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13回国会衆議院1952/02/22

郵政委員会 第5号

発言数
146
登壇者
8
会派数
3
開催日
1952/02/22

会議録

尾関義一自由党

○尾関委員長 これより郵政委員会を開会いたします。  前会に引続き、郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。質疑の通告がありますのでこれを許します。田代文久君。

田代文久日本共産党

○田代委員 今度の一部改正法律案は、端的にそれがうたつてはございませんけれども、現在の情勢から申しまして、非常に再軍備ということが急がれておるし、結局そのことは税金でとれないので、零細な国民の資金を吸收するというようなことになるのじやないか、なお貯蓄報国運動とか、あるいは愛国貯蓄運動というような形になる傾向を持つのじやないかというように私たちは思うのですが、政府としましては、そういう愛国貯蓄運動的なものを近き将来におやりになる御意向があるかどうか、まずお伺いいたしたいと思います。

寺本齋自由党郵政政務次官

○寺本政府委員 今お尋ねのような考えは持つておりません。

田代文久日本共産党

○田代委員 これはこの間大臣にも質問いたしましたが、大体そういう方向  へ急行しつつあるのじやないか。目下それを決定されておらないようでござ  いますが、行く行くそういう形に持つて行かれる危險が非常にあるのでありまして、その結果どういうことになるかという点が、非常に危惧されるわけなのであります。先日来申しておりますように、戦時態勢に入つて物価がどんどん上る、そうしてインフレに急行するということになりますと、零細なこの金が、いざ使うとなるとただみたいになつて来る。今度の提案理由にも説明してありますように乗りかえ制度というような問題、ああいう問題も紀  つて来るわけであります。しかもその集まつた金の使途、いかに使うかという点が依然としてはつきりしない——というよりは、むしろそれが再軍備の方向へ流用されるという点が私たちとしては非常に心配になるので、政府としてはこういうふうに集まつた庶民の資金というものを、はつきり民生の安定、厚生施設の拡充、あるいは平和産業へ重点的に振り向けるというような計画をお持ちであるかどうかという点を、あらためてお尋ねしたいと思います。

寺本齋自由党郵政政務次官

○寺本政府委員 昨日であつたかと思いますが、受田委員の質問に大臣が答えられました通り、郵政省としましては、簡易保險の積立金、郵便貯金の積立金というものを、郵政省の手でなるだけ地方に還元させる。還元するということは、今田代議員の仰せになつた民生の安定、厚生施設という方面に、いわゆる平和的な方面に持つて行くという考えでございます。目下のところ、これを軍備の方面に重点的に使うというような考えは毛頭考えておりません。

田代文久日本共産党

○田代委員 今次官から、こういう資金を軍備の方へ使う意図は毛頭ないということを明言されましたので、私は国民の代表として、肝に銘じてこれが実行されるものであるというふうに受取つておきたいと思います。しかし私は実際において、現在資金運用部資金がどの方面に投資されつつあるかという点は、これは予算書にも出ておるのでありますが、今次官が述べられたような形ははつきり出ておらぬということが断言できるのであります。しかしこの資金運用部資金の使途の具体的な問題につきましては、また日をあらためてお尋ねしたいと思います。  そこで今度のこの改正によりまして利子が上ることになるのでありますが、その上げた利子に相当する資金というものは、どこから充当されるお考えであるか伺いたい。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 従来郵便貯金の運営に必要な経費は、大蔵省資金運用部から流れて来ることになつております。二十六年度から郵便貯金関係の会計は特別会計になつておりまして、郵便貯金で集積いたしました資金を資金運用部に預託するのであります。それに対しては一定の利率が入つておりまして、その利率の範囲内で歳出をまかなうということが建前であります。現在の預託利率では必要経費をまかない得ないということが実情でありまして、従つてその不足分は一般会計から繰入れておるという形になつております。今回の利子の引上げによりまして、貯金の歳出はそれだけふくらむわけでありますが、この必要経費はあるいはそういつた預託金の收入、さらにその不足分については一般会計から補填を受けるということに相なつて、その財源は預託收入並びに一般会計の繰入金、こういう方面からまかなわれるということに相なるわけであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 今申された一定の利率というのは、大体どれくらいでございますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 二十六年度、特別会計を設定いたしました当初におきましては、これはあらゆる資金に同一の預託利率が付されておりまして、その利率は五分五厘ということに相なつております。来年度の予算におきましては、五分五厘では相当の不足を来しまするので、実は二十六年度本予算並びに追加予算で約三十億の一般会計からの補填を受けておりましたが、二十七年度におきましてはそういつた一般会計繰入れの形をできるだけ少くする、こういうような意味合いから、預託利率が郵便貯金につきましては一分上げられまして、六分五厘ということに相なつております。

田代文久日本共産党

○田代委員 そうしますと、郵便貯金関係の予算から見れば、赤字の面はそういう形で埋められるので、全部それはカバーされてなくなつてしまう形で、收支いつもとんとんになる、こういう御見解でありますね。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 建前は預託利子によつて歳出をまかなうということが建前でありますが、二十六年度におきましてもそれだけは下足を来しております。二十七年度におきましても、暫定的に五分五厘を一分上げました六分五厘の收入をもつていたしましても一部下足を来しますので、その不足分については同様、一般会計からの繰入れにまつという結果に相なつております。

田代文久日本共産党

○田代委員 これは予算書に出ておりましたが、その郵政事業の損失補償を今年度から打切るということになつておりますね。その点どうですか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 今年度から補給を打切るということには実は相なつておらぬのでありまして、先ほど申しましたように五分五厘の預託利率は、二十七年度におきましては一分上りました六分五厘になるわけでありますが、なお利上げ等によりましても歳出の不足を来しますので、一部一般会計から繰入れを受けておりますが、その額は四億二千八百万円余であります。

田代文久日本共産党

○田代委員 この予算書に対する大臣の説明の中で、「二十七年度におきましては、一般会計よりの補給金を受けることもなく、かえつて六億円余を建設費の財源に充当している状態でありまして、」こういうことになつておるので、実際は赤字補填を受けずに、むしろ余力があるのだ、こういう結論になつておるように考えられますが、どうですか。

佐方信博郵政事務官(経理局主計課長)

○佐方政府委員 お答えいたします。その大臣の説明に書いてございますのは、郵政事業特別会計のことでございます。郵政事業特別会計は郵便と貯金、保險、それから電気通信事業特別会計の業務でありますが、そういうものを全部郵政事業特別会計を通して払つておるわけであります。その財源としましては郵便の收入、貯金特別会計からの繰入金、それから保險特別会計からの繰入金をもつて現場へ流す金は全部郵政事業特別会計から出しておるわけであります。それで郵政事業特別会計としましては今度赤字がなくなりました。但し郵政事業特別会計へ繰入れるもとであるところの貯金事業特別会計におきましては不足が四億ほど出て、それが一般会計からもらつておる、こういうことになるわけであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 今のに関連しますが、今御説明になりました二十九億円か三十億円の打切りの問題、これは実際に打切つていいものかどうか、実際に打切られることが郵政事業に従事しておる従業員の負担になり、なお言いますればその努力目標をふやすとかいうことになつて圧迫するのではないかということが考えられるのですが、この赤字の内容なるものが、実際に郵政事業の二十六年度なら二十六年度というその中においてできたものであるか、それともずつと以前から引続いて、むしろ責任を負うべきものでないのを負わねばならなくなつておるのであるかどうか、そういう点はどうですか。

佐方信博郵政事務官(経理局主計課長)

○佐方政府委員 少し敷衍して申し上げますと、二十六年度の予算におきましては、郵便貯金特別会計で三十億の赤字があつたのでございます。それから郵政事業特別会計は、郵便貯金がその補給金をもらいますから、郵便貯金そのものとしては補給金をもらつて收支合つておるわけです。そうしてその金を郵政事業特別会計へ入れて参りますから、郵政事業特別会計の中では今度は貯金の関係では赤がないわけです。ところがそのもとをなしておりますところの郵便事業收入におきまして料金値上げができませんために赤字がある。そういうことで郵政事業特別会計の方におきましては、郵便の收入不足に応ずる分としまして二十九億の補給金をもらつたわけです。だから二十六年度におきましては郵便の方で二十九億もらい、郵便貯金特別会計で三十億もらい、合せて五十九億の補給金をもらつたわけです。ところが二十七年度におきましては、御承知のように補正予算で料金値上げをいたしましたので、それで郵便の赤字は今度全部解消した。そうして建設勘定への財源を持つて行けることになつた。残るところは、郵政事業特別会計へ貯金の経費として入れるもとになつておりますところの貯金事業特別会計だけは、まだ四億円の赤字が残つておるということになるわけであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 次にお尋ねいたしますが、今度利率を上げることによつて利益を受けます預金者の階層、実際において工場労働者とかあるいは炭鉱労働者とかいうような組織労働者は、現在預金をする能力はほとんどない。むしろ炭鉱労働者の諸君などは、頼母子講とか何とかによりまして、賃金を天引されてしまうという窮迫した事情になつておりまして、この利子をいくら上げようが上げまいが問題にならない。むしろこういう資金がどんどん集められて、それが軍需産業へでも使われるということになると、大局的な結果から申しますと非常に不幸な状態になるのでありますが、大体この預金者の階層と申しますか、これは非常に零細な人が多いと思うのですが、どういうことになつておりますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 御承知の通り郵便貯金事業は創始以来、庶民階級を対象として事業を運営して参つております。その姿は今日においてもかわつておらないのでありまして、一件当り預入の平均金額を見ますと約千円ぐらいになつております。しかもただいま工場労務者等については、利上げの恩典に浴さないというお話でありますが、私どもの方でいろいろ団体貯金その他貯蓄の増強に役立つような、しかもそういつた勤労大衆の生活安定に役立つようないろいろな増強施策をとつておるのでありますが、各種の相当大きな工場において、大小とりまぜましていろいろな団体をつくられ、しかもそこで相当貯蓄の実績を上げられ、われわれの方といたしましてもそういつたうるわしい団体に対して表彰をいたしたことも数多くあるのでありまして、勤労階層がその恩典に浴さないということは、どうも理解できないように思います。

田代文久日本共産党

○田代委員 今のお話は非常に抽象的でありまして、私は理解できないのです。平均千円貯蓄しておると今おつしやいましたが、かりに現在千円貯蓄いたしまして利子が一分や二分上つたところで、これをどういうふうに思つておるでしようか。もしこういうふうに集められた金が軍需産業へ使われるということになりますならば、むしろ利子など問題にならないで、それから来る不幸こそ重大問題ではないかと私は考えるわけでありまして、たとえば工場などにおいて大体どういう取得の人がどれくらい実際に預けておるか、おそらく農村などにおきましては單に利子目当ではなくして、ある程度の安全感というか、民間銀行に預けておくよりは、いざという場合には国家が背負つてくれるだろうというような考え方から、一部農民が預けておるということもあるかもしれませんけれども、実際上の問題としましては、勤労者の多数としてはこれはほとんど問題にならないというふうに私は考えられますが、それはそれといたしまして、現在学校で生徒を通じてと申しますか、まあ生徒の自主性によつてやらしているとおつしやいましようが、非常に貯金を集めております。あの制度に対する政府の考え方、また今後の持つて行き方についての御見解を承りたいと思います。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 学校関係につきましては、ひとり郵便貯金だけでなしに、いわゆる子供銀行とか子供郵便局といつたものをぼつぼつつくつておるようでありまして、今日の状況では相当に発展もいたして参つております。ただこれはわれわれといたしましては、決してそういつたことを強制いたしておるわけではないのでありまして、学校の社会科の課程の一つとして自発的につくつて、漸次育ちつつあるというような状況であります。そういう状況はわれわれから見ましても非常に好ましい状況である、こういうふうにも考えますので、できるだけの便宜は将来とも与えて行きたいと思いますが、そういつたことを強制する意思は毛頭ありません。

田代文久日本共産党

○田代委員 政府側としましては非常によろしき面だけを今お述べになりましたが、現に私の長女も、次の娘も今小学校におりますが、いつも貯金の額が五円とか十円とかだと笑われるから、できるだけ百円とかなんとかにしてもらえぬだろうかということを言つて参ります。また貯金をしないと非常に顔がきかないというような面がありまして、私はやはりここに弊害も伴つておることはいなめないのではないかと思う。従つてただよろしいからじやんじやんおやりなさいということでは、政策にならぬのじやないか。それから実際これは小学校の子供なんかが全部処理できる問題ではなく、当然学校の先生方がタッチされて、いろいろ協力されていると思うのですが、結局それだけ先生諸君の労働強化となり、事務内容が非常に煩雑に、あるいはふえて来る。そのためにかんじんかなめの直接的な教育という面がおろそかになる結果になりはしないか。それでなくても現在学校の先生諸君の仕事は非常に煩雑で、しかも受持つておられる一教室の生徒数も非常に多く、十分手がまわりかねる。従つて学校では休みが非常に多いというようなことも出ておることを、現実に私は子供を通じてよく知つておるわけなんですが、そういう点に対し、政府はただ貯金という意味での好ましき面のみを強調されて、大いにやるべしというようなことを言われるとするならば、私ははなはだ遺憾であると考えますが、なお見解を伺いたいと思います。

寺本齋自由党郵政政務次官

○寺本政府委員 お答えします。当局としましては貯金の結果の優秀なものを表彰するくらいの程度でありまして、これを強制していることはございません。学校の先生が直接授業にあたつていろいろ学科教えられるのも、また貯金などの面を通じて勤倹貯蓄の美風を実践的に教育されるのも、田代委員の考え方とわれわれの考え方と、見方によつて違います。田代委員は悪い面ばかり引出して言つておられるようですが、私たちは必ずしもそういうことは非常な弊害があるとは考えておりません。いわんや先ほど申しましたように貯金を強制的にやつておるということは毛頭ございません。

田代文久日本共産党

○田代委員 非常に弊害があるということではないけれども、事実そういうことがはつきり出ておることはいなめない。私も二、三十年前小学校に行つているときにたしかこういうことをやつて、十銭ずつ貯金しなさいということを言われたような記憶があるのですが、これは子供の心に非常に強く響くのです。隣の子供は百円持つて行つた、自分は五十円しか持つて行かない、また一銭も持つて行けないというようなことになりますと、デリケートな子供の心理に及ぼす影響は非常に大きいのであります。私は悪い面だけを強調するわけではございませんけれども、少くとも政府としてはそのくらいの親心は十分持つてやつていただかないと、むしろ教育の目的に反することになるということを私ははつきり申し上げておきたいと思います。  次に直接利上げの問題をも関連するのですが、本年度における貯金の純粋に増加される目標が新聞に書いてありますが、昨年と比べてどういうふうになつておりますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 昨年度の貯金増加の目標は四百億であります。本年度も本予算におきましては年度当初四百億の目標を持つたのでありますが、補正予算で六十億を加えまして、四百六十億が二十六年度の増加目標になつております。

田代文久日本共産党

○田代委員 新聞では六百二十億というように書いてあつたと思いますが、それは間違いですか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 六百二十億は二十七年度の目標です。

田代文久日本共産党

○田代委員 すると先ほどの二十六年度の四百億は、実際に達成された実数でございますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 これは二十六年度内に達成すべく増加を期待しておる額でありますから、先ほど申しましたように、二十六年度につきましては補正予算で六十億をプラスした四百六十億でありますが、すでに二月十一日現在をもつてこれは達成しております。今日のところは四百七十二億ばかりになつておりまして、年度末までには五百億を越えるのではなかろうか、かように見通しております。

田代文久日本共産党

○田代委員 こういうように純粋に増加されるについては、政府としても努力されておると思いますが、その努力の方法、それから二十七年度における六百二十億が十分達成される見込みがあるかどうか、またそれを達成するについて、政府はどういう方法でやろうとしておるかという点をお尋ねいたします。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 従来から貯蓄目標の達成につきましては、いろいろ施策を試みております。郵便貯金の安全であり確実であるという宣伝はもちろんのこと、毎年度の目標の達成につきましては、四半期別の増強対策を立てまして、本年度においても第一次の増強運動、第二次の増強運動といつたぐあいに、いろいろやつておるわけでありまして、郵便貯金が非常に安全であり、確実であり、便利であるという宣伝とともに、従業員をあげて貯蓄増強運動に努力して参つております。来年度六百二十億がはたして達成できるかどうかという問題でありますが、実は本年度の四百六十億の目標につきましてはいろいろ不利な条件がありまして、相当その達成を危惧しておつたのであります。その最大の不利な条件としましては、貯金の一人当り預入の最高限度が三万円という低い額にくぎづけされておるということであります。もう一点は郵便貯金の利率が、昭和二十二年に改正されて以来全然引上げを見ておりません。その間に銀行方面においては前後六回に及ぶ利上げをしておりまして、今日の段階では郵便貯金の利子と銀行預金の利子とでは、相当の懸隔があるのであります。こうした不利な条件にかんがみまして、本年度目標完遂は非常に危惧いたしたのであります。幸いにして二十七年一月一箇月をもつて百十億といつた非常な伸びもございますので、これでは利上げの問題は相当早く上げられるだろうということを、非常に預入者の方も期待しております。そういう面のこともあろうとも思いますが、こうした不利な条件をにないながら、危惧いたしておりました四百六十億目標も年度末を待たずして、すでに達成でき得るという情勢になつておりますし、来年度の六百二十億目標は、今年度目標と比べて相当大きな額にふくらむわけでありますが、そこにわれわれ一つの条件として、最高限度が本案のように引上げられ、利子の引上げがこの通りに認められますれば、貯金増強に非常に役立つ有効な作用をなすわけでありまして、六百二十億達成必ずしも私ども悲観しておらぬような状況であります。

田代文久日本共産党

○田代委員 直接郵政関係の従業員の方からのお話を伺いますと、この目標を達成しようとすると、われわれにとつては非常に労働強化になるということであります。もしベースも上げずに、労働強化がこれによつて来るとついうことになると、私たちとしてはこれは断固反対をしなければならないわけでありますが、現在以上に労働強化にはならないという見通しをはつきりお持ちかどうか、伺いたい。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 従業員の労働強化の問題については、私ども六百二十億という大きな目標を持つても、さほど心配しておらないのであります。と申しますのは、本年度において四百六十億の目標を達成いたしますためには、あまりロードのかからない通常貯金に非常に期待しておりまして、従業員ももつぱらわらじばきで、それこそほんとうの努力をしなければならない。定額貯金、積立貯金の種目は、いずれも百億を目標にしております。来年度六百二十億の目標達成のそういつた種類別の目標がどうなるかというと、定額貯金では本年度の百億に対して、今年度さらに三十五億ふやしまして、百三十五億を期待しております。積立貯金については本年度の百億よりもさらに四十億引込めまして、六十億の目標を期待しておるのでありまして、決してこれが従業員の労働過重になるとは考えておりません。

田代文久日本共産党

○田代委員 私はただいまの御説明では納得ができないのであります。実際にこれを担当しておられる従業員の方から、そうではないということをはつきり言われますし、現在政府は行政整理といいますか、端的に申しますと、首切りということが計画されておるように承つておりますが、人員を削減する、しかも努力目標は五割も六割も増加するということになりますと、当然これは労働強化にならざるを得ないのであります。そこでお尋ねしたいのですが、そういう合理化方針を現在政府  はお持ちになつておるかどうか、現在の人員を減らすという意図は全然ないという答弁を私は期待したいのですが、この点お尋ねいたします。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 貯蓄の増強につきましては、いわゆるそういつた募集に当る人々の定員の充実ということが、非常に重要であることは問題ないのでありまして、私どもとしてもこの方面については、従来とも十分の配慮をいたしておるつもりであります。今回の行政整理にあたりましても、この方面は最も慎重に考えておるのでありまして、多少の減はありますが、ほとんど現状と大差ないわけであります。しかも六百二十億の目標のうち、先ほど申しましたように定額、積立といつた従業員の負担になる分野を非常に低くいたしまして、通常貯金で三百六十五億といつた非常に大きな額を期待しております。この通常貯金の増強については、いろいろ本省として郵便貯金といつた方面の伸びに役立つような施策をいたして参りたいと思いますし、そういつたことで従業員の労務の軽減になるような手を打つて参りたいと思います。これは制度の利用の周知であり、さらに今回御審議願つております郵便貯金法の利子引上げ、こういつたことが非常にロードのかからない貯金の増強に役立つものと確信いたしておる次第であります。

田代文久日本共産党

○田代委員 貯金関係だけでも約三千人の首があぶなくなるということが、今従業員の方々によつて叫ばれているのでありますが、そういうことはございませんでしようか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 貯金関係につきましても応分な整理はございますが、これはどこまでも天引の整理ではないのでございまして、あるいは最近国税金の取扱いが非常に少くなつた、あるいは原簿の復旧がすでに百パーセントに近く参つておりまして、そういう方面の処理の負担が非常に抜けて来るわけであります。そのほか従来非常にめんどうな仕事でありました貯蓄債券のいわゆる証券保管で扱つておりますものの打切り、こういつたようなことで、特に原簿諸官庁方面の処理が軽減されております。そういつた方面で相殺いたしておりますので、貯蓄増強に当る郵便局現業員方面の負担につきましては、特にこれが過重にならないような配慮をいたしているつもりであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 大体見当はついていると思うのですが、何らかの理由によりまして計算されている首の対象になる実数はどのくらいになるのですか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 概数にいたしまして四千名くらいであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 私は三千名と承つておりましたが、四千名になると、これは非常にふえるわけで、大心配が起つたのですか、そういう場合に退職金制度をどういうふうにお考えになつているか。またやめたくないといつてやめら、れる諸君に対して、あるいはいずれにせよ非常に長期働いてやめられる者に対して、政府としては十分なる将来の生活の保障というものが必要になつて来るのですが、それに対する保障金あるいは割合率というようなものはどういうふうになつておりますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 御承知の通り今回の整理にあたりましては、私は人事部の担当ではございませんので、人事部長  から御答弁申し上げるべきでありますが、私のわかつた範囲で申し上げますと、今回の整理は二段階に相なつている次第で、本年度内つまり今年の三月三十一日までのものと、来年度に入りまして四月一日から六月三十日まで、こう二段階にわけております。前段の、今年度内に退職いたします者につきましては、普通の場合の退職手当の八割増しというものが支給されるわけであります。年度を越えまして四月一日から六月末日までの退職者につきましては、その八割増しが半減いたしまして四割増し、かようなことに相なつているわけであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 その八割というのは、別に甲乙なしに、どの退職者に対しましても八割おやりになる、こういうふうに理解していいわけですか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 その通りであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 それをはつきり承つておきます。私は八割をやるについては、その中にいろいろ段階があつて、ある人にはそういうことになるが、ある人にはそうならないというようなことをちよつと聞きましたので……。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 今の割合には全然違いはございません。個々の人の俸給の月額には非常に差がありますが、かけられる割合は三月末までのものは八割、四月以降のものは四割、これには全然かわりがないのであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 三月三十一日までには八割だが、それから後においては四割というのは、私はこれは非常に悪質な、早くやめないと君たちは退職金が少くなるぞ、だから早くやめることを申し出ろ、こういう非常にうしろからしりをひつぱたいて、巧妙に行政整理、首切りを完成する意図のように見えるのですが、大体こういうやり方をやつていいのですか、御意見を伺いたいと思うのであります。

寺本齋自由党郵政政務次官

○寺本政府委員 これは單に郵政省だけのものではなくして、今度の行政整理による政府全体のものであります。私はやはり行政整理というものを一つの目標にしてやる以上は、この整理をなめらかにするために、そういう段階もやむを得ないだろうと思つております。

田代文久日本共産党

○田代委員 私は今の答弁ははなはだ奇怪だと思う。なめらかにするならば、するがためにこそ六月三十日分に対しても、当然八割あるいは十割を支給すべきものである、こういう段階にされますために、私はそこに非常に摩擦が起らざるを得ないと思う。これは郵政省だけの関係でありましようとも、あるいは他の全省の問題でありましようとも、当然の問題であります。従つてただいまのような、そういう政府のやり方がいかに不当なものであるか、また不合理なものであるかということが、私ははつきり言えると思うのです。しかし一応これで私の質問を打切つておきます。

尾関義一自由党

○尾関委員長 飯塚定輔君。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員 最初にちよつと数字の問題を局長にお願いします。今の目標を伺いますと六百二十億と承りましたが、定額の方は去年よりも三十五億をふやして百三十五億、積立ての方は四十億マイナスで六十億、そうしますと今の田代委員の質問に対してお答えされたのは、通常貯金の方は三百六十五億というお話でしたが、これは私ども勘定してみますと四百二十五億になるが、その数字はどうなりますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 先ほど申し上げなかつたのでありますが、実は六百二十億一のうち、今の通常貯金、積立貯金、一定額貯金の利子に期待しておるものが——これは自然増でありますが、貯金の現在高に対しまして利子が入ります。この元加利子が入りますので、ちようど六百二十億になるのでありますが、その元加利子は来年度六十億を見込んでおります。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員 それからこの定額郵便貯金につきましては、その期間内に貯金の払いもどしがあつた場合には、一般の利率よりも相当低い年三分の利率を適用するということが大臣の説明のときにありましたが、具体的にその法文といいますか、条文といいますか、それをひとつ説明を願いたい。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 ただいまの第十二条第一項の次に一項を加えまして、今のような趣旨の規定を設けたい、かように考えております。従来は期間内の払いもどしにつきましても、何ら規定がなかつたのであります。そういつた場合には、当初約束いたしましたものと同様な利子を払つて参つたのでありますが、御承知の通り積立貯金、定額貯金は、コストの面から申しましても相当高くつく関係もありますし、すでにそういつたすえ置き期間あるいは一定の積立て期間を満了することを前提として採算をとつておりますので、その期間内——定額貯金で申しますと六箇月がすえ置き期間でありますが、三箇月かあるいは四箇月でおろされた場合に、約束の利子をつけることは実は採算上困難であります。そういつた面から長期の、当初の計画通りの預入を奨励いたしますとともに、期間内の払いもどしをその点から、厳正といつては悪いのでありますが、防止する意味合いから特に低くさしていただきたい、かように考えております。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員 二十六年度は貯金の特別会計において三十億の赤字が生じた。ことしは昨年よりも通常貯金においても、積立、定額等においても利率が相当高くなつておりますから、二十六年度と比較しまして利息が非常に多くなると思いますが、その際赤字がどういうような結果になるか、その点お見通しがあるか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 二十六年度の元加利子は四十一億を見込んでおります。来年度は予算の面におきましては五十九億の利子を計上しております。従いましてその差額だけの利子がふえるわけでございまして、経営の面から申しますとそれだけの負担に相なるわけでありますが、二十六年度から二十七年度にはその間常に貯金は増加いたして参つておりまして、その分に対する預託收入も入つて参りますので、二十七年度の状況を申しますると、二十六年度預託利子收入は五分五厘であつたのでありますが、二十七年度は六分五厘、一分上つたもので計算しております。その関係から歳出に不足を来しますものが四億二千八百万円ばかりあるのでありまして、これは一般会計からの繰入れになるという結果に相なるわけでございます。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員 一般会計からそれだけ繰入れになる。しかし資金運用部の大部分の資金は、郵便貯金、簡易生命保險の積立金等から来るのでありますから、大蔵省から、この預託收入というか、これは二十六年度はどれくらいありますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 二十六年度は五分五厘で計算いたしましてちようど百一億になつておりますが、そのベースは平均残高が千八百四十一億、かように見込んでおります。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員 そうしますと二十七年度は六分五厘の計算になるわけでございますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 さようでございます。ただ平均残高が、日々貯金が増加しておりますのでふえて参りまして、来年度六分五厘をかけるもとになります数字は二千三百五億で、二十六年度の千八百四十一億に対しましてその差だけふえておるわけでございます。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員 それでよくわかりましたが、この利率をたくさん上げるということは、私は零細なる貯蓄に対して非常にけつこうなことと思います。その点は田代委員と少し観点が違うかもしれませんが、これは特に農村関係におきましては貯蓄に対して、郵便局の設けてある町村の場合だと、郵便貯金も自由にだれでも持つて行く。それからまた郵便局がなかつたりすると、隣の町あるいは村へ貯金を持つて行かなければならぬ。そういう場合を比べて、これは私の郷里の一つの農村の例でありますけれども、隣の町の郵便局へ持つて行つた場合は、一年間にきわめて少い貯蓄であつたけれども、役場で取扱う簡易郵便局が設けられた年は、短期間に百方円も貯金ができたということを言つて、その役場の取扱員も非常に喜んでおりましたが、こういうことは單に政府が中央に集めてその金をほかに使うのだということばかりでなく、零細な貯蓄を、する人に対して非常な便宜を与えるということから考えて、簡易郵便局その他の機関を将来とも十分にふやして行くということをお願いしたいことと、利率はできるだけ銀行貯金の利率よりもむしろ上まわつたものに将来考えていただきたいと思います。なお先ほどの田代委員のお話にもありましたが、たとえば工場労働者とかそういうものは貯金などはあまりやり得ないというお話もありましたが、これは私の調べました戦争前の計算でありますけれども、昭和九年から十一年までの戦争の起る直前前三年間を平均した資料によりますと、あの当時は月收が勤労階級で大体四十五円であつたが、そういう時代においても生活は今よりはやりよかつたかもしれません。その四十五円の收入の中から、保險とか貯蓄などを合せると、大体一〇%以上になつておる、貯蓄だけでも三%くらいはできておつたという事実がたくさんあります。そういう点から見ますと、先ほど簡易郵便局を設けたために農村の貯蓄がふえたということを申しましたが、零細な金を貯蓄するという気持は、農村であろうが工場であろうがみな同じだろうと思います。それから利率を上げるということは非常によいことであるから、くどいようでありますけれども、将来ともこの利率を上げてやるということを、当局として十分に考えていただきたいと思います。なお資金運用部からの資金は、どういう方向に流用されておるか、これは実はこの間大臣から大体のことは口頭で伺いましたが、そういう資料がありましたら、急ぐ必要はありませんが、将来われわれのところに出していただきたいということをつけ加えて、私の質問は終ります。

田代文久日本共産党

○田代委員 今資料の要求がありましたので私もひとつお願いしたいのですが、先ほどお尋ねしました零細貯金者の階層なり総数というようなものがはつきりしないとやはり科学的にならないので、大体千円見当をあげられておられることはわかつたのですが、その資料をお願いしたいと思うのです。大体こういう調査を政府はされたことがありますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 貯金の仕事はこれは慣習でもございましようか、頂ける方も自分の家計の内容なり、そういつたことに立ち人られることを好まないのであります。従いましてその人がどの程度の生活状況であるかということは、個々にわたつて調べておりませんので、今のような資料は正確には出しかねる。ただ郵便貯金の大勢としまして、創始以来常に金持の利用よりも、銀行の利用までは行かないが、非常に簡單に便利に利用できるといつた階層が利用しておるのでありまして、私どもの役所で申しましても、銀行に預金している人はほんの蓼々たるものでありますが、郵便貯金はたいていやつている実情でありまして、主として勤労階層あるいは中産階級以下の人たちの利用の対象になつておりますことは、従来の平均から申しましても、またこの貯金が定期的な定額貯金、積立貯金といつたものでなくて、通常の貯金で、たとえば資金が割に長く預けられる、こういうような状況から見ましても、この事業が商取引の対象あるいは有産階級の貯蓄の対象になつておらないことがうかがわれるのではないかと思います。

田代文久日本共産党

○田代委員 そうすると何か資料らしいものはございませんか。中産階級の勤労者がやつておると言いますけれども、勤労者にもいろいろありまして、あなたのように所得される方もあるし、全然貯金どころではなく、借金ばかりふえている人もたくさんあります。その点ははつきりする必要があると思います。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 そういつた正確な資料は持合せございません。ちようどわれわれ庶民階級が利用しますようなものではないかと思います。

寺本齋自由党郵政政務次官

○寺本政府委員 先ほど飯塚委員からの質問といいますか、希望といいますか、貯金の奨励、また貯金を初めその他いろいろ通信事業の便宜のために、郵便局をなるだけ増設しろというお話でありました。ただいまのところ郵便局並びに簡易郵便局の増設は、しばらく見合せているような現状でございますが、この通信事業が国家の独占事業であります関係上、地方民の非常に希望するところ、またほかから見て郵便局をどうしても設けなければならないようなところ、そういうところに特定郵便局を設けることは、以前と違いまして、公務員という関係上、簡單に増設できないのであります。しかし私が今申し上げましたように、国家が通信事業を独占している、また地方民が非常に希望しておる。そういうことを考えまして、どういう方法で行けばよろしいか、たとえば簡易郵便局を町村あるいは農業協同組合というものだけでなくして、場合によつては個人にも認めたらどうか、また取扱い業務を普通郵便局くらいに範囲を広めたらどうかといういろいろな観点から、事務当局の御意見のような考えをもつて目下検討中でございます。

石原登自由党

○石原(登)委員 予算書をもらつておりませんので内容がよくわからないのですが、今日金貸し業、銀行、信託、あるいは無尽会社でもみなもうかつております。ところがひとり郵政省の郵便貯金事業に限つて、わずかといえばわずかであつても、来年度も四億円という金が不足になつておる。こういうことになつて来ると、私どもは一面には非常に利害があり、一面にはまことに遺憾に存ずる次第であります。来年度においても一部の預金の利子を上げたにかかわらず、どうしてそういう結果が出て来るか、この点を大づかみでけつこうですから御説明願いたい。支払いの利子の方は一応わかりますが、郵政事業特別会計に繰入れている内容について御説明願いたい。

佐方信博郵政事務官(経理局主計課長)

○佐方政府委員 郵政事業特別会計の歳出の面でふえましたのは、二つあるわけであります。一つは支払い利子が今度十八億ふえるのでございます。もう一つは郵政専業特別会計の繰入れ金が十一億ふえる、合せまして三十億くらい歳出がふえて来るわけであります。それが大きな原因でございます。そのうち支払い利子につきましては、先ほどお話がありました通りでございますが、郵政会計の方で十一億ふえるのは、御承知のように二十六年の十月一日からベースアップがあつたわけです。二十六年度は半年分でございますが、二十七年度は全年分になるわけです。それに伴いまして、たとえば超過勤務手当にしても、勤務地手当にしても、ふえて行く。主として人件費の増に応ずる経費が多くなつて来ておるわけであります。

石原登自由党

○石原(登)委員 郵政事業に繰入れる九十六億の内容を、大まかでけつこうですから、たとえば人件費が幾ら、物件費が幾らというふうに御説明を願いたいと思います。

佐方信博郵政事務官(経理局主計課長)

○佐方政府委員 郵政事業に繰入れるところの九十六億のうち、直接貯金業務に必要な経費と申しますのは、実は非常にむずかしいのであります。私の方では直接貯金事業に必要な経費と、管理、共通でありますとか、衣料であるとかいう間接費の分担金とわけて考えるわけでございます。ところがたまたま歳出の面では地方貯金局、それから郵便局の貯金課系統の人件費は、貯金事業特別会計から入つて来る金と、直接国税金の取扱い等のために一般会計から入つて来る金、それらをまぜておりますので、しばらくの時間を拝借して分計しないと、すぐには出て来ないわけであります。

石原登自由党

○石原(登)委員 そうすると、たとえば一般の郵政事業の中には、先ほど言われた通り保險事業と貯金事業と郵便事業とありますが、これだけの事業を行うために、郵便局ならその郵便局をつくる建設費、あるいは維持経常費というものは、保險も郵便も貯金も、それぞれ分に応じてこれを負担している、こういうことになるわけでございますか。

佐方信博郵政事務官(経理局主計課長)

○佐方政府委員 郵政会計におきましては、建設勘定というものをつくつておりまして、その建設勘定は二十七年度は二十七億一千万円予定しております。その内訳といたしましては、減価償却費約十一億四千万円、損益勘定における郵便益金六億二千万円、そのほかに郵便貯金特別会計、簡易保險特別会計、その他、他会計から建設勘定の分担金として四億五千万円もらつておりますが、それでも足りませんので、借入金を五億ということで二十七億一千万円になつております。従いまして建設に使います経費は、郵便事業のみならず、貯金会計、保險会計、その他の諸会計からも全部負担しておるということになつております。

石原登自由党

○石原(登)委員 私がただいま質問しましたのは、実は簡易保險の限度引上げに関連しまして、民間業者の方から、簡易保險は官の設備を無料で利用している面がある。そのために非常に経費が楽だというような意見の具陳もありましたので、この機会にお尋ねしたので、その点明瞭になりました。そこでこの四億二千万円というような赤字を出しておる大きな原因はどういうところにあるのか、局長にお伺いしておきたいと思います。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 赤字と申しましても、私どもこれは赤字とも考えないのであります。御承知の通り貯金の金にいたしましても、保險の金にいたしましても、すべて資金運用部に預託しておるわけであります。資金運用部としましては、そのほかにいろいろな資金が集まつて来るわけでありますが、その運用の利回り関係に関係して来るかと思うのであります。来年度の資金運用部の運用の見通しといたしましては、当初二十七億くらいの黒字が出る。これは各預託金を五分五厘の利子をつけた上で、残りが約二十七億黒字が出る。これは一般会計に繰入れて、一般会計を潤すわけであります。郵便貯金の面からいたしますと、五分五厘の收入をもつてしましては、本年度と同様、来年度においても約三十億一般会計から補填を受けなければならぬという結果になる。これはそれで行つても同じようなものでありますが一般会計からの繰入れという形をできるだけなくするために、資金運用部会計として、現在許し得る限度の貯金についての預託利子を見ようというのが、一分上りました六分五厘でございます。それで行きますと、一般会計へ繰入れを予定しておりました資金運用部の来年度の黒字は、全部貯金会計の六分五厘の一分の中に入つて参るわけであります。これでもまだ貯金会計として不足でございますので、一般会計より四億二千八百余万円繰入れる、こういう結果になるのであります。資金運用部資金の運用利回りが現在より向上いたしますと、それだけ内容が改善されるという結果になるのじやないかと思います。

石原登自由党

○石原(登)委員 この九十六の使い方については、相当研究もし、一応これについては妥当である。しかしながらこの貯金が国家目的のために使われておるために、その運用利回りがまだ実際において低い、こういうふうに了解していいわけですか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 結論といたしましては、そういうふうになろうかとも思います。

石原登自由党

○石原(登)委員 そうしますとあなたの方に支払う利子は、今度六分五厘になるが、運用部で貸し付けておる利子は、今大体幾らになつておりますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 これは大体の見当でございますが、平均利回り六分五厘弱見当になつておるのじやないかと思います。

石原登自由党

○石原(登)委員 そうなると逆ざやになるわけで、六分五厘を支払つて六分五厘弱で運用することになると、国家としてもたいへんな損失になるわけでありますが、そうしますと日銀で今貸し付けておる利子は、大体どのくらいで貸し付けておりますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 郵便貯金の預託利子六分五厘、これは資金運用部から見まして歳出になるわけでありますが、それと運用によりまして得ます利回りが六分五厘を下まわるということは、一見不思議のようにも思えるのでありますが、郵便貯金の資金が資金運用部資金全体のざつと六割くらいを占めております。あと四割のほかの預託利子は、五分五厘になつておるわけであります。その面を操作いたしますと、会計の方では收支とんとん、こういうことになつて来るのであります。

石原登自由党

○石原(登)委員 今の答弁は、郵便貯金は全体の六割を占めており、あとの四割は五分五厘で支払つておるから、あとの一分の面から六分五厘弱の面を補う、こういう意味でありますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 さようでございます。

石原登自由党

○石原(登)委員 そうしますと、私がかねて予想しておることと違いまして、決して運用部が不当にもうかつておるということでなしに、運用部としてはぎりぎり運用利回りの金を郵便貯金に出しておる。しかも郵便貯金については特に優遇しておるのだ、こういうような答弁に聞きとれたのですが、その通りでありますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 現状においてはそう  いうような計算になります。

石原登自由党

○石原(登)委員 そういうようなことになりますと、私はよほど郵便貯金の運用については考えなくてはいけないと思う。政府があるいは資金運用部がそのように優遇しておるにもかかわらず、金額的にはわずかであつても、なおかつ四億円も不足を来しておるということは、どこかに大きな欠陥がなければならぬと思う。こういうことでずつと運用されて行くということになると、これは従業員の志気にも相当影響を及ぼします。今日まで国家資金を運用されておるために、不当に郵政省に支払われるところの利息が助かつておるのだ。だから一般会計からある程度の金が入つて来ても、これは当然だ、こういうように了解しておつたのでありますけれども、そうでないということになりますと、貯金事業全体として再検討を行わなくちやならないという結論になつて来るわけであります。そこで今皆さんの預かつていらつしやるところの資金コストは、一体どのくらいになつておりますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 郵便貯金のコストに  つきましては、いろいろ変遷もございますが、終戦以来漸次低下して参つております。一番高いときは二十三年度あたりで一割近い、九分八厘程度であ  つたのでありますが、漸次低下して来まして、本年度において七分二厘、二十七年度予算におきましては大体六分七厘三毛見当になつているわけであります。これは貯蓄の増強によりまして、現在高がふえるに従つて、コストは下つて来る。それだけでなしに、郵便貯金の運用の合理化の面にもいろいろ努力しておるわけでありますので、漸次このコストは下つて参りまして、将来は逐年下つて参る。現在の資金運用部の利回りの状況からいたしましても、その他郵便貯金、簡易保險、一切の利払いの関係から申しましても、漸次伸びて来る。こういう趨向をたどつて行くのじやないかと思います。

石原登自由党

○石原(登)委員 これは金融上の常識ですが、資金プールが大きければ大きいほど、金融操作は楽であり、また利益も当然大きくなるわけであります。今日日本の銀行、金融機関、その他みんな非常に利益をあげておる。そうしてそれらの従業員も非常にいい待遇を受けておる。ところがそういうような第一流の銀行にしても、あるいは信託会社にしても、資金プールというものは郵便貯金と比べて非常に少い。今の局長の答弁を聞いておると、資金プールが大きくなれば、こういうようなコストは下るという御答弁ですが、二千二百億円というこの資金プールは決して小さくない。世界中どこを探しても、こんな大きな銀行はないわけであります。ところが現実においては銀行は全部もうかつておる。こうなると、何かちぐはぐなところが生じて来る。たとえば資金コストが高いか、あるいは利息が非常に安いかという点ですが、私は今日まで利息は非常に安いと了解しておつたのですが、この了解は間違つておるのかどうか。もう一ぺん念のために、御答弁を願いたいと思います。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 石原委員の御了解は、決して間違いでないのでございます。私どももさように考えるのでありますが、今日銀行の資金コストは大体七分二厘見当になつております。しかもいろいろ運営の実情を見ますると、銀行は非常にそろばんの合うような大都会しか店舗を持つておりません。郵便局はそういつた採算を度外視いたしまして、公共性の要請からも、当初からそろばんの合わないような山間僻地に多数の局を持つておるわけであります。その点から申しますと、本年度におきましては郵便貯金において七分二厘、銀行においても大体それくらいのコストが平均のようでありますが、決して運営の条件が悪い、かようには考えておらないのであります。ただ先ほど申しましたいろいろな資金運用の実情がそういつたような状況になることは、集積された資金の運用面におきまして、資金運用部の公共性を持つた運用の限度があるので、今銀行あたりの八分とか九分とかいうものより低くなつておる。そういう面から、経営上のそういつた切り詰まつた実情が出て来るのではないかと了解しております。

石原登自由党

○石原(登)委員 ただいまの答弁の前段については、私は承服できない。山間僻地で事業を行つておるから、資金コストが高いというような答弁でありました。なるほどそういうこともあろうと思いますが、今日の郵便局の配置状況から考えて、これが資金コストに大きく影響しておるとは私は考えません。この問題はいずれまた検討を加えたいと思います。  最後の方の、いわゆる資金運用という点については、ただいま局長の答弁の通りであろうと私も思います。そこで問題はここにあるわけでありますが、資金運用部の資金というものは、御承知の通り零細な国民の金を国家目的のためにきわめて低い利息で運用されておる。しかもその金は集積されて、非常に大きな金額になつて、それがほんとうに国家を維持し、社会をりつぱに建て直すための一つの大きな原動力になつておるわけであります。ところが一面から考えてみますと、都会地における比較的財政的に恵まれた人たちの金というものは、銀行預金その他によつて非常に有利に運用されておる。かようになつてみますと、極論しますならば、日本の国の大きな目的のために、零細な国民の金が安い利子で犠牲的に運用されておる、こういうふうに考えられて来るわけでありまするが、こういうようなやり方はほんとうにいいものであるかどうか、私は大きな疑問を持つわけであります。こういう疑問に対して当局はどういうふうにお考えになりますか。この点をお尋ねいたしたいと思います。

寺本齋自由党郵政政務次官

○寺本政府委員 石原議員の御意見ごもつともでございます。そこで資金運用部の資金の運用については、先般大臣からも答弁申されましたように、郵政省で集めました零細な郵便貯金あるいは簡易保險の積立金につきましては、なるべく地方の、しかも今まで貯金された庶民階級の福祉、利便となるような方面に使えるように、この運用権の問題を事務当局で検討中でありまして、できればこの会期中に提案をして御審議を願うつもりで、目下鋭意検討中であります。

石原登自由党

○石原(登)委員 どうも遺憾なことでありまするけれども、これはどこでもそうですが、政治のやり方というものは、都市に厚く、地方に非常に薄い。今度の貯金の問題にいたしましても、保險の問題にいたしましても、その通りであります。われわれが年来簡易保險は郵政省に返せという主張をいたしておりまするのも、こういう零細な契約者により多く国家的恩典を与えたい、こういう心構えからであります。この郵便貯金運用につきましても、当然これを実施しておる郵政省当局としましては、こういうような零細な貯金者の利益を最大に考慮すべきである。こういう人の犠牲によつていろいろな国家施設を考えるということは、私は誤りであろうと思う。むしろこれは財政資金によつてまかなわれべきものであつて、こういうような性格の金をそういうふうに運用することについては、私どもは非常に大きな異論がございます。ですから今後はこの郵便貯金の運用についても十分考慮されたい。そしてこういうような零細な貯金を国民のためにより有利に、有利じやない、当然受入れらるべき恩恵は確保していただきたいということを、強く要望をいたしておきたいと思います。  次に奄美大島、沖繩その他が占領されまして、現在も外国の占領下にあるわけでありますが、この間における郵便貯金の状況、それから払いもどしの状況、こういうものは大体どういうふうになつておりますか、ちよつとお尋ねいたしたい。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 日本の領土を離れております方面の貯金の状況については、御指摘の地域につきましては、昭和二十一年一月三十一日を限りまして、二月一日から日本の行政権が及ばない地域になつたわけであります。その前の貯金につきましては、これは要求があれば支払いいたしております。行政権分離後の貯金につきましては、これは従来の日本円をもつて預入したものもありますが、現地におきまして通貨の切りかえがございまして、B券との比率が一対三というような比率になつております。B円で預けたものもございます。そして現在までにおきましてはB券の消長によりまして、そういつたものを預払いしているわけであります。行政権分離当時における現在高、その後の預払い状況等については、原簿が那覇にございまして、現在調査中でございます。

石原登自由党

○石原(登)委員 そういう地域の貯金の払いもどしについては一応支障なく行つておるというわけですか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 行政権の分離後、日本円をもつて預けられたものにつきましては、いまただちに支払いを開始する段階には行つておりません。と申しますのは、今申しますようなB券との間に一対三の比率がございます。日本円をそれと同様に一対三にするかどうかにも問題があります。現在におきましては、大体払い渡しについて日本円で預けたものに対しましても、B券一円は一円で払つております。そこに今後決済上お互いに相談をしなければならぬ問題が残つております。

石原登自由党

○石原(登)委員 同じ日本民族として、戦争中一緒に戦いましたこういうような多くの国民たちが、敗戦の結果心に反しまして、しかも今日では向うの信託統治下に入つておる。私どもその心情を考えますときに、非常に同情にたえないわけでございます。しかもそういうような多くの諸君が、それこそつめの皮をはぐようにして預け入れられた貯金が、今日利用できない。また一部には占領下に入つたために、かえつて非常に利益を收めたものもないではないのでありますけれども、大部分の郵便貯金を利用しておる方たちは、非常に零細な方であるに相違ないと考える。こういうような問題については政府は全力をあげて、多くの人たちが困らない、迷惑をこうむらないように御処置を願いたい。特にこの地域は信託統治になるわけでありますから、これはさらに一段と御配慮を願いたいと考えるわけであります。どうかこの点については積極的に早く解決をはかつていただきたいということを強く要望いたしたいと思います。  それからもう一つお尋ねいたしますが、これも簡易保險と関連いたしまして、貯金の預け入れに限度が付されておる。今回の法の改正も、限度の引上げとこの利息の改正がおもな問題でありますが、この貯金の預け入れに限度を付した理由は、今日私はつきりしないわけでありますが、この法を創設した当時の理由と、そういう理由が今日においてもまだあるのかどうか。勤倹貯蓄、特に貯蓄は国家百年の大計のため絶対に必要であるということは、今日間違いのない事実であります。そういうようないい貯蓄についてさえ、なおかつ一つの限度を設け、特に貯金については三万円というような限度を設けている。今日までこれを看過しておつた私ども重大な責任がありますが、当局のたいへん大きな責任だと思う。こういう面について、何がゆえに貯蓄について制限を加えなくてはならないか。この点の理由について御説明願いたい。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 郵便貯金の限度の最高が常に押えられて参りました理由につきましては、私ども想像いたしますのに、郵便貯金の性格が国民大衆、特に中産階級、庶民階級の貯蓄機関として誕生し、発展もして参つたわけであります。従つてそこにいろいろな政府の育成、あるいは恩典というようなものを付されて参つておるわけでありまして、郵便貯金の利子に税金が課せられないというようなことも、その大きな恩典であろうと思うのであります。そういつた面から無制限に預入を許すということにつきましては、税收の面で難点がある。また郵便貯金本来の庶民階級の金融機関の立場を守る上から言つて難点があり、最高額に制限が加えられたのじやないかと思います。御指摘の通り現在の三万円が、今日の経済状況から見まして非常に低きに過ぎるということは、われわれよく承知しておるのでありまして、昭和二十二年に、それまで一万円でありましたのが三万円になつたわけでありますが、その後の状況から見ましても、これを相当限度まで上げる必要は認めておつたのであります。この限度引上げに伴いまして、利子に対する税金の收入減、こういうことが常に問題になつて参つたわけであります。今回につきましても、どの程度に上げていいかという点については、いろいろな案があつたわけであります。税收等の面を見、二十七年度の歳入の関係とにらみ合せまして、十万円見当なら税金を付さないでもいい。これ以上になつては税收の面でやや懸念されることがあるというようなことで、十万円にきまつたような次第でございます。

石原登自由党

○石原(登)委員 もう一点だけお尋ねいたします。現在三万円の限度ですが、三万円以上の貯金ができないという建前において、それ以上のいわゆる手持ちの資金はどういう方向に流れて行つたと思いますか。たとえばここに私が十万円の金を持つている。貯金をしたいけれども、貯金は三万円しかできない。あとの七万円というものは大体どういうふうに流されておつたと御想像なさいますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 制限額を越えますものにつきましては、どのように処理されておりますか、つまびらかでないのでありますが、あるいは相当部分がたんす貯金のような形で、実際現在の資本蓄積の要請に沿わないで、遊んでいるような面もありはしないかと想像しております。

石原登自由党

○石原(登)委員 そういうような事態があることは非常にわれわれ遺憾であつて、今日の日本に一番不足しておるのは資金である。しかも日本では今外資を導入しようということについて、相当の努力もしておりますが、外資もなかなか思うように来ない。政治的にはわれわれ外資を導入するために、とうてい忍ぶことのできないようなことも忍ばざるを得ないというような時期において、こういうような大切な資金がたんすの中で眠つているということは、非常にわれわれとしてはたえられないことであります。こういうものについては政府はよほどお考えになつて、ひとり貯金といわず、保險についても十分に考えなくてはならない。こういうような国民的な資金は総力を上げて、今日こそ日本の再建復興に間に合せなければならないのでありますが、これは單なるいいかげんな考慮によつて、こういうような大事な資金が遊ばされているということは、非常に戒心すべきことだと考えるわけでありまして、特に私はこの地方の賃金を根こそぎ吸收するという意味でなしに、ほんとうに国家要請に応じてこれを役立たせるという意味で、この地方の資金を吸收する方法について、機関としては、私はこの郵政省の郵便局の機関以外にはないと思う。これはたとい銀行がどのようにされましても、あるいは保險会社がどのような努力をされましても、それだけの組織力とそれだけの活動範囲では非常に狭いのであります。こういう面からわれわれは特に郵政当局に期待するところが大きいわけでありまして、どうかこういう面については、幸いに保險局長もおいでのようでありますから、保險も貯金に準ずるものとして、この地方の資金をいかように有効に活用するかということについては、各段の研究と努力を要請いたしまして、私の本日の質問をこの程度で打ち切りたいと思います。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 まことに御理解の深いお説でございまして、私ども非常に感激を覚えるものであります。われわれの当面なさなければならない問題について非常な叱咤激励を受けたことにつきまして、私ども及ばずながら粉骨砕身して行きたいと考えております。     〔委員長退席、飯塚委員長代理着席〕

田代文久日本共産党

○田代委員 関連して一点だけ伺いたいのですが、ただいま庶民貯蓄の意義が強調されまして、いかにして庶民の利益を守るかという点について、政府からも抽象的にお答えがありましたが、先ほど私が申し上げましたように現在の再軍備情勢、場合によつては第三次大戦に無理やりに持つて行かれるというような危惧も多々あるのでございます。そこでお尋ねしたいのですが、この前の戦時中に愛国貯金というような形で、庶民の金が相当吸い上げられたと思うのですが、そういうものが大体どのくらいあつたか、またいかに処置されたか、こういう点をお尋ねしたいと思います。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 戦時中にそういうような金がどのくらい集つておつたかということは明確でございません。終戦当時における貯金の現在高がどのくらいあつたかということをお答え申し上げて、御想像いただきたいと思います。終戦当時における郵便貯金の現在高は、約三百九十九億ということになつております。これがちようど昭和二十年の郵便貯金として預け入れてあつた現在高でございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 この中には一般的なものもあつたと思うのですが、特に戦時中愛国的な意味で、そういう愛国精神を強調の上、募集されたものがあつたと思いますが、どのくらいあつたか、その内訳はわからないのですか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 そういつた正確な内訳は、私どもの方で承知いたしておりません。ただ大体の大勢を推察いたしますると、銀行預金と郵便貯金との比率を常にいろいろ見ておつたのでございますが、昭和六年からずつと十五、六年ごろまでの状況は、大体銀行預金に対しまして、郵便貯金の現在高は常に二四%ないし二五%程度でございました。こういうところに大体比率を保つておつたわけでございます。これが昭和十八年以後非常にふえまして、終戦前当時におきましては大体三四%ないし三五%でございましようか、そのくらいの比率に上つたわけでございます。郵便貯金はいろいろな政策で集められるわけでありますか、非常に大衆に親しまれる便利な制度だということで、たいへん愛された結果もありましようが、戦時中の貯蓄増強としましては、銀行方面も同様でありますが、ふだんの場合よりも一層貯蓄をお勧めしたわけでありますが、そういつた点が特に郵便貯金の面には、その制度上非常に愛されているので、たいへん伸びたと思いますが、銀行との比率がそういうように上つて来たということは、御指摘のような貯金に属するものがその中に相当あるということは想像はできますが、的確にどのくらいかということは、われわれとしてその調査をいたしておらないのであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 ただいまの説明では二四%付近から三四%ないし三五%ということでありますが、戦時的な特殊情勢の中で、少くとも一〇%も増加しているということが言えるのでありますが、それを戦後にどういう形で処理されたか、何か特殊な処理方法をとられたかどうかという点をお伺いいたします。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 終戦後の整理といつては、別段ございません。要求せられたものには要求に応じてすべて利子の支払いをしているわけであります。特に一般の預貯金におきましては、通貨措置が二十二年に行われましたが、その当時一応第一封鎖、第二封鎖の区分はされたのでありますが、第二封鎖の面におきまして、この貯金が庶民階級の貯金であり、非常に零細な金が集まつているという点において、一般の金融機関の第二封鎖に対する処理よりは、はるかに有利な取扱いを受けている状況にあるわけであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 そういう貴重な金が凍結されるようなことに持つて行かれたことははつきりした事実で、ただいまの説明で幾らか一般の銀行預金よりは楽であつたという御説明ですが、先ほども説明がありましたように、現在の貨幣価値の非常に下落しているときでさえ千円平均にしかならないというような、そういう貴重な金が凍結されるということになりますと、とてもこれはたまつたものではないのでありますが、この際過去の経験から申しまして、今後かかる事態に当面した場合に、現在の政府は凍結するとか、あるいはこういう庶民の零細な金を封鎖して、貨幣価値が非常に低下して安くなつた場合にこれを支払うというような、不当なことをするお考えがあるかどうか、全然これはやりませんということを今断言できますかどうか、この点を御答弁願いたいと思います。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 ただいま御想像のような事態は、われわれ現実には考えておらないのであります。かりにそういう事態が参りましても、これは最も希望しない状態でありまし、世界各国いずれの歴史をひもといて見ましても、そういつた措置はそのときの財政の許す限りにおきまして、国民のそういつた経済的な犠牲を最小限度にとどめることが、事後の善処の段階であろうと思うのでありまして、事前にそういうことが起きた場合にはこうするぞといつた設置は、われわれとして考える余地はないと考えております。

田代文久日本共産党

○田代委員 はなはだこれはけしからぬと思うのですが、非常に長期性も持つし、またかなり短期的のものであるとしましても、そういう貴重な庶民の金が、しかも過去において実際に凍結され、これを出さなければ米一升も買えないというようなときでも五百円に押えるというように、零細な国民に対して犠牲を負わせておきながら、またこの可能性は多分にあるということははつきり言えるのでありますが、それが当面したときにできるだけ御迷惑をかけないようにいたしますというようなことが、政策になるかどうか。これでまた実際安心して国民が貯金をする気になれるかどうか。現在の答弁によりますと、はつきりこれは国民を欺瞞し、そうして現在とにかく貯金しなさいしなさいと言つて集めて、その金を軍用にどんどんつぎ込んで、貨幣価値が下落して、インフレになつた場合でもこれを押えて、いよいよ不安定になつてお払いするということが現実に起ることを、はつきり指摘したいと思うのであります。従つて私は少くとも政府当局としては、そういう無責任な貯金政策を断固としてやめてもらいたいということを主張する次第であります。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 現在の郵便貯金法は、前々回の改正によりまして、これは政府が補償するというような項が入つております。この一端をもつてしましても、郵便貯金に対しまして政府がいかに国民に迷惑をかけないような決意を持つているかということが、おわかり願えると思うのであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 決意を持つているだけで、現実に実際において非常に迷惑をかけるということが問題なのです。これは討論になつて、とても私は現在の政府では安心できないからやめましよう。

石原登自由党

○石原(登)委員 議事進行について……。保險の問題が議題になつていないので御質問していないのですが、きようは時間も非常に経過しておるようですから、くどく質問しませんけれども、ぜひともいま一応お聞きしておきたいことがあるから、保險の問題をひとつ議題に供していただきたいと思います。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員長代理 その前に貯金の問題で通告がありますから、これを許します。受田君。

受田新吉日本社会党

○受田委員 貯金の基本的問題については、他の委員各位からお尋ねがありまして、大体私の関心を寄せていた問題に触れております。私はこの機会に二、三点だけ政府当局のこの改正案に対する意向を確めておきたいと思います。それは大衆の零細な資金を政府が一応吸收して、そうしてこれを資金運用部で国家資金として運用するわけでありますが、今までの五分五厘のあてがい扶持を六分五厘に一分引上げた、この点において、引上げられた利子に充当する財源が出たわけでありますが、これと関連して——保險の問題がこれから出るそうですが、この関連として他の、たとえば簡易保險及び郵便年金の積立金の利率は五分五厘で抑えられているということになるようです。この場合簡易保險や郵便年金の利率との差をつけることに、どういう根拠を持つたのか。特に郵便貯金の利子を引上げることが、公共性を増大する上に必要であると認めて引上げたのか。あるいは簡易保險はこのまますえ置きにした方が、他の民間保險を圧迫しない意味からもいいのだということで、簡易保險の方や郵便年金の方を押えるようにしたのか。この差をつけたことに対して、政務次官の御答弁を願いたいのであります。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 ただいまの御質問でございますが、郵便貯金につきまして、特に保險よりも高い預託利子を将来認めようということではないのでありまして、これはどこまでも暫定措置で、五分五厘で不足する部分の補給ということになるのであります。これは二十六年度につきましても、一般会計からの繰入れで参つておるのであります。会計同士で申しますと、資金運用部の黒字が一般会計に入る、一般会計から、貯金は五分五厘で不足でありますので、それだけの補填を受けるというようなことになつておつたのであります。今年度も郵便貯金につきましても預託利率を五分五厘にすえ置いて、資金運用部から一般会計へ黒字の額を繰入れ、郵便貯金会計の不足額は一般会計からそれだけの金をもらうということと、大してかわりはないのであります。そういつた各三会計内のたらいまわしをやるよりも、一応ここでちようどその見当のものを、直接一般会計を通さないで資金運用部から郵便貯金特別会計に入れよう、これを逆算してみますると、ちようど六分五厘ということに相なるのでありまして、決して郵便貯金、簡易保險、郵便年金の間の種類の本質上の違いというようなことから参つておるのではございません。

受田新吉日本社会党

○受田委員 先ほど飯塚委員からお尋ねがありましたが、利率の問題であります。相当計画的に、定額郵便貯金や積立貯金は預金者が考えてしておりますが、しかしそのすえ置き期間中、約束の期間を待てないで払い下げる場合は、三分の利率を適用するということに改正されました。この三分の利率というのは、もう一箇月、もう二、三日で満期が来るというときに、借金の催促などに責められて、やむなくもう二、三日待てなくて払い下げるという立場の人が相当多いと思うのです。その点期間の狭くなつたものの場合と、最初からいつ払い下げるかわからぬが、一応定額にしておけという気持で入つたものと区別をしなければいかぬと思う。この趣旨弁明にありました解約の防止という意味から言いましたならば、この問題は、期間間近に迫つたものは、解約の意図で初め入つたのではないという意味で、何か差等をつける意図はないか。たとえばあと二、三箇月後に満期が来る、積立貯金の場合には二年となつておりますが、一年半を越えた部分に対しては三分二厘にするとか、あるいは定額貯金の場合には、三箇月越えた場合には三分六厘にするというふうに、解約防止にも当り、かつ貯金奨励にもなる、こういう施策はないか、お伺いしたいのであります。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 御指摘の点、私どもよくわかるのであります。そういつた措置をとることがあるいは合理的なのかもわかりませんが、いろいろ従来の実情から見ますると、ほんとうに間近になつて払いもどしをされるものは非常に少いのでありまして、定額で申しますと、定額へ入つて一箇月か三箇月ぐらいで払いもどされるものが多いわけであります。そういつたものの防止の点につきまして、利率としては私ども三分が妥当だろうという結論に到達したのでありますが、そこに三箇月なら幾ら、四箇月なら幾らという段階を設けることは、非常に事務処理上いろいろな困難も伴いますし、お説の通りそういう例も皆無ではないと思いますが、非常に不満足な結果には相なるわけでありますが、実は一律に三分ということに私どもは考えておるわけであります。     〔飯塚委員長代理退席、委員長着席〕

受田新吉日本社会党

○受田委員 この問題は非常に重要な問題だと私は考えるのであります。積立貯金の場合には、一年半を越えた場合には、今まで苦労してためて来たものが、急に入学のためとか、病気のために必要であるので払い下げるのであつて、差等をつけたからといつて、取扱いの上でコストが高くなるわけではない。一律に三分にするか三分六厘にするかだけであつて、従業員の人員の増加はやる必要はないのです。ただ期間を切つて、すでに六箇月以上には段階がつけてあるのですから、最初の三箇月にほとんど解約がないということになれば、その次の三箇月に解約があるということになつても、それは非常にやむを得ない解約だということになるのですから、その場合の解約に対しては利率を高くしてやるというのが、政治の大衆愛の現われだと思うのです。こういうことは例が非常に少い  から一括してやるというような形でなく、そういう差等をつけて、少数の例外を救うてやるという立場がいると思うのです。今までも実際解約の場合は、一番低い線で一律に利子が付してあるのですから、これを一挙に見せしめのために引下げるということは残酷に過ぎるのであつて、この場合段階をつけるのは簡單です。たとえば積立貯金は、一年を越えて二年までのものに対しては三分六厘、定額貯金の場合は三箇月を越えて六箇月以内のものは三分六厘、こういう段階をつければ、少数の例外を救うことにもなるし、今まで解約の場合でも最低の利率を与えておつたのですが、その線にも近づけることになると思うのです。この点あまりに大ざつぱにぶすつとやつたということは、いささか度が過ぎていなかつたかと思うのです。今しかたがなくというお言葉があつたのですが、この点差等を付することにどういう支障があるのかということを、差等を付した場合と付しない場合の長短について考えていただきまして、差等を付することによつて救われる場合これによつて損をする場合の利害得失の問題を、お答えをいただきたいのであります。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員 それに関連して……。受田委員のお説は、これは私も至当だと受思つております。普通の一箇月預金したものに対しても、通常貯金であれば三分九厘六毛の利子を払う。ただ定期の貯金になりますと、あるいは通常貯金よりも手数がかかるかもしれませんけれども、やはりその点は相当御考慮を願つてもいいことだと私も思います。この点つけ加えておきます。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 私どもこの案をつくります場合にあたりまして、そういつた面をいろいろ考えたのであります。少くとも通常貯金と同率くらいの三分九厘六毛くらいの利子にすべきではな  いか、またさらにそういつた払いもどしの期間に応じ、段階別の考慮も考えてみたのでありますが、何分こういつた作業は地方貯金局でやりますので、ほとんど女子でやつておりますために、新陳代謝が非常にはげしいのでありまして、そういつた段階別の作業につきましても、大分能率上影響をいたすわけであります。実は昨年の六月利子の計算方法を改正いたしまして、従来預け入れの月はまるまる利子をつけるというようなことになつておりましたのを、月の十五日までは利子をつける、十六日以後の場合におきましては利子をつけないということにいたしたのでありますが、これはわれわれから見ると何でもない改正に見えるのでありますが、実際の作業には非常な手数をかけております。そういうような面から考えまして、いろいろな議論が出たのでありますが、いたし方なく三分ということにいたしておるのであります。  また飯塚委員の御指摘の通常貯金で預け入れても三分九厘六毛、これが定額、積立てについて、払いもどしだからというのでそれよりも低い三分というのは、サービスを旨とする郵便貯金として、奉仕の面を忘れているのではないかという点、ごもつともでございますが、実は積立貯金の四分二厘の利子自体につきましても、これは採算上から申しましても相当に上まわつた利子でございます。ことに郵便貯金としては、毎月こうした計画を立てまして、少額ながら二年積立てで、二年先の郵便貯金の現在高に楽しみを持つて貯金をするので、こういう制度こそ郵便貯金としては最も着実な制度ではないかということから、採算の点から無理があるのでありますが、四分二厘という利子を付しておるような状況でありまして、これは直接のそういつたことの理由にはならないかもしれませんが、そういうことで非常に痛いところでありますが、払いもどしは一律に三分ということにいたしたような次第でございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 期間内の解約の問題は、非常に微々たる問題のように見えますが、長期の貯金を奨励する場合に、預金者を優遇する立場から、どうしても途中でやむなく解約する場合の保護規定を設けておかないと、たつた一人を捨てても政治の欠陥が生ずるわけであります。今政府でいろいろ考えてこれになつたのだというお答えがあつたのですが、一般の銀行預金でさえも、期間内で満期直前というような場合には、それを担保にして普通貸付もしておるし、保險でもちやんと普通貸付の制度ができておつて、契約者の貸付の道が開かれており、郵便年金でもこういう道が開かれている。この点は、従業員が非常に苦労をするという理由一本で今お答えがあつたのですが、なれたら必ずそれに十分適応できるのでありますから、一年を越え二年という場合は、定額貯金の場合でも一年から二年、二年から三年という段階があつて、それがきちつと行つているのであるから、むしろそういう段階をつけておく方が、これを取扱う人たちはちやんとしてその感覚でやられるのだから、都合がよいのではないかと思う。決して負担の加重にはならない。なれたら必ず適応すると思う。そうされない理由は、今申された理由だけからかどうか。これを取扱う人の場合を今例をあげておつしやつたのですが、ほかに何か理由がありますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 御指摘の通り、だんだんなれればそういつたことで整理も早くなろうと思います。しかし大体この方面の実際の作業に従事している者は、二年ないし三年くらいでどんどん交代をして参るわけでありますので、そういう面から処理上恒久的にこれになれることは非常に困難だということもございますし、一面においては、銀行方面の例もいろいろありますが、銀行の方面では、担保にして貸付ということはございましようが、実際はなかなか払いもどさないのであります。六箇月定期を満期にならないのに払いもどす場合もあるのでありますが、この場合は、五箇月くらいになりましても全然利子を付さず、無利子ということで参つておるのであります。これに右へならえする必要はないのでありますが、郵便貯金の面では、できるだけ利用者に便利なような制度を立てなければならないことは、よくよく承知いたしておることでありますけれども、先ほど申しましたような原簿所管庁における作業に非常な困難性があるという面から、余儀なく解約の場合については三分というような利子を創定したような次第であります。

受田新吉日本社会党

○受田委員 銀行預金の場合には、その満期以前に払いもどしたものは全然利子を付してないという御答弁があつたのですが、普通の預金利子であるところの日歩は付しておるのではありませんか。定期預金を途中で払いもどした場合には、全然無利子ですか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 これは臨時資金調整法によりまして、利子を付さないことに相なつておるのであります。しかし銀行によりましては、銀行のサービスとして、通常貯金利の二分一厘見当の利子をつけているところもあり、また法令の定めるところによつて、全然つけないところもあるようでございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 しかし証書を担保にしての貸付をしておるのでありますから、結局解約も満期まで待つて比較的高率の利子を支払つて貸付を受けるのも同じにとになると思いますが、この取扱いをする従業員の過重負担という点のみを考えての問題であるとすれば、何とかこれは考えなければならない。これは従業員の諸君の声もひとつ聞いてみないと思うのでありますが、同時に私は従業員の諸君も、こういう点のサービスについての積極的な協力を求めたい。しかも今の御説による三箇月を越え六箇月までの間の解約ということがほとんどまれだということになれば、もう郵便局の方で申達する場合に特にこれを指摘しておけばよいのだから、そのほとんどまれな場合を救う道が私は必要だと思います。それから三分という、三分九厘六毛に比べると格段の差のある懲罰的な利率が付されておる。これなども普通の預金の利子を支払つておる銀行も多数あるのですから、やはりこの程度までは、普通預金の利子くらいまでは払つてやるのが原則ではないかと思います。それによつて損する損害、国家の負担がどのくらいあるものか御計算もされておると思いますが、これは微々たるものであると思います。  それからもう一つ、今まで法令上廃止された郵便貯金が、今度の法の改正で通常郵便貯金に振りかえられる、利率がそれで改善されるということになつておりますね。ここに資料はいただいておりますが、今まであつた月掛貯金とか集金貯金というようなものは、現在どのくらいの額が残つておるものですか、それぞれの種目について簡單にお答えいただきたい。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 残念ながらそういう統計はとつておらないのであります。そういう関係で各種目別の金額がどのくらいあるかということは、分明でない次第でございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 すでに法令上廃止された種類の郵便貯金を、通常郵便貯金とみなして取扱うということになつておる以上、政府には資料がなければいけないと思います。資料がなくてこういうことを法律に規定されるということは、非常に不用意なことでありまして、たといこれがわずかであつてももう過去のものでありますから、現在郵政省として資料が整えられておらなければならないと思いますが、この資料を後日御提出いただきたいと思います。同時に今まで残つておつた昔のものを一括して、月掛貯金とかいうような名称をやめて、この四月一日から通常貯金というふうに台帳を切りかえられるものでありますか、これもお尋ねしたいと思います。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 廃止された種目の郵便貯金につきましては、従来法律の附則で特別の定めをいたしておりました。改正の唯一の理由は、従来通常貯金の利子が御承知のように二分七厘六毛でありまして低いのであります。特にこういつた廃止された種類の貯金につきましては、月掛貯金であるとか集金貯金であるとか、零細な金が規則正しく集つて来るというようなもので、特に利子の点では非常に有利な利子を付しておるわけであります。そういうことから種類自体といたしましては、月掛の取扱い、集金の扱いというものは事務簡素化の線からやめておりますが、利子の面におきましては従来約束した通常貯金のものよりも高い利息をつけて参らないといけないのであります。そういう面から今回の貯金法の改正によりまして、廃止になつた特殊の貯金のいずれよりも通常貯金の利子は有利になるわけであります。そこでこういうものを特に利子の点からのみ存置いたしておつたのでありますが、すでに附則で取扱いについて特別の定めを必要といたしませんので、全部通常貯金とみなしまして、通常貯金の三分九厘六分とすることになるわけであります。事後の処理といたしまして、貯金通帳は全部通常貯金と同様な取扱いをいたして参るのであります。従いまして件数、金額等が分明でございませんでも、支障を来すわけのものでもございませんし、限度の関係につきましてはこのまま通常貯金の預入のものとして処理されるわけであります。

受田新吉日本社会党

○受田委員 廃止された種類の郵便貯金で、月掛と集金と共同とは昭和十六年十二月一日に廃止されております。郵便貯金は十年間預け入れがない場合、あるいは利子の請求をしない場合には、国庫の收入になるように規定されておりますが、この月掛貯金、集金貯金、共同貯金はすでに国庫の收入になつているのでありませんか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 時効の面から申しますと、御指摘の通り十年間で時効は一応なくなりますような状況でございますが、しかし時効にかかりましてそれが効力がなくなり、国庫に帰属いたしますためには、その前に一応郵政省から預金者本人に対しまして、その旨を通知して、将来継続される意思があるかどうかを催告いたしているのであります。従いましてそれが済みませんと、たとい十年を経過いたしましても、国庫に帰属しないような実情になつております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 昭和十六年に廃止されておりますから、それから十年経つて昨年はこれの催告をしてあるはずですね。そうするとその催告の結果、報告がないものは当然処理されなければならないのではありませんか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 厳密に申しますと、もうすでに催告済みになつておらなければならないのでありますが、いろいろ処理の都合から申しまして、ちようど十年になりましても、すぐ催告にならないものも相当あるようでございます。従いましてたとえば十一年、十二年たちましても、まだ催告も行かない、貯金としてはそのまま生きているようなものもあるわけでございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 十年たつて催告をして、しかも何ら報告がないものに対して、まだそれを処理しないでおくとなれば、その最終期限はいつになるのでありますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 これは政府側の一方的な意思にそういつた時効がかかつておるわけでございまして、十年なら十年の期間が経過すれば、それで時効にたちまちかかつて無効になつてしまうというわけではないのであります。無効になるためには、政府の一定の催告という行為がいるのであります。これが延びますと自然失効にならない、まだ生きた郵便貯金になつておる状況でございまして、しかもその催告も十年たてば必ずやらなければならないというように政府に義務づけられたものではなく、催告をしてそれを失効せしめることができる、こういう状況になつているのであります。

受田新吉日本社会党

○受田委員 特別すえ置郵便貯金というものも二十六年に廃されておりますが、これは例の弾丸切手のことでありますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 さようでございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 このような額から言えばきわめて零細な貯金がいつまでも貯金局に業務が残されて、それに長く煩わされておることは、きわめて少数の例外にしかすぎない期間内の解約の問題さえも従業員の負担だと仰せられる当局において、このような零細な科目の貯金が九つありますが、この九つで今お聞きしてみるときわめて蓼々たる数しかないと思います。この蓼々たる数に煩わされて、従業員に非常に労働強化をさせておることに対して、何とか処置をする道はありませんか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 こういつた種類のものについては、早く全払いをしていただくとか、新しい通帳に書きかえるようなことができればいいのでありますが、その前に催告の手続等も全部にわたつてやらなければならない。その関係の処理にも相当な人手を要しますので、ぼつぼつやつおるというような状況でございます。ただいまこういつたものが残つておるために、日常従業員を煩わす面はほとんどないのでございまして、こういつた件数は、日常常に扱う原簿とは区別して保存してございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 各地の地方貯金局を視察した際にも、残された証券の取扱いに貯金局は非常に苦労しておることを私は確かめておるのであります。あのような証券の残務整理の問題にしても、このような問題にしても、何とか早く処理済みにして、新しい角度からの貯金の事務にかえさせたいと思う。その点で本人に催告し、督促しても、なお返答のないものをいつまでも置いておくことはやめて、督促をしてその期間内に返答のなかつたものは国庫に帰属するという、この法律を適用していいと思う。貯金しておられる方も、十年昔の五円や六円の貯金に未練を残しておる者はありません。こういう意味からも従来の古い形のものを一掃して、当局も新日本の息吹きを味わわれるようにしていただきたい。ですからこれはあなたの方できちつと整理してしまつて、本人に切手のようなものでも送つてあげるようにして、処理済みにしていただいたらどうでしようか。こういう形でもおとりになつて、従業員の負担を軽くしてあげるようにしていただきたいと思います。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 お説ごもつともでありまして、貯金事業運営の合理化をはかるためにも、ただいま御指摘の点は必要であろうと思います。即刻そういつた方面を研究して、何とか御趣旨に沿えるような措置を考えてみたいと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 もう一つ、わずかな貯金の利子が全払いをしたあとに追いかけてやつて参りますが、こういうものは預金者はほとんど忘れておるのです。こういうときは、その利子に当る部分を切手にしてでも送つてやるとかいうような形、あるいは何とか適当な方法で簡素化していただきたい。たつた五円の利子を書くのに、従業員の負担をどれだけ重くするであろうか。また五円の利子をもらいに行くために十五円も電車賃を使つては、貯金者も採算が合わぬ。こういう業務が貯金局に残されておることは、時代感覚のずれがはなはだしいものを感ずるのであります。この点もあわせて聞いておきたいと思います。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員 今受田委員の御注意に関連して、政務次官に特に御忠告を申し上げたいことがあります。昨年六月、郵政関係の国政調査に参りましたときに、受田委員は函館の貯金局において、この点を強調され、報告にもあるはずでありますから、将来われわれの国政調査に関して提出した資料に対しては、当局においては十分御留意の上で、こういう改正の問題にそれを反映させていただきたいと思います。そうでない場合は、国政調査も何らの意味もなさないものとなるのですから、この点特にお願いしたいのであります。

寺本齋自由党郵政政務次官

○寺本政府委員 御意見尊重して善処したいと思います。     —————————————

尾関義一自由党

○尾関委員長 次に簡易生命保險法の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引続き質疑を継続いたします。石原登君。

石原登自由党

○石原(登)委員 本日は時間がありませんから、簡單に要望だけ申し上げておきます。答弁はこの次でけつこうであります。この保險の審議を始めましてから、政府の提案理由の説明を聞きましても、八万円を政府が提案されたという根本の理由がきわめてあいまい模糊として、われわれはどうも了承ができない。本委員会では簡易保險の限度五万円があまりにも低過ぎるというので、たびたび論議をいたしきた。なお一面には、社会政策については非常に冷淡であるといわれておるところの自由党ですら——自由党は決してそうではありませんが、すでにこの金額については二十万円から二十五万円というものを出しておる。にもかかわらず、政府が今度提案されたものは、驚くなかれ八万円という数字であります。こういうものの根拠について、たびたび同僚議員から質問をしておりますが、政府の答弁はその根拠がはつきりしておりません。大体どこに基準を置いてこの八万円という数字を持つて来られたのか、その根拠を明らかにお示し願いたい。われわれこの問題を検討する前にどうしても考えなくてはならないのは、まず第一番目に、簡易保險に加入する対象となる階級の人々の加入意欲と購買力の変化を考えなければならない。さらに第二番目には、死亡した場合に、今日の状況において大体どのくらい費用がかかるかということも、当然考えてやらなければならない。第三に、民間保險との関係も十分考えてやらなくてはならない。第四に、この保險運営にあたつての従業員の立場も考えてあげなくてはならない。そうして一番大きなものは、創始当時の精神、すなわちその対象になる人々に対する社会保障の制度が、さらにより健全に拡大強化されて行くことでなければならぬ。ところが今日審議の過程を見ておると、あまりにも政治的な考慮が払われ過ぎて、提案理由はまことにあいまい模糊、不明朗な感が深いわけでございます。われわれは民営保險の助長についてももちろん協力はいたしますが、多くの国民の利益と福祉を無視して、それを犠牲にして、営利事業の利益を保護しなければならないという理由もなかろうと考える。以上二つのことを申し上げて、この次の委員会においては八万円を出された根拠をお示し願いたいと思う。でないと、今までの答弁はまるでしどろもどろであつて、これでは委員会としてはもちろん修正するのもやむを得ないという段階に来ているようでありますから、さらにあなた方の加えられた政治的な考慮、またその根拠についても、十分納得の行くような説明をする資料をお持ち願いたいということを要求いたしておきたいと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 簡易保險局長さんに一言だけお尋ねいたしまして、できれば御答弁なり、またあとでお答えいただいてもけつこうだと思います。  私は簡易保險に関連して、郵便年金が少し取り残されておる感じがします。この点について、簡易保險が今度最高制限額を引上げ、それからまた郵便貯金が同様の措置をとると同時に利率の引上げをやつたのでありますが、郵便年金は依然として従来の比率で置いておく。その制限額も現在のままで置こうとしておるのか。さなきだに郵便年金は大衆から親しまれない年金として、その加入者もきわめて蓼々としておることであるし、政府から出された資料を見ましても、異常の発展を遂げたと書いてはありますけれども、昭和十九年、二十年ごろから見ると、契約件数もむしろ減つておるし、それから金額においてもまことに微騰しているにすぎないので、この点政府として、郵便年金に対する考え方にどういうものがあるのかお伺いし、同時に非常に顕著な発展をしたとかおつしやつておるが、この表を見ると、契約が昭和十九年、二十年ごろを頂点として、漸次低下いたしまして、二十三、二十四、二十五、二十六とも、百六十二万件数に下つておる。こういうことを考えたときに、これはまま子にしておられるのかどうか、伺いたいのであります。

尾関義一自由党

○尾関委員長 御答弁は次会において承ることにいたします。  本日の質疑はこの程度にとどめ、次会は公報をもつてお知らせすることとし、これにて散会いたします。     午後四時四十二分散会

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