文部委員会 第6号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1952/02/22
会議録
○竹尾委員長 これより会議を開きます。 速記を中止してください。 〔速記中止〕
○竹尾委員長 速記を始めて。 次に当委員会は商船大学に関する小委員会を設置いたしましたが、この際小委員長より経済報告を求めます。小委員長平島良一君。
○平島委員 神戸商船大学設置に関する小委員会の、これまでの経過を御報告いたします。 去る本月十三日、当委員会におきまして、神戸商船大学設置に関する小委員会を設けることになりまして不肖私がその小委員長になつたのでありますが、その関係上、経過の概要につきまして御報告申し上げる次第であります。 この問題につきましては、委員各位の非常な御努力、御活動、御協力をいただきまして、相当の成果を収めることのできましたことは、御同慶に存じますが、なお百尺竿頭一歩を進めなければ、所期通り二十七年度開設というところに到達し得ない段階にありますことは、まことに遺憾に存ずる次第であります。すなわち、問題の焦点は非常に明確となりましてなお相当の困難はありますものの、二十七年度の開設は必ずしも不可能でないところまでこぎ着けたのでありまして、もう一押しというところでございますので、各位の御協力をお願いしたいと存ずるものであります。 その概要を申し上げますと、十三日に小委員会ができまして、さつそく翌十四日、小委員会を開きまして協議の結果、予算の問題につきましては、近代美術館の設置費を流用することができるかどうかということ、またもう一つは、その対策に関して文部大臣と懇談会を開こうではないか、さらに十五日にその結果に基いて小委員会を開くということにいたしたのでありまして、午後五時から、院内委員長室に文部大臣を招致いたしまして、懇談いたしました。その懇談の結果、文部大臣も文部省の省議を開いて検討して、その結果を何とか御希望に沿うようにいたしたいということであつたのでありますが、その省議の結果はまだ報告を受けておりません。 十五日午前、小委員会を開催いたしまして、大蔵大臣の出席を求めて懇談いたしました。大蔵大臣といたしましては、いろいろ閣議等の模様の報告もありまして、大学をこれ以上増加することはどうかというような意見もあつたのでありますが、私どもといたしましては、それは一般の大学のことであつて、こういう特殊な大学は別であろうということを考えてもらわなければならないということを、要望いたしたのであります。その閣議において、運輸大臣は、商船大学を二つつくるということは、学閥をつくる結果になるのではなかろうか、将来船に乗るのに、船の上で学閥の争いをするようであつては困るという建前から、運輸大臣が賛意を表さなかつたというような意見もあつたのであります。 次に、近代美術館設置に関する見解につきまして、その結果の説明がありました。これはちよつと速記をやめていただきます。
○竹尾委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○竹尾委員長 速記を始めて。
○平島委員 それから文部大臣その他文部省の方々の出席もありまして、いろいろ事情を聞いたのでありますが、文部省といたしましては、その事情については、たいへん苦衷を開陳しておられたのでありまして、寺中局長よりは、近代美術館設置費を大学設置費に流用することは、不可能であるというような御意見もあつたのであります。 それから十六日に、前段のごとき大蔵大臣の談話にかんがみまして、運輸大臣に委員会に出席を求めまして、懇談いたしたのでありますが、運輸政務次官が大臣より先に出席されまして、大学設置ということは、運輸省の管轄外で、二枚になろうが三枚になろうが、運輸省としてはそういうことを関知いたしません。だから海技専門学院の現状を維持して、海員の再教育に支障を来さないように配慮してもらえば運輸省としては絶対その他のことに異議は申さないし、また申すべき筋合いのものでもないという政務次官の意見であつたのであります。それから運輸大臣が来られまして、運輸大臣はそういうことを閣議で言つたのか、神戸商船大学について反対の意見を今もなお持つておるのかどうかを、われわれは尋ねたのでありますが、そのときに運輸大臣は、私ほぼどうも今までの経緯を知らなかつたがために、そういうふうな独自の意見を申し上げだのでありますが、昨夕方いろいろ党の考えなり文部委員会の意向を聞きまして、これはどうも私の考えが間違つておつたということで、決して神戸商船大学の設置について、私は反対するものではございませんということを言明されたのであります。以上いろいろ懇談をいたしまして各委員から熱心な御発言がありまして、文部省に対しても、従来本委員会ほど、文部省に対して協力を惜しまず、努力をして来た委員会はないではないか。予算をとるためにも、わざわざ委員会を開いて、この文部予算の増額をわれわれ委員会の力によつてやろうじやないかというまでやつたということは、おそらくほかの委員会には見ないことであろうというほど、この文部委員会は文部省に協力しておるにもかかわらず、本委員が熱心に要望するこの大学設置について、文部省が終始消極的であつたことは、まことに遺憾であるというような意見が出たのでありまして、こういう状態であつたのでは、今後文部委員会は文部省に協力するわけに行かないというような強硬な発言もあつたほどなのであります。これに対しましては、文部当局もすこぶる恐縮いたしておつたようでありますが、要するに、今後二十七年度に、この神戸商船大学をぜひ開設いたしますようにくふうせられたいという真摯な意見が出たのであります。冒頭に申し上げましたように、二十七年度開設不可能でもないというところまで来ておるのでありまして、もう一押しどうぞ皆さんの御協力を得まして、二十七年度から神戸商船大学の実現することを、われわれはこいねがつてやまない次第であります。 右御報告申し上げます。
○竹尾委員長 次に、文部省所管の予算が、予算委員会第三分科会で審査を進められましたが、その経過につきまして、この際首藤委員より発言を求められておりますので、これを許します。首藤新八君。
○首藤委員 一昨二十日並びに昨二十一日の両日にわたりまして、予委算員会の文部分科会が開会されたのでありますが、この二日間の分科会におきまして、主として取上げられましたのは、神戸市に商船大学を設置する問題であつたのであります。この問題につきましては、すでに前の文部委員会並びにただいま平島委員から御報告がありましたように、小委員会におきましても、幾たびか真摯にして、かつ熱烈な意見の開陳がありまして、当初の要請よりも一歩前進いたしてはおりまするけれども、なお前途に幾多の困難が横たわつておるかのように見受けられましたので、この二日間にわたる各委員の意見の開陳も、ほとんどこの問題に集中いたしまして、いかにしてこの問題を文部委員会の決議通りに二十七年度から実行せしめるべきかという点に集中されたのであります。しかしてこの分科会の主査は、各委員の熱烈な、しかもほとんど全員の同じ発言であろうことを予想いたしまして、十二分に了解いたして、この委員の意向を尊重いたしまして、できる限りそれに沿うという趣旨の、附帶決議にひとしい文書を添付いたしまして、これを予算委員会に報告するという発言があつたのであります。さらにその主査の発言に対しまして、今村政務次官から、この分科会の意向を十二分に尊重いたしまして希望に沿うという発言がありましたので、時間の関係もありまして、この辺で実はこの質問を打切つたのであります。しかし、われわれはあくまでも二十七年度から実施を徹底的に迫るものでありまして、この点は大蔵政府委員もよく御了解願つて、今後この実現のために、あらゆる御協力をお願いしなければならぬというふうに考えておるのであります。と同時に、先ほど特に私が委員会の発言におきまして了解しかねましたのは、現在の日本の至上命令は経済の自立である。そうして自立は、貿易の促進並びにこれと不可分にあるところの造船の強化、さらにこれと不可分にあるところの高級船員の養成にある。しかるに、この緊急な要請に対しまして予算がないということで削減しておるにもかかわらず、一方におきましては、近代美術館のために予算がとつてある。この美術館が必要でないとは申し上げませんけれども、現実の日本の経済自立のために、いずれを優先的にとるべきか、いずれを先行すべきかという点に相なりまするなら、おそらく何人も商船大学設置に御賛成あるであろうことが想像されるにもかかわらず、優先すべき商船大学に対しましては、予算が不足しているということで削減いたし、そして必ずしも緊急を要せずと考えられるところの近代美術館に対しては、御丁寧にも二重の予算がとられておる。文部当局並びに大蔵当局はこの問題をいかに考えるかということを質問いたしましたのに対しまして、二つとも同等の重さを持つとの御答弁があつたのであります。しからば、かりに百歩を譲りまして、同じ重さを持つものと仮定いたしますれば、その実行の面におきましても、それを二つ並行すべきであるにもかかわらず、軽いと思われるところの近代美術館に重点を置いた予算を編成されて、そして先行すべきこの商船大学をあとまわしにするということは、いかに同情して考えましても、われわれは理解に苦しむのであります。この点に対しまして、文部並びに大蔵省の政府委員からも明答がなかつたことを遺憾といたしておるのであります。どうかこの点を深くお考え願いたい。百歩を讓つて同等の重さがあるといたしましても、しからば同じ方向に並立して進めるべきである。率直に申しますれば、おそらく国民の全部は、商船大学の設置を先行すべきであるという点に御異議がないと思いまするが、今日までの行きがかりもありまするので、これを同等に見るということに一歩を譲ります。讓るかわりに、少くとも実行の面においても並行してやるべきである。そしてこれが不可能かというに、決して不可能ではないと思うのであります。現に昨日も申し上げたのでありますが、さように重点を持つところの近代美術館が、昨年の四月から予算が実行されておるにもかかわらず、今日までそれを放任しており、そしてさらに翌年度の予算をとつておる。この一事をもつて見ても、必ずしも緊急でないことを、文部省自体が暴露しておるのではないか。しかし、今日の場合こういうことを追究してもしようのないことでありますから、追究いたしませんが、とにもかくにも三月の年度末まではまだ四十日の時日がありまするので、この四十日の間に近代美術館に與えられたところの予算をはつきり使用いたしまして、そして二十七年度に残されておるところの予算を商船大学の方の設置に振りかえ得るような措置を文部当局が絶対的にとるよう、私は強くこの際要請いたし、また今後もしもこの文部委員会の決議を尊重してこの措置をとらなければ、この問題に対しましては、あくまでも追究し、われわれはまた別個の考えをもつて対抗しなければならぬということを、はつきりこの機会に申し上げておきたいと存じます。 —————————————
○竹尾委員長 次に、日程を変更し、学校教育に関する件を議題といたします。 質疑があればこれを許します。
○若林委員 数点文部当局にお願いし、最後の一点につきましては、本委員会としての意向をまとめられて、善処を要求したい事柄があるのであります。 まず最初の一点は、本委員会の意思といたしまして——共産党の一人は反対でありましたが、全員一致で採択をいたしました、東洋精神文化高揚に関する件でありまして、前回の委員会におきまして、文部大臣から、その意向を体して善処する、その趣旨に沿うように努力するという言明があつたのであります。私たちは、その大臣の言明に従つて、文部省があらゆる諸般の措置をおとりになると承知いたしておつたのであります。また大臣の命令によつて、その措置がとられつつあることをも仄聞いたしておつたのでありますが、昨日の朝、突如として朝日新聞に、大臣の意思を超越いたしまして文部省としては文部委員会の意向に関知することなく、前年通りをそのまま明年度も継承するのである。しかもその記事が、田中初等中等教育局長の談のごとく認識せしめるような記事となつて現われたのでございまして、これに関係しますところの全国の人たちが、前回の大臣の意思を尊重して、非常に愁眉を開いた感があつたのが、昨日の記事によつて、また再び逆もどりしたというような感がするのであります。またわれわれ文部委員会といたしましては、あの記事を読むと、自由党の議員と懇談をした結果というようなことを書かれておる。しかし、われわれ懇談したことはないのでありまして、それに対して、さらに局長に会いまして、昨日私的に聞いてみましても、そういうことはないというのであります。もつともそれはないのが当然であると思います。しかしながら、朝日新聞ともあろうものが荒唐無稽な記事を捏造することはない。どこかに何か手がかりがありまして、すでに局長のところにおいて、文部当局において、その記事の出所などをごせんさくになつておることだと思うのでありますが、ここでひとつ明らかにしていただきたいのは、文部大臣の意思に反した昨日の記事に出たような意向が、文部省にあるかないか、また文部省はあの記事に対する責任をどういうようにお考えになつておるか、またあの記事によつて誤り伝えられておる世間に対して、どういう措置をおとりになるかということが一つ。それから文部大臣の命令で諸般の処置を講ぜられつつあります実情を、ここで承りたいと思うのであります。
○田中政府委員 お答えを申し上げます。私どもは、先般来文部大臣がお答えになりましたような線に沿つて目下努力中でございまして、その意思に反するようなことを現在考えておるものでは決してございません。従いまして、先般来漢文関係の有力な方々に、さつそく私の部屋にもお集まりを願いまして、いろいろ懇談をいたしました。なおかつ、昨日も関係有力者の方々に特にお集まりをいただきまして真撃なる懇談を遂げて参つておるのでございます。ただ調査研究に日をかりて、いつまでも延ばすような御批判を受くることがないように、いろいろ努力をいたしておるのが現状でございます。昨日の新聞記事につきましては私どもの意思に反した表題のもとに書かれておりまして、この点はまことに遺憾であり、また事柄が事柄でありますだけに、非常な影響があることと考えます。その事実に反したことについては、まことに遺憾に思つております。ことに必修としないという大きな表題でございましたが、現在調べてみますと、すでに前々から必修国語の中に、漢文の教養をそれぞれの程度に応じて與えることになつておりまして、これが非常に徹底いたしませんために、種々の問題を起して来たように考えられます。そこで文部省といたしましては、昨年の十月に学習指導要領を改正いたしまして、国語科の中に、それらのことについては明瞭なる規定をいたしまして、これに基いてさらに教科書の検定基準についても、同じような措置をとりました。次に、それに基く教科壽も、昭和二十七年度から出ることに相なつておるのでございます。加うるに、大学の入学試験に関しましても、試験の際にそれぞれの学校の学力に応じた程度において、問題に漢文を出題してもよろしいということにすらいたしておつたのでありますけれども、このことが徹底をいたしません。そこで、それらの点について十分に徹底せしむることが、根本的な解決をはかると同時に、当面の必要なことと考えまして、ただいまそれぞれの措置を講じつつございます。さしあたり来る二十五日と六日には各学校を指導いたします責任者である各都府県及び教育委員会の指導課長の会議を招集することにいたしておりますので、その際にはつきりと徹底するような措置を講ずることにいたします。なおこまかいことでありますけれども、中等教育課におきまして発行いたしております中等教育資料という冊子が、月刊でございますけれどもございます。これはあまねく各学校に配布されておりますので、この次の冊子には、明瞭にこれらのことも出したいと考えております。さような次第でございまして、決して大臣の御趣旨に反するような考え並びに措置等は毛頭ございません。御了承いただきたいと存じます。
○若林委員 新聞記事に対しては何か手を打たれましたか。
○田中政府委員 新聞記事につきましては、私どもあの内容を見たところ、ことに見出し等についてはまつたく違うのでありまして、その記事の責任を持てとおつしやいますことについては、実はどうかと思うのでございますけれども、さような誤つたことが伝えられた点につきましては、それを是正するように考えたいと思つております。
○若林委員 ああいう記事を書かれて——しかも夜店のような大道商人じやない、堂々と門戸を張つた、日本を代表するような大新聞であります。それから全然かわつた記事を出されて、関係者として黙つておるということは、あまり寛大過ぎるのじやないかと思う。文部省の中には、大臣以上の下僚がおるんじやないかというような感じを與えるのでありまして——局長自身そういうお考えはないだろうと思いますけれども、この点はよほど気をつけておいでにならないといけないのじやないかと考えるのであります。これは文部委員会として問題にせずに、一応この点は文部省と協力して、あの記事の出所——書いた者があるに違いないのでありますから、それがどこから出て来たかということぐらいは、責任の地位にある文部当局として究明をする必要があると私は思います。いかに新聞が自由といえども、事実にあらざることを書いたのでありますから、この点は私たちもあくまでもあの記事の是正に盡してみたいと思うのであります。大体この点了承はするのであります。けれども、いま一点、どういうような文章で措置せられるか。今まであいまい模糊の取扱い方ができるような文章であつたがために、趣旨の徹底を欠いておつたので、今度は文面においてどういうような措置をおとりになるか。いわゆる三時間の国語の時間を二時間増して、その二時間を漢文に充てるというようになさるのか、その点をお聞きしたい。まだ結論が出なければ出ないでけつこうでございます。
○田中政府委員 国語科の農業時間を五時間にして、そうしてそのうち漢文を二時間にしろという御意見も承つております。今ただちにそのことを来年度四月から行うかという点につきましては、今決定いたしておるというようなお答えはできません。まだきまつておりませんことを御了承いただきます。
○若林委員 しからば、今度どういうような通知を出すか、これが問題なんです。従来出したようなものでは徹底を欠くわけでありますから、その点はどういうように文部当局はなさろうとするか。決定がなければ、それまでにそういうような決定をお出しになるかどうか、これを承つておきます。それについては御返答はいりません。 それからその次に、学校の建物に関しての御質疑を一つしてみたいと思うのであります。これは項目として一つにしますが、内容については二つあるわけでありまして、一応国全体のことについて申し上げてみたいと思うのであります。 最近学校の火災が頻繁に起つておるのでありまして、国立大学だけでも、さきに新潟大学の医学部、ついで信州大学の医学部、東北大学教養学部が焼けて、最近もまた宇都宮大学学芸学部の一部が焼けておるのであります。新聞の報ずるところによると、その損害約一億ということが言われておるのでありまして、私立大学でも、昨日駒沢大学、その他公立の大学、高等学校等が著しい被害を見ておるのであります。その原因について、戰争中から戦後にかけまして早々の際でありますから、建築なり設備等にやむを得ぬ無理のあることは、われわれも認めるのでありますけれども、しかし一面には、困難をきわめる国民経済の中から、教育のためにという熱意によつて、この精神から苦しさを克服してこれらの設備を守り立てて参つたのであります。にもかかわらず、かくも頻繁に焼失しておるということは、まことに残念なことに思うのであります。これは前監理局長である久保田局長も、目がさめて新聞を見るときには恐ろしい気がするということを言われておりましたが、実際われわれとしても、これに関心を持つ者として、もう新聞を広げる瞬間に、学校が燃けておるのじやないかという気持がして、恐る恐る新聞をめくるというような感じがあるのであります。おそらく当局においてもこの点十分その原因なり対策なりについて、有効な手をお打ちになつておられることだと思うのでありますが、その点について、当局の御所見と対策とをお聞かせ願いたいと思うのであります。
○近藤(直)政府委員 ただいま学校の火災につきましてお話がございましたが、まことにわれわれといたしましても、遺憾に存じております。この問題につきましては、文部省といたしまして、従来とても防火の措置につきましては十二分に警告を発し、また学校の施設につきまして、予算をもちましてその防止の策を講じて参つて来ておるのでございますが、遺憾ながら火災の頻発することにつきましては、まことに残念に存じております。この問題は、やはり防火の面と、学校に関係する者の精神的な面と、二つあるのではないかと考えるのであります。防火の施設の面につきましては、われわれといたしましても、いろいろ貯水槽を設けるとか、あるいは防火の設備をするとかいうことにつきまして、予算をもちまして各学校に配賦して参つております。現に本二十七年度におきましても、五千万円を計上いたしまして、これを各国立大学に配賦いたしまして措置を講じて参つておりますが、一面学校の管理者である学校当局の方々の精神的な緊張というものも必要ではないかと、われわれ考えております。この点につきましては、今後とも対策を研究いたしまして、万全の策を講じたいと考えております。
○若林委員 この問題について、われわれとして考えられますことは、一片の通牒をもつて事終れりというようなことも考えられますし、あるいは事務的な研究等でも、手の届かない最も重要な原因がほかにあるのではないかという感じがするのであります。それからなお一応廃案にはなつておりますけれども、大学の管理法その他いわゆる大学の内部関係のこと、また大学行政という文部大臣との結びつきというようなことにも関係をして来る重大な問題じやないかと思います。それから施設の点において、私たちしろうと考えでありますが、貯水池その他文化財保護の点においては、防火の設備などにも相当の補助を與えておりますが、こうまで頻発して来るとするならば、学校ごとにプールなどを十分こしらえて貯水池として、防火施設その他に該当するようなことを奨励して行くようなことも考えられるのでありますが、この点根本的に掘り下げて御考究を願いたいと考えるのであります。 その次に、関連しましてやはり国立大学であります。すでに文部当局の心耳に入つておるのじやないかと思うのでありますが、東京学芸大学の附属豊島小学校の土地の問題に関してでございます。これは私一人でなしに、おそらく今日御列席の委員全員がこれに関心を持つておられることだと思います。昭和のこの時代に、文化国家だとかみんとかいうことを、われわれも常に口にするのでありますが、この時代にもるまじき一種の暴力の横行というものが、大学の自主あるいは自治、あるいは教育の遂行という大切な面に、一大妨害を加えつつあるというような事実でございます。これは愼重に、われわれ教育関係の国会議員としても考えなければならぬ問題だと思うのでありまして、おそらく後日各委員からこの問題は発言があると思いますが、一応本委員会においても、こういう問題をどう処置すべきかということを御考究願うために、申し上げてみたいと思うのであります。学校の周囲の環境を浄化するという件、それから校庭の不法建築撤廃ということに関しての件、それから歓楽街の換地として校庭を活用されておることに対する反対の意見へのであります。これは当該学校といたしましては、関係者一同非常に重大な関心事として今日立ち上つておられるのでありまして、われわれ個人といたしましても、見るに見かねるような感じがするのであります。土地自体が戰災にかかりまして、豊島師範というものが、もうそこに再び建築ができないというような事情、そして今度学制がかわりまして、その焼失いたしました建物にかわるものとして他にそれを建てたために、その土地の大半を政府が取上げて、そしてこれを東京都に渡した。その東京都で預かりましたものを、学校の周囲の土地であるということを無視して、いろいろな目的に使おうとしておる。そして今度都市計画という理由で、残された土地の中から何分の一かを都市計画に基いて出さなければならぬというわけで、狭くなつた上に、なお削ろうというようなことになつておるのでありまして、しかもそれに対しては、学校の目的に反する建物に、その土地を活用しようという事柄なのであります。これは私たち文部関係の者といたしまして、一日も早くきれいさつばつりとした状態に置いて、この附属小学校の土地の問題を解決することに協力をし、またこれに類するような例で、教育機関がいろいろな面から障害を受けることを除去することに努めなければならぬと思うのであります。 私静かに考えてみるのに、文部委員として、私はちようど問題をここへ投げかけた形になるのでありますが、この問題を処理いたしますのに、第一に考えるべきことは、大学の自主性を尊重して行くという、従来わが委員会がとつておりますこの趣旨を、この問題を取上げますときに第一に考えて行かなければならぬと思つております。というわけは、この問題は局部的な問題ではありますが、あくまでも従来の大学の自主性の尊重という点から、大学自体がこれを解決して行くということを忘れないようにわれわれは行かなければいかぬ。われわれ国会が乗り出してこれを解決するというのではなしに、大学の自主性を伸ばして行く上に支障になる政治部面、法律関係部面があれば、われわれとしてあくまでも浄化し、いわゆる地ならしをして行くように努めなければならぬという事柄でございます。第二に教育の政治からの自主性、独自性ということを考えなければならぬということであります。あくまでもわれわれは政治から教育というものを守つて行かなければならぬという気持があるのでありますから、教育の政治からの自主性ということを重んじて行くという精神を忘れないように。それから第三として、政治が教育に関與する事柄につきましては、教育本来のものでなしに、行政面の問題にのみ限つて行くということを忘れないようにして行く。この三つをわれわれの心といたしまして、衆議院は今まで参議院とは違つた行き方で、国家全体の事柄に関しての方策ということに重点を置いて来ておるわけでありますから、この精神に基いて、本委員会として文部省をつくべきところがあるならばつき、法務関係の政府を動かすべき事柄があるならば、われわれとしてそれをあくまでもついて行くというように、大学の自主性を重んじつつ、学校当局を先頭に立てて、この問題がきれいに処理せられるように協力をいたしたいと思うのでありまして、この点私は一応問題を投げかけておきます。今日委員各位から、これに関しての文部当局に対する質疑が必ず出ると思いますが、最後に本委員会としても、ひとつ何らかの決定を見まして、先ほど申し述べましたような意味における協力をいたしたい、こういうように考えるのであります。 一応請願を取次いでおります私として、本問題に関する概括的の発言をさせていただいた次第であります。
○竹尾委員長 この際委員の皆様に御協力をお願いしたいのでございます。本日は質疑者の通告が非常に多いのでありまして、各委員におかれましては、一人大体十分以内にひとつ御協力を願いたいと思います。次に笹森順造君。
○笹森委員 ただいま若林委員から重要な諸案件についての御発言があり、またこれに対するお答えもあつたのでありますが、最後に総括的な問題として、きようのこの委員会一つの問題を投げかけるというような意味の表現のもとにお話になりましたこの件について、文部当局にお尋ねしたいのであります。すなわち東京学芸大学附属小学校の校地確保に関する問題、いわゆる不法建築物撤去に関する問題並びに環境浄化に関する問題について、文部当局に直接責任のあります点と、間接に文部当局として関心を持たなければならぬ点について、若干のお尋ねをしたいと思うのであります。戦災を受けました日本の学校が、立ち上るために必要な校地、校舎を整備するために、非常な苦心を拂つておりますることは、言うまでもないのであります。この機会に際しまして、学校当局がまた非常な苦心をしておることも、よく了解をするのであります。従いまして、これは文部当局並びに学校当事者自身がほんとうに協力して、このことをつくり上げて行かなければならない状況が、まだ続いておると思うのであります。 そこで第一にお尋ねしておきたいことは、これは精神的な面でありまするが、ただいま若林委員からは、大学の自主性に関し、学校当局の自治的な面について強化をするお話がございました。これは私も同意をする点であります。さらにつけ加えて、特に文部当局のお考えをただしておきたいことは何であるかと申しますと、従来の文部当局の態度は、過去においては遺憾な点があつたのであります。すなわち学校の直接の教育者、その当事者に対して、あやまちがありました場合に、責めることに急であつて、学校当局を保護する面においては、他の省に比して非常に足らなかつたのであります。他の省においては、省内の者が多少のあやまちをいたしましても、上司下僚ともに力を合せて、その身分なり一切の責任をとつて、その者を保護して来た一つの風がございます。ところが、従来文部省においては、このことが足らなかつた。そうして往々にして学校当局のやります点について、多少の力の足らない点があります場合には、むしろ責任をそちらの方に持たしめて、文部省が責任を回避したという過去の実例を私はたくさん知つております。そこで、今後ぜひとも学校の事務当局に対して強力なる保護、擁護の力を注ぐという決意を、私は第一にここにほしい、その覚悟をまず聞きたいのであります。 さらにまた、最近日本の道義の根本がいろいろと言われて来ておりまするために、学校教育にきわめて良心的な責任を感じておりまする人々に対する圧迫が、不法な暴力的なものによつてせられておる事実を、私はたくさん見るのであります。この際においても、文部当局が強力なる実行力をもつて、正しい学校の当事者を保護するという覚悟がなければならない。この覚悟がないから、いろいろと法律の問題についてこれを転嫁して行かなければならぬとか、あるいはまた行政的にやり得るものでさえも、暴力等のために押えられるという問題が起つて来る。今度の豊島小学校の問題等についても、まずこれらの文部当局の覚悟が、一番先に必要であるということを考えます。最近文部大臣が、国民の道義の高揚のために、いろいろと御苦心をなされている点はよくわかりますが、この機会に特に——きようは不幸にして大臣がお見えになりませんけれども、政務次官でもけつこうですから、文部当局の学校当事者に対する擁護の点についての覚悟のほどを、まず第一に伺つておきたいと思います。
○今村政府委員 お答えします。東京学芸大学の附属小学校の問題につきましては、実は関係者から直接の陳情も受けておりますが、二の問題を静かに考えてみまするに、結局敗戦後におきまする社会の混乱の中に起きて来た、よく他にも例のある一つの事件であると思います。ただ、それが直接学校関係の敷地等を、不法に近い手段をもつて使用しておるというところに、文教関係との関連があるのでありまして他にもこれに類したものが、実に数あるように聞き及んでおります。そこで文部当局といたしましては、すでにそれぞれの立場から、法によつて守るべきものは守るよう処置しております。ただ遺憾な点は、まだたとえば文教地区のごとき、法律によつて環境浄化というようなことが守られるという処置のできていなかつた点は、われわれもはなはだ遺憾とするのでありまして、この点については目下せつかく研究中であります。教育法の一部を改正いたしましてぜひとも文教地区を、いろいろの非教育的な面から守る努力をいたして参りたい、こう考えるのであります。それとともに、学芸大学附属小学校の場合において一番強く感ずるのは、都市計画法のために、道路になる面はいたし方ないといたしましても、道路を新たにつくるために、そこにおつた居住者が校庭の中の一部を使用するような、いわゆる都市計画法に基くものによつて、校庭が居住者を移転させる土地として利用されるというようなことができるとするならば、この点はぜひ研究いたしまして、直接文部省に関係ある法律ではないのでありますけれども、ぜひともこの都市計画法なるものを再検討していただかなくてはならぬのではないかという気が強くいたしたのであります。その他の点においては、先ほど申すように、終戦後道義の廃頽したる中に、先ほど若林委員の使われた暴力の横行というようなものを感ずるのでありまして、この点は文部省としては、むしろ賢明なる立法府の人たちの援護のもとに、何か強く守られるものがなければ、この暴力と対抗せよと言われても、いかにも力が弱いのではないかと思うのであります。この点は、ぜひとも法務関係の力を借りまして、むしろ文教関係の者が保護を受けるようにしていただきたいと懇願する点であります。要するに、文部当局といたしましては、この出来事につきまして、それぞれの立場から最善の努力はいたしております。ただ不可能のもの、今いう法律上の不備、たとえば都市計画法の中に何かしらん学校が守られておらぬというがごとき、あるいはまた、はたしてこれが暴力行為と断定し得るかどうか、なかなかむずかしいところを歩いているようでありますけれども、そういうものが文教の面に及んで来ると、いかにしても対抗できないものがあるのでありまして、この点はどうしても法律によつて文教地区というものが守られなければならないということを痛感するのであります。従つて、先ほど申すように、教育法の一部を改正して、文教地区の設定というがごときものが、いよいよ必要であることを痛感いたして参つておるわけであります。 以上この問題につきましては、従来も努力はして参つたのでありますが、今後将来にわたつて、なお文部当局としては特段の努力を拂つて参りたいと考えるのであります。
○笹森委員 具体的なことに入つてお尋ねしたいと思うのでありますが、昭和二十一年十二月十八日に、文部省が戦災者の救護の趣旨によりまして、一年間の契約をもつて、契約中といえども、学校の必要な場合には原形に復して返還するという條件をもつて、学校長の意見とともに、この條件において、学校のただいま関係しておりますところを許したにもかかわらず、この状況が契約の通りの趣旨になつておらないので、そこですべてを原状に復して返還すべきことを通告して、その契約の一切を解除したということを言われておりまするが、文部当局においても、その点についての確信と実行力をお持ちになつておりますか、お尋ねいたします。
○寺中政府委員 ただいまの問題でございますが、お話のそれは昭和二十一年八月であつたと思います。これを民間に一部貸付けをいたしましたが、その條件は、いつでも撤去可能な仮りの建設物という、いわば仮小屋、露店のようなものを出していいという形で貸したのでありますが、それを一年続けまして、一回更改いたしまして、二十三年九月に内容証明をもちまして、その契約は切れたから、ただちに原状回復をして返すようにという通告をいたしておりますことは事実でございます。
○笹森委員 そのことが通告の通りに実現されておらないということに対して、文部省は何か手段をおとりになつたのか、お尋ねいたします。
○寺中政府委員 これにつきましては、実際の力でもつて原状回復するという手段は、警察にお願いをしなければならないのでありまして、警察当局ともいろいろ折衝をいたしまして、そのようになるような手段をとつたのでありますが、それは事実できなかつたのであります。なおこの今貸付をいたしましたその部分の土地につきましては、豊島の本校は実は小金井の方に移りまして、その部分は文部省としては不用の財産になりましたので、大蔵省に対してこれを引継ぐということが法規上の手続でございますので、そのときには大蔵省にこれを引継ぐ手続をとつておつたのであります。そういう意味で実際の原状回復の措置をいたします権限は、その際は大蔵省の方からその手続をとつてもらう必要があつたのでございます。
○笹森委員 なおこれに関係して、現在の校庭の中に、さらにただいまお話のありましたような、警察の禁止も聞かず、あるいは東京都知事の禁止命令も無視して、学校のさくを暴力をもつて破壊して、校庭に不法に建築物を建てた、そうしてなおそれが撤去されておらないというふうな事実について、どういう認識をお持ちでありますか、お尋ねいたします。
○寺中政府委員 これは今問題になつております。そこへ他の施設が入るように指定をされております土地の一部に、印刷業をやつております者が建物を建て始めたのでありまして、これは明らかに校庭の侵害でございます。これはただいま申し上げました大蔵省の管轄ではなしに、文部省の管轄の部分でございますので、ただちにこれに対して撤去を迫つたのでありますが、言うことを聞きませんので、法務府と連絡をいたしまして、訴訟手続をとりました。現在訴訟は係属中でございます。
○笹森委員 ただいまのことで、不法にさくを破つて校庭に入つて来てやつたことを、文部当局としては、国が原告となつて法務府に告訴している、ただいま係争中である、こういうお答えでありますが、そういう場合に、かかることを單なる法の決定を裁判所において待つということばかりでなくて、私どもは、輿論の力をもつてどこまでも学校を擁護することが必要であるという点を指摘せんがために——学校が自主的な力をもつて、自主的に奔走するだけでは、なかなか容易でない。ゆえに文部省においても学校当事者を十分擁護して、十分輿論の力をもつて行かなければいけないということを申し上げたのは、この点にかかわるのであります。こういうことで、ただ文部省が法の手続上やむを得ないから、法務府に国が原告となつてやつている、まだその係争が続いているというような状況は、今後の日本の教育を考える文部委員会の立場としては、はなはだ不満足と考えます。こういう面に向つてやはり輿論を代表する文部委員会においても、單に大学の自主性を守らせようということばかりでなくて、こういうような教育上非常な悪影響を及ぼすようなことなからしむるよう、文部当局自身が覚悟を持たなければならぬということを、実はここで要望しておるがゆえに、これを申し上げておるような次第であります。なおこの点については、係争中であるなら、私ども、もしも御賛同の方があるならば、この委員会においても現場を視察して、どういう状況のものかはつきり知りたいという気がいたしますので、後ほどそのこともお願いしたいと思いますが、その点が一つと、それからもう一つ、政敵次官からお話のありました都市計画法あるいは土地収用に関することと、学校の校庭に関係することで、何かその法の不備あるいは不満足な点があるならば考えたい。これも最も適切なことと思うので、私どももそれには不同意を申し上げるのではありません。しかしながら、この場合特に考えなければならないことは、その大学自身が他の場所に移りました関係上、隣接した土地を大蔵省の方に移したということによつて、さらに都市計画に、何か知らないけれども、今政務次官が言われましたような、道路をそこにつくるとか、あるいは変な、学校にふためになるような結果を来すことがあつたとすれば、これは責めても及ばないことでありますが、当時文部省当局として、その土地を大蔵省の方に移して、そうしてそれを東京都に移したということ自体においても実は疑義があるのに、なぜそんなことをしたかということについては、またそれをしたことが今どういう結果を生んでおるかということの内容については、実は私どもはこれを精査して行きたいと思うのであります。こういう点について、特にこの都市計画をやるために、ある場所からある場所に、住民なり歓楽街なり、また商店街なりを移転せしめるために、今ある校庭をさらに幾割かよこせというようなことであるならば、これがまたゆゆしき問題を起すと思うのであります。ここで小学校の敷地として必要なものは、大体六千幾坪とか六千三百坪とかいうことを申しておるのでありますが、この際特にお尋ねしておきたいことは、豊島小学校のための敷地としては六千三百坪、あるいはまたそれ以上七千あるいは八千坪ぐらいはぜひこの基準として必要のことであろうと私どもは察するのでありますが、文部当局においては、この学芸大学の附属小学校としての校地の広さは、今東京都から割譲を求めておるようなところのそれだけを削つてよいという考えなのか。それでは足りない、むしろこれがために六千坪なり七千坪なり八千坪なりにしなければ不適当であるというお考えなのか。その関連したことで、まず学校の敷地の坪数の広さについての御判断を先に伺つておきたいと思います。
○寺中政府委員 現在この豊島分校は、附属中学校も持つておりまして、その学級数は中学校合せまして二十一学級でございますが、兒童数として千五十人ばかりの定員でございまして、そのためには現在の六千三百坪では狭い、むしろ七千五百坪ぐらいが基準として必要であると考えておるのでございます。ちようど二十三年の十一月であつたと思いますが、あの地方を管轄する第四建設事務所という東京都の建設局の出店と、学校当局と一種の話合いをいたしまして、現在の六千三百坪は必要だという確定をいたしたのでありまして、少くとも六千三百坪はどうしても必要であるという立場で、現在強硬なる申入れを行つておるのであります。
○笹森委員 大体今六千三百坪はぜひ必要である、できるならば七千五百坪なければならないというところの文部当局の御見解が明白になりました。そうであるならば、文部省がこれを本校が移つたということによつて、大蔵省に自己の土地を移したということに誤りがあつたということを、われわれは考えなければならない。しかし、それは今日になつての話でありまして、そのときのことを責めても至らないのでありますから、別にここで局長を攻撃するわけではないけれども、先の見通しがなかつたということだけは言わなければならないとともに、そういうことがあつたために、今度その都市計画のために商店街を移す必要上、そこにまた要求が来るということの結果を生んだゆえに、あくまでもこの六千三百坪は守らなければならぬということだけは、私どもの判断としてこれを確定しておきたいと思うわけであります。さらに政務次官の言われました都市計画と文教地区を保護するということを、私ども他の機会に言わなければならぬと思います。 そこであまり時間もありませんから、もう一つ別の問題を申し上げたいのは、土地所有に関しては、文部省はその校地だけでありまして、環境に関しては権利がないかもしれません。しかしながら、先ほど若林委員もお話になりましたように、環境の整備、教育的に環境をよくするということは、どうしても必要だと思います。この点に関しまして、私はやはりこれは父兄なり近所の人方なり、その他学校の教育自体に影響することを考えて、学校の周辺にはいわゆる歓楽街、風紀に関するようないろいろな思わしからざるところのもの、これらはできるだけ置かないような努力をしなければならない。これがためにはいろいろと——これはそれぞれの人々の職業にも関係することでありまするから、一概には申し上げられませんけれども、この学校の環境を浄化することに関する文部政務次官自身のお考えを聞いておきたいのでありますが、この環境の浄化ということに関して、どういうことをしようとなしておられるか、また今までどういうことをして来られたか。こういうような問題が起るごとに、今度はどういうぐあいにして環境の浄化をはかるつもりであるのか、この点をお尋ねして私の質問を終つておきます。 なおこの際に委員長にお願いしておきますが、あとで理事会でもお開きくださいまして、この委員会でも実地にその状況を視察するという機会をおはからい願いたいと思います。
○今村政府委員 この問題は、時間的に非常に長かつたためもありまして——実はこの問題の起きた期間は、片山、芦田内閣の時代が非常に多いのであります。笹森先生は当時の国務大臣として、やはり閣議に列しておられたと思うのでありますが、非常に長い期間でありますものですから、笹森先生の閣僚としての時代にも、この問題が起きておつたのだということをひとつ御認識いただきたいと思います。 次に教育法の一部を改正いたしまして、先ほども申しました通り文教地区というようなものを制定して法律で守るようにして参りたい、こういうように考えて、せつかく研究中でございまして、これらにおきましては、立法府の国会の側の御援助にまたなければならぬものがあると思うのであります。
○山口(シ)委員 私の質問も、ただいまの笹森委員の御質問に関連がございまして、大体ただいまの先生の御質問で私のお伺い申し上げたい点は、すべて盡されているようでございますので、時間もございませんから、重複を避けるために省略いたしたいと存じますが、簡單に二点ほどお伺いいたしたいと存じます。 その一点は、この東京学芸大学附属小学校の問題に対して、今後どう処理するお考えであるかということを、文部当局のお方から伺いたいと存じます。 もう一点は、本日法務府当局のお方の御出席をいただいておりますので、この校庭内に不法建築物を建てました津田友三郎を相手取りまして、昭和二十五年の四月に法務総裁は国を代表して告発しており、目下係争中ということでございますが、これに関して簡單でけつこうでございますから御説明願いたいと存じます。その二点に対してお答え願いたいと存じます。
○今村政府委員 先ほども申しますように、すでに訴訟もいたしているのでありまして、法律によつて当然守らるべき性質のものについては、今申す通り訴訟をいたしてでもこれを回復する、またその他折衝にまつべきものがあるならば折衝もいたして参る、こういうように努力して参るつもりでございます。
○山口(シ)委員 ただいまのお答え了といたします。それでは法務庁の方で、どなたかこの問題に対して御存じの方がございましたならば、今日までの経緯をひとつ御説明願いたいと存じます。
○横山説明員 御説明いたします。本日は上席の者がだれもおりませんので、主任をしております私が御説明に参つたものでございます。この校庭に建物を建てております津田友二郎に対しましては、昭和二十五年の四月に明渡しの訴訟を提起いたしまして、夏八月にこの訴訟が和解ということで終結いたしました。和解と申しますのは、あと一年間だけは猶予を認めるが一年たつたら出て行く、こういうことでございます。そして二十六年の八月に一年の期限が切れることになつたのでございますが、一向に立ちのく様子がない。そこで強制手段に訴える段取りになつたわけでございますが、相手方の方から、民事調停という調停を申し立てました。そうすると執行停止という処分ができることになつております。それで強制執行できないことになりまして、調停にまわつたわけでありますが、相手方がなお三年、五年という長期間の猶予を求め、こちらはそれに応じなかつたために、調停は遂に不調に終りました。その後津田友三郎の方から請求異議の訴えを提起いたしまして、それでやはり強制執行が中止されております。その訴訟がただいま進行中でございまして、結審も間もないことと思われます。そういう状況になつております。
○浦口委員 委員長から時間を制限されておりますので、簡単に三つほど質疑をいたしたいと思います。ただ、一つは宗教法人審議会の問題について、大臣と宗務課長にお聞きしたかつたのでありますが、お二人ともお出になつていないようでありますので、この次、委員長にひとつ御出席をお願いしておきまして、この問題を保留します。 そこで教職員の給與の問題について、政務次官の御答弁をお願いいたします。昨日の時事新報によりますと、「教員給與三本建を要望、日高文部次官」こういう見出しで左記のような報道がされております。「日高文部次官は廿日の自由党総務会に出席、文部省としては学校教員給與の改正を要望している旨説明した、改正のねらいは、従来教員給與のワクが大学教員と、高等学校以下小学校までの二本建となつていたのを、大学、高等学校、中学以下の三本建とするにあり、総務会ではこれを了承して政調会と連絡することとなつた」、これだけの簡單な報道であります。この問題については、実は、十二国会と思いますが、私この委員会に提案をいたしまして、高等学校教職員組合と日本教職員組合との両方の意見を聞いたのでありますが、これは非常に微妙な問題で、その後人事院及び文部省において相当愼重に準備されているということを聞いているのであります。私の聞くところによりますと、大体人事院は、三本建という名称の問題は別といたしましてそこにある案が出ている、しかし文部省がそれに必ずしも賛成でないというふうな意見を聞いているのでありますが、その当否は今ここで論議を別といたしまして、この報道が事実といたしますと、文部省といたしましては、積極的に三本建ということを要望して自由党の政調会に持込んでいる、こういうふうに断定ができるのでありますが、その点お尋ねをしておきたい。
○今村政府委員 この給與の問題に関しましては、それぞれ関係ある向きから陳情もあり、また自由党としても、いろいろ研究されているようであります。文部省といたしましても、これらのいろいろな点を勘案いたしまして、目下愼重に研究中であります。
○浦口委員 私の感じでは、研究中でないように承知しておるのであります。ただ勧告の時期が、御承知の一般公務員の給與準則全体の改訂と一緒に別表が勧告される時期が問題である、こういうふうに考えているのでありますが、政務次官といたしましては、やはりまだそこまで行つていないとおつしやるのですか、その点もう一度確かめておきたいと思います。
○今村政府委員 先ほど申し上げましたように、それぞれいろいろの関係からの陳情もあり、また自由党として政調会等に、あるいはまた総務会等にいろいろの意見がありますので、それらの点を勘案いたしまして、文部省としては目下研究中なのであります。
○浦口委員 それでは、同じような御答弁でありますから、この問題は一応やめておきます。 第二は、先ほど来神戸商船大学設立に関する小委員長の平島委員、あるいは首藤委員から、るるお話がありました神戸商船大学の開設に伴う予算の問題とからんで参りますので、私近代美術館についての質問をこの際終了しておきたい、こう思うわけであります。実はこの問題は、私は神戸商船大学の予算と関連ができるというふうなことは全然予想いたしませんで、ただ京橋の日活本館が近代美術館として、はたしてふさわしいかどうかということに、私一つの考えを持ちまして質問いたしましたところが、非常に問題が込み入つて来たわけであります。そこで私は今日の七日と十三日の委員会において、寺中社会教育局長にも質問をしたのでありますが、七日の委員会において、寺中局長は私に対しまして、決して二重売買の疑いはない、これは東京相互と東京信託との問題で、文部省は関知しないということを答弁されておる。私はこのときにも申し上げたのでありますが、決して文部省がこういうスキヤンダルの中心に立つていると、こう申したのではなく、かりに文部省の関知しないところでありましても、売買にからんでそうしたトラブルが起きる危険があるならば、結果において文部省が巻き込まれる、しかもそうした危険を冒してまで、あくまでこれを買い取らなければならぬ垂涎万丈の建物であるかどうかということが、私の質問の要旨であつたのであります。この七日の委員会の答弁を、今速記録を調べましたところが、寺中局長の答弁に、私はちよつと疑問を持つ点が出て参つたのであります。それは今月の五日、東京相互銀行——すなわちあの日活本館と昨年の十二月二十八日に法律上正式の売買契約をとりかわしております東京相互銀行から、その後文部省がこれを買收しようということを申し出たについての違法であること、その売買は不当であるということに対する詳しい具申書が、文部省、大蔵省に出ております。これは五日付の具申書であります。なんならお読みしてもよろしいですが、たいへん長いものです。これはおそらく文部省はお読みになつていると思いますが、この契約はいかに成立すべからざる契約であるかということが、はつきりここに出ておるのであります。これは局長もおそらく御存じの上で私に答弁されたと思うのでありますが、それについて非常に矛盾があるのであります。その点を一応お聞きしておきます。
○寺中政府委員 東京相互銀行から具申書が出ましたことは、この前答弁をいたしましたあとで知つたのでございます。それによりまして、二十八日に東京相互銀行からこの建物を買いたいという申出があつて、それに対して八千万円でもつてこれを売つてもいいという承諾を日活本館が與えておるのであります。但しそのときに、これは関係者の話でありますが、口頭をもつて今年の一月十六日に、それでは取引をしよう、そのときに少くとも一割の手数料を添えてそこで取引をしてくれるならば、売買契約もしようという話であつたそうでございます。ところがその一月十六日に、何らの回答がなく、またその一割の手数料も交付しないで、一方文部省と——文部省はそういう事情を知らないで、ただライヴアルがあるということだけを聞かされて、他から話があるけれども、文部省の計画は非常にいいからぜひ文部省とでき得れば話合いをしたい、ただ一月十六日にそういう期限があるので、それまでにはつきり文部省の態度をきめて、そうして買うという意思表示をしてくれれば、この建物を売つてもいいということでございまして、文部省は一月の十七日に、正式に、ぜひその建物を買いたいという申入れをいたしまして、日活がこれを快諾したのでございます。日活といたしましては、ただちに東京相互銀行との約束——まだ契約ではございませんが、売買契約の予備とでも申しますか、そういう予約を取消す手続をとりまして、そのことを東京相互銀行に申し入れたというような事情になつておるのでございます。
○浦口委員 それは寺中局長、全然実情を御存じないのです。ここは行政監察委員会じやございませんので、私あまりそのいきさつをここでこまかく申し上げるのは省きますが、結局これは非常に日活当局の不信行為だということははつきりしておりますので、私は文部省をその意味では責めるつもりはありません。ということは、実はこの建物の売買につきましては、昨年の十二月十四日に、日活本社から東京信託銀行に、ぜひこれを売つてくれという正式の申入れがありまして、それに基いて東京信託銀行が、東京相互銀行に売買契約をしたのであります。そうして自活株式会社取締役社長の名をもつて、東京信託銀行に昨年の十二月二十八日、はつきりと売買承諾書を出しております。しかしその前提としては、御承知のように、銀行は資本金の七割以上の建物を持つことができないために、五千万円の増資の許可ということが前提になつておる。そこで東京相互銀行は、ただちに大蔵省に申請をいたしまして、大蔵大臣以下銀行局長、次官の特別のおはからいをもつて、一月の十二日に増資の内認可が出たわけであります。そこでその内認可に基いて、さつそくそれじや本契約をする、手金も打とうといつて日清本社に申し込みましたところが、社長が十八日まで旅行中であるから待つてくれということで延びていたのです。その間において、おそらく、私の調査しましたところでは、十四日に文部省の前社会教育局長の西崎氏を通じて売買契約調印申込書というのが出たわけです。そうして口頭で東京相互銀行に断つて参りましたが、東京相互銀行は、そういう経過をもつてこの問題は来ておりますので、そこにこちらははつきりした法的根拠を持つておりますので、今まで交渉を続けておりますその経過は詳しく申し上げませんが、結論においては、あくまで法的にも争つてこの二重売買について黒白を決するということを、東京相互銀行が申しておるわけであります。そういう事実を御承知でございましようか。
○寺中政府委員 東京相互銀行の言い分といたしましては、大体お話のあつたようなことであるということは聞いております。しかし今申しましたように、一月の十六日にその手金を入れて正式の契約を結ぼうという約束でありまして、そのときに堀社長が旅行中であつたかどうか、その点は私よく存じませんが、とにかく十八日になつても十九日になつても正式の契約はいたしてない、また手金も打つていないのでございますから、約束があつたと申しましても、これは單なる予約という程度のものであろうと思います。そういう意味で文部省が申し入れましたことに対して、日活がこれを快諾し、その手続を進めておる以上は、これは日活としてはフリーな立場でもつて文部省と契約を結ぶことは可能であるというふうに感じておるのでありまして、現在日活本社としましては、東京相互銀行にこの建物を売却する意思は毛頭ない、かりに文部省と契約が不調に終るようなことがあつても、日活としてはこれを東京相互銀行には売却する意思はないということを、はつきり文書をもつて申し出ております。
○浦口委員 それは局長の見解ですが、とにかくこれは非常にむずかしい問題でありますから、私は問題だけを投げかけて、文部省の善処をお願いするのであります。十三日の委員会で寺中局長は、問題は大蔵省に行つている、大蔵省の決定にまつてこの買収が可能であるということを、私に答弁されておる。ところが、この問題が神戸商船大学の予算とからんで参りまして、十五日の小委員会でありましたか、池田大蔵大臣が参りましたときに、この問題に触れまして、この買收は好ましくない、できればやめるべきでないかというふうな意見を漏らされたように、私は漏れ聞いております。ということは、大蔵省はこの京橋の日活本館の買收を前提として、東京相互銀行に五千万円の増資を許可しておるのであります。これは東京相互銀行が直接申していることでありますが、もしこの買収ができなくなれば、東京相互銀行としては、大蔵省に虚偽の事実によつて増資の許可をもらつたということになる。すでにもう増資は一昨日で終つて、満株になつたということも聞いております。また大蔵省の立場から申しますと、結果において虚偽の事実に基いて増資を許可した、こういう問題になると思うのでありますが、この点文部省は、大蔵省とどういう話合いをされたか。
○寺中政府委員 東京相互銀行の側にもいろいろと事情があり、また大蔵省と相当の連絡がついておるということも、その後聞いたのでありますが、しかし、それはあくまで東京相互銀行側の事情でございまして、事情を申し上げれば、文部省側といたしましても、設置準備委員会においてこれを決定し、そして日清本社もこれを快諾し、手続も進んでおりまして、また同時に、この建物の買收が実現したあかつきには、その模様がえの設計等にも、現在準備に着手しておるのでございます。大蔵省が東京相互銀行との関係において、非常にむずかしい立場に立つというようなことも、想像はできますけれども、大蔵省としては、東京相互銀行が立つように、その適当なる建物を買うことを勧告をしておるのでありまして、必ずしもこの日活本社でなければならぬということはないと思いますので、その点大蔵省とも十分話をいたしまして、東京相互銀行に適当な土地を與えてやることによつて、この話をまとめるということは可能であると思いまするし、また同じ大蔵省でも、主計局の近代美術館設置に協力してくれる側の関係官、あるいは管財局関係の建物売却についての手続を進める関係宮は、文部省のこの買収について、少くとも協力するという立場をもつて話をしてもらつておるのであります。
○浦口委員 時間がありませんから、これで終りますが、たいへん事実と違うのであります。しかし、私は何もそういうことをほじり出して局長をいじめようというのではないのであります。最後に申し上げておきますが、先ほど商船大学の問題で、他の委員からも御発言がありましたように、非常に巧妙な予算の組み方だということを、私も開いておりますが、ある意味では二重予算というふうな意見もあるわけであります。私は、近代美術館については、従来から非常に関心を持つておりまして、できれば、敗戰下とはいいながら、日本が文化国家として立つ以上、日本の特殊性、民族性というものを、芸術を通じて世界に知らせるということは、日本が平和国家として立つのに最も重要なことである、経済の苦しい中でも、何とかいいものをほしいということが私の考えであつたのでありますから、この近代美術館を立てるということには、私は非常に喜びを感ずるのでありますが、ああした場所のああした建物が、はたしてふさわしいかどうかということは、しろうとでもわかると思うのです。最近聞くところによりますと、準備委員会の高橋誠一郎氏も、他に候補地がないわけじやない、私は存じませんが、藤山記念会館とか、あるいは遊就館も最近明け渡されるということも聞いておりますし、そうまで無理をして買うこともないから、かえたらどうかということを、高橋氏も非公式に意見を漏らされておることも聞いております。しかもこの売買の値段が、三百万円も東京相互銀行より文部省は高く買つている。もちろん局長は、何か映写機がふえたとか言つておりますが、事実は東京相互銀行は電話を十本つけるのを、文部省は三本に減らされて、電話が二十五万円に評価されまして、それだけで百七十五万円というものが減るということになつております。どうもその点についても、いろいろ疑問があるということを考えますと、しかも大蔵省の立場もあるということを考えますと、私はどうしてもこれを無理をして買うということは、どうも納付が行かない。しかもこの間、われわれ文部委員会の数名の方と非公式に話したときでも、これが近代美術館として、そうした問題をあくまで押して買うべきものかどうかということは、文部委員会としても、非常に疑問だということに、意見が一致しているような情勢でございます。私はこれ以上追究はいたしませんが、どうぞ文部省としてはこれに対して、国立近代美術館は、おそらく日本に唯一のものだろうと考えますが、そうした将来性のあるものに対して、こうした場当り的な、間に合せ的な考えでお買いになり、しかもその背後に非常にややこしい問題があるということは、私は非常に遺憾に思うわけであります。財政法も改正されまして、継続事業費というものが認められるというふうな現在でもありますので、今年の予算がかりに一億返還になりましても、もし政府なり文部当局に理解があるならば、私は継続事業宅三億なり五億の予算をもつて、完全なものをつくるべきであるというふうに考えておりますので、一言私の希望を申し上げて質問を終ります。もし局長に何か御意見があれば承りたい。
○寺中政府委員 御意見の点は十分尊重いたしまして、善処いたしたいと思います。 —————————————
○竹尾委員長 宗教審議会の件につきまして、若林委員より発言を求められております。簡單にお願いいたします。長いようでございましたら、途中でやめていただくかもしれません。簡單にお願いいたします。
○若林委員 宗教審議会の委員の選任について、巷間いろいろ意見がかわされておるのでありますが、選任にあたつて、文部省としてとられましたことの御説明を一応お伺いしたいと思います。
○荻野説明員 ただいま御質問いただきました点について、御説明申し上げます。宗教法人審議会の委員の任命の手続につきましては、事の性質からしまして、非常に愼重を要する面が多いのであります。それ自体は宗教法人の認証その他に関しまして、宗教法人法が定めるところの職務権限を行うところのものでございますが、事が宗教団体に関連いたす事柄でございますので、その委員の人選につきましては、きわめて愼重な態度がとられたのでございます。御存じのように、日本の宗教事情は、きわめて特殊性があり複雑でございます。非常にデリケートな、かつ長い伝統を持つておる宗教的な基盤の上に、多くの宗教があるというふうな実情でございますので、こういつた宗教事情に対して、深い理解を持つ人たちによつて、この委員会が構成されるということは、願わしいことなのでございます。その意味におきまして、その人の推薦にあたりましては、宗教界のしかるべき人たち、あるいはその他各界の、その方面について御経験なり御抱負なりを持つていらつしやる方々の意見を聞いて、愼重にその人選は行われ、先ほど委員の任命があつたのであります。この点につきまして、私どもといたしましては、今回任命された委員の人たちによつて、十分に宗教法人審議会が、その本来の目的を遂行することができると確信をいたしておるのでございます。
○若林委員 これに基いて二、三点伺つておきたいと思いますが、要点を簡略にひとつ御説明願つたらいいと思います。人選にあたつて、教団いわゆる宗教団体に重きを置かれたのか、個人に重きを置かれたのか。またいろいろ御相談になつたことを伺つているのでありますが、それは個人に相談をしたのか、宗教団体に相談せられたのか、これを伺つておきたいのであります。
○荻野説明員 それにつきまして、まず前提として御説明申し上げたい点は、この審議会の性格でございます。これは宗教法人の事務に関連する一つの行政機関としての審議会が設置せられておるわけなのでございまして、この宗教法人の事務につきましては、事が宗教に関連いたしますので、宗教に対しましては、新憲法下政教分離の大原則のもとに、どこまでも公平であり、平等であり、そうしてその自由が尊重されなければならないのでございます。そのような宗教に対する中立性と申しますか、それはおのずから宗教法人事務にも、その中立性というものがなくてはならぬ。従つて審議会におきましても、そのような性質が要請されて来るのでございます。従いましてその人選にあたりまして、各方面の御意見もお聞きする。これはどこまでも先ほど申し上げましたような、日本の特殊な宗教事情というものについて、十分に同情と理解とを示し得るような人が選ばれることが必要であるというような考え方から発しておるのでございますから、従つてあるいは一部に主観的な考え方を持たれる方があるかもしれませんが、これはどこまでも特定の宗教的立場からするその利益代表者によつて構成せられるところのものであるべき性質のものではないのでございます。そのような意味におきまして、意見を聞きます上につきましても、その点どこまでもその審議会の構成、性格というふうな点を、考え方の基調に置きまして、意見が聞かれたものでございます。
○若林委員 あまり御説明が丁寧に過ぎるので、要点をつかみにくいのでありますが、御相談になつたのは、団体に御相談になつたのか、その団体に属する個人に御諮問になつたのか、それをひとつ……。
○荻野説明員 その点は、それが団体であるとか個人であるとかいうふうに、はつきりお答えすることはできないのでございます。個人と申せば個人であります。またその個人の地位とか背景とかいうような点を考えれば、団体的な要素も背景としてはあるということが言い得ると思うのでございますが、個人の意見とか団体の意見とかいうふうな点で、しかくそれが決定的に拘束されるというふうなことも、この委員というものが任命の形式をとつて生れます関係から申しまして、はつきり申し上げられないのでございます。
○若林委員 大体いろいろな意味にとれると解釈をいたしておきたいのでありますが、今度の人選は、世上非常な物議をかもしおると、われわれは認識しておるのですが、文部当局としては、きわめて公平に行つたのだという御認識を持つておられるのですか、どちらですか。われわれと同じように、こいつは少しやり方がまずかつたなあというようにお考えになつておられますか、どうですか、結果において……。
○荻野説明員 一部におきまして論議が行われておる、あきたらないという意見の方があるという事実は、私どももよく承知いたしております。その点に関する限りは、非常に遺憾に思つておるのでございます。しかしながらその人たちの間にその論議の起るゆえんのものは、主として私たちの考えるところによりますれば、審議会の性格に対する主観的な理解という点にあるのじやないかというふうな感じがいたしておるのでございまして、もしそういうふうなことが原因であるとすれば、それについて十分真の私どもの心持のあるところをわかつていただくように、努力をいたしたいと思つておるのでございます。
○若林委員 この宗教法人法は、政府並びに宗教団体に、おそらくこれほど協力を惜しまなかつたことはないというほど、われわれ国会議員として協力をしたわけでありまして、特にまたこの審議会というものの性格については、われわれ重点を置いて考えて行つた一人でありますから、性格その他がどういうものであるかということは、今御説明を承る必要もないと私は思うのであります。しかし今度おとりになつた審議会設置の任命方式は、あくまでも、今までの文部省としてのいわゆる官僚的な任命であつたということだけは、これはお前の主観だと言われるかもしれませんが、考えられるのであります。宗教法人法に制定されておるところの審議会は、文面上は文部大臣の諮問機関でありますけれども、事実上は、これはもう各宗教団体の連合体からなるものから円満に推薦された者によつてという事柄が重点であつたと思うのであります。そういう意味から申しますと、文部大臣の下にはついているけれども、これは文部大臣を超越した、先ほど言われる一種の宗教本来の自由平等というものから考えての審議会でなければならぬと思うのであります。そういう観点からしての今度の選任方法、それがまた後ほど物議をかもすという点においては、われわれも遺憾の意を表するのでありまして、一日も早く誠意をもつて、話合いで納得をしてもらうというお言葉がありましたが、あるいは人選のやり方をかえて行くか、中には辞職するというような人もあるそうでありますから、そういうようなことのないよう、ひとつ立法の精神を十分会得せられて行かれるように、要望をいたしておきたいと思うのであります。これで終ります。 —————————————
○竹尾委員長 小林信一君。
○小林(信)委員 先ほど次官が、現在のいろいろな情勢からして、文教地区の設定を、学校教育法の一部改正によつてしたい、こういうようなお考えを述べられたのでありますが、現在の次官のお考えになつておられる点でけつこうですが、これに該当するもの、いわゆる教育上障害になつて困る、従つてこういうものは学校の地域から除去したいという具体的のものを、次官の考えておられるところでけつこうですから、この際お伺いしたいと思うのです。
○今村政府委員 第一は、風教上よろしくないものであるとか、あるいはまた衛生上よろしくないものであるとか、あるいはまた危険を伴うものであるとかいうようなものについて、一々項目をあげてこれをなして行くかどうかという点等については、まだ具体的な段階に入つていないのであります。これは目下、先ほど申します通り、かような文教地区というものの設定を必要とするような事項が各地にありますから、どうしても教育法の一部を改正して、かようなものをつくるべきではないかという立場で研究をしておるのでありまして、まだここで申し上げるほど具体的に事実をあげて御説明する段階には入つておりません。
○小林(信)委員 そこできよう問題になりました豊島小学校の問題等は、これはいわゆる利権というふうなものを目標にした暴力的な行為であるし、またその周囲に歓楽街のようなものができて、教育上これが非常に支障になるというようなことで問題になつたのですが、こういうことにつきましては、この前次官がおいでになつたときに、この委員会におきまして、いわゆる進駐軍関係から受けるところの環境問題が論議されたのであります。これらに対しまして、次官としては、そのときにも研究をしてお答えするというふうなお話であつたのですが、その後どういうふうにこれをお考えになられておるか、お伺いいたしたい。
○今村政府委員 過日小林委員から御質問のありました、つまり進駐軍があるために起きておつたこと、あるいは今後また日米安全保障條約等によつて、アメリカの軍隊がいずれかに駐留するというようなことによつて起きる問題等に関しましては、過日の政務次官会議に、岡崎国務大臣の出席を求めまして、各書からいろいろ要望事項があつたのであります。その際、はつきり小林委員の指摘するような事実をあげまして、日米安全保障條約等の折衝の際においても、ぜひとも文教地区をよごすといいますか、乱すことのないように、考慮を加えてもらいたいということを要望いたしておきました。
○小林(信)委員 最近の問題といたしましては、この前私が次官にお願いしましたような件が、全国にたくさん見えるのであります。しかもこれが單なる風教上の問題ではなくして、国際的な問題にまで及ぶ点を十分考慮していただいて、善処されていただきたいのでありますが、ただいまの豊島小学校の問題といい、最近新聞あるいは雑誌等に見える学校環境としての問題は、父兄としても何ら手の下しようのない状態にある点からして、文部省は強力な態度をとつていただいて、善処されたいのであります。 それから、この際次官に私はお願いを申し上げるのですが、この委員会は、他の委員会に比べまして非常に穏健な委員会でありまして、どつちかと申しますと、政党的な対立というものは見られない、どうかして文部省と協力して、予算獲得等におきましても、全員一致の立場でこれを実現したいというふうな行き方が、ずつと継続しているのでありますが、ただいま笹森委員から質問されたようなことに対して、次官が御返答されたのは、多分に従来のこの委員会の雰囲気をぶちこわすような傾向にあるのです。かえつて文部省をいじめるのは與党でありまして、私たち野党は、いつもこれに対して調停の役割を果しておるようなかつこうなんです。それを何か派閥的なものを次官からこの際持ち込まれることは、非常に私遺憾に思うのでありまして次官としても、挑戦なら挑戦で、将来はつきりした態度をとつていただきたいと思います。文部省の現在の情勢を考えていただいて、いかなる立場に文部省があるかを、十分御考慮願いたいと思うのであります。ただいまのような言辞は、私たちこの委員会で初めて聞くものでありまして、それなら、私どもも野党としての立場をとらざるを得ない。きようの與党のあの攻撃を見ましても、きようあたり話題にするものは、すべて文部省を盛んにやり込めておるような状態なんですが、これに野党が協力したら、どういう立場に文部省が追い込まれるか。それを御承知ならよろしい。かように考えておるのでありますが、この点次官として何か御意見がありましたならば、お伺いいたしたい。
○今村政府委員 実はこの問題は、先ほど申し上げましたように、非常に長きにわたつておつたということを申すつもりで申したのでありまして、文部当局においても責任はないかというお言葉もありましたから、実は長期にわたつておるのであつて、責任という点になれば、時間的に申せば、笹森先生が御参加なさつた内閣のときもありましたということを申し上げただけであります。それが非常にいろいろな点にお触れだというならば、いかようにもお取消ししなければならぬと思つております。要は、非常に長きにわたつての問題であり、その内容の中には簡單に参らないものがある、簡單に申せば暴力の横行というような言葉で使われるような節もあるのでありまして、この点はどうしても、單なる文教の府を責めるだけではなく、法律の上に守られる文教の府になるよう御盡力願いたいという向きのことを強く申した意味でありまして、もしも、せつかく超党派的に文教問題を御審議願つておつた建前から、あの言葉が非常に刺激したというならば、進んで取消し申し上げます。ただ説明の順序として、非常に長きにわたつてこの問題があるのであり、その内容を見ると、單に文教の府だけでは片づかないものがある。たとえば、都市計画法の不完全といいますか、不十分であるというような点でありますとか、また暴力横行といわれるような形のものができておつても、文教の府からそれをしりぞけるだけの力がない実情にあるのでありますから、これらの点を含めて、ひとつ御協力願いたいというふうに申し上げたつもりであります。言葉が足りなかつたかと思うのでありますが、さように網承知いただきたいのであります。
○笹森委員 今村次官を支持する意味においてお取消しを願いたいと思います。それはどういうことであるかと申しますると、精神的には長きにわたつてという言葉は、私もその通り同意いたします。しかし、事件の起りは、片山内閣の成立しましたのは、昭和二十二年の六月から昭和二十三年の三月までであります。この事件のすべての発端は吉田内閣のときに起つており、その一時借用を許可したのも吉田内閣のときであり、片山内閣のときには、これを嚴重に通告をしてその土地を守つておつたのであります。芦田内閣になりましてからも、嚴重に不法なものに対する取消しを命じております。ところが、もう一度吉田内閣になりましてから、今度これを大蔵省に渡したり、しかもまた不法占拠なんというものは、全部吉田内閣になつてからの問題なのであります。ゆえに私に対するさつきのことはお取消しになつておいた方が、現吉田内閣に忠実なる政務次官としての立場だと思います。それがもしもないならば、私はどこまでも発言をしますし、もしもさつきのことをお取消しなさいますならば、私のただいまの言葉も全部取消します。どちらでもけつこうですから、はつきり願います。
○今村政府委員 すでに小林委員からもいろいろお話がありまして、私は取消したつもりでありますが、なお不十分であれば、この際取消します。かようなことは超党派的にぜひひとつ、單なる文教の府だけで片づかぬところがあるから——先ほど来私の申したい点はそこにあるのです。つまり暴力の横行とか、あるいは現に豊島の小学校の場合におけるように、これは都市計画法の中にも、何か文教というものに対して特段に他の場合よりは守られるものがあつてほしい、こういうように痛感しておるのでありまして、それらのことを、ひとつ超党派的に御協力願いたいという意味を力強く申したことから、もしも私が申した点が笹森先生を非常に刺激したならば、一切取消します。そしてこれは先ほど来申します通り、何といつても超党派的に、他の面に触れてまでひとつ御協力願つて、かようなことが将来ないようにお願いいたしたい、こう思うのであります。
○小林(信)委員 私もそれほど強くお話したのではないのですが、次官も取消していただいて非常に私も嬉しく思います。ともあれ、きようの若林委員の話題として出された問題等は、私はやはり社会の教育に対する考えというふうなものが問題でありまして、文部委員会等は、やはりその師表として立つて行く以上、そういう点はあつてはならなと思うのです。私はこの問題を考えまして、権力あるいは利権というようなものが教育を無視するということは、従来あまりなかつた。最近それが非常に多くなつたということは、先ほど来、單に敗戦後の社会情勢というふうなことを言われておるのですが、今までそういうことがなかつたのは、たとい権力あるいは暴力を相当行おうとしましても、教育に対して暴力を行う、あるいは教育を侵害するとかいうふうなことは、一般の常識として許されない、輿論の指彈を受けるというようなことで思いとどまつておつたのではないかと思う。決してこれに対する法的な制裁があるがために、そういうものが遠慮しておつたのではない、やはり輿論の批判というようなものが恐ろしくて、そういうものが出なかつた。しかし、最近はそういうものも非常に頽廃して来て、そういう権力あるいは暴力というものが教育を侵害しようとすれば、案外教育というものはもろいものだ、これをつかさどつている機関も非常に弱いものであるというようなことで、至るところにそういう問題が起きるのではないか。学校の近所にキャバレーをつくる。何メートル以内に建ててはいけないという法律があつても、警察等が黙認の形でもつてどんどん行われているというような点から考えましても、ただいま主として答弁に当られました社会教育局長の、社会教育に対する、この際予算を通しての文部当局の態度をお聞きしなければならぬ。こういう点でこまかい点は用意しているのでございますが、時間がないと言われるのですから、一番問題になる点をひとつお聞きしたいのですが、社会教育費として計上されたものを今度の予算で見て参りますと、わずか二億三千万円であります。文部予算が三百五十二億であつて、これすらいろいろな点からして非常に少いということが言われておるのでございます。従つてその圧縮を受けて二億三千万円というふうな少額を計上されているのかしれないが、この二億三千万円の金を使つてどういうふうに社会教育をやつて行くのか。この前の委員会のときにも文部大臣は、現在の社会情勢を考えて社会教育をやつて行かなければいけないのだ、青少年の不良化防止というようなものも、單に学校教育だけでもつてやることはできないのだ、これは社会一般の責任としてこれを考えて行かなければいかぬというふうなことを言われて、教育上これを最も重視すると言われたのですが、こういうわずかな予算でもつて、はたして実情に即した社会教育というものが実施できるかどうか、こういうことを私は強く考えているのであります。しかしその中でも最も考えなければならぬ点は、近代美術館に対して一億という金がさらに計上されております。この一億が異彩を放つておりますので、二億三千万円という形になるのですが、こういう特別のものを除いたら、あとは一億三千万円しかない。その当時大臣とのお話合いで、問題になりました青年教育というような面について計上しているものは、わずか一千百十五万円である。あるいは社会教育において最近視聴覚教育として非常に重要視されております教育映画というような問題について、これはどういう意味で計上されたのかわかりませんが、わずか二百九十六万円が計上されておる。私の府県で、社会教育の立場で視聴覚教育費として組んだものが一千万円であります。一つの小さな府県で計上する視聽覚のための費用、社会教育の一部の費用が一千万円である。ところが文部省でもつて、国家全体の社会教育のそういう面に使われる費用が、その一府県のものよりも少額である。こういう事実を見ましたときに、はたして文部省の考えている社会教育は、現実をしつかり握つての予算の計上の仕方であるかどうか、非常に遺憾にたえないのであります。私はそういう問題を、いずれこまかくお伺いしようと思うのでありますが、時たまたま商船大学の問題で、近代美術館のこの一億を、早急のものでないから、これを神戸の商船大学にまわしたらどうか、こういうような御意見がたくさん出ておるのでありまして、私も近代美術館と商船大学を考えたときに、しかも近代美術館に対して文部当局が今までとられて来た径路を考えてみたときに、先ほどどなたか御説明がありましたように、やはりこの際小委員会等で考究されたように、商船大学にまわされる方がいいと思うのでありますが、しかしそれは社会教育の実情と社会教育費として計上されたこの額とを見ますと、さらに私は一考していただきたいと思うのであります。わずか一億三千万円で日本の社会情勢というものを何とかしようということは、非常な冒険である。もしこの近代美術館の費用一億というものが不用なものであるならば、何ゆえ社会教育個々の問題の方にもつと重点を置いて考えないのか。ここら辺は、單に文部省が與党から、あるいは一地方から働きかけられても、その一億はもしまわされるというのならば、社会教育費として確保するという断固たる決意をしていただかなければならぬ。そうして商船大学が必要であるならば、その経費はこの際他の方からとつていただきたい、こういうふうに私は考えるのでありますが、この点につきまして社会教育局長の御意見を承りたいと思います。
○寺中政府委員 社会教育の予算が非常に少いということは、私も非常に残念に思つておるのでございまして、たとえば、いつかもお話が出ましたように、中学校を卒業後、実際勤労についておる者五百万余りに対して、青年学級の経費が五百万円それに対して大学の学生は、その数はそれに比べればうんと少いのでありますが、一人当り数万円の経費を国費から出しておるというような関係を考えますと、これは何としてもこの中核になつておる青年というものの教育、さらに広く社会教育のために力をいたしまして、これを躍進せしめたいと思うのであります。ただ社会教育のために経費が入りにくいということにつきましては、いろいろ事情がございますが、たとえば社会教育というのは、大体補助行政でございまして、しかも一般の行政機構の問題といたしまして、補助金はできるだけ少くして、地方の経費は地方で見るようにしたいという意見があるわけでありまして、いつも補助金のことが問題になるのであります。一方社会教育というものは、国から押しつけて強制的にやるものではなくして、国民相互の努力によつて、またその財政面も国民相互の力を出し合つてやるのが適当であるというふうな意見があるわけであります。そういう面からいたしまして力を入れるのは大いに入れるのでありますが、どうも経費が入りにくい。公民館とか図書館とかいうような、ある程度施設を持つたもの、また青年学級というような、ある程度の組織を持つたものに対して、補助金をもつてこれを推進するということ以外にないのでありまして、この面については、ただいま言いましたような反対的な意見をある程度押し切つても、ぜひ将来ますます躍進的な努力をいたしたいということを考えております。
○小林(信)委員 ただいま、補助行政であるために、予算の獲得ができないというようなお話だつたのですが、青年学級の経費につきまして一千百十五万九千円という予算を計上しておるのでありますが、これでどのくらいの学級を開設し、そしてこの開設にあたつてどんな方法でこれを促進させようとするのか、お伺いしたいと思います。
○寺中政府委員 青年学級の開設費として認められたものは五百万円でございますが、この経費は五百学級に対しまして三分の一の補助という比率で補助する。でありますから、一学級一万円ということになるわけであります。実際青年学級の現状は、全国約九千学級ほどあるのでありまして、これについて国が補助いたしますのは、いわばモデル学級の奨励という点を考えて補助をすることになつておりますが、地方の府県の教育委員会といたしまして、国の数倍に当ります補助金を計上いたしておる現状でございますので、現在育ちつつある九千学級が、何とかやつて行けるようになつておるとは思うのでありますが、その中で優秀な、特に奨励を必要とするような五百学級について、その奨励をはかるという趣旨で、この予算が組まれておるのでございます。
○小林(信)委員 私の見間違いで、五百万円だと、さらに少いわけで、一学級一万円出してこれを奨励するということであります。最近新聞等でも、この青年学級の問題につきまして見たのですが、一応始めたけれども生徒の魅力がないためにだんだん廃級の形になつておる。この際もつと青年諸君の魅力を持つようにくふうされなければならぬ。せつかく勤労青年を重視して地方の大事な財政をもつて育てておるのでありますが、しかしそれが魅力がなくてどんどん生徒が休んでしまう、結局なくなつてしまうような形になるのであります。そういう場合に、たとい五百万円でも出していただくことはいいことですが、しかし、最近の地方の財政を考えてみますと、わずかな費用を国の方から出して、地方財政を教育に吸い上げて行く、いわゆる呼び水的なものを出して、地方の目に見えない、表面に計上されない財政を教育に使わせようとしておるのでありますが、成果は上らないし、そのために地方財政は苦しんで来ておるというようなことを、最近私は感じておるのであります。こういう点に対して、もつと積極的に堂々と予算を計上して、地方の実情に沿うべきものだと思うのです。補助行政であるからというような言葉に惑わされることなく、もつと現実的なものを見ていただきたいと思うのです。 それからもう一つ、こまかいことですが、関連しておりますからお聞きいたします。最近地方で、社会教育にも学校教育にも、両方に重視されておるのがいわゆる映画教育ですが、これで非常に地方が困つておるのは、よいフイルムがなかなか手に入らない。製造するものが利潤が合わないためにつくつてくれない。もし得ようとすれば、一般人に見せる映画で、比較的社会教育的なものになるものを十六ミリというふうなものにして出されておる程度で、フイルムが非常に得がたくて困つておる。それでナトコというふうなものがそれぞれ各府県に配置されて、そうしてアメリカの方から渡されたものだけを持つてまわつておるという現状です。これに対する教育的な効果は一般が認識しておるし、またこれに対して興味を持つのですが、いつもアメリカ映画ばかりだとおもしろくない。これも行き詰まつておるのです。もちろん文部省として、一定の教育映画をつくれということは、これは差控えなければなりませんが、何とかこういう面も利潤が成り立つような形にして業者の認識を深めたり、一般を啓蒙することが必要じやないか、二百九十六万円というものが計上されておるのですが、これはおそらくそういうような意図でなくて、何か一つの目的を持つておると思うのです。私はこんなところで考えるのですが、映写機を設置するところへは、国あるいは国と地方というようなもので補助をして、各町村に、簡單なものでけつこうですから、映写機というようなものが設置されれば、フイルムの製作者は利潤がありますから、どんどんいいものをつくつて行くような形になる。そうすれば、今地方で非常に期待しておるこの視聴覚教育というようなものも盛んになつて行くんじやないか。青年学級というような無味乾燥なものを形式的につくつて行くのでは、青年諸君が行かぬのはあたりまえだ。一日労働をして、ほんとうに積極的な気持のある者でなければ、勉強をして行くような気持にならない。やはり一面こういうふうな点を考慮して、社会教育というものを行つて行かなければならない。そういう点を、政府としてももつと積極的に考えていただきたいと思うのでありますが、こういう点は、政府としてはどういうふうにお考えになつておるか。
○今村政府委員 小林委員から、社会教育の重要性ということを指摘されたのでありますが、私まことに同感であります。実は私自身のことを申しますと、政務次官に就任して一番先にしたことは、社会教育の総合研究ということであります。敗戦後の日本の国民道徳というものの廃頽は、何といつても社会教育で補うといいますか、正すより道がないと考えているのであります。従つて、予算編成にあたつても、政務官としていささか努力したつもりであります。ところが、予算編成の方針といいますか、制度というものが、御承知の通り大蔵省の査定という形式において決定されるのでありまして、文部省が、この点は重要であつて、これだけはぜひ残したいと思つても意外なものが残つて、重要なものが削られるという結果が事実あるのであります。この点は、将来において、むしろ予算編成といいますか、審議する立法府において、真劍に考えていただかなければならぬ点だと、私は政務官として痛感いたしたのであります。ことに、社会教育のごとき、先ほど申した勤労学級でありますとか、一般大衆の社会道徳を高揚する力を持つ映画の普及であるとかいう点については、実は大蔵省の側からは十分な理解が得られなかつた。私など最後まで紙に書いて要求したものは、いわゆる勤労学級の経費と通信教育費でありました。学校に行つて学ぶことのできないこれらの勤労青年こそ、何とかして国はできるだけの力を與えて、教育ということにいささかでも努力し得るようにいたして行くべきではないかということで、最後まで努力したのでありますが、一律査定というような形で削られておる。これなどは私は政務官として、どうしてもこの予算編成の制度というか、方法というものを、根本的に考えるべきではないかということを痛感したのであります。従つて小林委員の指摘される点は、われわれも十分同感でありますし、今申す通り率先努力いたしてかような結果に陷つたのでありまして、まことに遺憾にたえない点であります。ナトコ映画につきましては、ことにフイルムの点はGHQの側においても、なお無償映画の配給といいますか、貸與ということは幸い継続されるということになりましたので、従来に近い程度の映画の配給というようなことも可能であります。けれども、何といつてもある程度の予算を持たなければ、適当なよい映画を潤沢に各地にまわすという計画は不可能であります。この点はまことに残念でありますが、努力して得た結果がかようなものでありまして、責められれば、いかにも申訳ないと思うでありますが、最善の努力をいたしたことだけはこの際申し上げて、予算審議等の方法については、ぜひ立法府においても特に御研究を願いたいと痛感いたした点をつけ加えて申し上げておくのであります。
○竹尾委員長 この際皆様にお諮りいたします。時間も大分経過いたしたのでございますが、ただいま豊島小学校のPTAの方から陳情がございます。それからきようの議題はまだ二つ残つておりますが、これは次会に譲ることといたします。もう一人質疑の通告者がございますが、それが終りまして散会いたし、その散会後に豊島小学校に関する陳情を承りたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹尾委員長 それでは最後に渡部義通君。
○渡部委員 私は議事進行について、まず発言をいたします。きようは私は多くの問題を持つて早く出席して通告してあつたはずです。従つて通告順に発言を許すについて狂いがなかつたかどうか。もし狂いがなくて順序通りやられたのだとするならば、まず一応通告者の済むまで、その通告者の順序を追つて許さるべきであるのに、その間に他の問題について同一の発言者が発言をして、それによつて通告順に適当に時間が配られないということであつては、委員としての役目を十分果すことができません。その点について狂いはなかつたのかどうか。それから今後どういうふうにされるのかという二点を私はまずお聞きしたいと思う。それからまた私は問題が相当多いのでありますから、もし時間がないというならば、保留して他日に讓つてもいいと思う。その場合にはもちろん一番先にやらせてもらう、そういう了解のもとに私は保留してもよい。
○竹尾委員長 渡部君にお答えいたします。発言の順序には狂いはございません。それから関連質問は、慣例によりまして従来も許して参りました。なお山口シヅエ君の持時間が相当余つておりましたために、若林君に発言を許しました。次会は今発言される渡部義通君に第一番にお許しいたします。
○渡部委員 それは山口君の発言時間が残つておるというのではなくて、若林君の発言時間が残つておるからというような先ほどのお話でありました。
○竹尾委員長 山口君の発言が残つておりましたから……。 それでは本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせ申し上げます。 午後五時十九分散会