農林委員会 第16号
- 発言数
- 62 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/03/20
会議録
○河野委員長代理 これより農林委員会を開会いたします。 この際理事の補欠選任についてお諮りいたします。井上良二君が一時委員を辞任されておりましたので理事が一名欠員となつておりましたが、同君は再び農林委員に選任になりましたので、委員長において井上良二君を理事に御指名いたしたいと思いますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長代理 御異議なしと認めます。よつて井上君は理事に選任されました。 —————————————
○河野委員長代理 次に昨日に引続き閉鎖機関日本蚕糸統制株式会社が積み立てた繭糸価格安定資金の処分に関する法律案を議題とし、前日に引続き質疑を行います。質疑の通告があります。これを許します。竹村奈良一君。
○竹村委員 まず私がお伺いいたしたいのは、この統制会社は昭和十六年に成立して昭和二十一年三月で解散になつた。この統制会社は戦時中に設立されたものでありますが、この統制機関が、現在ここに問題になつておる一億六十五万五千円という剰余金を生んだ。その経路、つまりこの剰余金を生んだ原因はどこにあつたか。もちろんここには一応糸価の低落等の危険負担をするために特別に積み立てたものであるといわれておりますが、その特別に積み立てた金を出した基礎は一体どこにあつたか、この点を承りたいと思います。
○寺内政府委員 日本蚕糸統制株式会社が繭糸価格安定資金を積み立てました方法は、少し内容がごたごたしておりますが、これを御説明申し上げますと、旧蚕糸業統制法施行規則の第四十條の規定によりまして、輸出業者が統制会社へ納める金額、これを輸出納付金と申しますが、そのうちの一定金額、それから統制会社の生糸の売渡し代金の一定金額、これを本資金として積み立てることになつております。なおこれをこまかく申しますと、輸出納付金の方は農林大臣の許可を受けました輸出製糸業者が輸出生糸を輸出し、または売り渡す場合は、統制会社へ売り渡さなくてもいいということになつておつたのであります。これはそのほかの生糸であると、全部統制会社に売り渡したのですが、輸出用の生糸は統制会社へ売り渡さずに、農林大臣の許可を受けて直接輸出ができたのであります。この場合におきまして、輸出製糸業者は統制会社へ輸出納付金というものを納めたのであります。その納め方はこういうことになつておるのであります。まず一つは、輸出生糸の検査を受けます際に、一俵について百三十四円を納付することになつております。これを基本納付金といつたのであります。二は、時価が千四百円を超過する場合には、その超過額に三割を乗じた金額に当該月の受検数量を乗じた金額を納付することになつております。これを特別納付金といつたのであります。三としまして、前項の時価は当該月の輸出生糸登録原簿による白一四中D格の各日平均の月平均価格とし、円位未満を切捨てるというような規定になつておつたのであります。以上のような納付金は翌月の十日までにせよというような規定になつておつたのであります。 次に生糸の売渡し代金の一定の金額を積み立てるというのは、これは昭和十六年、十七年度は統制会社の生糸売買差益一梱当り百五十二円のうち九十五円とされておつたのであります。昭和十八年及び十九年度は生糸及び短繊維の売買差益のうち、平均一梱五十七円を会社の一般経費に充て、残りの金額を本資金として積み立てたというような積立てをいたしたのであります。
○竹村委員 そういたしますと、これは大体輸出業者、それから特別に統制会社を通らない輸出業者、並びに製糸業者等がこれを積み立てたのであるということは明らかにされたわけであります。そういたしますと、戦時中には御承知のように食糧増産の面から桑園等が整理されておりまして、その残りの養蚕家等から買い上げたものを輸出し、あるいは生糸にするという建前から、このような剰余金を生んだわけであります。そこで私はお伺いいたしたいのは、たとえば戦時中に食糧増産という建前から、桑園等を食糧増産の面に強制的にふりかえられた。そうして整理されたほんとうの農家、つまり桑を抜いて半強制的に整理された人々、これに対する何かの補償等は今までなされたことがあるかどうか、この点を伺いたいのであります。
○寺内政府委員 戦争中食糧増産のために桑を抜いて食糧作物を作付けます場合には補償をいたしたはずでございます。ただいまその金額はちよつと覚えておりませんが、そういう措置をとつたものと思つております。
○竹村委員 その問題は、もちろん金額はあまり大したものではありませんけれども、しかしこういう余剰を生んだその一つの原因は、いろいろ統制等によつて養蚕家が最も余剰を生むような形で繭を買い上げられておる結果がこういう利潤を生んだと思うのでありますが、従つて私はこういう利潤というものは、その当時繭をこういう利潤を生むような価格で買い上げられたその養蚕家並びにその他の先ほど申しましたような、ことに蚕を飼いたいけれども国策のために桑等を整理して、そうして蚕を飼えなかつたもの、こういうものに金が直接私は還元されるべき性質のものと思うのでありますが、しかしこの法案では一応国庫に入れられるということになつておるのであります。そこで私はこれを国庫に入れるとするならば、そういう人たちに対する一つの対策あるいはそういうものを持たなければならぬ、それが実現しなければならぬと思うのでありますが、それに対しては何ら考慮されていないと考えるのでありますが、考慮されたような点があるのでありますか。ないかあるか、あるのだつたらどういう形でやられておるのであるか、この点を伺つておきたいのであります。
○寺内政府委員 先ほどもお話いたしました通り、戦争中桑を抜きまして食糧作物に改善いたします場合には、改善の補助金でございましたか、そういう手当をいたしておりますので、この資金を特にそういう方面に使う、今後使つて行くという考えは、ただいまのところ持つておりません。
○竹村委員 そうしますと、国庫に一億何ぼというのを入れました場合に、これは先般来国会を通過いたしました繭糸価安定の特別会計の方にこれは繰入れられる金でありますか、その点はどうですか。
○寺内政府委員 この法律が成立いたしまして、国庫に一億六十五万円の資金が入りまして、それがただちに特別会計の收入にはなりませんけれども、これが見返りとなりまして三十億の糸価安定の特別会計が成立いたしたのであります。
○竹村委員 そういたしますと、直接には入らないけれども、いわゆる三十億の糸価安定の特別会計に入れるということになりますと、結局その特別会計の名前の示す通り、それは糸価安定でありまして、繭価の問題については入らないということになるわけでありますが、そうなりますと、少し矛盾するのではないかと思う。というのは先ほど申しましたように、これはくどくしませんが、戦争中に一応統制で押つけて繭を買上げた。それだから統制会社等が安い繭を買つて、わずかですが、一億余の利潤を受けた。結局この利潤を生み出したのは養蚕家の繭を安く買つたところに原因があると私は思う。ところが今度国庫へ入れて、糸価安定特別会計の方へ入れるといいますが、しかしあれは糸価安定の特別会計でありまして、本法案では繭糸価安定という名前で、繭というものをむりにくつつけたような形になつておりますけれども、事実上は糸価安定であつて、養蚕家に対してはあまり恩恵がないわけである。そこへ金を入れるということは、この余剰を生みました原因から考えましで、私は相当矛盾すると思うのですが、これを国庫に入れるのではなしに、ほんとうに養蚕家の手に渡るというような形において、たとえば桑園の補助とか、あるいは養蚕家の共同飼育場の設置とか、そういう方面にはつきりまわす考えはないか、この点を承つておきたい。
○寺内政府委員 ただいまのお説は一応ごもつともではありますけれども、先ほど御説明いたしました通り、この繭糸価格安定資金というものは生糸を売り買いいたしました差益を積立てたのでありまして、その生糸の価格の安定のために使うという目的で積立てた金でありまして、今回成立いたしました糸価安定特別会計におきましても同じ趣旨でありますから、それに繰入れまして生糸の価格の安定に資するのでありまして、われわれからいたしますと、生糸の価格を安定すれば、それに伴つて繭の価格も安定して行くであろうと考えているのでありますが、もし生糸の価格が安定しても繭の価格が安定しないという場合には、たしかあの法律の十一條によつてそれぞれの処置をとることになつておりますので、その方面で繭価の維持についてもいろいろ考慮しているということであります。
○竹村委員 大体はつきりして来たのですが、ところで問題は、糸価が安定すると繭価が安定するということには私はならないと思う。問題は、繭価の生産費を中心としてその安定価格がきめられる、その上に立つて糸価が安定されておるというならば、御説明の通りになると思うのですが、そうではないわけでありまして、まず繭価の生産費というものは別にあまり考慮されず、度外視して、糸価の輸出価格その他を考慮して、いわゆる糸価が安定される。そのいわゆる安定された価格において繭価が決定される。逆になつておる。それを十一條において何とかすると言いますけれども、政府は現在何もやるという構想は持つてない。というのは、あなたの方の考えておることは、遺憾ながら逆のお話なんです。従つて私は、これはやはり法律の建前はそうであつても、結局において繭価の安定ということには向けられる金ではないということに考えるのです。特別の措置がないといえばそれまでですけれども、私は当然そういうふうにされるべきだと思うのですが、この点はどうですか。
○寺内政府委員 前国会で決定いたしました繭糸価格の安定法の規定によりましても、生糸の最高価格、最低価格をきめます場合には、法律にもあります通り、繭の生産費及び生糸の製造販売に要した経費を基準としてとなつておりますから、その生糸の価格を決定いたします場合に、繭の生産費を基準として考えておるのであります。御説の通り、直接には生糸の価格の安定をはかるのでありますが、われわれといたしましては、それが間接に繭の価格の安定にもなると考えておるのであります。
○竹村委員 ところがそれの価格審議会の委員なんかを見てみますと養蚕家の代表が少いのです。その人の意見があまり通らないようにその委員会の構成ではなつておるわけです。説明はもつともらしく聞えるのですけれども、実際においてはどうもそういうことになつておらないところに問題があると、私は思うのですが、これ以上論議はいたしません。私の意見として別のところで申し上げますが、つまりそ参れならば、繭価の安定をきめるために、生産費を基準として繭価はこのくらいに決定してくれという要求をする。また生糸の値段がきまるときの央委員会、その委員会に実際そういう代表があまり出ていない。これは理論としては一応聞えますけれども、実際上はそういうふうになつていないということだけ、特にあなたの方ではそれを認めておいてもらいたい。そうしないと困る。
○寺内政府委員 私どもの考えといたしましては、糸価安定委員会の中にも、養蚕方面の代表者が六名も入つておりまして、他の業界に比べてむしろ一人多いくらい入れてあるつもりでございますが、よそからごらんになりますと、ただいま竹村さんのおつしやつたようなことがあろうと考えます。今後十分繭価の維持については努力いたして参りたいと思います。
○河野委員長代理 足鹿君。
○足鹿委員 ごく簡單に一、二お尋ねいたします。この金額は一億六十五万五千円となつておりますが、これはいつ現在でありますか。
○寺内政府委員 それはことしの二月一日現在の調べでございますが、その後かわつておりませんので、現在でございます。
○足鹿委員 二月一日現在と申しますと、さかのぼつて昭和二十一年三月に、日本蚕糸統制株式会社というものが解散になつておるのですが、そのときから現在までずつと一億六十五万五千円であつたという意味ですか、やはり解散当時の金額でしようか。
○寺内政府委員 ただいまのは、解散当時、二十一年三月一日で見ますと、九千八百六十五万七千何がしでありますが、閉鎖機関に指定せられましたとき、すなわち二十三年七月三十一日には現在の金額に達しておりまして、解散のときから閉鎖機関に指定されます間に、現物生糸を処分いたしましたり、預金を繰入れましてふえておりますが、閉鎖機関に指定されましたときの金額がこのままであつた。
○足鹿委員 ちよつとわからないのですが、そうすると、昭和二十一年三月には九千八百万円であつた。二十三年閉鎖機関に指定されるまでに、いろいろ手持ち生糸の清算をしたり、その他のことによつて得たものを加算した額が一億六十五万五千円、その後は全然移動がないわけですか。
○寺内政府委員 先ほど申しましたのは、解散のときから閉鎖機関に指定されるまでに、この資金の果実を繰入れたのでありまして、閉鎖機関に指定せられましてからは、そういう運用はできませんので、そのまま残つておるわけであります。
○足鹿委員 昭和二十一年三月一日に一億円近い金額といいますと、現在の貨幣価値から申しますと、一億六十万円はわずかですが、その当時の貨幣価値から申しますと、相当の金額だろうと思う。今ではなるほど一億円あまりはわずかの金額だということが言えますが、当時としてはこれは非常に大きなものだろうと思う。先刻竹村委員からも御質問がありましたが、大体系価が安定すれば繭価が安定するということで、繭価を第二次的にいつもお考えになつておる考え方から、これは当然会社が益金の中から損金に算入しておるのであるということなんですが、これは養蚕農民とは関係がないというお考えですか。私はその簡単には解決がつかない問題じやないかと思う。少くとも先刻竹村君からも指摘されたように、戦争中における養蚕業者の犠牲の上に、日本蚕糸統制株式会社というものが存立して来ているはずなんです。この一億数十万円というものは、結局生糸から出たとおつしやいますが、その生糸は一体だれが生産をしたか。今の局長の論法から行けば、糸価が安定すれば繭価が安定する、こういうお考えであるならば、やはり当然これは当時の養蚕農民にも関係がある問題だと私は思うのです。これをそのままてんで今日まで放任しておいて、非常に怠慢というか、おもしろくない御処理の方法だと思う。その点どうですか。
○寺内政府委員 ただいまの御質問は、おそらく閉鎖機関に指定されてから今日まで、このままにほうつておいたのはけしからぬという御説のように思いますが、これは閉鎖機関の性質上、その清算の段階に入つたのでありますから、この資金を養蚕農家のために、あるいは生糸の価格安定のために使うことはできなかつた。縛られた金でありますから、閉鎖機関に指定されてから今日までそのまま残つておつたのは、そういうやむを得ない事情であります。この会社が生きておる当時は、その資金を使いまして、繭の値段維持のために使つたことがあるのであります。
○足鹿委員 もう一つ、これは三十億の糸価安定特別会計に入ることになるような御説明でありますが、先回繭糸価安定法の審議の際に、私どもが三十億円の財源として聞いたのは、いわゆる手持生糸の差益金であるというふうに、私どもは提案理由ではつきり聞いておる。こういうものが繰入れられておるという提案の趣旨はなかつたと思う。つまり三十億の中に一億六十五万五千円というものが入つておるという御趣旨の提案理由はなかつたと思う。その点はどうなんですか。
○寺内政府委員 先日決定せられました糸価安定特別会計の三十億の財源の見返りといたしましては、この法律には出ておりません別の日本蚕糸業会で積み立てました差益金のうちの十五億と、それからその業会の清算いたしましたときに指定寄付を約三億、それから今回法律になつております統制会社の積立金一億、合計約二十億が見返りになつておるという説明があつたはずでございます。
○足鹿委員 そういう点については、あとでまた調べてみますが、私は少くともこの問題については疑義を持つております。この一億六十五万五千円というものは、日本蚕糸統制株式会社が利益の中から損金に見立てておつたという御趣旨でありますけれども、当然これは当時の養蚕農民に対して何らかの措置を講ずる財源として、ひもをつけると申すと語弊がありますが、そういう考え方が正しいと私は思います。すべてこのごろの農林予算にしましても、公共事業にしても、大蔵省はいろいろな條件をつけておるのです。予算を審議するときにはそういう條件がなくても、あとで行政的にいろいろ條件をつけておいでになるのです。従つてこういうものは今でこそ一億円でありますが、当時の金額にしてみまするならば非常に高額なものでありまして、でき得べくんば私は当然、養蚕農民に直接還元することができないことでができないならば、いわゆる養蚕業の振興に対して重点的に支出すべきものである、かように考えざるを得ません。しかしこれは議論になるようでありますから、この点はあえてこれ以上申し上げません。 第二点は、この金の還付を請求あるいは希望しておる団体がありますか。
○寺内政府委員 この資金については、還付を要求しておる出資者は一人もございません。これは前からも蚕糸業統制法並びに統制法施行規則によりまして、こういう繭糸価格安定のために使え、これが解散したならば農林大臣の指定する団体に譲り渡せというような規定がありますので、出資者はすべてそういう趣旨を了解しておりますから、返してくれという要求は一つも出ておりません。
○足鹿委員 そうしますと、この問題につきましては、何ら業界その他にも、後日になつても異論はないというふうに解釈してよろしゆうございますか。
○寺内政府委員 その通りでございます。何ら異論はございません。
○足鹿委員 了承しました。
○河野委員長代理 残余の本件に対する質疑は留保いたします。 —————————————
○河野委員長代理 引続き昨日本委員会に付託に相なりました千賀康治君外二十三名提出、松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたし、審議に入ります。 まず本案の趣旨について提出者の説明を求めます。千賀康治君。
○千賀委員 ただいま御審議を願います林くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関する法律の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明いたします。 戦後松くい虫が異常に蔓延して、わが国森林資源に相当な被害を與えることになりました結果、第七国会におきまして、松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関する法律が制定公布せられましてより、松くい虫等の穿孔虫類の防除事業は、着々とその効果を現わして参り、これによる被害も最盛の時期に比較いたしまして相当の減少を来している状態でありますが、その反面松くい虫等以外の森林病害虫等が、戦後の森林の荒廃とともに急速に発生蔓延し、その被害地域も広汎な地域に及び、被害面積も年を追つて増加する傾向にありまして、森林資源の保護と林業生産の助長をはかる点から申しまして、放置できない状態になつて来ているのであります。 政府は、昨年六月現行法の第十二條に基き、松毛虫等の駆除予防に関する政令を公布いたし、これら松くい虫等以外の森林病害虫の防除に必要な措置を講じて参つた次第でありますが、この発生及び被害状況は、なお予断を許さない状態にあります。 しかるに、この政令は法律上その効力を一年以内に制限されておりますが、この際松くい虫等以外の森林病害虫等についても、この法律に基いて徹底した予防ができまするように改正いたしたいというのが本改正の要旨であります。すなわち第一は、松くい虫等以外の森林病害虫等の被害の状況は、さきに申し述べましたように、このまま放置できない事態にありますので、直接法律の規定に基き、継続して防除措置を講ずることができるようにする必要があるのであります。 これと関連いたしまして第二に、林業種苗につきましても、防除に必要な措置を行うことによつて、その保護をはかることができるようにいたしました。 第三は、防除の方法におきまして、新たに種苗の焼却及び薬剤による防除を加えることにいたしたのであります。 その他森林病害虫防除員等の指示に従い、防除に必要な措置を行つたたあ損失を受けた者に対し、その損失を補償すること、森林病害虫の早期防除をはかる必要から、森林病害虫等が発生して、他に蔓延するおそれがあると認めた者は、その旨を都道府県知事または市町村長に通報していただくこと等の改正をいたしたのであります。 このような改正に伴い、現行の法律の題名が適当でないと思われるようになりましたので、この法律の題名を森林病害虫等防除法に改めることといたした次第であります。 以上この法律案を提案いたしますのにつきまして、簡単に御説明を申上げたのでありますが、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願い申上げる次第であります。
○竹村委員 一点だけ伺つておきたいのでありますが、改正された中の第三條第四号に「森林病害虫等の被害を受け、若しくは受けるおそれがある樹木又は指定種苗を所有し、又は管理する者に対し、薬剤による防除を命ずること。」こうなつておりますが、私どもこの趣旨は別に反対ではないのですけれども、聞いておきたいことは、たとえば大きな山林の所有者などには問題ではないわけですが、山村に行きますと、ごくわずかな山林を持つておる小所有者、これは非常に多いわけです。この人たちがこれを命ぜられた場合に、資金的に困つたというような場合にはどういうような処置を講ぜられますか、それを聞いておきたい。
○千賀委員 これは従前におきましても二億何がしの予算がございますので、その予算の中から、被害を受けて防除を命ぜられ、そのために自分の所有林木を焼き捨てるとか、あるいは薬を使うとかいうことで被害の生じたものは、これは国家が補償することになつております。小さいものでも国家が補償いたします。
○竹村委員 その補償は全額ですか。
○千賀委員 被害のあるだけは見積りまして全額を補償いたします。
○遠藤委員 ただいまの法律でありますけれども、非常に趣旨はけつこうであります。竹村君からも今質問がありましたが、森林の病虫害が発生したときに、それを駆除予防するために薬剤を散布させることを命令する、非常にそれはけつこうでありますけれども、実は非常に広範囲にわたつて莫大な薬剤を要し、莫大な資金を要するというような事態が珍しくないと思うのです。またそういうことが予想されればこそ、こういう法律の必要があるわけでありますが、ここでお伺いしておきたいことは、従来どの程度の病虫害が発生しておつたか、そしてこの駆除予防のためにどの程度の予算が必要であつたか。今までの例から言いますと、ほとんど病虫害の駆除予防ができておらないのであります。それは森林のことでありますから、きわめて広範囲にわたつて参りますから、実際問題としてはできないわけでありますが、今度はそれを徹底的にやる考えであるかどうか、そのやる予算的な措置等が十分できておるかどうか、できておらないでこういう法律を出すとすれば、まつたく意味がないことになりますが、それらの計画、今までの実績、それからそれに対する予算的な措置、そういうものについての見通しを、この際はつきり説明しておいていただきたいと思います。
○千賀委員 ただいまの御質問は、数字にわたつて説明をしなければならぬ部分が非常にたくさんありますので、これは過去において実際に携わつておられます政府委員にその説明をやつていただくことにします。
○横川政府委員 お手元に資料を差上げてございますが、その順序に従いまして御説明申し上げたいと存じます。松くい虫が従来主として猖獗をきわめましたのは——松くい虫の被害は大体大正時代から少しずつ起きておつたのでありますが、終戦後勃発的に発生をいたしました。最大の被害を見たのは昭和二十四年でございます。材石にいたしまして四百万石以上に達しておるのでありますが、その後漸次法律の効果が現われまして、被害の程度が減少して参つております。先ほど申し上げましたように、四百万右程度の被害のものが、二十六、七年度におきましては二百三十万石程度の被害と相なつて参つておるのであります。二十六年度の病虫害の駆除の状況は、お手元に差上げました資料の三というところにございますが、立木の駆除をいたしましたものが二百三十六万石、伐採跡地の根の皮をむきましたものが二百万本ほどございます。なお伐採をいたしまして丸太を移動して参りましたものの皮をむかせましたものが四万六千石余に達しております。そのほか松毛虫の被害が宮城外六県において発生いたしたのでありますが、それの駆除をいたしましたものが條九千町歩ほどございます。まつばのたまばえの被害が発生をいたしましたのは、島根県一県でございますが、これが約四万石、それから薬剤をまきましたものが千六百四十町歩になつております。北海道におきまする造林地のから松の植栽木に対する野鼠の被害が四万五千町歩に達しておるのであります。なお二十七年度におきまして駆除を予定いたしておりまするのは、松くい虫が、立木が二百三十万石、伐採跡地の根の皮をむきますものは八十五万本、伐採木の移動をいたしておりまするもので皮をむかせますものが二万石予定いたしておりまするし、松毛虫は福岡県外八県において四千五百町歩の被害を見込んでおります。まつばのたまばえの立木の被害駆除は二万五千石、薬剤、これは大体ボルドーという薬剤を散布するつもりでおりますが、それが千二百町歩ほどございます。島根外二県にこの被害は発生を見ておるのであります。それから石川外二県に、まいまいがという、主として杉に発生いたしまする害虫でありまするが、これが六千五百町歩、まつのくろほしはばちが長野県に発生いたしておりまして、その駆除を予定いたしておりますものが三百町歩ほどございます。それから北海道の野鼠の駆除を考えておりますものが二万八千町歩でございまして、このほかただいまでは予定でき得ない被害の発生も、前年の例から考えますると予想できるのでありまするが、それらは追加予算なりあるいは既定の予算のうちから流用をいたしまして、できるだけ時期を逸しないようにいたしまして、被害の防除に努めて参りたいと考えております。
○足鹿委員 二つほどお尋ねしたいのですが、これは林野庁長官でけつこうですが、病虫害の防除の施行主体は国ですか、府県ですか、市町村ですか、森林組合ですか、その点をまず……。
○横川政府委員 第三條におきまして、農林大臣が駆除命令を出しまして、みずから直営でいたしまする場合と、第五條におきまして都道府県知事が命令を出して実施をする場合と、はつきり定めてございます。
○足鹿委員 それは一応それでそう大した支障はないでしようが、私ども現地を見た場合それが相当ある。たとえばまいまいがならまいまいがは非常に飛翔力の強いものと承知しておる。そこで被害地域がだんだんと蔓延して行く場合、現在はなるほど知事の権限なりでやり得る。しかし知事のみではやり得ないという現実の問題は、やはりある地域を農林大臣が指定をして行くのですが、その辺現地との関係はどういうふうになるのですか。
○横川政府委員 農林大臣あるいは都道府県知事が地区を指定いたしまして防除命令を出しておりまするし、従来は責任の主体をあくまでも都道府県と考えておつたのでございまするが、お話のようにその点が徹底しないうらみがございまするので、地方公共団体というふうにこの法律ではかえまして、市町村長もともに責任を持つていただくというふうに改正をいたしたのでございます。それは第四條にございます。
○足鹿委員 そういうことで一応体系は了承しましたが、この防除の実務に当つて行くのは行政機関である市町村がやつて行くのですか、また何か特別の防除組織をお考えになつておるのですか。
○横川政府委員 国には森林害虫防除員というものが、きわめて少数でありますが置いてありまするし、都道府県にも防除職員というものを設置いたしてございます。それが中心になつて市町村長等の協力を得まして実際に行うということになります。
○足鹿委員 私は問題はその防除組織だと思うのです。今防除員というものがあるとおつしやいましたが、私は先般北海道へ参りまして、植物防疫法の基本的な欠陷を現地で見て来ました。防疫官と称するものは、あの広大な地方にたつた七、八名しかおりません。これだけの人員でもつて広大な全地域にわたり防除の監督指導ができるなんていうことはもつてのほかです。これと大体似たり寄つたりの防除組織を——ごく少数であると言つておられますが、一体現在現地にはどういう名称のものが何人、そうしてそれがどういうふうに構成されて動くようになつておるのですか、そういう人たちは一応指揮命令をする、あるいは指導をなして行くという程度であつて、その人たちだけでは何ものもできやしないと思う。問題はこの末端の防除組織というものとどういうふうにつなぎ合せて行くか。そういう二億円やそこらの来年度の予算で、これだけの目的が達成できようとは思いません。私は薬剤の金の補助もけつこうだと思いますが、もつと防除組織というものをお考えにならなければほんとうの法律の成果はあがらないので、その点は少し欠陷があるように私は思いますが、御所見でけつこうですが伺いたい。
○横川政府委員 林野庁にも防除室というものを設けております。これは先ほど申し上げましたように数名の者でありますが設けてございます。それから都道府県にもやはりそれを直結いたしておりまする防除職員を設定いたしております。全国的に約千百名程度でございまして、御指摘のようにきわめて少数で、これだけの大事業を実行して参りますのには、私どもも満足をいたしておるわけではございません。やはり市町村長あるいは地方の有志の方々の協力をお願いしなければならないものであると考えております。御指摘の点まことに私どもも常々さように考えておるところでございますので、今後十分注意をいたしまして、皆様方に協力していただくように態勢を整えて参りたいと考えております。
○足鹿委員 この昭和二十七年の国庫予算額を見ますと、総額で二億四千五百四十万円ばかりございますが、この点について私が今指摘したようなものは何もないようですね。現地でいろいろ農民の人から話を聞いてみると、この法第十二條に「森林病害虫等が発生してまん延するおそれがあると認めた者は、遅滞なくその旨を都道府県知事又は市町村長に通報しなければならない。」とありますように、結局現地の自分たちのことだから自分たちでやらなければなりませんが、しかしそれだけではとうてい効果があげ得られないから、国の方でも補助しようということになるのであつて、薬剤の経費であるとか、あるいは器具の補助であるとか、いろいろなその他の損害補償というようなことも必要と思いますが、特別にこういう場合には、もつと組織、対策に予算をお使いになるお考えはないでしようか。その点この予算面に何ら現われておりませんので、それを明らかにしていただきますことと、それからこの植物防疫法の第十七條をかえるということが一項ありますが、植物防疫法とこれとの関連はどういうふうになるのですか、その点を少しお伺いしたい。
○横川政府委員 ただいまの予算につきましては、お手元に差上げました資料のうちに含まれておるのでありますが、総額等については後ほど調べてお答えを申し上げたいと思います。 なお植物防疫法との関係でございますが、植物防疫法におきまして、森林害虫につきましては、ただいま御審議を願つております法律にまかせるということになつておるのであります。実体から申しましても、やはり森林のことは特別な法律をつくらなければ実施が困難であるという見解のもとにこの法律ができておるような次第でございまして、この改正いたしまする点は、ただ「森林害虫」と書いてございましたものを「森林病害虫等」と二字かえただけでございまして、従来の通りの関係にございます。
○河野委員長代理 以上で質問は終了いたしました。 これより討論に入るのでありますが、本件に関しましては別に討論の通告もございませんので、これより採決に入りたいと思います。 松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。本案 に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○河野委員長代理 起立総員。よつて本案は原案通り可決されました。 なお本案に関する委員会の報告書の作成に関しましては委員長に御一任願 いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 —————————————
○河野委員長代理 引続き、これより昨日本委員会に付託に相なりました坂本貴君外二十三名提出、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 審議に入ります。まず本案の趣旨について提出者の説明を求めます。坂本實君。
○坂本(實)委員 ただいま上程されました農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由の要旨を御説明申し上げます。 政府においては、農林漁業施設の災害復旧のつきましては、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律によりまして、復旧事業者に対して農地、一般林道については、事業費の五割、農業用施設、奥地幹線林道及び水産協同組合の維持管理する漁港施設については、事業費の六割五分を国庫が補助いたしまして、その復旧に努力して参つたのであります。 しかしながら現行法のおきましては、被害の大小を問わずすべて同一の補助率の適用を受けますので、地域的に激甚な被害を受けた地方の農林漁業者は、その負担が莫大となるので復旧に困難を生じて来る実情であります。 たとえば、農地について申しますれば、復旧事業費が一戸当り一万円のものも十万円のものも補助率は同一でありますから、その農家の負担は、それぞれ一は五千円、一は五万円となるのであります。もちろんこの農家の負担に差のありますことは、事業費の比例によることでやむを得ないのでありますが、一方農家経済の現状より見ますれば、農家が予期せざる災害復旧のため負担し得る経済的の余剰能力には、おのずから一定の限界がありますので、この限界を越える場合には、その越える部分のみに対して高率の補助金を交付し、復旧を促進することが適切な措置であると存ずるのであります。 なお、林道及び漁港施設につきましても、同様の趣旨により補助率を引き上げることといたしたのであります。 以上が本改正法律案を提案いたした理由であります。何とぞ慎重審議の上すみやかに御可決あらんことを切望いたす次第であります。 —————————————
○河野委員長代理 この際お知らせいたします。ただいま小淵光平君外二十二名提出、森林火災国営保險法の一部を改正する法律案が本委員会に付託になりました。 これより本案を議題といたし、審査を進めたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長代理 御異議なしと認めます。よつて提案趣旨の説明を求めます。小淵公平君。
○小淵委員 ただいま御審議を願います森林火災国営保險法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。 森林火災国営保險は、昭和十二年十月一日からその事務の取扱いを開始いたして今日に至つているのであります。ただ当時におきましては、壮齢林につきましては、比較的危険も少く、またこの分野は、民営保險の伸長を期待しようとの建前から保險の対象を幼齢林に限つたのでありますが、その後の推移を見まするに、壮齢林につきましても森林火災による被害は、年々相当の面積に及び、反面民営保險は、森林火災保險の性格上、期待するほどの発展を見ていないのが現状であります。 このような現状にかんがみまして、昭和十二年第七十通常議会におきまして、将来この法律の適用範囲を壮齢林にも擴大するという附帶決議もありますことから、国営保險の林齢の制限を撤廃いたし、広く人工林全般にわたつてこれが保險の目的とし得ることといたしまして、再造林費を確保し、森林経営の安定をはかり、あわせて森林の持つ公益的役割の達成に遺憾なからしめたいといたしまするのが、この法律案を提出いたしますおもな理由であります。 その他、この機会に他に若干の改正を加えることといたしましたが、その第一は損害補填の方法を比例比例補填の方法に改めたことであります。第二に無事戻の制度を廃止したことであります。第三に保險事務の一部を市町村のほか、森林組合及び森林組合連合会においても取扱うことができることとし、森林所有者の便宜をはかつたことであります。 以上、この法律案を提案いたしますのにつきまして簡単に御説明を申上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことを御願い申し上げる次第であります。
○河野委員長代理 ただいま本委員会に付託になりました二つの法律案につきましての質疑は次会にこれを讓り、本日はこれにて散会いたします。 なお次会は公報をもつてお知らせいたします。 午後零時十分散会