文部委員会 第18号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1952/04/18
会議録
○竹尾委員長 これより会議を開きます。 まず理事の補欠選挙を行います。理事若林義孝君が、四月三日委員を辞任され、再び委員に選任されましたので、その選挙は手続を省略し、先例により私より指名いたすに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹尾委員長 御異議なしと認め、私より若林義孝君を理事に指名いたします。 —————————————
○竹尾委員長 次に日程の順序をかえまして、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題とし、提出者より提案理由の説明を求めます。平島良一君。
○平島委員 ただいま議題としていただきました国立学校設置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、提出者を代表いたしまして御説明申し上げます。 この法案を提出するに至りますまで、委員諸君の絶大なる御協力と御援助を得まして、この案を提出する段取りになりましたことをつつしんでここで感謝申し上げます。 この法案の内容は、神戸市に新たに商船大学を設立しようとするものであります。その趣旨といたしますところは、独立後におけるわが国再建の道は、急速に自立経済の充実をはかることにあるのでありまして、そのためには産業の発達が根本的な要件でありますが、わが国の地理的環境と資源の貧困等の事情によりまして、海軍の十分な伸展にまたなければなりません。しかも国際的競争に耐え得るだけの近代的商船隊の再建を目標といたさなければなりません。従つて、それに必要な施設と有能な船員の養成とが必要となつて参ります。戦前六百四十万総トンの商船隊を保有しておりましたわが国は、終戦直後にはおよそその十分の一に転落してしまつたのであります。その後順調な速度で回復しておりますけれども、自立経済の達成には、運輸省等の計画するところによりますと、一応の目標として昭和三十年度に大よそ三百八十万総トンまで伸ばしたいということになつております。情勢によりまして、必ずしもこの目安の通りに実現し得ないといたしましても、早晩この限度あるいはそれ以上にも増強しなければならないことは明らかなことであります。 さて、この船の建造も相当の努力を要することでありますが、これを運行する船員の養成は一層簡単には参らないのであります。すなわち、船内統率の資料を備え、今後においては特に国民外交の第一線に立つものとしてはずかしくないだけの十分な教養を身につけた船員であることを要しまするし、かねての懸案たる海難の防止等の技術的方面におきましても、どうしても学校教育法に準拠した大学程度の養成機関を、この船腹の増加に伴うように設置しなければならないのであります。 この高級船員の需要数は、運輸省の統計によつて計算いたしますと、三百八十万総トンに対し、約一万名となつておりまして、その年間自然減耗率五%を基礎として推算いたしますと、年間需要員は五百名となります。これに対して実地出身者は約一五%を期待し得る実情にありますから、残りはこれを学校教育にまたなければなりませんが、商船高等学校からは五〇%が供給せられるので、大学からもひとしく五〇%に当る約二百十名を供給する必要が生ずるのであります。さらに過去の実績から見て、新入学生の八〇%が卒業後商船隊に乗船することになつておりますから、商船大学の採用員数は、約二百六十名となります。さらにこのほか官庁船その他への需要を考慮に入れますと、約三百名ぐらいは採用しなければなりませんが、現在清水の商船大学は一学年百六十名を入学せしめておるにすぎないのであります。これらの事情にかんがみ、商船大学の適正規模を考慮するとき、なお一大学を増設する必要が認められるのであります。このことにつきましては、すでに昭和二十三年に、船員教育委員会で、昭和二十六年には海技専門学院を商船大学にすべきであるとの決議がなされております。また第六国会で衆参両院の文部委員会におきまして、できるだけ早い機会に海運の中心地である神戸市に商船大学をさらに一校増設せられたいという要望があつたのであります。続いて、さきの第十二国会の衆議院文部委員会におきまして、この問題が重ねて取上げられ、熱心な審議が行われました結果、小委員会が設けられ、その報告に基いて、右文部委員会から衆議院議長に対し、神戸商船大学設置に関する決議文が提出せられ、今国会に入りまして、あらためてまた小委員会が設けられ、その審議の結果、昭和二十七年度に神戸市に新たに商船大学を設置すべきであるとの結論に到達したのであります。 神戸市にはすでに大正九年に国立の神戸高等商船学校が設立せられ、恵まれた立地條件と施設の充実と相まつて、優秀な校風が樹立せられたのでありますが、今によくこの伝統が、今日の海技専門学院に受継がれておりますので、運輸省の協力のもとに、その施設設備と伝統とを基盤として、文部省所管の商船大学を新たに設立することが、最も妥当かつ適切な措置であると考えられるに至つたのであります。地元神戸市民はもちろん、兵庫県におきましても、年来熱望しておられることでありまして、今般その開設に要する臨時費の半額を負担いたしたいと申し出ておられます。文部省においても積極的にその開設を期待して協力せられ、大蔵省においても快く了解されております。 以上本法案を提出いたしました理由でございます。新日本の脚光を浴びた、新しい商船大学が、一日もすみやかに開校の日を迎えることができまして、経済自立の国策に強力なる貢献のできますように、本法案を御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
○竹尾委員長 本案に対しまする質疑は、次会に譲ることといたします。 —————————————
○竹尾委員長 次に、去る四月十一日の理事会の結果をこの際御報告いたします。 まず教育施設の復原に関する件につきましては、決議案を議院に提出することに決しました。 豊島小学校の敷地の問題につきましては、参議院の文部委員会と連携をとり、両委員会協力いたしまして問題解決の結論を急ぐことに決しました。 以上御報告申し上げます。 先日の理事会の結果は、以上御報告申し上げた通りでありますが、なおこの際前回の文部委員会におきまして、豊島小学校敷地問題に関し、文部大臣の御発言によれば、近く衆参両文部委員長、文部大臣等の関係者が合同して協議を進めたいとのことでございましたが、その後のこの件についての大臣の御意見を伺いたいと存じます。
○天野国務大臣 この前申し上げましたように、参議院の文部委員長、衆議院の文部委員長、それから東京都知事、私などが集まりまして、よく相談をいたそうということだつたのですが、あいにく私がかぜを引いて寝込んでしまいまして、その相談は直接にまだいたしておりません。しかし、私の方の事務次官に、直接東京都の方の関係者と今よく協議をさせております。そういう事情でございます。 —————————————
○竹尾委員長 次に、学校教育に関する件を議題とし、質疑を許します。浦口鉄男君。
○浦口委員 文教地区の問題で、それと関連をいたしました陳情が出ておりますので、この際文部大臣に御意見を承つておきたい。東京都の国立町が、昭和二十六年十二月十七日の建設大臣の告示によりまして、国立文教地区というものに指定されまして、その後今年の二月一日から、その実現を開始するために国立文教地区協会というものができて、その理想に向つていることは、すでに御承知と思うのであります。ところが、この文教地区の中に、それに非常にふさわしくない建築なり業種ができて来たということが、請願の趣旨なのであります。実はただいまここに請願と陳情がございますが、一つは、北多摩郡西府村本宿西府第二都営住宅居住民一同の方の陳情であります。これは実は国立文教地区内の問題ではなく、それと道一本隔てました隣接地に、最近流行のいわゆる特殊族館吟風莊というものができまして、非常にそれとふさわしくない営業をやつているということが、具体的に十数箇條並べられまして陳情が来ている、いるわけであります。これと同じような意味合いにおきまして、国立地区の中にも最近国立ホテルというのができまして、これもやはりいかがわしい女性を中心として営業が開始されている。この陳情が行政監察特別委員会あてに来ているわけであります。これの経営者は渡辺敬吉といいまして、国有財産を不当に払い下げて、社会事業という美名のもとに個人の利益に使つた、太陽の家という社会事業団体を行政監察委員会で問題にいたしましたときに、その初代の理事長としてこの事業を運営した人で、この渡辺敬吉が国立地区の中に国立ホテルというものを建てたわけであります。これについていろいろ詳しい地元の陳情があります。写真もついております。また一橋大学教授赤松要氏を筆頭にいたしまして、地元の有志が十数名陳情しているわけであります。この渡辺敬吉という人は、社会事業団体太陽の家が摘発されまして、国会に証人として出ましたときも、おれは金のもうからぬ仕事は絶対しないというのが、この人の信條であつたのであります。そういう人が社会事業をやつたので、数千万円の国有財産を不当に流用したことになつたのでありますが、そういう性格の人が、国立の地区の中にホテルをつくつた、しかもそれが非常に不明朗な営業をやつておるというのと、その隣接地の問題になつております吟風莊と、この二つの問題が密接な関連がありますので、陳情が出たとこう思うのであります。 こうした問題は、もちろんこの地区だけの問題でなしに、全国的に相当大きな影響を與えておることは、大臣もよく御承知のことと思います。こうした建物の建築制限とか、具体的な処置につきましては、もちろん文部当局だけの御意思によつてできない点もあると思いますが、まず教育の立場から、こうした事態が次々起つて参りますことについて、大臣の大局的な御見解を一応承つておきたい。
○天野国務大臣 国家の再建にとつて何が大切だといつて、教育ほど大切なものはないということは、これはだれも認識しておることなんですが、そういう教育というものは、文部省という役所だけの力でできるものでなくして、一般の協力にようなければ、とうていできないものなんです。文教地区という問題についても、そういういかがわしいものが中へ建てられるということは、これはもう非常に困つたことであり、文教地区外といえども、そういうものが学校の近くとか、あるいは一般の風教にさわるように扱われるということは、非常に遺憾千万なことですけれども、今浦口さんのおつしやつたように、これを文部省だけの考えでもつてどうということもできません。しかし、私の方ではよくそういう事情を調べまして、文部省としてできるだけのことはいたしたい。以前にも、輿論を喚起して、その輿論の力で、現に池上などにおいてはそういうものをやめにさせたという例もあることでございますから、よく実情を調べて善処いたしたいという考えでございます。
○浦口委員 大臣のお気持、よくわかりますが、この問題は、今始まつたことでないことは、申すまでもないわけでありますから、今まで建設省その他とこういう全国的な問題について具体的に何かお話合いがありましたかどうか、その点をお尋ねしておきたい。
○天野国務大臣 私は建設大臣とは直接この問題は話しませんでしたけれども、岡崎国務大臣とは、たびたびこの問題を話して、どういうようにこれに処して行つたらいいかということは、よく相談をいたしておるのです。けれども、これといつて、はつきりしたことを出すに至つておりません。ただしかし、ただいまも申したように、輿論の力によつてそういうものをとめた例もあるのですから、場合によれば、そういうこともなし得ると考えております。
○松本(七)委員 関連して……。ただいまの大臣の答弁によりますと、岡崎国務大臣と御協議なさつておるというのですが、これはやはり予備作業班といいますか、そういうところで、何らかアメリカ軍側と折衝しなければ、片づけられないじやないかと思いますが、その点はどうでしようか。
○天野国務大臣 これは、必ずしもアメリカだけの問題でもないのです、こちらの問題です。ただしかし、向うとも関係のある場合もありますから、その点について、岡崎さんと話をしたりしたのであつて、決して向うだけの問題じやないのです。
○松本(七)委員 もちろん、向うだけじやない、むしろこつちが主ですけれども、たとえば、何か向うの軍事施設をつくる場合に、その付近にそういう特殊なものをまとめる、文教地区等にはそういうものをつくらないというふうなことは、これは向う側がそれを了承しても、日本側でそういうものを建てる場合には、これはまつたく日本の問題だと思うのです。何らか極力そういうものは文教地区には設けないというような協定的なものがなし得るのかどうか。それがなされないと、やはり輿論に訴えるといつても、向うがそういうことを望んで来るような傾向がある場合には、これはなかなか阻止することがむずかしいと思うのです。両々相まつてやらなければならぬと思うのですが、そういう余地があるかどうか。
○天野国務大臣 私が岡崎国務大臣から伺つておるところによれば、向うでは、むしろそういうことは日本の方でやめるようにしてもらいたい。問題は、もつばらこちらにあるのです。ただ、こちらにあつても、法律でもつてそういうものを禁止するというようなことも、なかなかできないのではないか。そこに非常にむずかしい問題がある、こういうふうに考えておるのであります。
○浦口委員 これはたいへんむずかしい問題だということはわかるのでありますが、この陳情の中にも、やはり全国一般的な駐留軍の駐屯地付近の問題が出ているわけであります。適当な施設を設けて、住宅地域とか、文教地域と隔離すべきであるというふうな陳情も出ているわけであります。この文部委員会でも、行政協定の中に文教地区確保の條項を入れるべきだというふうな個人的な意見を、われわれとりかわしたわけでありますが、そういう点について、今松本委員のお話もあつたわけでありますが、もう一段岡崎国務大臣あたりと文部大臣は御懇談をいただきたい、こう思うのであります。これはこちらの問題だというふうに、大臣はおつしやつているのでありますが、もちろん、これは需要供給の問題で、こちらが供給しなければということにもなると思いますが、われわれはやはり相当需要の力も強い、こういうふうに考えているわけであります。ただ、事は渉外の問題でありまして、国内の問題ですら簡單に行かないのでありますから、われわれ早急にこれを法律的に縛るということはむずかしいと思いますが、もう一段岡崎大臣とお話合いの余地があつて、その結果具体的な処置ができそうに思われますか、それともどうもむずかしくて、これは具体的にはなかなか手がつけられない、こういうお考えでしようか、いかがでございますか。
○天野国務大臣 ただいまも申しましたように、先方では、そういうもののできることを、むしろ好まない。けれども、そこへ日本の者がいつぱい集つて来るのであります。集まつて来るのをとめてしまうというわけにはなかなか行かない。そういう非常にむずかしい問題なんですが、しかし浦口さんのお説もございますことですから、何かもつとよいくふうもあるでしようが、よく私の方でも相談をいたしてみたいと思います。
○松本(七)委員 たとえばこれは駐留軍の方から、日本の文教地区付近の一定のところをきめて、そこには立入りしないようにしてもらえば、日本のそういうことを目的にする者が、なかなかそういう設備をしにくくなる。そういうところをアメリカ側で希望しないならば、むしろアメリカ側はアメリカとしてやはり取締るというようなことをやらせる必要がある。そういうふうなところでマツチして行かなければ、日本だけでは解決できないと思いますが、そういう点はどうでしようか。
○天野国務大臣 一つのお考えだと思います。よく岡崎国務大臣とも相談乞いたしてみますが、しかしこれは、もともといえば日本人の教養の問題に関連して来て、そこにいつぱい人が集まつて来るというのを何ともできないというのも、一つのよんどころない事情でございますから、非常にむずかしいと思いますけれども、しかし、今松本さんのおつしやつたことも、一つのお考えでございますから、よく相談をいたしてみます。
○岡(延)委員 ちよつと伺いたいのですが、文教地区なるものの性格——これは何とはなしに住民がここを文教地区としたいというので、そこに札でも立てれば、それが事実上の文教地区となるようなことが現行法制上における文教地区なるものか、いかなるものであるか、そこから解明しないと、これは解決しないと思います。文教地区というものが、法制的に認められていれば、その中にいかがわしい業者が入り込むということは、法律違反である。それで文教地区というものがいかなるものであるか、その性格がはつきりしないと、こういうものはいかんともしがたい。結局漠然たる輿論の力によつて何とかするよりほかないと思いますので、文教地区なるものの性質を解明していただきたいと思います。
○近藤(直)政府委員 お答えいたします。ただいまの文教地区の問題でございますが、これは建築基準法という法律がございまして、その中で特別地区の設定が認められております。特別地区の設定をする場合には、そこの市町村の條例によつてこれを議決しまして、建設大臣に申請するという手順によりまして、文教地区というものが設定されることになつております。その効果はどういうことであるかというと、それはやはりその中の建築制限でありまして、たとえば、いかがわしい旅館とか、あるいはそういう娯楽建築を制限するという効果であると思います。従いまして、形式的な面においてのみ文教地区というものが一応設定されるということで、この運用につきましては、やはりそこの住民なり、あるいは市町村の関係者の良識にまつよりほかない、かように考えております。
○小林(信)委員 今お話が出て来たから、私もお尋ねするのですが、行政協定がとりかわされておるときに、私は文部大臣に、この点につきまして、どうかできるならば一つの協定項目として、この問題は業者の間で検討し、将来できるだけこの問題が善処されるように御協力願いたい、こういうお話を申し上げたら文部大臣から、岡崎さんにこのことはよく話してある、必ずそういう結果が得られるだろう、こういうお話を承つたのですが、なるほどお話はそうかもしれないし、あるいはこれに対して今後業者の間で努力されてくれるかもしれませんけれども、しかしそういうことが、今のお話から伺うと、われわれの希望するように一掃されるようなことには参らぬ。やはり依然として困難な問題として傍観せざるを得ないようにもうかがわれるのですが、この問題は、何とかこの独立の機会には解決されるのではないかというふうに、單に今の国立の問題だけでなしに、全国至るところにこういう問題がありまして、そういうことが期待されておるのじやないかと思うのです。なるほど大臣のおつしやるように、向うが希望しておるのじやない、かえつて日本の方にそういうような施設をして、いわゆる利益本意でそういうことをしようとする者が多いのだというふうなことを向うでは言つております。私もこの問題でそういうことに当つたんですが、たとえば、向うの隊長というような人たちにこの問題を持つて行きますと、私の方では、御希望ならばいつでも兵隊を出さないんだ。そうすれば、困るのはかえつて日本側でしよう。日本側で困るから、そこのところを大目に見ておれというので、私の方では出しておるんだ。その一つの例としては、兵隊が悪い病気にかかつて来るわけです。そうすると、その悪い病気にかかつた根拠を、必ず向うではつかむようにしておる。というのは、相手になつた女に、必ず伝票のようなものをしるさせておいて番号が打つてある。その番号を兵隊も覚えておりますから、病気をうつした女はすぐわかる。そうすると、隊の方から日本の保健所に、これこれの番号を持つておる者は検診ができておらぬじやないかというように、かえつて日本側の責任として追究されるんだそうです。日本の保健所では、そういう女を一応登録させておいて、これに対しては厳重な検診をして、相手にさせるようにしておる。その情勢から見ると、なるほど、形式的には向うは要求してないんだ、日本側がお願いする。お願いする以上は、病気なんかうつさないというようなことになつておるんだそうですが、はたして実際においてそうなつておるのか。私そのときには、なるほどこれは日本側の方に責任があるのではないか、向う側をいくら追究してもだめなんだ、結局日本側でこの問題を処置しなければならないと考えたのですが、しかし、実際問題からすれば、先ほど浦口委員も言つたように、やはりこつちが要求するばかりでなく、向うも要求する点がある。こういう点から考えますと、必ずしも向うの言い分通りではない。占領しておる者と占領されておる者との立場で、向うの方がそういうことをかつてに言つているので、日本の方はその言うままになつているのではないかと私は考えておるのですが、そこのところは五十歩百歩で、両者に責任があるということは、一応われわれ日本側としても認めなければならぬのではないか、その点どうですか。
○天野国務大臣 そういうものを近づけたくないというのは、要求している人たちが言つていることじやなくて、それを支配している人たちが言つていることなんです。支配している人たちは、みんなそういうものを近づけたくないという考えを持つているのですけれども、しかし、おつしやる通り、要求もありましよう。だから、日本の者がたくさん押し寄せて来る。それをどうして払いのけてしまうことができるか、ここがむずかしい問題なんです。私が松本さんの言つたことに一理あると言つたのは、問題は、兵隊が立ち入つてはいけないということになれば、それでものがきまる。しかし、全国的にこの問題を解決してしまうことは、非常にむずかしいことだと思つているのです。岡崎さんとも、そのことはよく話したんですけれども、さしあたりそれではどうしたらよいかという、そこにはつきりした結論が出ないのです。先方が悪いとばかりも言えず、こちらにもそれに応じているところがあるものですから、問題がむずかしい。ありていにいえば、こういうことでございます。
○小林(信)委員 大臣の今おつしやつたことは、私も納得できるのですが、要求しているのは日本側だ、向うは、下部の者はどうか知らぬが、支配するものは要求しておらないんだというようなことであるとすれば、何か日本側だけに責任があるので話にならないんだというような考えで当局がおられれば、この問題は解決できないと思う。たとい支配者がどういう気持を持つておろうとも、下部の者は実際要求していることは事実なんです。こういう実態から考えて、両者に責任があるという前提のもとに、この話は対等の立場ですべきだと思うのです。これは私の県の問題ですが、ただいま管理局長の言われた建築の制限の問題、これはどういう法律になるか、私の聞き及んでおるところでは、町村の條例というようなものでなく、もつと根拠のあるものだと思うのです。学校に隣接して建物を建てる場合には、どういうものはいけないとかいう制限があると思うのですが、そういう制限が実際には無視されておる。たとえばキャバレーのようなものが学校の門前に建つておる。しかも警察がちやんと認証して、許可をとつて、りつぱに堂々と営業がやられておるのです。こういう問題も、向う側が要求しておるのではない、ただ日本側の要求からこういうものができておるのだという観点から問題を考えていたのでは、いつになつても解消できないと思う。やはりそういうところを強い態度で文部省としても臨んでいただかなければ、困つた問題だというだけでもつて終るのではないか、従つて、この問題につきましては、教育委員会あたりを文部省の方から督励するような態度で、この問題を解決するように努力すべきだと思うのですが、教育委員会と文部省とでこういう問題で折衝されたことがございますか。
○天野国務大臣 小林さんのおつしやることは、いかにもごもつともだと思います。教育委員会ともよく連絡をしなければいけないのですが、どうも私が聞いておるところでは、まだこの問題について教育委員会とよく連絡をしたということは聞いておりませんから、よく帰つて尋ねまして、まだ、していないようなら、早急に連絡するようにいたしたいと思います。
○小林(信)委員 当然こういう問題は文部省に連絡し、文部省の方からもいろいろと連絡すべきであつて、今のようなお答えは、まことにふに落ちないのですが、やはりその原因は、向うは占領軍である、占領軍に関係する問題を、らちを明けようとしても不可能だというようなところで、各府県とも、そういう問題に苦しんでおりながら、解決する道が開かれなかつたのではないかと思うのです。私たちも、この問題に当つておりますが、教育委員会ばかりでなしに、県当局としましても、厚生関係あるいは保健関係、いろいろな点でもつて、地元からも糾明されておるのです。ところが、何とか善処いたしますと、地元の人たちには弁明しながら、今までちつとも解決されずに、依然として弊害は助長されるのみである。ことに教育問題として、その当事者である第一線に出ておる先生方は、どうしてこの問題を解決するかということで苦しんでおる。この際、私は文部大臣にお話を申し上げますが、ある先生が、いかにして、こういう教育環境の中で、なるべく弊害を少くしようかというところで、子供に教えておる事実を知つて、私は非常に驚いたのであります。というのは、向うの兵隊とこつちの女とが歩いておると、こつちの女を許するのに、あの服装を見ろ、赤とか黄とかまことにあくどい色彩の服装をしておる、あれは人間ではないのだ。片方の男を許するには、あの男を見ろ、至るところ、——私の方の言葉でいえば、毛むくじやらといいますが、非常に毛が生えておる、だからあれはさるに近いのだ。これはもう親善とかなんとかいうことは、先生とすれば、当然考えなければならないことなんですが、ただ、自分のしておる教育の問題を、何とか自分で解決しようとする余り、かれらに対しては、あれは人間ではない、さるに近いのだ。その相手になつておる女は、やはり普通の人間じやないのだ。だから、ああいう者のすることは、人間のすることじやない。ああいうものを見て、普通の人間のすることであると思つては間違いであるというふうなことを、生徒にいつも話して、何とかそれに対しては目をおおうように、それから遠ざかるようにしておるのです。なるほど、これは、その問題に対しては、ある程度効果はあるかもしれませんけれども、しかし、国際的な問題とかそういうふうなことには、かえつて悪影響があるわけなんですが、そうでもしなければ、私たちはきようのこの教育環境の中で、私たちの教育目的を達することができないというふうに、もう政治からは放置されて、そうして、とんでもない教育が行われつつあるわけなんです。 もう一つ例を申し上げれば、ある学校の一年生から六年生までの、これに対するつづり方をもらつたのです。ところが、これはこの前の委員会でも私はお話申し上げたのですが、もうこの醜関係について、一年から六年の子供一人なしが、われわれおとなが知らないようなことまで知つて、それが日常の言葉に平気で使われている。ああいう状態を見ますときに、私は何とかこれに対して、むずかしい問題というだけで放置されないで、積極的にこの際、渉外関係はもちろんのこと、どうしても避け得られないところのそういう実情に対して、何とか善処していただきたい、こういうことを要望いたしまして、さらに一層の御努力をお願いいたします。
○松本(七)委員 大臣の言われるように、これは輿論の力でやることが一番望ましいのですが、これは具体的な解決はできないと思います。結局は、今まで占領軍としておる間は、支配者の方で、好ましからざるところに、オフ・リミツツでもつて、立入り禁止していたわけですね。しかし、これからは駐留軍とかわつて来るのです。もちろん、駐留軍とかわつても、向うの支配者の方で、そういうことを好まないとなれば、何らかの手は打つてもらえると思うのです。だから、そういう点も日本側としても協力をしてもらいたいし、またそれと同時に、今度は駐留軍となるのですから、その性格の変化から考えても、今度は風教地区なり、あるいはそれよりもう少し広げた地区というものをつくつて、向うの兵隊を入れない、駐留軍兵士はこの中に立入り禁止ということを、日本政府側からこれを規定することができるような積極的な協定なり、そういうものをむしろ結ぶ必要があるのではないか。この問題は、両方でもつてやれば、私は輿論喚起と相まつて解決できると思う。何らかそういう積極策を考慮していただきたいと思いますが、いかがでしようか。
○天野国務大臣 松本委員のおつしやることは、私もいかにもごもつともと思いますので、さつそく岡崎国務大臣とよく相談をいたしてみます。
○渡部委員 外国軍人の関連する風教廃頽問題ということは、今では非常に重大な民族問題にさえなつておることであると思うのです。これは非常に困つたことで、しかしどうにもならない、非常にやりにくいのだというふうな大臣の考え方については、私たち、もう少し突き詰めて、この問題を考えてみる必要があるのじやないかというふうに考えるわけです。大臣は、占領軍の方はこれを希望していないとおつしやいますけれども、外国軍隊が日本に駐留している限りにおいては、現実の問題としては、これはもう一つの必然的な現象になつて来ていると思うのです。よしんばパンパンの問題でないにしても、至るところでひんぴんと人妻や少女に至るまでが、外国人の暴行を受けている事実については、御存じの通りです。こういうふうなところからこそ、パンパン問題という事柄が起きて来る内面的な関係があるわけでありまして、他面大臣は、これは日本人の側の問題であつて、それはそういうところに集まる人たちの教養の問題であるというふうにおつしやいましたけれども、しかしわれわれは、決して教育問題だとは考えられないと思うのです。教養というよりは、むしろこれは生活の問題であつて、国民全体の生活が破綻状態に陥つておるところから、外国人がおろうがおるまいが、農村等における人身売買がまたしても濃厚になる傾向にあることは、御存じの通りであります。こういうふうな国民全体の窮乏ということが、もし日本に問題があるとするならば、日本側の重大問題であるわけです。こういう事柄は悪辣な金もうけ主義者がパンパン宿をつくるということだけにあるのではなしに、非常に苦しい生活をやつておる市民たちか、せつぱ詰まつていやいやながら狭い住宅の一部をパンパンの宿に提供することが、至るところで行われているのでありまして、こういうところにこそ、問題の最も深刻なものがあるわけだと私たちは考えているのです。従つて、パンパン宿をどういう区域に建てるかということだけが問題なのではなくて、日本人の生活がまつたく困つてしまつて、生活が破綻してパンパンにならなければ食つて行けない、パンパン宿を提供することによつて、生活費の一部をそこから得るという非惨な現象が起きて来るわけであります。この問題を私たちがはつきりつかむごとによつて、問題の解決の道をもつと根本的に考えてみる必要があるのじやないか。たとえば、ハンパン宿をどこそこに設けちやいかぬというふうなこと、あるいはパンパン宿を設ける区域についての占領軍当局とのかけ合いということは、確かに一つの問題の解決方法であります。しかしながら、そういう事柄よりも、重要なことは、国民の中にもつとこの廃頽的な風教を防ぎ、あるいは日本の女性の多数がパンパンになつて行くことを防ぎ、さらにまた、それから影響を受けた風教の廃頽的な傾向を防ぐ問題が考えられる必要があるのじやないか。こういう問題について、大きな国民運動を起す工作があるはずであつて、文部当局として、国民全体の文教、あるいは風教に重大な責任を持つておる立場から、そういう点を考えられたことはないのかどうか。つまり、国民運動として、われわれ同胞の女性が無数にパンパンになつて行く傾向を防ぎ、あるいはパンパン宿を提供して、わずかに收入を増して行かなければならない貧しい市民たちの立場を防衛し、さらにそういう現象から起きる小国民たちの、あるいは国民全体の中に深まつて行く風俗廃頽の傾向に対して、大きな防衛の運動を起すというようなことについて、文部当局は考えられたことはないのかどうか。また将来どういうふうにしたならば、大きな国民運動としてこれを防ぎ得るかという点について、どういう見解を持つておられるのか、この点を尋ねておきたいと思います。
○天野国務大臣 私は、これをただの教養の問題と言うわけじやございません。ただいまおつしやるように、生活苦というようなこともありますけれども、生活苦だけがこういう現象を起しているのだとは、私は解釈できない。生活苦からは何も関係ない者でも、こういうことをやつている者もあると私は思うのです。そういうような一般の思想といいましようか、そういうことを健全にしたい。また一方において国民の生活をよくしたいということは、私どもが常に考えていることで、常にその線に向つて努力をいたしておることです。ただ私どもは、破壊的な仕方によつてこれをやろうというのではなくして、健全な仕方によつて徐々に国民生活をも改善し、国民の思想をも健全にし、また教養をも高めたい。それを私どもは健全な仕方によつてだんだんやろうと、日夜苦心いたしておるわけでございます。
○渡部委員 健全な仕方によつてやられるということは、けつこうです。しがしながら、もう事態は、御承知のように座視することのできない非常に深刻な、かつ大きな問題を民族の中に持ち出しておるわけなんで、これを急速に解決するためには、それならばどういう形で健全な方法をとられたのか、あるいはとろうとされているのか。すでに国民の中からこの陳情が出て来るということ自体が、国民自身が、もう立ち上つていることになるので、これを防衛しなければならぬ、日本の女性を防衛しなければならない、また風教の廃頽が国民に及ぼす影響を防がなければならぬということが、国民自身の中から大きく起きている問題なのであります。この大きく起きている問題との関連において、それならば、どういう運動を当局はされようとするのか、また今日までされて来たのか。これは、單に占領軍との交渉という問題ではありません。国民の中に起きているこの大きい問題との関連において、初めて問題は解決するのであつて、この場合にどういう手を打たれようとしているのか、その点をお聞きしたいと思います。
○天野国務大臣 国民の中にそういう問題が起きて来ているから、われわれはその問題を適当な仕方においてよく導き、また一般に国民の教養を高めたい。教育が、そういうことに貢献すると考えておるわけであります。
○渡部委員 たとえば、簡単な、しかも穏健な方法の中にも、一つの手だけを打たれても、非常に大きな効果をあげ得るものがあると思う。全国民の中に、今陳情に現われて来るように、この問題が非常に起きて、国民全体が真剣に、深刻にこの問題に取組んでいる際でありますから、たとえば、文部当局が全国の教育関係者等を特に督励して、そして日本の女性を外国人のパンパンになることから防がなければならぬという声を、全国民的に盛り上げるために働いたとするならば、これ自体が、どこにパンパン宿を設けていいか悪いかというような問題を議論するよりも、もつともつと大きな、また穏健にこの問題を解決する一歩になると思うのだが、そういう点について考慮を払われないのかどうか、これをお聞きします。
○天野国務大臣 この問題は、なかなか簡単にそう行かないけれども、しかし、今あなたのおつしやるようなことも、一つの方法かもしれません。
○渡部委員 それでは、こういう点も考慮されまして、国民全体の中に、日本の女性が民族的な誇りと、将来の日本民族の発展を考えて、外国人のパンパンになるなというスローガンを全国民の中に持ち込む。これは、文部当局が、全国の教育関係者及びこういう問題について、この通り立ち上つている国民と一致してこの運動を進められたならば、問題はもつともつと急速に、そして広汎な、しかも国民的な規模においてこの問題は解決すると思うので、こういういわばスローガン的な問題を、全国民の一人々々の心の中に打ち込んで行くというような大きい国民的な運動を起すべきであると私は考えるわけです。この点について、当局の考えをもつとはつきり国民の前に示されて、国民の一人々々が、すべて外国人のパンパンになつてはいかぬのだという民族的な誇りと気概を高めて行くというための活動を開始されることを、私は強く要望してやまないわけであります。
○浦口委員 先ほどもこの問題が出ましたので、私はかねてお尋ねしておきたいと思つていたのですが、この際関連してお尋ねしておきます。それは、ただいま文部大臣が、こうした問題は健全な方法で実害のないように導いて行く、こういうお話、けつこうだと思う。事実は、先ほど小林委員からもお話がありましたように、非常に深刻な問題が起きております。そこで、御承知のように、人身売買問題なんかとからみまして、学校における純潔教育を、一体文部当局はどういうように今やつておられるか、その点をちよつとお尋ねしておきたいと思います。
○天野国務大臣 それについては、文部省に委員会をつくりまして、そこでパンフレツトもつくつてこれを配るとか、いろいろな仕方をしております。けれども、私はこの純潔教育というようなことも、結局は知識を解明するというようなことによつて国民が会得するのであつて、直接的な性教育とかいうふうなものは、場合によると、かえつて害があると思つて、愼重にやらなければならぬという考えでございます。
○浦口委員 私はこの問題について、日高文部事務次官にお尋ねしたとき、事務次官は、結局、性教育をする最も問題は、教育をする先生の人格の問題であるという御答弁があつた。これは私もつともだと思うのですが、ただ問題は、これをいわゆる生理学的、科学的、理論的という言葉だけでこの教育をされますと、そこに非常な危険が起きるわけであります。しかも、これは高等学校とか大学とか、相当人間として完成期に近い者にこの教育を與えるならばまた問題は別になつて参りますが、少くとも、中学生あたりに、このいわゆる純潔教育の名をもつて性教育を與えます場合、それと並行して、いわゆる倫理性と申しますか、道徳性というものを実施して行きませんと——申すまでもなく中学生などは、まだ人間の考え方として、全然完成いたしておりません。ある意味では、行動においては動物的行動といつても——これは極言かもしれませんが、そういう面が多分にあると思う。そこへそういう事実だけを教えますと、その事実に向つて、人間性がまだ発達しておりませんから、動物的本能だけがそちらへ興味本意で行くというふうな結果から、利益よりも、むしろ弊害の方が非常に多いという結果が出て来るのではないかと私は思う。そこで、教育をされる先生の問題も、問題ではありますけれども、少くとも中学などにおいて、いわゆる科学的ということだけで性教育をされると、むしろ非常に逆効果がある。そこに倫理性と道徳性の裏づけを持つて、あくまで教育をされて行かなければならぬと思う。そういう点、文部省としては、どういう方針でおやりになつておりますか。
○天野国務大臣 今浦口さんのおつしやいましたことは、私まつたく同感であります。だから、私は先ほども、これは下手にやると、かえつていけないと申したのは、そういう考えでございます。おとなが、子供を自分と同じ考えで考えるところに、非常な間違いがある。子供の持つている概念内容というものは、同じ言葉であつても、全然おとなとは建つておるのですから、浦口さんのおつしやつたことも、そういう意味ではないかと了解いたして、文部省でも大体そういう趣意でやつておりますが、しかし同時に、この純潔教育というものはどういうことであるか、そういうことは、十分研究をいたして、慎重にやるようにと私は言つております。
○小林(信)委員 大臣もおいでになるときに、今の問題に関連してお聞きするのですが、石川県にもその例があつたし——これは新聞で見たのですが、青森県にもそういう問題があつて、青森県では十六歳から十八歳までの女子で優生保護法の適用を受けた子が四百人と書いてありました。そのうちで高等学校に在学するものが二五%でしたか、そういう新聞記事が見えたのですが、こういう問題について、文部省としては相当調査しておりますか。その問題と、それからこれが——私はそうは言つておりませんが、一般父兄は男女共学からしてこういう問題が起きておるのだ、そういうことが言われておるのです。ぼくらは、かえつて男女共学がそういう弊害を除去することに大きな役割を持つておつて、そういうことはないと思いますが、しかし、こういう問題については、はつきりした究明がなされておらないか。一般の誤解は非常に大きいのですが、こういう問題も、文部省としてはどういうふうにお考えになつておりますか。とにかく、最近、学校の生徒だけの問題でなくて、若い女の方たちが優生保護法の適用を受けるということは、道徳上重大な問題だし、今の純潔教育という問題が非常に叫ばれるもとになつて来るわけですが、私は、やはりそれよりも大事なことは、当局がこういう問題に対して、どういうふうに調査され、どういうふうにこれを結論を出しておられるか、そういう点を私はお聞きしたい。
○天野国務大臣 その調査は、事務当局がしておるはずですから、あとから申し上げさせますが、私自身の考えとしては、こういうことが男女共学から来たという論も、中学あるいは高等学校では、あるいはそういう機縁をなしたという場合も、絶無とは言えないだろうと思います。そういう一つの機縁という言葉よりほかに、何かもつとうまい言葉があつたらよいかもしれませんが、そういう一つの機会をつくることになつたということも、絶無とは言えないかもしれません。しかし、将来の日本において、ほんとうに男女の関係を健全にするとか、女性というものが、ほんとうの意味において人間として完成されるとか、そういうことのためには男女共学というものがよくて、さしあたり、あるいは全国的にいえば、一、二のそういう場合もあるかもしれないけれども、これもよんどころない。自分たちはどこまでも男女共学というのはやつて行こう。けれども、これをしいる考えはちつともない。やらない方がよいというところはやらないでよい、そういう考えでございます。
○小林(信)委員 文部省で調査したのがありましたら、社会教育局長からでも……。
○天野国務大臣 きようは関係の者が来ておりませんから、また調べてお知らせいたします。
○小林(信)委員 私は、これは非常に重大な問題で、当局としては、具体的に申しますと、そういう男女共学のために起きたものもあるだろうというふうなお話なんですが、私は、それは早く文部省の調査によつて一掃していただきたいと思うのです。私は多少そういうことがあつても、よくするには役立つけれども、決してそれのためにそういう問題が起きるわけじやないということを、早くはつきりしてもらいたいのです。結局そういう女の人の相手になつたのは、どういう年齢のものであるかということは、こういう問題をお考えになる当局としては、当然調査されておると思うのですが、そういう点がはつきりすれば、結局それは男女共学というふうな問題じやない、もつと社会全般の風教問題になるのだということに私は結論を出していただけると思うのですが、それを出していただきたいことと、そういう問題を考えたときに、これを社会教育の面からして、どういうふうに文部省ではやつて行くか。ただいま、大体浦口さんの方から御質問がありましたので、委員会を設けて云々というようなお話があつたのですが、本年度社会教育のための予算というようなものを見ますときに、私は、とても今日のそういう問題は、事が大き過ぎて、また多過ぎて、はたしてああいうふうなわずかな予算でもつて解決するかどうか、そういう計画ができるかどうか、文部大臣としてはどういうふうな態度を持つておられるのか、この際お聞きしておきたいと思います。
○天野国務大臣 私の大体の考えは、ただいま申した通りであります。男女共学というものは、私はよいと思つておりますけれども、これをしいる考えはない、必ずやらなければいかぬということはないと思つております。それから、いろいろな事件が起つて参りますが、そういうことは、よく調査して今おつしやつたように、その相手方とか、いろいろなことを精細に調べたいと思つております。もつとも、社会教育の予算の少いというようなことは、小林さんのおつしやる通りで、私は社会教育というものはもつと重要視して、ここにもつと力を注いで行かなければならぬ、そういう考えを持つております。
○小林(信)委員 これはひとつ文部省で、今大臣がはつきりとおつしやつたのですから、お願いしたいと思います。文部省では、今までこういう問題についていろいろお聞きしましても、調査して報告するなんて言いますが、なかなか報告してくれたことがない。大臣、ひとつその点は、皆さんを督励していただきたいと思うのです。いまだかつて一ぺんでも報告というものをもらつたことがないのです。委員会でもつて、今までいろいろ話をして、確約をしておきながら、出したものはないのです。この問題等につきましては、先般来問題になつております文教地区云々の問題、いち早く私は一—これは一年も前の話なんです。どうもこれは、相当学校地区、学校の教育問題について、そういう風教的のものが影響するということがいわれたときに、私は文部省に言つたのです。そうしたら、ここにおられるどなたかが——私は名はさしませんが、その方が、小林さん、そういう問題は文部大臣にお尋ねになつても、大臣が善処いたしまようというようなところでもつて、それ以外の手はないのですよ、こういう。われわれには力がないのだ、持つて来てもそれはだめだというふうなことを、すでに私は聞いておるのです。だから、大臣がいかにお考えになつておられても、文部省のお役人さん連中が、もうこの点については、先ほど私が申しましたように、これは占領下でもつて相手のあることだ、それに対して文部省なんて、とても口が出せないのだ、こういう態度でおられたから、今日こういうふうに問題が出て来ておる。そうしてその虚に乗じて、どんどんこういうものが全国的に問題を複雑化し、これが悪影響をますます濃厚にして行くのじやないかと思うのです。やはり私は、制度はどうであつても、向うの交渉はどうであつても、大臣のおつしやつたさきのお言葉は、私は非常に大事な言葉だと思うのです。やはりこの問題は、国民に一つの道徳観を持たせて行く、これがやはり一番の大きな問題として持つて行くことが大事なのです。その御本家は、私は文部省だと思うのです。ところが、文部省は、折衝することは不可能だし、そういうことについては、文部省は力がないのだ。結局その問題を持つて来られても、委員会でもつてお話になつても、大臣が善処いたしますというお答え以外にないでしようというような態度でおつたからこそ、こういうふうに今問題がたくさんにできつつあるし、独立後になつても、これが解決できないのじやないかというようなことになると思うのですが、やはり根本になものは、私はよく調査していただいて、そうしてよく地方と連絡をとつていただいて、今のような予算の問題だとか、あるいは向うとの交渉によつてどういうことを協約するとかいうことよりも、文部省の第一の仕事である道義の高揚というふうなものをおやりになる、そういう積極的な御意思が今までなかつたことに問題は基因することと思います。ひとつ文部大臣は皆さんをよく御督励なさるように、お願いいたします。
○天野国務大臣 今まで一度も調査資料を出さなかつたということは、私はないつもりでございます。また私は、どこに交渉することもできぬとか、そんなことはございません。ほんとうにやろうと思えば、何でもやれるのです。それからまた、道義の高揚ということも、私どもは年中頭に置いておることでございます。ただ、調査等に不行届きのことがあつたかもしれませんけれども、それは大臣が至らなかつたからであつて、事務当局がそれをなおざりにしておるわけではありません。私がやろうと思えば、必ずやれるのです。私が今後努めてやります。
○小林(信)委員 大臣がたいへんに広言をおつしやつたのですが、まず私一、二申し上げますが、北海道の今度の地震によつて、学校がどんな災害を受けたか、すぐ調査して報告していただきたいと、委員会で私お願いしたのです。これは最も近い例なんです。私たちの手元に、何ら報告が来ておりません。そういうことを大臣が考えておられることは、私は大臣の人格からして、もうこれは了解いたします。しかし、大臣がそういうお気持であつても、あなたの部下は、あまりあなたのような気持でおらないことは、事実なんです。そういうところから、こういう問題がますます紛糾して来るということも事実なんです。ひとつこれは、大臣しつかり考えていただきたい。
○近藤(直)政府委員 十勝の震災の災害報告の資料でございますが、確かに小林委員から御注文がございまして、私調査いたしましたその結果を御提出するというお約束をいたしております。まだ完全に報告がまとまりません……。
○小林(信)委員 そういうことでもつて、いつも言いのがれておるのです。そういうことを言うから、初めて言うのです。大臣が今の言質々取消す必要があるのです。
○近藤(直)政府委員 ちよつとお聞きください。今大体のことはまとまつておりますが、なお詳細に——ただいま現地に私の方から二名参つております。それが参りまして確実なところを差上げたい、かように考えております。なお第一報の概数でございますれば、これは実は一応まとまつたものがございます。これはさつそくお届けいたしたいと思います。
○小林(信)委員 私たちがあのときに申し上げたことは、そんな確報を——確実な資料がまとまつてから、完全なものになつてからお伺いするというふうなことも、もちろん私は申し上げたかもしれませんが、早急にわれわれが論議し、これに対して対処する道を開きたい。そういう意味からしてお願いしたのです。それはやはり私に言わせれば、今大臣がそういうように答弁したから、それに対してうまくないから、言いのがれをするというふうにしか、私たちには受取れないのです。やはりそれは、ただいま詳細ではありません、簡単でございますけれども、こういう報告をいたします、追つて第二次の報告をいたしますとか、もつと詳細なものはいずれ出しますとかいうくらいに、私たちの要望をまじめにお聞取りくださるならば、出されるべきだと思うのです。こういう話が出たときには、事実もう相当な時間がたつておるのですから、おつしやつても、これはやはり私は言いのがれとしかならないと思うのです。従つて、大臣ははつきりそういうようにおつしやつたのですが、事実は今の局長のおつしやる通りです。よく御了解願いたいと思います。(笑声)
○近藤(直)政府委員 今の小林委員のお話、まことにごもつともでございます。たいへん手落ちでございました。さつそくこちらへ提出いたしたいと思つております。なお詳細な点は、先ほど申し上げましたように、今二人現地に参つておりますので、詳細なものは追つて差上げることにいたしまして、とりあえずこちらの方に提出することにいたします。
○松本(七)委員 この機会に、大臣に伺つておきたいのですが、朝鮮人の生徒が、日本の学校で勉強するようになりましてから、そこで朝鮮の国語を教わることができるというようなことになつておつた。従つて、特に朝鮮語を教えろという要求が、最近地方ではいろいろなところで起つておるらしいのです。これは滋賀県の例ですが、朝鮮の児童が五、六名しかおらないので、それにわざわざ先生を一人つけるということは困難だというようなことで、拒絶している例もあるようです。そうすると、朝鮮人の父兄や子供たちがたくさん役所などに押しかけて、役所の方でも、どう処置していいか非常に困るというような事態になつておるのだそうです。それで今後、この間新聞にも報道されましたように、朝鮮人が相当数永住もできるというようなことになりますと、この問題は早急に、文部省がどういう方針で臨むのか、はつきりした方針を定めてもらわなければ、地方では困るという声が盛んに起つておるのです。どういう方針にされるのか、明らかにしていただきたい。
○天野国務大臣 私は、その問題はちよつと即答いたしかねますから、この次によく調べまして御返事申し上げます。
○浦口委員 文教地区の問題から発展しました純潔教育の問題は、大体小林委員と大臣のお話で結論は出たようでありますが、私一つ具体的な問題で、この際お尋ねしておきたいのであります。それは、文部省で全国PTAの輿論とか、その他純潔教育の前途というものを非常に心配をされて検討されておることは、われわれも承知しております。それがどういう原因によつて起きたかということは、いろいろ多角的な問題があると思う。戦争後の社会情勢とか、はき違えた自由主義とか、家屋住宅の問題とか、あるいはいろいろな粗悪な出版物とか、映画の影響とか、いろいろあると思うのです。それからまた、これは家庭の問題もあるということもわれわれ承知しておりますが、何としても文部省として、やはりこれに一つの指導原理を與えなければならぬということは当然だと思う。そこで、われわれ聞くところによりますと、最近文部省の純潔教育審議会として、性教育テキストを作成中だということを聞いておるのでありますが、前にも文部省は何か男女交際の手引きというようなものをつくつて、相当世間から批判をされたわけです。私は今その内容を批判するのは別として、どうも役所は、何かこういうパンフレツトをつくつて、それを配付すれば、それで純潔教育ができたというような考えが非常に多い。そこで私は、今度この性教育テキストを作成中ということもお聞きしておりますので、その実施の問題は第二段として、どの程度これが進んでおられるか、またそのテキストができるまでに、審議会として、もちろん審議されるでありましようが、文部委員会などの意向も取入れて、これをひとつ実際的なものにしてほしい。単なる理論だけでなしに、実施の可能性のある、そして実施して効果のある、実情に即した具体的なものにしてほしいと思うのでありますが、そういう点について、大臣にこの際御意見をお聞きしておきたい。
○天野国務大臣 私は、先ほど来由しますように、性教育ということは非常にむずかしい、下手にやると、かえつていけない。この点においては、浦口さんと私意見が一致しておるかと思います。そういう意味で、これはただ机の上のことだとか、外国書の翻訳とかいうことでなく、これを実際上に考えて行くことがよいと思いますから、場合によれば、そういうものができましたらごらんに入れてけつこうだと思つております。
○竹尾委員長 学校教育に関する件の質疑は、本日はこの程度にとどめておきまして、あと予備審査中の二法案の質疑も次回に譲ることといたします。 ただいま全国の教育庁の代表の方々が十人ほど見えられて、この文部委員会の席で、義務教育費国庫負担法に関し、陳情を兼ねてごあいさを申し上げたいとの申出がございます。これは散会後、陳情を聞きたいと思いますので、幸い文部大臣もおられますから、文部大臣も一緒に陳情をお聞き願いたいと思います。 本日はこれにて散会いたします。 午後で時五十一分散会