本会議 第66号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1952/07/25
会議録
○副議長(岩本信行君) これより会議を開きます。 ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 御報告いたすことがあります。議員清藤唯七君は去る七月十五日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。 清藤君に対する弔詞は、議長において先例によりすでに贈呈いたしました。 この際同君に対し弔意を表するため、奈良治二君から発言を求められております。これを許します。奈良治二君。
○奈良治二君 ただいま議長から御報告になりました通り、議員清藤唯七君は、去る七月十五日、にわかに逝去せられました。日ごろきわめてお元気にて、御病気のうわさも聞かず、改進党青森県連合支部結成に奔走せられ、結成大会に出席の直前、急に病を得、突如として逝去せられたのであります。まことに痛恨のきわみ、痛惜の至りにたえません。この際、私は諸君の御同意を得て、議員一同を代表いたし、つつしんで弔意を表したいと存じます。 清藤君は、明治二十六年四月、青森県南津軽郡尾上町に生を受けられ、幼時より俊敏、志を実業に立てられ、烱眼よくりんご産業の振興に着目され、東都の青果市場にあつて、つぶさに実務の修練を積まれ、爾来弘前市においてこれが取引業を開始され、拮据経もつて今日に至つたのであります。大正七年以来、実に三十有余年の間、君は常に業界の指導的地位に立ち、施設の改善、加工のくふう、販路の拡張等、率先して郷土産業の開発に全力を傾倒されたのであります。 生前の君は、青森県りんご移出商業協同組合連合会長、青森県りんご輸出協会長、あるいは青森県りんご出荷団体連合会長等、りんご産業指導者としての地位は十指に余り、青森県りんご産業界の第一人者として、その名声県下を風靡したのであります。また遠く満州、中国、南洋、ビルマ、インド等、広汎な地域に奔走して、もつぱら販路の拡張に努め、もつてりんご産業を青森県産業の大宗たらしめた功績はまことに偉大なるものがあつたのであります。 昭和五年以来十七年間にわたり、四期連続して弘前市会議員に選ばれ、後には副議長として市議会に重きをなし、また青森県会議員に当選すること二回、在職十年余に及び、地方自治のために貢献するとともに、幾多の公職に推されて、地方公共のために多大の功績を残されましたことは、郷党の最も徳とするところであります。(拍手)戰後、地方政界の有力者として、現改進党の前身たる日本進歩党弘前支所長に推されましたが、さきの総選挙には、衆望を負うて、みごと当選の栄冠を得られました。 君は資性温厚にして、しかも果断、人に接するや春風駘蕩として、いるるにやすく、その交わるや、誠心を傾けて常に至心を語る円満なる風格と、うちに不抜の信念を堅持し、その人格と識見には多大の敬意を表しておつたのであります。講和発効後、内外幾多の問題をはらむ今日、国会の使命もますます重きを加えんとするときにあたり、君のごとき有為の士を失いますことは、まことに痛惜傷心にたえないところであります。(拍手)去る二十日、青森県りんご移出商業組合連合会葬をもつて挙行されました君の葬儀に参列し、全国の青果業者及び県内知名の士多数会葬され、地方まれに見る盛儀であつたことも、むべなるかなと存じたのであります。 ここに、つつしんで故人の御冥福を折り、哀悼のまことをささげる次第であります。(拍手) ――――◇―――――
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、鹿野彦吉君外二十八名提出、積雪濕潤地帶義務設置学校屋内運動場整備促進に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めますよつて日程は追加せられました。 積雪濕潤地帶義務設置学校屋内運動場整備促進に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。鹿野彦吉君。 〔鹿野彦吉君登壇〕
○鹿野彦吉君 ただいま議題となりました積雪濕潤地帶義務設置学校屋内運動場整備促進に関する決議案につきまして、日本共産党を除く各派を代表いたしまして趣旨弁明をいたします。 まず最初に決議案文を朗読いたします。 積雪濕潤地帶義務設置学校屋内運動場整備促進に関する決議案 積雪濕潤地帶における義務設置学校は、長期にわたる冬季間中、屋外運動不能のため、教育上の支障はなはだ多く、特に保健衛生上まことに憂慮すべき実情にある。 従つてこの地帶における屋内運動場は、教室に劣らぬ極めて重要な施設である。 しかるに当該地帶の経済力は、比較的微弱なるもの多く、自己負担の能力に乏しい上に、政府の施策もまた殆どこれに対して見るべきものがないままとなつている。 よつて政府は、義務教育の機会均等の原則と、国民保健の見地より急速に適当の措置を講じ、もつてこれが整備充実を図られたい。 右決議する。(拍手) 以下、この趣旨の大要を弁明申し上げます。ここに積雪濕潤地帶と申しますのは、概略、さきの第十国会において成立いたしました積雪寒冷單作地帶振興臨時措置法に準ずる地帶と御承知願いたいのであります。総じてこの地帶は、長きは七箇月、短かくとも四箇月に及ぶ冬季間中、積雪寒冷、あるいは絶えざる降雪または降雨による濕潤のため、屋外の運動場の使用がほとんど不可能でありまして、これが教育に及ぼします影響は実に甚大なものであります。 本来、義務教育は、平等な機会と條件とをもつて施されなければならないのが原則でありますが、現在の六・三制予算は、財政状況や自然的諸條件を無規して、ほとんど一律に〇・七坪という非常に低い基準によつているため、一般の地方でも、満足な学校を建築するためには、国庫補助以外に多額の費用の支出をしなければならない実情にあるのであります。もし国家が、惠まれない自然的条件の環境にある義務教育地殻に対して十分な考慮を拂わず、適切な施策をもつて臨まないならば、ひとしく日本の子供でありながら、不利な條件や環境にある兒童ほどその発達が阻害せられるという結果になります。これは、ひとり兒童自身に対してのみならず、その地方の発展を阻害し、ひいては国家の進展にも重大な悪影響を及ぼすことともなるのであります。もつとも、時には、かえつて惠まれない自然的環境と闘うことによつて不撓不屈のはつらつたる人間ができるということもありましよう。しかしなながら、その條件にはおのずから一定の限度があります。もしその程度が苛烈であり、その教育対象がいたいけな兒童生徒であります場合は、かえつてその成長が抑圧せられてしまうばかりでなく、性格的にも卑屈、退嬰な人間ができ上つてしまうのであります。かような立場から、この積雪濕潤地帶の教育事情を見まするときは、うたた心のさびしさを禁じ得ないものがあります。 今その状況の一端について御紹介いたしますならば、まずその第一は、直接教育に及ぼす障害の多いことであります。すなわち、これらの地帶では、屋外運動場が冬季には使用できないために、子供たちはやむを得ず、狭い廊下や教室の中で一日中うずくまつていなければならないのであります。すなわち、体育の実施がほとんど不可能でありますから、勢い運動不足にならざるを得ないのであります。もちろん、子供たちの楽しみとする野球も、バスケツト・ボールも、競争もまつたく不可能なのであります。もし、しいて運動をしようとすれば、他の組の学習の妨げとなりまするし、休み時間のごときは、学校をあげて騒然たる状態となつてしまうのであります。かくて、成長盛りの、じつとしておれない子供たちを、およそ半年もの間、窒息状態のままにとじ込めておくことを毎年繰返しているのであります。ために、身体に及ぼす障害もまた大きく、発育本全、トラホーム、胸部疾患、脚気、扁平足、活動能力の低下等々、まことに寒心すべき事態であります。 また第二点としましては、今日特に問題となつている、しつけの面の不徹底ということであります。長い間校舎にとじ込められている結果、ともすると無意味な喧噪に陥り、不規則、不整頓となり、進取的、積極的かつ規律正しい気風の養成が阻害されるのであります。 さらに第三には、施設に及ぼす破損があります。狭い教室内や廊下であくせくするために、机、腰かけの破損はいうまでもなく、腰板や壁は汚損し、廊下や教室も破壊せられる等、施設の自然耐久力を著しく減殺いたしますので、修理に要する経費も莫大に上るのであります。 かかる欠陷は一にしてとどまらないのでありますが、しからば、いかようにしたならばこれを解消し得るでありましようう。要するに、この問題は屋内運動場を設置することによつて一挙に解決し得るのであります。ところが、これらの地方は、元来天惠に乏しいために、住民の経済力は低く、自力をもつてこれを建設することはすこぶる困難であります。どうしても国よりの援助が必要であります。しかるに、これに対する政府の施策は、従来はなはだ不十分でありまして、本年度当初予算のごとき、わずかに九千八百余万円にすぎず、その建築坪数は八千坪にも満たないものであります。 本来、屋内運動場は、いかなる地域の小、中学校にも必要でありまして、その建設必要坪数は大略二百万坪といわれております。もちろん、これを今一気に実現するととは困難でありますから、私どもは、さしあたつて緊急に必要なこの積雪濕潤地帶の義務教育学校の屋内運動場約四十八万坪、これは前述の二百万坪の四分の一でありますが、この建設を、少くともここ二、三年のうちに、国の援助をもつて、ぜひ充実をはかりたいと思うのであります。 以上述べましたことは、その環境を異にする地方の方々にも、その必要性を御理解いただいたものと存ずるのでありますが、われわれのように、かかる環境に生活しておる者にとりましては、まことに痛切なものがあるのでざいます。何とぞ十分御了察の土、御賛成あらんことを希望いたしまして、本決議案の趣旨弁明といたします。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。 この際文部政務次官より発言を求められおります。これを許します。文部政務次官今村忠助君。 〔政府委員今村忠助君登壇〕
○政府委員(今村忠助君) 文部当局といたしましても、ただいまの決議案を尊重いたしまして、これが趣旨実現に最善を盡すつもりであります。(拍手) ―――――――――――――
○山本猛夫君 議事日程は延期し、二十八日定刻より本会議を開くこととし、本日はこれにて散会されんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十六分散会