法務委員会 第68号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/06/17
会議録
○佐瀬委員長 これより会議を開きます。 刑事訴訟法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑に先立つて、前会政府より答弁を留保されておつた事項について、その答弁の申出がありますから、この際これを許します。横井説明員。
○横井説明員 前会御質問のありました点についてお答えいたします。まず最初は、逮捕のうちで、現行犯人の逮捕と緊急逮捕と通常逮捕とは、どういう割合になつておるかという点であります。昭和二十五年には全逮捕会員が二十八万七千七百八十六でありました。このうち現行犯人として逮捕されましたのが九万八千五百四十三、緊急逮捕されました者が七万六千七百三十五、通常逮捕が十一万二千五百八であります。二十六年度も大体同じような数になつておりますが、逮捕された者が二十八万六千八百大十七、現行犯人として逮捕されました者が九万八千八百三十七、緊急逮捕が六万八千二百六十、通常逮捕が十一万九千七百七十になつております。これをパーセントで見ますと、二十五年も二十六年も、大体現行犯人逮捕が三四%くらい、緊急逮捕が二三%くらい、通常逮捕が四三外くらいになるのであります。 次に逮捕状を請求いたします場合に、警察から請求する場合と検察官が請求する場合とは、どういう割合になつておるかというお尋ねがございました。この点については、実は正確な統計がないのでありますが、昨年の十月一日から同月末までの間の一箇月間、警察と検察庁について調べた数がございます。これは一箇月間だけでございますが、それを申し上げますと、警察の方で逮捕状を請求いたしましたのが、国警、自治警を合せて全国で二万六千百四十九であります。検察官がその名前で請求いたしましたのが五百四十二であります。パーセントにいたしますと、警察の方の請求が九八%、検察官の請求が二%になるのであります。この前のお尋ねは、検察官を経由して請求するものと、経由しないで請求するものとは、どういう割合になるかという趣旨も含んでおつたのではないかと思いますが、経由したかどうかという点は実は統計上はつきりいたしません。そこで私どもに報告が参つております各地検の報告の中から、各地検では一体どういう運用をしておるかという点を調べてみますと、これも必ずしもはつきりしたところはわからないのでありますけれども、検察庁の中で、逮捕状請求について検察官を経由させることにしておる庁が全国で七箇庁ございます。これは全部経由している庁であります。その次は事件の種類を限つて経由させておる庁が九箇庁ございます。たとえば選挙事犯については経由させる、あるいは収賄については経由させる、あるいは詐欺については経由させるというように、事件の種類を限つて経由させておるのが九箇庁ございます。それから全然経由させておらないのが二十七箇庁ございます。その他としまして、複雑な事件については、事前に連絡させるとか、あるいは逮捕状の写しも検閲するとかあるいは重要な事件については事前に連絡するといつたような庁が五箇庁ございます。これは先ほど二番目に申し上げました事件の種類を限つて経由させるのとは実質的には異ならないわけであります。そうしますと、大体全国的に見まして半々という形になるようであります。そういう趣旨から見ますと、先ほどの検察官の請求が二%と申しますのは、これは形の上で検察官の名前で請求しておるのが二%ということになりまするので、実際に経由しておりますのは相当数に上るものと考えられるのであります。 それから最後に、在宅起訴と勾留起訴との割合は、戦前と戦後を比較してどうなつておるかという御質問がございました。その点も、どういうところを標準として統計をとつて行くか、非常にむずかしいのでありますが、一応起訴人員と被告人の在監者数とを比較してみたのであります。そういたしますと、全体として申し上げますと、戦前よりも戦後の方が勾留起訴、拘束起訴というものが比較的少くなつておるように思われます。それで昭和七年からでありますけれども、昭和七年にはそのパーセントが二五・六%、昭和八年が二〇・九%、爾後昭和十四年までが約二〇%くらいになつております。昭和十五年以後十八年までが一五・六%、昭和十九年が二〇・七%、昭和二十一年が非常に高くなりまして三七・二%になつておりますが、二十二年からまた減りまして、二十二年が一九・九%、二十三年が一七・六%、二十四年が一七・八%、二十五年が一六・六%、二十六年が、これが最低でございまして一五%、二十七年が現在までのところ一五・九%、こういうふうになつております。
○佐瀬委員長 それでは、質疑の通告がありますので、これを順次許します。安部俊吾君。
○安部委員 いわゆる黙秘権なるものに関しましてちよつとお聞きしたいと思いまするが、もとより挙証の責任というものは、これは検察庁にあることは当然でありまして、バーデン・オブ・プルーフと申すのでありましようが、相当の根拠がありまして被疑者として逮捕された場合に、裁判所において少くとも自分の姓名、年齢あるいは職業というようなことに関しましては、裁判長の、あるいは弁護人あるいは検察官の尋問に対して答弁する義務があると思うのでありまするが、そういう場合におきましても、現行法の第百九十八條でありまするかの、供述を拒むことがどきる旨をあらかじめ被告人に言わなくちやならぬというような條項があるのでありますが、それを今度は、自己に不利益な供述を強要されることがない、こういうふうに改正するというのでありますが、その間の違いというものを、はつきり申せばどういうことになるのでありましようか。たとえばその名前を言つては非常に不利益になるような場合があつたら自分の名前を言わなくてもいいか、あるいは姓名というものは当然言わなければならぬ義務があるのでありましようか。どういうことでありましようか。
○岡原政府委員 ただいまお尋ねの黙秘権の問題につきましては、やはり相当むずかしい問題がございまして、憲法の三十八條の規定を受けまして、これをどの程度刑事訴訟法で義務づけするかということは、刑事訴訟法の立案当時からの実は問題でございました。そこで考え方といたしましては、被告人、被疑者には憲法で認められた、何人といえども自己に不利益の供述を強要されないというこの限度をいかように実際の場面で認めて行くべきかということで、相当議論も闘わされたように聞いております。その結果、現在の訴訟法は、ただいま御指摘のように、百十八條におきまして、あらかじめ供述を拒むことができる旨を告げなければならないということにはつきりなつたわけでございます。この関係から、調べの際には、被疑者があらかじめ供述を拒むことができる、つまり供述を拒否する権利があるということを告げられまするので、何でもかんでも言わなくともいい、一切合財黙つておればいいというふうにとるのもまた無理からぬ事情にあるわけでございます。また一方におきまして、尋ねる方の側にいたしますると、せつかく本人を呼んで来あるいは身柄を拘束したる本人を部屋に入れまして、さてこれから尋ねるんだが、言わなければ言わぬでもよろしい、お前は言わないでもいい権利があるということを言いまして、ときにといつて尋ねるわけであります。そこで一種の心理的な矛盾を感ずるという場面もございまして、実はこれは実務家の方からたいへん不便な規定である、なるほど憲法の保障する不利益な供述を強要されないということは、これは動かし得ないことであるといたしましても、これを権利として被疑者に認めるということはいかがなものであろうかということで、非常に問題になりました。この点につきましては、この前も若干御紹介申し上げたのでございまするが、各地にその実際の運用の状況並びにこれについて不便が生じた実情等を問い合せいたしました。その結果、たとえば神戸の地検からの報告によりますると、供述拒否権を誤解しまして、自己に有利な事項まで供述を拒否する、それがために結局起訴せられまして、あとで調べてみましたところが、この事件は区役所における不退去事件の被疑者であつたのでありますが、区長からお前は残つていてもいいということを言われた事実があるにかかわらずそれまで黙つておつた。結局それで、その部屋に残つておつた、どうしても出ないという不退去の事実で起訴されたというふうな事案が報告されております。またその他にも、同様の事件につきまして、名前あるいは住所の供述等も全然しない、従つてその調べが進展しないのみならず、結局人違いその他の問題を起しかけて、これはまあ幸いに解決したのでありまするが、そういうふうな余分な手数もかかりまして、たいへん実務上不便であるということからいたしまして、この点を何とか考えようというので、各地方裁判所あるいは検察庁の意見並びに在野法曹の方々の意見を徴しました結果、いろいろ考え方はあるけれども、少くとも憲法の要求するところは、自己に不利益な供述を強要されないというところであつて、名前も住所も全然言わなくてもいいという権利があるということではあるまい。その点からこれを今回の改正におきましては、憲法に明示されましたことを本人に告げる——告げるということについてもこれまた議論がありまして、すでに憲法の趣旨が徹底しているから、いまさら告げなくてもいいじやないかという議論もございましたけれども、まだ憲法施行日なお浅いと申してもいいと思いますが、十分その趣旨が徹底してないと間違いが起きる。また一般に被疑者はそういうことになれていないから、ついその場でおずおずしてしまつて、憲法の條文を忘れる、あるいは知らないということから、せつかく本人が憲法で保障されたこういうふうな一つの利益というものを放棄するということもあり得ようかというので、憲法にあるような程度に告げよう、こういう規定に改正いたしました。
○安部委員 お前はどろぼうだ、どろぼうであるから、どろぼうでない証拠をあげよ、こういうふうになれば、非常に困るのでありまして、当然そういうふうな尋問が許さるべきものではないのでありますが、しかし憲法上の條項というものは、自分はその答えによつて有罪になるおそれがある。お前は人を殺したか、はい殺しましたと言つたならば、ただちに有罪になるんだから、そういう場合には、自分が答弁を避ける権利がある、あるいはそれに関連して、その答えによつて不利益なことになりまして、自分みずから有罪であるということを証拠をあげるというようなことは、これは被告にそういうような義務を負わせることは憲法の精神から言つても望ましいものでないというので、憲法にこういう規定があるのでありまして、もとより窃盗犯であるとか、あるいは詐欺取財であるとか、あるいは殺人罪であるとかいうような、そういう罪を構成するところのあらゆる方面あらゆる角度から有罪であるということを立証するのは、すなわち検察官の任務であつて、しかもそれが裁判の結果一点の疑うところの余地がない、いわゆるビヨンド・リーズナブル・ダウト、一点の疑うところがないというところで初めて有罪の宣告をするのだ、それまではきわめて公平に自分に有利な、無罪である、有罪でないということを立証する機会を与えるのは当然でありますが、しかるに今日までのこの黙秘権というものを非常に誤解したような点がありまして、自分の名前を言わぬ、自分の年齢も言わぬ、自分の国籍も言わぬ、こういうことになれば裁判することにおきまして非常な支障を来すので、必要以上の経費もかかれば、あるいは時間もかかるというのでありまして、ことに共産党に属する被告のごときは、黙秘権というものを非常に悪用いたしまして、そうして公正な裁判を妨げるような傾向もあつたのをはなはだ私どもは遺憾に存じておつたのでありますが、この改正訴訟法におきましてそこのところを明らかにいたしまして、その答弁することによつて自分が不利益をこうむる場合はやむを得ないけれども、しかしそれに関連ない場合、自分の姓名であるとか、あるいは職業であるとか、あるいは自分の年齢であるとか、国籍であるとか、そういうようなことは、国民として、公民として当然これはそういうような取調べる権利のある警察官あるいは検察官あるいは裁判官、そういうものの問いに答える義務があると思うのであります。(「そんなものがあるか」と呼ぶ者あり)ある。当然にこれを規定する必要がある。(「どこに根拠があるか」と呼ぶ者あり)国民の義務じやないか。
○佐瀬委員長 御静粛に願います。
○安部委員 だからして、われわれは憲法の上でわれわれの自由、われわれの権利は十分に確立された、そうして自分に不利益なことは言わない。どろぼうであるかないかということは、警察官あるいは検察官が立証することができるのだから、立証によつてこれを有罪にするだろう。けれども有罪、無罪に関しないことは、これは答弁することが当然であると思うのであります。その点におきまして、もう少し明らかにする必要があるのではないかと考えるのでありますが、その点に対する御意見を承りたい。
○岡原政府委員 この百九十八條の條文の書き方につきましては、ただいまのような御議論も法制審議会において出まして、いろいろ検討いたした次第でございます。そこで問題は、いわゆる黙秘権と俗に申しております憲法三十八條に基くものは、一体どういう本質のものであろうかということに帰するわけでございます。この点につきましては、実は学者の間でもいろいろ議論があつたようでございまして、そのいずれに従いましても、なかなか割切れない、反対論の根拠があるようでございます。そこであるいはなまぬるい表現の方法かとも存じますが、一応憲法通りのことを告げる。憲法におきましては、「何人も、自己に不利益な供述は強要されない。」その「強要されない」というのは権利と見るべきか、あるいはそういうふうに書いてある反面的な一種の利益と申しますか、そういうふうに見るべきかということで、結局刑事訴訟法の表わす文字の使い方もまた違つて来るのではないかと思いますけれども、その点は、先ほども申し上げました通り、いろいろ議論のあるところでございますので、少しなまぬるいですけれども、一応憲法に掲げられた通りのことを本人に告げるというような考え方になつたわけでございます。おつしやる点はよく私どもにわかるのでございます。そこで私どもといたしましても、それらの点は法制審議会の皆さんと十分検討いたしまして、自己に不利益な供述を強要されない、つまり、たとえば今御指摘のように住所であるとか姓名であるとか、あるいは国籍であるとか、職業であるとか、そういつたものは通常の場合、言つたところで自己に不利益になるということはないわけです。(「あるある」と呼ぶ者あり)通常の場合はないわけでありますから、そういうようなものについては本人は述べなければいかぬことになるのではないかと思います。たださような場合に、これを述べなかつたら、それじや何かになるのかといいますると、これまた特に罰則で強制されているわけでもございませんし、道義的な国民の協力を仰ぐ、こういうような趣旨でございます。
○安部委員 一応取調べが済めば釈放する、こういうようなことになるのでありますが、被疑者がいつまでもその姓名も、あるいは住所も答弁しない場合においては、いつまでも勾留しておかなければならぬというようなこともありますので、そういうような場合におきましては、どうも人権を蹂躙しているとか、リット・オブ・ヘイビアス・コーパス、人身保護法律に非常に違反しているとか、そういうようなことが当然起きる問題でありますが、その取扱い方はどういうふうにいたしますか。
○岡原政府委員 黙秘いたしました被疑者に対する取調べが困難でありますことは、先ほども申し上げました通りでございますが、ただそうであるからといつて、刑事訴訟法に認められた勾留期間を無視して、いつまでも勾留するというふうなこともできませんので、ある程度の調べで、これはどうしても本人の犯罪事実が傍証で固まらない——これは傍証で固まればもちろん問題はありません、氏名不詳者として起訴いたしますから、これは問題ありませんが、本人も言わない、傍証もできないという場合には、やはり所定の期間が参りました際に釈放せざるを得ない、かような結果になるわけでございます。
○古島委員 ただいまのお話では、氏名不詳の者は氏名不詳のままで起訴をするというが、現行犯でもあるいはそれができるように、現行犯外でもそれができますか。
○岡原政府委員 理論上はできるわけでございますが、実際の問題としては、おそらくほとんどないだろうと思います。と申しますのは、しいて考えますと、被害者が被疑者の顏を十分に覚えている。それで警察に届に行つてやつているところに通りかかつた、あれですよというふうなことで緊急逮捕するような場合に、本人が黙秘すればそのまま最後まで氏名不詳者ということで起訴されることもありましようが、あとの場合はあまりないだろうかと思います。
○古島委員 これは猪俣君なり加藤君なりから御質疑があつたことと思うのですが、実際問題があるのです。氏名不詳のままでと言うが、実際は氏名が不詳であつて、黙秘権はそのまま行使いたしておつたのでしよう。とにかくわからぬものを今度は警察の連中をひつぱつて参りまして、検挙した警察が他の警察の吏員までひつぱつて参つて、これの顏を知つているのかと言うのです。このこと自体が私は人権の蹂躙だと思うのですが、この人間を知つているかというので、被疑者をそこに置いて皆一人々々見せた。そうするとそのうちの一人が、これは何の某ですと言つたら、何の某だと言うから、何の某でそのつもりで検挙しておつたところが、その何の某というのはあにはからんや、その犯罪当日は東京にいない。しかも商用で他に旅行をいたしておつた。ところがその事実をいくら警察に行つて、被疑者になつている名前は私なんだということを明瞭に言うけれども、警察は承知しない。結局その人の名前で捜査令状までとつて、その人の住宅から、工場から一切の家宅捜索をいたしてしまつた。これは四月の十七日のできごとでありますが、四月の十七日からほど経て、おそらく五月の十二、三日のころだと思うのですが、十二、三日のころはまだそれが警察におると言う。そこで警察におるはずがないからというので調べたのですが、今度はあべこべに被疑者が黙秘権を行使するのでなくて、その警察の捜査主任が黙秘権を行使して何としても答えない。そこで署長に行き会つてこれを答えなくんば、この捜査主任はかえつて不利益だと思うから、自分の下僚だからというのでその人に答えさせたらいいだろうと勧告いたしたが、それでもなおわれわれに口をきかなかつた。そういう事実があるのですが、これなんぞは最も悪質なもので、しかもそのときにもうこれは検察庁にまわしまして、起訴になつておるという、なるはずです。検挙後二十五、六日過ぎているのですから、当然起訴になるなり釈放するなりしなければならぬのですが、そこで起訴したというものであるから、被告はどこにおるかと言うと被告の所在も言わぬ。そこで裁判所を調べ検察庁を調べたが、検察庁にはそういう書類がまわつて来ていない。裁判所の受付簿を見るとそういうものは来ていない。これは私が調べたのです。ところでよく何々こと何々というものがありますから、調べたのです。その中には何々こと何々という名前が五つくらい書いて、何のこと何の某というものがあつた。いろいろ調べたが相手になるべき人間がどこを調べてもない。そして家宅捜索をされ、しかも被告はそのままでおるという現状なのですが、これらはどういう手続でやつたものかほどんどわれわれには想像がつかぬ。あなた方の方でこれはお調べつきましようか。つくならば名前まで申し上げてよろしい。
○岡原政府委員 ただいまお尋ねの件は、大田区馬込の中央器機製作所の那須榮に関する事件だと存じますが、この点につきましては、なお私といたしましてもざらに突き進んで調査いたしたいことがございますので、実は昨日猪俣先生からも御連絡もございましたし、明日お答えをいたしたいと存じます。
○加藤(充)委員 そのことに関連してちよつと調査の筋のことを私ども希望いたしますので発言したいと思うのです。これは明らかに警視庁公安一課のさしずでやられたことのようであります。五月十四日に古島さんと猪俣さんと私とで、池上署を当日の午後三時半ごろ尋ねて、捜査主任に面会して事情を聴取したのであります。そうしましたところが、先ほど古島さんの方から捜査主任が黙秘権を行使してしまつて、さつぱり要領を得なかつたという実情に相なつたわけなんです。私はあとで調べてみましたが、那須榮こと氏名不詳の者というような、いわゆる選局の書類は見当らないのであります。いろいろ当局の調査を待ちましたところが、野島某というのが起訴されておる。これがおそらくその男だということでありました。私はこれは初めから不存在の人物、あるいはそのつかまつた男は実在しておるけれども、その男に藉口便乗して、那須榮という者に思われるというようなりくつと疎明をでつち上げて、そして那須榮方の家宅捜索を敢行した犯罪行為であるという疑いを強く持つたのであります。野島という男が起訴されておるから、その黙秘権を使つて那須榮と認定された男は、おそらく野島だろうということを言つておりますが、実は初めから那須榮という者はそこにはおらない。那須榮ではないということ、これを知つておりながら、たまたまその氏名不詳の者、あとで野島という者と当局は言うのですが、その男がつかまつて何も言わなかつたので、それを奇貨おくべしとして那須榮方のかねがねねらつた家宅捜索を不法、不当にもやり抜いたのではないか。なぜならば、野島という者が——これはどこでそういう名前がはつきりしたのかわかりませんけれども、古島さんあたりの御説の通りに、もし氏名不詳の者であるならば、その事件の記録表示及び被告人ないし被疑者の表示というものは、氏名不詳で貫かれて、そうしてそこに那須榮こととか、あるいは氏名不詳のところのどこかに那須榮というサブタイトルがついでいなければ、記録の体裁は完備していないものだと思います。それで、私がなぜ事件を重大観するかというと、これは一所轄池上署がやつたことではない。また池上署で逮捕したのでありましようから、本来の那須榮の住居あるいは家宅捜索を受けた場所が他の大森署管内にありましても、そのことを池上署でやつたということ自体について、私どもは手続上違法があるとは言いませんけれども、池上署にやらした背後に、警視庁公安一課の渡邊警部という者がおる。ここに私は重大な質的なものを見のがすわけには參らなくなるのであります。でありますから、私はこういうやり方をやりますれば、架空の人物をつくり、それがつかまつて、いつの間にか事情が判明して釈放されてしまつたというような取扱いの中に、それと思われる他の者をねらつた、そういうふうな手続の操作によつて、思う存分かつてにやりまくることができる。これは法的手続に隠れたまことに許すべからざる犯罪行為であると私は思うのであります。今ごろになつて、それは野島だなんと言つたところで、記録の体裁上そういうことになつていないのであります。私どもが重要な問題だと思つておりますのは、以上申し上げた点なんで、これはまつたく目ざすのは、敵本主義的に那須榮関係の家宅捜索である。繰返すようですが、氏名不詳の男がどこかにつかまる、こういうときにそれを那須榮と認定したというかつてな一方的な職権行使によつて、かねがねねらいをつけておつた那須榮方の家宅捜索を犯罪的に敢行したのではないか、こういうようなことが私どもの考えておる問題点なのであります。こういうやり方をやりますれば、これに対して何らの事態の鮮明ないしはその責任の追究ということが徹底的になされないならば、條文がどんなにりつぱにあつたところで、あるいはまたあなた方が今のように、ここが不便だからこう直したいと言つたところで、こういうような一方的な犯罪行為によりまして、明らかに、條交いかんにかかわらず、敢行されるのですから、あなた方のるる述べている刑事訴訟法の一部改正の提案理由自体が、まるつきり人をごまかしたでたらめなものになつて、権威のないものになる。そんな改正理由をつけて刑事訳訟法の改正をやらなくても、やる気になれば、犯罪者がよつてたかつて何でもやる。やつたあとは、だれも明らかにその責任を追究されることがないということになれば、これはやみくもですよ。この点を徹底的に調査をして、責任のある答弁を願います。
○岡原政府委員 ただいまのお尋ねにつきましては、記録を精細に検討いたしまして、お答えいたしたいと思います。
○加藤(充)委員 その点に関連して言うのですが、こういう点も調べてもらいたい。これは当局で調べてもらつたことなのであつて、その池上署から送局された男で起訴された者は野島某という者だろう。だから実在の人物であるということを言われたのであります。私はその答弁を満足に思うものでありませんが、おそらくその者についてだろうと思うのですが、野島という男についてはこういう拷問の事実があるのであります。逮捕されたのは四月の十七日、黙秘権のままずつと続けておる。ところがなぐられたために視神経に障害を来して、ちようどフイルムが切れるときのようにぱちぱちして、ものを見ても確たる判断力がなくなつて、何を見ておるかわからないというような視神経の障害を受けておる。それから右下胸部に傷があつて、しかもこれはなぐられたことによつて生じたものである。それは明らかに変色をして、現に苦痛を訴えておるというのです。こういうような事柄も、私は野島某という者が那須榮という男に見誤られた男であるかどうかということはわかりませんが、野島という男が起訴されたから野島という男だろうということによつて、野島という男についての資料を見ますと、今申し上げたような、きわめて看過すべからざる拷問の事実があるのであります。こんなものはまつたくひどいやり方だと思う。その点もあわせてひとつ調査をして御報告願いたい。
○猪俣委員 今の那須榮の問題につきましては、法務絵裁から正確なる御答弁をしていただきたいと思います。なお古島氏あるいは加藤氏から申し上げたかもしれませんが、私どもが池上警察署に参りますと、まつたくの人違いであるのみならず、池上署自身も押収いたしましたいろいろの物件を返還するから取りに来いという通知を出しておるのでありまして、まつたくの人違いであることが判然いたしておるのにかかわらず、それに対する処置をとらない。私どもが訪問しても、まだ人違いであるかどうかわからぬということを捜査主任が言つておる。なぜ明瞭なものを取消しをしないかと申しますと、本人に会つていないから、本人に何べん出頭を命じても出て来ない、会わぬ以上は取消しはできない、こういうことを言い張つておりました。それならばあなたの方が人違いをしたのであるから、それにはあなたの方で出かけて行つて本人に確めたら、どうだと言つたらそいつはどうもあぶなくて生命の危險があるから行けないんだというような、わけのわからぬことを言つておるのであります。それではわれわれが立会いで会つて、人違いであることが確認されたら、取消すかと言つたら、そうなれば取消すというようなことを言うておりました。那須榮に聞きますと、警察というものを全然信用していない。それで証拠物を返すからとりに来いのなんのかんのと言つて、行つたままぶち込まれてしまうかもしれない。それであぶなくてとても警察へは近寄れないというのが那須の言い分であります。かように警察と民衆というものがまつたく正反対の考え方を持つているといつたようなことで、はたして治安の維持ができるかどうか。明確に人違いであることがわかり、そのために那須榮としては全国の新聞に広告を出し、金融機関を一々自動車に乗つて、言訳をしてまわつて歩いて、そのために十数万の散財をしておる。そういう事実が明らかになつているにもかかわらず、警察はこれを取消さぬ。その後新聞の広告を見たろうと言いましたら、見ましたということをはつきり捜査主任は言つている。それなのに、その人の立場を救済する方法を警察がとらないということに対しまして、人権擁護の立場から私どもは非常に不服なのであります。そういう場合には警察は一体どういうふうな取扱いをやるべきものであるかというようなことに対しましても、法務府としては一定の方針を明らかにしていただきたい、こう考えます。これは相当の地位にある社会人にとりましては、致命的なことになりまして、全国的にこの会社の取引先から紹介やら、詰問状やらが舞い込んで何とも弱つてしまつているという告白を聞いて、私どもはさもありなんと実は思つたような次第でありまして、これは人権擁護の憲法の精神にまつたく相反しておる警察当局の態度であると思うのであります。それから私は法務委員会に対して質問書を提出しておきましたが、それも検務局でよく御検討くださつて、法務総裁から責任ある御答弁をいただきたいと思います。 その問題はその程度にいたしまして、刑事訴訟法の改正法律案の三百八十二條の二の問題でお尋ねいたしたいと思いまするが、これは新刑訴の控訴審のやり方につきましては、実務についておる人たちから実はいろいろの意見があるのでありまして、今回の改正は、これは確かにいいことだとは存じます。そこでこの第一審の弁論終結前に取調べを請求することができなかつた証拠によつて証明することのできる事実、こういうことを控訴趣意書に援用することができるというのがありますが、これを控訴趣意書に援用して控訴いたしましたならば、控訴審におきましては、この第一審の弁論終結前にありました新たなる証拠につきまして、どういう手続をなされるのですか、証拠調べの手続をすることになるのか、どういうことになるのであるか、お尋ねしたい。
○岡原政府委員 今度の改正によりますただいま御指摘のような問題を控訴趣意書に取上げて書くということになりますと、それが現行法の三百九十二條に乗つて参りまして、「控訴裁判所は、控訴趣意書に包含された事項は、これを調査しなければならない。」ということに相なります。従いましてその事項につきましては、必ず調査をしなければいけない。なおその次の條文の三百九十三條に「控訴裁判所は、前條の調査をするについて必要があるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で事実の取調をすることができる。」とございますから、それに関連するいろいろな事実の取調べができるわけであります。
○猪俣委員 私今條文を持つておりませんが、三百九十二條との関連におきましてそれを見ると、二項では取調べをすることができる。三百九十二條一項は「調査しなければならない。」というふうになつて、三百九十三條は証拠調べのところに行くと、「取調をすることができる。」というふうに、裁判所の頭で、してもしないでもいいようになつておりますが、それはそうすると控訴趣意書に書き加えましても、裁判所の判断で証拠調べをしないということもできるというわけなんですか。
○岡原政府委員 この点につきましては、三百九十三條一項の但書を今回かえまして、「但し、第三百八十二條の二の疎明があつたものについては、刑の量定の不当又は判決に影響を及ぼすべき事実の誤認を証明するために欠くことのできない場合に限り、これを取り調べなければならない。」ということにいたしまして、その間の調和をはかつたつもりでございまする。
○猪俣委員 そうすると、結局三百九十三條一項の但書に当てはまる場合においては、証拠調べを始めるか、しからざるものなりと裁判官が認定するならば、証拠調べをしないでもよろしい、こういうことになるわけですか。
○岡原政府委員 裁判所におきましては、三百八十二條の新しい二の疎明がありましても、これをいろいろ調査しました結果、「刑の量定の不当又は判決に影響を及ぼすべき事実の誤認を証明するために欠くことができない場合に限り、これを取り調べなければならない。」のでございますが、これに当らぬ場合があり得るわけでございます。
○猪俣委員 この控訴審における事実取調べの性格ですが、これは覆審的な性格ではないという建前になつているようでありますが、そうしますと、三百九十三條一項において裁判官がこれは刑の量定に影響を及ぼす、あるいは事実誤認に関係があるというふうに認めるか認めないかは、この記録の上において書面上の審理によつてそういう判定をするのですか、あるいは三百九十二條で裁判所の調査権ですか、何かいろいろな調査権によつて判定をするということになるのですか。
○岡原政府委員 それはお尋ねのあとの方の三百九十二條による調査権に基いていろいろ判定するわけであります。
○猪俣委員 そうすると、その点については一種の覆審制度的な性格を持つことになるわけですか。
○岡原政府委員 実はこの覆審ということ、あるいは続審ということ、さらに事後審という言葉につきましては、これはこの三百八十一、二條、あるいは三百八十三條等を論議する際にも大分問題になりました。現在の訴訟法の大体の建前が事後審に徹底したいという方向にやつておつたのでございますが、それではいろいろと不便がございますし、事実の真相から若干離れる場合もあり得るというので、いろいろ在野法曹側の御熱心な主張もございましたし、裁判所側もこれをいれまして、ただいま申し上げたような改正案かできたわけでございますが、それを今御質問のように覆審と見るか、続審と見るか、あるいは事後審の一部を修正したと見るかということにつきましては、実は相当議論がございまして、事後審の一部を修正したということにわれわれは理解しておるわけでございます。
○猪俣委員 刑訴の全体を貫く根本態度としてあるいは事後審ということで押えておいでになると思うのでありますけれども、どうもそういう精神でやりますと、この條文を活用する際にわれわれの期待に沿わぬようなことが起るのではないか、やはり学者の言うこれは続審という性格のものであるということを明らかにして、その趣旨でこの改正案がつくられたのだということになりますと、実際にもろもろの問題につきまして、やはりわれわれの所期したところに合致するような取扱いができるのではないかと思います。この三百八十二條の二や三百九十三條の一項を規定しながら、なおこれを事後審の修正だというふうにお考えになつておると、いろいろ実際問題としてきゆうくつなところが出るのではないかと思われるのですが、これでさしつかえないのですか。
○岡原政府委員 この点につきましては建前の問題でございまして、新旧制度全体につながりを持つものでございますから、なかなか簡單に一部だけをいじつて、これを続審に徹底させるというふうには行かなかつたので、実はさような改正になつたわけでございます。ただお尋ねのような考え方と申しますか、あるいは運用の仕方と申しますか、それの基本理念というものが事後審一本やりだということは私どももちろん考えておりません。ことに破棄自判をいたしましたような場合には、その後の性質は続審的になつて参るわけでございます。従いまして、もちろん覆審にはなりませんけれども、おつしやるような続審的な色彩が強くなつたということだけは間違いないのでございます。
○北川委員 権利保釈の点について伺いたいと思いますが、現行法にも規定されているように、被告人が罪証を隠滅するおそれのある場合には権利保釈を許さないことに相なつております。そのために実務に携わつている弁護士や被告人からいたしますならば、現行法でも権利保釈については相当満足いたしておらない点があると思うのであります。ところが今度の改正案を見ますと、権利保釈にたくさんの條件を付せられているようであります。私らはかように権利保釈にたくさんの制限を加えなくても、現行法でも十分活用ができるのではないかと思うのであります。この改正案の中で、他の委員からも質問がありましたが「多衆共同して罪を犯したものであるとき。」この場合この多衆共同を騒擾罪のような犯罪だけに限定するか、それとも共同正犯その他の共犯関係が非常に多い場合も含むかどうかにつきまして伺いたいと存じます。
○岡原政府委員 この「多衆共同して罪を犯したものであるとき。」という書き方は、いかにも人数が多ければ全部入るようなふうに読めるのでございますが、しかし多衆ということと共同ということから、制約を受けまして、実際上の問題としては内乱騒擾といつたような、いわゆる群衆犯罪、多衆犯罪、といつたようなものだけに限る趣旨でございます。たとえばほかの単行法で申しますると、選挙騒擾などというのがございます。公職選挙法の二百三十條にもございまするが、さような場合にこれが入るかどうかという問題が特別法としてはあり得るわけでございます。その他ただ人数が多いというだけではこれを適用しない趣旨でございます。
○北川委員 改正案の第六号に「被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者」云々という規定がありますが、この事件につき知識を有する者の中には鑑定人や証人を含むものでありましようか、この点について伺いたいと存じます。
○岡原政府委員 この事件につき知識を有する者と申しますると、実はこれは非常に苦心した言葉でございまして、本人が証人などとしてすでに予定しておりますれば証人と簡単に書けるわけでございます。事件の進展の模様によりまして本人が証人に呼び出されるかどうか、まだ全然見当がつかない段階の問題でございます。従いまして事件について知識を有する、つまり証人的な立場に今後立ち得る者というふうな趣旨でこれを入れたものでございましておそらく証人までは入りますけれども、鑑定人は入るまいと存じます。
○北川委員 ただいまの審判に必要な知識を有する者と認められる者であるかいないかを決定するのはむろん裁判所であると思うのでありますが、これらのものについてほかにまだこの規定に当るものがありましたならば、例示を願いたいと思います。
○岡原政府委員 大体証人となるであろうところの者というものだけを予定しておりますので、ほかには大体考えられないようでございます。
○北川委員 政府委員は本法のような改正をしなければどうしても犯罪の捜査にあるいは警察権の行使に支障があるとお考えであると思うのでありますが、おそらく被告人側や実務に携わつている弁護人側からいたしますならば、現在の規定でもう十分これらの目的は達し得られるのではないかと思つておるのであります。政府委員のこれに対する見解を伺いたいと思います。
○岡原政府委員 お尋ねの点は私どももいろいろ検討いたしたのでございます。実はこの新しい條文を入れました趣旨は、前回もちよつと触れておきました通り、事実かようなお礼参りをしそうなものというものは、取調べの経過において明らかになつて参るのが普通であります。そうしてそれに対しては、やはり検察官が意見をつける際に、それらの事情について疎明資料を裁判所に出すわけであります。そして裁判所がそれを判断いたしましてさようなおそれがあるということになりました場合には、権利保釈の除外が適用になるわけであります。また多衆犯罪につきましても同様であります。そこでそれらのものをぜひこれに加えたいと考えましたのは、これまた前回もちよつと触れました通り、こういうふうな多衆共同して犯罪をするようなものについては、やはり出た際に、多衆証拠隠滅について相談し合うだろう、また多衆が同時にさような犯罪をするにつきましては、お互いに他人との間が、何と申しますか、被疑者と、証人というような形になるわけであります。そこでさような関係の者が出まして顏を合せ、通謀するという蓋然性がきわめて強いというふうな趣旨からいたしまして、そのような規定を入れたのであります。しかしながら、実際問題といたしまして、もし形式的にさようなものに当りましても、たとえば本人が前にお礼参りをしてやるというようなことを言いましても、現在は非常に改悛の状が顯著であつて、さようなことをすることは夢にも考えられないというふうな場合には、もちろんこれには入りませんし、また多衆犯罪というようなことがございましても、本人の身元がしつかりしており、しかるべき人が身柄を引受けてくれる、また通謀等をせざるについて信ずべき理由がある場合については、これはもちろん九十條の規定によりまして保釈もできるわけであります。実際の運用としては、寛嚴よろしきを得るのではないか、かように考えておる次第であります。
○北川委員 お説の場合に、お礼参りの点は別といたしまして、その他の場合、たとえば被告人が証人を脅迫するとか、あるいは証人となる者について、うその陳述をせよと言うような場合などは、現行法の被告が罪証隠滅のおそれある場合に該当すると思いますが、さようにはお考えでないのでありましようか。
○岡原政府委員 御質問の場合のうち、証人に言つて、この事件についてはぜひこういうような供述をしていただきたいというふうなことをやる場合は、偽証の教唆といいますか、そういう犯罪が成立いたします。従いまして、さような形勢が前から見えます場合には、これは罪証隠滅のおそれがあるということで、権利保釈の除外にはなるわけであります。ただお礼参りの一項目を入れましたのは、ただ顏を出しまして、おかげさまで監獄に行けましたと言つて、にやつと笑つて帰つて来るというようなことで、それ以上何も言わない。しかし被害者にしてみれば、これはたいへんこわいことである。さりとてこれを脅迫罪でやれるかと申しますと、ただおかげさまでというので、いやみにはなつても、まだ身体に害を加えるというような脅迫の程度のものにはなつていないという場合が相当多いのであります。そういうきわどい事件等がございますと、証人はたとい公判廷に出ましても、後難を恐れて真相を吐露しないという蓋然性が非常に高いわけであります。さような場合もありますので、いわゆるお礼参りというものを入れた次第であります。
○北川委員 最後に一点だけ伺いたいと思います。先ほど猪俣委員からも質問がありましたが、被告が第一審の判決を受けて、控訴をする場合に、現行法では第一審に現われておる証拠でなければ、第二審においてはこれを採用することができないことになつておりまして、被告にとりましては、非常に不利益な立場に置かれておつたのであります。しかるに改正法は、控訴趣意書に、第一審の判決言渡しまでの事実について、控訴の理由とすることができるということに相なつておりまして、被告人のためには非常に利益だと思うのであります。前回も私はちよつと伺いましたが、せつかくこれだけ被告人に利益を与えるのであるならば、また事後審として認められるならば、さらにこれを拡張して、第二審の裁判を始める前までの事実を、控訴理由として、被告人の利益のために認めてやるべきではないかと思うのであります。なるほど控訴審の裁判所側は、職権をもつて調査し得る場合も、改正法に規定されておるのでありますが、これは裁判所側の権限でありまして、調査するかしないかは、裁判所の職権に属することであります。被告人が権利として主張し得ることではないのであります。そこでできるならば、少くとも控訴趣意書を作成するまでのできごとの一切をあげて、被告人の控訴の理由とするのが、最も妥当であり、被告人が正しい裁判を受けることになると思うのであります。政府におかせられましては、かような取扱いにつきまして、そのように法律を改正することにつきましては、いかなるお考えを持つておられるか、伺いたいと思います。
○岡原政府委員 刑事事件につきまして、事案の真相を究明いたしまして、その審理の際におきます一番真相に合つた判決を下すことは、最も望ましいことかもしれないと思います。従いまして、お尋ねの気持はよくわかるのであります。そこで実際問題といたしまして、第二審の弁論の始まる前、あるいは判決があるまで、そういつたようなあとに発生した事実を調べるということになると、大体事実問題としてどんなものであろうかということを、私ども考えてみましたところが、大体において、たとえば過失傷害が、第一審判決があつたあとで死んで、過失傷害致死になつた、あるいは傷害が、あとで死んで、傷害致死になつたというふうな、被告人にむしろ加重した事情が生ずる場合が多いようでございます。他方、今度は情状の点から見ますと、たとえば今みたいに、犯罪事実が動いて来たために、情状が重くなるのは別といたしまして、大体においては、弁償があつたといふうな、あるいは弁償に努力したというふうな点が、おもなるものでございます。そこで私ども考えまして、これをどこで切つて行くのがいいだろうかということで、議論を闘わしたのでございますが、弁償の点につきましては、三百九十三條の中に一項を設けまして、第一審判決後の刑の量定に影響を及ぼすべき情状としてこれを取調べすることができるという條項を入れよう、そうして單なる犯罪事実の内容そのものにつきましては、これを原則通りに、控訴趣意書にただ書けるということにいたす、かような趣旨にいたしたわけでございます。なお、この点につきましては、いろいろ在野法曹の方からお尋ねのような御意見も相当出まして法制審議会においても議論をいたしました。先ほども申し上げました通り裁判所の審級制度全般を通ずる問題になつて参りますので、今回の改正においてはさしあたりこれはこの程度にしておきまして、また後日を期そうということになつた次第でございます。
○加藤(充)委員 多面にわたる法律の改正なので少し筋立つた質問は後日に残したいと思うのですが、今の北川委員の質問に関連して一、二点お尋ねしてみたいと思うのであります。 今の保釈出所の制限の事由の説明の中にあつたお礼参りのことに関連してでありますが、政府は巧みにいわゆる町のならず者、暴力団というようなものが、えらくすごんでにやつと笑つただけでもお礼参りの目的を果すのだというような形で、いかにも他人事のように人権の保障のためにこの制約が妥当であるというようなことを言われているのですが、それは私はまことにずるいやり方だと思う。証拠となるべき知識を持つておる者、犯罪の審判にあたつて必要な知識を持つておる者、こういうようなものは一体だれかということの実体を突き詰めて行けば、今私が申し上げたことがはつきりすると思うのであります。その前にこれは証拠の問題ですが、警察官だけが被告人ないし被疑者に不利益な証人だという場合、簡単に言うと警官の証言だけで問題をきめてしまうというような事例が多いのであります。というのは、町の無頼漢自体も横すべりに圧力を一般の罪のない人に及ぼすことがあり得ますけれども、あの連中に会うとよく正面に丸型のかつこうをしてこういうような記章の者に対しては——というのは警察でしようが、権力者に対してはすこぶる弱いのであります。で問題はこれからというよりは、今までもそうですが、いろいろな形で今猪俣委員も言つていたように、警察官が人民の信頼を得ていない。警察官のやり方について、りつくではありません、感情的にあとでいろいろひつぱり出されて、警察側につくということを好ましくないと考えているのが一般の国民感情であります。こういう場合にやむを得ないことかもしれませんけれども、警官だけが被疑者に反対側の証言、いわゆる被告人に不利益な証言になる、警官の証言だけで罪が判断されるような事例が多いのです。事案によつてまさしくそういうようなものが多くなる傾向にあると思う。そしてこれは法廷などに参加された経験のあらせられる委員の方ならおわかりだろうし、委員の方で弁護士などをおやりになつている方方が多いと思いますが、こういう経験をお持ちだろうと思います。大体においてその捜査方針に従つて被疑者を陥れる証拠の方法で立証をやる。そうして最近ではいわゆる新しい刑事訴訟法の手続で立証の技術というものが非常に巧妙に勘案されるようになつて参りました。それで捜査方針、従つて上司の命令通りに被告人を黒にして行く証言をことさらにやるわけです。反対尋問すなわちクロス・エグザミネーシヨンでずいぶんこの弱点を突き上げることに成功いたします。成功いたすという技術上の問題よりも根がないのでありますから、すぐにくずれそうになるわけだ。それを技術で固めてくずれさせないようにして行くのですが、しかしその技術ではおおい切れないものがあつてくずれそうになる。そうしますとどうするかというと、これはあとで証言しておる時期よりも前に私は記録をつくつた。その記録にあることが確実である。今よりは確実な価値を持つた目撃ないしは意見というものがそこで述べられておる。それで私は手帳にその当時のことをメモしておきましたからそれを見させてください。裁判所も検察官もそういうことについてはオーケーになつて来る。そうして実際いまいましいという感じ、腹をえぐられるような思いで明らかにでつち上げのような事件が警官だけの証言で黒にされておるという事例は幾多あるのであります。そういう傾向は多い。特に軍事裁判の経験を占領下においていたしましたわれわれは、このこと痛憤おくあたわざるものを持つている。こういうことを経験して参りましたときに、それではだれのところにしりを持つて行くかということになりますと、やはり警官です。警官以外に証拠はない。一般の人はかかり合いになることをおそれる。というのは、被疑者に恨まれるようなことが恐しいよりも、フリーのときになつてしまつて、警官のお手伝いをしてかかり合いになることは好ましくないという傾向が強い。こうなつて来たときにまつたく被疑者を中心としたところの国民感情の向うところは、その法廷に出て来て上司の命令通りに、権力のままにその一定の黒を出さなければならぬという筋立てられた権力の方針の通りに動いておるこの警官なんだ。こういう場合になつて来ると、さつき言つたようにお礼参りの対象というものは、一般の人が迷惑だからというのではなくして、実はそういうふうな情ないことをやつた警官である。釈放された者がいろいろな非難を浴びせかけたり、自分らが被疑者をいじめて無理に黒にしたものが来やせぬかということに疑心暗鬼でもつて恐れるのです。だからお礼参りの禁止で防衛されるのはむしろこういう堕落した警官なんです。検事局やあるいは上司の命令のままに動く末端の警察官というようなものがこのことによつて保護されて行く。これはまつたく戰争中にピカドンで手前だけは穴ぐらを掘り、白いものを着ておれば助かるといつたのと同じように、経かたびらを着せてからというような親心らしいもの——これは皮肉りなことになりますけれども……。
○佐瀬委員長 加藤君、簡潔に質問の要旨をお述べ願います。
○加藤(充)委員 こういうことになつておるので、あなた方はそのお礼参りの審判について必要な知識を持つておるというのは一体どういうものを予想されているのか。それから証拠の問題として刑事訴訟法手続の法律的な判断ではないが、警官だけで黒ときめて行くような問題、簡單にほかに証人があるのに、その証人はあげずして、警官だけがやつて黒にして行くというようなやり方におけるその警官の証言の証拠価値、その評価というようなものについてひとつ承つておきたい。
○岡原政府委員 このお礼参りということを予想いたしましてこの條文を書いたのでございまして、ただいま御質問のようなことは実は思いも寄らなかつたのでございます。それらの被告人が警官等に今後財産的な、あるいは身体的な害を加える、あるいは畏怖させるというようなこともあまりなかろうかと私は思うのでございますが、立案当時には実は夢にも考えなかつたのでございます。そこで御質問の後段の、さような証人として警官が適当であるかどうか、その証拠能力の点はいかがであるかという問題につきましては、これは刑事訴訟法全般に通ずる問題でございますが、具体的の事案々々によりまして、相当この証人の価値というものが違つて参ります。従いましてある事件におきましては、ただいま御指摘のようにあるいは警官だけということもございましようし、またある事件におきましては、警官は全然証人に立たずに、ほかの証人なりによつて傍証が固まるというような事件もあろうかと思います。その事件々々によりまして各証人の証言価値が動いて来るわけでございまして、これは一概には行きませんので、裁判所に御一任するほかないのではないか、かように考えております。
○加藤(充)委員 大体警察なり政府は、スパイ制度を大いに奨励している。現に特審局等の予算の半分以上はそういうふうなスパイの培養費であり、報奨費であるということが、先般参議院方面で明らかになつたのでございます。そうなつて参りますと、警察の官服を着ていないでも、陰に陽に、直接間接には警察の下働きをしておる者なんです。そういう者が何かしろうと白々しく出て来て、警察にあらず被告人にもあらず、その間で公平な意見を言うなんていうようなことを言つてみたところで、ほんとうを言うと警察側なんだ。そういう実態になつている。こういうような制度的なものあるいは傾向的なもの、そうして現状のこの国民感情というか、国民生活の中にどういう現状をなしておるかという具体的な判断なしに、お礼参りだとか、一般に客観的な立証をして行くとかいうようなことの説明では、私は断じてそれは逃げ口上であり、ごまかしであるということを指摘せざるを得ないのでございます。 それからもう一つお尋ねしておきたいのは、これは一般的なことです。よく勾留理由の開示などで、証拠隠滅のおそれがあるということを言つて、そのまま判事は逃げるようにして奥に入つてしまうのです。こういうようなきつかけで無責任なやり方をやつておるから、広島あたりでは判事側も逃足になつており浮足立つていて、そうして職務を果したつもりでおつたから、その間隙を縫つて、何も乱闘の起らないうちに被疑者がいわゆる忍術使いみたいにどこかに消えてしまつたというような問題も起きる。そこでお尋ねします。証拠隠滅のおそれがあるというようなことだけで勾留理由の開示制度があるのですから、制度上、手続上、そうすればそこで説明されることは、証拠隠滅のおそれありというような抽象的なおうむ返しでは断じて勾留理由の開示にはならない。従つてまた証拠隠滅のおそれがあるというような抽象的な一般文句で勾留の継続、従つて保釈その身柄の釈放についてこれを制限する、制約するところの理由には断じてならないと私は思う。これは一般に勾留理由の開示制度、その手続がない時代の旧刑事訴訟手続のときには、証拠隠滅というようなことでいいかもしれませんけれども、制度的にそういうようないいかげんな官憲のわがままというものは——裁判所の一方的なこの理由というものは、それでは理由がないということが人権保障の建前で明確になつている。理論上ばかりではなく、制度上そう明らかになつているときには、証拠隠滅のおそれありという勾留理由の開示は勾留理由の開示がないものである、理由の開示なき公判であるというふうに断定せざるを得ないのであります。従つてまた証拠隠滅のおそれありというだけのことでは、私は勾留を継続して、身柄を拘束する理由にはならないと思うのです。それでなるほど取調べの都合では、証拠隠滅のおそれというものを具体的に説明すれば、それはどうも官憲の便宜のためには好ましくないことであるかもしれないけれども、官憲の便宜のために身柄を拘束してはならないというのが人権保障の原則であり、大道であります。この点について、一般的な話ですが、ひとつこの際確かめておきたいと思う。
○岡原政府委員 お尋ねの点は、勾留理由の開示の際にどの程度に開示をすればいいかという問題であろうかと存じます。そこで建前といたしましては、被疑者がどういう犯罪の嫌疑でつかまつているのか、つまりその嫌疑の点と、それからもう一つは、六十條の一項に勾留理由が並べてございます。このどれに当るのであるかということを説明するわけでございます。ただ今御指摘のような、單に逃亡すると疑うに足りる理由があるとか、罪証隠滅の疑いがあるというような言いつぱなしでは、ある意味では説明になるとは思いますが。また不親切な説明でもあろうかと存じます。そこで実際各地においてこれをどの程度にやつておるかいろいろ聞いてみたのでありますが、裁判所によつて、たいへんまちまちのようでございます。どの程度やれば刑事訴訟規則の八十一條以下に要求される手続を全うしたものかということにつきましては、裁判所としてもまだ一定した取扱いはないようでございます。
○加藤(充)委員 一定した取扱いがないということでは決してならないのであります。最低限だけは明確にせられなければならないのであつて、その線がはつきりしなくて、それは不親切だというような問題では済まされません。それが適法な有効な、勾留理由の開示であるかどうかという問題なのであつて、その量的な面で抜けてしまつて、不親切であるとかそれがまだ一定しておりませんと言うことではだめです。たとえてみれば、被疑事実の説明をすれば足りるというのであるならば、私はこれは勾留理由の開示にはならないと思う。またこれが証拠隠滅のおそれがあるか、あるいは逃亡のおそれがあるか、それのいずれかの一つだということを明確にするだけでは、私は勾留理由の開示にはならないと思うのであります。相当の理由というものは、判事や何かが思つているだけではならないのでありまして、これは理由をつけて、そうして得心が行く程度の体裁のところまで明らかにされなければならない。判事の頭の中で、胸の中で相当の理由があるということでは足りないと思うのであります。従つてあなたが不親切であると言われるかもしれぬというような、そういう程度では、私は適法な勾留理由の開示というものはなかつたと評価せなければならない。それは手続上、制度上そうなるということを言つたことに対する答弁にはなつていないと思うのであります。各裁判所不統一で、まちまちでござんす言われたら、まちまちな取扱いの中で、迷惑を受けているのはだれですか。それは判事よりも、憲法上はるかに一般として立場の高い国民であるのでありまして、こういう点で今の説明はなつていないと思うのでありまして、少くとも私には納得が行きません。いま少し適法な、有効にして妥当なる説明を願いたい。
○岡原政府委員 おおむねこの勾留の理由開示は、勾留の点につきまして異存のある方がされるようでございます。従いましてそれに対して犯罪の嫌疑、つまりたとえば窃盗なら窃盗のこういう事実に基いて勾留するのであるということと、もう一つはぜひ身柄を拘束しなければならぬという理由、この二つを説明するわけでございます。ただ、ただいまのお話でございまするが、具体的な事件になりますと、いくら説明しても納得しようとしない人もありまするし、また一言の説明でも納得する場合もございます。そこでこれは各裁判所において、それぞれの事件に応じ、具体的に必要と思料する程度を説明すればよろしい、かように私は考えるのであります。
○加藤(充)委員 制度というものは大事なのですよ。制度と手続というものは、具体的な内容を持たなければならない。案件によつて、事件ごとに被告人別によつて違うといえば、それは巧みな逃げ口上です。その逃げ口上も程度の問題ですが、不統一でまちまちでというような、さつきのあなたの答弁に盛られておるような本質を持つならば、これは断じて許すべからざるものである。制度と手続は、それ自体抽象的なものでありますけれども、その抽象的形式性の中に具体性を持たなければ、何ら人権の保障には役立たない。人権の保障というものは、制度と手続において保障されるのであつて、判事の考え方や、個人の考え方で、たまさかその事件にぶつかつた出合いがしらの人が、いい人であつたか、親切な人であつたかということできめられるのでは、たまらぬ。私はあなたに、いま少し制度上、手続上具体的な内容、そしてそのものによつて適法という法的な価値判断がなされるだけの量、質というものを内容として持たなければならないということを言つておるのであります。このことが今あなたの言葉にあるように、各裁判所、判事まちまちであるということで、きわめて遺憾でありますから、確かめたのでございますが、あなたは、依然としてひとつも具体的じやない。
○岡原政府委員 加藤さんのおつしやる気持も実はよくわかるのであります。ただ、現在の訴訟法並びに刑事訴訟規則におきましては、この点ただ説明をすればいいような條文になつておりますので、運用の実際は、先ほど申し上げたようなことになつておるということを申し上げた次第でございます。
○加藤(充)委員 あなたが今言つた條文がそういうように読める條文になつておるということ自体が問題だと思うのです。條文というものはきわめて抽象的一般的ですよ。その抽象的、一般的な中で人権が保障され、擁護されて行くという具体的内容が盛られなければ、それはきわめて包括的、一般的であるということになれば、何の値打もないということになるのです。抽象的な規定がそうなつておるから、そう解釈されるからといつて、あなたは、人権の擁護、保障の点と逆もどりの方向に行つてしまつて、抽象的、一般的というこの規定の中に便乗して、人権蹂躙をほしいままにしようとする悪辣な考え方をその中にはつきり出しておると思う。こんなことを繰返して言うのはおとなげないのですが、おとなげないといつて、このことをいいかげんに取扱つて行くというところに、人権は日一日、刻々において蹂躙されて行く。こういう実情は、今後具体的に、りくつでなしに確かめて、事実に基いて質疑応答を重ねたいと思いますが、あなたの今の答弁は、官僚としては、はなはだいいかもしれない。しかしながら、具体的に、今申し上げましたような立場に立つ者の質疑に対する答弁としては、てんでずるい。あなたはそんなことを言つて、刑事訴訟法の改正をやつて、まことしやかなりくつを述べて立てておるが、りくつにならぬ。りくつはつけ足しだ。人権を蹂躙して、それを合法化しようとする意図のもとに、人権を弊履のごとく一段と踏みにじつて、手前たち官僚の便宜のために、人権を蹂躙し、拘束しようとすることは、この厖大な全條にわたる刑事訴訟法の改正の中に満ちあふれておる。そのことがきようの答弁で冒頭に暴露された。私はこう解釈せざるを得ない。
○佐瀬委員長 他に質疑がなければ、本日はこの程度にとどめ、明十八日午後一時より会議を開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十六分散会