内閣委員会 第27号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/05/24
会議録
○八木委員長 これより内閣委員会を開会いたします。 本日は日程を変更いたしまして、国家行政組織法の一部を改正する法律案その他行政機構改革諸法案について質疑を行います。質疑の通告がありますからこれを許します。門司亮君。
○門司委員 この機会に、自治庁設置法について、内容に入ります前に大体政府の構想をお伺いしておきたいと思いますが、この自治庁の設置法は、要約して申し上げますと、現在の地方自治庁の中に全国選挙管理委員会の所掌の事務を移すということと、それから地方財政委員会の事務をこれに移して行くということが、大体主体になつておるようでありますが、これは機構の上から申し上げますと、従来内務省が行つておつた機構の一部であつて、これに警察を加えれば昔の内務省とまつたく同じものになる、こういうことであります。従つて機構の面から申し上げますと大した問題ではないように、あるいは一部には考えられるかもしれないのでありますが、しかし問題は内務省を解体いたしましたときにさかのぼつてこれを考えなければならないのであります。内務省が警察国家として非常に暴威を振つておつたと言えば少し言い過ぎるかもしれませんが、往々にして行き過ぎた行動をとつておつたということは御存じの通りでありましてその中のもう一つの重要な問題は、同じように内務省が地方の公共団体に対していろいろなし、さらに内務省令あるいはその他の法令によつて地方団体の自主性というものを非常に大きく阻害しておつた。従つて日本のほんとうの民主化に資しようとするなら、やはり自治体の自主性を保たせるということが民主政治の根本でなければならないと思う。いわゆる政治は人民のもの、人民のために行う人民の政治ということが正しいあり方ではないかということが考えられて参りました。そうして自治体のことはできるだけ中央からの指揮命令というようなものをなくして、干渉がましいことを一切なくしてこれを公正に行つて行くということ、従つてそれを行つて行くにはどうしても財政的の裏づけをしなければならないということで、しかもそれが内閣の機構の中にあつては、どうしても地方の財政というものは確立が非常に困難であるから、やはり地方財政委員会というような制度がほかにできて、こういう地方財政に対しては一つの権威ある調査が行われ、それが国会並びに内閣に勧告され、それに基いて財政の措置をして行くということが正しいのではないかという考え方がここにあります。同時に公平でなければならない、選挙が従来のように内務省がこれを握りつておるということは、やはり選挙の公正性を欠くというようなことがひとつの問題になつてそうして内務省の解体が行われますると同時に、内務省で行つておりました財政関係は地方財政委員会が行い、さらに地方選挙関係は全国選挙管理委員会というような、まつたく時の政府に牛耳られない、時の政府の指揮あるいは命令を受けない独自の立場から公正なる選挙を行うことのできるように今日仕組みができている。これを再び中央集権にもどそうとするこの意図に対しては私は承服しがたいものがあるのでありますが、当局はこの二つの問題をこの中に入れようとされた趣旨は、大臣の自治庁設置法に関する説明だけでは私は受取れないのでありまして、ただ単に密接した事務を持つておるから、その相互間の連絡を統一するというだけでは、單に統一のための事務的の便宜のためであつて、本質が忘れられるきらいがあるのでありますが、この点に関する大臣の御感想を先に伺つておきたいと思います。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。門司さんは地方自治の問題についてはたいへん御熱心であられるために、ただいまのような御懸念なり、御心配が出るものと思います。私どもといたしましては、今回自治庁設置法を出しましたにつきまして、これが何も内務省の復活とかもしくは元の内務省と同じような、地方を統制して行くような姿においてやるための設置法をつくつたのではない、そういう考えは毛頭持つておりませんし、またそういうようなことを仕組んでおりません。ただいままでありましたところの地方自治庁並びに地方財政委員会、全国選挙管理委員会がやつておりました事務を統一してその責任を明確にする、また簡素化するという建前から、一緒に合せてしまう、こういうことでございます。でございますから、今度の設置法によりまして、自治庁の権限が非常にふえて地方を統制するとか、地方を指揮監督するとか、こういうような権力の増加というようなことは毛頭ございませんから、その点は御安心を願いたいと思います。 それから地方財政委員会が今まで内閣から独立した形をとつておりまして、地方公共団体と同じ体をなし、そうして内閣並びに国会に対立をしておつたような形がありました。これは私が考えますのに、また過去二年間の実績を見ましても、どうも地方財政委員会が独立の立場であるとは申しながら、しかし委員会そのものは、委員は独自の権限を持ち、身分を保障されたりつぱな方が出ておられますが、その下で働くところの職員はやはり総理府の事務員でありまして、その点において割切れぬものがあります。同時に、ただいままでは自分自身で、内閣に対しあるいは内閣を通じて国会に意見を出してそうして国会の御判断を願つて仕事をして行く、すなわち勧告権というものがありまして、その勧告をいれなければ、国会に二重予算を出して裁定を仰ぐという形をとつておつたのでありますけれども、しかし一番大事なことは、地方財政平衡交付金というものが地方財政の上に非常に重要なる比率を持つような財源になつております。そこでこの財源を確保しますのは何かと申しますれば、やはり国家予算からこれをもらわなければならぬ。そういたしますと、国家予算によつて地方財政平衡交付金の総額というものがきめられる現在の情勢におきましては、私はむしろ地方公共団体の利益の点から申しますれば、勧告権によつて、また国会に判断を願つてやるということには、少し力が弱いんじやないかという感じを持つておるわけであります。と申しますことは、御承知の通りに、議院内閣は国会の多数党がやる。そういたしますと、国会の多数というものは、国会の意思でありますから、財政委員会が独立しておつて、国会にぶつつけたという勧告が、少数党内閣の場合にはあるいは反対の結果が出まして、地方公共団体のために非常に利益になるようなことがあるかもしれませんが、しかしながら、大体絶対多数を持ち、もしくは多数党が内閣を組織しておるというのが常道でございますから、そういう場合におきましては、これは内閣がすなわち多数党の出先、出店である、こういう意味でございますから、どうしても内閣において強力に平衡交付金なり何なりの予算をとるということが、私は一番重要なことだと思います。でございますから、勧告権によつて間接的に獲得するというよりは、責任ある大臣が平衡交付金というものを、自分自身でりつぱに、責任を持つて閣内において強力に発議して、そうしてこれを獲得する、こういうことの方が地方のために非常に役立つであろう。これは過去の経験から出たものであります。 それから選挙のことでございますが、これは御承知の通りに、この改正になりましても、地方の選挙は都道府県の選挙管理委員会がこれをすることになつておつて、今までとちつともかわりませんし、また全国選出の参議院議員は、国会が指名し、同時に内閣総理大臣がその国会の指名によつて出た委員を任命して、公正な立場にある方にこれをおまかせする、すなわち中央選挙管理委員というものにお願いをするということになつておりますから、何ら中央政府がその選挙に対して干渉するとか何とかいうことは毛頭ないわけであります。その点も御心配なかろうと思います。
○門司委員 今の問題についての意見はあとにいたしまして、もう一つ聞いておきたいと思いますことは、憲法との関係であります。憲法に特別に一章を設けておりまして、九十二條から九十五條までの間に、自治体に対する新しい一章を設けております。これが憲法に設けられましたゆえんのものは、先ほどから私が申し上げておりますように、地方の公共団体の真の自主的、自律性を保つて行くということのために憲法に特別に設けておるのが、あの憲法を定めたときのいきさつであつたと考えております。そう考えて参りますると、この地方の公共団体のほんとうに自主的に自律性を保つて行こうとするものに対しては、あまり中央の一つの官庁がすべてを握つて行くということについては、私は憲法を定めたときの趣旨と多少違わないかというような考え方を持つのであります。従つてお聞きしておきたいと思いますことは、この自治庁の設置法案によつて、先ほどからもちよつとお話がございましたように、財政的に完全に地方の自治体がやつて行けるような見通しといいますか、これが十分なる責任を持つてやつて行けるように、この法案の内容ができておるかということであります。私は、憲法の建前からいえば、財政的には当然十分の自律性を保たせるだけの力を持たなければならないと思う。ところがこの法案の内容をずつと見てみますると、単に財政平衡交付金の算定を見積るとか、あるいは起債の認可、許可をするとかいうことだけは書いてありますが、そのほかの財政一般に対しては、ほとんど何にも書いてないのでありまして、従つてこの自治庁設置法によつて、はたして憲法に定めておりますような地方の公共団体の自主的自立性に十分寄與することができるという、大臣は御確信がありまするならば、その辺の御意向をひとつこの機会に伺つておきたい。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。これは先ほども申し上げましたように、自治庁は今まであるところの機関の仕事を同じ庁にまとめただけでございまして、仕事の内容はかわつておりません。同時に平衡交付金法というものがございますから、その平衡交付金法によつて——もつとも地方財政法もございますが、この地方財政法、地方税法並びに地方平衡交付金法、こういうようなものの運用によりまして地方の財政が確保されておるのであります。そうしてその仕事は、今度は自治庁が十分責任を持ち、その資金の明確な点において、私は今まで二つにわかれておるよりは、一つになつて、そうしてこれらの法の運用を地方自治確立のために十分生かして使うということになれば、むしろ地方の自治並びに財政の確立をはかるのに便利であろう、こう考えております。
○門司委員 もう一つ総括的に一応聞いておきたいと思いますことは、先ほど来申し上げておりますように、この自治庁設置法案の中には、単に平衡交付金の問題と財政に関しては起債の問題が書かれておるだけであります。今日ほんとうに地方財政を十分にまかなつて行こうとするには、これだけが地方自治庁に加えられましても、それでは今大臣のお答えのようなことは出て来ないと思う。もし今日の地方の財政をほんとうに検討しようとするなら、やはり国と地方とを通ずる一つの財政的の再検討が私は必要だと考える。この点には、この自治庁設置法案は何ら触れていないのであります。もしこれがこのままでありまするならば、大臣のお話のようなことは実現は非常に困難である。私どもから申し上げまするならば、やはり地方財政委員会というものが別個にあつて、これがそれらのものを十分研究し、そしてこれが勘案して行くことが正しいのではないかと思うのであります。私はよく申し上げておりますように、国と地方との財政関係は非常にむずかしいのであつて、国が非常事態に突入することになつて参りますと、どうしても地方財政が国の財政の犠牲にならなければならないような可能性を持つております。そこで地声財政が国の財政の犠牲にならないようにどこかでこれを食いとめるためには、やはり内閣と別個の組織があつて、これをカバーしてやる一つの力強いものがなければ、どうしても地方財政が完全にならない。大臣は、これが内部にあることがお互いの協調の上で都合がいいというお話でありますが、それはいたずらに国家財政だけを非常に強くする危険性を多分に持つておると思う。内閣はすべてが一体でありまするから、従つて国の方針というよりも、むしろその時の政府の方針によつて地方の財政を集約しなければならないという考え方を政府が持ちまするならば、地方財政というものは、地方の公共団体の好むと好まざるとにかかわらず中央に財政が集中されるのはわかり切つたことである。これをやつて参りますと、日本の地方財政は再び昔の地方財政にならざるを得ないのであります。こういう方法で行けば、さつきのような大臣の御答弁と逆な効果が必ず出て来る。そういうことになりはしないかという私の心配でありますから、そういうことに絶対にならないという御確信があるなら、もう一度大臣に御答弁願いたいと思います。
○岡野国務大臣 ただいまの自治庁設置法案と地方の財政の窮乏をいかにするかということは、むろん関連はございますけれども、私はわけて考えるべきものだと思います。少くとも、ただいまの税法並びに平衡交付金法によつて運営されている場合におきましては、地方財政委員会がただ勧告権を持つて間接に内閣から予算をとるという立場よりは、責任ある大臣がこれを引受けて、閣内において強力に、直接にこれを支持し、同時に予算を獲得するということの方が、地方財政を確立して行くのに都合がいいことと思うのであります。 それからもう一つ、ただそれだけで一体地方財政が充実して行くか、今日の窮乏を助けることができるかということとは別問題であります。でございますから、私はいつも申し上げておりますように、ただいまの地方税法並びに国税との関係、及び地方財政平衡交付金というものは一応再検討して、できるだけ地方に弾力性のある税源をたくさん與えて、平衡交付金は万やむを得ない面にだけまわして行くというふうにかえた方が地方財政の窮乏を救い、同時に地方の財政の確立、自主性を保つゆえんだろうと思います。この点につきましては先般来たびたび申し上げおりますように、地方制度調査会において根本的に検討いたして、できるだけ地方の財政をゆたかにし、確立さして行きたいと考えておる次第であります。
○門司委員 地方制度調査会があるからということで、この地方制度調査会というものが、何か今の自治庁の大臣の隠れみのになつているみたいに聞えるのでありますが、これはできるかできないかわかりません。さらにこの次にこの内容を少し聞こうと思つていますが、先ほどの大臣のお答えの中に、地方財政委員会の委員はなかなかりつぱな人がなつておるが、その下で働いておる者はまつたく同じような人が働いておるというふうに聞き取れた。もしそれがいけないとすれば、むしろそれを強化すべきである。この際そうだからといつてこれをなくするという筋合いのものではなかろうと考える。先ほど聞いておりますと、今後大臣が閣内で働くからそういう心配はいらぬというように聞き取れるのでありますが、過去の実績を見ますると必ずしもそうではございません。たとえば今日非常に困つておりまする地方財政平衡交付金にいたしましても、制度はシヤウプの勧告その他でできたのでありますが、しかしこれができない以前におきましても、やはり地方配布税というものが、御存じのように所得税と法人税の二三・一四を出さなければならないと規定されておつたときも、これが地方財政平衡交付金にかわりまする前においては三三・一四を一六・二九に切下げられた例がある。内閣においてこういうことをされておる。二十四年度には御存じのように、酒の最終小売価格の百分の五を地方の府県に拂いもどすことになつておりましたが、この法律も昭和二十五年の税制改革のときになくなつております。地方の財政を充実するためにそうした既設の法律が出ておるにもかかわらず、今日それらの法律がなくなつて来ておる。大臣の答弁はその通りに受取れれば非常にいいのでありますが、過去のこういう実績から見ますると、私はこれをそのまま受取るわけに参らぬのであります。もし大臣が内部でやつた方がいいという御意見が、そういうものが反省され、そういうことをなくするようにこれを強力にやるからということだけでありますならば、これは仮定の問題であつて、私どもは仮定の問題で押問答したところで始まらぬと思います。私をして言わしむるならば、過去において自治庁は非常に弱かつた。あるいは地方財政を担当いたしておりまするものは非常に弱かつた。そうして国の御都合次第でどんなにでもなつておる。ことに最近の例を申し上げますならば、御存じのように、地方税の一部改正の中に法人の所得割が現行百分の十五でありまするものが十二・五に切下げられておる。それの理由は中央に法人税が上げられて、法人の負担がふえるからというので地方の市町村民税の所得割の税率を減らした。こういうことになつて参りますれば、まつたく国家財政のために地方財政が犠牲になると言つても少しもさしつかえない。今日大臣は今のような御答弁をされておりますが、この国会に提案されておりまする地方財政と中央財政との関係ですらそういうことが行われております。私どもは、これでは大臣の意見をそのまま額面通りに受取るわけに参りません。従つてもしこうした大臣のような懸念があつて、地方の財政をどうしても確保するという御意思があるならば、むしろ地方財政委員会をこの際拡充強化して、これらの意見が内閣及び国会にあるいは指示をされあるいは勧告をされて、内閣は予算編成の前には必ず地方財政委員会の意見を十分に尊重しなければならないという法律に直した方が、私は効果的だと思う。またそうすることが正しいと思う。その点に対する大臣の御見解をお伺いしておきたいと思います。
○岡野国務大臣 大分あなたは私に対して不信を持つておられましてお前はそう言つたけれども過去の実績があるじやないか。そういうことはやれつこない。地方財政委員会を強化して、何とかひとつ政府をとつちめるような強力な制度にしたい、こういうおぼしめしだと思いますが、しかし先ほども申し上げましたように、地方財政委員会といたしまして内閣並びに国会に対して意見を勧告しまして、そうして間接的にこれを獲得するよりは、私自身は私の全責任においてこれを引受け、そうして閣内において予算を確保するのに努力した方が非常に力強いことと、私は確信しております。もし私を御信頼くださるならば、私が申し上げることを信用していただけばいい。御信任がなければ、それは私が言つたところでいたし方がない。ただもう一つ申し上げたいことは、先ほどちよつとお触れになりました法人税割を一二・五%に下げたということ、これはいかにも私が中央の代弁をして地方をいじめるようなことをしたようにちよつと受取れたのでございますが、それはよほどのあなたのお考違いかと存じます。あの当時の実情を申し上げますれば、まず財政は根本的に——これは財政原論でございますが、財政需要というものがあつて、それに対して収入を幾ら確保すべきかということをきめるのが、これは財政のイロハでございます。そこで地方財政委員会におきまして、地方の財政需要額というものを検討いたしました。これに対しまして税収、平衡交付金がどのくらいいるかということを勘定してみましたところが、これこれいる。すなわち七千五億円いるということになつた。そこで附加価値税をもし実行するならば足らなかつたのでありますけれども、事業税をそのまま実行して行くということになれば、百七十四億くらい金があまる。それではこれをどう始末するかということを地方財政委員会において現実に検討しました結果、法人税割というものを二・五%下げてまた事業税というものに対して今までは二万四千か五千円の免税でありましたものを、三万八千円の基礎控除にして、そうしてむしろ減らして財政需要に合わした、こういうような実情であります。しかもこれは中央のさしず並びに中央の財政の情勢いかんによつてきめたことではございません。地方財政委員会独自の立場において、そういう切り盛りをして持つて来たわけでございますから、あなたの御非難は当らないと思います。
○門司委員 今の大臣の御答弁でありまするが、もちろん財政は財政需要額によつてきめられることに間違いはございますまいし、またそうでなければならない。いわゆる財政需要額とさらに財政収入額との問題は当然考えられる問題でありますが、しかしそこに問題になつて参りますのは、やはり地方住民の負担の関係であるのであります。地方住民の負担が限度に到達いたしておりますときには、やはりそれには十分の考えを持たなければならないと同時に、今大臣からせつかく御答弁がございましたが、私は少くとも地方の財政を今日論議しようといたしまするならば、やはり税制の面から見て参りますると、これは府県財政と市町村財政というものは私は別に考えるべきだと考えるのであります。ただいまの大臣の御答弁のあげ足をとるようでありますが、たとえば事業税を減額されましたところで、これの負担内容というもの、これの関係は府県税でありますし、同時に住民税は市町村民税でございます。そこで私はこういう財源というものは、地方財政であるからといつて、あるいは財源であるからといつて、一律にものを考える筋合いではないと考えておる。ことに先ほどから申し上げておりますように、当然地方の住民の要望にこたえて——市町村民税が、個人の人頭割というものが、不見識な税金であり、また、税の建前から言えば非常に誤つた税金でありまして、何もかも頭割りでとる税金はいい税金ではありません。そういうものが下げられないで、法人税割だけが下げられる原因は今いろいろお話がありましたが、少くとも私の記憶に存する限りにおきましては、この市町村民税の法人の所得割を減額したということは、やはり国の法人税が増額されたということが私は原因になつておるように従来の委員会では記憶しておるのでありまして、私はこういう建前で実は申し上げたのでございます。従つて大臣の今の御答弁は、私はそのままひとつ大臣に返しておいた方がいいのじやないかというふうに実は考えております。 それからその次に聞いておきたいと思いますことは、この法案によつて内務省の復活をはかるのではないというようなお話であり、またこうすることがいいというようなお話でありまするが、一応聞いておきたいと思いますることは、ここにありまする権限の中の二十六に「地方債の発行を許可すること」と書いてあります。この地方債の発行を許可するということになつて参りますると、これは非常に大きな問題でありまして、これが地財委がある程度の権限を持つておりまするならば、これは純然たる、政党に支配を受けないと言うと少し行き過ぎかもしれませんが、形の上においては、政党に支配を受けない単独の一つの機構である。ところが今度はこれが権限が自治庁に移されて参りますると、少くとも今日の政党政治でありまする限りにおいては、政府と政党はつながつておるということが言える、そういたしますると、この許可の権限というものは、私は今の自治庁が持つておりまするこれを査定したりすることと少しわけが違つて参りまして、必ずこの問題は一つの大きな地方の財政に対する、あるいは地方の公共団体に対する圧力になる可能性を持つておると考える。その大臣が、今の岡崎さんのような大臣ならいいかもしれませんが、あるいは少し考え方の違つた大臣が出て来るということになつて参りまして、この許可の権限を與えるということになつて参りますると、必然的に不公正なものが出て来はしないかと私は考えるのであります。この点については大臣は断じて不公正にならないというような御確信がおありになるかどうか。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。この点においてまず政党政治、政党の大臣にものをまかしておくと不公正をするだろうという一つの懸念が前提になつていると私は考えます。私はそういうことをすべきものでない。公党である以上は、その政党が内閣をとつて、公正なる政治をするのが理想でございますから、もしそれが変なことをすれば、当然国民の指彈を受けて、その政党は非難される。同時にその内閣は指彈されて、国会においても不信任の決議をされてやめて行かなければならぬという制裁もあるでしよう。しかしながら私といたしましては、少くとも政党政治でやつて行く以上は、やはりその所管大臣が全責任を持つて公正なる公党の面目を失墜しないでやつて行くということが当然の責任でありますから、そういう懸念はなかろうと考えます。と同時に、そういう御心配がありはしないかと考えましたので、地方財政委員会と同じような性格の財政審議会というものを附置しまして、その財政審議会には地方公共団体から推薦したところの過半数の委員を任命して、同時に学識経験のある人を二人入れました。そうしてその委員会に議決さして、その委員会の意思をわれわれは十分尊重しなければならぬというみずから責任を背負つて出ておるわけでありますから、私は公正に行き得るものという考えを持つております。また仕組みといたしましても、財政委員会がやつておつたと同じような効果が上り得るものと考えます。
○門司委員 私あとでこの十五條の規定については質問をするつもりでありましたが、今大臣がここに触れられましたので、一応十五條の規定の地方財政審議会の組織の問題、さらに地方財政審議会に付議すべき事項、この問題について一応この機会に質問しておきたいと思いますが、それはなるほど十五條に今大臣がお話のような各種団体と申し上げまするか、都道府県知事及び都道府県会の議会の推薦する者あるいは市の市長、並びに議会の代表者の推薦する者、あるいは町村におきましても同じような角度で、一人ずつおのおのこれを推薦することになつております。そうして残りの二人だけはこれは政府で何とか決定をされることだ、こう考えておりますが、私はこの委員の構成があるから、従つてこれにはかつて行くから、十分間違いはないのだというようなことになると考えられますか、この職務権限の中には、はたして地方起債に対しまして、この委員会が十分意見を聞くというようなことが、私今ちよつとこれを見ただけでは、書いてないようであります。平衡交付金に対しましてはいろいろなことが書いてありますが起債の認可に対しましては、この委員会がこれをどうしようということは、この中に書いてないのであります。これは一体大臣の御答弁がそのままだといたしますと、私はちよつと受取りにくいような気がするのでございますが、この点もうひとつ明確にしておいていただきたい。
○岡野国務大臣 「地方財政審議会の付議事項」ということが第十七條にございます。その第十項に、「法定外普通税の新設又は変更の許可及び地方債の発行の許可に関すること。」となつておりますから、結局地方財政審議会に長官は付議しなければならぬ、こういうことになつて、その付議しました意見に対しては、尊重しなければならぬということになります。
○門司委員 私の心配いたしておりますのは、ただいま大臣のお言葉にもありましたが、これが勧告をされていない、勧告でなくして、大臣の言葉じりをとるようでありますが、私はこれが非常に弱くなつたと先ほどから申し上げておりますのは、この委員会がありましても、実際の内閣に対する勧告権も何もないのでありまして、ほとんど拘束力がありません。ほとんど縛つておりません。ただ付議事項でありまして、何もこの委員会の意見を聞くとか聞かぬとかいうことは、決定づけられていない。大臣は、地方財政委員会と置きかえられても大した差異はないというお話でありますが、非常に大きな開きがあると思う。ここに書いてあります財政審議会の付議事項というものは、今までの財政委員会と違いまして、これは單に付議して、そうしてそり意見を尊重しなければならないということはこの十七條にも書いてありますが、しかし勧告の権限は持つておらない。地方財政委員会はそれを持つておつた。これの相違であります。そういたしますと、大臣の、必ずこの五人の委員会の意見を尊重するという言葉は、こういうように解釈してよろしゆうございますか。大体そのまま受取つて、そうして今の地財委と同じような立場においてこれが行われるものであるというように、私は率直に申し上げますが、受取つてよろしゆうございますか。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。私は地方財政委員会というものが独立の機関であつて、そうしてやつておるときと、それから自治庁の中に入りまして、そうして財政審議会というものになつたというときとは、名義からしても、立場からしましても違うわけでございます。しかしながら、もし大臣を信頼し、政府を信任するということであれば、同時に審議会というものが独立の性格を持つていて、その意見を長官が尊重しなければならぬということを、まつ正面に、正直にとるならば、私はまつたく同じことであつて、むしろ仕事は簡潔になつて、流暢にできることと考えますから、私はその点に何らの差がないものと存じます。
○門司委員 そういたしますと、その組織の問題でもう一つ聞いておきたいと思いますが、それはなるほど三人はこうした地方公共団体の中から大臣が任命される。その他二人は、地方自治に関してすぐれた識見を持つ者を任命すると書いてあります。従つて二人だけは内閣の御意思で決定される。こういうふうに受取つていいと思いますが、ただ問題は、今日の地方自治体のほんとうのあり方、ほんとうの姿というものは、自治体の長、あるいは議会の団体からの推薦だけでは、私は地方の公共団体の運営は、今日の状態では困難ではないかと考える。従つてもしこの中に入れるとすれば、私は地方公共団体でほんとうに働いておる者、言いかえますならば、労働組合の代表者というものがやはりこの中に入つて、そうして地方の財政というようなものが検討されるのがいいのではないかというように考えるのでありますが、この点について大臣の御意見はどうですか。
○岡野国務大臣 地方の現職の理事者がこれに加わつた方がいいのじやないかということが一つであります。その次は、その現職のものに対して、労働組合の人も入つたらいいのではないか、この二つにわかれると思います。地方の理事者をこれに入れるということに対しては、具体的のいろいろな分配とか何とかということで、あるいは公正を欠くのではないか。あるいは公正を欠かないでも、その委員になつておる人と、なつていない人との間に、何か委員になつておる人が得をするのではないかというようなひがみも出て来ると思いますから、おもしろくないと思います。その意味におきまして、われわれは全般的の地方団体の意見を聞きますには、自治庁に参與を置きまして、地方の理事者を参與にいたしまして、そしてわれわれはそのアドヴアイスを十分聞き、同時にわれわれの希望も申し上げ、いろいろ連絡して行こう。向うの言いたいこともまた聞く。こういう機関を別につくつております。その中に労働組合の人を入れるかどうかということは、これは別問題で、ございまして、ただいまのところでは、今までのありきたりの機関を自治庁に一つにまとめたというにすぎませんので、その権能をふやすとか、事務をふやすとか、仕事を変革して行くということには、自治庁設置法の方には触れておりませんから、その点はもし問題がございますれば、またいろいろ研究の機会があろうと思いますけれども、ただいまのところでは、今までのありきたりの仕事をそのまま受け継いで、統合一括して自治庁にしたいということだけでございます。
○門司委員 さらに十八條について、ちよつとお聞きしておきたいと思います。これは意見の申出をすると書いてありますが、「地方財政審議会は、毎年度の予算に計上される地方財政平衡交付金に関して自治庁長官に意見を申し出ることができる。」こう書いてあります。これは従来の財政委員会でありますならば、おわかりのように、内閣並びに国会に意見を述べ、あるいは勧告をいたして来るのでありますが、これは所管大臣に申し出ることができるということだけになつております。従つてこの申し出たものに対しては、一体大臣はこれを尊重されるのかどうか。この点は條項が改まつておりますので、同じように十七條に書いてあれば別でありますが、十八條として書いてありますので、従つてこの意見の申出に対しては、単なる申出であつて、自治庁の長官はそれを聞き置くだけであるのか、あるいはこの申出というものは、地方財政審議会の十七條にありますように、これを尊重しなければならないのか、その点を伺いたい。
○岡野国務大臣 意見を申し出て参りますれば、自治庁長官は当然それを十分参考にしまして、各関係方面に話をするということになりますから、最も有効な意見の提出になると思います。
○門司委員 もう一つ聞いておきますことは、十七條の規定の中には、「その意見を尊重しなければならない。」と書いてある。十八條においては、先ほど申し上げましたように、ただ「意見を申し出ることができる。」と書いてある。私はむしろ、地方財政審議会のきわめて重要なる問題は、十八條に置かるべきではないかと考えるのであります。與えられた事務の範囲の問題をどうするかということについては、単に自治庁長官がこの事務を遂行する庁内の問題でありまして、庁外に対外的にこれを強く行こうとするなら、やはり、地方財政審議会というものが地方自治庁長官に意見を申出るということでなしに、これはやはり内閣に十分反映するような組織にしておかなければ、今の地方財政委員会から見れば非常に弱いものになつて来ると思うのです。そういうふうに、ただ長官だけに意見を申出るということでなくして、この意見は内閣が十分尊重しなければならないということに直した方がいいのではないかと考えておりますが、大臣のお考えは一体どうであるか。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。これは私の考えといたしまして、自治庁というものは中央政府のものであるというような、何か疑いがありやせぬかという心配をいたします。あなたのお立場はいつも、自治庁というものは、今までの立場上、私は国務大臣として内閣の方にむしろ近くて、財政委員会とはむろん性質がかわつて来まして、対立しておるような形になつておりますから、そのことが頭に残つておられると思いますが、私は、この法案を今度出しますにつきましては、自治庁という役所は、地方公共団体の利益を擁護する唯一の機関であろう、こういう立場で今度の法案をつくつておりますから、どこまでも前提としては、地方のために盡す役所である、こういう前提をお認めくださるならば、意見を出して、あるいは強制されるかもしれません、しかし強制というよりは、進んで地方の自治のためにどうしたらいいかということを審議会に諮問し、意見が出なくても、地方の利益を擁護するという考えから、あらゆる意見、あらゆる情勢を私が知つて、そうして内閣にこれを反映させる。でございまするから、立場といたしまして、自治庁というものが内閣の一部分であつて、地方と対立しているものであるという前提ではなくて、自治庁を内閣が置いたというのは、これは自治擁護のために、地方の利益を代弁する唯一の、国務大臣を長とするところの機関である、こういう前提で御判断くだされば、私は、そのことは簡単に解決すると思うのです。
○門司委員 それはまつたく今の大臣の答弁と実際と、さらにわれわれの考えとは非常に大きなかけ離れを持つておるような気がするのです。大臣は、自治庁は地方の公共団体を擁護する一つの機関だから、自治庁の長官は、意見の申出があつた場合には、それを内閣に反映させる立場にあるということのようでありますが、それは私はなるほど大臣の立場、いわゆる地方自治庁の立場からいえば、自治庁のあるということは、すなわち地方公共団体のために自治庁があることに間違いはないのでありまして、それぞれの所管はすべてそういうことに私はできておると思う。そのことに間違いはございません。しかしながら、もし間違いがないとするならば、やはり私は、自治庁がそういうお考えとするならば、何らか内閣に対して拘束力を持つような、一つの地方の自治体の財政的の援助、というと少し言葉が弱くなりますが、財政を確保することのために、力強い機関を設けられた方がいいのではないか。今の財政委員会は、内閣あるいは国会に対して勧告する力を持つておる。ところがこの場合には、その力がなくなつて、機構がそういうふうにできておるのだから、單に長官が引受けておきさえおればそれでいいのではないかということについては、私は地方の公共団体は必ずしもそれに安心しないと思う。と申しますのは、何といいましても、内閣の一角であるごとには間違いが、ございませんし、立場がたといこれを擁護する立場にありましても、国の一つの方針、内閣の一つの方針には、私はさからえないと思う。これに反抗するわけにはいかぬ。どんなに岡野さんがここで大きなことをお言いになりましても、そういうことは総理大臣の施政方針に対して、自治庁の方針はこうだといつて、逆に行かれるわけには行かないと思う。従つてそれらのものをやはりカバーすることのためには、何度も申し上げますが、地方の公共団体のために十分うしろだてになるような機構が、ここに必要ではないか。もし現在の機構を自治庁の中に統合されるとすれば、やはり地方財政審議会の意見というものは、單に長官に意見を申出るだけではなくして、この意見はさらに内閣に対しても多少の拘束力を持つような仕組みにしておかなければ、われわれとしては、実は安心ができないわけであります。大臣の立場としては、今のような大臣の御答弁以外に、おれが弱いからこういうものをこしらえてくれというわけに行かないかもれません。しかしわれわれの立場からいえば、やはりこの際ぜひそういうものがなければならないと考えております。それの具体的な現われといたしまして、御存じのように、地方財政平衡交付金というものが、一体どこから割出しを受けておるか。自治庁で考えられ、さらに地方財政委員会で、今日の状態では、財政需要と基準財政収入額とのアンバランスを埋めることになつておりますが、しかしこれが必ずしも、数字の上で、自治庁の出した、あるいは財政委員会の出した数字と、国の予算の上に現われた数字が一致しておりません。いつの場合も財政委員会は、もうこれだけもらいたいと言うが、大蔵大臣はこれだけしか出せないということで、大蔵省の思惑通りに、悪くいえばつかみわけの通り、地方自治庁、そつちはこれでまかなつておけというようなことで、平衡交付金というものは、大蔵省の定めた、いわゆる国の定めた予算から逆算しておるというのが現状だと思う。こういうことであれば、いつまでたつても地方財政というものは平衡交付金その他に頼つておるわけに参りません。これを確固としたものにするためには、私はやはり、地方財政平衡交付金の算定の基礎をつくる地方財政委員会というものが別個にあつて、そうして基準財政の算定額に基いて、これを正しい数字で出して来て、正しい数字が地方に配付されるという形にならなければ、地方財政は安心してやつて行けないと思う。国の財政の都合で動くようではいけないと思う。その一つの実例を申し上げますならば、たとえば昨年度の千二百億の平衡交付金がわずかに五十億しかふえておらない。物価の上昇率はどうなつておるか、ここから考えて参りますと、あるいは地方に仕事がふえて参つております率から考えてみますと、わずかに五十億円の増額だけでは、数字的にはつじつまが合わないと思う。しかしこれも国の財政の都合で、現状のようなことに押し込まれておる。こういうことを考えますと、どうしても私はこの項の中にもしこれを入れるといたしましても、少し強く内閣を拘束するようなものでなければならないと考えておりますが、大臣は必ず今、財政需要額の基準算定の基礎になりますものを今度の国会で一応立法化しましたから、あの基礎から割出したアンバランスだけは必ず確保するという御確信がおありになるかどうか。この機会に一応聞いておきたいと思います。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。地方財政委員会を幾ら強力にしましても、平衡交付金というものは、やはりこれは中央の財政というものとにらみ合せなければ出て来ないのであります。その点においては、私はそう簡単には行かぬと思います。そこで財政委員会の方で、平衡交付金法の通りのことをやろうと思いましても、国家財政がどうしてもまかないきれないということになりますれば、そこで制肘を受けることは事実でございます。そういたしますと、今度は今までのように自治庁の長官と独立の立場にある財政委員会の間接制肘をもつて予算をとろうということよりは、自分自身閣内の一大臣である長官が、全責任をもつてこれを確保するということの方が強力にやられるということが、まず私の理論的の基礎でございます。同時にあなたのおつしやるように、地方財政委員会を財政審議会というものにして、自治庁の中に入れて、これに強力な力を與えるということになりますれば、今度は全責任をもつてやるという仕事に一つの制肘を受けまして、部内の統一もうまくとれませんし、意見の懸隔がありますと、仕事もうまく行きませんし、そういう意味において、調整をしてやつて行くということにならなければいかぬと思います。 まず第一に、財政委員会を強力にすることはしごくけつこうでございますけれども、あなたのお触れになつたところの、平衡交付金をいかにするかということに対しては、いつも国家財政の情勢というものに制肘を受けることは、事実でございます。その点におきましては、私は同じことだと思います。でございますから、結局問題は、地方財政というものについて財政委員会が意見を出したものを、自治庁長官たるものは、いつか私ここでひやかされたわけでございますが、メツセンジヤー・ボーイのような形において内閣に持ち込んで、これを請求するというよりは、これは自分自身の責任であるからということの方が、強力に内閣に反映し得るから、地方のためには役に立つ、こう考えております。そうして財政審議会というものにもし非常な強力なる力を與えますならば、執行機関に対して、その部内においてこれを制肘するところの一つの強力なるものを加えて、むしろ仕事の統一並びに円満なる運営が事を欠くことになりやしないか、こう私は思います。
○門司委員 今の大臣の答弁ですが、これは非常に重要というよりも、むしろ考えさせられるのでありますが、地方財政平衡交付金が国の財政で左右されるということが大臣のお考えだとすれば、一体地方財政平衡交付金法という法律はどうなりますか。前の配付税法を地方財政平衡交付金法に切りかえましたときの要素は、一体どこにあつたかということである。配付税の場合は、きめられた一定の割合、いわゆる法人税と所得税の三三・一四を必ず地方に拙いもどしをしなければならぬという法律をこしらえて、そうして地方にそれだけの金額を與えて、その金額の中で、具体的に言うなら、大臣も御承知のように、五〇%はその納税類その他においてこれを配付し、残りの五〇%のうち、一〇%を非常財政に差引いた残りのものだけが、今日で言う財政需要額と基準財政収入額とのアンバランスのために、これが使われておつた。この制度は、これをこしらえまするときには、配付税というような形で、国の財政というものの中から当然地方に配付する額が法律で定められて、そうして国の財政のいかんにかかわらず、地方財政というものはある一定額の基準がきちんときまつておつて、そして地方が予算を編成いたしまする場合に、当初からこの配付税で予算の編成ができるようにしておくことの方がいいのであるという考え方を持つておつた。ところがその考え方がやめられて、そして地方財政平衡交付金になりましたときには、これはそういう行政的の理論よりも、むしろ財政的の議論の上にはつきり立つて、そうして配付税の中に含まれておりまする一つの大きな要素である財政需要額と、基準財政収入額とのアンバランスを埋めるということに、大体重点が置かれて、そうして地方財政平衡交付金法の精神というものは、これを埋めることになつておる。アンバランスだけをこれは補充することになつておる。このアンバランスの基準は、今回の国会で通過いたしました法律で、大臣の方は私よりもよく御存じだと思いまするが、おのおのの財政の需要額というものを割出して、たとえば人口一人についてどのくらいの金がかかるとか、あるいは小学校の子供一人についてどのくらいかかるとか、道路あるいは橋梁あるい港湾の施設とか、いろいろな角度から、この基準財政需要額というものを割出して、そうしてさらに税収その他を十分考慮して、この財政需要額とのアンバランスを埋めるということが、この地方財政平衡交付金の趣旨であります。われわれが今日やかましく言つておりまするのは、この当然地方のアンバランスを埋めなければならない、法律できめておる額に相当するだけの額を、中央から支給しないから問題が起るのでありまして、もし地方財政平衡交付金法がそのまま実行されておりまするならば、今日のような、地財委と大蔵省との間で平衡交付金が多いとか少いとかいう議論は、起らないはずであります。この議論が起つているというところに、間違いがあるのであつて、私はこの議論が起らないようにするというためには、地方財政平衡交付金法という法律を完全に守つていただきたいと思う。これが大臣の今の御答弁のように、国の財政の都合でどんなにでもなるのだということになるならば、地方財政平衡交付金法というような法律はこしらえない方がいい。しかもその中で、基準財政需要額というようなものを割出すことのために、それの算定の基礎になるこんな厚い、大きなものをこしらえて、そうして人口一人についてどのくらいの金がかかるとか、小学校の子供一人についてどのくらいかかるとか、あるいは教室の広さだとか、大きさだとか、学級数だとか、あるいは道路の面積だとか、こまかいものまで書いて、ああいうややこしいことを一体なぜするか、あんなものはまつたくいらないのであります。單にあれは参考の資料だけだというならば、ああいうむずかしいものはいらぬと私は思う。大臣の考え方は、地方の財政あるいは地方行政に対しては、反対に立つものではなくて、これを守る立場にあるというお考えであるように、私は拝聴したのでありますが、その考えであるならば、今のような御答弁はできないはずだと思う。大臣はどこまでも、さつき申されました、国の財政の都合で地方財政平衡交付金というものの増減が行われるものであるというようなことを、一体考えておられるかどうか、もう一ぺん私ははつきり御答弁を願いたいと思います。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。平衡交付金法の趣旨といたしましては、お説の通りでございます。しかしながら、残念ながら過去二年の間において、それがそういうふうに運用されなかつたということは、国が貧乏であるということが実際は嘆かわしい次第でありますが、実績として出ておるわけであります。そこで私といたしましても、いろいろ議論もございましようが、国民負担というものを中央、地方を通じますと、平衡交付金もやはり住民から出るものであります。地方税もやはり住民から出る。それを平衡交付金は何か天から降つて来るものか、地から出て来るものか、国民以外のところから出て来る財源でとるのであれば、平衡交付金の制度というものは、おそらくお説の通りに理論的に行かなければならぬと思います。しかしながら、平衡交付金でありながら、それはどこから出るかといえば、これはやつぱり地方の住民から出るところの税金でありますから、これを総合的に観察しますれば、やはり地方でこれだけの収入があり、同時に平衡交付金は平衡交付金法で割出したならばこうであるけれども、どうもそこまで行けないから、増税するなり、もしくはもう少し負担を調整するということで割出して行かなければならぬということになりますから、私はその点が、法文上はそう出ておりますけれども、中央地方を通じた国民負担の上からは、平衡交付金がときによれば制肘を受ける。この点は非常に遺憾でございますけれども、むろんそれに対しては相当検討を要しようと思います。この点におきまして、平衡交付金並びに地方税法の再検討ということに、私は考えを持つている次第であります。遺憾ながら過去においてはお説の通りの結果になつております。
○門司委員 あと研究されるということで逃げられれば、それ以上私は追究しないつもりでありますが、とにかく今の大臣の答弁は聞捨てにするわけには参りません。少くとも地方の行政庁の元締めとしておられる自治庁の長官が、地方平衡交付金が国の財政の都合で多くもなれば少くもなるということになつて参りますと、地方の公共団体は安心して行政をやつて行かれないと思います。私はこの考え方については賛成をするわけには参りません。この問題についてはここでこれ以上議論はいたしませんが、ただ考えておいていただきたいと思いますことは、私どもの立場で考えて参りますと、憲法の中に自治の一章を設けましたということは、当初に申し上げましたように、日本の民主主義をほんとうに遂行して行こうとするならば、やはり地方の公共団体というものが自主的にやつて行ける、自律性を持つということになつておつて、身近な政治から民主化して行かなければ、どんなに国で民主主義を唱えて参りましても、ほんとうの正しい民主主義は発達しないものである。同時に民主主義の政治はあくまでも責任政治であります以上は、やはり地方の公共団体というものは、それぞれの、住民の責任の上において政治をやつて行くことが正しいのである。こういう観点から考えて参りますと、地方財政というものは非常に重要な問題でありまして、この地方財政、ことに平衡交付金の今日の地方財政に占めております割合は、場所によりましては六〇%以上これが占めておるのであります。大体平均いたしまして、三五%ないし四〇%をこの地方財政平衡交付金が占めておる。これが小さな県、たとえば鳥取県のようなところへ参りますと、大体六〇%以上を地方財政平衡交付金が占めております。それほど地方の財政には大きなウエートを持つております地々財政平衡交付金が、国の財政の都合で多くもなれば少くもなるということやむを得ぬということになつて参りますと、地方公共団体というものは安心して仕事ができないと思います。これだけは私はできればひとつ、大臣のお言葉ではありますが、あまり強情を張らないで、考違いであつたか、あるいはそういうことになるたけしないようにひとつ努力するということにしておいていただかないと、私どもの立場としては非常に迷惑するのであります。これ以上申し上げますと、大臣に対して私どもはもう少しものを言わなければならない立場になるのでありまして、それは国の財政の都合だと言われておりますが、時の政府の考え方で、国の方針というものは多少かわつて来るのでありまして現在でもわれわれは国家財政に全幅的に賛成をしておるわけではございません。今政府の組んでおります予算の中には、ほとんど軍事費にひとしい、あるいは国民の生活とかけ離れた予算であるというものを、われわれは一千数百億指摘しております。われわれの立場から考えれば、全然住民の生活に直接関係のない軍事費と目されるものが、今日使われておる。それらのもののために地方の財政が犠牲になるということが、大臣言葉をそのままかりれば言えるのでありまして、そういうことに対して私どもは非常に不満を持つておるのでありますが、この項では大臣にこれ以上申し上げません。 その次に聞いておきたいと思いますことは、ずつとあとに帰つて参りまして行政部の所掌事務の中にあります第四号でありますが、四号の中に「地方公共団体の組織及び運営に関する制度を企画し、及び立案すること。」こう書いてありますが、この地方公共団体の組織及び運営に関する制度というのは、一対何をさしておるかということを、この機会にお聞かせを願つておきたいと思います。
○岡野国務大臣 事務当局より御答弁にいたします。
○松村説明員 これは現在もありまする地方自治法といつたような法律がこれに当るわけで、ございまして、地方公共団体の機関、あるいはその機関をどういうふうに運営するか、そういつた制度を企画し、その法律案等を立案するということでございます。
○門司委員 そういたしますと、この組織及び運営に関する制度というものの中には、今度の自治法の改正法案の中にありまする、例の都道府県知事が適正規模の問題に対してこれを企画し、あるいはこれを勧告することができるということが、自治法改正法案の中には入つておりますが、それとは別個でございますか。
○松村説明員 ただいまの御発言のものは、知事のやります分であります。ここでは自治庁がやります分でございますから、別個の問題であります。
○門司委員 そういたしますと、この中には適正規模の問題は含まれていないと考えてさしつかえございませんか。
○松村説明員 もしも国の方におきまして——国と申しますか、自治庁でございますが、自治庁の方におきまして適正規模の問題について何らかの制度を考えて、それを法律にするために立案する、こういうことがありますれば、入つて来るわけでございます。
○門司委員 この点は今の御答弁からいたしますと、もう一言聞いておきたいと思いますが、今問題になつております中で、さつき申し上げました地方公共団体の適正規模ということが非常に問題になつております。そうして公聽会その他の意見を聞いてみますと、何らか立法化してもらつた方がいいのではないかという極端な意見をはぐ人さえあるのであります。従つてこの條文の中に、先ほどの御答弁の中にあるいはそういう必要があるかもしれないというお話でありますが、もしそういうことがこの中に考えられるといたしますならば、国は適正規模の問題を立法化するというようなお考えがあるのかどうかということを、この機会にもう一つ聞いておきたいと思います。
○松村説明員 地方公共団体の適正規模の問題について、何らか立法的な措置も必要ではなかろうか、こういうことは研究としてはただいま考えられておるところでございますが、具体的にどういうふうにするというまでにはまだ至つておりません。
○門司委員 それからもう一つ、この中で聞いておきたいと思いますことは、次の十條の七でありますが、ここに「地方公共団体の人事行政に対して協力し、及び技術的助言を行うこと。」こう書いてあります。この條項も地方の人事交流に関係した一つの大きな問題を起すと思いますが、これはちようど内務省が地方の人事権を持つような形がだんだん出て来やしないかと考えますが、ここに書いてあります人事行政に対して協力するという意味は、どういう意味をこの中に含めておるのか、御説明願いたいと思います。
○松村説明員 これは現在の地方公務員法の五十九條にある内容でございますが、地方公共団体の人事行政が地方公務員法によつて適正に運営されて参りますように、自治庁におきまして技術的な助言をやる、こういう意味でございます。
○門司委員 私の聞いているのは、その下の助言でありませんで、上の協力であります。
○松村説明員 この技術的助言も協力も、大体同じ内容に考えておるわけでございますが、たとえば地方公共団体におきまして、人事に関しまする條例等をつくります場合に、それにつきまして一案を示す、こういうようなことを考えておるわけでございます。
○門司委員 私が懸念いたしておりますのは、ここに協力という言葉と、それからその下に技術的助言と書いてありますので、この協力という言葉が、かつての内務省が人事権を持つておつたように、今日で言いますと、人事の交流のためにこれが使われるのではないかという懸念を実は持つておるのであります。人事交流その他に対して、この協力という文字が当てはまつておるかどうか。
○松村説明員 この中にはそういつた人事交流についての問題は含まれておりません。付言いたしますと、人事交流に関しますることは、国と地方団体、地方団体相互間の連絡という意味におきまして、事実上地方団体側の依頼に応じまして、あつせんする、こういつた程度のことを扱つておるわけでございます。
○門司委員 その次に聞いておきたいと思いますのは、選挙の関係で第十一條の二でありますが、ここに「最高裁判所裁判官の国民審査及び日本国憲法改正の国民の承認に関する投票に関する調査を行い、資料を収集し、並びにこれらの制度を企画し、及び立案すること。」こう書いてあります。これは憲法の改正をしようとする場合には、当然国民投票をしなければならぬ。国民投票を行う手続その他の選挙事務をこれで行われようとしておるのかどうか、その点をこの機会にお聞かせを願つておきたいと思います。この問題は選挙事務の問題だけならよろしいのでありますが、いろいろここに書いてありますように、「資料を収集し、並びにその制度を企画し、及び立案すること。」こう書いてありますので、憲法改正に対します投票その他の資料というのは、一体何をさしておるかということでありまして、この点単なる投票の資料であるのか、あるいは輿論というものの資料であるのかを聞かせていただきたいと思います。
○松村説明員 この選挙管理の事務に関しましては、このあとの方に出ておりますが、中央選挙管理委員でやるわけでございまして、ここでは単に統計的な資料を考えておるわけでございます。
○門司委員 それから選挙のこの項で、もう一つ聞いておきたいと思いますが、全国選挙管理委員会というものは、この法律で見ますと、非常におかしな形になつて参りまして、ここに単なる「国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の施行に関すること。」あるいは「第五号に定めるものを除く外、中央選挙管理委員に関する予算の要求及び配付に関すること。」こういうふうに書いてありますが、中央選挙管理委員というものは、自治庁に移管されて参りますと、性格的にはどういうようになりますか、中央選挙管理委員というものは今と同じようなものになりますか。
○松村説明員 中央選挙管理委員は自治庁の機関ということでございますけれども、自治庁とは独立した別個の機関的性格を持つておるのでございます。
○門司委員 そうなりますと、これは今の全国選挙管理委員会と性格的にはどういうふうに違つて来ますか。
○松村説明員 現在の全国選挙管理委員会は総理府の外局でございますが、今度の中央選挙管理委員は、実質的には同様の性格でございますけれども、自治庁の機関ということになるのでございます。
○門司委員 私が懸念いたしますのは、選挙を管理する委員会と選挙事務を統括するものとは、おのずから性格が非常に違つて来るのであります。それで現在の選挙管理委員会は選挙を管理する一つの委員会でありまして、事務だけをやつておるわけではございません。従つて選挙管理委員会は、御存じのように選挙違反その他に対するある程度の、判決を下すわけではございませんが、いろいろな指示をしておる。また問合せ等に対しては、その解釈をここでやつておるわけであります。従つてこの選挙管理委員会が今のような形で、総理府の外局として、一つの公正な立場からこれを行つております場合においては、私はある程度の公平性が保てると思いますが、これが自治庁の中に含まれて参りまして、そうして、従来と同じような正しい選挙の管理ができるかどうかということであります。この点について私は多少懸念を持つておるのでありますが、自治庁といたしましては、今までのように選挙の管理をする管理委員会として、これは十分機能を達し得るという御確信があるかどうか、お答えを願つておきたいと思います。
○松村説明員 選挙事務の管理につきましては、参議院の全国選出の参議院議員につきましては、独立的性格を持つて中央選挙管理委員でやるわけで、これは従前とちつともかわらないのであります。その他の選挙につきましては、現在も都道府県の選挙管理委員、市町村の選挙管理委員がやつておるわけで、ございまして、これは今後も同様でございます。選挙の公正なる執行について、この機構改革によつて影響を受けるものではないと信じております。
○門司委員 そのことは最初大臣からお聞きしておりますが、私の聞いておりますのは、中央選挙管理委員というものと現在の選挙管理委員会というものは、多少名称が違うのでありますが、しかし権限はまつたく同じような権限だというお話でありますが、実際に選挙を管理する場合には、やはり先ほどから申し上げておりますように、選挙全体を管理する一つの独立の機関の方が政府もやりいいのではないか。これが自治庁の中に入つて参りますと、これを統括するものは自治庁の長官でありまして、内閣に所属しておるものに間違いございません。従つて私はそういうことはないと思いますが、内閣の意向で選挙の管理が左右されるようなことがあつてはならないと思います。そういう点に対しては、何か予防というと少し行き過ぎかもしれませんが、そういうことのないよう、これが従来の選挙管理委員会と同じような、厳正あるい公平な立場で選挙が執行し得るようなことが、この法律の中には書かれていないようでありますが、その点については、何かお考えがあつてこれをお書きにならなかつたのか、書かなくてもいいというお考えであつたのか。
○松村説明員 それは先ほども申し上げましたように、選挙の管理につきましては、従前と今後とかわりがないから、必要ないというふうに考えたわけでございます。
○門司委員 そういたしますと、今ありますたとえば選挙の費用といいますか、そういうものに対する編成はやはりこの委員会でやるわけでありますか。たとえば国の選挙を行います場合の選挙費用の請求等については、この委員会で予算をこしらえるわけですか。
○松村説明員 選挙の費用の請求は、ここにございますように自治庁においてやるわけでございます。
○門司委員 時間も大分おそくなつておりますが、この項でもう少し聞いておきたいと思いますことを簡単に申し上げますと、地方財政審議会の方で、さつきから議論いたしておりました第十七條の中にあります「法定外普通税の新設又は変更の許可及び地方債の発行の許可に関すること。」こういうふうになつております。この場合は法定外普通税の新設というのも非常に問題になつておりまして現在でもたとえば道路損傷負担税というものが石川県で施行されており、これが合法であるか違法であるかということまでいろいろ論議されておるわけであります。こういう法定外の普通税の新設あるいは変更というものの基礎になつておりますものは、先ほどから申し上げておりますように、大臣は財政平衡交付金がきわめてあいまいな、国の財政の方向でどんなにでもなるというお考えのようでありますが、そうなつて参りますと、この法定外普通税の申請というものはどんどんふえて来ると思いますが、こういうものに対しても、従来の財政委員会でありますなら、私はある程度の公平性が保たれたと思いますが、これが自治庁の中に入つて参りますと、これも悪く言えばやはり政治的にいろいろなものがありはしないかと思いますが、そういう懸念はこの中にございませんか。
○奥野政府委員 法定外普通税の新設または変更を許可する場合の基準となりますものは、地方税法に規定されているところでございまして、それに従つてそれらの事務をここで扱つて行くということになるわけであります。もとより地方税法に規定されております許可方針につきましても、運用によりまして、いろいろな角度から多少意見も出ると思いますが、御説のような点もございまして、新たに設けられます地方財政審議会の議に特に付さなければならない事項の中に加えておるわけでございます。
○門司委員 その次は、地方制度調査会設置に対する法律案の中で少し聞いておきたいと思いますが、この法律案は、先ほどから大臣のお話の中にもありましたように、むずかしい問題は何でもかでも新しくできる地方制度調査会の中に持ち込むというふうに財政的にも行政的にも言われておりますが、この委員会の委員の構成でありますが、ここに書いてありまする基準といいまするか、この中には、国会議員であるとか、あるいは、このその他の明記された委員がずつと書かれておるのであります。私は、この構成のメンバーの中に、先ほどから、この前の自治庁設置法案のときにも申し上げましたように、実際の地方のこういうものを運営して行こうといたしますには、どうしてもほんとうに窓口におりまする、直接事務に携わつておる者の意見というものが、私は非常に重要な役割を果すものではないかと考えております。ところが、この法律の五條の中に、「委員及び臨時委員」と書いてありまするところに、「委員は、国会議員、関係各行政機関の職員、地方公共団体の議会の議員、地方公共団体の長及びその他の職員並びに地方制度に関し学識経験ある者」こういうふうに書いてあります。従つて、この「その他の職員」という字句の中には、私が先ほどから申し上げておりまするような、地方公共団体の労働組合の代表者という者がこの中に含まれておるかどうかということであります。そういうお考えがあるかどうかということであります。
○松村説明員 この職員は、地方公共団体に従事しておる職員でございますから、内閣総理大臣がどういう人を任命するかということによつてきまるわけでございまするが、労働組合の関係の人がその場合入つて来るかどうかということは、ただいまわかつておりません。
○門司委員 私は、この五條の規定と、それからこの自治庁の設置法の規定でありますが、この中に字句の使いわけがしてありまして、ちよつとふに落ちないところがあるのでありますが、この自治庁設置法の中の、委員会のメンバーの中には、五人の中の三人は、地方のおのおのの公共団体の行政機関、あるいは議決機関の推薦した者ということがはつきり書いておる。この地方制度調査会の設置法案の中には、「関係者行政機関の職員、」こう書いてあります。従つてこの職員という意味は、一体これは特別職を意味するのか、あるいは行政機関に携わつております者の一般職全部をここに意味するのか、この点をひとつ明確にしておいていただきたいと思います。
○松村説明員 これは、職員であれば個人でもかまわないわけでありまして、両方含まれておるわけでございます。
○門司委員 それからその次の第二項に、「委員の任期は、一年とし、」こう書いてありますが、これを一年にされた理由は一体どこにあるかということであります。私がこういうことを申し上げますのは、この委員会というものは相当重要な委員会でありまして、一年やあるいは半年では、なかなか結論が出るものは少いと思う。大体一年や半年の短かい間で結論が出るというようなものにつきましては、いろいろな問題について法律ができておりますので、この委員会に付託されようとするのは、先ほどからいろいろ話が出ておりまするように、町村の適正規模の問題をどうするとか、あるいは行政機関を根本的に改革して、そうして道州制をどうするとかというような問題がこの中に含まれて来るのでありまして、従つて私はこういう一年というような短かい期間では、十分な審議ができたいと思う。そこで委員の再任を妨げないと書いてはありまするが、一年ということになつて参りますと、だんだん人がかわるということが前提のように書かれてありますので、審査の上に非常に不便ではないか。これがもし一年と書かれたというのが、国会議員であるとか、あるいは地方公共団体から選挙されて出て来た者がそれの資格を失うごとために必然的に委員をやめなければならないというような問題が起つて来て、それを何とか都合よくやつて行くことのために一年というようなことが書かれたとすれば、私は、あまりにも軽率だと思う。この一年と書かれた理由をひとつはつきりお聞かせ願いたいと思います。
○松村説明員 これは、この地方制度調査会の仕事は、ほぼ一年くらいでできるだろう、そういうことを考えましてこういうふうにいたしたのでございます。
○門司委員 私は、地方制度調査会の仕事が一年ぐらいで完成されるであろうというお考えとすれば、これは非常に大きな誤りだと思う。もし今伝えられておりますような日本の地方行政機関をほんとうに改革して行こうとする案だといたしますならば、私は非常にむずかしいと思う。都道府県を廃止するといたしましても、私は單に都道府県というものが機械的に廃止されてはならなし、また事務的に廃止されてもならないと思う。廃止いたしますには、諸般の問題を勘案しなければならない。そこには産業の問題もあるでありましようし、経済の問題も出て来るでしようし、それからむろん立地條件としての地理的関係もあるでしようし、さらにわれわれから言わせまするならば、産業経済というものを中心にしてわけるか、あるいはもう少し大きく考えて参りまするならば、日本で一番重要な問題としての河川行政というものを中心にしてわけるかというようなことが、道州制を施行するにいたしましても、われわれは考えられる。單に神奈川県と静岡県とをくつつければいいじやないかというようなことでは済まされないと思う。日本の将来を考えて参りますとさつきから申し上げておりますように、たとえば電力の開発であるとか、あるいは治山治水のことを考えて参りますと、どうしてもこれは河川行政というようなものが中心になつて、やはり道州制というものがしかれなければならないと思う。それからもう一つの考え方は、府県の廃合が広域行政による考え方のもとにこれを廃止するか、あるいは統計調査、あるいは運輸交通というようなものを中心にして、これをわけるかというようなこと、それからさつき申し上げましたような、産業経済を中心にしてグループ制にするかというようなこと、こういう角度から考えて参りますと、なかなか私は簡単には片づかない、しごく簡単に片づく筋合いのものではないと私は思う。それから出て来る問題であり、さらに適正規模の問題にいたしましても、今日財政その他の関係から、人口七千以上がいいとか、せいぜい一万内外でなければやつて行けないということは、机の上だけでは簡単に出るのでありますが、たとえば市町村におきましても、九州、ことに宮崎県等あるいは鹿児島県、大分というようなところに参りますと、町村の数は非常に少いのであります。従つて県が大きくて町村の数が少いのでありますから、村の区域というものは非常に広いのである。これが関東の方に参りますと、だんだん小さくなつて参りまして、小さな村がたくさんある、数がふえておる。こういうものを適正規模と考えて参りますと、單に人口ということだけでは割切れない、やはり区域的のことも十分考えなければならない。こういうことの資料を集めるだけでも、私は一年やそこらはかかると思う。この問題についてそう簡単に割切れて、当局の言うように、一年くらいでできるなんという考え方では、私は非常に大きな間違いだと思う。もし当局が一年くらいでこれがやれるというお見込がありますならば、具体的にどういうものを当局はお考えになつておるのか、その点をひとつお話し願いたいと思います。
○松村説明員 お話のような場合もあろうかと存じまして、「再任されることを妨げない。」という言葉で表わしておりますように、一年々々で区切つてやれるように残しておいたわけでございます。
○門司委員 私は今それを聞いておるのじやありません。さつきの御答弁では、大体一年くらいでやれるだろうというお考えだといいますから、構想をお伺いしておるわけであります。一年くらいでやれるという構想はどの範囲のことをお考えになつておるか。一年ときめられたということについては、私は必ず構想があると思う。どの範囲で切るから一年で終るのだというような構想が……。何でもいいから一の字を書いたのだから一年になつたのだというような考えではなかろうと思う。その点をもう少しはつきり伺つておきたい。
○松村説明員 この法律案を立法いたしました当時におきましては、まだはつきりしておりませず、今日でも具体的にはきまつておりませんが、大体従来から府県制度というものをどういうふうにしたらいいだろうか、それから地方の財源と申しますか、国と地方との財源の分配の問題をどういうふうに扱つたらいいだろうか、それからこの大都市制度、こういうものをどうしたらいいだろうか、こういうような点を考えておつたのでございます。
○門司委員 私はあまり長くなりますから、これでもうやめますが……。それで今の御答弁でありますが、私は神戸委員会を見て参りましても、なかなかあの委員会が完全なものでもなければ、うまく行つておらない。ことに御承知のように神戸委員会は人数が少いのでありましてまとまつているのですが、この委員会は五十人と書いてあります。五十人の委員を任命しまして、この五十人の委員が集まつてものを協議して行くということになりますと、かなり大規模なものができる。おそらく内容の中には財政あるいは行政というようなふうにわけられているようなことにならなければ、とても五十人もの委員が委員会に集まつて議論するということはとうていできない相談だと思う。それだけ大規模なものである以上は、これを一年で大体完了するようなことに考えておつて、もしそれがいけないからというので予防的措置を講じているからいいというような軽率な考え方であつては私はこれには賛成できない。しかし軽率なものであつてはならないと私は思う。相当私は各方面から検討して行かなければ、この委員会の五十人という委員の構想から申し上げましても、議論は私はまとまらぬと思う。今のような單に大都市制度をどうするのか、あるいは府県のあり方をどうするかということを考えられることは当然でありまして、それのもう少し詳しい内容をひとつ聞いておきませんと、そう簡単に一年くらいで私どもはこれが片づくとはどうしても考えられない。従つてそういう内容がもし詳しく御説明ができれば説明をしていただきたいと思いまするが、説明ができないとすれば五十人という委員をおきめになつた基礎は一体どういう構想であつたかということをこの機会に承つておきたいと思います。
○松村説明員 この第四條にございますように、この調査会の運用は具体的には数部の部会にわけて運用したい。それにはやはり五十名くらいありませんと非常に一部会が数も少くなりますので、そういうようなことから割出しましたのと、従来も地方制度の改革をやりました場合には地方制度調査会というものを設けて過去においてやつたわけであります。その過去の例に徹しまして、こういつた措置をとつたのであります。
○門司委員 私は今の御答弁だけでは、過去の例をとつてと言われますけれども承服はできないのであります。單に五十人とありますけれども、そのほかに臨時委員を二十人任命することができるようになつている。大体の構成は七十人だと思う。これほど大きな組織をもつて、そうして五十人の委員と二十人の臨時の人を委員として任命しなければならないようになつておる。従つて部局は一体それならどのくらいにわけられるのでありますか。所管事項について、たとえば財政あるいは行政もございましようし、あるいは行政の中でもいろいろな事務的なものも、ございましようし、またそうでないものもあると思いますが、大体の構想はどのくらいの部局におわけになる構想であるか。
○松村説明員 これもただいま検討中でございまするが、四部ないし五部程度にわけられるのではなかろうかこういうふうに考えております。
○門司委員 私は今申し上げましたように、大体の構想をお聞きしておりますので、大体どういう種類のもので四部、五部になるのかその点をはつきりしておきたい。
○松村説明員 これも検討中でございますから一案になりますが、一般的な部会、大都市部会、行政部会、財政部会あるいはもう一つ場合によりましては公務員部会、こういつたようなことが考えられております。
○門司委員 これ以上はきようは聞きませんが、そうこういたして参りますと四つないし五つのそうした部門ができて、これを一年の間でやられるということになつて参りますると、これは私どもは今の神戸委員会と同じような結果になりはしないかという懸念がするのであります、決定的なものではないように私どもは考えられるのであります。 それからもう一つ最後にお聞きしておきたいと思いますことは、この調査会で、今の神戸委員会と違つて、単なる諮問機関であるということではなくて、ひとつの内閣の中の機構としてつくられました以上は、この委員会できめましたものは大体これを法律に直して、そうして実行に移して行くということに考えてさしつかえないかどうかということであります。
○松村説明員 これはその具体的な答申案が出た場合によると思いまするけれども、大体において答申案が採用されて行くのではなかろうか、そういうように考えております。
○門司委員 第六條の雑則でありますが、この中に「調査会に関し必要な事項は、政令で定める。」と書いてありますが、「政令で定める。」という範囲は今大体どのくらいのところを予想されておりますか。
○松村説明員 これは一番考えられますことは、ただ委員のことを書きましただけで、ございまして、これを実際に運用して行きますのには事務局と申しますか、幹事と申しますかそういつたいわゆる事務をやります部局のことが考えられると思います。それでそういつた事務的なこと、庶務的なことをどういうふうにやるか、そういうようなことを予想しております。
○門司委員 もう一つこの法律の全体を通じてでありますが、この法律に主として委員会の構成が大体書かれておりまして、そうして委員会の任務といいまするか、権限といいまするか、そういうものが割合に明確になつていないようであります。要するに設置及び所掌事務ということは多少書いてありまして、この中に「地方制度に関する重要事項を調査審議するため、」とこう書いてありますが、そういうことがこの中に入つていないのは、単に第一條の「設置及び所掌事務」ということだけで、十分だというようにお考えになつて、この委員会の具体的にする仕事が書かれておりませんが、それはさつきの御説明の、ここに書いてあります部会というところに大体四部か五部くらいこしらえるというお話でありましたが、これでいいというふうにお考えになつたのかどうか。私どもから言いますると、この委員会というものがどういう仕事をするかということが、この法律の中には実際においては明確になつておりません。ただ漠然として「地方制度に関する重要事項を調査審議するため、」こう書いてあります。従つてこの委員会の本質といいまするか性質というものの具体的の内容は、この法律だけ見たらわからないのであります。これはどういうわけで書かれていないのか、その点を参考のためにお聞かせ願いたいと思います。
○松村説明員 これはこの地方制度調査会というものが独立の機関でもなく、内閣総理大臣の諮問機関で、ございまして、総理大臣の諮問に応じてやるという建前になつておりますので、そういう詳細な規定を置かなかつたのでございます。
○門司委員 そういたしますと、この委員会の調査事項というものは内閣総理大臣から大体出て来る。内閣総理大臣の発案に基いてこれを審議すればいいというように解釈すればいいのでありますか。
○松村説明員 内閣総理大臣の諮問に応ずる機関でありますから、内閣総理大臣の方から提示されるであろうと思います。
○門司委員 わかりました。
○八木委員長 他に御質疑はありませんか。——なければこれにて質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。 午後三時四十分散会