文部委員会 第40号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/06/25
会議録
○竹尾委員長 これより会議を開きます。教育委員会法等の一部を改正する法律案、教育委員会の委員の選挙の期日等の臨時特例に関する法律案を一括して議題とし、審査を進めます。質疑を許します。圓谷光衞君。
○圓谷委員 委員会を各町村につくつた場合においては、文部省においては、一箇村に約百二十万円程度の金がかかるであろうというような御答弁があつたようでありますが、その基礎は、どういう構成メンバーを予想をしておるか。また従来六十幾つかの市町村に委員会をつくつておる。その費用等を、もし材料がございますならば、お伺いいたしたいと存じます。
○久保田政府委員 前にここで申し上げました経費の基準は、大体市を平均にとりまして、その場合を申し上げた数字でありますが、大体人間の数で職員が六人増員するものと見て九十万円、それに教育委員五名の手当その他を入れまして三十万円、そうしたような計算から百二、三十万円を用意いたしたい。少し大幅に見て、これに多少の経費がいりましようから、百四、五十万というものを予定したらよろしかろうと思つております、こういう意味であります。それから既往の分は、きようここに材料を持つて参りませんので、後ほど数字的に明白なものを御説明申し上げたいと思つております。
○圓谷委員 私はごく小さい村の村長に会つて、一つの村で、単位町村として委員会を置く場合には、大体どのくらいの費用がかかるかということを聞いたのでありますが、その場合には、大体三十万あればできるだろう、こういうことを聞いたのです。そうすると、それはどういう構想で行くかということを聞いたところが、大体役場には学務書記というものがおる。これを転換して事務局にする。それから校長を兼務にする。それから五人の委員は、学務委員程度であるから、これは村会議員と同じ無報酬でいいのではないか、あるいは実費弁償でいいのではないか。そういう計算から行くと、二十万ほどあれば大体できるのではないか「こういうことを言つているのですが、町村における場合は、さような構想でできますかどうですか。
○久保田政府委員 今、圓谷先生のお話のように、町村の小さい部分で申しますと、大体そうした数字でよろしかろうと思いますが、その場合でも、指導主事を専任に持つか持たぬか、教育長を専任に持つか持たぬかといつたようなところが、かなり大きな問題になります。現在の経営の考え方から申しますと、少くとも小学校の関係と中学校の関係との指導主事を持ち、そのどちらかが、かりに教育長を兼任するという考え方もありますから、二十万では少々無理かもしれませんが、一応の経営費としては、ややそれに近い数字で納まるものと考えております。
○圓谷委員 文部省の発表されたように、ただちに教育委員会をつくる場合において、非常に困難な部分があるということを、私新聞発表で見たのです。教育委員会法によりますと、町村のほかに、一部事務組合を数箇村合同してつくることができる、こうなつておるのですが、郡とかあるいは数箇村集まつてつくる場合に、選挙の方法が不明確であるから、どういうふうにして選出するか、まだ文部省で考えていないということが一つの難点であるという記事を見たのですが、その点はどういうことですか、ひとつお伺いしたい。
○久保田政府委員 別に文部省で発表したというようなことではございませんので、どういう関係からそういう話が出ておるか明確でありません。何しろ單位の市町村が選挙をします場合のことは、非常に明白にできております。先ほど御指摘のような、連合のような形ででき上る場合の難点といたしましては、たとえば、選挙管理委員会の置き方といつたようなことが、教育委員会法なり、この選挙法の形からは、直接にはすぐ出て来ないという難点があるというようなことは、事実でございます。
○圓谷委員 しかし、あの法律をつくる場合に、数箇村が一部事務組合をつくつて委員会を置くことができるということになつておるのか、その当時、その点は文部省で考慮されたことと思うのです。ただいまのお言葉では、管理委員会の構成に難点があるということのお話ですが、しかし、これはちよつと私納得できないのですが、どういうことですか。
○久保田政府委員 今法律が非常に不備で、そういうことが整備できておらぬということを申し上げておるのです。たとえば、選挙管理委員会をつくる場合の委員を、どういうふうにして選ぶ、そうしたこまかい部分の整備ができておらぬ。従つて、その方法をまだ文部省だけできめるわけに参りませんで、そこに十分明確な線が出るまで、そういう難点が残つておる、こういうことであります。
○圓谷委員 県の委員会の選挙の場合においては、やはり衆参議員、あるいは県会議員の選挙のごとく、今あるところの選挙管理委員会でもつて選挙を執行して行く。町村における場合も、やはりそれと同じことになると思うのです。かりに郡單位ということになつても、県会議員の選挙の場合と同じことになると思うのですが、そのときは、別に選挙管理委員会をつくらなければできぬと仰せになるのですか、その点はどうですか。
○久保田政府委員 たまたまそれが組合という形をとります場合には、その組合という選挙單位に対しての選挙管理委員会を、別につくらなければならぬことになります。
○浦口委員 最初にお尋ねいたしたいのは、現在教育委員会に、指導主事が置かれているわけですが、その学童数に対する指導主事の割当単位と申しますか、そうしたものが現在どういうことになつておりますか、その点をまず伺いたい。
○久保田政府委員 必ずしも生徒数に対してという正確な形をとつてございませんで、県の場合あるいは市の場合、大体これくらいといつたような目安でできておるだけでございます。
○浦口委員 その大体の目安をお聞きしたいことと、現在置かれておる指導主事によつてその使命が円滑に行われておるかどうか。非常に不足しておるとか、これでいいとか、その点を具体的に文部省の見解をお聞きしておきたい。
○久保田政府委員 県の教育委員会の場合には、大体十八から二十人という大きな幅で置いております。それから市の場合、大体平均でありますが、三人ないし四人、大体人口六万程度を中心にして、学童なども考慮した一つの予定数字だと思つております。
○浦口委員 それで大体今指導主事の任務が、十分とは行かないとは思いますが、どの程度に果されているとお考えですか。またこれをふやす予定があるかどうかということについて伺いたい。
○久保田政府委員 指導主事といつたようなものは、すでに御案内と思いますが、それぞれ專門的な、非常に科目単位と申しますか、人口というより、そういう專門の科目の指導力といつたような判定が基礎になります。そんなようなことから、現在一応科目の関係に配備されておる数字から申しますと、今のような現状で、決して満足とは言いませんが、一応動いておるはずだというふうに理解しております。
○浦口委員 かりに各市町村の末端まで教育委員会ができた場合に、この指導主事がどういう配分になるか、その点について文部省が考えていられることをお聞きしたい。
○久保田政府委員 少くとも小学校の関係を担当する人、中学校の関係を担当する人といつたような意味合いから、いかに小さいところであつても、かりにその場合それが兼任という姿をとるにしても、そういう担当の姿を明確にした形で配置されたいものだと考えております。
○浦口委員 それは新任することになると思うのですが、今お話のような單位でその指導主事を末端まで置くとすれば、相当の予算が伴うと思うのです。先ほど円谷委員にお話のあつた予算については、そうしたことも含めての予算であるかどうか、その点をお聞きしたい。
○久保田政府委員 先ほど申しましたところでは、その数字を明確に入れておりませんですが、これは多くの場合兼任の場合を考えることが多かろう、また少くとも一人の人で小学校を持ち、中学校を持ちという兼任の形をとらなくて、先ほど申しますように、非常に専任的な立場でありたいと考えますので、中学校は中学校とし、小学校は小学校として専任して行くという形でありたいと思つております。
○浦口委員 それは文部省としては、できればそうしたいという希望だということに聞いておいてよろしいですか、いかがですか。
○久保田政府委員 これは委員会がどの程度の仕事の量を持つかということから出発しないと、結論は出ないと思いますので、これは委員会ができるかできないかという問題がきまらない前にお話するとすれば、希望という形にならざるを得ないと思います。
○浦口委員 私は、実はこの法律案について、まだあまり質問をしていないのですが、皆さんの質疑を聞いておりますと、ちよつと納得の行かないことが一つあるので、その点を伺つておきたいのです。と申しますことは、この法律案が参議院を通過して衆議院に来てから、長い間委員会にかからなかつたということは、いろいろな面で論議されたのですが、その間に、これは衆議院を通過しないことによつて、全国的に非常に混乱が起きておるという御質問が、どなたか野党の議員からあつたのであります。それに対して文部大臣は、文部当局として、現在どういう混乱が起きつつあるか調べている、こういう御答弁があつたように思うのでありますが、その後具体的にどういう混乱が起きているかということをお聞きしたい。なぜ私がそういうことをお尋ねするかと申しますと、どうも一体教育委員会そのものに混乱が起きているのか、既存の教育委員会あるいは今後つくらなければならぬということで、まだ置いていない各市町村が混乱しているのか。どうもそういう方面には、私の範囲では、混乱ということは感じられない。むしろ感じる必要があるとすれば、それは、いわゆる教職員組合がある程度混乱しているということは、われわれ現実に見ているのですが、その点文部省は、どういうふうにお考えになつておられますか。
○久保田政府委員 ただいま御質問の職員組合の混乱という点は、御指摘の通りに私ども理解いたしております。またこの問題の焦点は、専従職員の専従いたしております期間の賜暇の問題です。この点をどう扱うべきであるかという点がおもな点でございます。それから、いま一つの点は、いよいよ登録をするという仕事をしなければならぬわけですが、それに対する構えといつたのが、問題の中心でありまして、教育委員会より、むしろ、あるいは県会でその点が問題になつた、人事委員会で問題になつたという意味合いだと心得ております。
○浦口委員 これは組合の人には組合の意見があると思いますし、なお私も、必ずしも結論を持つていないわけでありますが、かりに末端まで教育委員会ができた場合には、教職員の組合は、やはり末端の市町村に単位組合ができて、場合によつて県の連合体ができる、こういうことになると思うのですが、そうした形と、現在のいわゆる県を一本にした組合の役員の選出方法というものと、連合体によつてつくつて来る組合の役員の選出方法というものは、具体的な活動の上にどういうふうな違いがあるかということを、お聞きしたい。文部省は、昨年のこの法律案の提案に際しては、そういう末端から職員組合をつくつて、連合体をつくつて行くということの方が、非常に好ましいというふうに私は考えるのでありますが、その理由をお聞きしたい。
○久保田政府委員 末端からつくつて行きます考え方は、地公法の精神そのままの姿を出した、それが理由でもありますし、また根拠でもあります。それから通合体ででき上つた場合の役職員と、県単位のものとの間に違いがあるかということでありますが、これは形式上その手続が違つて来るというだけで、性格的には、かわつたものとは考えません。
○浦口委員 形からいえば、末端に単位組合をつくつて、上の方にいわゆるピラミツド型に連合体をつくつて行く方が、民主的な選出方法とも考えるのです。もちろん、形ばかりではいえないと思うのですが、現在の教員組合がその形に反対をしておる理由は、一体文部省は、どういうふうにお考えでありますか。
○久保田政府委員 正鵠であるかどうかはわかりませんが、私の理解しますところでは、交渉単位が県や市町村ならば、特別交渉する対象的な問題がそれほどたくさんないので、およそ組合の活動として小さい單位のものは意味をなさないということが、おもな点だと心得ております。
○浦口委員 末端に仕事がないという、ことは、必ずしも仕事がないということではないと思うのです。何か選出の上で末端からつくつて行くと、市町村などの旧体制を代表する人たちによつて、進歩的な組合ができないのだ、進歩的な人間が選出されない、そうした役員が非常にボス化するというふうな意見もあるのでありますが、そういう点は、文部省はどういうようにお考えでありますか。
○久保田政府委員 私どもの承知しますところでは、たとえば北海道のような非常に大きいところで、全県一本といつた役員の選挙の仕方は、事実上の問題として、かなり骨が折れるし、あるいは困難が多いという意味合いのことを主張されておることを、聞いておりますが、ボス化とかなんとかいつたような角度からは、詳細なことは存じません。
○浦口委員 この質問は、他の委員からも出ておるのでありますが、もう一度私はお聞きしておきます。昨年この教育委員会法等の改正法案が、この衆議院にかかりましたときの提案理由は、文部省といたしましては、第一に、まず市町村に教育委員会がまだほとんど置かれていない。それから第二には、市町村立の学校職員給与負担法によつて、学校職員の給与が府県の負担になつているという理由から、当分の間末端組合の連合体を認める、こういうような観点で法律案が出されて来たのです。これはもちろん衆議院では多数で通過をいたしまして、参議院で、その上に、従来からありました都道府県全体を一本とする従来の職員組合の必要性が認められて、それを一年延期する、こういう修正案が出て参りまして、衆議院ではのむことができないというので、両院協議会で、一年をまた半年にして、五月十日までという妥協案が生れたのであります。そういう経緯から見ますと、文部省は今度の法律案を出すことについては、私は当然はつきりした理由がなければならぬと思うのです。まだ教育委員会を置く時期でないとか、機運が熟さないとか、また教育委員会制度協議会の結論が出ないということも聞いておるわけですが、現実には、この半年間において、末端に教育委員会が相当できて来て、約百余りあると思います。そうしますと、昨年の事情とは大分かわつて来ておると思うのですが、どうしても一年延ばさなければならぬというはつきりした理由は、私にはまだわからないのです。その点を、もう一度はつきりしていただきたいと思います。
○久保田政府委員 ただいま組合の県單位の姿を一年延ばさなければならない理由をとおつしやつたように理解いたしましたが、この点は、前に申したことを繰返すことになるかもしれませんが、両院協議会の御趣旨が、教育委員会の設立単位がどうあるかということが、はつきりきまつておらないから、その期間、組合の単位をどうするかということをきめるのは困難だ。従つて、これがきまるまで今まで通り行くべきであるという理由によつて、五月十日というものが生れておるものと理解いたしておりますので、それに合せたまででありまして、教育委員会の方を何とか延ばしていただくということになれば、同じ理論をそのまま押し進めて、地公法によるところの組合の方も、ある期間延ばさなければならぬという考え方は、昨年の協議会の趣旨そのままと、私どもは考えておるわけであります。
○浦口委員 両院協議会の成案を尊重してとおつしやるのですが、昨年において、参議院が一年延ばして来たものに対して、半年の妥協案を出したというときにおいて、私は、もうすでに最大限度の讓歩と申しますか、理解のもとに、あの成案ができたと解しておるわけです。その後、教育委員会を末端に置くという情勢は、好転して参りましたのに、文部省自身が、この法律案でまた一年の延期の案を出したということは、両院協議会の成案を尊重したという意味ならば、文部省が昨年の教育委員会法等の一部改正法案をお出しになつたときと同じ理由で法律案をお出しになつて、衆議院なり参議院において、教職員組合の現状を考えまして、もう一年延期すべきだということなら私はわかるのですが、その辺昨年の考えとその後の経過を考えて、文部省はどうも一貫性がない。はつきり言えば自主性がないように私は考えるのですが、その点、もう一度はつきりしていただきたい。
○久保田政府委員 文部省は一貫性がないという点については、見解の相違かもしれませんが、私はむしろ一貫性があるのだと考えております。それから単位の教育委員会を置くような情勢の変化が生れておるはずだという御見解に対しても、これは見解に対しても、これは見解の相違だと思いますが、その後特別なる姿においてかわつて来ておることはありません。数字においても、決してふえておるわけではありません。これは制度的に、期間が二年目々々ということになつておりますから、これは順次ふえて来ているものではありません。確かに客観的に情勢がかわつて、去年の態度をかえる情勢の変化があつたかと申しますと、これはなかつた、同じ状態だと思います。
○浦口委員 それならば、昨年の両院協議会の成案を得るまでもなく、昨年においては、県一本の教職員組合については、もう一年存続するということを、連合体の上に盛られるのが文部省の一貫した考え方であつて、昨年はそういうことをきめられないで、今年は両院協議会によつて出されたことを尊重してまた一年延ばす法律を出す。これが自主性があるということは、私は全然逆だろうと思うが、どうですか。
○久保田政府委員 これはあるいは議論になるかもしれませんが、少くとも昨年出しました姿をかえておるものではないのでありましてたまたま教育委員会のきまり方がどうあるかということがきまらない前にきめるということは不都合だという、両院協議会の御趣旨に従つているだけであります。法律そのものの姿は、その意味において全然かわつておらぬはずであります。単位のものを積み上げて連合体をつくるという考え方に、全然かわつておりません。
○浦口委員 これは議論になるからやめますが、御趣旨に従つたのは五月十日で、去年十分検討されて、その御趣旨の五月十日までという期限をそのまま尊重されて、文部省は昨年の態度をかえるべきだと思う。それがかわつて来ないというのは、どうも私はおかしいと思う。それから、教職員組合を末端からつくり上げて行くことについても、文部省はある程度の了解を持つておられる。それは内閣提出の法律案に、やはり県單位一本の教職員組合の問題について、一年これをまた存続するということを、文部省自体が積極的につくられたという意味が、どうも私は一貫性を欠いているように考えますが、その点はどうですか、やはり同じ答弁ですか。
○久保田政府委員 別にかわつた意見はありません。先ほどの説明と同じような考え方をしております。
○浦口委員 どうも私はその点全然局長と反対に考えるのですが、反対に考えるということだけで、質問を打切つておきます。
○小林(進)委員 文部省にお尋ねしたいのであります。例の教育委員会の問題で、結局与党の党議がまとまらないで、まつたく私ども野党は引きずりまわされて、わけのわからぬ浮草のお手伝いをさせられて、貴重な時間を費させられているわけなんであります。ただ、今までの見解では、先ほどの質問の通り、教職員関係の方々が一年延期を支持して、それから地方の教育関係者の教育委員設立を促進する方では、何とか今年中から教育委員会をつくる方向へ持つて行つてもらいたい、こういう利害相反する二つの流れがあると、われわれは理解しておつたのでありますが、昨年、市町村の方面からも、教育委員会設置法を一年間延期してくれ、市町村としても、今日設けられることは、はなはだ困るというような陳情が、われわれの方へ急激にふえて来ておるのであります。あるいはこれは文部省の方で、意識的にそういう陳情をするように指導されたのではなかろうかというような疑点があることと、あるいは市町村あたりが、彼我の特質を慎重に考えて、今日これを設けることは、市町村の財政上からはなはだ困るという自主的な意見から、この延期の陳情をしているのかどうか、私どもは判断に迷つておるのでありますが、これに対しまして、文部当局の忌憚のない御意見を承つておきたいと思います。
○久保田政府委員 これは私の推測でございますので、はたして正鵠を得るかどうかわかりませんが、この法案ができました当初、私どもの方に、むしろ激励的な意味で、いろいろなそういう書類が参つておつたことは事実でありますが、最近とみに減つておりまして、ふしぎだと実は思つている実情でございます。そのようなことから判断して、私どもの関係の者が特に市町村の関係者にお願いして、そういう陳情をやつてもらつているというようなことは、毛頭ございません。それから、その理由でありますが、それは、私の承知しておりますところでは、自由党の方に、いろいろむしろ質問と申しますか、陳情でなくて、どういう根拠でどういうような考え方をしておられるのかといつたような問合せなり、またそういう意味の話合いなどが、相当あるように聞いております。それらのことから、なるほど、かりに教育委員会を置いても、現在の市町村長の権限がなくなるとか、特別な混乱が起るのでなくて、そうしたときには、必要な国家的な援助もあるいは可能ではなかろうかといつたようなことから、多少従来反対しておられた向きの人々が、必ずしも不賛成を唱えるには当らぬのではな、かといつたような態度に、多少動いて来ているのではないかというふうに考えます。
○小林(進)委員 今の御答弁では、文部省としては特別指導されたわけじやないのでありますが、おのずからそういう空気が見えて来たというふうな御答弁と解するのであります。 〔「文部省がやらぬというだけであつてほかにあるのだよ」と呼ぶ者あり)
○竹尾委員長 私語を禁じます。
○小林(進)委員 その点私ども、市町村あたりの教育委員会の方々の陳情を受けたりして、そのようなお気持に動かされて、まともから考えて、やはり市町村は教育委員会があつた方がいいという方向に相当まとまつているものと、私は考えておつたのでありますが、今の御答弁と同じような見解で、どうも市町村もまじめに考えて、こういう教育委員会などというものはまだ少し早過ぎるというような考え方に動いているというふうに、私も結論を出すわけであります。今もそこらに私語がありまして、それはやはり、文部省ではないが、どこにか意識的なそういう動きがあるかのごとくにささやかれたのでありますが、実際意識的にそういう運動を指導している者があるのかどうか。文部省でないならば、どこかにあるのか。政府当局として、そういう動きは逐一に私は調査されていると思つているのでありますが、いま一度御答弁を願いたいということ、それが第一点であります。 それから第二点といたしまして、やはり各市町村に教育委員会を設けるということは、確かに理想的ではあるけれども、今日の現実をながめる場合、そういう教育委員会を設けることが、むしろボスの一つの巣になつて、市町村の教育というものをむしろボス化する、これが一番困るのだ。だから、まだ今日教育委員会を持つということは、少し時期尚早でないかという意見であります。先ほどおつしやいました費用の問題とあわせて、こういうボス化する懸念があるというような理由が、その時期尚早論の中に盛られているのでありますが、文部当局から考えられまして、この現在教育委員会を持つということが、いうがごとくボス化する懸念が実際にあるかどうか、この御見解を承つておきたいと思います。以上二点。
○久保田政府委員 第一の、そういう事実があるか、正確に調べているだろうと思うかということでありますが、先ほど申しましたように、法案を提出いたしました当初には、そうした問題が、かなり論議されておつたと承知しておりますが、むしろ最近はとみにそれが減つているというふうに認識いたしております。 第二の、ボス化の問題でありますが、そういう制度にからんで考えれば、考えられることでありますが、これを防ぐ方法もまた別に考えるべきであつて、そういう事態があるからどうかというふうには、問題を考えたくないというように考えております。
○若林委員 私は教育委員会法第一條の目的など、大臣の考えを聞いて、それから質問を展開したいと思うのでありますが、大臣きようお見えになつておりませんから、局長に伺つた方がよいと思う事柄と、先ほど小林委員から局長に御質問になつたようですが、局長の口からちよつと言えぬのでありますから、私から答弁を兼ねての質問を、ひとつ申し上げておきたいと思います。 教育委員会を市町村の末端にまで置くか置かないかということ、またこれを一年延期するかどうかということ、この問題は、きわめて重大な問題でありまして、日本は世界の民主国家として、世界の連合国の仲間入りをして行くためには、どうしても、すべてのものを民主化されなければならぬが、その民主化の根本は何かといえば、教育にあるのであります。だから、教育を民主化したかつこうで行かなければ、諸外国からの信用を得るわけに行かない。この日本を民主化するために、アメリカの教育使節団の勧告もあつたでありましようが、教育が不当な支配に服することなく、国民全体に対して直接に責任を負つて行わるべきであるという自覚のもとに、公正な民意による地方に即した教育行政を行うために、教育委員会を置くという、これは私は何人も非難することはできぬと思うのであります。私たちこれを一年延ばし二年延ばし、すでに四年延ばそうとする現在になつているのでありますが、もしこの独立国となつた今日、日本がこれをまた一年延ばすというようなことをやるならば、またおそらく、これは教育委員会を置く意思がないのだ、元の日本のいわゆる文部大臣の指令一本で画一的の教育を行う教育に逆もどりさす下心があつて、一年延ばすのだというように疑いを持たれるおそれがあるので、今日この法案に対しては、私たちは、いたずらに附和雷同することなく、慎重に今考えているのでありまして、おそらくこの意味におきまして、私は、ただ單にたての一面を見ることなく、両面を見て行きたいと考えているのであります。先ほど小林君から、市町村長などの反対運動が熾烈になつて来たが、これはだれかが作為をしているのではないかというお話があつたのでありますが、文部省は、その作為はない。しかしながら、これを頼みに行くのにも、作為があるにしても、実際の事柄を話をし、理解をさせて反対をさせるならば、われわれとしてもいいと思いますが、とにかくこれに関係するところの連中が、市町村長の集まりの席へ参りまして——これは事実この間そこの席に列しておつた田中委員から御発言が少しあつたのでありますが、とにかくこれに反対をしてもらいたい、もしこれをやるならば、市町村長の権限から学校管理というものがなくなるのだ、教育委員会にとられてしまう、またこれてボス化されてしまう、あるいは財政的に逼迫する、こういうことで簡單に頼むのであります。そうすると、それじや困る、反対をしておけばいいのか、こういう気持で、反対をしようとした町村長会の会議があつた。ところが、これは簡単には乘れないぞという気持で、たての裏を聞いて見ると、厳然としてこの教育委員会の目的というものがあつて、ほんとうに今の現状であるならば、先生は先生でやるといつても、都あるいは府県で任命権を持つておりますから、いかに父兄から気に入られる先生があつて歯ぎしりをしておつたところで、どうすることもできない。またPTAという会合があつて、真に先生とPTAとは融和して行かなければならぬはずだ。それが、任命権が県にあるために、PTAを不当に圧迫をしておどしつけるという、いわわる閻魔帳を持ちながら、子供の首をいつでも絞めるぞという態度で地父兄に臨むその行き方が、今日全国にみなぎつておるPTA各位の不満であろうと、私は考えるのであります。この意味において、各市町村に教育委員会を置いて、先生と教育委員会とPTAの父兄と、打つて一丸となつた気持において学校の経営をして行く——現在の状態におきましては、市町村が学校を建てる、これだけが役割りであつて、どういう性質の先生をどこに任命するかという任命権を持たないようなこの教育方法であつては、この教育委員会を設置したときの目的に真にそぐわないと考えるのでありまして、私は、一日も早くこの大目的に向つて国民を指導して行く必要があるのじやないかと思うのであります。全国において新しいことに手をかけるということは、みな臆病がるものでございますが、私は局長に、過去三年間、各市町村にこの教育委員会を設置する方向に向けるべく、どういうような指導をせられたか、ひとつ具体的に伺つてみたいと考えるのであります。
○久保田政府委員 この法案が成立いたしました当時から、文部省は、御指摘の通り、單位のところに教育委員会ができることそれ自体は、希望しておるところであります。ただ、当時の審議の経過、またでき上ります委員会についての注文というようなことからながめて、どういう姿でどういう方法で置くかという問題に、ずつと問題がかかつて来た経過だと心得ておりますので、この教育委員会の育成という問題については、むろんあらゆる機会に考えて来たものと理解いたしております。ことに、私の所管いたしました今までの仕事については、教育委員会的なものの運び方には、あらゆる努力を自分としては続けて来たつもりでおります。
○竹尾委員長 若林委員の御質問は、主として文部大臣にお尋ねになられるので、局長の御答弁では、ちよつと不十分であろうというような御意見でございますし、もう時間も一時になりまして、午後から請願の小委員会を開きますから、この程度で打切つていただきたいと思います。本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十三分散会