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13回国会衆議院1952/04/03

文部委員会 第16号

発言数
66
登壇者
8
会派数
3
開催日
1952/04/03

会議録

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 これより会議を開きます。  ユネスコ活動に関する法律案を議題とし、前会に引続き残余の質疑を許します。井出一太郎君。

井出一太郎改進党

○井出委員 この前の委員会に不参をいたしましたので、質問の留保を願つておいたのでございますが、以下若干の点をお尋ねをしてみたいと考えます。  ユネスコ憲章の中にあります戦争は人の心の中から生れる、こういうふうな考え方に対しては、世界観によつて、別な立場というものも、おそらくは生れて来ると思います。しかし、われわれが自由世界の一環として立つ、こういう決意をいたしました以上は、このユネスコの根本精神というものに対しては、もちろんわれわれとして異論のあるところではございません。ただ問題は、こういう機構を、日本の国内でいかように取扱うか。文部省は非常に力を注いでいらつしやるところでありますが、下手をしますと、官製的なにおいが非常に強い、こういう印象を与えるおそれがあると思うのであります。真に民主化した日本国民の心の中から、こういう欲求が発生して参つて、しかもそれが世界共通の人心の向うところであるとするならば、これと自然に結びついて行くいうと姿がもちろん望ましい、かように考えるのでございますが、しかし、日本の民主主義というものが、自然発生的にほんとうに国民の血肉となるというのには、これは時間もかかることはもちろんであります。ただいまの場合、自然発生的な盛り上り方を待つというわけにも行くまいと思います。こういう点は、文部省で考えられておる点も、われわれは理解するにやぶさかではないのであります。そこで第一点として伺いたいことは、従来のユネスコ活動、特に国内において、たとえば協力会というようなものが従来ございまして、これがどの程度の成果を収めて参つたか、こういう点を文部省はどう見ていらつしやるのか。また、今度こういつた国内委員会というものをつくられるについては、これとのコネクシヨンをどう考えられるか。これを單純に吸収合併をするというものでもありますまいが、そういう一連の関係をまず最初に伺つてみたいと思います。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 お答えいたします。わが国におきます自発的なユネスコ活動といたしましては、ただいま御指摘のように、ほとんど全国にわたつておりますユネスコ協力会の活動がございますが、それ以外に、国会の中におきまして、早くからユネスコ議員連盟という組織がございまして、その自発的な活動が、非常に大きな影響を与えておりますことも、私どもは考えなければならないと存じます。そういたしまして、そうした民間の、あるいは国会のユネスコ活動が、わが国の民主化の上にどういう働きをし、また、今どういう効果を上げているかということについて、考えているところを述べろという御指摘のように伺いましたが、その効果の最大なるものは、簡單なことでございますが、わが国が独立する以前におきまして、すでにユネスコの加入を大多数の国から圧倒的な支持のもとに認められた、その事実に集約されて表現されると思うのでございます。もとよりこのユネスコ活動は、国際連盟時代の知的協力委員会の活動と違いまして、大衆の生活自体に直結して行うということを趣旨とします関係上、きわだつた仕事というふうなことは、あるいは一般の方々には目に触れておらないかもしれませんが、各都道府県におきまして、その他の地域的な生活改善運動とか、文化活動などの上において、非常な効果を上げておりますことは、多分識者のよくお認めになるところだと思います。

井出一太郎改進党

○井出委員 ただいまのお答えで、大体従来の民間活動というものはわかりましたが、日本人の新しもの好きとでもいいますか、民主主義といえばやはりすぐ飛びつく、ユネスコといえば、内容は何だかチンプンカンプンであつても、これを口にすることが、何か新しい天下公許の指導理念を、だれかから授かつたかのごとくに振りまわす、こういう傾向が非常に強いのじやないか、かように思うのです。それで、ほんとうにユネスコとは何ものであるか、こういうことになりますと、今言われる、一部識者が観念遊戯をしているにとどまつて、ほんとうに国民のバツクボーンになるというふうな点から申しますと、大分その間距離があるのじやないか。お役所が中心になつて、金殿玉樓のような機構を掲げても、どうも砂上の樓閣に終りはせぬか。国民自体の基礎工事というふうなものは、どうも幾らか稀薄じやないかという感じがいたしますが、こういう点は、どう考えられますか。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 ただいま御指摘のような、ユネスコ活動が一種の知的特権階級の間における文化運動に終る危険性があるという御指摘に対しましては、私どもは、ユネスコの本来の精神からいたしまして、この第一條にうたいましたことく「わが国民の間に広く」という表現を特に用いておりますが、真に日本国民大衆の血肉に食い入る運動であるように、国内委員会の運営上にも十分考慮して参りたい、かように考えております。

井出一太郎改進党

○井出委員 日本が国際連合への正式加盟は、まだ許されておらないわけですが、このことは、平和が回復して独立になれば、すぐにも期待がされるというふうに簡單には考えられないところだ思うのです。これにはいろいろな條件もありましようし、ある大国の拒否権というふうなものも出て来ると思うのですが、その一種の出店のようなユネスコ国際機関へはすでに加盟ができておる。この間の食い違いといいますか、ギヤツプといいますか、こういうものは、今後のユネスコ活動において、大した支障はないものでございましようが、その点をひとつ伺いたい。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 お答え申し上げます。ユネスコは、御指摘のように国際連合の専門機関でございますけれども、いわゆる附属機関ではなく、自主性を持つた機関でございます。その教育、科学、文化の面を通じまして、国連の目的である世界平和確立、人類の福祉に貢献するという機能を持つた機関でございまして、ここに加入を許されましたことは、日本の国際的な地位に重きを加える上におきまして、相当の力になると考えております。なお、国連とユネスコの関係等につきましては、外務省の方から御答辯申し上げます。

戸田盛国外務事務官(情報文化局第四課長)

○戸田説明員 国連とユネスコとの関係についてということでございましたが、御承知の通り、ユネスコは、国際連合の専門機関の一つでございまして、国際連合の経済社会理事会の管轄下にあるわけでございますが、こういう専門機関というものは、他にもたくさんございますが、すべて独立の意思決定機関、すなわち総会その他の機関を持つておりまして、ここで独立にその機関としての意思を決定することになつております。従いまして、この加盟国につきましても、おのおのその機関独自の表決によつて決定することになつております。従つて、この機関は、国際連合のすべての決定によつて、ただちに拘束されるというものでもございません。但し、両者の間に密接な協力関係というものが存在することは、当然のことでございます。  それから、日本が国連にまだ加入しておらない。また加入の申請に対しましても、ある国の拒否権等によつて実現が困難ではないか。この問題と、日本におけるこのユネスコに関連します平和運動の問題とを、どのように考えておるかという御質問が先ほどございましたが、これについては、日本がまずユネスコに加盟し、そのユネスコの憲章に定められております国内委員会を設立して、日本に自主的、積極的に、かつ各国との協力のもとにおいてユネスコ活動を活発に展開するということが、日本国民の平和意欲並びに日本国民の国民性その他に関しまして、諸外国の理解を深めることになりますし、また一方このユネスコ活動を通じまして、日本国民一般が国連に対する認識を深める、あるいは国連を通ずる平和に関する認識を深めるということが、日本国民の国連加盟への意思をよけい促進し、またそのことが諸外国に認識されるということが、日本の国連加盟を促進するゆえんになると存ずるのであります。

井出一太郎改進党

○井出委員 次に伺いたいのは、この法案において規定をいたしております国内委員会は、いわば一種の中央機関というふうな感じがいたしますが、地方に対しても、何らかの組織網をお持ちになるか。あるいは府県單位、町村單位というような細胞組織というふうなものをお考えになつておりますか、それを伺いたいのであります。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 お答え申し上げます。ユネスコの活動は、先ほど御指摘のように、あくまでも民主的な活動でなければなりませんので、政府といたしましては、積極的に地方公共団体その他に、お説のような細胞的な組織をつくろうというほどの、積極的な意思は持つておりません。しかしながら、すでに各県に、あるいは市町村に、相当数の自発的な民間の協力団体がございます。その数は二百に近い数にもなつております。なおそのうちの百に近い数は、お互いに連絡されまして、民間ユネスコ協力会を組織し、日本ユネスコ協会連盟という中央組織まで持つておるのであります。こうした民間のかなり組織的になつておるものに対して、国も地方公共団体も、その活動に対して助言し、あるいは協力し、あるいは援助をするということは、積極的にいたして参りたい、かように考えておるわけでございます。

井出一太郎改進党

○井出委員 特に積極的指導というふうな立場においてはふるまわれたい、こういうことのように伺いましたが、ただいま伺つたユネスコ協力会というふうな、かようなものが幾つもできたのでは、やりにくいでありましようし、一本化というようなことになると、当局がその間に何らかの、干渉といいますか、手を加えるということも出て参ります。従つて、そういう組織の強化ないしは育成というものに、文部省あたりの息がかかるというふうな、さつき私の申した、何か官製的なにおい、こういうものが今後の指導育成の上に出て参りはせぬかという懸念を持つのですが、こういう点はいかがですか。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 お答え申し上げます。御指摘の官製のにおいが出るような指導育成ということは、最も避けるべき点でございまして、その意味からユネスコ憲章七條にあります国内委員会の規定に基きまして、広く民間また政府を網羅いたしました、ユネスコ運動のための独立の調整連絡機関として、この国内委員会を設けたわけでございます。

井出一太郎改進党

○井出委員 かつて戦時中に、大政翼賛会というものができまして、この功罪というものについては、すでに歴史が決定したといいますが、今日これを顧みると、われわれはまことにあと味の悪い思い出のみが多いわけであります。あえて私はそれをなぞらえようとするのじやないのですが、一つの壮麗な機構ができることはけつこうですが、これ全体が国民の思想動向というふうなものに対して、強い原動力といいますか、ひつばる力が、ここらあたりから源泉となつて出て来るというような場合は、必すしも弊害なしとはいえないというふうな感じから、先ほど来、あるいは私の質問は、少し意地の悪いような響きを持つておつたかもしれませんけれども、そういう懸念にほかならないわけでございます。それで、具体的に一、二の例を申し上げますと、地方において公民館活動というふうなものが非常に盛んであります。そして、いなかの公民館長さんというような人は、ユネスコというたいへんけつこうなもが今度輸入された、これに即応して行かなければ、バスに乗り遅れるおそれがあると、ユネスコはさつぱりわかつてもいないのですが、会員を集めてユネスコの講義を一席ぶつている。ユネスコ大歓迎というので、有象無象その風にならつておるというような事例を見るのです。こういうふうなものが、さつき申し上げた、かつて大政翼賛会運動が一世を風靡したのと同じく、やりようによつては、非常な弊害をかもし、真の意味の自由をそこなうようなものでも出はしないかという懸念を持つのであります。こんなふうなことをお考えになつたことはございませんか。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 ただいま御指摘の点は、まず第一に、ユネスコ国内委員会の組織について、その懸念が起りませんように、配慮しなければならないと思うわけでございます。つまり、單に上からの有識者ばかりを集めた組織というよりは、真に民主的な教育、科学、文化に関する、あるいは社会のさまざまな生産的な部面の方々、また御指摘の地方のそういつた生活面をよく代表される方々にも入つていただいて、バランスのとれた配合、組織の面にまず手をつけようとしたことが一つでございます。またわが国の国民生活の実際に適合するのには、いかなるユネスコ活動を展開したらいいかという点について、この国内委員会で十分わが国独自のユネスコ運動のあり方を研究し、その方針を策定するように留意してあるわけでございます。

井出一太郎改進党

○井出委員 私の先ほど指摘したような点は、ひとつ十分お考えおきを願います。私が思うのには、自発的に盛り上つた民間団体というものを主役にして、これがやはり舞台でおどるべきだと思うのです。そして文部省というふうなお立場は、芝居でいえば黒子の役みたいに、あまり表面にお出にならずに、これを助長して行くという手が一番いいと思うのですが、しかし日本の後進性というか、民主化の遅れを急速にとりもどすためには、ときにはやむを得ない面もございましよう。そこで伺いたいのは、第五條第二項に、「国内委員会は、文部省の機関とする」と、明白にうたつてあります。これはどういう意味になりましようか。文部省官制の中にこういうものが入つて、文部大臣の強い統制権というか、監督権というか、こういうものが及ぶというふうな性質を持つことになりましようか、この点をお伺いします。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 「文部省の機関とする」という表現は、文部大臣の所轄機関という意味でございまして、国家行政組織法上のいわゆる八條機関でございます。たとえば、総理大臣の所轄機関である日本学術会議とか、あるいは文部大臣の所轄機関であります国立教育研究所などでありまして、もとより文部大臣の一般的監督のもとに属しますが、本省内の各部とは趣を異にするわけでございます。

井出一太郎改進党

○井出委員 この法律が動き出しますための予算関係についてお伺いしたいのですが、どの程度の予算を必要となさつておりますか。それは、二十七年度予算の、文部省の分のどういうところにどんな科目で出ておりますか、これを伺つておきたいと思うのです。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 お害え申し上げます。このユネスコ国内委員会に関係いたします予算といたしましては、二十七年度文部省予算の中で、主として国内委員会の運営に関する費用及びユネスコ活動の事業いわゆる出版、普及関係の仕事でございますが、それらを含めまして、事業質として約二千二百万円計上されてございます。その他に所要の人件費、またユネスコに加盟しております関係上、加盟国としての義務から支出いたします分担金、それからユネスコ総会その他の国際会議に出席する放資若干、これは文部省予算に入つておりませんけれども、そうした分が計上されております。

井出一太郎改進党

○井出委員 民間のユネスコ関係の諸団体に対して、この中から補助金でも出されるという構想はございませんか。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 私どもそれを希望しておりますが、二十七年度は遺憾ながらまだ補助金は認められておりませんので、二十七年度の予算にはございません。

井出一太郎改進党

○井出委員 補助金を希望されるというお言葉が今ありましたが、これはそういう立場もうなずけまするし、さりとて自発的、自然発生的な盛り上りという形で、そういう団体をむしろ非補助団体として育成するがいいか、こういうところは問題がまだ残ると思いますが、きようはそういう点に一応触れたというだけで、これはあえて御答辯はいりません。  それで、この法案の中において、やはり一番問題になる点は、国内委員会の構成であろうかと思います。現にこの法案も、審議の最終段階に入つておりますし、きようこの場に臨んで、いろいろ私が本質論を繰広げてみたところで、これはもう始まらぬと思いますから、あと問題は、委員の構成というふうな点に限定して、二、三お伺いいたしたいと思います。  この六十人という数は、相当に多いのじやないか。これはユネスコ本部執行委員というふうな数を見たつて、十八名か何かで構成されておりますので、少し多いという感じを持ちますが、最初にその点をひとつお伺いしておきます。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 国内委員会の委員の数を何人とするのが、国際関係から見ましても、また日本のユネスコ活動の状況から見ましても適当であるかは、実は準備会でもいろいろ委員が研究されたところでありますが、平たく申し上げますと、この六十人くらいの数が、一番中庸を得ておるように思うわけでございます。一、二の例を申し上げますと、アメリカは百名、英国などは二百四十名という多数でございます。小さい方を上げて参りますと、フィリピンなどが十五名、タイが十四名というふうに非常に小さいところもございますが、五十名ないし百名の間の数の国が、日本と国情なども比較的よく似ておりますし、一番適当だと思われる国際的な事実が一つ。もう一点は、少数精鋭主義と申しますか、非常に少い数で委員会を構成するという行き方と、非常に多くの数で、きわめて民主的な組織にして行くという二つの考え方がございますが、中庸をとりまして、どちらにも片寄らず、六十人くらいのところが一番適当だという結論に達したわけでございます。

井出一太郎改進党

○井出委員 これは準備金でもいろいろ論議された点でしようから、これ以上は申し上げませんが、日本にユネスコ活動の実態というものがもつと固まりておりまして、その上に構築されて行くという場合ならば、ある程度の目安も立ちましようが、今日の場合は、おそらく今おつしやるような国際的な数をにらみ合せて、腰だめで行く以外にはないと思います。それはそれでよろしいとして、この委員を大体七つにわけて六十名というものを構成された。このうちこの委員会で問題になりました、たとえば国会関係からあまりにも少いではないか。このことが、ただいま修正の形で懸案になつておりますことは別としても、たとえば、このわけ方の中で、一とか二とかいうふうなもの、これは互いに相共通する懸念も相当ありはせぬか。一体明確なラインを一と二でどこに画し得るかというふうな点は、いかがですか。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 お答え申し上げます。一と二は、この間に明確な線を画し得るものと、私どもは考えておるわけでございます。と申しますのは、御承知のように、ユネスコでは、大衆に対する活動の展開を必要とする建前から、いわゆる大衆通報——マス・コミユニケーシヨン、新聞、放送、映画、出版というふうな事業を、純粋な教育活動や科学活動のほかに、非常に重視いたしております。それでユネスコ憲章にも、大衆通報の手段によつてこの運動を展開することということを非常に慫慂しておるわけでございまして、日本においても御承知のごとく新聞、放送関係の事業は非常な力を持つておるわけでございますので、第二の部面は主としてそうした大衆通報その他博物館、公民館といつた大衆に対する文化の普及活動という面の各分野から代表者に出ていただきたい、こういう意味でございます。やや詳しく申し上げますと、教育、科学及び文化に関係いたしまして、新聞、放送、映画、通信、出版、雑誌といつた大衆通報の分野、それから図書館公民館といつた文化施設またいろいろな社会運動団体、国際団体とか、青少年団体とか、その他産業関係の団体で文化の普及に力を盡される方、そういう大体四つのグループは第一の範疇に属さない社会活動として一連のものと考えられますので、ここにはつきり線が引けるように思つておるわけであります。

井出一太郎改進党

○井出委員 ただいまの御説明は、主としてこの第二でございますか。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 さようでございます。

井出一太郎改進党

○井出委員 そうすると第一というのは、もつと純粋な、たとえばアカデミツクな感じのする分野と考えてよろしゆうございますか。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 第一号の分は、つまり教育をする団体ないしはそういうグループの代表、あるいは学問をする学開、その他の文化活動をいたします文筆家あるいは詳論家というような、文化活動自身をやるその他の団体という意味でありまして、たとえば、教育活動という面から申しますれば、初等教育、中等教育、職業技術教育、大学教育というような各分野にそれぞれ組織がございます。そういうところの代表者をあげる。科学活動につきましては、人文科学、自然科学の両部門にそれぞれ専門学会がございますから、その学会の代表者を選んで来る。文化活動につきましては文学、演劇、音楽、美術、建築等それぞれの専門団体等があります、そこから選んで来る。これはいずれもユネスコ憲章の條文にあります、教育、科学、文化に関する主要な団体の代表を網羅することという趣旨から考えたことでございます。

井出一太郎改進党

○井出委員 この人選については、選考小委員会の選考が先だつて、文部大臣の任命ということになるわけですが、その選考小委員会というものは、この六十名の委員が一応できてから成立をすることになるのでしようか、そこの前後の関係は、どうでしようか。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 国内委員会が成立いたしましてからは、国内委員会に選考小委員会が設けられますので、その選考小委員会において委員の候補者を選考いたしまして、それを文部大臣に推薦するわけでございます。但し、第一回の国内委員会を成立させますのには、まだ国内委員会が成立しておりませんから、選考小委員会ができませんので、附則にございます委員推薦のための委員を任命して、それの会議に上つて行うということになつでおります。

井出一太郎改進党

○井出委員 それは附則の何項ですか。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 附則の二項でございます。

井出一太郎改進党

○井出委員 それから、第三の地域的なユネスコ活動の領域を代表するという場合、これは全国を幾つかのブロツクにわけてというふうな、考え方に立つわけでありましようか。またそうであるならば、どういうふうな区分を腹案として持つていらつしやいましようか。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 お答え申し上げます。大体九ブロツクと東京その他六大都市から、委員を選ぶといつた形になつております。

井出一太郎改進党

○井出委員 原案によると、衆参両院の議員から二名、修正案では七名ということになるらしいですが、この二名があまりにも少いということは、論をまたぬと思うのですが、七名で妥当なりやいなや、これは各会派の意向がそこへまとまつて、国会の意思は七名という線が出ておるのですが、原案に二名を出されたことは、考えようによつては、いやしくも五、六という号を設けておきながら、それぞれ一名ずつとは何事ぞや、こう言いたくもなるわけです。この原案をつくられた意思は国会軽視ではないかという反問も出ると思いますが、原案作成者としての御見解を伺います。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 この原案作成の基本的な考えといたしましては、五條ないし六條をごらんいただきますと、ユネスコ国内委員会は、いわゆる国家行政組織法上の八條機関でございまして、行政長官である文部大臣の諮問機関であることを中心の性格といたします。従いまして、立法府の国会議員の方が、行政長官の諮問機関の委員になられるということは、むしろ通念から行きますと、異例なことに属するということが多いわけでございます。しかしながら、ユネスコ活動は、国会における、昭和二十二年の決議から非常に活溌に展開し、昨年の国会においてユネスコ加盟の承認も行われ、日本の国会は非常に熱意を示しておられたわけであります。そういう点、またユネスコ議員連盟のような組織もございます点からいたしまして、ぜひ国会の代表者を日本の特殊事情として、立法府の方が行政府の諮問委員会に入られるということはむしろ異例だけれども、ぜひ代表を送つていただきたい、かような意味でここに五号、六号を設けましたので、人数の方に重点があるわけではなく、ぜひ国会の方に入つていただきたいという意味なのであります。なお、その他の点につきましては、外務省からも簡單に御答辯いたしたいと思います。

戸田盛国外務事務官(情報文化局第四課長)

○戸田説明員 諸外国の例を、ちよつと御参考までに申し上げます。現在ユネスコに加盟しております六十五箇国中、国内委員会を設けたという通報が伝わつておりますものは五十八箇国でございます。すなわち大多数の国は、国内委員会を設けておるわけでございますが、私たちの調査の及ぶ範囲で調べましたところでは、現在までのところで、この国内委員会中に、立法府が委員となつて出ております国は、わずかに五箇国にすぎないのでございます。その五箇国中、フランス、イタリアを例外といたしまして、他はすべて一名の代表者が国会から出ているにすぎないのであります。この委員の総数を御参考までに申し上げますと、ただいまのフランス、イタリアは、フランスは八十名、イタリアは七十一名となつておりまして、すべて日本の六十名よりは多くなつております。

井出一太郎改進党

○井出委員 先ほど釘本さんの言われたように、行政府の諮問機関に議員が入ることは異例である、これは了解できるのです。ただ、いやしくも五、六と、こう、いうふうに掲げてある以上は、一名の最も有力なメンバーを出すということに、かえつて敬意を表するゆえんだ、こう考えられないこともありませんが、特に五、六という項目を設けてある以上、それぞれ一名というのは少しどうか、そういう感じがいたします。それはそれとして、私が主として言わんとするところは、国会というものが、すでに議員連盟等をずつと持続して、ユネスコ活動に多大の貢献をしたということは、あなたのお認めの通りなんですが、この国内委員会に関する限り、修正案による増加というものはしばらく別として、この九條に、もう少し国会がこれに介入し得る余地、言いかえれば、何も委員となつてこの中へ国会議員が出て行くということよりも、單なる文部大臣の任命という形より、もう少し進んで、少くともこの文部委員会のメンバーは、みな非常に関心を持つておるのでありますから、これに何か相談をするといいますか、もう少しタツチする機会が設けられてもいいのではないか、そういう気がするのです。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 従来ともに準備会にも、国会の議員の方がオブザーヴアーとして御参加になつておりますし、おそらく国内委員会成立後、委員として御活動願うほかに、いろいろの面で、特に文部委員会には、国内委員会の事業については御連絡申し上げて、事を運ぶようにせざるを得なくたつて来るだろうと思います。なぜならば、この委員会の仕事は、他の委員会とちよつと趣を異にいたしまして、国際関係のことが多いものでございますから、どうしても国家的意思というもので決定されるべき事業が多くなりますので、当然事業の性質上、文部委員会には、しよつちゆう御連絡いたすようにならざるを得ない、かように考えております。

井出一太郎改進党

○井出委員 今、岡君からちよつと御指摘があつたようですが、内閣の承認とは書いてあるが、国会の承認とは別に條文にはうたつてないのです。こういう重大な性格のものであるとすれば、国会の議員がこの中に入つて行く行かぬは別としまして、国会の承認というふうなことを、立案者としては考えられなかつたかどうか、これを伺いたい。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 国会議員の方々から運ばれます委員につきましては、国会でお選びいただくだけでありまして、何ら選考委員会等が関与することはございません。

井出一太郎改進党

○井出委員 もちろん国会議員としてこの国内委員会に入つて行く者については、国会の承認のいることは当然であり、またさような方針もあることと思います。けれども、この九條だけを見たのでは、国会がタツチする仕方が非常に稀薄だという感じがする。これを私は強く申すのでありまして、今、釘本政府委員が言われる、国会の意思を十分に尊重してというお言葉が、具体的には、この條文からだけではくみとれないのです。それで念のためにもう一ぺん伺います。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 この條文からだけでは、国会の意思を尊重するということは、くみとれないという仰せでございますが、他のこうした諮問委員会に関する法規と比べまして、これにつきましては、それぞれ委員の号をあげ、人数についても御審議をお願いしておるわけでございまして、国会の御意思を十分尊重する心組みにいたしたつもりでございます。

井出一太郎改進党

○井出委員 もちろん、この法案自体の審議は、当文部委員会がやる、これはもとより当然のことですが、この国内委員会の委員の選考にあたつて、私は文部省では、すでにある程度の腹案をお持ちではないかというふうにも考えるのです。單に内閣の承認によつてこれを任命するということでありますならば、よもや天野文部大臣のもと、釘本課長におかれては、さようなことはあるまいと思うけれども、この運用いかんによつては、これはまつたく文部省の独善的やり方も、やればできる。そういう点を私は憂える余り、くどく申し上げているのですが、その点はどうでしようか。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 御質問の御趣意はよくわかりました。そういう非難を避けますために、国会の代表者も中に御参加願い、それから選考小委員会が選考して委員を選ぶという仕組みにもなつておりますし、一面法案の基礎に、国際條約でありますユネスコ憲章というものがありますので、ユネスコ憲章の規定から離れて、非民主的なことが行われることはないのでございます。その点、御心配いただかなくても、大丈夫じやないかと思います。

井出一太郎改進党

○井出委員 選考小委員会というお話が出たのですが、その中に、国会がどういろ形でタツチすることになりましようか。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 私が申し上げましたのは、委員会の組織自体の中に国会の代表者がお入りになる。それから、委員の補充につきましては、選考小委員会というものの互選によつてできる、そういう二つの事実がありますので、非民主的な委員の選考を、文部大臣がかつてにやるというようなことは防ぎ得る。さらに、その上にユネスコ憲章というものが基礎にある、こういうことを申し上げたのでございまして、選考小委員会と国会とは特別な関係はございません。

井出一太郎改進党

○井出委員 私は、この点は文部大臣にもだめを押しておきたいようにも思うのですが……。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 文部大臣は一時でないとお見えにならぬそうです。

井出一太郎改進党

○井出委員 先ほど来、私の独演会という御非難もありますが、この点をもう一ぺん念を押して伺つておきます。国会の意思といいますか、特に当文部委員会に十分なる連絡を持たれて、人選等には万遺漏なきを期していただきたい。この点について、もう一ぺん課長からの言明を伺つて質問を打切りたいと思います。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 この委員の人選につきましては、附則第二項にございますように、国内委員会第一回委員推薦委員が会議して行われることでございますが、ただいまの御意見の趣旨を十分に体しまして、ほかに用意はいたしてございますが、なお措置の上におきましても、独善に流れないようにいたしたい、かように考えております。

若林義孝自由党

○若林委員 大体これで質疑は打切られておるのでありますが、この法案を通覧いたしますと、日本の精神文化といいますか、精神活動といいますか、この法案は国際的な日本の活動面に筋金を入れる運動になると考えるのでありまして、井出委員から、るるこの点に関して、氣持を織り込んだ質疑が試みられたのでありますが、私もこれは大きな国の精神的文化方面を左右する重大法案であると考えるのであります。かつての憲法に次ぐ宗教法人法にも増して劣らぬ大きな使命を持つ法案だと思うのでありますが、文部当局におきましても、また外務当局においても、政府としては、この運動について各委員が発言しました事柄をよく銘記せられまして、誤りのないよう、また国際的に日本の地位を高めて行くよう、万全の措置を講ぜられますように、特に国内委員の任命については、慎重の上にも慎重を期して行くべきことを私からも強く要望しておきたいと思います。

釘本久春文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課長)

○釘本政府委員 御趣旨は十分考慮いたしまして、この法案の目的の実現に努力いたしたいと存じます。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 質疑はこの程度で打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 御異議なしと認めます。質疑はこれにて終了いたしました。  本日竹尾弌ほか十九名より、自由党、改進党、社会党、第三クラブ、社会民主党を代表いたしまして修正案が提出されております。修正案の趣旨鮮明を求めます。甲木保君。

甲木保自由党

○甲木委員 理由を説明します。  教育、科学及び文化の普及並びに地域的なユネスコ活動の諾領域を、わが国の実情に合致せしめるとともに、国民全体の代表者たる国会議員並びに学識経験者の参加を増大し、もつてユネスコ活動の資質の向上をはからんとするものであります。  ユネスコ活動に関する法律案に対する修正案を朗読します。  「ユネスコ活動に関する法律案の一部を次のように修正する。第九條第一項第二号及び第三号中「十五人」を「十二人」に、同項第四号中「六人」を「七人」に、同項第五号中「一人」を「四人」に、同項第六七号中「一人」を「三人」に改める。附則第四項中「十八人」を「十六人」に改める。以上でございます。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 これより原案並びに修正案を一括議題といたしまして討論に入ります。討論の通告がございます。討論は通告順によりましてこれを許します。岡延右エ門君。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員 私は、自由党を代表いたしまして、本法案の修正案並びに修正部分を除く原条に賛成するものであります。  そもそも本法案は、崇高な世界平和の確立と人類福祉の増進のため、ユネスコ憲章、国際連合の精神にのつとつて、わが国のユネスコ運動を全国的に展開しようとするものでありますから、その趣旨、組織等において、まことに当を得たものと思うのであります。近く独立の日も目睫の間に迫つているのであり、独立国として広く世界の国際社会に、りつぱな一員として活動、貢献することができることを思うとき、われわれは、ひとしく血のおどる思いを禁じ得ないものがあります。さりながら、先ほど井出君あるいは若林君より指摘されましたる通り、実際の運動におきましては、いたずらに外国の模倣に終始したり、あるいは浮いたお祭り的行事等に堕することなく、謙虚に諸外国の理解に努めるとともに、わが国の長所、美点の発揮による国際貢献に深い思いをいたされるよう、將来関係各位への希望を申し添えて、私の賛成討論を終ります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 次に渡部義通君。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 共産党は、本法秦及び修正案を含めた法案について、反対であります。  教育、科学、文化を通じて、国際的な理解と協力を進めるということ、及び平和と人類の福祉に貢献するというこの言葉は、まことに美しいものであつて、われわれもこの目的のために力を添えております。しかしながら、問題は、法文に現われた言葉にあるのではなしに、この法案を提出しておる政府及びこれに同調する勢力が、現在どういうことをなしているかということに、根本的な理由があるわけであります。なるほど、確かに現在の吉田政府は、アメリカ式の教育、下請的な科学技術、あるいは頽廃的なアメリカ文化を日本の中に広く進めて行くということについては、主人であるアメリカ同様に、非常に熱心にやつておる事実はこれを認めます。しかしながら、これと反対に、たとえばソビエトとか中国とか、こういう国々に対しては、同様のことをなしていないばかりでなくて、実はその国交の回復さえも妨げておるという事実は、国民の中に周知であります。文化的な向上について見ましても、たとえば、昨日も私は指摘しましたが、これらの国からの文書の輸入を妨げているばかりでなくて、これを配布した者を軍裁にまで処している事実があるわけでありますし、また文化の上に非常に大きい影響を持つておる映画について申しましても、アメリカ映画は百五十本も入れるのに、ソビエト映画はわずかに三本しか入れない。單にソビエトだけではなしに、英国はアメリカの十分の一、イタリア、フランスに至つてはさらに少いというような状態であつて、まことに、文化交流といつても、これは一方的なものにすぎないわけであります。同時にまた、政府は、官吏とか政党人とか、学者とか芸術家とか、あるいは労働組合員とか、こういう人たちを、アメリカ方面には非常にしばしば送り出して見物させておるのでありますけれども、しかしながら世界平和会議とか世界労連の会議とか、近くはモスクワに開かれようとしておる国際経済会議というような会議——これは国際的な親善、国際的な協力を増すために非常に重要な会議であり、そうして日本国民がこれに代表者を送るべきであるということを積極的に主張しており、他面、これらの主催者側では、あらゆる方法で安全と便宜をはかろうとしておるにかかわらず、ここには一人も送ることを許さない。いろいろな口実を設けて許さない。こういう形で、文化の交流をまつたく遮断しようとしているのであります。  また世界の平和とか、人類の福祉とかいう血についても、われわれは政府のやつていることは少しも、この言葉通りの方向に進んでおらない、逆なコースをとつているといわざるを得ないわけです。昨日も、私は大臣に対する質問において強調しましたが、ほんとうに世界の平和というものをわれわれが望むならば、やはり世界の平和をつくり出すような勢力を助けて行かなければならない。言いかえるならば、戦争の原因である民族の抑圧とか侵略とかいうことをやるところの社会的な根拠をくずして行かなければならぬということを、私は強調しました。これをくずして行くことが必要であることが第一、それから第二には、民族抑圧と侵略の現実的な根源になるところの再軍備政策、あるいは戦争挑発政策、こういう政策をあくまで阻止して行かなければならぬ、阻止の努力が全的に拂われなければならないわけであります。ところが、現在政府がやつていることは、決してそうではありません。アメリカの指示に基いて、日本の至るところに軍事基地をつくり出しておる。また日本に兵器工場をどんどんつくり、日本を再軍備して、これを戦争政策の方にひつぱつて行こうとしている。これももう疑うことのできない今日の歴史的な方向になつているわけであります。これを阻止することなしには、平和を守るというようなことは、口の上だけでも言えた義理ではないと思う。まことにこれはしらじらしいことであると思う。それだけでなしに、アメリカと日本政府がやつているところの、日本国内に行われているところの現在のこういう政策を阻止するために、国民はあらゆる努力を拂つている。再軍備に反対し、徴兵に反対し、戦争計画に反対し、戦争の挑発政策に反対して国民は動いている。そのためのいろいろな動きを示しているのに対して、今あらゆる方法でこれを彈圧しているわけです。こういう状態のもとで、平和とか人類の福祉とかいうことを口にするのは、正直に考えるならば、まことにしらじらしい話だと私は思う。現実はこういう状態でありながら、国際的な理解と協力とか、中和と人類の福祉とかいうようなことをうたつている法案を今出す理由が、一体どこにあるのか。私はここの点にこそ根本の理由があると考えている。それは、行政協定がつくられて、戦後六箇年間に積み重ねられて来たところの占領政策が、アメリカの世界政策の新しい段階に応じてさらに苛酷な形で日本に固定化され、永久化されようとしている。従つて、これに対して国民は、ほんとうに憤激をもつて立ち上つて反対しております。この反対の声は、皆さんの一人一人が強く聞いておられるに違いないと思う。こういう反対の国民の大きな動きは、これは一つの歴史的な動きなのであつて、こん棒やピストルではもちろんのこと、バズーカ砲でも戦車でも、あるいはまた原子爆弾をもつてしても押えることはできません。この民族的な歴史的な動きというものは、弾圧等によつては絶対に押えることはできないのであります。そこでこれを文化的あるいはイデオロギー的な面から緩和させて、しかもこの日本の文化活動を、同じ主人であるアメリカを主とする文化活動と結合させ、さらにこれを官僚的に統制することによつて、アメリカ第一主義的な反ソ反共的な思想やイデオロギーを日本の国内につくり出すことによつて、安全保障條約あるいは行政協定によつて遂行されようとする現実の政策を一層徹底して行く助けとしようとしている、ここにこのユネスコ法案の根本的な目的があるわけであります。現実の方向は、私の申し上げた方向にユネスコ法案が必ず進んで行くに違いないと私は断じて疑いません。  こういう理由から、私はこの法案に反対しなければなりませんし、また自由党を中心に提出されました修正案にしましても、たとえば、国会議員を二名から七名にしてみたところで、この根本的な方向をかえるものでは絶対にありませんばかりでなくて、本来国会議員の任務は、法案を決定するのであつて、国会そのものがこういう活動の主体となるべき性質のものでないことは、これは政府委員から説明された世界のユネスコ活動における指導的な機関の構成を見ても明らかであります。以上の意味から修正案についても私は反対するわけであります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。竹尾弌外十九名提出の修正案につきまして採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 起立多数。よつて竹尾式外十九名提出の修正案は可決せられました。  次に、ただいま議決せられました修正部分を除く原案について採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 起立多数。よつて原案は修正議決いたしました。  なお、報告及び報告書の提出につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 それではさよう決しました。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員 先ほど採決にあたつて、委員長は、大臣がいないから待とうというように一応お考えになつたのでありますが、これはやはり大臣、大臣がいない場合には政務次官が採決の場合におるということが常識でありますので、これは別に国会法にそう明記しておるわけではございませんが大体においてそれが常識である。またそれが委員会を尊重するゆえんであると思いますから、今後そういうことのないように、委員長において嚴重に注意せられんことを望みます。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 わかりました。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十三分散会

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