法務委員会 第2号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/12/14
会議録
○佐瀬委員長 これより会議を開きます。 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律案について、前会に引続き質疑を行います。 この際政府より、本法案の提案理由に付随して若干の説明をいたしたいという発言を求められておりまするから、これを許します。佐藤法制意見長官。
○佐藤(達)政府委員 ここに私どもの方の第二局長が参つておりますから、局長の方から詳しく御説明をいたさせます。
○林政府委員 それでは私から、このポツダム命令の今回の措置の大要につきまして御説明を申し上げます。 本日現在で、いわゆるポツダム緊急勅令に基きます個々のポツダム命令が現在なお効力を持つて存在しておりますものが、私どもの計算いたしますところでは、百四十四件と相なつております。この百四十四件のポツダム命令を、昨日提案理由の御説明で申し上げました通りに、大体各省各部別にわけまして、改正存続させるとか、あるいはそのまま存続させるとか、あるいは廃止する、こういう措置を大体とる見込みになつておるわけであります。それで各省別には、大体幾つの法案にこれをわけて出しますか、これにつきましては、目下のところまだ関係方面と折衝中でございますので、確定的なことは申し上げられませんが、大体の構想を申し上げますと、総理府関係のポツダム命令につきましては、総理府がいろいろの特殊の部局を含んでおることでもございますし、国会の方の委員会も幾つかにわかれております関係もございますので、総理府関係は全部をまとめて一本にいたしませんで、大体外局別にわけようかと存じております。そういう関係で、総理府関係につきましては、ポツダム命令の措置の法案は、ただいまのところの心組みでは、総理府本府及び自治庁の関係を一本にいたします。それから全国選挙管理委員会関係を一本にする。国家公安委員会の関係を一本にいたします。公益事業委員会関係を一本にいたします。賠償庁、特殊調達庁、この総理府関係は、六件の法案にわけてこの措置を法律案に規定いたしたいと考えておるわけでございます。 法務府関係は、これは全体を一本にいたしまして、大体法務府関係として法案をつくるつもりでございます。 それから外務省関係でございますが、外務省関係も大体一本にいたすつもりでございます。外務省関係につきましては、いろいろ特殊の事情もございますので、法案の提出はほかのものに比べまして多少遅れる見込みでございます。 それから大蔵省関係は非常に件数が多いのでございますが、大体これを二つに今わけることにいたしております。大体大蔵省関係は一本にまとめますけれども、連合国財産の処理の関係、ドイツ財産の処理の関係、これにつきましては、ただいまのところまだ多少実は関係方面との折衡上問題が残されておりますので、この関係だけは七件ばかりございますが、わけて独立の法案として多少遅れて大蔵省関係の中で出ることに相なるかと存じており立ます。 それから文部省関係は、もちろん一本で処理いたします。 それから農林省関係は、これは国会の委員会が農林委員会と水産委員会の二つにわかれております関係上、農林関係と水産関係の二本にわけて法律案をつくる予定でございます。 それから通産省関係は一本で出すつもりでございます。 それから運輸省、労働省、建設省、経済安定本部の関係はそれぞれ一本出すつもりでございます。それから郵政省と電気通信省でございますが、その両方に関係いたしましたポツダム省令が一本ありますので、郵政省と電気通信省を一本にいたしました一つのポツダム命令の措置の法律案を一本出すつもりでございます。 以上申し上げましたこのポツダム命令を規定いたしました法律案が合計二十件でございます。多少提出の時期については前後いたすかと存じますが、二十件出る見込みになつておるわけでございます。この二十件の法案で大体現在あります百四十四件のポツダム命令のうち百十五件のポツダム命令の措置を規定いたすつもりでございます。あと残りが二十九件あるわけでございますが、この二十九件につきましては、さらにいろいろ検討を要するポツダム命令がございますので、これは今申しましたものと別個の関係で、たとえば団体規正法とか、あるいは航空法でありますとか、あるいは地方自治法でありますとか、そういうようなものの関係と非常に関連いたしますので、そういう法案、あるいはそういうものの改正法案に関連いたしまして処置をいたすつもりで、この二十九件だけは別途また研究中でございます。そういうような大体の心組みにいたしております。 それで前にもどりますが、先ほど申し上げました約二十件のポツダム命令の措置の法案で百十五件のポツダム命令の措置をいたしますが、その大体の内訳を申し上げますと、一応政府の心組みといたしましては、そのままの形で存続させるものが大体二十二件、それから一部改正をいたしまして存続させるものが二十二件、廃止いたしますものが七十一件、こういうことに考えております。またその個々の二十二件なり、七十一件の内訳につきましては、またその必要がございますれば御説明申し上げます。大体の心組みはこういうふうに考えておるわけであります。 それからこの今の、百十五件、あるいは二十九件と先ほど申し上げましたが、そのほかにきのうの提案理由の御説明のときにちよつと触れましたけれども、過去六年におきまして、他の法律命令を廃止いたしましたポツダム命令が実は三、四十件ございますが、その中で附則の経過規定がなお生きておるものが若干あるわけであります。この附則の経過規定だけどうしますか、この点につきましては、この中の罰則等の規定が残つております約十八件だけ、ただいま申し上げました二十件の法律の中にそれぞれ規定をいたしまして、将来に向つて効力を存置させる、こういう心組みにいたしております。大体ごく簡單に申し上げますと、ただいまのところ個々のポツダム命令の措置につきましては、さような心組みで整理をいたすつもりでおります。
○佐瀬委員長 引続いて質疑の通告がありますので、これを許します。鍛冶良作君。
○鍛冶委員 昨日法制意見長官に承つておつたのですが、総裁がお見えになつたので、総裁からあらためてお聞きしたいと思います。この法案を見ますると、第一項ではいわゆる勅令五四二号を廃止する、こうなつておる。これはいわゆる俗に言うポ勅の親法律なんですから、これは当然講和條約効力発生と同時に廃止すべきものだというお考えから出たのだろうと思います。そういたしますると、親がもうすでに廃止すべきものだから、それから出て来た子も、黙つておれば当然廃止になるべき運命じやないか、こう思われるのでありまするが、第二項によりますると、片つ方の方では廃止するといいながら、片つ方では効力を有すると、こうなつておりますから、どうもこの点は私の今言うことと違つた考えで来られるのではないかと思われますが、そこで原則としまして、いわゆるポ勅の全部が当然効力あるものというお考えであるのか、廃止になるものであるから、ここでこういう法律を置くとか、これをこのままにするとか、あらためてやるべきものだと、こういうお考えのもとに立案せられておるか、これを聞きたいのであります。
○大橋国務大臣 政府といたしましては、ポツダム政令にして、この緊急勅令を廃止いたしました際に、有効に成立いたしておりまする母法でありまする緊急勅令の廃止いかんにかかわらず、有効に存続するものという解釈をとつて、この法案を立案いたした次第でございます。
○鍛冶委員 もちろん私も、いやしくも法律として出ておりまするから、これを廃止するといわない限り、法律として置くものと、こう思つてはおるのです。そういう形式論ではないのです。そうではあるけれども、ほんとうはこれはもう占領の目的のためにできておる法律であるから、占領目的がなくなつた以上は、これはなくなるものだ。しかし占領目的がなくなつても、これを置くことがいいから置くのだと、こうお考えなのか、それとも黙つておつてもこれは当然有効なのだ、こういうお考えなのか、こういう点です。
○大橋国務大臣 この考え方といたしましては、元来ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令の件というこの緊急勅令は、占領を前提としてできたものでございますから、占領が終了いたしました際には、当然これは廃止すべきものであろうと存ずるのであります。もとよりこれを廃止するにつきましては、廃止の手続を必要とすると考えます。その措置が今回の法案になつたものでございます。それからこの緊急勅令に基いて出ておりますいわゆるポツダム政令は、数々あるわけでありますが、これらの中には占領に伴つて当然に廃止してしかるべきものが相当にあると考えます。そういうものは廃止をいたしたいと思うのでありまするが、これらは廃止の手続をとらなければ有効に存続をすると解釈をせられまするから、そこではつきりその廃止の旨を明らかにいたしたいというのであります。それから改正すべきものは、この機会に改正をいたす。そうして何らの措置を講じないものは、本来の法律解釈といたしましては、何らかの措置をとるまでは有効に存続するものと認められまするが、しかし何分規定の内容を見ますと、これらは占領ということを前提にしてでき上つたものでございますから、占領終了の際において、実際問題としてその内容を検討いたして、将来引続き存続すべきものは存続するという措置を講ずることが、独立に伴う国内の法制の整備という上からいつて、適当であろうと思うわけでございます。従いまして、その手続のとれないものは百八十日限りで効力を失うということを、この法律によつて明らかにいたしたいというわけであります。
○鍛冶委員 たいへん明瞭になりまして、まことにけつこうだと思います。ところで技術的のことになりますが、今総裁がおつしやるようなことでしたら、百八十日たつたらみななくなるのだと書くべきものを、これではいかにもみんな残つて効力があるように読めるのですが、百八十日だけはあるけれども、その間に処置をとらなかつたら、これはすべてみんな効力を失うものだ、こう表わすべきものではないかと思うのです。裏からいえばそうですけれども、どうも前には「廃止する」となつておりますから、少し平仄が合わぬように心得ます。
○大橋国務大臣 これはお考え方はまことにごもつともにも存じまするが、私どもがこの案を書きました気持を申し上げてみますと、勅令第五百四十二号に基く命令というものは、別に法律による廃止または存続の措置がなされない場合においては、法律として効力を有するものである、但しその期間は百八十日ということにしておるぞ、こういうつもりを書いたわけであります。
○鍛冶委員 そこで承りたいのは、いわゆる存続に関する処置でありますが、政府としては国会に対して、平和條約の効力が発生して独立国になつたが、なおこれをこのままの法律としておいてよかろうか、こういうことで御諮問なさる意思ではないかと思いますが、それともただ法律だから一通りこういうものをやるというつもりか。これも先ほどの答弁から見まして、大分わかつてはおるようでありますが、お聞きいたしたいと思います。
○大橋国務大臣 これは政府の権限によりまして法案を提案するというわけでございます。もちろん政府が提案いたしまする以外に、各省関係の法案につきまして、国会において独自の立場から御提案をいただくこともけつこうでありまするし、また政府の提案に対しまして、国会の御審議によりまして適切なる修正をなされるということも、これは当然あり得ることと考えます。
○鍛冶委員 その次にどういう根拠で百八十日とおきめになつたのですか。
○大橋国務大臣 この百八十日というのは深い根拠はありません。一応この通常会、つまり今期国会の継続中ということを予定いたしたわけでございます。いつごろまでこの国会が続きまするかということは、今後の議案御審議の状況によつて国会が御決定になることでございますが、まずこれには二つの未決の要素があると思います。一つはいつ講和條約が発効するかということ、このことも未決でございます。そしてその後においてこの国会はどのくらい続くかという国会終了の時期も未決でございますから、この二つの未決の事柄を加味いたしまして、百二十日くらいから百八十日くらいの間を予定しておけば、その間に大体今期国会の御審議は終了するのではなかろうか、こういう意味でございまして、政府としては、これらの法案に対する廃止または存続の措置というものは、すべてこの国会の継続中に終了いたしたいという趣旨で百八十日と書いたわけでございます。実際問題としては多少ゆとりをとつておりまするが、この意味はこの国会の継続中という程度の意味でございます。
○鍛冶委員 ちよつとわかりかねましたが、この国会中ということになれば、なるほど六箇月でありますが、これは講和條約の効力を発生してから六箇月ということになるのですから、この国会ということとは大分離れていると思う。効力が発生してから六箇月ということになつているのですから、今総裁のお答えになつたのがその意味ならば、ちよつと違うように思います。
○大橋国務大臣 講和條約が効力を発した後百八十日、すなわち六箇月としておけば、その間には幾ら長くてもこの国会は終るであろう、こういう意味であります。
○鍛冶委員 そこでお聞きしたいのは、この廃止は問題はないと思いますが、問題は存続です。存続に関する処置は、ただいま総裁の御説明から申しますと、独立になつたる後において、もつと言いかえれば占領政策というものがなくなつたときにおいて、これを法律として置くかどうかということをきめるということでありまするから、おそらく講和條約が発効したる後において存続の法律案を御提出になるものと思いまするが、それとも何かはかにお考えがありますれば、明瞭にお願いします。
○大橋国務大臣 これは大体講和條約発効後の事態を予想いたしまして、できるだけ早く御審議を煩わしておくことが適当であると考えまするから、できるだけ早く講和條約発効前に提出いたしまして御審議をいただきたいと存じます。
○鍛冶委員 そうすると先ほどの御説明とちよつと食い違つて来るようです。占領政策がなくなつたので、この法律を置くかどうかということをきめる、但し講和條約が発効すると同時にもう全部なくなるということになると、空白時代が来ますから、そこで百八十日という期間を認められたものと思いまするから、ほんとうに存続させるかどうかということは、今の御趣旨から言うと、講和條約効力発生の後であるべきものと思いまするが、そこをもう一応伺いたい
○大橋国務大臣 私どもの希望といたしましては、講和條約発効後廃止または存続の措置がなされ、その法律による措置に従つて廃止または存続のことが行われることは、講和條約発効と同時にか、あるいはその後なるべくすみやかにそうあることが望ましいと考えるわけでございます。この第二項におきまして、そういう措置がなされない場合には百八十日間に限り法律としての効力を有すると書いてありまするのは、そういう措置に関する法律案が提案されましても、国会の御審議が相当期間にわたりましてその決定を見るに至らない間に元の政令が効力を失つてしまうことのないようにいたしたい、こういう趣旨でございます。なるべく百八十日間は、効力発生後といえども前の政令をそのままにしておきたいという意味で書いたのではなく、できるだけ早く新しい措置に切りかえるべきものでありますが、しかしそれは国会の御審議も十分にいただく必要がある、こう考えますので、その御審議の期間という意味で百八十日をおいたわけであります。その百八十日というのは、百八十日なければ御審議ができないという意味ではもちろんないのでありまして、この通常国会においてすべての処置を終了すべきであると思うから、まず講和発効後百八十日の期間を置いておけば、幾ら長くなつた場合においても終了するであろう、こういう意味でございます。
○鍛冶委員 百八十日というと半年であります。半年という長い期間を要求せられますお気持は十分わかりましたが、私ここであまり具体的に言いたくないのですが、先ほどの説明から行きますと、講和條約が効力を発生したる後においてわれわれがここで法律を審議いたしますことと、講和條約の効力が発生せぬ前に審議いたしますことは、われわれにとつては大きな差異があります。そうしますと、やはり今の御説明から言うならば、講和條約の発効した後、日本の国会が独自の権限を持つてこれを審議できるようになつたそのときから審議する。そのかわり、もし遅れちやいかぬから百八十日という期限をとつたというならばわかるのですが、今すぐ出すのた、それにもかかわらず講和條約の効力発生した後百八十日いるかもしれぬというと、ちよつと合わぬように思いますが、その点いかがでしよう。
○大橋国務大臣 私どもは、講和條約発効前におきましても、できるだけ準備を進めまして、講和発効と同時か、あるいは講和発効後できるだけ早く切りかえが実行できるようにいたすことがよろしかろうと考えております。
○鍛冶委員 一応これでいいです。 —————————————
○佐瀬委員長 次に、世耕委員より法務総裁に対し汚職事件について質疑の通告がありますので、この際これを許します。世耕君。
○世耕委員 近ごろ新聞、ラジオ等で盛んに汚職事件が坂上げられて、その粛正を国民の名において要求されておるようであります。この点に関して法務総裁はどういうふうに考えておられるか、まずその点を伺つておきます。
○大橋国務大臣 公務員が職務を執行するにあたりまして、その職務に関連して犯罪を犯す、これにつきましては、もとよりその官吏について監督の責任ある各省においてしつかり御監督をいただくことが、何よりも大切であると考えております。法務府といたしまして、これらの犯罪が発覚いたしましたる場合におきましては、これを徹底的に糺弾をいたしまして、将来のために戒めるということが必要であろう、こう考えまして、厳重措置するような方針をとつておる次第であります。
○世耕委員 法務府としては、そういうような不正事件の発生しないよう一に、防止なさることに積極的努力を払われておられるか、発生したものを摘発することに努力されているか、そのいずれを主として選んでいるかをまず承つておきたい。
○大橋国務大臣 法務府といたしまして、むろん部内のことにつきましては、さようなことの発生を防止することに努めるのは当然でございます。しかし他省のことにつきましてこれを防止するということは、それぞれの省の直接の御責任でございまするから、それに期待をいたしておる次第であります。さしあたりは、発生いたしましたる際の摘発ということを、法規の命ずるところによつてやつて参つておるわけでございます。もとよりこれらの事件の取調べにあたりまして、監督者に対し、あるいは将来の犯罪を防止するために役立ち得るような事柄を得ました場合におきましては、これを広く各省に対しあるいは一般社会に対して公にする方法によりまして、将来の事犯発生を予防するということは、これは立場上当然であると考えておる次第であります。
○世耕委員 綱紀粛正に関して、法務総裁は閣議で何か御発言になりましたか。その点はいかがですか。
○大橋国務大臣 閣議の内容は申し上げるわけに参りません。
○世耕委員 閣議のこまかい内容にまで立ち入つてお聞きしようとは思わぬのですが、綱紀粛正が世論ごうごうたるときに、その一端をになわれている法務総裁は、必ずやその点について御発言があつてしかるべきで、この点の発言の有無を私がお尋ねすることは必ずしも意地の悪い質問ではないと思う。当然のことじやないかと思う。御発言がなければないでけつこうであります。その点はいかがでしようか。私は閣議の内容をここで漏らせというほどやぼなことをお尋ねするのではありません。 おそらく総理なりあなたが発言しなければ、ほかからそういう問題が出て来るはずはないと思う。なぜなれば、事犯の真相をつかんでいるのはあなたの部下であり、あなたの周辺であります。あなた御自身が一番この社会の裏面を御承知でなくちやならぬはずである。もし汚職事件が盛んに論議されているものとするならば、あなた自身が閣議で御発言になるのが当然であると思うのであります。この点について、いや、閣議のことは一切言わぬというならば私はあらためて聞こうとは思いませんけれども、これくらいのことはあなたの御性格から見て私は当然発言があつたであろうと思うからお尋ねするのであります。いかがでありますか。
○大橋国務大臣 綱紀粛正のことにつきましては、前回の国会におきましても、総理大臣その他よりたびたび御説明を申し上げたような次第でございまして、閣議におきましても、むろん各閣僚ともこの問題について真劒な論議を行われたということは、これは事実であります。
○世耕委員 それ以上お尋ねすることは避けます。 次に、問題を簡單に片づける意味においてお尋ねいたしますが、最近金融関係でいろいろな問題が出ております。汚職事件と申しまするか、いろいろな事件が出ておりますが、おそらく法務総裁は御承知であろうと思う。新聞の記事を見ますと、朝日新聞—読売新聞にも出ておりますが、金融金庫の不正貸付で業務部長が検事局送りをされておる。これは一部を物語るものであつて、相当深刻なものがあるであろうと私たちは想像するのであります。この点について内容を私はお尋ねしはうとは思わないのでありますが、最近金融が非常に枯渇して、糸へんとか何へんとか倒産するものが相当数多いということを言つております。その半面はどうかというと、不正貸付ということが問題になつておる。その不正貸付の半面に汚職事件がつきものである。こういう点について法務総裁自身が目を光らせておられるかどうか。 もう一点、これは結論はきようは申しませんが、卑近な例を一つ申し上げます。国民生活に非常に重大な問題があるから申し上げますが、最近開発銀行ができました。そうして復金が開発銀行にその整理を引継ぐような業務状況であることは、御承知であると思います。その間において第一次償却、第二次償却ということで、償却という言葉で借金整理をしておるようであります。不正貸付が何件あつたかということは、きよう私は申し上げることを差控えておきましよう。しかしながら議会として黙過できないような実情が、相当深刻に伏在しているということだけは、私この機会に申し上げておきます。その償却される内容たるや、利子も払わず、もちろん元金も払わず、工場等に貸し付けられたものに対しては、保険料すら払わないがために、やむを得ず復金が保険金まで払つてその担保を維持しているというような状態であるから結局、通俗の言葉で申しますと、借金の踏倒しです。その借金の踏倒しや取立ての不可能のために棒引きにして、そうして跡片づけをして開発銀行に引継ぎをしているということが、われわれの耳の中へ入つて来ておる。どうやらうわさじやなさそうです。私はそれぞれの関係筋にその資料を要求したところが、躊躇して出ししぶつていることから見ても、およそわかる、最近いろいろな事件が、新聞等にも出ておりますけれども、多くは二万円や三万円、多いところで十万円ぐらい収賄したくらいの下級の官吏をつかまえてぶち込んでおる。そんなことは問題ではない、もつとなぜ大物を つかまえぬか、もつと悪党をなぜつかまえぬかということを私は言いたい。私はこの復金整理を通じて——金融関係であるから、あまり詳しいことを申し上げることは差控えたい、莫大な数額を国家がその負債を背負わなくちやならぬ、かくてそれが国民の血税となつて現われて来ることは、少しでも政治をわきまえる者は、すぐぴんと来るのであります。かくのごときことを黙過しておいたとすれば、文部大臣はしきりに倫理綱領を掲げてもつて道徳の頽廃を回復することに努力されておるようだが、そんなことは問題でない。むしろかような問題から国民の思想が險惡になりつつあるということを、私は指摘しておきたい。業務部長送検、しかもこの関係に対しては数百名がすでに取調べられておられるようであります。私は今申し上げたように、犯罪の急所をついていただきたい。今日の金で二万や三万や十万くらいの金は、それこそある意味において、はした金、むしろ数億、あるいは数十億の金をは私して、そうして国家に大きな損害をかけた者が見のがされておるのであります。これは賢明なる法務総裁が、私は正しい法の命令のもとに活動してこそ、善政がしかれるのじやないかということを申し上げたい。最近の中小商工業者の税金の取立ての状況を見ますと、あの微力なる納税者が満足に納税しないからどいうて、家中で一番大切なるラジオのセットすら、しまいには取上げられるというような、みじめなる徴収方法をしておる一面において、かくのごときふしだらな、国家に大きな損害を與えるような者が、白晝堂々と横行しておるという、かくのごときことを見のがしたんでは、私は日本の戰後の道徳は、確立できないものだと考えるのであります。この点に対して、法務総裁はどういうお考えをお持ちになつておられるか、われわれとともに憂慮されておるはずであろうと私は思うのであります。御所感をこの機会に伺えば——私は今日は結論を伺うことは差控えます。ただお尋ねするだけであります。もし詳しいことをなお説明しろというなら、後刻詳細なる資料を提示して、その処理方法についてあらためてお尋ねいたしますが、本日は、ただ法務総裁の気持だけ承つておきます。
○大橋国務大臣 金融界におきましても種々忌わしき事件があることは事実でございまして、検察当局としてその摘発をいたしておるような実情でございます。御指摘の金融公庫等の事件も目下取調べ中でございます。すでに一部は起訴しておるというような状態でございます。で、思うにこのような事柄ということは、これはひとり金融公庫のみにあつて、他の金融機関には絶無であるというふうには言えないのではないかと考えられるわけでございます。金融機関につきましてはすでに法律によりまして、その職責の厳正なる執行を担保するために公務員に準じた取扱いをいたすことになつておる次第でございますから、今後におきましても他の機関につきましても、同種の事件があれば当然同種の厳重な措置をいたさなければならぬものと、かように考えておる次第でございます。 なおこれらの金融関係の事件の処理において比較的小さなものが摘発されるが、大きなものが出て来ていないのではなかろうかという御不審もあるようでございますが、元々金融公庫の事件というのは、これは取扱いの仕事の性質上大なる金額を取扱つておりませんから、当然今回のごときものも、金額的にはそう大きな事件にはなつておらないというわけでございます。他の金融機関につきましては、必ずしも金融公庫のごとき程度のものでない相当大きなものも調査すればないとも限らないのであります。もちろんさような場合におきましては、調査の結果により嚴重な処置をとるべきものは、当然そういたさなければならぬものと考えるのであります。 なお復金の問題につきまして開発銀行に引継ぎに際して、かつての不当の貸付の跡始末として償却が行われておるというお話を承つた次第でございますが、これらの不当貸付にあたりまして、はたして不当貸付というものがあり、それに関連して何らかの汚職的な事実があるということが明らかとなり、あるいは十分さような疑いを抱かしめるような容疑があります際におきましては、当然検察庁を督励いたしまして、調査、取調べを進めまして、それぞれ法による処置を厳重にいたすべきものである、かように考えておる次第であります。
○世耕委員 もう一点伺つておきますが、今の不当貸付の問題ですが、利子も払わぬ、元金はもちろんのこと、担保もろくなものはないということがはつきりしておれば、これは不当貸付というよりしかたがない。その件数が何件あるかということは、私この機会に言うことは差控えましよう。私はただいいかげんに法務総裁にこのことを申し上げるのじやない。ぜひあなたの耳に入れておいていただかなければならぬようなことがあるから、お尋ねするのですから、その点お含みおき願いたい。なお伺いたいのは、この間問題になつた東京温泉の問題は、国際問題まで引起して、外務省の事務次官の井口君がそれの衝にあたつて、いろいろ弁明とか改革をやつておるという話なんですが、これなんかも今日の日本の時局から考えて、国民生活の上から考えて、国際関係から考えて、はなはだ軽率な金融だつたと思います。その金融関係の裏面は御承知でございましようか。法務総裁はおそらく承知しておりますとおつしやらないだろうと思いますので、知つておるかということをお尋ねするのはやぼかもしれない。どうぞこういうことも法務総裁の手できれいに片づけていただきたい。これが私の望みなんです。ぼろを出のではなくて、ぼろをきれいに洗つて、すんなりとした形にもどしてもらいたいというのが私の希望なのであります。御承知の通り、これは外国新聞にも出ております。しかもどこからどういう金が、どの人の名前で、どういうからくりで出ておるかということは、私のようなしろうとでもわかつておるのであるから、専門の法務総裁が御存じないとは言わせません。私は突き詰めて今結論を伺おうとは思いませんが、国民はわれわれの端に至るまでいかに深い関心をこういう問題に払つておるかということを十分認識して、国民を盲目にしてもらいたくないということを申し上げたいのであります。 なお最後にもう一点、予備隊の汚職事件であります。国民が信頼する予備隊で、しかも幹部らしい人物が次々に逮捕されておるということは、綱紀頽廃きわまりなしという言葉をもつて言われてもしかたなかろうと思う。再軍備は反対だということを吉田総理は言つておられる。軍隊ができなければ、せめても予備隊によつてわれわれの生命と財産と幸福を守つてもらいたく思つておるのに、その人たちがややこしい事件を起して次々に検察庁の手を借りなければならぬということでは、国民は何によつて生活の安全を確保できるかという不安がここに出て来る。この点に対してはぜひとも法務総裁から真のり決意を伺つておきたい。これはよそのことではない。あなた御自身に関係のあることであるから、御説明を承つておきたいと思います。
○大橋国務大臣 予備隊の汚職事件につきましては、従来、平素より監督上不適当であるとして解任をいたしておりました者が、解任後になりまして逮捕されるという者があつたのでございます。最近におきまして、引続き支障なしと認めて在職せしめておりまする者のうちより、さような関係者を出したということは、これはまことに予備隊の性格から見ましても他の一般官庁以上に一段と申訳ないことであると考えます。この取調べの結果によりまして、それぞれ必要な措置をとりますると同時に、今後のこれらの事務のやり方につきましては一層監督を嚴にいたしまして、再びあやまちなからしむることを期したいと考えている次第でございます。
○世耕委員 突然お尋ねしたのだから、私はこれ以上の質問をすることを避けたいと思います。同時にまたこの質問は、あるいは次の機会にあらためてお尋ねするかもわかりませんから、一応そのことをお含みおきを願いたい。予備隊の問題は、むしろ下級の者より上級に腐敗の空気が多いということがもつぱらである。ならば予備隊の本来の使命を達成する上において、国民の信頼をつなぎ得るような人事をせひ決行なさることを希望いたしまして、私の質問を終らしていただきます。
○鍛冶委員 もう一つ……。存続に関する措置ということが書いてありますが、これは具体的にどういうことでおやりになるかお聞きいたします。
○林政府委員 ただいまのところでは、先ほど御説明申し上げましたけれども、各省各府別にポツダム命令の措置に関する法律を添付いたしまして御提案を申し上げて御審議を願う予定でございます。その中にそのまま存続いたさせますもの、あるいは一部改正の上存続いたさせますものにつきましては、その政令をはつきりそこに明示いたしまして、これは今後法律として効力を有するのだということを規定いたす予定でございます。
○鍛冶委員 改正のものなら元の條文があつて、その上で改正するものがあるのですが、存続でもみんな條文全部を出してやられるのですか、それともどういうことでやられるのですか。
○林政府委員 改正のものにつきましては、その改正点を、たとえて申し上げますと、何々令の一部を次のように改正する、第何條中何々を何々に改める、こういうものが出て参るわけでございます。それから改正をしないで、そのままの形で存続いたさせますものにつきましては、何々令は法律として効力を有するということにいたす予定でございます。政令の名前をあげるつもりでございます。
○鍛冶委員 たとえば総理府では六つある。六つを一ぺんに標題だけ書いたもので、このまま存続するというようにお出しになるのですか。
○林政府委員 総理府関係といたしましては、ただいま表をお配りしてございますが、本府関係では、そのまま存続のものが三件と廃止のものが二件ということに予定しておりますが、このうちで存続するものにつきましては、左の命令は平和條約発効後も法律としての効力を有するといたしまして、何とか命令ということで、三つを掲げるようなことにいたそうとしている次第であります。
○鍛冶委員 もちろんそうして、あとは命令を見ればわかるということになりましようが、これは置いたらどうだということを国会に聞くのだという頭でおられるならば、私は命令の内容をそのままにして、こういう法律をこれから置く、こう出すのがほんとうではないかと思うのであります。ただどうも表題だけ出して、調べるのはお前ら調べいでは、少々親切味を欠くように思いますが、その点いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 前の会期でありましたか、鍛冶委員との質疑応答のありました際には、実は件名を並べて法律案に書き上げるつもりはございません、一括して効力を有するということでやりたいと思いますということを申し上げたのであります。私どもは理論上それでちつとも間違いはないと思いますが、皆さんといいますか、特に鍛冶委員のいろいろのお説を承りまして、なるほどとうなずくところがあつて、今のようにはつきりと件名だけは掲げて明瞭にして行こうというふうに一大改善を遂げてこの御提案をしたのであります。これを一々第一條から第何條までと書きおろしにして法律案を出せとおつしやいましても、これは事務的に、たいへん哀れなことを申し上げますけれども、なかなか困難であります。
○佐瀬委員長 本日はこの程度にいたし、次会は公報をもつてお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします 午後二時三十一分散会