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13回国会衆議院1952/07/04

文部委員会 第42号

発言数
102
登壇者
10
会派数
3
開催日
1952/07/04

会議録

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 これより会議を開きます。  教育委員会法等の一部を改正する法律案及び教育委員会の委員の選挙の期日等の臨時特例に関する法律案の両案を一括して議題といたします。前会に引続き質疑を許しますが、昨日大蔵、文部両大臣の出席を委員長よりお願いいたしました。本日は両大臣に対する質疑のみに限定して許可いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。小林信一君。

小林信一改進党

○小林(信)委員 まず委員長にお願いいたしますが、大臣に出て来ていただきまして、この問題でゆつくりお話をいただく機会が今までなかつたのですが、最終段階になり、大体方向もきまつて来ておるようなわけですから、われわれとしても、大臣にお話を聞くことは非常に重大に考えておるわけです。従いまして、ただ大臣からお話を聞くだけでなくて、大蔵大臣とあわせてお話をお聞きしなければならぬような事態が必ず出て来ると思うのですが、今お話によりますると、時間が齟齬しておいでになり、大臣の御都合で二時からというふうなお話です。大蔵大臣が一時からでありますが、大蔵大臣と文部大臣がかち合うように御配慮願いたいと思うのです。大蔵大臣が一時から来て、文部大臣が二時から来るから、一時間でいいだろうということでなくて、なるべく大蔵大臣と文部大臣と御一緒になるように御配慮願いたいと思うのです。とにかく最終段階であり、両者の御意見を承ることが、この際必要であろうと思うので、委員長にぜひとも御配慮願いたいと思います。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 配慮いたします。

小林信一改進党

○小林(信)委員 そこで大臣にお尋ねいたします。この前出て来ていただきましたときに——一回だけでございますが、お話を承つたときには、大臣のお考えは、日本の教育制度の実情から考えて、どうしてもこの教育委員会制度は、ここ一年十分審議の期間を置いて、りつぱな日本の教育に適したものに仕上げて行きたいという考えであるからということで、私たちがいろいろお尋ねしましても、そういう考えですからそれには私は今お答えできませんというようなことで、地方教育委員会を設置することについても、あるいは設置しないという意見に対しても、大臣としては何らこれに対しては御意思を漏らされなかつたわけなのです。しかし今日の段階に至りますと、大体どういう方向にこれが進むかということは、大臣としても相当見通しはお持ちになつておると思うのです。従いまして、そうなつた以上、こうするという、やはり大臣としてもお考えの上で、私たちの質問を聞いていただきたいと思うのです。  まず第一番に、自由党としては、党議によつて地方教育委員会を設置する、つまり、政府の提案に対しまして反対の立場をとつて行くようなことが、決せられたそうですが、そうなりますと、これは衆議院の実情から考え、参議院、衆議院両方から考えましても、自由党の意向が通るという形になると思うのです。そうしますと、これは大臣の意に反した形になるのですが、こういう結果になりましたことは、これは何か大臣としては、事務上の手落ちからこうなつたと考えられるか、あるいは大臣としての教育的な見解が、自由党の諸君と違つておる、こういう二つの問題から考えられるわけですが、ただいま大臣としてはどういうお考えでおられるのか、その点、まずお伺いいたしたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 手落ちということは、ないと思つております。十分自分らの意のあるところは説明をいたしたのでございますから。けれども、私は、これを一年延期して研究するというのでありますからして、市町村まで絶対つくつてはいかぬという論ではございません。また必ずつくれという論でないことは、もちろんであります。だからして、絶対にここに相いれない意見の衝突というものを来しているとは思つておりません。私どもは、一年研究しようというのです。

小林信一改進党

○小林(信)委員 そうすれば、自由党の態度が、文部大臣の提案と反して、今地方教育委員会が設置されようという形になつても、さほどそこには大きな見解の相違はない、こういうふうに大臣はおつしやるようですが、しかし、そこのところは非常にむずかしい問題だと思います。これから一年延ばすということは、実施するとも実施しないともきめておらないのだと御主張になるようですが、しかしその根本には、予算案等に示されておるように、日本の教育は、日本の国情に照して相当研究しなければならぬということが、声明されておるわけなんです。そうするとやはり現行法に対しては、文部大臣としては満足しないということは、私はあると思うのです。そういう見地に立つて文部大臣が教育行政をやつておるのだということは、国民には知らされておるわけなんです。そういたしますと、やはり私は、もしこれが事務的な手落ちでなくて、正しい順序をふんで、万全の措置を講じて政府提案になつた。ところがこれが、当然与党としても了解をしておられただろうと思うのですが、それが急に逆の方向に走つて、政府提案が無視されるような形になるとすれば、やはり私はそこに重大な教育的見解の差異があるというふうに見られるのですが、大臣としては、それほどでもない——これはこの制度が実施される状態になつたときに、教育委員会制度というものは、国民から不安とか疑いというふうな目で見られるのじやないかと思うのです。とにかく日本の教育の運営を基礎づけるものでありまして、それが今のような納得の行かない状態でもつて実施されるときには、教育の効果というものは相当これは阻害されると思うのです。従つて、大臣としては、その点をはつきりすべきだと私は思うのですが、今のようなお言葉で参りますと、やはり納得できないものがあるんじやないかと思うのです。これは橋本厚生大臣が、自分の意と、そうしてその決定の事実とが相違したときに、橋本厚生大臣は一つの態度を明白にされたわけです。私は決してそれを大臣に云々するわけじやないのですが、そういう気持を、大臣としても率直にお出しにならなければいけないのじやないかと思うのです。それほどの問題でない、こうお考えになられるかどうか、お伺いいたします。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私は一年延ばすべきだといつて、すべての順序をふんだことが、延ばさない、今やるというのですから、そこに何も相違がないと決して言うわけではありません、相違は確かにあるのです。けれども、私は民主主義政治というのは、あらゆる論議を尽して、そうしてきまつたことには快く従うというのが、私は民主主義の政治だと思います。

小林信一改進党

○小林(信)委員 大臣は、今、あらゆる論議を尽して、そうして自分の意見を、主張し、それがいれられない場合でも、大多数の意見がそうであればそれに従うよりほかない、それが民主主義の常道だ、こうおつしやるのですが、しかし……。     〔「教育の本質の問題じやないじやないか」「大臣の責任を追究しているんだ」と呼び、その他発言する者多し〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 静粛に願います。——静粛に願います。

小林信一改進党

○小林(信)委員 問題は、大臣が結局あらゆる手を尽し、あらゆる努力を尽されたかどうかという問題になるのですが、その点がいささかもわれわれには承れない状態にあるわけなんであります。従いまして、できますならば、私たちを通じて国民に、私はこういう考えである、これをこういう方面にこういうふうに努力した、ところが全体の意向というものはこうであつて、それに従わなければならない結果になつたのだ。こういうことを私はこの際大臣に披瀝していただきたいと思うのです。きのう、おとといあたり、新聞にも大臣の一身上の問題等も取上げまして、いろいろ書いてあるわけであります。幸いにして、昨晩の夕刊を見ましたときに、大臣がある新聞に対して、それは私は言つた覚えはない、私はこういう態度であるということが出ておるわけです。しかし、これも非常に、あれほどまでに大きな問題にしてありながら、大臣の見解も、やはり国民にはまだよくわかつていないのです。できますならばこの機会を通じて、大臣はかくかく努力した、私はこういう考えであるという点も、御披瀝願いたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私はこれは一年延ばした方がよい、それを十分研究してからやつた方がよい、たとい市町村まで全部つくるとしても、同じ形のものを全部つくるということがはたしてよいかどうか。この教育委員会の問題というものは、まだ多くの問題を含んでいると思うのです。これを簡単にきめてしまうこともよくないという考えは、今もまだ少しもかわつておりません。だからして、そういうことをよく承知してもらうために、自分は自由党の方に十分話をし、総理にもよくお話をいたしました。そういう手続をとつて来ているわけであります。

小林信一改進党

○小林(信)委員 これ以上大臣にお話を伺うことも無理だと思うのですが、そこで……(「大臣をいじめる必要はない。」と呼ぶ者あり)いじめるのは自由党で、私たちはちつともいじめていない。  きのうの夕刊の大臣のお考えというものは、ある程度私は信頼してもいいと思うのですが、あの中に、この問題は私が責任をとるほどの問題でない——これはいいかもしれませんが、私たちとすれば、もつとこれは大臣よりも問題を重大に考えておるので、できるならばこの際大臣に、何らかの態度に出ていただいて、この問題を大臣の意図通り解決していただきたいと私たちは念願しておる。それよりも、そのあとに大臣は、こういうことをおつしやつておられる。事実でなければいいが、事実だとすれば、これはあとでお伺いしたい。それ以上の重大問題がある、その場合に私は辞職するかもしれない、ということが書いてあつたのですが、これは事実であるかどうか。もしその重大ということが事実であるとすれば、その重大というのは何を意味しているのか、お伺いしたい。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私はそういうことを言つたことはございません。またその新聞を、自分は見ておりません。

小林信一改進党

○小林(信)委員 毎日か、朝日の夕刊でございます。(「か、なんて言わずにはつきり言えよ。」と呼ぶ者あり)私ちよつと覚えておりません。両方一緒に見ているのでわかりませんが、大臣はこれをよく見ていただきたい。とにかく大臣のこの問題に対する世論というものは、非常に重大な関心を持つておるのでありまして、従つてそれに対する大臣の態度というものは、やはりこれは、よきにつけあしきにつけ、日本の将来の教育に重大な影響を及ぼすものでありますので、私は慎重に考えていただきたいと思うのです。  そこで、そういうふうに、大臣のお考えに反して、これがいよいよ自由党のお考え通りに実施されるとするならば、大臣としては、これに対してその意思通りに、決定通りにされて行く意思があるかどうか、お伺いいたします。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 国会でもつてちやんとそういうふうにきまれば、私ども文部省としては、それが成り立つようにやるよりほかはない。

小林信一改進党

○小林(信)委員 しかしそれは国会の決定通りにしなければならないということは、これはわかり切つたことであります。しかし、できるかできないかということは、やはり担当責任者である大臣としてお考えがなければならぬと思うわけであります。従いまして、できるとこういうふうに確信を持つておられるかどうか、そこを私はお伺いしているのです。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 どうしてもやらなければならない。われわれは国会をどこまでも尊重して行かなければならない。国会の決議に従つて行かなければならない。そうならば、国会でおきめになるならば、それはできると思つております。やりにくいということはもちろんでありますが、またできなければならぬ。

小林信一改進党

○小林(信)委員 そうしますと、大臣としては、ある程度可能だという見通しに立たれておると私は考えて、以下の質問をいたすわけでありますが、まず予算上、大臣として可能であるというお考えがあるかどうか、お伺いいたします。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 それは詳しく予算のことを知つておられる大蔵大臣が、可能だと言われれば、私はそれを信ずるよりしかたがない。

小林信一改進党

○小林(信)委員 大蔵大臣が可能であるという、これを聞かなければわからない、そういうお考えで大臣はやられるほかないというのか、やるのだというのか、まことにわかりませんが……(「国会の意思に従うのだといつておる」と呼ぶ者あり)国会の意思に従うというだけで、この問題は片づかないわけであります。当該の責任者としてできるかできないかということを私はお伺いしているので、これは大臣として腹はあるのです。できなければ投げ出すということがあるのですから——しかし、やるというならば、大臣も続けてやるというお考えでもつておられるというならば、従いましてこれに対しては、その見通しがなければならぬわけですが、ただいまの大蔵大臣に聞かなければわからない。これは大臣として、そういう態度でもつてよろしいかどうか。お伺いいたします。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 大蔵大臣がそれをやると言われると私は聞いております。それですから、それなら大蔵大臣がやるというならやる……。

小林信一改進党

○小林(信)委員 今までの大臣のお話から伺いましても、国会でもつてきめられた以上は、しなければならぬ、またある程度までできるだろうというようなことをおつしやつた建前からしましても、今のお言葉は、非常に私は大臣としての責任を果しておられないように思うのです。というのは、すぐこの問題は、閣僚であり、またかつての新聞等にも大臣の言としてあるのですが——党議で決定した以上は、党議に従わなければならぬとおつしやつておるのですが、そうなれば、責任上こういう事態がもうすでにわかつておるのですから、大蔵大臣とも直接お会いになつて、この問題を究明しておかなければならぬわけです。そういう点をはつきりしないで、できないものを引受けるというようなことは、これは大臣としてはあり得べきことでない。それが今のような、大臣がそう言つていると聞いておるというようなことは、何か大臣が閣内に列席しておられぬようなことがうかがわれるし、ほんとうに大臣としての立場を自覚しておられぬようにうかがうのです。はたしてそれで大臣はよろしゆうございますか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 大臣としての自覚とか、人間としての自覚とか、そういうことについては、私考えております。大蔵大臣の言うことは、委員長が私に、大蔵大臣が予算のことは承認したと言われれば、この委員長の言葉を信頼して、私はそれでさしつかえないと思います。

小林信一改進党

○小林(信)委員 大臣のお考え、御決意、私たちも想像しないわけではないのでございますが、しかしほんとうに国民の立場からひとつ大臣もお考え願いたいと思うのです。一野党の発言だというふうにお考えにならずに、委員長がそう言つたからそれを信ずる以外にないということでは、決して私は国民が了解しないと思うのです。大臣同士ではないですか。大臣に直接お聞きになる、あるいは文部大臣が国会の決定通りに従つて行くというならば、大蔵大臣を説得することさえ、大臣としてはしなければならぬわけです。私は今のお言葉は、理は通つておるようでありますが、しかし教育は、あらゆる教育者にその熱意を要望しなければならない、努力を要望しなければならない、こう思うのです。その点、大臣としては、当然そこまで努力されるべきものだと思うのですが、しかしこれ以上私は大臣にお伺いいたしません。  そこで、大臣がそれほどまでに決意をするような重大な話をされたわけですが、それに対して委員長は、今の文部大臣のおつしやつた、責任を負えるような実体を持つておいでになるわけなんですか、委員長にお伺いいたします。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 お尋ねの意味がちよつとわからないのですが、重大なる何とおつしやつたのですか。重大なる決意を大臣がされるようになつた……。

小林信一改進党

○小林(信)委員 もう一度申し上げます。要するに大臣は、この問題は大蔵大臣が財政的な裏づけをされるということを言つた以上は、これはできると思いますと言う、その文部大臣としての重大なる責任を果す、その基礎を委員長から聞いたわけなんです。委員長がそれを話したわけなんですね。従つて委員長は、財政的な裏づけは必ずできますということを大蔵大臣から確実に伺つておるのかどうか、これをお伺いするのです。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 私は直接大蔵大臣から伺つてはおりませんが、総務会の席上で、確実にできるという発言をされたそうであります。でありますから、必ずできると私は信じております。  それでは午後一時から大蔵大臣が出席されるそうでありますから、午前はこれで、午後一時まで休憩いたします。     午後零時十三分休憩      ————◇—————     午後三時六分開議

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  教育委員会法等の一部を改正する法律案及び教育委員会の委員の選挙の期日等の臨時特例に関する法律案の両案を一括して議題といたします。大蔵大臣、文部大臣に対する質疑を許します。質疑は通告順によつてこれを許します。小林信一君。

小林信一改進党

○小林(信)委員 大蔵大臣に来ていただいたのは、初めてなんですが、委員会、本会議等で、大蔵大臣が教育に対して非常に御理解を持つているということは、その都度お聞きしておつたわけなんです。大蔵大臣の責任で編成される予算案は、やはりそういう意味でおつくりになつておられると思うのですが、本年度の予算を拝見いたしますと、中央教育審議会というのが、文部省の要望で設置されることになつております。これは教育制度の改善につきまして、なおわが国の国情に照してみて、いろいろ検討することが必要であるという理由からして設置されているのですが、これは現政府が考えております日本の教育制度に対する基本的な方針を現わしたものであるし、その財政的な責任を持つておられる大蔵大臣にいたしましても、やはりこの観点からこの問題はお取扱いになつたと思うのですが、文部当局にこの内容等をお聞きいたしますと、この教育制度、そして日本の国情という二つの問題からいたしまして、独立した今日、いよいよこの点をここで一大英断を下して行かなければならぬ、その中に教育委員会制度の問題も入つているのだということが言明されているのです。おそらく大蔵大臣としましても、予算を計上する場合には、この点が一つの教育制度への基本的な態度としてお臨みになつたと思うのですが、この点大蔵大臣はどういうふうにお考えになつておられますか。この際お伺いしたいと思うのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 御質問の重点がどこにあるか、ちよつと解釈しかねるのでございますが、御質問に対しての私の想像は、教育委員会の答申等についてどういう関心を持つているか、こういう御質問かと思つてお答え申し上げます。もちろん、教育委員会の審議の様子、あるいは審議の結果につきましては、それぞれ聞き及んでおります。しかもまた内閣の政策の最も重要なものの一つとして、教育の振興ということは考えておりますので、他の経費その他を勘案しまして、できるだけ教育予算につきましては、重点的に考えて来ておるのであります。

小林信一改進党

○小林(信)委員 私の質問が悪かつたようなお話ですが、私のお聞きしたいのは、日本の教育制度は、ここで日本の現状に照して検討しなければならぬ、こういう意味で中央教育審議会というのを政府は設けて、そうしてここで真剣に日本の現行教育制度を検討しようという考えで出発されておるわけなんです。これに対して大蔵大臣は予算を計上しておられるわけですが、その教育制度の改善の内容としまして、教育委員会制度のやはり改善、考究、検討ということが当然含められておると思うのですが、大蔵大臣としてはこの点いかがお考えになつておつたかと私はお伺いしておるのです。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 教育委員会の問題を教育制度の研究の題目としてお考えになつているとは、私も想像いたします。しかし御質問の点が、教育委員会についてどういう気持を大蔵大臣は持つているかという御質問につきましては、私は予算の計上の場合におきまして、現行法を見て計上いたしております。(「文部大臣への質問と間違えぬようにしろ」と呼ぶ者あり)

小林信一改進党

○小林(信)委員 今与党から御意見がありましたように、あまり立ち入つてお話を聞くと、わかりにくいかと思いますが、教育政策の根本的なことは、やはり大蔵大臣が基本的にお持ちになつておる、こう私は考えるわけなんです。最近この教育委員会法一部改正の問題が審議されるにあたりまして、政府は今のように日本の教育制度をここで慎重に考えて行きたいというのに対しまして、与党が、教育委員会制度はこの際検討する必要はない、向う一年延期する必要はない、ここで現行法通り実施すべきである、こういう意見が出たわけであります。それには相当な費用がかかるのだが、その費用を大蔵大臣は出すとおつしやつたそうです。出すということについては、これはまた別の問題ですが、政府の政策として、かかる態度でもつて行こうとすることを簡単にかえるということに対して、いかに教育直接の大臣でなくとも、予算を持つておられる大臣として、やはり基本的な態度は持つておらなければならぬと思ので、その点大臣にお伺いしたいわけなんです。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 教育委員会のあり方につきまして、私の方では一応きまつておるのであります。それを御承知の通りに一年延ばそうとするということが問題になつておると思います。しかし、これを延ばすか延ばさぬかにつきましては、われわれが一応検討いたしまして、延ばすようにしようかという結論のもとに、法案を御審議願つておるのであります。しかるところ、国会において一年延ばすより根本法に返したがいいという議論があるということを聞き及んでおります。その場合に、予算的措置をどうするかという御質問を、これは非公式でございますが、受けました。国会の方でそういうふうにおきめになるのならば、これはわれわれとしても善処しなければならぬ、こういうことは申し上げておるのであります。

小林信一改進党

○小林(信)委員 先ほど文部大臣も、同じような答弁をされたのです。国会  の審議においてそういう結果になれば、やはり予算の措置はしなければたらない、こうおつしやるのですが、これは文部大臣にしても大蔵大臣にしても、一応そういう態度は、行政官として当然あり得べきことなんですが、しかしそこにはおのずから限度がある思うのです。そういうぐあいであるならば、大蔵大臣に詳細にこれからお伺いいたしますが、大体この教育委員会を設置するために、どれくらいな費用が必要か。これは交渉を受けたと思うのですが、お伺いいたします。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 正式の交渉は、私はまだないかとも思います。まだ法案が通つていないので、法案が通りましたならば、予備金支出あるいは適当な方法で考えなければならぬ。事務的には内々で話があつたかと思うのでありますが、こまかい数字の点でございますから、事務当局から返事させることにいたします。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 教育委員会の選挙の経費は、地方財政平衡交付金の算定の基礎として計算いたしておりますのによりますと、十七億円ばかりであります。今回市町村にまで選挙が及ぶということになりますと、全体で二十二、三億程度かかるじやないかというような話を、地方財政委員会から受けております。そのほか委員会ができますと、委員の費用その他がいるわけでありますが、これは町村の場合におきましては、実費弁償の制度もあるようでありますし、また兼務制度も許されておりますので、これは町村々々のおのおのの事情でおやりになることとして、ちよつと幾らというふうに的確に申し上げるわけには行かないのであります。

小林信一改進党

○小林(信)委員 まだ本会議においてこれが決定しておらぬから、正式な詳細な交渉は受けていない、こういうふうなお話ですが、もちろんそれはそうでしよう。しかし、今ここに立ち至つた実情から考えてみれば、当然与党の意見というものは通つて行くわけなんです。従つて実現することは明らかなんですが、そうなれば、事前において一応概略的なもので相談になるのではなくて、相当しさいな検討がなされておると思うのです。その点与党におきましても、大丈夫だということを言つておるのですが、私たちは出すことはどうであつても、しかしそれが国家財政に影響するとか、地方の財政状態に影響するとかいうことを、やはり考えて行きまして、はたして可能か可能でないかということが疑問になつておる。それを今お伺いしておるわけです。ただいま選挙を行うために二十何億必要だ、こういうお話を承つたのですが、文部省の方からお伺いしますと、四十億くらいかかる、こういう御意見です。この点文部省の意見が正しいのか、あるいは地財委の意見が正しいのか、われわれとしても今のところ迷うわけでありますが、大蔵省としては、その点いずれを正しく考えて計上されるか。  それから現在ある都道府県の教育委員会に対して、文部省は相当な経費を計上して、その育成補助に当つておるわけなんですが、これを全国の市町村に設置するといたしますと、相当な額が予想されるわけなんです。これに対して文部省は、私たち伺つたときには、大体二十億くらいは計上してもらわなければならぬということを言つております。それから、市町村で教育委員会を設けますと、その運営維持費といたしまして、最小限度百二、三十万かかる、こういうことを言つておりますから、それを全国的に合計いたしますと、これも厖大な額になるわけであります。この問題は地方財政の負担でありまして、これは平衡交付金等に相当考慮されなければならぬ問題だと思うのですが、こういう点をお考えになつておられるかどうか。そのお考えになつておる点はどこの意見でもかまいませんが、できましたならば、その額を御明示願いたい、まずこれをお伺いいたします。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 経費の点につきましては、これは法案が通りましたならば、その法律に従いまして、適当な組み方をいたさなければなりません。文部省から、もし——法案が通つて、各市町村に全部置くことになつた場合の経費につきましては、いろいろな見方があると思います。ただいま主計局長も申しておりますように、町村におきましては、委員に実費弁償的な給与にするか、あるいはまた事務に当る人を兼務にするかどうか、こういう問題で経費がよほど違うのであります。一町村にずつと五人いて、そうして給与制度で行つた場合、一人二万五千円も出すというようなかつこうになりますと、一町村で百何十万円ということになりましようが、私はそういう点は、やはり国、地方の財政等を考えて適当な金額にしなければならぬ、こう思うのであります。要は、教育委員会制度はどうあつたが一番いいかということをおきめ願えれば、予算はそれにマツチいたしまして、他の事情等を勘案しながら適当な額を計上するにやぶさかではございません。(「それでいいだろう。」と呼ぶ者あり)

小林信一改進党

○小林(信)委員 今の大蔵大臣の教育財政に対する経費の支出というこの御態度は、われわれ教育に関係する者はうれしく思うのでありますが、与党の諸君が、それでいいだろうと言う。確かにほんとうにそうであれば、私異議ないわけであります。しかし、今までの教育財政に対するところの大蔵大臣のとつて来られた過去というものを考えてみますと、これは不安でならないのです。不安ばかりでなくて、かつて大蔵大臣は教育財政に対しては非常に、何というか、寛大でなかつたのです。なかなか削ることにやぶさかでなかつたように思うのです。今のように支出することにやぶさかでないというようなこととは、かつての大蔵大臣の業績が違つておるわけなんです。またがつてわれわれが国民の声として、大蔵大臣に老朽校舎を何とかしてくれぬか、あるいは新制中学の建設を早くして、〇・七坪を完成させてくれといつたようなことをお願いしたときには、なかなか国家財政が許さないのだ、君らのそういう簡単な要望にこたえておつたら、国家財政がもたないのだというようなことで、いつも削られ削られ地方民は泣いておるわけだ。結局六・三制というものに今日大蔵大臣は熱意を持つておるとおつしやるけれども、私はある点地方財政の犠牲でもつて出ておるというような感がするのです。こういう点から考えて参りますと、今大蔵大臣が、簡単に国会でもつて決議をしたら、これに支出することはやぶさかでないというようなことを言われるのは、これは非常に軽率だ。かつての大蔵大臣のやつて来た教育財政捻出の仕方と、非常に矛盾しておると思うのです。ことに、そちらにおいでになる文部大臣が、これほど天下の輿望をになつて大臣の職にあつて今日まで来られたわけでありますが、その文部大臣が、その抱負、経綸を日本の教育行政に実現し得なかつたということは、一はそういう大蔵大臣の教育に対する予算の捻出の仕方が、私は災いしておるだろうと思うのです。そういう点からして今簡単に要望に応じますということは、私は大蔵大臣としてほんとうに腹から出しておられるのか、疑わざるを得ないわけなんです。ただいまお話の中でなされておつた点で、この教育委員会制度を実施するために、町村の支出は非常に増加するわけです。これに対しましても、当然平衡交付金等で、何らかの措置をみてやる御意思があるかどうか、お伺いいたします。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 私の教育に対しまする考え方について誤解があると思いますので、一応申し上げておきますが、私は予算の査定にあたつて、文部省予算、教育予算ほど査定を少く加えた予算はございません。六・三制の問題につきましても、今年度で目標を完遂したのであります。残るのは学童、児童数のふえるのを来年度においてやろうと、私は熱意を持つて六・三制の実施にも当つております。その点は、今までの内閣のしないことを私はやつておると、確信を持つておるのであります。また余談でありますが、義務教育費国庫負担につきましては、この大蔵大臣が一番先に賛成したということを申し上げておきます。それから重大な懸案でございましたが、私は義務教育の教員の給与半額負担は大賛成である、こういうことは文部大臣も御承知の通りであります。それに対して、反対をしたことはない。私は、文部大臣が就任された当初から、文部省の予算はできるだけ他を排しても認めます、こういうことを誓約したことは事実であります。結果におきましては、それはこの難局でございますから、要求通りを認めるわけにも、もちろん行きませんが、しかし、できるだけ文部省の、ことに教育予算については努力したいと考えるのであります。御質問の教育委員会制度を改めますことによつて、市町村の経費がふえるということになりますれば、当然ふえるべき経費は市町村の収入でまかない、まかなえない場合は平衡交付金でまかなうということは、法制上明らかなことでありますので、先ほど答えました通り、出すべき金は出します。

小林信一改進党

○小林(信)委員 大臣は非常に教育に対して御熱心であつた、こうおつしやるのですが、しかし、実際に地方の意見を聞いておりますと、大臣自身がおつしやるほどでない。やはり地方の教育に対する犠牲は大きいものであつて、六・三制の〇・七坪は完成されておると申されますが、実際文部省当局は、〇・七坪は完成の域に達しておらないことを、この委員会で言明しているわけであります。ことに老朽校舎等の問題に対しましては、今危険な状態の中でもつて、地方では教育を続けているわけであります。こういう点もやつたら、それは大蔵大臣、おれはその点ではいささかも遺憾がないのだということがおつしやられると思いますが、まあそういうように私が言えば、今度は国家財政の問題で大蔵大臣逃げるかもしれない。それはとにかくとして、先日の義務教育費国庫負担法の問題ですが、もしそれだけの御熱意があるならば、あんなだらしがない修正案をつくらせなかつたのじやないかと私は思う。文部大臣の畢生の仕事として、あの仕事は考えておられた。ところが与党から出された原案が、それが大蔵大臣の忌諱に触れたのかもしれませんが、ああいう骨抜きの形になつた。いわゆる卵のからになつてしまつたのであります。ああいう点から考えて、大蔵大臣は教育財政に対してほんとうに献身的にやつておるとは、言われないわけであります。その方が、今教育委員会法が通るならば、そのために地方財政の負担が多くなつて、耐え切れなかつたらそれをひとつ見てやろう、選挙費もかかるならば見てやろう、あるいはその育成のために、費用がかかるのならば出してやろう、こういうことを簡単に言われておるのでありますが、まことに私どもとしては、大蔵大臣の過去から考えて、非常に疑わざるを得ないし、またこの教育委員会法の予算を大蔵大臣がいさぎよく出すというならば、もう少し大蔵大臣は教育制度、教育の現状——校舎の問題もある、給与の問題もある、あるいは本の問題もある。教科書等は、父兄が泣いております。こういう問題に対して、政府がいかなる措置をとつておるか、また文部省はどんな希望を持つておるかというようなあらゆる問題を勘案されて、大蔵大臣がその財源の支出を考えなければならない。これは一大蔵大臣の教育に対する理解とかなんとかいう問題じやない。国民の税金の妥当なる使い道を見つけることが、私は大蔵大臣の使命、責任だと思う。そういう点からして、大蔵大臣があらゆる教育情勢を勘案して、それに対して予算を出すことを何よりも優先すべきである、こういうお考えであるかどうか、お伺いいたしたい。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 教育予算を何よりも優先的に出すことが適当であるという御質問に対しまして、私は答えようがございません。私は文部省の要求の予算は、全部出すとは申し上げられません。しかし、先ほど申し上げましたように、教育制度の改善普及発達ということは、わが吉田内閣の重要な使命の一つでございます。そういう考えのもとに従来までやつて来たのであります。どの省から申しましても、どの仕事から申しましても、これで十分だということはない。いつの世、どこの国に参りましても、要求通り大蔵大臣が予算を出すというわけのものじやない。やはりその内閣、その政党の主義主張によりまして、それを勘案しつつ組んでおるのであります。しかして吉田内閣といたしましては、教育の振興、刷新は、一つの最も重大なものにしておるのであります。そういう考えのもとに従来も予算を組んでおつたのであります。私がここで予算を出すとか出さぬとか言つたつて、それは当てにならぬ、こういうような話なら別でありまして、私は国務大臣としてこの国会で申し上げております。一旦言つたことは実行いたします。

小林信一改進党

○小林(信)委員 私の今の質問は、そうでなかつたのです。そういうことが県財政に対する一般国民の考え方であるという点で、私は意見を言つたのです。  最後に、今私が大臣にお伺いしたのは、あらゆる教育政策をながめて、この教育委員会制度に費用を出すことが現在の段階で優先すべきことであるという断定のもとに、あなたはその費用支出を了解されたのかどうかを、私はお伺いしたい。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 政府の提案よりも違つた法律になつた、また政府が出さず国会から出した法律案も、御承知の通り相当あるのであります。その一々の変更されたあるいは新しい法律につきまして、お約束はいたしておりませんが、この問題につきましては、必要な金は出します。ここでこう申し上げておきます。

小林信一改進党

○小林(信)委員 最後に、一つはつきりお伺いいたします。これはほんとうに国民の大事な税金でありますが、これを大蔵大臣が自分のものなんだというふうにお考えになつて、これこれに出す、こうおつしやるのですが、選挙費に四十億かかるという文部省の見解、これを育成するための費用二十億という見解とはつきり私は聞いておるわけなんです。それから地方財政に影響するものが私の推定では百億と考えられるわけです。さらに今、教育長だとか、あるいは指導主事あるいは管理主事だとか、この点大蔵大臣は委員会制度というものにつきましては全然お知りにならぬようですが、教育委員に対しては、給与というのはないのです。出しておつても、それは報酬なんです。これは法律で明記されておるのであります。その点は、大蔵大臣御心配にならなくてもいいと思うのですが、しかし、教育長だとか指導主事あるいは管理主事だとか——これは自由党の諸君が教育長なんか何でもいいんだ、校長が兼任すればいいんだとか、あるいは指導主事、管理主事は県の指導主事を使えばいいんだというようなことを簡単に言つておりますが、法律では、そういうことは許されておらないのです。そういう問題をながめてみると、相当な費用がかかるし、その教育長なんかは、現在一万何千という人間が必要なんですが、今のところ千何ぼかしか資格を持つた者がないのです。これを急激に養成しなければならない、その費用というものは、莫大なものだと思うのです。しかも、これは三箇月の期間が必要だとか、あるいは何々課目をとらなければならぬとかいうふうな、なかなかむずかしい問題があるのですが、そういう費用も、大蔵省はお考えになつて出すというのですか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 これは速記に載りますと、あなたのお話の選挙費用が四十億円いるとか、あるいは委員会費用が二十億になるとかということが前提になりまして、それを出すということになりますと、四十億円とか二十億円に縛られてしまいますが、先ほどから申し上げておりますように、適当な必要な費用につきましては出します、そう言つておるのであります。ただいま法案が通りましてから後に、いろいろな実際的な問題を検討して、そうして教育委員会というものを市町村に置いた場合におきましての必要な経費は、私として出しますと言つております。

小林信一改進党

○小林(信)委員 大蔵大臣は、速記に載ると、自分がそれでもつて縛られるから出せないんだ。しかし、必要な経費は出すと明言しておるから心配するな、こうおつしやるのですが、おそらく自由党が提案して修正して出したところの例の義務教育費国庫負担法、あれと同じような結果に終るんじやないかと思う。いたずらに他に目的を持つて、こういう法律をあえて強行しようとするあの自由党の考え方というものに対して、国民の税金を集めてそれを使う大蔵大臣とするならば、もつと真剣に、自由党が何を考えて、この法律をあえて強行しようとするのか、考えなければいかぬと思うのです。しかし、それよりも大事なことは、それだと、大蔵大臣は公約される、ところがその公約というものは、この前の国庫負担法がそうです。幾ら出されるのか、いずれそれは政令できめる、こういう形でもつて葬られておる、大蔵大臣は、またああいう形にあえてされようとしておるのじやないかと私は思う。それが心配でもつて、今しさいにこの際幾ら出すかということを私は聞いておるのです。もし大蔵大臣がこまかい額を言うことができなかつたならば、そういう過去の一切の問題から考えて、ここで国民に忠実にその考えを披瀝すべきだと思う。従つて、推定でよろしゆうございますから、御答弁願いたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 私は義務教育費国庫負担の問題につきましても、いろいろな点を十分検討いたしまして、出す気持になつた法案しか賛成いたしておりません。ともかく義務教育費につきましては、いろいろな問題がありましたが、大蔵大臣として今引受けることにきめていい問題はこれだ、こういうふうに言つておるのであります。しかして、今教育委員会の問題は、先ほど来申し上げましたように、検討すべきいろいろな問題がありますから、ここでどれだけの金額というわけには参りませんが、教育委員会をやつて行くのに必要な金は私は出す、こういうのでございまして、こういう問題につきましては、この法律が通過いたしまして、予算案として審議するときに御検討願いたいと思います。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 あとがたくさんつかえておりますから、簡単に願います。

小林信一改進党

○小林(信)委員 簡単に申し上げますが——私は聞かなくてもいいのですよ。ところが与党の連中があいまいな話をしておつて——先ほどわかつたでしよう、文部大臣は何と答えたのです。大蔵大臣が出すと言つたら財源が出て来るから、おそらくここでもつて決定したものに対しては従うことができるでしよう。どこから聞いて来たと言つたら、委員長から聞いて来たと言う。委員長に聞いたら、これはおれは総務会長から聞いたと言う。そういうでたらめなことが、午前中この委員会にあつたのです。自由党の諸君は、いくら自分たちが聞いておつたからといつても、これはこの場合はつきり聞くべきです。ところが、聞いておらない。それは避けなければならぬ。一応出すといつて、ここでもつて法案を出して、そうしてあとで地方財政を混乱させ、ひいては教育を破壊させる。破壊活動防止法案を出したのですが、私は自由党の教育に対するところの破壊活動を防止する法案をつくらなければならぬと思つておる。そういう行為があえてなされなければならぬときに、大臣の御都合というようなことで、早くせよということでありますが、しかし初めて大臣に来ていただいて、この問題を皆が聞きたいと思つておる、できるだけ皆が納得するように質問をさせていただきたいと思うのです。私は自由党の諸君にかわつてやつておるような気持です。その点を御了解願いたい思うのです。(「われわれは頼んでいないよ」と呼ぶ者あり)その点はまたいずれ各委員から御質問があると思いますからおきますが、今この教育委員会を設置することに対して、町村長会も反対なんです。それから各県あたりでも、県会の決議で設置に対して反対の意見を続々と出しておるような状態なんです。これは何がその原因かと申しますと、教育そのものももちろん考えておるのでしようが、地方の財政という見地からして反対しておるのです。そういう一般国民、あるいは地方団体の考えというものを、大蔵大臣は十分お考えになつておるかどうか、お伺いいたします。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 賛成、反対のいろいろな声は聞いております。しかし、最近の声は、私の聞いたところでは、ほとんど賛成でございます。しかも国会の方でそういうふうに御決定になれば、私も賛成いたします。

小林信一改進党

○小林(信)委員 国会でどういう審議の結果になろうとも、やはり大蔵大臣とすれば、大事な国民の金を預かつているのですから、そういう地方の団体あるいは国民の声を重視されておるということは、今の御答弁で私もわかりました。しかし、その意見の聴取の仕方というものを、今明言されたのですが、私は非常に実態に即しておらぬのじやないかと思う。しかし、大臣がそういうふうに御聴取になつておるとするならば、私はそれもお聞きしなければならぬのですが、どういうところからどういうふうな形でお聞きになつておるか、具体的にお話願いたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 だれから、どういう陳情があつたということは、私はここで申し上げたくないと思います。ただいろいろな陳情があつたことは確かであります。

小林信一改進党

○小林(信)委員 今日あたりも全国市長会議が開かれておるのですが、この全国市長会議でも、地方教育委員会設置に対しては、反対という意向が出るように私は承つております。そういう中で、大蔵大臣がみんな賛成しておるように言うのですが、これを政府の情報資料とするところのものは、与党の諸君がいろいろ捏造する。と言つては語弊があるかもしれませんが、無理にりくつづけるようなことに大臣がとらわれたらたいへんです。ほかの問題ももちろん大事なんですが、とにかく日本に地方教育委員会というものをつくつて、これで全面的に日本の教育をやつて行こうという重大な問題なんですから、これは日本の将来に非常に影響することです。そして日本の再建の基礎に対しても、これが影響をすると思う。それを大臣は、何となく聞いたというようなことで、その方が正しいだろうという御見解ですが、ほんとうの国民の声というものは反対しているのだ、それをあえて強行するのだが、しかたがないというようなお考えだと思う。しかし、そういうためにこの財源が使われたり、またそのために日本の教育が破壊されるようなことをしたならば、大蔵大臣は、われわれは教育に対して熱意を持つて来たとおつしやるが、そのお考えを自分自身で傷つけられる結果になるのではないかと思うのです。とにかく大臣の出すところの金というものは、大事な金であること、これがむだに使われて日本の教育がかえつて破壊されるような結果になることを、私たちは恐れているわけですが、大臣としても、この際慎重な態度をとつていただきたいことを希望いたしまして、私の質問を終ります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 ちよつと皆様にお諮りいたしますが、大蔵大臣は四時からのつぴきならぬ約束があるそうです。それで質問の通告があと六名ございますので、どうぞできるだけ簡単にお願いいたします。  平川篤雄君。

平川篤雄改進党

○平川委員 ただいまわが党の小林委員が、簡単に真意をただしたのでありますが、そばから聞いておりますと、選挙費だけは何とか見る、これだけはわかりました。ところが、あとの委員の手当、報酬、それから事務の吏員等の費用については、実費弁償の手もあるし兼任もあるから、これはわからないということは、出さぬかもしれぬということなんです。それで文部省が計上しておると私が考えますものは約十六億円あるのでありますが、これですら主事が一名分しか見ていないで、あとは委員のものである。そうすれば、一体事務局というものは法律通りやれるか、あるいは自由党の諸君が考えているように、地方の教育を進歩させるものであるかということさえ疑わしいのである。ところが、先ほどの御答弁では、そういう財源すらも、実際の月ぎめの給与ではなくして、実費弁償であるとか兼務であるとかいう方法があるということを言つているのは、私は納得ができない。どこまでも、ただいまの教育制度よりかもつとよくなる、プラスになるという考えで、予算は幾らでも出すという意味か、そこをはつきり聞かせていただきたい。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 各町村におきます教育委員のあり方につきましては、法律上五人ということになつております。これはそれ以上いる場合もあるかもわかりませんが、また地方、国の財政によりまして、将来それ以下になり得る場合もあると思います。従いまして、この法案が通りまして市町村に教育委員会を置く場合におきましては、地方自治庁並びに財政委員会、あるいは文部省等々と十分検討いたしまして、その金額につきましての御審議は、次の国会で御検討願いたいと思いますが、ただいまは必要な経費につきましては、出すにやぶさかではないと申し上げておきます。

平川篤雄改進党

○平川委員 九月十五日には、五大市以外の二百五十九市について選挙告示をしなければなりません。また九月二十五日には九千七百八十八箇町村について選挙告示をしなければならぬのであります。そういたしますと、これは今までのいろいろな議員立法なんかとは違いまして、予算措置というものは、かりにそれは正式にはできないにいたしましても、相当な計算の基礎というものは前もつてできていなければならぬ。なぜかと申しますと、各町村が教育委員会を設置するとは限らぬのである。場合によつては二、三箇町村が一緒にやらなければならぬ場合もある。だから、こういうような相談は、今すぐに始めましても、決して早過ぎることはないのである。しかるに今からいういろいろな事務的なことをやつて、はたしてこの九月十五日、九月二十五日に告示が迫つておる問題の事務的なことが、ほんとうにできるかどうかということが問題である。それから、ただいま大蔵大臣は、予備費その他でやると言われておりますが、大体二十三億円というものは選挙に必ず必要なのであります。それは三十億円の予備費の中から支出せられることはよろしいといたしまして、そのあとの費用は、大蔵大臣は次の国会と言われますけれども、一体補正予算をいつお組みになるか、これをお聞きしたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 選挙費用等に対しましては、一応十七億円を平衡交付金に予定しておりますが、それが人員その他がふえまして、投票用紙の面積も大きくなつたり、経費がいるというので六億円の要求があります。新たにこの六億円をどうするかという問題があなたのおつしやるように焦眉の急だと思います。これは予備費で出して出せないこともございませんし、もちろん平衡交付金手数百億円のうちの一部から出し得るのは、今までの例でもあり得るのでありますから、そういうかつこうで行けると思います。しかして次に給与の問題につきましては、今お話のように三、四箇町村一緒でやる場合もありましようし、また大きい町村は一町村でやる場合もございましよう。しかしてその給与の出し方につきましては、確定次第従来の平衡交付金のうちから一応出しておいていただいて、そして今国会の終りました後にまた適当の措置を講じたいと思うのであります。

平川篤雄改進党

○平川委員 臨時国会を開いて補正予算を出される意思はどうでありますか。それをはつきり聞かせていただきたい。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 その金がいついるかという問題は、臨時国会がいつ開かれるかという問題と、通常国会がいつ開かれるかという問題できまる問題でございまして、今あなた方がこの法案を御審議なさつて、そして十月の選挙に支障のないような万端の予算措置はいたすことを、言明いたしております。

平川篤雄改進党

○平川委員 ただいま地方税も減税の方向に進んでいるし、これらの費用というものは、結局全部が国で見なければならぬということになると思う。聞くところによると、剰余財源は約六百億である。その中の半分は使用することができない。三百億円の中で、今申しましたように少くとも百数十億に及ぶこれらの費用を出すことを、大蔵大臣はほんとうに確言できるのでありますか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 百数十億になるかどうかはわかりません。しかしてまた地方税の軽減がいつから行われるか、まだはつきりしておりません。従いまして、地方の財政状況また今年度の国の状況等を勘案して、そうして成案を得て御審議願いたいと思います。

平川篤雄改進党

○平川委員 われわれは最近いろいろな議員立法等におきまして、常に大蔵省の態度を見ているのであります。たとえば義務教育費国庫負担法の問題にいたしましても、聞くところによると、二億円ばかりの起債分の利子を、大蔵大臣がけちけち言われて、それがだめになつたということを聞いている。あるいは最近の恩給不均衡の是正の問題でも、約二億円ばかりのもので相当これがひつかかつたのである。しかもこれをやるのに、十月からやらなければならぬのを、補正予算を組むという建前を立てることができない。だから、そのようなことは法律に書くことができないから、従つて、おそくとも一月分というような表現までして大蔵省はそれを切り抜けているのであります。いつも補正予算を組まない、そういう建前で今までやつて来ておられる。私は大蔵大臣はこの席に来て、われわれの質問に対して、いまさら通常国会が開かれている最中に、補正予算を出すなんというような不見識なことは、よもやおつしやろうとは予想していなかつた。ところが、きようはまことにはつきりと御言明なさつて、与党の諸君は手をたたいている。何です、それではこの間の予算というものも、もうこの国会中に、あなた自身の口から否定なさるのですか。それであるならば、初めからこの教育委員会法の一箇年延期という建前のもとに組んで来られた予算というものを、どこまでも固執せられるのがほんとうじやないか。私はそういうような食い違いの点に、小林委員がさつき申しましたように、あなた方大蔵省当局の支離滅裂な態度を指摘せざるを得ない。従つて、信頼できないのである。そこをどういうふうにお考えになつているか、はつきり聞かせていただきたい。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 私は支離滅裂なお答えはしていないと思うのでございます。補正予算をいつ組むとは言つておりません。本国会で補正予算を組む考えはないとということは、従来言つている通りであります。しかして、今の教育委員会法の修正によりまして経費がいる場合におきましては、万全の適当の措置をとる、こう言つているのでございます。もし補正予算を今国会に組むと言つておりましたら、その私の言は取消しますが、取消すことはないと思います。

平川篤雄改進党

○平川委員 ちよつと関連いたしますから文部大臣に一言確かめておきたい。それによつてもう一ぺん大蔵大臣にお聞きしなければならぬ。  文部大臣は、きようの午前中の委員会におきまして、やることに反対をするのではない、但し研究をしたいから、それで延ばすという考えであつた。研究をするということは、明らかにこれは、ただいまの自由党が否決することによつて成立する法律、それに何と申しますか欠点を見出しておられることであると私は了解をいたしております。従つて、ただいま大蔵大臣の答弁によると、予算面から、文部大臣の御意図にもかかわらず、むしろ私は悪くなるのではないかと思われるような節があると思います。そこで、この際文部大臣にお聞きするのでありますが、一体文部大臣が賛成をせられるのは、ただ漫然とこれを否決するということにも賛成をされるのではなくして、内容が悪くならないという程度でそれは考えているのかどうか、ここを私は文部大臣にちよつと確かめておきたいのであります。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私は一年延ばして研究した方がよい、教育委員会というものはいろいろな問題を持つているから、ひとり市町村につくるという問題だけでなく、いろいろな問題を持つているから、延ばす方がよいという考えなんです。そういう考えをどこまでも持つているのに、ここで延ばさないと言えば、その点においては相当反対であるけれども、国会でおきめになれば、私はそれに従う、こういうことを申し上げているのであります。

平川篤雄改進党

○平川委員 文部大臣はけさまでは、これは大蔵大臣の口から直接お聞きになつていたのじやないのであります。しかるに、ただいまは大蔵大臣から聞かれたのであります。そこで、ただいまの大蔵大臣の答弁によつて、文部大臣は教育的にどういうふうに考えられるか。われわれでさえこの教育委員会法がもつと悪い影響を与えるようになりはしないかということを心配をしているのでありますから、まして文教の衝に当つて大責任を持つておられる文部大臣が、それについていろいろな御心配がないはずはないと私は思う。今も私がちよつと指摘いたしましたように、文部省が出したと伝えられております約十六億余に及ぶいわゆる事務費、こういうものを見ましても、私はこれは不十分なのではないかと思われる。大体事務員というものを考えられていない。それから事務をとる庁舎の問題が考えられていない。そういうようなものをお出しになつているのにもかかわらず、それもまた削られそうな運命にある。また同時に、今小林君が主張いたしましたように、教育長にその人を得るということが一番大事な問題である。しかるに、その教育長は、いろいろな兼務でもよろしいというような考え方も、今大蔵大臣が言われたが、はたして文部大臣の立場として、そういうことをお許しになる気持があるのか、これをお聞きしたい。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私は、初めから言つているように、そういう点にいろいろな問題があるから一年延ばそう、けれども、国会が延ばさないとおきめになれば、それに従うよりほかはない、こう申し上げております。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 皆さんにお諮りいたしますが、大蔵大臣はやむを得ない用事で、四時にここを立たなくてはならぬそうです。それから文部大臣は五時までここにおられるとのことでありますが、ちよつと理事の方お集まり願います。     —————————————

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 席についてください。     〔発言する者、離席する者、議場騒然〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 御着席を願います。——御着席を願います。

高木章自由党

○高木(章)委員 ただいままでの質疑応答によつて、大体十二分にわかつたような感じがいたしますから、この辺で質疑打切りの動議を提出いたします。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 ただいま高木君より質疑打切りの動議が出ましたが、質疑を打切ることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 それでは質疑はこれにて打切ることにいたします。  次に、小林信一君外四名より、本案に対する修正案が提出されておりますので、この際修正案につきまして提案理由の説明を求めます。小林信一君。——小林信一君、提案理由の御説明を願います。     〔臨席し、発言する者あり〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 小林信一君、御説明ございませんか。     〔離席し、発言する者あり〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 それではしばらく休憩いたします。     午後四時三十三分休憩      ————◇—————     午後五時二十二分開議

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 休憩前に引続き、再開いたします。委員長所労のゆえをもつて、私が委員長代理を勤めさせていただきます。理事会における結果をお知らせいたします。理事の各位と御協議いたしましたが、結論が出ませんでした。右御報告申し上げます。

門司亮日本社会党

○門司委員 議事進行について……。ただいま委員長から理事会の御報告がございましたが、私はこの際議事の進行をはかりますることのために、一言申し上げたい。理事会で意見のまとまらなかつたというその最も大きな原因は、先ほど本委員会において、審議が十分に尽されていないにもかかわらず、与党の多数の諸君によつて質疑が打切られたということが、その最も大きな原因であります。従つて、もし本委員会を円満に遂行しようとするならば、この際委員長は、さきに行われました動議を一応撤回するか、あるいは本案に対しまして、これを当委員会で再審議の形においてこれが審議を進められんことを私は望むのであります。その理由といたしましては、先ほど来から、本委員会はいろいろな意見は出ておりますが、最も重要な意見でありまする、この案がもし自由党の諸君のお考えになつておりますように、原案が否決になりました場合におきましては、ただちに全国の一万有余の町村に、選挙を十月の五日までには行わなければならないという結果に相なつて参るのであります。従つて、これが地方の自治体に及ぼします影響は、きわめて甚大であります。単に予算の問題だけではありませんで、その自治体が執行いたしまする選挙の煩雑、さらに自治体といたしましては、それらの十分の心構えもなければならない。こういう問題を一々われわれが考えて参りますならば、この問題は、単に本委員会でこれを否決するとか、あるいはこれを可決するとかいう問題だけではございませんで、近い将来には選挙法の改正もやはり行われるということが当然出なければならない。従つて本日ここで、現行選挙法に基く選挙費用その他の議論を大蔵大臣にいたしておりますが、実際問題といたしましては、やはり選挙法改正後における選挙が行われるということになつて参りますと、おのずからその内容も異ならなければならないと考えておるのであります。同時に、私どもはさらに今日公職に対しますいろいろな国家公務員法、あるいは地方公務員法等も改正をいたされておりますし、さらに教育職員に対しましては、教育職員免許に関しまする法令等も、やはりこれに関連性を持たないとはいえないのであります。従つて、文部大臣がもし自分の発案されたものがなされない、そして文部省から出して参りましたというよりも、むしろ政府の出して参りました原案が、与党の諸君の手によつてこれがくつがえされて来るということになつて参りますと、これらの諸法案に対しまして、文部省といたしましては、やはり心構えをしなければならないことは当然であります。従つて、われわれはこれらの問題につきましても、やはり当然ここで十分に審議をする必要があつたのであります。しかるに、これらの問題が何ら十分に審議をされないで、ただちに質問を打切られたということは、実際上この問題を真剣に私どもは審議したとはいえないのじやないか。ことに大蔵大臣にいたしましては、本日初めて大蔵大臣が出られたのである。この初めて出られた大蔵大臣に対して、おのおのの政党は、公党としてやはり一党の責任を背負つてここに出て参つております委員が、十分に自分の党の意見、自分の党の持つておりますこの法案に対する考え方を述べて、この所管大臣であります財政の問題を処理しなければならない大蔵大臣に対して、意見をただすことのできなかつたということは、一体委員会の運営の上に、これほど大きな侮辱と同時に汚点を残すものはないと私は思う。少くとも国会が国民のおのおのの代表の集まりであり、各政党の代表者が参つております以上は、その意見が十分に尽されて、その上で、私どもは処置するということが当然でなければならない。ことに今日までの審議の状態を見て参りますと、今日におきましても、午前十時に招集されております。われわれ野党といたしましては、その定刻に大体参つておるのであります。しかるに、与党の諸君がここに参らない。そうしていたずらに時間を空費すること一時間半であつたということであります。さらに大蔵大臣にいたしましては、所定の時間に、われわれは十時を要求いたしましたときに、午後からでなければ出られないということであります。しかも、それは本会議の都合によつて、さらに三時からでなければ出られないということになつておる。一体大蔵大臣はここに何時間おられたか、一時間はいなかつたのでございます。こういうことで、ほんとうに私どもは審議は尽されていないと思う。ことに私は与党の諸君にお願いしたいと思いますことは、各政党の代表として、ここに委員として参つております者の意見が十分に尽されないで、これをただちに打切るということが、道義上あるいは実際上の問題として、良心的に皆さんはこれでいいとお考えになつているかどうかということであります。(拍手)少くとも私どもは国会における審議はやはり慎重に審議をして、おのおのの政党が条理を尽して、十分なる討議の上に行わるべきである。ことに私どもは百歩を譲つて、時間の制限等がもし与党において必要であるとするならば、その相談に応じないとは決して申し上げないのであります。この委員会を運営するためには、われわれはそれらの要求に応ずるという心構えは持つておるのである。それらのことが、ちつともはかられておらない。委員会あるいは本会議の状態においてもそうでございましよう。おそらく各委員会において、あるいは本会議においても、当然時間の制約等はなされておるのである。そうして各党が話合いの上で円満に議事の進行がされていることは、皆様も十分御承知の通りである。しかもこの法案は——何もはつきりきめたわけではございますまいが、本会議は今月の二十五日ごろでなければ大体開かれないということになつておる。そうなつて参りますならば、なぜ急いできようこれを上げなければならないのか、なぜ一時間、二時間を争うのか。こういうことで、しかも文教をつかさどつておる文部委員会が、この状態でこれを上げるということになつて参りますならば、国会の大なる恥辱だと考える。どこに一体……。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 門司君、議事進行ならば、簡潔に願います。

門司亮日本社会党

○門司委員 民主的な運営が行われておるかどうか。(「それが議事進行か」と呼ぶ者あり)議事進行の理由を説明しておるのである。(「もうわかつた」と呼ぶ者あり)私どもは文教をつかさどつております委員会が、こうした非民主的な委員会の運営をすることが一体教育上にどういう影響を及ぼすかということである。少くとも各政党のこうした意見を十分に聞かなければならない。大蔵大臣は、小林君の質問に対して、大体大蔵大臣の言つたことは……。(発言する者多く、議場騒然)それはわかつたということでありますが、われわれはかつて……。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 門司君、簡略にお願いいたします。

門司亮日本社会党

○門司委員 昭和二十四年の選挙の際に、当時地方において物価の値上りその他によつて、当然予定の費用では選挙することができないというときに、全国の各選挙管理委員会は、国の選挙管理委員会に対してその費用の捻出を依頼いたしました場合、選管はこれを十分負担するから、選挙だけはぜひ行つてもらいたいという通牒を発しておきながら、その後における一億八千万円という地方の財政負担に対しては、大蔵省は言を左右にしてこれをやらなかつたじやないか。こういう実例がある。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 門司君に申し上げます。門司君……。

門司亮日本社会党

○門司委員 これがもし……。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 門司君、門司君の発言を禁止します。     〔「委員長横暴だ」と呼び、その他発言する者、離席する者多く、議場騒然〕

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 それでは委員長の宣言の趣旨が十分わからなかつたようですから、ほんのしばらく許します。

門司亮日本社会党

○門司委員 それでは結論に入りたいと思いますが……。(発言する者多く、議場騒然)私はこういう実例を持つておりますので、従つて大蔵大臣の意見だけをこのまま信用するわけには行かない。従つて実際の執行にあたり、実際に教育委員会ができたあかつきに、地方自治庁の意見なり、あるいは財政的に分配しております財政委員会の意見を十分尊重して、さらにそれをここで十分聞きただして、その上でこれを採決していただきたいということは当然の帰結であると考えております。従いまして、委員長にお願いいたしますことは、先ほど一応動議の打切りは出たでございましようが、私は以上の理由をもつて、これを円満に遂行しようといたされますならば、委員長はこれを再審議にもどしていただいて、そうしてあらためてここに大蔵大臣の出席を求めて審議を進められんことを要求いたします。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 門司君にお伺いしますが、要するに先ほどの高木君提出の質疑打切りの動議、これが正式に成立したのですが、それを撤回せよとの動議ですね。

門司亮日本社会党

○門司委員 動議です。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 門司君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 起立少数。よつて門司君の動議は否決せられました。  小林信一君外四名より、本案に対する修正案が提出されておりますので、この際修正案の提案説明を求めます。(発言する者多し)小林君、発言を求めます。提案理由を述べてください。     〔発言する者多く、議場騒然〕

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 小林君、発言ありませんか。     〔「発言なし」と呼ぶ者あり〕

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 これより原案並びに小林信一君外四名提出の修正案を一括して討論に付します。首藤新八君。     〔「こんな委員会があるか」と呼び、その他発言する者、離席する者多く、議場騒然〕

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 静粛に願います。——首藤君、発言を願います。

首藤新八自由党

○首藤委員 私は自由党を代表いたしまして、教育委員会法等の一部を改正する法律案、教育委員会の委員の選挙の期日等の臨時特例に関する法律案について、反対の意思を明らかにするものであります。     〔委員長着席、岡(延)委員長代理退席〕

首藤新八自由党

○首藤委員 すなわち、反対の趣旨を一言にして申し述べますならば、現行法通りに施行すべきでありまして、延期するための改正案なぞ、絶対にその必要はないと認めるものであります。  憲法を貫く民主主義の大原則については、いまさらあらためて申し述べる必要もないのでありますが、教育委員会法第一条にも「教育が不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきであるという自覚のもとに、公正な民意により、地方の実情に即した教育行政を行うために、教育委員会を設け、教育本来の目的を達成することを目的とする。」と明記せられているのでありますが、それにもかかわらず、ここに提案せられました本法案の第一の要点は、市町村における地方教育委員会の義務設置を、さらに一箇年延期したいというのであります。何がゆえに延期せねばならないか、まことにその趣旨は不明確であります。  元来地方教育委員会の設置については、現行法によれば、今年の十一月一日以降は義務設置と、はつきり規定せられてありますことは、御承知の通りであります。しかもその義務設置が、過去二回、すなわち昭和二十三年には昭和二十五年七月三十一日まで、昭和二十六年には昭和二十七年十一月一日までと、繰返し延期されて来ております。それをまたさらに延期したいというのでありますが、まことにその下見識はこれに過ぎたるはないと考えるのであります。これはとりもなおさず、みずから教育委員会法の精神を踏みにじることであり、教育の基本原則を確立した教育基本法、さらに国家再建の基礎理念に貫かれている六・三教育をも危殆に瀕せしめるものというべきであります。全世界に向つて基本的人権を尊重し、節度と責任を重んじ、民主主義に基いて自由と平和を愛する文化国家を建設する旨宣明している憲法の大原則を、みずからの手で拒殺せんとするもので、これほど乱暴にして、かつ不合理なことはないと存ずるのであります。憲法の理想を実現せんとすれば、まず何をさしおいても教育を完備すべきであることは、いまさら喋々を要しないことでありまして、講和発効後の日本の民主化やいかにと全世界の注目を浴びている現存、国際信義の上からいつても、過去二回まで延期して来たこの変態は、これをすみやかに断ち切ることとし、地方教育委員会の設置を断行すべきものであります。  地方教育委員会が各市町村に設置せられることによつて、教職員の任免、監督の権限が都道府県から市町村に移り、教育の計画についても、各市町村当局が独自の見地に立つて、その地方の実情に即しつつ民主的に樹立し得ることとなり、これによつて初めて教育本来の目的を推進し得るのであります。一県の膨大な全地域を一つの県教育委員会で行政するとき、その教育行政力の浸透は、きわめて浅薄とならざるを得ないことは、事実があまりにも雄弁にこれを立証しております。各市町村ごとに教育委員会が設置されることによつて、初めていわゆるかゆいところに手が届く行政となることを確信するものであります。すなわち最愛の子弟の教育は、各自がそのみずからの意見によつて行い得ることとなり、従来一部の組合ボスたちによつて壟断された歪曲の魔手から解放され、教育本来の正道に立ちもどり得るのであります。  次に、延期論者が主張せられつつある重要な論拠として、財政負担の問題があります。それは委員の選挙に要する経費と、教育委員会の経営費等についてでありますが、まず選挙費については、本年度は全国的に都道府県の教育委員の改選期に当つているのであり、この改選と同時に市町村委員の選挙を行えば、特別に大きい経費は要しないのであります。かつこの経費として、すでに平衡交付金中に十数億円が計上済みであることは御承知の通りであります。次に、教育委員会の経営費については、都道府県と同様の規模の地方教育委員会を、各市町村にまで必要としないことは明白でありまして、委員については実費弁償主義によることとし、教育長、指導主事等は、校長、教諭中の適任者の兼任により、事務職員は市町村の現存の学務吏員を転用することによつて、人事の問題は簡単に解決できるのであります。また庁舎についても、学校ないし市町村役場の一角に同居することによつて、一応の問題は解決するのであります。これまで市町村において、県の中央との連絡に要した相当巨額の旅費が不要となる可能性も大きいので、それらを差引いてみれば、経営費も著しい変化はないものと予想されるのであります。のみならず、先ほど大蔵大臣からも、これに必要とする経費は十二分に支出する旨言明されたのであります。  次に、本法案の第二の要点は、都道府県を単位とする教職員団体が、現在期限つきで、すなわち本年五月十日までを限り特に認められているものを、さらに一箇年延期せんとするものであります。しかしながら、これもまた意味のないことであります。元来地方公務員の職員団体は、地方公務員法第五十二条により、その所属する地方公共団体別にすることが明らかにされており、これが原則であることも、すでに議論の余地はありません。今回提案されました一箇年延期は、すでに過去二回まで繰返して来た例外であります。市町村立学校職員給与負担法によつて、教育職員の俸給、給与は都道府県一本に握られている現状を考慮に入れまして、教育公務員特例法の第二十五条の六は、市町村の教職員団体は県当局と交渉するために、その県全体にわたる連合体をつくることができるように規定されております。従つて、給与について県当局と交渉するためには、連合体あり、市町村当局との交渉には、単位職員団体として可能でありまして、この二つの道が定められているのであります。昭和二十六年一月に、政府提案として教育公務員特例法の一部改正法律案が提出せられましたのは、まつたく右の連合団体の道を開いたのであります。しかるに、衆議院は当時これを政府原案のまま無修正で可決したのでありましたが、参議院において、さらにその上に同法の附則中に県全体の単一組合を添加したがために、両院協議会となり、折から会期切迫等の事情もあつて、やむなく二十七年五月十日までを限り、暫定的にそれを認めたのであります。これは明らかに地方公務員法の基本原則から見ますれば、例外のまた例外という変態規定でありますから、期限満了と同時に当然解消されるべき性質のものであります。下から積み上げた民主性を基礎とする組織は、連合体であるはずであります。この連合体のほかに、さらにいま一つ県全体の単一組合を認めるなどは、まさに屋上さらに屋を架するものというべく、一箇年延期案には絶対に賛成できかねるゆえんであります。  次に、提案された第三の要点は、教科用図書の検定権についてであり、これは文部大臣のみが当分の間、検定を行うことができるようにしようとするものであります。学校教育法第二十一条その他には、検定権は文部大臣にありと規定せられており、教育委員会法第五十条には、都道府県の教育委員会が「文部大臣の定める基準に従い、都道府県内のすべての学校の教科用図書の検定を行う」とあり、また同法第八十六条によれば「用紙割当制の廃止されるまで、文部大臣が行う。」とあります。用紙割当制は本年一月一日に廃止されましたが、本年五月の検定は、文部大臣の制定すべき検定基準がまだ制定せられていないという理由で、文部省が一括して検定をしたのであります。すなわち法律の形式を整備するためには、用紙割当制の廃止せられました現在としては、確かに本提案のような条文改正をするのがよいのでありますが、運用の上から申しますれば、すでに本年もこの条文のままで混乱なく文部大臣のみが検定を行い得たのでありますから、この検定に関する規定の整理も現在急に行わなければならないほどの必要性もないと存ずるのであります。  最後に、教育委員会の委員の選挙の期日等の臨時特例に関する法律案について申し上げます。  この法案は、元来教育委員会制度についての自信乏しく、その実施についての態度を決定しかねるという前提かと生れた法案であることは御承知の通りでありますが、教育委員会制度に対する態度は、すでに前述の法案について申し上げました通り、きわめて明白なのでありますから、いまさらその選挙期日を延期する必要はないのであります。すなわち本法案も、その成立はまつたく必要ないのであります。  以上の理由によつて、教育委員会法等の一部を改正する法律案、教育委員会の委員の選挙の期日等の臨時特例に関する法律案の両法案には絶体に反対するものであります。  なおこの機会に申し添えておきたいと存じますのは、国民教育に携わる教職員は、国家民族の永遠の運命をつちかうという、きわめて崇高なる使命をになつている。身いやしくも教育に任ずる者は、すべからくこの使命観に立脚して行動しなければならない。もちろん教育者といえども、広い意味での勤労者であるから、身近な生活問題を離れて使命遂行に当るということは困難であることもよく了解できますが、しかしながら生活問題が切実であるからといつて、この問題のために、国の教育の本質的な成長なり改善なりに関する問題を阻害し、あるいはこれを閑却することは、あまりにも意識の低い行き方ではないかと思うのである。すなわち、教職員の生活を向上させるための職員団体の存続に拘泥するの余り、市町村教育委員会の設置に反対することは、まつたく本末転倒の行き方であると断ぜざるを得ません。われわれがかかる結論を持つに至つたについては、慎重審議真剣な検討を加えた結果であります。すなわち、教育ということは、わが民族の運命を左右する問題でありまするし、特に教育委員会を全国に普遍的に設置するについては、その及ぼすところの影響はきわめて広汎かつ深遠なものがあるのであります。従つて、われわれは主観的な感情や利害打算に立脚して、この制度の根幹を傷つけようとするものではないのである。すなわち党利党略、階級的偏見によつてこの問題を取扱つているのでは断じてないのであります。しかるに、最近われわれのこの真撃なる態度に対して、一部の政党が、しいてこれを歪曲し、世人に誤つた印象を与えようとしていることは、彼らみずからの党略、利害を、他を顧みて言わんとしているのでありまして、まことに遺憾とするところであります。よしんば、この法案を否決することによつて、わが自由党が今後幾多の困難に遭遇しようとも、あえて意に介するところでないのでありまして、むしろわが大自由党のしかばねの中から、よりりつぱな教育が芽ばえることこそ、われわれの快心とするところである。政党の生命や利害よりも、国家民族の運命を決定づける教育こそ重大なのであつて、われわれはただそれのみを念願するものであります。(拍手)

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。まず小林信一君外四名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔起立者なし〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 起立者なし。よつて小林信一君外四名提出の修正案は否決せられました。  次に、原案について採決いたします。本案を原案の通り可決するに反対の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 起立総員。よつて原案は否決せられました。  なお報告書の提出につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時散会

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