農林委員会 第5号
- 発言数
- 153 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1952/02/01
会議録
○松浦委員長 それではこれより農林委員会を開会いたします。 前二回の委員会におきまして、農政の大綱について農林大臣より説明を聽取し、質疑を行いましたが、本日は農林省の各局各庁別に、来年度予算に盛られている重要施策について議事を進めて参りたいと思います。なお本日をもつて農政及び農林関係予算に関する問題は一応終り、個々の問題につきましては日をあらためて国政調査事件として取上げて行くことにいたしたいと思いますので、そのおつもりで質疑応答はきわめて簡潔にお願いをいたしたいと思います。 まず食糧庁、農政局、畜産局、蚕糸局について質疑を行います。その前に、委員の方から希望がございますので、食糧庁長官より供米問題の中間報告の説明をお願いいたします。
○東畑政府委員 二十六年産米の供出問題でございます。十月二十六日の予想収穫高六千六十六万六千八百石という数字を基礎にいたしまして、二千五百五十万石の供出割当をやりましたのは御承知の通りであります。その後農林省の作報の推定実収高が六千二十七万七千九百石ということに実は相なつたのであります。初めの二千五百五十万石の供出割当のときに、推定実収高が判明したときには減額補正をするという前農林大臣、前食糧庁長官からの公約等もありまして、推定実収高が各県に判明いたしましたので、補正割当をやらざるを得なくなつたのであります。補正をやる場合におきまして、作報の数字以外に県の数字あるいは食糧事務所等の数字、あるいは農業委員会等のお調べになつた数字等もひとつ勘案をしてやつてくれという申出があつたのにつきまして、政府の方からそういうものも十分考慮いたしますという実は公約をいたしているのであります。私、就任以来その問題につきましてどうしたらよいかいろいろ検討いたしました結果、いろいろな事情がありまして、各県別に個別にお打合せをした方が、より早く供出の問題が片づくのであろうということを一応考えまして、一月中旬より各県別の供出割当の補正及び超過供出等につきましてのお打合せをいたしているのでありますが、ただいまのところ一応話合いをいたしましたのは東北、関東、北陸、東山、島根、鳥取及び北海道、これだけにわたりました。それ以外の、主として減額補正をいたさなければならない県につきましての個別折衝を本月の四日から九日にかけましていたす段取りにいたしております。作報の予想収穫高と推定実収高の單なる数字的な計算だけで参りますと、大体超過供出として数字にあげ得るものが百十万石程度になるのであります。減額補正を要するものは大体八十万石程度になるのでありますけれども、各県との個別折衝におきまして、いろいろ超過供出の問題等お打合せをいたしておるのでありますが、ただいまのところは、百十万石程度の超過要請につきまして、はつきりと責任を負つていただくまでにはまだ達していないのであります。われわれといたしましては、いろいろ超過供出につきまして集荷委託費を増額いたしますとか、あるいは昨日大臣が申されました能率匿名供出制度を採用いたしますとかいうことによりまして、どうしても減額補正以上の超過供出数量を実は期待いたしておる次第であります。四日から開かれます個別折衝におきまする今後の減額補正量がどうなりますかは、まだ実は結論を得ておりませんので、各県当局とひざを突き合せまして、納得の行く結果を得たいというので努力をいたしております。全体としての米の需給から申しますと、今後の超過供出数量と外米輸入量、この二つが今年の米食率その他に非常に影響のある数字であります。外米の輸入等につきましても極力努力をいたしておりますが、超過供出等につきましてもわれわれは最大の努力をしまして、本年の米穀需給に不安なからしめたいというので努力をいたしておる次第であります。簡単でありますが、一応の経過報告をいたします。
○竹村委員 超過供出量を各県が納得した場合に、その超過供出量に対するいわゆる報奨金と申しますか、奨励金と申しますか、そういうものは石幾らぐらいを予定されておるのでございますか。
○東畑政府委員 従来政府から閣議決定で発表いたしましたのは、超過供出としまして市町村單位において供出を完途した場合に千円ということにいたしておつたのでありますが、その後いろいろさらにより多くの超過供出をわれわれは期待いたしたいというので、より多く集荷委託費を実は増額をいたしまして、県単位でわれわれの供出割当以上に出してもらつた県につきましては、市町村に集荷委託費を増額いたしまして、その條件として超過供出した農民に対して石二千円を支給する、こういうことにいたしたいと思つております。
○竹村委員 二千円ですか。
○東畑政府委員 二千円です。
○竹村委員 そういたしますと、この最初の割当を完遂したものには、市町村を単位としてその完遂した町村に対して、まず最初はいわゆる割当量の一割に相当するものに一千円を集荷委託費の形で出されるわけですね。その後においてこの割当量を完遂した以上に、いわゆる飯米を切つて供出した者には石二千円行くのですか。
○東畑政府委員 そうです。
○竹村委員 そこで伺つておきたいのは、その場合それはあくまで個人対象であるべきはずだと思いますが、その点はどうですか。
○東畑政府委員 その問題は昨日もお話申し上げたのでありますが、今回はあくまで政府が市町村に割当をいたしましたその市町村に集荷をお願いするという趣旨で集荷委託費を増額いたしたい。その増額をいたした條件といたしまして、市町村単位で供出量を先途した場合につきましては、條件として石二千円を出すということでありまして、あくまで政府が市町村に集荷をお願いするということで、この問題の処理をいたしておりますから、個々の農家が先途いたしましても條件が満たされぬ場合は、超過供出奨励金は参らない、こういうふうに御了承願いたいと思います。
○竹村委員 そういたしますと、昨日農林大臣が匿名供出制度というようなものを考慮しているといつたが、匿名供出制度なんかは農民を喜ばすために一応そういうゼスチユアをされますが、実際問題としてはできないことなんです。というのは、たとえば市町村に五百人の供出農家があつて、そのうち五十人が供出を完遂していない。前の割当を完遂していない。そういたしますと、今のあなたの説明から行きますと、その町村には割当てられたものを完遂した者にも、まず先に決定しましたその一割に相当する石千円の集荷委託費は行かない。なおその後に至つて完遂いたしました四百五十戸のうちのある農家が、たとえば匿名で超過供出をいたした場合におきましても、前の五十戸の農家が供出量に満たぬがゆえに、結局石二千円の超過供出奨励金も行かない。そうすると匿名で出した者は、もらえるものだと思つてやつたけれども、実際はもらえないことになる。そうすると匿名供出制度というものは、うそを言つてだまして百姓から米を取上げるということになると思うのですが、この点はどういうふうになるのですか。
○東畑政府委員 県單位で超過供出ができるような県につきましては、推定実収高が相当多い県だと思います。そういう県におきましては、大体において市町村の減額補正というものは普通ありません。われわれが今のところ会議をしました結果、若干の県におきましては、市町村の減額補正をやる。ある市町村には減額補正をする県があるのであります。そういう県につきましては、県単位で当初の供出割当量以上出ておりました場合は、市町村で中央で認めます減額補正をいたしておりましても、やはり超過供出奨励金として二千円出すという考えを持つております。そこで匿名供出の場合等におきましては、ある村が割当以上に行つていない場合におきましては、検査員等もおりまして、十分その村では超過供出をしても、いわゆる二千円が行かないということはわかつております。そういう米は移動いたしませんので、そういう村におきましては匿名供出をやりましても、そういう村の農民から出せば二千円行くというようなうそを言うことはあり得ない。匿名供出は農民をだますものではなくして、これが来年の供出割当に影響しないとか、あるいは昨日大臣が言われましたような、いろいろな税の問題等において相当な効果があるのでありまして、村別にそういうことははつきり検査員等においてわかるはずでありますから、結果として農民にうそを言うということにはならないと思います。
○竹村委員 それは実情とは違いますよ。私は農村の実情を見ているので、よくわかるのですが、大体供出割当が来ました場合においても、実際の供出割当は、米が収穫されてから割当を引受けるわけではない。刈入れ中、あるいは刈入れ後、まだほんとうの実収高が判明しない場合に割当が来る。従つて割当の減額補正というものは、ある村に減額補正をやりましても、その村全体の農家が減額補正を受けるわけではない。これは食管法の中でもはつきりしている。割当の方針の中にはつきりしているわけで、一応まずこれだけ供出量というものを割当てる。その割当量が、実際の収穫量の減収により減額量をもらつた者は、たとえばそこに五百人の農家があつて、そのうち五十人が実際に収穫がなかつた場合に、その者に減額補正をする。従つて減額補正がその村に行つたからといつて、そこで超過供出をする農家が一人もいないということには、現実の問題としてはならない。もし実際に減額補正が行かなかつたならば、個々の農家に至つては、割当量を完遂するだけの収穫量がなかつた農家は完遂できない。これは飯米を切つて出さなければならない。しかし政府はつねずねここでも答弁しているように、飯米は当然確保すべきものだと言明している。しかし正直な農家は割当てられた供出量を出すために自分の飯米を切つて供出する。なかなか見込み違いがあつて、そこに補正が行かなかつたら減額してもらえない。減額してもらえなかつたならば、その人は完遂することができない。ところが他の人は供出する能力があるから供出するということになる。ところが今の政府の説明ですと、そういう見込み違いを上からやつたが、その責任はその村の農家全体にあることになる。これは政府の間違いだ。 それからもう一つは匿名で超過供出をさせるという場合、供出能力のある者が匿名で供出しようとする。しかし問題は五十人の者が初め見込み違いで供出を割当てられたから、供出を完遂していない。そうすると、石二千円の奨励金はもらえない。そうすると、匿名で供出してもらつても、実際に割当量を出さない者がいると、もらえない。それでは匿名超過供出奨励金というものはできない。そうして収穫のない者にむりに飯米を切らせてでも、村中で寄つてたかつて押えてでも供出させることになる。そのことは自分の見込み違いを農民個人の責任にすることになる。これは机の上で考えられると、大きな間違いである。村中全体の責任というようなことは、今日の時代、今日の状態、しかも今日の法的な立場から言つても、全然合わない。これは少くとも割当を完遂して、超過供出した者にはやる。しない者には出さないようにするようにしなければならない。これは結局何とかかんとか言つておられますけれども、実際農民をだますことになりますよ。この点はどうでしようか。
○東畑政府委員 供出につきましては、相当の年数を経まして公正にこれを割当てるということにつきまして、政府、市町村、農業委員の方、すべての方々が非常な御努力をなさつておるのでありまして、竹村さんの考え方と政府の考え方とは、どうも根本的に相違があるように思われます。われわれといたしましては、こういうときに農村に若干の不満がありましても、愛国というか救国の意味におきまして大いに供出をしていただく、そういう意味において集荷委託費等も出したのであります。それが村全体として最も公正に行くかどうかということは、農業委員、市町村長、その他の御協力で割当の公正を期したい。また減額補正すべき理由がある村につきましては、中央においても減額補正をいたしております。その減額補正の割当をまた各農家に農業委員あるいは市町村長の方が更正していただくということが根本であります。そういうことをいたしますれば、農民全体としてそう不公正なことはないであろう、こういうふうに実は考えております。
○松浦委員長 石井繁丸君。
○石井委員 匿名供出のときにおける税金の問題についてお聞きしたいと思います。これはいつも匿名供出の場合におきましては、それによつて税金を免除する、そういうふうにいろいろと今までにも幾度か指導して来たようでありますが、実際の問題になつて来る日と、池田大蔵大臣も言つておる通り、所得あるところ課税ありというのは課税の鉄則である。こういうようなわけになりまして、税務署におきましても、自分たちの税金の集まり方が悪いと、結局徴税面で無理して行くというのが今までの実情であつたと思うのであります。そこで今回の場合におきましても、廣川農林大臣と池田大蔵大臣が閣議の席上でお互いに納得し合つたというようなかつこうが見えても、いよいよ税金をとるということになると、今度の超過供出の税金は本年かからないで来年の課税になるということになりますものですから、税務署におきましては、それはわれわれにも通知が来たわけでもなければ、あるいは何もあつたわけではないが、池田大蔵大臣が再三言う通りに、所得あるところ課税あり、こういうわけでそれを追求して行くようになろうと思います。こういう関係になりまして、もしそれを個別的に明瞭に発表しなければ、だれか責任者こ——大体農事実行組合長か何かに、お前にぶつかけるぞ、こういうことになりまして、いろいろ問題が起ろうと思うのでありますが、こういう点につきまして、今度におきましては食糧長官や何かが——農林省が指導してそういう迷惑をかけないと言つておいて、あとで迷惑のかかるようなことになりますると、先に立つ人が非常に迷惑をするわけでありますが、この点については、決して迷惑がかからないように万全の措置がとれるのかどうか、この点を一点伺つておきたいと思うわけであります。
○東畑政府委員 超過供出に対する課税の問題でございますが、農林大臣と大蔵大臣との話合いの御趣旨に沿いまして、われわれ事務当局も話を今進めておりますので、ここではつきりと申し上げるだけの時期には参つておりませんが、いずれにいたしましても、この課税は来年度の課税に関する問題でございますので、農林大臣の御趣旨に沿つて国税庁の方と今努力をいたしておるわけであります。
○石井委員 もう一点ですが、実際問題として、過日の農林大臣の説明においても、米の統制の撤廃は、とりあえずことしの十月までは統制を続けて、そのあとについて統制を撤廃するかどうかは愼重に研究する、こういうような状態になつておりまして、食糧庁方面においても鋭意研究を積まれておりますが、われわれいろいろと研究いたしまして、米の統制撤廃は当分あり得ない、こういうふうに思われるわけであります。ことしの十月でもうあと一切ないのだ、こういうことになりますればよろしゆうございますが、今後米の統制を続けて行くという場面になりますと、こういう匿名供出や何かにおいて農村の先に立つ人々にいろいろと徴税面において迷惑をかけると、今後農林省において供出の手を打つときにいろいろと支障を来そうかと思うわけであります。こういうわけでありまするから、ぜひ食糧庁また農林省におきまして、全力をあげて、決して迷惑はかけない、こういうふうな万全の打合せを了し、大蔵大臣とだけの折衝でなく、各下部末端の税務署にもその趣旨が了承されるように手を打つていただきたいと思うのであります。食糧長官におきましても、大蔵省と上部交渉をしたというだけでなく、その結果を文書か何かに、あるいは何らかの形において末端税務署にも通知するまで、最後まで努力を願いたいと思います。この点について特に要望いたし、またそれに対するところのお考えを承つておきたいと思います。
○東畑政府委員 農林大臣の趣旨に沿いまして事務当局で折衝をいたしまして、その経過につきましてまた当委員会に機会を見て御報告をいたしたいと思います。
○原田委員 畜産の関係の有畜農家創設維持法についてでありますが、こまかいことは小委員会でやりたいと思つております。しかし昨日の大臣の答弁中にちよつと考えが違つているようなところがありました。大臣の答弁は、国が導入の家畜を買い入れて集団的に配付する、こういうふうな説明であつたのであります。なおもう一つは、価格の調整の意味においても国並びに県がやる方がよろしい、こういうようなことに聞き取れたのでありますが、われわれは、無畜農家解消の意味から、これを集団的にやることは必ずしもいいということは考えられません。しかも国がすべてをやるというふうになりますと、機関もそれだけ国の方で整備をしなければならない。ところが地方には地方の畜産団体があり、県の畜産機構がある。そういうものを指導監督して、その土地の希望によつて購入をやらせる計画を立てることはよろしいが、これを国がみずからやるということについては芳ばしくないと思うのであります。なおついでに、畜産局長がお見えでありますからお尋ねをしておきたいと思いますが、中金の融資の流れ方であります。中金が二十四億の融資をすることになつておるが、利子補給による融資でありますけれども、いろいろな貸付対象等に対しまして、はたして二十四億を完全に流すことが可能であるかどうか、非常に私は疑問を持つておる。中金は、ややもしますと、借受人の資格調査等をやりまして、これは適格でないというので、常に申込みの二割か三割しかとつておりません。そういうことでは、おそらくせつかくこういう計画を立てたところが龍頭蛇尾に終つてしまう。むしろ全有畜農民の期待を裏切る結果になるのではないか、こういうことを非常に憂うるのであります。しかも利子の点でありますが、国が五分の補償をすることになつておる。ところが中金の方は、地方の信連を通じて貸付要綱をきめております。その貸付要綱を見ますと、中金から組合に対しての貸出しの率は一割一分にきめておるようであります。また信連が転貸しをする場合には、年一割の利子を付することにいたしております。これはまた信連が保証の場合は別に年一分の利子をとることにきめて、もう要綱を各県に配つておる。こういうことでは、せつかくの無畜農家解消の趣旨が、ややもすると価格のつり上げというものが、一つあります。その上に年六分という利子の大体のわくを広げておる。こういう行き方になりますと、八分にも八分五厘にもなる、そうするとせつかくの有畜農業化の精神が、かえつて農民に損害を与えるということがあり得るかもしれない。私どもは専門の立場からまことに心配にたえない。この点については、畜産局は必ずその金融機関の中金と連絡をして、その点に隘路がないような方法をとつてもらわなければ、おそらくこれは期待を裏切るのじやないか、私はさように考えるのであります。特に年六分なら六分という利子であるならば、県が借りても国が借りても畜産団体が借りても全国一率でなければならぬと思う。所によつては六分五厘になる、七分になる、安いところは六分であるとかいうようなことがあつてはならないので、その点を非常に憂うるのであります。その点について一応畜産局長としてのお考えを承つておきたいと思う。
○長谷川政府委員 昨日大臣が、今度の有畜農家の創設に伴いまする家畜の購買につきまして、なるべく集団的に農家に家畜を導入するのが適当であるという御趣旨をお話になつたと思います。ただいま国が直接購買をするというようなお話があつたのでありまするが、私も大臣のお話を聞いておりましたが、大臣は別段国が直接家畜を購買して農家にこれを転売するという御趣旨でお話になつたのでなしに、国があくまでもあつせんをする。そしてその種畜を農家に持たせまする場合に、個個の農家に点在的に導入せしめるよりも、むしろなるべく地域的にまとまつたところに家畜を導入することが適当なのじやないだろうか、そういうふうに指導したいと申されたように承知しておりますので、御了承を得たいと思います。 次に導入資金二十四億円がはたして中金によつて確保できるかという点でございまするが、この点につきましては私たちたびたび中金当局と連絡をいたしまして、具体的に導入計画ができ上りますれば、二十四億については必ず放出をするということになつておりますので、この点を御了承を得たいと思います。次にこの資金の末端への流れ方につきまして、特にその利子をどういうふうに考えておるかという点でございます。御承知のように現在中金の資金は信連を通じて單位農業協同組合に流れるのでございまするが、信連に対しまする保証貸付の場合あるいは転貸の場合におきましても、單位協同組合が信連から借ります金は一割一分でございます。従つて単位農業協同組合は、一割一分の金を借りまして、それにさらに一分五厘程度の利子を加算して個人に貸し付ける、こういうことになりますので、原則といたしまして一割二分五厘以上にはならないだろうと考えておりますし、特に今回の利子補給の対象になりまする導入資金につきましては、あくまでも一割二分五厘を最高とするということにいたしたい。従つで一割二分五厘以上になりますようなものにつきましては利子補給をしない、利子補給の対象は一割二分五厘を最高とするということで指導して参りたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○原田委員 利子の問題について私もう一ぺんお尋ねします。こういう貸付要綱は、各県で公聴会を開きまして、これによつて納得されておる。この利率及び手数料等を読みますと、金庫の組合に対する貸出し利率は年一割一分、但し信連転貸しの場合は、信連に対し年一割とし、信連保証の場合は別に保証手数料を年一分とする、こういうことをやつて納得させておるようであります。私は納得しませんが……。少くも国が利子補給をやつて、これを零細な農民のために有畜化しようとするねらいに対しては、非常に考え方が違うのじやないか。これはむしろ中金と信連というものがこの機会に金もうけをしようとかかつておる、こういうふうに考えてもさしつかえないと私は思う。こういうことではせつかくこういう目標を立てたことが何にもならない。この点はすでに公聴会等を開いてきまつておりますが、ぜひ中金と御交渉になりまして是正をしてもらわなければならない。私どもはこういうことで心配をして高いものを買つて、利子の高いものを払つて、それでは意味がないことになる。この点はぜひそういうふうにやつてもらいたい。 それから先ほどの動物の買付、あるいは配付の流れでありますが、昨日は不足の分は外国から輸入する。もちろん乳牛のごときは全国で二十二万しかおらないから、酪農化するためには、外国から入れなければ価格の調整の上でもたいへん困難が出て来るので、これは私も了といたします。しかしその他の動物は種畜以外に購入する必要なし。たとえば使役牛馬のごときは相当日本におります。牛のごときはおそらく自給できると思います。現在全国で二百二十三万もおりますから、約三割の生産と見ても需給はバランスが合うと私は思います。そういうものはそういうものとして、あまり値上りのしないようにして、これは局が調整をして、地方の要望に応じて国が購入計画をしてもらわなければならない。すべてを国がやるということになればけつこうなんであります。これは購入する希望あるいは購入地域の人たちの考え方、こういうことを取入れてやつてもらいたい。 もう一つお尋ねしたいことは、この有畜営農創設維持法の案を見ますと、どうかすると中間にありますところの畜産団体というものははみ出されておる。たとえて言いますると、国と県と單位農協と三本立てで、今まで指導、監督、育成に当つておつた、辛苦、心配を重ねた畜産団体というものはほとんどその意味がないようである。影が薄くむしろはみ出されておるのではないかということが考えられておる。今まで日本で、金融の面でもあるいは導入の面でも、畜産に貢献しておるのは畜産団体である。この際その畜産団体を取入れて大きくクローズ・アツプして、これにマッチした形でやつてもらわなければ、おそらく自立はできない、こう思いますので、この点についてどういうふうに局長は考えておられるか、この際一言承つておきたいと思います。
○長谷川政府委員 信連の利率につきまして重ねてのお尋ねでございますが、われわれの中金と話をしておる段階におきましてのお話を申し上げますると、結局單位農業協同組合が中金から信連を通じて借ります場合におきましても、あるいは中金から直接借ります場合におきましても、その利率は一割一分ということになつておりますので、それ以上信連等が利ざやをかせぐということはないというふうに考えております。 それから家畜輸入の問題でございますが、この点はお話の通り、私たちも国外から輸入いたしますものは、種畜以外は主として乳牛について考えておるものでございまして、その他のものについては今のところ考えておらぬわけであります。 なお今回の有畜農家の創設事業を推し進めて参ります場合に、畜産団体の機能を活用せよという御意見につきましては、私もまつたくそのように考えるものでありまして、この計画の立案につきましても、畜産団体の御意見を十分に聞いて立てるように、またこの計画を実施いたします場合においても、畜産団体あるいは家畜商等の団体の積極的な御協力をいただかなければ、うまく行かないというように考えておるのでありまして、ぜひその方の御協力を得たい、かように考えておるような次第でございます。
○原田委員 大体わかりました詳細なことは小委員会においでを願つて検討してみたいと思いますが、最近全国の畜産主務主任会議をおやりになるそうであります。そういう際にまだ案がない場合に、元のようなこういう要綱で御説明になられますと非常に問題を起すと思いますから、どうか今申したことをお含みの上で、決定的にお話にならないようにしていただきたいと思います。私どもの方の小委員会で全国の畜産家のために検討を続けようと思つておりますので、どうかそういう会議においてあまりはつきりした線をお出しにならないように最後にお願いして、私の質問は打切ります。
○長谷川政府委員 今の御注意についてでありますが、畜産主務部長会議を来週月曜日にやる予定でおりますが、幸いに明日畜産小委員会をお開き願えるような運びになつておりますので、その際にさらによくわれわれの考えておる点を申し上げまして遺憾のないように期したいと思いますので、御了承いただきたいと思います。
○田中(彰)委員 ちよつと畜産局長にお尋ねしたいと思います。しばらく農林委員の方から通産委員の方に行つておりまして二、三日前からこちらにかわつたので、いろいろな点ではつきりしない点があるのでありますが、わが国は御承知のごとく有畜農業が昔から非常に盛んであつた。この盛んであつたという理由は、国が日本海に面しておつて秋は早霜がおりたり、夏は旱魃などでもつて、水がちよつと足りないとたんぼが非常に割れるというような場合に、金肥を使うよりも堆肥のよいものを使わせる、これによると旱魃なんかの場合でも十分なるよい堆肥、科学的な堆肥を使つておつた場合には、一雨降ればすぐに元通りになる、あるいはまた早霜に打たれた場合でも非常に農作物が助かりやすい、こういうような国柄、こういうような伝統的な体験から、堆肥というものが農村に非常に大切がられて来た。ところがその牛とか馬とかいうよう在のがだんだんなくなつて来る傾向を今来しておる。農村自体もほんとうの堆肥のつくり方を知らない、ただ草かわらを腐らしてそれが堆肥ですぐきくのだというような考えを持つております。しかも御承知のごとく、いなかの農村など行つてみると、堆肥小屋というものを持つておらない。そしてせつかく腐らした堆肥を外に積んでおくために、雨が降ればどんどん堆肥のよいもにが流れて行つてしまう。天気になればアンモニア分が蒸発してしまう。そしてそのかすをもつて堆肥としておるような傾向が非常に農村に多いのであります。私はこれを見て非常に悲観しておる一人でありますが、そこでどうしても農村に牛とか馬とか豚とかいうようなものを飼わせなくてはいけない。但しその土地のいろいろな状況によつてかわるのでありますが、畜産局としてもまた大きく国家としても、農村に乳牛なら乳牛声飼わせて、一回接種くらいでいいものにして、これを役牛にしたり、あるいは乳をとつたりするような傾向にしてこれを統一する考えがあるのかないのか。あるいはまた馬でも役牛でも乳牛でも勝手に飼つて、それで堆肥をとつて、ただつちかえばいいというような簡單な考えを持つているのか、そういうようなことを何も考えないでそういうものを飼わせるという漠とした考えを持つておられるのか、この点について畜産局はどういう考えを持つておられるか御説明を願いたいのであります。 もう一つ、家畜を飼わせる上においては堆肥小屋が非常に必要である。また牛とか馬とかを飼う牛小屋、馬小屋が徹底しておらない。床にコンクリートも打つていないので、小便も何もどこかに流れて行つてしまうのが多いのですが、こういうものに対してもある程度の指導と、こういうものをつくる面において、非常に農村で金融に困つているので、飼わせるならば堆肥小屋、家畜小屋に対する金融面をどう考えておられるか。 それから堆肥小屋から固定資産税をとつている傾向がある。堆肥小屋からそういうものをとられるために堆肥小屋を建てるのを躊躇している農民が多いと私は聞いている。こういう点について大蔵省あたりと打合せをされてそういうものをとらないように、農村に安心を与えるような指令をあなたの方から出されるお考えを持つておられるか、この点をお聞きしたいと思います。
○長谷川政府委員 農家に導入いたしまする家畜の融資につきましては、たとえばお話の乳牛等につきましては、單にお乳をとるだけでな上に肉役兼用のものがより望ましいということは、私たちもそのように考えているのであります。従いまして終戰後は政府におきましてホルスタインと和牛とのかけ合せによります新乳牛等につきましていろいろ研究は進めている次第であります。ただ現在のところその三者を兼用いたしまする新しい牛と申しますか、そういうものが、まず確実にこれならいいだろうということを申し上げる段階に至つておりませんことを非常に遺憾に思つているのであります。なおこの点につきましては、引続き研究を進めて参りたいと思つている次第であります。 また馬について申しますと、従来御承知のように、馬は主として軍馬の資源ということが中心に言われましたために、農家の事情から見ますと少し大き過ぎる傾向があつたのでございます。これを終戰後各権威者の方々にお集りを願いまして、将来の産馬方針をどういうふうに持つて行つたらいいかということを御研究いただきました結果、昨年新しい馬の生産改良方針をきめたのでございまして、本年度の予算にもこの新しい方針を実行に移しまする一つの方法といたしまして、現在国が持つておりまする種牡馬のうち、あまりたけの高い大きな種牡馬を小さい種牡馬に置きかえようというようなことも考えている次第でございまして、家畜の品種の改良等につきましてはそういう考え方で進めて参りたいと考えております。 なお堆肥小屋の設置助成につきましては、これ戰前予算的にもいろいろ考慮せられておつたのでございますが、終戰後は個人的の補助が全部中止せられました関係上、われわれぜひ必要だと思いながら、予算的にお手伝いができなかつたことを非常に残念に思つております。しかしながら御指摘のように金融等につきましては、できるだけお力添えをいたしたいと考えている次第であります。 また堆肥小屋の固定資産税の問題につきましては、実は実情を正確に存じておりませんので、よく調べました上善処いたしたいと考える次第であります。
○田中(彰)委員 専門家に私から申し上げるのはおかしいのですが、御承知のごとく鶏も、日本では名古屋種というような鶏は、あるものをかけ合せてつくつた。そこで牛も、今日本に来ておるのはエアシヤーとか、ホルスタインとかが来ておりますが、日本に向く牛を国家がつくられたらいいと思う。日本の農村において、乳をとつたり、使えたり、また女、子供が自由に使えるような牛を、農林省あたりがほんとうに本腰になつて、役人根性を離れられて研究されれば、そう長い期間ではなく、十年くらいの間にりつぱなものができると思う。 もう一つ、それができるまでやはり雑種を使う。これは役牛にも使え、あるいは乳も相当とれる。またこれは角がありますから、女、子供はちよつと無理だというような場合には、私が申し上げるまでもなく、生まれて三日くらいたつたら硝酸で処置をし、また十日くらいたつたらやるというようにすれば、角は出ないのです。御承知の通り畜産試験場の牛が角を持つておらないのは、こういうふうにして矯正したのです。そういう技術を教えられて、そういう牛を使わせるといい。各国はみなその土地に向く牛を持つておるが、日本だけが持つておらない。しかも堆肥を使わなければならない農村に対して、農林省がその点についてもう少し御熱心にされても、私は決して無益なことではないと思う。これはぜひとも必要なことでありまして、幸い畜産局長はお若くていらつしやるから、この点に精根を打込んでやつていただくようにお願いしておきます。 次に牛を飼わしたりするのは何のためにするのか。それは堆肥をとらなければならないからであります。そこでお願いすることは、馬の小便とか、大便が流れないような堆肥小屋をつくれという法律を設けて、強制的な指導をやつていただきたいということです。農村に行つてごらんになればおわかりになりますが、農村の馬小屋、牛小屋は、小便が土の中にしみ込んで流れてしまう。大便も今言つた小便のようにして養分もなくなり、何の養分もないものを積まなければならない。少くとも下をコンクリートにして、ちやんとためにたまるようにして堆肥を積んで、それを用いるというくらいの指導と、設備に対する金融を簡單にしてやるということをお考えにならなければ何にもならない。上の方では空論を唱えておつて、下の農村の実際面と離れておる。 それからまた堆肥小屋に対して固定資産税をとることはとんでもない。ああいうものは財産こ見積られない。また鶏小屋は、今りつぱなものをつくりますと、坪二万円もかかる。虫が発生しないように防腐剤を塗つてしまうから、売るときにはたきものにしか売れない。いわんや牛小屋、馬小屋、堆肥小屋は、そういう設備を施さなければならないのです。これを資産に見るのは、大蔵大臣があまりにも農村を理解しないことだと思う。農村にとつて一番大切なのは、牛なら牛、馬なら馬を飼う小屋が大切なんです。従つてこういう点をあなたの方から大蔵省の方へよく希望されて、そうしてそういうぐあいにしていただきたい。 いま一つ、こういうものを購入する場合に、農林中金とか、そういうところで金を貸すというような一つの法律もあります。一応農林中金から農協へ金を貸して、農協から金を借りて買うというような法律があるが、そうではなくて、個人が買うということになりますと、法律はありましても、一農村の人が馬を買いたい、牛を買いたいからと言つて一々東京まで陳情に来て、そうしてそれを買わなければならない。ところがそんなひまがない。そこで私のところはことしは牛を買いたい、馬を買いたいという場合、何とか農協を通じないで、もつと簡單に、書類を出せばその人たちがそれを購入できるというような道を、政府は開いてやることはできないか。なるほど金融の面もありますが、それは農村の人が一人ではやれないのです。もう一つ借金というものは、農村ではお互いに自分の家の誇りを持つている。自分の家の内幕を他人に知らせたくないという気持を持つている。その人たちが牛を買つたり馬を買つたりするとき、農協まで行つて、自分の財産を全部打明けて話をして買うということはあまり希望しない。牛とか馬は農村のほんとうの宝なんだ。そういうものを買いたいとき、五人なり十人なり気の合う者がまとまれば、保険をつけるなりあるいは何かの保証をつけて簡單に金を借りて買うことができるということにしないと、口ばかり有畜農業とかなんとか叫びましても、実際にそれが伴つて行かない。従つてこの点を考えて簡單にしてやることが必要だと思う。農村においては、牛とか馬を買うのに金を貸したからといつで、その借りた金を払わないで夜逃げをするというようなことはない。皆祖先の土地を大切に守つて堅実にやつて来た人たちだから、そういうことはしないので、信用されてそれをもつと簡單にしてやるようにしていただきたい。これに対してどういうお考えを持つておられるか。 いま一つはえさの問題です。牛や馬や豚や鶏を飼いたいがえさがない。農林省は、あめとか、しようちゆうとか、かしをつくるのにはどんどんお出しになるが、ほんとうにそういうものを飼うところに流れるのは非常に少い。そうしてたまに流れたかと思うと、そういうたくさんの利益のある人たちに払い下げた値段にひとしいものでやられるから買い切れない。農村の人がそういうものを買つて行くことができない。つまり飼料がないのです。そこであなたの方で研究をしていただきたいのは、日本は将来どうしてもアジアというものを対象として考えなければならぬ。このアジアの国々はみな雑穀類を持つておるが、ないものは何かといいますと金肥がない。硫安とか石灰窒素がない。そこでこういうものに対して研究してもらいたいと思う。これは私の考えなんです。原料を買わないで、わが国に原料を持ちながらわが国の手で輸出のできるものは硫安と石灰窒素である。御承知のごとく石灰がたくさんある。電力も少し国家がくふうしてくれれば、これでできる。高い原料を買つて来て工賃仕事をするよりも、日本でできるものを輸出して、こうりやんとか、とうもろこしとか、小麦とか、そういうものはいくらでもあるのだから、それをもらつて牛とか馬とか鶏を飼えばいいと思う。日本人は何を使うかというと、石灰の焼いたのを使う。無煙炭などで焼けば石灰の安いのがたくさんある。あなた方は石灰の使い方を知らない。あなた方は肥料会社の味方であつて、硫安や石灰窒素より石灰を基本としてつくつた堆肥の方がきくのだということを、科学的に分析し説明して教えてやらないから、硫安とか石灰窒素がきくと思うが、石灰を積ませて少し鶏糞でもまぜてやるなら、石灰窒素より硫安よりもこれが非常によくきく。こういうようなことをされてそれを農村に使わせ、肥料を輸出した分でどんどん雑撃をもらう。その雑穀で家畜を飼わせて農林工業を興すというようなことを始終考えておりますが、このことを研究してやつていただく気持があるかどうか。これは肥料関係ですから、本来からいうとあなたにはちよつと縁が遠いように思いますが、堆肥をつくるにはどうしても牛や馬が必要だ。その牛や馬を改良したり監督したりするのはあなたの方ですから、あなたの方で研究するようにしてもらわないとうまく行かぬと思う。そういうことについて、畜産局長としてどんなことをお考えになつておるか、一応聞きたいと思う。
○長谷川政府委員 家畜を農家が得ますために必要な資金を手軽に得られるようにすることについては、私たちも及ばずながら力添えをいたしたいと考えておるのであります。今回われわれが考えました有畜農家創設の特別資金は、これを主といたしまして従来家畜を持つておらないものに家畜を持たせる。そのために一般金融の金利では高過ぎるから、これに対して利子の補給をしようというねらいで、一つの組織として考えたものでございますので、この金融につきましては、個人的にこれを分散いたしますよりも、なるべく共同的に購入をいたさせるということの方が、より実情に即するのではないかと考えておるわけでございます。なおまた飼料の問題につきまして、特に将来は雑穀を入れて国内の畜産を奨励し、これによつて堆肥、厩肥による土壌の改良、ひいては食糧増産に資するようにせよというお話につきましては、私たちもまつたくそういうふうに考えておる次第でありまして、堆肥、厩肥の積極的な奨励につきまして、今後もできるだけ努力をいたしたいと考える次第でございます。
○田中(彰)委員 家畜の共同購入については、たとえば豚をやりたいというときには、何人を限度とした組合を認めてやられるのか。あるいは牛、馬を購入するのに農協を通ずるのは実際的にはむずかしい。そこで村の人が牛を飼つて酪農をやろうという場合に、どういうふうなものに対して共同団体と認められるか、ちよつとお尋ねしておきたい。
○長谷川政府委員 今度の計画は、中心を各地方の実情に立脚した計画に基いてやりたいというふうに考えておりまして、従つて何人でなければならないということを強く考えておるわけではございませんけれども、しかしかりに甲の村で一人、乙の村で二人、丙の村で三人というふうにばらばらのものでありますと、やはりこれはおもしろくないのでありまして、ある町村なら町村を中心にして、その町村の農業振興計画に関連した有畜農業の振興計画というものを立てていただきまして、その中に入りますと無畜農業の有畜化に資金を導入したいと考えておる次第でございます。
○千賀委員 ただいま田中君の御発言中の牛の問題に関連して……。田中君の着想は双手をあげて賛成するところでございますが、ここにわれわれ若干考えさせられるところがある、というのは、牛の改良を役人がやつてくれという要求でございますが、役人万能という見方は私はどうかと思います。愛知県には三河牛や、鶏もりつぱなものができておりますが、これなども明治初年以来みな民間の篤農家の手によつて改良せられたものでありまして、ここには幾らも役人の力は利用されておりません。ほとんどが民間篤学篤農の手によつて改良されております。改良というようなことは非常に引続いた固定した努力がいるものでありまして、これを浮草稼業のお役人にひとつやつてくれきつことでは、なかなか成果があがらぬと考えております。そこで牛の問題でありますが、今後牛の改良は日本の現況では最も必要でございます。私もこの点は全然同感でありますが、非常に注目すべき改良がすでに行われつつある。かようなものは大いにこれを中心として行かなければならぬと思つております。というのは鳥取県の一角におきまして、因伯牛と称しておる牛が現在改良されつつあります。その改良にはすでに四十年を要しておるのでございまして、最初は鳥取の地方牛とホルスタインとのかけ合せ、それでは肉が悪いということから、さらにこれにブラウン・スイスを入れて、今りつぱに固定をいたしつつあります。四十年の歴史でありますから、もうほとんど固定が完成をしたと言つてもいい程度に行つておりますが、この牛の最も特長とするところは、食欲旺盛、早熟早肥でございまして、さらに乳量も相当に出ております。こういうようなものは今後非常に注目すべきものでございます。私はここで特に大きな関心を持つておることは、いわゆる無畜農家の解消ということが従来のはやり言葉で、一口に畜産振興と言われますけれども、無畜農家の解消ということは、考えますと相当に困難でもあり、うつかりこれをいたしますと危険性の多いものであります。たとえば関東平野で、どちらを見ても畑なり田なりというところでは、そこで生産される粗飼料の量も、またわらの品等も大体きまつております。そこで農家が当然生活に要する量を引去つて畜類に食わしていいだけのわらが、大家畜の消費すべき量とマッチして初めてこれが健全なる農家でありますが、その他に無畜農家がありとはいいながら、それにことごとく大家畜を飼わして、さてその粗飼料の補給場所がなくなつた、隣村から買えればけつこうですが、隣村もその隣村も、どこもここも一切そんな現象になつたときには、無畜農家はすこぶる危險になつて来る。またそれらの畜類の労働力の問題にいたしましても、その区域内を耕せばよいので、それ以上二倍三倍の力をそこに入れましても経済的な利用ができない、この点もまた考えさせられる問題があるのであります。大体ある包蔵量と申しましようか、畜産可能量というものは因縁因果的にきまつて来るのであります。そこに達するまでの無畜農家の解消はけつこうでありますが、そこに達してもまだ無畜農家があるから解消だということになると、かなり危険なことになるのであります。日本ではまだ畜産はいくらでも可能で、山元を持つたり荒地をたくさん持つたりする地方におきましては、適当な方法さえあれば、農家の次男、三男までその方面に携われば、畜産の振興がはかられるということになると、むしろ無畜農家ではなくて、これは日本特有形式の畜産振興ということになつて来るのでございます。かような点から言えば、先ほど私が申しました因伯牛なるものは、日本の国内において、古来日本の風土に合つておる。草だけを和用して、一粒の麦も一握りのぬかも食わずにりつぱに成長を遂げ、りつぱに労働力を提供し、りつぱに豊富な乳を出し、また肉も早熟早肥でよい食肉ができる。その研究が積まれておるのでございますから、かような点につきましては政府はぜひ真剣に研究されたいということを希望しておりますが、あなた方はこの因伯牛の成果につきまして相当に御研究になつておるかどうか伺いたいと思います。
○野原政府委員 千賀委員の蘊畜を傾けての非常に高邁なる御意見として、政府は十分拝聴いたしまして、今後の施策の上に生かして行きたいと思います。 因伯牛の問題につきましてはいずれよく調査いたします。
○小林(運)委員 私は蚕糸業の問題について二、三お尋ねを申し上げたいと思います。 前国会におきまして繭糸価格安定法が通過いたしまして、政府は繭糸価安定のために施策を練つておるようでございます。すでに養蚕家は本年度の繭の生産のために各種の計画をいたしておりますが、政府は本昭和二十七年度の繭糸価格について、大体どんなふうなお考えを持つておりますか、政府の大体の見通しを伺いたいのであります。
○寺内政府委員 繭糸価格の決定につきましては、この前の国会で決定せられました繭糸価格安定法の規定によりまして、価格安定審議会の諮問を経て決定することになつております。まずあの法律が今年の一月一日から施行せられまして、価格の決定につきましては、今年二月十四日までに、二十六生糸年度の生糸の最高価格、最低価格をきめることになつておりまして、その審議会の委員も内定いたし、ただいまのところ二月十一、十二両日に審議会を開きまして、その上で二十六生糸年度、すなわち本年の五月三十一日までの生糸の最高価格、最低価格をきめることになつております。二十七生糸年度の価格につきましては、法律の規定によりまして、三月ないし五月の間にきめることになつております。さしあたり二月十四日までにきめなければならない二十六生糸年度の最高価格、最低価格につきましては、ただいま審議会にかける政府の原案につきまして、係官が目下検討中でありましてまだここではつきり申し上げるまでに達しておりません。それを審議会の諮問を経ました上で決定することになつておりますので、ただいまのところ申し上げるまでの段階になつておりません。
○小林(運)委員 二十六年度の生糸の値段を二月十一、十二日に相談してきめるというお話ですが、私はその最後的にきまつたものを聞こうとしておるのではありません。すでに政府は生糸の買入れ価格並びに売渡し価格について、予算の面にも出しております。すなわち買入れ価格は十四万五千円、売渡し価格は二十四万円となつております。これは一応予算の面ではありますが、こういう値段が書いてありますと、非常に幅が広いという考えを持つのであります。繭糸価の安定というものは、ただ政府当局がいろいろの情報を集めて、適正な値段をきめればよいというものではない。繭糸価安定の精神は、養蚕農家、蚕糸業全体の安定をはかるにある。法律の目的もそこにあるのでありまして、ただ審議会に諮問してきめるのだというような、木で鼻をくくつたような話では、われわれは納得できません。少くとも政府は、ただ係官に命じて適正な値段をきめたいというようないいかげんな御返事では、私は満足できない。もつと親切にひとつ御答弁を願いたいのは、たとえば二十六年度の糸価については、すでに繭が処理されて、現在製糸家が繭を持つておる、それを今度どういうふうに売つて行くかということでございますが、二十七年度の繭糸価はこれから養蚕家が掃立をどのくらいにするか、桑園をどれくらいにやつて行くか、肥料をどういうふうにやつて行くかという一番大きな目標になる。一十万何千何百円というようなこまかいことは聞きたくないのですが、大体どの辺だということと、最低と最高の中は大体どのくらいに考えておるというような点を、もう少し親切にひとつ御答弁を願いたいのであります。
○寺内政府委員 ただいまの情勢によりますと、外国での希望価格は、御承知の通りこの前のロンドン会議におきまして三ドル八十セントを希望いたしておりますが、現在アメリカの情勢を勘案いたしますと、大体四ドルくらいはよかろうという情勢であります。この四ドルと申しますのを日本の生糸の一俵の値段に換算いたしますと、約十九万円程度でございます。ところが一方におきまして、現在高い繭を買い入れまして手持ちになつておる製糸家の方面の希望によりますと、一俵二十万円から二十一万円程度の価格を希望いたしておるようであります。また一般業界における予想は、最高価格が二十三、四万円、最低価格が十七、八万円程度におちつけばよかろうというような空気があるようでございます。この審議会にはそういう業界方面の代表者が入つておられますので、これらの空気がこの審議会の決定に影響するであろうと考えられます。また値巾につきましては、ただいま検討中でございますが、大体三割程度がよくはないかと私は考えております。
○小林(運)委員 養蚕家、あるいは製糸家、需要の方面でいろいろ希望はあるだろうと考えます。また昨年のロンドンの世界の繭糸業者の大会においての希望価格等もございます。こういうものはたれにもわかつていることですが、政府は大体どのくらいのものを望んでおるか、この点がわれわれは知りたいのであります。すなわち売る方はなるべく高く、買う方は安く買いたいのはもちろんでございますが、両者の中間のどの辺が目安になるか、政府は繭の増産の計画をいたしておりますが、ただ増産しろといつても、値段がどのくらいになつたらということが養蚕家の一番知りたいところなのだ。政府は少くも増産を奨励する以上は、繭の値段はどのくらいになるのだというような目安くらいは、心構えとしてあるのが当然だろうと私は思う。今当局が最低と最高の間の中心の値段を二十万円とか二十一万円とかいうようなことをおつしやつて、それが将来かわつても、これはしかたがない。いろいろの情勢の変化はあるのでございますが、少くとも政府が増産計画を立ててやる以上は、大体の目安があると私は考える。その目安をひとつお聞かせを願いたいと思う。 もう一つは、今最低と最高の差は三割というようなお話でございましたが、その三割というのは、ちようどまん中、すなわち上が一割五分で下が一割五分の意味か、あるいは上が二割で下が一割か、あるいはその逆であるか、その辺もあわせて御答弁を願いたいのであります。
○寺内政府委員 生糸の価格の決定につきましては、ただいま申し上げましたような情勢は、政府といたしまして相当重要親しなければならないと思いまして、それらの情勢を勘案いたしまして、目下研究中でございます。それから価格の値幅を三割と申しましたのは、ある一定の基準を設けまして、その一割五分が上であり、一割五分が下であるというような考え方でなしに、法律にも規定してあります通りに、繭の生産費及び生糸の製造及び販売に要する経費を加算いたしました額を基準といたしまして、最低価格を考え、また最高価格を考えるのでありますが、ただいまのところそれをいかなる方式によつてきめるかということについて目下検討中でございまして、遺憾ながらここでまだはつきり申し上げるまでの段階に至つておりません。どうか御了承を願います。
○小林(運)委員 今値幅は三割五分、二割五分でなくてやはり三割というお話があつたのです。これは繭糸価格安定法によつて、生産費を基調として最低の値段をきめるということはわかり切つたことなんです。従つてその値幅がそこへ出て来る。その幅が大体三割。しかしその中心の考え方、すなわち最低と最高の間のとり方の考え方は一体どういうふうになるかということなんです。すなわち中心の値段と最高の値段との考え方です。下の方を少くするか、あるいは上の方を少くするか、そういうような考え方を私は承りたい。幸いにあなたは今三割ということをお考えになつておると言うから、それを中心にしてお答えを願いたいのであります。
○寺内政府委員 まず最高価格をきめます上において、他の繊維の価格率と、それからアメリカにおける繊維の価格率及び一般物価というものの経済事情を参酌いたしまして、物価参酌値というものを算出いたします。それと繭の生産費、及び生糸の製造及び販売に要する費用との合計額の一定の割合の上値を計算いたしまして、その二つを勘案いたしまして、大体最高値を算出いたします。また最低値につきましては繭の生産費及び生糸の製造及び販売に要する価格、ことに最低のぎりぎりの最悪の状態においても繭の生産費を償い得る程度、農家の経済を安定せしめるに足るような価格も一応予想いたしまして、それらをにらみ合せて大体最高価格の方をきめまして、それから約三割の幅をもつて最低価格をきめるというような方式をとつたらいいのではないかということを一案といたしまして、ただいま研究いたしております。
○小林(運)委員 そこが大事なんです。今私がお尋ねしたら、やはり最高の価格を一応きめて、それからその間に三割ぐらい、こういうようなお話です。そういうことを私はお聞きしたい。 そこで大体最高の値段というものを想像してみるのですが、二十八万円という説もあります。あるいは政府のこの予算面を見ますと、二十四万円となつておる。この二十四万円が大体現在政府の考えておる最高の価格と見ていいかどうか、この辺御答弁を願いたい。
○寺内政府委員 ただいま二十四万円が最高価格として妥当であると、はつきり私は申し上げられませんが、大体業界の方の、先ほど申し上げましたような予想の、二十三、四万円を最高価格とするのが適当であろうという意見を尊重いたしますということでございます。
○小林(運)委員 尊重というのは、大体政府の二十四万円ないし五万円を最高の売渡し価格だというふうに考えてさしつかえないと、私は一応考えます。しかしこれは現在予想であつて、政府が審議会にはかつてどうなるか、これは別問題でございますが、その辺が重要なんです。と申しますのは、先ほど私が申し上げましたように、現在お話になつておるのは二十六年度の繭のことなんでありますが、すでに二十六年度の繭は処理が済んでおる。そこでこういう問題は政府もはつきりできると私は考えるのでありますが、まだこれは審議会等もあつて、正式にきめられないので、言えないかもしれないけれども、大体の目安を私は聞きたいと申したのであります。 そこで私はもう一つの考え方として、二十七年度の繭糸価をどういうふうに考えるかということは、二十六年度の現在のままで経済界が進んで行くならば、やはり同じような考え方だろうと考える。そこで今度二十六年度の繭糸価がはつきりすることは、二十七年度現在の滞貨なり経済状況であれば、やはりそれが目標になつて来ると私は考える。しかも二月にきめて、三月には一応二十七年度の生糸並びに繭の価格が決定されることになるので、これは非常に重要なものと私は考える。大体最高が二十四万ないし五万円、それから買入れ価格はその下三割、こういうふうに考えていいかどうか。お考えを承りたいのであります。
○寺内政府委員 先ほども申し上げました通り、たとえば生産費の算出にいたしましても、ただいまのところ二十五年度の生産費しかきまつておりませんので、二十六年度の生産費に換算するという作業をいたしておりまして、その計数が出て参りませんので、ここではつきりした数字を申し上げられませんが、今申し上げましたような情勢から判断せられまして、小林さんが、そういうふうに御予想なさることについては御自由であろうと思います。
○小林(運)委員 これ以上追究してもしかたがありませんので、このくらいにしますが、そうしますと、先ほど私は生糸の値段の問題を言つておりましたが、二十六年度の生糸をたとえば二十四万五千円なら二十四万五千円といたしますと、今度は繭の値段が考えられるのです。昨年の夏でしたか、政府は製糸生産費、すなわち生糸の生産費を決定しております。その生産費を引いたものがすなわち繭の値段になる、こう考えるのですが、この二十六年度の生糸の値段から繭の値段を推算するための製糸の生産費は、昨年八月の政府発表の生産費を基礎にしてと言いますか、あれが生産費であるかどうか、その辺をはつきり御答弁願いたい。
○寺内政府委員 昨年八月の生産費を大体基準にいたしまして、これにただいままでの物価の変動を参酌いたしまして、ただいまその計数の計算をいたしておるものを基準といたしたいと思います。
○小林(運)委員 そこがたいへんなんですが、すでに昨年製糸家は繭を買つております。大体値段の協定等も遅れておるところがありますが、一応昨年繭が産出された当時の状況において製糸家は繭を買つておる。それで生糸を売る。だから養蚕家からいえば、とにかくその当時政府が生産費を五万幾らということで発表して、これが生産費だときめたということは、すでに勝負が済んでいるわけだ。それをあとでもつて政府が生糸の生産費をかえるという考えは少しおかしいと思う。商売をして値段をきめた以上は、もうそれから上ろうが下ろうがこれは別問題だ。生産費があとで急にかわつて来るというものじやない。米の値段のように一年かあとでバツク・ペイをやるようなことがあればいいのですが、これにはないのです。だから勝負をきめたそのときが私は中心だと思う。ところが今の蚕糸局長の答弁によると、あとで物価の指数などを考えてきめるというようなお話だが、政府が八月にきめた五万幾らというものがすなわち生糸の生産費だと私は考えるその後の経済事情を参酌してきめるというのはどうもおかしいと思うのですが、それはどうですか。
○寺内政府委員 私はこれはある程度見解の相違だと思うのでありますが、八月から九月の価格を決定したそのときの経済情勢によつての計数を使つた方がいいと思いまして、八月の調査によつて出た数字を現在の物価水準その他経済情勢に合せ——もちろんこれもかつてに合せるということではありません、一定の物価の騰貴率その他がありますから、それらの計数をかけて計算して出た数字をもとにするというふうな方が妥当であろうとわれわれは考えております。
○小林(運)委員 そうするとちよつとまた疑問になるのですが、たとえば養蚕家の場合を見ると、養蚕家は昨年の春繭なら春繭を製糸家に一万掛なら一万掛で売つてしまつた。あとで生産費をいろいろ調べてみたところが、物価の指数が上つて来たというときに、あなたはそれをバツク・ペイするのですか。バツク・ペイをするならそういうことが考えられるけれども、商売をしてしまつてからあとでそういうことを考えるというのは私はおかしいと思う。これはどうですか。
○寺内政府委員 今回決定いたします二十六生糸年度の価格につきましては、二十六年度の繭の生産費の計算がまだ出ておらないのでありまして、二十五年度の生産費しかわかつておりませんから、今回二月十四日にきめる生糸価格の基礎資料としては、これを二十六年度に直すという操作が必要なのでありまして、これが平時になりますと前年度の繭の生産価格の結果がはつきり出て参りますから、それを基準にすることになりますが、今回最初にきめるものは、ただいま申し上げたような少し前の生産費しかわかつておりませんので、これを二十六年度に引直すという操作をいたしたのであります。
○小林(運)委員 それは私が先ほどから申し上げているように、繭糸価安定法というものができない前に、すでに政府が生糸の生産費を発表しているのです。二十六年度の、もうすでに生産されて取引の済んだ値段をこれから二月十一日にきめる。その際にすでにきまつている生産費をそのまま採用するのが私は当然だと思うのに、あなたはその後の物価の指数を見てどうこうと言うのが不合理だ、こういうのです。二十七年度の問題は全然別問題だ。これは今おつしやつたような法律の建前から、いろいろ物価を参酌して値段をきめるのは当然ですが、すでに済んでしまつたものについては、あの発表の生産費そのものが生産費だと私は断定していいと思う。この考えがあなたとは大分違います。これは今度二月十一日か十二日にあなたが諮問されて、政府が決定したときでなければ言えないけれども、今はあなたの考えを承つただけですが、私はそう信じております。 これはこの程度でやめますが、もう一つ重大な問題は、昨年来繭の処理の問題でございますが、昨年は団体協約によつていろいろきめておる。糸の生産費等も非常に重要な項目となりますが、政府は今後今までやつて来ておる団体協約という方法を蚕繭処理の唯一の方法としてやつて行かれるかどうか、その辺の見通しをお聞きしたいのであります。
○寺内政府委員 繭の販売取引の方法でありますが、これはやはり一般農産物と同じように、協同組合等の組織を通じまして処理して行くのが最もいい方法であろうと思いまして、政府といたしましてもその方法を奨励いたす方針でございます。
○小林(運)委員 私は前の国会において政府当局にお聞きしたところが、現在やつておる繭取引方法は決していいものとは考えてない、そこで早急にこの蚕繭処理の方法を考えてお答えしたいということでしたが、あなたは今までやつておつた、あんなに世間から非難されている方法がいいと考えているということであるが、こういうお話は実に意外だ。あなたは就任早々時間がないと言いますが、相当いろいろの話は聞いておると思います。今繭糸価の安定が、一応法律でできまして問題は一応済んだのですが、これから蚕繭の処理の方法が一番重大な問題だと思う。この重大な蚕繭処理を今までのやつが一番いいと思つていてはとんでもない認識不足だと私は考える。非常な弊害があります。こういう弊害のある蚕繭処理の方法をこれがいいなんて考えるのはとんでもないと私は考える。もう少し御研究を願いたいのでありますが、これ以上あなたを追究してもしようがない。そこで現在やつておる団体協約で非常に問題になるのは繭検定である。この繭検定を今のままお続けになるか。予算を見ると、繭検定の予算を大分計上しているが、ある方面では繭検定は任意検定でたくさんだということを言つております。それから現在の繭検定の方法がきまつたのはもう十何年前で、その当時は日本の生糸はアメリカに行つてくつ下にばかりなつていた。そこで品質を改良するというので生糸の検査法や繭検定の方法がきまつた。ところが戰争後アメリカの生糸の需要の方向というのはうんとかわつた。アメリカでは生糸のくつ下というのはどこにもあまり見られない。生糸は一体どこに使われておるか。これはすでに御存じのはずです。需要の方向がかわつて、生糸を要求するものはうんとかわつておる。そういう際に検定方法や生糸の検査方法をかえるのは当然だと思う。それをこのままでいつまでもほおかむりしている。ある方面ではあんなつまらぬものはやめてしまえというものも、あるけれどもまだ一部に生糸の製品は相当要求されるので、任意検定にしたらどうかという意見もある。この点に対して蚕糸局はどのようにお考えになりますか。これは重大な問題です。すでにいろいろ問題が起こつている。政府は法律をつくつていながらそれを励行していない。この前にも私はそれを追究したけれども、うやむやになつてしまつた。こういうあつてもなくてもいいような法律をそのままにおいて、これはそのままでいいというのではまつたく支離滅裂だ。これはどうお考えになりますか。
○寺内政府委員 繭の取引について大分各方面でいろいろ議論のあることは承知しておりますが、その根本の理由は、繭の生産量がいまだに少い。それに対して製糸の設備の方が過剰であるという情勢でありますので、一方においては製糸者の方の買いあさりがあり、また団体の取引を奨励はいたしておりますけれども、一般農家のこれに対する自覚の不足によつて売り抜けがあるというようなところに原因をいたしましていろいろ繭取引についての混乱があるようであります。大体の政府の指導方針といたしましては、ただいま申し上げましたように、組合を通じての団体取引ということを奨励いたじておりますが、それが混乱しているからこれを何とか秩序を保つようにしてくれという要望もあるのでありましてそれらの事情を勘案いたしまして、ただいま蚕繭処理に関する根本対策を考究中でございます。 次に繭の強制検定の問題でございますが、繭の検定と申しますことは、繭の品質は肉眼ではわからぬのでありまして、過去を顧みましても、かつては買手が自由に品質をきめて、養蚕農家に非常な不利益をもたらした。そこで第三者が厳正公平に検定して、これを取引の標準にしようというのが現在行つております繭の検定の制度でございます。これを強制するということはやはり繭の品質を向上し、ひいては生糸の品質を維持するために必要な制度だと思いますので、原則としてこれを今後も変更する考えは持つておりません。けれども小口の取引についてまで強制的検定をやるということについては、多少緩和の方法はないかと思いましてそういう方向においてただいま研究中でございます。 次に生糸の需要がかわつたということは、まことに小林さんの仰せられる通りでありまして、従来はアメリカには主として一四中の生糸が出ておつたのでありますが、最近ははだ着であるとか服地向きのような二一中の生糸が多数に需要されておりますので、これらの需要の変遷に伴いまして蚕の品種の改良という方面についても考えておりまして、その二一中に向く需要の多い糸質のよい蚕品種の検定を今までやつておりますし、また検定の方法につきましても、従来の府県におきまする検定所の繰糸機は座繰機が多かつたのでありますが、しかるに現在の製糸業界の情勢を見ますと、約四万九千台からある製糸機の大部分は多條機になつておりますので、検定所におきます繰糸機を多條機に切りかえるというのが今回予算に載つているのでありまして、大体五箇年計画をもちまして検定所の繰糸機を多條機に切りかえ、そうして新たなる需要に適応するような生糸の品質を上げて行こうという方策をとつているのであります。
○小林(運)委員 繭検定については、小口のものは強制しないというようなお考えのようでありますが、これも私はもつと根本的に当局は考えてもらいたいと思う。すなわち先ほど私が申し上げましたように、繭取引の方法がこのままでいかぬと思う。それをただ大口のものはこれでよい、繭検定はやつた以上はどうしても死んでもやめないというような考えでなくて、やはり新しい時代の要求に従つて、法律の改正もあるいは政策の変更もこれは当然であろうと思う。そういうことをひとつよく考えてやつていただきたいと思います。 最後にあなたの今おつしやいました検定の機械の問題ですが、今製糸工場がほとんど大部分が多條機だから多條にかえるというようなお話でしたが、これも技術の問題は別問題として、考え方が少しおかしいと私は思う。もうこの多條機にかわつたのは二十年も前からなんです。それをああいう座繰でやつておつて、そうして今になつてそういうことをやる、もうおそいのです。ほんとうはくつ下の需要の盛んなときに多條装置が必要だつた。そのときにかえればよい。今は逆なんです。生糸の需要はかわつている。それに逆行してこの金のないのにこれだけの予算を上して、年に三百台ずつ五箇年計画でかえて行くというようなこと、これは私は考え方としては逆だろうと思う。事実検定所としては、現在のような設備では私はいかぬと思います。その点をひとつ十分考慮してやつていただきたい。検定所の設備を直し、りつぱなものにするということは私は賛成しますが、もう少し需要というものを考えて検定の方法を考えて行くことがいいと思う。もう一つは小さいことのようですが、検定の機械すなわち多條の二十條をある一定の人につくらせて、これでなくてはいかぬというようなことを言つておるらしい。そうじやないと思う。多條機などというものは一人の人がつくらなくても、だれが見ても、われわれが見てもすぐできる。そんなものを一人の業者にまかせてそれだけにやらせるということはいかぬと思う。こんなものは図面が一枚あつたらだれでもつくられる。これは当然だろうと思う。それから伝えられるように、ある一人の人だけにやらせるということはもつてのほかだと思う。これも十分注意してもらいたい。これはあなた方の方でこの機械がいいというならいいのです。だれでもできるようにやつていただきたいということを御注文申し上げます。以上申し上げまして私の質問を終りますが、最後に繭糸価の問題については政府は十分考えて、現在繭糸価をきめるのにも昭和二十六年度はもう一月しかないのだから、やはり二十七年度と同じような気持でやつてもらいたい。それと今の需要というものをよく考えて、それにマツチするような政策、品質の面におきましてもあるいは値段の面におきましても、あまり需要のないものを高くする必要はない。そうかといつてみずから日本の生産物を、いやに切り刻んでむりに安く外国に売る必要もない。その辺の兼ね合いを十分考えてやつていただきたいことをお願いしまして、私の質問を終ります。
○寺内政府委員 いろいろとこまかい点についてまで御注意をありがとうございました。今後の施策に大いに参考にいたしたいと思います。
○松浦委員長 足鹿畳君。
○足鹿委員 二、三お尋ねをいたしたいと思います。まず最初に麦の問題を東畑さんにお尋ねいたしたいのです。麦の統制撤廃の時期はいつごろの見込みでありますか。
○東畑政府委員 麦の統制撤廃の根本問題につきまして、昨日大臣が御答弁になつた趣旨以外に、いろいろこまかい問題がありますが、そういう問題につきまして十分検討をいたしてお答えをいたしたいと思います。昨日の大臣の御答弁の通り、愼重に検討いたすという以外に答弁はありません。
○足鹿委員 愼重に御検討になるのもいいのですが、大体ものには見当というものがなければならぬ。たとえば流通機構の整備について見ましても、ある一つの目標が立てられて、そして自由になつたときの対策というものが政府になければならぬ。巷間伝えられるところによると四月説、あるいは六月説もある。大体の見当すらもつかないのでありますか。愼重と大体の見当は別なものであつて、その点についていま少し明らかにされた方がいいのではないかと私は思うのです。御答弁がなければいたし方がありませんが、私はそういうふうに考えております。 そこでまず統制撤廃後に来る問題として流通機構の整備、あるいは保管設備の整備、たとえば農業倉庫の整備充実というようなことについて、政府は具体的にはどういう対案を持つておいでになりますか、この点を承りたい。
○東畑政府委員 保管設備等につきましては、統制継続中でも統制撤廃後でも非常に大事な問題であります。われわれといたしましては農業倉庫、特に連合農業倉庫、単位農業倉庫両方兼ねまして、これが新設、既存倉庫の補修という問題に重点を置きまして、いろいろ予算折衝をいたしたのでありますが、結論といたしましては、長期の金融措置でさしあたりは解決いたしたい。その金利あるいは期間というようなものにつきまして、なるべくその倉庫の補修あるいは新設等に支障のないような方法におきまして長期金融で解決をいたしたい、こういう段取りで今考えておる次第であります。
○足鹿委員 そうすると、助成なり補助ということはおやめになつて、長期金融で行くというわけですね。
○東畑政府委員 ただいまのところさよう考えております。
○足鹿委員 大体その具体的な内容はまだ御発表になるわけには参りませんか。
○東畑政府委員 農林省内部ではほぼ成案を得ておるのでありますけれども、まだ最後の決定にまで至つておりませんので、いずれ機会を見て御説明申し上げたいと思います。
○足鹿委員 麦の問題につきましては、私は昨日も農林大臣に強く御要望申し上げ、また所見の一端を申し上げたのでありますが、特に政府手持ちの麦の放出の価格あるいはその時期等については、内地の麦を圧迫しないような万全の御処置が必要であろうと思う。同時に統制撤廃後における構想としては、これは賛否は別個の問題として、無制限買上げが絶対的に條件であろうと思う。その点について、特に新任の食糧庁長官の良心的な御処置を私はこの機会に特に要望しておきたい。 それからこれはりくつになりますが、麦だけを統制撤廃するということになりますと、勢い今度の米の超過供出を要請されておりますように、食糧操作が非常に弾力性が欠けて来ると思う。この点について、昨日農林大臣は、米食率については何ら影響がないということを確言されましたが、私どもの見たところでは、これはそう簡単には参らない、こう思つておるのであります。やはり絶対量が不足している今日、米麦というものは表裏一体の関係にあるものだ、これを麦のみを切り離して、政府はほんとうに自信が持てるかどうか、これは非常に大きな問題だろうと思うのですが、専門的な立場からの食糧庁長官の御所見を承りたい。
○東畑政府委員 麦価が非常に圧迫されるのではないかという御質問でありますが、今日国際価格と国内価格は遮断をいたしております。将来といえども、政府において輸入を管理いたします限りにおきまして、その価格関係においては私は遮断できるのではないかというように、実は考えております。従いまして、麦価の算定というものは、いろいろ御議論はあると思いますけれども、国内の一定の方式でこれを決定いたしまして、国際価格との関係におきましては、国内においての遮断というものはできるのではないか、こういうふうに実は考えておる次第であります。 それから米食率の問題等につきまして、現在地域的に非常に差があります。しかし国全体としての米食率の維持については、昨日大臣が御答弁になりましたように、われわれは最大の努力をいたしまして、これの引下げを避けねばならぬということは重々承知いたしております。問題になります点は、外米の輸入、今後の超過供出量というものが一つの不安定な要素であります。これに対しても最大のベストを盡して、国全体としての維持をはかりたいと考えております。昨日大臣も申されましたように、地域的な不均衡等につきましては、順を追つてこれを直して行くということはいたしたい、実はこういうふうに考えております。 それから米麦一体論のお話でありますが、これはなかなかむずかしい問題でありまして、米と麦というものは若干性格が違うのであります。米は日本人の嗜好として非常に貴重品であると同時に、非常に高くなる傾向があります。麦につきましては、何分にも相当の量が外麦に依存しておりますので、それを一手に管理しておる政府といたしまして、ある段階においては、配給統制という形で物量消費規正をやらなくても、間接的な価格調整においても、物量的消費に影響がないという段階に参りました場合は、統制の方式をかえても米麦一体論にさしつかえない、こういうふうに実は考えておる次第であります。おのおの性格が違うと考えております。
○足鹿委員 議論になりますから多くは申し上げませんが、私は、これは一体不可分のものだと信じております。これに関連いたしまして、価格の決定方式等についてでありますが、今長官は需給調整の方式等について慎重を期していろいろ検討しておるというお話ですが、需給調整の構想というものはどういうことになるのでありますか。たとえば、その買上げ麦価の決定は、やはり米価審議会に御諮問になりますか。従来の事例はよく存じませんが、新しい御構想はどういうことになるか、買上げの数量、その方式について、米価審議会等にお諮りになつてきめて行かれるのでありますか、あるいは食管法を改正したほかに、別に需給調整的な何か法的な措置をお考えになつておるのでございますか。これはどういうことになるのでありますか。
○東畑政府委員 その問題は、実体につきましては、相当検討いたしております。これをどういう方式でやり、どうするかということは、昨日の大臣の答弁通り、すべて愼重を期しました上で御説明申し上げた方が適当であろうと思います。
○足鹿委員 それ以上仰せにならぬようでありますから、追究することを差控えたいと思います。昨日も農林大臣にお伺いして、明確な御答弁がなかつたが、本予算が国会に提出されております。その予算米価については、米価審議会に対して何らの御諮問がなかつた。政府は米価審議会に対して、その意見を尊重するとしばしば言つておりますが、特に昨年末開かれた米価審議会においては、われわれ米価審議会の関係の者としては、最も良心的に実行可能な案を答申したつもりである。その点については、当日農林大臣、安本長官もおいでになつて、米価審議会の答申については非常に敬意を表するということを言つておられる。にもかかわらず、当日の審議会の骨子になつておる、いわゆる昭和二十六年産米の決定の際は、長官も御存じのように、予算が国会を通過してしまつた後に米価審議会をお開きになつた。これでは米価審議会開催の意味が大半失われる。従つて昭和二十七年産米の予算米価について、米価審議会の意見を徴すべきである。何人といえどもこれに対して異存はないはずだ。なぜお開きにならなかつたか、当然お開きになつてしかるべきである。この点について少くともその衝に当つておられる事務当局としては——東畑さんは最近おかわりになつたので、東畑さんを追究するということは、ちよつとはずれるかしれませんが、野原政務次官もおいでになりますから、今後この問題についてどういうふうにお取扱いになるか、この点は非常に重要な問題でありますので、明確にしていただきたい。 〔委員長退席、遠藤委員長代理着席〕
○野原政府委員 昨日も大臣から御答弁になつたのですが、米価審議会の意見は、もちろん十分尊重する方針にかわりございませんが、この予算として上げましたものは、一応安定本部が考えております買入れ時期との関係において、二百五十五というパリテイを基準にしまして、米は一応七千二百十四円ということにしておりますので、この七千二百十四円というパリティで計算されたものを、予算米価として考えております。もとよりその時期になりますと、パリテイがいろいろと物価の変動等でかわつて参る。そうしますれば、これは予算は立てましても移動のあることは当然の話でありまして、米価審議会に諮りましてその辺の事情等を十分考えて生産費並びに再生産に支障のないような適正な価格で決定をする。それは一応の目安としてきめたものであるというふうに御了承いただきたいと思います。
○足鹿委員 目安々々と仰せになりますが、従来予算米価を上まわつたことはないようであります。昭和二十六年産米にいたしましても、七千三十円の予算米価が切れそうになつておる。政府はようやく七千三十円を確保なさつたのであつて、今まではいつも目標を下まわるような状態になつておる。従つて予算米価はある一つのくぎづけ米価であつて、これ以上のものは、今まで政府は御努力になつたけれども、とれたためしがない。従つて私どもは、予算米価が結局は実際の米価に転ずる今までの実績から見て申し上げておるのです。しかし本年は政府が予算米価は予算米価だ、これ以上上まわる米価を必ず努力してとるのだという御決意があればこれは別でありまして、大いにけつこうでありますからおやり願いたいと思うのでありますが、従来はこの予算米価の維持すらも困難であつた。これは事実であります。その点については、少くともせつかく官制に基いた米価審議会ができており、しかも建設的な運営をやつて今まで相当の成果を上げておる。政府はいわゆる予算の單価をおきめになる前に、米価審議会の意見を徴せらるべきである。私はこの点について政府の猛反省を促したい。これ以上は申し上げません。しかしその点については十分御考慮になる必要があろうと私は思います。 〔遠藤委員長代理退席、委員長着席〕 それから超過供出の問題についてでありますが、これは村單位だというお話が先刻竹村君の質問に対してあつたそうでありますが、これは少しどうかと思います。やはり部落單位程度は——大体個人が原則でありましようが、部落單位ぐらいまでは運用の面においてでもお考えになる必要はないでしようか。実際村單位ということになりますとなかなか困難だろう患う。大体原則として超過供出というものはやはり個人の立場で行つて行くものでありまして、それも全村が一つの率に達しなければ超過供出の奨励金を出さぬという取扱い方は、一つの原則として政府がおきめになつたならば、その取扱い運用の面において、少くともいわゆる現下の食糧事情から政府が超過供出を真に要望されるならば、農民も喜んでこれに応ずるような取扱いに、運用上でもなさるのが至当ではないかと思う。何人がこれを見たところで、村單位でなくてはならぬという理論的な根拠はないと私は思うのですが、その点はどうですか、運用の面においてでも御考慮になる余地はないのですか。もう少し真剣にこの点は御考慮を願いたいと思いますが、長官なり政務次官の御所見を承りたい。
○東畑政府委員 今回はやはり集荷を県知事、市町村長とういつの行政機関としてお願いするという建前で集荷委託費の増額を考えた次第であります。やはり市町村単位ということが表面に出るわけであります。特に地方長官等にやむを得ざる事情がある場合におきましては、部落單位でも許可する場合を、例外的の措置としてはすでに考えまして通牒をいたしておる次第であります。ごくわずかな例外の場合は部落單位もやむを得ないのではないかというように考えておるのであります。原則といたしましては、やはり市町村長に集荷のお願いをする建前で参りたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○足鹿委員 ごくわずかな例外的な場合というのはどういう場合ですか。
○東畑政府委員 これは各県の事情によりまして、知事に全部おまかせしてありまして、知事等が見まして特殊な事情がある場合は、部落の場合もやむを得ないということに実はいたしておるわけであります。
○足鹿委員 大体その取扱い方は知事に一任をするというのは、何かある一つのわくを政府がお示しになつておるのですか、まつたく知事の裁量に御一任になるのでありますか、その辺は運用上きわめてデリケートな問題になつて来ると思うのです。私はあまり公式的に追究しようとは考えておりません。問題は、その超過供出の予算が獲得されたについては、これは農民が享受すべきものなのだ。特にこの低米価をカバーして行く面におきましても、一定量の超過供出を確保されて行く場合にも、政府はそれを達成されなければ意味をなさぬのであつて、問題は実際的に供出農家に持つて行けばいいのであります。超過供出予算というものは、何も條件付で先般の第十二国会を通しておるはずはないと私は思う。予算にさような條件というものはなかつたと思う。それはあなた方の方でそういうわくをおつけになつておるにすぎないのです。その点をもう少し明らかにしていただきたいと思うのです。(「予算に出ていない。そんな金を使つてはいかぬよ」と呼ぶ者あり)
○東畑政府委員 予備費から集荷委託費に移用いたしたいのであります。 〔「そこだ」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 私語を禁じます。
○東畑政府委員 予備費から集荷委託費に移用いたしますことは、大蔵大臣と協議いたしまして許可をとりました。
○足鹿委員 そこでさつきの問題の焦点が少しぼけたのですが、知事の裁量というのは、ほんとうの知事の裁吊なのですか。その点何かそこにわくがはまつたり、また條件がつけられたりするようなことはないのですか。
○東畑政府委員 特殊事情と申しますのは、これは具体的に一々きめなければならぬのであります。まだ実はそういう具体的の事例は聞いておりません。個々のケースとしてこれは判定をいたさなければならぬというふうに考えております。
○足鹿委員 個々のケースといつたつて、特殊事情は地域的に発生するのでありまして、それは仰せになるまでもなく、個々のケースなんでしよう。そんなことを私は聞いておるのではないのです。その個々のケースに対して何か政府は別な條件をつけたり、一つのわくをつけたりしておられるかどうか、絶対無條件で個々のケースに対して知事が適当に善処して行けばいいのであるか、その点を私は聞いておるのです。
○東畑政府委員 かつてにきめていいという趣旨ではございません。ごく例外的にやむを得ない場合は認める、こういう趣旨であるのでありまして、そのやむを得ざる事情というものは、各県の事情等を今後具体的に検討いたしまして、それできめるわけでありまして、抽象的に個々の特殊事情というものはどういうものであるかというだけの具体的事例が実はまだ参つておりません。ことに超過供出等の具体的な金銭の支払いというものは、まだ部落単位ではいたしておらぬのでありまして今後の各県等の事情をよくしんしやくいたしまして、個々にきめて参りたいと考えております。
○足鹿委員 今後の情勢について十分しんしやくして考慮するということでありますから、これ以上申し上げても長くなりますから、この問題は一応これでとめておきます。 第二に私は農政局長にお伺いしたいと思います。日本の畑作農業の問題については、これは農村工業にもいろいろ関係がありますし、畜産関係にもあるのですが、この四月の砂糖の統制撤廃の問題、また去年の十月から業務用砂糖の放出が行われ、その結果昨日も農林大臣に私が質疑をいたしましたように、砂糖が暴落をして、そのあおりを食つて水あめが暴落し、その原料の澱粉が大暴落をする。従つていもが大暴落をして、いも作農家には非常に深刻な影響を与えておる。同時に北海道の甜菜及び四国、九州の白下糖、さらに進んではズルチン、サツカリン等の人工甘味料にまで大きな影響を及ぼしておることは、政府の御承知の通りであります。これは政府の放出によつてかような結果が昨年起きて来たのでありますが、これに対して農政局当局として、事務的にこのまま放任されますと、砂糖を六百円ということにいたしますと、いもは二十三円五十銭の換算率に大体なるようであります。砂糖百対水あめ五十五の比率におきまして換算いたしますと二十三円五十銭——去年のいもは四十円内外で取引されておる。しかも現在はこれが二十三円五十銭程度にいもの価格が暴落し、ひいては澱粉にも深刻な影響を及ぼしておる。これは現に農民はいものとこをつくつて、三月が来ればもうただちにいもの栽培に着手するのであります。これはただ單にいも作農家やその他の消費者、あるいは黒砂糖あるいは北海道の甜菜、ばれいしよというような、ある限定された作物に対する影響のみならず、日本の畑作農業に及ぼすところの深刻な影響が来ると思うのであります。この点について、いわゆる農政局の立場に立つてどういうふうにお考えになり、どのような具体的な対策を目下講じておられますか、その点をひとつ明確にお願いをしたい。
○松浦委員長 ちよつと速記をやめて。 〔速記中止〕
○松浦委員長 それでは速記を始めてください。
○足鹿委員 それでは農政局関係につきましての御答弁は午後に承ることにして、畜産関係について私は二つお尋ねをいたしたいと思います。 同僚議員からもいろいろ御質疑があつたと思いますが、私は無畜農家の解消という一つの画期的な仕事が推進されることについては、非常に有意義であろうと思いますが、一番案じられることはいわゆる畜産物の価格問題になろうと思うのであります。しかも講和條約が発効いたしまして海外との取引が盛んになれば、現在も入つておりますが、肉類にいたしましてもあるいは乳製品にいたしましても、より以上にどんどん入つて来ると思います。これと内地産のものとの価格の競争が必然的に起きて来ることが一つ。この点に対して、畜産当局はどういう資料に基いて、どういうふうな御構想で将来をお考えになつておりますか。それといま一つは、国内の増産計画によつて畜産物が非常に増産をされる。従つてこの増産をされたものは、消費を伴わなければ結局自由主義の原則に従つて、価格が暴落することは言うまでもありません。従つてこの畜産の奨励ということは、農民のいわゆる経営の安定、経営の高度化、経営の弾力性というような面から、私どもとしては非常にけつこうなことだと思いますが、その親心が、消費を伴つた増産ということにならないと、逆に消費の面において、必ずしもわれわれのそのよき意志が結果としては現われない場合がある。こういう点について、現在の日本の国民の生活水準あるいは生活慣習、食生活の習慣、そういつた面から考えて、急激に畜製品なりあるいは乳製品の消費が増大するとは、私どもはそう簡単には考えられない。その点について、いわゆる消費の増大に対してはどういうお見込みを持つておいでになるか。この計画を樹立されました一つの基礎について、長谷川さんから明確にしていただきたいと思うのであります。
○長谷川政府委員 畜産振興の基本的な問題について、御意見を兼ね御質問をいただいだわけでありますが、私たちといたしましても、これらの問題につきましては、実は最も真剣に考えなければならない問題であるというふうに考えております。まずその第一の価格の点でありまするが、これは私は、今後の畜産のあり方が農家経済に溶け込み得るような畜産を奨励するということによつて、この問題を解決する以外にないのではないかというふうに考えておるのであります。具体的に申し上げますと、たとえば先ほど田中委員からお話もありましたように、農家といたしますれば飼いやすい、農家経営上適切な家畜を取入れる。たとえば乳牛のごときにつきましても、單にお乳をとるということばかりでなしに、これを役牛にも使い得るし、あるいは肉にも使い得るというような見地からいたしまして、なるべく農家経済に溶け込みやすい家畜を取入れるということ、あるいはまた経営規模の問題にいたしましても、耕作面積のあまり大きくない所には小家畜を取入れるというようなこと、また大家畜を入れます場合におきまして最も重要なことは、自給飼料をなるべくたくさん自給し得るような農家に家畜を取入れて行くとかいうようなこと等によりましてやつて行きますならば、おのずから畜産物の価格というものは低減し得る、またそういうふうに持つて行かなければならぬというふうに考えるものであります。消費の拡大の問題につきましても、価格がそういうふうな状態になりまして漸次安くなつて参るということでありますれば、おのずから消費の点も今よりはもつと増大することが期待できましようし、特に私は農村の畜産物の消費、食肉等、あるいはまた自分の所で生産しまするところのお乳を農村みずからが消費をするということによりまして、農民の体位を向上いたしまするとともに、また食生活をゆたかにする、またこれが同時に米麦等の供出をも容易ならしむるというようなことによりまして、総合的に日本の食糧政策を解決するような方向に向わせなければならないのではないか。そういうような意味合いからいたしましても、農村消費を積極的に進めるような考え方で参りたいものだというふうに考えておる次第であります。
○足鹿委員 これは明日畜産小委員会が開かれるそうでありますから、その際でもけつこうでありますが、農民自身がもつと畜産物に対して、肉とかいろいろな消費をはかつて行く。しかし現行のいろいろな法律的な制約なり、うるさい衛生上の取締りがあつて、なかなかそうは行かない。これはこの前も、私は食品衛生法が地方の農業協同組合なり、小さな農民が共同してつくつた処理場を非常にきゆうくつにした事例をこの農林委員会で取上げまして、いろいろ厚生省とお打合せを願つて、その後若干御善処を願つたこともあるように思いますので、簡易屠殺の問題、もつと農民が安んじて、自分たちがつくつたものは自分たちで殺して食える、必要によつては親戚にもわけられるというように、もつといいあんばいに農村の消費が体位の向上にもなるように、これは馬力をかけて必ず実現をしていただきたい。そのことをひとつ要望いたしておきたいと思いますが、先刻申し上げました海外の畜産物あるいは酪農製品との価格上における摩擦ということについて、どういうお見通しを持つておられますか。これはあとでもけつこうでありますが、資料を整備しておられましたならば、その資料をひとつ御提示願いたいのであります。いかがでありましよう。
○長谷川政府委員 資料は今手元に持つておりませんので、とりそろえましてお手元に差上げることにいたしたいと思いまするが、現在のところ、お話のように海外から参りますところの、主として酪農製品の値段は、国内の価格よりも相当安い状態になつております。この主たる原因といいまするか、問題は、やはり酪農製品の生産上のコストが割高につくというところに大きな原因があるようであります。といいまするのは、一工場当りの乳牛の頭数のごとき、外国に比較いたしますると相当に分つておるようであります。もし一工場当りに集まつて参りまするお乳の量が相当ふえるということになりますれば、勢い乳製品の値段は下る、こういうことになるのであります。今度の有畜農家の創設の場合におきましても、乳牛を導入いたしまする場合には、そういう点をよく考えまして。なるべく集団的に、そのお乳が経済的に処理し得られるような地帶になるべく乳牛を入れるというようなことをあわせ考えまして、できるだけ乳製品の価格を下げるように努力をいたしたいと考えておる次第であります。
○野原政府委員 足鹿君の簡易屠殺場等のお話まことに同感であります。せつかく飼いました豚などを農家が数軒で屠殺してわけるというようなことにしたいと思うのでございます。一体日本では、屠殺しました豚なり小家畜に対しまして、その血を使う、あるいはまた骨、頭といつたような、多くの部分を十分食べるような習慣、あるいはそういう利用の方面が非常に遅れておる。アメリカ等におきましては、すでに殺した豚の血などを上手に使いまして、非常においしいシチューをつくつておる。骨などあるいははらわたのようなもの、すべてこれを非常に巧みに利用いたしまして、ばれいしよその他野菜類と一緒に煮合せて、おいしいシチューを食べて、年中絶やさないということにしておりますので、私はかねてから、飼つた豚は自分で食えという主張を実は持つております。まさに足鹿君のお説とまつたく同感でありますので、今まで政府がそういうことを考えなかつたことははなはだ怠慢であると考えております。そういう問題につきましては、至急に事務当局に検討いたさせまして、さつそくうまい案を立てまして大いに畜産の振興をはかりたいと思います。
○足鹿委員 これは政務次官に特にお伺いしたいのであります。今簡易屠殺の問題について、同感の意を表せられ、具体的に検討をし、関係方面とも打合せをするという、まことにけつこうである、ぜひ実現しますように一層御努力を願いたいのであります。特に野原さんは林野関係の権威者であられますが、林野問題と採草地、牧野の問題、さつき飼料問題がいろいろ取上げられましたが、現在牛は飼いたい、しかし資金もない、無理をして資金をつくつてみたところで、飼料問題で行き詰まつて困つておる。自給飼料自給飼料といいましても、やはり牧野の問題に関連をし、採草地の問題に関連をして来るのであります。従来農地改革の際に牧野の開放も相当あつた、ところが——昨日も私は農林大臣に開拓政策の際に申し上げましたが、最近農地政策が後退しておる。考え方によつては、非常に反動的な面が出て来ていはしないかとさえもわれわれは考えざるを得ない。その点について飼料問題との関連において、有畜農業を画期的に大きく奨励して行こうというこの施策の前には、牧野の問題、採草地の問題が具体的に解決されませんと、これは大きな障害にぶつかつて来るのであります。政府はこれを林野行政の立場とどういうふうに調整をとつてこの難問題を解決されようという御構想でありますか。この点は野原さんの林野行政の面とにらみ合せた御所見を承つておきたいと思います。
○野原政府委員 畜産の奨励、有畜農家創設と関連いたしまして、林野の利用という問題が当然起つて参ります。私は山はすでに林野として、森林として利用するという段階はもう過ぎた。もう一歩進めて、もつと大きな観点から山を生かさなければならぬと感じており、すでにそのことを理想としておるのみならず、実地にそうした概想を生かして参つたつもりであります。牧野の開放はすでに行われましたが、私どもは今日の牧野は、牧野とは言いながら、従来土地利用の形態が非常に粗放であります。従いましてこの土地の利用をもつと集約をし、またその牧野の生産を高めるということに対しましての政府の対策ははなはだ不徹底であると考えております。以前の馬政局時代には、かなり牧野改良に対しまして政府が財政投資をしたこともありますけれども、その後ずつと中断されておりまして、はなはだ残念に思つておりましたが、昭和二十七年度の予算には牧野改良のための予算も、十分とは言えませんが、ある程度計上しておるような次第であります。また採草地あるいは放牧地等の利用度を向上するための牧野改良ということはもとよりでありますが、私はなお進んで林内放牧の施策をより一層やりたいと思う。実はす季に実際の問題としては、国有林等におきましては相当の面積林内放牧をされております。これはある場合においては、森林の造成のためにもむしろ非常に効果がある。たとえば青森県の蔦温泉という地区がありますが、あの地帯はぶな林でありまして、根まがり竹、くまざさか繁茂しており、以前は林内を歩行することさえできなかつたような状態でありましたが、あそこに牛が飼われるようになりましてから、いつの間にか林内の竹はほとんど牛に食い盡されまして、牛はまるまるとふとり、林は非常によくなりました。われわれ林業関係の者もあの当時べこ行進という名前をつけたのでありまして、べこによつて非常に林がよくなつたのであります。これはひとり青森県のあの十和田の国立公園地帶のみならず、岩手県等におきましても相当の面積がございます。今後もこれは十分林野経営の面に生かさなければならぬと私どもは感じております。あるいはまた林木の枝葉等が家畜のえきとして非常に適するのであります。たとえばかえで類の枝葉のごときは非常に栄養分に富んでおります。従つて牧野々々と言つて、ただ單に平面的にながめて草を生やすということでなしに、もう少し大きく立体的に考えたらどうか。これは自分の乏しい経験でありますが、戦時中あるいは終戰後私やぎを飼いまして、庭のかえでの枝葉をおろしてえきにし、毎日二升くらいの乳をしぼつた経験を持つております。庭園樹もるいは公園の並木等ことごとくこれをうまく利用すれば、りつぱなやぎの食糧にもなるわけであります。もう少しこれは立体的に考える必要がある。こういうことに対しては、もつと政府は積極的に考えなければならない。私まだ就任日浅いので、私の理想を十分に生かすだけの予箕的措置もありませんが、政府の施策としてこれは考えてみたいと思います。 なお飼料問題の根本的な解決のために私の理想として考えておりますのは、木材の末木枝條、枝その他を燃料に使うことはもつたいない、これを何とか科学的に処理いたしまして家畜の飼料とするということは、その利用にあたつて十分可能性があるのであります。この方面にもう少し十分に利用するならば、おそらく飼料問題は根本的に解決ができるであろう。あるいはまた糖化作用等によつてこれからアルコールをとる、あるいはその他の工業にも十分利用されておる段階になつておりますが、これが家畜飼料としてもう少しくふうの余地があると思う。すでに試験場等ではその研究にも着手しておりますが、将来に対して相当の希望が持てる段階にありますので、こうした研究等を積極的に進めて行くならば、林はやがてわれわれ人類の食糧給源として、大きな農場として生かされる段階になるだろうというような希望を持つておるわけであります。
○竹村委員 無畜農家を解消するという観点から組まれておる、そういう方針についてはわれわれも全面的に賛成するわけでありますが、そこで問題は、無畜農家を解消するという建前から組まれた予算というものは、最も適切な面に使わなくてはならない。少くともほんとうに無畜農家を解消でき得るような、しかも適切な農家に対してそれを使わなければならないと思うのでありますが、しかし本年度の予算のうちの一つを見てみますと、いただいた資料の中の一〇二、中国地方に中国畜産牧場の設置に必要な経費というので千五百万円が組まれているわけでございますが、中国地方に種畜牧場を設置される所在地は一体どこの県にきめられているか。中国地方と言つてもいろいろの県があります。一体どの県にそれを設置されようと考えておられるのか。 もう一つは巷間伝えられるところというよりは、むしろ私たちの広島県の農民組合の人々から聞きますと、まだ予算がきまらない先に中国地方に牧場が設置されて、しかも広島県のどの郡のだれに豚が行き、どの郡のだれに牛が行き、どの郡のだれにめん羊が行くということまできめられているというような報告を私は受けているのであります。それを設置するかせぬかという予算を組む前に、すでにもう個人あるいは一組合にどういうようなものをというはつきりした方針を農林省はきめられているかどうか。これが広島県に設定されて、しかもそういうようなことが考えられているということを農民自身が言つているのでございますが、そういうことをいたしますと、これはあのけちんぼの池田大蔵大臣が、選挙のために農林省にこういうことを押しつけたのではないかという疑念を持つのでありまして、この点をはつきり御説明願いたいと思います。
○長谷川政府委員 御場承知の通り中国地方の農家経営は非常に零細農家が多いのでございまして、この地方に特に中小家畜を入れますことは、先ほど来私が申し上げましたような意味において、ぜひ必要であろうと考えまして、今回特に中国地方を管轄区域にいたしまして中小家畜の牧場を設定することにいたしたのでございますが、その場所は大体今のところ広島県を予定いたしております。しかし広島県のどの地方に持つて行きますかということにつきましては、目下県の方と実地について共同調査をしている実情でございますので、具体的な措置はきまつておりません。最も立地條件のいい所を選びたいと考えている次第であります。従いまして御指摘のように個々の農家にどういう家畜を入れるかということは、全然私の方は関知しておらないところでありましてそういうことはおそらくあり得ないことと考えております。
○松浦委員長 畜産局、蚕糸局に対する質疑はこれで一応終了いたしました。一旦休憩いたします。 午後一時七分休憩 ————◇————— 午後一時七分休憩 午後二時十九分開議
○松浦委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 農政局、農地局、農業改良局、林野庁関係の質疑を行います。足鹿覧君。
○足鹿委員 それでは最初農地局長にお尋ねいたします。いろいろお尋ね申し上げたいこともありますが、昨日農林大臣にお尋ねしたことについて、もう少し掘り下げてお伺いいたしたい。農地改革の成果維持の問題について、昨日も申し上げましたように、農地改革の成果維持どころか、漸次自作農の夢が哀れに消えて行く状態になつておるのであります。その数字的ないろいろなものは農地局でもよくお調べになつていると思いますが、昨年の八月農地改革統制が撤廃になつてから、特にこの傾向は顕著になつておるのであります。これに対しては、農林大臣は非常に困つておるということをおつしやつておりましたが、その正確な資料なり、またこれに対するところの農地局の専門的な立場としてはどういうふうに判断をしておられますか。いわゆる農地改革が十分な成果をあげないで、漸次くずれて行くことに対して、その原因はどこにあり、どういう施策を講じなければならないかというようなことについて、ただ愼重にやつておるというのではなしに、もう少し一般論的に農地局長のお話をこの際聞きたいのであります。それが一つ。 それから農地の災害の問題であります。災害復旧の場合に、現在三〇%の受益者負担が行われておるのですが、これは災害復旧の場合には農民にとつては非常に重い負担になり、その結果いろいろ弊害も出て来ておると私ども思うのであります。災害復旧ということは、もともとマイナスを埋めるというだけのことでありますから、農民がそれにまた三〇%の負担をするというようなことは、非常に重い負担になるのでありまして、各現地では相当これらの軽減方なり全免方について、農民の要望があるのでありますが、これは実際事務的には不可能ですか。何らかこれに対して特別な対策というようなことはできぬものでありますか。たとえば融資の問題、金利の補給であるとか、いろいろお考えになればできないことはないのじやないかという感じを私持つておりますが、そういつた点では施策はないものでありますか。これは現地で切実な声がありますので、この際お伺いをいたしておきたいのであります。 それから軍事基地というと語弊がありますが、まだそういう段階ではないようでありますが、飛行場であるとか占領軍の施設等がまた最近復活して来ております。ところが農民の実情は、当局も御存じのように、戦争中には土地を引上げられ、そうして離職をし、戦後ようやくまたその土地が自分のところにもどつて来て、多大の辛苦艱難の結果ようやくまたもとのたんぼにした。ところがまたそれを徴収されるという二重二重の苦しみを受けておる、非常に気の毒な事態なのであります。これに対して、農地保護ということはもちろんでありますが、これを阻止することもおそらく困難な状態であろう。問題はそれらの農民に対して、生活の保障やあるいは進んでかえ地の提供による農地の維持存続というような、ほんとうに行き届いた親切がなければならぬと思いますが、現地においては必ずしもそうではない。たとえば大蔵省と農林省の間に移管の手続の問題でごたごたしたり、現地の声を聞いてみますと、これらの問題で非常に困つておる。これに対してはもう少し抜本的に——農地局としても農地の保全というような面もありましようが、そういつた気の毒な農家に対して、その農民の生活を保障して行くような理解のある、同情のある措置というものがとられなければならぬと思うのでありますが。大体を通じてどういうような情勢にあり、どういう対策をお講じになつておりますか。それと一括してもう一つ、これは農地局関係か農政局関係かよくわかりませんが、農政局関係でありましたら農政局からもお答え願いたいのでありますが、戰争中食糧増産について日陰樹伐採問題は相当やかましかつたのでありますが、その後日陰樹の伐採という問題は戰争中のようにあまりやかましくなくなつておるのです。私は法律的な関係はよく存じませんが、これは今指導でおやりになつておるか。食糧増産をやつて行く場合に、農山村、特に山村に入りますると、すそ山の日陰樹問題は切実な農民の声になつておる。ところがなかなか山林の所有関係等とからみ合つて力の関係もあつてそう簡単にはこの問題は片がついておらない。これは全国を調べてみますと、非常に山の多い日本においては、相当な面積になるだろうと思う。これを適当に処理することによつて、私は食糧増産は相当期して待つべきものがあると思う。病虫害などももちろん大きな害を与えておるが、この問題はこれを処理すれば的確に増産になるのです。これはそういつた農村の末端を歩いてみますと、切実なそういう問題にぶつかつておるのです。この点農地保全というか、——農地局の所管外かは知りませんが、その点についてどういうような対策が現在講ぜられておりますか。私も研究不足でこの問題はよく内容がわかりませんが、それらの点についてお伺いいたしたい。
○平川政府委員 農地改革の成果が維持できない状態にあるではないか。これに対する対策はどうかというお尋ねでございまするが、一挙にあれだけの自作農を創設いたしましたので、農家経済全体の関係からいたしまして、中には相当経済全体が苦しくなるということによつて、農地を手放さねばならぬという者も出ておるようであります。しかしこれに対しましては、やはり経営全体をよくして行くという総合的な観点から、農家の経済自体をまず強化するということが背景に、全体の政策になりませんとなかなか一部的な施策だけではこの問題は解決できない問題であろうと考えております。農地局の関係する部面におきましては、一方においては、法制的にその農地が自作農として適切な人でない人に渡らないような制限を課するということによつて、かりに所有主がかわりましても、自作農として適当な人がとにかくそれを耕作しておる、こういう状態を維持して行くということを法制的に続けて行きたい、これに対しましては、現在ありまする農地関係法令をこの国会にひとつ一本にいたしまして経常化する案を提案いたしたいと考えております。しかし一面これに対して経済的なバツクがなければ、その法制もかえつて逆に無理であるということにもなるわけでありまして、現在農家経営のために必要な資金面からの援助といたしましては、長期の資金については、御承知の農林漁業の長期特別会計の制度がありまして、土地改良その他の長期資金についてはそれでめんどうを見て行く。また短期資金については、農業手形の制度その他の制度によつて営農資金のめんどうを見ております。今こういう面で欠けておると思われますのは、災害を受けました場合とか、あるいは家族が病気にかかつた場合、それから相続の場合とかいうような場合に、これはやはり長期の資金を要するわけであります。これの使途は必ずしも直接に生産の資金ではありませんが、これに対する融資の道が欠けておるわけです。これにつきましては、何らかの形で農地を担保にした金融制度というものをつくりたいと考えておりまして、いろいろ各方面と折衝をいたしておるわけでありますが、現在のところ、まだその担保金融制度を確立するに至りませんので、昨年から現在の農地関係の強制讓渡の制度を活用いたしまして、そういう災害とか、あるいは疾病とかの関係等で資金が必要であるという場合に、自分の所有農地の一部を政府に買い上げてもらいまして、そうして同時に払下げを受ける年賦償還でこれを償還する、こういうことも考えまして昨年は五億円ほどの資金をもつてそれを運用いたしました。本年は八億五千万円くらいの資金をもつて強制譲渡の方式を運用して参りたい。なお今後の問題といたしましては、自作農の創設維持に関するそういう場合の資金融通の法制的な措置も講じて参りたい、かように考えております。しかしながら先ほども申しましたように、自作農の維持ということになりますと、單にそういう手段だけで万全を期するわけにも参りませんので、全体の農業政策によつて経営自体を強めて行くということでなければいけないと考えておるのであります。 それから災害についての自己負担が非常に無理であるというお話でございますが、災害に対します補助率は、御承知のように公共施設六割五分、農地五割というような、一般の改良事業に比しましては高率な補助をしておるわけです。しかしなお非常に激甚な災害を受けました場合には、やはり負担力が非常に乏しいという場合もあろうかと考えるのであります。これにつきましては、その地帶として非常に激甚な被害を受けました場合には、一定の比較的高率の助成をするような制度を考えたらどうかということで、目下立案をいたしておるようなわけであります。一般の普通の災害でありますれば、やはりどうしてもある程度の補助というところで、やはり若干の自己負担というものはやつてもらわなければならぬのではないか。但しこれについても、なおいろいろ資金的に困ることも考えられますので、農林漁業の長期融資資金におきましても、災害に対する融資という面を加味しております。明年度の長期金融融資の特別会計は全体で約二百億でありますが、そのうち百億程度を土地改良関係といたしまして、そのうち二十億程度をこの災害に対する融資に充てたい、かように考えておるわけであります。 それから第三に米軍あるいは予備隊による農地の接収問題でありますが、これにつきましても、特に開拓地等に旧軍用地を使つております場合が多い関係上、特に開拓地等が大分その対象になる場合があるわけであります。私どもといたしましては、この点につきましてはお説の通り、食糧増産の見地から農地のつぶれることをできるだけ避けたいというばかりではなしに、特に農業者あるいは特に苦労をして開拓をした開拓者のような者が、その生計の根拠を脅かされるということについては、極力これは避けなければならぬというふうに考えておりまして、たとえば予備隊等に対しましても申入れをいたし、特別調達庁の方にも同様に申入れをいたしておるのでありますが、用地の取得につきまして事前によく相談をしてもらう。それからさらに進んでできればわれわれの方も、そういう用地がある程度いることについてはやむを得ませんので、できるだけ農地を避けて、新しい原野であるとかあるいは山であるとかいうような地帶においてその適地を探すことについては、積極的に協力するという形におきまして、できるだけ既存の農地あるいは開拓地のようなものを避けることに努めてもらいたいと考えておりますが、この点につきましては、予備隊等においても相当理解を持つて、できるだけそういう方向で行こうということは言つてくれているわけであります。万やむを得ずして、どうしてもそういう土地を必要とするような場合におきましては、補償の問題等におきまして、従来のような非常に軽少なことでなく、やはり内地において、たとえば農地関係あるいは建設関係等において、水没地その他で農地を立ちのいてもらう場合もあるわけでありますから、そういうような例とも歩調を合せまして、十分な補償をしてもらう。またさらに農林省といたしましては、できる限り新しい開拓地なりかえ地をあつせんできるものはできるだけあつせんをして、生活の根拠を与えることに努め、その経営の安定をはかることに努めるようにいたしたい、かように考えており、また現にできるだけそういう方向に努力をしておるわけであります。 それから陰樹の問題につきましては、お話のございましたような指導で戦時中に若干やつたようでありますが、もとより強制的なものではございません。お話のような効果が相当あるという説もありまして、これについてはやはり指導と申しますか、そういうやり方で適切な場所々々において指導して行くということではなかろうかと存じます。今のところ、まだこれについて深い研究を私どもの方でもいたしておりません。
○足鹿委員 占領軍の使用するいろいろな土地あるいは警察予備隊の使用する土地等ついていろいろ御考慮になつておるようでありますが、これは非常に重要な問題でありますので、何か特別のめんどうを見る面を強化されて、無用の心配をしたり、無用の摩擦が起きたりすることのないように願いたい。今農地局で御担当になつておるこういう大きな問題はなかなか思うように十分手が届かないのではないかと思うのです。これはもう少し一元的に調整をおとりになつて、無用の摩擦や無用の不安や動揺が起きないように、何か機構的にもお考えになる必要がありはしないかと思うのです。私はどうしたらよいかということはわかりませんが、その点もう少し深くつつ込んでお取上げにならないと、これは非常に大きな問題だと思います。あえてそれ以上は申し上げませんが、ひとつとくと御研究いただきまして、それに対しては適切な御措置をおとりになるように、私は特に要望いたしたいと思います。 それから農地改革の成果維持については、農業政策だけからは無理だとおつしやいますが、その通りであります。これは非常に重要な問題ですが、昨日申し上げました九万一千八百七十件というものが一通り表面に出たものです。私ども地方の農地委員会の書記やいろいろな人たちに聞いてみますと、表向きは移動してない、しかし実質的にはいろいろ理由によつて、実際の耕作はもうAからBに移り、BからCに移るという姿で相当動いておる。これは表面には出ておりませんが、実際的には相当に大きな件数があるのではないかと思う。これは農地局関係だけでは処理できない大きな問題でありまして、農地の商品化的な傾向がだんだん強くなると、新しい土地の兼併が行われて、せつかくの農地改革の成果が台なしになる危険が多分にある。この点は農地の移動原因対策について、いろいろ強制譲渡の形等の対策を練つておられるようでありますが、また少し手ぬるいのではないか。もう少し抜本的な対策が考えられなければならぬ。私どもとしては、むしろ逆に大きく第三次まで行かなければならぬというふうな感じを持つておりますが、現実がもう後退しておるので、この点については今とつておられる政府の措置では、とうてい防ぎ切れない段階に来ておる。もつと大きな総合的な見地から真剣にお考えにならなければならない問題があるのではないか。これは議論になりますからこれ以上あまり申し上げません。これは基本的な問題で、この問題に対して微温的な対策をとられておるということは、私ども非常に不満であります。もつと真摯な対策が当然講ぜられなければならぬ。このことだけ指摘しておきたいと思います。 それから目陰樹の問題については指導で行くというお考えでありますが、指導というよりも何か農業委員会の議決承認を得た場合には切つて行くとか、何かそこに農業委員会法あるいは農地調整法の中に織り込んで、これが合理的に行われるような措置を講じられる必要はないのですか。私は指導だけではこの問題は片づかないと見ておるのです。あの戰争中のような窮迫した食糧状態でもなかなかうまく行かなかつた。いわんや今日においてはなかなかそう行かないと思います。もう少し法的な御措置が必要ではないか。これは小さな問題ですが、個々の農民にとつては非常に切実な問題なのです。もう少し御研究を煩わしたいと思います。 それから単作地帶の振興措置法が昨年通過いたしまして、去年の補正にも二十億の予算が盛られ、本年度も相当額組まれておるのでありますが、この事業の施行単位について、昨年以来私どもはあらゆる機会に政府にしばしば要望し、私ども自身も自主的に動いたのでありますが、二十町歩という一つの集団地の施行単位というものでは、山村の小さな村においては事実上該当しないような面がたくさんある。これはお認めになつておるのですが、ある程度運用上においては適宜便宜はあるようでありますが、単位についてもう少し思い切つて五町歩ぐらいまで引下げて行くということを、本年度は全然お考えにならないのでありますか。私は中国地方の日本海沿岸の狭い所におるのですが、中国の春梁山脈から海岸までわずかに八里ないし十里というような、非常に狭い所があるのです。そういう急峻な所において二十町歩の集団地を求めることはなかなかむずかしいのです。特に積雪寒冷地帯は山村僻地がその対象になつておるのであつて、大蔵省と御折衝になつて非常な御努力の結果二十町歩に下つておりますが、これでもまだ実情にはぴつたりしておりません。これはもう少し真剣にお考えを願いたいのですが、現実との矛盾、特に積雪寒冷単作地帶の農業生産力向上を目的とした法の精神からいいましても、これは当然その実情に即したことがなされなければならぬと思うのです。そういう点については本年度は前年通りの御方針でありますか。この点地方の農民は非常に注目をしておりますので、この際お伺いいたしておきたいと思います。
○平川政府委員 ただいまの問題につきましては、御承知のような経緯で、大蔵省といたしましては百町歩くらいを主張しておりました。大蔵省の主張する理由といたしましては、国が補助をして仕事をやらせる以上は、その仕事の内容についで国が責任を持たなければならぬ。現在でも相当人手が足りませんで、大きな仕事についての監督なり実施なりに相当手をとられておる状態であります。末端の非常にこまかいところまで国が責任を持つて工事の監督指導をいだすということはむずかしい。そういう意味において、小さいものについてはこれをなるべく県にまかせるということで、県費でやるという行き方をすればいいじやないか、あるいは長期の融資の方で行くべきである。こういうのが大蔵省の主張の要点でございます。私どもの方も、寒冷地帶振興対策というような法律の面から考えますと、御承知のようにことに山村地帶におきましては地形上非常に小規模のものが多いわけでありますから、これも何とかしたいという、一方に非常に希望を持つておるわけでありまして、そのために大蔵省といろいろ折衝いたしまして、山下においては二十町歩というところまで話合いがつきましたので、一方においてそういう要望があることもよく理解しておりますが、また一面大蔵省の言う国の目がそこまで届かぬじやないかということも、やはり国が助成をする以上は考慮しなければならぬ点とも考えます。実際問題としてみますと、各地方において従来三百町歩以下は全然補助の対象にしないという制度をとつておりました関係上、かなり県限りの助成ということをやつておりましたので、今度国が二十町歩まで助成するということになれば、その面において県が多少楽になる面もあるのじやないか、従つてそれを十町歩、五町歩という小さいものに充てて行つたらどうか、こういう考え方を持つておるのでありますが、二十七年度におきましては、さしあたり二十町歩という点は改正は困難であろうと考えております。
○足鹿委員 日陰樹の問題について林野庁長官にお伺いしたいと思いますが、林野庁としては、そういつた点についてはどういう御所見でしようか。
○横川政府委員 私途中で出席いたしまして、御質問の場合には伺つておりませんので、あるいは少し見当違いのお答えになるかとも思いますが、食糧増産上日陰樹が非常に支障になつておることは私どももよく存じております。私ども直接仕事をいたしております国有林につきましては、日陰地になるようなところは全部伐採するようにという通牒を出して、これは確実に実行されておると思つております。民有林につきましては、先ほど農地局長からお答えがありましたように、やはり個人の所有物でありますので、現在の法制上では、話合いで円満に解決して伐採をして行くより方法がないかと考えております。林野庁といたしましては、食糧増産の立場上目陰地の耕作上支障になるような所は、できるだけ伐採させるように指導をいたしております。
○松浦委員長 足鹿委員の農政局に対する質問は保留といたします。千賀康治君。
○千賀委員 ただいまの御質問に関連したところから先に質問いたしますが、日陰樹の問題であります。日陰樹が耕作に支障を来しておるところがあることは言うまでもないのでありますが、その中で一番むずかしいのは村落の周囲、住宅の周囲の日陰樹で、増産の上からはそれを切れば日陰が防止できる。但しそれを切ると、その木の持主の方からいえば、防風林が壊滅に帰して、家の人々の健康上よろしくない。またはくるみ、うるし、その他の特用作物などは、多く屋敷の中に植えておる。このせつかく相先伝来の計画をもつて植えたものがだめになるということで、話のつかない場合が多いのでございます。かようなわけで林木にいたしましても非常に問題で、山の傾斜が冬向の太陽の投射の角度と大体合つておるようなところは、なるほどふもとの木が日陰になるからといつてそれを伐採してみても、次の一段がじやまになる。それを切ればまた次の一段と、とうく峠まで切つてしまわなければ日陰を清算することはないような場合がよくあるのでございます。かような点もございまして、日陰樹という問題は非常に深刻な問題になつておりますので、法的にこれを措置することはすこぶる困難であると断定をいたします。そこで今まで行われた双方合意の上で、納得の上でとるべきものはとるというところで指導して行く以外にないと考えておりますから、あまりこれを法的にということで、強圧的に措置をして、悔を残すことの方がむしろ考えものであると私は考えております。この点は答弁があつてもなくてもけつこうでありますが、私の意見として申し上げます。 それから予備隊の演習等につきまして、一たび練兵場を開拓地に直した。ところがそこがまた予備隊の演習場に必要であるという問題が起りそうで、地方の大開拓地ではずいぶん人心の動揺を来しておることは事実であります。そこで愛知県の例などを申しますと、豊橋の高師などはかつて非常に雄大な構想になる練兵場があつて、現在は開拓地として非常に有用視されつつあるのでありますが、これが再び練兵場に取上げられるのかどうか、たいへん問題が起きつつあります。そこで私どもは、県の当局あるいは県内より選出されておる国会議員等々といろいろ御相談をいたしまして、かようなものをまた昔に返すということであつては、あまりにも国家的損失が大きいのではないか。むしろこれは、あのところがほしいのだということを所望せられてから、それがよいの悪いのという問題を起すよりも、かえつて自発的に県の中で、あそこが練兵場によいのじやないかというような所をこちらから選定をいたしまして、もしも県内に大練兵場を要するような場合にはここを使つてくれろ、こういうことにしようじやないかということで、今衆議が一決しつつありますが、もしもその土地が、国有林をもつて適当であるというような衆議一決の場合には、国有林を管理しておる林野庁が国全体の必要のために国有林を簡単な手続で提供することはできるかどうか、この点ちよつと伺つておきたいと思います。
○横川政府委員 ただいまお話のような事例がすでに所々に起きておるのですが、いろいろの條件を総合判断いたしまして、どうしても国有林を割愛しなければならないという結論に達しますれば、喜んで提供する考えでございます。
○千賀委員 次は食糧増産について農業改良局長にお尋ねをいたしたいのでございます。ただいま国策といたしまし食糧増産のためにいろいろ措置をとられております。専管予算もそうであれば、また農林公共事業もさようであれば、農薬から病害虫予防、それぞれありますけれども、私は非常に大きなものが一つ落されておると思つております。それは栽培技術によつて増収を得ることが、ただいま私が数えましたものよりももつと近道であり、もつと必要な措置であると思つております。今年は去年より五百万石近くの減収であるということはすでに衆目の見るところでございますが、この減収の原因は何かといえば、栽培技術の拙劣であり、同時にまた指導を誤まつた点に基因しておると思います。多くは硫安の過剰施与またその他の窒素肥料の過剰施与、これが大なる減収の原因のようでございます。これは次に申しますことが非常によい参考になります。もちろんこれはただ参考でありまして、決定したものではございませんが、一昨年の農林委員会におきまして、日本の中から五人の篤農家を当委員会に招聘して、その蘊蓄を傾けて説明をしてもらつたことがあります。その中の一人に栄養週期という学説を立てた方があつたのでございますが、これが大分農林省の在来の指導法とは隔たりが多いので、二十六年度産米から栄養週期と農林省の指導法との比較試験をやることになりまして、全国で四つの大学でその試験をやつてもらいつつあるのでございます。もちろんこの成績は同じ試験を重ねまして三年後にその成績を発表することになつておりますので、今年が第一年でございましても、決してこれが決定的なものではございませんが、われわれの食糧増産も今から三年後にその結果を見て、それから政府にゆるゆると指導してもらつてよろしいというようななまやさしいものではございません。そこでこれはたいへん参考になると思うのでここで申し上げますが、その試験はどちらも三石を標準としてデータが立てられたのであります。おれの方でやれば三石とれるのだということでございます。政府の方から出された——これは窒素についてだけ申し上げておきますが、出されたものは、硫安に換算いたしまして、硫安が反当八貫五百、堆肥が三百貫、これが政府の改良局の方から出された案で、栄養週期の方から出されたものは、堆肥が反当二百貫に硫安が三貫五百、硫安におきましては政府のものよりも榮養週期の方が五貫目少かつた。半分以下の少量であつたのでございます。そしてどちらもおれの方の方法でやれば、三石以上とれるんだという期待で、比較試験が始められましたが、その結果のおもなるものは、東北の盛岡の大学におきましては、政府の方法によるものの方が二斗ぐらい増収になつたということでございます。しかしこれは私は見ません。それから関東におきましては、駒場の農大におきましてやられたものは、どちらも三石ほどとれておつて、さらにその結果は、政府の方法によるものはほとんど五等米であつて、栄養週期の方は三等米どころでとれておるという結果が出ております。これを見ましても、窒素の過剰施与ということは必ずしも増産に一致せぬ一つの参考になると思います。とともに当時問題になつておりました信州松本の赤木某君並びに鳥取の福井某君…。
○松浦委員長 千賀君に申し上げますが、質問の要点を簡潔にお願いいたします。
○千賀委員 今すぐ到達いたします。その大会に出てみますと、いずれもことしは四石を標準にいたして報告されております。さように耕作法、栽培法によりまして、大体ここらでは二石とれるの一石二斗とれるのといつて、減額補正で騒いでおる世の中で、堂々と三石とりあるいは四石とつたという報告でにぎわつておるということは、栽培法によつて増産の実が上るという一つの裏づけでございます。こういうものを無視してただ先ほど申したようなもので、増産々々と言うことは、日暮れて道遠しの感があるのでございますが、政府はこういう事実にはつきり目をあいてもらつて、もしそれそういう人々に政府の指導法として、これを指導させることが危険であると思うならば、今日よりただちに政府の持つておる各試験場において試験を親切に始めて、もしその結果がよいというのであれば、ぜひともこれがほんとうの増収法であるというわけで、宣伝及び指導をされたいと思うのでございますが、改良局におきましては、さような点についてどうお考えになるか伺いたいと思うのであります。
○清井政府委員 ただいまいろいろお話がございまして、栽培技術の改善についてなおもつと留意をする必要があるじやないかということでございますが、これはお話の点ごもつともな点があるのでありまして、われわれといたしましては、もちろん地方の培養その他につきましては、自給肥料の増産その他によりまして、いろいろ対策を講じますとともに、栽培技術の点についてもなお研究を進めなければならぬと思つております。また栽培技術の点につきまして、民間その他において有効な一つの方法が示されましたならば、それを具体的に勘案いたしまして、必要なる場合におきましては、適当に農事試験場においても試験を行い、その結果を待つて必要な措置を講じたい、こういうふうに考えております。なお栄養週期の問題につきましてお話がございましたので、ちよつと触れてみたいと思います。御承知の通り、いわゆる大井上農法の問題につきまして、ただいま三年連続試験の第一年目の結果が出たのであります。しかしながらこれは双方において三年連続して、結果を見た上でなければ公表しないという建前になつておりますので、今ただちにこれを詳細に申し上げることはいかがかと思いますが、ただ簡単に申しますれば、いわゆる四地方の四大学におきましてそれぞれ試験いたしました結果によつては、いずれの試験地におきましても、いわゆる大井上農法による生産額よりも、農事試験場の従来の農法による方が多いという結果が出ておるようであります。こまかい点につきましては、申し上げることはいかがかと存じますので、省略いたしますが、さような結果が出ておるようであります。これは一年だけの結果でわかりませんので、連続三年の結果にまたなければならぬかと思います。
○千賀委員 今のお話では、悪いとおつしやるが、断じてそれは間違つております。私は両方の比較試験を私の目で見つつ、最後の収穫に至るまで、東京の分は実地調査を遂げておりましてこれは双方とも同じくらいで、品質におきましては、先ほど言いましたように、政府の方は五等米、片方は三等、四等くらいのところであります。そこで他の赤木式におきましても、福井式におきましても、非常に共通しておるところは、どちらも窒素をたくさん使いません。どちらも窒素は少くて、ただ太陽光線をいかにして多く吸収せしめるか。この点に苦心が集中されておるようでございます。かような点も確かに篤農家は、新しい構想をもつて篤農の技術を上げておるので、政府は必要と思つた場合はとおつしやいますが、われわれはかような増収の事実をあげておる農法を政府の試験場で試験することこそ、何物をもつてしても否定することのできない必要なことであると思つております。これをただちに試験をして、よければどんどん指導することが必要であると思う。あなた方が必要であるか、必要でないかということをどうして審査なさるか知りませんが、そこには感情が加わつたり、いろいろなものが加わつたりして、来年になり、さ来年になるというようなことでは、日本は食糧の面で破産をする。私はどうしてもこれは必要であると思うので、強くこの点を要求いたす次第であります。
○松浦委員長 農政局長にちよつと御注意申し上げておきます。農政局関係は午前中から引続いて、午後も継続して質疑を行つております。しかるに農政局長は所定の時間に御出席がないために、質疑の進行上きわめて困つております。まことに遺憾でありますので、今後は特に御注意あらんことを願います。
○足鹿委員 ようやく農政局長がおいでになりましたので、午前中からの問題についてまず御答弁を承りたい。
○小倉政府委員 畑作の改善につきまして、いろいろ農政局の考え方を御質問なさつたのでございますが、畑作改善の必要性ないしその重要性については、私どももまつたく同感でございまして、それぞれ施策をいたしておるのでございますが、何しろ関係する範囲が非常に多様で、土地改良の問題あるいは農法の改良の問題、品種の改良の問題があると思います。農政局でやつている分といたしましては、大豆の原種圃ないし採種圃、それから二十七年度から新しくやつて参ります分には、酸性土壌の改良、秋落ち地帶の改良という高度培養の対策を考えたいと思つている次第でございます。なお特殊農産物につきましても原種圃、採種圃といつたようなことをそれぞれ考えております。いも類、北海道のビート糖といつたような畑作の主要な作物につきましては、今申しましたような施策のほかに、税金の関係、特に消費税ないし関税の関係もございますし、あるいは販売の改善などの施策も必要でございますので、そういう点も考えてやつている次第でございます。それからいもの価格の関係におきまして、水あめの物品税の撤廃については事務的にいろいろ話を進めて参つておるのでありますが、現在なかなかむずかしい問題となつております。砂糖の関税に関連して、砂糖の消費税の関係をビートに対して特別に取扱うということにつきましても、大蔵省と事務的に話を進めておるのでありますが、消費税という建前からいたしまして、これまたすぐビートのために消費税が減免されるということは、事務的にはなかなかむずかしい問題でございますけれども、ただいま話を進めて参つております。
○足鹿委員 畑作改善のことを主として御答弁になつたようですが、私の午前中御質問申し上げましたのは、後段に局長がお答えになつた点を重点的にお尋ねしたのです。いろいろ対策を御検討中のようでありますが、これは非常に重大な問題であります。講和後の農政のうちでも、非常に直接的に日本の畑作が影響を受ける大きな問題でありますので、一層これが対策を練つて実施をしていただきたい。大体午前中に言いましたように、六百円の砂糖とすると、いも一貫目が二十三円五十銭ということになります。しかし去年のいもの状態が非常に正常な価格でなかつた。澱粉景気と申しますか、そのあふりを食つて業者が必要以上に高く買つた。不当によ過ぎたということは言えますが、これが二十三円五十銭程度では日本のいも作は成り立たない。これは即刻対策を練つていただかないことにはやり切れない。砂糖に対する政府のやり方によつてこれはある程度きまるのです。ですから、要は大蔵省その他と政治的な面において解決されなければならない問題でありまして、必ずしも局長にこの問題のみの答弁を求めたのではありませんが、しかし専門的な立場から、日本の畑作を守つて行くためにどのようにお考えになつておるかということを聞いたのでありまして、今の御答弁ではどうも十分満足が行きません。なおこの点については、政務次官から御所見がありましたならばこの際伺いたい。おそらく砂糖の消費税が二倍ないし三倍になるであろうということをわれわれは想像しておつた。ところがわずかに〇・七倍程度であるように聞いておりますし、また水あめの消費税の撤廃の問題も、他の問題との関連でなかなか容易にうまく展開しておらないやに聞いておりますが、農林省は砂糖との関連において、ひいては日本の畑作農業に大きな比重を占めているいも、その他の砂糖作あるいは砂糖工業その他農村工業に関連するものを守つて行くために、ほんとうに政治的な考慮を払うお考えがあるのかないのか。きのうは大臣の非常に抽象的な答弁がありましたが、問題が切実であるだけに、ひとつこの際具体的こ——たとえば水あめの問題に対してはどうであるとか、あるいは消費税の問題に対してはどうであるとか、砂糖の一般消費者に対しては自由な配給をやつても、業務用のものに対してはある程度政府がこれを管理しておつて需給の操作をやるとか、いろいろ日本の畑作農業に不当な圧追が来ないようにお考えにならなければならぬはずです。それがまだ研究中とかいうことでは非常にたよりないのでありまして、この点について日本の農民が全国大会など開いて、去年の秋から必死になつておることは御存じだろうと思いますが、その点については今の御答弁では少し手ぬるいと思いますが、いかがでしよう。
○野原政府委員 講和後における日本の農業の姿として、日本農業をただちに世界経済にさや寄せする、また日本農業がりつぱに世界農業に太刀打ちできるという段階に立つてない今日においては、当面のところ相当思い切つた保護政策を考えなければならぬと思います。ただ関税障壁等をいたずらに高くするということは、いろいろな関係でむずかしい面もあります。従つて国内における消費税という形で産業の保護、特に畑作農業の保護をするようになるわけでありますが、具体的な問題につきましては今後愼重に考えて参りたい。足鹿さんのお説等は十分これを尊重いたしまして、愼重に考えたいと思つております。
○小倉政府委員 今のいも対策の問題でございますが、現在の砂糖との関係において、関税ないし消費税の関係について見ますと、これは必ずしも十分でないと考えております。いもの価格をどの程度に見るかということはむずかしい問題でございます。もちろん昨年の価格ということも参照しなければなりませんが、米の価格ないしいもの生産費から見て、少くとも一貫当り二十八円程度は確保したいと考えておる次第であります。ただ最近きまつておりまする水あめとの関係から申しますと、必ずしもそういう価格が確保できないのではないかというふうに心配しております。その点について今後どういうふうにやつて行くか、これはいろいろ研究しなければならぬ問題であるというように感じております。
○足鹿委員 二十八円を確保したいという御構想、大体標準としては少し低いように思いますが、そう大きく私どもの考えておるところと開いてはおりません。大体三十円見当の標準で行けば、一番日本の畑作で中心を占めるいも等は、ある程度経営が維持できる、そういうふうに思つておりますが、この点については、今申し上げましたようないろいろな対策が現に考えられていますので、問題はその政治的に他省との関係において、ひとつ勇断をもつて実行していただきたい。特にこれは要望もあわせて申し上げておきたいと思いますが、あまりこの問題のみでかかつてもいけませんから、農村の組織の問題、特に農業協同組合問題を私はお尋ねしたいと思います。 この点では昨日もいろいろ御論議があつたそうでありますが、現在の農業協同組合に対する政府の施策というものは、育成強化を非常に口にしておいでになりますけれども、検査をやる程度や今の町建整備のごとき若干の施策ということでは、なかなか再建整備もできませんし、ほんとうに育成強化対策が万全であるということは私は言えないと思います。今の農協がどうしてかくのごとき経営不振になつたかということについては、いろいろ原因がありましよう。従つてその農協自身が内部経営の面でいろいろ考えなければならぬ面もありますが、昨日申し直したように、これは一面農協の公共性というような面がありまして、普通の営利企業と同じように営利追求一点ばりというわけには参らぬのであります。そこに農協としては非常な悩みを持つているわけでありまして、そういう点があつて、その点についてはもう少し抜本的な対策が私どもとしては必要であると考えているのであります。たとえば今連合会の例をとつてみますと、農協の一番大きな支出は何であるかと申しますと、いわゆる出資が非常に少い関係もありまして、非常に多くの借入金をやつている。従つてその金利と職員その他の人件費でほとんど全部になつてしまうという状態であります。従つてこの生産協同体としての、いわゆる農協法の根本理念にマッチしたような仕事が何一つとしてできない。従つてそういう面からいろいろ痛烈な農協に対する批判等も出て来ているが、事実今の農協をもつてしましては、再建整備をもつてしましても、こういう基本的な問題に対しては何ら手がつけられない、今政府がおやりになつているのは再建整備をする組合を対象となさつているのであつて、先刻申しました澱粉工業をやつておつた農協というものは、去年一箇年の損失は三十億を突破する。新しく大きないわゆる経営上の赤字を続けて、今年の五月の決算にはまた再建整備を必要とするような組合が続出するのでありましよう。そういう事態になつているのでありまして、事実これに対しては何らかの措置が講ぜられなければならぬ。たとえばその一つの措置として、農業会から農業協同組合は不必要な資産までも譲渡を受けている。ところがこれは拒否しようにも、一応は全部譲渡を受けているのでありますからこれはできない。これに対しても特別な低金利の融資というようなことは考えられておらない。当然これは一つの国の制度がかわつて、そうして農協が義務的に農業会の資産を譲渡された。ところが出資金の少い農業協同組合におきましては、この讓渡資産をまかなうに足らないような出資金の現状のところもたくさんあるのであります。従つてその譲渡を受けた資産に要する資金の重圧、その金利というような点からも大きな重圧を受けている。これらの点についても、当然政府としては特融資金の融通というような具体的な問題も、私は打たれなければならぬはずだと思うのです。これは別に私どもが農協に関連を持つているから農協の立場を言うのではなしに、今の政府が昭和二十七年度の農政予算の説明にあたつて言われた、農民の自主的な協力を求める組織と言えば農協以外にほとんどとるべき組織はどこにありましよう。しかもその農協は再建整備を必要とするような農業協同組合が続出し、気息えんえんたるものがある。しかも新たなる農村経済の動向は、さらに再建整備を必要とするような農協の続出を見んとしている。しかもこの農業協同組合は各種の業態にわかれて分裂状態を続けておる。こういう状態からいたしまして、今の農業協同組合合法が非常にいろいろな点において、根本的に再検討をされなければならぬ段階が来ておるように私どもは見ておるのであります。本日の新聞を見ますと、水産関係の方面におきましては、全国組織の強力なものをつくつて行くという法の改正を用意しておられるやに聞いておりますが、これらの点について、農業協同組合関係には拔本的な考えはないのでありますか。主管局としては一体どういうふうにごらんになつておりますか、この問題についてお伺いいたしたいのであります。主として根本的な問題と、農業会の讓渡資産に対するところの特融資金の融通というような具体的な措置等に関連しまして、お答えを願いたいのであります。
○小倉政府委員 農業会の資産を協同組合に引継ぐという場合の金融ということにつきましては実は考えておりません。もつともこのこともあるいは関係するかもしれませんが、だんだん統制がはずれて参るということになりますと、特別の金融的な措置というものがおそらく必要になつて来るということは当然予想されますので、麦などの統制撤廃の様式等を考慮いたしまして、その金融的な措置についても考慮いたしたいと思つておるのであります。同時にまたその他の事業面におきましても、たとえば農業倉庫の新築、あるいは改修といつたような面についても、金融なり補助の道がぜひ講ぜられる必要があるということは、これは御指摘の通りだと思います。なお協同組合制度の根本的な改正ということにつきましては、一部そういう御意見の向きのあることも承知いたしておりますけれども、もう少し事態を見きわめまして、今の生産協同体としての協同組合のあり方がいいのかどうかというふうなことは、よく検討の上、他日またいろいろ御意見を承りました上で考えたいと思います。
○足鹿委員 どうもはつきりとした御答弁がいただけませんから、農政局長に対する御質問はこれでやめます。 農業改良局関係について最後に一つお伺いします。本年から新しく強化される制度として農業観測制度というようなものが相当経費が増額されておりますが、今も農業協同組合の際にも申し上げましたように、いろいろ向うさんの方から御指導を受けられると、これをいい悪いということを一々御検討になるでありましようが、とにもかくにも一応お引受けになる。若干それが軌道に乗りかけるとまたそれが廃止の機運になるというようなことがある。これは過渡期の状態でやむを得なかつたことがずいぶんあると思います。この農業観測制度というものは非常にけつこうな制度だと思いますが、それでなくても基本的な国家の農政百年の大計をつくる、基礎的な統計調査に対しても、政府は昨年は大なたを振つて大整備をやろうとした。そしてまた新しくこういう別な観測制度というようなものがひよつこりと出て参つておりますが、全体としてこういうことでほんとうに農業改良局関係の大きな部門を占めておる統計調査関係は完璧だと言えるのでありますか、たとえば米の価格を決定するに際しても、昨日も農林大臣は生産費を計算するにしても、どこを限界点にとつていいか見当がつかない。資料も不十分であるということを言つておられる。ところが一方において、政府は統計調査部の機構に対して、ほとんど皆無にひとしいような削減を去年やろうとした。しかも米価をきめるのにも資料がない、資料がないというのがいつも逃げ口上である。これは矛盾もはなはだしいと思う。むしろ真に合理的な価格保障をやつて行くのならば、ほんとうにこれを生み出すところの科学的な調査機構を整備して、何人も納得の行くような価格保障の基本を樹立して行くことこそが今日大事ではないかと思う。そういつた点について、統計調査部関係にしても、政府はいろいろお考えになつておるようでありますが、こういつた統計調査事業を、新しくやられる農業観測事業という一連の関連のある仕事に対しては、今後確固不動の信念を持つて不備な資料を整備し、日本のすべての農業政策の基本を確立して行く大信念を持つておられるかどうか、私はこの点について切実に——職員の首を切るとか切らないとかということではなしに、従来の政府の農村施策が、いろいろな面で資料不足を口にして逃げておられる点がありますので、この点特にはつきりと伺つておきたいと思います。
○野原政府委員 農業統計調査部の問題につきましては、この仕事が日本農業の基本をなすものであつて、きわめて重大であり、またこの仕事を今後も政府は今までのような態度ではなしにはつきりしだ考え方で進んで行かなければならないという足鹿委員の御説には、私もまつたく同感であります。従来統計調査部が、いろいろな形で機構改革等の対象になつて、いろいろな不安がありましたことははなはだ遺憾でありましたが、幸いにいたしまして、現在のような形でりつぱな仕事も十分やり得るようなことにも相なつております。今後は従来の仕事はもとよりのこと、新しくできましたアウトルツクの仕事等についても、統計調査部の仕事は十分やつていただきまして、日本農業の進歩と発展に、その基礎的な力を発揮させるに役立たしたいと考えております。
○河野(謙)委員 ごく簡単に農地局長、統計調査部長、農政局長にお尋ねしたいと思います。 まず農地局長にお尋ねしたいのは、局長も御承知のように、本年の土地改良の予算はきわめて少額であり、われわれは不満足であります。しかし他の内政費が一般に削られておる面から言いますと、われわれがいかに土地改良に重点を置き、ひいては食糧増産に重点を置いているかがわかる。そこでこれを最も効果をあげなければならないが、一面において食糧増産にマイナスの面が非常に多い。その一つは災害であり、もう一つは最近全国的に工場のために地目の変換が多い。これは私、ごく大ざつぱでけつこうですが、過去一箇年の間にどのくらい工場その他の非農地に、農地が転換されたかということを、数字的にお尋ねすると同時に、これについて私は過去について一つの批判を加えたいのですが、今まで工場への転換につきましては、無秩序に、無計画に、ほとんど盲目的に農林省は判を押しておる。私はそうでないという事実はほとんど聞かない。これも他の商工業の発展のために不必要なものではありませんけれども、少くともこれは厳重な検査、嚴重な調査をした上で、これについて許可、認可を与うべきである。そういうことを、私の知つておる範囲ではほとんどやつてない。そこで一体過去一年間にどれくらい農地がつぶれたか、同時に、今まではさておいて、今後こういうような申請が出ました場合に、どういう基準において工場その他に地目変換の許可を農林省は与えるつもりか、どういう場合にはけ飛ばすつもりか。このはつきりした基準をひとつ私は聞きたいと思う。従来のように、ほとんど無計画にやるようなことでは、一方において土地改良をやりましても何にもなりません。これについて、今までの経過は大体でよろしゆうございますが、今後のあなたの腹をしつかりと聞いておきたいと思う。
○平川政府委員 昨年の実績はまだ数字が、まとまつておりませんが、過去の大勢を大体申し上げますと、工場だけでなく、学校もございますし、その他鉄道の敷地とか、道路の敷地とか、いろいろとりまぜまして、農地の壊廃の面積は三万町歩弱程度であります。そのほかに災害によりまして壊廃されて、その年に復旧にならないというものが四、五千町歩あるようであります。これが大体毎年の荒つぽい数字であります。これにつきましては、実は私どもも非常に悩んでおるのでありまして、御承知ごとく、一定面積以上のものは、農林大臣の許可がいるように法で制限をしでおりますが、実際にこれを申請して参ります場合においては、申請者である工場等はもとより、多くの場合においては、府県そのもの、あるいは市町村そのものが誘致運動をやつておる場合が多いのであります。しかも農民自身がまたそれに賛成をしておるというように、現場におきます関係者のすべてが賛成をしておるという場合が多いわけであります。農林省も、そういうのをむやみに一人でもつて拒絶するということが、非常に困難な立場応追いやられる場合が多いのであります。これは実際の問題を申し上げておるのであります。しかしながら、そういうことでは困るわけでありまして、私どもといたしましても、工場そのものは必要であつても、農地をつぶさずに、何かほかの土地でそれができないものかということを、調査の場合にいろいろ検討をいたしまして、これ工場方面からのいろいろな要望の立場もあるわけでありますけれども、何とかして農地を避けて、ほかの場所でやつてもらう方法はないかということを検討いたす点に主眼を置いて調査をいたしておるのであります、そういう余地のある場合には、できるだけそつちでやつてもらうというふうにいたしております。 今後の基準について、どういうふうに考えるかという御質問でございますが、これは農林省だけの立場で判断しにくい、ほかの方面の必要性という問題もありますので、まだ明確な基準というものを確立しておりませんが、ただいま申しましたように、何らかほかの土地で、農地をつぶさずにできるものについては、できるだけその方でやつていただく。事柄自体においても、どうしてもその土地でやらなければならぬような緊要な施設であるかどうかということは、もとより当然第一に考えらるべきことで、そのほかにそういうことをひとつやつて参りたい、かように考えております。なお、これはまだまつたく私ひそかに考えておる程度のことでございますけれども、どうも農地をつぶすことが、ほかの土地を使うよりも割安である。工場自体にとつてかえつて有利であるという状態が多いのであります。こういう点を、ほかの税制なりその他の関係においてその條件をかえて行く必要があるのじやないかということも、私ひそかに考えておりますが、具体案は持ちません。そこのところが根本的に工場を誘致し、工場が農地をつぶす一つの原動力であるということを考えております。何らかこれに対する対策はないものかと私は考えております。
○河野(謙)委員 今農地局長はひそかに考えておるということでありますが、この問題は何もひそかに考えておる必要はない。これは今なおひそかに考えておるというようなことでは、相かわらず地元の村長さんなり県知事なりが一体になつて、今後同じような運動がますますやかましくなつて来る。その場合に、許可の権限は農林省が持つておりましても、これをこばむ何らの力がない。これはこばめないじやないですか。でありますから、今あなたがひそかにお考えに、なつておることを公に、さつそく具体化されて、これに対しての一つの法的なものさしをつくるということにされたらいいと思う。私は非常に遺憾に思うのは、これは全国的な問題ですが、御承知のように、終戰後大蔵省が戰争当時の軍需工場を今国有財産としてたくさん持つております。これが一部の利権屋の手によつて、一時使用の名において国有財産を独占しておる。そうしてぺんぺん草を生やしておる。こういうことが全国的に非常に多いのです。そういうところに工場を持つて行けば非常にいいものを、これらに対しては大蔵省のにらみがきかぬというか、監督が悪いといいますか、一時使用の名のもとに利権屋が握つておる。そうしてこれを放つておいて、五年前、七年前に国費をかけ、県費をかけて土地改良をやつた所が、どんどんつぶれて行く、これではあまりにひどい。われわれとしても看過できない問題です。でありますから、どうか今あなたのひそかに考えておるということをさつそく具体化されて、おてんとうさまのもとで堂々とやられるように、私はこの機会に切にお願いをしておきます。 それから次の問題は、改良局と申しますか、統計調査部の方に伺いたいのですが、先ほど足鹿君からお話がありましたが、統計調査の方では私は非常にいい勉強をされておると思う。また非常にいい資料がたくさん出ております。しかしこの農林省の統計調査部の資料は、單に農林省の資料であつてはならないと私は思う。少くとも、農林省関係の統計調査としては、これは農村に限らず、税金の問題その他につきまして、大蔵省も支配し、また政府全体の機関を支配する統計資料であつてしかるべきだと思う。しかし私は今まで他の省に、この貴重なる資料が力を及ぼしていないというように思いますが、この点について一体現在、たとえば税金関係についですが、この農林省の統計調査の資料が大蔵省をどれだけ支配するだけの力なり、どれだけの連絡が大蔵省とできておるか、これについて私は伺いたいと思います。
○安田説明員 統計調査につきましては、できるだけ予算、人員等の許す範囲内で勉強をいたしておるつもりでありますが、なお不備なところも多々ありますので、今後せつかく勉強をするつもりであります。河野委員の具体的にお話になりました農業課税につきます分の調査の利用と関係官庁間との接触についてその例を申し上げますと、農家経済調査というものを全国で五千五百やつておりますが、これによりまして、少数でありますが、日本の大体の農家の所得、農業収支の事情、農業外資産の収支の事情、家畜の事情等を解析いたしましてこれを大蔵省の主計局の方に連絡をいたしまして、農業所得の担税力の判断にしてもらつておるのであります。過般シヤウプ博士が来日されまして、大蔵省を通じまして日本政府にあるいは大企業、中企業、都市の労働者、農業等における担税力の具体的、科学的な調査に基く資料の提出をして、そうしてその上で税制改革をしようじやないかというような話がありましたときに、シヤウプ博士の税制改革調査団に出せたものは、この関係では農林省統計調査部の調査に基く農業関係のものだけであつたのであります。また同時に税の関係にいたしましても、皆様御承知と思いますが、作物調査というものがございまして、農業生産所得の一番大きなもとであります重要な農作物の生産状況がわかりまして、これによりまして各地方ごとのその年の被害をも合わせますと、農業収入及び所得状況がわかりますし、あわせて生産費調査等もやつておりますので、この関係を見まして、これは国税庁等と連絡をとりまして、向うから私の方の本省及び各地方の事務所に資料の提供方の要求がありますが、これらにつきまして統計法の許す範囲で提供して、税務行政に参考資料になるようにもいたしている次第であります。 以上例をあげましたことで、他のことも御想像を願いたいと思うのであります。
○河野(謙)委員 忘れないうちに、ちよつとお聞きしておきますが、統計法の許す範囲というひとを御説明願いたいと思います。 それから実は過日の米価審議会で国税庁の長官その他主税局長に。農村課税については農林省の統計調査の数字を大いに使つてもらいたいという話をしましたところが、ぜひ参考にしたい、参考とは何かということを聞きましたところが、もし大蔵省の税務署自体が調査した数字と、統計調査の方の数字が違つた場合には、従来は税務署の数字を一方的に使つていたけれども、今後は積極的に統計調査の方の数字を使う。そうしてこれを真の意味の参考にするということになつている。ところがそのとき大蔵省から逆襲を受けた。というのは、農林省の方では大蔵省が必要とする時期に必要な資料を出してくれない。今後大いにその趣旨に沿つてやるから、農林省の方でも協力してもらいたい、こういう国税庁長官からのわれわれに対する逆襲であり、希望であつたのであります。これについて一体従来どうなつているか。この問題に対する従来のことは責めませんけれども、大蔵省がそう言つておるのでありますから、今後必要な時期に、必要な資料を大蔵省の要求に従つていつでも出せるかどうか。この必要な時期に必要な資料が出せるか出せないかという問題は、統計法の許す範囲でということにからみ合つていると思いますから、お伺いいたします。
○安田説明員 先ほど私が統計法の許す範囲内でと申し上げましたのは、統計法には規定がございまして、河野さんというお名前の農家について生産物の状況でも、経済の状況でも、生産費の状況でも、その他の状況でも調べましたときに、その個標は、統計をとりまとめて全体としての意味が出るためにその個人を調べますので、その個標そのものは、他の目的に利用しないという原則があるのであります。もつともこれは使用方法を総理府にありまする統計委員会というものがよく審査しまして、その調査された農家の方に弊害がなく、将来あるいは一般的にそういうふうに使われるために、今後統計をとるときに曲がつた数字が出て来たり、作為が加えられて出て来たりするような弊がないと認めます場合には、これを承認してから使うということに、そういう規定もまたあるのでありますが、その範囲であるのであります。 第二点の国税庁のお方のお話は、そのとき私おりませんで、そのことを端的にお聞きいたしませんので、よく存じませんが、国税庁から依頼がありまして、全然資料を出さなかつたことはないことと存じております。私どもも本省から要求があつて、農村のため、あるいは農家のため、農業のためになるというものは、必ず積極的に出すように地方機関に指導、指示をいたしております。もし必要な時期に必要な内容のものが直接税関係に必要な形で出ないという御不満がありましたら、それは先ほど申しました統計法の関係だけだと思うのであります。
○河野(謙)委員 必要な時期に必要な資料が大体出せる。統計法の許す範囲内においては出せるということでありますから、われわれは今後大蔵省に向つては、その統計調査部長の言葉を信頼して、われわれも今後積極的に大蔵省の方にも統計調査の数字を使うように行動をとりたいと思います。 そこでもう一つ最後に、これは簡単に伺いますが、現在税金関係では昨年に対して四割とか五割とかいう増加で、むしろ強制的な申告をさすべく全国の税務署は活動しております。これにつきまして一体——これはここで個個の問題を引くわけに行きませんが、統計調査部長の耳に私は入つておると思う。その場合統計調査部としては、あなたの方の資料に基いて——昨年に対して大蔵省は三割とか四割とか五割増しであると言つておりますが、あなたの方では一体幾ら増しくらいが妥当であると思うかということは、今ここで答弁を求めても無理だと思いますが、それぞれ統計調査の方から出た数字で、昨年の何割増しが妥当であるか、統計調査部としての見解が出ますかどうか。今までの作報というものは農家をいじめる機関だつた。もうそろそろ農家にサービスする機関にかえてもらわなければならぬと思う。そういう意味合いで、大蔵省の税の問題がわかつたときは、いち早くそれに対して統計調査の方の資料を出して、大いにわれわれの方の参考の資料にしていただきたいと思うのです。また私が言うまでもなく、すでにそういう問題については、大蔵省の見解はこうであるが統計調査部の見解はこうであるというものがあれば、今ここで御説明願いたい。なければ近々のうちに、これは私だけでなく、同僚議員の方にひとつ来年度の課税については幾らであるかというあなたの方の腹を、数字をもつて示してもらいたい、かように考えます。その点についてひとつ……。
○安田説明員 農林統計調査が農家、農村のために、あるいは農業のためになるように活用することに関しまする河野委員の御意見は、その通り全力をあげて農林省の統計調査部としては努力をすることにいたすつもりであります。そのほかの具体的な御質問に対しては本日申し上げる必要はないというお許しがありますが、御質問の点に関しまする問題は、どのくらい大規模に調査したものをどう使うかとか、たとえば具体的な甲、乙、丙という農家ごとの所得に対する税について見るか、六百十七万戸の農家の中で五千ぐらいあれば、その調査に従つて全体を推計して出すものか、あるいは所得そのものを生産地と経費とに則して見るかにつきまして、税の基礎にいたしまする所得、それから支出経費を引きました収益ともいうべきものを把握する方法には二方法少くとも体系がありますし、適用する基礎の調査にもいろいろありますので、簡単にはなかなか出ませんが、御指摘の点を乱暴に私個人の責任として判断いたしますれば、河野先生が今四割とおつしやつたことは、米麦その他の収入の増等で見れば間違つていまして、今後研究さしていただいて訂正をさしていただくかもしれませんが、四割というのを二割と改めたらよほどひどくはかわらないであろう、こういうふうに思います。
○河野(謙)委員 それでは統計調査部長に、今の四割がいいか二割がいいかにつきましては、具体的にもう少し研究し、あらためての機会にまた伺いたいと思います。 次に農政局長に一、二ごく簡單にお尋ねしますが、先ほどかんしよの価格の問題が出ましたが、米と麦のような統制をしておるもの以外の農産物、すなわち自由な作付において自由に販売しておる農産物といえども、決して政府は価格その他について無関心であつてはならないということは、私が申し上げるまでもない。現にかんしよにつきましては、少くとも二十八円を最低として価格の維持をしなければいかぬという御見解を持つておられるようですが、ついでに菜種について——他の経済事情は別にして、あなたのかんしよにおける二十八円と同様な計算において、菜種については一体どのくらいの価格を今後の価格政策の上において基準としておられるか、これを私は伺いたいと思います。 それからもう一つ耕土の問題ですが、さつき酸性土壌の話が出ましたけれども、耕土培養についての予算を、大した大きな予算ではありませんが、一応酸性土壌の解消ということを大きく旗を掲げ、予算を組んでおられますが、一体酸性土壌の解消とは何か。肥料関係で言えば、硫安なり過燐酸による被害を少くしよう、従つて石灰窒素なり溶成燐肥をどんどんふやそうといつたところが、これはあなたの責任においてはできないことだけれども、通産省の関係になりますと、一体石灰窒素や溶成燐肥を増産するような施策があるかどうか。むしろ減産に導くような施策をやつておる。電気の配分についても石灰窒素は第三種であつて、硫安は第一種である。農林省と相呼応して、通産省が石灰窒素の増産のために、また溶成燐肥の増産のために、電気を硫安と同じような第一種に持つて行くというようなことは、すでに通産省と連絡ができて、また公益事業委員会と連絡ができて、これは了解事項になつておるかどうか。これはなつておりません。ただいたずらに農林省が耕土培養だとか酸性土壌解消だとか言つてみたところで、これは絵に描いたぼたもちだ。これについて、一体現在まで通産省と一体になつてどのような具体的方途がとられておるか、これを私は伺いたいと思うのです。 時間がありませんからもう一つまとめてお尋ねします。農業協同組合の問題ですが、足鹿君からも農業協同組合の問題についていろいろありましたが、私はこの農業協同組合の問題の中で、全指連の問題——指導連というものは、今のような販連や購連から金をもらつて居候のような扱いをされて、はたしてこれが農民を指導する機関としてほんとうの権威ある活濃な活動ができるかどうか。従来は司令部やその他の関係でやむを得ない事情があつたでしようが、今後におきまして、非常にしつかりした思想を持ち、学者とも私は考えておるほどの新しい農政局長が、指導連についてどういう考えを持つておられるか。従来同様な、全購連、全販連の寄生虫的存在のような、その方から金をもらつているまるがかえのような形においては、活溌な活動はできない。これはまつたく経済的に独立した指導連にして——独立した指導連というのは何かというと、国の補助によつて国費をある程度これに補助してそうして指導連がまつたく経済的に独立した、権威ある、経済的に何らの心配のない活動ができるということにしなければならぬと思うが、これについての御見解を伺いたい。現在協同組合は非常に困つておる。それは借金で困つておる。増殖もしなければならぬ、再建整備もしなければならぬ。ところがこういう問題の一番根本的の問題は、農民が協同組合についての深い理解を持つということ、農民が協同組合と同じふところに入つて一体になつてやるということなのです。それには農民の教育だ。これはどこから始まるかというと、指導連の活動から始まる。ところが今の指導連は、私が申し上げましたようにまつたく寄生虫的存在である。全販連や全購連のまるがかえだ。全販連や全購進は何をしているかというと、同僚の平野君からも批判がありましたが、まつたく商業資本的活動をしておる。農民の代表の機関として非常に疑わしい行動が多分にある。これらの点はまず指導連によつてたたき直さなければならぬ、それについての指導連に対するあなたの御批判を伺い、同時にあなたの御見解を伺いたい、かように思います。
○小倉政府委員 菜種の価格の問題でございますが、これはなかなかむずかしい問題でございまして、本年産の菜種の集荷ないし金融、価格安定等について、関係者としてどの程度の価格を目安に置いたらいいかということは、ただいま検討いたしております。資料の立て方によりまして若干違うのでございますので、今ここで三千何百円ということを私申し上げるわけに行かないのでありますが、近日中に資料もそろえまして御提出いたしたいと思います。 次に耕土培養に関連して肥料のお話でございますが、お話しごくごもつともでございまして、私どもとしては石灰窒素の増産並びに溶成燐肥といつたようなものを特に重点的に増産してくれるようにということを希望いたしております。そこで生産計画におきましても、硫安と石灰窒素重区分しまして生産計画を立てるということを通産省に申し入れて、ただいま話合いをいたしておる次第であります。まだ結論が出ておりませんけれども、そういう要望を関係筋にいたしている次第であります。 また指導連につきましての御見解も、私まつたく同感でございます。現在の指導連の構成が、経済事情が連合会に主としてよつておるということの結果、財政的にも、また指導面においても非常に欠くるところがあるのじやないか、この面につきまして再検討するということはしごく必要ではないか、場合によりましては法制的な措置が必要かもしれませんが、それがなくても、現在の法制のままでも、ある程度今お話のような農民の指導あるいは協同組合の育成といつたような点に十分働ける連合会にして行くことが私は必要であろうと思いまして、この点につきましても関係者と話合いを進めておる次第であります。
○河野(謙)委員 今の菜種の問題はひとつ具体的に、至急政府の腹を教えていただきたい。それから酸性土壌の問題は、あなたの方で酸性土壌解消の予算を組んでおいて、そうしてこれから折衝するのだ、しかもその折衝がどうなるかわからないというようなことでは、少しちぐはぐだと思うのでありますが、できてしまつたことはしかたがありませんから、しつかりと下つ腹に力を入れて、公益事業委員会というのはなかなかきついですから、よほどあなたが下つ腹に力を入れてやつていただかなければなりませんから、お願いします。最後に今の指導連のことでありますが、願わしいことでありますけれども、さらに今のままでもやればやり得るというが、しかし金がなければできません、神聖な工事だつて金がなければできない、まして事業をやるのに金がなくてできるなんてばかなことはない、人から金を借り独立性を持つなんということはできない。今までの日本の姿でよくわかつておる。ですからそう慎重にかたくなつて答弁をされなくても、もつと率直に、やらなければいけないならいけないということを言つてもらいたいと思う。これも時間が長くなりますから、あらためての機会にまたお尋ねしますが、ひとつ勇敢に、指導連の問題も、ほんとうに指導連に独立性を持たして、真の農民の指導機関となるように、あなたが新農政局長として発足にあたつて、さつきの農地局長の話ではありませんけれども、日陰でものを考えずに、表向きにものを考えてもらいたいということをお願いしまして質疑を打切ります。
○石井委員 農政局長に簡單に二つばかり質問します。初めに相続法が改正した後、ちようど山添次官が農地局長だと思いましたが、その当時相続法の関係上分割相続になる、こういう関係でどうしても農業資産相続法というものを制定して、特定人に相続をさせないと、日本の農家がいよいよ零細化して維持ができない、こういう議論から農林省から法案の提出があつたのであります。われわれはその当時、もう少し経過を見てからでいいのではないかという立場をとつて反対をいたしておつたのであります。農林省も一応それを撤回いたし、その後しばらくこの法案については音沙汰なしになつておりますが、過日新聞を見ますると、今度は相続税等の改正があつたから、もうこの法律を出さないで、税金方面等いろいろ勘案をしてやつて行きたい、こういうふうに発表されたのであります。農業資産相続法という法案は、いろいろと農林省もその後の調査研究の結果、もはや必要がなくなつたとお思いでありまするかどうか、その後の経過を承つておきたいと思うのであります。
○小倉政府委員 ただいまの農家の資産相続についての御質問でございますが、今お話の通り、相続の特例につきまして提案したことがかつてございますが、いろいろな事情でいまだ成立いたしておらないのであります。それが税金とどういう関係があるかと申しますと、これは相続税が過重であるということのために、その点から分割をするというふうに拍車をかけているのではないかという点も心配されたのでありますが、今回の改正案によりますと、その点については相当是正されておる。従つて相続税法の関係においてはほとんど問題がないのではないかと思うのであります。しかし新しい民法の相続と、農地その他の資産との相続の関係については、やはり問題がある次第であります。私らとしましても、実態調査などをやりまして研究を進めておるのでありますが、何しろ新しい憲法の考え方と、農家の農地その他に対する相続の考え方と調和させるということが非常にむずかしい問題でございますので、速急に立案して提案するというつもりにはなつていない次第であります。
○石井委員 その点は十分に調査研究をお願いしたいと思うのでありますが、一点申し上げたいことは、これは農地局等に関係があると思いますが、今までは大体金をもらわないで農村の次、三男あるいは弟妹が、相続のときにおきまして相続放棄に判を押しておつたのであります。大体そういうふうな習慣で判を押しておつた。ところが最近では次第に民法の相続法の改正等に目ざめまして、いくらか出さないと判を押さない、こういうような傾向が次第に現われて来たわけであります。そこでおやじが死にますと葬式を出す。そのところでもつて例のみなし所得というような関係で所得税がふえる。かつまた相続税の問題等も出て来る。そこで弟や嫁に行つた妹たちまで、いくらかくれないと判を押さない、こういうことになりますと、そこにおいて実質上相続する長男あるいは適当なるところの後継者が、土地を処分しないと金策的に困る。金策をしてやらないと争いが起る、こういうような場合ができるのであります。そこで今回自作農創設の結果を維持するために八億円ばかりの予算を組みましたが、今後そういう場合におきまして、弟妹が金がほしい、そうでなければ自分に土地をいくらかわけろ、こういうような議論が出るというような場合において、この金を貸してやるというような形をとるのであるかどうか、そういう場合に、もしこれを貸さないのであれば、何か適当な方法を御研究なさつておるかどうか、この点を承つておきたいと思います。
○平川政府委員 ただいまお話のような傾向がだんだん見えて参りましたので、これを先ほど申しました自作農維持のための資金融通の対象として考えたいということで研究し、各方面と交渉しておるわけであります。さしあたりの問題といたしまして、先ほど申したように資金融通という形はとれませんけれども、強制譲渡の形において一応政府に土地の一部分を譲り渡して、反当り五千円くらいの対価を受取つて、それをまた年賦償還によつて政府から払下げを受けるというような、少しまわりくどい方法でありますが、その方法によつて実際上は反当り五千円程度の資金の融通を受けたと同じ効果を期するという意味において、強制譲渡の八億五千万円というものを予算に計上しておるわけであります。なおこれの一つの見返りとして、農林中金等からその程度の、つまり土地の価格五千円程度については金融をしてもらうということを今交渉いたしておるわけであります。資金融通法というようなものができれば完璧かと思いますが、ただいまそういうことを考えております。
○石井委員 そういうような問題を処置されれば、相続をめぐる財産分割の争いもおのずから解消されようと思うのであります。農業資産相続の特例法等の制定については、現在の農業経営の責任者である父の封建的支配権をいたずらに強化するというような問題もありますので、各角度からそれらについては御研究を願いたいと思います。 ここでその点について一言農林省にいろいろとお願いいたしておきたいことは、ほかでもないのでありますが、相続のときにおきまして、相続放棄の判を押すというような形になりますと、民法上から行きますとどうしても相続放棄をすればあとに残つたところの單一相続人が全財産を相続したというようなことになろうかと思います。そこで今後の土地というものの価格が、現実に二毛作等において何らかの形において取引される場合においては、普通の田においても六万円なり七万円くらいの価格で取引されるというような形が現われつつある。それで相続放棄をされた後において、税務署等が今後相続税を幾らか上げたいという立場になりますと、こういうふうに取引されておるのだからここまではかけるというような形になりますと、相続税法の改正もまた農家に益するところがなくなる、こういう場面が現われて来ると思います。そこで相続の放棄というところの一片の形によつて、ある一人が農家の全財産を相続したということによつて弊害が起つた。あるいは司法書士に頼みますと、司法書士が他の弟妹は事前に父から財産の贈与を受けた、こういう書類をつくりまして、そうして共同相続の場合において自分は持ち分がない、こういう登記をいたすわけであります。税務署等におきましては、やかましく言うとあなたの長男が全部の資産を受けた、それと同一の財産を次男が父から受けたというのですから、どの兄弟にも全部、お前はこれだけの相続を受けたのだから、お前にも相続税がかかると追究されても余儀ない立場ができまして、いろいろと農村にも悲劇ができて来ておるのであります。そこで実質上の問題といたしまして、どういうふうに相続の手続をとらせたら一番農家の相続税の負担が軽くなつて被害がないか、あるいはまたいろいろなあと腐れがないで済むかというような点を、農政局や農地局等においても御研究をしていただいて、そうして農村の相続人をめぐつたところのいろいろな悲劇のないようにやつていただきたいと思うのでありますが、そういうような点につきましてお気づきの点、御研究の点がありましたならば、御答弁を願いたいと思います。
○平川政府委員 ただいまお話のように、いずれも実際上は法規をくぐつたようなやり方をしているということでありまして、私どもそのやり方についての研究はまだよくいたしておりません。さしあたり農場全体を相続するだれかが、別に金でその他の相続人の相続分を引受ける、そのための資金を融通してやるということで現実的にはある程度問題は解決して行くのではないか。それからさらに進んで農業財産についての相続をある程度認めた形で、しかも税関係等において過大な税をかけないようにということについては、さらに研究をし、関係方面とも相談をするように持つて参りたいと考えております。さしあたり相続税法の改正によりまして、大体東北で一町強、あるいは西の方で五反強というようなところは無税になる見込みでございます。免税点の十八万円というものが三十万円に上る予定であります。また評価の問題につきましては固定資産税の評価によることになつておりまして、二十七年度におきましては、大体反二万一一千円という評価がされる見込みでございます。これの実際の取引が六、七万円であるということによつてそう高くなることはないと思うのであります。さしあたり相続税法の改正によりまして、実際問題として免税される場合が多い。また税がかかりましても従来よりはずつと少く、たとえば東北で一町五反くらいのところをとりましても、大体三万円強くらい、西の方で八反歩くらいのところをとりましても三万一四、五千円、それを十年間で分割して支払う。なお延滞利息についても従来日歩四銭のものを二銭に下げる、こういう案になつておりますので、よほどその点が緩和されると考えております。
○石井委員 いろいろ御研究を願いますが、今後におきましても、いろいろと農村においては法律を知らない関係上問題が起りますから、常に万全の御指導を願いたいと思います。 次にこれは農林大臣に質問すれば適当だつたのですが遅れましたが、畑作の灌漑問題につきまして、政府はその効果は非常に甚大であるというので、今後におきましては大いにやる、こういうふうにうたつてあるのでありますが、確かにこの畑作の灌漑は非常に必要でありまして、特にさつまの値がただいま問題になりました通り、ある意味において砂糖に押されるというようなことになりますと、どうしても陸稲に切りかえる場合等が多い。勢いそこで畑作の灌漑が必要である、こういう場面が出て来ようと思います。また足鹿委員も先ほど述べましたが、畑作物について今後はいろいろな多角性の栽培をする。麦の値が落ちる場合においては、どうしても畑の利用面がいろいろと広汎にならなければならないという農政局長の御意見等があつたのでありますが、これを解決するのは畑作灌漑であると考えられるのであります。これを実施するときにおきましては、いろいろと効果をあげているのであります。ところが今度の予算を見ますと、そのかけ声は非常に大きい。畑作農民が非常に喜ぶように、政府も鳴りもの入りでうたつておりますが、中味を見ると二千五百万円くらいの予算でありまして、まことに内容が貧弱であります。これでは少し羊頭を掲げて狗肉を売り過ぎるというような形になろうと思うのであります。ことしは手が間に合わなくてこういうわけだつたということであれば、また考えようもありまするが、農地局長やあるいは新農林政務次官である野原次官は、これでは少し羊頭狗肉過ぎるが、これについてどういうふうな手を打つて、本腰を入れてやるお考えを持つておるかどうか、一応承つておきたいと思います。
○平川政府委員 畑地灌漑につきましては、その効果が非常に大きいということを従来認めておるのでありますけれども、何分にも比較的新しい種類の仕事でございましてそれに対する経費も比較的よけいかかるので、よほど計画自体を愼重にやる必要があるというふうに考えております。それで今年初めて予算面に出て参つたわけであります。従つて本年新しく事業に着手いたしますが、御承知のような土木工事でありまするので、初年度は比較的金額はかさまないということになるわけであります。しかしこれは計画自体としましては、完成するには相当大きな費用がかかるわけであります。これは水田方面の改良工事でありましても、初年度は計画その他に労力を使いまするので、金額は割合にかざまないわけであります。そういう意味から、二千五百万円で大体九地区くらいをテスト・ケースとして選定いたしましてやつて参りたいというふうに考えております。決して羊頭狗肉ではないわけでありまして、これが全体の事業量としては非常に大きなものであるが、ただ初年度であるために比較的金額は少いという意味でございます。 それからなお一般の県営等の灌漑排水事業等におきましても、畑地灌漑を含めた計画というのが近ごろ非常にたくさん出て来ております。必ずしも畑地灌漑という題目の金だけでなしに、土地改良事業の中に、水田の水の補給と同時に、畑地灌漑を含めた計画をするということであれば、県営事業の方の費用も使えるわけであります。そういう意味において、これは決して小さく考えておるという意味ではございませんことを御了承願います。
○石井委員 畑地灌漑というのは、ある意味において非常に新しい問題があります。特にいろいろと地質調査等をしまして、掘抜き井戸等によつて灌漑をするというようなことを上手に利用すると、案外効果が上る、こういう場面も多かろうと思いますが。本年はまだ研究中であるからということであります。ソビエト等におきましては、政府がトラクターを持つておつて、随時それがコルホーズに指導的に出て来る、こういう場面があります。畑地灌漑等におきましても、掘抜き井戸をこしらえておる。吸上げポンプ等につきましては、政府においてこれを持つておつて、能動的に出動してやつてやる。陸稻は、一回くらいかんじんのときに催一概をしてやれば、そのあとあたりには、適当なときに雨が降りまするから、非常に効果が上げられよう、こういうふうに思われるわけであります。ことしは一応その頭を出しただけだというふうに思われますが、今後は十分にこの成果を上げて、大きな輿論を引起して、予算措置を講ずるような仕組みにしていただきたい、こう思うわけであります。団体営の灌漑排水は単作地帶でありますと、あとは非常に費用が少くなるのでありまして、自由党政府としては一応頭だけ出しておいてかつこうをつけたというふうなことも、悪く考えると、これで今までの埋め合せをするという解釈もされますが、そういう考えではなく、これを橋頭堡として、今後多くの予算をこの場面にとろうというふうなお考えであろうと思いますが、この点について今後どういうふうに活躍する気持があるか、ひとつ所見を承つておきたいと思います。
○野原政府委員 畑地灌漑に関しましては、予想以上に効果があるのであります。これはひとり陸稻ができるというふうなことだけではなしに、私現実に見て参りましたが、その地方における陸稲や麦はもちろんのこと桑園等の繁茂も非常によろしいようであります。今まで比較的恵まれなかつた低位生産の地帶が、畑地灌漑によつて非常な高い生産を期待できるということで、それがひいてはその地方における酪農あるいは家畑導入ということと相まつて農業の生産性を著しく高め得る。非常にこれが将来への希望となつて、農民の中から強く要請されておるのであります。先ほどの農地局長の説明のように、本年はわずかな予算でありますが、新しい予算としてこれが計上された、将来多々ますますこの仕事を大いにやつて行きたい、灌漑用排水等の仕事のほかに、この畑地灌漑等の仕事を通じまして農業生産があらゆる面に普遍的に上り、農村振興が進めらるべきである、さように考えまして、私どもはこの仕事を今後もより一層強力にやつて行くように考えております。
○石井委員 農業改良局長に伺います。先ほども河野委員から質問がありまして、指導連についていろいろと御批判があつたわけであります。指導連等もたよるに足らないというようなわけでありますが、一番大きな問題は、指導連や何かにいろいろと力を持たせたりいたしましても、かんじんの農民の方が熱心にならなければ何にもならないと思います。今後における新しい農村の活動の主体性をなすものは、青少年ではなかろうかと思われるわけであります。農業改良局といたしましても、農村青少年の教育指導、特に四H運動や何かにつきましていろいろと努力をされておるようでありますが、この予算面を見ますと、この予算でそういう大きな仕事ができるかどうかと思われるわけでありますが、これについて御所見を承つておきたいと思います。
○清井政府委員 ただいま農村青少年の問題について御質問があつたのでございますが、私どもといたしましては、御存じの通り、農業改良普及員、生活改善普及員等によりまして、直接いろいろ農民に対する指導をやつております。なおそのほかに、ただいまお話のありました青少年を中心とするいろいろな団体につきまして非常に関心を持つているわけであります。すなわち四Hクラブ等いろいろな団体が農村にありますが、それらの団体に対しましては、講習会、研修会等におきまして、私どもは種々指導をいたしておるのであります。来年度の予算におきましては、農村青少年の教育等につきましては約二千四百万円の金額でございますが、その中には、ただいまも申しました研修あるいは講習等の施設をさらにふやして行くというようなこと、あるいは県営伝習農場等の施設を拡充するというようなことをいたしておるのであります。しかし残念ながら予算額が二千四百万円程度で、なかなか思うように行かないかと思うのでありますが、与えられた予算の範囲内において、これをできるだけ有効適切に使いまして、所期の目的を果して行きたいというふうに考えておる次第であります。なおまた、ただいまも御指摘にありました通り、農村の青少年に対して、もつともつと積極的に働きかけて行かなければならぬものだということは、私ども強く感じておるのでございます。今後ますますこの面の施設は拡充強化して参らなければならぬというふうに考えておる次第でございます。
○石井委員 生活改善普及員でありますが、これができてまだまことに手が伸びておらないという形で、その効果が上つておらないのであります。しかしいろいろな角度からその活動は必要であり、また今までも人的な準備が不十分にもかかわらず相当の効果が上つたというので、今回予算も増額になつておりますが、今後農村が生活面においているくと改善し、文化性を持つて行くというようなことは非常に必要であろうと思うのであります。しかしながら農民にその趣旨を徹底させて協力を得るということは、なかなか骨の折れる仕事であります。本年は予算等増加されておりますが、本年はどのような点を中心の目途として活動なさる気であるか、どういうふうにして生活改善の指導その他をやつて行くのか、最後に承つておきたいと思います。
○清井政府委員 生活改善普及員の活動の問題でございますが、二十六年度においては生活改善普及に約六千三百万円程度の予算であつたのでございますが、今回は約一億五千万円程度に増額をいたしたのであります。今度の増額の中心は、主として生活改善普及員の人員の増加に重点を置きまして、二十六年度におきましては約六百九十人程度でございましたが、これを約一千人程度にふやしたのであります。一千人と申しますとごくわずかでございますが、約十町村に一人程度の人数になつたのであります。しかしながらこの程度の人数をもちましてはとうてい不十分でございますので、今後これの人数の拡充につきまして努力いたして行かなければならないと思うのであります。 なお生活改善の指導の中心の目標でございますが、これは何と申しましても衣食住の三点にいろいろ問題が多いのでございまして、今までも十分な活動はいたしておりますけれども、まだまだ不十分な感があることは事実でございます。われわれといたしましては、今後衣食住の三つを中心といたしまして、生活改善の普及に重点を注いで参らなければならぬと考えておる次第でございます。
○松浦委員長 これにて林野庁、農地局、農政局、農業改良局関係の質疑は一応打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしと認めまし て質疑を打切ります。 —————————————
○松浦委員長 この機会に小委員の辞任についてお諮りいたします。畜産に関する小委員越智茂君、幡谷仙次郎君より小委員を辞任いたしたいとの申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしと認めます。 次にただいま辞任せられました小委員の補欠を委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしと認めまして、河野謙三君、田中彰治君を御指名いたします。 次に畜産に関する小委員に足鹿覧君、高倉定助君を、農業公共事業に関する小委員に坂田英一君をそれぞれ追加選任いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしと認めましてさよう決しました。 本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。 午後四時三十五分散会