本会議 第56号
- 発言数
- 27 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/06/18
会議録
○議長(林讓治君) これより会議を開きます。 ————◇————— アジア各国との貿易振興に関する決議案(中村純一君外二十三名提出)(委員会審査省略要求事件)
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、中村純一君外二十三名提出、アジア各国との貿易振興に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 アジア各国との貿易振興に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。中村純一君。 〔中村純一君登壇〕
○中村純一君 ただいま議題となりましたアジア各国との貿易振興に関する決議案に関し、提案者を代表して提案の趣旨を御説明いたします。 まず決議案文を朗読いたします。 アジア各国との貿易振興に関する決議案 政府は、善隣友好の精神に則り、わが国とアジア各国との間に正常なる外交通商関係を成立せしめ、これら各国との貿易規模の拡大と安定のため必要な措置をなすべきである 右決議する。 以上であります。 さて、わが国は、終戰以来年をけみすることここに七歳、今日までの日本経済が、幾多の困難を克服して、ここまで回復して参りましたことは、国民の旺盛なる復興意欲と、たゆまざる勤勉努力によるものであることは、もとよりでありまするが、一面また、連合軍の寛容な占領政策と、好意ある経済援助にまつところきわめて大であつたことも明らかな事実でありましてわれわれのひとしく感謝するところであります。 講和発効後のわが国といたしましては、経済の自立が達成されるにあらざれば真の独立を確保することは不可能であると申しても過言でないと信ずるのでありますが、この資源に乏しく、国内市場もまた狹隘なるわが国の経済自立の達成は、貿易規模の拡大と、輸出の振興以外に道なきことは、あえて多言を要しないところであります。かの朝鮮事変以後の異常な世界的好況はすでに解消し、なお今後多くの風雲をはらみつつも、今や一種の中だるみというか、景況不振の状態に際会しておる今日において、戰後特にいろいろな意味において海外依存度の高くなつた日本経済の貿易構造と産業構造を、この逆賭しがたい国際政局と、変転きわまりない世界経済の動きのうちに、いかに方向づけて行くべきかを真劍に検討し、適切なる根本方針を樹立すべき重大な時期に逢着していると申してはばからないものであります。 まず第一に、わが国産業の合理化を推進し、電源の開発を促進するとともに、商船隊の拡充を行い、国内食糧の自給度を向上する等、わが国経済の対外競争力の基本を培養強化することが先決問題でありまするが、これとともに、みずからアジアに位置し、アジア諸国との間に、歴史的にも、地理的にも、はたまた経済的にも緊密不可分の関係を有するわが国といたしましては、すみやかに、可能なる限り、これら諸国との間に正常なる外交と通商関係を成立せしめ、もつて貿易規模の拡大と安定をはかるの急務なることを痛感いたすものであります。正常なる外交通商関係の成立は、もとより善隣友好の精神を前提とするものでありますが、善隣友好の精神は、相互にこれを保持するにあらざれば、諸般の問題は解決せられないものであることは当然であります。 なお、ここに付言いたしたいことは、ポンドの自由交換制の回復の問題であります。ポンドの自由交換制が回復せらるるならば、現在ドル圏に対しても非ドル圏に対しても著しい片貿易の状況にあるわが国の貿易の欠陷は大いに改善せられ、またアジア諸国との貿易規模の拡大に資することきわめて大なるものがあるのであります。 われわれは、世界民主主義諸国家の理解と協力によつて、アジア貿易の振興と拡大がすみやかに実現することを切望し、また政府はすみやかにこれに対する必要なる措置を講ぜられんことを要望してやまないものであります。 以上、提案の趣旨を御説明いたしましたが、各位の御賛同をお願いいたす次第であります。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。 ————◇—————
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、島田末信君外十八名提出、国際労働條約批准促進に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 国際労働條約批准促進に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。松岡駒吉君。 〔松岡駒吉君登壇〕
○松岡駒吉君 ただいま上程されました国際労働條約批准促進に関する決議案に関しまして、自由党、改進党、社会党等、賛成各派を代表いたしまして、提案趣旨の弁明をいたします。 第一次大戰の惨禍を身にしみて感じました世界は、一九一八年、ヴエルサイユにおきまして、国際平和機構としての連盟を結成し、その付属機関として、「汝平和を欲するならば正義を耕せ」との合言葉のもとに、国際労働機関を結成いたしたのであります。その後、世界の情勢の変転からいたしまして、連盟は消滅いたしたのでありまするが、この労働機関はいよいよ発展の一途をたどりまして、連綿三十四年を経過いたしたのであります。現在では七十一の加盟国を有し、第一回ワシントン会議から昨年の三十四回総会に至るその間におきまして、百件の條約並びに八十七件の勧告を審議、採択いたしたのであります。かようにいたしまして、この機関は、世界の文化の進展と、その平和のために偉大なる貢献をもたらしたのであります。 しかるに、わが歴代の内閣は、この機関に対し、きわめて消極的な態度に終始いたしまして、たとえば第一回のワシントン会議におきましては、八大産業国としての待遇を受けつつあるにかかわらず、日本の特殊性を強調し、三拜九拜いたしまして特殊国扱いを懇請し、国際的基準でありますところの八時間労働、すなわち一週四十八時間労働條約の除外を求め、インドとともに、ようやく五十七時間制を認められたのであります。しかるに、インドは間もなくこれを批准したのでありますが、日本はあくまでこれを批准しなかつたのみではなく、労働組合を無視して労働代表を選考した等のためにしばしば物議をかもし、著しく世界の不信を買うこととなりまして、遂に、往年のいわゆるチープ・レーバー・ソーシヤル・ダンピングなどという、まことに恥ずべき非難と悪声を招きました。そうして、このことがわが国通商貿易の上に大いなる阻害をもたらしましたことは、私どもの忘れることのできない痛恨事であるのであります。(拍手) 今や講和の成立によりまして、わが国も独立を回復し、国際社会に復帰することとなつたのでありまするが、経済の自主独立は貿易と輸出の振興にまたなければならぬのであります。そのためには、まず健全なる労資関係を確立することと、国際的な基準によつて公正なる労働條件を励行し、高能率と高賃金の理想を追求いたしまして、もつて労働者の生活の安定に資し、国際信用の回復をはかることを必須の條件といたすのであります。この信用こそは、日本商品の国際市場進出のパス・ポートといわなければならないのでありましよう。 ━━━━━━━━━━━━━ すなわち、国際自由労連、アメリカの労働総同盟あるいは国際労働機関等の諸会合におきまして、しばしば抗議的あるいは警告的疑念が表明せられておりますることは、まことに看過することのできない重大なる問題と言わなければ相ならぬのでございます。かような状態では、輸出の振興などはとうてい思いも及ばぬことと思います。日本経済の自立もまた著しく阻害せられるでございましよう。政府は、労働機関に対し、ただちに積極的な協力の決意と、その事実を示す必要ありと信ずるのであります。 さきに申し上げました通り、採択された労働條約はすでに百件の多きに達しておるのでありまするが、フランスの六十一件、イギリスの五十件等を初めといたしまして、三十件以上の批准を了しておりまする加盟国はすでに十八箇国を数えるのであります。しかも、その中には、ウルグアイでありますとか、ニカラグアのごとき小国すら見受けるのであります。わが国はいまだわずかに十三件の批准を了したのみでありますから、世界の不信を買うこともまたゆえなしと言い得ないのでございます。(拍手) 私の調べたところによりますと、わが国現行労働社会立法の存在いたしまする限りにおきましては、企業に新しい負担や犠牲を課することなくして、いわんや財政的な負担を伴うことなくして、ただちに三十件以上の批准を行うことが可能であると信ずるのであります。もし日本政府が、さきに申し上げました、特殊国としての一週五十七時間労働制の條約を返上いたしまして四十八時間労働條約であるとか、結社、団結の條約、団体交渉権に関する條約等を、現にただいまゼネヴアにおいて開催されておりますところのこの労働会議開催前に批准いたしたといたしまするならば、国際信用の回復の上に、まことによき効果をもたらし得たことと信ずるのであります。(拍手)いな、むしろ、わが国がいまだ独立しないことに先だつ一箇年、昨年の六月、日本が正式にこの機関に復帰することを許しましたその好意に対しまして当然実行しなければならないところの、新生日本のきわめて貴重なる国際的義務であると言わなければならないのであります(拍手)━━━━━━━━━━━━━━━━。このことは、ひとり所管労働大臣の責任のみでなく、外交のエキスパートをもつて任じ、外交の第一人者をもつて任じますところの吉田総理大臣のために惜しむものであります。(拍手「何を言つておるか」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然) さらに、独立日本の達成と治安の確保は不可分の重大なる要件でありますから、いささかも遺漏があつてはならないことは申し上げるまでもございません。しかるに、労働法は改正され、破防法は制定されんとし、かえつて社会不安が激成されつつあるのであります。まことに遺憾千万と言わなければ相なりません。(拍手)破壞活動行為それ自体は力強く制圧されなければ相なりません。しかしながら、年若き学徒、労働者が破壞活動分子のために破壞活動に巻き込まれるがごときことを容易ならしめては相ならぬのでございます。 〔発言する者多く、議場騒然〕
○議長(林讓治君) 各党の共同提案の説明でありますから、用語につき御注意願います。
○松岡駒吉君(続) 承知しました。自由党のことには触れません。——その恐るべき、あわれむべき悲劇から、それらの若き人々を救わなければならないのであります。(「取消せ」と呼び、その他発言する者多し)それは決して警察力と権力のみをもつてなし得るところではないのであります。すなわち、積極的、進歩的、公正なる民主的施策をもつてすべきであります。国際正義のなきところ国際平和はあり得ず、社会正義のなきところ国内の治安確保はあり得ないのであります。 政府は、迅速に案を具し、国会に対して労働條約の批准を求むべきであります。(「注意々々」と呼ぶ者あり)労働は商品ではない。表現及び結社の自由は、不断の進歩のため欠くことができない、一部の貧困は全体の繁栄を危險に導く、この言葉は、一九四四年のフイラデルフイア宣言の一節であります。実に国際労働機関の根本原則であります。独立日本、新らしき日本は、この宣言を力強く支持すべきであると確信いたします。何とぞ満場の御賛成をお願いいたします。 これをもつて趣旨の弁明といたします。(拍手) 〔発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
○議長(林讓治君) これより……(議場騒然、聽取不能)本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 〔発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。 この際労働大臣から発言を求められております。これを許します。労働大臣吉武惠市君。 〔発言する者多く、議場騒然〕
○議長(林讓治君) この際暫時休憩いたします。 午後二時五十六分休憩 ————◇————— 午後五時二分開議
○議長(林讓治君) 休憩前に引続き会議を開きます。 松岡駒吉君から発言を求められております。これを許します。松岡駒吉君。 〔松岡駒吉君登壇〕
○松岡駒吉君 先刻の決議案の趣旨弁明中、賛成各派の共同提案の趣旨弁明に対して行き過ぎの点がありましたので、この点を取消し、この際遺憾の意を表します。(拍手)
○議長(林讓治君) 労働大臣から発言を求められております。これを許します。労働大臣吉武惠市君。 〔国務大臣吉武惠市君登壇〕
○国務大臣(吉武惠市君) ただいま国際労働條約批准促進に関する決議がなされたのでございますが、政府といたしましても、終戰後の日本の労働法規が国際條約の水準に達しておるものも少くございませんので、国際信用を高める上からも、ただいまの決議の御趣旨に沿いまして、批准し得るものはできるだけ早い機会に批准の処置をとりたいと考えております。 ————◇—————
○福永健司君 日程第一ないし第三は延期されんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程第一ないし第三は延期するに決しました。 ————◇—————
○議長(林讓治君) 日程第四、昭和二十三年六月三十日以前に給與事由の生じた恩給の特別措置に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長八木一郎君。 〔八木一郎君登壇〕
○八木一郎君 ただいま議題となりました昭和二十三年六月三十日以前に給與事由の生じた恩給の特別措置に関する法律案について、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 御承知のごとく、昭和二十三年六月三十日以前に退職いたした者の恩給は、その後に退職した者との間に著しい不均衡を生じておりまして、本国会には、各派議員の紹介により、三百件にも及びます恩給不均衡是正に関する請願が本院に提出されている次第であります。本法案はこの不均衡を是正せんとするものでありますが、その方法として、昭和二十一年七月の給與改訂及び昭和二十二年十月の給與凹凸調整等によつて生じた主要な不均衡を、在職年及び俸給額に応じて是正することといたしております。 本法案は、五月三十一日、本委員会に付託され、ただちに提案者の説明を聞き、その審査のため小委員会を設けたのであります。小委員会においては連日会議を開き、専門当局の恩給局長、主計局長等の出席を求め、慎重審議いたしたのでありますが、その結果、原案は、実施上、予算その他の関係において相当難点のあることが判明いたしましたので、これらを修正することを適当とする結論に達し、自由党、改進党、社会党各派共同の修正案を作成したのであります。 かくて、六月十七日、本委員会において、青木小委員長より小委員会作成の修正案が提出されました。その修正の要旨を申し上げますと、原則としては、原案のような在職年による是正を行わないで、旧俸給制度の俸給額に大体対応すると認められる現行制度の俸給額を仮定俸給年額として恩給額を改定しようとするのであります。ただ、旧俸給制度下の教育、警察職員、その他地方の官吏等は、永年勤続にもかかわらず、俸給額が比較的低くなつておりますので、これらの者、すなわち奏任官程度以下の者で、在職二十五年以上、警察監獄職員で在勤二十年以上の者については、さらに一段階上位の仮定俸給年額に引上げて改定することといたしているのであります。これによつて、従来の恩給はおよそ一割五分ないし三割五分を増額することとなるのであります。なお、改定の時期については本年十月を目途としているのでありますが、予算編成の関係もありますので政令にゆだねることとし、かつ少くとも昭和二十八年一月より遅れてはならないことといたしたのであります。 以上が修正案の要旨でありますが、右修正案について討論採決の結果、多数をもつて修正案の通り本法案を修正議決すべきものと決定いたした次第であります。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時九分散会