P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
13回国会衆議院1952/02/27

文部委員会 第7号

発言数
146
登壇者
10
会派数
4
開催日
1952/02/27

会議録

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 遅れましたが、これより会議を開きます。  理事の補欠選挙を行います。委員松本七郎君が委員を辞任され、去る二十五日、再び委員に選任されましたので、先例により、委員長より松本七郎君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 御異議なしと認め、松本七郎君を理事に指名いたします。     ―――――――――――――

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 次にポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く文部省関係諸命令の措置に関する法律案を議題といたします。  先般の文部大臣の説明に対して質疑の通告がございます。これを許します。渡部義通君。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 その前に、私議事進行についての意見があります。きよう十時から委員会が開かれるのに、どうしてこのように遅れてしまつたかの理由を聞きたいと思います。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 申し上げます。本日自由党の総務会から、文部大臣の出席を求められまして、そのために少し開会の時間が遅れたのであります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 委員会が開かれておるのに、自由党の総務会のために委員会を遅らせるということ自体が、おかしいと思う。しかも、これは大臣にお聞きしたいと思うが、自由党の委員会に出るために、正式の委員会に出席しないという大臣の考え方を聞きたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私は、正式の委員会もしばしば時刻が遅れることがありますから、向うを済まして来てもよいのではないかと考えておつたわけであります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 向うを済まして来てよいと思つたということでありますが、一方は自由党の総務会であり、自由党の総務会によつてこの委員会が延びたということ自体がおかしい。そういうふうに各党がそれぞれ事情があつて出られない場合に、それなら委員会を開かないでいるのか、その点もつと明確に釈明してほしい。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 速記をやめてください。     〔速記中止〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 速記を始めてください。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 ポツダム宣言受諾に関する法律についての質問ですが、この中に文部省関係のもので、文部省以外に処理するものがありますが、これはどういうものですか。  それから次に、存続すべき命令の第二番目に書いてある宗教法人の問題ですが、宗教法人法ができて、しかも旧宗教法人令に基くような団体がその後においても残つておるのかどうか。それがこの法案の存続問題と、どういう関連を持つかという点を聞きたいと思います。

篠原義雄文部事務官(大臣官房宗務課長)

○篠原説明員 ただいまの御質問でありますが、宗教法人令下における宗教法人は、新宗教法人法における宗教法人に現在切りかえ中であります。宗教法人法は、昨年の四月二日に公布実施になりました。目下旧宗教法人令による宗教法人は、新宗教法人法による手続といたしまして、新宗教法人法による宗教法人に切りかえを申請中であります。それが大体の期間といたしまして、申請期間が一年半、その後一年半の認証期間があります。都合三箇年というものが、その手続に要する期間になつております。その間、旧来の宗教法人令による宗教法人は、新宗教法人法による宗教法人となるための諸般の手続を済ませなければならない関係上、旧来の宗教法人は従前通り、新宗教法人法による宗教法人になるまでの間、宗教法人令における宗教法人として存続する、この附則の効力によりまして、経過的にその法人格を存続する規定が挿入されておるのであります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 廃止されるポツダム命令の件名の第一、外国人に移転された著作権の登録及び保護に関する政令、これを廃止すれば、その後においては外国著作権に関する契約は、契約当事者間の合意のみをもつて成立することとなるというのでありますが、この合意という問題であります。これは従来の国際的な条約あるいは慣例に基いて、今後契約が取結ばれるのかどうかという点をお聞きしたいと思います。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 著作権に関するただいまの御質問につきましては、関係政府委員が参りまして御説明申し上げます。  先ほどの質問につきましては、文部省が主として関係のありますポツダム命令は、全部で十件あるわけでありますが、そのほか他省と共同のもので、他省の方で措置するものが八件あるわけであります。その八件を申し上げますと、すでに廃止の法律案を提出中のものが二件――これは総理庁関係でありまして、それは、工場事業場、研究機関等ノ事業報告書等ニ関スル件と申しますのと、科学技術に関する調査書の提出に関する件であります。次に改正して存続するものが二件あります。これは第一は、学校及び保育所の給食用ミルク譲与並びにこれに伴う財政措置に関する政令。第二は、銃砲刀剣類等所持取締令であります。そのほか通産省関係におきましては、兵器、航空機等ノ生産制限ニ関スル件、航空機等ニ関スル措置ニ関スル件、工場、事業場等ノ管理ニ関スル件、指定施設等の使用制限に関する件、以上であります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 次に、教科書問題ですがこれが廃止された場合に、検定問題とは関連がないのかどうか。たとえば、従来は検定が日本のある委員会においてなされて来たわけですが、実質的にはGHQに提出して、少くともその了解あるいは指示を得ておつたと思います。こういう形でGHQによる実質的な日本の教科書の検閲というものが従来行われて来たのだが、今後はそういう関係はどういうふうになるのかということについて承りたいと思います。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 前段のお尋ねのこの法律に関しまする点におきましては、これは国民学校時代において使いました修身とか歴史の教科書でありまして、もうすでにこれは廃止回収済みでございます。  第二段にお話の、新しい教科書を編成いたしまする場合に、関係方面と協議いたしたことは、過去においてはあつたのでありまするが、これももうここ二年ばかりの間におきましては、そういう関係はなくなつております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 回収された古い教科書は、どうなつておりますか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 これは故紙いわゆるふるがみとして処置いたしたわけであります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 この命令が廃止された後曲に、新しい検定方針が立てられるのかどうか。また今後どういうふうにして検定がなされて行くかというプランが立つておるのかどうか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 今日におきましては、御承知のように学校教育法に基きまする文部省令検定規則によりまし  て、検定を実施いたしておるわけでございます。検定の方法あるいは採択の方法につきましては、今日までの実施の経過にかんがみまして改正すべき諸点が考えられますれば、おそらくそれについて将来考究せられるであろうと存じております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 次に、存続すべきものの第一条の、学校施設の確保に関する政令であります。これを存続する理由というのは、ここに書いてある点で大体了解されますけれども、これが存在しておりながら、現在至るところで、接取されておる学校がほとんどもどつて来ないという事情にあるわけであります。政府としてはそういう、現在どこにおいても接収され、あるいはその他の形で学校以外の手に実質的には握られておるような施設に対して、この法律をもつて今後施設の確保のための返還命令というようなものを出して行く方針であるかどうか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 この法律の適用のありまするのは、国内関係ばかりでありまして、国内関係におきまして、教育施設が目的外に使用せられることを保護しようという趣旨でございます。お話のような点は、別に外国関係において処置せられる性質のものと考えております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 たとえば豊島の学芸大学附属小学校の問題でありますが、こういう問題は、この法律を存続することによつて、返還の法的な基礎とするのかどうかという点は、どうなんですか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 直接に適用と申しますよりは、この法律の精神をもつて、都市計画の実施等の場合において考慮せらるべき性質のものと考えております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 具体的な今の例の場合には、この法律は適用されるのかどう  か。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 この法律と別途の目的をもつての法律と、ここに競合するわけでありますが、この法律をもつて都市計画法を排除するという関係にはならないと思います。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 それではこういう法律が存在しても、それが優先的なものとしては存在しないということになるのでありますか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 この法律の精神をもつて、他方の法律の適用をすべき場合に、解釈せられるという程度の性質のものだと考えております。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 坂本君。

坂本泰良日本社会党(第二十三控室)

○坂本(泰)委員 ただいまの渡部委員の質問に関連するのですが、この法律と都市計画法との関係の問題です。国内法においては、法律の適用が競合する場合において、いずれを適用するか。というのは、もちろん具体的な問題に入るわけでありますが、ただいま問題になつております学芸大学の附属の豊島小中学校の問題です。この問題について、ただいま申されました学校施設の確保に関する政令を適用されたかどうか。そういう措置を、文部省は行われておるかどうか、その点をお尋ねいたします。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 この法律の第一条に掲げてあります目的は「学校施設が学校教育の目的以外の目的に使用されることを防止し」と書いてありますけれども、爾後に続きます各条文を読みますと、占有しているものに対しては返還を命令するとか、そういうような関係でございます。従つてこの法律の精神とするところは、もちろん他の法律を適用する場合に考えられるべきものと考えておりますけれども、直接この法律をもつて、都市計画の実施を排除するということはできないように解釈して参つたのであります。

坂本泰良日本社会党(第二十三控室)

○坂本(泰)委員 文部省が、終戦後いろいろのどさくさはあつたでしようが、難民の救済か何か、そういう意味で使用貸借か何かしておるような場合、さような場合において、この法律を適用して、それを回収し得るかどうか、またそういう措置を講じておられるかどうか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 お話の例が非常に多かつたのであります。これらの処置につきましては、法律適用以前におきまして、いろいろ当事者と話し、同時にまた、公共団体の理事者におきまして、それらの人々を収容すべき他の施設をつくることに努力いたしまして、円満に解決をはかつたのが大部分であろうと思います。

坂本泰良日本社会党(第二十三控室)

○坂本(泰)委員 進駐軍の目的以外で、学校施設が教育の目的以外に、相当全国にわたつては、使用貸借とかいう問題でやつている場合があると思うのですが、全国的にどれくらいあるか、またそれに対して万全の措置を講じておられるかどうか、その点をお伺いしたい。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 終戦後、学校施設を、ただいまお話のような難民収容等に充当いたしました数は、非常に多かつたと聞いております。この法律の適用がありましたのは二百件くらいあつたと思います。ほとんど目的を達成いたしましたが、なお法律を存続する必要があろうと考えて、存続を企画いたした次第であります。

坂本泰良日本社会党(第二十三控室)

○坂本(泰)委員 今二百件と言われましたが、まだたくさんあると思うのです。教育施設が、教育の目的に全然反することに使用されるという場合が、非常に多いと思うのですが、次の委員会でもよろしゆうございますから、全国的にどれくらいの件数があつて、まだどれくらい残つておるかという資料をお願いして、打切ります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 先ほどの著作権の問題につきまして、政府委員が参りましたから答弁をいたします。近藤管理局長。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤(直)政府委員 お答えします。著作権法につきましては、今回このポ勅の政令が廃止されましたあとは、一般の著作権法の適用によりまして、運用して参ります。なお連合国人の著作権並びに翻訳権につきましては、近く著作権法の特例に関する法律を制定いたしまして、それによつて運営して参りたいと考えております。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 他に質疑はございませんか。――他に御質疑もないようでございますから、質疑を終了したいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 御異議なしと認めます。質疑はこれにて終了いたしました。  これより討論に入りますが、討論の通告者もないようでございまするから、本案の討論を省略するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 御異議なしと認めます。討論は省略せられました。  これより採決いたします。賛成の諸君の御起立を求めます。     〔総員起立〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 起立総員。よつて原案の通り可決せられました。

坂本泰良日本社会党(第二十三控室)

○坂本(泰)委員 議事進行で、関連して、――ただいま全会一致で法律案が委員会として通過いたしましたが、この学校施設の確保に関する政令はまことに必要でありまして、ただいま質問の中にも申し上げましたが、東京学芸大学附属豊島小、中学校の敷地の問題が、区画整理とからんで、また終戦後ある一部の者にこれを使用貸借をした関係がありまして、今この敷地内に、それを契機として不法に侵入して、不法建築をやつておる現状であります。それが都市計画の実施とからみまして、今非常に早急の問題になつておるのであります。この点につきまして、委員長並びに文部当局にも、学校当局、PTAの方々、その他から陳情がおありだと存じますが、先般の委員会において、これを調査したらどうかという動議が出まして、そうして調査することになつておるのであります。私はちようど欠席しておりましたが、これは非常に急を要する問題でございますので、この調査を至急にやりたいと思いますから、その動議を提出いたします。委員全員ひとつ御賛同いただきたいと思います。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 あとでひとつおはかりいたします。これは最後の議案の教育行政に関する件、この件について、いろいろ御質問願いたいと思いましたが、あとでひとつおはかりいたしますから。

坂本泰良日本社会党(第二十三控室)

○坂本(泰)委員 これはもちろん質問もいいですが、前回の委員会できまつておりますから、早急に調査を実施して、そうしてから、この質問をしたらどうかと思います。そうしてこの調査におきましては、あそこは第四建設の管轄でありますし、豊島の建築課の関係、その他も、図面を持つて来て、単に参議院でやりましたような調査でなくて、具体的な調査としてやつた方がいいと思うのであります。この点ひとつここで御異論ないようですから、決定をいたしまして、日取りその他は委員長におまかせすることにいたしまして、御決定を願つておきたいと思います。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 お諮りいたします。坂本君の御発言に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 それではさよう決定いたします。日取りにつきましては、いずれ後ほど決定いたします。  ただいまの法案は可決されました。法案の報告及び報告書の提出につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 御異議なしと認めます。さようとりはからいます。     ―――――――――――――

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 次に商船大学の設置に関する件を議題といたします。本件につきまして質疑ががざいましたらこれを許します。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 私少委員でなかつたので、委員会の経過を詳しく知りませんが、大体概要については、平島氏と首藤氏の先日の報告で了解したわけであります。これは政府当局に聞くのか、小委員会に聞くのかというような内容でありますけれども、この内容が審議される場合に、こういうことが考えてみられたかどうか。  第一に、われわれはもちろん商船大学ができて、りつぱな商船員がそこにおいて養成されるということは、期待されるところでありますけれども、現在の日本の貿易の状態というものが、その管理権においても非常に制約されており、また貿易の相手国においても、たとえば中ソ等の貿易が極度に制限されて、事実上あらゆる日本の大部分の実業家が、生産者が、これを望んでおるにかかわらず、こういう貿易が許されていないというようなことで、日本の貿易の進展というものがはなはだ制約されておる。こういう状態の中で、商船大学の設置をそれほど急がなければならぬ状態があるのかどうかということが、第一であります。  第二には、現在神戸港というものは、その七割が接収されてしまつた。従つて、日本の港湾としての役割というものが、ほとんど制約されておるわけであります。のみならず、神戸市自体の重要な部分が、五十二万坪も接収されておる。こういうこともまた神戸商船大学の設立の上に、重要な関係があるわけであつて、この点が深く考慮されたかどうか。  第三には、今日神戸市は、日本のあらゆる都市と同様に、非常に窮乏の財政の中に置かれておつて、現在神戸市は八億円の銀行の借金を持つておる。従つて、そういう状態にあるので、神戸市としては、年度半ばにして公共事業の事業費を半分に減らさなければならないような苦境に追い込まれてしまつた。そのために、市吏員の一千人の首切りさえも行わなければならないような状態になつておつた。こういう状態の中で、先日のお話によると、神戸の地方民も非常にこれについて熱心で、醵金をしておるような――これは聞き違いかどうかはつきりしませんけれども――話があつたのですけれども、このような財政状態、生活状態の中で、今神戸商船大学をつくり上げて行くために、重要な役割を果すような基金が集まり得るのかどうか。この三点をまずお聞きしたいと思います。  これは小委員会にお聞きした方がはつきりすると思うのだけれども、小委員会の内容については、当局の方でもちろん聞かれておると思うので、大学局長なりその他なりに聞きたいと思います。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 ちよつと速記をとめて。     〔速記中止〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 速記を続けてください。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 ともかく以上三点について、大学局長の答弁を求めます。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 第一の高級船員の需要と、これに対する養成の数の御質問でございますが、これは運輸省の方の関係からわれわれ資料を得まして研究いたしたところによりますと、わが国の商船隊の規模は、今後年間約四十万トンずつ増加して参りまして、昭和三十年度において約三百八十万トンの保有を目標としておるそうでございます。三百八十万トンの船腹に対しまする高級船員の所要数は約一万名であるわけでありますが、年間自然減耗率というものを五%として推算して考えました場合に、年間の需要員は五百名に相なるわけであります。このうち高級船員がいかなる方面から得られるかということにつきまして、運輸省において推算した結果によりますと、教育機関出身者と実地出身者から出て参りまするし、また大学と高等学校両面から出て参ります。それらの推算によりまして、大学からは百七十名必要だという数字が出て参るわけであります。さらに過去の実績から見まして、採用人員の八〇%が卒業後商船隊に乗り組むものといたしますれば、百七十名の需要に対しましては、商船大学の採用員数は二百十名になるわけであります。さらにこの二百十名が商船隊以外にも参ることを考えますれば、二百四十名程度の養成が必要である。しかるに今日の清水の商船大学の養成は百六十名であります。新たに大学をつくるとなれば、その点から考えまして、最低百二十名程度の定員が必要だと考えております。そういうような需要供給の観点から考えますれば、商船大学設置の必要は認められるように考えております。  第二の、校地校舎が神戸市の地理的状況から見て、懸念があるというお話につきましては、現にあそこに運輸省所管の海技専門学院の校地校舎がございまして、それを運輸省におきましては、商船大校設置の機会に文部省に移管いたしまして、商船大学の校地校舎に充当することを了承いたしております。従いまして、校地校舎についての危惧はないと考えております。  第三に、神戸市の財政状況についての御質問がございましたが、すでに神戸市及び兵庫県におきましては、商船大学設置に対して、施設費の半額は負担すると、理事者から文部省に申入れがありまするので、それに対しまする財的負担はあるものと、私どもは考えております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 それはわかりました。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 他に御質疑はございませんか。――他に御質疑がないようでございまするから、次の議題に移ります。     ―――――――――――――

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 教育行政に関する件を議題といたします。質疑がありますればこれを許します。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 その前にちよつと開きたいのは、商船大学の問題をきまりをつけるのかどうかという問題です。     〔「もう議題がかわつたのだ」と呼ぶ者あり〕

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 次の議題でございます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 御存じのように、十八日に渋谷の駅前で、大臣がその出身校の校長であられた現在の東京大学の教養学部学生の署名運動が行われておりました。現在各大学、高等学校等において、言いかえれば戦争適齢期的な年齢の層の学生たちが、全国にわたつて徴兵忌避、再軍備反対という運動をやつているわけであります。これは学生全体の気持であり、また戦争に行きたくないということも、再軍備反対だということも、学生全体の層をおおうところの気持であり、また精神でもあるわけですが、こういう学生の考え方について、大臣はどういうふうにお考えになつておるか、この点をまずお聞きします。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私は学生の全般的な人情としては、もつともな点もありますが、個々の点については、また問題があろうかと思つております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 人情として問題があるということは……。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 問題があるとは申しませんですが……。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 もつともだとおつしやることは、現在学生たちが再軍備に反対しており、従つてまたこの再軍備を通じて、より切迫せしめられる危険性のある戦争にもちろん反対しておる。従つて再軍備された後における徴兵制度の行われる危険性があるというこの気持、この精神、こういう動き、現在の学生の全層をおおつておるような、こういう動きに対しては、同感されるという意味でありますか。個々の問題ではありません、これは全国的な一つの傾向であります。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 その気持は、私もよくわかるのでございます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 それではそういう学生たちが、その精神を貫くために――しかもその精神というものは、決して今日軽々しい、そういうものではございません、命にかけても、どうしても日本の再軍備、日本が戦争に巻き込まれることを阻止しなければならぬ。またその成長過程において、あの悲惨な戦争を経過した学生たちが、どうしても戦争をやりたくない、従つて徴兵制というようなものには絶対反対だ。自分たち自身が戦争に行くことには絶対に反対だから、これはどんなことがあつても拒否しなければならぬというこの精神というものが、全国の学生運動の中心的な動きとなつて今日現われて来ているわけなんです。従つて、こういう動き、全国の学生が徴兵忌避、戦争反対の動きをするというこの事実について、大臣はそういう動きをすることはいけないことだというふうにお考えですか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 その気持はよくわかりますが、動きといつても、いろいろな動きがありますから、いけない動きもあると思います。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 大臣は、今日一九五〇年代の学生の社会的関心、政治的関心、学生の成長というものについて、少しも御理解になつておらない。そうではなくて、学生たちが命にかけてもやろうという動きは、非常に広汎に起きておる。かりにあなた方がいつも言うように、共産党がその主唱者であるということがあつたとしても、学生層の中にそれだけの気持、精神、動きというものがなかつたならば、それは決して運動としては起きません。しかし、今日全国的にそういう運動が起きているのであつて、これはここに動員されて来る学生の数を見ても、その他地方で動いている学生の数を見ても、御存じでありましようし、そういう動きの先頭に立つている学生たちが、委員選挙等において、全面的な学生の支持を得るというような事実から見ても明白であります。従つて、こういうことは全体的な一つの歴史的な空気になつておるのでありますから、どういう動き、こういう動きという、そういうものではありません、一体としての学生の動きであります。だから、こういう運動の進行ということについては、大臣としてはこれを阻止するような考えが少しもあつてはならない。むしろ、こういうものを健全に、公然と発達、発展せしめて行くということにこそ、今日の学生の動きから見て、また将来の日本の歴史的な展望の上から見て、これはぜひとも必要になつて来ると思うのであります。その点についての大臣の見解を聞きたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私は、ただいまも申しておりますように、若い学生のそういう気持は、自分によくわかる。けれども、学生のあり方からいつて、目的を達するためにどうすべきかということは、簡単に言えないと思つております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 今日学生が、自分たちの層、自分たちの同僚の中に、全国の学生の中にその意見を高めて行くということだけではなしに、学生たちがその目的を達するためには、どうしても市民の諸層、婦人層、他の青年層、こういうものに働きかけ、こういうものと一緒になつて闘わなければ目的を達することができないということは、これは学生の考えであるだけではなくて、運動上における実際の問題であります。従つて、学生たちが、自分たちの気持、精神というようなものを、ほんとうに日本の全国民に理解してもらうためには、そうして戦争や再軍備を阻止するためには、これを世間に訴えなければならぬ。従つて、学生は署名運動なり、演説会なりをもつて、これを世間に訴えるよりほかに方法はないのであつて、しかも事態が急であれば急であるほど、このことを積極的にやらなければならぬということは明らかであります。従つて、学生が署名運動なり、演説会なりをもつて、その気持、その精神を市民に訴えて行くというやり方についての大臣の考えを聞いておるのであります。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 それは、個々の場合でないと、判断できないと思つております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 私の言つておるのは、決して個々の場合ではありません。こういうふうに一般的に起きている問題を、一般的に解決する方法、このことを聞いておるわけです。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 一般的といつても、行動はいつも個々的でありますから、その個々の場合でないと考えられません。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 それでは個々の場合について聞きます。かつてあなたが校長であられた学校の学生たちが、今徴兵忌避、再軍備反対運動に対して最も熱心に、最も純真に活動しております。この教養学部の若い学生たちの純真な、しかも自分たちの立場と日本の将来を思うところの動きに対して、言いかえれば、個々のこういう学生の動きについては、どういうふうに考えますか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 一つの行動というものは、いつも純粋だとか、その動機がよいとかいうことだけではきまらないのであつて、いかに純粋であつても、いかに熱心であつても、その行為が適当でないということもあり得ることであります。駒場の場合には、警察が届出が不十分だというのに、それをしたというので、警察が許可しないものをするということは、やはりよくないことだと私は思つております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 そうではありません。あの教養学部の学生たちは、自分たちの気持を市民に訴えたいから、あの駅前の広場において演説会を開くことを許してもらいたいということを、二回にわたつて、非常に熱心に長時間要請したのです。ところがこれは許されなかつた。しかしながら、他の再軍備賛成、また徴兵も賛成というふうな、たとえば清水亘というふうなフアシスト的な人々には、連日にわたつても――渋谷の駅前に行つてみるとわかりますが、会場が貸されている。こういう矛盾が行われているのですが、大臣はこれは矛盾だとはお思いになりませんか。不公平とはお思いになりませんか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 教養学部の学部長が私に報告したところによると、学生の届出が不備であつた。だから警察が許さなかつたのは当然であると、学部長が私に報告しております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 そうではありません。それでは別な問題に進みますが、正当な、書類の上で不備でないというような条件のもとでは、当然この演説会なり街頭署名なりが許さるべきものであるというふうにお考えですか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 それは警察の判断によることだと思つております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 警察の判断を聞いているのではありません。大臣がどういうふうに考えているかということを私は問題にしている。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私は、警察が判断して、よくない、許可しないというものを、無理にやることはよくないという考えであります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 大臣は最近物事を真剣に考えられる性質を失われたことを、私は遺憾に思う。現在の学生のあの真剣さをごらんなさい。ああした真剣さをもつてやろうとする学生たちに対して、大臣の今の態度というものは、私は嘲笑的な態度だと思う。そういうものではありません。書類の不備というようなことは、実際上はそうではないのであつて、不備を理由にして拒絶するということにすぎないのである。  次の問題に移りますが、あの日演説会を開くことについて、どうしても警察が許さなかつた。それで学生たちは、しようがないから、自分たちのやり得る形では、署名運動で行くよりほかないので、署名運動をやつたわけであります。この署名運動も、警察の側では弾圧したのである。これは大臣からおつしやれば学生のもつともな気持、もつともな精神、その気持を実際に市民に知らせようとすることを、警察はあらゆる手段をもつて、暴力をもつて弾圧しているということを意味するわけです。だから学校行政の上からいえば、こういう警察のやり方についても、大臣は十分な関心を持つてやられなければ、この学校行政上の重要な役割を果すことはできないと思う。だから、こういう場合における警察の弾圧について、もしそれが学校行政、学生の動きの正しい発展の上から不当である、むしろそういうことを公然と許した方がいいのだというふうにお考えならば、当然そういう動きを、大臣及び文部省としては示すべきだと思う。だからこそ、私はその点を強くはつきりお聞きしておるわけなんで、あの渋谷における弾圧についてはどういうふうにお考えですか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私は、警察の処置が私に納得できないというならば、警察にお話をいたそうと思つておる。けれども、学部長が私に、あの場合は警察の処置があれでよいんだというお話でありますから、私は別段抗議をいたしません。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 学生が、今後もおそらく市民に訴えるためには、演説会も持つでありましようし、また署名運動もするでありましようが、根本問題として、ああいう広場において再軍備反対には許さず、再軍備賛成には許すというようなこういう問題については、大臣はどう考えられるのか。この問題は、問題の理解の仕方であつて、従つて問題の考え方であつて、それよりまた教育行政の上からいつても重大な問題である。学生諸君が、もし警察のやつていることが不当なんだ、再軍備反対には許さず、再軍備賛成にだけ許しておるのはけしからぬという学生の気持が高まるならば、学生は、当然不当な制約を排して闘うことになる。そうすれば、当然学校全体の問題ともなり、文部省関係の問題ともなつて来るのは必然であります。従つて、こういう点については、不公平というふうには考えられないのかどうか、この点についてはどうですか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私はこの前にも渡部さんに申したと思いますが、学生は人を指導する立場にはなくて、指導される立場にある、それが学生のあり方だ。指導する責任を持つている学部長が、あれでよいんだと私に言いますから、私は学生の指導は、学部長を信頼して、学部長にまかせてあるわけでございます。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 ただいまの渡部君の御発言中に不穏当な言辞があつたと存じますので、速記録を調査の上委員長において適当にとりはからいます。  なお渡部君に御注意申し上げますが、他に質疑の通告者が多数ございますので、なるべく簡単にお願い申します。なおあなたの要求によりまして、法務府から刑政長官草鹿浅之介君が見られておりますから、質疑を急いでください。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 それでは大臣への質問を、さらに別個のものとして移しますが、これは二十日に起つた東大における警察侵入問題であります。大学に、しかもあの日は、大学当局が公認したところの集会に警察が侵入して来て、問題の発端となつたのでありますが、この場合における警察の侵入問題について、大臣はどういうふうに考えられるのか、この点をまずお聞きいたします。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 これは両方に言い分があるように思つております。文部次官通牒というものの通りに解すれば、大学の言われるところがごもつともでありますし、また警察の言われるところも、私は聞くべきものがあるかと思いますが、なおよく両方のお考えを聞かないと軽々に判断はできないと思つております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 これは、特に学校の自治の問題についての、根本的な一つの事態となつておるわけであります。学校が公認しているような集会にさえも警察が入つて来るというようなことが、現在普通行われ出して来る、その傾向を阻止する考えはないかどうかというのが、私は根本の問題だと思うのです。この点についてお聞きいたします。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 文部次官通牒は、どこまでも維持する考えでおります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 そうすると、今度の警官  の侵入問題を契機として起つた紛争問題の責任は、警察の側にあるというふうにお考えになるわけでありますか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 ただいま申しましたように、今度のようなことの具体的な事情は、まだつまびらかにしておりませんから、警察の側に責任があるとか、どこににあるとかいうことは、私は申しかねます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 具体的にしておらないから答えられないというのは、当局の答え方のある形であります。しかしながら、すでに大臣は矢内原総長にも会われたという新聞記事が出ており、矢内原総長の言明は、すでに即日に東京新聞等にことに詳しく出ております。総長は、あれは明らかに警察の不当な侵入であるという考えを持つており、またその後私が学校当局に行つて、学生課長に会つて確かめたところによつても、明らかに警察の不当な態度であるので、あの東京新聞に矢内原総長が対話的に発表された意見の線を、大学は断固として守つて行くつもりだと言われましたので、大学としてはそういう方針をとるもののように私は考えるわけであります。従つて矢内原総長に会われたときの情勢からいつて、大臣はどういうふうに判断されるのかどうか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 矢内原総長にお会いいたしまして、私は、どこまでも次官通牒の線は、これを守つて行くということを申し上げたわけであります。けれども、今度のことの具体的な詳しいことは、私はまだ警視総監にも会つておりませんし、十分知りませんので、それを軽々にどつちに責任があるとかいうようなことは、私は申しかねるのでございます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 これは、他の地方にも同様な問題が起きておるわけであります。名古屋大学では、学生が授業料値上げ反対運動をやつておつたときに、やはり同様の問題があります。この場合に、特殊の問題というのは、MPが来て空砲を発射しておどかしたばかりでなくて、その場に逮捕した学生を、ピストルでなぐりつけておるというようなことまで、はつきり今日報道されておるわけであります。学内における自治というもの、あるいは警察その他の者が学校に侵入して来て、学内の動きに対して制圧を加えて行くという、こういう一般的な傾向があるのであつて、この一般的な傾向をどういうふうにしたならば阻止できるかという点が、私は根本問題だと思うが、大臣はこの点についてどういうふうな態度をとられるか。また明らかに、名古屋大学のように、外国の軍人が入つて来て、学生の授業料値上げ反対運動を、暴力的に弾圧しようとしたというような事態が明らかになつた場合に、これに対してどういうふうな処置を文部大臣としてとられるつもりであるか、この点を聞きます。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 渡部さんが御心配になる以上に、私は今の日本の学生の不安状態を心配いたしております。これをどうしたらよいかということは、非常にむずかしいことだと思つております。名古屋大学のことはまだ詳細に聞いておりませんから、何とも申しかねます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 それでは、聞いておられないというのでありますから、それを詳細に調べられた上に、こういう問題について、文部大臣としては、今後の学園の自由をほんとうに守り、大学の自治をほんとうに確立して行くという決意を持たれるならば、これに対する当然の処置をとられるはずであり、その処置をとられた結果について、あるいはとられようとする過程については、次の委員会まで私は質問を保留します。  次に、法務関係についてお聞きしますが、法務府としましては、東大における警察官の不法侵入問題について、どういうふうにお考えになりますか。

草鹿浅之介刑政長官

○草鹿政府委員 法務府の立場といたしましては、あの会に入りました巡査に対する暴行事件として、学生一名について暴力行為等処罰に関する法律違反被疑事件として逮捕いたしました。なお、他の一名に対して逮捕状が出ていたと思いますが、これはまだ未逮捕であります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 警察側と学校側、学生側との一つの争点は、あの集会が公開された集会だから、公開された形において入つたのだという点にあつたわけであります。学校側は、私、学生課長に会つて事情をただしたら、そういうことじやないということを、はつきり言明しておりますが、法務府が受けた報告は、どういうふうになつておりますか。

草鹿浅之介刑政長官

○草鹿政府委員 私の聞いております報告によると、一般公開の会に、切符を買つて入つたのだということであります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 学校側の責任ある言明によりましても、学生側の多くが調査したところによりましても、これは学生と職員だけの会合である。しかも学校が公認した会合であり、それで警察が入つて来ることは不当であるというばかりでなくて、学校当局がいかに不当と考えておつたかということは、あそこに警官が不法侵入したというので、問題になつて、会の終了後に警官が学生の前にひつぱり出された。そこで学生たちが、不法侵入を追究しておつたときに、それを認めざるを得なくなつてこれを認めた。そこで斯波厚生部長が、学生の要請に応じて、不法侵入したということを書いて、これに署名したらどうかということを、責任ある厚生部長が警察に対して要求しておるのです。もう一つ、あなたの受けられている警察側の報道が間違つておるという事実は、その後スパイと見るべきものが――もちろん警察関係の者で、これは相当上級官です。これが私服でうろうろしてそこにやつて来た。そこでまた学生諸君がこれをつかまえて、どうして来たとただしたところが、初めは単なる通行人だというように言つておつた。しかしながら、追究されて後に、その上級の警察官が、実は部下の帰つて来るのがあまり遅かつたので、不安に思つて来てみたんだ、こういうことを言つておる。この事実は――明らかに本富士署だと思うのですが、本富士署の上級官の命を受けてそこにやつて来たということを、裏づけることになるわけです。問題の争点はここにあるのであつて、この点についてどう判断するかが、あの侵入が不法であつたかどうかということの、一つの理解となるわけです。この点についてどういうように考えますか。

草鹿浅之介刑政長官

○草鹿政府委員 私が申し上げました報告は、おそらくこれは私の想像になりますが、所轄警察から検察庁への報告を、われわれの方へ一応報告して来たのだろうと思います。これは先ほど申し上げました通り、現在検察庁の関係といたしましては、一人の逮捕いたしました学生に対して、暴力行為等処罰に関する法律違反被疑事件として捜査をやつておりますもので、この事件をやつて行きます過程におきまして、この事件の発生の原因となつた集会の関係、あるいは警察官がどういう理由で入つたかといつたような点は、当然捜査がなされるものと思いますので、これらの捜査が完了いたしました上で、検察庁としての詳細な事実が判明すると思つております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 この争点も、最終的には、やはり警察の不法侵入の一つのモメントとして、根本的に重要だと思いますので、今私の質問した点を、法務府としてただちに本富士署に聞き合せて、その事実であるかどうかを確かめられたい。本富士署の言うことが、私の言うことに相違しているならば、本富士署でおそらくうそを言つていると考えられるので、こういう点は学生及び学校当局についても確かめた上、問題を明らかにしてほしい。  次に……。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 渡部君に御注意申し上げます。時間がもうございません。あなたにはたくさんの時間を与えてありますので、なるべく簡単にお願いします。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 警察があの場に侵入して行つたということは、今言つた点からだけ見ても、明らかに計画的な行動であつたと、われわれ確認できると思う。普通の常識を持つ者ならば、確認できると思う。これは偶然に起つたことではなくして、本富士署としては、長期にわたり、連続的にこのような内偵をやつておる。たとえば、進歩的な教授の名前を全部調べて、その身分調査をやつておる。また学生たちのあらゆる団体、すべての団体の主要メンバー、そしてその動き、そういうものを全部調べ上げている。さらに学生たちの身元調査をいろいろな形でやつておる。それのみでなく、学生諸君の活動的な人たちの尾行をやつて、どこそこのそば屋で、そばを何ばい食べて、どういう話をしたというようなことまでも、彼らは調査を進めております。こういうことが長期連続的に行われているのであつて、二十日の晩のあの問題は、偶然ではなくて、こういう連続的なスパイ行為の一環として行われているわけであります。法務府といたしましては、このようなやり方を正しいと考えて、それをやるべきであるというふうな指令を出しているのかどうか、この点を聞きます。

草鹿浅之介刑政長官

○草鹿政府委員 法務府としましては、本富士警察署にそういう指令は出しておりませんし、また出すべき権限もございません。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 ちよつと御注意申し上げます。もう時間がございません。今文部大臣は、外務委員会に出席を要求されております。ところが、公平と平等を日ごろ主張されているあなたが時間を独占されるということは、これは許されないのですから、簡単にお願いいたします。この一問だけしか許しません。一問だけ許します。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 十時から始められたら、こういうことはなかつた。これは自由党の……。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 一問だけ許します。それ以上は許しません。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 それはけしからぬ。一問だけ許して、それ以上許さぬということは、けしからぬ。――それでこのことは法務府に聞くのであるが、このようなスパイ行為が東大で行われているという事実、これを基礎にして考えれば、われわれはすべての主要学校において、今日スパイ行為が連続的に行われているというふうに考えざるを得ないわけであります。この証拠は、他の学校にもあるのであつて、このようなスパイ行為が行われているということは、これは明らかに憲法違反であり、断じて許すことのできないものであるのにもかかわらず、各警察がこのように行つて、そうしてその結果が今日のような問題を引起したわけであります。だから憲法違反であるこの連続的な長期にわたるスパイ行為を、法務府としては禁止すべきであると私は考えるが、この点についてはどう考えるか。第一は、これが憲法違反であるということ、従つてこれは、検察関係の総元締めである法務府としては、これを取締らなければならぬという問題が第二。  それから第三の問題としては、福井君という二年の学生が検挙されておりますが、そのときにも警察側としては、不当にあそこに侵入して行つて、福井君がやつたかやらないかは、全然別個の問題として、従来スパイをやつて来たそのスパイがそこへ来て、顔見知りの者を、どれでもいいからつかまえようとした。たまたま防衛力が福井君に集中されていなかつたために、福井君がつかまつたにすぎない。しかも、そのつかまえるときに警察側で徹底的な暴力を振つておる。福井君は前歯をかがれており、血だるまにされておる。こういう現実の暴力行為に対して、法務府としてはどういう処置をとられるか、これが第三の問題。  第四の問題は、学生たちが、自分たちの同僚が留置されておるので面会に行つたが、これを許さない。なぜ許さないか。許さない権限があるのかどうか、これが第四。  第五の問題は、福井君が、警察の暴力によつて血だるまにされた。警察は、これに対して何らの処置も加えていない。学生諸君は、これを医院につれて行きたいから、あるいは医院に送るべきだと主張したにもかかわらず、断じて許さない。それを許すかどうかは、たといけがをしておつたとしても、自分が必要なしと判断すれば医者を入れない、というような暴言まで、警察署長が吐いておる。警察署長のごときが、病人なり、けがの状態を判断する力を持つていないことは明瞭である。明瞭であるにかかわらず、警察署長が、けが人の診断をさせないというような、暴戻きわまるフアシスト的なやり方を今日やつているわけであります。こういう警官に対して、法務府はどういうふうに考えられるか、これが第五の問題であります。

草鹿浅之介刑政長官

○草鹿政府委員 警察側がどういうことをやつているかということにつきましては、われわれもよくわかりませんが、これはどういう目的で、いかなることをやつているかという具体的な事実によつて判断されるべきものであると思います。  第三問、第四問、第五問につきましても、この間のときの具体的な事実を捜査いたしまして、その捜査の結果、犯罪のある場合には、それ相当の処置をとらざるを得ないと思います。いずれにいたしましても、この間の問題につきましては、目下捜査中でございますので、具体的な事実が判明いたしませんと、何とも申し上げることはできないと思います。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 私はまだ問題があるので、保留しておきます。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 文部大臣は、ただいま外務委員会に出席を要求されておりますので、非常に急いでおります。そこで質疑の通告者がまだ三名残つておりますが、文部大臣に対して質疑をされる方は、ごく簡単にお願いいたします。浦口鉄男君。

浦口鉄男第三倶楽部

○浦口委員 東大事件に関連いたしまして、簡単に二、三大臣にお尋ねしておきます。  学生というものは、指導される立場であり、未完成なものであるということは、大臣もいつもおつしやつており、私もその点は了承いたします。ただあの問題は、いろいろな角度から見て行かなければならないので、非常にむずかしい問題だと思いますが、時間がございませんから簡単にお伺いします。同じ学生であつても、最高学府の学生がああいう態度をもつてあの問題を扱つたということが、非常に問題だと思う。学問の自由、思想の自由は、一応肯定いたすことを前提としても、そこに遺憾の点がある。警察官は、少くとも大学生よりも、学問その他において低い立場にある点からいつても、たいへん遺憾に思うわけであります。ただ、世間では、ああした実力行動というか、暴力に出たのは、共産党の指導によるものである、学生のそのときの気持とか、若い人の気持が、たまたまそう表現されたのではなく、一貫せる共産党の指導に基いて、ああいう暴力がなされたのだから、これは大学生の教養、知性の問題とは別だという断定が、相当に強いのですが、大臣は、その点について、どういうふうにお考えになつておられますか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私はその点は、どうも簡単に断定いたしかねると思います。

浦口鉄男第三倶楽部

○浦口委員 今、学内の細胞というふうなものはないと聞いております。しかし、今度の事件、あるいは名古屋その他で類似の事件が続発しておるわけですが、少くともそうした暴力行為、実力行為における指導的立場にある学生は、従来細胞であつたとか、あるいはそれに同調しておる者であるとか、そういう人方が主になつておるかどうか。その点、文部省はどういうふうに考えられますか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 ただいまの点については、まだ私ここで責任を持つて申し上げるだけの結論に到達いたしておりません。

浦口鉄男第三倶楽部

○浦口委員 あの事件に出て来た警察官は、われわれの聞くところでは、日ごろから私服で大学構内に出入りをして――そういう言葉が適当かどうかわかりませんが、いろいろ学生の行動、教授の行動をスパイしていたと聞いておるわけであります。それがたまたまあの劇団の公演に際して、学生がいつも来ておる顔を見つけたので、非常に感情的に激昂したと聞いておるのであります。これは非常に考えなければならない問題だと思う。警察官と国民の関係は、非常に好ましくないのでありますが、私、若いときから政治運動をやつているのですが、警察官が臨監すると、非常に精神的な圧迫を感ずる。また若ければ若いだけに、そこに非常な反発を感ずる。こういうことは、われわれはいいとは思つておりません。しかし、そこにはやはり警察官の人格とか、警察制度そのものに対して非常に不備がある。人間においても遺憾な点のある人が、警察官をやつておるというふうなことに、原因もあるのでありますが、少くとも、そういうスパイ的な行動と申しますか、そうした現実を学生が見たときには、やはり感情的に非常に高揚すると申しますか、感情的に激発して来て、そうした実力行動に出やすいという若い人の気持は、私はある程度否定できないと思う。これが必ずしも共産党の指導であるということでないという今の文部大臣の答弁でありますが、そういう共産党の細胞というものは別にいたしましても、若い人の気持に対して、警察が日ごろそういう態度で学生を見て行くということは、文部当局として学生の指導の立場に立たれる、また学者としての大臣は、どういうふうにお考えになつておられますか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私は、若い者がそういうときに激昂をするということは、自然なことだろうと思つております。またその際、警察の方に不適当なことがあるならば、いつでも抗議をしようと思つておりますけれども、まだ事実を明らかにしておりませんから、今軽軽にどちらに責任があるか、そういうことを私はここで述べたくない。

浦口鉄男第三倶楽部

○浦口委員 これは学校当局にお聞きすることかと思うのですが、一応大臣にお聞きしておきたいと思います。それはこの前の京都市大事件についても、私は服部学長がここへ見えられたときに、学生に対する学校側の指導について質問して、たいへん失望したのであります。ということは、大学の自由ということは、大臣もいつもおつしやつているように、学問の研究の自由であるというふうに、われわれ解釈していいと思うのでありますが、現在の大学の教授その他が、大学の状態をして、学問や研究に、はたしてふさわしい空気というものをつくり出すことに、最大の努力と責任を感じているかどうかという点で、私は非常に学校当局側に疑いを持つております。政治家というものの要素は、熱情と見通しと責任だというふうなことを、だれかが言つておりますが、私は、学者もやはり、学生の気持をよく考え、時勢の動き、見通しというものに立つて、熱情と責任を持つて学生を指導するという点が、非常に私は欠けていると思う。そういう点で大臣は、現在の、とりわけ国立大学の教授陣と申しますか、指導者の立場にある人たちの一連の空気を、どういうふうにお考えになつておりますか、それをお聞きしたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 大学の自由ということは、狭く言えば、研究の自由でございますけれども、やはり学生を指導する自由というものもあるわけだと思いますから、その範囲ということは、よほどむずかしいと思つております。ただ大学の教授諸君は、研究者であると同時に、教育者でもあるのですから、そういう自覚を持つて学生を指導していただきたいと、日ごろお願いをしておるわけです。けれども、一万にも上るような学生が大学におるのですから、それを指導して行くということは、これは容易ならざることである、非常にむずかしいと、私も二十年近くその職におつて、体験いたして参つたわけでありますが、非常にむずかしいと思つております。けれども、私は大学の教授諸君に、単なる研究者でなくして、教育者なんだからして、そういう点について、十分努力をしていただきたいということを、日ごろからお願いしているわけでございます。

浦口鉄男第三倶楽部

○浦口委員 そこで最後に――いろいろお聞きしたいことがありますが、時間がないそうでありますから、簡単にお尋ねいたします。それは学問の自由と大学における自治。学問の自由は、今までのお話は、理論としてわかるわけでありますが、事実となりますと、これは大学の実態になる。事実上のあり方になつて来るわけでありまして、しかも大学は、決して社会から全然かけ離れた雲の上の存在ではなく、やはり社会の一角を構成しているわけでありますから、その学問の自由と大学の自治――しかも大学は決して治外法権であるとも考えられないと思いますが、そういう具体的な結びつきについて、大臣としてはどういうふうな信念を持つておられますか、それをお聞きしておきます。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 これは非常にむずかしいことだと思います。第一大学の自治と申しますか、自由というようなことは、ドイツの大学がヨーロッパでも古い部類に属していて、そこで伝統的に言つていることは、いつでも研究、教授の自由、学習の自由です。大学生になれば、どの学科を選んでもいい、こういうことをドイツでは言つておるのです。けれども、だんだん今の日本のような事情になつて来ますと、それを守るためには、やはり大学が自分で治めるという点が必要になつて来たわけです。そういうような成立ちから、中心は、どこまでも研究、教授の自由なんですけれども、それを維持するためには、やはり実態の方も、あるところまで自分でやるという点がないとやりにくいということが、もとになつて来ておると思つております。けれども、一体どこが限界かということになりますと、これは非常にむずかしくて、簡単にここだというふうに言うことは、できないように思つております。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 次に若林義孝君。

若林義孝自由党

○若林委員 二点だけについてお伺いいたしたいと思います。一点は、行政機構の改革に関して、文部省に関する事柄であります。一点は、相当に今問題になつております給与の基準についての問題、この二点を伺いたいと思います。  行政機構の改革は、おそらくああいう案が発表されておるわけでありますから、相当進んでおると思いますが、文部省に関する機構については、どういうようになつておるか、おさしつかえない限り伺いたいと思います。  それに関連しまして、文化財保護委員会というような機構も、やはり改革の対象になると考えるのでありますが、この文化財保護委員会というものは、議員立法で、相当委員会なんかの整理を必要とするという声のある中で生れ出でたものであります。特にその動機となりましたのは、千三百年の歴史を有するところの法隆寺の国宝が烏有に帰するようなできごとが起つたということが、その必要性を感ぜしめたわけであります。のどもと過ぐれば熱さを忘るというわけで、世間一般は、金閣寺が焼けたとき、それ見たかというようなことにはなつたのですが、もう時日がたつに従つて、忘れて行くわけでありまして、われわれといたしましては、ああいうような万一のことがないようにという意味で、この文化財保護委員会というものをつくつたわけであります。あれこそ、政府の意図もあつたでしようけれども、民主主義的な精神に基いて、文化財はわれわれ国民の手によつて保護して行かなければならぬという気持が盛り上つてできたことだと思うのでありまして、これは一般行政機構の整理と同じような対象として取扱うべきでないと、われわれは考えておるのであります。おそらく行政機構改革にあたつて、文部大臣の意向も相当反映されると思うのでありますが、教育自体というものも、私はそれと同じように、普通一般の行政とは違つた行き方で考えて行くということで、前国会における人員整理のことについても、特別の扱いを受けたわけでありますから、この点は、まずお気持はわかつておるのでありますが、今度の根本的な機構改革に際して、おそらく教育関係の人員だけは、その対象とはなるまいと思うのであります。それと同様に、国民の手によつて守ろうという気持が盛り上つてできましたこの文化財保護委員会という機構は、より以上拡充すべきものであるとさえ思うのであります。この点、大臣の御決意と機構改革に際しての文部委員会への風当りといいますか、影響といいますか、どういうふうにお思いになつておりますか、承つておきたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 ただいまおつしやいましたことは、私はすべてごもつともだと思つております。そういう線に沿うて私どももやつて行きたいという考えでございます。もし詳しいことが必要でしたら、事務当局からお答えいたさせます。

若林義孝自由党

○若林委員 贅言を用いませんが、今日特別に御考慮願つております教職員の給与基準についても、当委員会といたしましては、高教組側の要求する意見、また日教組側の要求する意見等、当委員会において聴取したのでありまして、われわれといたしましての考えは、あくまでも教育界内部の問題であるから、円満にこれが国会で、すべてのものが百パーセント満足はしなくても、大体教育を尊重し、教育に関係する者を特別に優遇して行くという気持の盛り上つた給与基準の出されて来ることを、心から祈つておる次第なのでありますが、現在の段階におきまする文部当局としての御見解を承りたい。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 これは御承知のように、前々から教育者の人員というものを考えて参りまして、このたびも教育者の別表というものを考えておるわけでございます。それについて基準をお尋ねかと思いますが、私どもは、学歴とか、また勤続年限、資格というようなものを主にする。しかし、勤めるところが大学であるか、あるいは高等学校であるかというようなことも考慮に入れて考えて行きたいと思つております。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 文部大臣以外の政府側に御質疑がございましたら、これを許します。

浦口鉄男第三倶楽部

○浦口委員 篠原宗務課長がおいでになつておりますので、お尋ねしておきます。この前の委員会において、若林委員から荻野事務官ですかにお尋ねをしておりますが、この際私結論的に一つお尋ねしておきたいと思います。宗教審議会の委員が決定したのでありますが、この委員は非常に重要な任務があることは、われわれこの立法に参加したものとして、よく承知しております。そこで各宗派から、この委員の任命にいろいろ意見が出た。と申しますよりも、反対意見も相当出ておるということは、すでにお聞きだと思います。そこで私は、時間がないから、こういう反対意見が出ておる、ああいう反対意見が出ておるということは、この際省きたいと思いますが、こういう委員の任命が、各宗派、各教団を網羅して非常に公平にやるということは、なかなかむずかしいと思います。このことはわれわれも承知しております。文部大臣も、あまり気を使つて、公平にやればやるほど、反対が出て因つたということも、われわれもまた承知しております。ただここでお尋ねしておきたいことは、各宗派の反対意見をいろいろ聞きますと、必ずしもその委員の割当の数に対して問題があるというようなことでなしに、この委員の任命される事務的な経過において、納得が行かない点があるということが言われておるのであります。一、二の例を申しますと、選考の方法が、個人に諮問したものがあり、あるいは教団に諮問をした。また教団から四人を推薦をしたのに、何の相談もなしに二人に削られてしまつて、その経過がわからない。われわれが考えますと、やはり教団に諮問をするのが、最も妥当なる方法でないか。これに対して、この前の委員会で、荻野事務官は、個人の背後には教団があるんだから、個人に諮問することは、教団に諮問をしたのと同じだというような答弁があつたのですが、これは詭弁のようにも思う。そこで私は、そうした選考の経過において、宗務課として万全を尽されたとは思いますが、いろいろ各宗派の意見を考えられて、そこに考えなおすべきものがあつたのではないか、あるいは万全であつたどうか。もし万全でなければ、どういう点に考えなおすべき点があつたようだということを、ひとつ聞いておきたい。

篠原義雄文部事務官(大臣官房宗務課長)

○篠原説明員 実は宗教法人審議会委員の選任につきまして、お話のように、多少意見のあつたのを聞いております。これは、ある宗教の一部の意見であります。かつその選任の場合におきますわれわれの態度いたしましては、御承知のように神社関係、あるいは神道教派関係、あるいは仏教関係、あるいはキリスト教関係その他いろいろな宗派がございます。その間にその宗教団体の伝統なり性格なり、こういうものがおのおの異なつておるのであります。しかも現実のわれわれの行政事務の対象として、先ほどどなたかの委員からも発言がありましたように、この二、三年の間に、七百二十の教団を文部省では認証しなければならない緊迫した事情があるのであります。そういうやはり一般的な宗教界の雰囲気、あるいは情勢というものを、一応頭に入れながら考えております。行政事務を担当するものといたしましては、おのずからその対象に制約を受けるのは当然であります。従つて、そういう角度からこの選任の対象を十分に考慮いたしまして、かつ、ただいま選任の場合の手続といたしましては、各種各様の宗教あるいは宗教団体の理事者、あるいは団体の教義によつて、その特殊性に応じて推薦していただいたのであります。従つて、その間に推薦がありまして、かつまた、個人あるいは学識経験者等、一般の広い範囲におきまして御意見を拝聴しております。その上で任命されたのであります。われわれといたしましては、誠心誠意その事に当つたというふうに了解し、かつまたかたく信じておる次第であります。

浦口鉄男第三倶楽部

○浦口委員 かたく信じられておるなら、それ以上追究しませんが、具体的な問題を一つ二つお尋ねしておきます。あの選考方法が、絶対正しかつた、何も反省するところがないという確信は承りましたから、あとはあまりこまかいことは述べません。ただ問題としては、この代表を各宗団の構成員の数に比例して出したのかどうか、そのことをひとつ伺いたい。

篠原義雄文部事務官(大臣官房宗務課長)

○篠原説明員 実は先ほど申しますように、宗教団体は非常に多数ございます。かつまた、委員の数は十五名以内ということに限定されております。従つて、実質的な行政から、ここ数年の間、特に一、二年の間に認証事務を終らなければならないという角度から、これら七百余教団の実情、あるいは宗教団体のあり方などを検討いたしまして、おのずからそこに宗教別的な大わくが考えられるのであります。従つて、そういう実質的な面の検討を加えて、その上でその委員の割振りというものを考えたのであります。従つて、現在任命されております各委員、たとえば神道関係は何名、仏教関係は何名、こういつたものを将来絶対に変更できないという性質のものではなく、要するに、現実の問題処理と必要性に応じ、かつまた宗教界の実質的な相談に応じまして、その数があんばいされるものと考えておるのであります。

若林義孝自由党

○若林委員 関連事項で――一応課長の説明を了承はいたしますけれども、あの選考の全体を支配しておる空気において、われわれ承服しがたいところのあることを一言申し加えておきたい。あの法案における審議会の地位というものは、あくまでも文部大臣の諮問機関ではあります。しかしながら、あれはあくまでも民主的な宗教の自由と平等とを保つ意味における審議会であろうと、私たちは考えておりまして、在来の官僚的の空気を一掃して、文部大臣の諮問機関ではあるけれども、実体は宗教団体のいわゆる連合体の一つの機関であるがごとき性質を持つておるということは、あの法案審議のときに明確にいたしておいたのであります。そういう意味からして、今度のかくのごとき選考に関しこの論議があとからかもし出されたというところに、手落ちがあつた。こういうように私は考えますので、大体手落ちなくやられた努力は認めるのでありますけれども、結果においては、そういう遺憾なことがあつたということ、そしてあれを民主的な宗教団体の連合会の、いわゆる一つの機関のごときものの方に重点を置いた方がよかつたのを、文部大臣の直接の審議機関であるがごとく、冷たい存在のような結果になつたのは遺憾に思う。この意思を表明しておきたい。答弁はよろしゆうございます。

浦口鉄男第三倶楽部

○浦口委員 そこで具体的な問題を一つ、二つお尋ねしておきます。神社神道のあり方は、これはいろいろな問題があるのでありますが、それは今時間がありませんから、るる述べませんが、神社神道の代表者が、どうも少し少いように考えられる。その原因は、神社は認証に手数がいらない、簡単に認証ができるから代表が少くてもいい。審議会の最大の目的は認証であるという意見も、一部にあつたそうでありますが、審議会の目的は、決して認証だけが問題でなく、非常に将来大きな事柄がたくさんあると思うのであります。そうした認証にあまり神社の方は手数がかからないから数を少くしたのか、あるいは神社そのものに対しては、占領軍当局が占領後いろいろ批判をしていたので、そうしたことに気がねをして代表を少くしたのではないかというふうな疑義を持つのでありますが、その点をひとつ御答弁を願いたい。  それから神社神道の代表として選ばれたと、われわれ考えております折口信夫博士が、選考の過程において、いろいろ疑義を持つて委員の就任を拒絶された。それに対して、あくまでも引受方を懇請しているということを聞いておりますが、そういう事実があるかどうか。また就任を拒絶した場合に、宗務課長としては、どういう態度をとる方針でおられるか、これが第二。  第三は、認証の事務の進め方について、どうも官僚統制のにおいが非常に強いという意見が、いろいろ出ております。われわれは、各宗派の意見をそのまま聞くものではありませんが、この問題は、宗教法人法審議のときにも、宗教に対して官僚統制の面が強く出ないことを極力要望して、われわれはこれに賛成したと思つておりますので、そういう事実が具体的にあるかどうか。まずそうしたことに対する宗務課長の今後の考え方を聞いておきたい。この三つをお聞きしておきます。

篠原義雄文部事務官(大臣官房宗務課長)

○篠原説明員 第一問の、このたび委員になつた神社系の数並びにその数についてのいわゆる関係方面の事情等につきましては、御承知のように神社関係に属するところの神社が、その数において八万以上に達しておる。従つて、宗教界における宗教法人としての数は、非常に厖大であります。しかし、その神職数は、他の宗教団体に比べて比較的少い。それから神社本庁という、いわゆる包括的な宗教法人――神社の大半を包括しておるところの神社本庁の規則を、われわれの方に認証申請に参つております。この神社本庁の規則を認証するということ自体が、すでに一応の神社界に対する安心感を付与するものである、こういうふうに考慮した。そういう角度から数あるいは神社の規則、そういつたものを全部考慮いたしまして、その上で委員の任命につきましても、十分改良したわけであります。御承知のように、宗教団体であるやいなやということに、宗教法人審議会の主眼点がある、従つて、神社が、法定されておりますように宗教団体であるというふうに確定しておるのです。従つて既存の神社関係を包括しているところの神社本庁の規則というものを認証する段階に達しておる。しかも個々の神社の規則につきましても、その神社本庁の規則の内容として、その発展として考えられる性質のものである。従つて神社本庁の組織というものを考えて、神社本庁がわが国における宗教団体の最も大きな組織を持つた組織的、一体的な存在である。そこで他の仏教諸関係等と比較いたします場合に、その規則の認証にからんで考えますと、いわゆる神社関係に対する不安感を、われわれとしてはなくさせたいという角度から、認証事務を処理している関係もあります。すでに認証を得ておるわけであります。そういうふうな実質的な関係から考えて、その数を限定したわけであります。  それから関係方面との関係、これは全然ありません。特に私は神社関係といたしましては、神社の信仰が民族的信仰として、日本の宗教の諸般の基盤をなして発展して来たこの事実に対しては、文部省は、過去も現在も将来も、これは当然尊敬する立場にあります。この点は将来ともに変更はないつもりであります。  それから第二の、某委員の拒否をした場合における処置――もつとも某委員につきましては、お話のようにそういう経過もございます。まさにその通りであります。しかしながら、われわれといたしましては、一旦任命された以上は、学者でもあり、神社界の基盤関係から推薦されている関係もありまして、十分その推薦を尊重し、かつまた学者を尊重して参りたい。たまたまその某委員が入院している関係もありまして、私、直接にお会いする機会を得ませんけれども、今もつてその発令通りに進みたい、こういうふうに考えております。かつまた、それが絶対的にいわゆる折合いがつかないという場合につきましては、その問題につきましては、神社本庁の当局者と十分打合せ――十分と言つては語弊がありますけれども、すでに打合せをしておるような実情であります。将来とも、そういう方面につきましても、慎重に進めて参りたい、こう考えております。  それから最後の認証手続であります。先ほど申しますように、七百二十以上の教団がありますが、現在約八十にわたる宗教法人の認証申請が参つております。そのうち七つ、八つ認証済みであります。御承知のように、宗教法人法は、もつぱら世俗の面と申しますか、財産の面に関する規定というものを予想しております。ところが、宗教団体側の方では、往々にして宗教面の規定を挿入して参ります。従つて、われわれの実際の実務の上に認証権がないものを規定しております関係で、内閣の場合にいろいろ御注意申し上げます。それで、あるいはある一部の宗教団体が、何か内閣の場合に規程を変更させられるということにつきまして、不安感を持つているのじやないか。しかし、実際われわれの部屋に参りまて、いろいろお話合いをしております。非常に喜んでおる実情でありまして、一部の人たちが、あるいはそういうことを申しておるかもしれませんが、少くとも認証申請をして参つた各教団につきましては、非常に安心して、なごやかな空気のもとに、いろいろな手続をなしておる状況であります。あるいはわれわれの仄聞するところによれば、事務になれないところの地方庁の関係から、多少そういう向きのものもあるのではないかと考えておる次第であります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 次に坂本泰良君。

坂本泰良日本社会党(第二十三控室)

○坂本(泰)委員 実は質問の順序に手違いがあつて、文部大臣に質問できなかつたのですが、私質問の前に、提案いたしたいと思うのであります。それは、明日もう一回委員会を開いていただきまして、渋谷の事件の問題、それから東大の問題、なお漢文の問題もあるわけでありますが、本日大臣の答弁を聞きますと、渋谷の問題については、教養学部長から、手続の点について不備があつたということを聞いているだけだから、判断はわからない。ところが、実際上は(渋谷の広場においては再軍備賛成、軍備拡張演説をやらせて、再軍備反対のは許さない。われわれは、この全国的な再軍備反対の運動に対しては、もちろんある一部の煽動ということも認めないわけではないのでありますが、これはやはり直接の関係のある大学生にとつては、中心の問題でありまして、現在の憲法からいたしましても、この軍備反対については、これこそ先に許さなければならない問題であるのであります。なお東大の問題につきましては、法務府から見えておりまするが、あまり詳しい報告も受けておられないのであります。なおわれわれが一番関心を持つものは、入場料を払つて警官が入つたと申します。しからば、昼間職務期間中に、入場料を払つて何しに行つたのか、三名の警官は、何の職務で行つたのか。あるいは休暇をもらつて遊びに行つたのか、そういう点がまことに不明瞭であります。この大学の自治の問題、学問の自由の問題というものは、これは私も始終申しておりまするように、現段階においては、まことに重要な問題であります。学徒動員などという、真に学問の研究の自由が奪われたから、あの第二次戦争のような悲惨な状態に陥つた。これはわれわれがまだ十年もたたない経験に明らかなものでありまして、当時われわれも学生でありましたが、相当警官が私服で大学内に入つて、非常な忌むべき行為をやつて弾圧をした。学問の自由が侵された。われわれは身をもつて経験をいたしておるのであります。でありまするから、この問題につきましては、その真相を究明いたしまして、われわれ日本の独立のために万全を期さなければならない、かように存ずるのであります。従つて、単に法務府の刑政長官、あるいは文部大臣だけでは、この問題の真相の把握はできないと思う。かように存じますから、ぜひ明日委員会を開いていただきまして、その真相を確かめる上から、警視総監、本富士署長、渋谷署長、教養学部長、東大の学長、これらの人たちを参考人に呼びまして、この委員会でその真相を究明しまして、教育行政の根本を確立しなければならない、かように存ずるのであります。従つて私は、本日はこの提案をぜひいれていただくということを前提にいたしまして、質問はやめることにいたしたいと思います。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 坂本君に申し上げます。理事諸君とよく御相談いたしましてお答えいたします。  渡部君にはもう許さないということを申し上げたんですが、特に同君の懇請によりまして、一問だけ許します。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 先ほど草鹿長官への質問に対しては、何もかにも事情がわからないというので、お答えにならなかつた。その事情を明らかにするために、実は坂本君とも相談し、皆さんの御同意を得て明日質問したいと思うが、しかし事情はわからなくても、はつきりしている問題は、現在至るところでスパイ行為、特高警察的な行為がやられておる。ことに東大においては、明らかに実証されるものがあるのでありますが、こういうスパイ行為は憲法違反ではないか。これはお答えになることができるはずだと思うので、この点が第一。  第二は、警察が最近至るところで積極的な暴力を振つており、本富士署のごときも同様でありますが、こういう暴力行為をどういうふうにして取締るかという問題が第二。  第三の問題は、事態が明らかになつた後は、本富士署のスパイをした巡査、それから暴行を加えた巡査、さらに病人を不当監禁している人権蹂躙の署長自体が明らかになつた上は、そういう問題についてはどういう処置をとられる考えであるか、この三点をお聞きしたい。

草鹿浅之介刑政長官

○草鹿政府委員 スパイ行為についてでございますが、一概にスパイ行為といわれておりますが、これはどういう行為をやつておるか、内容によりまして違つて来ると思います。従つて具体的な事実によりまして、それぞれ違つて来るものだと思います。  その次の問題も、これは警察官が、かりにそういつたような暴力を振うという行き過ぎがあります場合の直接の監督責任者――これはもう私から申すまでもありませんが、法務府といたしましては、そういつたような場合に、そこに犯罪があります場合は、これを捜査して起訴するなり適当な処置をとつて行く、こういうことになります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 ありそうな場合は、捜査しますか。

草鹿浅之介刑政長官

○草鹿政府委員 被疑事実がございますと、もちろん捜査をいたします。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 本富士署の場合は捜査しますか。

草鹿浅之介刑政長官

○草鹿政府委員 もし被疑事実があれば、検察庁は捜査をいたします。  最後の御質問の点は、これは私から申し上げるまでもないと思いますが、本富士署の場合に限りません、捜査いたしました結果、もしそこにいわゆる涜職罪、暴行凌辱の犯罪が成立いたしますならば、当然これに対して処罰しなければなりません。

竹尾弌自由党

○竹尾委員長 質疑はこれで終了いたしましたが、先ほど可決されました豊島小学校視察の日時につきましては、いずれ至急あとより御通知申し上げます。  なお文部省の給与準則の点につきまして、日比谷高等学校長菊地龍道君が陳情されたいという申出がございます。散会後これを承ることにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時三十九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗