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13回国会衆議院1952/04/23

法務委員会 第40号

発言数
10
登壇者
4
会派数
1
開催日
1952/04/23

会議録

佐瀬昌三自由党

○佐瀬委員長 これより会議を開きます。  本日は恩赦に関する件について調査を進めます。田嶋好文君。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 議事進行に関して。お許しを得まして、議事進行に関しまして発言をいたします。  実は本日当委員会におきまして、法務総裁初め法務府の恩赦に関する関係当局をお招きいたしまして秘密裡にわれわれは御意見を聴取して、恩赦のよりよい運営をはかろうと計画いたしたのでございます。ところがはからずも本日の読売新聞に、大々的にしかも詳細にわたりまして、法務府の構想なるものが発表せられたのでございます。申し上げるまでもなく、私たちは恩赦関係につきましては、十分法務府当局に対しましてよりよい法案が作成せられますために協力をして来たつもりでございます。また法務府がこれをよりよく実施せんがための意図をもちまして、対外的に発表することを控え、また対外的にこれが漏れることをお考えになつておつたという点を了承いたしまして、この点に対しましても委員会はずいぶん協力をいたして来たつもりであります。ところがこの事件のみではなく、最近に至りまして、法務府当局が国会の当委員会を軽視する傾向があるのじやないか、という意見が非常に多いのでございます。これは与野党を通じて意見が非常に多い。本法案のみがそうした、委員会の本日の開会に先立つて発表されたことでございますと、これは問題がないのでございますが、本法案のみでなく、重要法案に対して、われわれ委員会の耳に入る前に、また委員長の耳に入る前に、すべてが新聞を通じて国民の前に発表されておる。もちろん国民の代表の機関でありますから、国民の輿論を喚起するために国民に発表せられることはわれわれはいとうものではございません。しかしやはりわれわれが国会の代表であります以上は、少くともその法案が公になつておらない場合において発表する場合に、われわれ委員会の耳に、少くとも委員長の耳にくらいは入れるか、意見をたたくかすることが、国会が国民の代表である以上、民主主義の運営上最も妥当な行き方ではないかと考えるのであります。法務府が再三にわたつてこういうような発表をされておることを非常に遺憾と存じ上げますがために、本日はこの恩赦に対する意見をいろいろと承ります前に、一応、一体法務府、政府当局は、委員会に対していかような認識をお持ちなのか、委員会尊重の意思があるのかどうか。最近自由党におきましても、各党におきましても、野田建設大臣が国会無視の言動があつたということで、われわれ非常に憤慨いたしまして、野田建設大臣を追究いたしましたことは御存じのはずでございます。私たちは自由党の立場からもこうしたことはあえて言いたくないが、やはりわれわれが国会の代表であります以上は、政府の番犬であつてはならないということ、これが国会議員にあるところの良心でなければならぬのであります。国会議員がその良心を失つたときは、もはやそれは国会議員ではなく、国民の代表ではなくして、一市民、一国民にすぎないということになつてしまうのであります。私たちは少くともこの良心だけは失いたくない。国会が国権の最高機関であるとともに、しかも国民代表である。その代表としての権威を保つと同時に、またその代表としての義務を全うして行きたいということのみがわれわれの良心であり、それが最後の精神でございます。どうかそうした意味におきまして、法務府におかれましては、この法案の新聞に載りました経過と同時に、先ほど申しました、一体国会尊重の意思があるのかどうか、法務総裁も御出席のことでございますから、これをしつかり承つておきたいと思います。

木村篤太郎法務総裁

○木村国務大臣 ただいま田嶋委員から切々のお言葉でございました。まことにごもつともであります。前提といたしまして、私たちは国会は国権の最高機関である、これを最も尊重すべきものであるということは申すまでもないことでありまして、われわれはその精神において、ごうもかわりはないのであります。今回恩赦のことにつきまして、読売新聞に條文が出ていた——私はけさの新聞を見まして愕然としたのであります。さつそく本庁におきまして、一体これは何者が漏らしたのであるか。どういう径路においてこの新聞記事になつたのであるか。実は先刻までその調査に当つておつたのであります。まことに遺憾で申訳ないと考えております。そこでこの径路についてはまだわかりませんが、御承知の通りこの大赦、減刑をいたしますについては、非常な手続を要するのであります。申すまでもなくこれは裁判所、検察庁、刑務所、各方面に連絡をとつて、いよいよ実施する場合に万遺漏のない手続をしなければならぬ、これにつきましては約一箇月以上かかるのであります。そこでこのあらかじめの手続といたしまして、すでに一箇月前から準備いたしまして、大体の草案は千部以上刷つておるのであります。これを全国の検察庁、刑務所、保護観察所に送付いたしまして、そうして係の者にこれをつぶさに検討させまして、御承知の通り百万以上でありますから、それらについて手配をいたします。これは容易な事業ではないのであります。しかしその間においていささかも漏洩のことがあつては相ならぬという考えから、この草案にいたしましても、郵便送達なんということは決していたしていないのであります。手数でありまするが、一一持たせてやりまして、係官にこの秘密漏洩すべからざる旨を十分説き聞かせてやつておる次第であります。ところがたまたま本日の読売新聞にこういうことが出ましたので、さつそく全国に向いまして、この草案をいかなる取扱いをしたかということを今取調べ中であります。法務府の中央部におきましても、現在取調べております。これは大体どういうふうな径路で、どういうふうに入つて来るかということを見ればわかることと思つております。さような次第でありまして、われわれといたしましては、かような国会にお諮りしない前に漏れたという段につきましては、まことに申訳ないと考えております。現にこの係官の監督者においては、私に進退伺いまで出しておるような次第であります。しかしながら事はそれだけで足りるわけではない。これは将来にも関係することでありますから、いかなる径路によつてかようなことが新聞記事になつたかということを今厳重に調査中であるということを御報告かたがた申し上げたいのであります。  なお前にも田嶋委員からお話になりました例の保安法案、現在の破壞活動防止法案というものが、これは成案ではありませんで、まつたくの草案の草案の草案でありますが、これが一部の新聞の記事になつたのでありますが、これも決して法務府自体が発表したわけではありません。しかしこの草案につきましても、新聞の記事に現われたということはまことに遺憾でありまするが、それはいかなる径路によつてさような事態になつたかということを厳重に取調べた次第であります。しかしこれはまだ発表すべき機会には至つてはおりませんが、法務府の手落ちでないということは明らかになつた次第であります。さような次第でありまして、法務府自体といたしまして、国会の各位に示されない前に漏らすというような意図はごうもないのでありまして、これが漏れたことについては深く責任を感じておるような次第でありますが、決して国会を無視するような気持は毛頭持つていない、またそういうことはあり得べからざることでありますから、今後も十分に注意いたしますから、何分御了承をお願いしたいと考えております。

佐瀬昌三自由党

○佐瀬委員長 ただいまの法務総裁の御答弁によつて、今後議案の取扱い方、特に国家機密保持に万遺憾なきを期していただきたいということを委員会として要望いたしまして、次の恩赦に関する件についての調査を進めます。  この際お諮りいたしたいのでありますが、国会法第五十二條によりまして、秘密会にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐瀬昌三自由党

○佐瀬委員長 御異議なければさようとりはからいます。政府委員及び関係者以外の御退場を願います。      ————◇—————   (午後三時三十九分秘密会に入る〕

佐瀬昌三自由党

○佐瀬委員長 まず政府より御説明を求めます。齋藤政府委員。

齋藤三郎中央更生保護委員会事務局長

○齋藤(三)政府委員 ただいま総裁も申し述べられましたように本年の三月下旬に大体の草案ができたわけでございます。そして大赦、減刑の結果即日釈放しなければならないというようなものが相当数に上ることが予想せられますので、各庁、検察庁あるいは刑務所にはこれを知らせる必要が生じまして、そこで大体の草案でございましたが、いろいろ必要な部数を調査いたしまして、これを千四百何十部印刷をいたしました。この印刷につきましても特に留意をいたしまして、十分秘密の漏れることのないように印刷屋を庁内の一室に何といいますか、軟禁をいたしまして、職員がそれにかかりきりについておりまして、そうして印刷をいたしました。しかも今度の配付につきましては特に地方において増刷りすることを厳重に禁止をいたしまして、そうしてこれを各高検ブロツクごとに中央から運んで参りまして、中央から高等検察庁にそれを手渡し、そうして高等検察庁がさらに管内の責任者を呼び集めまして、そうして直接に渡す、そうしてこれについて適用上誤解のないようなことを十分に注意いたし、その後またこれについての手落ち等の点についても十分調査研究を進めましてその後若干修正をいたし、そうして現在最後の仕上げの段階に入つているのでございます。  本日読売新聞紙上に出ましたことについては、私その任に当るものとしてまことに申訳ないと存じております。本日読売新聞紙上に出ましたのは、三月下旬に各庁に配付いたしました案に当ると思われるようなものが記事に掲載されております。その後わずかでございますか修正の点については本日の読売新聞には出ておらないのであります。また修正のために号数等が変改いたしております。それについてもまつたく矛盾が多く、結果三月末配付したものがどういう方法かによつて外部に漏れた、こういうふうに解釈いたしておるのでございます。漏れましたことについてはまことに申訳ないと感じている次第であります。

佐瀬昌三自由党

○佐瀬委員長 以上をもつて政府の説明は一応終了いたしましたが、なお委員の御質疑があれば順次これを許したいと思います。速記をやめて。     〔速記中止〕

佐瀬昌三自由党

○佐瀬委員長 以上をもつて秘密会を閉じます。     〔午後五時二十四分秘密会を終る)      ————◇—————

佐瀬昌三自由党

○佐瀬委員長 本日はこの程度にいたし、明日午前十一時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時二十五分散会

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