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13回国会衆議院1952/01/31

農林委員会 第4号

発言数
119
登壇者
14
会派数
6
開催日
1952/01/31

会議録

松浦東介自由党

○松浦委員長 これから農林委員会を開会いたします。  昨日農林大臣及び山添次官から、二十七年度における農政の基本的な方針及び昭和二十七年度農林関係予算の大綱について説明を聴取いたしましたが、これから農林大臣に対する質疑を行います。質疑の通告がございますからこれを許します。平野三郎君。

平野三郎自由党

○平野委員 廣川農林大臣は農林行政にはしろうとであつたために、多分に不安と危惧を持つておつたのでありますが、その後農林大臣としては、農林漁業資金融通法あるいは農漁協同組合再建整備法等をつくり上げ、また農林予算の獲得についても予想以上の手腕を発揮いたしまして、しろうと大臣としての杞憂を一掃したということは、遺憾ながらいささかの讃辞を呈せざるを得ないのであります。今回再び農林省に出もどることになつたのでありますが、この前のときよりは一層農林行政の複雑性と困難性は増加しておるときであります。この前の委員会におきましても、どうか快諾院不実行居士の汚名をそそいでもらいたいというような発言もありまして、いささか半実行居士ぐらいまでは昇格したわけでありますけれども、今回この出もどりの機会において、ほんとうに快諾院実行居士にまで飛躍する心がけをもつてこの農林行政に当られんことをまず希望いたしまして、当面の重要問題に若干の質疑をいたしたい次第であります。まず第一に行政機構の改革の問題であります。政府の一部においては、今回行政の簡素化の一環として国土省をつくり、農林省の林野庁をこれに移管するというような意見があるとも伝えられておるのであります。しかし行政機構に対するこのくらい根本的な誤りはございません。すなわちまず第一に、農業と林業とはまつたく不可分のものであります。末端においては純粋の農業だけをやつておるというものはございません。また林業においても同様であつて、農業と林業とが一体となつて初めて日本のいわゆる総合的な農業は成り立つておるのであります。従つてこれを行政上分割するというごときは、まつたく農林省の自殺的な行為であります。ことに林業は大体産業行政であります。また建設省の関係は一般の土木行政である。この産業行政と土木行政とは全然本質を異にいたしておるのであります。これを一緒くたにやるということはまつたく不合理もはなはだしいのでありまして、けだしさようなことのあり得るとは考えられませんけれども、政府の一部にそういう意見があるということを聞いておりますので、老婆心までに念のため農林大臣のこの点に対する所見を伺つておきたいのであります。  もう一つは、さらに大きな観点から、農林省と通産省と一緒にして、経済省とかあるいは産業省をつくるとかいうような意見もあるとのことであります。これは農林行政の重要性が、講和独立後一層事大になつて参りますときに、通産省と一緒になるというようなことは、あまりにも厖大な機構となるのみならず、そういうことになつてはかえつてわが国における最も重要なる農林行政の独自性が衰頽して行く結果になるわけでありまして、これまたまことに謬見もはなはだしいと思いますが、これについての大臣の御意見を伺つておく次第であります。  さらに、これもまつたく杞憂にすぎないことであると思いまするが、畜産局を廃止するというようなことも一部に伝えられておると開いております。これは時代錯誤もはなはだしいのでありまして、大臣もすでに御承知の通り、本農林委員会におきましても、昨年以来今後の日本の農業の中心は畜産であるという点から、畜産に対する特別会計設置の要望も特に自自由党の内部において強く主張をせられ、今回の二十七年度予算の面において見ましても、畜産局の予算は飛躍的に増加をいたしておる。さらに有畜農家創設維持法を今次国会に議員提出にして出そうというような動きさえもあるときでありまして、食生活の改善と相まつてわが国の農業は今後有畜化の方向に進んで行くというような関係から、書産局というものは実に重大性を加えつつあるときでありまして、これをこの際廃止するようなことはまつたく時代錯誤であつて問題にならないことでありますけれども、これまたそういう意見が一部にあるとのことでありますので、念のためにこれら農林省を中心とした行政機構全般についての大臣の御所見をまず承つておきたいと思う次第であります。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 農林行政について出もどりがとういうように働くかというお話でありますが、私は現在の農村の現状と国際食糧の状況を勘案いたしまして、日本の食生活に万全を期するように努力をいたしたいと思つている次第であります。  お尋ねの行政機構の問題でありますが、この行政機構の改革につきましてはいろいろな案があるのでありますが、特にこの間国土省に林野庁を入れるようなことが新聞にちよつと漏れておるようでありますが、政府としてまだはつきりきまつている案を持つているということを私承知いたしておりません。御指摘のように、林業と一般農業とをどの点で分離するかということは、これはよほど綿密な学者でも分離することは不可能であろうと私は思うのであります。不即不離にある林業と農業とを分離するということは、治山治水と河川改修というか、この辺の單なる技術屋の結びつきというような点から考えて来たのではないかと考えるのでありますが、一般の林業と農業との区別はつかないという考えから、この案につきしてはわれわれといたしましては心から反対をいたすものであります。のみならずかえつて近代世界の土木業界において問題になつております河川に含まれておる微粒子、これをどうして地上に長くとどめて行くかということが問題になつておるのでありまして、河川に含まれておるいろいろな來雑物あるいは微生物、微粒子、こういうものを川に流すことなく、これを地上に長くとどめて農業のもとにしなければならぬということが、いわゆる河川利用の目的になつておるのでありまして、單なる水を流すという方式はすでにかわつておると私は考えておるのであります。  それから次の通産省との統合の問題でありますが、これも一部の人たちが、肥料の問題について何かトラブルがあるので、通産省と農林省と一緒にしたらかえつて円滑に行くのではないかという安易な考えからこういうことを言つておる向きも聞いておりますが、これもまた分離した当時の事情をごらんになればわかることでありまして、これにつきましても私は反対をいたすものであります。  また畜産局の廃止ということですが、これもどうかと思いますが、いまだかつて農林省からこういう声が出たこともなく、また農民自体の間からもこういう声の出たことはないのでありまして、少くとも農民の間から起きた声でなければほんとうの政治に移すべきものでないと考えておるのであります。畜産局が今後やらなければならぬ仕事は山積いたしておるのでありまして、無畜農をどうして解消し、有畜農によつて食生活の万全を期するかということが、大きく投げられたわれわれに対する課題でありますので、かようなことは單なる杞憂であると私は考えておるような次第であります。

平野三郎自由党

○平野委員 ただいま大臣の御答弁を承りまして、林野庁は絶対に農林省から切り離さない、通産省との合併のごときことについても絶対反対である、畜産局の廃止のごときは杞憂にすぎないという御所見で十分了承いたしました。ただ念のためにもう一点だけ希望を加えて強調いたしておきたいことは、林野庁を国土省に移管するごときはもちろんあり得ませんが、ただ林野庁の一部の治山の行政とかあるいは林道関係というようなものを切り離して建設省の方に持つて行くというような意見も世の中に一部あるわけであります。これまた本末転倒もはなはだしいのでありまして、多年の歴史を有しますところの日本の林野行政というものは、この治山並びに林道というものを一体化して初めて成り立つものでありまして、林野庁を農林省から切り離せば農林省の自殺的行為であると同様に、林野庁からこの治山と林道を取り去ることこれまた林野庁の自殺的行為になるということを、ひとつこの上とも御認識いただいて、あくまでも林業の総合的発展のために、大臣としての責務を果されんことをお願いする次第であります。  そこで第二に、米麦の統制撤廃に関する件についてお尋ねをいたしたいと思います。これは昨日の大臣の施政方針の演説の中でも若干触れておられました。それによりますと、麦は四月からこれをはずすようにして、目下その法律案を提出準備中である、米についても極力最善の努力をするというようなことでありましたが、さらに念のためにここでもう少々詳細に承つておきたいと思うのでございます。麦については、これは最近の食糧需給状況を見まするに、ほとんど自由価格の趨勢にあるわけであつて、当然撤廃すべき段階にありますことは、おそらく今日野党の諸君といえども同感であろうと思うくらいであります。(「ノーノー」)従つてもちろんその方針で政府は行かれるわけでありますけれども、さらにその点の方法の内容等についていま少し詳しく承つておきたいと思います。米についてもこれまたその原理は同様であります。しかしながらこれの時期、方法等については十分愼重を要する問題でありますが、何といつてもこれはでき得る限りすみやかな機会において現在の統制方式から需給調剛の方式に切りかえるべきであるというふうに考えるものでありますが、これについての時期、方法をひとつ承つておきたい。また過般の供出割当に関する知事会議の席上におきましても、根本前農林大臣がいろいろ言明をいたしておるわけでありまして、これが今後廣川農政に移つて行く上においてどういうふうになるかということについては、農民自身の方でも非常に関心を持つておるわけでありますが、もちろん根本君の言明を尊重せられるものと思いますけれども、それらの点についての大臣の御所見をまず承つておく次第であります。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 米麦の統制廃止の問題は、必要以上に世間で大騒ぎいたしたようでありますが、これは決して自由党が横車を押したようなわけではないのでありまして、この米麦の統制を廃止する方向に進んでおることは、これは間違いない事実であるのであります。麦の問題については、あなたの御指摘の通り、現在ブラック・マーケツトの価格を見ればよくわかるのでありますが、すでにその段階に達しておると思つております。しかしこれは事重大な食糧に関する問題でありまするので、われわれは慎重にいたす考えでおりますが、でき得るだけ早くこの国会に案を出して、皆様方の御協議を願いたいと思つております。要するにこの内容は、生産農家に不安を与えないということ、それからまた消費者に不便をかけないということ、それから価格は農民が納得し、消費者が納得する価格でなければならぬという、この三つの原則が一番重大なのでありまして、われわれはこれを適当に法案に盛つてて、間違いのないようにいたしたいと思つておるのであります。つくつたものを適当な価格で適当量買い入れてもことは、ある中間における洋服農民の声でなく、ほんとうの農民諸君からそそういう声が漏れて参るのであります。それからまた一般消費者の方におきましても、すでにもう民間の配給機構といいましようか、販売店が十分充実いたして参つて来ておりまするので、これが偏在するということはあり得ないと思うのであります。買入れ価格、買入れ数量等についてもわれわれは十分これを検討いたして、しかも外国から入る麦は、これを国家で管理いたすのでありまして、その調節は十分はかり得るようになると思つておるのであります。  それから米につきましては、なかなかそう麦ほど進んではいないと私は思うのでありますが、これは特に日本の民族の食生活の慣習からいたしまして、いくら西欧の食生活をまねろと言いましても、簡單にまねられないのであります。そこでわが党といたしましては、食生活の改善の重大なることを察知いたしまして、食生活の改善に関しましては、特に小学校教育を通じてまでもこれを普及徹底するようにしておるようなわけであるのでありますが、いずれにせよ、方向は統制廃止の方向に参りまするので、漸を追うて十分準備を整えて、そうして安心をしていただくようにいたしまして、漸次これをはずすような方向に持つて行きたいと思うのであります。根本君の割当会議等においてなされました発言も、やはり国民全般のことを考えての発言でありまするので、十分尊重いたす考えでおります。

平野三郎自由党

○平野委員 次に食糧増産対策につき冒して伺いたいと思います。いよいよわが国も講和独立を迎え、占領行政も終らんといたしておるわけでありまするが、今後の日本の行政の中核は、何といつても食糧増産であります。昨日の大臣の施政方針演説におきましてもこの点が強調せられ、また先般の本会議における吉田総理の演説の中でも、食糧増産の問題が強くうたわれたのでありまするが、いよいよ食糧援助が打切られまして、手持ち外貨によつて今後食糧を購入するということになりまする一方、年々人口が増加をしつつある。産兒制限が相当普及いたしましたけれども、なお百十万から百二十万の人口増加は避け得られない。また年々耕地の災害とか、また学校の敷地であるとか、道路の敷地とかいうふうにして、耕地の減少して行きます分が大きは五万町歩、まず平均三万五千町歩あると言われておるわけでありますから、この面から見ましても、人口増加によるところの食糧増加分が百二十万石程度、また耕地の災害その他の減耗によります分が七、八十万石、どうしても二百五十万石程度の需要が年々増加をするという状態にあるわけであります。さらに外国食糧を商業資金によつて買つて行きますために要しまする外貨は四億ドル以上になるというような状況でありまして、どうしても国内におけるところの食糧増産対策というものこそ、今後の行政の基本的な中心であるわけであります。幸い政府もこの点は相当に認識をいたしまして、今回政府が提出をいたしました二十七年度の予算の面を見ますると、土地改良費、農地の拡張改良費あるいは耕地の災害復旧費、病虫害防除費、灘地対策、耕土培養対策、農林漁業資金融通その他食糧増産関係の経費は四百億以上にも達するということであります。しかしながら先ほど来申し上げましたところの、この年々減耗して行きまする二百五十万石程度の食糧増産を毎年やつてとんとんということであつて、そのほかに従来の不足分がそのまま将来に残るわけでありまするから、どうしても年に五百万石以上の増産計画を実施するのでなければ日本の食糧の基本的な対策は成り立たないわけであります。今回計上せられましたこの程度の予算では、とうていこの二百五十万石をカバーすることも困難であつて、一朝風水害あるいは病害虫等の災害が発生いたしまするならば、これをもつてしても逆にまた食い込むということになつて来るわけであつて、この程度の予算ではとうてい理想に隔たること遠いのでありまするが、今後農林大臣とせられては、この間の問題をどういうふうに処理されて行くお考えであるか。  さらにこの機会にもう一言つけ加えてお尋ねいたしたいことは、肥料の問題であります。これにつきましては、後ほどわが党の河野委員からも詳しくお尋ねをすることになつておるのでありますが、肥料は今後も輸出はいたさない、特に肥料の増産計画が実現をするならば多少の輸出もやむを得ないというような状況でありましたが、御承知のごとく電力事情の悪化等によりまして、本年度の肥料の増産計画はまつたく挫折をするに至つたのでありますから、本来ならば全然輸出などのあるべきことでないにかかわらず、最近も一部農林省がこれに同意を与え、また聞けば、ごく最近においてまたまた輸出が行われたというようなことでありまして、せつかく肥料価格が下落の方向に向わんとするときにこの輸出があつて、かえつてまた肥料価格にてこを入れるというような状態にあるのであります。もうすでに硫安のごときは一千円を突破しているというような状況でありまして、今やこの問題こそ非常に重大な関心の中心になつておるわけでありますが、農林大臣のこの点に対する御所見を承つておきたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 食糧増産についてのお話でありますが、これはまつたく御指摘の通り、わが国におきましては、まつ先に優先して行わなければならぬことであるのであります。今まで農業が他の産業に隷属したような感じを与えておつたのでありますが、終戰後農業が非常に大きく浮び上つて参つて、他の産業に隷属しておるのではないという形の方向を示して来ておることは、日本の農業について非常に喜ばしい傾向であろうと思うのであります。そこでこの食糧の増産でありますが、單に食糧の増産といつても、一つのきめてというものはなかなか見当らないのでありまして、あらゆる部門のものを総合してやりませんと、食糧の増産は期せられないのであります。單に農林省だけの予算のみでも考えられませんので、国全体をあげて食糧増産の方向に進まなければならぬと私は考えておるのであります。自給度を高めますことは、あなたの御指摘の通り、人口の自然増並びに農地の喪失等、こういつたようなことが毎年ふえて参りますので、これに対応する方策をわれわれは十分に考えておるのでありまするが、これにつきましては、農地の改良なり、災害復旧なり、病虫害の防除なり、濕地の対策、あるいは耕土の培養、その他あらゆる面のことを考えまして、どうしてもあなたの御指摘のような二百五十万石以上のものをふやさなければならぬのであります。なお他の産業を動員して一生懸命働いて獲得する外貨を、四億ドル以上もこれに費やすということは、国として非常に不利益になるのでありまして、なるべくこの輸入を防遇いたしまして、他の原料をこれにかえて輸入いたしまして、再生産して、これを輸出するようにしなければならぬと私は考えておるので参ありまして、本年度予算においても、そういう方面からいたしまして、でき得る限り国家財政の許す範囲において、その方面に予算をとつたのでありますが、しかしまだまだ四億ドルの輸入を防遇する手段としては私は足りないと思つておりますので、機会あるごとに予算の増額、またその他の国家資本の農村に対する投資については、十分検討いたしたいと考えておる次第であります。  肥料の問題でありますが、肥料は本年度電気の事情等によりまして思つたような期待はかけられなかつたのでありまするが、しかし戰争中、戰前よりもだんだんふえて参つておることは事実であります。また化学肥料と同様に自給肥料も、ここ五箇年間の統計を見ますると、非常にふえて参つて来ておるのでありまして、農村におきましては、化学肥料の使い方について十分考えていただきたいと思うのであります。單に試験場等における肥料の使用の方法等をそのまま農村に持つて行つた場合、農村において化学肥料を多く使つたがために病気が非常に発生しておるというような、化学肥料の過剰な使い方によつて病気等もだんだん出て来る傾向が出て参つておるのであります。なおまた化学肥料を使うことによつて土壌内に含まれておるところの微生物を殺すことが、世界的に非常に問題になつて来ておるのでありまして、農地に含まれておる微生物を殺すことによつて、その農地が非常に荒廃することは、もう世界の人が指摘して参つて来ておるような状態なのでありまして、自給肥料と化学肥料との調合をよほどよくしなければならぬと考えておるのであります。こういう点をわれわれ考えまして、今度有畜農を奨励し、無畜農を解消する方向に進んでおるのも、こういう点を勘案してやつておるのであります。單に化学肥料にたよるという考えではなく、末長く土壌を培養いたしまして、われわれの子孫のほんとうにりつぱな土壌を伝えて行くという考えでなければならぬと思うのであります。さようにいたしまして、消費を適正化いたしまして、余つたものを外地に出すことは少しもさしつかえないと思うのであります。ただここで考えなければならぬことは、肥料製造家に乗ぜられてはならぬのであります。私は、全購連等があれだけ厖大なる組織を持ち、しかも市場を支配する機能を持つておりながら、生産家を押え切れないというところに、どこかに組織の欠陷があるのじやないかと思うのでありまして、全購連が全力を発揮したならば、メーカーを押えることはさしたる困難ではないと思うのであります。特に輸出の面でありますが、われわれは決して事を構えて輸出をしようといたしておるのではないのであります。内地の価格をなるべく下げて、しかも余つたものを輸出するという方向で行きたいということは、御指摘の通りであります。但し、沖繩等は、これは血のつながりがありますので、この辺はどうか大目に見てもらいたいと思うのであります。しかも少い量でありますので、木材にいたしましても、また肥料にいたしましても、沖繩等は別わくで、ひとつ血のつながりでお考え願いたい、こう考えておるようなわけであります。

平野三郎自由党

○平野委員 なおまだほかに御質問申し上げたいことが多々ありまするが、他の委員諸君に譲りまして、最後に、一言だけ申し上げておきたい。大臣はしろうとでありましたけれども、今回の出もどりで、ズブのしろうととは言えない。ことにただいまは、だれに習つたかしりませんが、講義までなされて非常に頼もしく思いましたが、どうかその意気をもつて不実行居士の汚名をそそいでいただくようお願いします。  さらに私がお尋ねしようと思つておつたが、大臣からお話があつて満足いたしましたが、全購連及び全賑連の問題であります。先ほど大臣から洋服農民というお話がありましたが、肥料の問題について、国会においてこれほど農民の立場について今まで努力をして来たにかかわらず、一般農民の団体であるところの全購連方面から、ただの一回も国会に対して請願も陳情もないということは、まつたくおかしいのであります。すなわち農民団体が農民団体ではなくして、一つの商業機関と化してしまつた。むしろ肥料が高くなつた方が全購連はかえつてもうかるんだというところにまで至つておるところに重大な原因があるのであつて、どうしてもこの際全購連及び全敗連に対して、国会としてはメスを振わなければならないというくらいに思つておるわけであります。大臣の方からそういう御発言になつたということは、ここに特筆記録すべきことでありまして、これについては、十分愼重に検討して、さらにわれわれの意見を申し述べるつもりでありますが、この際特にこの点をあわせて強調いたしまして、どうかこの上とも農林大臣も、ひとつくろうとの方にますますなつていただいて、そうして手腕を發揮されんことを希望して、私の質疑を一応終ります。

河野謙三自由党

○河野(謙)委員 議事進行について……。今同僚の平野君から、肥料に対してあとで私が質問するという話でありますが、私は、この際委員長にお願いしますが、私はこの問題について質問はしない、できません。というのは、私たちがかねがね申し上げておる肥料行政が一元化されない限り、農林大臣相手に、農林大臣の責任において肥料行政が行われていない現状においては、質問をして無意味であります。でありますから、委員長におかれては、きわめて近い機会に、安本長官、通産大臣、農林大臣の三者を呼んでいただきたい。その機会において現在非常に不明朗な肥料行政についてお尋ねしたい。たとえば、政府がカリの値下りに対して、農民とまつたく逆な立場でカリの値上げの工作をやつておる。また輸出の問題もあります。また今度の予算において、土壌改良の予算を農林省は組んでおる。ところが、土壌改良の予算を組むということは、一つの例を申せば、酸性土壌を中和する。これは肥料の面においては、酸性肥料から中性肥料に置きかえる。それについては石灰窒素、溶成燐肥を併用しなければならぬ。これについて農林省として、通産省と一体となつて電気の配分などについても少しもやつておらない。こういう問題がいろいろありますから、委員長においては、きわめて近い機会に三大臣を呼んでいただいて、私に肥料問題について質問の機会を与えていただきたいということをこの際お願いしておきます。

松浦東介自由党

○松浦委員長 河野君に申し上げますが、ただいまの申出は了承しましたけれども、本委員会には肥料小委員会があるのでありまして、河野君は小委員長をせられておるわけでありますから、本委員会でも三大臣を呼びますけれども、小委員会においてその前にひとつ掘り下げていただきたいと思います。

小笠原八十美自由党

○小笠原委員 関連して……。農林大臣の肥料問題について平野君に答弁したことは私は気にくわない。平野君は満足だというけれども、満足じやない。まことにくろうとみたいなえらい肥料学者のごとき答弁をされたけれども、一体そういうことなら、農民にわからぬということは、農林省の指導が悪いからではないか。その指導が悪いところの結果を見られて、これから指導部門に対して重点を置くということを考えないことは、あなたの答弁に欠陥がある。よろしくその指導方面をやらないと、いかにもあなたの言う通りに、化学肥料の利用ということを農民は多年誤つている。この問題をあなたは発見すると同時に、重点を指導において行かれなければ、これはとうてい改良はできない。全購連だとか県購連だとかいうようなそういうもうけ主義のものを引き合いに出したつて、これは間に合う仕事ではない。  もう一つさつきの機構改革の問題で平野君の、畜産局廃止問題、あるいは林野庁の他省への移管問題について異議あることの御質問があつた。農林大臣はそういうことに対して反対だと言われた。あなたは奥のことをどうしておつしやらないのか。そこにぼくは原因があると思う。反対どころではない。治山治水に対しては、重大な河川工事というものが関係があつて、あなたは建設省の河川工事その他建設省の仕事の大半を農林省の方へひつぱるような機構改革をやつておるということがあるじやないか。こつちをとられるのではなくて、向うの方をとるような計画を立てておるということをなぜおつしやらないか。そういうことを秘しておいてはいけない。なお一方畜産局の廃止問題なんか出るのは、農民から出るのではない。畜産局が弱体化するという問題は農林省自体が考えなければいかぬ。なぜなれば、農林大臣の総務会長のとき、御承知の通り特別会計という問題も衆参両院で満場一致で決議になつた。それを取上げないで、利子の補給だなどと姑息なことを言つている。そんなことをするから廃止問題が出て来るわけなんだ。何も世間は火のないところに煙は出ない。それは農林省みずから考えなければならぬ。これも急速にきめなければ、だんだん大きくなりますから、御用心なすつて、この方を早く解決づけることが必要であります。そういうことをとりそろえて答弁して、万全の策はここにあるのだ、こういう答弁でないと、農林省はほんとうの基盤を代議士、農民の上において安心させる農林省にならぬということも考えなくちやなりません。それだけ申し上げます。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 小笠原さんのお話ですが、私たち農林省においても化学肥料の適正なる使用については再検討しなければならぬ段階に至つておるようであります。各指導員を集めて十分検討するというところまで行つております。  それから機構問題についてですが、あなたは裏をおつしやつておるようでありますが、やはり表は表として言つた方が無難であろうと考えて私はそう言つたのであります。

松浦東介自由党

○松浦委員長 それでは遠藤三郎君。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 私は昨日の委員会における農林大臣及び次官の施政方針演説に関連いたしまして、二、三の重要な問題について質疑をしたいと思うわけであります。先ほど平野委員から米の統制解除の問題についての質問がありましたので、この問題は重複を避けたいと思うのでありますけれども、ただ一つの点を聞いておきたいと思います。それは去る国会におきまして、根本農林大臣はこの委員会の席上において、昨年でありますから来年と言いましたが、今年の十月まで米の統制は継続する。十一月に統制を解除するということをはつきり言明しておるわけであります。今伺いますと、廣川農林大臣は米の統制解除の問題はきわめて愼重を要すると言われた。私どもまつたく同感であります。こういう問題を簡單に扱うべきではなくしてきわめて愼重にやるべきは当然だと思うのでありますが、根本農林大臣の言明に対して、その方針をかえたのかどうか。その点について農林大臣の御所見を伺つておきたいのであります。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 米の問題につきましては愼重にやらなければならぬということでありますが、これもその通りにいたしまして、愼重を期して、来年度予算は現在のような方向で進もうということに、愼重にやつております。ただ根本君の方針をかえたかという点ですが、十一月の言葉を私も承知いたしておりますけれども、十一月までに慎重にやつてこれができ得るかどうかということはまだ検討中でありまして、十分愼重に検討したいと思つております。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 その問題はその程度にしておきまして、食糧増産の問題に移つて行きたいと思うのであります。今回の農林省の政策といたしましては、食糧増産を一枚看板にして、農林大臣も次官も食糧増産、食糧増産といつて、これを金看板に掲げております。この食糧増産の問題は、内外の情勢、ことに日本の外米輸入の現状等から見まして、食糧増産を第一の重要な政策に掲げることは当然なことだと思うのであります。ただ、農林大臣が食糧増産をやられる目標はどこにあるか。第三次の世界戰争が始まるということを始終いわれておるわけでありますが、そういうときのことを考えて、今日から国内で食糧の自給自足を完全にやるのだという目標のもとにやつておるのであるか、あるいはまた三百五十万トンの食糧の輸入を毎年やつておるわけでありますが、その輸入を少しでも食糧増産によつて減らして行こうということを目標にしておるのであるか、さらにまた第三の考え方としましては、先ほど平野委員からの御指摘がありましたが、年々人口増加による食糧の需要増が百万石以上あります。さらにまたつぶれ地その他の関係から百万石以上の減産があり、場合によつては二百万石ないし二百五十万石の風水害等の減産も予想されるのでありますが、これらの減産を防止する。食糧の輸入は現状通りでやむを得ないが、少くも減産だけは防止して行こうという程度の増産であるかどうか、その点についての方針がはつきりしないように思われるわけであります。現にここに提示せられました予算の内容から見て参りますと、どうも二百十九億の土地改良の経費を見込んでありましても、これはわずかに百万石か百五十万石の生産しかできない。あるいはまた災害復旧におきましても百三十万石内外の増産にしかならない。そうすると二百数十万石上か生産ができない。しかも消耗の方は三百万石ないし四百万石の消耗増が考えられるわけでありまして、そうなつて行くと、食糧の増産対策ではなくして減産防止対策だ、こういわれても弁解の余地がないのじやないかと思う。その点についての農林大臣の考え方を、ひとつはつきりここで伺つておきたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 これは民族として自給という目標をもつて行かなければならぬと私は考えております。あくまで自給しなければならぬのであります。ただ食糧の考え方でありますが、米麦のみを食糧とする考えではいかぬのでありまして、あらゆるものを食糧の対象として考えて行かなければならぬと思うのであります。山にできる果樹類からとれるところの脂肪、あるいはまた海からとれるところの魚類等から攝取できる食糧、あるいはその他のものもいろいろとりまぜまして、食料自給の目標を立てて行くのが一番大事だと思うのであります。来年度予算の御批判のようでありますが、そういう観点からいたしまして、土地の改良なりあるいは病害虫の駆除なりあるいはその他のものを入れておるのであります。あらゆる点に手を打ちまして自給度を高めて行く、そうして自給の目標に進んで行くという方向に行つておるのであります。單に消極的な手段ではありますが、病害虫の早期駆除等によりまして——これは年々病害虫によつて三百万石以上も食いつぶされるというようなことであります。あなたの御指摘の、土地改良その他によつて増産されるよりも、この方が非常に大きいというような声も出て参つて来ておるのでありまして、病害虫に対しても格段の努力をいたすようなわけであります。またこれは單なる一例でありますが、濁酒の実情等を見ましても、二百万石から三百万石つぶれておるというようなことも表に出て来ておるのであります。こういうようなすべての点を勘案いたしまして、民族が自給でき得るような目標に行きたいというので、万般の手を打つておるようなわけであります。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 農林大臣のおつしやることはよくわかるのでありますが、戰時中及び戦後を通して、食糧増産についてはやつきになつてやつて来た、食糧の増産といえば、まず土地改良だ、あるいは品種改良だ、あるいはまた肥料だというように今まではやつて参りましたけれども、今日残されておる食糧増産の重要な分野はどこにあるかといえば、ただいま大臣の御指摘があつたように、病虫害を予防するのだ、あるいは耕土培養をするのだ、さらにまた優良品種、種子、種苗を漏れなく配布するのだ、こういう問題こそ、きわめて地味ではあるが、確実に食糧の増産を確保する道だと私どもは思うわけであります。いわゆる農政方面の食糧増産の施策がはなはださびしいと思う。病虫害の予算その他の予算を合せましてもわずかに二十二億程度しか出ておりません。政府の説明を見ますと、これらの施策から大体二百四十万石くらいの増産ができると書いてありますけれども、二十数億で二百数十万石の増産はなかなか簡單に行くものではないと私は思います。しかし病虫害のごときは、ただいま大臣からの御指摘もありましたが、数百万石の被害を受けております。これを確実に予防し、あるいは駆除をして参りますならば、数百万石の増産は必ずできるわけであります。この方面へもう少し力を入れなければ、食糧増産の実をあげることはできないのじやないか、これについてはあまりにさびしい。つまり今までの戰時中及び戰後の惰性的な食糧増産一本やり、いわばばかの一つ覚えのようなやり方をしておつたのを、ここらで大きく転換をすべきときが来ておる。その転換の方向は病虫害だとかあるいは耕土培養だとか、そういう方面に行くべきであるけれども、その方面に力を入れることはなはだ足りないような感じがするわけであります。その点についての大臣の御所見を伺つておきたいのであります。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 あなたの御指摘のように今農林省としてはやつておるのでありまして、今までこの病害虫駆除等も單に手動ポンプ等によつておつたものを機械ポンプに置きかえたり、あるいはまた農村のいろいろな団体を機動的に動かせるようにいたしたり、あるいは農薬を常時備蓄したりいたしまして、この方面に力を注いでおるのであります。それからまた一方の耕土培養等につきましても、われわれは重点的に取上げて、本年度はこういうふうな予算にいたしておるのでありますが、まだ決して私はこの予算で十分だと考えておりませんので、漸を追うてそういう方向に進みたいと思います。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 食糧増産に対する大臣のお考えはよくわかつたのでありますが、どうかただいま申し上げました農政方面へ特段のお力を入れていただいて、そうして大臣がねらつておる食糧増産の実があがるようにお願いしたいのであります。  第三に、私は食糧の配給問題について大臣の御所見を伺つておきたいのであります。それはすでに来る四月、五月の中間端境期におきまして米の配給量を減らさなければならぬのではないか、そういう議論が出ております。それは、本年度の外米の輸入は百万トンの計画をしておりますけれども、実際は外国の事情が必ずしもよくない。従つて八十万トンぐらいしか来ないのではないかということをみな心配しておるようであります。かたがた内地における供出も必ずしも思うように行かない。どんどん出るところは出ておりますけれども、不作の地帶においては減額査定を一日も早くしてほしいと待望しております。そういう事情でありまして、米の合体の供給が必ずしも円滑でない。従つて四月か五月ごろになれば米食率を引下げなければならぬのではないかということが、まじめに心配され出しておるわけであります。そこで私がこの国会の席上から国民にはつきり言明をしていただきたいことは、四月、五月になつて米食率を引下げ、米の配給を今まで十五日ないし十六日にしておつたのを、十三日にしあるいは十二日にする、そういうことがあるかないか。もしそういう心配がないならば、この席から国民を安心させるようにはつきりと言明していただきたいと思うわけであります。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 配給の問題でありますが、ことしの米の供出が思うにまかせぬ、あるいはまた外米の買付が思うにまかせぬのではないかという質問でありますが、私はそう心配いたしておりません。供出の問題につきましても、ちようど旧正月が中に入りましたので多少。パーセンテージは去年よりは遅れておりますが、今後どしどし供出があるものと思つております。のみならず私は、特に東北地方あるいは北陸地方等が近年にない豊作であつたことが、だんだんあとでわかつて参つておりますので、この方面の補正から先にいたしまして、今週の日曜から、農林省は全員日曜を返還いたしまして、各地と実情を話し合つて、そうして供出を勧奨する考えであるのであります。また手数料等につきましても、集荷手数料等を十分増して皆さんの労苦に報いたいと考えております。それからまた今後出してもらう超々過供出と申しましようか、これは飯米をさいて出してもらうのでありまして、これは税金の対象にならないものであるという確信を私は持つておりまするので、そういう方向で今後十分たくさんとれた産地から供出をしてもらうように現在準備を進めておるようなわけであります。不幸にして西方面の方は大分作が悪いのでありまして、これも今各県当局と補正の最中でありますが、それをカバーして余るような再供出というか、超供出というか、それを北陸、東北方面から出してもらうように準備をいたしておりますので、われわれの推定では米食率が低下することはないと私は考えております。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 米食率を低下させる心配は全然ないということを大臣ははつきりおつしやつておられたのでありますが、国民は大臣のその言葉を非常に待つておつたと思うのであります。しかし外米の輸入事情も必ずしも楽観を許さない。一層御努力の上そういうことが万が一にもないようにお願いをしたいと思います。  次に私は食糧の価格政策の問題についてお尋ねしたいのであります。大臣の施政演説の中に、価格の支持政策をやるということをはつきり言明してございます。この価格政策をやることは当然なことであり、農民もだれ一人としてこれを念願しない者はないわけでありますが、米麦についての価格政策ははつきり大臣の政策にも出ている。しかし重要な食糧としてのかんしよについての価格の政策が一つも出ておらないようであります。今日かんしよの重要な製品たる澱粉の価格は、昨年の末ごろから漸次低落をして参りまして、澱粉業者が非常に困窮しております。資金的にも行き詰まつているし、第一販路がなくて非常に困つているという状況になつております。これは唯一とも言うべき農村工業であり、この農村工業はただちにかんしよの価格につながるのでありまして、ただいま農村では来るべき春のかんしよの作付の用意をしようとしているわけでありますが、今度のかんしよは非常に安いのではないか、昨年十貫目量四百円くらいしたかんしよが、あるいは二百円くらいでなければ売れないのじやないかということを心配している向きが非常にあるわけであります。農民はこのかんしよ政策についてはつきりした農林大臣の説明が伺いたいという考えを、一人々々漏れなく持つておると思うのでありますが、この点についての農林大臣の御所見を伺いたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 日本の食糧のうちでかんしよ、ばれいしよが重大であるということは、だれしも承知いたしているところであります。ただ食生活の慣習からいたしまして、北欧の人たちのようにばれいしよを日常食にとらないということが非常に欠陷であるのでありまして、そういつたことから比較的食生活の上から軽く見られるのでありますが、農村の生産という点から見ると実に重大であります。このかんしよの貯蔵等について今まで大分くふうをいたしたのでありますが、まだほんとうの貯蔵法が発見いたされておりませんので、原始的な貯蔵法でやつておりまするがために、一時にこれを何とかしなければならぬということが非常な悩みであります。そこで一番手取り早い澱粉等に転換いたすのでありますが、砂糖が入らなかつたときにおいてはこれは価格支持をしなくとも十分採算がとれたのであります。それが小さな機構を持つた澱粉工場等がたくさんできて、その手持ちが非常にあふれて今問題になつており、これについては今私たち頭を悩ましておるのでありますが、まだどの点にこれを持つて行こうかという結論に達しておりません。ただここで考えなければならぬことは、これはわれわれ人間の食糧とするのはもちろんでありますが、これを澱粉のみでなく飼料等にもう少し転換する方法がないかというようなことも、われわれは考えておるのであります。この値下りによつていもの作付反別が非常に下るというようなことは、決してわれわれは望んでいないのでありまして、何とか方途を考えて、近いうちに皆さんともよく相談をいたしたいと思つております。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 かんしよについていろいろ研究しておられることを伺つて非常に心強く思うのでありますが、御承知のように、かんしよは戰争中食糧増産の重要な一翼を担当して、十八億万貫の生産の線まで達したわけであります。日本の食糧としてはきわめて重要な一角を占めているわけです。このかんしよの価格政策に誤りを来して、再びこれを壊滅に瀕せしめ、非常な大きな減産をするようなことになつては、食糧政策全体の大きなマイナスになると思うのであります。この点は自由党としても非常に苦慮しておる点でありますけれども、政府におかれましても、かんしよが減産にならないようにあらゆる施策を考えていただきたいと思うわけであります。なお澱粉の問題でありますが、澱粉の価格が非常に下つて参りまして、先ほど申し上げましたように、唯一の農村工業とも言えるような農村と直接つながる工業であります。この工業が壊滅することによつてさらに非常に大きな影響を農村全体に及ぼして来るわけであります。この澱粉の今の状況に対する対策を何かお持ちでありましたならば、この際伺つておきたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 これもやはりいもと一緒にいろいろ検討しておりますが、まだ結論に達しておりません。いもから日本酒と同様な酒をつくることをわれわれ考えておつたのでありますが、幸いに酒の元であるこうじの酵母菌と同様なものがいもを主体としたこうじによつてつくられることが発見されて、現在専売特許をとつております。今酒類工業界では問題となつて取上げられておりますが、これが酒に置きかえられるようになればまた非常な問題になると私は思つております。さようなわけであらゆる方面でいもに対する効用を考えなければならぬと思います。われわれといたしましてはまだ結論に達しておりませんが、十分検討をいたします。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 次に私は農村の金融問題についてお尋ねしたいのであります。今回の予算を見ると、昨年百二十億でありました農林漁業資金融通特別会計の資金が、今回の予算で八十億を増加し二百億になつております。この点は農林当局の御労苦を多とするものでありますけれども、しかし農村の実情からいいますと、この程度の資金ではとうてい間に合わない。ことに私は今農村と一般都市の方面との資金の交流の大ざつぱな計算をしてみたのでありますが、大体農村から吸い上げる資金が二千億程度になつておるのであります。ところが農村の方へ放出する資金が千五、六百億になつておりまして、どうしても四、五百億は農村の方から吸収して、しかも還元しない資金になつておるのであります。こういう状態を続けて参りますと、来るべき不景気におきまして、一番先に大きな打撃を受けるのはやはり農村であります。この農村と都市との関係の資金の調整をすみやかにはかる必要がある。二百億程度をもつて満足することなく、さらに大きく農村へ資金をまわすという考え方を持たなければ、農村はとても立つて行けないときが来るであろうということを恐れるものであります。そこで農村に対する金融問題について、農林大臣はどういうお考えを持つておるか、この際お伺いしたいと思うわけであります。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 これは御指摘の通りでありまして、戦前におきましては特殊の金融機関を持つて農村金融に非常に貢献したのでありますが、農地改革以来担保力を失つた結果、市中銀行等からは相手にされなくなつておるのでありまして、そういうようなところから農林漁業資金融通特別会計というものをつくつて、細々ながらもそこから資金が入るような径路をたどつて来ておるのでありますが、こういう方面からどんどん金を入れて行きたいと思います。そのほかに農林省にはいろいろな特別会計がありますが、そういう特別会計のもの、あるいは融資で金利を保証しているようなものもだんだんこれを太くして行きまして、ほんとうに正式に金融がつくように私はもつと考えなければいかぬと思つております。  それからあなたの御質疑の通り、農村に還元される金融の率は非常に低くなつております。それはその通りであります。そういうところをわれわれは行政の面を通じて補つて行かなければならぬと考えておりますので、十分その点は検討いたしております。それからまた市中銀行がこうしてやりました金融にあとをおつかけられるような方策を考えなければなるまいと思つて、その方面の検討をさせているようなわけであります。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 農村の金融問題に関連して農村の課税問題についてお尋ねしておきたいのであります。吉田内閣は数次にわたりまして税制の改革をやつて参りました。この税制の改革をやる都度農村の負担は非常に軽減をされたという計算が出ているはずであります。私が簡單に調べた数字を見ましても、一九四九年の数字を見ますと農業所得が六千四十二億円であります。それに対して所得税が四百二十三億円であります。事業税が三十五億余、住民税が五十八億余、固定資産税が五十四億余、合計で五百七十一億円の税金が農村から取上げられております。一九五〇年になりますとそれがずつと減りまして四百三十九億円の税金に減つて来ております。これらの事情を見ておりますと、農村は非常に税が軽くなつたというふうに見えるわけでありますけれども、さらに昭和二十七年度におきましては所得税を中心にして税制の改革が行われることになつておりますので、それらの事情を勘案して、二十七年度における農村の税負担の関係はどうなるか、お調べがありましたならばこの際ここで明らかにしていただきたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 これはわが党が政府を担当しましてからやりました大きな功績の一つでありますが、税金は確かに少くなつているのであります。それからまた来年度におきましても必ず少くなるようになると思います。こまかい数字の点は政府委員から説明させますが、どの点から見ましても軽減されて行くようになつているのでありまして、特に今度は相続税その他について十分これを考えて行く予定であります。こまかい点は政府委員から説明させます。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 私の方で調べました点について申し上げます。  まず農村で問題になりますのは所得税と固定資産税と市町村民税の三つになると思います。農家経済調査の方から見たのをひとつとつてみますと、昭和二十五年度の農家一戸当りの平均はこれらの総額が約一万四千円になつております。これは二十四年度の二万一千円に比べますと約七千円余りの軽減になつておりまして相当な軽減になつております。二十六年度の分はまだ農家経済調査の推計が出ておりませんので正確なことを申し上げることはできませんが、かりに今の米価の上昇によります値上りを見て所得の増加を見ても、今の税制改革からいえば相当下つているはずであります。それから固定資産税でありますが、二十六年度から新たな評価方法に基きまして評価がなされているのでありますが、これもまた相当軽減になつていると思います。これはまだ二十七年度の分の計算ができて来ないのであります。それから相続税の問題につきましても農村のは今検討中でありまして、ただいままでできている税制の改革によりますと、基礎控除は約三十万円になります。従いまして約半数以上の農家は実子相続をいたしましても相続税がかからないということになります。なお詳細はもう少し時がたたないとできませんのでもうしばらくお待ちを願います。

遠藤三郎自由党

○遠藤委員 税問題は非常に大事な問題であります。ことに非常に税が安くなつたということで喜んでおる向きがあるようでありますけれどもしかし現実の農村の事情から申しますと、必ずしも負担は軽くなつておらない。それはなぜかといいますと、農家収入というものは米麦が主であります。その米麦はほとんど供出であつて一銭も隠すことができないわけであります。そういうものがはつきり出ておりますから非常に軽くなつたような形になつておりますけれども、実際はなかなか軽くなつておらない。現に一九五〇年の農家所得を見ましても、一戸当り平均が大体十五万円、それに対して一万五千円の税金を払つております。そうしますと十三万五千円の所得でもつて五人家族が一年の生計を立てるといつたような問題が出て来るわけでありまして、これは月に一万円程度で五人を養つて行くというのが農村の現状であります。そういうふうに考えて参りますと、農村の税が軽くなつたといいましても、決して軽くなつておらない。実質的にはむしろ免税でもしなければならないような状態であります。ですからその点をよく考えられまして、農林省においては税問題に特別の御注意を願いたいと思うわけであります。なおこの税に関する詳細な資料を、後ほどでけつこうでありますからひとつ出していただきたいと思います。いろいろなお質問したいことがありますけれども、ちようど時間が来ておるようでありますから後の機会に保留をいたしまして、私の質問はこの程度にとどめておきたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 承知いたしました。

松浦東介自由党

○松浦委員長 井上良二君。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 私が質問しようという点について同僚委員の方から、質問が大分されておりますから、できるだけ重複を避けて、観点をかえて伺いたい点は政府の食糧政策についてであります。政府は昨年十月に米麦の統制の撤廃をするという閣議決定をやつております。同時に第十二国会勢頭において、吉田総理は統制撤廃をするという施政方針の演説をいたしました。ところがこの閣議決定と吉田総理の施政方針の演説は、現実のわが国の経済財政、また国民生活とまつたく相反するという事態がわかつて参りまして、これは大変なことを閣議できめたということで、遂に十一月の六日ですか、政府はこの閣議決定を否定する声明を出したのであります。みずから閣議で決定して、政府の方針として統制撤廃をきめておき、これを天下に国会を通して声明しておきながら、それからわずか一月もたたぬ後においてこの決定を否定する声明を発した。そうしてこのことが昨年の産米の供出割当の上に一体どういう悪影響を生んだか。またこのことがいかに政府に対する国民の不信を招いたかということからして、遂に政府は、その責任をこの問題を担当しております農林官僚に全部負わしてしまつた。当面の責任者である根本農林大臣を罷免し、さらにその下におりますところの食糧庁長官あるいは各部長にことごとく罷免転勤を命じておるのです。政府みずから閣議で決定した以上は閣議全体の責任であります。政府全体の責任であります。政府全体の責任であるものを、現実においてみずから否定をしておきながら、それをまつたく力の弱い当面の事務官僚にその責任を押しつけておる。かくのごとき考え方というものは、民主政治を担当する当面の吉田内閣として、またその食糧政策を受継いでおる廣川農林大臣として、一体どうお考えでありますか、まずこの点を私は先に伺いたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 政府が閣議決定をもつて米麦の統制廃止をきめた、あとで否定する声明を出した、しかもその声明は政府が責任を負わないで、官僚に転嫁したということでありますが、決してさようなことではないのであります。統制廃止のことはなるほど閣議できめました。しかしこれは事食糧の問題で重大でありまするから、多少の変更をすることはしかたがないと思いまするが、決して否定の声明ではないのでありまして、これは愼重にやろうという声明に私は考えておるのであります。この愼重にやろうという声明を出したがために、供出米に響いたということでありますが、あのころ供出割当の知事会議において多少そういうようなけはいがあつたのでありますが、一旦二千五百五十万石ときまつた以上は、みんな喜んで供出に応じておるようなわけでありまして、決してあなたが御心配するような問題になつておりません。それから根本君やその他官僚に転嫁したということでありますが、決してそんなことはないだろうと私は思うのであります。この間農林省の官僚の配置がえをやつたのでありますが、それとこれとは関係がないと御承知を願いたい。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 閣議の決定というものは閣議全体の責任であると考えますが、大臣はそうお考えになりませんか。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 閣議で決定した以上は、やはりみんな責任は共同であります。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 しからば閣議で決定し、その閣議決定事項を施政方針として国会を通して国民に声明をする。その声明通り行かなんだ場合の責任は、一体だれが負うのですか。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 多分、総理の施政演説の中に統制を廃止したいというお言葉があつたことを、おさしになるのだろうと思いますが、いつ幾日という期限は切つてなかつたように承知いたしております。それからまた声明の中におきましても、統制の方針は継続する、こういうことになつておりまするので、その問いささかも食い違いは私はないと思います。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 どじようかうなぎをつかまえるような答弁ではなはだ無責任きわまると思います。政府が統制を撤廃するという声明をいたしまして、多くの農民、また多くの消費者はこのためにどれだけ大きな動揺を来したかということは、あの当時の経過を検討すればよくおわかりだろうと思います。これに対して政府みずから何ら責任を負わない。また現実に当時の農林大臣である根本氏もこの問題を追求されて、国会の議場においても、この委員会においても、麦は本年の一月から撤廃する、米は十月まで統制を続ける、このようにはつきり言明されております。ところが今日あなたの今までの御答弁によると、麦は予算では四月に統制を撤廃をすることになつておるが、これも愼重に扱う、米に至つてはさらに慎重に扱う、こういうことであります。こうなつて参りますと、さらに伺いたいのですが、予算では麦は四月一日に撤廃するということになつておりますが、四月一日から撤廃する方針ですか。これを明確にしてもらいたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 そのような方針で、諸般の準備を進めております。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 麦と砂糖を四月から統制を撤廃するということが明らかにされておりますが、一体麦をどういう理由に基いて統制して来ましたか。そうして現に年間三百五十一万トンの輸入を予算上予定しておる。三百五十一万トンの輸入を予定せなければならぬ日本の食糧事情のもとにおいて、麦をはずす理由は一体どこにありますか。これを明らかにしてください。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 この統制をどういうわけでしたかということは、戰時中日本が孤立したから、国内の需給を円滑にするためにやつたと私は考えております。しかしもはや戰争も済みまして、外国からどんどん麦も入り、しかも統制をしておきながらやみの価格も大して統制価格とかわらなくなり、また下まわつておるようなときには、私は廃止する段階に立ち至つておると思つております。それから他の国みたいに国境が相接しておつて、国境を通して麦が逃げて行くということならどうか知りませんが、現在日本としては、これをはずしても全部外国へ行つてしもうという危険は私はないと思います。いろいろな角度から考えまして、これははずす段階に至つておる、こう考えております。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 麦を統制からはずすという理由は、いわゆる麦の需給が統制する必要がなくなつた。つまりやみ価格もほとんど公定価格に接近しておる現状において必要がない。こういうことになつた原因は一体どこにあるんですか。やみ価格が公定価格を下まわるような現状になつたのは一体どこに理由があるか。この理由はいわゆる貴重な外貨を使つて、必要以上の小麦が輸入されておるということから来ておるんです。そうあなたはお考えになりませんか。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 あなたの御質疑の点も廃止に至る一つの過程であろうと私は思います。しかし国内においての産額もだんだんふえていつているということも一つの資料だろうと思います。また麦のみならず、その他の食糧も戰時中よりずいぶん多く産出されるということもはずす一つの理由だろうと思います。要するにはずす段階になつたということは、これはあえてわれわれの自己催眠でなく、国民全般がもうはずす段階に立ち至つているということが常識のようであります。ただはずした後における金融あるいはまた配給、あるいは価格等について心配をなさつておるのではないかと私は考えております。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 国民はどう考えておるかということも大切でありますが、国の重大な国民食糧を扱う政府としては、絶対量が不足をしておる現在の日本の食糧構成において、現実に米ははずせないという現在において、米との抱合せといいますか、混食といいますか、そういう不可分の関係にある麦をはずすという段階に来ておるこの事実は、麦が必要以上に輸入されておるということなんです。だから絶対量が足らなければできるだけ始末をして、できるだけ必要な方法にこれを使つて行くということが必要である。現在われわれも知つておりますが、麦が相当やみで動き、やみの消費というものが非常にふえている。これみずから政府の麦に対する政策の大きな欠陷を暴露しておるのではないかと私は見ている。それらに対して何らメスを加えずに、昨年三百万トンの輸入予定が、本年は三百五十一万トンになつている。五十万トンからふえている。輸入を五十万トンふやして、国内で麦がだぶつくから、もう統制の必要がないから統制をはずす。その五十万トンふやした分で石炭を買い、鉄を買い、綿を買えば、どれだけ日本の経済再建になるかわからない。不必要な分に麦が使われておるという現実をわれわれが見ます場合、また事実麦がたくさん政府倉庫に晝寝をしておる現状、これの倉敷金利等を勘案しました場合、非常に麦に対しては大ざつぱな政策がとられておるということをお認めになりますか。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 これは政府としては万全の策を講じておるのでありますが、ただ食生活の慣習からして、米の方に重点を置かれるということは争われない事実であります。それからまた米の貯蔵については、もう十分なる研究がされておるのでありますが、長年麦を貯蔵するというような研究もまだ足りないようなことがこれを立証しておるようでありまするので、そういうわけで麦の配給辞退の率が非常にふえておることが、その辺の事情をよく物語つておるのでありまして、いかに日本の食生活が米に偏重しておるかということがわかるのであります。そういうようなときでありまするから、これは国民の声にこたえて統制をはずす、そうして自由にそれを使えるようにして、米食率をなるべく麦で補つて行くようにしたいと考えておるのであります。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 麦をはずしました場合に、一体今の米食率で完全に配給できる自信がありますか。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 今までこれは長年やつておることでありまするから、米の方を確保する手段さえ考えればできるのではないかと私は思つております。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 話がこまかくなつて恐縮でございますけれども、問題は、政府が昨年産米の供出を二千五百五十万石と押えた。これが完全に百パーセント供出され、超過供出や補正を差引きましても、大体まずこの供出量が本年の内地需要米でないかと私は押えておる。そうしますと、この四月に麦がはずされて米だけになります。そうなりますと三月末日までに食べてしまう二十六年度産米は、私の推定でございますが千二百万石ぐらいになりはせぬかと見ておる。そうしてあとへ残りますのがざつと千三百五十万石であります。この中で労務加配米、それから妊産婦、病人等に配給しなければならぬ加配米が四月から九月末までの六箇月間にざつと二百万石以上いるのではないかと押えております。現在米食率を五〇%と押えまして、一箇月消費量五百万石のうち、二百五十万石がいります。そういう計算で参りますと、現状の米食率を維持することに、事実上数字が合わぬことになりますが、この合わぬ部分を埋め合わそうとして外米を持つて来ようとしておるのだろうと思う。ところがこの外米が予定の質のものが予定のように、予定の価格で入つて来ません。そうなりますと、今遠藤さんからも御注意がありましたように、四月、五月の中間端境期が過ぎて、いよいよ八月、九月の大端境期になつて来ますと、絶対的に内地米の米食率は引下げなければならぬ事態に追い込まれると私は見ておるのです。そうならぬと一体どういう資料でお考えになつておりますか、これを国民が安心するようにはつきり御説明を願いたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 米食率が低下するのではないかという質問でありますが、あなたの御指摘の通り、われわれとしては心配はいたしておりますが、今度の再補正等によりまして、なるべく多く供出願うということで格段の処置を講じておるのであります。それからまた足りないところは予定の質のもので予定の数量が入るように万全の策を講じて、あなたの御心配のなくなるようにいたしたいと思つておるのであります。資料についてはあとでお手元に差上げたいと思つております。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 あなたの方は当面の責任者でございますから、米食率の下らぬように努力をしてもらうのは当然であります。そこで特に一つあなたに伺つておきたいのは、四月一日以降麦がはずされて米だけの配給になりました場合、現在生産地と消費地との間の配給の不均衡、生産地は二十日ないし二十五日が内地米で配給されておる。消費地は十日分の内地米で五日分の外米ということになつておる。この不均衡を直すつもりですか、それともこれは直さずに行くつもりですか、これが一点。  その次は、そういう非常に危險な米食率の低下の方向になつて参りますので、政府が目をつけますのは、この加配米をどうするかということになつて来ると思うのです。この加配米はわが国の産業、特に重要産業の面に配給しておるのでありまして、この加配米を万が一米食率が下るという前提に立つて外米で入れかえてみたり、あるいはまた粉食をもとれというようなことで、加配の量を切り下げるというようなことをやられたら、たいへんであります。政府は四月一日以降に生産地と消費地との米食の是正と、労務加配米に対する配給は従来通り内地米をもつて埋めるという確答ができますか、これをひとつ明確にいたしていただきたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 井上さんは非常に苦労性のようでありますが、私もあなたに負けないくらい苦労をいたしておるのでありまして、特に労務加配米等につきましては真剣に考えております。それからまた産婦その他についても、そういうものを下げないようにと思つて苦労いたしておるのであります。しかしそう言いましても、こういう人たちに粉食等を奨励することは十分奨励いたしたいと思つております。  それから生産地と消費地とのでこぼこをどうするかということですが、これは港の関係あるいはまたその他の交通の関係等によつて、なかなか骨が折れますが、なるべく平均化するように努力いたします。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 麦をはずしました場合に、政府は約八百万石に相当するものの買入れを食費会計で予想いたしておりますが、その買入れ価格は二五五の米価の算定を予想して、それの対米比価から麦価格をきめておりますが、この価格で買い上げるつもりですか。この価格ではたして八百万石の麦が政府に買い上げられるという見通しでございますか、この点を明らかにいたしていただきたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 政府委員から答弁させます。

東畑四郎食糧庁長官

○東畑政府委員 来年度予算で詳細御説明すべきだつたと思いますが、来年度麦価につきましては一応パリティ指数は二五五と推定をいたしております。基準価格につきましては戰後の基準をとりたい。これは米価審議会等の御答申もありまして、一応二十六年基準で麦価。パリテイ指数を推定いたしまして訂正をしておるわけであります。従いまして二五五対昨年の六月のパリテイ指数の比率で上昇率をかけまして予算の單価にいたしております。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 麦の統制をはずした後において、政府は今申します通り内地産の麦は買い上げる。外国輸入の小麦その他の麦は全部一手に政府が管理する。そうしてこれを民間業者に払い下げる、こういうやり方らしいのでございますが、そういたしますと、この払下げを受ける立場に立つ製粉業者は、一箇月約三十万トンの製粉を必要とする現状においてその資金が約百十億ほどいるのじやないかと想定しております。これは政府の方では全然そういう金融とか資金的処置は考えないで、業者の立場だけにこれはまかすか、それともこれらのものは延納を認めるとか、あるいはまたがつて政府が公団その他でやつておりましたように、認証手形なら認証手形を出して銀行の裏づけをしてやるというような金融措置をおとりになるか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 そういうことがあるから愼重にやると私は言つておるのでありまして、金融もこれは心配してあげなければなりませんし、あるいはまた業者から今いろいろな熱望がある延納の方法等についても愼重に検討して、業者が困らぬように、しかも円滑に物が動くようにしなければなりませんので、そこは愼重に私の方で考えております。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 さいぜんから食糧増産についてきわめて熱心な質疑がございました。私もこの問題に触れたいと思いますが、時間がありませんからごく大ざつぱに伺つておきたい。今遠藤さんやその他の人からも伺われたのですが、増産の目標を立てる基本として、政府の食糧政策は、私は米麦中心の食糧政策でないかと考えております。これははなはだ食糧政策としては今日の時代に——長い習慣や長い歴史があつて、そういうことに中心が置かれておるとは考えますが、しかし今日の国民の食糧構成の現状を見ました場合に、もうそれではいかぬ段階に来ておる。これは私は常々ごの委員会でも発言をいたして、政府に要請をいたしておるのでありますが、つまりわが国の食糧政策のその基本的な立場というものは、総合栄養食糧の方へ行かなければいかぬ、これは基本でなければいかぬ、こう私は考えております。そこで、政府は米の統制を続け、麦の統制をはずし、あるいは砂糖の統制をはずすというようないろいろな政策をおとりになつておりますが、一体政府の食糧政策の基本として、国民栄養の立場から、国民の一人当りの熱量を、何カロリーを目標にされておるかという点が、私は食糧自給の上からも一番大事な問題ではないかと思います。この問題をはずされて食糧政策はありません。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 私が言いたいようなことをあなたはお話になつておるようでありますが、私は、その米麦中心から総合栄養食に転換しなければならぬという最初からの指導者の一人であります。そこで、先ほど言いました、機構改革で林野庁を国土省になんか持つて行くべきものではないということから出発するのでありまして、山にはやはり油のとれるような樹木を植えたり、あるいはまたかえでから砂糖をとつたり、また海資源を利用して海からたくさん食糧をとつて、いろいろなものを集めた総合の上に食生活をやらなければならぬ、こういうふうに考えております。そういうような観点から、来年度予算におきましても、あらゆる方面に手を打つて食生活をどうにかして改善して行きたいという考えから、食生活改善の一環として、学校兒童に対してミルクを飲ませる慣習をつけるために、特に予算の措置を講じたりいたしておるのであります。大体日本人の食生活のカロリーは二千百カロリーぐらいを中心として考えておるようなわけであります。

松浦東介自由党

○松浦委員長 井上さん、時間も大分経過しましたから、そろそろ妥結をお願いいたします。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 もうこれで終ります。その場合、今大臣もちよつと触れられたのですが、昨日大臣の施政方針なりあるいは次官の予算説明等によりましてわかつたのでありますが、家畜の増殖の目標を無畜農家の解消に向けておる。これはもちろん農業経済の安定の上から必要な処置でありますから、当然の処置といわなければなりませんけれども、私はそれからさらに進んで、やはり国民栄養の給源体としての家畜増殖という問題にもつと力を入れなければいかぬではないか、そのために乳製品なら乳製品に対してもつと政府が手厚い手を加えて、これをほんとうに食生活の中へ取入れる処置が親切に行われなければならぬと考える。そういう面に対する予算的処置や法律の制定等が計画され、立案されて行かなければいかぬではないかと考えますが、これは大臣としては当然のことだとお答えになろうと思いますので、最後に一つ伺つて、ぜひこれは実現を願いたい問題は、さきにあなたは食糧供出の面において特に超過供出を促進する上から、無記名供出といいますか、匿名供出といいますか、そういうものを農林省は考えて、これをやれば税金はかからぬようになるだろうという考えでありますが、かつてこの制度を一度農林省としてとつたことがあります。ところが実際やつたあとにおいてこれが所得税の対象になりまして、非常に迷惑した地帯が数多く出ておりますから、あなたの方で特に大蔵省の主税局の方に対して、また主税局から各財務局に対して厳重に通達を願つておきませんと、かえつてうらまれる結果になりまするから、この点に対する十分な処置を願いたい。これに対して大臣のほんとうの親心でひとつやつていただきたい。それとさきに遠藤さんも触れておりました澱粉処置の一つとして、水あめに対する物品税の廃止の問題が今大きな問題になつています。これも同じ税の関係でございますから、この際ぜひひとつ実現をするように、国会としてもこの廃止法案を出すように準備はするつもりでありますが、これをやめることにおいて他に影響するというようなことから、大蔵省においても相当難色を示しておりますので、これらの点に対してもさらに一段の努力を要求いたしておきたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 親切なお問いでありまして、無畜農家解消というようなことばかりでなく、これを給養源として考えろということでありますが、私そのように考えております。すでに岩手県の開拓農民の団体から、一千頭のゼルシー種の購入をデンマークに問い合せてくれぬかというくらいに、そういう方向に進んでおります。單に今度の家畜導入費を出して、家畜の高騰をはかるようなことにいたしますると、無畜農を解消するどころか、かえつて導入に非常に困難を来すようになりますので、その辺は愼重に考えて、乳も出、しかも働けるという牛を私たちは望んでおるのでありまして、また品種の固定の方についても畜産局の方で検討いたし、長い間の研究も続けておりまするので、貴族の牛ばかり買わずに、平民でしかも貴族の品質を備えておるという牛を買いたい、こういうふうに考えておるのであります。それから超糧供出についてのお心やりでありますが、なるほどこの前はそういうトラブルがあつて御迷惑をかけたようであります。今度はそういうことのないように、十分私、心を盡して行きたいと考えております。なお物品税のことについてであります。水あめ等をある程度保護しなければならぬというようなことで、われわれ今池田君と話し中でありますが、なるべくそういう方向にしたいと思つて万全を期しております。それから乳製品の保護のことであります。これは外国製品に比べますと、内地乳製品が非常に高くなつておりまするので、関税その他いろいろなこともありまするが、現在はこれを入れないようにいたしまして、内地の乳製品の保護に当つておるようなわけであります。

松浦東介自由党

○松浦委員長 大森玉木君。

大森玉木国民民主党

○大森委員 私は肥料の問題から簡單に二、三点お伺いしたい。肥料問題は昨年もこの委員会において相当大きく論議されました。そうして肥料の輸出に対しましては、わが国の生産率とこれを対照して行うべきじやないか、こういうふうに論議されました結果、これは非常に多く増産ができる——こまかいことを申し上げると非常に時間が長くなりまするから、かいつまんで結論を申し上げまするが、電力等もにらみ合せてそう簡單に行くかどうか、これは河野君から非常にこまかく質疑があつたはずであります。ところが昨年は御承知のように、あの電気事情になりました。そこでさかのぼつて考えますと、この硫安のごときは統制時代には四百四十円であつたのでありますが、それが七百円と大体決定して、政府は七割かの値上りを見たはずであります。ところが今度は千円越すようになつたのであります。肥料の必要期は三月であるのでありますが、三月になりますと、一時に肥料購入をいたさなければならぬときが参るのであります。ただいま、現在ではその肥料の生産は農村に対して需要を満たすだけの生産量があるかどうか、この見通しについて大臣の所見を伺いたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 肥料の問題は先ほども遠藤委員からお話があつたのでありますが、これは大体あとの計画にはまだ行つていないようであります。しかし戰前、戰時中、戰後を通じてだんだんわれわれの希望する点に行つておることは事実であります。ただ農村においてどういうふうにこれを使用さしたらいいかということを今一番われわれとしては考えております。  それから価格の点につきましては、これは御存じのように、なるべく下げなければいかぬのでありますが、この購買販売系統の機関がまだメーカーを押えるだけの十分な機能を発揮していないのではないかという点も考えられますので、いろいろな点を考えて、生産の増強については通産省とも十分打合せまして生産を増強させたいと思いますが、現在の出来高あるいは在庫数量といつたこまかい点は、政府委員から答弁させます。

大森玉木国民民主党

○大森委員 そこで今後の価格の見通しであります。価格は今後現在の価格を維持するでありましようかどうか。申し上げたいことは、もしもこれ以上また価格が上るということになりまするならば、おそらくまた米価問題も問題となりましよう。米価の値上げはすべて全国民の生活に影響して来ると思います。あるいは賃金ベースも上げなければならぬでありましようし、この前の根本農林大臣のときもこの問題がここに論議されたのでありますが、米価を上げるということは大きな問題であります。しかしながら、生産価格が上ることになれば、農家から米価を上げよと要求することはこれまた当然であると思います。こういう点を考えまするときに、私は今後の金肥価格というものが、現在のままで行けるかどうか見通しを伺いたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 われわれとしては農家側の立場に立ちまして、化学肥料の価格が低下することを望んでおるのであります。しかし生産量その他でなかなか思うように行かぬのでありますが、われわれとしてはなるべく上らないような方途をできるだけ講じたい、こう考えておるわけであります。

大森玉木国民民主党

○大森委員 そこでこの肥料の問題は、今係から詳しい数字をということでありましたが、実は先ほどもどなたか尋ねたけれども、肥料の生産量に対しては一向大臣のお答えがないのであります。これは私は大きな問題だろうと思います。先ほどのお話では、金肥よりも堆肥、いわゆる耕土を培養して行かなければならないというようなお話は、これは御意見として伺うことはよいと思うけれども、私どものお尋ねをしておることは、大体肥料価格というものが大きな問題となつて来るから、さらに本年のさしあたりの金肥というものがどういうふうになつておるかということが聞きたいのであります。これは係からでもよろしいのでありますが、今私の不安に思つておりますことは、どうしても昨年の電気事情から考えまして、それとにらみ合せて生産量等を考えるときに、本年の肥料というものはわれわれの需要を満たすことはできないのではないかということを私どもは心配いたしております。  さらにお尋ねをいたしたいのは、積雪寒冷地帶の問題であります。これは現農林大臣のときであつたと思います。そこで私どもは大きな期待を持つておつたのでありますが、今度いよいよ補正予算が出ましたときには、幾らであつたかと言うと二十億というものがそれに対するいろいろな融通金であつた。しかしながら私どもは、あのときのお話ではまだ相当大きなものであると期待いたしておつたのであります。なおそれに対していろいろな角度から陳情等が始まつておりますが、この積雪寒冷地帯の補助金のあり方がいかなる方法によつて扱われておるのであるか、審議会のできたこともよく承知しております。しかしながらこの審議会等の関係というものがいかなるものであるかということを伺いたいのであります。それは積雪寒冷地の何か促進運動のようなものをやつております県が十六県あるのであります。この十六県の人たちが予算をとるために運動をしなければならないということであるのでありますが、しからばこうした予算というものはどこに運動すべきであるか、予算というものはどこから出るのであるか、審議会が、これを扱つておるのか、こういうような点が不明朗であるので、この点を詳しくお示しを願いたい。地方に参りますと、この問題が非常に大きく取上げられておるのでありますから、この点をお尋ねしておきたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 予算は国庫から出るものであります。この積雪寒冷地帶の問題は大事なことで、長い間問題になつてようやく解決がついたのですが、来年度予算においては約四十億円程度これに充てておりますが、この使途については公平にやりたい。審議会その他の意見も尊重し、あるいはまた国会の意見も尊重いたし、愼重にいたしたいと思います。なおまた俗に言う寒冷地帶でなく温暖な地方におきましても、山岳地帶等においてはやはり寒冷地帶が点々としてあるのでありまして、そういう方面については、本年は調査費を設けてこれを調査いたしまして、適正を期したいと考えております。

大森玉木国民民主党

○大森委員 予算が国庫から出るということを聞いた以上はお尋ねをいたします資料は持つておりますが、これは後に譲ります。  そこで家畜の問題でありますが、御意見を承つて実はそれで満足いたしている。しかしながらなお一言申し上げておきたいと思います。先ほどもどなたかかの発言中に、畜産局の廃止論があるということを言つておられた。私はこれは暴言であると申し上げたい。なぜかというと、畜産は先ほども大臣が申されたことく、新しい食糧需給の上から考えましても非常に大きな役割を持つている。それなのに畜産局の廃止論などということは暴論であると私は考える。そこでお尋ねをいたし、さらに考慮を願いたいことは、家系導入資金でありますが、家畜導入資金に対していかようなお考えを持つておられるか、これは農村の要望であると思うのであります。この点を伺いたいのであります。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 畜産局廃止のことはだれかの臆測で、そういう具体的のことは私まだ聞いておりません。またそんなことはすべきものではないので、井上委員のおつしやる通り給養源として家畜を見なければならないまでに現在もう行つているように食生活はかわつて来ている。牛については單に役牛ということではない、あるいはまた馬においても單に軍馬というようなことでなく、食糧の増産に必要なものという考えからそういうふうにいつて来ているのであります。ましてや中小動物等についても食生活と切り離しては考えられない、食生活の一環として十分尊重しなければならないと思つております。  それから家畜導入資金の具体的な今後の方法については、最も適正にわれわれは使いたいと考えておりまして、具体的なことはまだ私完全に承知しておりませんが、使途については事務の方で間違いのないように万全を期して行きたいと思つております。

松浦東介自由党

○松浦委員長 午前の会議はこの程度にとどめまして午後は一時二十分から再開いたします。     午後零時十九分休憩      ————◇—————     午後一時五十二分開議

松浦東介自由党

○松浦委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  農林大臣に対する質疑を継続いたします。竹村奈良一君。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 私は、先ほどより同僚委員からいろいろ問題を出されておりますので、大体重複しない形においてお伺いしたいと思いますが、まず昨日農林大臣の方針を承つておりますと、政府は食糧の総合的需給関係というものを第一点に取上げられまして、そしてこれに重点を置いておるということになつておるわけであります。しかも政府のいわくには、食糧増産のために特に総額四百億円に及ぶ食糧増産費を組んでおる。こういうふうに言つておられるわけでありますけれども、その内容を見て参りますと、詳しい数字の面につきましては後日また別にお伺いいたしますが、総合的に考えますと、たとえば土地改良、そういうものに対して二百十六億、あるいはまた農林漁業資金に融資するために約八十億等が入つておるわけであります。ところで農林漁業の融資のための八十億というものは、これはまあ農民の借金でございまして、ただもらう金ではないのであります。従つてこれは借金として残るわけであります。その他の二百十六億等の、土地改良をやつて、食糧を増産する、一応もつともであります。こういう金ももちろんもつと増額されなければならないとは思いますが、しかしそれと反対に、われわれの今日考えなければならないことは、食糧の自給をやるために、そういう面においていろいろ予算的措置をとるとおつしやつておられますけれども、しかし一方におきまして、その最も必要條件であるところの農地がどんどん取上げられておる例があるわけであります。これはおそらく現在において、日本全国の農民にとつては最も関心の深い問題であろうと私は考える。たとえば北海道の旭岡地方におきましては二百四町歩の土地、取上げがある、あるいは青森県の駒込地区におきましては百六十町歩の土地取上げがある、栃木県中島地区におきましては百二十町歩の土地取上げがある、あるいは鳥取県美保の五百町歩、あるいは熊本県の浅ノ萩の八百町歩、福岡県の平尾台の六百五十町歩等等、まだまだずいぶん各地にあるわけであります。このことにつきましては、こういう土地取上げが、たとえば警察予備隊の演習地であるとか、あるいは今度安保條約が締結された結果、日本における安全保障の名目のもとにアメリカ軍が駐留いたしました場合におきましては、それの軍事基地等における土地取上げがほんとうに莫大なものになるのではないかと私は考えておるわけであります。しかもこのことに対しまして先般来委員部を通じてこうした警察予備隊の演習地、あるいは米軍が駐留するために必要とされて取上げられる土地というものは、一体どのくらいの計算を持つておられるかということを、資料として要求したのでありますけれども、私の手元にはいまだに届いておらない現状であります。政府の方では予算的措置として開墾あるいは干拓、土地改良等に予算をさいておられますけれども、一方におきましてこういう莫大な土地取上げがどんどん行われて行くとするならば、口に食糧増産を唱え、それの防止策をやろうといたしましても、一方において減つて行くわけでありますから、結局現状維持政策以外の何ものでもないといわざるを得ない。と同時にもつとつつ込んで考えますならば、こういうふうに一方において土地取上げをどんどんやらせながら、一方においてそれの見返りとしての干拓、開墾をやるとするならば、ひるがえつてこの土地取上げさえやめざせれば——たとえば警察予備隊の演習地などはこれに充てないとするならば、一方における開墾、干拓の費用というものが、ほんとうの意味における食糧増産のための土地拡張になると思いますけれども、それをやらなければ結局一方においてそういう土地取上げがどんどんある。あるから何とか現状を維持するために開墾や干拓の方に予算を少し出したということにもとれないとは言えないのであります。そこで私お伺いいたしたいのは、こういう土地取上げの予定地、あるいは演習地としてすでに取上げられておるような土地に対して、一体農林大臣はどういうふうに考えておられるか。今後行政協定ができて、駐留軍がそういう基地を必要とする場合におきましては、これを国内においてどれだけにとめようとされるのか、どのくらいの土地をつぶすことを承認されるのか、あるいは全然つぶさないようにするにはどういう方策をとられるのか、まずその点をお伺いいたしたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 進駐軍、警察予備隊等々が既墾地を演脅地その他に使用することについての御意見でありますが、これは私たちといたしましては、なるべく既墾地をそういうものにしないようにという申入れをいたしておるようなわけでありまして、今までせつかく戰後開拓をしたような土地をなるべく避けてほしいということをそれぞれの方面に言つておるようなわけであります。あなたの御指摘のように、ここで開拓開墾をやりながら、片一方でそういうふうにしては実際の成績が上らないということは、その通りであります。そこで私たちといたしましては、万やむを得ない事情のない限りはそういうことにしないように強く申入れをいたしておるようなわけであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 そこで私はもう一つ伺いたい。万全の措置をとつて最小限にこれをとめて行きたいというお考えでございますが、農林省といたしましては、それの大体どのくらいを予定されておるのか、あるいはまた今までに紛糾が起つたのはどれだけであるか、今後この土地取上げに対しましては農林大臣として一体どうするのか、こまかい数字的な面は後日でけつこうでございますが、しかし取上げられる、また今取上げられようとしている農民が非常に困つて反対運動をやつておるものに対してはどういうような措置をとるか、取上げられようとするところの農民に対しては一体どんな措置をとるか、どれくらいの補償をするか、あるいは見返り地をやるのか、こういう点を伺つておきたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 これは今後の行政協定の問題になると考えまして、その意見を具申いたしまして、注意を喚起しておるようなわけであります。今後は先ほども申し上げました通り、最小限度にやりたいと思つておるのであります。ただあなたの御指摘の分は、多分警察予備隊等がさしあたりどういう所がよろしいかということで、調査をしておることを、あなたの方でとられたのじやないかと思いますが、正式なものはまだ参つておりません。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 それでは詳しい点につきましては別な機会に伺うことにいたします。  そこで私のお尋ねいたしたいことは、政府は非常に農林予算に力を入れておると言われておるのでありますが、もちろん、今日の原始産業としての農業に対しては、こういう措置は当然とらるべきだと思います。たとえば食糧増産費の四百億というものを本年度は組んだ、こう言つておられますけれども、しかし一切の増産の根本をなすものは、やはり今日現在の政府が最も主張されておられますいわゆる資本主義的な自由経済主義の原則からいたしますと、私は單なる予算の面における増額ということだけでこの問題は能事終れりとするわけには参らないだろうと思うのであります。われわれは別に考えを持つておるのであります。しかし現在の政府のいうわく内で考えてみますれば、問題はそういう形ではなしに、私は常にこのことを主張し続けて参つておるのでありますけれども、現在の政府が唱える自由主義経済の原則から申しまするならば、やはり問題の中心は農家の生産いたしますところの米麦並びにかんしよ、ばれいしよという重要生産物に対し、あるいはその他に対するところの価格政策でなければならないと思うのであります。ところで今日の価格政策をながめて参りますと、非常に生産費が食い違つておるわけであります。これは農業団体等の生産費から申しましても、本年度で約三千円ぐらい食い違つておる。また麦なんかでは、生産費は少くとも七千円ないし八千円かかることは当然でありまして、政府は四千円あまりで買い入れるという政策をとつておられるわけであります。そこで問題は、そういう価格政策をとつて、農家に金を貸す、あるいはいろいろな形で補助をするといつたところで、たとえば本年度の供出米の二千五百五十万石で三千円の食い違いがあると考えますと、総額で七百五十億になる。そうすると四百億を食糧増産費に組んだといいましても、今年産米の供出額だけをとつてみましても、少くとも三百億は農民は損をしておることになる。そういたしますと問題の観点は、こういうような価格政策が確立されなければならぬと私は考えるのであります。たとえば予算書を見ておりますと、今度の米価決定には二五五のパリテイで行う、こういうようなことをいろいろ言つておられるわけでありますけれども、しかし問題の中心は、やはり常に政府の唱えておられます原則からして、まずパリテイとかなんとかいうことではなしに、生産費計算でなければならぬ。従つて生産費を中心とした価格の決定であり、しかもそれは生産費を中心とした価格だけではなしに、少くとも今日の経済の原則から申しますと、これは拡大再生産をする、つまり農家がそれで生活できて、さらに拡大再生産するところの生産費でなければならぬ。農林大臣は新聞紙上等におきましては、少くとも納得の行く価格で供出してもらうような方針をとるというふうにおつしやつておりますので、この際はつきり聞いておきたいことは、現在の農林大臣として、生産費計算を基礎としてそれから農家が拡大再生産でき得る、たとえばほかの工業生産費と同じような利潤を認めた価格で買い入れる方針に改められるかどうか。この点をお聞きしておきたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 食糧増産にとつて価格の政策は重要な要素であるということは、これはあなたの御指摘の通り、よくわかるのであります。この価格政策を決定する上において生産費を中心としてやつたらどうかということであります。生産費を中心としてわれわれは何回も数字をはじいてみたのでありますが、この生産費もまた種々雑多でありまして、どの点をとるのがほんとうの生産費であるかということはなかなかむずかしいのであります。これをピラミッド型に積み上げて、そのまん中でとつて行くのがいいのか、上でとつて行くのがいいのか、あるいはベースでとるのがいいのか、それによつて非常に違つて来るのであります。そういうようないろいろなことから考えて、現在パリティ指数の計算でやつておるのであります。しかしやはり再生産ができ得るような価格でなければならぬということはわかつておるのでありまして、来年度の米価決定におきましては、米価審議会の意見等も十分尊重いたしまして、われわれは農民の気持でぜひ価格をきめたいと思います。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 米価審議会云々とおつしやいますが、先般来の米価審議会の経過を見ますと、米価審議会が答申したものすら政府はおとりになつておらないということから考えて、一切を米価審議会に譲ると言われること自体、これは言いのがれであろうと思うのでありますが、これはきりがございませんから、もう論議はいたしません。従つて米価審議会云々と言われた以上は、米価審議会の答申が実際に政府において実行されるように、一応希望しておきます。  次にお伺いいたしたいのは、土地改革の問題であります。今度政府は農地法とか何とか出す予定をしておられるようでありますが、昨日の農林大臣のお話の中に、土地改革によつて大体二百万町歩の作地が自作農地になつた、従つて四百二十万戸の農家が自作農になつて、これは所期の目的を達した、従つてこれの維持増進をはかる、こういうふうにおつしやつておるのでございます。しかし私はこの以外に日本の食糧自給態勢の見地からも考えなければならないことが非常に多いと思うのであります。というのはどういうことであるかと申しますと、御承知のように、まだ日本におきましては、これは農林省の統計なんかにも出ておるのでありますけれども、開墾して、農地に転じ得るような山林牧野等が三百万町歩も放置されておるということであります。私はこういう山林牧野を今日開放して、農民がほんとうに喜んで開墾でき得る措置を講ずるのがほんとうだと考えるわけであります。こういう点について政府は一体どうするのか。  もう一つこの問題で申し上げておきたいのは、たとえば二百万町歩の土地が地主から開放されて、自作農になつた。だからこれで能事終れり、この維持増進をはかるとおつしやつておりますけれども、しかし私はこれははなはだおかしいと思う。もちろん形式的には自作農になつたことは事実であります。事実でありますけれども、実質的にはたして自作農としての存在を続けておるかということに私は大きな疑問を持つ。事実はほんとうの意味の自作農になつておらない。なぜならば、たとえば農民が土地の開放を望み、自作農になるということを望みましたのは、昔のような地主制度のもとにおいて高い小作料を地主に納めることをきらい、そういう小作制度のもとにおける経済的な圧迫あるいはその他の封建的なわれわれの圧迫からのがれるために自作農を希望したのでありますけれども、それでは現在この開放された四百二十万戸の農家は一体どういう状態にあるか、このことを私は考えなければならぬと思います。政府は單にこれの維持をはかると言つておられますけれども、このままの維持をはかつてもらつてはとんでもないことになると私は思うのであります。というのは、農家は自作農になつた。政府は自作農になつたからこれでいいのだと言つておられるが、しかし実際はどういう状態にあるか。個々の農家を考えてみましたときに、先ほど米価の問題、生産費の問題について少し申し上げましたが、たとえば農家が米を十石つくりましても、その十石が一石一万円しているものを七千円で政府に取上げられておるとするならば、結局この三割というものは昔の小作料に相当するわけであります。昔は六、四ということで地主に四割くらいの小作料を納めていたのでありますけれども、価格の面では実質的には百姓はすでに三割という小作料を地主にかわつて政府に納めている。これはもちろん形態もかわり、対象もかわつております。その上、自作農になつたがゆえに固定資産税としての税金を払つている。そうすると米では、大体自作農になりましたけれども、三割五分の小作料を地主にかわつて政府にとられていることになる。これは本質的には自作農ではないといわざるを得ない。もつと悪いことには、昔の地主制度のもとにおきましては、麦年貢というものは、ある地方には少しはありましたけれども、大体全国にほとんどなかつた。ところが今度は自作農になつて買上げ制度があり、しかもそれが八千円もする麦を四千円で買い上げられているとすれば、これは四割という麦年貢を納めていることになる。だから今までの地主制度のもとにおきましては、米のときだけ一回の年貢で済んだものが、今度は米と麦と両方の年貢を納めていることになるわけであります。しかもこの麦作の半分の年貢を納めなければならない原因は一体どこにあるかといいますと、先ほど井上君も指摘いたしましたように、外国の輸入食糧であります小麦がああいう形で入つて来て、政府が二百七、八十億の補助金を出して莫大な輸入をいたしますがゆえに、農家は引合わない価格で売らざるを得ない。つまり市場一般の価格でもやみ価格が公定より下まわつたという原因は、先ほど井上委員も指摘したように輸入価格であります。そういうふうに考えますと、結局百姓はほんとうは小作料を納めることをきらい、小作料を納めなくてもいい——つまりほんとうの意味においてその土地で自分が生活でき、農業を自分で維持でき、だれのごやつかいにならないでも拡大でき得るということを望んで自作農を希望したわけでありまして、それがまたほんとうの意味における農地改革の方針であろうと私は思います。政府はほんとうに維持増進をまかるというのであるならば、私が今申しましたような欠点を除去しなければ維持増進をはかれないと、私は思うのでありますけれども、こういう点について政府は一体土地改革において今まで放置されている三百万町歩以上の山林牧野を開放するのかどうか、そしてそれを耕作地とする積極的な政策があるのかどうか、また先ほど申しましたように、農民が安心して生活ができ得るという方策を立てるための農地改革完遂の維持増進をはかるという意味かどうか、この点をお伺いいたしたいのであります。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 四百二十万戸の自作農を創設して、これがまだ自作農の本能を発揮できないのじやないかというお話でありますが、われわれはこの自作農の生活を向上させるために努力しておるのであります。御指摘のような税金につきましても、先ほど申し上げたように、年々これを軽減するような方途をとつておるのであります。また米麦の価格の問題につきましても、年年価格を高くするようにいたしておりますが、漸を追うて自作農のほんとうの生活を確立するようにいたしておるようなわけであります。それから輸入食糧が圧迫するのじやないかということでありますが、これはそういう見方があるかもしれませんが、しかし全般の食生活から行きまして、輸入食糧は入れなければなりませんので、これによつて生産農家が圧追されないようにわれわれは努力しなければならぬと思つております。それから山林牧野の開放の問題でありますが、山林は山林、牧野は牧野の使命がありまするので、これはその使命を達成させるようにいたしたいと考えておるわけであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 続いてお伺いいたしますが、最近農村において大きな問題になつておりますのは、農家における次男、三男の問題であります。農村におけるこういう人たちの失業者は、これははつきりした数字はわかりませんが、大体において五、六百万というように一応言われておりますが、少くとも今日の農村における次男、三男坊の対策は非常に重大な問題であると思うのであります。これに対して政府はどういう方針でこの次男、三男の半失業状態あるいは失業状態というものを転換せしめて行こうと考えておられるのか。このことがはつきりいたしませんとわれわれは非常に憂うるわけであります。今政府は再軍備をしないとかなんとか言つておりますけれども、方向としてはそういう方向に向いておる。そういたしますと、この次男、三男坊対策を置去りにしておくということは、農村の子弟をあげてそういう方面にという考え方が政府にあるのじやないか。これに対して私たちは非常に危惧の念を持つておる。と同時に、この人たちに仕事をどうするかということが大きな問題であると思いますので、この際こういう人たちに対してどういう方針を持つておるかということを、農林大臣から伺つておきたいのであります。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 農村における次、三男対策が農村における大きな問題であることはあなたの御指摘の通りでありまして、それがために国は開拓、開墾等をやりまして耕地の増加をはかつておるようなわけであります。それからこれと並行いたしまして、協同組合等を通じて農村工業等を振興させるように努力しております。また酪農等も極力奨励して、その方面でこの次、三男の対策を講ずるというようにいたしておりますが、何せ非常に細分化された限られた耕地における対策でありますので、まだはつきりしたことはわかりませんが、しかしわれわれとしては、先ほども申し上げた入植を勧誘したり、あるいは土地の開拓をやつたり、あらゆる角度からこの問題について検討いたしているようなわけであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 私は時間がありませんのでもう一点だけを伺つておきたいのでございます。  それは最近各国との、たとえばフイリピンその他との賠償の問題がいろいろ取上げられまして、政府においては大蔵大臣は、これは金で払わないというようなことを言つているわけであります。そういたしますと、この賠償問題を通じて農村に対する影響は一体どうか。日本の農業政策に対して、日本の農村に対しての影響があるのかないのか。たとえば物で賠償をやるという場合には、農村における次男、三男による、また農業技術等による賠償を考えているのかどうか。もしこういうようなことが考えられ、あるいは農業機械、肥料その他における物質的な問題についての賠償が考えられているとするならば、これはわが国農村にとつては非常に重大な問題でもありますし、このことについてはいろいろ——それこそ先ほどからたびたび農林大臣も言つておられるように、ほんとうにこの問題は愼重に考えなければならぬ問題だと思いますが、もしこういう賠償問題に対しまして、政府の方において農村とは関係ないと考えておられるのか、あるいは関係があつてそういうような構想でもあるかないか、この点を伺つておきたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 賠償の問題についてはまだ具体的な問題がありませんので、具体的に申し上げる資料を私何も持つておりませんが、しかし何せどういつた形かにおいて役務賠償を通じて農村に何かと響いて来ると私は思いますが、今のところまだ何らその適切な材料を持つておりませんから、その事態が起きた場合にあらためて検討いたしたいと思います。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 もう一点だけ伺つておきたいのでございますが、先般二十六年度の産米の供出にあたりまして、いわゆる集荷委託費というような形における供出奨励金を供出完納者に対して完遂石数の一割に対して一千円を支出するということを大体閣議で決定されて、そのことが末端に通知されているのでございます。これは払い方について小さいことだと考えられるかもしれませんけれども、しかし私は重大なことだと思つております。その払い方について、たとえば個々の農家が割当量を完遂いたしましても、村全体が供出を完遂しなければ個々の農家で完遂した者も一割の報奨金を渡さないと通牒が参つているのであります。これは一体法律的にはどこに根拠があるか。少くとも今日日本においては個人に割当てられたものを個人が完途したならば、当然それにおいて報奨金はとるべきだ、当然とらなければならぬ。それにその村全体が供出を完納しなければ払わないというようなことになりますならば、昔の徳川時代における五人組制度と何らかわらない。今日の新憲法下においてそういうことは許さるべきでないと思うのでありますが、それが閣議決定としてここに出て来ている。一体政府は、最近の法律やその他一切を無視して、昔の徳川時代と同じ形において村全体が納めなければならぬ、納めなければ報奨金を渡さないという法律的根拠はないと思います。これはぜひ改めなければならぬと思いますが、改められるお考えがあるかどうかお伺いしたいと思います。

東畑四郎食糧庁長官

○東畑政府委員 ただいまのお話は集荷委託費の問題だと思います。大いに集荷をするために奨励する。その前提しといたしまして市町村で供出の割当をいたしております。割当をなるたけ完遂していただくというための奨励金でありますがゆえにそういう前提を置いたのであります。別段法律問題という問題ではないと思います。こういうふうに考えております。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 これは私は詭弁だと思います。後ほどまた別の機会にずいぶん長くやりますが、私の持時間がないので簡単にやりますが、それは詭弁であります。集荷委託費というものならば集荷そのものにやらなければならぬ。何ゆえに農民個人にやると言つたものを、ほかの農民が納めないからといつて完遂した農家にやらない。委託費あるいは手数料であるならば、割当を完遂するためにやるのではないと政府ははつきり言つている。完遂した個人の者にやるということははつきりしている。個人にやると言いながら、事実は村全体が納めなければやらぬということは大きな矛盾であります。そういう形にしてたとえば米の統制撤廃等を豪語して、それで供出が完遂でき得ないという見通しから、村に責任を負わせて、村の責任というよりもむしろ個人個人、農民同士をけんかさせて、お前が納めなければ報奨金をもらえないのだということを言わせてやろうとする悪い策略、そういう悪い策略はおやめになつた方がよろしい。徳川時代の五人組とちつともかわらない。政府は昔に帰るようにやつておられますが、あまりひどいと思う。従つてそれはおやめになることが必要であるから、最近のうちにそういう通牒を改めて、やめてもらいたい。このことを農林大臣から聞きたい。  もう一つ聞いておきたいのは、たとえば輸入小麦に対しまして、最近の朝日新聞に出ておつたのでございますけれども、つまり麦角という最もあぶない劇薬がまじつておる。それが莫大なものであつて、このまま食糧に供するならば人間にとつて大きな害があるということが問題になつております。こういう輸入食糧は一体向うからかつてに送つて来るのでございますか、あるいは輸入する場合において相当日本政府が検査をし、日本政府が好むものを輸入されておるのか、この点を伺つておきたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 集荷委託費はあくまで集荷委託費でありまして、これは通牒の通りにいたしたいと思います。  それから輸入食糧の麦角の話でありますが、実は新聞にも出ておりましたので、昨日横浜の検査場へ参つて見て来たのであります。ところが今のところではまだ人体に影響を及ぼすほどの多量のものは入つておりません。あなたが御指摘のような危險な状態ではないのであります。これを引取る場合に、十分に農林省としては検査をいたしております。またこれも麦角があつた場合にはちやんとこれを除いてみんな配給するようにいたしております。

松浦東介自由党

○松浦委員長 足鹿覧君。

足鹿覺日本社会党(第二十三控室)

○足鹿委員 私は農林大臣に大きな問題を三つにわけましてお尋ねいたしたい。第一の問題は講和発効後に伴う政府の農林政策の基調とでも言いますか、第二が農林大臣の御説明にありました政府の農林政策当面の目標について、第三点は農林政策の実施と農林組織というような組織問題について伺いたいと思うのであります。  第一の講和発効後に伴う政府の農林政策の基調の問題についてでありますが、時間がございませんからきわめて要約し、他の同僚委員との重複を避けて行きたいと思います。選挙の前でもありますし、農村を非常に重観した予算を組んだというお話でありますが、私どもこれは失礼な申分でありましようが、この予算を見まして、政府が言われるような農村重視の予算とは考えられません。いずれ具体的にはあとで指摘したいと思いますが、特に超均衡再軍備予算がいろいろな形で、むしろ逆に農村軽視の傾向すらもあるのではないかと私どもは憂うるものであります。政府のとつておる当面の目標について見ますると、国際情勢に対応して、食糧自給度を確立して、日本の経済自立を促進して行く、あるいは農林業生産物を増強して行くとか、あるいは農家経済の安定をはかるとか、他産業と農業との均衡をはかつて、農業の後進性を是正するとかいうような、一応問題の羅列だけはしてあると思います。しかしこれに対するところの何ら基本的な解明は行われておらないといわざるを得ない。このような予算をもつてして、このような大きな題目をお取上げになつておりましても、私どもとしては肯定すべき何ものもないといわざるを得ないのであります。そこで政府は、農村行政上の当面の目標としてお示しになつた以上の各項の基本をなす問題として、日本農業が講和発効後において、国際農業との関連がきわめて濃化し、従来の孤立的な環境から、国際的な環境へと押し出されて来る際におきまして、当然われわれが想像いたしますのは、昨年末日本の畑作農業に、あるいは北海道の甜菜に、四国、九州方面の白下糖業等に致命的な影響を与えましたキューバ糖の政府放出の問題、また四月から自動承認制によつて、外貨さえあれば営利性によつて砂糖の輸入が幾らでも認められるというような事例から推しまして、これらの問題は具体的に日本の農業に大きな影響をもたらすことは、何人といえども否定できないのであります。そうした本年の農業関係の動向を考えましたときに、今までのようなドツジプラン以降における、農業を一個の私企業として、農業に助成をするならば、他の企業も同様であるというような、きわめて画一的な観点に立つて日本の農業政策の基調を立てておられるやに私どもは見受けます。この点については、いわゆる農業の後進性を認め、日本農業の過小性を認め、その上にこの零細性を保護して行く基本的な政策の基調が樹立されない限り、日本の農業は、いわゆる自由経済への復帰と、国際農業の一環としての影響を受けて、一たまりもなしにくずれて行く。現にその姿が現われておるのでありますが、講和発効後におけるところの農林政策の基調について、農林大臣の基本的な御所見をこの際承つておきたいと思うのであります。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 たいへん大きな問題でありますが、講和発効後における農林政策の基底は何かということであります。これはこの予算書にもある通り、またあなたが今御指摘のように、自給度を高めたり、また農家経済を安定させたり、他産業とのバランスをとるような方向へ参るのであります。ただ国際農業とのさや寄せの問題でありますが、ただいま御指摘のような甜菜等に対する打撃、またいもからできますあめに対する打撃、こういつたような個々の問題は今後起ると思いますが、こういうものに対しては、物品税なり、また甜菜に対しては甜菜の歩どまり、砂糖の歩どまり等も考えて、免税点等の設置も今考えておるようなわけでありましてさようなことで、個々の問題でこれを解決いたしたいと思うのであります。また、農業が他の産業と違う点については、今までわれわれがやつておるように、やはり農地の改良なり、あるいはその他の方面において国家資金を入れて助成しなければならぬので、単に他の企業のように、画一的な私企業として参るわけには行きませんので、成るべく国家資本を投入いたしまして、零細な日本の特殊な農業を、国際農業のさや寄せにおいていためられないように、われわれはやつて行きたいと思つております。

足鹿覺日本社会党(第二十三控室)

○足鹿委員 時間がありませんので、議論にもわたる点がありますから、今の農林大臣の御答弁では満足いたしかねますが、これはまた後日の問題にしたいと思います。問題をもう少し具体的にしまして、第二の農林行政当面の目標の点について、いろいろな問題を伺いたいのでありますが、私は農地政策に関連して特にお伺いいたしたい。  政府は食糧の総合的な自給度を向上し得るような生産態勢を整備すると言つておる。また、資源の維持培養をはかつて行くと言つておる。そうして一応のこれが施策を掲げておるようでありますが、これは二階から目薬的な効果すらわれわれは期待できないような面を現実に見ておるのであります。その一番集約的な現われは、農地政策に集約できると思う。すなわち昭和二十六年度、有償無償にかかわらず、所有権が移動いたしました農地の件数は九万一千八百七十件、面積にしても二万一千十五町歩といわれております。これを昭和二十四年と比較いたしますと、件数において七倍、面積において二・五倍、しかも農家が農地を手離す理由は、生活の維持困難、負債の償還等が大部分であると伝えられておる。しかもわれわれが最も考えなければならないことは、三反歩未満の農家、あるいは一町歩未満の農家に、農地の手離しが一番多いということであります。そうして一町歩以上の富農的なものにこの農地が漸次集中化して行くという傾向が、農林省の統計にはつきり出ておる。この農地の商品化的な傾向は、一体どこから出て来ておるか。一つの法律的な原因は、去年の八月の農地価格の統制撤廃に始まる。同時に、政府のとつておりますところの価格政策の貧困、あるいは自由経済的ないろいろな農業施策の欠陥から、かような農家の窮乏となり、せつかくの農地改革も、土地をみすみす手離して行くというような結果を招来し、自作農も、はかない夢として、現在はかような事実が現れて来ておるのであります。これに対して基本的に一体どういう政策をとつておられるか。私どもとしましては、政府の今後出されようとするところの、農地法のごときものをもつてしては、とうていこれに対する適当な対策だとは考え得られないのであります。この点について土地の兼井等に対してどのようなお考えを持つておいでになりますか、これが一つ。  いま一つは、農村の次、三男問題と関連いたしまして、政府は一つの農家の経営規模なり、日本の零細農業に対する基本的な考え方として、適正規模農家を育成して行かれるということはもちろんでありましようが、しかも半面、零細農業に対する適当なる施策が加えられない限りは、今申しましたような兼井的な傾向が漸次現われて来るのでありますから、これに対する協同化対策というようなものは一体どういうふうにお考えになりておりますか、いわゆる適正規模に重点をお置きになるならば、零細農対策というものはおろそかになり勝ちである。一体その重点をどこに置いてやろうとしておいでになるか、その点をひとつお伺いいたしたいのであります。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 農業政策の基礎をなす農地の政策の問題でありますが、これはあなたの御指摘の通りに、われわれは総合的にすべてのものを生産して行くように考えておるのであります。その中で農地の移動の問題でありますが、これもわれわれといたしましては、非常に頭を悩ましておるのであります。これを防ぐに一番よい方法と申しましようか、それは何といつてもやはり長期で低利な金融をつけることが私は一番大事じやないかと思うのであります。あなたのお話のように、生活のことから農地を手離すというお話でありますが、私もそう考えております。これは農地担保金融というようなものを今後われわれは考えて行きたいと思つておるのでありますが、農林省といたしましては、その案をつくりましたのですが、まだ実現に至りませんが、ぜひこれは私やつて参りたいと思います。それからまた零細農をどうして保護して行くかということでありますが、これについてはやはり協同組合等を活機に活動させまして、協同組織によつて各個人々々の農家の利益を守るように仕向けて行かなければならぬというように思つておるようなわけであります。

足鹿覺日本社会党(第二十三控室)

○足鹿委員 農村の次、三男対策に関連をいたしまして、これは非常に重要な問題でありますが、最近農村にこういう傾向があるのであります。農林省がお気づきになつておりますかどうか知りませんが、農民の相続税の問題です。いわゆる十五万や二十万のぼろ家やわずかの宅地を相続して、払う金はない、牛を売つてようやくその相続税を払うというような悲惨な事実が全国各地に相当現われておる。いわゆる相続税の特別の問題は、次、三男問題と必ず関連があるのでありますが、この問題については、農林大臣はお気づきになつておりますか。いわゆる次、三男対策との問題、また他の税法との関係もありますが、いかようなお考えをもつておりますか、お伺いいたしたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 これは先ほども官房長から申し上げたのでありますが、この農村の相続税の問題は、非常に問題なのでありまして、今あなたのお話の通り、牛を手離したりなんかして相続税を払つている実例をよく承知いたしておりまするので、免税点の問題についても十分これは大蔵省とも今折衝をいたしておるのであります。特に森林の相続税なんかにおいては、非常に問題がありましたので、この面についても猶予期間における利子その他こまかい点まで相談をいたしておる最中であります。

足鹿覺日本社会党(第二十三控室)

○足鹿委員 もう一つ農地問題についてお伺いいたしたいのであります。開拓政策との関連についてでありますが、いわゆる戰後における農地の造成、いわゆる開墾、開拓の問題については、いろいろ不備な点があつたと思う。これは終戰後の特殊事情によつてやむを得なかつたと思う。これを一概に皮むき開墾とけなして、最近においては開拓政策そのものが一歩後退しつつあるかのような感じを受けることは非常に遺憾に思う。今までの開拓政策の成果を見ると、約五十万町歩、いわゆる四国の面積の一倍半ぐらいのものが、りつぱな耕地になつて、日本の食糧政策に大いに貢献しておるのである。この事実は見のがすことができないと思う。これに対して最近におきます政府の施策というものは、ややもすればいわゆる経済効果第一主義をとつておいでになるようであります。いわゆる経済効果第一主義をとつて行かれますならば、既存耕地の維持改良にあたつて行くということは開拓政策と並行して行くべき問題であつて、これは別にその既存耕地の方向へ転換して行く必要はないのである。従来の掲拓政策を推進して行かなければならないにもかかわらず、本年の予算を見ましても、二百五十億が二百三十億程度に減じておる。しかもその減じたものが、建設予算への移行によつて減額されておるように私どもは見受けられる。こういつた点で開拓政策に対しましては、非常に最近は政府の経済効果第一主義の点から後退する傾向が多分にありますが、農林大臣の御所見はどうでありますか。食糧の自給ということについては、新たなる農地の造成は困難を押して、これは絶対に押して行かねばならぬ。新しく入植する者はもちろんのこと、既存入植者に対するところの保護育成というようなことには、もつと力を入れなければならないのでありますが、この点について政府の所信は一体どうなのか。  いま一つ、林野庁長官もおいでになつておるようでありますが、開拓政策といいますと、何か森林政策に食い込んで行く、何かそこで相剋摩擦を来すようなお取扱いをなさつておるような印象を受ける。そうして何か開拓政策をはばんでおるのは、地方におけるいわゆる森林に関連をするボス、一つの封建的な保守的な力が、これに対して制約を加えておるような印象すらわれわれは受けるのである。開拓民といえども、森林なく、薪炭なりその他の需給なくしてはやつて行けないのである。従つて今後の開拓政策は日本の森林政策と総合的に、これが並行して日本の国家の施策として取上げられなければならないのである。にもかかわらず、今の開拓政策は開拓一本やり、森林政策は林野庁一本やりで、その間にどのような連絡がありますか。これが現地における森林政策、あるいは幾多の開拓政策の矛盾となつて現われていると思う。私どもは地方におつて農地委員会の仕事をしたり、現地の仕事をした体験を持つているのでありまして、りくつから申し上げているのではありません。この点を一体どのようにお考えになつておりますか、農地政策に関連がありますので、お伺いいたしたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 開拓政策の問題についてはわれわれは真剣に考えておりまして、一時都市生活者が戰災を受けて入植した一部の人たちが熱意がなかつたものをながめて、さようなことが外部に伝わつているようでありますが、農林省自体としてはこれは真剣に考えているのであります。すでにもう開拓の成果がぼつぼつと出て参つておりまして、あなたが御指摘のように、食糧増産の上に非常に貢献いたしておるのであります。もはや成功の域に達しておりますので、決してあなたの考えているように軽視いたしてはいないのであります。今年も入植者については去年よりもふやしているようなわけであります。なおまた農林省の内部の一課長ですが、率先して入植者の群れに投じて、今八ヶ嶽のふもとで自分自身が官を辞して入植しているような実例を見ましても、いかに農林省が真剣であるかということは、おわかりになろうと思います。決してあなたの御指摘のような、皮むき開拓というようなそんな問題ではないのであります。これは農林省が身をもつて——その課長の話でもわかるのでありますが、取組んでおるのであります。  それから最後に林野庁が迫害しているのではないかという話ですが、もしそういうことがありましたら、これは是正いたしまして、薪炭の方面なり、あるいはまた採草の方面なりについても、十分連絡をとつて便宜をはかるようにいたしたいと思います。

足鹿覺日本社会党(第二十三控室)

○足鹿委員 いろいろお尋ねしたいことがありますが、非常に時間がありませんので、次へ移りたいと思います。  次の問題は農業経営の安定のための施策として政府は価格保障、あるいは災害の国家補償、有畜営農の奨励等に、国家資本を投じると言つております。確かに去年よりも少しはこの点については考慮がめぐらされていることは、私ども認めますが、まず第一に価格保障の問題についてであります。先刻竹村君の御質問に対しまして、農林大臣は米価の決定については米価審議会を開いてやる、こういうことをおつしやいました。米価審議会では昨年の暮三日、四日、五日に開きまして、予算米価をきめるときに来年の想定米価はおきめ願いたいという答申をはつきり出しておる。ところがこの予算編成前に予算米価について米価審議会の意見を聽取せられた事実は全然ありません。これは政府が価格政策の出発点を非常に軽くお考えになつているので、行政庁だけで、とにかく自分らだけで一つの予算技術をやつておき、あとでその結果を米価審議会に報告して、でき得べくんば同調せしめたい、こういう意図が従来うかがわれて遺憾であります。そこで去年の暮の米価審議会では、できてしまつた予算が国会で通つてから、米価審議会を開いたのでは意味をなさない。だから予算をおきめになる編成過程において米価審議会をお開きなさいということが満場一致の答申であつたはずである。私どもは価格政策に真剣であるならば、本年は特に米価審議会は官制によつて再出発したはずであります。もう少し尊重していただきたい。この点についてはどうお考えになつておるか。また価格の算定方式については政府みずからが、米価審議会が三つの方式を答申し、政府の責任においてこれを決定して行かなければならない段階へ来ておる。にもかかわらず、この問題に対しましては依然としてパリテイの方式をおとりになつておる。しかも本年は、この麦の統制撤廃という大きな問題をむぞうさにお考えになつておる。いずれにいたしましても、麦価決定は政府の買上げ数量等の関係におきまして非常に大きな問題でありますので、政府は米価算定の方式なり、決定の問題についてもう少し真剣にお考え願わなければなりませんが、特に米価審議会との関係において、この予算米価をおきめになつた基本的なお考えは一体何であるか。パリテイの二五五というものは一体何であるか。農林省が当初大蔵省に要求した基礎価格は二六〇のパリティを想定しておつたとわれわれは聞いておる。それが二五五に下つておるのは、一体どういうわけでありますか。一体どういう根拠に立つて二五五というものをお立てになつておるのか、私どもとしては理解することができない。いわゆる価格保障と一口に言えばむぞうさでありますが、まずこういう基本的な問題に対してもう少し真摯な考え方をわれわれは承らない限り、価格保障の問題についても、政府の矛盾をわれわれは指摘せざるを得ない。特に麦の統制撤廃と関連をいたしまして市場の問題、特に流通機構の問題あるいは農業倉庫の整備の問題、資金の問題等いろいろあります。これは明日さらに関係長官にお尋ねを申し上げますから、本日はこれを抜きます。麦の統制撤廃の問題は別個な法律が出ますから、その際に伺いますが、一つだけ伺つておきたいことは、無制限に買い入れるかどうかという問題であります。政府は、麦の買上げについては七百九十万石を大体予定しておるがごとくでありますが、もしそれ以上に農民が多くを要求したときには、無制限に買い入れるかどうかということであります。これは大きな問題だと思う。いま一つは、現在食管会計が行き詰まつておるのは、政府の手持ち外麦や手持ちの麦加工品が非常に滞貨して、この金融に困つておいでになる。何とかしなければ腐敗をする、早く放出をしなければ食管特別会計がまわらない、この矛盾をお考えになつておると思う。一体手持ちの外麦や手持ちの麦加工品をむぞうさに放出されますと、内地麦は徹底的に圧追を受けることになりますが、その放出については、農林大臣は内地農業を圧迫しないというお考え方に立つて十分御考慮になつておりますかどうか。この点についてお伺いいたしたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 価格の問題につきましては、これは前々からあなたは米価審議委員で御存じの通り、漸を追うてだんだん上つて来ておるはずであります。これもあなたが最初からおつしやつておるようにそうやすやすと上げるわけにも参りませんし、いろいろな関係があつて、やつとここまで来ておるのであります。この予算のちようど中途で私かわりましたので、その審議会等は、まだ安本と相談をするひまもなかつたので開かなかつたのでありますが、しかしこの審議会の意見は十分尊重いたしてきめたいと思つておるのであります。  それからなお麦の統制をむぞうさにはずすというお言葉ですが、決してむぞうさにはいたしませんので、愼重にやる考えであります。なおまた無制限に買い入れるかというお尋ねでありますが、これは今までの実績と申しましようか、大体買い入れた数量の目途が見えておるのでありまして、いくら多くともそう大したでこぼこはないと私は思います。八百万石程度がおちだと私は考えておるようなわけであります。決してむぞうさにやりませんし、それからまた現在食管特別会計に保管いたしておるものを、むぞうさにこれも放出して市価をたたくというようなことはいたさないつもりであります。しかもまた今度買い上げる場合には、最低価格をわれわれきわめて、この価格で買い入れるということを前提として多分はずすようになると思いますから、決して内地の生産面を圧追するというようなことはないと私は考えております。

足鹿覺日本社会党(第二十三控室)

○足鹿委員 時間がありませんので、最後にもう一問。第三の農林施策の実施と組織の問題についてお伺いいたしたい。政府はいろいろな施案を、政府の施策のみによつてこれの実効は期せられないと言つておる。その通りであります。農民なり国民が政府の施策に協力せざる限り、決してこの実効はあがらない。ところがこの政府の施策に呼応して行く組織というものは、いろいろな組織が考えられるであろう。これは農山漁民の自立的な、自主的な農業協同組合あり、あるいは漁民協同組合あり、森林組合等いろいろな組織があるのでありますが、その中で一番大きな農業協同組合に対する政府の御方針を承りたい。政府のお考えになつておるのは、農協育成強化に対しては一つの検査制度を——組合の経営を検査する問題が一つと、再建整備に若干の予算を御増額になつた、この二つであります。ただこれをもつてのみ農業協同組合の育成強化をはかつたがごとく仰せられるが、しかしこれはほとんど不可能に近い。農業協同組合がこの間の澱粉価格の値下り等によつて、せつかく芽ばえかけた農村工業が打撃を受けましたのは、皆さん御存じの通りに、大体三十億円程度は農業協同組合関係の工場が損をしております。いもの暴落とか澱粉の暴落は水あめの暴落となり、砂糖は、政府の無方針な業務用砂糖の放出が日本の農業に壊滅的打撃を与えるのみならず、せつかく育成しかけた農村工業に大きな打撃を与えることは事実であります。新しい一つの再建整備の対象がすでに芽ばえておる、こういつた事情において政府は協同組合と国家との関係をもう少しお考えになる必要はないかと思う。これは農林大臣の重要な御所見として承つておきたいが、農業協同組合は農業者が寄つてつくつたところの一つの独立の自主的な組合でありますから、政府は積極的にこれを支援する義務はないでありましよう。しかし業者のようには利益追求一点張りでは参りません。公共的な性格を多分に持つておる。その行う経済行為につきましても、おのずから限度があります。その点について、これをただ單に普通の一つの営利企業組合と同様に国家が軽くお考えになるということは、私は今後もう少しつつ込んで是正していただきたい。その関係がどういうふうにあるかということは、私はまた別個の機会に申し上げますが、農業協同組合と国家との関係について、農林大臣の基本的な御所見をこの際承つておきたい。  いま一つは、農業協同組合の不振の打開策を、私は国との関係においてのみ求めようとしておるのではありません。問題はいわゆる人材を得、経営の合理化が行われ、そこに農業協同組合の自力を中心とすることは申すまでもありませんが、この農業協同組合の自力の方向にいわゆるくさびを打ち込むような事実が最近行われておる、それは林野庁長官がおいでになつておるが、去年の八月森林法を審議したときに、私は山村における協同組合組織について現森林法は分裂的な傾向を促進しはしないかということを強く杞憂して申し上げました。現にその傾向が現われておる。(「ない」と呼ぶ者あり)ありますよ。事実この傾向について申し上げたいのでありますが、たとえば薪炭の問題にいたしましても、生産者組合的なものを、行政庁に籍を置く人々が遠まわしにこれを使唆しておる形跡もあります。いろいろな事実がありまして、山村におきましては森林組合が経済行為的な方向へ走ろうとする傾向が多分に現われて来ております。これは何とおつしやつても事実であります。こういつた傾向は農業協同組合の組織を弱体化し、その資金をさらに分裂せしめて、勢い協同組合の経営難を招来する結果が出て来ておる。この根源はどこから来ておるか。畜産局方面は畜産協同組合にやらせる、蚕糸局は養蚕協同組合の方に馬力をかける、もう一つ森林関係の方は森林組合を応援するというような一種の官庁のセクシヨナリズムが、農業協同組合の力を分散化せしめて今日のごとくになつて来ておるのではないか。そこに大きな原因があるのではないかと思う。この点について農業協同組合は金利と人件費をかせぐに汲々としておるのが現状であろうと思う。これをほんとうに打開して大きな経済力をつくり上げて行くためには、この分散した傾向を、協同組合法の根本的な抜本的な改正によつて、大きくこれを育てて行く以外に私はないと思う、この点についていかようなお考えがありますか。いま一つは農業委員会。農民の自主的な一つの農業生産計画機関であり、あるいは土地問題なり供出問題について、農業委員会法によつて現在委員会が生れております。去年より若干予算がふえておるようでありますが、この点につきましては農業委員会は非常な予算難に陷つて、ほとんど農地委員会の登記事務その他の残務整理をするのがせい一ぱいな現在の末端の実情であろうと思う。このようなことで、農業委員会法によつて、日本農村に新しい企画性と総合的な新農村をつくつて行く基盤をつくるなどというような大それた法案の目的は達し得てきておるはずはありません。今のような状態では、どこにもそのような片鱗すらもわれわれは見ることができないのであります。農業委員会の性格について、またその運営なり経費の点について、どういうふうにお考えになつておりますか。この点をほんとうに農民の立場に立つて、政府の施策に呼応しているところの自主的な組織ということを政府みずから言つておられますが、これについては去年よりもわずか四億円ばかり増加してお茶を濁しておられる、どこにこのような経費でもつて真に新しい村づくりの基本が生れるでありましよう。人件費にすら足りないではありませんか。こういつた点を私は冒頭においていろいろ申し上げました。政府は一応目標だけはお並べになつておるが、その内容たるやきわめて貧弱なものであると申しましたのは、如上に——きわめて制約された時間でありましたが、指摘した点においてもあえて言い過ぎではないと思う。この点について今後におけるところの農業政策を、農民の自主的な立場から施策し、これを実行して行く農村の組織については、政府はいかようにお考えになつておるか。これを最後のお尋ねとして質問を打切りたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 農民の組織の問題でありますが、この組織の一つとして協同組合の問題が取上げられましたが、協同組合は私たちは決して軽視いたしていないのであります。ああいうようなときでありましたが、協同組合の再建整備の問題も片づけてやつているようなわけであります。協同組合と国家とどう結びつけるかということは、これはまた大きな命題でありますので、またあなたのお知恵を拝借でもいたしまして、よく検討いたしたいと思います。それから常利でないということはよくわかつております。この税金等その他についても、前々この問題については私たちが考えてやつておるようなわけであります。また協同組合が、いろいろな組合があつて、役所の分派行動じやないか、これはまたそういうふうに見られるかもしれませんが、これにはこれの特長があるようでありまするので、これもあなたの示唆のように大きくくるめて行く方向があるいは可能じやないかと私も考えておるのであります。非常に小さな村で幾つも幾つもの協同組合があつて、一番末端まで行くとやる人はたいていきまつておるようなわけでありますので、これも一番末端の單一組合の動き方をよく見れば、今後どういうふうにして行つたらいいかということは、おのずと結論が出ると思うのでありまして、各局が主管しておる協同組合については、一応みんなで相談をしてそういうような方向で行くのがほんとうではないか、こう考えております。  それから農業委員会の予算の問題でありますが、これも大分がんばつたのでありますが、力及ばずこの程度になつたのであつて、将来の農村における農業委員会の位置は、われわれはつきり認識いたしておりますので、漸を追うて御期待に沿うようにいたしたいと思います。

松浦東介自由党

○松浦委員長 高倉定助君。

高倉定助農民協同党

○高倉委員 私は同僚委員からいろいろと質問したいことも質問されましたので、簡單に有畜農業の確立と農業政策についてお尋ねしたいのであります。  昨日の予算の御説明を承つておりますと、有畜農業の確立のために明年の予算に必要経費として三十四億の融資の便をはかつて、これに対して五分の金利の補給を行うための経費として九千二百万円を要求しておるというようなお話であつたのであります。家畜あつて農業あり、これなくしては農業がないのでありますから、これは最もいい施策であると思います。しかし現在の情勢を見ますると、家畜というのは主として牛であると思いますが、今日の場合その牛を内地で購入されて参るといたしますならば、私はわずかな頭数より求めることができないと思います。でありますからそれに対して、内地の交流をされるだけでとどまるのか、あるいはアメリカその他からホルスタイン、あるいはイギリスあたりから肉牛のヘレフオードのような種類の牛を持つて来たり、あるいは短角のようなものを持つて来てこれを補われるのか、その点についてまず伺いたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 有畜農を奨励する意味において、牛その他を導入する場合に、外国から持つて来る計画があるかというお話でありますが、これはそういうような計画を進めております。濠州なりアメリカなりあるいはその他大陸の使役に耐える役牛にも使える、乳もとれるというような牛を考えておるわけでありまして、單にこの金を各府県に分配してやつて、ただそこで処分させるというような形をとりますと、一般の、現在安定しておる牛や馬の市価を非常につり上げる形になりますので、それではかえつて逆作用になると考えます。この点は外国等の事情をよく見きわめまして、なるべく外から優秀なものを入れて、そうしてそれが基本になるように私たちは考えておる次第であります。

高倉定助農民協同党

○高倉委員 牛を各農家に配分されて有畜農業化し、多角経営農業に行くことはまことにけつこうなことでありますけれども、どうもいろいろな政治的動きあるいはその他の面から見まして、今までは牛があまりにも分散的に入つた。そのために牛乳の処理所がないし、そのしぼつた乳を持つて来るのに非常に不便なために引合わないというようなことから、やむを得ず牛を離してしまうという例が相当ある。でありますから、こういうようなものは集団的に一つのサンプルの部落をこしらえて、そこに入れるというような方針にされたならば、たいへんにけつこうだと思いますが、そういうような御方針であるか、また普遍的に入れてやられる御方針であるか、これを伺つておきたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 これはあなたの前段のお話のように、協同組合等を主体として、なるべく同一な箇所に飼わせまして、そうして集団的にやらせることがいいのではないかと思つております。分散させますと、あなたの御指摘のような欠陷が相当起ると思います。でありますから各町村が各県を通じて、一番末端の協同組合等の計画を県でまとめさせまして、それをわれわれが検討して、十分そういうふうな方向に行くようにいたしたいと思つております。

高倉定助農民協同党

○高倉委員 詳しい問題はあとにいたしまして、次は、先ほど足鹿君よりもお話がありましたが、講和後におけるところのわが国の農業政策であります。これは国際農業より見まして、相当大きな農業政策をやつて行かなければならぬと思うのでありますが、大臣におかれても相当に大きな構想を持つておられると私は思う。いまだ発表はありませんけれども、少くとも廣川農林大臣は身をもつて体験されておる方でもあり、大きな構想を御発表になることと思うのでありますが、今身近な問題として大きな影響を来しておるのが甜菜糖業の問題であります。北海道の甜菜糖業は今日まで約二十数年間続いて参つたのでありますが、その間において北海道の開拓農業の一環として、農業経営の改善には大きな役割を持つて参つております。このために相当の効果を現わしておつたことは事実であります。特にこのビート糖葉とマツチいたしまして酪農は進展をいたし、今日の酪農北海道をつくつたことは御承知の通りであります。しかも今日北海道のこの甜菜糖があつたために、敗戰後砂糖の給源地を失いましたわが国といたしましては、唯一の砂糖の給源地といたしまして、北海道の甜菜糖叢が重要な役割を占めたことは御承知の通りでありますが、承りますとこの四月から麦と同時に砂糖も統制をはずされるというお話であります。麦は別といたしましても、砂糖の統制を撤廃されるということは決定しておるのでしようか、これをまずお伺いいたします。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 四月からはずす方針でおるのであります。但しそれにつきましては北海道特に寒冷地帯におけるところのビート糖の問題、これはどうしても片づけなければなりませんので、今事務的に折衝中であります。平均年度の砂糖の糖分の歩どまりを規定いたしまして、これの歩どまりのどの点において免税点を置くか、そうして外国から入つて来る砂糖とどういうところで競争をさせてこれを保護して行くかというような問題を考えておるのであります。これは英国、ロシヤ等の甜菜糖の発達史をみましても、一応そういうふうに助成して行きませんとなかなか成り立ちませんので、わが日本としては唯一の耕作地である北海道が、二十何年の間の大事な経験を持つておりますので、しかもまたこれが家畜の飼料としても大事な役割をしておりますので、愼重に研究をいたして行きたいと思つております。

高倉定助農民協同党

○高倉委員 実はこの問題は早急に追つている問題であります。昨年北海道におきまして、甜菜糖の原料のビートを作付したのが約二万町歩でありますが、本年は一万八千町歩に減つております。どういうわけで減つたかというと、ビート糖の原料のビートの価格があまりに安いことが原因しているのでありまして、千斤に対して二千円、これは雑穀その他の畑地作物に比較すると実際安い。安いけれども今日の国際情勢から見ましてまた国内情勢から見まして砂糖が不足である。これは育兒の方面においても相当に大きな問題であるので、犠牲になつて実はつくつているのでありますけれども、このままで行きましたらならばだんだん減つて来ると思う。それではいけない。本年は昨年より相当に砂糖も多く生産されまして四十三万ピクルをとつております。四十三万ピクルをとつておりますと、消費税が一ピクルに対して一千円でありますから四億三千万円というものが政府の収入になります。これは生産者でなく消費者からの負担でありますけれども、そういうことになつて来る。そこで引合わないところのビートをつくつているけれども、今年から砂糖の統制が解除になりまして、消費税が今度七百円上つて来るということになりますと、とうていビート糖業は成り立つて行かないと同時に、この価格を維持して原料を買うことができ得ないことになつて来る。そうしますとわが国唯一の糖業工場がつぶれてしまうようなことになつては、北海道の農業の観点から見まして大きな問題になつて来ると考えます。従つてこの問題はどうか早急に、もう雪が解けたら作付にかかるのでありますから、ぜひ一日も早く御決定を願い、そして安心してつくらせ、安心してこの糖業が育成して行けるようにしていただかなければ、重大な社会的経済問題になるのではなかろうかと思いますので、一日も早く御解決を願いたい。一体いつごろまでに御決定になりますか、お伺いしたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 御指摘のようにわれわれは重大な問題だと思つておりますので、なるべく早く片づけます。

吉川久衛国民民主党

○吉川委員 時間がありませんから私はごく要点だけを申し上げて数点についてお伺いいたします。  ただいままでの政府の施策によつて、農民や中小企業が相当な圧迫を受けていることは事案でございまして、他の同僚議員からの御説明にもありましたので私は喋々いたしませんが、もう一つ農民の生活を圧迫する大きな問題があります。それは先ほど竹村委員からも御指摘があつたのでありますが、次、三男の問題ということで問題にされておりましたが、もつと大きく農村人口の問題であります。農村人口は私が申し上げるまでもなく、今までのところ非常な勢いで増加をいたしております。これは実に重大な問題でございまして、この勢いで人口が増加して行くとするならば、農家の経済を圧追することは申すまでもございません。次、三男の問題だけについても、農林大臣が農村工業を振興したり、あるいは開拓や開墾等によつてこれを吸収するというようなお説を述べておいででございましたが、そのようななまぬるいことでは私は解決しないのじやないかと思うのです。農村工業の問題なんかにつきましても、ただいまの農林省の予算ではほとんど問題になりません。この予算で大臣のおつしやるようなことは実現できないと思います。これ、は廣川大臣は大臣に御就任になつてから日が浅いからだと思いますので、今度はおもむろにじつくりお考えになりまして、きつと補正予算においてこの問題をもつと積極的にお考えいただけると思いますが、その点についての御決意のほどを伺つておきたい。  それからただいまのところは長子相続制度ではございませんので、必ずしも次、三男の問題ではありませんが、とにかく農地改革後、いやが上にも零細な日本の農家の経営というものが非常に零細化されて参つておりますが、この相続問題についてますます細分されておる。そこで農家資産相続特例法案について政府はお考えであるかどうか、その点もあわせてお伺いをいたしておきたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 農民をわが党の施策によつて圧迫しているということでありますが、決して圧迫いたしておりません。農村はわが党になつてから大分伸び伸びとしておるようであります。これは統計が示しておりまするので、決して私の放言じやございません。  それから農村人口の問題ですが、これはあなたの御指摘の通り、まつたく国全体として考えなければならない問題なのでありまして、農村に潜在失業者と申しましようか、たくさんかかえておるということは、何としても農家経済にとつて好ましいことではないのでありまして、これは、この予算ではなかなかそこまでは参りませんが、もし補正予算でもやるような場合がありましたら、なおまたそれは十分検討いたしたいと思います。  それから次に資産相続の問題ですか、この相続についても、われわれは心配いたしておるのであります。今までの場合はだれが相続してもよろしいようになつておるのでありますが、これを一子相続にしたいこいうお考えのようであります。これも根本的に考えなければならぬと私は考えております。これ以上細分いたしますると、ほんとうに農村が立ち行かなくなることは、だれもそこに着眠いたしておりまするので、これも愼重に御相談申し上げたいと思つております。

吉川久衛国民民主党

○吉川委員 農村が金詰まりになり、農民の経済がどういう状態になつて来ているかということについては、大臣の御議論を伺わなくともこれは事実でございまして、これは特に賢明なる廣川大臣に御配慮をお願いしたいと思います。  農家の財産の相続の問題については御研究になつていらつしやらないようでございますが、これはきわめて重要な問題でございます。今相続の問題の裁判が全国に実に厖大に起つておるのでございます。こういう不自然な姿は、私はよくないと思いますので、特に急いで政府の方針をきめていただきたいと思います。  そこで農村工業等を振興なさるというようなことを竹村委員の質問に対してお答えでございましたが、農村工業の問題は、農協等がやらなければなりません。ところが御案内の通り、農協はただいま再建整備の問題が起きているようなきわめて不振の状況にございます。こういう不振な農協の現状をもつてして、農村工業を振興する、積極的にそれと取組んで、そうして農村のこの狭い土地の限られた資源をできるだけ高度に活用をして行こうという、すなわち立体的な科学的な農業経営をして行こうというのには、あまりに農協は弱体でございます。そこで農協に期待することができないので、農村の心ある人々が幾人か寄り集まつて、何とかお互いの道を打開して行こうと非常な熱意を持つておるのであります。しかるに農協あたりで扱うところの預金は、ことごとく中央に吸い上げられてしまつて、それが農村に少しも還元されません。ただいまの農林中金を通ずるところの農業金融は、むしろ農協の組合員に対するところの一つの圧迫となつております。ほかの言葉で言えば、むしろ搾取と言つた方が適当かもしれません。そういう状況で農村は非常に金詰まりを来しておるのであります。そこで幾人かの目ざめた農民が農村工業を積極的にやろうと思いましても、資金の面においてまつたく行き詰まつている現状なんです。何か方法はないかというので、農林省の農林金融課あたりに相談に参りましても、ただいまの農林金融課はまつたく無力でございます。これは無理もない。法的な裏づけもなければ資金的な裏づけもない、まつたく手の下しようがないという状況なんです。そこで中小企業庁にたより、勧銀あるいは商工金融等にたよらんとすれば、農村の関係はまま子扱いなんです。実にもう見ていられないような不公平な取扱いを受けておるのです。これは農村の振興のために、農林大臣は特に御配慮を願わなければならぬ問題であろうと思いますが、こういう問題について、今後どういうふうにやつて行こうとお考えでありますか。その点を一点お伺いいたしたい。  それから農協は、このままではほとんど行き詰まつてしまうと私は思います。農漁業協同組合再建整備法ができまして、いろいろ御心配をいただいておりますけれども、そこへ最近附加価値税の問題が現われた。この附加価値税の問題については、廣川大臣非常に御努力いただいて見送りの形のように伺つております。附加価値税は税の制度としては私どもは歓迎をいたしますが、営利を目的としない農業協同組合等に対しては免除の措置がとられることは当然であろうと思いますが、この問題について大臣はどうお考えでございますか。  次に肥料需給の問題でございます。同僚大森議員から伺いましたときの大臣の御答弁は、はなはだ私満足できませんけれどもこの問題について、大臣はまだよく御検討ができていないと思いますから、後日ゆつくり伺いたいと思いますが、御決意だけは伺つておきたいと思います。私は需給調整法案というものが過渡的に必要じやないかと思うのですが、この御用意があるかどうか。肥料の統制撤廃のときに、統制さえ撤廃して自由経済に移行すれば、肥料の値上りを来したりするようなことはない、肥料の値が上れば生産が増強されて決して農民を圧迫するようなことはなく、ある妥当な価格に値下りするであろう、こういうことでこの肥料の統制撤廃をおやりになつた。ところが事実は、電力事情等の事情によつて非常な値上りを来したのです。そこで農民団体や農民が騒ぎましたところ、農林省はその統制撤廃の非なるをさとられて、農政局長試案として需給調整法案が出て来たのです。そうしたところが、あの肥料の統制を撤廃すれば、自然に需給のバランスはとれて行くから心配ないといつたではないかということで、関係方面からお目玉を一発食つてとうとう流れてしまつたというようなことがあつては、私はまことに心配でたまらないのです。幸いにして名大臣廣川氏はこの問題は司令部を納得さしてもやつていただけると非常な期待を持つておりますが、あなたのお見通しを伺つておきたい。私はこの前、肥料は農民のためにつくるのではないかということを、陳情に来たメーカーや通産省の諸君に尋ねましたところが、いやわれわれはもうけるためにつくるんだ、百姓のためにつくるんじやないといつております。そこでわれわれは、これからわれわれの必要とするものはわれわれがつくるというシステムを立てる必要がある。そこで農業協同組合営の肥料製造工場を持たなければならないと思いますが、そういう問題について、大臣はどういうようにお考えでございますか、それだけとりあえずお答えを願いたい。なお、委員長にお願いしておきますが、私に与えられた時間は十五分でありますが、十七分くらいかかりますから、二分くらいの超過をあらかじめお願いをいたしておきます。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 系統金融機関が農村金融を圧迫するというような御説でありましたが、もしそういうようなことがありますればたいへんな問題でありますので、われわれ十分検討いたしたいと思います。それから農村金融の面についてお前はどう思つておるかという話ですが、これは前からわれわれ考えておるのでありますが、いかにせんなかなか妙案がないのでありまして、私勧業銀行へ参りましたりあるいは池田君と相談いたしましたりして、今案を練つておるようなわけでありまして、特殊銀行をどうしても持たなければならぬ段階に来ておると考えております。それから農林省内の金融課等が弱体ではないかというお話でありますが、これもまだ店開きしたばかりでありますので、なかなかそういかぬと思いますが、極力内容を充実して期待に沿うようにして参りたいと思うのであります。それから附加価値税の問題は、税自体については、あなたの御指摘のように世間でも言つております。またこれが一致した意見のようであります。しかしこの附加価値税をどうしてもやらなければならぬといつた場合に、営利を目的としないものを除外する考えがあるかというお話でしたが、これはあなたの考えのように、私は除外するのが妥当であると思つております。それから肥料の問題でありますが、近ごろメーカーの大分横暴なことが目にちらついて参りますので、われわれとしてはあなたの考えておるような案を十分検討する考えと用意を持つております。それから協同組合が自営の工場を持ちたいという話でありますが、そこまで協同組合が強化されることを私は念願いたしております。

吉川久衛国民民主党

○吉川委員 先ほど足鹿委員からもお尋ねがあつたのでございますが、協同組合が幾つにもわかれておるということが、結局いろいろの矛盾を生じて、相互牽制によつて伸びるものも伸びられないということは、まさに足鹿委員の御指摘の通りであり、私はまつたく同感でございます。そこで協同組合については、協同組合憲法式の協同組合法というものをつくつて、その中において水産業協同組合、農業協同組合あるいはいろいろの協同組合ができ、そしてそれを所管するところが一箇所になれば、こういう矛盾が取除かれて非常に能率的ではないかということを私は考えたのでありますが、これはむしろ法務総裁か総理大臣にお尋ねすることで、農林大臣にお尋ねすることは少じどうかと思いますが、国務大臣としてひとつお答え願いたい。  それから麦の統制撤廃を四月一日からおやりだということを伺つたのでございますが、私は米麦不可分論者でございますので、あるいは見解が違いますからと言われるかもしれませんが、これはきわめて重大な問題です。こまかい問題については他の政府委員の方に伺いますが、これは大臣きわめて愼重にやつていただきませんと米の統制に影響すると思います。私は統制撤廃には反対なのです。現在のような方式の統制は是正する点は多々あると思います。議論はやめますが、しかし悪いところを改めた統制をやる、ほかの言葉で申しますならば、価格維持政策等を今のうちに確立しておきませんと、食糧の増産意欲を刺激するためにも、あるいはまた政策が目先だけの政策であつてはならない、相当先を見越しての政策を持たなければならないという意味においても、今は三百六十分の一の為替レートではありますが、ただいまの国際情勢では——日本はただいままでがどん底でこれからはよくなるとも悪くなるという見通しは私は持つておりませんが、むしろ自由国家群のポンドなりドルなりの通貨の価値が悪くなるような時期が近い将来に来ると思います。そこで為替レートの改訂が行われる、ところがただいま国際小麦協定に参加した日本に来る麦の価格は、大体日本の麦の価格をやや上まわつている程度でございます。ここでレートが改訂になつて、相当安いものが日本に入つて来るということになれば、麦の生産はほとんどなくなるのじやないかと思います。日本の食糧問題、また農業経営というものには大きな影響をもたらすであろうと思います。そういうような先を心配いたしますと、統制を撤廃するというような表現はおやめになつた方が、農民に不安を持たせないためにも私は必要なことだろうと思いますので、そういう点についてのお見通しをひとつ伺つておきたいと思います。  最後に、ポンド圏よりの乳製品の輸入の問題は、井上委員かどなたからか御質問があつたと思いますので私は触れませんが、こういう一つの問題で、せつかく今あなたの心配しておられるところの、日本の畜産の振興に大きな影響を及ぼすということをひとつよくお考えを願いたいと思います。今の政府が農政問題に重点を置いていない、非常に軽視しているというような、そうではないでしようが、疑いを持たれる一つの原因はこういうところにあるのでございますから、今後わが国のポンドの決済のために、ドル資金の獲得のために、こういう措置をするのだということであれば、日本のこれからの生産量より質の経済に入らなければなりません。量より質の経済に入つて行くためには、まず農業生産品を加工してこれを輸出する、その場合にポンド獲得の地域へ送り出せるような質の向上を考えて行かなければならない。そのためにはこのような農林予算ではこれはとても間に合いませんから、これについては農林大臣どういうようにお考えでございますか、その御所見を伺つて私の意見に賛成でございましたら、今度の予算でも修正できると思いますが、どうしてもできない事情にあるならば補正予算においてひとつ大臣の善処を願いたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○廣川国務大臣 協同組合の問題につて、ひとつ協同組合をまとめてそれを監督するところをつくつたらどうかというお話ですが、これは御意見として承つておきまして、農林省としては農林省内のものでも、そういう方向に向つて行くように、検討したいと思つております。それから麦の統制解除の問題について、だんだんと御親切なる御意見でございますが、これはわれわれといたしましては、決して野放図にやるわけではありませんので、十分準備を整えて、そうして案を具して御相談を申し上げたい、こう思つておりますので、まだ案が固まりませんが、案が固まり次第御相談を申し上げたいと思います。  それから最後に乳製品に関しいろいろな御意見がございましたが、これはあなたの御指摘の通り、やはり良質なものを海外に出すようにすることは大事であります。單に国内消費のみでなく、国内消費を満足させて、外国に出して行くことは当然でありますので、われわれといたしましてはこのような方向で進みたいと思いますが、この予算では足りないということは最初から私申し上げておるようなわけでありまして、機会を得るごとに予算を獲得することに努力いたしまして、日本の農業をほんとうに自立させる方向で行きたいと思うのであります。  それから国際間の問題で、せつかく今までやつて来たものが根底からくつがえるようなことがあつては一大事でありますので、それについては十分心を配つて参りたいと思います。

松浦東介自由党

○松浦委員長 本日の農林大臣に対する質疑はこの程度にとどめます。  この際明日の委員会の議事予定についてお知らせいたしておきます。明日は農林省の各局別にその所管にかかる予算について重要事項の説明を求め、これについて質疑をいたしたいと思います。午前中は食糧庁、農政局、畜産局、蚕糸局、午後は農地局、農業改良局並びに林野庁にいたしたいと思います。次会は明二月一日午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時四十二分散会

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