電気通信委員会 第39号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1952/06/18
会議録
○田中委員長 これより開会いたします。 前会に引続き有線電気通信法案及び公衆電気通信法案を一括議題とし、質疑を続けます。高塩三郎君。
○高塩委員 私はまず最初に有線電気通信法案につきまして、総括的事項についてお伺いいたします。この法律がどういうわけで制定されたか、この法律の制定の動機と申しますか、この法律を制定しなければならないところの理由について御説明願います。
○田邊(正)政府委員 お答え申し上げます。有線電気通信に関することは、現在電信法によつて規律されておるわけでありますが、電信法におきましては、電信法の第二條で、電気通信省以外の電気通信設備につきまして、これを設置する場合を定めております。この場合はきわめて限定されておりまして、現在電気通信の利便を享受したいという要望に対しまして、十分こたえることができない情勢にございます。従いまして現在でも電信法の第二條を改正いたしまして、電気通信省以外のものが、有線電気通信設備をもつと広い幅において施設することができるというようにいたすことが、今日の現状に沿うゆえんだろうと考えるのであります。それが第一点でございます。 第二点といたしましては、現在の電信法の規定を受けまして、有線電気通信につきまして、有線電気通信設備を設置いたします場合のいろいろな條件、あるいは技術的な設計という点について規定はいたしておりますけれども、まだ現在の規定程度では不十分でございまして、有線電気通信設備相互における妨害とかいうような事実を、法規をもつてはつきり排除できるように形を整えなければならないという点であります。それが第二点であります。 なお第三点といたしましては、先般御審議を願いましたように電気通信事業のうち、国内の業務は公社に行わせる、国際電気通信業務につきましては会社に行わせるという法案をつくつたわけでございますが、現在の電信法は、電気通信省が電気通信業務を取扱いますところの方法と、それから電気通信省以外の有線電気通信設備につきまして、その設置の條件を定めておる、いわば監督的な規定と両方あるわけでございます。今度の公社並びに会社の設立に伴いまして、この監督に関する規定と業務に関する規定をわけた方が適当であろうと考えます。これは電波法がちようど電波に関しまする根本法でございましてその事業形態としての放送につきまして放送法があるのと同じように、電気通信につきましても、有線電気通信の規律の根本を定めます有線電気通信法というものと、それからそのうちで公社かあるいは会社が行います業務を規律するものとわけることが適切である、かように考えるのであります。大体以上三点の理由によりまして有線電気通信法案を制定することにいたした次第でございます。
○高塩委員 そこでこの公社は、公衆電気通信業務を独占的に経営するというのでありまするが、国際電信電話株式会社との関係について御所見を伺いたいと思います。
○田邊(正)政府委員 お尋ねの点につきましては、先般御審議願いました日本電信電話公社法案と国際電信電話株式会社法案におきまして、それぞれ両者の関係を規定いたしておる。すなわち公社法の施行法案におきまして、電信法の第一條を改正いたしまして、公衆電気通信事業は日本電信電話公社に行わせるというふうに規定いたしました。次に会社法案の附則におきまして、公社法施行法案で改正いたしました電信法の当該條件をさらに改正いたしまして国際電気通信業務については主務大臣が国際電信電話株式会社をしてこれを行わしめ得るというふうに規定いたしておる次第であります。
○高塩委員 なお公社が公衆電気通信業務を独占的に経営するという、その法的根拠について御説明願いたいと思います。
○田邊(正)政府委員 有線電気通信法案の十條に「有線電気通信設備を設置した者(公社を除く。)は、業としてその設備を用いて他人の通信を媒介し、その他その設備を他人の通信の用に供してはならない。」ということを規定いたしました。この趣旨は、公社以外のものは公衆電気通信業務を営んではならないということを規定いたしたのでありまして、こういう規定から、公衆電気通信業務につきましては公社が独占的に経営するということに相なろうと思います。なお第十條には但書がございまして、若干の場合につきましては、公衆電気通信業務を公社以外のものが行うことができるということになつておりますが、これはそれぞれきわめて限定された場合でありまして、公社の独占というもののごく一部を、特殊な場合に特殊な事業者に限り認めているということにいたしております。
○高塩委員 次に公衆電気通信業務の独占範囲は、電信法とこの法律では差異があるかどうか、その点について御所見を伺います。
○田邊(正)政府委員 ただいまのお尋ねは、現在の電信法に定められております独占の範囲と有線電気通信法案に規定している独占の範囲とは、どういう差異があるかということでございますが、先ほど申し上げましたように、現在の電信法は制定されてからもう非常に長い年月がたつているわけでありまして、その間に一ぺんも改正をされなかつたわけであります。またその規定の仕方もきわめて簡單でございまして、今日の法律がきわめて詳細にこまかい事項まで規定しておるのと違いまして、割合に大ざつばな規定であります。従つて現在の電信法におきまして、一体公衆電気通信業務はどういうものであるかということをきめますことは、いろいろと解釈の問題になるわけでございますが、そういう点につきましては、今度有線電気通信法案におきましてはつきりさせまして、公衆電気通信業務とは何であるかを、公衆電気通信法案の第十二條に定義したわけでございます。そういうふうに公衆電気通信法案で公衆電気通信業務を定義いたしまして、原則的に公社の独占であるが、ただ有線電気通信法案第十條に規定する場合は、この例外であるというふうにはつきりいたしたわけであります。第十條の中で現在の電信法とかわりました第一点は、現在の電信法の第二條におきまして、私設有線電気通信設備を設置し得る場合を限定しているわけであります。従いまして実際公衆電気通信業務はしてはならないことになつておるわけでありますけれども、今度の法案におきましてはそれを若干緩和して、すなわちこれは都会から相当離れたいなかでありますが、そこに公社の方でその地域について電信電話のサービスを当分行うことができないというふうな場合におきましては、これは許可事項になつておりまするが、郵政大臣の許可を受けまして、そういう地域において電信電話の設備をすることができることにいたしました。その場合に、これはその設備を公衆電気通信業務に使つてもよろしいということにいたしたわけでございます。これは独占の幅につきまして、現在の電信法とかわつて参りました非常な大きい点でございます。そのほか現在警察法とか、あるいは消防組織法とか、水防法とか、あるいは郵便物通途委託法とかということによりまして、自分の設備を他人に使わせてもいいということになつておるのでございますが、その点は現在と同様でございます。ただはつきりここに規定いたしたわけでございます。 それから次は有線放送業務についてでございますが、御承知のように有線放送業務につきましては、その業務を行います場合に、電波監理委員会に届け出なければならないことになつておるわけであります。それでこの法律におきましても、設備の関係から有線放送設備につきまして、届出を求めておるわけでありますが、この有線放送業務につきましては、これを他人の使用に供することもさしつかえないということをはつきりいたしたわけでございます。もつともこの点につきましては、現在の電信法並びにそれに伴いまするところの規則が不備でございまして有線放送業務について、これは放送の内容については別でありまするけれども、その有線放送設備を運用して参る点につきまして非常に不明確でございましたが、その点をここではつきりいたしまして、今申し上げましたように有線放送設備は、他人に使わしてもよろしいということにはつきりいたしたわけでございます。現在の電信法にきめておりました独占の範囲と、それから有線通信法にきめました独占の範囲は、大体以上申し上げた通りであります。
○高塩委員 この法律の実施によつて社会的にと申しますか、経済的にどういう影響があるか、この法律の実施による社会的、経済的に及ぼす影響についての御所見を伺いたい。
○田邊(正)政府委員 先ほど申し上げましたように現在の電信法は、電気通信省以外のものが設置できる有線電気通信設備につきまして、相当の制限を加えておるわけでございます。今度の法案におきましては、その制限を大幅に緩和いたしました。従つて今日まで電気通信省のサービスは受けられないが、さればといつて、自分でできるかというとできない。そういう不便が除かれることになるのでありまして、従つてわが国の経済、あるいは社会的ないろいろな関係におきまして、よい影響をもたらすであろうということを確信しておるわけであります。なおこういうふうに大幅に有線電気通信設備の設置の範囲を広げましたけれども、公社に対する影響といたしましては、先ほど申し上げましたように、公社以外の設備を他人に使用させることができる場合は限定いたしてございますので、公社の事業に対する悪い影響はないと考えておるわけであります。
○高塩委員 次にお伺いいたしますのは、先ほど御説明になつたようでございますが、さらにお伺いいたしますが、業務規定と監督規定とが一つの法律に混在しておる。このわけは理由について御説明があつたようでありますが、それではこの二つの法律が一つになつておつてどのような欠点があるか、どうして悪いのかという点についてお伺いいたしたい。
○田邊(正)政府委員 この問題は絶対に監督規定と業務規定とを一緒に出すことができないというふうにわれわれは考えているわけではございません。これはむしろ私どもといたしましては、便宜の問題でございまして、先ほどの説明にも適当という言葉を使つたわけでございますが、二つのまつたく性格を異にいたしまするこの法律は、やはり別の体系にした方が一般の理解も得やすいし、その他の面におきましても便利であろう、これは結局利便の比較考量と申しますか、黒白と申すのではございませんで、この方が便利である、公衆の理解も得やすい、また法律の体系としてもはつきりするというような建前でございます。
○高塩委員 次にこの法律の実施によつて、通信機械工業にどういう影響を及ぼすか、その点についてお伺いいたしたい。
○田邊(正)政府委員 有線電気通信法案の実施によつて、機械工業方面にいかなる影響を及ぼすかという御質問でございますが、この点につきましては先ほど申し上げましたように、現在の電信法に定められております有線設備に対する制限を大幅に緩和いたしたのであります。従つてこの有線電気通信法案に規定しております場合におきましては、有線電気通信設備を設置することになります。従つて国全体として考えますと、有線電気通信設備の全体の量というものが、今の電信法をそのまま適用して参ります場合に比べまして、大きくなるであろうという見込みでございます。しかしこれはわれわれの理想でございまして、やはり有線電気通信設備を自分でつくります場合におきましても、ある程度の経費は必要とするわけでございます。これがむやみにたくさん出て参るというようなことは予想しませんけれども、少くとも今日以上に有線電気通信設備を設置することが容易になる、そういう面から従つて有線電気通信設備全体、公社、会社、私の設備、そういうものを合せました有線電気通信設備というものは総体的にふえる。従つてその設備を構成するに必要な機械あるいは器具というようなものはふえて参る、それが機械工業に対する影響であろうと考えるわけであります。
○高塩委員 次にこの法律では警察通信について制限がないのでありますか、警察用電気通信設備の電気通信省移管の関係はどんなふうになつているのか、詳しく御説明願いたい。
○吉澤説明員 お答え申します。今御指摘の点は有線電気通信法案第三條第三項第三号に警察事務、消防事務その他のいろいろな政令で定める業務ということがあるのでありますが、警察事務というものはどの範囲のものであるか、こういうことでは不明確ではないかという御質問のように伺いましたか、これにつきましては警察法、あるいは消防でございましたら消防組織法、その他列記の事務もしくは業務につきまして、それぞれの法律がございまして、その法律におきましての事務もしくは業務というものは限定されております。従いましてたとえば警察事務の中に防犯協会、あるいは消防の事務の中に隣組があり、それが自発的に消防組織をつくる、こういうものは一切含まれておりません。この点につきましては表現を十分検討いたしまして、ただいま申しました法律以外の事務もしくは業務を含むものではないという見解のもとに立法いたしております。
○田邊(正)政府委員 ただいまの説明をちよつと補足いたします。ただいまのお尋ねの中には、現在警察の電気通信施設について閣議決定があり、その閣議決定と、この法案に規定する警察関係の設備はどういう関係であるかというお尋ねもございましたので、その点についてお答えいたします。御案内のように警察用の通信につきましては閣議決定がございまして、それは警察の通信網は電気通信省においてできるだけ設置し、そうして警察通信の用に供するということになつておるわけであります。そういう内容の閣議決定と、それからこの有線電気通信法案の関係でございますが、私どもはその閣議決定はなおそのままでございまして、従つてその閣議決定の内容から漏れた線、言いかえますと、電気通信省でもつて施設することのできぬ警察通信の幅におきましては、警察はこの有線電気通信法によつて施設ができるというふうに考えております。現在警察通信の電気通信省に対する要望につきましては、当省としてもできるだけ警察の要望に沿いますように施設を提供いたしておるわけでありますが、全体の予算のわくに縛られまして、警察の通信の要望のすべてを満たすことが現在できない状態であります。従つてそういうふうに電気通信省で満たすことができない警察通信の幅につきましては、警察はこの法律によつて施設をして行くことになるというふうに考えておる次第でございます。
○高塩委員 なおこの法律は電波法と対比される監督規定でございますが、その監督上の相違点はどの点か、御意見を承りたい。
○田邊(正)政府委員 まず監督の点でございますが、広い意味で申しますと、一体有線電気通信設備あるいは無線局というものをどの程度に設置ができるかということも関連することになると思いますので、まずその点から申し上げてみたいと思います。 電波法におきましては、無線局の設備はすべて免許でございまして、ただ非常に特殊なものにつきましては、これはたしか届出でよろしいということになつておるわけであります。ところが有線電気通信法におきましては、原則として設置は自由である。ただ特殊なものについては、たとえば二人以上で共同して設置します場合とかいうふうな、ごく限定された場合だけに許可を要するということにいたしておるわけであります。それが設置につきまし、ての大きい差異であります。 次に監督の具体的内容でございますが、監督の具体的内容につきましては、設備の検査というようなことは電波法も同様でございます。それから妨害の防止ということがございますが、これは有線電気通信設備がほかの有線設備に妨害を与えます場合に、郵政大臣がそれに対して妨害を防止するために、必要な措置を命ずることができるということでありますが、これは同じような性質の規定が電波法にございます。 それから許可の問題でございますが先ほど申し上げましたように、有線電気通信法案におきましては、許可を必要とする場合はきわめて少いのでありますが、電波法におきましては相当あります。それで許可の取消しの場合でございますが、これは有線電気通信法案におきましては、第十四條で許可の取消しをいたしております。これは電波法にも同じような趣旨の規定が出ております。 次はその監督につきましての異議の申立てでございますが、この点につきましては、不当あるいは不法な行政処分に対する救済の規定は、電波法に定めておりますものよりも、有線電気通信法案の方がはるかに簡単でございます。むろん聴聞の規定もございますけれども、この聴聞の規定も電波法に比べましてきわめて簡單にいたしております。 次に設備を行います場合の技術基準の問題でございますが、これは有線電気通信法案におきましては、第十一條で技術基準を政令で定めることになつております。この点につきましてはやはり電波法にもそれと同じような條項がございます。大体以上でございます。
○高塩委員 さらにお伺いいたしますが、この法律は電気通信行政統一のために、有線と無線とを一本にした法律とすべきではないかと思うのでありますが、これを二つにせねばならぬということについてお伺いいたします。
○田邊(正)政府委員 現在の電波法が、非常に慎重な審議のものに制定されまして、現在生きておりまして、それが無線に関する根本法となつておることは申し上げるまでもないことかと考えますが、この有線と無線につきましては、監督の粗密という点から申しまして、あるいは設置をどの程度に認めるかというふうな問題につきましては、やはり有線と無線との違いから相当の差異が生ずるものと考えるわけであります。電波におきましては、電波の拡散性と申しますか、そういう点から相当慎重に取扱わなければならない。有線におきましてはそういう点がございませんので、割合にその規定がゆるやかであつてもよろしいというような点もあるわけでございます。従つてそういうことを考えますと、この際有線と無線とを一緒にいたしまして、統一的なものをつくるという必要はあまりないのではないかというふうに考えるわけであります。ただ公衆電気通信につきましては、これは有線と無線を通じました一つの規定にいたしませんといけないわけでございまして、公衆電気通信につきましてはサービス関係でございますので、有線におきます場合も、無線におきます場合も、すべて統一的な一つの基準によつてこれを規定する必要があるので、一緒にいたしましたが、設備の点につきましては、ただいま申し上げましたように、有線の設備と無線の設備というものに相当の違いがございますので、それを必ずしも一つの法律につくらなければならないということはないと考えるわけであります。なお現在までに電波法がございますので、それに合せるということになりますと、立法技術上またいろいろの問題が出て参りますので、そういう点も考えまして、有線通信法案だけ有線設備について規律するということにいたしたわけでございます。
○高塩委員 次に私設の有線電気通信設備の現状がどうなつているか、伺いたい。
○吉澤説明員 ただいまの私設有線設備の状況はどうかという御質問に対しまして、二十七年一月一日現在の調査を申し上げます。鉄道、軌道が総数における約四十五、六パーセントを占めております。もつともこれは電話機数によつてこのパーセンテージを見ております。その他電気事業のためのものがその次にございます。なお鉱業関係につきましては、今回の有線電気通信法によつて、従来の鉱業特設電話が私設電気通信になるわけでありますが、これが約三万ほどございます。そのほか水防、水利、運河、気象観測、一構内、一邸宅というものがありまして、電話機の総数において二十四万三千程度あるその中で、一つ今回の有線電気通信法においてはつきり規律対象にいたしました有線放送が六万七千五百程度を持つております。大体以上のような設備状況でございます。
○高塩委員 もう一点お聞きしますが、外国における有線電気通信設備に対する規律の状況はどういうふうになつているか、お伺いいたします。
○吉澤説明員 各国の例を詳しくは存じませんが、ただいままで手元にある外国の法令によつて調べた結果は、次に申すようなところでございます。ベルギーは私設有線設備につきましては許可をいたしております。但し許可を要しない、自由に設置できるとうのは、一私有地内設備あるいは鉄道、軌道、送電その他の公共事業用設備、あるいは府県または市町村用の設備等でありまして、その他につきましては許可制度をとつております。スイスにおきましても同じく許可制度をとりまして、許可を要しない事業といたしては構内の設備、鉄道事業用設備、官庁用及び軍用設備というようなものであります。フランスにおきましても大体許可制度をとり、自由に許しているというのはアメリカ及びスエーデンということになつております。大体以上であります。
○高塩委員 以上で総括的の質問は終りまして、なお逐條の項目についてお伺いいたしたいと思いますが、本会議が開会されております関係上、私の質問は一応これで打切つておきます。
○田中委員長 本日はこの程度にとどめます。次会は明十九日午前十時より両法案について参考人より意見を聴取することになつております。 これにて散会いたします。 午後二時五十四分散会