように考えておるわけであります。
○田代委員 まだ十分納得できないのです。琉球はわれわれの常識で、あるいは国際法なんかでいう独立国でないことははつきりわかつている。そうすると結局政府側が説明される場合に、アメリカ権力との、アメリカ政府との、とかいうように言われるとはつきりすると思うのです。いずれにいたしましても、このとりきめを結ぶ相手方がアメリカ権力であるということがはつきりしたので、このもやもやした何かごまかしみたいな琉球臨時中央政府というようなことは、削除していただきたいと思うのです。大体この法案は四月一日からこれを実施するということになつておりますが、琉球のはつきりした帰属というものは——私たち委任統治その他に対しまして断固反対のわけでありますが、サンフランシスコの会議からいつても、まだ批准も終らないうちに、アメリカの権力とこういうことを締結することが大体されますか、それをはつきりさしていただきたいと思います。
○大野説明員 ただいまはつきりしておりますことは、日本の政府で所管しております郵便あるいは為替等の仕事は、二十九度以南の南西諸島に及んでいないということが一つ、それから二十九度以南の南西諸島におきましては、権限ある機関が現に郵便為替等の仕事を扱つておる。その権限ある機関が臨時中央政府であるということは、関係筋を通じてはつきりいたしております。この二点がはつきりいたしておりますので、それぞれの権限ある機関同士で話合いをしよう、こういうことを今いたしておるのであります。
○田代委員 ただいまそういう地方に日本の権限が及んでいない場合に、こういう法律をつくろうとしているのは、日本の自主性においてこういうものが必要だからという立場からやつておるのですか。そういう考え方によつて、われわれの支配なり、あるいは権力の及ばないところで、たといわれわれがこれを可決しましても、相手国の方がノーということになると、これは意味をなさないことになるというのが本筋だろうと思うのです。こういうことを一方的にわれわれが審議し、これを可決して効力を発生しますか、その点をはつきりさしていただきたいと思うのです。
○大野説明員 ここへ提案をいたしまして御審議をいただいておりますものは、日本の行政権の範囲内で、琉球との関係においてはかようかようの取扱いをいたしますということを、国内にだけ適用する範囲できめていただこうというのでございます。
○田代委員 これは政府の答弁によりまして、いろいろの面から問題がたくさんあると思うのですが、一言同僚議員の飯塚君に言つておきたい。先ほど私の質問に対しまして、政府側が答弁されるようなことを言つて、君はもう少し法案をよく読んだらどうかというような話ぶりのようでありましたが、これはまつたくいらざるおせつかいであります。そういうことは愼んでもらいたい。与党だからといつて、政府委員の立場に立たれるなら、私は今後飯塚君にどしどし質問をしなければならないということになるのでありまして、そういう点は同僚議長としても愼まないと、法案審議に対しまして非常に支障を来すということを、一応御注意申し上げておきたいと思います。
○飯塚委員 田代委員の御注意はよくわかりますが、われわれが資料を見ればわかるようなこともあるし、その点をあなたに注意したのでなく、政府委員にもインチキだとかなんとか言われないように、その点をやつてほしいということを言うのであるから、あなたに対してだけ御注意を申し上げたというようにおとりにならないように願います。
○尾関委員長 石原登君。
○石原(登)委員 まずこの法案の改正の趣旨ですが、今南西諸島と為替の交易がそれほどでない。それで国権は及んでないけれども、これは現地の住民、日本国民の感情等もくんで、せめて郵便為替の取扱いだけでも、国内の為替の取扱いを適用する、こういう気持で実施したい、そういう意味の法律の改正だと思いますが、そういうふうに了解してよろしゆうございますか。
○小野政府委員 その通りの気持で進んでおります。ただ外国為替管理法その他の関係で、一応その両では外国扱いになつております。日本の国内法が当然には及ばない地域でありますので、内国業務とは最小限度違つた面は出て来ると思いますが、気持は石原委員御指摘の通りの気持でおるわけであります。
○石原(登)委員 非常に南西諸島の問題が困難であつて、日本国民も現地の住民も手をやいておる折から、郵政省のその所管の業務のうち、せめてこの為替だけでもそういう程度にまでこぎ着けられた努力と熱意に対して、私は心から讃辞を呈したい。どうかそういうような気持で今後もやつていただきたいと思います。趣旨がさようでありますから、この法律案の改正については根本的には私は非常に賛成でありますが、この法律案の内容が残念ながら委任立法的な形になりまするために、一言だけ聞いておきたいのであります。この提案現任の説明にもありましたが、郵便為替法をそのまま適用できない手続について、こういうような省令にまかしてもらいたいという趣旨だと思います。その内容はどういうことであるか、それだけ聞いておかないと、正直な郵政省の皆さんであるから、われわれの意思に沿わないような省令の実施をされようとは思わぬが、この点だけは非常に大きな問題でありますので、予想される事柄だけを承つておきたいと思います。
○小野政府委員 先ほどお答えいたしました通り、気持といたしましては内国為替の業務の内容そのままで実施いたしたい気持でございます。ただ内国業務の法規がそのまま適用されない地域に現在なつておりますが、同時に外国為替管理法上から行きましても、内国とは違つた扱いを受けておりますので、その辺から内国の業務とはごく少数の違つた面が出て来るわけであります。その違つた面と申しますのは、大体二点に盡きるのであります。一点は、内国業務でございますと一応郵便局相互間におきまして、計算事務その他で地方の貯金局、従来の支局でございますが、そこを通過はいたしますが、それぞれ為替の振出しにいたしましても払渡しにいたしましても、郵政省、貯金局には直接関係なく、現業事務として一般に流れて行くわけであります。今回の沖繩との関係におきましては、それぞれ行政権担当の機関を異にいたしておりますので、郵便局相互間に内国と同様に流れるわけに参らないのであります。そこで勢い両者の最高機関がタツチしなければならないという状況に相なるわけであります。これは業務内容自体は内国為替と同様でありますが、手続その他におきまして、多少の例外が出て来るようなことに相なるわけであります。内国為替で申しますと、郵便局から為替を振り出しますと、そこですぐ証書を発行して、その証書を為替を組んだ人が受取人に郵送する。受取人はそれを受取つて、払渡し郵便局で現金にかえるという措置で済むのでありますが、一応行政権を異にいたしておりますので、そういう流れをするわけに参らないのであります。両者の政権の間に、方式はいろいろありますが、それぞれそこを通過しなければならないのであります。そこで一応考えました結果、一々一枚の為替ごとに両者の郵政庁間に案内の行くような方法は煩にたえませんので、その日の取扱い件数の総数につきまして、一覧でわかるような目録をつくりまして、それを相手の郵政庁に出すわけであります。日本振出しのものにつきましては郵政省貯金局でそういうものをつくりまして、沖繩の郵政局に送付するわけであります。沖繩郵政局で振り出しますものは、同様な手続で先方へ手続をとるわけであります。そういつた目録の交換によりまして、初めて為替証書の発行という段階になるのであります。郵便局へ現金を出しましても、すぐ為替証書にかわるわけではないのであります。そういう面から振出しの面、払出しの面等に、いろいろ差等ができて参るのであります。たとえて申しますと、為替の払出しの場合について申しますと、純然たる内国為替の場合には、Aの郵便局に現金を添えまして——現在はこの制度は案内式の方式に前回の臨時国会で御承認を受けてなつておりますので、現金を添えて、千円なら千円の為替がほしい、こういうことであればそこでただちに為替証書を発行するわけであります。ところがただいま申し上げましたような特殊な状況もありますので、両地域間のそれにつきましては、Aの郵便局でただちに証書を発行することができないのでありますが、一応何もなしではわかりませんので、為替送金を希望する者から、現金に添えて為替の振出し請求書というもの、これはごく簡単な様式のものでありますが、これを出すわけでございます。この為替振出し請求書が、一応日本で申しますと、内地では貯金局へ集まります。先方では沖繩郵政局へ集まるわけでありますが、それによつてお互い交換をしました目録と対照しまして、払渡しに必要な住所、氏名、その他を記載した証書を発行するということになるわけであります。これをそれぞれの担当機関から申請者の希望される受取人に証書として送達するわけであります。そこで初めて払渡しができるわけであります。同様に払渡しの場合につきましても、内国為替とは違つて、一々目録と対照して整理しなければならぬようなことになるのでありまして、例外と申しましても、特にただいま御指摘の法律が全面的にと爾余の問題を命令に委任する、いわゆる委任立法という形にはなりますが、これはしかく大きな問題ではないのでありまして、そういう小さい技術的な問題を命令に委任しよう、こういうようなことになるのであります。これが第一点であります。もう一つ大きな点は、表示貨幣であります。表示貨幣につきましては、日本本土から振り出すものにつきましても、ただちに日本の円をもつて千円とか、こういう為替は切れないのでありますから、これを一旦ドルに換算いたしまして、何ドルという表示貨幣が外国貨幣を用いなければならぬ、こういうことが第二点であります。業者間の為替の交換の場合に、気持は内国為替そのままの形で行きたいという気持はありましても、最小限そういう二点だけが特例になるのでありまして、そういう点の技術的な取扱いにつきまして命令に規定を讓りたい、そういう根拠を実はこの改正法で受けたいということでございます。
○石原(登)委員 よくわかりました。そうしますと日本で送る場合には、貯金局で証書を発行しまして、それを向うの郵政局を通じて向うに送達する、こういうことになるわけですね。
○小野政府委員 日本から出します場合には、先ほど申し上げましたように、郵政局では振出しの請求書を本人から現金とともに受取つてあります。その請求書はそれぞれ先万の郵政局にも参るわけでありますが、郵政省貯金局におきましては、そういつた件数が全国各郵便局に無数にあるわけであります。それを一表に集めまして、本日の取扱いはだれだれからだれだれへ何ぼの送金の依頼があつた、こういう目録にして沖繩に渡すわけであります。沖繩はそれによりまして証書を発行いたします。これは沖繩の在住の受取人に対しまして証書を送達する。この送達を受けた者は沖繩のいずれかの指定された郵便局へ現金をとりに行く、こういうことに相なるわけであります。
○石原(登)委員 その場合の送金料は大体どのくらいの額であるか、それから送金金額に限度あるいは制限があるかどうか。
○小野政府委員 この点は大体大勢は聞違いないわけでありますからきまつておるのでありますが、個々の小さい問題につきましては、両者話合いによつてきまるわけでございます。この話合いも今日相当進んでおりまして、先般日本業務へ入りました沖繩地域の善後処置に参りました出張者も帰つております。先方を立ちます当時の状況から申しますと、先方の郵政局におきましては、ただいま申し上げましたような例外の関係を、いろいろな面から技術的に連ねたような案に対しまして異存がない、こういうところに審議は終了しております。その後沖繩の郵政局の方にそういつた案が伺いを立てられ、郵政局も大体それでよろしいということになつております。そういつた外国為替管理の関係も入つて参りますので、全体的には異議はないのでありますが、ただそういつたドル資金の外貨の管理を郵政局でやるか、あるいは他の問題と同様に、そういつた外国為替を管理する方面においてやるかの違いがございます。先方の郵政局におきましては——これはわれわれも同様でありますが、郵政局でそういつた操作をしたい、こういつた希望があるようでありますが、ただそれは従来の例からは特例になりますので、その面にやや難色があるように見受けられるのであります。その他の点については大体審議を了しまして、出張者が先方を立ちます当時の模様からしまして、ここ二、三日うちには正式に承認があつて、先方からそういう案を携えて東京まで出て来られるのじやないか、こういうような実情に相なつておるわけであります。そういう状況でありまするので、ただいま御質問の点につきましても明確になろうと思いますが、料金関係につきましては、私どもは内国料金の現在の料金と同様なことを考えております。最高はやはり五万円の証書にしまして、料金も大体同様に考えております。ただ内国の関係で申しますと、証書はそのまま振出しの郵便局で発行されますので、あと郵送の料金は本人持ちということに相なるのでありますが、ほんとうはそうでなく、郵政局の方で証書を送達するようなことになるわけであります。従つてそれだけ内国為替のそれよりもコストはよけいかかるといえばかかるようなものでありますが、これは金額にいたしましても微々たるものでありますので、そういう面は大体考慮いたしませんで、内国為替と同様な額の金額をもつて進めたい、かように考えておる次第であります。
○石原(登)委員 一件の取扱い金額の五万円は了承いたしましたが、私の質問の趣旨はそうではなくて、無制限に、十枚組んだら五十万円、百枚組んだら五百万円というように送れるかどうかということです。これはどういう意味かというと、この金が日本へ来た場合にどういう取扱いになるか知りませんけれども、出す場合は問題はないが、入つて来る場合はドルで入つて来る。ドルで流されると国内経済に相当大きな影響があるわけであります。おそらく入つて来たときは、これは必ず日本円に換算されて、円で払われるものであろうと思いますが、無制限ということになると、これも国内経済に相当影響があると思うのでありますが、この場合はほんとうに制限はないのでありますか。
○小野政府委員 御指摘の点につきましては、制限が行われるであろうということは見通しております。アメリカ並びにカナダ方面に対しまして日本側からも送金ができるような措置が、昨年十一月一日から初めてとれたわけでありますが、この実情を申し上げますと、大体一人一箇月三十ドル以内ということになつております。約一万円でございます。われわれといたしましても、現在の内国為替の最高五万円の点は制限なしに——為替の面ではそういうふうに考えておりますが、外貨管理の面からはそういう制限は当然あろうと思います。ただ両者の手持ち外貨、両者の交換から来る外貨操作の面からどの程度のわくになりますか、この点はまだ明確でありませんが、いずれにいたしましてもこの業務によりまして、無制限に利用するというところまではなかなか行きかねるのではないかと考えております。
○石原(登)委員 そういたしますと、こちらから送る場合は別に制限はないが、向うから送つて来る場合には、たとえばこちらに学生がおるからとか、親戚がおるからとかというようなことで、送る人の資格に何か制限があるか。今日の沖繩南西諸島は日本の領土ではないので——あそこからこういう特別の金を送つて来ることは賛成でありますけれども、あるいは常識的に考えて、ああいう苦しいところから無制限に送るはずはないのであつて、何かそこに送る資格についていろいろの制限があろうかと考えます。制限の内容を知らないでおつて、われわれが簡単にこの法案を認めますと、実際そのために助かるべき人が助からないで、單なる商行為であるとか経済行為だけに利用されるということがあつてもいけないわけでありますが、その間の見通しはどうでありますか。
○小野政府委員 先方のその間の事情につきましては、先方からの案を携えていずれ関係官が東京へ参るわけでありますから、そのときに大体はつきりするだろうと思いますが、おそらく送金の金額の面につきましても、一箇月ドルで幾らまでという制限も当然あろうと思いますし、勢いそういう面で現在日本から外国へ送金いたします場合と同様に、條件はいろいろ違うと思いますが、あるいは学資の送金であるとか、図書の購入とか、あるいは生計上やむを得ない送金というような制限は、為替管理の面から要請されるだろうと思います。金額並びにそういつた送金目的については、制限が行われるのが大体現在の見通しでなかろうか、かように考えております。ではいかように制限が付せられるであろうという点につきましては、まだ今日のところ明確ではないのであります。
○石原(登)委員 私が執拗にこの点をお尋ねするのは、外国為替の場合には為替管理令によりまして、これは絶対に祖国の経済を破壊することのないような、十分な考慮が払われるわけであります。ところがこの取扱いに限つて、従来の日本と南西諸島間の、いわゆる歴史的その他の感情を取上げてくれて、これを非常に特恵的な処置を考えてくれているわけなんです。そういうときに、もし一部において不心得な者がありまして、これを濫用するとか、あるいは悪用するとかいうようなことが出まして、琉球政庁の経済を混乱させるとかなんとかいう形になつて参りますと、せつかく今日好転いたしておりますところの南西諸島の日本復帰の問題——これも政治的に十分よく考えられて、こういうような処置を講じてくれることも、おそらくアメリカ軍当局、国際連合当局、そういうところでも十分配慮していてくれることをわれわれは確信しておりまするがゆえに、今後こういうようなことから思わぬところの不信行為の全体に及ぼす影響がありはしないかということを、私は非常に考えるわけであります。そこでこのとりきめの内容というのは、われわれどうしても知りたいのでありまして、これは向うの意向がわかり次第、ぜひともわれわれに提示していただきたいと思います。金額、取扱い件数その他、これは大したものではないと思うのでありますが、この面から出て来ますところの、日本と沖繩、ひいては日本と連合諸国との国際信義の上に大きく影響すると思いますので、この点十分に御配慮を煩わしたい、かように考えます。 それから最後に一点だけお尋ねいたしますが、本法の発効は四月一日ということになつておりますが、これはここでお尋ねするのはあるいは無理じやないかと思いますけれども、この四月一日と講和條約の発効と何か関連がありますかどうか。もしそういうものの発効がなくても、この問題に関しては何ら支障なく、日本の態勢さえ整えば、四月一日から実施が可能であるのかどうか、この点をひとつ承つておきたい。
○小野政府委員 前段の問題につきましては、非常に御協議を賜わることが多いのでありますが、先方における審議の模様が、案の全体につきまして、そういつた御懸念のような点について問題があるわけでありまして、その面を除いては、郵政省案は全面的に先方も関係者すべて賛成のようであります。ただ為替管理の問題から参りまして、御懸念のような状況を除去するためにこそ、そういつた問題が問題になつているのではないかと思いますが、先方の郵政局におかれましては、そういつた操作も全面的に郵政局にまかしてもらいたい、こういう要望がどうもいれられそうもないということであります。ということは、先方の外国為替を担当しております部門におきまして、今御指摘のような状況を十分に監査したいというような気持ではないかと想像するのであります。 後段の実施期日の問題につきましては、これは講和條約発効と何ら直接には関係はないわけでありまして、すでに準備さえ整えば本土初め、少くともアメリカとカナダに日本からの送金が許されました十一月一日以後、いつでもできたわけでございまして、別段直接の関連はございません。
○石原(登)委員 本法改正の処置は、国民としては非常に待望しておることであり、またわれわれとしても喜ばしい次第でありますが、沖繩政庁の郵政当局の諸君の努力、苦心のほども、私は実はしのばれるわけであります。そこで直接にこの処置が日本国に及ぼします利便を考えまして、こう言つては何ですが、沖繩政庁のいわゆる力が、まだ立つたばかりであつて、なかなかいろいろな面で微力だと私どもは考えますので、日本政府におかれましては、沖繩政庁に十分協力せられまして、一日も早くこういうような処置ができることを、私は強く要望いたしたいと思います。なおまたこの処置について、何か沖繩政庁に対して積極的に協力されたことがあるならば、実は日本政府としてはこういうこともやつておるのだということがありますれば、それもあわせてごひろういただければ参考にいたしたい。もしなければけつこうです。
○小野政府委員 いずれ両者の実施の要領が固まりました際におきましては、その要領案を御提出いたしたいと思いますが、おそらく今まで御説明申しましたものとかわらないものであろうと思います。実は沖繩との関係の為替の再現につきましては、昨年十一月、日本からアメリカ、カナダ等への送金が許される以前から、沖繩側において、領土の復帰とともに、交通、貿易、通商、そういつた関係の安全なる措置を熱望しておられた事情もよくわかりますので、私どもといたしましても、一日も早くそういつた状況に立ち至りたいというわけで、従来とも非常に努力いたしておつたのでありますが、米国、カナダ方面に対する片為替の状況がなかなかとれない。これと直接関係はないわけでありますが、事情がよくわかりながら、そういつた準備を進めることができないような状況に相なつておつたわけでありまして、従来といえども関係筋の方面に何回も陳情もいたし、いろいろ要望もいたしたのでありますが、やつと先年の十一月一日に日本側から米加方面への送金が許されるような見通しがつきますと同時に、沖繩関係についても、従来数度にわたる公文なり口頭のいろいろな折衝があつたわけでありまして、従来のそれにかかわらず、もう送金の準備を進めたらどうか、しかもその関係については先方と話さえつけば、関係筋の方面の了解はいらないということで、全面的にまかされて、非常に明るい気持をもつて今日まで準備を進めて参つたような状況であります。
○石原(登)委員 この制度が実施されて、従来に比べてお互い非常に便利なわけですが、これを竿頭一歩を進めて、たとえばこれは貯金局でされるのが当然でありますけれども、南西諸島と特に経済、交易、あるいは生活関係の密接な地域、たとえば南九州、こういうところの貯金支局を利用して、わざわざ東京まで手続をしなくても、そういうような特殊な地域では、特にその局々で扱わせるというような意思はないか。またそういうような手続は将来折衝のいかんによつてはできるのかできないのか、これはできるならばぜひ、相当困難があつても、そういう処置がしていただけますならば、特に沖繩、大島と関係のある鹿兒島貯金支局、あるいは特にそういうところの人が多く住まつておりますところの京都あたりの貯金支局、こういうところを利用してもらうと、非常に相互の間に便益を来すと思いますけれども、これに対する見解、また将来の見通しについてひとつ承りたい。
○小野政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、可能な問題でございます。ただ長らく業務を休んでおりました関係もございますし、沖繩側におきましてもいろいろ管理要員、郵便局における取扱いその他につきまして、懸念される面もございます。日本側におきましても、程度の差こそございますが、再開当初におきましてはさような面もございますので、ひとまず郵政省の貯金局において操作をいたしますが、できるだけ早く近接地域の鹿兒島貯金局なり、そういつた方面に事務を移して参りたい、かように考えておる次第でございます。
○尾関委員長 本日はこの程度にとどめまして、次会は公報をもつてお知らせ申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十一分散会