法務委員会 第14号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/02/15
会議録
○佐瀬委員長 ただいまより法務委員会を開会いたします。 法制に関する件について調査をいたします。戰争終結宣言などに関して発言の通告がありますから、これを許します。角田幸吉君。
○角田委員 新憲法は昭和二十二年五月三日から施行されております。しかしポツダム宣言を受諾いたしまして無條件降伏をいたしました日本は、占領下に置かれまして、天皇及び日本政府の国家統治権が連合国の最高司令官の制限のもとに置かれておりまして、御承知のごとく、新憲法は百パーセントにこれが適用されておらないのであります。近く講和が成立いたしまして、日本は完全なる自主権を回復して、初めて新憲法が百パーセントにその適用を見るに至るのであります。われわれはここで初めて新憲法の精神に従つて国政に大いに盡して行かなければならない。またそれに伴うところの諸法令の改正等もしなければならないのでありますが、憲法の條章につきましていろいろと疑義がありますので、この際法務総裁にお尋ねを申しておかなければならないのであります。次にまた、先般サンフランシスコにおきまして締結されました対日講和條約が、近く調印各国の批准を得まして、條約が発効いたしますと、條約各国との国交が回復されることになるのでありますが、そのことはまことに御同慶にたえません。われわれは真に平和を愛好する民族として、世界文化のために大いに努力して行かなければならないと存ずるのであります。ただ遺憾にたえないことは、過般の対日平和條約に調印をされない若干の連合国があるのであります。これらの国々と日本とは、講和條約の締結後にどんな関係に立つのであるか、これは国民のひとしく心配して、知らんとしておるところであります。あるいはこれらの国々となお戰争状態にある、国際法上は交戰国である、敵国である、こういうふうに考えておる者が非常に多いのであります。ところがすでに憲法におきましては戰争を放棄しており、平和を愛好する国民としてこういう考えがあることは、まことに遺憾に考えておるのであります。この両課題につきまして、私は木村法務総裁にお尋ねをいたすのでありますが、木村法務総裁は御承知のごとく新憲法制定当時の司法大臣でありまして、新憲法の生みの親といつてもいい地位にあられる方であり、現に政府の法律顧問であられるのでありますので、これらのことにつきまして順次私はお尋ねを申し上げて行きたいと思うのであります。 まず順序といたしまして、太平洋戰争というものが一体いつ終るのか、こういう問題についてお尋ねを申し上げたいのでありますが、第一にお尋ね申し上げたいのは、憲法第九條に戰争という、国際法上の戰争というものはどういうものであるか、このことをひとつ最初に法務総裁にお尋ねを申し上げたいのであります。
○木村国務大臣 申すまでもなく、憲法第九條の規定しておりまする戰争の禁止は、これは憲法実施後における一切の戰争の放棄であると考えております。その以前に起きました戰争の停止に基く戰争状態の存在は、同條とは何ら矛盾するものではないと考えておるのであります。
○角田委員 そうすると、戰争というものは、結局こう承つてよろしゆうございましようか。国際間の紛争であつて、しかもそれは戰闘行為を要素としておるものである、こういうふうに承つてさしつかえないものでございますか、この点についてのお考えを承つておきたいと思います。
○木村国務大臣 まさにさように解すべきだと思います。
○角田委員 そこで私は戰争というものは、国際紛争で戰闘行為というものが欠くべからざる要素である、こういう法務総裁の御見解でありますので、私は太平洋戰争というものはもうすでに終つたのではないか、こう考えておりますので、一応私の私見を申し上げて、そうして法務総裁の御意見を承りたいのであります。 まず事実上戰争は終つた、法律論として戰争は終つたと解することができるかどうか、こういう二つの問題にわけてお尋ねを申し上げたいのであります。 まず最初に申し上げたいのは、事実上戰争は終つたと、私はこう考えておるのであります。そこで私見を申し上げてお尋ね申し上げるのでありますが、御承知のごとく一九四五年の八月十五日に終戰の御詔勅が渙発されました。そうして初めて国民は終戰の事実を知つたのでありますが、これより先に同年の八月十三日にスエーデンを通じまして、日本はポツダム宣言を受諾して連合国に無條件降伏をした、戰争行為をとどめたのであります。このことは世界に国際放送で放送されておることも木村法務総裁の御承知のところであります。日本は一九四五年の八月十三日に連合国に無條件降伏をいたしまして、戰争行為を完全にとどめて、そうして同年の九月二日に重光、梅津の両日本代表が東京湾上におきまして連合国に対する降伏文書に調印をしておるのであります。ところがこの降伏文書には、ポツダム宣言を誠実に履行すること、及び、天皇及び日本国政府の国家統治の権限は、降伏條項実施のため連合国最高司令官の制限の下に置かれると書いてあるのであります。御承知のごとくポツダム宣言の第九項には、日本国軍隊は、完全に武装を解除せられたる後、各自の家庭に復帰し、平和的、生産的の生活を営むの機会を與えられる。こういうことが書かれておるのであります。日本はこの宣言を忠実に履行いたしまして完全に武装を解除し終つたのであります。こういう事実から考えまして、今日におきましてはすでに戰闘員なるものは一兵も存しておりません。この戰闘員を指揮する指揮官も存在しないことは、木村法務総裁も御承知のところであります。そこでこういう事実に照しまして、太平洋戰争は事実上すでに終つたものと見ることができると考えるのでありますが、この点に対する法務総裁の御見解を承りたいのであります。
○木村国務大臣 申すまでもなく降伏文書の調印によりまして、わが国と連合国との間の一切の戰闘行為は停止された。爾後わが国と各連合国間におきましては、何らの戰闘状態は存在していないのであります。但し戰争状態は存続しておるものと考えます。
○角田委員 そこで先ほど私が法務総裁に戰争とは何ぞやというお尋ねを申し上げたことが、ここに問題になるのであります。先刻法務総裁は国際間の紛争であつて、戰闘行為を欠くべからざる條件とするものであるということについてどうかと言いました際に、それはその通りだとおつしやつたのであります。戰闘行為がまつたく消えてなくなつたときにおきましては、その條件というものがなくなりまするので、事実上の戰争はなくなつたと考えるべきであると思うのでありますが、この点についてもう一度総裁の御見解を承りたいのであります。
○木村国務大臣 ただいま申し上げた通り戰闘状態はもう停止されたのであります。しかし戰争という状態はまだ継続しておる。いわゆる今は休戰状態になつておると考えております。
○佐瀬委員長 暫時休憩いたします。 午前十一時二十四分休憩 ————◇————— 午後一時五十一分開議
○佐瀬委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 モスクワにおいて開催せられる国際経済会議の旅券発行等について発言の通告がありますから、これを許します。猪俣浩三君。
○猪俣委員 先日来新聞紙に報道されておりまするモスクワの国際経済会議につきまして、日本にも正式なる招請状が発せられております。実業家その他の方々で行きたいという希望の方々が多数あるやに聞いておるのであります。ところがどういう事情でありまするか、最初行きたいという希望を述べた方が、あるいはやめたとかいうような新聞報道であります。やめた方はいたし方ないといたしましても、私どもの知れる人、たとえば社会党の党員でありまする帆足計氏のごときは、外務省ばかりに二十回も足を運んで、旅券問題について了解を求めているそうであるが、さつぱり要領を得ない。ほとんど神経衰弱みたいになつておるのであります。そこで政府といたされましては、モスクワの国際経済会議に日本人として個人の資格で出席することを、許可認可はいらぬと思うのでありますが、一体出席することを何か阻止するような意向があるのであるか、あるいはさような意思はないのであるか、それをお聞かせ願いたいと思います。
○石原(幹)政府委員 この問題は外務委員会あるいは予算委員会等で、今までにもいろいろ出たのでございますが、モスクワ経済会議に対しまする招請は、個人々々に来ておるようでありまして、政府といたしましては全般的には直接の関係がないのでございます。ただ、いま御質問のようなことがございまして、しいて政府の意見はどうか、こういうことでありましたならば、この会議に出るということはあまり好ましいことではないというふうに考えておるということを、今日までお答え申し上げて来ておる次第であります。
○猪俣委員 日本国の政府としては好ましいことでないということと、旅券法に基きまする個人に対する旅券の発行ということとは別だと思うのであります。私の聞くことは、日本の政府が好ましいか好ましくないか、それを聞いているのではありません。かような反動政府が好ましくないと考えるということは私も承知いたしております。但し合法的に、旅券法なるものができておつて、それに従いまして個人として出席することを、政府が阻止する意思があるのかないのか、それをお聞きしておるのです。好ましくないというようなことを聞いているのじやない。個人としての渡航を何か阻止する意思があるのか。どうしても行きたいという人があるなら、個人の資格で行くなら、政府としては好ましくないけれども、それを阻止する法的根拠がないから、それはさしつかえないという御意見であるのであるか。それをお尋ねしておるのです。
○石原(幹)政府委員 旅券の申請はただいまのところ、まだ正式に申請されたものはないのでございまして、申請が出て参りました際には、政府といたしましても、旅券法制定の根本精神並びにそのときの諸般の情勢等を総合判断いたしまして、この法に基いていろいろの判断を決定して行かねばならないのではないかと考えております。
○猪俣委員 私は、旅券法に基いてその他の諸般の事情を考慮するというところに危険性があると思うのです。旅券法以外のいかなる諸般の事情によつて阻止する権能が政府にあるのか。そういう妙な、法律の根拠のないような事情によつて阻止されては困る。旅券法なるものができるときにおける立法理由、政府委員の説明、これは私がここで申し上げなくても、外務当局はおわかりのことである。これが日本に旅券の権限が委譲された際において、いろいろの考慮から、ある個人について、同じ日本人でありながら差別をつけてはいかぬということが、この旅券法の根本精神で制定せられたものであることは、明らかなことであります。旅券法以外に何か政府に阻止する法的根拠があるかどうか。なお、なぜこれをお聞きするかと申しますると、帆足計氏の言うことを聞きまするならば、実に不都合千万だと思う。帆足計氏は、先ほども申しましたように、外務省の事務当局に二十回から足を運んでおる。渾身のエネルギーを使い果したと言つておる。それで要領を得ない。申請するならばというようなことは言いのがれであります。帆足君になぜ申請しないのかと聞いてみると、これは外務省の事務官僚の方々も非常に帆足氏に同情し、非常に憤慨しておる人もあるそうであります。しかしそういう同情する人たちの忠告として、聞くところによれば、正式の申請をすると、いやここが間違つている、ここがどうだといつて荏苒日を延ばす。渡航する時期は一定している。それまでの間にうやむやにされるおそれがあるから、十二分なる内諾の上で出された方がよろしいという忠告があつた。それで出さぬでおるのであるから、出せといえば今日でもちやんと用意してある、書き方も十分練習して、持つておる。しかし大体の内諾、やるのかやらぬのか、それがないというとやみからやみに葬られるおそれがある、こういうことで出さぬと言うのであります。これは実に日本国憲法あるいはユネスコ憲章あるいは世界人権宣言、あらゆる日本の根幹法から考えましても、あるいは国際的な原則から考えましても、これは容易ならざる基本的人権の圧迫だと思うのであります。そこで今申しましたように、帆足氏のごときはほとんど神経衰弱になるくらいこれに精力を使つてしまつているが、今日まで要領を得ない、そこでこの質問をしているのですから、あまり三百代言的な言いのがれの答弁をなさらずに、ほんとうのところで責任を持つて言明してもらいたい、これは申すまでもなく、あなた方も御存じの通り、イギリスの外務大臣イーデンは、イギリス国としては好ましいことだということはできないけれども、国民個人が行くというのは、これは阻止することができないという態度で、イギリスからもアメリカからも参加することは決定しておる。三百、四百の世界の人が皆集まる。日本だけがさような妙な態度をとつていいものであるかどうか、今まで実際招請を受けた人たちが外務省へ足を運んでいる。一体これは何だのかんだのと引延ばしておいて結局行けないようにするのではないかという心配なのであります。そこでほんとうに正式に申請書を出すならば、もちろんこれが旅券法の原則に反する場合は、これは言いませんが、旅券法の原則に反せざる限り、これを交付される意思があるのかないのか、もう時は切迫して来ているのです。だからやらぬ気であるならやらぬ気であるとはつきりお答え願いたい。政府として好ましくないということは了承いたします。イギリスでもそういう態度をとつている。しかし個人として招請を受けた人が行こうという際に、これを阻止する気があるのかないのか、申請書を出したら、あなた方が旅券法の精神にのつとつて許可するのかしないのか、旅券法を中心として、その他の諸般の状況からいつて——諸般の状況とは一体何であるか。法律にちやんと規定してある、その法律に規定した資格あるものが、法律の手続に従つて申請するものに対して、政府がかつてに諸般の事情などという考慮をすることは、この旅券法の根本精神を破壊する問題であります。そこでお尋ねしている。申請書を出しましたならば、旅券法を考慮することは当然でありますけれども、諸般の事情というものはやめてください。諸般の事情というのは何であるか、その諸般の事情を説明してもらいたい。
○石原(幹)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、正式の申請が出て参りましたならば、そのときは、旅券法に基きまして判断を決定して行かなければならぬと思うのでありまして、旅券法の精神というのは、われわれの解しておりますところでは、その人の旅行が公共の福祉に反しないことと、それから旅券法の精神は、個人の身体、生命、財産を保護しつつ、また相手国よりも必要な保護、扶助を要請するために、こういう法制ができておるのでございまして、その法の根本精神、それから申請がありましたときのその精神に照して、これはやはり諸般の情勢という言葉で申し上げるより方法はないと思うのでありますが、あらゆる情勢を総合判断いたしまして、許否を決するということに相なろうかと思つております。
○猪俣委員 はなはだ今の答弁不満である。あなたの諸般の状況というのは、何なんです。私が言うのは旅券法に基といて交付するものは交付するかどうかお聞きしたいのです。旅券法以外の諸般の状況というのは何だ、これはいけないじやないか、旅券法の精神に反するじやないか、あの男はちつと赤つぽいとか、この男は黒つぽいとかいうことで色わけしてはいかぬということが、旅券法の精神であることは、あなた方よく知つているでしようが、この旅券法以外の諸般の事情というのは何だ、それをお尋ねしているのです。どういう諸般の事情があるのです。そういういろいろの政治的なかけ引でやられては困る。そういう諸般の事情というような漠然たることを言うておることに危險性があるのです。そうして諸般の事情が時の政府の意見によつて考慮することが、法治国の許されざる原則なんだ、それがために旅券法ができている。昔の警視庁の外事課というようなものはなくなつている。あなた方また警視庁の外事裸を復活しようというのか、そこをお尋ねしている。旅券法以外の諸般の事情つて何です。それをお尋ねします。
○石原(幹)政府委員 御承知のように憲法におきましても「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び」云々、こうありまして、その人の旅行が公共の福祉に反するおそれがあるかないかというようなことも、一つの判断の材料にはなると思います。それからまた旅券法というものはそもそもその人の身体、生命、財産を保護して、無事に旅行ができるように、相手国もそれらに対しまして、必要な保護や扶助を與えるという立場においてその人の旅行を認めよう、こういうのが旅券法を貫く根本精神ではないかと思うのでありまして、そういう法の根本精神等をあわせ考えまして、申請がありましたときに、その採否の判断を決定する、かように申し上げたのであります。
○猪俣委員 あなたの答弁は、わかつたようなわからぬような答弁である。そこでなお具体的にお聞きします。旅券法の第十三條に規定がある。あなたの公益といつたような——旅券法の第十三條第一項の第五号、「前各号に掲げる者を除く外、外務大臣において、著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者」、こういう制限があることは事実であります。そこであなたのおつしやつたような公益問題は、この旅券法の十三條の五号のことをおつしやるのであるかどうであるか、それをだんだん聞いて行かぬと、漠としてわからぬ。あなたのおつしやるのは、第十三條の一項の五号、この場合を言うのであるかどうか、それをお聞きします。
○石原(幹)政府委員 旅券法第十三條の五号の問題につきましては、これは旅券法が制定されましたときに、当時の委員会その他で十分論議されておるのでありまして、詳細はその当時の記録によつても御研究を願いたいと思うのでありますけれども、この場合は個人が申請して来た場合に、その個人について判断をする一つの材料を規定しておるのでありまするが、そのほか私は先ほどから申し上げておりますように、旅券法全体を貫く法の建前といいますか、この立法された根本精神、根本趣旨というものが、やはりそれぞれの法律にはあると思うのでありまして、その法の制定されました根本目的からも、いろいろ判断をして行かなければならぬということを、先ほどから申し上げておる次第でございます。
○猪俣委員 今の答弁は、法治国にとつては、はなはだぼくはけしからぬ答弁だと思うのです。ナチス・ドイツが、よくそういう答弁をやつておつた。公益優先というような答弁です。あるいは日本の東條がよくやつておつた。そういう答弁はいけません。法治国は、法律の規定においてすべて判断する。であるから旅券法なるものができておるのです。時の政府の考え方によつて、公益に反するというような漠然たることで、一体旅券法の権利がなくなるような解釈なら、法律はいりやしません。そういう不公平の取扱いをやつちやいけないから、こういう法律ができておる。ですから、この旅券法の精神にのつとつて考慮しなければいけない。最高裁判所でもない、一行政府が、法律にあまり書いてないようなものを濫用して、人間によつて甲乙をつけるということは、独裁政治ではありませんか。もちろん現内閣もだんだん独裁政治に似て来ているのだから、そういうことをあなた方役人が考えておられるかもしれませんけれども、それでは法治国じやなくなる。この法律の根拠はどこにあるか。十三條にはつきり出ているじやありませんか。だから、これに該当するものはやむを得ないことになる。これに該当もしないものを、漠然たる公共の福祉とかいうようなことを援用して来るということは——法律は公共の福祉からできておるものであります。そこで個人の権利と公の権利の調和をはかつておる。だからこの旅券法を中心にして考えなければならぬ。それを離れて漠然たる、雲をつかむようなことを言うて人間に甲乙をつけるということは、法律の破壊であります。独裁政治である。私の聞かんとするところは、第十三條の何項かに違反するということならば、これはまたやむを得ないことになる。それを離れて、何か漠然たる公共の福祉だとか公益優先だとかいうことを、法律の規定を離れておつしやると、それは独裁政治です。そういうことはいかぬと思う。十三條に明瞭に書いてある。これに相当するものは考慮することは、当然のことでございましよう。私はそれを聞いている。漠然たることじやないのです。旅券法という法律ができているのだから、この法律の十三條によつて、「著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う慮れがあると認めるに足りる相当の理由」法律は実に意味深長につくつてあります。この精神から答弁していただかなければ困る。これを離れて何だか漠然たることで、いや公益優先だの、公共の福祉だのということを振りまわされることは、法治国家としてはあり得ないことだ。それでは独裁国家に転化します。時の政府が法律を離れて、漠然たる公益優先とか公共の福祉とかいうことは、これはあなた方知つておる通り、警察国家、福祉国家といつて、ヨーロッパにおいても十八世紀ごろにはやつた独裁政治であります。ナチスの公益優先思想であり、東條の思想である。今でもそれを堅持すると言われれば、それはしかたがないけれども、こういう法律ができている。法律の第何條によつてやるとか、やらぬとかいう答弁ならいい。法律を離れて妙な答弁を持ち出されるということは、この法律自身が、憲法にいう公共の福祉のためにできておる法律であります。その法律の第何條によつて、旅券交付ができるとか、できないとかいう答弁ならわかる。この法律を離れて、漠然たることで人の自由を束縛するなら、基本的人権を剥奪するなら、それは独裁政治ではありませんか。そこでお尋ねするのです。この十三條のここに一つの制限があるが、この制限に当らざる限りは、旅券は出さなければならぬはずだと思う。それをまた何か諸般の事情を考慮するとか、公共の福祉から何とか言うようなことは詭弁であります。でありまするから、この十三條に該当するものを私どもは聞いているのではない。こういう法律を離れた、何か漠然たることで、許可するとかしないとかいう態度をとるのか、とらないのか、それをお尋ねいたします。
○松尾説明員 旅券法第十三條の問題につきましては、先ほど次官からもお話のありましたように、またすでに御承知のように、この旅券法が昨年制定されましたときの議事録で御了承を願えると思うのであります。しかしここで私から申し上げて御一考を煩したいと思うのは、そもそも旅券法を貫く根本精神と申しますか、国際間において、一体一国と一国の間のその国民の往来、従つてある国から外国へ出かけまするときに旅券を出すというような、この旅券法といいうものが、何ゆえに国際間にあるのか、旅券というものがどういうためにあるのかということについて私の考えを述べて、御一考を煩したいと思うのであります。 私の考えますところでは、この旅券というものは、結局何といつても、一国と一国との間に正常な外交関係の現存しているということが、絶対にして必要欠くべからざる大前提だろうと思うのであります。従つて正常な国際関係のある国へ行く場合に、その旅券を発給して、これこれの者に対して保護と便宜とを相手の政府に要請する外交文書が旅券であります。従つて今度の旅券法は、正常な国際関係にある国に渡航する場合を予想しておるのでありまして、もし不幸にして、正常な国際関係のまだ樹立していない国がありとすれば、やはり旅券法の適用はないと法は考えるのであります。
○猪俣委員 そんなばかな解釈をやるからいかぬのだ。そんなことがどこに書いてある。それが官僚独裁というものだ。どこにそんなことが書いてある。旅券法なる法律に従つて行動しなければならぬ。それじや、ビルマや、インドや、そういうところにはどうなる。官僚がそんなかつてな解釈をしていいのですか。そういう時の政府の好みでやつてはいかぬから、旅券法という法律ができている。そういうあなたの説明というものは、実に妙ちきりんなんだ。一体そういう考え方はいけない。政府が万能じやないのだ。政府は法律に従つて行動しなければならぬ。自分たちの好みによつてやつてはいけない。吉田政府だけの日本国家じやない。諸君は時の政府に迎合して、さような解釈をやつておる。どこからそんなりくつが出て来る。ビルマはどうだ。インドはどうだ。條約を結んでいないじやないか。それだのに、一体そういう妙ちきりんな解釈なんて成り立たぬ。旅券法にはそんなことはちつとも書いてない。法律の規定によつてやりなさい。それが法治国家というものだ。時の政府の好悪によつてやるべきものじやない。国民はこの旅券法なる法律従つて権利として要求できる。だからイギリスあたりは、国としては好ましくないけれども、個人が行くならこれはしかたがないと言うてだんだん出しておるじやないか。アメリカからも行つているじやないか。日本が何に気がねをしてこれを出さぬのか。一体そんなばかな解釈はどこから出て来る。ですから今の諸君の答弁のような頭で諸君が臨んでおるから、帆足君が二十回通つてもらちが明かぬ。やらぬつもりならやらぬと男らしく断りなさい。申請を出してからどうのこうの、諸般の事情がどうのと言わぬで……。それならばあきらめがつく。それを何だのかんだのと言うて、そして結局はやらぬ意思であるんじやないかと思われる。そんなあなたの答弁のようなりくつはどこからも出て来はせぬ。條約国だけにやつているんじやない。みんなどんどん海外へ出ているんじやないか。何がゆえにソ連だけは行つちやいかぬのか、どういうふうにそれを説明するつもりです。政府の役人が行くのはいい、しかし民間人が行くのはいけないという区別がどこにある。しからば日本はインドと條約があるか、ビルマとあるか、そういうことじやいかぬと思う。もしやられない事情があるならば率直に言いなさい。妙ちくりんなりくつをこねまわさぬでよろしい。ここは法務委員会だ、諸君がみんな三百代言のようなりくつをこねてもここではだめ。やりたくないならやりたくないとはつきり言いなさい。行きたい人は神経衰弱になつておるじやないか。これは人権蹂躪ですよ。そんな答弁はなつていない。ただ私がお尋ねしたいのは、招請を受けた人間はもうきまつておるのだから、一体この十三條に違反する條項の人間がこの中にいるのかいないのか。「外務大臣において、著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者」がこの中にあるのならば、それをはつきり法律を根幹にして答弁なさい。法律を離れて公益優先主義を振りまわすとドイツのナチスになりますぞ、東條内閣になるのだ。法律を根拠にして事を論じてください。法治国民じやないか。だからこれを阻止するなら、第三條の一項の五号だろうと思う、こういうのに相当するからと言われれば、それはまた別な問題。ところがこれ以外に漠として諸般の事情を考慮して、そうして国益に不利があるというような抽象論、それはナチスの理論であり、ファシズムの理論です。またフアツシヨ政治を行おうとするならば、それも一つの論拠でありましよう。そんなことは議論にならない。この旅券法のどこに抵触してやらぬと言うのか、それを明らかにしてください。
○石原(幹)政府委員 御満足は行かないようでありますが、先ほどからお答え申し上げておりまするように、正式の申請がありました際に、旅券法の精神並びにいろいろ情勢から採否の判断をきめて行きたい。それでこの判断といたしましては、この旅券法は手続法でありますが、さらに先ほども申し上げましたように、「公共の福祉に反しない限り、」云々というような憲法の條章もございますし、それから相手国が、その旅行者の身体、生命、財産の保護を十分してくれるかどうかということも、やはりこの採否を決定する一つの重要なる判断の資料になるのではないかと思うのでございまして、とにかくまだ正式の申請はないのでございまして、出ました際に慎重に考慮して許否を決する、これ以上申し上げられないと思います。
○猪俣委員 私も、申請が出てから具体的にどうする、申請が出て来てあなた方が行動せられることはわかつています。ただここでは、だから抽象論だ。私の問わんとするところは、旅券法に基いて判断をするのか、その他何か特別の、吉田内閣のいろいろの政治情勢から、政府の独断で法律を離れてやるとかやらぬとかを決定するのか、それを聞きたかつた。そうしたらあなた方は、やはりわれわれが心配するがごとき考えを持つておる。旅券法を抜きにして、憲法の公益優先だ、公共の福祉だ、あるいは諸般の事情だと言う。それは法治国家のとるべき態度じやありません。ちやんと旅券を交付する者の手続は、旅券法という法律に出ているじやありませんか、この法律のうち内において論議されるのはいい。ところがそうじやない。漠然たる公共の福祉というようなことでやるならば、これは独裁政治であります。だからあなた方も知つておる通り、八世紀、十九世紀ころの人権蹂躙の国家を福祉国家ともいう。これは法律の規定を抜きにして、時の政府のすききらいによつて事をやる。それじや法治国じやないじやないか。旅券法なる国会を通過した法律がある。その第何條によつて、やるかやらぬか、これを決定しなければならない。諸般の事情とは何のことですか、諸般の事情の内容を説明してください。この法律を離れた諸般の事情とは何であるかを法律の規定に従つてわれわれは質問しておる。この旅券法を離れたる諸般の事情というのは何であるか。いわゆる憲法の公共の福祉の制限下にこの旅券法なるものが国会でつくられた。しかるにこの法律を離れて、また別な公共の福祉というような論拠を持つて来る。それが独裁政治に転化するのです。それは時の政府のすききらいによつて個人の権利を侵害するんだ。一体諸般の事情とは何だ。何べん言つてもあんたはそういうことを言つておるが法律を離れた諸般の状況とは何だ、それを説明してください。
○石原(幹)政府委員 何回申し上げても同じことでありまするが、諸般の状況の中には、やはり相手国が旅行者の身体、生命、財産等を十分保護してくれるかどうかというようなことも、やはり一つの判断の資料にはなると思います。それから先ほどからたびたびおつしやられるのでありますが、私は法の解釈というものは、もちろん字句に忠実なる解釈をしなければならぬことは当然でありまするが、法は法でそれぞれ立法の根本精神が大きく流れておると思います。また憲法あつての諸般の法律でありまするので、これらを十分総合勘案して判断をして行かなければならぬのでありまするが、いずれにしましても、まだとにかく申請が出ておらないのでありまするから、申請が出て参りましたときに、十分愼重に検討いたしまして判断をいたしたい、かように考えます。
○猪俣委員 今の答弁は、はなはだけしからぬと思う。一体相手国が、はたして日本国民を保護して適当にやつてくれるかどうかというような心配もあるんだということを言うのでありますが、それは口実であります。軍艦をもつて迎えに来るというものを、さように不信任を表するということはゆゆしい。そういう根本精神がよくないと思う。さようなものはわけのわからぬめちやくちやな議論というものだ。世界の三百人、四百人という人が集まるそれに対して、相手国のソ連ならソ連がどうするかもしれぬという心配を皆さんは持つているのか。そんなものは常識外の問題だ。口実にすぎない。しかも法律がちやんと出ておる。旅券法なる国会でつくりました法律が出ておる。この法律のどこかに抵触するからというならわかるが、この法律を離れて、時の政府のすききらいによつてことを左右するというなら、それは独裁政治じやないか。法治国家じやない。だから法律を根拠にして論じてもらいたい。しかも法律の精神というものを解釈に使うことは、明らかな規定が存しない場合であることは、私が説明しなくてもおわかりのことだと思う。法律全体の規定からにじみ出るところの精神というものは確かにある。法律に成文が書いてある、それの不明瞭な場合においてはその精神解釈というものがあることも私は承知いたしております。しかし旅券法には明白に規定されているじやありませんか。それをそつとのけておいて、そして憲法の規定だ、いや公益優先だ、いや公共の福祉だなんてことを持つて来るのは独裁政治なんだ。それはナチスや東條がよくやつたことなんだ。それでは法治国家じやないのです。それを皆さんがまたやるつもりであるならしかたがないです。吉田内閣はいつかしら独裁内閣になつたということにわれわれ承知します。しかし旅券法というこういう特別法があるじやありませんか。その法律がある以上は、その法律を根拠にして考えなければならぬ。どうも私どもにはりくつがわからない。まるでまた東條内閣時代の独裁国家にかわつたような気がする。旅券法という嚴とした法律があるじやありませんか。その法律の成文解釈でやるならやる、やらぬならやらぬ、こういう態度をとらぬことには、時の行政府が自分の好みによつて国民の基本的権利を侵害するということになると、これはゆゆしい憲法破壊の行動であります。あなた方はそれをやる気であるならそれはいたしかたがない。旅券法のどこに基いて旅券を交付するしないを決定されるのか、それを明らかにしてもらわなければならない。諸般の事情とは何のことです。法律を根拠にして事を論じてください。ここは法務委員会なんだから、法律のどこに諸般の事情なんというものがあるのか、それを明らかにしてください。それから申請書が出て来ればそこで判断するということでありますが、今の答弁の様子を考えるならば、これはもう握りつぶしにすることは明らかだ。出して握りつぶしにされてしまうと一巻の終りになるから出せないという行きたい人々の心持もわかると思う。だから、申請書が出たならば考慮するというような抽象論じやいけない。招請を受けた人間はもうきまつておる。行きたいという人間はきまつておるのです。政府の方針はやるのかやらぬのか。帆足君などは二十回も外務省に尋ねて行つているじやないか。申請書が出ないからなんということは三百代言的な言葉です。私は具体的に帆足君に旅券を出せと質問をしているのじやない。そういう具体的の質問なら、出てからしてくれとあなた方答弁なさつてもいいと思う、個人的な問題になるのだから。ただ、一体この旅券法に従つておやりになるのかならぬのか。旅券法以外に、いや公益優先だとか公共の福祉だとか、そういう抽象論でこれをおやめになる気であるのか。イギリスのごとく、旅券法を守つて旅券法の手続に従つて出た者は、国としては好ましくないけれどもそれはやむを得ないという態度であるのか、一体どうなのか。まあ国としても外交上のいろいろな慣例があるでしようから喜んで出せないかもしれませんが、イギリスはそういう態度をとつておる。政府としては好ましくないけれども、しかし個人の資格で出て行く者は阻止することはできないという態度をとつておる。あなた方は好ましくないと思つても、そういう態度でいいのじやないか。それもいけないということになれば、それは基本的人権の侵害じやないか。何の法律によつてそれを阻止するのであるか、それを私は聞いているのです。申請書が出てからの問題じやないのです。もはや二十回も外務省に通つている人があるのだ。だからそういう言いのがれをせずに、一体やる気であるのかないのか、それを答弁してもらいたい。
○石原(幹)政府委員 何回答弁いたしましても御満足がないようでありまして遺憾でありまするが、この会議が行われまする相手の国は、御案内のように、まだ多数の日本の抑留者も残つておりますし、ポツダム宣言の條項さえ完全に履行してもらつておらず、漁船の拿捕等も頻々としてあるのであります。サンフランシスコ平和條約にもまだ加盟をせられておらないし、まだ日本とはいわゆる正常な国交関係がないのでありまして、そういうところへの旅行でありまするので、先ほどから繰返しておりまするように、出て参りました際に法の精神あるいはいろいろのそのときの情勢等を十分総合判断いたしまして決定をする。これ以上にわれわれとしてお答え申し上げる余地はないのでございまして、いろいろお話の点は御意見といたしまして十分拜聽いたしておきたいと思います。
○猪俣委員 あなたは一体今度のモスクワ会議の主催者を何と認識されておるのかわからぬが、これはソ連じやない。コペンハーゲンの国際経済会議発起人会というものなんだ。このものがただソ連のモスクワで開催するというだけで、ソ連もただその一員たるにすぎない。世界の全部の国が参加してやるのだ。それに対して日本だけが、いや條約がないから参加しないと言う。それでは條約のない国には今まで海外渡航を全部許さなかつたかというとそうではない。その国によつてはこれを許している。しかも今度の場合主催者はソ連じやないのだ。これは私が言わぬでも明らかなことであろうと思うのだが、まつたく理由がない。ソ連は場所を貸せるだけでありまして、一員たるにすぎない。これは世界全体の経済人の会合なんだ。われわれといたしましても、この鉄のカーテンの締つておるソ連へ行つて国情を見て来ることは、日本の文化向上に寄與することがあつても、日本に不利益はないと思う。しかも招請を受けた人は相当の実業家であり、そうそうたる人ではありませんか。これを、何を気がねして日本が一体やるのやらぬのというのか、諸君の答弁を聞くのに、どうもやらぬような気に見受けられるが、私は実に不可解だと思います。行つてもらつて、ソ連の実情をよく視察してもらつた方がいいのじやないか。実にいい機会じやないかと思う。日本の文化向上のためにもつけの幸いだと思う。しかも費用は向うが出すというのだ。これほどありがたいことはないじやありませんか。何に遠慮して一体出すの出さぬのと言うのか。だから歯にものがはさまつたようなことになるのであります。私どもは理由がわからない。りつぱな旅券法という法律までできているのに、その法律までもこれを正式な適用を拒否して、そうしてこれをやらぬとすることの行動は、これ自身が一つの独裁政治じやありませんか。何も日本国の代表として行くわけでも何でもない。個人として招請を受け、世界中の経済人の集まりに出て行くのである。場所がたまたまモスクワであるというだけの話である。これをやれないことについては何か占領軍からでも示唆があるのですか。今日本は被占領国家だから占領軍の反対があればできないかもしれません。日本政府独断の考え方であるか、占領軍のそういう示唆でもあるのであるか、それをお聞かせください。
○石原(幹)政府委員 このモスクワ経済会議の問題につきましては、いろいろな立場からいろいろな見方がありまして、種々の御意見があることは、われわれといたしましても十分承知いたしておるところでありまして、ただいま猪俣さんからお伺いいたしました意見も一方にあることは確かでございます。しかしもう何回もここで申し上げておりますように、われわれといたしましては、先ほどの応答で御了承願いたいと思うのでありまして、これは日本の独自な判断によりましてやつておりますということを申し添えておきます。
○猪俣委員 さつぱりわけがわからぬ。日本は法治国家でなくなつた、独裁国家になつたらしいのだからしようがない。法務委員会の法務委員である私とは人生観が違うらしい。私どもは旅券法を根拠にして考えておる。それを離れて妙な答弁をやつておる。法律というものはときの政府のすききらいによつて左右できないはずである。法律の全精神と法律の規定によつて政府は行動されなければならない。国家の最高の統治機関であるところの国会で成立した法律である。政府はただそれを忠実に施行すればよい。ところが東條内閣時代の行政優位の考え方が今の官僚諸君に非常に残つておる。何でも法律が政府の力で左右できるような考えである。そういうような態度であるならばやむを得ませんから、私どもは裁判所に対しまして仮処分の申請をいたします。裁判所の判断に訴えても黒白を明らかにしたいと考えております。これ以上政府委員にいくら聞いても要領を得ない。ただどうも政府はやらぬよな考えになつているのじやないかと思われることだけがはつきりして来た。そしてその根拠というものはほとんどわけがわからぬ。條約がないといつたつて、條約のない国にどんどん人が行つているじやありませんか。それをあなたはどうする。しかもソ連が主催するのじやない、ただ場所を貸しただけで、ソ連もその会議の一員たるにすぎない。ソ連と国交が回復しておらぬということだけでこの会議に出さぬという理由がない。また軍艦まで出して案内しようというのに対して、どうもそれが不安であるというようなことは詭弁であります。しかし今あなたとここで議論やつたつて始らぬ、私どもは裁判所にこれを訴えます。しかしあなた方の反省を促したいことは、イギリスのイーデン外相のような態度が政府としては好ましくない、これはアメリカに対する関係もありましようから、そういう態度は是認いたしますが、しかし個人が法律の規定に従つて出るという場合に、その法律を離れて、何か公共の福祉だの何かいい加減な抽象概念を持つて来て拒否することになれば、これは独裁政治である。さようなことに対しては、私どもは甚大な不満と遺憾を表せざるを得ない。しかも事がデリケートな国際関係にも影響して来るものである。私どもはたといソ連が主催であるといたしましても、好意は好意として受取ることがほんとうに世界に友愛をもたらして、これが世界の平和を確立することになると思う。招くところがあつたらどんどん日本人は世界至るところに出かけて交際をする、これがこれからの狭い島国におります日本人の心がけでなければならぬと思う。何に遠慮して、一体政府はさような態度をとるかわからぬ。もちろんこれは正式の申請書が出ないから、出た上にということでありますから、私はこの程度にとどめたいと思います。しかしはなはだ割切れない遺憾な点が出て参りました。法治国家でなくなつたんじやないか、われわれは法律だけを理解して、そうして進んで行けばいいと思つておつたが、法治国家でなくなつて、法律の規定のいかんにかかわらず、時の政府の好みによつて、われわれの権利なんというものはふつ飛ぶものであるということの印象を国民に強めるだけだと思うのです。ほんとうにまだやるかやらぬか申請書を出して後でなければ決定しないでおることがほんとうのことでありまするならば、この旅券法の法律の精神にのつとり、この箇條によりまして、事を決定していただきたい。これを切に私はお願いいたします。そうしませんと、法治国家は破れる。時の政府の好みによつて、法律を蹂躪して、そうしてやるということになりますと、憲法精神、法治生活というものが破れて参ります。これは実に何年かかつて憲法の講義をやつておりましても、政府のやり方によつて、一瞬にくずれてしまう、独裁政治の傾向を示します。これはおそるべき態度であると思う。それで法律の精神にのつとり、法律の箇條によつて、その人によつて好悪をしない。私はそういう態度をおとり願いたいと思うのであります。 なお最後に一点聞きますが、ざつくばらんにひとつ言つてください。これは一体やる気なんですか、やらぬ気なんですか、ざつくばらんにお答えをしてください。やらぬ気であるのか、やる気であるのか、それをお答えしなさい。もちろんこの旅券法の條項に当てはまらぬということが出て来れば、それはしかたがありませんよ。しかしそうじやなくて政治的考慮から、やらぬという政府の方針なのか、事情によつてはやつてもいいのか、ここは法務委員会ですから、ざつくばらんにひとつ話してください。
○石原(幹)政府委員 先ほどお答え申し上げた通りでありまするが、御意見は十分拜聽いたしまして、心にとめておきたいと思います。
○世耕委員 簡單に二、三点……。いろいろ質疑応答があつたのでございますが、猪俣君の言うのも一理あるし、政府側の意見もまた一理あると私は思う。ここは国際関係だから、そう簡單に割切れないのである、こう私は考えるが、二、三点それに触れておきます。もし総理大臣が行くというときにはあなたはどういうふうに解釈します。吉田さんがもし行くとすれば、どういう標準でそれを判断なさるか。
○石原(幹)政府委員 どうもそういう仮定の問題を今ここでお答えするということはどうかと思いまするので、お許しを願いたいと思います。
○世耕委員 そう言うだろうと思つておつたのですが、そういうこともあり得るのです。仮定じやないのです。ほんとうを言うと今後外交交渉が積極的になるというと、総理大臣も、大臣も、あなた方も行かなくちやならないと思う。それをひとつ聞いておきたい。 それからもう一つは、この機会に大勢行くようにあつせんなすつたらどうか。各党の代表者が行つて、そしてロシヤを見て来る、親善をして来る。場合によつてチヤンスがあれば新しい外交をして、やれ戰争だ、あるいはバズーカ砲だというような問題でお互いに話合う機会があるから、そういうことも考えておくべきではないか。これは御意見を聞かなくてもいいのです。 それからもう一つは、ドイツの例でありますが、実は私は一九二三年、ドイツに大学から留学を命ぜられて行つたのですが、その当時に日本の国内はまだ戰争なんというものは、そんな問題は考えていなかつたのでありますが、私の旅券を下付してもらうのに半年かかつた。大学に交渉して私が留学するのだから、むろん思想的には赤いも黒いもない、お見かけ通りの男でありますが、半年かかつた。これは、ある意味から言えば不親切です。そういう頭で今後の旅券をお取扱いになつたら、かえつて海外発展の機会を失うということを私は申し上げたい。ところでその旅券を半年かかつてもらつて、ドイツに行きフランスに行つていろいろな関係を見ますと、向うはきわめて簡單です。日本の本国よりも外国の方が親切で、あつさり片づけてくれる。私は査証をもらいに行つたときに、ドイツの外務省に待たしてもらつている間に見た。たとえばドイツからフランスに旅行したいからくれと言うと、妙なかつこうの女が出て来る。そうするとすぐ係官が出て来て、フランスに行くのか、フランスは風習が違うからお前生活は心配ないか。第一体は丈夫か、金はどういうふうにするか。先に行つてどういう暮しをするのか。納得が行くとそうかと言つてすぐ判を押してもらつて帰る。それだからドイツの人はフランスに行く人も多い。またアメリカに行く人も多い。私が大学から派遣されて海外に留学するのに半年もかかつて調べる。だからいやになつて来てしまう。こういうことは今後旅券下付の上によほど考慮していただきたいということをお願いするのです。これは御返事を願わなくてもいいのです。 それからもう一つは、近ごろずいぶんいいかげんな人——いいかげんな人と言つたらはなはだ失礼ですけれども、いいかげんな人が旅券をもらつて旅行をしているように見受けるのです。いいかげんということははなはだ失礼ですけれども、私の感じからすれば、今日は外資を獲得しなければならないのに、外資を向うで落して来るようなそういう人たちを、はたしてあなた方はどういう吟味をなすつておられるか。必ずしもそういう定規のようなことで旅券を下付すべきものではないでしよう。今外貨を落して来たが、その次にはこの外貨が倍になつて返つて来るという場合もあるから單純に批判はできないけれども、皆様も大いに経済的見地から考えて行かなければならぬのではないか、私はかように考える。まずその点についてどういう進んだ頭がおありになるか。
○石原(幹)政府委員 渡航審議会というものが設けられておりまして、そこでいろいろ愼重に研究して判断をして行くわけでありますが、お話のように最近少し出かける人が多いようでありまして、それらの点については、審議会の方におきましても十分嚴重なる検討を加えてやつておるようであります。なお本日承りました御意見は、その事務を主管しております局課長その他の方にも十分伝えまして、将来努力して行きたいと思います。
○世耕委員 渡航審議会のメンバーはどんな人ですか。
○松尾説明員 渡航審議会のメンバーは、各省の係官でございます。
○世耕委員 今後は民間人も入れて、公平に取扱うことが非常にいいと思います。今猪俣君の言うたことも、どうも独善傾向だという非難がそこに起つて来るのですから、ここはひとつ今後の処置においてお願いしたい。こう申し上げて私の質問は時間の関係上これで終ります。
○佐瀬委員長 簡單に願います。加藤充君。
○加藤(充)委員 今のに関連して二点だけお尋ねいたします。大体渡航証ですか、旅券の申請をあなたの方に出したろ何日くらいで出て来ますか。
○松尾説明員 もちろん申請なすつた方の申請書等もよく見まして、それに事実相違ないかどうか取調べる関係等もございます。ですから個々のケースによつて違いますけれども、そんなに先ほど世耕委員のお話ありましたように、半年もかかつたというようなことは、もう最近ではないと思います。
○加藤(充)委員 帆足計といえば大体輪郭のわかつている人ですが、ここに具体的に例を出しますが、帆足君が旅券の下付申請を出せば大体どのくらいでやれるつもりか、問題は差迫つておるのでありまするし、大体のところでけつこうだが、期日に間に合うようにできるかできないか。あなたの目途だけでも聞かしてほしい。
○松尾説明員 何日くらいの目途かということでございますが、ちよつとそれは申し上げられません。
○加藤(充)委員 猪俣君の御発言によりますれば、帆足君は二十回も行つて神経衰弱になつているというが、この間君たちが不都合なことをして、のらりくらりしてやつて、遂に大事な目的を達する期日までに旅券の下付ができなかつたという責任は、あなたたちとるつもりではないのですか、今からではおそいということであるならば。
○石原(幹)政府委員 いろいろ帆足君のお話があつたのでありますが、まだ申請が出ておるわけではないのであります。それからまた、出たらどのくらいにというようなこともございましたが、これは先ほど私が申し上げましたように、いろいろな事情で検討しなければならぬこともあるかと思いまするので、何日間かというようなことはここで申し上げられないと思います。
○加藤(充)委員 出して、ぬくめて抱いてしまうというような卑怯卑劣なやり方はまつたくないかどうか。その点はつきり答弁だけ承つておきたい。
○石原(幹)政府委員 先ほどからたびたび申し上げておりますように、個人の権利を押えるとか、卑怯な立場をとるとか、そういう意味ではないのでありまして、日本の公共の福祉を守り、また申請者の個人の生命身体、財産を保護しよう、そういうような根本精神から検討するものでありまして、決してお話のような考えは持つておるものではありません。
○加藤(充)委員 猪俣君から重々の御発言がありましたについて、あなたが正常な外交関係でないところには結局旅券の下付をすることは差控えなければならない相当な理由があるというようなお話向きでありましたが、われわれは正常な外交関係といえば無條約国でないということを法律的に形式的に考えるわけであります。従いまして現在私は條件つけてもよろしいと思いますが、批准の意思表示がはつきり済まない諸外国、そして條約のない国々に対して、終戰以来旅券を下付して、またどういう連中が旅券を下されたか、その問題について資料を出してもらいたいと思う。さもなければ、あなた方一般に公平にやるとかなんとかいつても、われわれは判断するに目途がないのでありますから、それを判断する資料として、ぜひ今申し上げた資料を当委員会に出してもらいたい。 それからもう一つ、公共の福祉ということを言うが、官僚なんかが公共の福祉なんていうものを判断する職権もないものだということを、新憲法のもとで頭の中にしつかり入れておいてもらいたいということ、これをしつかりのみ込んでもらいたい。公共の福祉、日本経済の行き詰まり、二つの体制の中で戰争が起るとかなんとかいつて再軍備して、そうして予備隊は軍備でないとか言いながら、実質上だれが見たつて、常識上莫大な再軍備費用を国民の血税によつてあがなおうとしている。鉄のカーテンだ、竹のカーテンだというが、向うの金で招かれて行つて、無一文で見て来られる。大蔵大臣の候補者であつたり、前肩書きを持つたりしていりる連中、そういう資本家のそうそうたる連中がお前ら来たらいいじやないかといつて招かれておる。公共の福祉というものは、日本の国民の福祉であり、日本の国運の将来の経済的、政治的な繁栄向上にあるのであつて、役人がそこらの六法全書をひつくり返したり何かしてきめるものではない。もう一つ、個人の身体、生命の保障というような問題、いかにも御親切のように言うが、フイリピンに行つた日本代表並びにその随行員がどういうようなことになつておるか。新聞の報ずるところでも、輿論が非常に悪化して、日本人の随員に対してでも危害を加えんとしているような状態が出て来ておる。それに対しては、フイリピン人といえども射殺すべしという大統領布告が出たというじやないか。こういうところに行つた責任は、それじや旅券を出して相済まなかつたという、君たち独自の判断でやつたんだつたら責任があるはずだが、それに対して君だちはわびたか。またその責任をとるだけの責任のあるはつきりしたそういうようなことをやらずにおいて、言葉だけでいかにも親切なようなことを言つたつて、それは官僚独善というものである。官僚独善が国家をつぶしたのだと極言されてもやむなしという数年前の日本の悲劇の実体を君たちは振り返るべきだ。なまいきにああだこうだと言つて、猪俣君がやいやい言つたけれども、そういうことで腹を立てるのはあたりまえだ。もつと謙虚になつて国家国運の繁栄を考え、平和か戰争かというときに、経済的にも行き詰まつている、再軍備の問題でごたごたしているときに、世耕委員が言つたように、もつとたくさんあなたの安心のできる人を、総理大臣でもいいじやないか、やつたらいいじやないか。やれるようにあなた方努力しなくてはならぬ。つらくても結局武士は食わねど高揚子式の考え方、武士とは何だ、武装して戰争に行く、お前たちが結局において必要以上の敵国をつくつて、そうしてそれに目がけていらざるところの再軍備をして国民の不安をかき立てている。旅券はよろしく最大限にごたごたせずにさつそく出すようにしてもらいたい。
○佐瀬委員長 田中堯平君。
○田中(堯)委員 時間がないそうですから、簡單にお尋ねしておきます。先ほどから政府の答弁を聞いておると、どんな理由で旅券を出すことを澁つておるのか、さつぱりわからぬ。そこで今度の国際経済会議というものがどういうものであるかは、時間がないから私は説明もいたしません。おそらく政府も知つておると思う。これは何も一方に偏した思想的宣伝とか、あるいは何か一国の有利な地歩を築き上げようというような野心の入つたものでも何でもない。御承知のように、全世界が今二つに割れて、経済的にも政治的にも二つに対立して、いつ火をふくかわからぬという状態になつておる。そこでまず何としても、この対立激化の状態を緩和しなければならぬ。それにはまず何といつても経済交易というものが重要であるので、全世界がその政治の方針や主義というものを問わず、万国民が代表を送つて、そこで世界の平和を確保すべく、また交易を自由に行うことによつて、各国民の生活水準を上げようじやないかという、まことに崇高なる目的を持つて、しかもあなた方のおきらいなソ同盟が主催しておるのではありやしない。国際機関がこれを主催しておる。従つてどこの国でもほとんどみなこれに参加する。日本だけが来い、来い言われるのに、ふたを締めてこうやつておるということは、まるで無知なたにしかさざえがつつかればつつかれるだけ体を締めて、中にとじこもるような形に似ておる。これは物笑いの種であります。私の考えでは国際経済会議には喜んで行くべきであると思うが、政府はどうもそうではないらしい。 そこでお尋ねするのは、この旅券下付申請に対しての政府の態度は、その下付すべきかどうかの審査の標準が対人的であるのか、対物的であるのか、すなわち申請をした人々についてこれはどうもあぶない、経済会議に行くと称して、実は何か革命運動でも輸入するのではあるまいかというような対人的な懸念であるのか、それともまるつきり経済会議なるものがけしからぬ、そういうところに出る事柄がけしからぬという対物的な考えであるのか、これをお答え願いたい。
○石原(幹)政府委員 これはやはり個人的な個々の判断もしなければならぬと思いますし、対物的というのがちよつとはつきりいたしませんけれども、もう一つは先ほどから繰返し申し上げましたように、その人の身体、生命等が十分保護されるかどうかというような意味から相手国の状況とか、いろいろなことも判断の資料になるのではないかと思います。結局対物的という言葉に対してあたるかどうかわかりませんが、両面から判断して行かなければならぬと思います。
○田中(堯)委員 それは全然私の質問に答えておりません。対物的という言葉が不適当ならばこれは修正します。要するに国際経済会議なるものがけしからぬ、そういうところに出席するのは何人であろうともおもしろくないから出席は許可せぬ、旅券を下付せぬという意味であるかどうか、これが中心であります。
○石原(幹)政府委員 経済会議自体がどうこうということよりも、経済会議が行われまする場所と言いますか、その国のいろいろの事情等がやはり一つの判断の資料になります。
○田中(堯)委員 これまで政府並びに自由党の諸君がいつも繰返し言つておつたことは、鉄のカーテンなるがゆえに、向うさまでいろいろなことを言つてもわれわれにはわからぬ。だからもつと鉄のカーテンを広げて、ちようどアメリカが今やつているようにどんどんとわれわれに視察を許せばいいじやないか、こういうことを言つておる。中には自由党の諸君で私どもの個人的に知つておる人々は何とかソ同盟とわたりをつけて、おれを視察旅行をさせるように運動してくれぬかというようなことさえ言つて来ておる。そういう情勢でありますぞ。もつけの幸いではありませんか。向うで国際経済会議にやつて来ぬか、旅費もみてやろう、軍艦で迎えに行こうという、こんないいことはない。行つて見て来ればいい。それをあなたは国がソ同盟なるがゆえにおもしろくないというふうな意味のことを言われたが、今までの政府や自由党の方針と違うではありませんか。見てくれと言わぬばかりに招待するのだから行けばいいじやありませんか。その辺はどうですか。
○石原(幹)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、今回の会議の問題につきましては、いろいろの立場からいろいろの見方もあり、いろいろの批判もあるということは先ほど申し上げた通りでありますが、ただいま当局として考えておりますることは、先ほど来申し上げておりますように、意見を求められれば、好ましいことではないというふうに考えておるということを申し上げておるのであります。
○田中(堯)委員 事実においては、あなた方のやり方は実際けしからぬ。これは外務省直接やつたわけではあるまいけれども、政府としては責任を免れない。現に向うに行こうとする人たちに対して、あるいは行こうとする段取りの会議に対して、もう陰に陽に彈圧をくだしておるじやありませんか。たとえば私の情報に入つておるものを一つ二つ拾つて見ても、一月二十七日に、大阪の久保田鉄工の社長小田原大造氏が、一体ロシヤに行くつもりかどうか、それからまたそのための国際経済会議の懇談会に出席するつもりかどうかというような質問を受けている。特審からわざわざ調査を受けている。何のためにそういうふうな調査をするのですか。あるいは東洋経済がやはりこの国際経済会議の懇談会を持とう——これはたしか持つたと思いますが、そうするとさつそく日本橋警察署から、届け出ねばいかぬじやないか、屋内のわずか十人か八人の懇談会に届出をしなければいかぬじやないかといつて、おどしつける。陰に陽にあなた方は弾圧を始めておるじやないか。だから幾らここであなた方が三百代言式な答弁をしてみたところが、実際はおれはあの経済会議がきらいだ、ああいうところに出席すべきじやない、どのような手段を盡してでも出席することを押えてやろうという方策ではありませんか。それならそれではつきりここで白状しなさい。いやならいやでよろしい。ただ法文の末にとらわれたり、あるいは憲法の精神がどうのこうのという問題ではない。基本的にあなた方の政策がこれを拒否しようとしている。その点どうですか。最後にひとつはつきりしてもらいたい。いやならいやでよろしい。
○石原(幹)政府委員 経済会議なるもの自体に出席することは好ましいことではないということは、もう大分前から申し上げておるのでありまするが、しかし旅券の申請等がありました場合には、ここにやはり旅券法というものがございますし、いろいろな法律関係があるのでございますから、そういうものに基きまして、十分慎重に研究して結論を出さねばならないのでありますから、これ以上ちよつと申し上げかねると思います。
○田中(堯)委員 以上でやめます。
○佐瀬委員長 旅券に関する質疑はこれをもつて終了いたします。政府委員の御退席を許します。 なお大橋国務大臣に対する治安関係の質疑は、同国務大臣が予算委員会においてさしつかえておりますから、本日はこの程度にとどめます。 次会は来る十八日の午前十一時から会議を開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十五分散会